JP2005308372A - 流動床炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の流動床炉1は、炉体底部に配設される、流動媒体からなる流動層13を有し、流動層を流動化させ、流動層に固体燃料を供給して燃焼させる流動床炉において、炉体10から排出される燃焼排気ガスにより、燃焼用空気を、該燃焼用空気により固体燃料を乾燥させるとともに固体燃料の着火温度以上の温度まで加熱できる温度に加熱して高温燃焼用空気を生成する熱交換手段21と、流動層に高温燃焼用空気を吹き込んで流動化させる散気手段11aとを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
固体燃料を着火、燃焼させるためには、該燃料自身が着火温度以上に熱せられていることが必要であり、通常は、固体燃料の燃焼熱により流動床が高温に維持されるが、汚泥等含水率の高い燃料を燃焼させる場合には、炉内に補助バーナを設け、補助燃料を燃焼させて水分を蒸発させるとともに炉内温度を高温に維持することが多い。かかる補助バーナを使用せず、流動床に吹き込んで流動化を生ぜしめる燃焼用空気を流動床炉の外部で補助バーナにより加熱する発明も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記燃焼排気ガスから粉塵を除去して前記熱交換手段に供給する脱塵手段を備えていてもよい(請求項2)。
前記熱交換手段は、多管式熱交換器であってもよく(請求項4)、蓄熱式熱交換器であってもよい(請求項5)。
請求項6の発明によっては、炉体底部に配設される、流動媒体からなる流動層を有し、該流動層を流動化させ、該流動層に固体燃料を供給して燃焼させる流動床炉において、前記炉体から排出される燃焼排気ガスにより、燃焼用空気を加熱して高温混合用空気を生成する熱交換手段と、前記炉体から排出される前記燃焼排気ガスの一部を、前記熱交換を行う前に抽気して、前記高温混合用空気と混合して高温燃焼用酸化ガスを生成する高温燃焼用酸化ガス生成手段と、前記流動層に前記高温燃焼用酸化ガスを吹き込んで流動化させる散気手段とを備え、前記高温燃焼用酸化ガスの温度は、該高温燃焼用酸化ガスにより前記固体燃料を乾燥させるとともに該固体燃料の着火温度以上の温度まで加熱できる温度であることを特徴とする流動床炉が提供される。
先ず第1の技術的特徴は、含水率の高い燃料の水分を蒸発させ、着火温度以上に加熱するための熱量を補助燃料の燃焼によって得るのではなく、固体燃料自身の燃焼により発生する高温の燃焼排気ガスの熱交換により得ることである。すなわち、熱交換手段により、流動床炉から排出される高温の燃焼排気ガスを熱源として、燃焼用空気を加熱し、高温燃焼用空気を生成し、散気手段を介して流動層内に供給して流動層を流動化させるとともに、流動層中の固体燃料に含まれる水分を蒸発させ、固体燃料の温度を着火温度以上まで昇温させるのである。このため、炉体内で補助燃料を燃焼させて水分を蒸発させる、或いは、炉体外で補助燃料を燃焼させて燃焼用空気を加熱する場合と異なり、補助燃料が不要となるか、又は補助燃料の量を著しく低減することができる。言い換えると、固体燃料の燃焼から発生する熱量のみか、又はそれに僅かの補助燃料の燃焼による熱量のみで、水分蒸発及び燃料の昇温が行えるので、固体燃料から発生する熱エネルギーを極めて有効に利用することができる。また、補助燃料による燃焼が不要の場合には、補助バーナ等の付属設備が不要となるので構造を単純化できるという効果を奏する。
請求項3の発明によっては、熱交換手段により、燃焼用空気を、800℃以上に加熱することとした。これにより以下の効果が得られる。
熱交換手段としては、様々な方式が採用できるが、多管式熱交換器(請求項4)を適用すると高温ガスが接触する部位に切換弁を必要とせず、又は安価な畜熱材に畜熱させる蓄熱式熱交換器(請求項5)を使用すると、高温耐熱材の使用を必要とする多管式熱交換器に比較してコスト的に有利になる。
まず、本発明の第1の実施例を、図1を参照して説明する。なお、図1は本流動床炉1のシステム構成を模式的に示すものであり、各機器等の形状や数量については以下の説明に従うものとする。
第1実施例にかかる流動床炉1は、汚泥(固体燃料)FLを燃料とする燃焼炉設備であるが、底部近傍に流動媒体である砂の流動層が形成され、流動層を流動化させながら汚泥の水分を蒸発させ燃焼させる炉体10と、該炉体から排気される燃焼排気ガスEGを熱源として、給気ブロワ22から供給される燃焼用空気BAを、汚泥FLを乾燥させ着火温度以上に加熱することのできる温度まで加熱する多管式熱交換器(熱交換手段)21等を備える。
また、空気室16内には、後述する高温燃焼用空気BA2を、空気室16に噴出させる高温空気ノズル16aを備える。
燃料供給管17は、汚泥を定量的に炉体10の流動層の上に供給するものであり、その形状、材質、大きさ、数などは、必要量の汚泥を流動層の上に一様に供給できるものであれば特に限定しない。なお、燃料供給管17には図示しない着火装置が設置され、流動層13の上に供給し、乾燥するとともに流動化した汚泥FLを燃焼させ火炎Fを形成させることができることは言うまでもない。
本流動床炉1は、炉体10内で発生した高温の燃焼排気ガスEGを熱源として高温燃焼用空気BA2を熱交換器21により生成し、該高温燃焼用空気BA2により流動層を流動化させるとともに燃料の汚泥の水分を該高温燃焼用空気BA2の熱量で蒸発させ、汚泥の温度を着火温度以上にして汚泥を燃焼させるものである。このため、汚泥の水分を蒸発させるために余分の補助燃料を使用する必要がないか、又は補助燃料の量を極めて低減でき、しかも、高温燃焼用空気BA2は、汚泥の着火温度以上であるので容易に汚泥から燃焼ガスが揮発して燃焼する。すなわち着火性が向上して消炎の恐れなく安定な燃焼が確保できる。
空気室16に高温燃焼用空気BA2が高温空気ノズル16aを介して流入し、該空気BA2が炉床11の多数の散気ノズル11aを通して流動層13内に均一に噴出し、流動媒体(砂)13aをまきあげて流動層13を流動化させる。このとき、高温燃焼用空気BA2は、例えば900℃以上に加熱されており、また、後述の燃焼火炎Fからの輻射熱も作用して、流動媒体13aを含む流動層13及び燃焼領域14の温度は、例えば、800℃以上に達している。この状態で燃料供給管17から流動層13の上に汚泥が供給される。該汚泥は、80%程度の水分を含んでいるが、かかる水分は高温燃焼用空気BA2によりただちに蒸発し、汚泥自身も水分蒸発により乾燥するとともに、局所的には、着火温度(例えば、800℃)まで加熱され、燃焼ガスが揮発して着火し、燃焼火炎Fを形成する。
以上で、第1の実施例にかかる流動床炉1の説明を終了するが、本実施例には様々の態様があることはいうまでもない。以下に該態様について説明する。
また本実施例においては燃料供給管17の配置を、燃焼領域14とフリーボート15との境界近傍の炉体10側壁としたが、流動層13に汚泥等の燃料を供給できる位置であれば特に限定しない。但し、燃料供給時に発生し、排出口18から熱交換器21へ移行する飛灰量を低減するため、排気口18と燃料供給管17とはある程度離隔していることが望ましい。
次に本発明の第2の実施例にかかる流動床炉40を図5及び図6を参照して説明する。
流動床炉40は、例えば、バイオマス燃料等、特に揮発性がよく、流動層内に偏流等が生じて燃焼熱が狭い空間に閉じ込められると局所的な超高温部(例えば、1、400℃〜1、500℃)を生じて近傍の砂を溶融させ、溶融による塊を生成してしまう燃料を好適に燃焼できるものである。
本流動床炉40の作用を説明する。
炉体41内でバイオマス燃料等を燃焼させ、燃焼により生成し、炉体41から排出される高温の燃焼排気ガスEGを熱源として燃焼用空気BAを高温に加熱させて高温混合用空気BA3を生成して、該高温混合用空気BA3を高温混合用空気ノズル42aを介して空気室42へ噴出させることにおいては、第1実施例と実質的に同様である。
なお、ここで説明した実施形態は一つの例であって、本発明はこれのみに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において変更を加えうることはいうまでもない。
10、41 炉体
11a 散気ノズル
13、46 流動層
13a 砂
14 燃焼領域
16、42 空気室
16a 高温空気ノズル
17 燃料供給管
21、45 多管式熱交換器
31 サイクロン
42a 高温混合用空気ノズル
42b 燃焼排気ガス供給ノズル
44 ブロワ
Claims (6)
- 炉体底部に配設される、流動媒体からなる流動層を有し、該流動層を流動化させ、該流動層に固体燃料を供給して燃焼させる流動床炉において、
前記炉体から排出される燃焼排気ガスにより、燃焼用空気を、該燃焼用空気により前記固体燃料を乾燥させるとともに該固体燃料の着火温度以上の温度まで加熱できる温度に加熱して高温燃焼用空気を生成する熱交換手段と、
前記流動層に前記高温燃焼用空気を吹き込んで流動化させる散気手段とを
備えることを特徴とする流動床炉。 - 前記燃焼排気ガスから粉塵を除去して前記熱交換手段に供給する脱塵手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の流動床炉。
- 前記熱交換手段により、前記燃焼用空気を、800℃以上に加熱することを特徴とする、請求項1又は2に記載の流動床炉。
- 前記熱交換手段は、多管式熱交換器であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の流動床炉。
- 前記熱交換手段は、蓄熱式熱交換器であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の流動床炉。
- 炉体底部に配設される、流動媒体からなる流動層を有し、該流動層を流動化させ、該流動層に固体燃料を供給して燃焼させる流動床炉において、
前記炉体から排出される燃焼排気ガスにより、燃焼用空気を加熱して高温混合用空気を生成する熱交換手段と、
前記炉体から排出される前記燃焼排気ガスの一部を、前記熱交換を行う前に抽気して、前記高温混合用空気と混合して高温燃焼用酸化ガスを生成する高温燃焼用酸化ガス生成手段と、
前記流動層に前記高温燃焼用酸化ガスを吹き込んで流動化させる散気手段とを
備え、
前記高温燃焼用酸化ガスの温度は、該高温燃焼用酸化ガスにより前記固体燃料を乾燥させるとともに該固体燃料の着火温度以上の温度まで加熱できる温度であることを特徴とする流動床炉。
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2004
- 2004-04-26 JP JP2004129994A patent/JP2005308372A/ja active Pending
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