JP7286977B2 - 送風装置 - Google Patents

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Description

本発明は、送風装置に関する。
従来、この種の送風装置としては、内部に送風流路が形成された本体と、送風流路内に配置されたファンと、送風流路内に配置され微細水を放出する微細水発生(放出)部とを備え、吸放湿機能を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この送風装置では、微細水発生部が、不織布などのシート状の基材に、導電性を有すると共に水分子の吸着と放出とが可能な導電性高分子を含んで構成されている。送風装置では、微細水発生部の基材への通電を停止して温度低下した状態で導電性高分子に水分子を吸着させ、基材への通電により導電性高分子が温度上昇した状態で導電性高分子に吸着している水分子を微細水として放出させることにより吸放湿を行うものとしている。
特開2018-54258号公報
上述した送風装置では、送風流路にファンと微細水放出部とを設ける必要がある。このため、送風流路が形成された本体の大型化に繋がり、装置のコンパクト化が困難となる場合がある。
本発明は、吸放湿機能付きの送風装置をよりコンパクトな構成としつつ吸放湿を適切に行うことを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の送風装置は、
本体内に形成された送風流路に配置され、羽根部材の回転により前記送風流路の開口から送風するファンを備える送風装置であって、
温度低下により空気中の水分を吸着する吸着状態になり、前記吸着した水分を温度上昇により無帯電且つ粒径が50ナノメートル以下の微細水として放出する放出状態になる導電性高分子膜が前記羽根部材に設けられている
ことを要旨とする。
本発明の送風装置は、温度低下により空気中の水分を吸着(吸湿)する吸着状態になり、吸着した水分を温度上昇により無帯電且つ粒径が50ナノメートル以下の微細水として放出(放湿)する放出状態になる導電性高分子膜が、ファンの羽根部材に設けられている。このため、微細水放出部としての導電性高分子膜をファンと一体的に構成して、送風流路にファンと微細水放出部とを別々に設ける必要がないから、送風流路が形成された本体の大型化を防止することができる。また、ファンに設けられた導電性高分子膜がファンと一体的に回転するため、ファンと導電性高分子膜とを別々に設けてファンから導電性高分子膜に送風する場合に比して、送風流路の径方向の内周側と外周側とにおける送風の速度差の影響を抑えることができるから、導電性高分子膜の温度分布をより均一にして吸放湿を適切に行うことができる。したがって、吸放湿機能付きの送風装置をよりコンパクトな構成としつつ吸放湿を適切に行うことができる。
本発明の送風装置において、前記羽根部材は、表面に凹部または凸部が形成されており、前記導電性高分子膜は、前記羽根部材の前記凹部または前記凸部に塗布することにより設けられているものとすることもできる。あるいは、本発明の送風装置において、前記羽根部材は、表面に微細な粒子が設けられており、前記導電性高分子膜は、前記羽根部材の前記粒子に塗布することにより設けられているものとすることもできる。これらのようにすれば、羽根部材に設けられている導電性高分子膜の表面積をより大きくすることができるから、導電性高分子膜をファンと一体的に構成した場合でも、十分な吸放湿機能を発揮させることができる。
本発明の送風装置において、前記ファンの前記羽根部材および前記導電性高分子膜の少なくともいずれかに通電可能な通電部と、通電を伴う温度上昇により前記導電性高分子膜が前記放出状態になり、通電停止を伴う温度低下により前記導電性高分子膜が前記吸着状態になるように、前記通電部と前記ファンとを制御する制御部と、を備えるものとすることもできる。こうすれば、導電性高分子膜の吸着状態と放出状態とを通電部の制御により任意に変化させて、吸放湿をより適切に行うことができる。
本発明の送風装置において、前記ファンは、前記羽根部材と該羽根部材を支持する回転軸とが非導電性材料で形成されると共に、前記回転軸に前記導電性高分子膜と電気的に接続可能な導電端子が設けられており、前記通電部は、前記導電端子を介して前記導電性高分子膜に通電するものとすることもできる。こうすれば、導電性高分子膜をファンと一体的に構成した場合に、導電性高分子膜への通電を簡易な構成で実現することができる。
第1実施形態の美顔器10の外観斜視図である。 美顔器10の構成の概略を示す構成図である。 プロペラ型のファン21の構成の概略を示す構成図である。 図3のA-A断面の一部を示す説明図である。 微細水送風作動処理の一例を示すフローチャートである。 微細水送風時のタイムチャートの一例を示す説明図である。 変形例のA-A断面の一部を示す説明図である。 変形例のA-A断面の一部を示す説明図である。 変形例のA-A断面の一部を示す説明図である。 変形例のA-A断面の一部を示す説明図である。 変形例のA-A断面の一部を示す説明図である。 変形例のファン21Bの構成の概略を示す構成図である。 変形例のファン21Cの構成の概略を示す構成図である。 シロッコ型のファン121の構成の概略を示す構成図である。 第2実施形態のヘアドライヤー210の外観斜視図である。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の美顔器10の外観斜視図であり、図2は、美顔器10の構成の概略を示す構成図であり、図3は、プロペラ型のファン21の構成の概略を示す構成図であり、図4は、図3のA-A断面の一部を示す説明図である。美顔器10は、図1に示すように、背面に形成された開口12と上部の正面に形成された送風口14とを有し、開口12から送風口14に至る送風流路16が内部に形成された本体11と、送風流路16に配置された微細水送風部20とを備える。本体11には、操作スイッチ18と、表示ランプ19とが設けられている。操作スイッチ18は、電源スイッチや各種作動モードの選択スイッチ、作動スイッチなどを含む。また、表示ランプ19は、電源オンで点灯するランプや選択された作動モードに応じて異なる色で点灯するランプ、作動中に点灯するランプなどを含む。なお、美顔器10は、卓上型を例示するが手持ち型や吊り下げ型としてもよい。
微細水送風部20は、図2に示すように、プロペラ型のファン21と、ファン21の回転軸22に連結されファン21を回転駆動させるモータ23と、送風流路16におけるファン21の上流側と下流側とに配置されたフィルター20a,20bとを備える。図3に示すように、ファン21は、複数(例えば4つ)の羽根24を有し、各羽根24の表面に導電性高分子膜28が設けられている(図3中の着色部分)。本実施形態では各羽根24の送風口14側の表面に導電性高分子膜28が塗布されることにより設けられるものとする。美顔器10は、ファン21のモータ23や導電性高分子膜28などの各部に給電するための電源回路32と、各部の制御を行う制御部30と、を備える。電源回路32は、AC100Vなどの電源に接続される電源コード36から電力が供給され、各部の駆動に適した電力に必要に応じて変換して出力する。制御部30には、操作スイッチ18からの操作信号が入力され、表示ランプ19への表示信号を出力する。また、制御部30は、電源回路32からモータ23への給電有無を切り替えるためのノーマルオープン型の切替スイッチ33の制御や電源回路32から導電性高分子膜28への給電有無を切り替えるためのノーマルオープン型の切替スイッチ34の制御などを行う。
導電性高分子膜28は、チオフェン系の導電性高分子などの導電性を有する高分子化合物で形成されている。本実施形態の導電性高分子膜28は、チオフェン系の導電性高分子のうち、PEDOT/PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸))で形成されているものとする。PEDOT/PSSは、PEDOTのコアと、水素結合可能な酸性官能基であるスルホン酸基のシェルとを有するコアシェル構造である。また、導電性高分子膜28中では、PEDOT/PSSのシェルが整列した積層構造をとり、各シェルの間に例えば2ナノメートルなどのナノメートルサイズの流路であるナノチャンネルを形成する。このナノチャンネル内には、スルホン酸基が多く存在するため、導電性高分子膜28の表面に存在する水分は、表面の水分量が多く内部の水分量が少ない場合に、表面と内部の濃度差によってナノチャンネル内のスルホン酸基を伝って内部に移動する。これにより、導電性高分子膜28が水分を吸着する。また、内部に水分が吸着された状態で、表面の水分量が少なく内部の水分量が多い場合に、水分は表面と内部の濃度差によってナノチャンネル内のスルホン酸基を伝って表面に移動する。これにより、導電性高分子膜28から水分が微細水として放出される。また、導電性高分子膜28の温度が上昇した状態では、濃度差のみで移動する場合に比して水分(微細水)の速やかな放出が促され、導電性高分子膜28の温度が低下した状態およびその状態で常温や低温の空気が流通する状態では水分の吸着が促される。このように、羽根24に設けられた導電性高分子膜28は、温度低下により空気中の水分を吸着する吸着状態に変化し、吸着した水分を温度上昇により放出する放出状態に変化することになる。なお、導電性高分子膜28の厚みは、必要な微細水の吸着量(放出量)に応じて適宜定めることができる。例えば、導電性高分子膜28の厚みが1~30マイクロメートルなどとなるように形成される場合、10秒から数10秒程度の時間で、微細水を放出するのに十分な水分を吸着することができるものとなる。
また、導電性高分子膜28は、水粒子の粒径が50ナノメートル以下、例えば粒径が2ナノメートル以下であって、無帯電の微細水を放出する。このような粒径となる理由は、ナノチャンネルのサイズが2ナノメートルまたはそれ以下のサイズであるため、導電性高分子膜の温度上昇によるナノチャンネル内の水の運動性向上、圧力上昇により、ナノチャンネルから水分が飛び出す現象のためと考えられる。また、飛び出した後に水粒子同士が凝集しても、その粒径は50ナノメートル以下の範囲に分布するものとなっている。このような導電性高分子膜28の微細水発生の詳細な説明は、本願出願人の特願2018-172166号の明細書などに記載されているため、これ以上の詳細な説明は省略する。
本実施形態のファン21は、回転軸22や羽根24が樹脂材料やセラミックス材料などの非導電性の材料で形成されており、図4に示すように、羽根24の表面に複数の凹部25が多孔質状に設けられた形状となっている。なお、凹部25は、加工により形成してもよいし、多孔質状のセラミックス材料の表面に露出するものを用いてもよい。このような凹部25を複数有することにより、羽根24の表面を平面状に形成するものに比して表面積を大きくすることができるから、導電性高分子膜28が設けられている部分の面積を大きくすることができる。また、ファン21は、回転軸22に、電源回路32からの給電用の端子22a,22bが設けられており、各端子22a,22bは、それぞれ1の羽根24に設けられた導電性高分子膜28と電気的に接続されている。また、各羽根24には、導電性高分子膜28と導通する集電体26が設けられており、隣接する羽根24の集電体26同士は導電線27によって電気的に接続されている。これにより、各羽根24に設けられた導電性高分子膜28に対し、電源回路32から通電が可能となる。なお、本実施形態では、各羽根24の表面のうち内周側の領域を除いた外周側の領域に導電性高分子膜28が塗布されており、図中矢印で示すように外周側に沿って通電するものとなる。導電性高分子膜28への通電によって導電性高分子膜28の温度が上昇すると、上述したように水分(微細水)の放出促進が可能となる。また、導電性高分子膜28への通電を停止して導電性高分子膜28の温度が低下すると、上述したように水分の吸着促進が可能となる。なお、導電性高分子膜28への通電の有無は、制御部30が切替スイッチ34を切り替えることにより行う。
次に、こうして構成された美顔器10の動作について説明する。図5は微細水送風作動処理の一例を示すフローチャートであり、図6は微細水送風時のタイムチャートの一例を示す説明図である。図5の微細水送風作動処理は、使用者が操作スイッチ18の作動スイッチを操作して、作動開始の操作信号が制御部30に入力された場合に実行される(図6の時刻Ts)。微細水送風作動処理では、制御部30は、まず、導電性高分子膜28への通電をオフとした状態でファン21を高速で逆回転駆動して導電性高分子膜28を冷却して(S100)、時間t1が経過するのを待つ(S110)。ここで、ファン21が逆回転すると、送風口14から空気を吸引して開口12から排出するものとする。これにより、単位時間当たりの風量(空気量)をより大きくして、導電性高分子膜28を効率よく冷却することができる。
制御部30は、時間t1が経過すると、導電性高分子膜28への通電をオフとした状態でファン21を低速で逆回転駆動して導電性高分子膜28への水分の吸着を促して(S120)、時間t2が経過するのを待つ(S130)。S120では、導電性高分子膜28に水分を吸着させるのに適した回転速度でファン21を駆動するものとする。即ち、S100,S110では、導電性高分子膜28の冷却に適した比較的速い回転速度でファン21を時間t1に亘って駆動し、S120,S130では、導電性高分子膜28の水分の吸着に適した比較的遅い回転速度でファン21を時間t2に亘って駆動するのである。これにより、導電性高分子膜28の温度を低下させて水分を十分に吸着させることができる。なお、時間t2は、水分を十分に吸着するのに必要な時間として例えば数10秒程度の時間に適宜定めることができ、時間t1はそれよりも短い数秒程度の時間に適宜定めることができる。
次に、制御部30は、時間t2が経過すると、ファン21の回転を一旦停止して導電性高分子膜28への通電をオンとして(S140)、時間t3が経過するのを待つ(S150)。このように、制御部30は、ファン21が停止している状態で導電性高分子膜28への通電をオンとするから、送風による冷却効果が生じない状態で導電性高分子膜28の温度を速やかに上昇させることができる。制御部30は、時間t3が経過すると、導電性高分子膜28への通電をオンとしたままファン21を高速で正回転駆動することで微細水の放出を伴って送風口14から送風し(S160)、時間t4が経過するのを待つ(S170)。なお、時間t3は導電性高分子膜28を放出状態とするために必要な時間に適宜定めることができ、時間t4は導電性高分子膜28が吸着した水分を放出可能な時間として数秒から数10秒程度の時間に適宜定めることができる。そして、制御部30は、時間t4が経過すると、S100に戻り処理を繰り返す。即ち、制御部30は、ファン21の冷却および導電性高分子膜28への水分の吸着(S100~S130)と、導電性高分子膜28からの微細水の放出および微細水を伴う送風(S140~S170)とを繰り返し行うのである。上述したように、微細水は無帯電であるから、使用者の肌に反発することなく付着しやすいものとなる。また、微細水は、50ナノメートル以下(例えば1ナノメートルから10数ナノメートル程度)のうち2ナノメートル以下程度などの小さな粒径であり、肌の角質の隙間は、約50ナノメートルであるから、微細水が浸透し易く保湿効果を高めることができる。
以上説明した本実施形態の美顔器10では、無帯電且つ粒径が50ナノメートル以下の微細水を放出可能な導電性高分子膜28が、ファン21の羽根24の表面に設けられるから、導電性高分子膜28とファン21とを別々に設ける必要がなく、送風流路16が形成された本体11の大型化を防止してコンパクトな構成とすることができる。また、ファン21と導電性高分子膜28とを別々に設ける場合、送風流路16の径方向の内周側と外周側とにおけるファン21の送風の速度差の影響によって導電性高分子膜28の内周側と外周側とで温度分布が不均一となることがある。本実施形態では、導電性高分子膜28がファン21と一体的に回転するから、そのような影響を抑えて、導電性高分子膜28の温度分布をより均一にして吸放湿を適切に行うことができる。
また、羽根24の表面に複数の凹部25が設けられるから、羽根24に設けられた導電性高分子膜28の表面積をより大きくして十分な吸放湿機能を発揮させることができる。
また、導電性高分子膜28に通電可能に構成するから、導電性高分子膜28の吸着状態と放出状態とを通電制御により任意に変化させることができる。また、羽根24と回転軸22とを樹脂部材で構成し、回転軸22に設けた端子22a,22bによって導電性高分子膜28に通電するから、導電性高分子膜28をファン21と一体的な構成とした場合に導電性高分子膜28への通電を簡易な構成で実現することができる。
実施形態では、羽根24は、表面に複数の凹部25が多孔質状に設けられるものとしたが、これに限られず、平面(平坦)状に比して表面積がより大きくなる形状に形成されるものであればよい。図7~図11は、変形例のA-A断面の一部を示す説明図である。図7は、プレス成形により羽根24Bを波打ち状に形成して凹部や凸部を設けることで表面積を大きくした形状である。図8は、羽根24Cの表面に複数の突起(凸部)25Cを形成することで表面積を大きくした形状である。このように、羽根24に形成された凹部や凸部に導電性高分子膜28が設けられるものであればよい。また、図9は、羽根24Dの表面に、羽根24D(ファン21)の径方向の内側から外側に延在すると共に両端部が開口した中空部を有する中空構造体25Dを設け、中空構造体25Dの内壁面に導電性高分子膜28を設けることで表面積を大きくした形状である。なお、中空構造体25Dの断面形状は、四角形状に限られず、三角形状や六角形状などとしてもよく、中空構造体25Dの内壁面だけでなく上面に導電性高分子膜28を設けてもよいのは勿論である。
また、図10,図11は、複数の微細な粒子を用いて表面積を大きくするものを示す。図10は、微細な粒子25Eの表面に予め導電性高分子膜28を塗布してから、その粒子25Eを羽根24Eの表面に接着剤などにより貼り付けたものを示す。図11は、微細な粒子25Fを羽根24Fの表面に接着剤などにより貼り付けてから、導電性高分子膜28を塗布したものを示す。微細な粒子25E,25Fとしては、例えば、アルミナやジルコニア、酸化チタンなどを用いることができる。また、羽根24に設けられる導電性高分子膜28の表面積を大きくする構造は、これらに限られるものではなく、これらのうちのいくつかを組み合わせてもよい。例えば、図7の羽根24Bに、図10や図11の微細な粒子25E,25Fを用いるものなどとしてもよい。また、不織布に導電性高分子を含浸(塗布)しておき、その不織布を羽根24の表面に貼り付けることで表面積を大きくするものなどとしてもよい。
実施形態では、微細水送風作動処理のS100,S110でファン21(導電性高分子膜28)の冷却を行うものとしたが、これに限られず、S100,S110を省略して冷却を行わないものとしてもよい。また、微細水送風作動処理のS140,S150でファン21の回転を停止した状態で導電性高分子膜28への通電を開始したが、これに限られず、S140,S150を省略してファン21の回転と同時に導電性高分子膜28への通電を開始してもよい。また、微細水送風作動処理では、ファン21の正回転と逆回転とを行うものとしたが、逆回転を行わずに正回転のみを行うものとしてもよく、ファン21が逆回転しない構成としてもよい。
実施形態では、羽根24に図3のような塗布形状で導電性高分子膜28が設けられるものとしたが、これに限られず、如何なる塗布形状としてもよい。図12,図13は、変形例のファン21B,21Cの構成の概略を示す構成図である。図12の変形例では、図3と異なり、端子22a,22bと直接接触しない図中の右側位置の羽根24と図中の下側位置の羽根24において、各羽根24の中央部を除いた内周側と外周側の領域に導電性高分子膜28Bが設けられている。このため、羽根24の外周側だけでなく内周側にも電流が流れることになる。また、図13の変形例では、各羽根24の中央部の領域に導電性高分子膜28Cが設けられており、外周側や内周側には設けられていない。この変形例では、端子22a,22bと導電性高分子膜28Cとが直接接触しないため、導電線27で電気的に接続するものとすればよい。これらのようにしても導電性高分子膜28(28B,28C)への通電を適切に行うことができる。
実施形態では、羽根24の片面に導電性高分子膜28を設けるものとしたが、これに限られず、羽根24の両面や回転軸22に導電性高分子膜28を設けるものとしてもよい。
実施形態では、プロペラ型のファン21に導電性高分子膜28を設けるものとしたが、これに限られず、シロッコ型などの別の型のファンに導電性高分子膜28を設けるものとしてもよい。図14は、シロッコ型のファン121の構成の概略を示す構成図である。ファン121は、回転軸122と、回転軸122を中心とする同心円状に並ぶ複数の板状の羽根124とを備える。ファン121は、回転軸122と羽根124とが樹脂材料などの非導電性の材料で形成され、羽根124の表面に導電性高分子膜128が設けられている。図14では、図示の都合上、羽根124の外側の表面に導電性高分子膜128が設けられると共に、内側の表面に導電性高分子膜128が設けられないものとしたが、これに限られず、羽根124の全面に導電性高分子膜128が設けられてもよい。また、ファン121は、回転軸122に、導電性高分子膜128と電源回路32とを電気的に接続するためのロータリコネクタ122a,122bが取り付けられている。各ロータリコネクタ122a,122bは、導電性高分子膜128に導通する導電線127と、電源回路32の給電線とに電気的に接続されている。これにより、各羽根124に設けられた導電性高分子膜128に対し、電源回路32から通電が可能となる。このため、実施形態と同様に、導電性高分子膜28をファン121と一体的に構成して、通電の有無を切り替えることにより導電性高分子膜128を吸着状態や放出状態に変化させることができる。
実施形態や変形例では、羽根24,124に設けられた導電性高分子膜28,128に通電するものとしたが、これに限られず、羽根24,124に通電するものとしてもよい。そのようにする場合、羽根24,124を、ステンレス系金属や銅系金属などの金属材料、炭素材料、導電性セラミックス材料などの導電性を有する材料で形成すればよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図15は、第2実施形態のヘアドライヤー210の外観斜視図である。ヘアドライヤー210は、図15に示すように、本体211と、本体211にヒンジ232を介して折り畳み可能に取り付けられると共に操作スイッチ234が設けられたグリップ231とを備える。本体211は、フィルター212を介して外部の空気を吸入するための吸入口213と、外部に空気を送風するための送風口214とを有し、吸入口213から送風口214に至る送風流路216が内部に形成されている。このヘアドライヤー210は、送風流路16に配置されたファン221と、ファン221よりも吸入口213側に設けられたヒータ218とを備える。ファン221は、第1実施形態のファン21と同様に構成されたプロペラ型のファンであり、各羽根224の表面に導電性高分子膜228が設けられている。なお、導電性高分子膜228は、各羽根224の送風口214側の表面のみに設けられていてもよいし、各羽根224の両面に設けられていてもよい。ヒータ218は、金属板や電熱線などにより構成され、送風流路216を流れる空気を所定温度に加熱する。また、図示は省略するが、ヘアドライヤー210は、電源コード236から供給された電力をファン221やヒータ218などの各部に給電するための電源回路や切替スイッチ、各部を制御する制御部などを備える。
第2実施形態のヘアドライヤー210では、ファン221に導電性高分子膜228が設けられるため、導電性高分子膜228とファン221とを別々に設ける必要がなく、送風流路216が形成された本体211の大型化を防止してコンパクトな構成とすることができる。また、ヘアドライヤー210では、ヒータ218の温風送風により導電性高分子膜228の温度が上昇して微細水の放出状態になり、ヘアドライヤー210が冷風送風で使用される際や常温で放置される際に導電性高分子膜228の温度が低下して吸着状態になる。このため、第1実施形態と異なり、導電性高分子膜228への通電を行わない構成とすることもできる。即ち、導電性高分子膜228への通電によって導電性高分子膜228の状態を変化させるものに限られず、第2実施形態のように別途ヒータなどの熱源を設けておき、その熱源からの熱を利用して導電性高分子膜228の状態を変化させるものとしてもよい。
各実施形態では、美顔器10やヘアドライヤー210に本発明を適用するものを例示したが、これに限られず、ファンヒータや扇風機などの他の吸放湿機能(除加湿機能)付き送風装置に適用するものとしてもよい。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、本体11,211が「本体」に相当し、送風流路16,216が「送風流路」に相当し、羽根24,224が「羽根部材」に相当し、ファン21,121,221が「ファン」に相当し、導電性高分子膜28,228が「導電性高分子膜」に相当し、美顔器10やヘアドライヤー210が「送風装置」に相当する。電源回路32と切替スイッチ34とが「通電部」に相当し、制御部30が「制御部」に相当する。回転軸22が「回転軸」に相当し、端子22a,22bが「導電端子」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、送風装置の製造産業などに利用可能である。
10 美顔器、11,211 本体、12 開口、14,214 送風口、16,216 送風流路、18,234 操作スイッチ、19 表示ランプ、20 微細水送風装置、20a,20b,212 フィルター、21,21B,21C,121,221 ファン、22,122 回転軸、22a,22b 端子、23 モータ、24,24B,24C,24D,24E,24F,124,224 羽根、25 凹部、25C 凸部、25D 中空構造体、25E,25F 微粒子、26 集電体、27,127 導電線、28,28B,28C,128,228 導電性高分子膜、30 制御部、32 電源回路、33,34 切替スイッチ、36,236 電源コード、122a,122b ロータリコネクタ、210 ヘアドライヤー、213 吸入口、218 ヒータ、231 グリップ、232 ヒンジ。

Claims (4)

  1. 本体内に形成された送風流路に配置され、表面に微細な粒子が設けられた羽根部材の回転により前記送風流路の送風口から送風するファンを備える送風装置であって、
    温度低下により空気中の水分を吸着する吸着状態になり、前記吸着した水分を温度上昇により無帯電且つ粒径が50ナノメートル以下の微細水として放出する放出状態になる導電性高分子膜が前記羽根部材の前記粒子に塗布することにより前記羽根部材に設けられている
    送風装置。
  2. 請求項1に記載の送風装置であって、
    前記羽根部材は、表面に凹部または凸部が形成されており、
    前記導電性高分子膜は、前記羽根部材の前記凹部または前記凸部に塗布することにより設けられている
    送風装置。
  3. 請求項1または2に記載の送風装置であって、
    前記ファンの前記羽根部材および前記導電性高分子膜の少なくともいずれかに通電可能な通電部と、
    通電を伴う温度上昇により前記導電性高分子膜が前記放出状態になり、通電停止を伴う温度低下により前記導電性高分子膜が前記吸着状態になるように、前記通電部と前記ファンとを制御する制御部と、
    を備える送風装置。
  4. 請求項に記載の送風装置であって、
    前記ファンは、前記羽根部材と該羽根部材を支持する回転軸とが非導電性材料で形成されると共に、前記回転軸に前記導電性高分子膜と電気的に接続可能な導電端子が設けられており、
    前記通電部は、前記導電端子を介して前記導電性高分子膜に通電する
    送風装置。
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