JP7091692B2 - 微細水粒子放出素子、微細水粒子放出装置及び微細水粒子放出素子の製造方法 - Google Patents

微細水粒子放出素子、微細水粒子放出装置及び微細水粒子放出素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、微細水粒子放出素子、微細水粒子放出装置及び微細水粒子放出素子の製造方法に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に開示された静電霧化装置が知られている。この従来の静電霧化装置は、毛細管現象によって水を搬送する水搬送部と、吸熱面上で空気を冷却して生成した結露水を水搬送部に供給する熱交換部と、水搬送部が搬送する水に対して電圧を印加する印加電極と、水搬送部に対向して位置する対向電極と、印加電極と対向電極との間に高電圧を印加する高電圧印加部とを備えている。そして、従来の静電霧化装置は、高電圧印加部により印加される高電圧によって、水搬送部の先端部に保持される水を対向電極に向けて霧化させて、ナノサイズで強い電荷を有するナノイオンミストを発生させるようになっている。
又、従来から、例えば、下記特許文献2に開示されたマイナスイオン及びナノミスト発生装置も知られている。この従来のナノミスト発生装置は、送付機により外気が通過する処理室と、処理室の下部に設けられた貯水部と、貯水部に下部を水没させ上方に向かって径が拡大するすり鉢状の回転体と、回転体の外周に位置し、回転体とともに回転して回転による遠心力で飛散される水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体とを備えている。又、この従来のナノミスト発生装置は、対向体の外周に間隔を置いて回転体の上方から流入する外気を多孔体の外周に案内する空気案内筒が設けられるとともに空気案内筒と多孔体との間に一対の大流通路及び小流通路が形成されるようになっている。これにより、空気流に圧力差が生じて乱流を生じさせ、大量のマイナスイオンとナノミストとを発生するようになっている。
特許第4016934号公報 特許第5032389号公報
ところが、上記従来のナノミスト発生装置は、大きな水粒子を砕くことによりナノサイズのミストを発生させるため、水粒子の粒径が大きくなり、水粒子の粒径分布が広がり易い。又、上記従来の静電霧化装置によって発生されるナノイオンミストは強い電荷を有し、又、上記従来のナノミスト発生装置によって発生されるナノミストはマイナスに帯電しているため、水粒子が、例えば、人体に対して吸引や反発を起こす場合がある。これらにより、発生された水粒子が人体の角層表面の内部にまで進入しない(浸透できない)可能性がある。
又、上記従来の静電霧化装置では、空気中の水を凝縮するためのペルチェ素子及び放電のための高電圧電源が必要であり、装置の複雑化及び大型化が懸念される。又、上記従来のナノミスト発生装置では、水タンク、空気案内筒及び回転体等が必要であり、装置の大型化が懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明の目的は、発生させた水粒子の粒径分布を揃えるとともに無電荷の水粒子を発生させることができる微細水粒子放出素子、微細水粒子放出装置及び微細水粒子放出素子の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る微細水粒子放出素子の発明は、被処理流体に含まれる水分を吸着する吸着状態と、吸着している水分を被処理流体に放出する放出状態と、の間で遷移可能なナノサイズ水粒子放出素子であって、ナノサイズ水粒子放出素子が、基材部と、核を形成するコア部、及び、水素結合可能な極性官能基を有する高分子材料から形成されてコア部を被覆するシェル部からなるコアシェル構造を有する複数の粒子と基材部の表に複数の粒子を膜状に積層させることにより複数の粒子のシェル部間に形成されたナノチャンネルと、を有し基材部及び粒子のうちの少なくとも一方への通電を制御してナノチャンネル内の水分の温度を変化させることにより吸着状態と放出状態との間で遷移する。
これによれば、基材部の外表面に膜状に複数の粒子が積層されて微細水粒子放出素子を構成することができる。複数の粒子が積層された場合、各粒子の間、より詳しくは、各粒子のシェル部の間にはナノメートルサイズの流路が形成される。この流路には、極性官能基が多く分布するため、吸着状態において粒子によって吸着された水分は速やかに基材部に向けて移動することができる。逆に、吸着された水分は、放出状態において流路を速やかに移動して空気に放出される。この場合、流路は積層された複数の粒子によって形成されるため、流路に対応して水分を放出する噴出孔を多数存在させることができる。これにより、微細水粒子放出素子から放出される水粒子の粒径分布を揃えることができ、放出された水粒子の粒径を、例えば、数ナノメートルから数十ナノメールの範囲内で分布させることができる。
又、微細水粒子放出素子は、放出状態において、例えば、微細水粒子放出素子の内部の水分濃度と微細水粒子放出素子が設けられる空間の水分濃度との差である水分濃度差に応じて、水分(水粒子)を放出することができる。又、例えば、基材部に通電することにより粒子の温度が上昇し、水分(水粒子)を放出することができる。これにより、微細水粒子放出素子は、水粒子に対して電荷を印加することなく、水粒子を放出することができる。従って、微細水粒子放出素子は、無電荷の水粒子を大量に放出することができる。これらにより、微細水粒子放出素子から放出される水粒子(水分)は、無電荷且つ粒径が小さいため、例えば、人体の角質に対して進入(浸透)し易くなる。その結果、水粒子は、角質の内部にまで浸透することができ、肌の保湿に良好に寄与することができる。
(微細水粒子放出装置)
又、上記の課題を解決するため、請求項11に係る微細水粒子放出装置の発明は、上記微細水粒子放出素子と、ハニカム状に形成されて粒子が層状の積層された基材部と、から構成される調湿部と、ハニカム状の基材部によって形成されて調湿部により区画された第一空間と第二空間とを連通する流路と、第一空間の前記被処理流体としての空気を流路に導入し、流路に導入された空気を第二空間に導出する送風部と、調湿部の基材部と電気的に接続され、基材部の通電を行う通電部と、送風部及び通電部を制御する制御部と、を備えた微細水粒子放出装置であって、制御部は、通電部により基材部を通電状態とするとともに送風部によって第一空間の空気を流路に導入し、且つ、通電部により基材部の通電状態を継続して流路に導入された空気に水粒子を放出するとともに水粒子を含んだ空気を送風部によって第二空間に導出する放湿モードを有する放湿制御部と、送風部により第一空間の空気を流路に導入し、且つ、通電部により基材部を非通電状態にして、流路に導入されて調湿部により水分が吸着された空気を送風部によって第二空間に導出する吸湿モードを有する吸湿制御部と、を備える。
これによれば、上述したように、水タンクや高電圧電源等を必要としない微細水粒子放出素子を用いることにより、微細水粒子放出装置の小型化を図ることができる。又、制御部の放湿制御部が基材部を通電状態とすることにより、基材部の温度を上昇させて微細水粒子放出素子を吸着状態から放出状態に速やかに遷移させて、微細水粒子放出素子から水粒子を空気に放出させることができる。更に、制御部の吸湿制御部が基材部を非通電状態とすることにより、基材部の温度を低下させて微細水粒子放出素子を放出状態から吸着状態に速やかに遷移させて、微細水粒子放出素子に空気から水分を吸着させることができる。これにより、水分を吸着及び水粒子を放出するために、例えば、水タンクや、高電圧電源、空気案内筒等を設ける必要がなく、微細水粒子放出装置の小型化を図ることができる。
(微細水粒子放出素子の製造方法)
又、上記課題を解決するために、請求項14に係る微細水粒子放出素子の製造方法の発明は、非通電状態である場合に被処理流体に含まれる水分を吸着し、通電状態である場合に吸着している水分を被処理流体に放出する微細水粒子放出素子の製造方法であって、核を形成するコア部と、水素結合可能な極性官能基を有する高分子材料から形成されてコア部を被覆するシェル部と、からなるコアシェル構造を有する粒子を分散させた分散液を、基材部に対して塗布する塗布工程と、塗布工程の後、基材部に塗布した乾燥させる乾燥工程と、を経て、粒子を基材部の表面に層状となるように積層させ、複数の粒子のシェル部間にナノチャンネルを形成する。
これによれば、コアシェル構造を有する粒子を基材部の外表面に塗布することにより微細水粒子放出素子を極めて簡単に製造することができる。又、コアシェル構造を有する粒子を基材部の外表面に層状(膜状)に付着させることのみで微細水粒子放出素子を形成することができるので、構成を簡略化することができる。従って、この微細水粒子放出素子を用いた微細水粒子放出装置の小型化を図ることができる。
本発明の第一実施形態に係る微細水粒子放出素子を示す部分断面図である。 図1の粒子の構成を示す断面図である。 図1の微細水粒子放出素子から放出された水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 図1の微細水粒子放出素子から放出されて所定時間が経過した後の水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 図1の微細水粒子放出素子から水粒子が放出される室内空気の水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 比較例であるゼオライトから放出された水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 比較例であるゼオライトから放出されて所定時間が経過した後の水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 比較例であるゼオライトから水粒子が放出される室内空気の水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 比較例であるパルプ紙から放出された水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 比較例であるパルプ紙から放出された水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 比較例であるパルプ紙から水粒子が放出される室内空気の水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 第一実施形態の第一変形例に係る微細水粒子放出素子から放出されて所定時間が経過した後の水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 第一実施形態の第一変形例に係る微細水粒子放出素子から水粒子が放出される室内空気の水粒子の粒径の測定結果を示す図である。 本発明の第二実施形態に係り、図1の微細水粒子放出素子を備えた微細水粒子放出装置の構成を示す部分断面図である。 図14の調湿部の構成を示す斜視図である。 図15の調湿部を構成する基材部及び膜部(粒子)の構成を説明する断面図である。 図14の制御装置のブロック図である。 図14の微細水粒子放出装置によって放湿された場合の角質水分量の測定結果を示す図である。 図14の微細水粒子放出装置によって放湿された場合の蒸散水分量の測定結果を示す図である。 図14の調質装置によって放湿された場合の肌弾力の測定結果を示す図である。 第二実施形態の第一変形例に係る調湿部の第一変更例を示す断面図である。 第二実施形態の第一変形例に係る調湿部の第二変更例を示す断面図である。 第二実施形態の第二変更例に係る調湿部の構成を示す斜視図である。 第二実施形態の第三変形例に係る調湿部の構成を示す平面図である。 図24の調湿部の詳細な構成を示す断面図である。 第二実施形態の第三変形例に係る調湿部の第一変更例を示す断面図である。 第二実施形態の第三変形例に係る調湿部の第二変更例を示す断面図である。 第二実施形態の第三変形例に係る調湿部の第三変更例を示す断面図である。
(第一実施形態)
以下、本発明による微細水粒子放出素子としてのナノサイズ水粒子放出素子10の第一実施形態について説明する。ナノサイズ水粒子放出素子10は、被処理流体である空気に含まれる水分を吸着する吸着状態と、吸着している水分を空気に放出する放出状態と、の間で遷移可能とされている。ナノサイズ水粒子放出素子10は、図1に示すように、シート状に形成されている。ナノサイズ水粒子放出素子10は、基材部11と、基材部11の外表面に形成された膜部12と、から構成される。基材部11は、導電性材料である、ステンレス系金属又は銅系金属の金属材料、炭素材料(カーボンペーパ、黒鉛等)、導電性セラミックス材料(例えば、ITO等)、及び、導電性樹脂材料(例えば、金属蒸着されたフィルム、ナノ銀コーティング、CNTコーティング等)のうちの、例えば、ステンレス系金属であるステンレス鋼からなる金属箔であり、導電性を有する。基材部11は、通電されることによって発熱するようになっている。
膜部12は、コアシェル構造を有する粒子13を溶媒に分散させ、粒子13を分散させた分散液を基材部11の外表面に塗布し(塗布工程)、その後、乾燥させる(乾燥工程)を経ることによって形成される。即ち、ナノサイズ水粒子放出素子10は、粒子13を分散させた分散液を導電性を有する基材部11に塗布する塗布工程と、塗布工程の後、基材部11に塗布した粒子13を乾燥させる乾燥工程と、を経る製造方法によって製造される。この製造方法を経ることにより、図1にて概念的に示すように、複数の粒子13は、ある程度の規則性を有して(最密構造的に)複数段(図1においては、4段)積層されて積状(膜状)に形成される。ここで、分散液の溶媒は、例えば、水である。
粒子13は、基材部11が非通電状態(即ち、発熱していない状態)において放出状態から吸着状態に遷移し、基材部11が通電状態(即ち、発熱している状態)において吸着状態から放出状態に遷移する。本実施形態における粒子13は、その粒径が1ナノメートルから500ナノメートル程度に設定されている。これにより、複数の粒子13は、基材部11の外表面に対して最密的に積層し、膜部12を形成する。膜部12は、基材部11の外表面に複数の粒子13が積層された際の厚み(膜厚)が、1~30μmとなるように形成される。本実施形態における粒子13は、導電性高分子から形成されており、具体的に、チオフェン系導電性高分子の一つであるPEDOT/PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸))から形成される。
粒子13は、図2に示すように、コア部13aとシェル部13bとから構成される。粒子13のコア部13aは、粒子の核を形成するものであり、高分子材料又は無機材料のうち、例えば、高分子材料であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)即ちPEDOTから形成される。粒子13のシェル部13bは、水素結合可能な極性官能基13b1を有する高分子材料から形成されて、コア部13aを被覆するものである。具体的にシェル部13bは、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムのうちのポリスチレンスルホン酸である、ポリ(スチレンスルホン酸)即ちPSSから形成される。ここで、シェル部13bを形成するPSSは、水素結合可能な極性官能基13b1である、スルホン酸基(-SOH)、カルボキシル基(-COOH)、水酸基(-OH)、アミノ基(-NH)、アミド基(-C=ONH-)、及び、ピロリドン基(NCOC)のうちの少なくとも一つであるスルホン酸基(-SOH)を有している。
ここで、粒子13であるPEDOT/PSSは、PEDOTのモノマーであるエチレンジオキシチオフェン(EDOT)とPSSとの重量比が1:3~1:10の間となるように設定される。
ナノサイズ水粒子放出素子10は、基材部11が非通電状態である場合、時間が経過することに伴って粒子13(シェル部13b)による水の吸着量が増加して飽和吸湿率の状態で安定する。又、ナノサイズ水粒子放出素子10は、基材部11が通電されて、粒子13の温度が上昇して放出温度以上となることにより、粒子13(シェル部13b)に吸着している水分を水粒子の状態で放出する。
ところで、コアシェル構造の粒子13を含んで構成されるナノサイズ水粒子放出素子10においては、吸着状態における空気中の水分の吸着スピード、及び、放出状態における空気中への水分の放出スピードがシリカゲル等の一般的な吸湿剤と比べて速くなる。又、コアシェル構造を有する粒子13を含んで構成されるナノサイズ水粒子放出素子10においては、放出状態において放出する水分の水粒子のサイズが、1ナノメートルから40ナノメートル程度、より詳しくは、2ナノメートルから10ナノメートルの非常に小さい粒径分布範囲に分布する。以下、これらのことを順に説明する。
先ず、水分の吸着スピード及び放出スピードの速さから説明する。ナノサイズ水粒子放出素子10は、PEDOT/PSSから形成される粒子13が基材部11上に積層されている。この場合、粒子13のシェル部13bは、図1に示すように、膜部12中において、整列された状態で積層される。又、粒子13のシェル部13bを構成するPSSは、水素結合可能な極性官能基13b1であるスルホン酸基(-SOH)を数多く持ち、図2に示すように、シェル部13bの周りに多くの極性官能基13b1であるスルホン酸基(-SOH)を有する。このため、被処理流体である空気に触れているスルホン酸基(-SOH)には、空気に含まれる水分が水素結合により吸着される。
この場合、膜部12の表面における水分量が多く、且つ、膜部12の内部における水分量が少ない場合、粒子13のシェル部13bは、水分濃度差を駆動源として、吸着した水分を膜部12の表面から膜部12の内部に向けて移動させようとする。ところで、図1にて太い矢印により示すように、膜部12の内部においては、積層された粒子13のシェル部13bとシェル部13bとの間にナノメートルサイズの流路13c(以下、この流路13cを「ナノチャンネル13c」と称呼する。)が形成される。このナノチャンネル13cには、極性官能基13b1であるスルホン酸基(-SOH)が多く分布しており、膜部12の表面にて吸着された水分は、ナノチャンネル13cに存在するスルホン酸基(-SOH)間を伝って高速で膜部12の内部に移動する。
これにより、膜部12の表面にて吸着された水分は、水分濃度差により膜部12の内部に高速で移動し、大量の水分を速い速度で空気から吸着して保持することができる。又、このように、水分濃度差を駆動源として水分が移動するため、膜部12の内部における水分量が多く、且つ、膜部12の表面における水分量が少ない場合、即ち、空気が乾燥している場合には、上述した吸着時とは逆に、ナノチャンネル13cに存在する極性官能基13b1であるスルホン酸基(-SOH)を伝うことにより、膜部12の内部から膜部12の表面に向けて、保持された(吸着された)水分が高速で移動する。これにより、膜部12の内部に保持された(吸着された)水分は水分濃度差により膜部12の表面に高速で移動し、膜部12(粒子13)は大量の水分を速い速度で空気に放出することができる。又、外部の空気の湿度が高い場合でも、基材部11に通電することにより膜部12の温度が上昇し、膜部12(粒子13)は大量の水分を速い速度で空気中に放出することができる。
次に、放出状態において膜部12(粒子13)から放出される水分の水粒子のサイズが小さいことを説明する。図3に示すように、PEDOT/PSSから形成される粒子13を含んで構成されるナノサイズ水粒子放出素子10から放出された直後の水粒子径分布は、測定範囲の下限である2ナノメートルで最大値を示し、10ナノメートル付近まで分布する。又、図4に示すように、水分を放出してから所定時間(例えば、40秒)が経過した後においては、水粒子同士が凝集し、水粒子径分布が大粒径側に移動する。ここで、この測定において、図5に示すように、室内空気にはナノメートルサイズの水粒子はほぼ計測されていない。尚、水粒子径分布の測定に当たっては、水粒子の電気移動度を利用して分級し、凝縮粒子カウンターにて単位体積(1cc)当たり個数濃度を測ることでサブミクロン領域の粒子分布計測を行う走査式モビリティーパーティクルサイザー(SMPS)を用いて測定した。
尚、ナノサイズ水粒子放出素子10から放出される水粒子径分布の比較として、一般的な吸湿材料であるゼオライト及びパルプ紙の測定結果を図6~図11に示しておく。ゼオライトから放出される水粒子径分布は、図6に示す放出直後、図7に示す所定時間が経過した後、及び、図8に示す室内空気において、有意なピークは存在しない。又、パルプ紙から放出される水粒子径分布は、図9に示す放出直後、図10に示す所定時間が経過した後、及び、図11に示す室内空気においては、有意なピークは存在しない。即ち、ゼオライト及びパルプ紙は、ナノサイズの水粒子は存在しない、或いは、存在してもごく少量であると考えられる。
このように、ナノサイズ水粒子放出素子10から放出される水分の水粒子径が小さくなるのは、以下の理由によるものと考えられる。上述したように、本実施形態におけるコアシェル構造を有する粒子13は、PEDOT/PSSであり、コア部13aにPEDOT、シェル部13bにPSSが存在している。PSSは、極性官能基13b1として、親水基であるスルホン酸基(-SOH)を有しており、シェル部13bの外表面及び内部に多数分布している。膜部12はコアシェル構造を有する粒子13が積層されて形成されているため、隣接する粒子13のシェル部13bとシェル部13bとの間には流路幅が数ナノメートルのナノチャンネル13cが存在し、ナノチャンネル13cの内部にはスルホン酸基(-SOH)が多数分布している。
従って、ナノチャンネル13cの内部には、スルホン酸基(-SOH)に結合した水分子に対して更に水和した数ナノメートルの水クラスタが多数存在する。ここで、水粒子がシェル部13bの外表面のナノチャンネル13cに偏在し、水粒子がシェル部13bの内部に入り込まない理由としては、コア部13aのPEDOTが疎水性のために水粒子をシェル部13bの外表面に押し退けていると考えられる。
そして、放湿時、数ナノサイズの水粒子が放出される理由は、基材部11が通電されると、膜部12(粒子13)の温度が上昇して水粒子に熱エネルギーが供給される。これにより、ナノサイズ水粒子放出素子10においては、水粒子の運動性が増加し、ナノチャンネル13cに存在している水クラスタは、ナノチャンネル13cに対応して膜部12の表面に多数存在する孔である噴出孔から飛び出すためである。
尚、ナノサイズ水粒子放出素子10から放出される水粒子(水分)の水粒子径が小さくなるのは、例えば、噴出孔から水分子が放出された直後において、イオン等の水粒子の核となり得る物質を中心に水分子が集まって水粒子を形成するとも考えられる。しかしながら、ナノサイズ水粒子放出素子10を用いた場合には、イオン等の水粒子の核となる物質の発生源は無く、又、イオンカウンタによる放出水粒子の測定においてもイオンが検知されない。従って、上述した理由の通り、ナノサイズ水粒子放出素子10においては、ナノチャンネル13cに存在している水クラスタが熱エネルギーによって膜部12の表面から飛び出すと考えることが合理的である。
以上の説明からも理解できるように、上記第一実施形態の微細水粒子放出素子であるナノサイズ水粒子放出素子10は、被処理流体である空気に含まれる水分を吸着する吸着状態と、吸着している水分を空気に放出する放出状態と、の間で遷移可能なナノサイズ水粒子放出素子であって、ナノサイズ水粒子放出素子10が、導電性を有する基材部11と、核を形成するコア部13a、及び、水素結合可能な極性官能基を有する高分子材料から形成されてコア部13aを被覆するシェル部13bからなるコアシェル構造を有する複数の粒子13と、から構成され、基材部11の外表面に複数の粒子13が膜状に積層されて、粒子13が吸着状態と放出状態との間で遷移する。
ここで、基材部11は、ステンレス系金属であるステンレス鋼から形成された金属箔であり、粒子13は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)のコア部13aと、ポリ(スチレンスルホン酸)のシェル部13bと、から構成されるPEDOT/PSSである。
これによれば、基材部11の外表面に層状に複数の粒子13が積層されてナノサイズ水粒子放出素子10を構成することができる。この場合、複数の粒子13が積層されることにより、各粒子13の間、より詳しくは、各粒子13のシェル部13bの間にはナノメートルサイズの流路であるナノチャンネル13cが形成される。このナノチャンネル13cには、極性官能基13b1であるスルホン酸基(-SOH)が多く分布するため、吸着状態において粒子13によって吸着された水分は速やかに基材部11に向けて(膜部12の内部に向けて)移動することができる。逆に、吸着された水分は、放出状態においてナノチャンネル13cを速やかに移動して空気に放出される。この場合、ナノチャンネル13cは積層された複数の粒子13によって形成されるため、水粒子(水分)を放出する噴出孔を多数存在させることができる。これにより、ナノサイズ水粒子放出素子10から放出される水粒子の粒径分布を揃えることができ、放出された水分の粒径を1ナノメートルから40ナノメートルの範囲内で分布させることができる。
又、ナノサイズ水粒子放出素子10においては、放出状態において、例えば、空気との水分濃度差に応じて水粒子(水分)を放出することができる。又、ナノサイズ水粒子放出素子10においては、基材部11に通電することにより膜部12の温度が上昇して水粒子(水分)を放出することができる。ここで、上述した従来の静電霧化装置では、放電により分裂、帯電した水粒子が発生するため、水粒子は電荷を有する。これに対して、ナノサイズ水粒子放出素子10においては、ナノチャンネル13cの親水基に吸着された水クラスタを通電による熱エネルギーで放出させるため、放出される水粒子は原理的に電荷を有さない。即ち、水粒子に対して電荷を印加することなく、微細な水粒子を放出することができる。従って、ナノサイズ水粒子放出素子10は、無電荷且つ微細な水粒子を大量に放出することができる。
これらにより、ナノサイズ水粒子放出素子10から放出される水粒子(水分)は、無電荷且つ粒径が小さいため、例えば、人体の角質に対して進入(浸透)し易くなる。その結果、水粒子(水分)は、角質の内部にまで浸透することができ、肌の保湿に良好に寄与することができる。
又、コアシェル構造の粒子13を構成し、水素結合可能な極性官能基13b1を有するシェル部13bが、空気から水分を吸着する吸着状態と空気に水分を放出する放出状態との間で遷移することができる。これにより、複数の粒子13は、それぞれのシェル部13bが放出状態から吸着状態に遷移して、空気から速やかに水分を吸着して保持することができるとともに、吸着状態から放出状態に遷移して、保持した水分を速やかに空気に放出することができる。従って、水分を保持するための水タンクや水分を放出するための高電圧電源等を必要としないので、ナノサイズ水粒子放出素子10の構造を簡略化することができるとともに小型化を図ることができる。
この場合、コア部13aは、高分子材料又は無機材料のうちのからポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)から形成される。シェル部13bは、極性官能基13b1として、スルホン酸基(-SOH)、カルボキシル基(-COOH)、水酸基(-OH)、アミノ基(-NH)、アミド基(-C=ONH-)、及び、ピロリドン基(NCOC)のうちの少なくとも一つであるスルホン酸基(-SOH)を有することができる。そして、この場合、シェル部13bは、高分子材料として、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムのうちの少なくとも一つであるポリスチレンスルホン酸(PSS)から形成される。又、基材部11は、ステンレス系金属又は銅系金属の金属材料、炭素材料、導電性セラミックス材料、及び、導電性樹脂材料のうちの少なくとも一つであるステンレス鋼の金属箔から形成される。
これらによれば、コアシェル構造を有する粒子13は、PSSから形成されたシェル部13bが水素結合可能な極性官能基13b1であるスルホン酸基(-SOH)を多数有することができるので、吸着状態において被処理流体である空気に含まれる水分を速やかに且つ大量に吸着することができるとともに、放出状態において吸着した水分を速やかに空気に放出することができる。これにより、ナノサイズ水粒子放出素子10は、空気を放湿することができる一方で、空気を吸湿することができる。又、ナノサイズ水粒子放出素子10は、空気に含まれる水分を活用し、ナノサイズの水粒子を放出することができる。
(第一実施形態の第一変形例)
上記第一実施形態においては、膜部12を形成する粒子13が導電性高分子材料であるPEDOT/PSSから形成されるコアシェル構造を有するようにした。即ち、上記第一実施形態においては、粒子13のコア部13aがPEDOTから形成され、粒子13のシェル部13bがPSSから形成されるようにした。
これに代えて、粒子13のコア部13aを無機材料である酸化セリウム(CeO)で形成し、粒子13のシェル部13bを水素結合可能な極性官能基13b1を有する高分子材料であるポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムのうちのポリビニルピロリドン即ちPVPから形成し、コアシェル構造を有する粒子13を構成することも可能である。この場合、シェル部13bを形成するPVPは、水素結合可能な極性官能基13b1である、スルホン酸基(-SOH)、カルボキシル基(-COOH)、水酸基(-OH)、アミノ基(-NH)、アミド基(-C=ONH-)、及び、ピロリドン基(NCOC)のうちのピロリドン基(NCOC)を有している。
このように、コアシェル構造の粒子13をCeO/PVPから形成し、この粒子13を含む膜部12を基材部11上に層状に形成した場合においても、基材部11が非通電状態である場合、時間が経過することに伴って粒子13(シェル部13b)による水の吸着量が増加して飽和吸湿率の状態で安定する。又、ナノサイズ水粒子放出素子10は、基材部11が通電されて、粒子13の温度が上昇して放出温度以上となることにより、粒子13(シェル部13b)に吸着している水分が放出される。
そして、この第一変形例の場合においても、粒子13のシェル部13bは、図1に示すように、膜部12中において、整列された状態で積層される。又、粒子13のシェル部13bを構成するPVPは、水素結合可能な極性官能基13b1であるピロリドン基(NCOC)を数多く持ち、図2に示すように、シェル部13bの周りに多くのピロリドン基(NCOC)を有する。このため、この第一変形例の膜部12においても、ナノチャンネル13cにピロリドン基(NCOC)が多く分布しており、被処理流体である空気に触れているピロリドン基(NCOC)には、空気に含まれる水分が水素結合により吸着される。
これにより、この第一変形例におけるナノサイズ水粒子放出素子10も、膜部12の表面にて吸着された水分が水分濃度差により膜部12の内部に高速で移動するので、大量の水分を速い速度で空気から吸着して保持することができる。又、このように、水分濃度差を駆動源として水分が移動するため、膜部12の内部における水分量が多く、且つ、膜部12の表面における水分量が少ない場合、即ち、空気が乾燥している場合には、上述した吸着時とは逆に、ナノチャンネル13cに存在するピロリドン基(NCOC)を伝って高速で、膜部12の内部から膜部12の表面に保持された(吸着された)水分が移動する。これにより、この第一変形例におけるナノサイズ水粒子放出素子10も、膜部12の内部に保持された(吸着された)水分が水分濃度差により膜部12の表面に高速で移動するので、大量の水分を速い速度で空気に放出することができる。
又、この第一変形例においては、図12に示すように、CeO/PVPから形成される粒子13を含んで構成されるナノサイズ水粒子放出素子10から放出される水粒子径分布は、測定範囲の下限である2ナノメートル近傍で最大値を示す。この測定において、図13に示すように、室内空気にはナノメートルサイズの水粒子はほぼ計測されていない。
このように、CeO/PVPから形成される粒子13を含んで構成されるナノサイズ水粒子放出素子10においても、水粒子(水分)の水粒子径が小さくなるのは、コアシェル構造を有する粒子13から形成される膜部12にナノチャンネル13cが存在し、膜部12の表面から水分が放出される孔(噴出孔)が局所的に多数に存在するからと考えられる。又、ナノサイズ水粒子放出素子10から放出される水粒子(水分)の水粒子径が小さくなるのは、噴出孔から水分子が放出された直後において、イオン等の水粒子の核となり得る物質を中心に水分子が集まって水粒子を形成するからとも考えられる。更に、ナノサイズ水粒子放出素子10から放出される水粒子(水分)の水粒子径が小さくなるのは、基材部11の通電により膜部12が加熱されて膜部12中に保持された水分に液相から気相への相変化が起こり、水分の圧力が上昇して噴出孔から水分が噴出するからとも考えられる。
従って、この第一変形例においても、上記第一実施形態と同等の効果が得られる。
(第二実施形態)
以下、本発明によるナノサイズ水粒子放出素子10を用いた微細水粒子放出装置としてのナノサイズ水粒子放出装置100について説明する。尚、本明細書においては説明の便宜上、図14における上側及び下側をそれぞれナノサイズ水粒子放出装置100の上方及び下方とし、同じく左側及び右側をそれぞれナノサイズ水粒子放出装置100の前方及び後方とし、同じく紙面手前側及び紙面奥側を、それぞれナノサイズ水粒子放出装置100の左方及び右方として説明する。
ナノサイズ水粒子放出装置100は、例えば、利用者の就寝する第二空間S2(後述する)を放湿又は吸湿するものである。ナノサイズ水粒子放出装置100は、図14に示すように、例えば、利用者の就寝するベッドにおいてヘッドボード部Bに取り付けられている。ヘッドボード部Bには、ヘッドボード部Bを前後方向に沿って貫通する貫通穴B1が形成されている。ナノサイズ水粒子放出装置100は、第二連通部Lb(後述する)が貫通穴B1と連通するように、ヘッドボード部Bに取り付けられている。
ナノサイズ水粒子放出装置100は、図14に示すように、ケース110、送風装置120(本発明の送風部に相当)、調湿部130、通電部140及びナノサイズ水粒子放出装置100を統括制御する制御装置150(本発明の制御部に相当)を備えている。
ケース110は、内部に空気(被処理流体)を流通させる流路Lを有するように、両端を開口するとともに前後方向に沿って延びる筒状に形成されている。流路Lは、ケース110外部とそれぞれ連通する第一連通部La、第二連通部Lbを備えている。第一連通部Laは、ケース110の前端部に形成され、流路Lからケース110の前方の空間である第一空間S1に向かって開口する。第二連通部Lbは、ケース110の後端部に形成され、流路Lから貫通穴B1を介して利用者の就寝する空間である第二空間S2に向けて開口する。
第一空間S1及び第二空間S2は、ヘッドボード部B(即ちベッド)が設置された同じ部屋内の空間である。流路Lは、各連通部La,Lbを介して、第一空間S1と第二空間S2と連通する。流路Lは、第一連通部Laと第二連通部Lbとの間にて、ケース110の前側から後側に向かって順に、送風装置120及び調湿部130が配設されている。
送風部としての送風装置120は、第一連通部Laに配設され、第一方向に回転駆動することにより、流路Lに第一空間S1の空気を導入し、流路Lに導入された空気を第二空間S2に導出するものである。又、送風装置120は、第一方向と逆方向の第二方向に回転駆動することにより、流路Lに第二空間S2の空気を導入し、流路Lに導入された空気を第一空間S1に導出する。送風装置120は、例えば軸流送風機である。送風装置120は、制御装置150と電気的に接続され、制御装置150から送信される制御指令値に従って駆動する。なお、送風装置120は、PWM制御されているため、制御指令値は、デューティ比にて算出される。
調湿部130は、流路Lに配設され、流路Lに導入された空気の放湿又は吸湿を行うものである。調湿部130は、上述した第一実施形態のナノサイズ水粒子放出素子10を用いて形成されている。これにより、調湿部130(ナノサイズ水粒子放出素子10)は、基材部11が非通電である場合に膜部12を構成するコアシェル構造の粒子13が流路Lに導入された空気の水分を吸着し(吸着状態)、基材部11が通電状態である場合に粒子13が吸着している水分を流路Lに導入された空気に放出する(放出状態)。
調湿部130は、図15に示すように、導電性を有する円柱状のハニカム部材131を備えている。ハニカム部材131は、導電性材料である、ステンレス系金属又は銅系金属の金属材料、炭素材料、セラミックス材料、及び、導電性樹脂材料のうちの、例えば、導電性樹脂材料から形成されており、導電性を有する。ここで、調湿部130に設けられるナノサイズ水粒子放出素子10において、基材部11は、ハニカム部材131と一体に形成されており、図16に示すように、ハニカム状に形成される。ハニカム状に形成された基材部11には、図16に示すように、外表面に対してコアシェル構造を有する粒子13が塗布されて膜部12が形成されている。流路Lに導入された空気は、図15にて矢印により示すように、調湿部130を矢印の方向に沿って流通する。そして、ハニカム部材131、即ち、ハニカム状に形成された基材部11には、図14に示すように、通電部140が電気的に接続される。
通電部140は、調湿部130と電気的に接続され、調湿部130(より詳しくは、ハニカム部材131)の通電を行うものである。通電部140は、図14に示すように、電線141、電源142及び開閉器143を備えている。
電線141は、電源142と調湿部130のハニカム部材131(基材部11)とを電気的に接続する電線である。電源142は、例えば蓄電池である。開閉器143は、電線141上に配設され、制御装置150から送信される制御指令値に従って電源142と調湿部130(ハニカム部材131)とを電気的に接続又は遮断することで、調湿部130(ハニカム部材131であって基材部11)が通電されている通電状態と調湿部130(ハニカム部材131であって基材部11)が通電されていない非通電状態とを切り替えるものである。開閉器143は、非作動時に開路とするノーマルオープン型の開閉器である。開閉器143は、閉路することにより電源142と調湿部130(ハニカム部材131)とを電気的に接続する。一方、開閉器143は、開路することにより、電源142と調湿部130(ハニカム部材131)とを電気的に遮断する。
制御部としての制御装置150は、図17に示すように、放湿制御部151及び吸湿制御部152を備えている。放湿制御部151は、第二空間S2の放湿を行うものである。放湿制御部151は、ナノサイズ水粒子放出装置100の運転モードとして、放湿モード及び放湿準備モードを備えている。
放湿モードは、第一空間S1から流路Lに導入された空気の放湿を行うとともに、放湿をされた空気を第二空間S2に導出する運転モードである。放湿モードにおいては、送風装置120が第一方向に回転駆動されることにより、第一空間S1の空気が第一連通部Laから流路Lに導入されて、第二連通部Lbから第二空間S2に導出される。
又、放湿モードにおいては、調湿部130を通電状態にするように通電部140の開閉器143が閉路とされる。即ち、放湿モードにおいては、ナノサイズ水粒子放出素子10の基材部11が通電状態であるため、ナノサイズ水粒子放出素子10の粒子13(膜部12)の温度が上昇して、流路Lに導入された空気にナノサイズ水粒子放出素子10の粒子13に吸着されている水分が放出される(放出状態)。ここで、通電状態により、基材部11の温度が30℃~70℃に上昇する。これにより、第一空間S1から流路Lに導入された空気が放湿されるとともに、第二空間S2に導出される。又、放湿空気の水分は、数ナノメートル~数十ナノメートルの水粒子となっている。尚、放湿モードにおいて、先ず基材部11の通電のみを実施し、ナノサイズ水粒子放出素子10の温度を上昇させた後、基材部11の通電を行いながら送風装置120を第一方向に回転駆動させることも可能である。
本実施形態においては、例えば、第一空間S1の空気の温度が25℃且つ相対湿度が40%である場合、第一空間S1から流路Lに導入された空気が放湿されて、第二空間S2に導出される空気の相対湿度をおよそ90%とするように、送風装置120の駆動量、調湿部130への通電量や調湿部130のハニカム部材131(膜部12)の表面積等が設定されている。
加湿モードとしての放湿準備モードは、第二空間S2から流路Lに導入された空気の水分を調湿部130(ナノサイズ水粒子放出素子10)に吸着させて、放湿モードによる放湿の準備を行う運転モードである。放湿準備モードにおいては、送風装置120を停止させ、空気を第二空間S2に導出しない非駆動状態とする。
又、放湿準備モードにおいては、調湿部130を非通電状態にするように通電部140の開閉器143が開路とされる。即ち、放湿準備モードにおいては、ナノサイズ水粒子放出素子10の基材部11が非通電状態であるため、放湿モードにて上昇したナノサイズ水粒子放出素子10の粒子13(膜部12)の温度が下降して、ナノサイズ水粒子放出素子10の粒子13が空気の水分を吸着する。
本実施形態においては、放湿モードにおいて調湿部130によって放出される水分量が確保されるように、送風装置120の駆動量や所定動作時間が設定されている。所定動作時間は、例えば3分である。そして、放湿制御部151が放湿モードと放湿準備モードとを所定動作時間毎に交互に繰り返すことにより、第二空間S2が放湿される。
吸湿制御部152は、第二空間S2の吸湿を行うものである。吸湿制御部152は、ナノサイズ水粒子放出装置100の運転モードとして、吸湿モード及び吸湿準備モードを備えている。吸湿モードは、第一空間S1から流路Lに導入された空気の吸湿を行うとともに、吸湿をされた空気を第二空間S2に導出する運転モードである。吸湿モードにおいては、送風装置120が第一方向に回転駆動され、かつ、調湿部130を非通電状態にするように通電部140の開閉器143が開路とされる。即ち、吸湿モードにおいては、ナノサイズ水粒子放出素子10の基材部11が非通電状態であるため、流路Lに導入された空気の水分がナノサイズ水粒子放出素子10の粒子13に吸着される(吸着状態)。これにより、第一空間S1から流路Lに導入された空気が吸湿されるとともに、第二空間S2に導出される。
本実施形態においては、例えば、第一空間S1の空気の温度が25℃且つ相対湿度が60%である場合、相対湿度をおよそ40%とするように吸湿された空気が第二空間S2に導出されるように、送風装置120の駆動量や調湿部130のハニカム部材131(膜部12)の表面積等が設定されている。
吸湿準備モードは、調湿部130(ナノサイズ水粒子放出素子10)に吸着している水分を第二空間S2から流路Lに導入された空気に放出させて、吸湿モードによる吸湿の準備を行う運転モードである。吸湿準備モードにおいては、送風装置120が第二方向に回転駆動され、且つ、調湿部130を通電状態にするように通電部140の開閉器143が閉路とされる。即ち、吸湿準備モードにおいては、ナノサイズ水粒子放出素子10の基材部11が通電状態であるため、ナノサイズ水粒子放出素子10の粒子13(膜部12)の温度が上昇して、流路Lに導入された空気にナノサイズ水粒子放出素子10の粒子13が吸着している水分が放出されるとともに(放出状態)、水分を放出された空気が第一空間S1に導出される。
本実施形態においては、吸湿モードにおいて調湿部130が吸着する水分量が確保されるように、送風装置120の駆動量、調湿部130への通電量や所定動作時間が設定されている。吸湿制御部152が吸湿モードと吸湿準備モードとを所定動作時間毎に交互に繰り返えすことにより、第二空間S2が吸湿される。
本実施形態によれば、微細水粒子放出装置であるナノサイズ水粒子放出装置100は、ナノサイズ水粒子放出素子10を用いて形成された調湿部130と、調湿部130が配設されて、第一空間S1と第二空間S2とを連通する流路Lと、第一空間S1の空気を流路Lに導入し、流路Lに導入された空気を第二空間S2に導出する送風装置120と、調湿部130の基材部11と電気的に接続され、基材部11の通電を行う通電部140と、送風装置120及び通電部140を制御する制御装置150と、を備えている。調湿部130は、流路Lに導入された空気の放湿又は吸湿を行う。制御装置150は、送風装置120によって第一空間S1の空気を流路Lに導入し、かつ、通電部140によって調湿部130(基材部11)を通電状態にして、流路Lに導入された空気に対して調湿部130の粒子13に吸着している水分を放出させることにより、流路Lに導入された空気の放湿を行うとともに、放湿をされた空気を送風装置120によって第二空間S2に導出する放湿モードを有する放湿制御部151と、送風装置120によって第一空間S1の空気を流路Lに導入し、かつ、通電部140によって調湿部130(基材部11)を非通電状態にして、流路Lに導入された空気の水分を調湿部130の粒子13に吸着させることにより、流路Lに導入された空気の吸湿を行うとともに、吸湿をされた空気を送風装置120によって第二空間S2に導出する吸湿モードを有する吸湿制御部152と、を備えている。
これによれば、ナノサイズ水粒子放出装置100は、上述したナノサイズ水粒子放出素子10の効果と同様の効果を有する。従って、上述したように、ナノサイズ水粒子放出素子10の粒子13は、水分を吸着する速度及び水分を放出する速度が両方とも速いため、単位時間における水分の吸着量及び水分の放出量が多い。よって、ナノサイズ水粒子放出装置100の調湿部130にナノサイズ水粒子放出素子10を用いることにより、所定動作時間の短時間化を図ることができる。
この場合、ナノサイズ水粒子放出素子10を構成する基材部11は、ハニカム状に形成される。
これによれば、送風装置120によって流路Lに導入された空気は、ハニカム状の基材部11即ち基材部11の外表面に対して層状に積層された複数の粒子13(膜部12)に接触しながら、且つ、低圧損により良好に流れることができる。これにより、粒子13は、吸着状態において効率よく空気に含まれる水分を吸着することができるとともに、放出状態において効率よく空気に吸着した水分を放出することができる。
ここで、ナノサイズ水粒子放出装置100によって放湿された場合と、従来の蒸気沸騰式放湿器によって放湿された場合と、における肌水分量の比較結果を図18、図19及び図20に示す。上述したように、ナノサイズ水粒子放出装置100即ちナノサイズ水粒子放出素子10によって放出される無電荷の水粒子の粒径は数ナノメートル~数10ナノメートル程度である。これに対して、従来の蒸気沸騰式放湿器から放出される水粒子の粒子径は、数マイクロメートル程度である。これにより、ナノサイズ水粒子放出装置100(ナノサイズ水粒子放出素子10)によって放湿された場合には、図18に示すように、放湿してから二時間経過した後の人体の角質水分量が従来の放湿器によって放湿された場合と比べて多くなっている。これは、一般的に、人体の肌の角層の隙間が約50ナノメートルと言われており、ナノサイズ水粒子放出装置100(ナノサイズ水粒子放出素子10)から放出される無電荷且つ小径の水粒子が肌の内部にまで進入して(浸透して)保持されるためと考えられる。
このため、図19に示すように、放湿してから二時間経過した後においても肌から蒸散される水分量は、ナノサイズ水粒子放出装置100(ナノサイズ水粒子放出素子10)によって放湿された場合の方が放湿器によって放湿された場合に比べて小さくなる。更に、肌内で保持(保水)されることにより、図20に示すように、放湿してから二時間経過した後における肌弾力は、ナノサイズ水粒子放出装置100(ナノサイズ水粒子放出素子10)によって放湿された場合の方が放湿器によって放湿された場合に比べて大きくなる。従って、ナノサイズ水粒子放出装置100(ナノサイズ水粒子放出素子10)は無電荷且つ微細な水粒子を放出することができるので、水粒子(水分)が肌に浸透し易く、その結果、肌のうるおいに好影響を与えることができる。
(第二実施形態の第一変形例)
上記第二実施形態においては、ハニカム部材131と一体に形成される基材部11のハニカム形状が三角形状となるようにした。これに代えて、基材部11のハニカム形状については、図21に示すような波形状(第一変更例)、又は、図22に示すような六角形状(第二変更例)を採用することも可能である。このようなハニカム形状を基材部11に採用した場合であっても、基材部11の外表面にコアシェル構造を有する粒子13が塗布されて膜部12が形成される。
これにより、この場合においても、調湿部130(ナノサイズ水粒子放出素子10)は、基材部11が非通電である場合に膜部12を構成するコアシェル構造の粒子13が流路Lに導入された空気の水分を吸着し(吸着状態)、基材部11が通電状態である場合に粒子13が吸着している水分を流路Lに導入された空気に放出する(放出状態)ことができる。従って、上記第二実施形態と同等の効果が得られる。
(第二実施形態の第二変形例)
上記第二実施形態においては、ハニカム部材131が円柱状とした。これに代えて、図23に示すように、ハニカム部材131を角柱状とすることも可能である。この場合においても、ハニカム部材131と一体に形成される基材部11のハニカム形状については、図16、図21に示す第一変更例及び図22に示す第二変更例の形状を採用することができる。
このような角柱状のハニカム部材131を採用した場合であっても、基材部11の外表面にコアシェル構造を有する粒子13が塗布されて膜部12が形成される。これにより、この場合においても、調湿部130(ナノサイズ水粒子放出素子10)は、基材部11が非通電である場合に膜部12を構成するコアシェル構造の粒子13が流路Lに導入された空気の水分を吸着し(吸着状態)、基材部11が通電状態である場合に粒子13が吸着している水分を流路Lに導入された空気に放出する(放出状態)ことができる。従って、上記第二実施形態と同等の効果が得られる。
(第二実施形態の第三変形例)
上記第二実施形態においては、調湿部130がハニカム部材131を備え、ハニカム部材131にナノサイズ水粒子放出素子10の基材部11を一体に形成するようにした。これに代えて、図24に示す調湿部230を設けることも可能である。調湿部230は、一つのナノサイズ水粒子放出素子10を用いて断面渦状に形成された基材部11を備えており、基材部11の外表面(渦巻き形状の内側に相当する面)にはコアシェル構造を有する粒子13が塗布されて膜部12が形成されている。
そして、この場合、調湿部230は、膜部12の表面側に配置されたライナー部231及びコルゲート部232を有する。ライナー部231及びコルゲート部232は、断面渦状に設けられる。ライナー部231は、図25に示すように、金属箔のパンチングプレートから形成されている。コルゲート部232は、パルプ紙から形成されている。更に、この場合、調湿部230は、通電部140に接続される電極233を備えている。電極233は、調湿部230を構成するナノサイズ水粒子放出素子10の基材部11の両端部にそれぞれ設けられる。
このように構成された調湿部230においては、コルゲート部232とライナー部231との間に形成された隙間に被処理流体(空気)が流通する。そして、調湿部230(ナノサイズ水粒子放出素子10)においては、基材部11が非通電である場合に膜部12を構成するコアシェル構造の粒子13が流路Lに導入された空気の水分を吸着し(吸着状態)、基材部11が通電状態である場合に粒子13が吸着している水分を流路Lに導入された空気に放出する(放出状態)。尚、基材部11とコルゲート部232とが接触するように形成されたとき、基材部11が通電された場合に生じる熱によってコルゲート部232が加熱される。そして、コルゲート部232が加熱されるとライナー部231も加熱され、その結果、ナノサイズ水粒子放出素子10の膜部12即ち粒子13が加熱されて速やかに放出状態に遷移する。従って、上記第二実施形態と同等の効果が得られる。
ここで、調湿部230を構成するライナー部231及びコルゲート部232については、種々の変更が可能である。例えば、図26に第一変更例を示すように、ライナー部231を省略するとともに、コルゲート部232に代えて金属製のメッシュ234から形成することも可能である。又、図27に第二変更例を示すように、ライナー部231を省略し、コルゲート部232を金属板から形成することも可能である。又、図28に第三変更例を示すように、ライナー部231を金属板から形成し、ライナー部231を基材部11とコルゲート部232との間に配置することも可能である。更に、パンチングメタルに代えて、ライナー部231を金属製のメッシュから形成することも可能である。このようにライナー部231及びコルゲート部232を変更した場合であっても、上記第二実施と同等の効果が得られる。
本発明の実施にあたっては、上記各実施形態及び上記各変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
例えば、上記各実施形態及び上記各変形例においては、ナノサイズ水粒子放出素子10が基材部11を有し、基材部11の外表面にコアシェル構造を有する粒子13が塗布されて膜部12を形成するようにした。これに代えて、基材部11及び膜部12を省略し、粒子13を凝固させて板状、或いは、粉末状にしてナノサイズ水粒子放出素子10を形成することも可能である。この場合においても、粒子13は、吸着状態と放出状態との間を遷移することができるので、吸着状態において被処理流体(空気)中の水分を吸着し、又、放出状態において吸着した水分を放出することができる。この場合、特に、コアシェル構造を有する粒子13を粉末状にした場合には、粉末状の粒子13を収容する導電性のケースに加熱機能を設けることにより、より速やかに水分を放出することができる。
又、上記各実施形態及び上記各変形例においては、基材部11が導電性を有する材料から形成されるようにした。これに代えて、粒子13がPEDOT/PSS等の導電性を有する場合、基材部11を導電性を有しない材料から形成することも可能である。
更に、上記各実施形態及び上記各変形例においては、ナノサイズ水粒子放出素子10から放出される水粒子の大きさがナノオーダーであるとした。しかしながら、ナノサイズ水粒子放出素子10から放出される水粒子の大きさがサブナノオーダーであっても良い。
10…ナノサイズ水粒子放出素子(微細水粒子放出素子)、11…基材部、12…膜部、13…粒子、13a…コア部、13b…シェル部、13c…ナノチャンネル(流路)、100…ナノサイズ水粒子放出装置(微細水粒子放出装置)、110…ケース、120…送風装置、130…調湿部、131…ハニカム部材、140…通電部、141…電線、142…電源、143…開閉器、150…制御装置、151…放湿制御部、152…吸湿制御部、230…調湿部、231…ライナー部、232…コルゲート部、233…電極、B…ヘッドボード部、B1…貫通穴、L…流路、La…第一連通部、La,Lb…各連通部、Lb…第二連通部、S1…第一空間、S2…第二空間

Claims (15)

  1. 被処理流体に含まれる水分を吸着する吸着状態と、吸着している前記水分を前記被処理流体に放出する放出状態と、の間で遷移可能な微細水粒子放出素子であって、
    基材部と、
    核を形成するコア部、及び、水素結合可能な極性官能基を有する高分子材料から形成されて前記コア部を被覆するシェル部からなるコアシェル構造を有する複数の粒子と
    記基材部の表に複数の前記粒子を膜状に積層させることにより複数の前記粒子の前記シェル部間に形成されたナノチャンネルと、を有し
    前記基材部及び前記粒子のうちの少なくとも一方への通電を制御して前記ナノチャンネル内の前記水分の温度を変化させることにより前記吸着状態と前記放出状態との間で遷移する、微細水粒子放出素子。
  2. 前記シェル部は、
    前記極性官能基として、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、及び、ピロリドン基のうちの少なくとも一つを有する、請求項1に記載の微細水粒子放出素子。
  3. 前記シェル部が、
    前記高分子材料として、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムのうちの少なくとも一つを用いて形成された、請求項1又は請求項2に記載の微細水粒子放出素子。
  4. 前記コア部が、
    高分子材料又は無機材料を用いて形成された、請求項1乃至請求項3のうちの何れか一項に記載の微細水粒子放出素子。
  5. 前記粒子は、
    1ナノメートルから500ナノメートルの粒径を有する、請求項1乃至請求項4のうちの何れか一項に記載の微細水粒子放出素子。
  6. 前記基材部が、
    ステンレス系金属又は銅系金属の金属材料、炭素材料、導電性セラミックス材料、及び、導電性樹脂材料のうちの少なくとも一つを用いて形成された、請求項1乃至請求項5のうちの何れか一項に記載の微細水粒子放出素子。
  7. 前記基材部は、ステンレス系金属から形成された金属箔であり、
    前記粒子は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)の前記コア部と、ポリ(スチレンスルホン酸)の前記シェル部と、から構成されるPEDOT/PSSである、請求項1に記載の微細水粒子放出素子。
  8. 前記PEDOT/PSSは、
    前記PEDOTのモノマーであるエチレンジオキシチオフェン(EDOT)と前記PSSとの重量比が1:3~1:10の間となるように設定される、請求項7に記載の微細水粒子放出素子。
  9. 前記基材部の外表面に前記複数の前記粒子が膜状に積層された際の厚みが、1~30μmである、請求項1に記載の微細水粒子放出素子。
  10. 請求項1乃至請求項9のうちの何れか一項に記載の前記微細水粒子放出素子を用いて構成された調湿部と、
    前記調湿部が配設されて、第一空間と第二空間とを連通する流路と、
    前記第一空間の空気を前記流路に導入し、前記流路に導入された前記空気を前記第二空間に導出する送風部と、
    前記調湿部の前記基材部と電気的に接続され、前記基材部の通電を行う通電部と、
    前記送風部及び前記通電部を制御する制御部と、を備えた微細水粒子放出装置であって、
    前記制御部は、
    前記送風部によって前記第一空間の前記空気を前記流路に導入し、且つ、前記通電部によって前記調湿部の前記基材部を通電状態にして、前記流路に導入された前記空気に対して前記調湿部の前記粒子に吸着している前記水分を放出させることにより、前記流路に導入された前記空気の放湿を行うとともに、前記放湿をされた前記空気を前記送風部によって前記第二空間に導出する放湿モードを有する放湿制御部と、
    前記送風部によって前記第一空間の前記空気を前記流路に導入し、かつ、前記通電部によって前記基材部を非通電状態にして、前記流路に導入された前記空気の前記水分を前記粒子に吸着させることにより、前記流路に導入された前記空気の吸湿を行うとともに、前記吸湿をされた前記空気を前記送風部によって前記第二空間に導出する吸湿モードを有する吸湿制御部と、を備えている微細水粒子放出装置。
  11. 前記微細水粒子放出素子を構成する前記基材部が、
    ハニカム状に形成された、請求項10に記載の微細水粒子放出装置。
  12. 前記通電状態における前記基材部の温度が、
    30℃~70℃の範囲に設定された、請求項10又は請求項11に記載の微細水粒子放出装置。
  13. 前記放湿制御部は、更に、
    前記通電部による前記基材部の前記通電状態にて前記送風部を停止させて前記空気を前記第二空間に導出しない非駆動状態とする加湿モードを有する、請求項10乃至請求項12のうちの何れか一項に記載の微細水粒子放出装置。
  14. 非通電状態である場合に被処理流体に含まれる水分を吸着し、通電状態である場合に吸着している前記水分を前記被処理流体に放出する微細水粒子放出素子の製造方法であって、
    核を形成するコア部と、水素結合可能な極性官能基を有する高分子材料から形成されて前記コア部を被覆するシェル部と、からなるコアシェル構造を有する粒子を分散させた分散液を、導電性を有する基材部に対して塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程の後、前記基材部に塗布した前記粒子を乾燥させる乾燥工程と、を経て、
    前記粒子を前記基材部の表面に層状に積層させ、複数の前記粒子の前記シェル部間にナノチャンネルを形成する、微細水粒子放出素子の製造方法。
  15. 被処理流体に含まれる水分を吸着する吸着状態と、吸着している前記水分を前記被処理流体に放出する放出状態と、の間で遷移可能な微細水粒子放出素子であって、
    基材部と、
    ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)のコア部とポリ(スチレンスルホン酸)のシェル部との重量比が1:3~1:10の間となるように設定されたコアシェル構造を有する複数の粒子と、
    前記基材部の表面に複数の前記粒子を膜状に積層させることにより複数の前記粒子の前記シェル部間に形成されたナノチャンネルと、を有し、
    前記基材部及び前記粒子のうちの少なくとも一方への通電を制御して前記ナノチャンネル内の前記水分の温度を変化させることにより前記吸着状態と前記放出状態との間で遷移する、微細水粒子放出素子。
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