WO2021166326A1

WO2021166326A1 - 美容成分噴霧装置

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Publication number: WO2021166326A1
Application number: PCT/JP2020/040181
Authority: WO
Inventors: 井上　宏之; 綾石原; 片岡　章
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2020-02-21
Filing date: 2020-10-27
Publication date: 2021-08-26
Also published as: JP7291893B2; US20230044058A1; EP4108128A4; JP2021133262A; CN115135420A; EP4108128A1; EP4108128B1

Abstract

本開示に関する美容成分噴霧装置は、美容成分およびマトリクスを有する混合体と、前記美容成分に空気を送風する送風装置と、を有している。さらに、本開示に関する美容成分噴霧装置は前記混合体にレーザ光を照射するレーザ照射部と、ミストを発生させるミスト発生部と、を備えている。本開示に関する美容成分噴霧装置によれば、対象部位に美容成分が好適に浸透することができる。

Description

美容成分噴霧装置

　本開示は、美容成分噴霧装置に関する。

　美容成分およびマトリクスを有する混合体と、混合体に接する気体と、美容成分と気体とを送風する送風装置が知られている。特許文献１は、美容成分と、美容成分に接する気体と、美容成分と気体を送風する送風装置と、を有するヘアドライヤの構成を開示する。

特開２０１９－１１１１５８号公報

　特許文献１のヘアドライヤは、ヘアドライヤの送風通路に、美容成分を付着させた不織布を配置し、送風装置の動作により生じた気流によって、美容成分を噴霧する。しかし、使用環境等の影響により、美容成分が髪や皮膚などの対象部位に到達した場合に、乾燥している可能性がある。美容成分が乾燥している場合、対象部位に十分に浸透しない可能性がある。

　本開示は、上記の課題を解決するための発明であり、対象部位に美容成分が好適に浸透する美容成分噴霧装置を提供する。

　本開示に関する美容噴霧装置は、美容成分およびマトリクスを有する混合体と、前記美容成分に空気を送風する送風装置と、を有する美容成分噴霧装置であって、前記混合体にレーザ光を照射するレーザ照射部と、ミストを発生させるミスト発生部と、を備える。

　本開示に関する美容成分噴霧装置によれば、対象部位に美容成分が好適に浸透することができる。

実施の形態の美容成分噴霧装置の一例を表す側面図。図１の美容成分噴霧装置の断面図。図１の美容成分噴霧装置の電気的な接続を示すブロック図。図１の美容成分噴霧装置のレーザ光路の一例を示す図。美容成分とマトリクスのレーザによる温度上昇を表すグラフ。混合体に含有される物質の吸収スペクトルを表すグラフ。

　（美容成分噴霧装置が取り得る形態の一例）
　（１）本開示に関する美容成分噴霧装置は、美容成分およびマトリクスを有する混合体と、前記美容成分に空気を送風する送風装置と、を有する美容成分噴霧装置であって、前記混合体にレーザ光を照射するレーザ照射部と、ミストを発生させるミスト発生部と、を備える。

　上記美容成分噴霧装置によれば、美容成分とミストとが対象部位に供給されるので、対象部位に美容成分が好適に浸透することができる。

　（２）前記美容成分噴霧装置の一例によれば、前記ミスト発生部は、前記美容成分の極性と同じ極性のミストを発生させる。

　上記美容成分噴霧装置によれば、美容成分の極性が電気的にニュートラルな状態、電荷を有していない状態になることが抑制される。このため、美容成分が好適に定着できる。

　（３）前記美容成分噴霧装置の一例によれば、前記ミスト発生部は、放電電極を備え、前記放電電極に流れる電力により、前記ミストを発生させる。

　上記美容成分噴霧装置によれば、簡易な構成でミストを発生させることができる。

　（４）前記美容成分噴霧装置の一例によれば、前記ミスト発生部は、前記放電電極に液体を供給する液体供給部をさらに備え、前記液体供給部は、ペルチェ素子または液体を貯留するタンクの少なくとも一方により構成される。

　上記美容成分噴霧装置によれば、液体の供給量に応じて適切な液体供給部を選択することができる。

　（５）前記美容成分噴霧装置の一例によれば、前記放電電極は、前記美容成分の極性と異なる極性の物質を捕捉するように構成される。

　上記美容成分噴霧装置によれば、容成分の極性が電気的にニュートラルな状態、電荷を有していない状態になることが抑制される。このため、美容成分が好適に定着できる。

　（実施の形態）
　以下、図１～４を参照して実施の形態の美容成分噴霧装置１について説明する。美容成分噴霧装置１は、美容成分および送風の少なくとも一方をユーザの対象部位に対して供給する。対象部位は、例えばユーザの頭髪および皮膚である。美容成分噴霧装置１は、例えばヘアドライヤである。以下、美容成分噴霧装置１をヘアドライヤとして説明する。美容成分噴霧装置１は、外観を構成し、美容成分噴霧装置１を構成する他の要素の少なくとも１つを収容するハウジング２および使用時にユーザによって握られる把持部３を備える。

　ハウジング２と把持部３とは、把持部３に対してハウジング２の位置を変更できるように構成された連結部により連結されることが好ましい。ハウジング２および把持部３は、熱耐性に優れた任意の材料により構成される。一例では、ハウジング２および把持部３を構成する材料はポリカーボネートである。ハウジング２は、外部の空気を流入させる吸入口２Ａおよび外部に美容成分または空気を放出する放出口２Ｂを備える。吸入口２Ａは、外部の空気中の埃等がハウジング２内に侵入することを抑制するフィルタを備えるのが好ましい。吸入口２Ａおよび放出口２Ｂの形状は、例えば楕円形状である。

　ハウジング２は、内部に流体の流れが形成される流路４を備える。流路４は、吸入口２Ａおよび放出口２Ｂを接続する。流路４は、主に気体が通過する第１流路４Ａおよび主に美容成分が通過する第２流路４Ｂを含む。一例では、第１流路４Ａおよび第２流路４Ｂの長さは、流路４全体の長さの半分の長さである。

　美容成分噴霧装置１は、美容成分出力部１０を備える。美容成分出力部１０は、混合体１１および混合体１１を支持するベース１２を備える。美容成分出力部１０は、混合体１１を冷却する冷却部１３および混合体１１の位置を移動する駆動部１４をさらに備える。美容成分出力部１０は、少なくとも一部分が第２流路４Ｂに設けられる。

　混合体１１は、美容成分を含む。美容成分は、髪および肌に対して好適な作用を備える成分である。好適な作用の一例は、保湿、修復、および、艶の形成である。美容成分は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、セリン、チロシン、メチオニン、トリプトファン、シスチン、システイン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、ヒドロキシリジン、グルタミン酸、などのアミノ酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、α－リノレン酸、などの高級脂肪酸、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、スクワレン、スクワラン、などの炭化水素油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、アボカド油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、ナタネ油、ゴマ油、大豆油、メドウフォーム油、などの天然油、リンゴ酸、タンニン酸、クエン酸、などの有機酸、コレステロール、セラミド１、セラミド２、セラミド３、セラミド１Ａ、セラミド６ＩＩ、１８－メチルエイコサン酸、硫酸コレステロール、トリグリセライド、リゾレシチン、などの脂質、ステアリルアルコール、セチルアルコール、などの高級アルコール、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナルバロウ、パルミチン酸イソプロピル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸２－エチルヘキシル、ワックスエステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミルスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ２－エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ２－エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリスリトール、ヒドロキシステアリン酸／ステアリン酸／ロジン酸等の混合脂肪酸とのエステル、などのエステル類、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性、カチオン化シリコーン、などのシリコーン類、ポリフェノール、ビタミン、フラーレン、などの抗酸化剤、Ｄ－ガラクトース、Ｄ－グルクロン酸、Ｌ－フコース、Ｄ－マンノース、キトサン、カチオン化多糖類、などの多糖類、グリセリン、水、キサンタンガム、パンテノール、蔗糖、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングルコール、ジプロピレングルコール、ポリプロピレングルコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、１，２－ブチレングリコール、１，３－ブチレングリコール、１，２－ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、エリスリトール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリビニルアルコール、などの保湿剤、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、ヒドロキシカプロイルフィトスフィンゴシン、などのスフィンゴシン類、コラーゲンＰＰＴ、ケラチンＰＰＴ、シルクＰＰＴ、パールＰＰＴ、ミルクＰＰＴ、ダイズＰＰＴ、上記ＰＰＴのカチオン化ＰＰＴ誘導体、アシル化ＰＰＴ誘導体、シリル化ＰＰＴ誘導体、エチルエステル化ＰＰＴ誘導体、などのペプチド、ゴマタンパク、マメ科植物の種子から得られるタンパク質、コメタンパク、真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質、シルクから得られる蛋白質、などのタンパク、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物、などのエキス類、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、などの金属、カチオン化セルロース、ヒドロキシ化セルロース、高重合ポリエチレンオキサイド、カチオン化合成ポリマー、などの高分子化合物、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、などの抗フケ剤、グリチルリチン酸ジカリウム、などの抗菌剤の少なくとも１つを含む。

　混合体１１は、マトリクスをさらに含む。マトリクスは、所定の波長のレーザ光を吸収して温度が上昇することで、混合体１１を構成する美容成分を蒸発させ電荷を付与する。一例では、マトリクスを構成する材料は、酸化セリウムおよびルテインである。より好ましくは、マトリクスを構成する材料は、酸化セリウムである。

　ベース１２は、混合体１１を支持する。ベース１２の形状は、例えば混合体１１の少なくとも一部が露出するように構成される有底筒状である。ベース１２から露出される部分にレーザ光が照射される。ベース１２を構成する材料は導電性を備えることが好ましく、一例ではステンレスである。冷却部１３は、例えばペルチェ素子により構成され、レーザ光の照射により昇温した混合体１１およびベース１２が過剰に温度上昇することを抑制する。駆動部１４は、例えばモータにより構成されモータの回転によりレーザ光が照射される混合体１１の位置を変更する。

　美容成分出力部１０は、移動用電極１５をさらに含む。移動用電極１５は、電荷を備える美容成分を静電的に吸引することで、美容成分を流路４内で移動させる。移動用電極１５の形状の一例は、流路４の形状に合わせた円環形状である。移動用電極１５を構成する材料は、例えばステンレスである。移動用電極１５は、移動用電極１５の中心を通る直線が、ベース１２と交差し、かつレーザ照射部１００が出力する光軸と同一でない状態で配置される。移動用電極１５は、例えば第２流路４Ｂにおいて、複数設けられる。移動用電極１５は、混合体１１よりも流路４の下流側に設けられる。移動用電極１５は、複数設けられてもよい。好ましくは、複数の移動用電極１５のうち移動用電極１５Ｂの電位は、移動用電極１５Ｂよりも第２流路４Ｂにおける上流に設けられる移動用電極１５Ａの電位よりも絶対値が大きくなるように構成される。一例では、移動用電極１５Ｂは、移動用電極１５Ａの材料よりも電位が大きい材料を含む。

　美容成分噴霧装置１は、制御部２０、記憶部３０、操作部４０、検出部５０、電源部６０、送風部７０、加熱部８０、ミスト発生部９０、および、レーザ照射部１００をさらに備える。制御部２０、記憶部３０、操作部４０、検出部５０、電源部６０、送風部７０、加熱部８０、ミスト発生部９０、および、レーザ照射部１００の少なくとも１つは、ハウジング２の内部に保持される。

　制御部２０は制御プログラムを実行する演算処理装置により構成される。演算処理装置は、例えばＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）およびＭＰＵ（Ｍｉｃｒｏ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）の一方または両方により構成される。制御部２０は、記憶部３０、操作部４０、検出部５０、送風部７０、加熱部８０、ミスト発生部９０、および、レーザ照射部１００と無線または有線で通信できるように構成される。制御部２０は、例えば電源部６０から電力が供給され、操作部４０からの操作信号が入力されることで制御を開始する。好ましくは、制御部２０は熱発生源である加熱部８０から離れた場所に設けられる。一例では、制御部２０は、把持部３に対応する場所に設けられる。記憶部３０は、制御部２０が実行する種々の制御を実行するためのプログラム情報を記憶する。記憶部３０は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを備える。記憶部３０は、例えば制御部２０と同一の制御回路に設けられる。

　操作部４０は、例えばユーザからの操作による操作信号を制御部２０に対して出力する。操作信号は、制御部２０のオンおよびオフを切り替える信号、または、制御部２０による送風部７０、加熱部８０、ミスト発生部９０、および、レーザ照射部１００の少なくとも１つの出力変化を実行する信号を含む。操作部４０の一部は、ユーザが操作しやすいようにハウジング２の外側に向けて突出するように構成される。操作部４０は、例えばボタン、スイッチ、および、ダイヤルにより構成される。操作部４０は、タッチパネルにより構成されていてもよい。操作部４０は、例えば把持部３に設けられる。

　検出部５０は、美容成分噴霧装置１に関する種々の情報を検出する。検出部５０が検出した検出値は、制御部２０に出力される。検出部５０は、例えば美容成分噴霧装置１の温度、使用回数、使用時間、電源部６０の電源の残量、混合体１１の美容成分の残量を検出する。制御部２０は、検出部５０の検出値に応じて制御するように構成されていてもよい。

　電源部６０は、制御部２０、記憶部３０、操作部４０、検出部５０、送風部７０、加熱部８０、ミスト発生部９０、および、レーザ照射部１００に対して電力を供給する。図示される例では、電源部６０は、商用電源等の外部電源である。電源部６０は、ハウジング２の内部に設けられる２次電池の構成であってもよい。電源部６０が外部電源である場合、美容成分噴霧装置１と電源部６０とは、電力線６１により接続される。

　送風部７０は、吸入口２Ａから空気を吸入し、放出口２Ｂから空気を放出する。送風部７０は、モータ７１およびファン７２を含む。モータ７１の駆動により、ファン７２が回転することで、流路４において空気の流れが生じる。モータ７１は、制御部２０により制御される。送風部７０は、流路４において、第１流路４Ａおよび第２流路４Ｂの上流に存在し、第１流路４Ａおよび第２流路４Ｂの両方に空気を供給する。

　加熱部８０は、ハウジング２内の空気を加熱し、温風を作成する。温風は、例えば１００～１２０℃の範囲内の空気である。加熱部８０は、ヒータ８１を含む。ヒータ８１の一例は、ＰＣＴ（Ｐｏｓｉｔｉｖｅ　Ｔｅｍｐｅｒａｔｕｒｅ　Ｃｏｅｆｆｉｃｉｅｎｔ）ヒータおよび赤外線ヒータである。加熱部８０は、例えば第１流路４Ａに設けられる。制御部２０は、ヒータ８１の出力を制御する。

　ミスト発生部９０は、電荷を備える美容成分に対してミストを供給する。ミストは、液体が微細な粒状に形成された状態である。ミスト発生部９０は、液体供給部９１、放電電極９２、および、対向電極９３を含む。液体供給部９１は、放電電極９２に対して液体を供給する。液体の一例は、水である。液体供給部９１は、第１例では、ペルチェ素子で構成され空気中に含まれる水分を結露させることで液体を供給する。第２例では、液体供給部９１は、液体を貯留するタンクおよびポンプを含み、ポンプの駆動によりタンク内の液体が供給される。液体供給部９１により供給された液体は、放電電極９２および対向電極９３に電圧が印加されることで静電的に開裂し、ミストが形成される。ミスト発生部９０は、第２流路４Ｂに設けられる。放電電極９２は、レーザ光の照射により生じたハウジング２内の空気由来の帯電成分を放電電極９２自体または放電電極９２の放電により生じた帯電成分により補足する捕捉用電極としての機能を備える。このため、電荷を備える美容成分が電荷をもたない状態になることが抑制される。放電電極９２およびミストは、例えば負に帯電する。

　レーザ照射部１００は、混合体１１に対してレーザ光を照射する。レーザ照射部１００は、制御部２０により制御される。レーザ照射部１００は、発光部１０１、第１レンズ１０２、第２レンズ１０３、第３レンズ１０４、ガルバノミラー１０５、および、調節部１０６を含む。発光部１０１は、例えば半導体レーザにより構成され、電流が流れることによりレーザ光を出力する。レーザ光の波長は、好ましくは紫外線領域である。レーザ光の波長は、例えば３６５ｎｍ、３８５ｎｍ、３９５ｎｍ、４０５ｎｍ、および、４５０ｎｍである。複数の第１レンズ１０２、第２レンズ１０３、および、第３レンズ１０４により、混合体１１に照射するレーザ光のエネルギー密度および範囲が決定される。発光部１０１から出力されたレーザ光は、ガルバノミラー１０５に反射することで混合体１１の所定の位置に照射される。調節部１０６は、例えばアクチュエータまたはモータにより構成され、ガルバノミラー１０５の相対的な向きを変更することで、レーザ光が照射される混合体１１の位置を調節する。

　図５および図６を参照して、好ましい混合体１１の構成について説明する。図５に示されるとおり、マトリクスを構成する材料は、融点および沸点が美容成分よりも高いことが好ましい。またマトリクスは、美容成分よりも所定時間当たりの温度上昇量が高いことが好ましい。この場合、美容成分を素早く蒸発させ美容成分に電荷を付与させることができる。

　美容成分およびマトリクスは、一例では同じ比率である。美容成分およびマトリクスは、いずれかの比率が大きくてもよい。美容成分およびマトリクスは、固体であってもよく、液体であってもよい。固体である場合、美容成分噴霧装置１の内部で固定することができる。液体である場合、美容成分およびマトリクスを容易に交換できる。美容成分およびマトリクスは、生体安全性が十分に確認さえているものを選定することが好ましい。美容成分とマトリクスの固定は、バインダ等の接着で固定してもよく、美容成分をマトリクスに溶融後、冷却して固体化してもよい。美容成分およびマトリクスに導電性がない場合、導電性物質を追加して固体化してもよい。導電性物質は、例えば美容成分に対して電子を付与または奪うことで電荷を付与する。導電性物質は、例えばカーボンブラックおよび金属である。混合体１１に導電性がない場合、美容成分が蒸発したときに電気的にニュートラルな存在であるため、放出口２Ｂからの放出が好適に行えない場合がある。

　図６に示されるとおり、混合体１１に含まれる導電性物質、マトリクス、および、美容成分の吸光度は、異なることが好ましい。一例では、導電性物質は、２５０ｎｍ付近の波長のレーザ光の吸収に優れる。マトリクスは、４００ｎｍ付近の波長のレーザ光の吸収に優れる。美容成分は、６５０ｎｍ付近の波長のレーザ光の吸収に優れる。このため、例えば４００ｎｍ付近のレーザ光を混合体１１に照射した場合、混合体１１多く含まれるマトリクスの加熱速度が速く、美容成分を好適に加熱できる。４００ｎｍ付近の波長のレーザ光を発光部１０１が出力する場合、好適に美容成分に対して電荷を付与できる。

　実施の形態の美容成分噴霧装置１の使用方法について説明する。

　ユーザにより、美容成分噴霧装置１の操作部４０が操作されることで、電源部６０からの電力供給が開始し制御部２０による制御が開始される。制御部２０は、レーザ照射部１００の発光部１０１を制御し、予め定められた条件で発光部１０１を発光させる。予め定められた条件は、レーザ光の波長、発光部１０１のパルス幅、および、混合体１１に対する照射面積が含まれる。予め定められた条件は、例えば記憶部３０に記憶され制御部２０は、記憶部３０に記憶される条件を参照する。一例では、レーザ光の波長が４０５ｎｍ、パルス幅０．１秒、混合体１１に対してスポット径０．１ｍｍである。

　発光部１０１からレーザ光が混合体１１に照射されると、混合体１１のマトリクスがレーザ光を好適に吸光するために、マトリクスの温度が上昇する。マトリクスの温度の上昇に伴い、美容成分の温度が上昇し、沸点に達すると混合体１１から放出される。美容成分は、例えば負に帯電した状態である。レーザ光の発光により、混合体１１の周囲の空気も励起する。空気中は、窒素が多いため正に帯電した窒素系化合物が生成される。制御部２０は、駆動部１４および調節部１０６の少なくとも一方を制御することで、レーザ光が照射される混合体１１の位置を変更する。

　制御部２０は、送風部７０を制御することで吸入口２Ａから放出口２Ｂに流れる気体の流れを作る。さらに制御部２０は、移動用電極１５を正に帯電させる。美容成分は負の電荷であるため、移動用電極１５Ａに引き寄せられる。移動用電極１５Ａと窒素系化合物とは、正の電荷同士であるため反発する。このため、第２流路４Ｂにおいて美容成分が下流に流れやすい。一方で窒素系化合物は下流に流れにくい。

　制御部２０は、ミスト発生部９０を制御することでミストを発生させる。ミストは、美容成分と同様の電荷を備える。さらに下流に設けられる移動用電極１５Ｂにより、ミストおよび美容成分が引き寄せされ、放出口２Ｂから放出される。放出口２Ｂから放出されたミストおよび美容成分は、ユーザの髪および皮膚に対して接触して、所定の効果を発揮する。

　（変形例）
　実施の形態に関する説明は本開示に関する美容成分噴霧装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示は実施の形態以外に例えば以下に示される実施の形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも２つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。

　導電性物質は、ベース１２に設けられていてもよい。ベース１２に設けられる導電性物質は、例えば美容成分に負の電荷を付与する。このため、美容成分をより効率的に放出口２Ｂから放出することができる。別の例では、空気によるレーザ光照射により生じる正に帯電した窒素系化合物に負の電荷を付与する。このため、窒素系化合物の電荷がニュートラルに構成され、窒素系化合物と美容成分との間に電子の移動が生じ、美容成分の電荷がニュートラルに構成されることが抑制される。

　本開示に関する美容成分噴霧装置は、家庭用および業務用のヘアケア装置や皮膚ケア装置に利用できる。

　１　　：美容成分噴霧装置
　４　　：流路
　１１　：混合体
　１２　：ベース
　１５　：移動用電極
　６０　：電源部
　９０　：ミスト発生部
　９１　：液体供給部
　９２　：放電電極
　１００：レーザ照射部

Claims

　美容成分およびマトリクスを有する混合体と、前記美容成分に空気を送風する送風装置と、を有する美容成分噴霧装置であって、
　前記混合体にレーザ光を照射するレーザ照射部と、
　ミストを発生させるミスト発生部と、を備える
　美容成分噴霧装置。
　前記ミスト発生部は、前記美容成分の極性と同じ極性のミストを発生させる
　請求項１に記載の美容成分噴霧装置。
　前記ミスト発生部は、放電電極を備え、
　前記放電電極に流れる電力により、前記ミストを発生させる
　請求項２に記載の美容成分噴霧装置。
　前記ミスト発生部は、前記放電電極に液体を供給する液体供給部を備え、
　前記液体供給部は、ペルチェ素子または液体を貯留するタンクの少なくとも一方により構成される
　請求項３に記載の美容成分噴霧装置。
　前記放電電極は、前記美容成分の極性と異なる極性の物質を捕捉するように構成される
　請求項３または４に記載の美容成分噴霧装置。