JP2019073479A - 被膜形成装置 - Google Patents

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Takahiro Hirano
喬大 平野
郁夫 福田
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郁夫 福田
伸二 小玉
Shinji Kodama
伸二 小玉
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Abstract

【課題】良好な被膜を形成する適切な紡糸距離が容易に把握でき、対象物に静電スプレーを首尾よく行うことができる被膜形成装置を提供すること。【解決手段】本発明の被膜形成装置は静電スプレーによって皮膚Sに被膜を形成する静電スプレー装置10である。静電スプレー装置10は、該静電スプレー装置10の使用者が手で保持し得る形状又は大きさを有するハンドヘルドタイプのものである。皮膚Sに向けて第1レーザー光41k及び第2レーザー光42kを照射する第1レーザー装置41及び第2レーザー装置42を備えている。第1レーザー装置41及び第2レーザー装置42は、第1レーザー光41k及び第2レーザー光42kが、静電スプレー装置10の吐出ノズル16から離間した距離において、互いに重なるように配されている。【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚の表面に被膜を形成する被膜形成装置に関する。
ナノファイバを製造する方法として、エレクトロスピニング法が知られている。エレクトロスピニング法では、塗布させたい材料となる高分子を溶液にして、該溶液を針状のノズルに供給し、該ノズルに高電圧を印加することで該溶液に電荷を加える。そして、該電荷の反発力によって溶液が紡糸され、更にクーロン力を利用して対象物に向かわせる。このとき、紡糸された溶液の溶媒の蒸発に伴ってクーロン力が大きくなり、該クーロン力によって溶液がファイバー状に延伸する。
またエレクトロスピニング法を用いた技術として、皮膚に向けて紡糸し、該皮膚の表面に被膜を形成する静電スプレーを用いた被膜形成装置が知られている。該装置は、ファイバーを充分に延伸させて良好な被膜を形成する観点から、該装置と、被膜の形成対象である皮膚との間を適切な紡糸距離に保った状態で使用する必要がある。例えば該装置がハンドヘルドタイプの場合、紡糸距離を一定に保ちながら該装置を使用することは容易ではない。
これに対して出願人は、先に、静電スプレーを用いた被膜形成装置と皮膚との間の距離を測定し、該距離を該装置に表示して使用者に知らせるハンドヘルドタイプの被膜形成装置を提案した(特許文献1参照)。特許文献1に記載のハンドヘルドタイプの被膜形成装置によると、紡糸距離を一定に保ちながら該装置を使用することができる。
特開2017−95449号公報
特許文献1に記載のハンドヘルドタイプの被膜形成装置は、該装置と対象物との間の距離を測定して該装置に表示することで紡糸距離を一定に保ちながら使用するものであるが、適正な紡糸距離を、更に容易に把握したいとのニーズがあった。
したがって本発明の課題は、被膜の形成対象物に対する装置の適正な紡糸距離を、容易に把握することができる被膜形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、静電スプレーによって対象物に被膜を形成する被膜形成装置であって、前記被膜形成装置の使用者が手で保持し得る形状又は大きさを有するハンドヘルドタイプのものであり、前記対象物に向けて可視光線である光線を照射する2つ以上の光源を備え、少なくとも2つの光源は、該2つの光源それぞれから照射される光線が、前記静電スプレーの吐出ノズルから離間した位置において互いに重なるように配されている、被膜形成装置を提供するものである。
本発明の被膜形成装置によれば、良好な被膜を形成する適切な紡糸距離が容易に把握でき、対象物に静電スプレーを首尾よく行うことができる。
図1は、本発明の好ましい一実施形態の被膜形成装置を示す模式図である。 図2(a)は、図1に示す被膜形成装置を用いて使用者の前腕部内側に被膜を形成するにあたり、適切な紡糸距離となるように調整している様子を説明する模式図であり、図2(b)は、図2(a)に示す前腕部内側に映し出される第1被照射部と第2被照射部とが離れている状態を被膜形成装置側から視た平面図である。 図3(a)は、図1に示す被膜形成装置を用いて使用者の前腕部内側に被膜を形成するにあたり、適切な紡糸距離となった様子を説明する模式図であり、図3(b)は、図3(a)に示す前腕部内側に映し出される第1被照射部と第2被照射部とが重なった状態を被膜形成装置側から視た正面図である。 図4は、図1に示す被膜形成装置の構成を示す概略図である。 図5(a)は、他の実施形態の被膜形成装置において、前腕部内側に映し出される第1被照射部と第2被照射部とが離れている状態を示す平面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す第1被照射部及び第2被照射部が重なった状態を示す平面図である。 図6は、他の実施形態の被膜形成装置を示す模式図である。 図7は、図6に示す被膜形成装置において、前腕部内側に映し出されるレーザー被照射部とLED被照射部の内の特定の位置との関係を示す平面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1〜図4には、本発明の被膜形成装置の一実施形態が示されている。同図に示す被膜形成装置10は、静電スプレー法によって皮膚Sの表面に被膜を形成する装置である。その意味で、以下の説明においては、被膜形成装置10のことを「静電スプレー装置10」とも言う。静電スプレー装置10は、図2及び図3に示すように、該装置10の使用者が手で保持し得る形状又は大きさを有するハンドヘルドタイプのものである。特に静電スプレー装置10は、その使用者が片手で把持できる寸法を有するものであることが好ましい。
図1に示す静電スプレー装置10は、その構成部材が筐体20内に収容されている。尚、「筐体20内に収容されている」とは、その構成部材のすべてが筐体20内に収容されている状態のみならず、その構成部材の主要部が筐体20内に収容されている状態であればよく、その構成部材の一部が筐体20内から露出した状態で筐体20に装着されているものも含む意味である。筐体20の形状は特に限定されないが、使用者が把持可能な円筒形であることが好ましい。該装置10の長手方向の一端10aには、被膜形成の原料となる噴霧用組成物を吹き出す吐出ノズル16が配置されている。筐体20が円筒形であることから該一端10aは略円形となっている。吐出ノズル16は、該装置10を一端10a側から平面視して円形の該一端10aの略中心に配されている。吐出ノズル16は、噴霧用組成物の吹き出し方向を、筐体20の長手方向と一致させて、肌側に向かい凸状になるように該筐体20に配置されている。吐出ノズル16の先端が筐体20の長手方向において肌に向かい凸状になるように配置されていることによって、筐体20に噴霧用組成物が付着しにくくなり、安定的に被膜を形成することができる。
図4には、図1〜図3に示す静電スプレー装置10の構成を示す概略図が示されている。静電スプレー装置10は、低電圧電源11を備えている。低電圧電源11は、数Vから十数Vの電圧を発生させ得るものである。静電スプレー装置10の可搬性を高める目的で、低電圧電源11は1個又は2個以上の電池からなることが好ましい。電池に代えて、ACアダプタ等を低電圧電源11として用いることもできる。
静電スプレー装置10は、高電圧電源12も備えている。高電圧電源12は、低電圧電源11と接続されており、低電圧電源11で発生した電圧を所定の直流高電圧に昇圧する電子回路(図示せず)を備えている。
静電スプレー装置10は、補助的電気回路13を更に備えている。補助的電気回路13は集積回路、トランジスタ、FET及びダイオード等の能動電子デバイス、並びに抵抗及びキャパシタ等の受動電子デバイス等を含んでいる。補助的電気回路13は、低電圧電源11と高電圧電源12との間に介在し、低電圧電源11によって動作して、低電圧電源11の電圧を調整して高電圧電源12を安定的に動作させる機能を有する。更に補助的電気回路13は、後述するマイクロギヤポンプ14に備えられているモータの回転数を制御する機能を有する。モータの回転数を制御することで、後述する噴霧用組成物の組成物収納用容器15からマイクロギヤポンプ14への噴霧用組成物の供給量が制御される。補助的電気回路13と低電圧電源11との間にはスイッチSW1が取り付けられており、スイッチSW1の入り切りによって、静電スプレー装置10を運転/停止できるようになっている。
静電スプレー装置10は、前述した吐出ノズル16を更に備えている。吐出ノズル16は、金属を初めとする各種の導電体や非導電体からなり、その先端から噴霧用組成物の吐出が可能な形状をしている。吐出ノズル16内には噴霧用組成物が流通する微小空間が、該吐出ノズル16の長手方向に沿って形成されている。吐出ノズル16は、管路17を介してマイクロギヤポンプ14と連通している。また、吐出ノズル16は、高電圧電源12と電気的に接続されている。これによって、吐出ノズル16に高電圧を印加することが可能になっている。吐出ノズル16と高電圧電源12とは、吐出ノズル16に人体が直接触れた場合に過大な電流が流れることを防止するために、電流制限抵抗19を介して電気的に接続されている。
マイクロギヤポンプ14は、組成物収納用容器15中に収容されている噴霧用組成物を吐出ノズル16に供給する供給装置として機能する。マイクロギヤポンプ14は、低電圧電源11から電源の供給を受けて動作する。また、マイクロギヤポンプ14は、補助的電気回路13による制御を受けて所定量の噴霧用組成物を吐出ノズル16に供給するように構成されている。
マイクロギヤポンプ14には、フレキシブル管路18を介して容器15が接続されている。容器15中には噴霧用組成物が収容されている。容器15は、カートリッジ式の交換可能な形態をしていることが好ましい。尚、容器15は、静電スプレー装置10とは別体のものであってもよい。
本発明の被膜形成装置は可視光線を照射する2つ以上の光源を備えているところ、静電スプレー装置10は、図1に示すように、第1可視光線41kを照射する第1光源41と第2可視光線42kを照射する第2光源42とを備えている。第1光源41及び第2光源42は、静電スプレー装置10の一端10aに配されている。一端10aにおける第1光源41及び第2光源42の位置は特に限定されないが、第1光源41及び第2光源42は、円形の一端10aの直径である直線上に配されていることが好ましい。該直線上には、吐出ノズル16、第1光源41及び第2光源42が配されており、第1光源41と第2光源42との間に吐出ノズル16が配されていることが好ましい。第1光源41及び第2光源42の吐出ノズル16からの距離は特に限定されないが、第1光源41及び第2光源42は吐出ノズル16から等距離の位置にそれぞれ配されることが好ましい。
第1光源41及び第2光源42は、静電スプレーを行う対象物である皮膚Sに向けて第1可視光線41k及び第2可視光線42kを照射するように配置されている。また第1可視光線41k及び第2可視光線42kは指向性を有する可視光である。そして第1光源41及び第2光源42は、第1可視光線41kと第2可視光線42kとが静電スプレー装置10の吐出ノズル16から離間した位置において互いに重なるように配されており、好ましくは、第1可視光線41kの光軸と第2可視光線42kの光軸とが該離間した位置において互いに重なるように配されている。「互いに重なる」とは、可視光が通過する三次元領域どうしが少なくとも一部において重なっていることを意味する。図1に示す静電スプレー装置10では、第1光源41及び第2光源42は、第1可視光線41kと第2可視光線42kとが、筐体20の長手方向に延び且つ吐出ノズル16の先端を通過する中心線CL上で、交差するように配されることが好ましく、特に、第1可視光線41kの光軸と第2可視光線42kの光軸とが、中心線CL上で交差するように配されることが好ましい。
図1に示すように、中心線CLに対する第1可視光線41kの光軸の傾斜角度θ1としては、1度以上40度以下が好ましく、5度以上30度以下がより好ましい。同様に、中心線CLに対する第2可視光線42kの光軸の傾斜角度θ2としては、1度以上40度以下が好ましく、5度以上30度以下がより好ましい。
また第1光源41及び第2光源42は、スイッチSW2を介して低電圧電源11に接続されており、スイッチSW2の入り切りによって、第1光源41及び第2光源42のオン/オフを切り替え可能になっている。このように、第1光源41及び第2光源42は、補助的電気回路13に接続されたスイッチSW1とは別に、オン/オフできるようになっている。
第1光源41及び第2光源42は、レーザー光、LED光等の各種可視光線を照射可能な可視光線照射装置から構成されている。図1に示す静電スプレー装置10では、第1光源41及び第2光源42は、いずれも、指向性に優れているレーザー光を照射するレーザー装置により構成されている。以下、第1光源41を第1レーザー装置41ともいい、第2光源42を第2レーザー装置42ともいう。そして、第1レーザー装置41が照射する第1可視光線41kを第1レーザー光ともいい、第2レーザー装置42が照射する第2可視光線42kを第2レーザー光ともいう。図2に示すように、第1レーザー装置41が対象物である前腕部の皮膚Sに向けて照射する第1レーザー光41kは、皮膚S上に第1被照射部41rとして映し出される。また、第2レーザー装置42が皮膚Sに向けて照射する第2レーザー光42kは、皮膚S上に第2被照射部42rとして映し出される。第1光源41及び第2光源42は、第1被照射部41r及び第2被照射部42rどうしの位置関係が、吐出ノズル16と対象物である皮膚Sとの間の距離に応じて変化するように設けられている。そして、図1に示す静電スプレー装置10では、第1被照射部41rと第2被照射部42rとが、吐出ノズル16と皮膚Sとの距離が近づくに連れて、互いに近づき、重なった後、逆向きに離れるようになされている。
第1レーザー装置41が照射する第1レーザー光41kと第2レーザー装置42が照射する第2レーザー光42kとは、同色のレーザー光であってもよいが、皮膚S上に映し出される第1被照射部41r及び第2被照射部42rを容易に視認可能にする観点から、異なる色のレーザー光であることが好ましい。また第1レーザー装置41と第2レーザー装置42とは、第1被照射部41rと第2被照射部42rとが同じ形状であってもよいが、皮膚S上に映し出される第1被照射部41r及び第2被照射部42rを容易に視認可能にする観点から、異なる形状であることが好ましい。図1に示す静電スプレー装置10では、図2(b)に示すように、第1被照射部41rが中空の円環形状となっており、第2被照射部42rが中実の円形状であり且つ第2被照射部42rの直径が第1被照射部41rの直径よりも小さい円形状となっている。
皮膚S上に映し出される可視光線の被照射部は、例えば、第1光源41又は第2光源42における対象物側の前面に、任意のレンズやミラー、回折格子やスリットを配置することによって、異なる形状を形成することができる。
次に、上述した図1に示す静電スプレー装置10を用いた被膜の形成方法について説明する。
静電スプレー装置10を用いて被膜を形成するには、予め、第1レーザー光41kの光軸と第2レーザー光42kの光軸とが、吐出ノズル16から離間し且つ良好な被膜を形成する適切な紡糸距離において、重なるように、第1光源41及び第2光源42の配置を調整しておく。このように第1光源41及び第2光源42の配置を調整しておけば、皮膚Sに映し出される第1被照射部41rと第2被照射部42rとが重なると、適切な紡糸距離であると判断できる。そして、皮膚Sに映し出される第1被照射部41rの中心と第2被照射部42rの中心とが重なると、更に適切な紡糸距離であると判断できる。
そして、使用者、すなわち静電スプレーによって対象物である皮膚Sに被膜を形成する者が該装置10を手で把持する。使用者は、吐出ノズル16が配置されている該装置10の一端10aを、静電スプレーを行う対象物である皮膚Sの対象部位に向ける。図2及び図3では、使用者の前腕部内側の皮膚Sに静電スプレー装置10の一端10aを向けている状態が示されている。
この状態下に、使用者は、第1レーザー装置41及び第2レーザー装置42のスイッチSW2(図4参照)をオンにする。第1レーザー装置41及び第2レーザー装置42に電源が入ることで、図2(a)に示すように、第1レーザー装置41及び第2レーザー装置42から、第1レーザー光41k及び第2レーザー光42kが使用者の皮膚Sに向けて照射される。そして、第1被照射部41r及び第2被照射部42rが使用者の皮膚Sに映し出される。このとき、皮膚Sに対する静電スプレー装置10の位置が適正な紡糸位置にない場合は、図2(b)に示すように、皮膚Sに映し出される第1被照射部41rと第2被照射部42rとは、重ならず、互いに離れた位置となる。そして使用者は、図3(a)に示すように、皮膚Sに映し出された第1被照射部41r及び第2被照射部42rを見ながら、静電スプレー装置10を皮膚Sに徐々に近づけていく。静電スプレー装置10を皮膚Sに近づけると、互いに離れた位置となっていた第1被照射部41rと第2被照射部42rとが徐々に互いに近づいていく。そして、更に静電スプレー装置10を皮膚Sに近づけると、第1被照射部41rと第2被照射部42rとが重なり合う。そして、図1に示す静電スプレー装置10では、図3(b)に示すように、円環状の第1被照射部41rの中心と、円形状の第2被照射部42rの中心とが同心円上に位置すると、使用者は静電スプレー装置10を動かすのをやめる。尚、更に静電スプレー装置10を皮膚Sに近づけると、第1被照射部41rと第2被照射部42rとが徐々に逆向きに離れていく。その為、皮膚S上で第1被照射部41rと第2被照射部42rとが重なっていることを確認しながら、静電スプレー装置10を保持し、該装置10のスイッチSW1(図4参照)をオンにして静電スプレー法を行う。静電スプレー法は、第1レーザー光41k及び第2レーザー光42kを皮膚Sに照射した状態のまま行う。
スイッチSW1(図4参照)をオンにして静電スプレー装置10に電源が入ることで、吐出ノズル16と皮膚Sとの間には電界が生じる。図3(a)に示す静電スプレー装置10では、補助的電気回路13を介して高電圧電源12により吐出ノズル16に正の高電圧が印加され、皮膚Sが負極となる。吐出ノズル16と皮膚Sとの間に電界が生じると、吐出ノズル16先端部の噴霧用組成物は帯電し、帯電した噴霧用組成物の液滴が電界に沿って、皮膚Sに向かって空中に吐出される。空間に吐出され且つ帯電した噴霧用組成物から溶媒が蒸発していくと、噴霧用組成物表面の電荷密度が過剰となり、クーロン反発力によって微細化を繰り返しながら空間に広がり、皮膚Sに到達する。これによって、繊維の堆積物からなる多孔性被膜を皮膚Sの表面に形成することができる。
以上のとおり、図1に示す静電スプレー装置10によれば、第1レーザー光41kと第2レーザー光42kとが、良好な被膜を形成する適切な紡糸距離において、重なるように、第1光源41及び第2光源42の配置が調整されている。また、第1光源41及び第2光源42は、第1被照射部41r及び第2被照射部42rどうしの位置関係が、吐出ノズル16と皮膚Sとの間の距離に応じて変化するように設けられている。その為、該装置10の使用者は、被膜を形成する対象物である皮膚S上に映し出される第1被照射部41rと第2被照射部42rとを視覚で確認しながら、適切な紡糸距離を容易に把握でき、それに基づいて静電スプレー法を実施している間の皮膚Sと該装置10との距離を適正に保つことができる。それによって、皮膚Sと該装置10との間に適正な電界が形成され、静電スプレーを首尾よく行うことができ、皮膚Sに良好な被膜が形成できる。
尚、図1に示す静電スプレー装置10では、図2(b)及び図3(b)に示すように、第1レーザー光41kの第1被照射部41rを中空の円環形状とし、第2レーザー光42kの第2被照射部42rを中実の円形状としたが、例えば、図5(a)に示すように、第1被照射部41rを中実の円形状とし、第2被照射部42rを線形状としてもよい。第1被照射部41rを中実の円形状とし、第2被照射部42rを線形状とすることで、例えば、図5(b)に示すように、皮膚S上に映し出される第1被照射部41rと第2被照射部42rとが重なった状態、具体的には、円形状の第1被照射部41rの中心と線状の第2被照射部42rの重心とが重なった状態を認識し易い。このように、第1被照射部と第2被照射部とを全く異なる形状にしてもよい。第1被照射部と第2被照射部とを全く異なる形状とする場合には、上述したように、第1光源41又は第2光源42における対象物側の前面に、任意のレンズやミラー、回折格子やスリットを配置することによって形成できる。また、第1光源41と第2光源42とを異なる色の光源とし、適切な距離となって第1被照射部41rと第2被照射部42rとが重なった際に重なった部分の色が変化するようにしてもよい。具体的には、例えば第1光源41を緑色LEDとし、第2光源42を紫色LEDとすると、第1被照射部41rと第2被照射部42rとが重なった際に重なった部分の色が白色に変化し、適切な距離となったことを把握できるようになる。
図6には、本発明の被膜形成装置の別の実施形態の静電スプレー装置10が示されている。なお、図6を含め、以下に述べる実施形態に関しては、図1ないし図4に示す実施形態と異なる点を中心に説明し、同じ点については図1ないし図4に示す実施形態に関する説明が適宜適用される。また、図6に示す図において、図1ないし図4と同じ部材には同じ符号を付してある。
図6に示す静電スプレー装置10は、図1に示す静電スプレー装置10において、第1光源にレーザー装置43を用い、第2光源にLED装置44を用いている。レーザー装置43及びLED装置44は、図1ないし図4に示す実施形態と同様に、スイッチSW2を介して低電圧電源11に接続されており、スイッチSW2の入り切りによってオン/オフを切り替え可能になっている。
本発明の被膜形成装置は、2つの光源の少なくとも1つが、該被膜形成装置が紡糸した噴霧用組成物の紡糸状態を照射可能に配されるところ、図6に示す静電スプレー装置10では、LED装置44が、紡糸した該噴霧用組成物の紡糸状態を照射可能に配されている。具体的には、LED装置44は、発光するLED光44kの照射方向を吐出ノズル16による噴霧用組成物の吐出方向と一致させて、肌側に向けてLED光44kを照射するように配置されている。LED装置44が照射するLED光44kは、レーザー装置43が照射するレーザー光43kよりも指向性が低いので、対象物である皮膚Sを広域で照射することができる。その為、第2光源にLED装置44を用いることで、吐出ノズル16から吐出された噴霧用組成物の紡糸状態を可視化することができ、静電スプレーを首尾よく行うことができ、皮膚Sに良好な被膜が形成できる。噴霧用組成物の紡糸状態を可視化する観点から、LED装置44の明るさとしては、0.01カンデラ以上10000カンデラ以下が好ましく、1カンデラ以上100カンデラ以下がより好ましい。
また、LED装置44は、噴霧用組成物の紡糸状態を照射可能に配されていればよいが、静電スプレーを首尾よく行い、皮膚Sに良好な被膜を形成する観点から、吐出ノズル16の先端の近傍を照射可能に配されることが好ましい。
図6に示す静電スプレー装置10では、LED装置44が照射するLED光44kとレーザー装置43が照射するレーザー光43kとが、良好な被膜を形成する適切な紡糸距離において、重なるように、LED装置44及びレーザー装置43が配置されている。具体的には、LED装置44及びレーザー装置43は、LED光44kとレーザー光43kの光軸とが、適切な紡糸距離において重なるように、配置されている。このようにLED装置44及びレーザー装置43を配置することによって、図6に示すように、LED装置44が皮膚Sに向けて照射するLED光44kは、皮膚S上に円形のLED被照射部44rとして映し出されるようになる。また、レーザー装置43が皮膚Sに向けて照射するレーザー光43kは、皮膚S上にレーザー被照射部43rとして映し出されるようになる。レーザー光43kの光軸は、レーザー被照射部43rの中心に対応するようになる。図6に示す静電スプレー装置10では、レーザー装置43及びLED装置44は、レーザー被照射部43r及びLED被照射部44rどうしの位置関係が、吐出ノズル16と皮膚Sとの間の距離に応じて変化するように設けられている。そして、図6に示す静電スプレー装置10では、吐出ノズル16と皮膚Sとの距離が近づくに連れて、図7に示すように、レーザー被照射部43rが、LED被照射部44rの内の特定の位置44r1に向かって近づき、重なった後、逆向きに離れるようになされている。尚、LED被照射部44rの内の特定の位置とは、レーザー光43kの光軸を含む部分である。
次に、上述した図6に示す静電スプレー装置10を用いた被膜の形成方法について説明する。
使用者は該装置10を手で把持し、吐出ノズル16を皮膚Sの対象部位に向ける。この状態下に、使用者は、レーザー装置43及びLED装置44のスイッチSW2(図4参照)をオンにする。レーザー装置43及びLED装置44に電源が入ることで、図6に示すように、レーザー装置43からレーザー光43kが皮膚Sに向けて照射される。同様に、LED装置44からLED光44kが皮膚Sに向けて照射される。このとき、皮膚Sに対する静電スプレー装置10の位置が適正な紡糸位置にない場合は、レーザー光43kのレーザー被照射部43rがLED被照射部44rの特定の位置とは異なる位置となる。そして使用者は、図7に示すように、レーザー被照射部43rとLED被照射部44rの特定の位置とが重なる位置となるまで、静電スプレー装置10を皮膚Sに徐々に近づけていく。更に、使用者は、LED被照射部44rに重なり且つLED被照射部44rの中に映し出されたレーザー被照射部43rを見ながら、静電スプレー装置10を皮膚Sに徐々に近づけていき、そして、レーザー被照射部43rがLED被照射部44rの特定の位置に位置すると、使用者は静電スプレー装置10を動かすのをやめる。尚、更に静電スプレー装置10を皮膚Sに近づけると、図7に示すように、レーザー被照射部43rが、LED被照射部44rの特定の位置44r1から逆向きに離れていく。その為、皮膚S上でレーザー被照射部43rとLED被照射部44rの特定の位置44r1とが重なっていることを確認しながら、静電スプレー装置10を保持し、該装置10のスイッチSW1(図4参照)をオンにして静電スプレー法により噴霧用組成物の液滴Lを皮膚Sに向かって吐出する。静電スプレー法は、レーザー光43k及びLED光44kを皮膚Sに照射した状態のまま行う。
以上のとおり、図6に示す静電スプレー装置10によれば、レーザー光43kの光軸とLED光44kの光軸とが、良好な被膜を形成する適切な紡糸距離において、重なるように、レーザー装置43及びLED装置44の配置が調整されている。また、LED装置44及びレーザー装置43は、レーザー被照射部43r及びLED被照射部44rどうしの位置関係が、吐出ノズル16と皮膚Sとの間の距離に応じて変化するように設けられている。その為、該装置10の使用者は、被膜を形成する対象物である皮膚S上に映し出されるレーザー被照射部43rとLED被照射部44rと視覚で確認しながら、適切な紡糸距離を容易に把握でき、それに基づいて静電スプレー法を実施している間の皮膚Sと該装置10との距離を適正に保つことができる。それによって、皮膚Sと該装置10との間に適正な電界が形成され、静電スプレーを首尾よく行うことができ、皮膚Sに良好な被膜が形成できる。
上述した図1に示す静電スプレー装置10及び図6に示す静電スプレー装置10は、それぞれ、静電スプレー法の実施中に、適正な紡糸位置から外れてしまった場合には、該静電スプレー装置10を停止する機能を更に備えていてもよい。そのような機能は、補助的電気回路13に組み込むことができる。例えば、皮膚Sと静電スプレー装置10との距離を測定する測距手段を設け、測距手段が測定した距離の適正を判定する距離判定手段を補助的電気回路に組み込む。そして、測距手段が測定した距離が適正でないと距離判定手段が判定したら、噴霧用組成物の送液や高電圧の印加を強制的に停止させるようにする。このようにすることで、感電したり、噴霧用組成物が対象物に飛散したり、噴霧用組成物が静電スプレー装置10に付着したりすること等を効果的に防止できる。
以上の各実施形態の静電スプレー装置10を用いて被膜を形成するときの原料である噴霧用組成物は、(a)揮発性物質及び(b)被膜形成能を有するポリマーを含むことができる。
成分(a)の揮発性物質は、液体の状態において揮発性を有する物質である。噴霧用組成物において成分(a)は、電界内に置かれた該噴霧用組成物を十分に帯電させた後、吐出ノズル16の先端から皮膚に向かって吐出され、成分(a)が蒸発していくと、噴霧用組成物の電荷密度が過剰となり、クーロン反発によって更に微細化しながら成分(a)が更に蒸発していき、最終的に乾いた被膜を形成させる目的で配合される。この目的のために、揮発性物質はその蒸気圧が20℃において0.01kPa以上、106.66kPa以下であることが好ましく、0.13kPa以上、66.66kPa以下であることがより好ましく、0.67kPa以上、40.00kPa以下であることが更に好ましく、1.33kPa以上、40.00kPa以下であることがより一層好ましい。
成分(a)としては、例えば水、アルコール及びケトンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性物質が好適なものとして挙げられる。アルコールとしては例えば一価の鎖式脂肪族アルコールや、一価の環式脂肪族アルコールや、一価の芳香族アルコールが好適に用いられる。それらの具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、フェニルエチルアルコール、プロパノール、ペンタノールなどが挙げられる。これらのアルコールは、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。ケトンとしては例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらのケトンは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分(b)の被膜形成能を有するポリマーは、一般に、成分(a)の揮発性物質に溶解することが可能な物質である。ここで、溶解するとは20℃において分散状態にあり、その分散状態が目視で均一な状態、好ましくは目視で透明又は半透明な状態であることを言う。
被膜形成能を有するポリマーとしては、成分(a)の揮発性物質の性質に応じて適切なものが用いられる。具体的には、被膜形成能を有するポリマーは水溶性ポリマーと水不溶性ポリマーとに大別される。本明細書において「水溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1gを秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g以上が水に溶解する性質を有するものを言う。一方、本明細書において「水不溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1g秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g超が溶解しない性質を有するものを言う。
水溶性である被膜形成能を有するポリマーとしては、例えばプルラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリ−γ−グルタミン酸、変性コーンスターチ、β−グルカン、グルコオリゴ糖、ヘパリン、ケラト硫酸等のムコ多糖、セルロース、ペクチン、キシラン、リグニン、グルコマンナン、ガラクツロン、サイリウムシードガム、タマリンド種子ガム、アラビアガム、トラガントガム、大豆水溶性多糖、アルギン酸、カラギーナン、ラミナラン、寒天(アガロース)、フコイダン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の天然高分子、部分鹸化ポリビニルアルコール(架橋剤と併用しない場合)、低鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子などが挙げられる。これらの水溶性ポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、水不溶性である被膜形成能を有するポリマーとしては、例えば被膜形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することで被膜形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリ(N−プロパノイルエチレンイミン)グラフト−ジメチルシロキサン/γ−アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ツエイン(とうもろこし蛋白質の主要成分)、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性ポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
噴霧用組成物中には、上述した成分(a)及び成分(b)のみが含まれていてもよく、あるいは成分(a)及び成分(b)に加えて他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、例えば成分(b)の被膜形成能を有するポリマーの可塑剤、着色顔料、体質顔料、染料、界面活性剤、UV防御剤、香料、忌避剤、酸化防止剤、安定剤、防腐剤、各種ビタミン等が挙げられる。
本発明の被膜形成装置を用いた被膜の形成は、対象物として、皮膚Sに直に行っているが、皮膚Sの直でなくてもよく、例えば、化粧料が施された皮膚における、該化粧料が施された部位(以下、この部位のことを「化粧料適用部位」とも言う。)の上に被膜を形成することもできる。換言すれば、化粧料適用部位上に、いわゆるトップコートを施して、化粧料の表面を覆うことにより、該化粧料を保護することができる。これによって、化粧料適用部位が衣類等に擦過された場合であっても、衣類等への化粧料の色移りや付着が効果的に防止される。
本明細書において、「化粧料」としては、メイクアップ化粧料、UV化粧料、美容液等の皮膚に好ましい効果を示す外用剤が挙げられる。メイクアップ化粧料としては、ベースメイクアップ化粧料、口唇化粧料、化粧下地、BBクリーム、CCクリーム等が挙げられる。ベースメイクアップ化粧料としては、ファンデーション、コンシーラー及び白粉が挙げられる。ベースメイクアップ化粧料は着色顔料や体質顔料等の粉体を含有し、その剤型、例えば液状、ジェル状、乳化物、又は固形であるかは本質的な相違にはならない。
本発明の被膜形成装置を用いた静電スプレー法によれば、噴霧用組成物を液滴の状態で皮膚に付着させることができる。あるいは繊維の状態で皮膚に付着させることもできる。本発明の被膜形成装置は、繊維の堆積物からなる被膜を首尾よく形成できるという点で有利なものである。繊維の堆積物からなる被膜を形成する場合、該繊維の太さは、円相当直径で表した場合、10nm以上であることが好ましく、50nm以上であることが更に好ましい。また5000nm以下であることが好ましく、3000nm以下であることが更に好ましい。繊維の太さは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって、繊維を10000倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(繊維の塊、繊維の交差部分、液滴)を除き、繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引き、繊維径を直接読み取ることで測定することができる。
繊維状となった噴霧用組成物は、帯電した状態で皮膚に到達する。先に述べたとおり皮膚も帯電しているので、繊維は静電力によって皮膚に密着する。皮膚の表面には肌理等の微細な凹凸が形成されているので、その凹凸によるアンカー効果と相まって繊維は皮膚の表面に一層密着する。このようにして静電スプレーが完了したら、静電スプレー装置10の電源を切る。これによって吐出ノズル16と皮膚との間の電界が消失し、皮膚の表面は電荷が固定化される。その結果、被膜の密着性が一層発現する。
以上の説明は、被膜として繊維の堆積物からなる多孔性被膜についてのものであったが、被膜の形態はこれに限られず、細孔を有さない連続被膜を形成してもよく、繊維の堆積物以外の形態を有する多孔性被膜、例えば連続被膜に不規則に又は規則的に複数の貫通孔が形成されてなる多孔性被膜、すなわち不連続被膜を形成してもよい。上述のとおり、噴霧用組成物の粘度、吐出ノズルと皮膚との間の距離、及び吐出ノズルに印加する電圧などを制御することで任意の形状の被膜を形成することができる。
静電スプレー法によって形成された被膜が多孔性のものであるか否かを問わず、被膜の坪量は、0.1g/m2以上であることが好ましく、1g/m2以上であることが更に好ましい。また30g/m2以下であることが好ましく、20g/m2以下であることが更に好ましい。例えば被膜の坪量は、0.1g/m2以上30g/m2以下であることが好ましく、1g/m2以上20g/m2以下であることが更に好ましい。被膜の坪量をこのように設定することで、被膜の密着性を向上させることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、図1に示す静電スプレー装置10では、第1光源41及び第2光源42として、それぞれ、レーザー装置を用い、図6に示す静電スプレー装置10では、第1光源41としてレーザー装置を用い且つ第2光源42としてLED装置を用いているが、第1光源41及び第2光源42として、それぞれ、LED装置を用いてもよい。
また図1に示す静電スプレー装置10及び図6に示す静電スプレー装置10では第1光源及び第2光源の2つの光源を備えているが、被膜形成装置には、該2つの光源以外の光源を備えていてもよい。本発明の被膜形成装置は、前記2つの光源以外の光源として、吐出ノズル16から吐出された噴霧用組成物の紡糸状態を可視化することができる光源、例えば、別のLED装置、豆電球等を備えていてもよい。このような光源を更に備えていることによって、静電スプレーを首尾よく行うことができ、皮膚Sに良好な被膜が形成できる。
また本発明の被膜形成装置は、前記2つの光源以外の光源として、吐出ノズル16の先端の近傍を照射する光源、例えば、別のLED装置、豆電球等を備えていてもよい。このような光源を更に備えていることによって、静電スプレーを首尾よく行うことができ、皮膚Sに良好な被膜が形成できる。
また図1に示す静電スプレー装置10及び図6に示す静電スプレー装置10は、その構成部材のすべてが筐体20内に収容されていなくてもよい。例えば、筐体20から分離した別置きの筐体内にその構成部材の一部が収容されていてもよい。
また図1に示す静電スプレー装置10及び図6に示す静電スプレー装置10は、光源のすべてが筐体20の内部に収容されていなくてもよい。例えば、筐体20の外部に光源を脱着式で固定できる構造であってもよい。
また図1に示す静電スプレー装置10及び図6に示す静電スプレー装置10では、自己の皮膚Sに被膜を形成させたい者自身が静電スプレー装置10を使用しているが、自己の皮膚S以外の皮膚に被膜を形成させたい者が静電スプレー装置10を使用してもよい。
また図1に示す静電スプレー装置10及び図6に示す静電スプレー装置10では、被膜を形成する対象物として、前腕部内側の皮膚Sを挙げているが、それ以外に、顔、首、手、腕、胴、背中、足、爪、毛、髪等が挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の被膜形成装置を開示する。
<1>
静電スプレーによって対象物に被膜を形成する被膜形成装置であって、前記被膜形成装置の使用者が手で保持し得る形状又は大きさを有するハンドヘルドタイプのものであり、前記対象物に向けて可視光線である光線を照射する2つ以上の光源を備え、少なくとも2つの光源は、該2つの光源それぞれから照射される光線が、前記静電スプレーの吐出ノズルから離間した位置において互いに重なるように配されている、被膜形成装置。
<2>
前記2つの光源は、該2つの光源から照射される光線の被照射部どうしの位置関係が、前記吐出ノズルと前記対象物との間の距離に応じて変化するように設けられている、前記<1>に記載の被膜形成装置。
<3>
前記2つの光源から照射される光線の被照射部が、前記吐出ノズルと前記対象物との距離が近づくに連れて、互いに近づき、重なった後、逆向きに離れるようになされている、前記<1>又は<2>に記載の被膜形成装置。
<4>
前記2つの光源から照射される光線の被照射部が、前記吐出ノズルと前記対象物との距離が近づくに連れて、一方の被照射部が、他方の被照射部の内の特定の位置に向かって近づき、重なった後、逆向きに離れるようになされている、前記<1>又は<2>に記載の被膜形成装置。
<5>
前記対象物が皮膚、爪、毛である、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の被膜形成装置。
<6>
前記対象物が前記被膜形成装置の使用者の皮膚、爪、毛である、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の被膜形成装置。
<7>
前記2つの光源の少なくとも1つが、レーザー照射装置である、前記<1>〜<6>の何れか1に記載の被膜形成装置。
<8>
前記2つの光源の少なくとも1つが、LED装置である、前記<1>〜<7>の何れか1に記載の被膜形成装置。
<9>
前記2つの光源の少なくとも1つが、前記被膜形成装置が紡糸した噴霧用組成物の紡糸状態を照射可能に配されている、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の被膜形成装置。
<10>
前記2つの光源以外の光源が、前記被膜形成装置が紡糸した噴霧用組成物の紡糸状態を照射可能に配されている、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の被膜形成装置。
<11>
前記2つの光源以外の光源が、前記被膜形成装置が噴霧用組成物を紡糸する前記吐出ノズルの先端の近傍を照射可能に配されている、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の被膜形成装置。
<12>
2つ以上の光源として、第1光源及び第2光源を有し、前記第1光源及び前記第2光源は、該第1光源が照射する第1可視光線と該第2光源が照射する第2可視光線とが、該第1光源及び該第2光源を収容する筐体の長手方向に延び且つ前記吐出ノズルの先端を通過する中心線CL上で、交差するように配されることが好ましく、特に、前記第1可視光線の光軸と前記第2可視光線の光軸とが、中心線CL上で交差するように配されることが好ましい、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の被膜形成装置。
<13>
2つ以上の光源として、第1光源及び第2光源を有し、前記第1光源を構成する第1レーザー装置が照射する第1レーザー光と、前記第2光源を構成する第2レーザー装置が照射する第2レーザー光とは、異なる色のレーザー光であることが好ましい、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の被膜形成装置。
<14>
前記第1レーザー装置と、前記第2レーザー装置とは、該第1レーザー装置から照射されるレーザー光の第1被照射部と該第2レーザー装置から照射されるレーザー光の第2被照射部とが異なる形状であることが好ましい、前記<13>に記載の被膜形成装置。
<15>
2つ以上の光源として、第1光源及び第2光源を有し、前記第1光源から照射される光線の第1被照射部が中空の円環形状となっており、第2光源から照射される光線の第2被照射部が中実の円形状であり且つ該第2被照射部の直径が該第1被照射部の直径よりも小さい円形状となっている、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の被膜形成装置。
10 静電スプレー装置
11 低電圧電源
12 高電圧電源
13 補助的電気回路
14 マイクロギヤポンプ
15 組成物収納用容器
16 吐出ノズル
17 管路
18 フレキシブル管路
20 筐体
41 第1光源(第1レーザー装置)
41k 第1可視光線(第1レーザー光)
41r 第1被照射部
42 第2光源(第2レーザー装置)
42k 第2可視光線(第2レーザー光)
42r 第2被照射部
43 レーザー装置
43k レーザー光
43r レーザー被照射部
44 LED装置
44k LED光
44r LED被照射部
44r1 LED被照射部の特定の位置
S 皮膚

Claims (11)

  1. 静電スプレーによって対象物に被膜を形成する被膜形成装置であって、
    前記被膜形成装置の使用者が手で保持し得る形状又は大きさを有するハンドヘルドタイプのものであり、
    前記対象物に向けて可視光線である光線を照射する2つ以上の光源を備え、
    少なくとも2つの光源は、該2つの光源それぞれから照射される光線が、前記静電スプレーの吐出ノズルから離間した位置において互いに重なるように配されている、被膜形成装置。
  2. 前記2つの光源は、該2つの光源から照射される光線の被照射部どうしの位置関係が、前記吐出ノズルと前記対象物との間の距離に応じて変化するように設けられている、請求項1に記載の被膜形成装置。
  3. 前記2つの光源から照射される光線の被照射部が、前記吐出ノズルと前記対象物との距離が近づくに連れて、互いに近づき、重なった後、逆向きに離れるようになされている、請求項1又は2に記載の被膜形成装置。
  4. 前記2つの光源から照射される光線の被照射部が、前記吐出ノズルと前記対象物との距離が近づくに連れて、一方の被照射部が、他方の被照射部の内の特定の位置に向かって近づき、重なった後、逆向きに離れるようになされている、請求項1又は2に記載の被膜形成装置。
  5. 前記対象物が皮膚、爪、毛である、請求項1〜4の何れか1項に記載の被膜形成装置。
  6. 前記対象物が前記被膜形成装置の使用者の皮膚、爪、毛である、請求項1〜4の何れか1項に記載の被膜形成装置。
  7. 前記2つの光源の少なくとも1つが、レーザー照射装置である、請求項1〜6の何れか1項に記載の被膜形成装置。
  8. 前記2つの光源の少なくとも1つが、LED装置である、請求項1〜7の何れか1項に記載の被膜形成装置。
  9. 前記2つの光源の少なくとも1つが、前記被膜形成装置が紡糸した噴霧用組成物の紡糸状態を照射可能に配されている、請求項1〜8の何れか1項に記載の被膜形成装置。
  10. 前記2つの光源以外の光源が、前記被膜形成装置が紡糸した噴霧用組成物の紡糸状態を照射可能に配されている、請求項1〜9の何れか1項に記載の被膜形成装置。
  11. 前記2つの光源以外の光源が、前記被膜形成装置が噴霧用組成物を紡糸する前記吐出ノズルの先端の近傍を照射可能に配されている、請求項1〜10の何れか1項に記載の被膜形成装置。
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