WO2022003748A1 - 流動床式処理炉 - Google Patents
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Abstract
流動床式処理炉(10)は、一次燃焼室(11)と、二次燃焼室(13)と、炉内圧安定化室(12)と、を備える。一次燃焼室(11)は、一次燃焼領域を有する。一次燃焼領域は、流動媒体に流動用気体を供給して当該流動媒体を流動させた状態で廃棄物を一次燃焼させるための領域である。二次燃焼室(13)は、二次燃焼領域を有する。二次燃焼領域は、一次燃焼で発生した未燃焼ガスを含む一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼を行うための領域である。炉内圧安定化室(12)は、一次燃焼室(11)に接続された空間であり、一次燃焼及び二次燃焼が生じておらず、一次燃焼室(11)と二次燃焼室(13)を接続するために必要な容積と比較して大きい容積を有しており、炉内の気体の圧力を安定化させる。
Description
本発明は、主として、流動媒体を用いて廃棄物を処理する流動床式処理炉に関する。
流動床式処理炉では、珪砂等の流動媒体に流動用気体が供給されることで流動媒体が流動する。廃棄物は、流動床の上方から炉内に供給される。廃棄物は、流動床まで自然落下して、流動床内に取り込まれる。これにより、流動状態の流動媒体と廃棄物が接触し、更に流動床内を上昇する流動用気体と廃棄物が接触する。その結果、廃棄物は短時間で加温されて、例えば乾燥、熱分解、及び燃焼等の熱処理が進行する。
流動床式処理炉に供給される廃棄物の性状は一定ではなく、例えば廃棄物の収集場所又は季節等に応じて変化する。また、流動床式処理炉に供給される廃棄物の供給量についても一定ではなく、例えば廃棄物の塊がまとめて落下して供給量が一時的に増大することもある。
流動床式処理炉に供給される廃棄物の性状及び供給量等が変化すると、以下の事象が生じることにより、流動床から放出される混合気体の量が大幅に増加することがある。なお、混合気体は、例えば、流動用気体と、廃棄物の熱分解で発生した熱分解ガスと、流動床での一次燃焼で発生した一次燃焼ガス(未燃ガスを含む)と、を含む。廃棄物の性状及び供給量等の変化により、流動床のある箇所で混合気体(特に熱分解ガス又は一次燃焼ガス)が局所的に急増することがある。これにより、当該箇所での混合気体の発生量が増加するため、当該箇所での流動状態が他の箇所と比較して激しくなる。その結果、当該箇所で発生する混合気体(特に熱分解ガス又は一次燃焼ガス)の発生量が更に多くなり、流動床全体での発生量の平均値を上回る。
以上により、混合気体の発生量がいったん増加した場合は、混合気体の増加の原因となる事象が存在する間は、混合気体の発生量が増加し続ける。その結果、炉内圧が大幅に大きくなり、後段の二次燃焼室で適切な二次燃焼が行われなくなり、二次燃焼室の下流側に未燃焼ガスが多く供給されてしまう。
なお、混合気体の量が増加し続ける反応は即座に進行するため、混合気体は非常に短い時間で急激に増加する。そのため、混合気体の流路に配置された調整ダンパ及び混合気体を誘引する送風機等を調整する制御では、混合気体の急激な増加に対応できない。
ここで、特許文献1には、流動床式の焼却炉に流動用空気を供給する流動用空気ラインにバイパスライン及びダンパを設けた構成が開示されている。バイパスラインを通過した流動用空気は、焼却炉の上部に吹き込まれる。バイパスラインを通過する流動用空気の割合はダンパによって調整可能である。この構成により、流動床に供給される流動用空気が多くなり過ぎないように制御を行うことができる。その結果、流動化が緩慢になるので炉内圧力の上昇を抑えることができる。また、特許文献1には、流動空気量の減少に伴う流動不良を防止するために、バイパスラインを通過する流動用空気の割合を制限する処理も開示されている。
特許文献1の方法では、バイパスラインを通過する流動用空気の割合に制限があるので、バイパスラインを通過する流動用空気をあまり多くすることができない。そのため、特許文献1の方法では、流動空気量を減少させて流動状態を緩慢にする効果は非常に限定的となる。また、上述したように混合気体は非常に短い時間で急激に増加するため、バイパスラインのダンパの制御が間に合わずに、混合気体の急激な増加に対応できない可能性がある。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、流動床から放出される混合気体が急激に増加した場合であっても、炉内圧を安定化させることが可能な流動床式処理炉を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の流動床式処理炉が提供される。即ち、流動床式処理炉は、一次燃焼室と、二次燃焼室と、炉内圧安定化室と、を備える。前記一次燃焼室は、一次燃焼領域を有する。一次燃焼領域は、流動媒体に流動用気体を供給して当該流動媒体を流動させた状態で廃棄物を一次燃焼させるための領域である。前記二次燃焼室は、二次燃焼領域を有する。二次燃焼領域は、前記一次燃焼で発生した未燃焼ガスを含む一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼を行うための領域である。前記炉内圧安定化室は、前記一次燃焼室に接続された空間である。前記炉内安定化室では、前記一次燃焼及び前記二次燃焼が生じていない。前記炉内安定化室は、前記一次燃焼室と前記二次燃焼室を接続するために必要な容積と比較して大きい容積を有しており、炉内の気体の圧力を安定化させる。
これにより、流動床から放出される混合気体が急激に増加した場合であっても、混合気体がすぐに炉内圧安定化室に拡散するため、炉内圧の上昇を抑制できる。従って、炉内圧を安定化させることができる。
本発明によれば、流動床式処理炉の流動床から放出される混合気体が急激に増加した場合であっても、炉内圧を安定化させることができる。
<処理設備の概略な構成>初めに、図1を参照して、本実施形態の流動床式処理炉10を含む焼却施設100の構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態の流動床式処理炉10を含む焼却施設100の概略構成図である。なお、以下の説明において「上流」及び「下流」とは、処理対象物、燃焼ガス、排ガス、流動用気体等が流れる方向の上流及び下流を意味する。
焼却施設100は、固体の廃棄物に対して、乾燥、熱分解、及び燃焼等の熱処理を行うとともに、当該熱処理で生じた排ガスを処理して外部に排出する。図1に示すように、焼却施設100は、流動床式処理炉10と、ガス冷却設備21と、ガス浄化設備22と、誘引送風機23と、第1送風機31と、第2送風機32と、を備える。
流動床式処理炉10には廃棄物が投入され、上述の熱処理が行われる。流動床式処理炉10の詳細については後述する。
流動床式処理炉10で発生した排ガス(燃焼ガス)は誘引送風機23によって吸引されている。流動床式処理炉10で発生した排ガスは、初めにガス冷却設備21に供給される。ガス冷却設備21には、冷却水を噴射する噴射装置が設けられている。この構成により、ガス冷却設備21に供給された排ガスを冷却することができる。冷却後の排ガスはガス浄化設備22へ供給される。
ガス浄化設備22には、例えば有害物質の濃度を低減する薬剤を供給する供給装置及び灰を捕集するフィルタ等が設けられている。この構成により、ガス浄化設備22に供給された排ガスを浄化することができる。また、ガス浄化設備22によって浄化された排ガスは、煙突等を介して外部へ排出される。
なお、本実施形態の焼却施設100は一例であり、異なる構成であってもよい。例えば、排ガスの熱を回収する熱回収設備が設けられていてもよい。熱回収設備は、排ガスの熱を蒸気に変換するボイラであってもよいし、排ガスの熱を温水に変換する温水発生器であってもよい。
<流動床式処理炉10の構成>次に、流動床式処理炉10について詳細に説明する。図1に示すように、流動床式処理炉10は、一次燃焼室11と、炉内圧安定化室12と、二次燃焼室13と、を備える。
一次燃焼室11の下部の領域には、珪砂等の流動媒体が堆積している。また、一次燃焼室11の下部には流動用空気が供給されている。流動用空気は、第1送風機31を用いて吸引された外気を、一次燃焼室11に向けて送出したものである。流動用空気は、流動媒体の下方から上向きに供給される。これにより、流動媒体が流動して流動床が形成される。また、流動用空気は、一次燃焼を生じさせるための酸素源(一次空気)としての機能も有している。
一次燃焼室11には図略の投入口が設けられている。投入口は流動床の上面よりも高い位置に設けられている。廃棄物は、投入口を介して、流動床の上方に供給される。廃棄物は、流動床まで自然落下して、流動床内に取り込まれる。流動媒体は激しく流動しているため、流動媒体と廃棄物の接触による廃棄物の加温が促進され、廃棄物の熱処理が進行する。
一次燃焼室11では、廃棄物の熱処理として、乾燥、熱分解、及び一次燃焼が生じる。乾燥とは、廃棄物に含まれる水分が蒸発することである。熱分解とは、廃棄物が熱分解して組成が変化し、熱分解ガスが発生することである。一次燃焼とは、熱分解ガス又は廃棄物等と、流動用空気に含まれる酸素と、により燃焼反応(例えば火炎の形成)が生じることである。一次燃焼が生じることによって発生する気体を一次燃焼ガスと称する。また、一次燃焼ガスには炭化水素又は一酸化炭素等の未燃焼ガスが含まれている。この未燃焼ガスは、後述の二次燃焼で燃焼される。また、流動床からは、流動用気体、熱分解ガス、及び一次燃焼ガス等を混合した気体(以下、混合気体)が放出される。
また、本実施形態では、廃棄物の乾燥、熱分解、及び一次燃焼が(十分に)生じている領域を「一次燃焼領域」と称する。つまり、一次燃焼領域で生じる主要な処理は、廃棄物の乾燥、熱分解、及び一次燃焼である。従って、一次燃焼室11は、一次燃焼領域を含んでいる。詳細には、一次燃焼室11の一部(具体的には上部を除いた領域)が一次燃焼領域に相当する。
一次燃焼室11で発生した混合気体は、炉内圧安定化室12を経由して、二次燃焼室13に供給される。なお、炉内圧安定化室12の詳細については後述する。二次燃焼室13には、混合気体に加え、二次燃焼用空気が供給される。二次燃焼用空気は、第2送風機32を用いて吸引された外気を、二次燃焼室13に向けて送出したものである。二次燃焼室13では、二次燃焼が生じる。二次燃焼とは、一次燃焼ガスに含まれる未燃焼ガスと、二次燃焼用空気に含まれる酸素と、により燃焼反応(例えば火炎が形成しない燃焼)が生じることである。一次燃焼及び二次燃焼で発生した排ガスは上述のガス冷却設備21に供給される。
また、本実施形態では、二次燃焼が(十分に)生じている領域を「二次燃焼領域」と称する。つまり、二次燃焼領域で生じる主要な処理は、二次燃焼である。従って、二次燃焼室13は、二次燃焼領域を含んでいる。詳細には、二次燃焼室13の一部(二次燃焼が実質的に完了した箇所よりも上流側の領域)が二次燃焼領域に相当する。また、本実施形態では二次燃焼用空気は二次燃焼室13に供給されるが、二次燃焼に用いられるのであれば別の箇所(例えば一次燃焼室11又は炉内圧安定化室12)に二次燃焼用空気が供給されてもよい。
また、廃棄物が燃焼することで生成する灰又は残留物は、一次燃焼室11の下部から排出される。あるいは、二次燃焼室13で灰等の溶融を行って溶融スラグを生成し、この溶融スラグを二次燃焼室13から排出してもよい。
ここで、背景技術の欄において説明したように、一次燃焼室11での混合気体の発生量がいったん増加した場合は、しばらくの間は混合気体の発生量が増加し続ける。その結果、炉内圧が大幅に大きくなり、後段の二次燃焼室で適切な二次燃焼が生じなくなり、二次燃焼室の下流側に未燃焼ガスが多く供給されてしまう。
<炉内圧安定化室12の機能>炉内圧安定化室12は、炉内圧が大幅に大きくなることを抑制して、炉内圧を安定させるために設けられている。以下、炉内圧安定化室12について詳細に説明する。
炉内圧安定化室12は、一次燃焼室11に接続されている。詳細には、混合気体の流れ方向において、一次燃焼室11(即ち、一次燃焼領域、以下同じ)の下流側に炉内圧安定化室12が位置している。更に言えば、混合気体の流れ方向において、二次燃焼室13(即ち、二次燃焼領域、以下同じ)の上流側に炉内圧安定化室12が位置している。つまり、一次燃焼室11と二次燃焼室13を接続する領域を接続領域と称したときに、炉内圧安定化室12は接続領域の一部を構成している。なお、炉内圧安定化室12は、一次燃焼室11に接続されていれば、異なる位置に形成されていてもよい(詳細は第2実施形態を参照)。
また、炉内圧安定化室12は一次燃焼が殆ど(実質的に)完了した部分に接続されており、かつ、炉内圧安定化室12は二次燃焼が開始する前の部分に接続されている。従って、炉内圧安定化室12では一次燃焼及び二次燃焼等の燃焼反応は殆ど生じていない。厳密には炉内圧安定化室12で僅かに燃焼反応が生じている可能性はあるが、一次燃焼室11又は二次燃焼室13と比較すると燃焼の進行度合は殆ど(実質的に)ゼロに等しい。従って、以下では「炉内圧安定化室12で燃焼反応が生じていない」と表現する。
炉内圧安定化室12は一次燃焼室11で発生した混合気体を一時的に貯留することができる。つまり、炉内圧安定化室12は一種のバッファとして機能する。具体的には、一次燃焼室11で局所的に発生した混合気体はすぐに拡散して広がる。仮に炉内圧安定化室12が存在しない場合は、混合気体が拡散できる体積が小さいため、炉内圧が上昇し易い。これに対し、炉内圧安定化室12が存在することで、混合気体が拡散できる体積が大きいため、炉内圧の上昇を抑えることができる。
また、混合気体の発生量が増加し続ける反応は即座に進行するため、混合気体は非常に短い時間で急激に増加する。そのため、例えば炉内圧の高さに応じて誘引送風機23の出力を変化させる制御では、混合気体の急激な増加に対応できない。この点、炉内圧安定化室12は常に一次燃焼室11に接続されており、制御自体が不要であるため、混合気体の急激な増加にも対応可能である。
なお、炉内圧の上昇を十分に抑制するためには、炉内圧安定化室12の容積がある程度大きいことが必要となる。従って、炉内圧安定化室12は、「一次燃焼室11と二次燃焼室13を接続するために必要な容積」よりも大きな容積を有している。「一次燃焼室11と二次燃焼室13を接続するために必要な容積」とは、一次燃焼室11と二次燃焼室13の位置関係、それぞれの大きさ、適切な一次燃焼及び二次燃焼を生じさせるための一次燃焼室11と二次燃焼室13の距離等を考慮して総合的に算出される。例えば、既存の流動床式処理炉をベースにして、炉内圧安定化室12を有する新たな流動床式処理炉を設計する状況において、ベースとした流動床式処理炉の接続領域の容積が「一次燃焼室と二次燃焼室を接続するために必要な容積」となる。従って、例えばベースとした流動床式処理炉の接続領域よりも大きい領域を有する新たな流動床式処理炉を製造した場合、その領域が炉内圧安定化室12に相当することになる。
また、例えば、接続領域が管状である場合、接続領域の一部の流路断面積を他よりも大きくすることで炉内圧安定化室12を構成してもよい。あるいは、接続領域のガス流れ方向の長さを、通常の接続領域よりも長くすることで、炉内圧安定化室12を構成してもよい。
<第2実施形態>次に、図2を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態の説明においては、第1実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第1実施形態と第2実施形態は、炉内圧安定化室12の位置が異なる。具体的には、第1実施形態では一次燃焼室11の下流側に炉内圧安定化室12が位置している。これに対し、第2実施形態では、一次燃焼室11の上流でも下流でもない並列となる位置に炉内圧安定化室12が位置している。
第2実施形態において、炉内圧安定化室12は、一次燃焼室11の中央よりも上側の部分に接続されている。一次燃焼室11の中央よりも上側の部分は、一次燃焼が殆ど又は全く生じていないため、つまり、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、炉内圧安定化室12では一次燃焼及び二次燃焼は生じない。また、第1実施形態と第2実施形態では、炉内圧安定化室12を設けることで発揮される効果は同じである。
なお、第2実施形態においても、炉内圧安定化室12は、「一次燃焼室11と二次燃焼室13を接続するために必要な容積」よりも大きな容積を有している。また、第2実施形態では接続領域と炉内圧安定化室12が重なっていない。そのため、第2実施形態の炉内圧安定化室12は、「一次燃焼室11と二次燃焼室13を接続する接続領域の容積」よりも大きな容積を有している。
このように、どのような形であれ炉内圧安定化室12が設けられることで、炉内圧を安定化させるという効果を発揮できる。更に言えば、既存の流動床式処理炉をベースにして新たな流動床式処理炉を設計する状況において、ベースとした流動床式処理炉の接続領域を大きくした場合、この大きくした部分が炉内圧安定化室12に相当することになる。
<炉内圧安定化室12の具体的な容積>次に、図3を参照して、炉内圧を十分に安定化させることが可能な炉内圧安定化室12の容積について説明する。図3には、第2実施形態の炉内圧安定化室12が記載されているが、第1実施形態の炉内圧安定化室12でも同じ計算方法を適用できる。
炉内圧安定化室12の容量を大きくすればするほど、炉内圧が変化しにくくなるので、炉内圧を安定化させることができる。しかし、炉内圧安定化室12の容量が大きくなるに連れて、流動床式処理炉10のスペースが増大したり、熱損失が大きくなったりする。従って、炉内圧安定化室12は、必要十分な容積であることが好ましい。
上述したように、混合気体の発生量が急激に増大する原因は、一次燃焼室11に供給される廃棄物の性状及び供給量の変化である。更に詳細には、特に流動床式処理炉10では、単位時間あたりに供給される廃棄物に含まれる水分量が増大するほど、混合気体の発生量が増大する。この点は、出願人が行ったシミュレーション等によっても実証されている。
従って、単位時間あたりに供給される廃棄物に含まれる水分量を推測することで、混合気体の発生量の増大の程度を見積もることができる。混合気体の発生量の増大の程度を見積もることができれば、炉内圧を安定化させるために必要な炉内圧安定化室12の容積を特定できる。
具体的には、図3に示す式(1)及び式(2)を用いて、炉内圧安定化室12の望ましい容積を算出できる。式(1)及び式(2)に記載の値は以下のとおりである。
C(%):一次燃焼室11に投入される時点の廃棄物に含まれる水分割合の変動の大きさの推定値
例えば、現在供給されている廃棄物の水分割合が10%~60%の範囲にある場合は、10%と60%の差である50がCとなる。
D(kg):一次燃焼室11に投入される時点の廃棄物1つあたりの質量の最大値の推測値
廃棄物1つあたりの質量は当然バラツキがあるがそのうちの最大値がDである。また、1つの廃棄物とは、一次燃焼室11に供給される際に一体的に供給される廃棄物の塊である。
E(m3N/h):定常状態において一次燃焼領域から放出される混合気体の標準状態での流量(ノルマル流量)
定常状態とは、混合気体が増大し続ける等の異常が発生していない状態のことである。
F(m3):一次燃焼領域の容積
α:係数
β(m3):炉内圧安定化室12の容積
なお、C及びDは、流動床式処理炉10に供給される廃棄物の傾向等を示すデータから推測される。また、Eは、シミュレーション又は実験等によって算出される。
C(%):一次燃焼室11に投入される時点の廃棄物に含まれる水分割合の変動の大きさの推定値
例えば、現在供給されている廃棄物の水分割合が10%~60%の範囲にある場合は、10%と60%の差である50がCとなる。
D(kg):一次燃焼室11に投入される時点の廃棄物1つあたりの質量の最大値の推測値
廃棄物1つあたりの質量は当然バラツキがあるがそのうちの最大値がDである。また、1つの廃棄物とは、一次燃焼室11に供給される際に一体的に供給される廃棄物の塊である。
E(m3N/h):定常状態において一次燃焼領域から放出される混合気体の標準状態での流量(ノルマル流量)
定常状態とは、混合気体が増大し続ける等の異常が発生していない状態のことである。
F(m3):一次燃焼領域の容積
α:係数
β(m3):炉内圧安定化室12の容積
なお、C及びDは、流動床式処理炉10に供給される廃棄物の傾向等を示すデータから推測される。また、Eは、シミュレーション又は実験等によって算出される。
式(1)の分母は、定常状態における混合気体の標準的な発生量である。具体的には、Eを60で除して更に6で除することで、定常状態において10秒あたりに発生する混合気体の標準状態での体積が算出される。
式(1)の分子は、廃棄物に含まれる水分量がどの程度急激に増大するかについての指標値である。従って、式(1)の分子が大きいほど、混合気体の増大量が大きくなり易いことになる。具体的には、式(1)の分子において、Cを100で除することにより、水分割合をパーセントから倍数に変換する。更に、水分割合の変化は、水分割合の最大値と最小値の差分の半分と仮定するため、C/100を更に2で除する。これにより、水分割合の変化量の指標が算出される。そしてC/200にDを掛けることで、水分量(質量)の変化量の指標が算出される。その指標を水の分子量(18)で除して物質量(kmol)に変換し、この物質量に標準状態の体積(22.4)を積算する。これにより、廃棄物に含まれる水分量の変化量の指標を、標準状態の気体の体積に変換できる。
式(1)の分子と分母の意味は上述した通りであるため、係数αは、炉内圧の変化の大きさを示す指標となる。つまり、係数αが大きいほど、炉内圧の増大量が大きくなり易い。
式(2)では、炉内圧安定化室12の容積が、一次燃焼領域の容積に係数αを積算した値よりも大きいことが特定されている。
式(1)及び式(2)を満たすように炉内圧安定化室12の容積を定めることで、混合気体が急激に増大しても炉内圧の変動を十分に抑制することができる。
なお、αは式(1)を用いて算出することが好ましい。しかし、αは流動床式処理炉10によって大きく変化する値ではないため、αを固定値として、炉内圧安定化室12の容積を定めてもよい。出願人らの知見によれば、α=0.3とすることで、炉内圧安定化室12の適切な容積を算出できる。
以上に説明したように、上記実施形態の流動床式処理炉10は、一次燃焼室11と、二次燃焼室13と、炉内圧安定化室12と、を備える。一次燃焼室11は、一次燃焼領域を有する。一次燃焼領域は、流動媒体に流動用気体を供給して当該流動媒体を流動させた状態で廃棄物を一次燃焼させるための領域である。二次燃焼室13は、二次燃焼領域を有する。二次燃焼領域は、一次燃焼で発生した未燃焼ガスを含む一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼を行うための領域である。炉内圧安定化室12は、一次燃焼室11に接続された空間である。炉内圧安定化室12では、一次燃焼及び二次燃焼が生じていない。炉内圧安定化室12は、一次燃焼室11と二次燃焼室13を接続するために必要な容積と比較して大きい容積を有しており、炉内の気体の圧力を安定化させる。
これにより、流動床から放出される混合気体が急激に増加した場合であっても、混合気体がすぐに炉内圧安定化室に拡散するため、炉内圧の上昇を抑制できる。従って、炉内圧を安定化させることができる。
また、上記実施形態の流動床式処理炉10において、炉内圧安定化室12の容積は、図3に示す式(1)及び式(2)を満たす。あるいは、炉内圧安定化室12の容積は、αを0.3とした式(2)を満たす。
これにより、炉内圧を安定化させるために必要な容積を炉内圧安定化室12が有することとなるので、炉内圧の安定化という効果を十分に発揮させることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、一次燃焼室11と二次燃焼室13が物理的に分離されているため、一次燃焼室11と二次燃焼室13の境界が明確である。これに代えて、流動床式処理炉10が1つの空間を備え、この空間に一次燃焼室11と二次燃焼室13と接続領域が連続するように存在していてもよい。
第2実施形態では、一次燃焼室11と炉内圧安定化室12が大径のダクトを介して接続されているが、一次燃焼室11に直接的に炉内圧安定化室12が接続されていてもよい。
10 流動床式処理炉
11 一次燃焼室
12 炉内圧安定化室
13 二次燃焼室
11 一次燃焼室
12 炉内圧安定化室
13 二次燃焼室
Claims (3)
- 流動媒体に流動用気体を供給して当該流動媒体を流動させた状態で廃棄物を一次燃焼させるための一次燃焼領域を有する一次燃焼室と、
前記一次燃焼で発生した未燃焼ガスを含む一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼を行うための二次燃焼領域を有する二次燃焼室と、
前記一次燃焼室に接続された空間であり、当該空間では前記一次燃焼及び前記二次燃焼が生じておらず、前記一次燃焼室と前記二次燃焼室を接続するために必要な容積と比較して大きい容積を有しており、炉内の気体の圧力を安定化させるための炉内圧安定化室と、
を備えることを特徴とする流動床式処理炉。 - 請求項1に記載の流動床式処理炉であって、
前記一次燃焼室に投入される時点の廃棄物に含まれる水分割合の変動の大きさの推定値をC(%)とし、
前記一次燃焼室に投入される時点の廃棄物1つあたりの質量の最大値の推測値をD(kg)とし、
定常状態において前記一次燃焼領域から放出される気体のノルマル流量をEとし(m3N/h)とし、
前記一次燃焼領域の容積をF(m3)としたときに、
前記炉内圧安定化室の容積をβ(m3)が
α=(D × C/200 × 1/18 × 22.4)/(E × 1/60 × 1/6)
β>α×F
を満たすことを特徴とする流動床式処理炉。 - 請求項1に記載の流動床式処理炉であって、
前記一次燃焼領域の容積をF(m3)としたときに、
前記炉内圧安定化室の容積をβ(m3)が
β>0.3×F
を満たすことを特徴とする流動床式処理炉。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021503940A JP6916974B1 (ja) | 2020-06-29 | 2020-06-29 | 流動床式処理炉 |
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Family Applications (1)
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Citations (5)
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-
2020
- 2020-06-29 JP JP2021503940A patent/JP6916974B1/ja active Active
- 2020-06-29 WO PCT/JP2020/025432 patent/WO2022003748A1/ja active Application Filing
Patent Citations (5)
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