JP2023146115A - 濃度調整装置 - Google Patents

濃度調整装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023146115A
JP2023146115A JP2022053137A JP2022053137A JP2023146115A JP 2023146115 A JP2023146115 A JP 2023146115A JP 2022053137 A JP2022053137 A JP 2022053137A JP 2022053137 A JP2022053137 A JP 2022053137A JP 2023146115 A JP2023146115 A JP 2023146115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
layer
adsorption
heat generating
generating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022053137A
Other languages
English (en)
Inventor
永莉 長谷川
Eri Hasegawa
舞香 小久井(山路)
Kokui, (Yamaji) Maika
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP2022053137A priority Critical patent/JP2023146115A/ja
Publication of JP2023146115A publication Critical patent/JP2023146115A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Drying Of Gases (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】吸着層に吸着した特定成分を短時間に脱着することができ、かつ、吸着層を吸着可能な低温領域に短時間で調整することができるために、効率的に空間内の気体に含まれる特定成分の濃度を調整することができる濃度調整装置の提供。【解決手段】気体に含まれる特定成分を吸着層に吸着した後、前記吸着層を加熱して、吸着した前記特定成分を脱着する操作を行うことで再利用可能となる、前記気体に含まれる前記特定成分の濃度を調整するための濃度調整装置であって、ユニット1から前記ユニットNまで順にそれらの隙間αおよび隙間βを前記気体が通過して出口から前記気体が排出される過程において特定成分が吸着層に吸着され、特定成分を脱着するとき、ユニットKにおける発熱層の発熱量が、ユニットK+1における発熱層の発熱量以上となるように構成されている、濃度調整装置。【選択図】図9

Description

本発明は、気体に含まれる特定成分の濃度を調整するための濃度調整装置に関する。
気体に含まれる特定成分の濃度を調整するための濃度調整装置に関連する提案が、従来、いくつかなされている。
例えば特許文献1には、吸湿剤からなる除湿手段と、熱交換器である冷却手段と、前記除湿手段を加熱する加熱手段と、送風手段と、吸気口と、排気口とを有する空調装置において、運転モードには吸着モードと脱着モードを設け、吸着モードにおいては前記加熱手段を非加熱状態とし、脱着モード時においては前記加熱手段は加熱状態とするとともに前記送風手段に吸気口から取り入れられた空気は前記除湿手段により除湿され、その後前記冷却手段により冷却され、排気口から排気されるようにした空調装置が記載されている。そして、このような空調装置は、エネルギーロスが小さく、初期は除湿空気による汗の気化熱で冷涼感を提供するため、冷涼感の即効性があり、定常時は湿度の低い冷風を送気することで冷涼感を持続することができ、またカビや雑菌による健康に及ぼす影響もない空調装置とすることができると記載されている。
また、例えば特許文献2には、伝熱管と、該伝熱管の軸方向へ配列された複数のフィンとを備え、上記伝熱管内を流れる流体と上記フィン同士の間を流れる空気とを熱交換させる熱交換器であって、波板状に形成された波板フィンが上記フィンとして設けられており、上記波板フィンは、その波形の振幅方向が上記伝熱管の軸方向と略平行になると共に、その波形の稜線方向が熱交換器の前面及び背面と略直交していて、フィンの表面に吸着剤から成る吸着層が形成されており、フィン同士の間を通過する空気と上記吸着層の間で水分の授受が行われる熱交換器と、該熱交換器の伝熱管へ加熱用又は冷却用の熱媒体を供給するための熱媒体回路とを備え、上記熱交換器の伝熱管へ冷却用の熱媒体を供給して該熱交換器の吸着層へ空気中の水分を吸着させる動作と、上記熱交換器の伝熱管へ加熱用の熱媒体を供給して該熱交換器の吸着層から脱離した水分を空気へ付与する動作とを交互に行い、上記熱交換器で除湿された空気と該熱交換器で加湿された空気の一方を室内へ供給して他方を室外へ排出する空気調和装置が記載されている。そして、このような空気調和装置では、波板フィンを有する高性能な熱交換器を用いているため、空気調和装置の調湿能力を確保しながらその小型化を図ることができると記載されている。
また、特許文献3には、吸着ヒートポンプ又は調湿システムの吸着装置用の吸着素子を構成する特定のシート状積層体を複数使用して構成され且つ前記各シート状積層体が板状に形成された吸着素子であって、一筋の熱媒流路を備え、前記各シート状積層体は、これらの各板面が平行かつ並列になる様に一定の通気空間を介して配列され、しかも、前記熱媒流路は、前記各シート状積層体を貫通した状態に配置され且つ前記各シート状積層体に接触していることを特徴とする吸着素子が記載されている。そして、このような吸着素子は、吸着・脱着能力に優れたシート状積層体を使用して構成されるため、一層小型化することが出来ると記載されている。
特開2005-172389号公報 特開2006-017316号公報 特開2006-175300号公報
本発明は、吸着層に吸着した特定成分を短時間に脱着することができ、かつ、吸着層を吸着可能な低温領域に短時間で調整することができるために、効率的に空間内の気体に含まれる特定成分の濃度を調整することができる濃度調整装置を提供する。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)~(10)である。
(1)気体に含まれる特定成分を吸着層に吸着した後、前記吸着層を加熱して、吸着した前記特定成分を脱着する操作を行うことで再利用可能となる、前記気体に含まれる前記特定成分の濃度を調整するための濃度調整装置であって、
前記吸着層と、前記吸着層を加熱可能な発熱層と、を含むシート状積層体が、別の前記シート状積層体と主面同士が隙間αを介して対向するように配置され、前記発熱層と別の前記シート状積層体に含まれる前記発熱層とが電気的に接続されて吸着素子を構成し、
前記吸着素子が、別の前記吸着素子と主面同士が隙間βを介して対向するように配置されてユニットを構成し、
さらに複数の前記ユニットが、前記隙間αおよび前記隙間βに前記気体を流した場合に前記気体が特定方向へ直線的に流れるように連結されてユニット連結体を構成していて、
前記ユニット連結体における一方の端に配置された前記ユニットをユニット1、他方の端に配置された前記ユニットをユニットN(Nは2以上の整数)とし、それらの間であって、前記ユニット1の隣に配置された前記ユニットをユニット2、その隣に配置された前記ユニットをユニット3というように、前記ユニット1から前記ユニットNまでをつなぐように配置された前記ユニットをユニットK(Kは1~N-1までの整数)としたときに、
前記ユニット1における前記隙間αおよび前記隙間βの入口へ前記気体を流すと、前記ユニット2、前記ユニット3・・・前記ユニットNの順にそれらの前記隙間αおよび前記隙間βを前記気体が通過して、前記ユニットNにおける前記隙間αおよび前記隙間βの出口から前記気体が排出され、この過程において前記気体に含まれる前記特定成分が前記吸着層に吸着されるように構成され、
前記発熱層を発熱させて前記吸着層を加熱することで前記吸着層に吸着した前記特定成分を脱着するとき、
前記ユニット1における前記発熱層の発熱量が、前記ユニット2における前記発熱層の発熱量以上となり、
以降も同様に、
前記ユニットKにおける前記発熱層の発熱量が、前記ユニットK+1における前記発熱層の発熱量以上となり、
前記ユニットN-1における前記発熱層の発熱量が、前記ユニットNにおける前記発熱層の発熱量以上となるように構成されている、濃度調整装置。
(2)少なくとも1つの前記吸着素子において、前記シート状積層体における前記吸着層の主面と、別の前記シート状積層体における前記吸着層の主面とが前記隙間αを介して対向している、上記(1)に記載の濃度調整装置。
(3)前記隙間αおよび/または前記隙間βの間隔が5mm以下である、上記(1)または(2)に記載の濃度調整装置。
(4)各々の前記吸着素子において、これを構成する複数の前記発熱層は電気的に直列に接続されており、
各々の前記ユニットにおいて、これを構成する複数の前記吸着素子は電気的に並列に接続されており、
前記ユニット連結体において、これを構成する複数の前記ユニットは電気的に並列に接続されており、
前記ユニット1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニット2に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以下であり、
以降も同様に、
前記ユニットKに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットK+1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以下であり、
前記ユニットN-1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットNに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以下である、上記(1)~(3)のいずれかに記載の濃度調整装置。
(5)前記吸着素子の各々における前記シート状積層体の数を調整することによって、各々の前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値を調整し、発熱量を調整する、上記(4)に記載の濃度調整装置。
(6)各々の前記吸着素子において、これを構成する複数の前記発熱層は電気的に直列に接続されており、
各々の前記ユニットにおいて、これを構成する複数の前記吸着素子は電気的に並列に接続されており、
前記ユニット連結体において、これを構成する複数の前記ユニットは電気的に直列に接続されており、
前記ユニット1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニット2に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以上であり、
以降も同様に、
前記ユニットKに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットK+1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以上であり、
前記ユニットN-1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットNに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以上である、上記(1)~(3)のいずれかに記載の濃度調整装置。
(7)前記吸着素子の各々における前記シート状積層体の数を調整することによって、各々の前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値を調整し、発熱量を調整する、上記(6)に記載の濃度調整装置。
(8)前記ユニット1における前記発熱層を通電するための電源E1と、
前記ユニット2における前記発熱層を通電するための電源E2と、
前記ユニットKにおける前記発熱層を通電するための電源EKと、
前記ユニットK+1における前記発熱層を通電するための電源EK+1と、
前記ユニットN-1における前記発熱層を通電するための電源EN-1と、
前記ユニットNにおける前記発熱層を通電するための電源ENと、を別々に有し、
前記電源E1における電流と電圧との積を、前記電源E2における電流と電圧との積以上とすることで、前記ユニット1における前記発熱層の発熱量を、前記ユニット2における前記発熱層の発熱量以上とし、
以降も同様に、
前記電源EKにおける電流と電圧との積を、前記電源EK+1における電流と電圧との積以上とすることで、前記ユニットKにおける前記発熱層の発熱量を、前記ユニットK+1における前記発熱層の発熱量以上とし、
前記電源EN-1における電流と電圧との積を、前記電源ENにおける電流と電圧との積以上とすることで、前記ユニットN-1における前記発熱層の発熱量を、前記ユニットNにおける前記発熱層の発熱量以上とする、上記(1)~(3)のいずれかに記載の濃度調整装置。
(9)前記吸着素子において、前記シート状積層体における主面と、別の前記シート状積層体における主面との前記隙間αの少なくとも一部にスペーサーを有する、
および/または、
前記ユニットにおいて、前記吸着素子と別の前記吸着素子との前記隙間βの少なくとも一部にスペーサーを有する、
上記(1)~(8)のいずれかに記載の濃度調整装置。
(10)前記スペーサーが金属板からなる、上記(9)に記載の濃度調整装置。
本発明によれば、吸着層に吸着した特定成分を短時間に脱着することができ、かつ、吸着層を吸着可能な低温領域に短時間で調整することができるために、効率的に空間内の気体に含まれる特定成分の濃度を調整することができる濃度調整装置を提供することができる。
図1(a)は、好適態様であるシート状積層体1の概略斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示したシート状積層体1を主面に垂直な方向で切断した場合に得られる概略断面図(A-A線断面図)である。 図2は、図1を用いて説明したシート状積層体1を4個含む吸着素子10の端面を表す概略端面図である。 図3は、図1を用いて説明したシート状積層体1を4個含む、別の吸着素子10の端面を表す概略端面図である。 図4は、波板状のスペーサーを示す概略斜視図である。 図5は、図2に示した吸着素子10における隙間αに、図4に示したスペーサーを設置した状態を示す概略端面図である。 図6は、図2を用いて説明した吸着素子10を8個含むユニットUの概略斜視図である。 図7は、図2を用いて説明した吸着素子10を8個含むユニットUの概略端面図である。 図8は、図3を用いて説明した吸着素子10を8個含むユニットUの概略端面図である。 図6~図8を用いて説明したユニットUをN個(Nは2以上の整数)含むユニット連結体20の概略斜視図である。 本発明の濃度調整装置が有するユニット連結体であり、ユニットを2つ有するものである(つまり、N=2のケース)である。 本発明の濃度調整装置が有する別のユニット連結体であり、ユニットを2つ有するものである(つまり、N=2のケース)である。図11ではユニット1(U1)とユニット2(U2)とが共に1つの電源Eに電気的に並列に接続されている。 本発明の濃度調整装置が有するさらに別のユニット連結体であり、ユニットを2つ有するものである(つまり、N=2のケース)である。図12ではユニット1(U1)とユニット2(U2)とが共に1つの電源Eに電気的に直列に接続されている。
本発明の濃度調整装置について説明する。
本発明の濃度調整装置は、気体に含まれる特定成分の濃度を調整するための濃度調整装置である。
ここで単一の物質から成る気体として例えば窒素ガス、水素ガス、を挙げることができ、二種類以上の気体を混合した気体として例えば空気、水蒸気、排気ガス、人工空気、混合ガスなどが挙げられる。
気体の温度は特に限定されないが、25℃以下であってよく、20℃以下であってよい。
また、特定成分はその気体に含まれる成分である。例えば気体が空気である場合、特定成分として水分が挙げられる。
気体が空気である場合、気体の湿度は特に限定されないが1~100%であってよく、5~35%であってよい。
本発明の濃度調整装置は、空気に含まれる水分の濃度を低減する除湿用の装置であってよい。
本発明の濃度調整装置は、気体に含まれる特定成分を吸着層に吸着した後、前記吸着層を加熱して、吸着した前記特定成分を脱着する操作を行うことで再利用可能となる装置である。
例えば本発明の濃度調整装置によって空気に含まれる水分の濃度を低減する場合、水分を吸着する吸着層を備えた本発明の濃度調整装置を特定空間内(例えば室内)に載置し、稼働させることによって、その特定空間内の水分を吸着層に吸着させる。そして、例えば本発明の濃度調整装置をその特定空間内から外へ移動させた後、本発明の濃度調整装置における発熱層を通電することで吸着層を加熱すると、吸着した水分が吸着層から脱着するので、吸着層は再度、水分を吸着することが可能となる。つまり、本発明の濃度調整装置は再利用可能となる。
本発明の濃度調整装置は、吸着層に吸着した特定成分を短時間に脱着することができ、かつ、吸着層を吸着可能な低温領域に短時間で調整することができるので、効率的に空間内の気体に含まれる特定成分の濃度を調整することができる。
なお、ここで本発明の濃度調整装置を特定空間外(室外)へ移動させるのではなく、本発明の濃度調整装置から排出された気体が特定空間外(室外)へ移動するように、本発明の濃度調整装置の排出口から特定空間外(室外)へダクト等の経路をつないでもよい。
<シート状積層体>
本発明の濃度調整装置が有するシート状積層体について説明する。
シート状積層体は、吸着層と、発熱層と、を含む。
シート状積層体は、さらに絶縁層を含むことが好ましい。シート状積層体は吸着層、絶縁層および発熱層がこの順に積層されたものであることが好ましい。
ただし、絶縁性能を備える吸着層を用いれば、シート状積層体は絶縁層を含まなくてもよい。絶縁性能を備える吸着層としては、絶縁材料(有機繊維(パルプ、PET、アラミド等)あるいは、セラミック等の絶縁性の高い無機繊維)からなる繊維に、吸着剤を担持させたシートによって成形される吸着層や、絶縁フィルム等に吸着剤を塗布してシート状に成形された吸着層等が挙げられる。
また、シート状積層体は、吸着層、絶縁層、発熱層、絶縁層および吸着層がこの順に積層されたものであることが好ましい。
以下にこの好適態様について図1を用いて説明するが、図1に示す好適態様のシート状積層体1が含む吸着層2a、絶縁層4a、発熱層6、絶縁層4b、吸着層2bの各々は、この好適態様以外の態様のシート状積層体にも用いることができる。例えばシート状積層体が吸着層、絶縁層および発熱層がこの順に積層されたものである場合、このシート状積層体が有する吸着層は後述する吸着層2a、2bと同一であってよく、絶縁層は後述する絶縁層4a、4bと同一であってよく、発熱層は後述する発熱層6と同一であってよい。
シート状積層体は、図1に示すシート状積層体1のように、吸着層2a、絶縁層4a、発熱層6、絶縁層4b、吸着層2bがこの順に積層されたものであることが好ましい。
なお、図1(a)は、好適態様であるシート状積層体1の概略斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示したシート状積層体1を主面に垂直な方向で切断した場合に得られる概略断面図(A-A線断面図)である。
シート状積層体は、図1に示す態様のように平面状であることが好ましい。ただし、平面状でなくてもよく、例えば波板状であってもよい。
吸着層2a、2bについて説明する。
吸着層2a、2bは、濃度調整を行う対象となる特定成分を吸着する性能を備えるものであればよい。
例えば繊維をマトリックスとし、そこへ特定成分を吸着する吸着剤が付着していて、シート状に成形されたものであってよい。その他、フィルム等に吸着剤を塗布してシート状に成形されたもの、樹脂と吸着剤とを混合して成形されたもの、吸着剤単体から構成されるもの、特定成分を吸着する性能を有する繊維をマトリックスとするもの、特定成分を吸着する性能を有する繊維をマトリックスとし、そこへ特定成分を吸着する吸着剤が付着していて、シート状に成形されたもの等であってよい。
吸着層2aと吸着層2bとは同一のものであってよいし、異なるものであってもよい。
本発明の濃度調整装置によって空気に含まれる水分の濃度を調整する場合、吸着剤として吸湿剤を用いることが好ましく、吸着層2a、2bは有機繊維と吸湿剤とを含む層であることが好ましい。吸湿剤として有機系吸湿剤と無機系吸湿剤とが挙げられる。
ここで有機繊維として、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ジエン系樹脂、及びポリウレタン系樹脂等の熱可塑性合成樹脂が挙げられる。
熱可塑性合成樹脂の構造は、芯鞘構造を有さない、断面において略単一組成の主体繊維であっても良いし、芯鞘構造を有していてもよい。
また、有機繊維として、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性合成樹脂よりなる繊維が挙げられる。
吸着層2a、2bが、熱可塑性合成樹脂や熱硬化性合成樹脂を含んでいると、シート状積層体の加工性、形態安定性を高め易い。
また、有機繊維として、木材パルプ、楮、三椏、藁、ケナフ、竹、リンター、バガス、エスパルト、サトウキビ等の植物繊維からなる繊維、あるいはこれらを微細化した繊維が挙げられる。
また、セルロース再生繊維であるレーヨン繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂系繊維、シリコーン樹脂系繊維、ステンレスやニッケルウール等の金属繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
これらの内、有機繊維は、吸湿剤の担持性、後加工適応性等から木材パルプを含むことが好適である。木材パルプとしては、例えば針葉樹高歩留り未晒クラフトパルプ(HNKP;N材)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP;N材、NB材)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP;L材)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、L材)等の化学パルプ、グランドウッドパルプ(GP)、プレッシャーライズドグランドウッドパルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、デインキングパルプ(DIP)、ウェイストパルプ(WP)等の古紙パルプやセミケミカルパルプ(CP)などが挙げられる。
上記のような有機繊維の他、セラミック繊維、金属繊維、炭素繊維等の無機繊維を用いることもできる。
有機系吸湿剤としては、ポリアクリル酸系に代表される吸水性高分子、カルボキシメチルセルロース等の有機系吸湿剤を用いることができる。
無機系吸湿剤としては、セピオライト、ゼオライト、ベントナイト、アタパルジャイト、珪藻土、珪藻土頁岩、活性炭、多孔質シリカ、水酸化アルミニウム、繊維状酸化チタン、アロフェン、イモゴライト、非晶質アルミニウム珪酸塩、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウム珪酸塩からなるアルミニウム珪酸塩複合体等を用いることができる。
これらの中でも低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウム珪酸塩からなるアルミニウム珪酸塩複合体は、比較的低い温度で脱湿が可能であるため好適に用いることができる。
また、吸着剤としてゼオライト、シリカ、高分子吸着剤を用いると、空気中の水分と共にVOCガスも吸着することができる。
また、吸着剤としてゼオライト等無機消臭剤を用いると、空気中の水分と共に臭い成分も吸着することができる。
また、吸着剤として活性炭を用いると空気中あるいは水分中に含まれる特定の物質を吸着することができる。
これら吸着剤(吸湿剤等)はそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用することもできる。
吸着層2a、2bにおける吸着剤(吸湿剤を含む)の含有量は60~90質量%であることが好ましく、65~85質量%であることがより好ましく、70~80質量%であることがさらに好ましい。この含有率が低すぎると目的とする性能(吸湿剤であれば除湿性能)が得られ難くなる場合がある。逆にこの含有率が高すぎると繊維成分量の減少により、吸着剤の脱落等が発生し易くなり加工性が低下する恐れがある。
なお、吸着層2a、2bに含まれる吸着剤の含有量は次の方法によって特定するものとする。
吸着層2a、2bの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて1,000倍に拡大して得たSEM像において、その視野内に占める全ての成分(空隙を除く)の各々についての面積を画像処理装置を用いて求め、2分の3乗とすることで体積比に換算し、さらに比重を乗じることで質量比を求める。そして、その値から吸着剤の割合(質量%)を算出する。
吸着層2a、2bの製造方法は特に限定されず、例えば乾式法または湿式抄造法によって製造することができる。
乾式法としては、カード法、エアレイド法等を使用することができる。
湿式抄造法とは、有機繊維、吸着剤(吸湿剤等)を水中に低濃度で分散させて、これを抄き上げる方法であり、安価で、均一性が高く、大量製造が可能な手法である。具体的には、有機繊維と吸着剤(吸湿剤等)とを主体としてスラリーを調製し、これに填料、分散剤、増粘剤、消泡剤、紙力増強剤、サイズ剤、凝集剤、着色剤、定着剤等を適宜添加して、抄紙機で湿式抄造する。抄紙機としては、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの中から同種または異種の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機などを用いることができる。また、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラムドライヤー、赤外方式ドライヤー等を用いて、抄紙後の湿紙を乾燥し、シートを得ることができる。このように作製するシートの坪量は、吸湿剤の種類、添加量等により任意の値となり、特に限定されるものではない。
湿式抄造法では、有機繊維と吸着剤(吸湿剤等)で構成される抄造スラリーを安定化させるために、凝集剤を添加することもできる。凝集剤としては、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、アルミナ、シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属酸化物または金属珪酸塩、これら金属酸化物又は金属珪酸塩の含水物、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アニオン又はカチオン変性ポリアクリルアミド、同じくポリエチレンオキサイド系ポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸含有共重合物等の水溶性重合体、アルギン酸又はポリビニルリン酸及びこれらのアルカリ性塩、アンモニア、ジエチルアミン及びエチレンジアミン等のアルキルアミン、エタノールアミン等のアルカノールアミン、ピリジン、モルホリン、含アクリロイルモルホリン重合物などがある。特に、アニオン又はカチオン変性水溶性ポリマー凝集剤のうち、ポリマー中にカチオン単位とアニオン単位の双方を有する両性凝集剤は優れた凝集効果を発揮することができるため好ましい。また、アルキルケテンダイマーやアクリル系樹脂に代表されるサイズ剤を添加することもできる。
吸着層2a、2bの形状や大きさ等は特に限定されない。図1に示すような矩形のシート状であることが好ましい。
吸着層2a、2bの厚さは特に限定されないが、50~500μmであることが好ましく、150~400μmであることがより好ましく、200~300μmであることがさらに好ましい。
なお、吸着層2a、2bの各々の厚さは、図1(b)に示したようにシート状積層体を主面に垂直な方向で切断し、その断面の拡大写真(200倍)を得た後、その拡大写真において吸着層の厚さを無作為に選択した100か所にて測定し、それらの単純平均値を求める。そして、得られた平均値を吸着層の厚さとする。
シート状積層体が含む他の層(絶縁層、発熱層)の厚さについても、同様の方法で測定して得た値とする。
絶縁層4a、4bについて説明する。
絶縁層4a、4bは後述する発熱層6を他と電気的に絶縁する役割を果たす。
シート状積層体は絶縁層を含むことが好ましく、シート状積層体が絶縁層を含む場合、絶縁層は発熱層と主面同士を密着させるように存在させることが好ましい。
ただし、絶縁性能を備える吸着層を用いれば、シート状積層体は絶縁層を含まなくてもよい。
絶縁層4aと絶縁層4bとは同一のものであってよいし、異なるものであってもよい。
絶縁層4aおよび絶縁層4bは、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、TAC(トリアセチルセルロース)、セラミック等からなるものであることが好ましい。これらは絶縁性が高いからである。これらの中でもPI(ポリイミド)からなる絶縁層4aおよび絶縁層4bは耐熱性、絶縁性が優れるため好ましい。
絶縁層4a、4bの形状や大きさ等は特に限定されない。
ただし、絶縁層4a、4bは後述する発熱層6と他とを電気的に絶縁する役割を果たすため、絶縁層4a、4bの主面の大きさは、通常、発熱層6の主面と同じか、発熱層6の主面よりも大きい。
絶縁層4aおよび絶縁層4bの厚さは特に限定されないが、10~200μmであることが好ましく、15~100μmであることがより好ましく、20~50μmであることがさらに好ましい。
発熱層6について説明する。
発熱層6は吸着層を加熱する役割を果たす。
発熱層6は通電することで発熱するシート状のものであればよい。
発熱層6は、例えば金属箔、シート状の金属メッシュ、シート状の金属繊維、カーボンシート、金属ペーストであってよい。
発熱層6の材質は、通電することで発熱するものであれば特に限定されず、ステンレスであることが好ましいが、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、ニクロム、カーボンであってもよい。
発熱層6の厚さは10~200μmであることが好ましく、20~100μmであることがより好ましく、30~70μmであることがさらに好ましい。
発熱層6の主面の形状や大きさ等は特に限定されない。図1に示すような矩形のシート状であることが好ましい。
発熱層6は、その抵抗値は特に限定されないが0.01~50Ωのものであることが好ましく、0.1~10Ωのものであることがより好ましく、0.6~2Ωのものであることがさらに好ましい。
ここで発熱層の抵抗は、JIS K 7194に準拠して求めた値とする。
発熱層6は主として金属繊維からなることが好ましい。また、発熱層6は金属繊維のみからなることがより好ましい。
ここで「主として」とは、70質量%以上であることを意味するものとする。すなわち、発熱層6はその70質量%以上が金属繊維であることが好ましい。発熱層6に含まれる金属繊維の割合は80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
なお、発熱層6に含まれる金属繊維の割合は次の方法によって特定するものとする。
発熱層6の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて1,000倍に拡大して得たSEM像において、その視野内に占める全ての成分(空隙を除く)の面積を画像処理装置を用いて求め、2分の3乗とすることで体積比に換算し、さらに比重を乗じることで質量比を求めて、金属繊維の含有率を算出する。
金属繊維は、その断面の等面積円相当径が2~100μm(好ましくは5~20μm)、長さが2~20mmの金属製の繊維であることが好ましい。
また、発熱層6は、このような金属性の繊維が無数に複雑に絡み合ってシート状に構成されたもの(金属繊維シート)であることが好ましい。ここで金属繊維シートは金属繊維のみからなってよいが、金属繊維に加え、発熱性を妨げない範囲で金属繊維以外(例えばバインダーとしての機能がある樹脂繊維等)も含むものであってよい。
ここで、金属繊維シートを構成する金属繊維同士は通電する程度に接している。金属繊維同士は接点においてつながっていることが好ましい。例えば高温にて焼結することで金属繊維の一部が溶けた後、凝固した履歴を有することで、金属繊維同士が接点において融着していることが好ましい。
金属繊維シートは耐熱性や耐薬品性が高いことからSUS繊維シートであることが好ましい。SUS繊維シートとして、ステンレス繊維シート(例えば、トミーファイレックSS、巴川製紙所社製)が挙げられる。
金属繊維シートは坪量が25g/m2以上であることが好ましく、50g/m2以上であることが好ましい。また、1000g/m2以下であることが好ましく、200g/m2以下であることがより好ましい。
なお、坪量はJIS P 8124に準拠して求めた値とする。
金属繊維シートの密度は1.0~5.0g/cm3であることが好ましく、1.4~2.0g/cm3であることがより好ましく、1.7g/cm3程度であることが好ましい。
なお、金属繊維シートの密度は、JIS P 8118に従い、密度(g/cm3)=坪量(g/m2)/(厚さ(mm)×1000)により求めた値とする。
金属繊維シートは、乾式不織布の製造方法によっても、湿式抄造法によっても製造することができる。湿式抄造法によって製造する場合には、断面の等面積円相当径が2~100μm、長さが2~20mmの無数の金属性の繊維を分散媒(水や有機溶媒等)内で撹拌した後、有機系の凝集剤等を加え、角形手漉き装置(東洋精機社製など)を用いてシート化し、フェロタイプの乾燥装置を用いて坪量が50~1100g/m2の乾燥シートを得る。その後、400~1300℃で焼成すると金属繊維シートが得られる。なお、原則として、金属繊維シート内に有機系の凝集剤は残存しないことが好ましい。
シート状積層体が含む各層の主面同士を接着する方法は特に限定されず、例えば接着剤を用いて接着することができる。
接着剤としては湿気硬化型接着剤、圧力接着型接着剤、熱硬化型接着剤、UV硬化型接着剤が挙げられ、具体的には、シリコーン系接着剤、フッ素系接着剤、金属(銀、銅)ペースト、セラミックペースト、ガラスペースト等を用いることができる。
シート状積層体の厚さは特に限定されないが、100~3000μmであることが好ましく、300~2000μmであることがより好ましく、500~1000μmであることがさらに好ましい。
なお、シート状積層体の厚さは、これが含む各層の厚さを上記の方法で測定した後、それらの合計として特定されるものとする。
このようなシート状積層体において発熱層を通電すると、発熱層から熱を生じ、その熱によって吸着層が加熱される。そして、吸着層が吸着した特定成分が脱着する。例えば吸着剤として非晶質アルミニウム珪酸塩を含む吸着層を用いた場合、発熱層を通電して吸着層を80℃程度にすると、吸着層に吸着されていた水分は脱着する。
<吸着素子>
本発明の濃度調整装置が有する吸着素子について説明する。
吸着素子は、前述のシート状積層体を複数含むものである。そして、複数のシート状積層体は、各々、主面同士が隙間αを介して対向するように配置されている。さらに、1つの吸着素子に含まれている複数の発熱層はすべて電気的に接続されている。また、電気的に接続している複数の発熱層の両端に端子を有する。すなわち、吸着素子は、複数のシート状積層体と、2つの端子を有し、一方の端子から少なくとも2個以上のシート状積層体を介して他方の端子まで電気的に接続されている。
ここで端子とは、発熱層として扱われる電気回路の両端につけ、吸着素子同士を接続させるための器具である。
吸着素子について、図2、図3を用いて説明する。
図2、図3は、図1を用いて説明したシート状積層体1を4個含む吸着素子10の端面を表す概略端面図である。吸着素子10は、4個のシート状積層体10と、2つの端子14、16を有し、一方の端子14から4個のシート状積層体10を介して他方の端子16まで電気的に接続可能に構成されている。
図2、図3では、シート状積層体1が、別のシート状積層体1と主面同士が隙間αを介して対向するように配置されている。
図2、図3は、図1を用いて説明したシート状積層体1を用いた例であるため、4個のシート状積層体の各々が有する吸着層同士が対向していることになる。つまり、隙間αは、特定のシート状積層体が有する吸着層と、隣り合う別のシート状積層体が有する吸着層との隙間となる。
ただし、シート状積層体は図1に示した態様でなくてもよいので、吸着素子においては特定のシート状積層体における吸着層と、別のシート状積層体における断熱層または絶縁層とが対向していて、それらが隙間αを構成していてもよい。
隙間αを構成する2層(2面)のうち、少なくとも1面が吸着層からなればよい。
なお、隙間αの間隔の平均値が、シート状積層体1とこれに隣り合う別のシート状積層体1との間において5mm以下であることが好ましい。この間隔は0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。
ここで隙間αの間隔の平均値は、隙間αを構成する2層(2面)間において無作為に選択した100か所にて最短距離を測定し、それらの単純平均値として求めるものとする。
隙間αの間隔は、シート状積層体1とこれに隣り合う別のシート状積層体1との間における全ての箇所において、その最短距離が5mm以下であることが好ましい。この間隔は0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。
また、図2に示す吸着素子では、シート状積層体1に含まれる4つ発熱層が3つの接続部12によって電気的に直列に接続されている。
また、図3に示す吸着素子では、シート状積層体1に含まれる4つ発熱層が2つの接続部12によって電気的に並列に接続されている。
接続部12は通電するものであればよく、金属からなることが好ましい。例えば発熱層と同様の材質からなるものであってよいが、発熱層よりも抵抗値が低い金属からなることが好ましい。
図2、図3に示すように吸着素子ごとに電源の正極および負極に繋げて、その吸着素子に含まれる発熱層を通電することができる。
吸着素子において、隙間αの少なくとも一部にスペーサーを有することが好ましい。
スペーサーは隙間αを保持する役割を果たしたり、本発明の濃度調整装置の冷却能を高める役割を果たしたりする。
スペーサーは、例えば図4に示すような波板状、ビーズ状、棒状、櫛状、コルゲート状、ハニカム状のものであってよい。図4は、波板状のスペーサー15を示す概略斜視図である。また、図5は、図2に示した吸着素子10における隙間αに、図4に示したスペーサー15を設置した状態を示す概略端面図である。
スペーサーは例えば金属板、金属繊維の織布、金属多孔質体、不織布、樹脂成型物、セラミック等からなることが好ましく、ステンレス板からなることがより好ましい。この場合、本発明の濃度調整装置の冷却能を高める役割を果たす。
スペーサーの厚さは特に限定されず、例えば10~50μmであってよく、10μm程度であることが好ましい。
<ユニット>
本発明の濃度調整装置が有するユニットについて説明する。
ユニットは、前述の吸着素子を複数含むものである。ユニットに含まれる複数の吸着素子は、その主面同士が隙間βを介して対向するように配置されている。
そして、吸着素子が有する端子と、別の吸着素子が有する端子とを電気的に接続することで、吸着素子同士も電気的に接続する。
ユニットについて図6~図8を用いて説明する。
図6は、図2を用いて説明した吸着素子10を8個含むユニットUの概略斜視図である。
図7は、図2を用いて説明した吸着素子10を8個含むユニットUの概略端面図である。つまり、図6に示したユニットUにおける端面Sを示す概略端面図である。
図8は、図3を用いて説明した吸着素子10を8個含むユニットUの概略端面図である。つまり、図2に示す態様に代わり、図3に示す態様の吸着素子を用いて図6に示すユニットを形成した場合の端面Sを示す概略端面図である。
図7、図8におけるユニットUでは、8個の吸着素子10が、各々の主面同士が隙間βを介して対向するように配置されている。また、図6におけるユニットUでも、同様に、8個の吸着素子10が各々の主面同士が隙間βを介して対向するように配置されている。
隙間βの間隔の平均値が、1つのユニットUとこれに隣り合う別のユニットUとの間において5mm以下であることが好ましい。この間隔は0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。
ここで隙間βの間隔の平均値は、隙間βを構成する2面間において無作為に選択した100か所にて最短距離を測定し、それらの単純平均値として求めるものとする。
隙間βの間隔は、1つのユニットUとこれに隣り合う別のユニットUとの間における全ての箇所において、その最短距離が5mm以下であることが好ましい。この間隔は0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。
図6に示すユニットUの奥行き(一方の端面Sから、他方の端面までの距離)は特に限定されないものの、10~100mmであることが好ましく、20~50mmであることがより好ましく、30mm程度であることがさらに好ましい。
図7、図8に示すように吸着素子ごとに電源Eの正極および負極に繋げて、その吸着素子を構成する発熱層を各々通電することができる。
ただし、1つのユニットが有する電源Eの数は特に限定されない。1つのユニットが電源Eを複数有し、吸着素子ごとに別の電源Eに接続されていてもよい。逆に、複数のユニットが1つの電源Eに接続され、通電されてもよい。
ユニットにおいて、隙間βの少なくとも一部にスペーサーを有することが好ましい。
スペーサーは隙間βを保持する役割を果たす。
スペーサーは、吸着素子の隙間αに設置するものと同様のものであってよく、例えば図4に示したような波板状のものであってよい。
<ユニット連結体>
本発明の濃度調整装置が有するユニット連結体について説明する。
ユニット連結体は、前述のユニットを複数含むものである。ユニット連結体に含まれる複数のユニットは、隙間αおよび隙間βに気体を流した場合に、気体が特定方向へ直線的に流れるように連結されている。
ユニット連結体について図9を用いて説明する。
図9は、図6~図8を用いて説明したユニットUをN個(Nは2以上の整数)含むユニット連結体20の概略斜視図である。ユニット連結体20においてN個のユニットUは間を空けないように配置されていることが好ましい。
図7または図8は、ユニット連結体20における一方の端面20Xを示している。
ユニット連結体20における一方の端面20Xから隙間αおよび隙間βに気体Gを流すと、図に矢印で示す方向へ、おおむね直線的に気体Gは流れ、他方の端面20Yから排出される。
ユニット連結体はユニットを2つ以上有するものである。したがって、図10に示すように、2つのユニットが連結したもの(つまり、N=2のケース)であってもよい。
図9において、ユニット連結体20における一方の端に配置されたユニットをユニット1(U1)、他方の端に配置されたユニットをユニットN(UN)とする。また、それらの間であって、ユニット1(U1)の隣に配置されたユニットをユニット2(U2)、その隣に配置されたユニットをユニット3というように、ユニット1(U1)からユニットN(UN)までをつなぐように配置されたユニットをユニットK(UK)(Kは1~N-1までの整数)とする。
この場合、ユニット1(U1)における隙間αおよび隙間βの入口(つまり端面20X)へ気体Gを流すと、ユニット2(U2)、ユニット3・・・ユニットN(UN)の順にそれらの隙間αおよび隙間βを気体Gが通過する。そして、ユニットNにおける隙間αおよび隙間βの出口(つまり端面20Y)から気体Gが排出される。
この過程において気体Gに含まれる特定成分が吸着層に吸着される。
そして、その後、本発明の濃度調整装置における発熱層を通電することで吸着層を加熱すると、これに吸着した特定成分が吸着層から脱着するので、吸着層は再度、特定成分を吸着することが可能となる。つまり、本発明の濃度調整装置は再利用可能となる。
ここで発熱層を発熱させて吸着層を加熱することで吸着層に吸着した特定成分を脱着するとき、ユニット1(U1)における発熱層の発熱量が、ユニット2(U2)における発熱層の発熱量以上となるように、本発明の濃度調整装置は構成されている。
また、ユニット2(U2)における発熱層の発熱量が、ユニット3(U3)における発熱層の発熱量以上となるように、本発明の濃度調整装置は構成されている。
以降も同様に、ユニットK(UK)における発熱層の発熱量が、ユニットK+1(UK+1)における発熱層の発熱量以上となるように、本発明の濃度調整装置は構成されている。
さらに、ユニットN-1(UN-1)における前記発熱層の発熱量が、ユニットN(UN)における発熱層の発熱量以上となるように、本発明の濃度調整装置は構成されている。
このような構成を備えるため、本発明の濃度調整装置は、吸着層に吸着した特定成分を短時間に脱着することができ、かつ、吸着層を吸着可能な低温領域に短時間で調整することができる。そのため効率的に空間内の気体に含まれる特定成分の濃度を調整することができる。
なお、ここでユニットにおける発熱層の発熱量は、次の方法によって求める値とする。
ユニットにおける発熱層の発熱量Wは、発熱層にかかる電圧V×発熱層を流れる電流Aで求められる。電圧が規定の値である場合には、発熱層にかかるV2/ヒーター抵抗値Ω」で求められる(W=EI、E=IRより)。
つまり抵抗値が低いユニットKは、より抵抗値が高いユニットK+1よりも発熱量が大きくなる。
例えば、吸着剤として非晶質アルミニウム珪酸塩を含む吸着層を有する、従来の除湿装置を室内で稼働させて、その室内の空気中の水分を吸着層に吸着させた場合について説明する。
ここで除湿装置として、図10に示す態様のように、2つのユニットが結合されたものを用いたとする。ただし、この除湿装置は従来のものであるので、本発明の濃度調整装置のように、ユニット1(U1)における発熱層の発熱量はユニット2(U2)における発熱層の発熱量以上となるように構成されていない。
このような除湿装置を用いて室内の空気中の水分を吸着層に吸着させた後、除湿装置を室外へ移動し、吸着時と同様に、ユニット1(U1)側の一方の端面20Xから隙間αおよび隙間βに気体Gを流し、ユニット2(U2)側の他方の端面20Yから気体Gを排出しつつ、発熱層を通電して発熱させ、吸着層を80℃程度にすると、吸着層に吸着されていた水分は脱着する。ここで除湿装置を室外へ移動させるのではなく、除湿装置から排出された気体Gが室外へ移動するように、例えば除湿装置の排出口から室外へ経路(ダクト等)をつないでもよい。
ここでユニット1における吸着層の温度を80℃程度にすると、ユニット2における吸着層の温度は80℃よりも高い温度、例えば130~140℃程度になってしまう。これはユニット1を通過することで温度が上昇した気体Gがユニット2へ移動するためであると考えられる。
その後、吸着剤が吸着能を発揮することが可能な温度、例えば40℃程度になるまで除湿装置を放冷する。ここでユニット1における吸着層の温度は80℃程度であるが、ユニット2における吸着層の温度は130~140℃となっているため、ユニット2の吸着層の温度が40℃程度にまで低下するまでには、長時間が必要となる。ユニット2の吸着層の温度が40℃程度になったとき、ユニット1の吸着層の温度はさらに低い温度、つまり必要以上に低い温度となっている。
したがって、このような従来の除湿装置を用いた場合、吸着層を吸着可能な低温領域に短時間で調整することができない。そのため、効率的に空間内の気体に含まれる特定成分の濃度を調整することができない。
これに対して、例えば図10に示す態様の本発明の濃度調整装置では、ユニット1(U1)における発熱層の発熱量が、ユニット2(U2)における発熱層の発熱量以上となるように構成されている。
このような本発明の濃度調整装置を用いて室内の空気中の水分を吸着層に吸着させた後、本発明の濃度調整装置を室外へ移動し、吸着時と同様に、ユニット1(U1)側の一方の端面20Xから隙間αおよび隙間βに気体Gを流し、ユニット2(U2)側の他方の端面20Yから気体Gを排出しつつ、発熱層を通電して発熱させ、吸着層を80℃程度にすると、吸着層に吸着されていた水分は脱着する。
ここでユニット1における吸着層の温度を80℃程度としたときに、ユニット2における吸着層の温度も80℃程度とすることができる。ユニット1(U1)における発熱層の発熱量が、ユニット2(U2)における発熱層の発熱量以上であるからである。
その後、吸着剤が吸着能を発揮することが可能な温度、例えば40℃程度になるまで除湿装置を放冷するとき、ユニット1における吸着層の温度も、ユニット2における吸着層の温度も、共に80℃程度(同程度)とすることができるので、吸着層を吸着可能な低温領域に短時間で調整することができる。そのため、効率的に空間内の気体に含まれる特定成分の濃度を調整することができる。
このように、本発明の濃度調整装置では、前記ユニット1における前記発熱層の発熱量が、前記ユニット2における前記発熱層の発熱量以上となり、以降も同様に、前記ユニットKにおける前記発熱層の発熱量が、前記ユニットK+1における前記発熱層の発熱量以上となり、前記ユニットN-1における前記発熱層の発熱量が、前記ユニットNにおける前記発熱層の発熱量以上となるように構成されている。
具体的には、次のような態様1、態様2または態様3のように構成されていることが好ましい。
<態様1>
本発明の濃度調整装置の好適態様の例である態様1について説明する。
態様1では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されている。すなわち、吸着素子は図2に示したような態様である。
また、各々のユニットにおいて、これを構成する複数の吸着素子は電気的に並列に接続されている。すなわち、吸着素子は図7に示したような態様である。
さらに、ユニット連結体において、これを構成する複数のユニットは電気的に並列に接続されている。すなわち、ユニット連結体は図11に示すような態様である。なお、図11は、図10に示した態様と電源ユニットのみが異なる。つまり、図10に示す態様では、ユニット1(U1)は電源E1に接続され、ユニット2(U2)は電源E2に接続されているが、図11に示す態様ではユニット1(U1)とユニット2(U2)とは、共に1つの電源Eに、電気的に並列に接続されている。
そして、前記ユニット1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニット2に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以下であり、以降も同様に、前記ユニットKに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットK+1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以下であり、前記ユニットN-1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットNに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以下となっている。そのため、前記ユニット1における前記発熱層の発熱量が、前記ユニット2における前記発熱層の発熱量以上となり、以降も同様に、前記ユニットKにおける前記発熱層の発熱量が、前記ユニットK+1における前記発熱層の発熱量以上となり、前記ユニットN-1における前記発熱層の発熱量が、前記ユニットNにおける前記発熱層の発熱量以上となる。
なお、ここで吸着素子の発熱層の抵抗値(Ω)は、発熱層にかかる電圧V/発熱層を流れる電流A、から算出される値とする。
ユニットごとに、それに含まれる吸着素子ごとの発熱層の抵抗値を調整する方法としては、発熱層の材質を調整する方法が挙げられる。また、以下のような方法が挙げられる。
態様1では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の厚さを、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の厚さよりも厚くすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以下とすることができる。
また、態様1では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の長さ(電流が流れる方向についての長さ。つまり、正極から負極までをつなぐ発熱層の長さ)を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の長さよりも短くすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以下とすることができる。
また、態様1では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の幅(電流が流れる方向に対して垂直方向の長さ)を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の幅よりも広くすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以下とすることができる。
また、態様1では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、発熱層が金属繊維からなる場合、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の密度を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の密度よりも小さくすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以下とすることができる。
また、態様1では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、発熱層が金属繊維からなる場合、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の坪量を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の坪量よりも大きくすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以下とすることができる。
また、態様1において、吸着素子の各々におけるシート状積層体の数を調整することによって、各々の吸着素子の発熱層の抵抗値を調整し、発熱量を調整することが好ましい。
態様1では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、ユニットKに含まれる吸着素子の各々におけるシート状積層体の数を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の各々におけるシート状積層体の数よりも少なくすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以下とすることができる。
<態様2>
本発明の濃度調整装置の好適態様の例である態様2について説明する。
態様2では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されている。すなわち、吸着素子は図2に示したような態様である。
また、各々のユニットにおいて、これを構成する複数の吸着素子は電気的に並列に接続されている。すなわち、吸着素子は図7に示したような態様である。
さらに、ユニット連結体において、これを構成する複数のユニットは電気的に直列に接続されている。すなわち、ユニット連結体は図12に示すような態様である。なお、図12は、図10に示した態様と電源ユニットのみが異なる。つまり、図10に示す態様では、ユニット1(U1)は電源E1に接続され、ユニット2(U2)は電源E2に接続されているが、図12に示す態様ではユニット1(U1)とユニット2(U2)とは、共に1つの電源Eに、電気的に直列に接続されている。
そして、前記ユニット1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニット2に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以上であり、以降も同様に、前記ユニットKに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットK+1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以上であり、前記ユニットN-1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットNに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以上となっている。そのため、前記ユニット1における前記発熱層の発熱量が、前記ユニット2における前記発熱層の発熱量以上となり、以降も同様に、前記ユニットKにおける前記発熱層の発熱量が、前記ユニットK+1における前記発熱層の発熱量以上となり、前記ユニットN-1における前記発熱層の発熱量が、前記ユニットNにおける前記発熱層の発熱量以上となる。
ユニットごとに、それに含まれる吸着素子ごとの発熱層の抵抗値を調整する方法としては、発熱層の材質を調整する方法が挙げられる。また、以下のような方法が挙げられる。
態様2では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の厚さを、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の厚さよりも薄くすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以上とすることができる。
また、態様2では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の長さ(電流が流れる方向についての長さ。つまり、正極から負極までをつなぐ発熱層の長さ)を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の長さよりも長くすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以上とすることができる。
また、態様2では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の幅(電流が流れる方向に対して垂直方向の長さ)を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の幅よりも狭くすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以上とすることができる。
また、態様2では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、発熱層が金属繊維からなる場合、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の密度を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の密度よりも大きくすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以上とすることができる。
また、態様2では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、発熱層が金属繊維からなる場合、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の坪量を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の坪量よりも小さくすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以上とすることができる。
また、態様2において、吸着素子の各々におけるシート状積層体の数を調整することによって、各々の吸着素子の発熱層の抵抗値を調整し、発熱量を調整することが好ましい。
態様2では、各々の吸着素子において、これを構成する複数の発熱層は電気的に直列に接続されているので、ユニットKに含まれる吸着素子の各々におけるシート状積層体の数を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の各々におけるシート状積層体の数よりも多くすることで、ユニットKに含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値を、ユニットK+1に含まれる吸着素子の発熱層の抵抗値以上とすることができる。
<態様3>
本発明の濃度調整装置の好適態様の例である態様3について、図9を用いて説明する。
図9に示すように、ユニット1(U1)に繋げる電源を電源E1、ユニット2(U2)に繋げる電源を電源E2とし、以降も同様に、ユニットK(UK)に繋げる電源を電源EK、ユニットN-1(UN-1)に繋げる電源を電源EN-1、ユニットN(UN)に繋げる電源を電源ENとする。
ここで各ユニットは、各々1つの電源を有するものとする。
態様3では、図9に示すように、ユニット1における発熱層を通電するための電源E1と、ユニット2における発熱層を通電するための電源E2と、ユニットKにおける発熱層を通電するための電源EKと、ユニットK+1における発熱層を通電するための電源EK+1と、ユニットN-1における発熱層を通電するための電源EN-1と、ユニットNにおける発熱層を通電するための電源ENと、を別々に有する。
そして、電源E1における電流と電圧との積を、電源E2における電流と電圧との積以上とすることで、ユニット1における発熱層の発熱量を、ユニット2における前記発熱層の発熱量以上とする。
以降も同様に、電源EKにおける電流と電圧との積を、電源EK+1における電流と電圧との積以上とすることで、ユニットKにおける発熱層の発熱量を、ユニットK+1における前記発熱層の発熱量以上とする。電源EN-1における電流と電圧との積を、電源ENにおける電流と電圧との積以上とすることで、前記ユニットN-1における前記発熱層の発熱量を、前記ユニットNにおける前記発熱層の発熱量以上とする。
1 シート状積層体
2a、2b 吸着層
4a、4b 絶縁層
6 発熱層
10 吸着素子
12 接続部
14、16 端子
15 波板状のスペーサー
20 ユニット連結体

Claims (10)

  1. 気体に含まれる特定成分を吸着層に吸着した後、前記吸着層を加熱して、吸着した前記特定成分を脱着する操作を行うことで再利用可能となる、前記気体に含まれる前記特定成分の濃度を調整するための濃度調整装置であって、
    前記吸着層と、前記吸着層を加熱可能な発熱層と、を含むシート状積層体が、別の前記シート状積層体と主面同士が隙間αを介して対向するように配置され、前記発熱層と別の前記シート状積層体に含まれる前記発熱層とが電気的に接続されて吸着素子を構成し、
    前記吸着素子が、別の前記吸着素子と主面同士が隙間βを介して対向するように配置されてユニットを構成し、
    さらに複数の前記ユニットが、前記隙間αおよび前記隙間βに前記気体を流した場合に前記気体が特定方向へ直線的に流れるように連結されてユニット連結体を構成していて、
    前記ユニット連結体における一方の端に配置された前記ユニットをユニット1、他方の端に配置された前記ユニットをユニットN(Nは2以上の整数)とし、それらの間であって、前記ユニット1の隣に配置された前記ユニットをユニット2、その隣に配置された前記ユニットをユニット3というように、前記ユニット1から前記ユニットNまでをつなぐように配置された前記ユニットをユニットK(Kは1~N-1までの整数)としたときに、
    前記ユニット1における前記隙間αおよび前記隙間βの入口へ前記気体を流すと、前記ユニット2、前記ユニット3・・・前記ユニットNの順にそれらの前記隙間αおよび前記隙間βを前記気体が通過して、前記ユニットNにおける前記隙間αおよび前記隙間βの出口から前記気体が排出され、この過程において前記気体に含まれる前記特定成分が前記吸着層に吸着されるように構成され、
    前記発熱層を発熱させて前記吸着層を加熱することで前記吸着層に吸着した前記特定成分を脱着するとき、
    前記ユニット1における前記発熱層の発熱量が、前記ユニット2における前記発熱層の発熱量以上となり、
    以降も同様に、
    前記ユニットKにおける前記発熱層の発熱量が、前記ユニットK+1における前記発熱層の発熱量以上となり、
    前記ユニットN-1における前記発熱層の発熱量が、前記ユニットNにおける前記発熱層の発熱量以上となるように構成されている、濃度調整装置。
  2. 少なくとも1つの前記吸着素子において、前記シート状積層体における前記吸着層の主面と、別の前記シート状積層体における前記吸着層の主面とが前記隙間αを介して対向している、請求項1に記載の濃度調整装置。
  3. 前記隙間αおよび/または前記隙間βの間隔が5mm以下である、請求項1または2に記載の濃度調整装置。
  4. 各々の前記吸着素子において、これを構成する複数の前記発熱層は電気的に直列に接続されており、
    各々の前記ユニットにおいて、これを構成する複数の前記吸着素子は電気的に並列に接続されており、
    前記ユニット連結体において、これを構成する複数の前記ユニットは電気的に並列に接続されており、
    前記ユニット1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニット2に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以下であり、
    以降も同様に、
    前記ユニットKに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットK+1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以下であり、
    前記ユニットN-1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットNに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以下である、請求項1~3のいずれかに記載の濃度調整装置。
  5. 前記吸着素子の各々における前記シート状積層体の数を調整することによって、各々の前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値を調整し、発熱量を調整する、請求項4に記載の濃度調整装置。
  6. 各々の前記吸着素子において、これを構成する複数の前記発熱層は電気的に直列に接続されており、
    各々の前記ユニットにおいて、これを構成する複数の前記吸着素子は電気的に並列に接続されており、
    前記ユニット連結体において、これを構成する複数の前記ユニットは電気的に直列に接続されており、
    前記ユニット1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニット2に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以上であり、
    以降も同様に、
    前記ユニットKに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットK+1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以上であり、
    前記ユニットN-1に含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値が、前記ユニットNに含まれる前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値以上である、請求項1~3のいずれかに記載の濃度調整装置。
  7. 前記吸着素子の各々における前記シート状積層体の数を調整することによって、各々の前記吸着素子の前記発熱層の抵抗値を調整し、発熱量を調整する、請求項6に記載の濃度調整装置。
  8. 前記ユニット1における前記発熱層を通電するための電源E1と、
    前記ユニット2における前記発熱層を通電するための電源E2と、
    前記ユニットKにおける前記発熱層を通電するための電源EKと、
    前記ユニットK+1における前記発熱層を通電するための電源EK+1と、
    前記ユニットN-1における前記発熱層を通電するための電源EN-1と、
    前記ユニットNにおける前記発熱層を通電するための電源ENと、を別々に有し、
    前記電源E1における電流と電圧との積を、前記電源E2における電流と電圧との積以上とすることで、前記ユニット1における前記発熱層の発熱量を、前記ユニット2における前記発熱層の発熱量以上とし、
    以降も同様に、
    前記電源EKにおける電流と電圧との積を、前記電源EK+1における電流と電圧との積以上とすることで、前記ユニットKにおける前記発熱層の発熱量を、前記ユニットK+1における前記発熱層の発熱量以上とし、
    前記電源EN-1における電流と電圧との積を、前記電源ENにおける電流と電圧との積以上とすることで、前記ユニットN-1における前記発熱層の発熱量を、前記ユニットNにおける前記発熱層の発熱量以上とする、請求項1~3のいずれかに記載の濃度調整装置。
  9. 前記吸着素子において、前記シート状積層体における主面と、別の前記シート状積層体における主面との前記隙間αの少なくとも一部にスペーサーを有する、
    および/または、
    前記ユニットにおいて、前記吸着素子と別の前記吸着素子との前記隙間βの少なくとも一部にスペーサーを有する、
    請求項1~8のいずれかに記載の濃度調整装置。
  10. 前記スペーサーが金属板からなる、請求項9に記載の濃度調整装置。
JP2022053137A 2022-03-29 2022-03-29 濃度調整装置 Pending JP2023146115A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022053137A JP2023146115A (ja) 2022-03-29 2022-03-29 濃度調整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022053137A JP2023146115A (ja) 2022-03-29 2022-03-29 濃度調整装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023146115A true JP2023146115A (ja) 2023-10-12

Family

ID=88286997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022053137A Pending JP2023146115A (ja) 2022-03-29 2022-03-29 濃度調整装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023146115A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA3045598C (en) Self-heating sheet-like material for moisture absorption and desorption, moisture absorption and desorption body, and moisture absorption and desorption device using the same
KR101898022B1 (ko) 에어로졸-형성 부재
AU2015316185B2 (en) Compact indirect evaporative cooler
JP6926417B2 (ja) 調湿素子および調湿素子を用いた調湿装置
GB2084045A (en) Method of dehumidification and air conditioning
JP2014018722A (ja) 除湿用フィルター素子
JPH0655071A (ja) 再生機能および賦活機能を内蔵したシート状収着体および収着用積層体
JP2006010302A (ja) 全熱交換器及び加湿装置
JP2007271247A (ja) デシカント換気システム
JP2006239917A (ja) ハニカム構造体とその製造法
JP2023146115A (ja) 濃度調整装置
JPS59177119A (ja) 除湿装置
JP6115413B2 (ja) フィルターエレメント
JP2011196601A (ja) 加湿用気化フィルター
JPH0389913A (ja) 積層吸着体およびそれを用いたフィルター
KR100938917B1 (ko) 전열교환 소자
JP4912379B2 (ja) 流体処理装置及びこれを備えた冷蔵庫
JPH06101987A (ja) 空調用エレメント
JP7377348B2 (ja) 調湿装置および調湿方法
JP2010042345A (ja) 除湿用フィルター素子
JP2012239978A (ja) 除湿用フィルター素子
JP2004225969A (ja) 全熱交換素子
JP2005074359A (ja) 調湿用ハニカム構造体及び調湿装置
JP2000329371A (ja) 吸湿用素子および空調機器
JPH0445820A (ja) 空気浄化用フィルタ