JP7091692B2 - 微細水粒子放出素子、微細水粒子放出装置及び微細水粒子放出素子の製造方法 - Google Patents
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Description
又、上記の課題を解決するため、請求項11に係る微細水粒子放出装置の発明は、上記微細水粒子放出素子と、ハニカム状に形成されて粒子が層状の積層された基材部と、から構成される調湿部と、ハニカム状の基材部によって形成されて調湿部により区画された第一空間と第二空間とを連通する流路と、第一空間の前記被処理流体としての空気を流路に導入し、流路に導入された空気を第二空間に導出する送風部と、調湿部の基材部と電気的に接続され、基材部の通電を行う通電部と、送風部及び通電部を制御する制御部と、を備えた微細水粒子放出装置であって、制御部は、通電部により基材部を通電状態とするとともに送風部によって第一空間の空気を流路に導入し、且つ、通電部により基材部の通電状態を継続して流路に導入された空気に水粒子を放出するとともに水粒子を含んだ空気を送風部によって第二空間に導出する放湿モードを有する放湿制御部と、送風部により第一空間の空気を流路に導入し、且つ、通電部により基材部を非通電状態にして、流路に導入されて調湿部により水分が吸着された空気を送風部によって第二空間に導出する吸湿モードを有する吸湿制御部と、を備える。
又、上記課題を解決するために、請求項14に係る微細水粒子放出素子の製造方法の発明は、非通電状態である場合に被処理流体に含まれる水分を吸着し、通電状態である場合に吸着している水分を被処理流体に放出する微細水粒子放出素子の製造方法であって、核を形成するコア部と、水素結合可能な極性官能基を有する高分子材料から形成されてコア部を被覆するシェル部と、からなるコアシェル構造を有する粒子を分散させた分散液を、基材部に対して塗布する塗布工程と、塗布工程の後、基材部に塗布した乾燥させる乾燥工程と、を経て、粒子を基材部の表面に層状となるように積層させ、複数の粒子のシェル部間にナノチャンネルを形成する。
以下、本発明による微細水粒子放出素子としてのナノサイズ水粒子放出素子10の第一実施形態について説明する。ナノサイズ水粒子放出素子10は、被処理流体である空気に含まれる水分を吸着する吸着状態と、吸着している水分を空気に放出する放出状態と、の間で遷移可能とされている。ナノサイズ水粒子放出素子10は、図1に示すように、シート状に形成されている。ナノサイズ水粒子放出素子10は、基材部11と、基材部11の外表面に形成された膜部12と、から構成される。基材部11は、導電性材料である、ステンレス系金属又は銅系金属の金属材料、炭素材料(カーボンペーパ、黒鉛等)、導電性セラミックス材料(例えば、ITO等)、及び、導電性樹脂材料(例えば、金属蒸着されたフィルム、ナノ銀コーティング、CNTコーティング等)のうちの、例えば、ステンレス系金属であるステンレス鋼からなる金属箔であり、導電性を有する。基材部11は、通電されることによって発熱するようになっている。
上記第一実施形態においては、膜部12を形成する粒子13が導電性高分子材料であるPEDOT/PSSから形成されるコアシェル構造を有するようにした。即ち、上記第一実施形態においては、粒子13のコア部13aがPEDOTから形成され、粒子13のシェル部13bがPSSから形成されるようにした。
以下、本発明によるナノサイズ水粒子放出素子10を用いた微細水粒子放出装置としてのナノサイズ水粒子放出装置100について説明する。尚、本明細書においては説明の便宜上、図14における上側及び下側をそれぞれナノサイズ水粒子放出装置100の上方及び下方とし、同じく左側及び右側をそれぞれナノサイズ水粒子放出装置100の前方及び後方とし、同じく紙面手前側及び紙面奥側を、それぞれナノサイズ水粒子放出装置100の左方及び右方として説明する。
上記第二実施形態においては、ハニカム部材131と一体に形成される基材部11のハニカム形状が三角形状となるようにした。これに代えて、基材部11のハニカム形状については、図21に示すような波形状(第一変更例)、又は、図22に示すような六角形状(第二変更例)を採用することも可能である。このようなハニカム形状を基材部11に採用した場合であっても、基材部11の外表面にコアシェル構造を有する粒子13が塗布されて膜部12が形成される。
上記第二実施形態においては、ハニカム部材131が円柱状とした。これに代えて、図23に示すように、ハニカム部材131を角柱状とすることも可能である。この場合においても、ハニカム部材131と一体に形成される基材部11のハニカム形状については、図16、図21に示す第一変更例及び図22に示す第二変更例の形状を採用することができる。
上記第二実施形態においては、調湿部130がハニカム部材131を備え、ハニカム部材131にナノサイズ水粒子放出素子10の基材部11を一体に形成するようにした。これに代えて、図24に示す調湿部230を設けることも可能である。調湿部230は、一つのナノサイズ水粒子放出素子10を用いて断面渦状に形成された基材部11を備えており、基材部11の外表面(渦巻き形状の内側に相当する面)にはコアシェル構造を有する粒子13が塗布されて膜部12が形成されている。
Claims (15)
- 被処理流体に含まれる水分を吸着する吸着状態と、吸着している前記水分を前記被処理流体に放出する放出状態と、の間で遷移可能な微細水粒子放出素子であって、
基材部と、
核を形成するコア部、及び、水素結合可能な極性官能基を有する高分子材料から形成されて前記コア部を被覆するシェル部からなるコアシェル構造を有する複数の粒子と、
前記基材部の表面に複数の前記粒子を膜状に積層させることにより複数の前記粒子の前記シェル部間に形成されたナノチャンネルと、を有し、
前記基材部及び前記粒子のうちの少なくとも一方への通電を制御して前記ナノチャンネル内の前記水分の温度を変化させることにより前記吸着状態と前記放出状態との間で遷移する、微細水粒子放出素子。 - 前記シェル部は、
前記極性官能基として、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、及び、ピロリドン基のうちの少なくとも一つを有する、請求項1に記載の微細水粒子放出素子。 - 前記シェル部が、
前記高分子材料として、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムのうちの少なくとも一つを用いて形成された、請求項1又は請求項2に記載の微細水粒子放出素子。 - 前記コア部が、
高分子材料又は無機材料を用いて形成された、請求項1乃至請求項3のうちの何れか一項に記載の微細水粒子放出素子。 - 前記粒子は、
1ナノメートルから500ナノメートルの粒径を有する、請求項1乃至請求項4のうちの何れか一項に記載の微細水粒子放出素子。 - 前記基材部が、
ステンレス系金属又は銅系金属の金属材料、炭素材料、導電性セラミックス材料、及び、導電性樹脂材料のうちの少なくとも一つを用いて形成された、請求項1乃至請求項5のうちの何れか一項に記載の微細水粒子放出素子。 - 前記基材部は、ステンレス系金属から形成された金属箔であり、
前記粒子は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)の前記コア部と、ポリ(スチレンスルホン酸)の前記シェル部と、から構成されるPEDOT/PSSである、請求項1に記載の微細水粒子放出素子。 - 前記PEDOT/PSSは、
前記PEDOTのモノマーであるエチレンジオキシチオフェン(EDOT)と前記PSSとの重量比が1:3~1:10の間となるように設定される、請求項7に記載の微細水粒子放出素子。 - 前記基材部の外表面に前記複数の前記粒子が膜状に積層された際の厚みが、1~30μmである、請求項1に記載の微細水粒子放出素子。
- 請求項1乃至請求項9のうちの何れか一項に記載の前記微細水粒子放出素子を用いて構成された調湿部と、
前記調湿部が配設されて、第一空間と第二空間とを連通する流路と、
前記第一空間の空気を前記流路に導入し、前記流路に導入された前記空気を前記第二空間に導出する送風部と、
前記調湿部の前記基材部と電気的に接続され、前記基材部の通電を行う通電部と、
前記送風部及び前記通電部を制御する制御部と、を備えた微細水粒子放出装置であって、
前記制御部は、
前記送風部によって前記第一空間の前記空気を前記流路に導入し、且つ、前記通電部によって前記調湿部の前記基材部を通電状態にして、前記流路に導入された前記空気に対して前記調湿部の前記粒子に吸着している前記水分を放出させることにより、前記流路に導入された前記空気の放湿を行うとともに、前記放湿をされた前記空気を前記送風部によって前記第二空間に導出する放湿モードを有する放湿制御部と、
前記送風部によって前記第一空間の前記空気を前記流路に導入し、かつ、前記通電部によって前記基材部を非通電状態にして、前記流路に導入された前記空気の前記水分を前記粒子に吸着させることにより、前記流路に導入された前記空気の吸湿を行うとともに、前記吸湿をされた前記空気を前記送風部によって前記第二空間に導出する吸湿モードを有する吸湿制御部と、を備えている微細水粒子放出装置。 - 前記微細水粒子放出素子を構成する前記基材部が、
ハニカム状に形成された、請求項10に記載の微細水粒子放出装置。 - 前記通電状態における前記基材部の温度が、
30℃~70℃の範囲に設定された、請求項10又は請求項11に記載の微細水粒子放出装置。 - 前記放湿制御部は、更に、
前記通電部による前記基材部の前記通電状態にて前記送風部を停止させて前記空気を前記第二空間に導出しない非駆動状態とする加湿モードを有する、請求項10乃至請求項12のうちの何れか一項に記載の微細水粒子放出装置。 - 非通電状態である場合に被処理流体に含まれる水分を吸着し、通電状態である場合に吸着している前記水分を前記被処理流体に放出する微細水粒子放出素子の製造方法であって、
核を形成するコア部と、水素結合可能な極性官能基を有する高分子材料から形成されて前記コア部を被覆するシェル部と、からなるコアシェル構造を有する粒子を分散させた分散液を、導電性を有する基材部に対して塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後、前記基材部に塗布した前記粒子を乾燥させる乾燥工程と、を経て、
前記粒子を前記基材部の表面に層状に積層させ、複数の前記粒子の前記シェル部間にナノチャンネルを形成する、微細水粒子放出素子の製造方法。 - 被処理流体に含まれる水分を吸着する吸着状態と、吸着している前記水分を前記被処理流体に放出する放出状態と、の間で遷移可能な微細水粒子放出素子であって、
基材部と、
ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)のコア部とポリ(スチレンスルホン酸)のシェル部との重量比が1:3~1:10の間となるように設定されたコアシェル構造を有する複数の粒子と、
前記基材部の表面に複数の前記粒子を膜状に積層させることにより複数の前記粒子の前記シェル部間に形成されたナノチャンネルと、を有し、
前記基材部及び前記粒子のうちの少なくとも一方への通電を制御して前記ナノチャンネル内の前記水分の温度を変化させることにより前記吸着状態と前記放出状態との間で遷移する、微細水粒子放出素子。
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