JP2020116032A - 加熱送風装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細水を含む加熱送風を簡易な構成で適切に行う。【解決手段】吸入口と送風口とを有する本体内に送風流路が形成されると共に送風流路にファンとヒータとが配置され、ファンにより吸入口から送風流路に空気を吸入しヒータにより加熱して送風口から送風する加熱送風装置は、送風流路に配置され、基材と、基材に設けられた導電性高分子膜とを有し、温度低下により導電性高分子膜に空気中の水分を吸着する吸着状態になり、吸着した水分を温度上昇により無帯電且つ粒径が50ナノメートル以下の微細水として導電性高分子膜から放出する放出状態になる微細水発生部を備えるものである。【選択図】図2
Description
本発明は、加熱送風装置に関する。
従来、この種の加熱送風装置としては、内部に送風流路が形成された本体と、送風流路内に配置されたファンおよびヒータと、本体内に配置された静電霧化器とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この加熱送風装置では、静電霧化器が、放電電極およびそれに対向する対向電極と、放電電極を冷却して周囲の空気から水分を放電電極付近に生成させる冷却部と、放電電極と対向電極との間に高電圧を印加する高電圧印加部とを備える。そして、高電圧印加部により高電圧を印加して放電電極付近に生成した水を霧化させ、霧化させたミストをヒータにより加熱された空気と共に送風流路から吐出することで、水の補給をしなくても強い電荷を有するナノサイズのイオンミストを外部に送風することができるとしている。
上述した加熱送風装置では、静電霧化器から放出されるイオンミストが強い電荷を有しマイナスに帯電しているため、例えば人体に向けて送風した場合、人体の肌に対して反発を起こす場合がある。このため、吐出されたイオンミストが人体の角質層の内部に浸透しない可能性がある。また、空気中の水を凝縮するための冷却部としてペルチェ素子を備える必要があるから、装置構成が複雑となってコスト増を招いてしまう。
本発明は、微細水を含む加熱送風を簡易な構成で適切に行うことを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の加熱送風装置は、
吸入口と送風口とを有する本体内に送風流路が形成されると共に前記送風流路にファンとヒータとが配置され、前記ファンにより前記吸入口から前記送風流路に空気を吸入し前記ヒータにより加熱して前記送風口から送風する加熱送風装置であって、
前記送風流路に配置され、基材と、前記基材に設けられた導電性高分子膜とを有し、温度低下により前記導電性高分子膜に空気中の水分を吸着する吸着状態になり、前記吸着した水分を温度上昇により無帯電且つ粒径が50ナノメートル以下の微細水として前記導電性高分子膜から放出する放出状態になる微細水発生部と、
を備えることを要旨とする。
吸入口と送風口とを有する本体内に送風流路が形成されると共に前記送風流路にファンとヒータとが配置され、前記ファンにより前記吸入口から前記送風流路に空気を吸入し前記ヒータにより加熱して前記送風口から送風する加熱送風装置であって、
前記送風流路に配置され、基材と、前記基材に設けられた導電性高分子膜とを有し、温度低下により前記導電性高分子膜に空気中の水分を吸着する吸着状態になり、前記吸着した水分を温度上昇により無帯電且つ粒径が50ナノメートル以下の微細水として前記導電性高分子膜から放出する放出状態になる微細水発生部と、
を備えることを要旨とする。
本発明の加熱送風装置は、本体内に形成された送風流路にファンとヒータとが配置され、温度低下により導電性高分子膜に空気中の水分を吸着する吸着状態になり、吸着した水分を温度上昇により無帯電且つ粒径が50ナノメートル以下の微細水として導電性高分子膜から放出する放出状態になる微細水発生部が送風流路に配置されている。このため、人体の頭皮や髪の毛などの対象に微細水を含む加熱送風を行った場合に、微細水が頭皮や髪の毛などと反発するのを抑えて頭皮などに浸透しやすくするから、保湿効果を高めることができる。また、微細水発生部は、温度低下または温度上昇により、吸着状態と放出状態とに変化するから、簡易な構成で無帯電の微細水を放出することができる。したがって、微細水を含む加熱送風を簡易な構成で適切に行うことができる。
本発明の加熱送風装置において、前記送風流路には、前記吸入口側から、前記ファン、前記ヒータ、前記微細水発生部が順に配置され、前記微細水発生部は、前記ヒータおよび前記ファンの駆動で加熱された空気の流通により前記放出状態になり、前記ヒータの駆動停止により前記吸着状態になるものとすることもできる。こうすれば、微細水発生部の状態を変化させるための通電部などを不要とすることができるから、微細水を含む加熱送風をより簡易な構成で行うことができる。
本発明の加熱送風装置において、前記送風流路には、前記吸入口側から、前記ファン、前記微細水発生部、前記ヒータが順に配置され、前記微細水発生部に通電可能な通電部と、通電により前記微細水発生部が前記放出状態になり、通電停止により前記微細水発生部が前記吸着状態になるように前記通電部を制御する通電制御部と、を備えるものとすることもできる。こうすれば、通電制御により微細水発生部を吸着状態と放出状態とに変化ささせることができるから、微細水を含む加熱送風をより適切なものとすることができる。
本発明の加熱送風装置において、前記送風流路は、前記吸入口側から、前記ファン、前記ヒータが順に配置された主流路と、前記ファンと前記ヒータとの間で前記主流路から分岐し前記微細水発生部が配置された分岐流路とを有し、前記微細水発生部に通電可能な通電部と、通電により前記微細水発生部が前記放出状態になり、通電停止により前記微細水発生部が前記吸着状態になるように前記通電部を制御する通電制御部と、を備えるものとすることもできる。こうすれば、微細水発生部から放出した微細水がヒータの熱で蒸発するのを防いで対象物に到達しやすくすることができるから、微細水を含む加熱送風をさらに適切なものとすることができる。
本発明の加熱送風装置において、前記送風流路は、前記吸入口側に前記ファンが配置され、前記ファンよりも前記送風口側において前記送風流路内を分割した複数の分割流路が形成されており、前記複数の分割流路の各々は、前記吸入口側から、互いに独立して駆動可能な前記ヒータと、前記微細水発生部とが順に配置されており、前記ファンが駆動している状態で、前記ヒータが駆動している前記分割流路で加熱された空気の流通により該分割流路の前記微細水発生部が前記放出状態になり、前記ヒータが駆動停止している前記分割流路の前記微細水発生部が前記吸着状態になるように、前記分割流路の各々の前記ヒータの駆動を個別に制御するヒータ制御部と、を備えるものとすることもできる。こうすれば、複数の分割流路の各々の微細水発生部を順に放出状態としたり吸着状態としたりすることができるから、微細水を継続的に放出することが可能となる。
本発明の加熱送風装置において、前記送風流路において前記微細水発生部よりも前記送風口側に配置された放電素子を備えるものとすることもできる。こうすれば、放電により発生させた粒子を微細水に照射して、微細水の脱臭や花粉、雑菌、ウイルスなどの不活性化を図ることができる。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、ヘアドライヤー10の外観斜視図であり、図2は、ヘアドライヤー10の構成の概略を示す構成図である。ヘアドライヤー10は、図1,図2に示すように、本体20と、本体20にヒンジ32を介して折り畳み可能に取り付けられたグリップ30とを備える。本体20は、フィルター21を介して外部の空気を吸入するための吸入口22と、外部に空気を送風するための送風口24とを有し、吸入口22から送風口24に至る送風流路26が内部に形成されている。
ヘアドライヤー10は、本体20の送風流路26に配置されたファン40と、ヒータ45とを備える。ファン40は、図示しないモータにより回転駆動するプロペラファンであり、吸入口22から送風流路26内に外部の空気を吸入して送風口24から外部に送風する。なお、ファン40は、プロペラファンに限られず、シロッコファンなどとしてもよい。ヒータ45は、金属板や電熱線などにより構成され、送風流路26を流れる空気を所定温度に加熱する。
グリップ30には、温風のオンオフやその強弱、冷風のオンオフなどの各種操作を行うための操作スイッチ34が設けられている。ヘアドライヤー10は、操作スイッチ34の操作に基づいてファン40やヒータ45などの各部を駆動させるために、電源回路62と、スイッチモジュール64とを備える。電源回路62は、AC100Vなどの電源に接続される電源コード66から電力が供給され、各部の駆動に適した電力に必要に応じて変換して出力する。スイッチモジュール64は、操作スイッチ34の操作に応じて電源回路62から出力される電力をファン40やヒータ45などの各部に供給したり、供給を遮断したりするように構成されている。
また、ヘアドライヤー10は、本体20の送風流路26に配置された微細水発生カートリッジ50を備える。本実施形態では、送風流路26において吸入口22(空気の上流)側から、ファン40と、ヒータ45と、微細水発生カートリッジ50の順に配置されている。図3は、微細水発生カートリッジ50の構成の概略を示す構成図である。微細水発生カートリッジ50は、送風流路26内に取り付け可能な外径の円筒状のケース52と、ケース52内に設けられた微細水発生素子54とを備える。微細水発生素子54は、基材56と、基材56の表面に形成された導電性高分子膜58とにより構成されている。
基材56は、ステンレス系金属や銅系金属などの金属材料、炭素材料、導電性セラミックス材料などの導電性を有する材料で形成されている。本実施形態では、アルミニウムが添加されたステンレス鋼の金属箔を用いる。なお、微細水発生素子54は、空気を流通可能であって基材56(導電性高分子膜58)の表面積ができるだけ大きくなるように、平板状に形成された複数枚の基材56により構成されてもよいし、ハニカム状や渦巻き状などに形成された基材56により構成されてもよい。
導電性高分子膜58は、チオフェン系の導電性高分子などの導電性を有する高分子化合物で形成されている。本実施形態では、チオフェン系の導電性高分子のうち、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸))で形成されている。PEDOT/PSSは、PEDOTのコアと、水素結合可能な酸性官能基であるスルホン酸基のシェルとを有するコアシェル構造である。また、導電性高分子膜58中では、PEDOT/PSSのシェルが整列した積層構造をとり、各シェルの間に例えば2ナノメートルなどのナノメートルサイズの流路であるナノチャンネルを形成する。このナノチャンネル内には、スルホン酸基が多く存在するため、導電性高分子膜58の表面に存在する水分は、表面の水分量が多く内部の水分量が少ない場合に、表面と内部の濃度差によってナノチャンネル内のスルホン酸基を伝って内部に移動する。これにより、導電性高分子膜58が水分を吸着する。また、内部に水分が吸着された状態で、表面の水分量が少なく内部の水分量が多い場合に、水分は表面と内部の濃度差によってナノチャンネル内のスルホン酸基を伝って表面に移動する。これにより、導電性高分子膜58から水分が微細水として放出される。また、導電性高分子膜58の温度が上昇した状態では、濃度差のみで移動する場合に比して水分(微細水)の速やかな放出が促され、導電性高分子膜58の温度が低下した状態およびその状態で常温や低温の空気が流通する状態では水分の吸着が促される。このように、微細水発生カートリッジ50(微細水発生素子54)は、温度低下により導電性高分子膜58に空気中の水分を吸着する吸着状態に変化し、吸着した水分を温度上昇により導電性高分子膜58から放出する放出状態に変化することになる。なお、導電性高分子膜58の厚みは、必要な微細水の吸着量(放出量)に応じて適宜定めることができる。例えば、導電性高分子膜58の厚みが1〜30マイクロメートルなどとなるように形成される場合、10秒から数10秒程度の時間で、微細水を放出するのに十分な水分を吸着することができるものとなる。
また、微細水発生カートリッジ50は、微細水発生素子54の導電性高分子膜58から、水粒子の粒径が50ナノメートル以下、例えば粒径が2ナノメートル以下であって、無帯電の微細水を放出する。このような粒径となる理由は、ナノチャンネルのサイズが2ナノメートルまたはそれ以下のサイズであるため、導電性高分子膜の温度上昇によるナノチャンネル内の水の運動性向上、圧力上昇により、ナノチャンネルから水分が飛び出す現象のためと考えられる。また、飛び出した後に水粒子同士が凝集しても、その粒径は50ナノメートル以下の範囲に分布するものとなっている。このような微細水発生カートリッジ50(導電性高分子膜58)の微細水発生の詳細な説明は、本願出願人の特願2018−172166号の明細書などに記載されているため、これ以上の詳細な説明は省略する。
次に、こうして構成されたヘアドライヤー10の動作について説明する。ヘアドライヤー10は、微細水発生カートリッジ50に温風が流通していない状態、例えば使用者の操作スイッチ34の操作により冷風を送風している冷風使用状態や、非使用中であって送風流路26内が高温になっていない状態(常温で放置している状態)では、微細水発生カートリッジ50は、比較的低い温度となる。このため、微細水発生カートリッジ50は、導電性高分子膜58が水分を吸着する吸着状態となる。なお、冷風使用状態では、非使用中よりも微細水発生カートリッジ50を流通する単位時間当たりの風量(空気量)が増加するため、空気中の水分をより多く吸着することになる。
そして、ヘアドライヤー10は、使用者の操作スイッチ34の操作により温風を送風している温風使用状態では、微細水発生カートリッジ50に温風(例えば約80℃など)が流通するため、微細水発生カートリッジ50は、比較的高い温度となる。このため、微細水発生カートリッジ50は、導電性高分子膜58から微細水を放出する放出状態となる。放出された微細水は、温風と共に使用者の頭皮や髪の毛に向けて送風される。上述したように、微細水は無帯電であるから、使用者の頭皮や髪の毛に反発することなく頭皮や髪の毛に付着しやすいものとなる。また、微細水は、粒径が50ナノメートル以下、例えば2ナノメートル以下程度の小さな粒径であるから、頭皮や髪の毛に浸透して保湿効果を高めることができる。特に、人体の肌の角質の隙間は、約50ナノメートルであるから、微細水が浸透し易いものとなる。
以上説明した本実施形態のヘアドライヤー10では、本体20内に形成されファン40とヒータ45とが配置された送風流路26に、温度低下により導電性高分子膜58に空気中の水分を吸着する吸着状態になり、吸着した水分を温度上昇により無帯電且つ粒径が50ナノメートル以下の微細水として導電性高分子膜58から放出する放出状態になる微細水発生カートリッジ50を備える。このため、人体の頭皮や髪の毛などに微細水を含む加熱送風を行った際に、微細水が反発するのを抑えて浸透しやすくするから保湿効果を高めることができる。
また、送風流路26に、吸入口22側から、ファン40、ヒータ45、微細水発生カートリッジ50が順に配置される。このため、微細水発生カートリッジ50は、ヘアドライヤー10が温風送風で使用される際に放出状態になり、ヘアドライヤー10が冷風送風で使用される際や常温で放置される際に吸着状態になるから、微細水発生カートリッジ50への通電を不要とした簡易な構成で微細水を放出することができる。
実施形態では、送風流路26に、吸入口22側から、ファン40、ヒータ45、微細水発生カートリッジ50の順に配置されたり、送風流路26が分岐などのない流路であるものを例示したが、これに限られるものではない。例えば、図4〜図6の変形例のヘアドライヤー10B,10C,10Dのように構成してもよい。なお、以下の変形例では、実施形態と同じ構成には同じ符号を付して説明は省略する。
図4のヘアドライヤー10Bでは、送風流路26に、吸入口22側から、ファン40、微細水発生カートリッジ50、ヒータ45の順に配置される。また、ヘアドライヤー10Bは、電源回路62から微細水発生カートリッジ50に通電可能に構成されており、微細水発生カートリッジ50への通電(オン)と通電の停止(オフ)とを切り替えるノーマルオープン型の切替スイッチ65と、切替スイッチ65のオンオフを制御する制御部60とを備える。制御部60には、操作スイッチ34からの操作信号が入力されるものとしてもよい。例えば、使用者が微細水発生の有無の切替操作を操作スイッチ34などを介して行って、その操作信号が制御部60に入力されてもよい。電源回路62から基材56に通電して導電性高分子膜58の温度が上昇すると、水分(微細水)の放出が促される。また、電源回路62から基材56への通電を停止して導電性高分子膜58の温度が低下すると、水分の吸着が促される。なお、電源回路62は、基材56に通電するものとするが、導電性高分子膜58に通電するものとしてもよい。このヘアドライヤー10Bでは、制御部60が操作スイッチ34などの操作信号により切替スイッチ65のオンオフを切り替えることができるから、使用者が微細水の放出を伴って送風するか否かを選択することができる。また、ドライヤー10Bが送風を行っている状態で、制御部60が、10秒から10数秒程度の所定時間毎に切替スイッチ65のオンオフを切り替えてもよい。こうすれば、導電性高分子膜58が水分の吸着と放出とを所定時間毎に繰り返し、所定時間間隔で微細水を含む送風を行うことができる。このように、導電性高分子膜58の吸着状態と放出状態とに変化させることができるから、微細水を含む送風(加熱送風)をより適切なものとすることができる。
また、図5のヘアドライヤー10Cでは、吸入口22側から、ファン40、ヒータ45の順に配置された主流路126aと、ファン40とヒータ45との間で主流路126aから分岐する分岐流路126bとを有し、分岐流路126bに微細水発生カートリッジ150が配置されている。ここでは、主流路126aを取り囲むように円環状の1つの分岐流路126bが設けられるものとし、分岐流路126bの内面から図示しないリブが延出して主流路126a(送風口24a側)の外面を保持するものとする。ヘアドライヤー10Cは、ヘアドライヤー10Bと同様に制御部60を備え、微細水発生カートリッジ150は、電源回路62と切替スイッチ65とにより通電可能に構成されている。制御部60は、切替スイッチ65のオンオフを制御することにより、微細水発生カートリッジ150の導電性高分子膜58の吸着状態と放出状態とを任意に切り替えることができる。このヘアドライヤー10Cでは、微細水発生カートリッジ150がヒータ45とは異なる流路に配置されることで、微細水発生カートリッジ150から放出された微細水にヒータ45の熱の影響が及ぶのを抑制して、微細水の蒸発などが促進されるのを防止することができる。したがって、微細水を含む加熱送風をさらに適切なものとすることができる。
また、図6のヘアドライヤー10Dでは、送風流路226がファン40よりも送風口224側(下流側)で送風流路226内を複数に分割した分割流路226aが形成されている。また、図7は、ヘアドライヤー10Dの正面図である。各分割流路226aには、吸入口側22から、互いに独立して駆動可能なヒータ245と、微細水発生カートリッジ250とが順に配置されている。各ヒータ245は、切替スイッチ265により通電(オン)と通電の停止(オフ)とが切り替え可能となっている。また、ヘアドライヤー10Dは、各切替スイッチ265のオンオフを制御する制御部260を備える。制御部260は、ファン40が駆動している状態で、分割流路226aの各ヒータ245の駆動を個別に切り替えることにより、ヒータ245が駆動している分割流路226aの微細水発生カートリッジ250を放出状態に変化させることができる。また、制御部260は、ヒータ245が駆動停止している分割流路226aの微細水発生カートリッジ250を吸着状態に変化させることができる。このため、複数の分割流路226aの各々の微細水発生カートリッジ250を順に放出状態や吸着状態にすることができる。例えば、図7に示すような4分割された4つの分割流路226aを有する場合、いずれか1つの分割流路226aのヒータ245を所定時間ずつ順次オフとしながら残り3つの分割流路226aをオンとすることで、微細水を継続的に放出することが可能となる。所定時間としては、微細水発生カートリッジ250の導電性高分子膜58が水分を吸着するのに必要な時間に応じて、例えば、10秒から10数秒程度の時間に適宜定めることができる。
ヘアドライヤー10Dの分割流路226aは、図7の構成に限られるものではない。例えば図8のように、円形の流路として構成してもよい。また、分割流路226aは、4分割に限られず、2以上の複数に分割するものであればよい。なお、図5のヘアドライヤー10Cの分岐流路126bについても、主流路126aから部分的に分岐する複数の分岐流路を設けるものとし、各分岐流路に微細水発生カートリッジを配置すると共に、各微細水発生カートリッジの通電を個別に制御するように構成してもよい。
実施形態では、送風流路26に、ファン40と、ヒータ45と、微細水発生カートリッジ50とを備えるものとしたが、これらに加えて、次の構成を備えるものとしてもよい。図9は変形例のヘアドライヤー10Eの構成の概略を示す構成図である。ヘアドライヤー10Eは、図1の構成に加えて、微細水発生カートリッジ50よりも送風口24側(下流側)に放電素子70を備える。放電素子70は、第1電極(放電電極)72と、第1電極72に対向して配置される第2電極(対向電極)74とを備え、例えばプラズマ放電を行う。放電素子70は、電源回路62と切替スイッチ365とにより通電可能に構成されている。制御部360は、切替スイッチ365のオンオフを制御することにより、放電素子70からの放電の発生有無を切り替えることができる。放電素子70は、第1電極72と第2電極74との間に放電電圧が印加されると両電極間で放電が発生する。これにより、微細水発生カートリッジ50から放出された微細水に対し、放電により発生させた粒子を照射することができる。このため、微細水の脱臭や花粉、雑菌、ウイルスなどの不活性化を図ることができる。なお、放電素子70は、微細水発生カートリッジ50よりも送風口24側(下流側)に配置されるものであればよく、例えば図2において、微細水発生カートリッジ50とヒータ45との間に配置されるものであってもよい。
実施形態では、送風流路26に微細水発生カートリッジ50が配置されるものとしたが、これに限られず、送風流路26の吸入口22のフィルター21に導電性高分子膜58を形成し、その導電性高分子膜58に通電可能に構成するものなどとしてもよい。
実施形態では、ヘアドライヤーに本発明を適用するものを例示したが、これに限られず、ファンヒータなどの他の加熱送風装置に適用するものとしてもよい。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、本体20が「本体」に相当し、送風流路26が「送風流路」に相当し、ファン40が「ファン」に相当し、ヒータ45が「ヒータ」に相当し、基材56が「基材」に相当し、導電性高分子膜58が「導電性高分子膜」に相当し、微細水発生カートリッジ50が「微細水発生部」に相当し、ヘアドライヤー10が「加熱送風装置」に相当する。電源回路62と切替スイッチ65とが「通電部」に相当し、制御部60が「通電制御部」に相当する。主流路126aが「主流路」に相当し、分岐流路126bが「分岐流路」に相当する。分割流路226aが「分割流路」に相当し、制御部260が「ヒータ制御部」に相当する。放電素子70が「放電素子」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、加熱送風装置の製造産業などに利用可能である。
10,10B,10C,10D,10E ヘアドライヤー、20 本体、21 フィルター、22 吸入口、24,124a,124b,224 送風口、26,226 送風流路、30 グリップ、32 ヒンジ、34 操作スイッチ、40 ファン、45,245 ヒータ、50,150,250 微細水発生カートリッジ、52 ケース、54,254 微細水発生素子、56 基材、58 導電性高分子膜、60,260,360 制御部、62 電源回路、64 スイッチモジュール、65,265,365 切替スイッチ、66 電源コード、70 放電素子、72 第1電極、74 第2電極、126a 主流路、126b 分岐流路、主流路、226a 分割流路。
Claims (6)
- 吸入口と送風口とを有する本体内に送風流路が形成されると共に前記送風流路にファンとヒータとが配置され、前記ファンにより前記吸入口から前記送風流路に空気を吸入し前記ヒータにより加熱して前記送風口から送風する加熱送風装置であって、
前記送風流路に配置され、基材と、前記基材に設けられた導電性高分子膜とを有し、温度低下により前記導電性高分子膜に空気中の水分を吸着する吸着状態になり、前記吸着した水分を温度上昇により無帯電且つ粒径が50ナノメートル以下の微細水として前記導電性高分子膜から放出する放出状態になる微細水発生部
を備える加熱送風装置。 - 請求項1に記載の加熱送風装置であって、
前記送風流路には、前記吸入口側から、前記ファン、前記ヒータ、前記微細水発生部が順に配置され、
前記微細水発生部は、前記ヒータおよび前記ファンの駆動で加熱された空気の流通により前記放出状態になり、前記ヒータの駆動停止により前記吸着状態になる
加熱送風装置。 - 請求項1に記載の加熱送風装置であって、
前記送風流路には、前記吸入口側から、前記ファン、前記微細水発生部、前記ヒータが順に配置され、
前記微細水発生部に通電可能な通電部と、
通電により前記微細水発生部が前記放出状態になり、通電停止により前記微細水発生部が前記吸着状態になるように前記通電部を制御する通電制御部と、
を備える加熱送風装置。 - 請求項1に記載の加熱送風装置であって、
前記送風流路は、前記吸入口側から、前記ファン、前記ヒータが順に配置された主流路と、前記ファンと前記ヒータとの間で前記主流路から分岐し前記微細水発生部が配置された分岐流路とを有し、
前記微細水発生部に通電可能な通電部と、
通電により前記微細水発生部が前記放出状態になり、通電停止により前記微細水発生部が前記吸着状態になるように前記通電部を制御する通電制御部と、
を備える加熱送風装置。 - 請求項1に記載の加熱送風装置であって、
前記送風流路は、前記吸入口側に前記ファンが配置され、前記ファンよりも前記送風口側において前記送風流路内を分割した複数の分割流路が形成されており、
前記複数の分割流路の各々は、前記吸入口側から、互いに独立して駆動可能な前記ヒータと、前記微細水発生部とが順に配置されており、
前記ファンが駆動している状態で、前記ヒータが駆動している前記分割流路で加熱された空気の流通により該分割流路の前記微細水発生部が前記放出状態になり、前記ヒータが駆動停止している前記分割流路の前記微細水発生部が前記吸着状態になるように、前記分割流路の各々の前記ヒータの駆動を個別に制御するヒータ制御部と、
を備える加熱送風装置。 - 請求項1に記載の加熱送風装置であって、
前記送風流路において前記微細水発生部よりも前記送風口側に配置された放電素子を備える加熱送風装置。
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