JP2005074359A - 調湿用ハニカム構造体及び調湿装置 - Google Patents

調湿用ハニカム構造体及び調湿装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 吸着材を担持したシート状体の全面を均一加熱できてシート状体の全面から水分を離脱させることができ、水分の吸着効率を向上でき、空気中からの水分除去能力を向上できる調湿用ハニカム構造体及び調湿装置を提供する。
【解決手段】 吸着材を担持させた平板状と波板状のシート状体1、2を交互に積層してハニカム構造体10を構成し、平板状と波板状のシート状体1、2の少なくとも一方は網状発熱体3にて構成し若しくは網状発熱体3を設け、網状発熱体3にてシート状体1、2の全面を均一加熱するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水分の吸着・離脱能力を有する調湿用ハニカム構造体及びそれを用いた調湿装置に関するものである。
従来よりゼオライトやシリカゲルなどの水分の吸着材を用いて室内を調湿する装置が開発されており、空気中から効率良く水分を除去するために、平板状シートとコルゲート加工した波板状シートを交互に積層して形成した調湿用ハニカム構造体が知られている。ハニカム構造体は通風抵抗が低く、単位体積当たりの表面積が大きいという利点があるため、その通風路表面にゼオライトやシリカゲルなどの吸着材を担持させることで、空気中から大量の水を吸着除去することが可能になっている。
ところで、吸着材が飽和水分量まで水を吸着すると、それ以上水を吸着することは不可能である。そのため、通常一定時間毎にハニカム構造体を加熱し、吸着水を離脱させることで吸着材を再生している。再生した吸着材は再度空気中から水分を吸着できるようになる。このような吸着材を担持したハニカム構造体は大量の空気を効率良く処理できるとともに長寿命であるため、業務用や家庭用の空調機器や除湿機などに用いられている。
しかしながら、従来のハニカム構造体を用いた調湿装置では、通常ハニカム構造体の最大水分吸着量に対して半分量以下の水分を吸着・離脱をしているにすぎず、空気中の水分を取り込む能力が低いという問題があった。これは、ハニカム構造体からの水分の離脱が十分にできていないことが原因になっている。
この問題を解決する手段として、ハニカム構造体の効果的な加熱方式の検討がなされており、例えばハニカムロータのハニカム基材に複数のスリットを入れ、スリット部を熱抵抗とし、離脱部に到達したハニカムからの熱伝導による熱ロスを低減するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、シートの全面にわたって多数の抵抗線などの線状発熱体を平行して蛇行状に配設し、抵抗線に通電して線状発熱体を発熱させることで、シート上の吸着材に吸着されている水を離脱するようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−186825号公報 特許第2950453号明細書
しかしながら、ハニカムロータにスリットを入れた場合、ハニカムの強度を保つ必要があるため、深いスリットを入れることができず、そのため熱伝導を無くすことができないため、僅かな改善効果しか期待できないという問題がある。また、線状発熱体をシート内に埋め込んだ場合、線状発熱体の近傍の構造体は加熱されるが、それ以外の部分には熱伝導でしか熱が伝わらず、かつハニカム構造体は通常熱伝導率の低いセラミックから成るため、線間にあたる構造体部分では十分に熱伝導が起こらず、線間部分での水の離脱が起こり難く、そのためハニカム構造体全体としての水分の吸着効率が低くなり、空気中からの水分取り込み能力が低くなってしまうという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、吸着材を担持したシート状体の全面を均一加熱できてシート状体の全面から水分を離脱させることができ、水分の吸着効率を向上でき、空気中からの水分取り込み能力を向上できる調湿用ハニカム構造体及び調湿装置を提供することを課題とする。
本発明の調湿用ハニカム構造体は、吸着材を担持させた平板状と波板状のシート状体を交互に積層してなるハニカム構造体であって、平板状と波板状のシート状体の少なくとも一方は網状発熱体から成り若しくは網状発熱体を有するものである。
この構成によると、網状発熱体にてシート状体を加熱することでシート状体の全面を均一加熱することができ、シート状体の全面から水分を離脱させることができ、水分の吸着効率を向上でき、空気中からの水分取り込み能力を向上できる。
また、網状発熱体の縦線と横線の交点を結合してなると、網状発熱体の形態保持性が良好になり、ハニカム構造体の強度を向上できる。また、発熱体の電気抵抗を面内で均一にすることができるため、局部的な温度上昇を起こさず、ハニカム構造体の信頼性を向上することができる。
また、網状発熱体の交点の結合方式が溶着であると、網状発熱体の形態保持性が一層良好になり、ハニカム構造体の強度を一層向上できる。また、発熱体の電気抵抗を面内で均一にすることができるため、局部的な温度上昇を起こさず、ハニカム構造体の信頼性を向上することができる。
また、網状発熱体を空気の経路の上流側と下流側で少なくとも2分割すると、上流側と下流側で加熱温度を変えることができ、上流側で水分離脱により空気の温度が下がった場合に下流側の加熱温度を高く設定して水分離脱速度を上げることができる。
また、網状発熱体が、ステンレス、ニッケルクロム合金、鉄クロム合金の内の少なくとも1種類から成ると、これらに電流を流すことで容易に加熱することができ、容易に水分を離脱させることができる。
また、平面状と波板状のシート状体を積層した一対の積層体を巻回して成ると、網状発熱体が細長い形状となり、長手方向の両端間での抵抗が高くなり、電圧印加により容易に発熱させることができる。
また、巻回して構成されたハニカム構造体の最内周部と最外周部及び中間部の少なくとも1箇所から電極を取り出し、分割して加熱するようにすると、ハニカム構造体を通る風量のばらつきがあっても発熱量を変化させて均一に加熱することができる。
また、本発明の調湿装置は、吸着材を担持させた平板状と波板状のシート状体が交互に積層・接合され、平板状と波板状のシート状体の少なくとも一方は網状発熱体から成り若しくは網状発熱体を有して成る調湿用ハニカム構造体を備え、雰囲気空気から水分を吸着し、網状発熱体による加熱時に水分を離脱するものであり、雰囲気空気から水分を吸着し、網状発熱体加熱時に水分を離脱することで、低外気温時に低い入力で室内を加湿することができ、また除湿も効率的に行うことができる。
本発明の調湿用ハニカム構造体及びそれを用いた調湿装置によれば、網状発熱体にてシート状体を加熱することでシート状体の全面を均一加熱することができ、シート状体の全面から水分を離脱させることができ、水分の吸着効率を向上でき、空気中からの水分取り込み能力を向上できる。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態の調湿用ハニカム構造体について、図1を参照して説明する。
図1において、本実施形態の調湿用ハニカム構造体10は、水分を吸着する吸着材を担持した平板状のシート状体1と波板状のシート状体2を交互に積層して接着することにより構成されており、通風通路となる多数のハニカムセルを形成している。シート状体1、2は一般に無機繊維シートにて構成されている。本実施形態では、平板状のシート状体1が網状発熱体3にて構成されている。網状発熱体3はその縦線と横線の交点を溶着で結合して構成されている。このように網状発熱体3の交点を結合することで、交点での接触抵抗が無くなり、面全体での抵抗のばらつきが小さくなり、局部的な発熱を防止でき、水分離脱時の吸着材り劣化を防ぐことができる。また、交点を結合することで、網の強度自体が上昇するため、ハニカム加工を従来の無機繊維シートと同様に取り扱うことが可能となり、製造コストの上昇を抑制することができる。
網状発熱体3としては、公知の抵抗線を用いることができる。例えば、ニッケルクロム合金、鉄クロム合金、ステンレスなどの0.08〜0.5mmの線径のものが、容易に波板形状にできるため適している。網状発熱体3のメッシュサイズは特に限定されないが、50〜150メッシュにすると網状発熱体3の加工がし易いため最適である。網状発熱体3はそのまま平板状のシート状体1又は波板状のシート状体2として用いることができる。その場合水分の吸着材を含有する吸湿剤スラリーが付着し易いように、網状発熱体3の表面を荒らしたり、親水性処理などの公知の処理を施すことが望ましい。
図示例では、平板状のシート状体1に網状発熱体3を用いているが、波板状のシート状体2に網状発熱体3を用いても、双方に用いても構わない。波板状のシート状体2の作成方法は、特に限定されないが、平板状のシート状体を波型段ロールに通す方法が適している。平板状と波板状のシート状体1、2の双方に網状発熱体3を用いる場合には、平板状シート状体1と波板状のシート状体2の接点部分を絶縁する必要がある。無機繊維を挟んだり、無機接着剤を両面に塗布するなど、絶縁方法は特に限定されないが、無機繊維を間に挟むのが確実に絶縁することができて最適である。
平板状と波板状のシート状体1、2に使用できる網状発熱体3以外のものとしては、公知の無機繊維を用いるのが好適である。例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ−アルミナ繊維、ロックウール繊維、炭素繊維などが挙げられる。無機繊維の厚さは特に限定されないが、網状発熱体3と同程度以上、すなわち0.08〜0.5mm程度が最適である。
平板状と波板状のシート状体1、2に担持させる吸着材としては、特に限定されないが、シリカゲルやゼオライトのような水分吸着性能の高いものを用いるのが最適である。これらは、粉末をバインダーとともに水に分散して作成したスラリーにシートを含浸することで得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の調湿用ハニカム構造体について、図2を参照して説明する。
図2において、本実施形態の調湿用ハニカム構造体10は、平板状のシート状体1と波板状のシート状体2が交互に積層された積層体を巻回して構成され、平板状のシート状体1に網状発熱体3を使用している。そのため、この調湿用ハニカム構造体10においては、網状発熱体3は1枚のシートとなっている。この網状発熱体3の両端、すなわちハニカム構造体10の最内周部及び最外周部から電極4a、4bを取り出し、これらの電極4a、4b間に電圧を印加することでハニカム構造体10の全体を加熱することが可能となる。
また、本実施形態では、網状発熱体3の両端間の中間からも電極4cを取り出している。このように構成することで、ハニカム構造体10の外周側と内周側で発熱量を変えることが可能になり、水分離脱時にハニカム構造体10に空気を流す場合に、その内周部よりも外周側の方が風量が多くなっても、その外周側の発熱量を多くして均一に加熱することができる。このようにハニカム構造体10の径方向に風量のばらつきがある場合には、本実施形態のように電極を分割するのが最適である。なお、本実施形態では、平板状のシート状体1に網状発熱体3を用いたが、波板状のシート状体2に網状発熱体3を用いても、双方に用いても構わない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の調湿用ハニカム構造体について、図3を参照して説明する。
図3において、本実施形態の調湿用ハニカム構造体10は、第2の実施形態と同様に平板状のシート状体1と波板状のシート状体2が交互に積層された積層体を巻回して構成され、平板状のシート状体1に網状発熱体3を使用している。本実施形態では、網状発熱体3が巻回軸心方向に2分割されている。即ち、2枚のテープ状の網状発熱体3を平板状のシート状体1とし、これらを波板状のシート状体2に無機接着剤を介して接着して巻回することでハニカム構造体10が構成されている。そして、各々の網状発熱体3、3の最内周部及び最外周部から電極5a、5a及び5b、5bを取り出し、それぞれ独立して電源6a、6bに接続し、各々の網状発熱体3、3の発熱量をコントロールするように構成されている。
このような構成において、ハニカム構造体10内に空気を流す場合に、その上流側よりも下流側の温度を上げるように各網状発熱体3、3の発熱量を制御するのが好ましい。こうすると、上流側での水分離脱によって吸着熱を奪われて温度低下した空気の温度を上げることで、下流側での水分離脱を良好にし、ハニカム構造体10の全体としての単位時間当たりの水分離脱量を増やすことができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態の調湿装置について、図4を参照して説明する。
図4において、本実施形態の調湿装置は、外気中の水分をハニカム構造体10にて吸着し、その水分を離脱させて室内に送給することで室内の加湿を行うものであり、外気から水分を吸着する時にハニカム構造体10に外気を通過させるためのプロペラファン11と、外気をハニカム構造体10に導入する状態とハニカム構造体10から離脱した水分を含む空気を室内に送給する状態とに通路を切り替えるダンパー12と、水分を含む空気を室内に送給するシロッコファン13と、ハニカム構造体10の網状発熱体3に電流を流す電源14とを備えている。
以上の構成において、水分吸着時には、図4(a)に示すようにダンパー12を切り換え、プロペラファン11を作動させてハニカム構造体10に外気を通過させる。その際に急速に空気中の水分を吸着材に吸着させるため、3〜5m3 /minの大きな風量を流すのが好ましい。次に、ハニカム構造体10から水分を離脱させ、加湿空気を室内に送給する時には、図4(b)に示すようにダンパー12を切り換えるとともに、プロペラファン11を停止し、ハニカム構造体10の網状発熱体3に電源14から電流を流して加熱し、シロッコファン13を作動させる。ハニカム構造体10は網状発熱体3によりその内部から加熱され、ハニカム構造体10の表面の吸着材は熱伝導により素早く温度上昇し、吸着等温線にそって水分を離脱する。ハニカム構造体10には、安全のために温度ヒューズ(図示せず)を設置しておく必要がある。離脱した水分を含む加湿空気は、シロッコファン13によって導入経路15を経て室内に送給される。ここで、加湿空気は露点が外気温よりも高くなる場合もあるため、導入経路15は断熱を施した配管を用いる必要がある。
本実施形態の調湿装置は、空調装置の室外機内に組み込み、加湿空気の導入経路15を空調装置の内外接続配管とともに室内機内に導入するようにすると、工事を容易にできて好ましい。
次に、本実施形態の調湿装置による加湿試験について説明する。調湿装置を電子天秤上に載せ、0℃、50%RH雰囲気に設定し、単位時間当たりの加湿量を検討した。ハニカム構造体10は、直径25cmで、交点を溶着したステンレスメッシュ製の幅20mm、長さ20mの網状発熱体3から成る平板状のシート状体1と、無機繊維シートから成る波板状のシート状体2から成るものを作成した。水分吸着・離脱条件は、吸着時間4分、吸着時風量3m3 /min、離脱時間3分、離脱時風量0.5m3 /minとし、ハニカム構造体10の表面温度が120℃となるように網状発熱体3の両端に電圧を印加した。ここで、吸着・離脱1サイクルにおける調湿装置の吸着終了時からの重量減少量、すなわち加湿に使用された水分量は25gであった。これを1時間当たりに換算すれば、210g/hとなり、この時の消費電力量は200Whであった。
比較例として、ハニカム構造体10の外部にヒータを設け、同じ吸着・離脱サイクルで実験を行った。その結果は、1サイクルにおける加湿に使用された水分量は10gであった。これを1時間当たりに換算すれば86gで、本実施形態の半分以下しか水分を取り出すことができなかった。また、この時の消費電力量は500Whであり、本実施形態の2倍以上の消費電力量であった。これは、外部からの加熱では空気を暖めてその暖気によりハニカム構造体10内の吸着材から水を離脱させる必要があるからと考えられる。
上記実施形態では、加湿機能についてのみ説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、除湿装置に使用することもできる。また、送風ファンについても、プロペラファン11とシロッコファン13だけを説明したが、クロスフローファンやターボファンなどの公知のファンを用いることができる。
本発明の調湿用ハニカム構造体は、網状発熱体にてシート状体を加熱することでシート状体の全面を均一加熱してシート状体の全面から水分を離脱させることができ、空気中からの水分取り込み能力を向上でき、加湿装置や除湿装置などの各種調湿装置に有用である。
本発明の第1の実施形態の調湿用ハニカム構造体の構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態の調湿用ハニカム構造体の構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態の調湿用ハニカム構造体の構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態の調湿装置を示し、(a)は水分吸着時の状態の断面図、(b)は水分離脱時の状態の断面図である。
符号の説明
1 平板状のシート状体
2 波板状のシート状体
3 網状発熱体
4a、4b、4c 電極
5a、5b 電極
10 ハニカム構造体

Claims (8)

  1. 吸着材を担持させた平板状と波板状のシート状体を交互に積層してなるハニカム構造体であって、平板状と波板状のシート状体の少なくとも一方は網状発熱体から成り若しくは網状発熱体を有することを特徴とする調湿用ハニカム構造体。
  2. 網状発熱体の縦線と横線の交点を結合してなることを特徴とする請求項1記載の調湿用ハニカム構造体。
  3. 網状発熱体の交点の結合方式が溶着であることを特徴とする請求項2記載の調湿用ハニカム構造体。
  4. 網状発熱体を空気の経路の上流側と下流側で少なくとも2分割したことを特徴とする請求項1記載の調湿用ハニカム構造体。
  5. 網状発熱体が、ステンレス、ニッケルクロム合金、鉄クロム合金の内の少なくとも1種類から成ることを特徴とする請求項1記載の調湿用ハニカム構造体。
  6. 平面状と波板状のシート状体を積層した一対の積層体を巻回して成ることを特徴とする請求項1記載の調湿用ハニカム構造体。
  7. 巻回して構成されたハニカム構造体の最内周部と最外周部及び中間部の少なくとも1箇所から電極を取り出し、分割して加熱するようにした請求項6記載の調湿用ハニカム構造体。
  8. 吸着材を担持させた平板状と波板状のシート状体が交互に積層・接合され、平板状と波板状のシート状体の少なくとも一方は網状発熱体から成り若しくは網状発熱体を有して成る調湿用ハニカム構造体を備え、雰囲気空気から水分を吸着し、網状発熱体による加熱時に水分を離脱することを特徴とする調湿装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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