JP2019111158A - ヘアドライヤーおよびヘアドライヤーに装着されるカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】放出される美容成分の種類を任意に選択できるヘアドライヤーを提供すること。【解決手段】本発明に係るヘアドライヤー100は、吸入口111から吹出口112へ向かう空気流B0、B1を生成するファン123と、空気流B1に霧化された液滴を付与する霧化装置130と、保持する第1の美容成分を空気流B1に含まれる液滴を媒体として空気流B1に放出する第1の美容成分保持部材(第1のカートリッジ150a)と、保持する第2の美容成分を空気流B1に含まれる液滴を媒体として空気流B1に放出する第2の美容成分保持部材(第2のカートリッジ150b)と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、ヘアドライヤーおよびヘアドライヤーに装着されるカートリッジに関する。
コラーゲンなどの美容成分を空気流に乗せて毛髪に放散するヘアドライヤーが知られている(例えば、特許文献1参照)。当該美容成分には、保湿作用や抗酸化作用などの様々な効能を有するものを用いることができる。
このような機能を備えるヘアドライヤーでは、運ばれる美容成分の種類を任意に選択したいという要請がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、美容成分の種類を任意に選択できるヘアドライヤーを提供するものである。
本発明の第1の態様におけるヘアドライヤーは、吸入口から吹出口へ向かう空気流を生成するファンと、前記空気流に霧化された液滴を付与する霧化装置と、保持する第1の美容成分を前記空気流に含まれる前記液滴を媒体として前記空気流に放出する第1の美容成分保持部材と、保持する第2の美容成分を前記空気流に含まれる前記液滴を媒体として前記空気流に放出する第2の美容成分保持部材と、を備える。
このように構成することにより、ユーザは、第1の美容成分と、第2の美容成分とを、任意に選択することができる。従って、放出される美容成分の種類を任意に選択することができる。
本発明により、放出される美容成分の種類を任意に選択できるヘアドライヤーを提供することができる。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。また、各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
図1は、第1の実施形態に係るヘアドライヤー100の全体斜視図である。ヘアドライヤー100は、主に、温風や冷風を発生させる本体ユニット110と、ユーザが把持するグリップユニット180と、を備える。ヘアドライヤー100は、AC電源から供給される電力によって、熱や空気流を発生させる。
本体ユニット110は、筐体であるハウジング116が外周を取り囲んで円筒形状を成し、一端側の開口である吸入口111から外気を取り入れ、他端側の開口である吹出口112から調整された空気流を吹き出す。吹出口112は、2つに分かれており、相対的に大量の空気流を吹き出す第1吹出口113と、第1吹出口よりは吐き出す空気流が少ない第2吹出口114とによって構成されている。なお、以降の説明においては、吸入口111側を上流側と称し、吹出口112側を下流側と称する。
本体ユニット110は、グリップユニット180と接続する端部を有する。当該端部近傍には、トグル式のモードスイッチ115が設けられている。モードスイッチ115は、吹き出す空気流に美容成分を放出させる美容モードと放出させない非美容モードとを切り替える切替部として機能する。ユーザは、モードスイッチ115を操作して希望するモードに切り替える。
グリップユニット180は、一端側が本体ユニット110と回動可能に接続されており、ユーザは、グリップユニット180を本体ユニット110に対して使用時においては直立させ、収容時においては並行にして折り畳む。グリップユニット180は、把持部の中央付近にオンオフスイッチ181を有する。ユーザは、オンオフスイッチ181を3つのポジションのいずれかにスライドさせることができる。それぞれのポジションは、1つがオフポジション、1つが後述するヒータへの通電を遮断して冷風を送出させる冷風ポジション、1つが電熱線に通電して温風を送出させる温風ポジションである。
ユーザがモードスイッチ115を操作して美容モードに切り替えると、第1及び第2の美容成分が混入した空気流が第2吹出口114から吐出される。図2に示すように、第1の美容成分は、美容成分保持部材としての第1のカートリッジ150aに吸着保持されている。第2の美容成分は、美容成分保持部材としての第2のカートリッジ150bに吸着保持されている。第1のカートリッジ150aと第2のカートリッジ150bは、美容ユニット150を構成する。
第1のカートリッジ150a及び第2のカートリッジ150bは、本体ユニット110に対して交換可能に装着される。すなわち、第1の美容成分を放出し尽くした第1のカートリッジ150aは、新たな第1のカートリッジ150aに取り替えられ、第2の美容成分を放出し尽くした第2のカートリッジ150bは、新たな第2のカートリッジ150bに取り替えられる。これにより、ヘアドライヤー100は、美容成分の放散を継続的に維持することができる。本実施形態においては、図2に示すように、第1のカートリッジ150aと第2のカートリッジ150bは、互いに独立して着脱可能に構成されている。
ハウジング116の一部には開口部が設けられており、開口部は、通常の使用時には収容蓋117で覆われている。収容蓋117は、一端側に設けられたヒンジによりハウジング116に枢設されており、ユーザは、第1のカートリッジ150aまたは第2のカートリッジ150bの交換時に収容蓋117の他端側を持ち上げて開口部を開く。開口部の奥には、第1及び第2の美容成分保持部材を装着可能な装着部118が設けられている。装着部118は、第1の領域118aと第2の領域118bとを有する。第1のカートリッジ150aは第1の領域118aに装着可能に構成されている。ユーザは、第1のカートリッジ150aをz軸方向から挿入することで、第1の領域118aに装着することができる。第2のカートリッジ150bは第2の領域118bに装着可能に構成されている。ユーザは、第2のカートリッジ150bをz軸方向から挿入することで、第2の領域118bに装着することができる。
第1のカートリッジ150a及び第2のカートリッジ150bを装着して収容蓋117を閉じれば、ユーザは、ヘアドライヤー100の美容モードを機能させることができる。なお、第1のカートリッジ150a及び第2のカートリッジ150bの少なくとも一方が装着されていない状態ではモードスイッチ115を美容モードに切り替えられないように、モードスイッチ115にロック機構を設けても良い。
本実施形態においては、第1のカートリッジ150aは、z軸周りに180°回転させると第2のカートリッジ150bと同一形状になるように構成されていてもよい。この場合は、第1のカートリッジ150aは、第2の領域118bにも装着可能になる。また、第2のカートリッジ150bは、第1の領域118aにも装着可能になる。
図3は、図1の座標系で示すxz平面と平行かつ美容ユニット150を含む断面で切断した、ハウジング116の中央付近の様子を模式的に示す図である。図は、主要な構成要素に限って表している。具体的には、ハウジング116内に配設されたヒータ121、モータ122、ファン123、霧化装置130と、装着部118に装着された美容ユニット150を表している。
ファン123は、モータ122によって回転され、吸入口111から外気を取り込んで、吹出口112へ向けて空気流を発生させる。モータ122は、例えば直流モータであり、ファン123と共に送風装置として機能する。ヒータ121は、通電されることにより熱を発生し、ファン123で発生された空気流を加熱して温風に変換する。ヒータ121は、例えば電熱線であり、絶縁板に巻回されるなどしてハウジング116の中空部に位置するように固定されている。
ハウジング116の内部空間は、吸入口111から取り込まれた外気がファン123よりも下流側で二手に分流するように、内壁119によって2つに分割されている。すなわち、ファン123によって生成される空気流は、この内壁119によって、第1吹出口113へ向かう空気流B0と、第2吹出口114へ向かう空気流B1とに分かれる。ヒータ121は、空気流B0を温めるように、空気流B0の流路中に配設されている。したがって、ユーザがオンオフスイッチ181を温風ポジションに設定していれば、通電されたヒータ121が空気流B0を主に温める。
霧化装置130は、空気流B1の流路中に配設されている。霧化装置130は、周辺空気に含まれる水分を結露させ、結露した水分をミスト化(霧化)して空気流B1に付与する装置である。ファン123が回っている間に水分を結露させる場合には、空気流B1に含まれる水分を結露させる。すなわち、霧化装置130は、空気中の水分を凝縮してミスト(霧化された液滴)を生成する装置であり、本実施形態においては、直径が十〜数百ナノメートルの液滴を生成する。
霧化装置130は、主に、ペルチェ素子131、冷却板132、放熱フィン133および放電電極134を含む。ペルチェ素子131の吸熱面側には導電性の冷却板132が貼り合わされており、冷却板132は、ペルチェ素子131によって冷却される。冷却板132のうち空気流と触れる側の面である結露面は、空気中に含まれる水分を結露させ、液滴が付着する。すなわち、冷却板132は、ペルチェ素子131と協働して結露部として機能する。
ペルチェ素子131の発熱面側には放熱のための放熱フィン133が貼り合わされている。放熱フィン133から放出された熱は、空気流B1の一部に乗って第2吹出口114から外部に吐き出される。
放電電極134は、後述する電極回路に接続されており、冷却板132を接地電極として放電が発生するように、冷却板132から所定量離間して配置されている。放電電極134に高圧の負パルスが印加されると、放電電極134の先端部と冷却板132の間で放電が起こり、冷却板132の結露面に結露していた結露水が、レイリー分裂により、マイナスイオンに帯電したミストとなって飛散する。すなわち、霧化装置130は、マイナスイオンに帯電したミスト(静電霧化した液滴)を、空気流B1に付与する。
なお、霧化装置130のうち、結露部は直接的に空気流B1の流路中に配設されていなくても良い。結露面で結露した結露水が放電によりミスト化した場合に、当該ミストが空気流B1に誘引されるのであれば、空気流B1に直接晒されない箇所に配設することも可能である。結露面が直接的に空気流B1に晒されないのであれば、比較的大きな結露水を生成することも可能であり、放電によって生成するミストの大きさをコントロールしやすい。
第1のカートリッジ150aは、霧化装置130よりも下流側に設けられた装着部118の第1の領域118aに装着されている(図2参照)。第2のカートリッジ150bは、霧化装置130よりも下流側に設けられた装着部118の第2の領域118bに装着されている(図2参照)。マイナスイオンに帯電したミストが第1のカートリッジ150aの内部を通過すると、第1のカートリッジ150aに吸着保持された第1の美容成分がミストに溶出する。マイナスイオンに帯電したミストが第2のカートリッジ150bの内部を通過すると、第2のカートリッジ150bに吸着保持された第2の美容成分がミストに溶出する。このようにして、第2吹出口114から吐出される空気流B1は、当該第1及び第2の美容成分を適度に含んだ状態でユーザの毛髪へ到達する。
なお、図示するように、霧化装置130とヒータ121の間には内壁119が介在し、互いに隔離されているので、ヒータ121が発生する熱は、霧化装置130の結露部に到達しにくい。したがって、結露部は、より多くの水分を結露させることができる。また、内壁119は、ヒータ121の熱をより遮断するように、断熱性の高い素材で形成されると良い。あるいは、内壁119の表面に熱移動を遮断する断熱シートを貼着すると良い。
図4は、ヘアドライヤー100のシステム構成図である。ヘアドライヤー100は、例えばマイクロプロセッサである制御部190によって電気系統の全体が制御される。オンオフスイッチ181のスイッチ状態、およびモードスイッチ115のスイッチ状態は、電気的に検出されて制御部190へ伝達される。制御部190は、これらのスイッチ状態に応じて各回路を制御する。制御対象は、主に、ヒータ回路191、モータ回路192、ペルチェ回路193および電極回路194である。
ヒータ回路191は、ヒータ121に通電して一定の発熱状態を保つ回路である。制御部190は、オンオフスイッチ181が温風ポジションであるときに、ヒータ回路191が機能するように制御する。モータ回路192は、モータ122に通電してファン123を一定の回転速度で回転させる回路である。制御部190は、オンオフスイッチ181が冷風ポジションまたは温風ポジションであるときに、モータ回路192が機能するように制御する。
ペルチェ回路193は、ペルチェ素子131を駆動して吸熱面から発熱面へ熱移動させる回路である。制御部190は、モードスイッチ115が美容モードに設定されているときに、ペルチェ回路193が機能するように制御する。電極回路194は、放電電極134に高圧の負パルスを印加して、放電電極134と冷却板132の間で周期的に放電を発生させる回路である。制御部190は、モードスイッチ115が美容モードに設定されているときに、電極回路194が機能するように制御する。
ここで、図5を用いて、第1のカートリッジ150aの構成について説明する。図5に示すように、第1のカートリッジ150aは、ケース部材151と、ケース部材151の中に収容される成分保持部材152とを備えている。ケース部材151は、さらに第1のケース部材151aと第2のケース部材151bとに分割できるように構成されている。第1のケース部材151aと第2のケース部材151bとは、組み合わせることによって成分保持部材152を内部に収容できるように構成されている。また、第1のケース部材151a及び第2のケース部材151bには、空気流B1が通過できる通気孔153が形成されている。
成分保持部材152は、複数の繊維部材を絡ませて構成されたシート状の部材であり、第1の美容成分を吸着保持している。すなわち、第1の美容成分は、成分保持部材152aを構成する繊維に吸着されているか、あるいは成分保持部材152を構成する繊維間に保持されている。成分保持部材152内を空気流B1aが通過するとき、空気流B1a内に含まれるミストによって第1の美容成分が溶出する。換言すると、第1の美容成分は、空気流B1aに含まれるミストを媒体として空気流B1aに放出される。
第2のカートリッジ150bの構成は、第1のカートリッジ150aと同様であるため図面は省略する。すなわち、第2のカートリッジ150bも、ケース部材と、ケース部材の中に収容される成分保持部材とを備えている。第2のカートリッジ150bの成分保持部材は、第2の美容成分を吸着保持している。
第1の美容成分と第2の美容成分は、同一の美容成分であってもよいし、異なる美容成分であってもよい。第1または第2の美容成分に用いられる美容成分としては、例えば保湿性を有するものとして、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、ビタミン類等の水溶性美容成分が挙げられる。なお、水溶性美容成分としては、上記した以外のものも任意に選択して用いることができるが、毛髪等における保湿性等を向上させてキューティクルの痛みを回復させる等の観点から、コラーゲンを含むことが好ましい。
また、金属微粒子を第1または第2の美容成分として採用することもできる。美容成分となり得る金属としては、金、銀、銅、白金、亜鉛、チタンが候補として挙げられる。金属微粒子の粒径は、数nm〜数μmの範囲で任意に選択してもよい。このような金属微粒子は、毛髪に付着して抗菌作用や抗酸化作用を生じさせることができる。特に白金の微粒子は、抗酸化作用が極めて高いことが知られており、美容成分として採用すると良い。
また、例えばコラーゲンなどに担持させるなどの態様により、金属微粒子を美容成分として採用することもできる。すなわち、金属微粒子が担持された水溶性美容成分を、第1または第2の美容成分として用いることができる。もちろん、第1または第2の美容成分として、上記で例示した美容成分やその他の美容成分を、任意の割合で配合して用いてもよい。
すなわち、例えば、第1のカートリッジ150aには、金属微粒子が担持された水溶性美容成分が保持されており、第2のカートリッジ150bには、水溶性美容成分が保持されるようにしてもよい。または、第1のカートリッジ150aには、金属微粒子が担持された水溶性美容成分が保持されており、第2のカートリッジ150bには、その金属微粒子とは異なる金属微粒子が担持された水溶性美容成分が保持されているようにしてもよい。または、第1のカートリッジ150a及び第2のカートリッジ150bには、各々種類が異なる水溶性美容成分が保持されているようにしてもよい。
図6は、美容ユニット150の全体斜視図である。美容ユニット150を構成する第1のカートリッジ150a及び第2のカートリッジ150bは、上述のように、美容成分を吸着保持する美容成分保持部材である。
第1及び第2のカートリッジ150a、150bが備える複数の通気孔153は、第1及び第2のカートリッジ150a、150bが装着部118の第1及び第2の領域118a、118bにそれぞれ装着された場合に、空気流B1に沿うように設けられている(図2参照)。換言すると、装着部118の第1及び第2の領域118a、118bは、通気孔153が空気流B1に沿う向きに第1及び第2のカートリッジ150a、150bが装着されるよう、収容形状が規定されている。したがって、空気流B1の少なくとも一部は、第1及び第2のカートリッジ150a、150bが備える通気孔153の内部を通過する。
以上のような構成により本実施形態に係るヘアドライヤー100は、使用するユーザの毛髪や頭皮に美容成分を供給することができる。したがって、毛髪の表面におけるキューティクルの剥離等のような髪のダメージをより効果的に修復し、さらには毛髪の保湿もより効果的に行うことができる。特に、ヘアドライヤー100は、ユーザが使用するたびにミストと美容成分を毛髪に供給することができるので、使用し続けることでキューティクルをより引き締めることができ、ブラッシングや温風による加熱等によるダメージを抑え、毛髪をより保湿性の高い状態に維持することができる。また、頭皮における皮脂の発生を抑制して毛穴を清潔な状態に保つことができる。さらにヘアカラーを行った場合の退色も抑制でき、染めた毛髪色を長期間に亘って維持することも期待できる。また、ヘアドライヤー100は、マイナスイオンも毛髪や頭皮に供給することができるので、毛髪のキューティクルをより引き締めることができ、より高い保湿性を維持することができる。
また、以上のような構成を備えることで、ユーザは、第1の美容成分と、第2の美容成分とを、任意に選択することができる。従って、拡散される美容成分の種類を任意に選択することができる。
次に、美容ユニット150のいくつかの変形例について説明する。図7は、他の例の美容ユニット250の全体斜視図である。美容ユニット250は、第1のカートリッジ250aと第2のカートリッジ250bとを備える。図7に示すように、第1のカートリッジ250aにおける通気孔253aの占める面積と、第2のカートリッジ250bにおける通気孔253bの占める面積とは、異なっている。具体的には、第1のカートリッジ250aにおける通気孔253aの占める面積は、第2のカートリッジ250bにおける通気孔253bの占める面積よりも小さくなるように形成されている。このように通気孔253aを形成することで、第1のカートリッジ250aを通過する空気流の量を、第2のカートリッジ250bを通過する空気流の量よりも少なくすることができる。このため、第1の美容成分と第2の美容成分との放出量の比を制御することができる。
例えば、第1の美容成分としてビタミンC等の水溶性ビタミンを、第2の美容成分として水溶性コラーゲンを採用した場合、ビタミンの方がコラーゲンよりも液滴に溶出しやすい場合がある。このような場合、第1の美容成分は第2の美容成分よりも空気流に放出されやすく、放出量の偏りが生じてしまう。しかし、第1のカートリッジ250aにおける通気孔253aの占める面積が第2のカートリッジ250bにおける通気孔253bの占める面積よりも小さければ、第1の美容成分の放出量を相対的に抑えることができる。このようにして、美容成分の種類による放出量の偏りを是正することができる。
図8は、更に他の例の美容ユニット350の全体斜視図である。美容ユニット350は、第1のカートリッジ350aと第2のカートリッジ350bとを備える。図8に示すように、第1及び第2のカートリッジ350a、350bは、それぞれ本体部351a、351bと、本体部351a、351bに複数設けられた貫通孔353a、353bによって構成されている。本体部351a、351bは、多孔質素材が用いられることが好ましく、例えばセラミック焼結体である。多孔質素材の空隙は、美容成分を吸着保持させる空間として利用できるので、本体部351a、351bは、多孔質素材でない場合に比べて多量の美容成分を保持することができる。すなわち、第1の美容成分は第1のカートリッジ350aの本体部351aに形成された貫通孔353aの内面に保持することができ、第2の美容成分は第2のカートリッジ350bの本体部351bに形成された貫通孔353bの内面に保持することができる。
複数の貫通孔353a、353bは、第1及び第2のカートリッジ350a、350bが装着部118の第1及び第2の領域118a、118bにそれぞれ装着された場合に、空気流B1に沿うように設けられている(図2参照)。換言すると、装着部118の第1及び第2の領域118a、118bは、貫通孔353a、353bが空気流B1に沿う向きに第1及び第2のカートリッジ350a、350bが装着されるよう、収容形状が規定されている。したがって、空気流B1の少なくとも一部は、第1及び第2のカートリッジ350a、350bが備える貫通孔353a、353bの内部を通過する。
霧化装置130で生成されたミストを含む空気流B1が貫通孔353a、353bを通過したときに、当該ミストが貫通孔353a、353bの内面と接触して美容成分を溶かし込むように、当該美容成分は、貫通孔の内面に一定の厚みをもって吸着されている。貫通孔353a、353bの内面に吸着保持された美容成分が、ヘアドライヤー100の使用により消費され、多孔質素材の空隙から滲出する美容成分も消尽されると、第1及び第2のカートリッジ350a、350bは交換時期を迎える。このような第1及び第2のカートリッジ350a、350bの構成を採用すれば、美容成分を保持する部材と、それを取り囲むケースのような二重構造を採用する必要がないので、保持量を増大させつつも全体としてコンパクトに仕上げることができる。
貫通孔353a、353bのそれぞれは、少なくとも一部がハニカム構造によって形成されていることが好ましい。具体的には、図示するように、貫通孔353a、353bとしての中空の六角柱が吸入側から吹出側へ向かって伸延し、それぞれが互いに稠密に隣接する構造である。貫通孔353a、353bがハニカム構造であれば、第1及び第2のカートリッジ350a、350bは構造体として高い剛性を確保できるので、輸送時や着脱時に多少の押圧があっても潰れたりする虞がない。また、稠密に隣接する構造であることから、全体として貫通孔353a、353bの内面の面積を大きくできるので、美容成分をより多く保持する点においても有利である。
なお、図8に示した第1及び第2のカートリッジ350a、350bは、貫通孔353a、353bがハニカム構造によって形成されている場合を示したが、貫通孔353a、353bはハニカム構造によって形成されていなくてもよい。例えば、貫通孔353a、353bの断面が円形状であってもよい。
また、図8に示した美容ユニット350においても、図7に示した美容ユニット250のように、第1のカートリッジ350aの表面において貫通孔353aの占める面積と、第2のカートリッジ350bの表面において貫通孔353bの占める面積とが異なっていてもよい。このように貫通孔353a、353bを形成することで、第1のカートリッジ350aを通過する空気流の量と、第2のカートリッジ350bを通過する空気流の量を任意に調整することができる。よって、第1の美容成分と第2の美容成分との放出量の比を制御することができる。
以上、本発明を上記の実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。例えば、本実施の形態に係るヘアドライヤー100は、第1の放電電極134aまたは第2の放電電極134bに負のパルスを印加してマイナスイオンを発生させたが、正のパルスを印加してプラスイオンを発生させても良い。正のパルスを印加して放電を発生させると、プラスイオンに帯電したミストが発生する。この場合は、プラスイオンがユーザの毛髪に到達し、プラスイオンによる抗菌効果などが期待できる。また、第1の放電電極134aまたは第2の放電電極134bに印加するパルスの極性を変化させることにより、マイナスイオンとプラスイオンをシーケンシャルに発生させても良い。また、第1の放電電極134aまたは第2の放電電極134bをそれぞれ複数設けて、プラスイオンとマイナスイオンを同時に発生させるようにしても良い。
また、上記の実施形態に係るヘアドライヤー100は、美容成分保持部材として交換式の第1及び第2のカートリッジを採用したが、カートリッジ式ではなく、例えば美容成分を外部から注入できるような美容成分保持部材を採用しても良い。この場合の美容成分保持部材は、本体ユニット110に固定されていても良い。
また、上記の実施形態では、第1のカートリッジ150a及び第2のカートリッジ150bについて、別個に構成されていた例を説明したが、第1のカートリッジ150a及び第2のカートリッジ150bは、一体で構成されていてもよい。この場合は、ユーザは、第1の美容成分と第2の美容成分の組み合わせを変えた種々のカートリッジを選択することで、ユーザが希望する美容成分を放出させることができる。また、第1のカートリッジ150a及び第2のカートリッジ150bを一体で構成することによって、着脱の手間が軽減する等の利点が生じる。
また、上記の実施形態では、美容ユニット150が第1のカートリッジ150a及び第2のカートリッジ150bのみからなる構成について説明したが、3個以上のカートリッジからなる構成であってもよい。カートリッジの個数を増やすことで、放出される美容成分の種類や配合をより細かく選択することができる。
100 ヘアドライヤー、110 本体ユニット、111 吸入口、112 吹出口、113 第1吹出口、114 第2吹出口、115 モードスイッチ、116 ハウジング、117 収容蓋、118 装着部、119 内壁、121 ヒータ、122 モータ、123 ファン、130 霧化装置、131 ペルチェ素子、132 冷却板、133 放熱フィン、134 放電電極、150、250、350 美容ユニット、150a、250a、350a 第1のカートリッジ、150b、250b、350b 第2のカートリッジ、151 ケース部材、151a 第1のケース部材、151b 第2のケース部材、152 成分保持部材、153、253a、253b 通気孔、180 グリップユニット、181 オンオフスイッチ、190 制御部、191 ヒータ回路、192 モータ回路、193 ペルチェ回路、194 電極回路、351a、351b 本体部、 353a、353b 貫通孔
Claims (14)
- 吸入口から吹出口へ向かう空気流を生成するファンと、
前記空気流に霧化された液滴を付与する霧化装置と、
保持する第1の美容成分を前記空気流に含まれる前記液滴を媒体として前記空気流に放出する第1の美容成分保持部材と、
保持する第2の美容成分を前記空気流に含まれる前記液滴を媒体として前記空気流に放出する第2の美容成分保持部材と、を備える、
ヘアドライヤー。 - 前記第1の美容成分保持部材と前記第2の美容成分保持部材は、互いに独立して着脱可能に構成されている、
請求項1に記載のヘアドライヤー。 - 前記ヘアドライヤーは更に、前記第1及び第2の美容成分保持部材を装着可能な装着部を備え、
前記第1の美容成分保持部材は前記装着部の第1の領域に装着可能に構成されており、
前記第2の美容成分保持部材は前記装着部の第2の領域に装着可能に構成されている、
請求項1または2に記載のヘアドライヤー。 - 前記第1の美容成分保持部材は前記装着部の前記第2の領域に装着可能に構成されており、
前記第2の美容成分保持部材は前記装着部の前記第1の領域に装着可能に構成されている、
請求項3に記載のヘアドライヤー。 - 前記第1及び第2の美容成分保持部材は一体で構成されている、請求項1に記載のヘアドライヤー。
- 前記第1の美容成分保持部材及び前記第2の美容成分保持部材は、前記空気流に沿った複数の通気孔をそれぞれ有する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘアドライヤー。 - 前記第1の美容成分保持部材において前記通気孔の占める面積と、前記第2の美容成分保持部材において前記通気孔の占める面積とが異なる、
請求項6に記載のヘアドライヤー。 - 前記第1の美容成分は、前記第2の美容成分よりも前記空気流に放出されやすい物質であり、
前記第1の美容成分保持部材において前記通気孔の占める面積は、前記第2の美容成分保持部材において前記通気孔の占める面積よりも小さい、
請求項7に記載のヘアドライヤー。 - 前記第1及び第2の美容成分保持部材は、前記空気流に沿った複数の貫通孔をそれぞれ有し、前記第1及び第2の美容成分は前記複数の貫通孔の内面にそれぞれ吸着されている、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘアドライヤー。 - 前記第1及び第2の美容成分保持部材は、それぞれの前記複数の貫通孔がハニカム構造によって形成されている、
請求項9に記載のヘアドライヤー。 - 前記第1及び第2の美容成分保持部材は、セラミック焼結体を用いて形成されている、
請求項9または10に記載のヘアドライヤー。 - 前記第1及び第2の美容成分保持部材は、前記複数の通気孔が前記空気流に沿うように装着部に装着されるカートリッジである、
請求項6〜8のいずれか1項に記載のヘアドライヤー。 - 前記第1及び第2の美容成分保持部材は、前記複数の貫通孔が前記空気流に沿うように装着部に装着されるカートリッジである、
請求項9〜11のいずれか1項に記載のヘアドライヤー。 - 請求項12または13に記載のカートリッジ。
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2017
- 2017-12-25 JP JP2017247184A patent/JP2019111158A/ja active Pending
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