WO2021192091A1

WO2021192091A1 - 空気調和機の室内ユニット

Info

Publication number: WO2021192091A1
Application number: PCT/JP2020/013327
Authority: WO
Inventors: 小澤　哲朗
Original assignee: 東芝キヤリア株式会社
Priority date: 2020-03-25
Filing date: 2020-03-25
Publication date: 2021-09-30
Also published as: CN115298490A; JP7356577B2; JPWO2021192091A1

Abstract

一実施形態に係る空気調和機の室内ユニットは、熱交換器と、制御部と、筐体と、吹出口ユニットと、ファンとを備えている。前記制御部は、電源線が接続される第１端子台および通信線が接続される第２端子台を含む。前記筐体は、前記熱交換器および前記制御部を収容し、前記熱交換器と対向する前面板および前記制御部と対向するとともに前記前面板に対して着脱可能な前面カバーを含む。前記吹出口ユニットは、前記前面板に取り付けられ、吹出口を有している。前記ファンは、前記熱交換器を経て前記吹出口から吹き出される気流を発生させる。前記制御部の一部は、前記吹出口の軸方向において前記吹出口ユニットと重なる。前記第１端子台および前記第２端子台は、前記軸方向において前記前面カバーと重なり、かつ前記吹出口ユニットおよび前記前面板と重ならない。

Description

空気調和機の室内ユニット

　本発明の実施形態は、空気調和機の室内ユニットに関する。

　一般に、空気調和機の室内ユニットは、空気の吸込口と、空気の吹出口と、熱交換器と、吸込口から熱交換器を経て吹出口に至る気流を発生させるファンとを備えている。また、室内ユニットの筐体内には、室内ユニットの動作を制御するための制御部が配置されている。

　制御部は、各種の電子部品が実装される制御基板や、各種配線が接続される端子台を備えている。例えば各種配線には、電源を取り込むための電源線や信号を入出力するための通信線が含まれる。

　室内ユニットの据え付け時や保守サービスにおいては、制御部に対する作業が必要となる場合がある。このような作業の効率性の観点から、制御部へのアクセスが容易な構造の室内ユニットが望まれている。

国際公開第２０１７／１４２０２６号

　本発明が解決しようとする課題は、制御部に対する作業の効率を高めることが可能な空気調和機の室内ユニットを提供することである。

図１は、一実施形態に係る室内ユニットの概略的な斜視図である。図２は、室内ユニットの設置態様の一例を示す図である。図３は、図１におけるＩＩＩ－ＩＩＩ線に沿う室内ユニットの概略的な断面図である。図４は、前面カバーが取り付けられた室内ユニットの概略的な正面図である。図５は、前面カバーが取り外された室内ユニットの概略的な正面図である。図６は、図５に示した端子台およびガイドの近傍の拡大図である。図７は、第１挿通口および第２挿通口と電源線との関係を示す概略的な断面図である。

　一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。　
　図１は、本実施形態に係る室内ユニット１の概略的な斜視図である。この室内ユニット１は、冷媒を圧縮する圧縮機および室外熱交換器等を含む室外ユニットと冷媒配管にて接続される。室内ユニット１、室外ユニットおよび冷媒配管等により、冷凍サイクルを備えた空気調和機が構成される。空気調和機は、例えば冷房運転と暖房運転を切り替えることが可能である。ただし、空気調和機は、冷房運転または暖房運転のみ実行可能であってもよい。

　本実施形態においては、図１に示すようにＸ方向、Ｙ方向およびＺ方向を定義する。これらＸ方向、Ｙ方向およびＺ方向は互いに直交する。Ｚ方向は、鉛直方向と平行である。以下の説明においては、Ｚ方向を上方と呼び、その反対方向を下方と呼ぶことがある。

　室内ユニット１は、筐体２と、先端に吹出口３を有する吹出口ユニット４とを備えている。筐体２は、前面板２０と、前面板２０の上方に配置された前面カバー２１と、前面板２０および前面カバー２１に対向する背面板２２と、互いに対向する一対の側面板２３，２４と、底面板２５と、底面板２５に対向する上面板２６とを備えている。

　前面板２０、前面カバー２１および背面板２２は、Ｘ方向およびＺ方向によって規定されるＸ－Ｚ平面と平行である。側面板２３，２４は、Ｙ方向およびＺ方向によって規定されるＹ－Ｚ平面と平行である。底面板２５および上面板２６は、Ｘ方向およびＹ方向によって規定されるＸ－Ｙ平面と平行である。図１の例において、筐体２は、Ｘ方向およびＺ方向における幅よりもＹ方向における幅が十分に小さい扁平な直方体状である。ただし、筐体２の形状はこの例に限られない。

　前面カバー２１は、Ｚ方向において前面板２０と上面板２６の間に配置されている。前面カバー２１は、ねじ２１１によって前面板２０に取り付けられている。また、例えば前面カバー２１の裏面に一対の爪部が設けられており、これら爪部が側面板２３，２４に設けられた取付孔に引っ掛けられている。このような構造においては、ねじ２１１を外すことにより前面カバー２１が筐体２の他の部分に対して着脱可能となる。なお、前面カバー２１を着脱可能とするための構造は、ここで例示したものに限られない。

　吹出口ユニット４は、吹出口３に向けて先細る円筒状の吹出口カバー４０を備えている。吹出口カバー４０は、少なくともねじ４１によって前面板２０に取り付けられている。図１の例においては、吹出口カバー４０の外周面に凹部４２が設けられ、この凹部４２の筐体２側の端面が有する貫通孔にねじ４１が通されている。

　吹出口ユニット４は、吹出口３に設けられたルーバー５をさらに備えている。図１の例において、ルーバー５は、回動可能な３枚の風向板５１，５２，５３によって構成されている。ルーバー５は、２つ以下または４つ以上の風向板によって構成されてもよい。

　図２は、室内ユニット１の設置態様の一例を示す図である。室内ユニット１は、例えばＺ方向に複数段に積み重なった状態で設置される。図２の例においては３つの室内ユニット１が積み重ねられ、これら室内ユニット１の背面板２２が金属製のフレームＦに連結されている。フレームＦは、例えば建物の柱や壁面に沿って配置される。

　図２のように室内ユニット１が積み重ねられた状態であっても、ねじ２１１を緩めることで各室内ユニット１の前面カバー２１を取り外すことができる。すなわち、図中の中段や下段の室内ユニット１のように前面カバー２１の直上に他の室内ユニット１が配置された場合であっても、当該他の室内ユニット１によって前面カバー２１の着脱が阻害されない。

　複数の室内ユニット１は、目標温度、送風量および送風方向等を設定するためのリモートコントローラＲＣに接続されている。１つの室内ユニット１に対して１つずつリモートコントローラＲＣが設けられてもよいし、複数の室内ユニット１に対して１つのリモートコントローラＲＣが設けられてもよい。各室内ユニット１は、例えば共通の室外ユニットと冷媒配管で接続されており、１つの空気調和機を構成する。

　なお、室内ユニット１の設置態様は図２の例に限られない。例えば、空気調和機に含まれる室内ユニット１の数は３つに限られず、２つ以下であってもよいし４つ以上であってもよい。また、複数の室内ユニット１がＸ方向に並べられてもよいし、互いに離れた位置に配置されてもよい。

　図３は、図１におけるＩＩＩ－ＩＩＩ線に沿う室内ユニット１の概略的な断面図である。図３に示すように、筐体２の内部には熱交換器６が配置されている。熱交換器６は、Ｘ方向に延びる複数の伝熱管６０と、伝熱管６０に連結された複数のフィン６１とを備えている。複数のフィン６１は、図３に示すようにＺ方向に長尺な形状を有し、Ｘ方向に間隔を空けて並んでいる。

　背面板２２には、室外ユニットと接続するための冷媒配管の接続口６２，６３と、熱交換器６と対向する吸込口２７とが設けられている。例えば、接続口６２には各伝熱管６０で構成される流路の入口が接続され、接続口６３には当該流路の出口が接続される。

　熱交換器６の下方には、熱交換器６で生じる結露水を受けるためのドレンパン６４が配置されている。ドレンパン６４に溜まった結露水は、図示せぬ配管を通じて筐体２の外部に排出される。

　熱交換器６の上方には、Ｘ－Ｚ平面と平行な取付板７０が配置されている。取付板７０の下端には、Ｘ－Ｙ平面と平行な第１仕切板７１が接続されている。第１仕切板７１と熱交換器６の間には、断熱材６５が配置されている。取付板７０と第１仕切板７１は、１枚の板材をＬ字型に曲げることにより一体的に形成されてもよいし、別々の板材であってもよい。

　取付板７０は、前面カバー２１および背面板２２と対向している。取付板７０、第１仕切板７１、前面カバー２１および上面板２６により、制御部８を収容するための第１空間Ｓ１が形成されている。

　第１仕切板７１と背面板２２の間には、第２仕切板７２が配置されている。取付板７０、第２仕切板７２、背面板２２および上面板２６により、第１空間Ｓ１と背面板２２の間に第２空間Ｓ２が形成されている。図３の例において、第２空間Ｓ２は第１空間Ｓ１よりも小さい。

　制御部８は、制御基板８０や各種の電子部品８１を含む。制御基板８０は、取付板７０に取り付けられている。各電子部品８１は、前面カバー２１と対向する制御基板８０の一面に実装されている。

　前面板２０は、Ｙ方向において熱交換器６と重なる開口２９を有している。吹出口カバー４０の内側には、開口２９を通じて熱交換器６と対向するファン９が配置されている。ファン９は、例えば軸流ファンであり、ファンモータ９０と、ファンモータ９０によって軸ＡＸを中心に回転する複数の羽根９１とを備えている。本実施形態においては、軸ＡＸがＹ方向と平行である。

　ファン９は、軸ＡＸと同軸の第１円筒部材９２の内部に配置されている。第１円筒部材９２は、筐体２の外側かつ吹出口カバー４０の内側において開口２９を囲っている。第１円筒部材９２の外周面の少なくとも一部は、断熱材９３によって覆われている。

　上述のルーバー５は、軸ＡＸと同軸の第２円筒部材３１の端部に配置されている。ルーバー５の風向板５１，５２，５３は、例えばモータを含むルーバー駆動機構によって回動される。風向板５１，５２，５３は、手動で回動可能であってもよい。

　第２円筒部材３１の外周面の少なくとも一部は、断熱材３２によって覆われている。吹出口３は、第２円筒部材３１の先端側の開口に相当する。図３の例においては、吹出口３の中心が軸ＡＸと一致している。

　ルーバー５、第２円筒部材３１および断熱材３２等は、回動ユニット３０を構成する。回動ユニット３０は、保持機構１０により軸ＡＸを中心として回動可能に保持されている。

　具体的には、保持機構１０は、第１円筒部材９２と第２円筒部材３１を回動可能に接続している。保持機構１０は、例えば第２円筒部材３１の端部に設けられた環状のギアを含み、このギアをモータによって軸ＡＸを中心とした円周方向に送ることで第２円筒部材３１を回動させる。回動ユニット３０は、手動で回動可能であってもよい。

　第１円筒部材９２および第２円筒部材３１によって構成される風路において、ファン９とルーバー５の間に整流板９４が配置されている。整流板９４は、第１円筒部材９２によって支持されている。整流板９４は、例えば六角形の多数の開口が配列されたハニカム構造を有しているが、この例に限られない。

　ファン９が回転すると、吸込口２７、熱交換器６、整流板９４および吹出口３を順に通る気流が発生する。冷房運転時には熱交換器６が蒸発器として機能し、吸込口２７から吸い込まれた空気が冷やされる。暖房運転時には熱交換器６が凝縮器として機能し、吸込口２７から吸い込まれた空気が暖められる。

　整流板９４は、ファン９を通過した直後の乱れた気流を軸ＡＸと略平行に整える。この整えられた気流は、吹出口３からルーバー５の風向板５１，５２，５３の角度に応じた方向に送り出される。

　上述の制御部８は、外部から入力される情報や室内ユニット１が備える温度センサによって検出される吸込温度および吹出温度等に基づいてファン９の回転数を制御する。また、制御部８は、外部から入力される風向きの設定情報に基づいて保持機構１０やルーバー５を制御する。保持機構１０により回動ユニット３０を回動させ、かつルーバー５の風向板５１，５２，５３の角度を変更することで、様々な方向への送風が可能となる。

　続いて、制御部８とその周辺の詳細な構造について説明する。　
　図４は、前面カバー２１が取り付けられた室内ユニット１の概略的な正面図である。図５は、前面カバー２１が取り外された室内ユニット１の概略的な正面図である。

　図４に示すように、前面カバー２１に沿う前面板２０の上縁は、Ｘ方向と平行な一対の直線部２０ａ，２０ｂと、これら直線部２０ａ，２０ｂの間において前面カバー２１に向けて突出する凸部２０ｃとを有している。凸部２０ｃは、室内ユニット１のＸ方向における中心Ｃと重なる頂点を有する円弧状である。図４の例においては、中心Ｃが軸ＡＸと交差している。上述のねじ４１，２１１および凹部４２も中心Ｃと重なっている。

　他の観点から言えば、前面カバー２１は、直線部２０ａ，２０ｂと接する一対の直線部と、凸部２０ｃと接する凹部とを有している。当該凹部は、中心Ｃと重なる底部を有する円弧状である。

　吹出口ユニット４の上部は、凸部２０ｃと重なっている。吹出口カバー４０のＹ方向における根本部分は軸ＡＸを中心とした円形であり、凸部２０ｃは当該根元部分と略同じ曲率を有している。

　ねじ２１１を外すことにより、前面カバー２１を取り外すことができる。図５に示すように、凸部２０ｃにはねじ２１１をねじ込むための雌ねじ２０１が設けられている。

　制御部８は、上述の制御基板８０および電子部品８１に加え、第１端子台８２と、第２端子台８３と、第１ガイド８４と、第２ガイド８５とを備えている。これら端子台８２，８３およびガイド８４，８５は、いずれも取付板７０に取り付けられている。

　図５の例においては、制御基板８０が中心Ｃよりも側面板２４側（図中左側）に配置され、端子台８２，８３およびガイド８４，８５が中心Ｃよりも側面板２３側（図中右側）に配置されている。第１端子台８２は第１ガイド８４と制御基板８０の間に位置し、第１ガイド８４は第１端子台８２と第２端子台８３の間に位置し、第２端子台８３は第１ガイド８４と第２ガイド８５の間に位置し、第２ガイド８５は第２端子台８３と側面板２３の間に位置している。

　本実施形態においては、制御部８の一部がＹ方向（軸方向）において吹出口ユニット４および凸部２０ｃと重なっている。具体的には、制御基板８０の一部が吹出口ユニット４および凸部２０ｃと重なり、端子台８２，８３およびガイド８４，８５が吹出口ユニット４および凸部２０ｃと重なっていない。

　取付板７０は、側面板２３の近傍において、各種配線を通すための第１挿通口７３を有している。図５の例において、第１挿通口７３は、取付板７０の上縁から下方に窪んだノッチである。ただし、第１挿通口７３は、取付板７０に設けられた開口であってもよい。第１挿通口７３は、Ｙ方向において吹出口ユニット４および前面板２０と重ならず、前面カバー２１が閉じられた状態においては前面カバー２１と重なる。

　図６は、図５に示した端子台８２，８３およびガイド８４，８５の近傍の拡大図である。本実施形態においては、第１端子台８２がＺ方向に並ぶ２つの第１端子８２ａを有している。さらに、第２端子台８３がＺ方向に並ぶ４つの第２端子８３ａを有している。ただし、第１端子台８２が備える第１端子８２ａの数は２つに限られない。同様に、第２端子台８３が備える第２端子８３ａの数は４つに限られない。

　端子台８２，８３は、いずれもＺ方向に長尺に延びている。第２端子台８３は第１端子台８２よりも多い数の端子を有しているために、Ｚ方向において第１端子台８２よりも長い。第１ガイド８４は、Ｚ方向に長尺に延びている。第２ガイド８５は、Ｘ方向およびＺ方向に対して傾いた方向に長尺に延びている。

　第１端子台８２および第１ガイド８４は、凸部２０ｃの上方に位置している。一方、第２端子台８３および第２ガイド８５は、凸部２０ｃと重ならない位置、すなわち直線部２０ｂの上方に位置している。

　各第１端子８２ａには、それぞれ電源線８６の一端が接続されている。これら電源線８６は、例えば第１端子８２ａに設けられたねじによって第１端子８２ａに固定されている。当該ねじを緩めることにより、電源線８６を第１端子８２ａから外すことができる。さらに、各第１端子８２ａには、それぞれ中継線８７の一端が接続されている。これら中継線８７の他端は、例えば制御基板８０や電子部品８１に接続されている。

　各第２端子８３ａには、それぞれ通信線８８の一端が接続されている。これら通信線８８は、例えば第２端子８３ａに設けられたねじによって第２端子８３ａに固定されている。当該ねじを緩めることにより、通信線８８を第２端子８３ａから外すことができる。さらに、各第２端子８３ａには、それぞれ中継線８９の一端が接続されている。これら中継線８９の他端は、例えば制御基板８０や電子部品８１に接続されている。

　各第１端子８２ａに接続された電源線８６は、第１ガイド８４を経て第１挿通口７３に通されている。例えば、第１ガイド８４は電源線８６に対応する大きさの２つの溝または孔を有しており、これら溝または孔に各電源線８６が通されている。

　各第２端子８３ａに接続された通信線８８は、第２ガイド８５を経て第１挿通口７３に通されている。例えば、第２ガイド８５は通信線８８に対応する大きさの４つの溝または孔を有しており、これら溝または孔に各通信線８８が通されている。

　第１ガイド８４を設けることにより、電源線８６の余分な弛みを抑制することができる。さらに、第１ガイド８４によって第１挿通口７３と第１端子８２ａの間の電源線８６が曲げられるので、電源線８６が引っ張られた場合でも電源線８６と第１端子８２ａの接続部分に大きな力が加わりにくい。これにより、電源線８６と第１端子８２ａとの接続信頼性が向上する。第２ガイド８５と通信線８８に関しても同様の効果を得ることができる。

　図６の例においては、第１挿通口７３の一部に枠部材７４が取り付けられ、この枠部材７４の内側に各通信線８８が通されている。各電源線８６は、第１挿通口７３において枠部材７４の外側に通されている。

　図６において破線で示すように、背面板２２は、第１挿通口７３の下方に位置する２つの第２挿通口２２ａ，２２ｂを有している。図６の例においては、第２挿通口２２ａ，２２ｂがＸ方向に並んでいる。各電源線８６は、第２挿通口２２ａを通じて室内ユニット１の外部に延出している。各通信線８８は、第２挿通口２２ｂを通じて室内ユニット１の外部に延出している。

　各電源線８６は、室内ユニット１の外部の電源に接続されている。例えば、４本の通信線８８のうちの２本は室外ユニットに接続され、残りの２本はリモートコントローラＲＣに接続されている。図２の例のように空気調和機が複数の室内ユニット１を備える場合、いずれかの通信線８８が他の室内ユニット１に接続されてもよい。

　図７は、第１挿通口７３および第２挿通口２２ａと電源線８６との関係を示す概略的な断面図である。電源線８６は、制御部８が配置される上述の第１空間Ｓ１から第１挿通口７３を通じて取付板７０と背面板２２の間の第２空間Ｓ２に至り、さらに第２挿通口２２ａを通じて室内ユニット１の外部に延出する。

　図７に示すように第２挿通口２２ａが第１挿通口７３よりも下方に位置する場合、第２空間Ｓ２においては第１挿通口７３から第２挿通口２２ａに向けて電源線８６が傾斜する。そのため、仮に室内ユニット１の外部で電源線８６に付着した水分が電源線８６を伝って第２空間Ｓ２に入り込んだとしても、当該水分は第１挿通口７３には至らない。これにより、第１空間Ｓ１に配置された制御部８を水分から保護することができる。

　なお、図７において括弧書きで併記したように、第１挿通口７３および第２挿通口２２ｂと通信線８８との関係は、第１挿通口７３および第２挿通口２２ａと電源線８６との関係と同様である。したがって、通信線８８を伝う水分も第１空間Ｓ１には至らない。

　以上説明した室内ユニット１の構造であれば、据え付け時や保守サービスにおける制御部８に対する作業の効率が向上する。すなわち、前面板２０に対して着脱可能な前面カバー２１を外すことで室内ユニット１の正面側から制御部８にアクセスすることができるため、作業を実施し易い。しかも、少なくとも端子台８２，８３がＹ方向において吹出口ユニット４および前面板２０と重ならないので、第１端子台８２と電源線８６の接続に関する作業や第２端子台８３と通信線８８の接続に関する作業が極めて容易となる。

　一方で、本実施形態においては、制御基板８０の一部がＹ方向において吹出口ユニット４および前面板２０と重なっている。一般に、制御基板８０等の端子台８２，８３以外の部分に対する作業の頻度は、端子台８２，８３に対する作業に比べて少ない。したがって、このような部分が吹出口ユニット４および前面板２０と重なっていたとしても、作業効率に与える影響は小さい。

　仮に制御部８の全体が吹出口ユニット４および前面板２０と重ならない構造とする場合には、制御部８の配置スペースを確保するために筐体２の大型化が必要となる。これに対し、本実施形態のように制御部８の一部が吹出口ユニット４および前面板２０と重なる場合には、筐体２のサイズを小さくすることができる。

　また、本実施形態においては、前面板２０が吹出口ユニット４に沿って前面カバー２１に向けて突出する凸部２０ｃを有し、この凸部２０ｃがＹ方向において制御基板８０と重なっている。このような構成であれば、前面板２０と制御部８が重なる領域を最小限にとどめることができるので、制御部８に対する作業効率がさらに向上する。

　また、本実施形態においては、電源線８６および通信線８８を通すための第１挿通口７３もＹ方向において吹出口ユニット４および前面板２０と重ならない。この場合、電源線８６および通信線８８を第１挿通口７３に通す作業も容易となる。さらに、上述の通り背面板２２の第２挿通口２２ａ，２２ｂが第１挿通口７３よりも下方に設けられているために、制御部８の防水性が高まる。

　また、本実施形態においては、第１端子台８２の２つの第１端子８２ａおよび第２端子台８３の４つの第２端子８３ａがいずれもＺ方向（前面板２０と前面カバー２１の配列方向）に並んでいる。しかも、第１端子台８２がＺ方向において凸部２０ｃと重なる位置に配置され、第２端子台８３がＺ方向において凸部２０ｃと重ならない位置に配置されている。このように、Ｚ方向における配置スペースの幅が狭い凸部２０ｃの上方に端子数の少ない第１端子台８２を配置し、その他の領域に端子数の多い第２端子台８３を配置することで、端子台８２，８３の効率的なレイアウトを実現できる。

　なお、本実施形態においては吹出口ユニット４の上方に前面カバー２１が設けられる例を示したが、前面カバー２１が吹出ユニット４の下方や左右に設けられてもよい。この場合においては、第１空間Ｓ１と制御部８が熱交換器６の下方や左右に設けられる。このような構造であっても、図５および図６に示した制御部８のレイアウトを適用することにより本実施形態と同様の効果を得ることができる。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

　１…室内ユニット、２…筐体、３…吹出口、４…吹出口ユニット、６…熱交換器、８…制御部、９…ファン、２０…前面板、２０ａ，２０ｂ…直線部、２０ｃ…凸部、２１…前面カバー、７０…取付板、７３…第１挿通口、８０…制御基板、８１…電子部品、８２…第１端子台、８３…第２端子台、ＡＸ…軸、Ｓ１…第１空間、Ｓ２…第２空間。

Claims

　熱交換器と、
　電源線が接続される第１端子台および通信線が接続される第２端子台を含む制御部と、
　前記熱交換器および前記制御部を収容し、前記熱交換器と対向する前面板および前記制御部と対向するとともに前記前面板に対して着脱可能な前面カバーを含む筐体と、
　前記前面板に取り付けられ、吹出口を有する吹出口ユニットと、
　前記熱交換器を経て前記吹出口から吹き出される気流を発生させるファンと、を備え、
　前記制御部の一部は、前記吹出口の軸方向において前記吹出口ユニットと重なり、
　前記第１端子台および前記第２端子台は、前記軸方向において前記前面カバーと重なり、かつ前記吹出口ユニットおよび前記前面板と重ならない、
　空気調和機の室内ユニット。
　前記制御部は、前記第１端子台および前記第２端子台に接続された制御基板をさらに含み、
　前記前面カバーに沿う前記前面板の縁部は、前記前面カバーに向けて突出する凸部を有し、
　前記制御基板の一部は、前記軸方向において前記凸部と重なる、
　請求項１に記載の室内ユニット。
　前記筐体の内部に配置され、前記前面カバーと対向する取付板をさらに備え、
　前記制御基板、前記第１端子台および前記第２端子台は、前記取付板に取り付けられている、
　請求項２に記載の室内ユニット。
　前記取付板は、前記電源線および前記通信線の少なくとも一方を通すための第１挿通口を有し、
　前記第１挿通口は、前記軸方向において前記前面カバーと重なり、かつ前記吹出口ユニットおよび前記前面板と重ならない、
　請求項３に記載の室内ユニット。
　前記筐体は、前記取付板と対向する背面板をさらに備え、
　前記背面板は、前記電源線および前記通信線の少なくとも一方を通すための第２挿通口を有し、
　前記第２挿通口は、前記第１挿通口よりも下方に設けられている、
　請求項４に記載の室内ユニット。
　前記第１端子台は、前記前面板および前記前面カバーの配列方向に並ぶ複数の第１端子を有し、かつ前記配列方向において前記凸部と重なる位置に配置され、
　前記第２端子台は、前記配列方向に並ぶとともに前記第１端子よりも多い複数の第２端子を有し、かつ前記配列方向において前記凸部と重ならない位置に配置されている、
　請求項２乃至５のうちいずれか１項に記載の室内ユニット。