WO2021246506A1 - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

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Abstract

中間膜と合わせガラス部材との間のシール性能を高めることができ、かつ光学歪みを抑えることができる合わせガラス用中間膜を提供する。 本発明に係る合わせガラス用中間膜は、第1の外層と、第2の内層と、第1の内層と、第3の内層と、第2の外層とを備え、第1の外層と、第2の内層と、第1の内層と、第3の内層と、第2の外層とが、中間膜の厚み方向にこの順で並んで配置されている領域Xを有し、第2の内層及び第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、0.2MPa以上1000MPa以下であり、第1の外層及び第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高く、第2の内層及び第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い。

Description

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
 本発明は、合わせガラスを得るために用いられる合わせガラス用中間膜に関する。また、本発明は、上記合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
 合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片の飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に広く使用されている。合わせガラスは、一対のガラス板の間に中間膜を挟み込むことにより、製造されている。
 また、自動車に用いられる合わせガラスとして、ヘッドアップディスプレイ(HUD)が知られている。HUDでは、自動車のフロントガラスに、自動車の走行データである速度などの計測情報等を表示させることができ、運転者はフロントガラスの前方に表示が映し出されているように認識することができる。
 上記合わせガラスの一例として、下記の特許文献1には、湾曲した2枚のガラス板と、上記ガラス板の間に設けられた樹脂製の多層中間膜とを備える車両用合わせガラスが開示されている。上記中間膜は、車両に合わせガラスが取り付けられた状態で、上辺側の厚さが下辺側よりも厚いくさび状の断面形状を備える。また、上記中間膜は、第一の樹脂層と、第一の樹脂層より硬度の低い第二の樹脂層とを備える。上記車両用合わせガラスでは、上記第一の樹脂層の厚さが下辺から400mm以下の領域で0.3mm以上である。
特開2007-223883号公報
 中間膜と合わせガラス部材とを貼り合せて合わせガラスを得る際に、中間膜と合わせガラス部材との間に空気が挟み込まれることがある。挟み込まれた空気を効率的に除去するために、中間膜の外表面には、エンボス加工等によって凹凸形状が付与されることがある。しかしながら、従来の中間膜では、凹凸形状の付与時に、中間膜の外表面だけではなく、中間膜の層間の界面においても凹凸形状が転写される。中間膜の層間の界面に転写された凹凸形状は、合わせガラスとされた後も残り続けるため、この凹凸形状により、合わせガラスの透過光の直進性が失われ、光学歪みが発生することがある。
 中間膜の層間の界面への凹凸形状の転写を抑制するために、中間膜の最外層の弾性率を高くすることが考えられる。しかしながら、最外層の弾性率を単に高くすると、中間膜と合わせガラス部材との間のシール性能が低下して、中間膜と合わせガラス部材との間に気泡が生じることがある。
 このように、従来の中間膜では、中間膜と合わせガラス部材との間のシール性能を高め、かつ光学歪みを抑えることは困難である。
 本発明の目的は、中間膜と合わせガラス部材との間のシール性能を高めることができ、かつ光学歪みを抑えることができる合わせガラス用中間膜を提供することである。また、本発明は、上記合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することも目的とする。
 本発明の広い局面によれば、第1の外層と、第2の内層と、第1の内層と、第3の内層と、第2の外層とを備え、前記第1の外層と、前記第2の内層と、前記第1の内層と、前記第3の内層と、前記第2の外層とが、中間膜の厚み方向にこの順で並んで配置されている領域Xを有し、前記第2の内層及び前記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、0.2MPa以上1000MPa以下であり、前記第1の外層及び前記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、前記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高く、前記第2の内層及び前記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、前記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い、合わせガラス用中間膜(以下、中間膜と記載することがある)が提供される。
 本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記第2の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率が、前記第1の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高く、前記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率が、前記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い。
 本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記領域Xにおいて、前記第2の内層の平均厚みの、前記第1の外層の平均厚みに対する比が、0.1以上6以下であり、前記領域Xにおいて、前記第3の内層の平均厚みの、前記第2の外層の平均厚みに対する比が、0.1以上6以下である。
 本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記中間膜は、前記第2の内層の厚みが0.05mm以上である領域を有し、前記第3の内層の厚みが0.05mm以上である領域を有する。
 本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記第1の外層と、前記第2の内層と、前記第1の内層と、前記第3の内層と、前記第2の外層とがそれぞれ、熱可塑性樹脂を含む。
 本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記第1の外層と、前記第2の内層と、前記第1の内層と、前記第3の内層と、前記第2の外層とがそれぞれ、ポリビニルアセタール樹脂を含む。
 本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記中間膜は、一端と、前記一端の反対側に他端とを有し、前記他端の厚みが、前記一端の厚みよりも大きい。
 本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記中間膜は、一端と、前記一端の反対側に他端とを有し、前記第1の外層と、前記第2の内層と、前記第1の内層と、前記第3の内層と、前記第2の外層との内の少なくとも1層の前記領域Xにおける前記他端側の端部での厚みが、該層の前記領域Xにおける前記一端側の端部での厚みよりも大きい。
 本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記中間膜は、車両において、外部空間と内部空間との間の開口部に取り付けられる中間膜であり、前記他端側が前記開口部の上側に位置するように、前記開口部に取り付けられる中間膜である。
 本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記領域Xが、ヘッドアップディスプレイの表示領域に対応する表示対応領域を有する。
 本発明の広い局面によれば、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、上述した合わせガラス用中間膜とを備え、前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラスが提供される。
 本発明に係る中間膜は、第1の外層と、第2の内層と、第1の内層と、第3の内層と、第2の外層とを備える。本発明に係る中間膜は、上記第1の外層と、上記第2の内層と、上記第1の内層と、上記第3の内層と、上記第2の外層とが、中間膜の厚み方向にこの順で並んで配置されている領域Xを有する。本発明に係る中間膜では、上記第2の内層及び上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、0.2MPa以上1000MPa以下である。本発明に係る中間膜では、上記第1の外層及び上記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、上記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い。本発明に係る中間膜では、上記第2の内層及び上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、上記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い。本発明に係る中間膜では、上記の構成が備えられているので、中間膜と合わせガラス部材との間のシール性能を高めることができ、かつ光学歪みを抑えることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。 図3(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図及び正面図である。 図4は、本発明の第4の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の第5の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。 図6は、図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す断面図である。 図7は、実施例及び比較例での光学歪みの測定に用いた光学歪み検査装置を模式的に示す平面図である。 図8は、実施例及び比較例での光学歪みの測定に用いた光学歪み検査装置を模式的に示す正面図である。 図9(a)及び(b)は、画像処理部での処理操作を説明するための図である。
 以下、本発明を詳細に説明する。
 (合わせガラス用中間膜)
 本発明に係る合わせガラス用中間膜(以下、中間膜と記載することがある)は、第1の外層と、第2の内層と、第1の内層と、第3の内層と、第2の外層とを備える。本発明に係る中間膜は、上記第1の外層と、上記第2の内層と、上記第1の内層と、上記第3の内層と、上記第2の外層とが、中間膜の厚み方向にこの順で並んで配置されている領域Xを有する。
 本発明に係る中間膜では、上記第2の内層及び上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、0.2MPa以上1000MPa以下である。
 本発明に係る中間膜では、上記第1の外層及び上記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、上記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い。
 本発明に係る中間膜では、上記第2の内層及び上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、上記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い。
 本発明に係る中間膜では、上記の構成が備えられているので、中間膜と合わせガラス部材との間のシール性能を高めることができ、かつ光学歪みを抑えることができる。
 本発明に係る中間膜では、シール性能を高めることができるので、中間膜と合わせガラス部材との間に気泡が生じにくい。
 本発明に係る中間膜では、光学歪みを抑えることができるので、ドライバーの視認性を高めることができる。また、本発明に係る中間膜は、例えば、ヘッドアップディスプレイである合わせガラスに用いられる。この場合、中間膜は、ヘッドアップディスプレイの表示領域に対応する表示対応領域を有する。上記表示対応領域は、情報を良好に表示させることができる領域である。本発明に係る中間膜では、光学歪みを抑えることができるので、ヘッドアップディスプレイへの表示画像の表示精度を高めることができる。
 また、本発明に係る中間膜では、合わせガラスの耐貫通性を高めることができる。
 上記中間膜は、上記領域Xを有する。上記領域Xは、上記第1の外層と、上記第2の内層と、上記第1の内層と、上記第3の内層と、上記第2の外層とが、中間膜の厚み方向にこの順で並んで配置されている領域である。上記領域Xは、少なくとも5層の構造を有する。上記領域Xは、5層の構造を有していてもよく、5層以上の構造を有していてもよく、6層の構造を有していてもよく、6層以上の構造を有していてもよく、7層以上の構造を有していてもよい。
 上記中間膜は、上記領域Xを、中間膜の一部に有していてもよく、中間膜の全体に有していてもよい。上記中間膜の構造は、部分的に異なっていてもよい。
 上記中間膜の平面積100%中、上記領域Xの面積は、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上である。上記中間膜の平面積100%中、上記領域Xの面積は、90%以上であってもよく、100%であってもよい。
 光学歪みを抑制する観点から、上記第2の内層及び上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率はそれぞれ、0.2MPa以上1000MPa以下である。なお、上記第2の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率と、上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
 光学歪みをより一層抑制する観点からは、上記第2の内層及び上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率はそれぞれ、好ましくは0.24MPa以上、より好ましくは0.3MPa以上であり、好ましくは980MPa以下、より好ましくは950MPa以下である。
 中間膜と合わせガラス部材との間のシール性能を高める観点及び光学歪みを抑制する観点から、上記第1の外層及び上記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率はそれぞれ、上記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い。なお、上記第1の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率と、上記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
 上記第1の外層及び上記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率と、上記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは0.01MPa以上、より好ましくは0.02MPa以上であり、好ましくは0.28MPa以下、より好ましくは0.22MPa以下である。上記差の絶対値が上記下限以上及び上記上限以下であると、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。
 中間膜と合わせガラス部材との間のシール性能を高める観点及び光学歪みを抑制する観点から、上記第2の内層及び上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率はそれぞれ、上記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い。
 上記第2の内層及び上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率と、上記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは0.08MPa以上、より好ましくは0.12MPa以上であり、好ましくは980MPa以下、より好ましくは950MPa以下である。上記差の絶対値が上記下限以上及び上記上限以下であると、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。
 シール性能をより一層高める観点及び光学歪みをより一層抑制する観点からは、上記第2の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率は、上記第1の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高いことが好ましい。
 上記第2の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率と、上記第1の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率との差の絶対値は、好ましくは0.02MPa以上、より好ましくは0.04MPa以上であり、好ましくは980MPa以下、より好ましくは950MPa以下である。上記差の絶対値が上記下限以上及び上記上限以下であると、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。
 シール性能をより一層高める観点及び光学歪みをより一層抑制する観点からは、上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率は、上記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高いことが好ましい。
 上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率と、上記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率との差の絶対値は、好ましくは0.02MPa以上、より好ましくは0.04MPa以上であり、好ましくは980MPa以下、より好ましくは950MPa以下である。上記差の絶対値が上記下限以上及び上記上限以下であると、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。
 シール性能をより一層高める観点及び光学歪みをより一層抑制する観点からは、上記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率は、好ましくは0.02MPa以上、より好ましくは0.08MPa以上であり、好ましくは0.16MPa以下、より好ましくは0.12MPa以下である。
 シール性能をより一層高める観点及び光学歪みをより一層抑制する観点からは、上記第1の外層及び上記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率はそれぞれ、好ましくは0.15MPa以上、より好ましくは0.20MPa以上であり、好ましくは0.30MPa以下、より好ましくは0.25MPa以下である。
 各層の上記せん断貯蔵弾性率は、以下の「せん断貯蔵弾性率の測定方法(1)」で求められる。但し、「せん断貯蔵弾性率の測定方法(1)」でせん断貯蔵弾性率を求めることができない場合には、各層の上記せん断貯蔵弾性率は、以下の「せん断貯蔵弾性率の測定方法(2)」で求められる。
 せん断貯蔵弾性率の測定方法(1):
 中間膜の各層間を剥離して、測定対象の層の試験片を得る。合わせガラスの場合は、液体窒素等で合わせガラスを冷却後に合わせガラス部材と中間膜とを剥離し、剥離した中間膜から試験片を作製してもよい。粘弾性測定装置(例えば、TAインスツルメント社製「ARES-G2」)を用いて、試験片の粘弾性を測定する。治具として、直径8mmのパラレルプレートを用い、せん断モードで3℃/分の降温速度で120℃から0℃まで温度を低下させる条件、並びに周波数1Hz及び歪み1%の条件で測定する。得られた粘弾性スペクトルから、1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率を求める。
 せん断貯蔵弾性率の測定方法(2):
 中間膜の各層間を剥離して、測定対象の層の試験片を得る。合わせガラスの場合は、液体窒素等で合わせガラスを冷却後に合わせガラス部材と中間膜とを剥離し、剥離した中間膜から試験片を作製してもよい。試験片のサイズは、幅5mm及び長さ5cmとする。粘弾性測定装置(例えば、TAインスツルメント社製「RSA-G2」)を用いて、治具間のギャップを2cmとし、試験片の引張貯蔵弾性率を測定する。引張モード条件、3℃/分の昇温速度で室温から120℃まで温度を上昇させる条件、並びに周波数1Hz及び歪み0.2%の条件で測定し、100℃での引張貯蔵弾性率を求める。得られた100℃での引張貯蔵弾性率を2×(1+ポアソン比)で除した値(100℃での引張貯蔵弾性率/(2×(1+ポアソン比)))を、1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率とする。なお、ポアソン比は、以下のようにして測定される。
 ポアソン比の測定方法:
 中間膜の各層間を剥離して、測定対象の層の試験片を得る。合わせガラスの場合は、液体窒素等で合わせガラスを冷却後に合わせガラス部材と中間膜とを剥離し、剥離した中間膜から試験片を作製してもよい。試験片の形状は、幅30mmの短冊状とする。測定装置(例えば、オリエンテック社製「テンシロンRTF2430」)を用いて、チャック間距離100mm、試験速度1.0mm/分、試験温度23℃の条件で測定する。また、伸び計として、非接触式の伸び計を用いる。なお、再成型が必要のない試験片の場合は、中間膜のMD方向(中間膜の製造時の中間膜の流れ方向)に対して引っ張り試験を実施する。上記の測定によって得られた縦歪みと横歪みとの比からポアソン比を算出する。
 上記せん断貯蔵弾性率は、例えば、層中の可塑剤の含有量を調整したり、層中のポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率を調整したりすることで、制御することができる。
 上記第1の内層のガラス転移温度は、好ましくは-14℃以上、より好ましくは-5℃以上であり、好ましくは7℃以下、より好ましくは1℃以下である。上記ガラス転移温度が上記下限以上及び上記上限以下であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
 上記第2の内層及び上記第3の内層のガラス転移温度はそれぞれ、好ましくは33℃以上、より好ましくは43℃以上であり、好ましくは120℃以下、より好ましくは108℃以下である。上記ガラス転移温度が上記下限以上及び上記上限以下であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。なお、上記第2の内層及び上記第3の内層のガラス転移温度はそれぞれ、120℃以上であってもよく、140℃以上であってもよく、160℃以上であってもよい。
 上記第1の外層及び上記第2の外層のガラス転移温度はそれぞれ、好ましくは22℃以上、より好ましくは28℃以上であり、好ましくは42℃以下、より好ましくは35℃以下である。上記ガラス転移温度が上記下限以上及び上記上限以下であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
 上記ガラス転移温度は、粘弾性測定により求められる。上記粘弾性測定は、具体的には、以下のようにして行われる。
 試験片を、室温23±2℃、湿度25±5%の環境下に12時間保管する。次いで、粘弾性測定装置(例えば、TAインスツルメント社製「ARES-G2」)を用いて、粘弾性を測定する。治具として直径8mmのパラレルプレートを用い、せん断モード、3℃/分の降温速度で100℃から-20℃まで温度を低下させる条件、並びに周波数1Hz及び歪1%の条件で測定する。得られた測定結果において、損失正接のピーク温度をガラス転移温度Tg(℃)とする。
 中間膜自体を用いて、粘弾性測定を行ってもよい。この場合に、測定結果から、各層に由来するtanδのピーク等を読み取ってもよい。また、中間膜の各層間を剥離して、測定対象の層のガラス転移温度を測定してもよい。また、合わせガラスの場合は、液体窒素等で合わせガラスを冷却後に合わせガラス部材と中間膜とを剥離し、剥離した中間膜を用いて粘弾性測定を行ってもよい。
 上記中間膜は、上記領域Xにおいて、5層の構造を有していてもよく、6層以上の構造を有していてもよい。第1の外層と第2の内層との間に、他の層が配置されていてもよい。第2の内層と第1の内層との間に、他の層が配置されていてもよい。第1の内層と第3の内層との間に、他の層が配置されていてもよい。第3の内層と第2の外層との間に、他の層が配置されていてもよい。
 上記第1の外層及び上記第2の外層はそれぞれ、表面層であることが好ましい。上記第1の外層は、上記領域Xにおいて、第1の表面層であることが好ましい。上記第2の外層は、上記領域Xにおいて、第2の表面層であることが好ましい。上記領域Xにおいて、上記第1の内層、上記第2の内層、及び上記第3の内層はそれぞれ、中間層である。
 上記領域Xにおいて、上記第2の内層の平均厚みの、上記第1の外層の平均厚みに対する比(第2の内層の平均厚み/第1の外層の平均厚み)は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.17以上、更に好ましくは0.41以上であり、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは4以下である。上記比(第2の内層の平均厚み/第1の外層の平均厚み)が上記下限以上及び上記上限以下であると、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。
 上記領域Xにおいて、上記第3の内層の平均厚みの、上記第2の外層の平均厚みに対する比(第3の内層の平均厚み/第2の外層の平均厚み)は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.17以上、更に好ましくは0.41以上であり、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは4以下である。上記比(第3の内層の平均厚み/第2の外層の平均厚み)が上記下限以上及び上記上限以下であると、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。
 上記領域Xにおいて、上記第1の外層及び上記第2の外層の平均厚みはそれぞれ、好ましくは0.06mm以上、より好ましくは0.07mm以上、更に好ましくは0.09mm以上であり、好ましくは0.92mm以下、より好ましくは0.85mm以下、更に好ましくは0.70mm以下である。上記平均厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。また、上記平均厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、遮音性及び耐貫通性をより一層高めることができる。
 上記領域Xにおいて、上記第2の内層及び上記第3の内層の平均厚みはそれぞれ、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.15mm以上であり、好ましくは0.86mm以下、より好ましくは0.84mm以下、更に好ましくは0.81mm以下である。上記平均厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。また、上記平均厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、遮音性及び耐貫通性をより一層高めることができる。
 上記領域Xにおいて、上記第1の内層の平均厚みは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.065mm以上、更に好ましくは0.08mm以上であり、好ましくは0.35mm以下、より好ましくは0.32mm以下、更に好ましくは0.29mm以下である。上記平均厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。また、上記平均厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、遮音性及び耐貫通性をより一層高めることができる。
 上記中間膜は、上記第2の内層の厚みが0.05mm以上である領域を有することが好ましく、0.1mm以上である領域を有することがより好ましく、0.15mm以上である領域を有することが更に好ましい。この場合には、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。また、この場合には、遮音性及び耐貫通性をより一層高めることができる。
 上記中間膜は、上記第3の内層の厚みが0.05mm以上である領域を有することが好ましく、0.1mm以上である領域を有することがより好ましく、0.15mm以上である領域を有することが更に好ましい。この場合には、シール性能をより一層高めることができ、かつ光学歪みをより一層抑制することができる。また、この場合には、遮音性及び耐貫通性をより一層高めることができる。
 上記中間膜は、一端と、上記一端の反対側に他端とを有する。上記一端と上記他端とは、中間膜において対向し合う両側の端部である。
 上記中間膜は、上記一端の厚みと上記他端の厚みとが同じである中間膜であってもよく、上記他端の厚みが上記一端の厚みよりも大きい中間膜であってもよい。
 表示画像の表示精度をより一層高める観点からは、上記他端の厚みが上記一端の厚みよりも大きいことが好ましい。表示画像の表示精度をより一層高める観点からは、上記第1の外層と、上記第2の内層と、上記第1の内層と、上記第3の内層と、上記第2の外層との内の少なくとも1層の上記領域Xにおける上記他端側の端部での厚みが、該層の上記領域Xにおける上記一端側の端部での厚みよりも大きいことが好ましい。
 上記中間膜の一端と他端との間の距離をLとする。中間膜は、上記一端から上記他端に向かって0Lの位置から0.4Lの位置の領域に最小厚みを有し、上記他端から上記一端に向かって0Lの位置から0.4Lの位置の領域に最大厚みを有することが好ましい。中間膜は、上記一端から上記他端に向かって0Lの位置から0.3Lの位置の領域に最小厚みを有し、上記他端から上記一端に向かって0Lの位置から0.3Lの位置の領域に最大厚みを有することがより好ましい。中間膜は、上記一端から上記他端に向かって0Lの位置から0.2Lの位置の領域に最小厚みを有し、上記他端から上記一端に向かって0Lの位置から0.2Lの位置の領域に最大厚みを有することがより一層好ましい。中間膜は、上記一端から上記他端に向かって0Lの位置から0.1Lの位置の領域に最小厚みを有し、上記他端から上記一端に向かって0Lの位置から0.1Lの位置の領域に最大厚みを有することが更に好ましい。中間膜は、上記一端に最小厚みを有し、上記他端に最大厚みを有することが特に好ましい。
 上記中間膜は、厚み均一部位を有していてもよい。上記厚み均一部位とは、中間膜の上記一端と上記他端とを結ぶ方向での10cmの距離範囲あたり、厚みが10μmを超えて変化していないことをいう。従って、上記厚み均一部位は、中間膜の上記一端と上記他端とを結ぶ方向での10cmの距離範囲あたり、厚みが10μmを超えて変化していない部位をいう。具体的には、上記厚み均一部位は、中間膜の上記一端と上記他端とを結ぶ方向で厚みが全く変化していないか、又は、中間膜の上記一端と上記他端とを結ぶ方向での10cmの距離範囲あたり、厚みが10μm以下で変化している部位をいう。
 上記中間膜の最大厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.25mm以上、更に好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは0.8mm以上であり、好ましくは3.8mm以下、より好ましくは2mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。
 上記中間膜の一端と他端との距離Lは、好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下、特に好ましくは1.5m以下であり、好ましくは0.5m以上、より好ましくは0.8m以上、特に好ましくは1m以上である。
 表示画像の表示精度をより一層高める観点からは、上記中間膜は、厚み方向の断面形状が楔状である部分を有することが好ましい。上記中間膜では、表示対応領域の厚み方向の断面形状が楔状であることが好ましい。
 二重像を抑制するために、合わせガラスの取り付け角度に応じて、中間膜の楔角θを適宜設定することができる。楔角θは、中間膜全体での楔角である。
 上記中間膜の楔角θは、中間膜における最大厚み部分と最小厚み部分との中間膜の一方側の表面部分(第1の表面部分)を結んだ直線と、中間膜における最大厚み部分と最小厚み部分との中間膜の他方側の表面部分(第2の表面部分)を結んだ直線との交点における内角である。
 なお、最大厚み部分が複数ある場合、最小厚み部分が複数ある場合、最大厚み部分が一定の領域にある場合、又は最小厚み部分が一定の領域にある場合には、楔角θを求めるための最大厚み部分及び最小厚み部分は、求められる楔角θが最も大きくなるように選択される。
 二重像をより一層効果的に抑える観点からは、中間膜の楔角θは、好ましくは0.05mrad(0.00288度)以上、より好ましくは0.1mrad(0.00575度)以上、更に好ましくは0.2mrad(0.0115度)以上である。また、上記楔角θが上記下限以上であると、トラックやバス等のフロントガラスの取り付け角度が大きい車に適した合わせガラスを得ることができる。
 二重像をより一層効果的に抑える観点からは、中間膜の楔角θは、好ましくは2mrad(0.1146度)以下、より好ましくは0.7mrad(0.0401度)以下である。また、上記楔角θが上記上限以下であると、スポーツカー等のフロントガラスの取り付け角度が小さい車に適した合わせガラスを得ることができる。
 上記中間膜の楔角(θ)、上記中間膜の厚みの測定に用いる測定器としては、接触式厚み計測器「TOF-4R」(山文電気社製)等が挙げられる。
 上記厚みの測定は、上述の測定器を用い、膜搬送速度2.15mm/分~2.25mm/分で、一端から他端に向けて最短距離となるように行う。
 上記中間膜を合わせガラスとした後の上記中間膜の楔角(θ)、上記中間膜の厚みの測定に用いる測定器としては、非接触多層膜厚測定器「OPTIGAUGE」(ルメトリクス社製)等が挙げられる。この測定器を用いると、合わせガラスのままで中間膜の厚みを測定することができる。
 上記中間膜は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)である合わせガラスに好適に用いられる。上記中間膜は、HUD用中間膜であることが好ましい。上記中間膜は、HUDの表示領域に対応する表示対応領域を有することが好ましい。上記領域Xが、HUDの表示領域に対応する表示対応領域を有することが好ましい。
 二重像をより一層効果的に抑える観点からは、上記中間膜では、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて6cmの位置から、上記一端から上記他端に向けて63.8cmの位置までの領域に、上記表示対応領域を有することが好ましい。
 二重像をより一層効果的に抑える観点からは、上記中間膜では、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて8cmの位置から、上記一端から上記他端に向けて61.8cmの位置までの領域に、上記表示対応領域を有することよりが好ましい。
 二重像をより一層効果的に抑える観点からは、上記中間膜では、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて9cmの位置から、上記一端から上記他端に向けて60.8cmの位置までの領域に、上記表示対応領域を有することがさらに好ましい。
 二重像をより一層効果的に抑える観点からは、上記中間膜では、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて9.5cmの位置から、上記一端から上記他端に向けて60.3cmの位置までの領域に、上記表示対応領域を有することが特に好ましい。
 二重像をより一層効果的に抑える観点からは、上記中間膜では、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて10cmの位置から、上記一端から上記他端に向けて59.8cmの位置までの領域に、上記表示対応領域を有することが最も好ましい。
 上記表示対応領域は、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて上記の位置(例えば63.8cm)までの領域内の一部に存在していてもよく、全体に存在していてもよい。上記表示対応領域は、上記一端と上記他端とを結ぶ方向において、30cm程度の大きさで存在していてもよい。
 二重像を効果的に抑える観点からは、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて6cmの位置から、上記一端から上記他端に向けて63.8cmの位置までの領域において、中間膜は、厚み方向の断面形状が楔状である部分を有することが好ましい。
 二重像を効果的に抑える観点からは、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて8cmの位置から、上記一端から上記他端に向けて61.8cmの位置までの領域において、中間膜は、厚み方向の断面形状が楔状である部分を有することがより好ましい。
 二重像を効果的に抑える観点からは、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて9cmの位置から、上記一端から上記他端に向けて60.8cmの位置までの領域において、中間膜は、厚み方向の断面形状が楔状である部分を有することがさらに好ましい。
 二重像を効果的に抑える観点からは、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて9.5cmの位置から、上記一端から上記他端に向けて60.3cmの位置までの領域において、中間膜は、厚み方向の断面形状が楔状である部分を有することが特に好ましい。
 二重像を効果的に抑える観点からは、上記中間膜の上記一端から上記他端に向けて10cmの位置から、上記一端から上記他端に向けて59.8cmの位置までの領域において、中間膜は、厚み方向の断面形状が楔状である部分を有することが最も好ましい。
 厚み方向の断面形状が楔状である部分は、上記一端から上記他端に向けて上記の位置(例えば63.8cm)までの領域内の一部に存在していてもよく、全体に存在していてもよい。上記厚み方向の断面形状が楔状である部分は、一端と他端とを結ぶ方向において、30cm程度の大きさで存在していてもよい。
 上記中間膜は、シェード領域を有していてもよい。上記シェード領域は、上記表示対応領域と離れていてもよい。上記シェード領域は、例えば、太陽光線又は屋外照明等により、運転中のドライバーが眩しさを感じるのを防ぐことなどを目的として設けられる。上記シェード領域は、遮熱性を付与するために設けられることもある。上記シェード領域は、中間膜の縁部に位置することが好ましい。上記シェード領域は帯状であることが好ましい。
 シェード領域においては、色及び可視光線透過率を変えるために、着色剤又は充填剤を用いてもよい。着色剤又は充填剤は、中間膜の厚み方向の一部の領域にのみ含まれていてもよく、中間膜の厚み方向の全体の領域に含まれていてもよい。
 表示をより一層良好にし、視野をより一層広げる観点からは、上記表示対応領域の可視光線透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは88%以上、特に好ましくは90%以上である。上記表示対応領域の可視光線透過率は、上記シェード領域の可視光線透過率よりも高いことが好ましい。上記表示対応領域の可視光線透過率は、上記シェード領域の可視光線透過率よりも低くてもよい。上記表示対応領域の可視光線透過率は、上記シェード領域の可視光線透過率よりも、好ましくは50%以上高く、より好ましくは60%以上高い。
 なお、例えば、中間膜の表示対応領域及びシェード領域において、可視光線透過率が変化している場合には、表示対応領域の中心位置及びシェード領域の中心位置にて、可視光線透過率が測定される。
 分光光度計(日立ハイテク社製「U-4100」)を用いて、JIS R3211:1998に準拠して、得られた合わせガラスの波長380nm~780nmにおける上記可視光線透過率を測定することができる。なお、ガラス板として、厚み2mmのクリアガラスを用いることが好ましい。
 上記表示対応領域は、長さ方向と幅方向とを有することが好ましい。中間膜の汎用性に優れるので、上記表示対応領域の幅方向が、上記一端と上記他端とを結ぶ方向であることが好ましい。上記表示対応領域は、帯状であることが好ましい。
 上記中間膜は、MD方向とTD方向とを有することが好ましい。中間膜は、例えば、溶融押出成形により得られる。MD方向は、中間膜の製造時の中間膜の流れ方向である。TD方向は、中間膜の製造時の中間膜の流れ方向と直交する方向であり、かつ中間膜の厚み方向と直交する方向である。上記一端と上記他端とが、TD方向の両側に位置していることが好ましい。
 以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。なお、図1及び後述する図における中間膜の大きさ及び寸法は、図示の便宜上、実際の大きさ及び形状から適宜変更している。
 図1では、中間膜11の厚み方向の断面が示されている。中間膜11の厚み方向の断面形状は、矩形状である。
 中間膜11は、第1の外層2と、第2の内層4と、第1の内層1と、第3の内層5と、第2の外層3とを備える。第1の外層2、第2の内層4、第1の内層1、第3の内層5及び第2の外層3の中間膜11の厚み方向の断面形状はそれぞれ、矩形状である。第1の外層2と、第2の内層4と、第1の内層1と、第3の内層5と、第2の外層3とは、中間膜11の厚み方向にこの順で並んで配置されており、積層されている。第1の内層1の第1の表面1a上に、第2の内層4が配置されており、積層されている。第1の内層1の第2の表面1b上に、第3の内層5が配置されており、積層されている。第2の内層4の外側の表面4a上に、第1の外層2が配置されており、積層されている。第3の内層5の外側の表面5a上に、第2の外層3が配置されており、積層されている。第1の外層2及び第2の外層3は表面層である。第2の内層4、第1の内層1及び第3の内層5は中間層である。
 領域Xは、第1の外層2と、第2の内層4と、第1の内層1と、第3の内層5と、第2の外層3とが、中間膜11の厚み方向にこの順で並んで配置されている領域である。中間膜11では、中間膜の一端から他端にかけての領域が、領域Xである。
 図2は、本発明の第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。
 図2では、中間膜11Aの厚み方向の断面が示されている。中間膜11Aの厚み方向の断面形状は、矩形状である。
 中間膜11Aは、第1の外層2Aと、第2の内層4Aと、第1の内層1Aと、第3の内層5Aと、第2の外層3Aとを備える。第2の内層4A、第1の内層1A及び第3の内層5Aの中間膜11Aの厚み方向の断面形状はそれぞれ、矩形状である。第1の外層2Aと、第2の内層4Aと、第1の内層1Aと、第3の内層5Aと、第2の外層3Aとは、中間膜11Aの厚み方向にこの順で並んで配置されており、積層されている。第1の内層1Aの第1の表面1Aa上に、第2の内層4Aが配置されており、積層されている。第1の内層1Aの第2の表面1Ab上に、第3の内層5Aが配置されており、積層されている。第2の内層4Aの外側の表面4Aa上に、第1の外層2Aが配置されており、積層されている。第3の内層5Aの外側の表面5Aa上に、第2の外層3Aが配置されており、積層されている。第1の外層2A及び第2の外層3Aは表面層である。第2の内層4A、第1の内層1A及び第3の内層5Aは中間層である。
 領域Xは、第1の外層2Aと、第2の内層4Aと、第1の内層1Aと、第3の内層5Aと、第2の外層3Aとが、中間膜11Aの厚み方向にこの順で並んで配置されている領域である。第1の外層2Aと第2の外層3Aとは、一端側において、一体化している。中間膜11Aは、5層の構造を有する部分と、1層の構造を有する部分を有する。中間膜11Aでは、上記5層の構造を有する部分が、領域Xである。
 図3(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図及び正面図である。図3(a)は、図3(b)中のI-I線に沿う断面図である。
 図3(a)では、中間膜11Bの厚み方向の断面が示されている。なお、図3(a)及び後述の図では、図示の便宜上、中間膜及び中間膜を構成する各層の厚み、並びに楔角(θ)は、実際の厚み及び楔角とは異なるように示されている。
 中間膜11Bは、第1の外層2Bと、第2の内層4Bと、第1の内層1Bと、第3の内層5Bと、第2の外層3Bとを備える。第1の外層2Bと、第2の内層4Bと、第1の内層1Bと、第3の内層5Bと、第2の外層3Bとは、中間膜11Bの厚み方向にこの順で並んで配置されており、積層されている。第1の外層2B及び第2の外層3Bは表面層である。第2の内層4B、第1の内層1B及び第3の内層5Bは中間層である。
 中間膜11Bは、一端11aと、一端11aの反対側に他端11bとを有する。一端11aと他端11bとは対向し合う両側の端部である。第1の外層2B、第2の内層4B、第1の内層1B、第3の内層5B及び第2の外層3Bの厚み方向の断面形状は楔状である。第1の外層2B、第2の内層4B、第1の内層1B、第3の内層5B及び第2の外層3Bの厚みは、他端11b側のほうが一端11a側よりも大きい。従って、中間膜11Bの他端11bの厚みは一端11aの厚みよりも大きい。中間膜11Bは、厚みの薄い領域と、厚みの厚い領域とを有する。
 中間膜11Bは、一端11a側から他端11b側にかけて厚みが増加している領域を有する。中間膜11Bでは、厚みが増加している領域の中で、一端11a側から他端11b側にかけて厚みの増加量は均一である。
 領域Xは、第1の外層2Bと、第2の内層4Bと、第1の内層1Bと、第3の内層5Bと、第2の外層3Bとが、中間膜11Bの厚み方向にこの順で並んで配置されている領域である。中間膜11Bでは、一端11aから他端11bにかけての領域が、領域Xである。
 中間膜11Bは、ヘッドアップディスプレイの表示領域に対応する表示対応領域R1を有する。中間膜11Bは、表示対応領域R1の隣に周囲領域R2を有する。中間膜11Bは、表示対応領域R1と離れて、シェード領域R3を有する。シェード領域R3は、中間膜11Bの縁部に位置している。
 図4は、本発明の第4の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。図4では、中間膜11Cの厚み方向の断面が示されている。
 中間膜11Cは、第1の外層2Cと、第2の内層4Cと、第1の内層1Cと、第3の内層5Cと、第2の外層3Cとを備える。第1の外層2Cと、第2の内層4Cと、第1の内層1Cと、第3の内層5Cと、第2の外層3Cとは、中間膜11Cの厚み方向にこの順で並んで配置されており、積層されている。第1の外層2C及び第2の外層3Cは表面層である。第2の内層4C、第1の内層1C及び第3の内層5Cは中間層である。
 中間膜11Cは、一端11aと、一端11aの反対側に他端11bとを有する。一端11aと他端11bとは対向し合う両側の端部である。第1の外層2C、第2の内層4C、第1の内層1C、第3の内層5C及び第2の外層3Cの厚み方向の断面形状は楔状である。第1の外層2C、第2の内層4C、第1の内層1C、第3の内層5C及び第2の外層3Cの厚みは、他端11b側のほうが一端11a側よりも大きい。従って、中間膜11Cの他端11bの厚みは一端11aの厚みよりも大きい。中間膜11Cは、厚みの薄い領域と、厚みの厚い領域とを有する。
 中間膜11Bと、中間膜11Cとでは、厚みが増加している領域における厚みの増加量が異なる。
 中間膜11Cは、一端11a側から他端11b側にかけて厚みが増加している領域を有する。中間膜11Cは、厚みが増加している領域の中に、一端11a側から他端11b側にかけて厚みの増加量が大きくなる部分を有する。また、中間膜11Cは、厚み方向の断面形状が楔状である領域を有する。中間膜11Cは、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端11a側から他端11b側にかけて楔角が大きくなる部分を有する。
 領域Xは、第1の外層2Cと、第2の内層4Cと、第1の内層1Cと、第3の内層5Cと、第2の外層3Cとが、中間膜11Cの厚み方向にこの順で並んで配置されている領域である。中間膜11Cでは、一端11aから他端11bにかけての領域が、領域Xである。
 中間膜11Cは、ヘッドアップディスプレイの表示領域に対応する表示対応領域R1を有する。中間膜11Cは、表示対応領域R1の隣に周囲領域R2を有する。中間膜11Cは、表示対応領域R1と離れて、シェード領域R3を有する。シェード領域R3は、中間膜11Cの縁部に位置している。
 図5は、本発明の第5の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。図5では、中間膜11Dの厚み方向の断面が示されている。
 中間膜11Dは、第1の外層2Dと、第2の内層4Dと、第1の内層1Dと、第3の内層5Dと、第2の外層3Dとを備える。第1の外層2Dと、第2の内層4Dと、第1の内層1Dと、第3の内層5Dと、第2の外層3Dとは、中間膜11Dの厚み方向にこの順で並んで配置されており、積層されている。第1の外層2D及び第2の外層3Dは表面層である。第2の内層4D、第1の内層1D及び第3の内層5Dは中間層である。
 中間膜11Dは、一端11aと、一端11aの反対側に他端11bとを有する。一端11aと他端11bとは対向し合う両側の端部である。第1の外層2D、第2の内層4D、第1の内層1D、第3の内層5D及び第2の外層3Dの厚み方向の断面形状は楔状である。第1の外層2D、第2の内層4D、第1の内層1D、第3の内層5D及び第2の外層3Dの厚みは、他端11b側のほうが一端11a側よりも大きい。従って、中間膜11Dの他端11bの厚みは一端11aの厚みよりも大きい。中間膜11Dは、厚みの薄い領域と、厚みの厚い領域とを有する。
 中間膜11Bと、中間膜11Dとでは、厚みが増加している領域における厚みの増加量が異なる。
 中間膜11Dは、一端11a側から他端11b側にかけて厚みが増加している領域を有する。中間膜11Dは、厚みが増加している領域の中に、一端11a側から他端11b側にかけて厚みの増加量が小さくなる部分を有する。また、中間膜11Dは、厚み方向の断面形状が楔状である領域を有する。中間膜11Dは、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端側から他端側にかけて楔角が小さくなる部分を有する。
 領域Xは、第1の外層2Dと、第2の内層4Dと、第1の内層1Dと、第3の内層5Dと、第2の外層3Dとが、中間膜11Dの厚み方向にこの順で並んで配置されている領域である。中間膜11Dでは、一端11aから他端11bにかけての領域が、領域Xである。
 中間膜11Dは、ヘッドアップディスプレイの表示領域に対応する表示対応領域R1を有する。中間膜11Dは、表示対応領域R1の隣に周囲領域R2を有する。中間膜11Dは、表示対応領域R1と離れて、シェード領域R3を有する。シェード領域R3は、中間膜11Dの縁部に位置している。
 中間膜は、図3、図4又は図5に示す形状で、6層以上であってもよい。また、中間膜は、図3、図4又は図5に示す形状で、表示対応領域を有していなくてもよく、シェード領域を有していなくてもよい。また、中間膜は、図3、図4又は図5に示す形状で、第1の外層の厚み方向の断面形状が矩形であってもよく、第2の内層の厚み方向の断面形状が矩形であってもよく、第1の内層の厚み方向の断面形状が矩形であってもよく、第3の内層の厚み方向の断面形状が矩形であってもよく、第2の外層の厚み方向の断面形状が矩形であってもよい。また、中間膜は、図3、図4又は図5に示す形状で、領域Xを部分的に有していてもよい。例えば、中間膜は、図3、図4又は図5に示す形状で、一端側及び他端側のいずれか一方側において、第1の外層と第2の外層とが一体化していてもよい。
 以下、本発明に係る中間膜に用いることができる材料を詳細に説明する。
 (熱可塑性樹脂)
 中間膜は、樹脂(以下、樹脂(0)と記載することがある)を含むことが好ましい。中間膜は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(0)と記載することがある)を含むことが好ましい。中間膜は、熱可塑性樹脂(0)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(0)と記載することがある)を含むことが好ましい。
 上記第1の内層は、樹脂(以下、樹脂(1I)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第1の内層は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(1I)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第1の内層は、熱可塑性樹脂(1I)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(1I)と記載することがある)を含むことが好ましい。
 上記第2の内層は、樹脂(以下、樹脂(2I)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第2の内層は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(2I)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第2の内層は、熱可塑性樹脂(2I)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(2I)と記載することがある)を含むことが好ましい。
 上記第3の内層は、樹脂(以下、樹脂(3I)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第3の内層は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(3I)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第3の内層は、熱可塑性樹脂(3I)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(3I)と記載することがある)を含むことが好ましい。
 上記第1の外層は、樹脂(以下、樹脂(1O)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第1の外層は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(1O)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第1の外層は、熱可塑性樹脂(1O)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(1O)と記載することがある)を含むことが好ましい。
 上記第2の外層は、樹脂(以下、樹脂(2O)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第2の外層は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(2O)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第2の外層は、熱可塑性樹脂(2O)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(2O)と記載することがある)を含むことが好ましい。
 したがって、上記第1の外層と、上記第2の内層と、上記第1の内層と、上記第3の内層と、上記第2の外層とはそれぞれ、樹脂を含むことが好ましく、熱可塑性樹脂を含むことがより好ましく、ポリビニルアセタール樹脂を含むことが更に好ましい。特に、上記第1の外層と、上記第2の内層と、上記第1の内層と、上記第3の内層と、上記第2の外層とがそれぞれポリビニルアセタール樹脂を含む場合には、押出成形等により中間膜を製造することができるので、製造効率を高めることができる。
 なお、樹脂(1I)と樹脂(2I)と樹脂(3I)と樹脂(1O)と樹脂(2O)とはそれぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。熱可塑性樹脂(1I)と熱可塑性樹脂(2I)と熱可塑性樹脂(3I)と熱可塑性樹脂(1O)と熱可塑性樹脂(2O)とはそれぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。ポリビニルアセタール樹脂(1I)とポリビニルアセタール樹脂(2I)とポリビニルアセタール樹脂(3I)とポリビニルアセタール樹脂(1O)とポリビニルアセタール樹脂(2O)とはそれぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、樹脂(1I)と樹脂(2I)と樹脂(3I)と樹脂(1O)と樹脂(2O)とはそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。熱可塑性樹脂(1I)と熱可塑性樹脂(2I)と熱可塑性樹脂(3I)と熱可塑性樹脂(1O)と熱可塑性樹脂(2O)とはそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。ポリビニルアセタール樹脂(1I)とポリビニルアセタール樹脂(2I)とポリビニルアセタール樹脂(3I)とポリビニルアセタール樹脂(1O)とポリビニルアセタール樹脂(2O)とはそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 遮音性がより一層高くなることから、熱可塑性樹脂(1I)は、熱可塑性樹脂(2I)及び熱可塑性樹脂(3I)の双方とは異なっていることが好ましく、熱可塑性樹脂(1O)及び熱可塑性樹脂(2O)の双方とは異なっていることが好ましい。遮音性がより一層高くなることから、ポリビニルアセタール樹脂(1I)は、ポリビニルアセタール樹脂(2I)及びポリビニルアセタール樹脂(3I)の双方とは異なっていることが好ましく、ポリビニルアセタール樹脂(1O)及びポリビニルアセタール樹脂(2O)の双方とは異なっていることが好ましい。
 製造効率を高める観点からは、熱可塑性樹脂(2I)と熱可塑性樹脂(3I)とは同一の熱可塑性樹脂であることが好ましい。製造効率を高める観点からは、ポリビニルアセタール樹脂(2I)とポリビニルアセタール樹脂(3I)とは同一のポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
 製造効率を高める観点からは、熱可塑性樹脂(1O)と熱可塑性樹脂(2O)とは同一の熱可塑性樹脂であることが好ましい。製造効率を高める観点からは、ポリビニルアセタール樹脂(1O)とポリビニルアセタール樹脂(2O)とは同一のポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
 上記熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂及びポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。これら以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
 上記ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)をアルデヒドによりアセタール化することにより製造できる。上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールのアセタール化物であることが好ましい。上記ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。上記ポリビニルアルコールのけん化度は、一般に70モル%~99.9モル%の範囲内である。
 上記ポリビニルアルコール(PVA)の平均重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、より一層好ましくは1500以上、更に好ましくは1600以上、特に好ましくは2600以上、最も好ましくは2700以上であり、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3500以下である。上記平均重合度が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記平均重合度が上記上限以下であると、中間膜の成形が容易になる。
 上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
 上記ポリビニルアセタール樹脂に含まれるアセタール基の炭素数は特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する際に用いるアルデヒドは特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数は3~5であることが好ましく、3又は4であることがより好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数が3以上であると、中間膜のガラス転移温度が充分に低くなる。上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数は4又は5であってもよい。
 上記アルデヒドは特に限定されない。一般には、炭素数が1~10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1~10のアルデヒドとしては、例えば、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド、n-デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びベンズアルデヒド等が挙げられる。上記アルデヒドは、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド又はn-バレルアルデヒドであることが好ましく、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド又はイソブチルアルデヒドであることがより好ましく、n-ブチルアルデヒドであることが更に好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 ポリビニルアセタール樹脂(1I)の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは17モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは22モル%以上であり、好ましくは30モル%以下、より好ましくは27モル%以下、更に好ましくは24モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、中間膜の機械強度がより一層高くなる。特に、ポリビニルアセタール樹脂(1I)の水酸基の含有率が20モル%以上であると反応効率が高く生産性に優れ、また28モル%以下であると、合わせガラスの遮音性がより一層高くなり、28モル%以下であると遮音性が更に一層高くなる。また、上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
 ポリビニルアセタール樹脂(2I)及びポリビニルアセタール樹脂(3I)の水酸基の含有率(水酸基量)はそれぞれ、好ましくは25モル%以上、より好ましくは28モル%以上、更に好ましくは32モル%以上であり、好ましくは40モル%以下、より好ましくは38モル%以下、更に好ましくは36.5モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上及び上記上限以下であると、せん断貯蔵弾性率を好適に制御することができる。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、中間膜の機械強度がより一層高くなる。上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
 ポリビニルアセタール樹脂(1O)及びポリビニルアセタール樹脂(2O)の水酸基の含有率(水酸基量)はそれぞれ、好ましくは17モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは22モル%以上であり、好ましくは33モル%以下、より好ましくは30モル%以下、更に好ましくは27モル%以下、特に好ましくは24モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、中間膜の接着力がより一層高くなる。上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
 遮音性をより一層高める観点及びせん断貯蔵弾性率をより一層好適に制御する観点からは、ポリビニルアセタール樹脂(1I)の水酸基の含有率は、ポリビニルアセタール樹脂(2I)及びポリビニルアセタール樹脂(3I)の水酸基の各含有率よりも低いことが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂(1I)の水酸基の含有率と、ポリビニルアセタール樹脂(2I)の水酸基の含有率との差の絶対値は、好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは1.0モル%以上、更に好ましくは1.5モル%以上であり、好ましくは23モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは18モル%以下である。ポリビニルアセタール樹脂(1I)の水酸基の含有率と、ポリビニルアセタール樹脂(3I)の水酸基の含有率との差の絶対値は、好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは1.0モル%以上、更に好ましくは1.5モル%以上であり、好ましくは23モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは18モル%以下である。この場合には、遮音性を更に一層高めることができ、また、せん断貯蔵弾性率を更により一層好適に制御することができる。
 遮音性をより一層高める観点及びせん断貯蔵弾性率をより一層好適に制御する観点からは、ポリビニルアセタール樹脂(1I)の水酸基の含有率は、ポリビニルアセタール樹脂(1O)及びポリビニルアセタール樹脂(2O)の水酸基の各含有率よりも低いことが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂(1I)の水酸基の含有率と、ポリビニルアセタール樹脂(1O)の水酸基の含有率との差の絶対値は、好ましくは3モル%以上、より好ましくは4モル%以上、更に好ましくは5モル%以上であり、好ましくは18モル%以下、より好ましくは15モル%以下、更に好ましくは12モル%以下である。ポリビニルアセタール樹脂(1I)の水酸基の含有率と、ポリビニルアセタール樹脂(2O)の水酸基の含有率との差の絶対値は、好ましくは3モル%以上、より好ましくは4モル%以上、更に好ましくは5モル%以上であり、好ましくは18モル%以下、より好ましくは15モル%以下、更に好ましくは12モル%以下である。この場合には、遮音性を更に一層高めることができ、また、せん断貯蔵弾性率を更により一層好適に制御することができる。
 上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
 ポリビニルアセタール樹脂(1I)のアセチル化度(アセチル基量)は、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、より一層好ましくは7モル%以上、更に好ましくは9モル%以上であり、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下、更に好ましくは24モル%以下、特に好ましくは20モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。特に、ポリビニルアセタール樹脂(1I)のアセチル化度が0.1モル%以上25モル%以下であると、耐貫通性に優れる。
 ポリビニルアセタール樹脂(2I)及びポリビニルアセタール樹脂(3I)のアセチル化度はそれぞれ、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上であり、好ましくは10モル%以下、より好ましくは2モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。
 ポリビニルアセタール樹脂(1O)及びポリビニルアセタール樹脂(2O)のアセチル化度はそれぞれ、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上であり、好ましくは10モル%以下、より好ましくは2モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。
 上記アセチル化度は、アセチル基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記アセチル基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
 ポリビニルアセタール樹脂(1I)のアセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは47モル%以上、より好ましくは60モル%以上であり、好ましくは85モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは75モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
 ポリビニルアセタール樹脂(2I)及びポリビニルアセタール樹脂(3I)のアセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)はそれぞれ、好ましくは55モル%以上、より好ましくは60モル%以上であり、好ましくは75モル%以下、より好ましくは71モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
 ポリビニルアセタール樹脂(1O)及びポリビニルアセタール樹脂(2O)のアセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)はそれぞれ、好ましくは55モル%以上、より好ましくは60モル%以上であり、好ましくは75モル%以下、より好ましくは71モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
 上記アセタール化度は、以下のようにして求める。先ず、主鎖の全エチレン基量から、水酸基が結合しているエチレン基量と、アセチル基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を求める。得られた値を、主鎖の全エチレン基量で除算してモル分率を求める。このモル分率を百分率で示した値がアセタール化度である。
 なお、上記水酸基の含有率(水酸基量)、アセタール化度(ブチラール化度)及びアセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出することが好ましい。但し、ASTM D1396-92による測定を用いてもよい。ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合は、上記水酸基の含有率(水酸基量)、上記アセタール化度(ブチラール化度)及び上記アセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出され得る。
 上記第2の内層及び上記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率を効果的に高くする観点からは、熱可塑性樹脂(2I)及び熱可塑性樹脂(3I)はそれぞれ、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。上記第2の内層及び上記第3の内層はそれぞれ、ポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)であることが好ましい。
 上記第2の内層及び上記第3の内層として用いることが可能なポリエチレンテレフタレートの市販品としては、東洋紡社製「コスモシャイン A4100」、及び東レ社製「ルミラー #50-U48」等が挙げられる。
 上記第1の外層中及び上記第2の外層中の熱可塑性樹脂100重量%中、ポリビニルアセタール樹脂の含有量はそれぞれ、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、より一層好ましくは50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。上記第1の外層中及び上記第2の外層中の熱可塑性樹脂100重量%中、ポリビニルアセタール樹脂の含有量はそれぞれ、100重量%以下であってもよい。上記第1の外層及び上記第2の外層の熱可塑性樹脂の主成分(50重量%以上)は、ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
 上記第1の内層中の熱可塑性樹脂100重量%中、ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、より一層好ましくは50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。上記第1の内層中の熱可塑性樹脂100重量%中、ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、100重量%以下であってもよい。上記第1の内層の熱可塑性樹脂の主成分(50重量%以上)は、ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
 上記第2の内層中及び上記第3の内層中の熱可塑性樹脂100重量%中、ポリビニルアセタール樹脂の含有量はそれぞれ、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、より一層好ましくは50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。上記第2の内層中及び上記第3の内層中の熱可塑性樹脂100重量%中、ポリビニルアセタール樹脂の含有量はそれぞれ、100重量%以下であってもよい。上記第2の内層及び上記第3の内層の熱可塑性樹脂の主成分(50重量%以上)は、ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
 (可塑剤)
 遮音性を効果的に高める観点から、上記第1の内層は、可塑剤(以下、可塑剤(1I)と記載することがある)を含むことが好ましい。遮音性を効果的に高める観点から、上記第2の内層は、可塑剤(以下、可塑剤(2I)と記載することがある)を含んでいてもよい。遮音性を効果的に高める観点から、上記第3の内層は、可塑剤(以下、可塑剤(3I)と記載することがある)を含んでいてもよい。遮音性を効果的に高める観点から、上記第1の外層は、可塑剤(以下、可塑剤(1O)と記載することがある)を含むことが好ましい。遮音性を効果的に高める観点から、上記第2の外層は、可塑剤(以下、可塑剤(2O)と記載することがある)を含むことが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂を含む層は、可塑剤を含むことが好ましい。
 上記可塑剤は特に限定されない。上記可塑剤として、従来公知の可塑剤を用いることができる。可塑剤(1I)と、可塑剤(2I)と、可塑剤(3I)と、可塑剤(1O)と、可塑剤(2O)とはそれぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。可塑剤(1I)、可塑剤(2I)、可塑剤(3I)、可塑剤(1O)及び可塑剤(2O)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 上記可塑剤としては、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤等が挙げられる。上記可塑剤は有機エステル可塑剤であることが好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
 上記一塩基性有機酸エステルとしては、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2-エチル酪酸、ヘプチル酸、n-オクチル酸、2-エチルヘキシル酸、n-ノニル酸、デシル酸及び安息香酸等が挙げられる。
 上記多塩基性有機酸エステルとしては、多塩基性有機酸と、炭素数4~8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物等が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
 上記有機エステル可塑剤としては、トリエチレングリコールジ-2-エチルプロパノエート、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ-n-オクタノエート、トリエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,3-プロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,4-ブチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリレート、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。上記有機エステル可塑剤として、これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。また、上記アジピン酸エステルとして、上述のアジピン酸エステル以外の他のアジピン酸エステルを用いてもよい。
 上記有機リン酸可塑剤としては、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
 上記可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、炭素数2~10の有機基を表し、R3は、エチレン基、イソプロピレン基又はn-プロピレン基を表し、pは3~10の整数を表す。上記式(1)中のR1及びR2はそれぞれ、炭素数5~10の有機基であることが好ましく、炭素数6~10の有機基であることがより好ましい。
 上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(3GH)又はトリエチレングリコールジ-2-エチルプロパノエートを含むことが好ましい。上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)又はトリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(3GH)を含むことがより好ましく、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)を含むことが更に好ましい。
 熱可塑性樹脂(1I)100重量部に対する可塑剤(1I)の含有量を、含有量(1I)とする。遮音性を効果的に高める観点からは、含有量(1I)は、好ましくは60重量部以上、より好ましくは70重量部以上であり、好ましくは90重量部以下、より好ましくは80重量部以下である。上記含有量(1I)が上記下限以上であると、遮音性を効果的に高めることができる。上記含有量(1I)が上記上限以下であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。
 熱可塑性樹脂(2I)100重量部に対する可塑剤(2I)の含有量を、含有量(2I)とする。熱可塑性樹脂(3I)100重量部に対する可塑剤(3I)の含有量を、含有量(3I)とする。含有量(2I)及び含有量(3I)はそれぞれ、好ましくは10重量部以上、より好ましくは20重量部以上であり、好ましくは60重量部以下、より好ましくは50重量部以下である。上記含有量(2I)及び上記含有量(3I)が上記下限以上及び上記上限以下であると、せん断貯蔵弾性率をより一層好適に制御することができる。上記含有量(2I)及び上記含有量(3I)が上記下限以上であると、遮音性を効果的に高めることができる。上記含有量(2I)及び上記含有量(3I)が上記上限以下であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。なお、含有量(2I)及び含有量(3I)はそれぞれ、10重量部未満であってもよく、5重量部未満であってもよく、0重量部(未含有)であってもよい。
 熱可塑性樹脂(1O)100重量部に対する可塑剤(1O)の含有量を、含有量(1O)とする。熱可塑性樹脂(2O)100重量部に対する可塑剤(2O)の含有量を、含有量(2O)とする。含有量(1O)及び含有量(2O)はそれぞれ、好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上、更に好ましくは20重量部以上、特に好ましくは24重量部以上、最も好ましくは25重量部以上であり、好ましくは45重量部以下、より好ましくは40重量部以下である。上記含有量(1O)及び上記含有量(2O)が上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。上記含有量(1O)及び上記含有量(2O)が上記上限以下であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。
 遮音性をより一層高める観点及びせん断貯蔵弾性率をより一層好適に制御する観点からは、含有量(1I)は、含有量(2I)よりも多いことが好ましく、含有量(3I)よりも多いことが好ましく、含有量(1O)よりも多いことが好ましく、含有量(2O)よりも多いことが好ましい。遮音性をより一層高める観点及びせん断貯蔵弾性率をより一層好適に制御する観点からは、含有量(1I)と、含有量(2I)と、含有量(3I)と、含有量(1O)と、含有量(2O)とのうち、含有量(1I)が最も多いことが好ましい。
 遮音性をより一層高める観点及びせん断貯蔵弾性率をより一層好適に制御する観点からは、含有量(1O)及び含有量(2O)はそれぞれ、含有量(2I)よりも多いことが好ましく、含有量(3I)よりも多いことが好ましい。
 含有量(1I)と含有量(2I)との差の絶対値、及び、含有量(1I)と含有量(3I)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは10重量部以上、より好ましくは20重量部以上、更に好ましくは30重量部以上であり、好ましくは80重量部以下、より好ましくは70重量部以下、更に好ましくは60重量部以下である。上記差の絶対値が上記下限以上及び上記上限以下であると、遮音性をより一層高めることができ、また、せん断貯蔵弾性率をより一層好適に制御することができる。
 含有量(1I)と含有量(1O)との差の絶対値、及び、含有量(1I)と含有量(2O)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは15重量部以上、より好ましくは25重量部以上、更に好ましくは35重量部以上であり、好ましくは70重量部以下、より好ましくは60重量部以下、更に好ましくは50重量部以下である。上記差の絶対値が上記下限以上及び上記上限以下であると、遮音性をより一層高めることができ、また、せん断貯蔵弾性率をより一層好適に制御することができる。
 含有量(1O)と含有量(2I)との差の絶対値、及び、含有量(1O)と含有量(3I)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは1重量部以上、より好ましくは1.5重量部以上、更に好ましくは2重量部以上であり、好ましくは15重量部以下、より好ましくは12重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。上記差の絶対値が上記下限以上及び上記上限以下であると、遮音性をより一層高めることができ、また、せん断貯蔵弾性率をより一層好適に制御することができる。
 含有量(2O)と含有量(2I)との差の絶対値、及び、含有量(2O)と含有量(3I)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは1重量部以上、より好ましくは1.5重量部以上、更に好ましくは2重量部以上であり、好ましくは15重量部以下、より好ましくは12重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。上記差の絶対値が上記下限以上及び上記上限以下であると、遮音性をより一層高めることができ、また、せん断貯蔵弾性率をより一層好適に制御することができる。
 (遮熱性物質)
 上記中間膜は、遮熱性物質を含むことが好ましい。上記第1の内層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。上記第2の内層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。上記3の内層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。上記第1の外層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。上記第2の外層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。上記遮熱性物質は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 上記遮熱性物質は、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物及びアントラシアニン化合物の内の少なくとも1種の成分Xを含むか、又は遮熱粒子を含むことが好ましい。この場合に、上記遮熱性物質は、上記成分Xと上記遮熱粒子との双方を含んでいてもよい。
 成分X:
 上記中間膜は、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物及びアントラシアニン化合物の内の少なくとも1種の成分Xを含むことが好ましい。上記第1の内層は、上記成分Xを含むことが好ましい。上記第2の内層は、上記成分Xを含むことが好ましい。上記第3の内層は、上記成分Xを含むことが好ましい。上記第1の外層は、上記成分Xを含むことが好ましい。上記第2の外層は、上記成分Xを含むことが好ましい。上記成分Xは遮熱性化合物である。上記成分Xは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 上記成分Xは特に限定されない。成分Xとして、従来公知のフタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物及びアントラシアニン化合物を用いることができる。
 上記成分Xとしては、フタロシアニン、フタロシアニンの誘導体、ナフタロシアニン、ナフタロシアニンの誘導体、アントラシアニン及びアントラシアニンの誘導体等が挙げられる。上記フタロシアニン化合物及び上記フタロシアニンの誘導体はそれぞれ、フタロシアニン骨格を有することが好ましい。上記ナフタロシアニン化合物及び上記ナフタロシアニンの誘導体はそれぞれ、ナフタロシアニン骨格を有することが好ましい。上記アントラシアニン化合物及び上記アントラシアニンの誘導体はそれぞれ、アントラシアニン骨格を有することが好ましい。
 中間膜及び合わせガラスの遮熱性をより一層高くする観点からは、上記成分Xは、フタロシアニン、フタロシアニンの誘導体、ナフタロシアニン及びナフタロシアニンの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、フタロシアニン及びフタロシアニンの誘導体の内の少なくとも1種であることがより好ましい。
 遮熱性を効果的に高め、かつ長期間に亘り可視光線透過率をより一層高いレベルで維持する観点からは、上記成分Xは、バナジウム原子又は銅原子を含有することが好ましい。上記成分Xは、バナジウム原子を含有することが好ましく、銅原子を含有することも好ましい。上記成分Xは、バナジウム原子又は銅原子を含有するフタロシアニン、及びバナジウム原子又は銅原子を含有するフタロシアニンの誘導体の内の少なくとも1種であることがより好ましい。中間膜及び合わせガラスの遮熱性を更に一層高くする観点からは、上記成分Xは、バナジウム原子に酸素原子が結合した構造単位を有することが好ましい。
 上記中間膜100重量%中又は上記成分Xを含む層(第1の内層、第2の内層、第3の内層、第1の外層又は第2の外層)100重量%中、上記成分Xの含有量は、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.005重量%以上、更に好ましくは0.01重量%以上、特に好ましくは0.02重量%以上である。上記中間膜100重量%中又は上記成分Xを含む層(第1の内層、第2の内層、第3の内層、第1の外層又は第2の外層)100重量%中、上記成分Xの含有量は、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.05重量%以下、特に好ましくは0.04重量%以下である。上記成分Xの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、遮熱性が充分に高くなり、かつ可視光線透過率が充分に高くなる。例えば、可視光線透過率を70%以上にすることが可能である。
 遮熱粒子:
 上記中間膜は、遮熱粒子を含むことが好ましい。上記第1の内層は、上記遮熱粒子を含むことが好ましい。上記第2の内層は、上記遮熱粒子を含むことが好ましい。上記第3の内層は、上記遮熱粒子を含むことが好ましい。上記第1の外層は、上記遮熱粒子を含むことが好ましい。上記第2の外層は、上記遮熱粒子を含むことが好ましい。上記遮熱粒子は遮熱性物質である。遮熱粒子の使用により、赤外線(熱線)を効果的に遮断できる。上記遮熱粒子は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 合わせガラスの遮熱性をより一層高める観点からは、上記遮熱粒子は、金属酸化物粒子であることがより好ましい。上記遮熱粒子は、金属の酸化物により形成された粒子(金属酸化物粒子)であることが好ましい。
 可視光よりも長い波長(780nm以上)の赤外線は、紫外線と比較して、エネルギー量が小さい。しかしながら、赤外線は熱的作用が大きく、赤外線が物質に吸収されると熱として放出される。このため、赤外線は一般に熱線と呼ばれている。上記遮熱粒子の使用により、赤外線(熱線)を効果的に遮断できる。なお、遮熱粒子とは、赤外線を吸収可能な粒子を意味する。
 上記遮熱粒子としては、アルミニウムドープ酸化錫粒子、インジウムドープ酸化錫粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子(ATO粒子)、ガリウムドープ酸化亜鉛粒子(GZO粒子)、インジウムドープ酸化亜鉛粒子(IZO粒子)、アルミニウムドープ酸化亜鉛粒子(AZO粒子)、ニオブドープ酸化チタン粒子、酸化タングステン粒子、錫ドープ酸化インジウム粒子(ITO粒子)、錫ドープ酸化亜鉛粒子、珪素ドープ酸化亜鉛粒子等の金属酸化物粒子、及び六ホウ化ランタン(LaB)粒子等が挙げられる。上記遮熱粒子として、これら以外の遮熱粒子を用いてもよい。上記遮熱粒子は、熱線の遮蔽機能が高いため、金属酸化物粒子であることが好ましく、ATO粒子、GZO粒子、IZO粒子、ITO粒子又は酸化タングステン粒子であることがより好ましい。特に、熱線の遮蔽機能が高く、かつ入手が容易であるので、上記遮熱粒子は、ITO粒子又は酸化タングステン粒子であることが好ましい。
 中間膜及び合わせガラスの遮熱性をより一層高くする観点からは、酸化タングステン粒子は、金属ドープ酸化タングステン粒子であることが好ましい。上記「酸化タングステン粒子」には、金属ドープ酸化タングステン粒子が含まれる。上記金属ドープ酸化タングステン粒子としては、ナトリウムドープ酸化タングステン粒子、セシウムドープ酸化タングステン粒子、タリウムドープ酸化タングステン粒子及びルビジウムドープ酸化タングステン粒子等が挙げられる。
 中間膜及び合わせガラスの遮熱性をより一層高くする観点からは、セシウムドープ酸化タングステン粒子が特に好ましい。中間膜及び合わせガラスの遮熱性を更に一層高くする観点からは、該セシウムドープ酸化タングステン粒子は、式:Cs0.33WOで表される酸化タングステン粒子であることが好ましい。
 上記遮熱粒子の平均粒子径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.02μm以上であり、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下である。平均粒子径が上記下限以上であると、熱線の遮蔽性が充分に高くなる。平均粒子径が上記上限以下であると、遮熱粒子の分散性が高くなる。
 上記「平均粒子径」は、体積平均粒子径を示す。上記平均粒子径は、粒度分布測定装置(日機装社製「UPA-EX150」)等を用いて測定できる。
 上記中間膜100重量%中又は上記遮熱粒子を含む層(第1の内層、第2の内層、第3の内層、第1の外層又は第2の外層)100重量%中、上記遮熱粒子の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、特に好ましくは1.5重量%以上である。上記中間膜100重量%中又は上記遮熱粒子を含む層(第1の内層、第2の内層、第3の内層、第1の外層又は第2の外層)100重量%中、上記遮熱粒子の含有量は、好ましくは6重量%以下、より好ましくは5.5重量%以下、更に好ましくは4重量%以下、特に好ましくは3.5重量%以下、最も好ましくは3重量%以下である。上記遮熱粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、遮熱性が充分に高くなり、かつ可視光線透過率が充分に高くなる。
 (金属塩)
 上記中間膜は、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の内の少なくとも1種の金属塩(以下、金属塩Mと記載することがある)を含むことが好ましい。上記第1の内層は、上記金属塩Mを含むことが好ましい。上記第2の内層は、上記金属塩Mを含むことが好ましい。上記第3の内層は、上記金属塩Mを含むことが好ましい。上記第1の外層は、上記金属塩Mを含むことが好ましい。上記第2の外層は、上記金属塩Mを含むことが好ましい。なお、アルカリ土類金属とは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、及びRaの6種の金属を意味する。上記金属塩Mの使用により、中間膜とガラス板等の合わせガラス部材との接着性又は中間膜における各層間の接着性を制御することが容易になる。上記金属塩Mは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 上記金属塩Mは、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択された少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。中間膜中に含まれている金属塩は、K及びMgの内の少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。
 また、上記金属塩Mとして、炭素数2~16の有機酸のアルカリ金属塩、及び炭素数2~16の有機酸のアルカリ土類金属塩を用いることができる。上記金属塩Mは、炭素数2~16のカルボン酸マグネシウム塩、又は、炭素数2~16のカルボン酸カリウム塩を含んでいてもよい。
 上記炭素数2~16のカルボン酸マグネシウム塩及び上記炭素数2~16のカルボン酸カリウム塩としては、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2-エチル酪酸マグネシウム、2-エチルブタン酸カリウム、2-エチルヘキサン酸マグネシウム及び2-エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。
 上記金属塩Mを含む中間膜、又は上記金属塩Mを含む層(第1の内層、第2の内層、第3の内層、第1の外層又は第2の外層)におけるMg及びKの含有量の合計は、好ましくは5ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは20ppm以上である。上記金属塩Mを含む中間膜、又は上記金属塩Mを含む層(第1の内層、第2の内層、第3の内層、第1の外層又は第2の外層)におけるMg及びKの含有量の合計は、好ましくは300ppm以下、より好ましくは250ppm以下、更に好ましくは200ppm以下である。Mg及びKの含有量の合計が上記下限以上及び上記上限以下であると、中間膜とガラス板等の合わせガラス部材との接着性又は中間膜における各層間の接着性をより一層良好に制御できる。
 (紫外線遮蔽剤)
 上記中間膜は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。上記第1の内層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。上記第2の内層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。上記第3の内層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。上記第1の外層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。上記第2の外層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。紫外線遮蔽剤の使用により、中間膜及び合わせガラスが長期間使用されても、可視光線透過率がより一層低下し難くなる。上記紫外線遮蔽剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 上記紫外線遮蔽剤には、紫外線吸収剤が含まれる。上記紫外線遮蔽剤は、紫外線吸収剤であることが好ましい。
 上記紫外線遮蔽剤としては、例えば、金属原子を含む紫外線遮蔽剤、金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤、ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤(ベンゾトリアゾール化合物)、ベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤(ベンゾフェノン化合物)、トリアジン構造を有する紫外線遮蔽剤(トリアジン化合物)、マロン酸エステル構造を有する紫外線遮蔽剤(マロン酸エステル化合物)、シュウ酸アニリド構造を有する紫外線遮蔽剤(シュウ酸アニリド化合物)及びベンゾエート構造を有する紫外線遮蔽剤(ベンゾエート化合物)等が挙げられる。
 上記金属原子を含む紫外線遮蔽剤としては、例えば、白金粒子、白金粒子の表面をシリカで被覆した粒子、パラジウム粒子及びパラジウム粒子の表面をシリカで被覆した粒子等が挙げられる。上記紫外線遮蔽剤は、遮熱粒子ではないことが好ましい。
 上記紫外線遮蔽剤は、好ましくはベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤、ベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤、トリアジン構造を有する紫外線遮蔽剤又はベンゾエート構造を有する紫外線遮蔽剤である。上記紫外線遮蔽剤は、より好ましくはベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤又はベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤である。
 上記金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウム等が挙げられる。さらに、上記金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤に関して、表面が被覆されていてもよい。上記金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤の表面の被覆材料としては、絶縁性金属酸化物、加水分解性有機ケイ素化合物及びシリコーン化合物等が挙げられる。
 上記絶縁性金属酸化物としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。上記絶縁性金属酸化物は、例えば5.0eV以上のバンドギャップエネルギーを有する。
 上記ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「TinuvinP」)、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin320」)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)、及び2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin328」)等が挙げられる。紫外線を遮蔽する性能に優れることから、上記紫外線遮蔽剤は、ハロゲン原子を含むベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤であることが好ましく、塩素原子を含むベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤であることがより好ましい。
 上記ベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、オクタベンゾン(BASF社製「Chimassorb81」)等が挙げられる。
 上記トリアジン構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、ADEKA社製「LA-F70」及び2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール(BASF社製「Tinuvin1577FF」)等が挙げられる。
 上記マロン酸エステル構造を有する紫外線遮蔽剤としては、2-(p-メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル、テトラエチル-2,2-(1,4-フェニレンジメチリデン)ビスマロネート、2-(p-メトキシベンジリデン)-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル4-ピペリジニル)マロネート等が挙げられる。
 上記マロン酸エステル構造を有する紫外線遮蔽剤の市販品としては、Hostavin B-CAP、Hostavin PR-25、Hostavin PR-31(いずれもクラリアント社製)が挙げられる。
 上記シュウ酸アニリド構造を有する紫外線遮蔽剤としては、N-(2-エチルフェニル)-N’-(2-エトキシ-5-t-ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N-(2-エチルフェニル)-N’-(2-エトキシ-フェニル)シュウ酸ジアミド、2-エチル-2’-エトキシ-オキサルアニリド(クラリアント社製「SanduvorVSU」)などの窒素原子上に置換されたアリール基などを有するシュウ酸ジアミド類が挙げられる。
 上記ベンゾエート構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート(BASF社製「Tinuvin120」)等が挙げられる。
 上記紫外線遮蔽剤を含む層(第1の内層、第2の内層、第3の内層、第1の外層又は第2の外層)100重量%中、上記紫外線遮蔽剤の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.3重量%以上、特に好ましくは0.5重量%以上である。上記紫外線遮蔽剤を含む層(第1の内層、第2の内層、第3の内層、第1の外層又は第2の外層)100重量%中、上記紫外線遮蔽剤の含有量は、好ましくは2.5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、更に好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.8重量%以下である。上記紫外線遮蔽剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスが長期間使用されても、可視光線透過率がより一層低下し難くなる。特に、上記紫外線遮蔽剤を含む層100重量%中、上記紫外線遮蔽剤の含有量が0.2重量%以上であることにより、中間膜及び合わせガラスが長期間使用されても、可視光線透過率がより一層低下し難くなる。
 (酸化防止剤)
 上記中間膜は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第1の内層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第2の内層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第3の内層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第1の外層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第2の外層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。上記フェノール系酸化防止剤はフェノール骨格を有する酸化防止剤である。上記硫黄系酸化防止剤は硫黄原子を含有する酸化防止剤である。上記リン系酸化防止剤はリン原子を含有する酸化防止剤である。
 上記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤又はリン系酸化防止剤であることが好ましい。
 上記フェノール系酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス-(4-メチル-6-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス-(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス-(2-メチル-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェノール)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,3’-t-ブチルフェノール)ブチリックアシッドグリコールエステル及びビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)等が挙げられる。これらの酸化防止剤の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。
 上記リン系酸化防止剤としては、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸、及び2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチル-1-フェニルオキシ)(2-エチルヘキシルオキシ)ホスホラス等が挙げられる。これらの酸化防止剤の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。
 上記酸化防止剤の市販品としては、例えばBASF社製「IRGANOX 245」、BASF社製「IRGAFOS 168」、BASF社製「IRGAFOS 38」、住友化学工業社製「スミライザーBHT」、堺化学工業社製「H-BHT」、並びにBASF社製「IRGANOX 1010」等が挙げられる。
 中間膜及び合わせガラスの高い可視光線透過率を長期間に亘り維持するために、上記中間膜100重量%中又は酸化防止剤を含む層(第1の内層、第2の内層、第3の内層、第1の外層又は第2の外層)100重量%中、上記酸化防止剤の含有量は0.1重量%以上であることが好ましい。また、酸化防止剤の添加効果が飽和するので、上記中間膜100重量%中又は上記酸化防止剤を含む層100重量%中、上記酸化防止剤の含有量は2重量%以下であることが好ましい。
 (他の成分)
 上記中間膜、上記第1の内層、上記第2の内層、上記第3の内層、上記第1の外層及び上記第2の外層はそれぞれ、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、カップリング剤、分散剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、金属塩以外の接着力調整剤、耐湿剤、蛍光増白剤及び赤外線吸収剤等の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 (赤外線反射層)
 上記第2の内層及び上記第3の内層は、赤外線反射層であってもよい。上記赤外線反射層は赤外線を反射する層である。上記赤外線反射層は、赤外線を反射する性能を有していれば特に限定されない。
 上記赤外線反射層としては、金属箔付き樹脂フィルム、樹脂層上に金属層及び誘電層が形成された多層積層フィルム、グラファイトを含むフィルム、多層樹脂フィルム及び液晶フィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、赤外線を反射する性能を有する。
 上記赤外線反射層は、金属箔付き樹脂フィルム、グラファイトを含むフィルム、多層樹脂フィルム又は液晶フィルムであることが好ましい。これらのフィルムは、赤外線の反射性能にかなり優れている。従って、これらのフィルムの使用により、遮熱性がより一層高く、高い可視光線透過率をより一層長期間に亘り維持できる合わせガラスが得られる。
 上記赤外線反射層は、多層樹脂フィルム又は液晶フィルムであることがより好ましい。これらのフィルムは、金属箔付き樹脂フィルムに比べて電磁波を透過することができるため、車内での電子機器の使用時に妨害することなく使用が可能になる。
 上記金属箔付き樹脂フィルムは、樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの外表面に積層された金属箔とを備える。上記樹脂フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂及びポリイミド樹脂等が挙げられる。上記金属箔の材料としては、アルミニウム、銅、銀、金、パラジウム、及びこれらを含む合金等が挙げられる。
 上記樹脂層上に金属層及び誘電層が形成された多層積層フィルムは、樹脂層(樹脂フィルム)に、金属層及び誘電層が交互に任意の層数で積層された多層積層フィルムである。なお、上記樹脂層上に金属層及び誘電層が形成された多層積層フィルムでは、金属層及び誘電層の全てが交互に積層されていることが好ましいが、金属層/誘電層/金属層/誘電層/金属層/金属層/誘電層/金属層のように、一部が交互に積層されていない構造部分があってもよい。
 上記多層積層フィルムにおける上記樹脂層(樹脂フィルム)の材料としては、上記金属箔付き樹脂フィルムにおける樹脂フィルムの材料と同様の材料が挙げられる。上記多層積層フィルムにおける上記樹脂層(樹脂フィルム)の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリ(4-メチルペンテン-1)、ポリフッ化ビニリデン、環状ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ナイロン6,11,12,66などのポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルイミド等が挙げられる。上記多層積層フィルムにおける上記金属層の材料としては、上記金属箔付き樹脂フィルムにおける上記金属箔の材料と同様の材料が挙げられる。上記金属層の両面もしくは片面に、金属もしくは金属の混合酸化物のコート層を付与することができる。上記コート層の材料としては、ZnO、Al、Ga、InO、MgO、Ti、NiCr及びCu等が挙げられる。
 上記多層積層フィルムにおける上記誘電層の材料としては、例えば酸化インジウム等が挙げられる。
 上記多層樹脂フィルムは、複数の樹脂フィルムが積層された積層フィルムである。上記多層樹脂フィルムの材料としては、上記多層積層フィルムにおける上記樹脂層(樹脂フィルム)の材料と同様の材料が挙げられる。上記多層樹脂フィルムにおける樹脂フィルムの積層数は、2以上であり、3以上であってもよく、5以上であってもよい。上記多層樹脂フィルムにおける樹脂フィルムの積層数は、1000以下であってもよく、100以下であってもよく、50以下であってもよい。
 上記多層樹脂フィルムは、異なる光学的性質(屈折率)を有する2種類以上の熱可塑性樹脂層が交互に又はランダムに任意の層数で積層された多層樹脂フィルムであってもよい。このような多層樹脂フィルムは、所望の赤外線反射性能が得られるように構成される。
 上記液晶フィルムとしては、任意の波長の光を反射するコレステリック液晶層を任意の層数で積層したフィルムが挙げられる。このような液晶フィルムは、所望の赤外線反射性能が得られるように構成される。
 上記赤外線反射層と上記第2の合わせガラス部材との積層体は、金属箔付き第2の合わせガラス部材であってもよい。この場合に、金属箔が、赤外線反射層として機能する。
 赤外線を反射する性能に優れることから、上記赤外線反射層が、800nm~2000nmの範囲内の少なくとも1つの波長において、赤外線透過率が40%以下である性質を有することが好ましい。なお、後述する実施例で用いた赤外線反射層の赤外線透過率は、上記の好ましい条件を満足する。800nm~2000nmの範囲内の少なくとも1つの波長において、赤外線透過率はより好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下である。
 上記赤外線反射層の波長800nm~2000nmの範囲における各波長の透過率は、具体的には、以下のようにして測定される。単独の赤外線反射層を用意する。分光光度計(日立ハイテク社製「U-4100」)を用いて、JIS R3106:1998に準拠して、赤外線反射層の波長800nm~2000nmにおける各波長の分光透過率を得る。
 合わせガラスの遮熱性を効果的に高める観点からは、赤外線反射層の波長800nm~1200nmでの赤外線反射率は好ましくは20%以上、より好ましくは22%以上、更に好ましくは25%以上である。
 上記赤外線反射層の波長800nm~1200nmでの赤外線反射率は、具体的には以下のようにして測定される。分光光度計(日立ハイテク社製「U-4100」)を用いて、JIS R3106:1998に準拠して、赤外線反射層の波長800nm~1200nmにおける各波長の反射率を得る。各波長での反射率のうち、最も反射率が低い値が上記下限以上であることが好ましい。
 合わせガラスの透明性を効果的に高める観点からは、上記赤外線反射層の波長380nm~780nmでの可視光線透過率は好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上である。
 上記可視光線透過率は、分光光度計(日立ハイテク社製「U-4100」)を用いて、JIS R3211:1998に準拠して、波長380nm~780nmにて測定される。
 (合わせガラス用中間膜の他の詳細)
 中間膜は、巻かれて、中間膜のロール体とされてもよい。ロール体は、巻き芯と、該巻き芯の外周に巻かれた中間膜とを備えていてもよい。
 上記中間膜の製造方法は特に限定されない。
 中間膜の製造効率が優れることから、上記第2の内層と上記第3の内層とに、同一のポリビニルアセタール樹脂が含まれていることが好ましく、上記第1の外層と上記第2の外層とに、同一のポリビニルアセタール樹脂が含まれていることが好ましい。中間膜の製造効率が優れることから、上記第2の内層と上記第3の内層とに、同一のポリビニルアセタール樹脂及び同一の可塑剤が含まれていることがより好ましく、上記第1の外層と上記第2の外層とに、同一のポリビニルアセタール樹脂及び同一の可塑剤が含まれていることが好ましい。中間膜の製造効率が優れることから、上記第2の内層と上記第3の内層とが同一の樹脂組成物により形成されていることが更に好ましく、上記第1の外層と上記第2の外層とが同一の樹脂組成物により形成されていることが更に好ましい。
 上記中間膜は、両側の表面の内の少なくとも一方の表面に凹凸形状を有することが好ましい。上記中間膜は、両側の表面に凹凸形状を有することがより好ましい。上記の凹凸形状を形成する方法としては特に限定されず、例えば、リップエンボス法(メルトフラクチャー法)、エンボスロール法、カレンダーロール法、及び異形押出法等が挙げられる。
 上記中間膜は、メルトフラクチャー法、又はエンボスロール法により形成された凹凸形状を表面に有することが好ましく、メルトフラクチャー法、又は0.10kN/cm以下の線圧によるエンボスロール法により形成された凹凸形状を表面に有することがより好ましい。上記の方法を用いることで、表面層の厚みが比較的薄くても凹凸形状を良好に付与することができ、その結果、光学歪みを効果的に抑えることができる。
 上記中間膜は、車両において、外部空間と内部空間との間の開口部に取り付けられる中間膜であることが好ましい。上記中間膜は、自動車において、外部空間と内部空間との間の開口部に取り付けられる中間膜であることがより好ましい。
 上記開口部に取り付けられる中間膜としては、以下の構成(1)を備える中間膜、及び以下の構成(2)を備える中間膜が挙げられる。(1)上記中間膜の上記他端の厚みが上記一端の厚みよりも大きい。(2)上記第1の外層と、上記第2の内層と、上記第1の内層と、上記第3の内層と、上記第2の外層との内の少なくとも1層の上記領域Xにおける上記他端側の端部での厚みが、該層の上記領域Xにおける上記一端側の端部での厚みよりも大きい。上記の構成(1)を備える中間膜、及び上記の構成(2)を備える中間膜はそれぞれ、上記他端側が上記開口部の上側に位置するように、上記開口部に取り付けられる中間膜であることが好ましい。
 (合わせガラス)
 本発明に係る合わせガラスは、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、上述した合わせガラス用中間膜とを備える。本発明に係る合わせガラスでは、上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材との間に、上記合わせガラス用中間膜が配置されている。
 図6は、図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す断面図である。
 図6に示す合わせガラス31は、第1の合わせガラス部材21と、第2の合わせガラス部材22と、中間膜11とを備える。中間膜11は、第1の合わせガラス部材21と第2の合わせガラス部材22との間に配置されており、挟み込まれている。
 上記合わせガラスは、例えば、ヘッドアップディスプレイである。上記合わせガラスがヘッドアップディスプレイである場合には、該合わせガラスは、ヘッドアップディスプレイの表示領域を有する。上記表示領域は、情報を良好に表示させることができる領域である。
 上記合わせガラスは、ヘッドアップディスプレイ(HUD)であることが好ましい。
 上記ヘッドアップディスプレイを用いて、ヘッドアップディスプレイシステムを得ることができる。ヘッドアップディスプレイシステムは、上記合わせガラスと、画像表示用の光を合わせガラスに照射するための光源装置とを備える。上記光源装置は、例えば、車両において、ダッシュボードに取り付けることができる。上記光源装置から、上記合わせガラスの上記表示領域に光を照射することで、画像表示を行うことができる。
 上記第1の合わせガラス部材は、第1のガラス板であることが好ましい。上記第2の合わせガラス部材は、第2のガラス板であることが好ましい。
 上記第1,第2の合わせガラス部材としては、ガラス板及びPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。上記合わせガラスには、2枚のガラス板の間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスだけでなく、ガラス板とPETフィルム等との間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスも含まれる。上記合わせガラスは、ガラス板を備えた積層体であり、少なくとも1枚のガラス板が用いられていることが好ましい。上記第1の合わせガラス部材及び上記第2の合わせガラス部材がそれぞれ、ガラス板又はPETフィルムであり、かつ上記合わせガラスは、上記第1の合わせガラス部材及び上記第2の合わせガラス部材の内の少なくとも一方として、ガラス板を備えることが好ましい。上記第1,第2の合わせガラス部材の双方がガラス板であることが特に好ましい。
 上記ガラス板としては、無機ガラス及び有機ガラスが挙げられる。上記無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、線入り板ガラス及びグリーンガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代わる合成樹脂ガラスである。上記有機ガラスとしては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。
 上記第1の合わせガラス部材及び上記第2の合わせガラス部材の各厚みは、好ましくは1mm以上であり、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。また、上記合わせガラス部材がガラス板である場合に、該ガラス板の厚みは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.7mm以上であり、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。上記合わせガラス部材がPETフィルムである場合に、該PETフィルムの厚みは、好ましくは0.03mm以上であり、好ましくは0.5mm以下である。
 上記合わせガラスの製造方法は特に限定されない。先ず、上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材との間に、中間膜を挟んで、積層体を得る。次に、例えば、得られた積層体を押圧ロールに通したり又はゴムバッグに入れて減圧吸引したりすることにより、上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材と中間膜との間に残留する空気を脱気する。その後、約70℃~110℃で予備接着して予備圧着された積層体を得る。次に、予備圧着された積層体をオートクレーブに入れたり、又はプレスしたりして、約120℃~150℃及び1MPa~1.5MPaの圧力で圧着する。このようにして、合わせガラスを得ることができる。
 上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、車両用又は建築物用の中間膜及び合わせガラスであることが好ましく、車両用の中間膜及び合わせガラスであることがより好ましい。上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス又はバックライト用ガラス等に使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車に好適に用いられる。上記中間膜は、自動車の合わせガラスを得るために好適に用いられる。
 以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されない。
 用いたポリビニルアセタール樹脂では、アセタール化に、炭素数4のn-ブチルアルデヒドが用いられている。ポリビニルアセタール樹脂に関しては、アセタール化度(ブチラール化度)、アセチル化度及び水酸基の含有率はJIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定した。なお、ASTM D1396-92により測定した場合も、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法と同様の数値を示した。
 (実施例1)
 第1の内層を形成するための組成物の作製:
 ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度3000、水酸基の含有率23.8モル%、アセチル化度12.3モル%、アセタール化度63.9モル%)100重量部
 トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)76.5重量部
 得られる第1の内層中で0.2重量%となる量のBASF社製「Tinuvin326」(2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)
 得られる第1の内層中で0.2重量%となる量のBHT(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール)
 第2の内層及び第3の内層を形成するための組成物の作製:
 以下の成分を配合し、ミキシングロールで充分に混練し、第2の内層及び第3の内層を形成するための組成物を得た。
 ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、水酸基の含有率31.8モル%、アセチル化度0.9モル%、アセタール化度67.3モル%)100重量部
 トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)35重量部
 得られる第2の内層中及び第3の内層中で0.2重量%となる量のBASF社製「Tinuvin326」(2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)
 得られる第2の内層中及び第3の内層中で0.2重量%となる量のBHT(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール)
 第1の外層及び第2の外層を形成するための組成物の作製:
 ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、水酸基の含有率30.4モル%、アセチル化度0.9モル%、アセタール化度68.7モル%)100重量部
 トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)37.5重量部
 得られる第1の外層中及び第2の外層中で0.2重量%となる量のBASF社製「Tinuvin326」(2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)
 得られる第1の外層中及び第2の外層中で0.2重量%となる量のBHT(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール)
 中間膜の作製:
 得られた第1の内層を形成するための組成物と、第2の内層及び第3の内層を形成するための組成物と、第1の外層及び第2の外層を形成するための組成物とを、共押出機を用いて共押出することにより、5層の構造(第1の外層/第2の内層/第1の内層/第3の内層/第2の外層)を有するエンボス加工前の中間膜を得た。得られたエンボス加工前の中間膜に対して、エンボスロール法により0.10kN/cmの線圧でエンボス加工して、中間膜(図1の形状を有する中間膜)を作製した。なお、得られた中間膜は、ロール状に巻き取った。
 (実施例2~15及び比較例1,2)
 ポリビニルアセタール樹脂の種類(各層中のポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は実施例1と同様)、可塑剤の配合量及び各層の厚みを表1~12のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、5層の構造を有する中間膜(図1の形状を有する中間膜)を製造した。なお、得られた中間膜は、ロール状に巻き取った。
 (実施例16)
 第1の内層を形成するための組成物の作製:
 実施例1と同様にして、第1の内層を形成するための組成物を得た。
 第2の内層及び第3の内層:
 第2の内層及び第3の内層として、PETフィルム(東洋紡社製「コスモシャイン A4100」)を用いた。
 第1の外層及び第2の外層を形成するための組成物の作製:
 実施例1と同様にして、第1の外層及び第2の外層を形成するための組成物を得た。
 中間膜の作製:
 第1の外層を形成するための組成物と第2の内層(PETフィルム)とを用いて、ラミネート機にて、フィルム温度80℃、ラミネートプレス圧1KNの条件でラミネートすることによって、第1の外層と第2の内層との積層体(1)を得た。また、第2の外層を形成するための組成物と第3の内層(PETフィルム)とを用いて、同様のラミネート条件でラミネートすることによって、第2の外層と第3の内層との積層体(2)を得た。次いで、積層体(1)と積層体(2)と第1の内層を形成するための組成物とを用いて、ラミネート機にて、フィルム温度80℃、ラミネートプレス圧1KNの条件でラミネートすることによって、5層の構造を有するエンボス加工前の中間膜を得た。得られたエンボス加工前の中間膜に対して、エンボスロール法により0.10kN/cmの線圧でエンボス加工して、中間膜(図1の形状を有する中間膜)を作製した。なお、得られた中間膜は、ロール状に巻き取った。
 (評価)
 (1)ガラス転移温度
 中間膜を、室温23±2℃、湿度25±5%の環境下に12時間保管した。次いで、TAインスツルメント社製の粘弾性測定装置「ARES-G2」を用いて、粘弾性を測定した。治具として直径8mmのパラレルプレートを用い、せん断モード、3℃/分の降温速度で100℃から-20℃まで温度を低下させる条件、並びに周波数1Hz及び歪1%の条件で測定した。得られた測定結果において、損失正接のピーク温度をガラス転移温度Tg(℃)とした。このようにして、得られた中間膜における各層のガラス転移温度を求めた。
 (2)せん断貯蔵弾性率(1Hz及び100℃)
 上述した方法により、得られた中間膜における各層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率を求めた。なお、実施例1~15及び比較例1,2で得られた中間膜の各層のせん断貯蔵弾性率、及び実施例16で得られた中間膜の第1の内層、第1の外層及び第2の外層のせん断貯蔵弾性率は、粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製「ARES-G2」)を用いて、上述した「せん断貯蔵弾性率の測定方法(1)」により求めた。一方、実施例16で得られた中間膜の第2の内層及び第3の内層のせん断貯蔵弾性率は、「せん断貯蔵弾性率の測定方法(1)」で求めることができなかったため、粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製「RSA-G2」)を用いて、上述した「せん断貯蔵弾性率の測定方法(2)」により求めた。
 (3)光学歪み
 (3-1)合わせガラスの作製
 JIS R3202:1996に準拠した縦15cm、横30cm及び厚み2.5mmのクリアガラス2枚の間に得られた中間膜を挟み、積層体を得た。得られた積層体をゴムバッグ内に入れ、ゴムバッグを吸引減圧機に接続した。積層体の温度が70℃になるように加熱すると同時に16kPaの減圧下で10分間保持して、積層体を予備圧着した。大気圧に戻した後、オートクレーブ中で140℃及び圧力1300kPaの条件で、予備圧着された積層体を10分間圧着した。圧着後、50℃及び大気圧の条件に戻して、合わせガラスを得た。
 (3-2)光学歪みの測定
 図7及び図8に示す光学歪み検査装置を用意した。図7は、光学歪みの測定に用いた光学歪み検査装置を模式的に示す平面図である。図8は、光学歪みの測定に用いた光学歪み検査装置を模式的に示す正面図である。図9(a)及び(b)は、画像処理部での処理操作を説明するための図である。
 光学歪み検査装置41は、測定対象物Wの光学歪み値を測定するための装置である。光学歪み検査装置41は、光源ユニット42と、スリット部43と、測定対象物載置部44と、投影面45と、画像入力部46と、画像処理部47と、架台48と、評価部49とを備える。図7及び図8では、測定対象物載置部44に、測定対象物Wが載置されている。
 光源ユニット42は、発光部421と、光ファイバー422と、照射口423とを備える。発光部421で発光される照射光が光ファイバー422内を経由し、照射口423からスリット部43方向へ照射される。なお、発光部421として、ハロゲンランプ(岩崎電気社製「EYE DICHRO-COOL HALOGEN(15V100W)」)を用いた。
 架台48は、架台本体481と、アーム482とを備える。画像入力部46は、アーム482に載置されている。
 照射口423、スリット部43、測定対象物載置部44及び投影面45は、架台48上を光軸A方向に移動可能である。
 スリット部43は、中央部にスリットを有する。光源ユニット42から照射された照射光は、スリット部43のスリットを通過し、測定対象物Wに到達する。
 測定対象物Wを透過した照射光は、投影面45に投影される。投影面45は、光軸Aに対して角度θで傾けて設置することが可能である。投影面45として、白紙を用いた。
 画像入力部46は、投影面45を撮影し、撮影された像の明暗を信号に変換し濃淡画像を生成する。画像入力部として、CCDカメラ(ソニー社製「XC-ST70」)を用いた。
 画像処理部47は、濃淡画像の濃淡のばらつきの度合いに基づいて、測定対象物Wの光学歪みを検出する。濃淡画像の各画素間の濃度値の分散値を出力する。評価部49は、画像処理部47により算出される分散値と、あらかじめ定められた許容範囲の分散値とを比較し、測定対象物Wの光学歪みを評価する。
 画像処理部47は、濃淡画像の濃淡に応じて、該濃淡画像の各ピクセルを0~255の画素値に変換する。図9(a)に示すように、ピクセル座標(120,40)、(520,40)、(120,440)、(520,440)の4点を結んでできる400ピクセル×400ピクセルの領域を、1ウィンドウあたり100ピクセル×100ピクセルの合計16ウィンドウ(ウィンドウW1~W16)に分割した。16ウィンドウのそれぞれは、互いに重複することなく、分割された。
 図9(b)では、1個のウィンドウのみが拡大されて示されている。1個のウィンドウの同一列(図9(b)における破線矢印)の100ピクセルにおいて、「画素値の分散値」を算出した。ウィンドウの1列目~100列目のそれぞれについて、「画素値の分散値」を算出した。ウィンドウの1列目において、画素値の分散値V1が算出される。ウィンドウの2列目において、画素値の分散値V2が算出される。同様にして、画素値の分散値V3~V100が算出される。1個のウィンドウあたり、100個の「画素値の分散値」(分散値V1~V100)が得られる。この100個の「画素値の分散値」の平均値を、「ウィンドウの光学歪み」とした。
 16個のウィンドウのそれぞれについて「ウィンドウの光学歪み」を算出した。16個の「ウィンドウの光学歪み」の平均値を、「測定対象物の光学歪み」とした。
 測定対象物Wとして、得られた合わせガラスと、校正用合わせガラスとの2つの測定対象物を用いた。上記校正用合わせガラスは、可視光線透過率が88%である校正用単層中間膜を、厚さ2.5mmのクリアフロートガラス2枚の間に配置して得られた合わせガラスである。なお、上記校正用単層中間膜の可視光線透過率は、分光光度計(例えば、日立ハイテク社製「U-4100」)を用いて、JIS R3211:1998に準拠して、波長380nm~780nmにて測定された値である。
 また、上記校正用合わせガラスは、上記校正用単層中間膜を用いて、以下のようにして作製された合わせガラスである。
 JIS R3202:1996に準拠した縦15cm、横30cm及び厚み2.5mmのクリアガラス2枚の間に上記校正用単層中間膜を挟み、積層体を得た。得られた積層体をゴムバッグ内に入れ、ゴムバッグを吸引減圧機に接続した。積層体の温度が70℃になるように加熱すると同時に16kPaの減圧下で10分間保持して、積層体を予備圧着した。大気圧に戻した後、オートクレーブ中で140℃及び圧力1300kPaの条件で、予備圧着された積層体を10分間圧着した。圧着後、50℃及び大気圧の条件に戻して、上記校正用合わせガラスを得た。
 測定対象物を載置しない状態での光学歪み値が1.30となるように、かつ上記校正用合わせガラスの光学歪み値が1.14となるように、照射口、スリット部、測定対象物載置部、投影面及び画像入力部等の位置、スリットの形状及びサイズ、光源の照度、光軸と投影面との角度θ等を調整した。測定対象物を載置しない状態とは、上記測定対象物載置部に物が載置されてない状態を意味する。測定対象物を載置しない状態での光学歪み値が1.30となるように、かつ上記校正用合わせガラスの光学歪み値が1.14となるように調整した光学歪み検査装置を用いて、得られた合わせガラスの光学歪み値を測定した。
 (4)脱気性及びシール性能
 縦30cm、横30cm及び厚さ2mmのサイズを有する2枚の透明なフロートガラス板を用意した。これら2枚の透明なフロートガラスは、ガラス中央に対して周辺が1mm湾曲しているフロートガラスである。フロートガラス2枚の間に得られた中間膜を挟み、フロートガラスからはみ出た中間膜を切り取り、積層体を得た。得られた積層体をゴムバッグ内に入れ、ゴムバッグを吸引減圧機に接続した。外気加熱温度で加熱すると同時に-600mmHg(絶対圧力160mmHg)の減圧下で10分間保持し、積層体の温度(予備圧着温度)が90℃になるように加熱して積層体を予備圧着した。大気圧に戻した後、オートクレーブ内で、140℃及び圧力13kg/cmの条件下で、予備圧着された積層体を10分間圧着した。圧着後、50℃及び大気圧の条件に戻して、合わせガラスを得た。得られた合わせガラスをオーブンに入れ、140℃で2時間加熱した後、オーブンから取り出して3時間冷却した。冷却後の合わせガラスを目視にて観察し、発泡(気泡)が生じているか否かを確認した。なお、合わせガラスは100枚作製し、合わせガラス100枚中、発泡が生じている合わせガラスの枚数を算出した。
 <脱気性及びシール性能の判定基準>
 ○:合わせガラス100枚中、発泡が生じている合わせガラスの枚数が5枚以下
 ×:合わせガラス100枚中、発泡が生じている合わせガラスの枚数が6枚以上
 中間膜の構成及び結果を下記の表1~12に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000011
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000013
 実施例1~16で作製した各組成物を用いて、他端の厚みが一端の厚みよりも大きい中間膜(楔状の中間膜)をそれぞれ作製した。この楔状の中間膜を用いて、上記と同様にして、「(3)光学歪み」及び「(4)脱気性及びシール性能」を評価したところ、実施例1~16で作製した中間膜を用いて得られた結果と同様の結果が得られた。
 1,1A,1B,1C,1D…第1の内層
 1a,1Aa…第1の表面
 1b,1Ab…第2の表面
 2,2A,2B,2C,2D…第1の外層
 2a…外側の表面
 3,3A,3B,3C,3D…第2の外層
 3a…外側の表面
 4,4A,4B,4C,4D…第2の内層
 4a,4Aa…外側の表面
 5,5A,5B,5C,5D…第3の内層
 5a,5Aa…外側の表面
 11,11A,11B,11C,11D…中間膜
 11a…一端
 11b…他端
 21…第1の合わせガラス部材
 22…第2の合わせガラス部材
 31…合わせガラス
 41…光学歪み検査装置
 42…光源ユニット
 43…スリット部
 44…測定対象物載置部
 45…投影面
 46…画像入力部
 47…画像処理部
 48…架台
 49…評価部
 421…発光部
 422…光ファイバー
 423…照射口
 481…架台本体
 482…アーム
 A…光軸
 R1…表示対応領域
 R2…周囲領域
 R3…シェード領域
 W…測定対象物
 X…領域

Claims (11)

  1.  第1の外層と、第2の内層と、第1の内層と、第3の内層と、第2の外層とを備え、
     前記第1の外層と、前記第2の内層と、前記第1の内層と、前記第3の内層と、前記第2の外層とが、中間膜の厚み方向にこの順で並んで配置されている領域Xを有し、
     前記第2の内層及び前記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、0.2MPa以上1000MPa以下であり、
     前記第1の外層及び前記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、前記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高く、
     前記第2の内層及び前記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率がそれぞれ、前記第1の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い、合わせガラス用中間膜。
  2.  前記第2の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率が、前記第1の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高く、
     前記第3の内層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率が、前記第2の外層の1Hz及び100℃でのせん断貯蔵弾性率よりも高い、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
  3.  前記領域Xにおいて、前記第2の内層の平均厚みの、前記第1の外層の平均厚みに対する比が、0.1以上6以下であり、
     前記領域Xにおいて、前記第3の内層の平均厚みの、前記第2の外層の平均厚みに対する比が、0.1以上6以下である、請求項1又は2に記載の合わせガラス用中間膜。
  4.  前記第2の内層の厚みが0.05mm以上である領域を有し、
     前記第3の内層の厚みが0.05mm以上である領域を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  5.  前記第1の外層と、前記第2の内層と、前記第1の内層と、前記第3の内層と、前記第2の外層とがそれぞれ、熱可塑性樹脂を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  6.  前記第1の外層と、前記第2の内層と、前記第1の内層と、前記第3の内層と、前記第2の外層とがそれぞれ、ポリビニルアセタール樹脂を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  7.  一端と、前記一端の反対側に他端とを有し、
     前記他端の厚みが、前記一端の厚みよりも大きい、請求項1~6のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  8.  一端と、前記一端の反対側に他端とを有し、
     前記第1の外層と、前記第2の内層と、前記第1の内層と、前記第3の内層と、前記第2の外層との内の少なくとも1層の前記領域Xにおける前記他端側の端部での厚みが、該層の前記領域Xにおける前記一端側の端部での厚みよりも大きい、請求項1~7のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  9.  車両において、外部空間と内部空間との間の開口部に取り付けられる中間膜であり、
     前記他端側が前記開口部の上側に位置するように、前記開口部に取り付けられる中間膜である、請求項7又は8に記載の合わせガラス用中間膜。
  10.  前記領域Xが、ヘッドアップディスプレイの表示領域に対応する表示対応領域を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  11.  第1の合わせガラス部材と、
     第2の合わせガラス部材と、
     請求項1~10のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜とを備え、
     前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラス。
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