WO2021106980A1

WO2021106980A1 - ディスクブレーキ

Info

Publication number: WO2021106980A1
Application number: PCT/JP2020/043942
Authority: WO
Inventors: みゆき宇野; 淳一橋本; 伸二鈴木; 岩間　徳浩; 織田　勝
Original assignee: 日立Astemo株式会社
Priority date: 2019-11-27
Filing date: 2020-11-26
Publication date: 2021-06-03
Also published as: DE112020005788T5; JPWO2021106980A1; US20220299077A1; CN114341518A; JP7292415B2

Abstract

このディスクブレーキは、一対のブレーキパッドを移動可能に支持する支持部を有する取付部材と、前記ブレーキパッドをディスクに押圧するキャリパと、を有する。前記取付部材は、外周枠部と、連結ビーム部と、支持主体部と、を有する。外周枠部は、前記ディスクを跨いで該ディスクを覆うようにディスク周方向に沿って延出する。連結ビーム部は、前記支持部同士を連結する。支持主体部は、前記外周枠部および前記連結ビーム部を外枠の一部とし且つ前記支持部を形成する。外枠構成部は、前記外周枠部と前記連結ビーム部とのうち前記支持主体部の前記外枠を構成する。ディスク軸方向外側端面のディスク軸方向における位置は、前記キャリパのディスク軸方向外側端面と同じまたは前記キャリパのディスク軸方向外側端面よりもディスク軸方向外方にある。

Description

ディスクブレーキ

　本発明は、ディスクブレーキに関する。
　本願は、２０１９年１１月２７日に、日本に出願された特願２０１９－２１４０６２号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　ブレーキパッドを支持する取付部材に、ブレーキパッドをディスクに押圧するキャリパを移動可能に支持する構造を有するディスクブレーキが知られている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００８－１３８７５２号公報

　従来のフローティング型キャリパを有するディスクブレーキにおける取付部材とキャリパの間には、その正面において段差があり、取付部材の正面からスプリングパッドが突出している。このため、雪がホイール内に侵入した際、その突出部に雪が凝り固まって機能が阻害されたり、雪がぶつかって変形したりする可能性がある。従来技術として、スプリングパッドを部分的にガードしている部位を持つディスクブレーキもある。しかし、そのガードのまわりから雪が入り込むので不十分である。

　本発明は、雪による影響を低減することが可能なディスクブレーキを提供する。

　本発明の一態様によれば、ディスクブレーキは、一対のブレーキパッドを移動可能に支持する支持部を有し、車両の非回転部に取り付けられる取付部材と、前記取付部材にディスク軸方向に移動可能に支持されて前記ブレーキパッドをディスクに押圧するキャリパと、を有する。前記取付部材は、外周枠部と、ビーム部とを有する。外周枠部は、前記キャリパのディスク周方向外側面と対向する対向面それぞれから、前記ディスクを跨いで該ディスクを覆うようにディスク周方向に沿って延出する。ビーム部は、ディスク軸方向外側の前記支持部同士を連結する。ディスク軸方向外側に、前記外周枠部および前記連結ビーム部を外枠の一部とし且つ前記支持部を形成する支持主体部が設けられる。外枠構成部は、前記外周枠部と前記連結ビーム部とのうち前記支持主体部の前記外枠を構成する。この外枠構成部は、ディスク軸方向外側端面のディスク軸方向における位置が、前記キャリパのディスク軸方向外側端面と同じまたは前記キャリパのディスク軸方向外側端面よりもディスク軸方向外方にある。

　上記したディスクブレーキによれば、雪による影響を低減することが可能となる。

本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示す正面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示す平面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示す側面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示す側面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示す側断面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示す側断面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示す斜視図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキの取付部材を示す正面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキの取付部材を示す平面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキの取付部材を示す背面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキの取付部材を示す側面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキの取付部材を示す側面図である。本発明の一実施形態に係るディスクブレーキの取付部材を示す斜視図である。

　本発明の一実施形態を図面を参照して以下に説明する。実施形態のディスクブレーキ１０は、自動車等の車両用であって、車両に制動力を付与する。具体的には、四輪自動車の前輪制動に用いられる。図１～図７に示すように、ディスクブレーキ１０は、図示略の車輪と共に回転する円板状のディスク１１の回転を止めることで車両を制動する。以下では、ディスクブレーキ１０を車両に取り付けた状態をもって説明する。

　以下の説明においては、ディスク１１の中心軸線の延在方向をディスク軸方向と称する。ディスク１１の径方向をディスク径方向と称する。ディスク１１の周方向、つまり回転方向をディスク周方向と称する。
　ディスク径方向におけるディスク１１の中心側をディスク径方向内側と称する。ディスク径方向におけるディスク１１の中心とは反対側をディスク径方向外側と称する。
　ディスク軸方向における車両の外側をディスク軸方向外側と称する。ディスク軸方向における車両の内側をディスク軸方向内側と称する。
　車両前進時のディスク１１の回転方向Ｒにおける入口側をディスク回入側と称する。車両前進時のディスク１１の回転方向Ｒにおける出口側をディスク回出側と称する。

　図１～図７に示すように、ディスクブレーキ１０は、取付部材２１と、キャリパ２２とを備えている。ディスクブレーキ１０は、図２に示すように、一対のブーツ２３と、一対のブレーキパッド２４，２５と、ディスク回入側のパッドスプリング２６と、ディスク回出側のパッドスプリング２７とを備えている。

　取付部材２１は、図１に示す固定部３１と、図３，図４に示す一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂ（支持部）と、図１～図７に示す一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄとを有している。取付部材２１は、図１，図７に示す一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄ（支持部）と、連結ビーム部３７とを有している。取付部材２１は、ディスク周方向の中央を基準とする鏡面対称の形状となっている。

　図３，図４に示すように、固定部３１は、ディスク１１に対しディスク軸方向の一側に配置されて車両の図示略の非回転部分に固定される。取付部材２１が取り付けられる車両の非回転部分は、ディスク１１に対しディスク軸方向内側に配置されている。この非回転部分に取り付けられる固定部３１も、ディスク１１に対しディスク軸方向内側に配置されている。図１に示すように、固定部３１は、ディスク周方向に延びるように配置されている。

　取付部材２１は、図８～図１３に示す形状をなしている。図８，図１０に示すように、固定部３１には、ディスク周方向両端部に、一対の取付ボス部４２が設けられている。一対の取付ボス部４２は、それぞれ取付穴４１を有する。固定部３１は、一対の取付ボス部４２によって車両の非回転部分に取り付けられる。

　一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂは、ディスク回入側のインナ側パッド支持部３２Ａと、ディスク回出側のインナ側パッド支持部３２Ｂとを有する。図１０に示すように、インナ側パッド支持部３２Ａは、固定部３１のディスク回入側の端部からディスク径方向外側に延出している。インナ側パッド支持部３２Ｂは、固定部３１のディスク回出側の端部からディスク径方向の外側に延出している。図３，図４に示すように、一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂは、固定部３１と同様、ディスク１１に対しディスク軸方向内側に配置される。

　一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄは、ディスク回入側の外周枠部３３Ｃと、ディスク回出側の外周枠部３３Ｄとを有する。図１１に示すように、外周枠部３３Ｃは、インナ側パッド支持部３２Ａのディスク径方向の外側の端部から、ディスク軸方向に沿ってディスク軸方向外側に延出している。図１２に示すように、外周枠部３３Ｄが、インナ側パッド支持部３２Ｂのディスク径方向の外側の端部から、ディスク軸方向に沿ってディスク軸方向外側に延出している。

　図３に示すように、ディスク回入側の外周枠部３３Ｃは、インナ側パッド支持部３２Ａのディスク径方向の外側の端部からディスク軸方向外側に延出する際に、ディスク軸方向にディスク１１の外周側を跨いでいる。この外周枠部３３Ｃは、インナ側パッド支持部３２Ａのディスク径方向の外側の端部から、図２に示すようにディスク１１をディスク径方向外側で覆うようにディスク周方向に沿ってディスク回出側の外周枠部３３Ｄとは反対方向に延出している。

　図４に示すように、外周枠部３３Ｄも、インナ側パッド支持部３２Ｂのディスク径方向の外側の端部からディスク軸方向外側に延出する際に、ディスク軸方向にディスク１１の外周側を跨いでいる。外周枠部３３Ｄは、インナ側パッド支持部３２Ｂのディスク径方向の外側の端部から、図２に示すようにディスク１１をディスク径方向外側で覆うようにディスク周方向に沿ってディスク回入側の外周枠部３３Ｃとは反対方向に延出している。

　言い換えれば、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄは、図１０に示すように、一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂのディスク径方向の外側の端部から、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に広がっている。一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄは、いずれもディスク１１の外周面に沿うように円弧状に湾曲している。

　図８に示すように、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄには、ディスク周方向の互いに近い側に、相互に対向する対向面３３Ｃａ，３３Ｄａがそれぞれ形成されている。ディスク回入側の外周枠部３３Ｃに形成された対向面３３Ｃａは、ディスク径方向外側の外側対向面部３３Ｃｂと、ディスク径方向内側の内側対向面部３３Ｃｃとからなっている。ディスク回出側の外周枠部３３Ｄに形成された対向面３３Ｄａは、ディスク径方向外側の外側対向面部３３Ｄｂと、ディスク径方向内側の内側対向面部３３Ｄｃとからなっている。外側対向面部３３Ｃｂ，３３Ｄｂおよび内側対向面部３３Ｃｃ，３３Ｄｃは、いずれもディスク軸方向に沿って広がっている。対向面３３Ｃａ，３３Ｄａは、内側対向面部３３Ｃｃ，３３Ｄｃ同士が互いに平行をなしている。対向面３３Ｃａ，３３Ｄａは、外側対向面部３３Ｃｂ，３３Ｄｂ同士がディスク径方向外側ほどディスク周方向に離間するように対向面３３Ｃａ，３３Ｄａに対して傾斜している。

　一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄには、ディスク径方向外側の端部にそれぞれ、ディスク径方向外側に向く外周端面３３Ｃｄ，３３Ｄｄが形成されている。外周枠部３３Ｃに形成された外周端面３３Ｃｄと、外周枠部３３Ｄに形成された外周端面３３Ｄｄとは、同一の円筒面に配置されている。一対の外周端面３３Ｃｄ，３３Ｄｄは、取付部材２１において最もディスク径方向外側に設けられている。

　一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄには、それぞれ、外周端面３３Ｃｄ，３３Ｄｄのディスク軸方向外側に隣り合って面取り３３Ｃｅ，３３Ｄｅが形成されている。すなわち、一方のディスク回入側の外周枠部３３Ｃには、その外周端面３３Ｃｄのディスク軸方向外側に隣り合って面取り３３Ｃｅが形成されている。他方のディスク回出側の外周枠部３３Ｄには、その外周端面３３Ｄｄのディスク軸方向外側に隣り合って面取り３３Ｄｅが形成されている。外周枠部３３Ｃに形成された面取り３３Ｃｅおよび外周枠部３３Ｄに形成された面取り３３Ｄｅは、ディスク径方向外側かつディスク軸方向外側に向いている。面取り３３Ｃｅ，３３Ｄｅは、ディスク軸方向外側ほどディスク径方向内側に位置するようにテーパ状をなしている。面取り３３Ｃｅと面取り３３Ｄｅとは、同一のテーパ面に配置されている。

　一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄには、それぞれのアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄよりもディスク軸方向外側に、ディスク径方向内側に向く内周端面３３Ｃｆ，３３Ｄｆが形成されている。一方の外周枠部３３Ｃに形成された内周端面３３Ｃｆと他方の外周枠部３３Ｄに形成された内周端面３３Ｄｆとは、同一の円筒面に配置されている。

　図１０に示すように、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄには、それぞれのアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄとインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂとの間に、ディスク径方向内側に向く内周面３３Ｃｇ，３３Ｄｇが形成されている。一方の外周枠部３３Ｃに形成された内周面３３Ｃｇと他方の外周枠部３３Ｄに形成された内周面３３Ｄｇとは、同一の円筒面に配置されている。この円筒面は、図８に示す内周端面３３Ｃｆ，３３Ｄｆが配置される円筒面よりも大径となっている。一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄは、図１０に示すこれらの内周面３３Ｃｇ，３３Ｄｇが、ディスク１１とディスク軸方向の位置を重ね合わせて、ディスク１１とディスク径方向において対向している。

　外周枠部３３Ｃの、内周面３３Ｃｇとディスク軸方向の位置を重ね合わせる範囲がディスク１１を跨ぐディスクパス部３４Ｃとなっている。外周枠部３３Ｃの、ディスクパス部３４Ｃよりもディスク軸方向外側の部分が図１３に示す外側構成部３５Ｃとなっている。外周枠部３３Ｄは、内周面３３Ｄｇとディスク軸方向の位置を重ね合わせる範囲がディスク１１を跨ぐディスクパス部３４Ｄとなっている。外周枠部３３Ｄの、ディスクパス部３４Ｄよりもディスク軸方向外側の部分が外側構成部３５Ｄとなっている。

　一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄには、それぞれのディスク軸方向外側の端部に、ディスク軸方向外側に向く外側端面３３Ｃｈ，３３Ｄｈが形成されている。一方の外周枠部３３Ｃに形成された外側端面３３Ｃｈと他方の外周枠部３３Ｄに形成された外側端面３３Ｄｈとは、同一の平面に配置されている。この平面は、ディスク軸方向に対し直交して広がる平面となっている。

　図１０に示すように、取付部材２１には、一対のピン挿入穴４３Ｃ，４３Ｄが形成されている。ピン挿入穴４３Ｃ，４３Ｄは、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄのディスク周方向の互いに近い側の部分に、ディスク軸方向に沿って延びている。一方のピン挿入穴４３Ｃは、外周枠部３３Ｃのディスク軸方向内側の端部から、ディスク軸方向の途中位置まで形成されている。他方のピン挿入穴４３Ｄは、外周枠部３３Ｄのディスク軸方向内側の端部から、ディスク軸方向の途中位置まで形成されている。

　取付部材２１には、一対のピン挿入穴４３Ｃ，４３Ｄに、図５，図６に示すキャリパ２２のディスク周方向両側の一対のスライドピン４５が摺動可能に嵌合する。これにより、取付部材２１の一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄが、キャリパ２２をディスク軸方向に摺動可能に支持する。言い換えれば、キャリパ２２は、ディスク周方向両側に設けられた一対のスライドピン４５が、それぞれ、取付部材２１のピン挿入穴４３Ｃ，４３Ｄの対応するものに摺動可能に嵌合される。これにより、キャリパ２２は、取付部材２１に、ディスク軸方向に移動可能に支持されている。

　図８，図１０に示す一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄは、いずれもディスク軸方向に直交して広がる平板状である。一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄは、ディスク回入側のアウタ側パッド支持部３６Ｃと、ディスク回出側のアウタ側パッド支持部３６Ｄとを有する。アウタ側パッド支持部３６Ｃは、外周枠部３３Ｃの図１０に示すインナ側パッド支持部３２Ａよりもディスク軸方向外側の中間部からディスク径方向の内側に延出している。アウタ側パッド支持部３６Ｄは、外周枠部３３Ｄのインナ側パッド支持部３２Ｂよりもディスク軸方向外側の中間部からディスク径方向の内側に延出している。一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄは、ディスク１１に対しディスク軸方向外側に配置される。

　図１３に示すように、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄは、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄのそれぞれの外側端面３３Ｃｈ，３３Ｄｈよりもディスク軸方向内側に位置している。言い換えれば、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄは、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄのそれぞれのディスク軸方向外側の端部の外側端面３６Ｃｃ，３６Ｄｃよりもディスク軸方向外側に突出している。一方のアウタ側パッド支持部３６Ｃの外側端面３６Ｃｃおよび他方のアウタ側パッド支持部３６Ｄの外側端面３６Ｄｃは、ディスク軸方向外側に向いて同一平面に配置されている。この平面は、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄの外側端面３３Ｃｈ，３３Ｄｈが配置される平面と平行となっている。

　連結ビーム部３７は、ディスク周方向およびディスク径方向に延在して一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄのディスク径方向内側同士を連結している。また、連結ビーム部３７は、ディスク周方向の両端部が、ディスク周方向に延在して一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄに連結されている。連結ビーム部３７は、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄと同様、ディスク１１に対しディスク軸方向外側に配置される。

　連結ビーム部３７には、ディスク径方向外側の端部に、ディスク径方向外側に向く外向端面３７ａが形成されている。図８に示すように、ディスク径方向内側の端部に、ディスク径方向内側に向く内向端面３７ｂが形成されている。連結ビーム部３７には、ディスク軸方向外側の端部に、ディスク軸方向外側に向く外側端面３７ｃが形成されている。

　図１３に示すように、連結ビーム部３７は、その全体が、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄのそれぞれの外側端面３６Ｃｃ，３６Ｄｃよりもディスク軸方向外側に突出している。言い換えれば、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄは、連結ビーム部３７のディスク軸方向外側の端部の外側端面３７ｃよりもディスク軸方向内側に位置している。連結ビーム部３７の外側端面３７ｃと、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄの外側端面３３Ｃｈ，３３Ｄｈとが、取付部材２１におけるディスク軸方向外側の端部の外側端面２１ａを構成している。

　連結ビーム部３７は、ディスク径方向およびディスク周方向に沿って延在しており、ディスク周方向の端部が一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄに連結されている。連結ビーム部３７は、一方のディスク回入側の外周枠部３３Ｃと鋭角状をなすように隣接して繋がっており、他方のディスク回出側の外周枠部３３Ｄとも鋭角状をなすように隣接して繋がっている。言い換えれば、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄは、それぞれが連結ビーム部３７と鋭角状をなして繋がっている。

　アウタ側パッド支持部３６Ｃと、これに隣接して繋がる外周枠部３３Ｃのディスク軸方向外側の外側構成部３５Ｃと、アウタ側パッド支持部３６Ｃに隣接して繋がる連結ビーム部３７のディスク回入側の部分構成部５１Ｃとが、ディスク回入側の支持主体部５３Ｃを構成している。この支持主体部５３Ｃは、取付部材２１のディスク１１よりもディスク軸方向外側に設けられており、隣接して繋がる外側構成部３５Ｃと部分構成部５１Ｃとを外枠の一部としている。

　この支持主体部５３Ｃは、隣接して繋がる外周枠部３３Ｃの外側構成部３５Ｃと連結ビーム部３７の部分構成部５１Ｃとの間にアウタ側パッド支持部３６Ｃを形成している。隣接して繋がる外側構成部３５Ｃと部分構成部５１Ｃとが、支持主体部５３Ｃの外枠を構成する外枠構成部５５Ｃとなっている。連結ビーム部３７は、外枠構成部５５Ｃを構成する部分構成部５１Ｃが、アウタ側パッド支持部３６Ｃとディスク周方向の位置を重ね合わせている。

　図８に示すように、部分構成部５１Ｃの、ディスク周方向内側（取付部材２１のディスク周方向の中央側）が内側延在部５７Ｃとなっている。部分構成部５１Ｃの、ディスク周方向外側（取付部材２１のディスク周方向の中央とは反対側）が外側延在部５８Ｃとなっている。ここで、取付部材２１のディスク周方向の中央位置を通ってディスク径方向に延びる線をディスク径方向基準線とする。すると、部分構成部５１Ｃは、その内側延在部５７Ｃが、直線状をなすと共にディスク径方向基準線に対し直交して延在している。部分構成部５１Ｃの外側延在部５８Ｃが、直線状をなすと共に内側延在部５７Ｃに対し傾斜し隣接して繋がっている。

　連結ビーム部３７の外側端面３７ｃに含まれる一方の部分構成部５１Ｃのディスク軸方向外側の端部の外側端面５１Ｃａも、同じ外枠構成部５５Ｃを構成する外周枠部３３Ｃのディスク軸方向外側の端部の外側端面３３Ｃｈと同一平面に配置されている。一方の外枠構成部５５Ｃのディスク軸方向外側の端部の外側端面５５Ｃａ（ディスク軸方向外側端面）は、一方の外周枠部３３Ｃの外側端面３３Ｃｈと、これに隣接して繋がる部分構成部５１Ｃの外側端面５１Ｃａとからなっている。外側端面５５Ｃａは、連結ビーム部３７の外側端面３７ｃに含まれる。

　アウタ側パッド支持部３６Ｄと、これに隣接して繋がる外周枠部３３Ｄのディスク軸方向外側の外側構成部３５Ｄと、アウタ側パッド支持部３６Ｄに隣接して繋がる連結ビーム部３７のディスク回出側の部分構成部５１Ｄとが、ディスク回出側の支持主体部５３Ｄを構成している。この支持主体部５３Ｄは、取付部材２１のディスク１１よりもディスク軸方向外側に設けられており、隣接して繋がる外側構成部３５Ｄと部分構成部５１Ｄとを外枠の一部としている。

　この支持主体部５３Ｄは、隣接して繋がる外周枠部３３Ｄの外側構成部３５Ｄと連結ビーム部３７の部分構成部５１Ｄとの間にアウタ側パッド支持部３６Ｄを形成している。隣接して繋がる外側構成部３５Ｄと部分構成部５１Ｄとが、支持主体部５３Ｄの外枠を構成する外枠構成部５５Ｄとなっている。連結ビーム部３７は、外枠構成部５５Ｄを構成する部分構成部５１Ｄが、アウタ側パッド支持部３６Ｄとディスク周方向の位置を重ね合わせている。

　部分構成部５１Ｄの、ディスク周方向内側が内側延在部５７Ｄとなっている。部分構成部５１Ｄの、ディスク周方向外側が外側延在部５８Ｄとなっている。部分構成部５１Ｄの内側延在部５７Ｄが、直線状をなすと共にディスク径方向基準線に対し直交して延在している。部分構成部５１Ｄの外側延在部５８Ｄが、直線状をなすと共に内側延在部５７Ｄに対し傾斜し隣接して繋がっている。

　連結ビーム部３７の外側端面３７ｃに含まれる他方の部分構成部５１Ｄのディスク軸方向外側の端部の外側端面５１Ｄａも、同じ外枠構成部５５Ｄを構成する外周枠部３３Ｄのディスク軸方向外側の端部の外側端面３３Ｄｈと同一平面に配置されている。他方の外枠構成部５５Ｄのディスク軸方向外側の端部の外側端面５５Ｄａ（ディスク軸方向外側端面）は、他方の外周枠部３３Ｄの外側端面３３Ｄｈと、これに隣接して繋がる部分構成部５１Ｄの外側端面５１Ｄａとからなっている。外側端面５５Ｄａは、連結ビーム部３７の外側端面３７ｃに含まれる。

　連結ビーム部３７は、ディスク回入側の部分構成部５１Ｃと、ディスク回出側の部分構成部５１Ｄと、これらの間の中間構成部６１とからなっている。中間構成部６１は、直線状をなすと共にディスク径方向基準線に対し直交して延在している。中間構成部６１は、ディスク周方向両側の部分構成部５１Ｃ，５１Ｄの内側延在部５７Ｃ，５７Ｄと同一直線をなして連続している。中間構成部６１は、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄのいずれともディスク周方向の位置を重ね合わせていない。

　取付部材２１は、ディスク１１の外周側を跨いで配置されて車両の非回転部分に取り付けられる。固定部３１および一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂは、取付部材２１において、車両の非回転部分への取り付け側となるディスク軸方向内側に配置されている。一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄおよび連結ビーム部３７は、取付部材２１において、ディスク軸方向外側に配置されている。

　図１０に示すように、一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂには、一対の凹形状の支持本体部７０Ａ，７０Ｂが形成されている。図８に示すように、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄには、一対の凹形状の支持本体部７０Ｃ，７０Ｄが形成されている。これら支持本体部７０Ａ，７０Ｂ，７０Ｃ，７０Ｄは、同様の形状である。

　図１０に示すように、ディスク回入側のインナ側パッド支持部３２Ａには、支持本体部７０Ａが形成されている。支持本体部７０Ａは、インナ側パッド支持部３２Ａのディスク周方向内側に設けられている。支持本体部７０Ａは、ディスク径方向外側の面３２Ａａおよびディスク径方向内側の３２Ａｂからディスク周方向外側に向かって凹む形状を有している。インナ側パッド支持部３２Ａのディスク径方向外側の面３２Ａａは、ディスク径方向内側の面３２Ａｂよりもディスク周方向外側に配置されている。

　ディスク回出側のインナ側パッド支持部３２Ｂにも、支持本体部７０Ｂが形成されている。支持本体部７０Ｂは、インナ側パッド支持部３２Ｂのディスク周方向内側に形成されている。支持本体部７０Ｂは、ディスク径方向外側の面３２Ｂａおよびディスク径方向内側の面３２Ｂｂからディスク周方向外側に向かって凹む形状を有している。インナ側パッド支持部３２Ｂのディスク径方向外側の面３２Ｂａは、ディスク径方向内側の面３２Ｂｂよりもディスク周方向外側に配置されている。

　一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂは、互いの面３２Ａａ，３２Ｂａがディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて平行に配置されている。一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂは、互いの３２Ａｂ，３２Ｂｂがディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて平行に配置されている。一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂは、互いの支持本体部７０Ａ，７０Ｂがディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせている。

　よって、一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂには、相互対向側に、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に凹む凹状の支持本体部７０Ａ，７０Ｂが形成されている。一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂに設けられた一対の支持本体部７０Ａ，７０Ｂに、一対のブレーキパッド２４，２５のうちの一方のブレーキパッド２４が支持される。

　図８に示すように、アウタ側パッド支持部３６Ｃには、支持本体部７０Ｃが形成されている。支持本体部７０Ｃは、アウタ側パッド支持部３６Ｃのディスク周方向内側に形成されている。支持本体部７０Ｃは、ディスク径方向外側の面３６Ｃａおよびディスク径方向内側の面３６Ｃｂからディスク周方向外側に向かって凹む形状を有している。アウタ側パッド支持部３６Ｃのディスク径方向外側の面３６Ｃａは、ディスク径方向内側の面３６Ｃｂよりもディスク周方向外側に配置されている。面３６Ｃａは、アウタ側パッド支持部３６Ｃに隣接する外周枠部３３Ｃの内側対向面部３３Ｃｃと同一平面に配置されて連続している。

　アウタ側パッド支持部３６Ｄにも、支持本体部７０Ｄが形成されている。支持本体部７０Ｄは、アウタ側パッド支持部３６Ｄのディスク周方向内側に形成されている。支持本体部７０Ｄは、ディスク径方向外側の面３６Ｄａおよびディスク径方向内側の面３６Ｄｂからディスク周方向外側に向かって凹む形状を有している。このアウタ側パッド支持部３６Ｄのディスク径方向外側の面３６Ｄａは、ディスク径方向内側の面３６Ｄｂよりもディスク周方向外側に配置されている。面３６Ｄａは、アウタ側パッド支持部３６Ｄに隣接する外周枠部３３Ｄの内側対向面部３３Ｄｃと同一平面に配置されて連続している。

　一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄは、互いの面３６Ｃａ，３６Ｄａがディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて平行に配置されている。一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄは、互いの面３６Ｃｂ，３６Ｄｂがディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて平行に配置されている。一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄは、互いの支持本体部７０Ｃ，７０Ｄがディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせている。

　よって、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄには、相互対向側に、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に凹む凹状の支持本体部７０Ｃ，７０Ｄが形成されている。一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄに設けられた一対の支持本体部７０Ｃ，７０Ｄに、一対のブレーキパッド２４，２５のうちの他方のブレーキパッド２５が支持される。

　一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄは、ディスク径方向基準線の延在方向において、それぞれのディスク径方向内側の端部が、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄの面３６Ｃｂ，３６Ｄｂのディスク径方向内側の端部よりもディスク径方向内側に位置している。言い換えれば、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄは、ディスク径方向基準線の延在方向において、外周端面３３Ｃｄ，３３Ｄｄの連結ビーム部３７側の端部位置および内周端面３３Ｃｆ，３３Ｄｆの連結ビーム部３７側の端部位置が、面３６Ｃｂ，３６Ｄｂの連結ビーム部３７側の端部位置よりも連結ビーム部３７側に位置している。

　いずれもディスク回入側となる、図１０に示すインナ側パッド支持部３２Ａおよび図８に示すアウタ側パッド支持部３６Ｃには、それぞれの支持本体部７０Ａ，７０Ｃの位置に、図１に示すパッドスプリング２６が取り付けられている。パッドスプリング２６は、図８に示す支持本体部７０Ｃに嵌合する凹状の案内部８１Ｃと、案内部８１Ｃのディスク径方向外側にあって図８に示す面３６Ｃａを覆う外側被覆部８２Ｃと、案内部８１Ｃのディスク径方向内側にあって図８に示す面３６Ｃｂを覆う内側被覆部８３Ｃと、内側被覆部８３Ｃのディスク径方向内側にあってディスク軸方向外側のブレーキパッド２５をディスク径方向外側に向けて付勢する径方向付勢部８４Ｃと、案内部８１Ｃから延出してディスク軸方向外側のブレーキパッド２５をディスク回出側に付勢する回転方向付勢部８５Ｃとを有している。

　パッドスプリング２６は、図示は略すが、図１０に示す支持本体部７０Ａに嵌合する凹状の案内部と、この案内部のディスク径方向外側にあって面３２Ａａを覆う外側被覆部と、この案内部のディスク径方向内側にあって３２Ａｂを覆う内側被覆部と、この内側被覆部のディスク径方向内側にあってディスク軸方向内側のブレーキパッド２４をディスク径方向の外側に向けて付勢する径方向付勢部と、案内部から延出してディスク軸方向内側のブレーキパッド２４をディスク回出側に付勢する回転方向付勢部とを有している。

　図７に示すように、回転方向付勢部８５Ｃは、ディスク回入側のアウタ側パッド支持部３６Ｃのディスク軸方向外側の外側端面３６Ｃｃよりもディスク軸方向外側に突出している。また、回転方向付勢部８５Ｃは、ディスク回入側の外枠構成部５５Ｃの外側端面５５Ｃａよりもディスク軸方向内側に配置されている。パッドスプリング２６は、その全体が、ディスク回入側の外枠構成部５５Ｃの外側端面５５Ｃａよりもディスク軸方向内側に配置されている。言い換えれば、外枠構成部５５Ｃの外側端面５５Ｃａのディスク軸方向における位置が、パッドスプリング２６の回転方向付勢部８５Ｃよりもディスク軸方向外方にある。外枠構成部５５Ｄの外側端面５５Ｄａも、ディスク軸方向における位置が、パッドスプリング２６の回転方向付勢部８５Ｃよりもディスク軸方向外方にある。連結ビーム部３７の外側端面３７ｃも、ディスク軸方向における位置が、パッドスプリング２６の回転方向付勢部８５Ｃよりもディスク軸方向外方にある。

　いずれもディスク回出側となる、図１０に示すインナ側パッド支持部３２Ｂおよび図８に示すアウタ側パッド支持部３６Ｄには、それぞれの支持本体部７０Ｂ，７０Ｄの位置に、図１に示すパッドスプリング２７が取り付けられている。パッドスプリング２７は、図８に示す支持本体部７０Ｄに嵌合する凹状の案内部８１Ｄと、案内部８１Ｄのディスク径方向外側にあって図８に示す面３６Ｄａを覆う外側被覆部８２Ｄと、案内部８１Ｄのディスク径方向内側にあって図８に示す面３６Ｄｂを覆う内側被覆部８３Ｄと、内側被覆部８３Ｄのディスク径方向内側にあってディスク軸方向外側のブレーキパッド２５をディスク径方向の外側に向けて付勢する径方向付勢部８４Ｄとを有している。パッドスプリング２７には、ブレーキパッド２５をディスク回出側に付勢する回転方向付勢部は設けられていない。

　パッドスプリング２７は、図示は略すが、図１０に示す支持本体部７０Ｂに嵌合する凹状の案内部と、この案内部のディスク径方向外側にあって面３２Ｂａを覆う外側被覆部と、案内部のディスク径方向内側にあって面３２Ｂｂを覆う内側被覆部と、この内側被覆部のディスク径方向内側にあってディスク軸方向内側のブレーキパッド２４をディスク径方向の外側に向けて付勢する径方向付勢部とを有している。パッドスプリング２７には、ブレーキパッド２４をディスク回出側に付勢する回転方向付勢部も設けられていない。

　図２に示す一対のブレーキパッド２４，２５は共通部品である。図１に示すように、ディスク軸方向外側のブレーキパッド２５は、パッドスプリング２６，２７を介して取付部材２１に支持される。ブレーキパッド２５は、取付部材２１に支持される裏板９１と、図１に示すディスク１１に接触するライニング９２とを有している。

　図１に示すように、裏板９１は、主板部１０１と、主板部１０１の長手方向の両端部から主板部１０１の長手方向に沿って外側に突出する一対の凸状部１０２Ｃ，１０２Ｄとを有している。主板部１０１に図２に示すライニング９２が貼着される。

　図１に示すように、ディスク軸方向外側のブレーキパッド２５は、その裏板９１の一方の凸状部１０２Ｃが、対応するパッドスプリング２６の案内部８１Ｃを介して一方のアウタ側パッド支持部３６Ｃの支持本体部７０Ｃ内に配置されており、その裏板９１の他方の凸状部１０２Ｄが、対応するパッドスプリング２７の案内部８１Ｄを介して他方のアウタ側パッド支持部３６Ｄの支持本体部７０Ｄ内に配置されている。これにより、ディスク軸方向外側のブレーキパッド２５は、取付部材２１に、ディスク軸方向に移動可能となるように支持されている。

　ディスク軸方向外側のブレーキパッド２５は、その裏板９１の主板部１０１が、それぞれ当接するパッドスプリング２６，２７の径方向付勢部８４Ｃ，８４Ｄでディスク径方向の外側に押圧されている。また、ディスク軸方向外側のブレーキパッド２５は、その裏板９１の凸状部１０２Ｃが、当接するパッドスプリング２６の回転方向付勢部８５Ｃでディスク回出側に付勢されている。ここで、取付部材２１は、支持本体部７０Ｃ，７０Ｄに対しディスク径方向内側に隣接する面３６Ｃｂ，３６Ｄｂで制動時にブレーキパッド２５の主板部１０１から力を受ける。言い換えれば、取付部材２１は、支持本体部７０Ｃ，７０Ｄよりもディスク径方向内側にある面３６Ｃｂ，３６Ｄｂがトルク受け面となっている。面３６Ｄｂが、車両前進時のトルク受け面であり、面３６Ｃｂが、車両後退時のトルク受け面である。

　ディスク軸方向外側のブレーキパッド２５の裏板９１のディスク回入側の凸状部１０２Ｃには、ディスク回入側のアウタ側パッド支持部３６Ｃの外側端面３６Ｃｃに当接して、ブレーキパッド２５にディスク軸方向外方すなわちディスク１１から離間する方向の付勢力を発生させる戻しスプリング１１１が取り付けられている。

　戻しスプリング１１１は、図７に示すようにディスク回入側のアウタ側パッド支持部３６Ｃのディスク軸方向外側の外側端面３６Ｃｃよりもディスク軸方向外側に突出している。また、戻しスプリング１１１は、ディスク回入側の外枠構成部５５Ｃの外側端面５５Ｃａよりもディスク軸方向内側に全体が配置されている。言い換えれば、外枠構成部５５Ｃの外側端面５５Ｃａのディスク軸方向における位置が、戻しスプリング１１１の全体よりもディスク軸方向外方にある。外枠構成部５５Ｄの外側端面５５Ｄａも、ディスク軸方向における位置が、戻しスプリング１１１の全体よりもディスク軸方向外方にある。連結ビーム部３７の外側端面３７ｃも、ディスク軸方向における位置が、戻しスプリング１１１の全体よりもディスク軸方向外方にある。

　ディスク軸方向内側の図２に示すブレーキパッド２４も、同様にして、パッドスプリング２６，２７を介して図１０に示す一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂに、ディスク軸方向に移動可能となるように支持される。よって、取付部材２１は、車両の非回転部に取り付けられると共に、一対のブレーキパッド２４，２５を移動可能に支持する一対のインナ側パッド支持部３２Ａ，３２Ｂおよび一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄを有している。

　図１，図２，図７に示すように、キャリパ２２は、ほぼ鏡面対称の形状となっている。図２に示すように、キャリパ２２は、キャリパボディ１３１と、スライドピン４５と、図示略のピストンとを備えている。

　キャリパボディ１３１は、鋳造により一体成形されている。キャリパボディ１３１は、ディスク１１に対しディスク軸方向内側に配置されるシリンダ部１４１と、シリンダ部１４１のディスク径方向の外側からディスク１１の外周を跨ぐようにディスク軸方向に沿ってディスク軸方向外側に延出するブリッジ部１４２と、ブリッジ部１４２のシリンダ部１４１とは反対側からディスク径方向の内側に延出してディスク１１のディスク軸方向外側に配置される爪部１４３と、シリンダ部１４１からディスク周方向の両側に延出する一対のピン取付部１４４とを有している。シリンダ部１４１には、図示略のピストンを収容するシリンダボアが形成されている。

　キャリパボディ１３１には、ディスク周方向一側のピン取付部１４４にスライドピン４５が取り付けられている。ディスク周方向他側のピン取付部１４４にもスライドピン４５が取り付けられている。図１０に示す一対のピン挿入穴４３Ｃ，４３Ｄに、図２に示すキャリパ２２のディスク周方向両側の一対のスライドピン４５が摺動可能に嵌合する。これにより、キャリパ２２は、取付部材２１にディスク軸方向に摺動可能に支持される。一対のブーツ２３は、それぞれ、対応するスライドピン４５の取付部材２１から突出する部分を被覆する。

　キャリパ２２は、取付部材２１に支持された状態で、図１に示すように、全体として取付部材２１の固定部３１および連結ビーム部３７よりもディスク径方向外側に位置する。また、キャリパ２２は、取付部材２１に支持された状態で、図２に示すように、ブリッジ部１４２および爪部１４３が、ディスク周方向において一対の支持主体部５３Ｃ，５３Ｄの間に配置される。

　図１に示すように、爪部１４３には、ディスク径方向内側の端縁部からディスク径方向外方に凹むリセス１５１が複数、具体的には２カ所設けられている。これらのリセス１５１は、同形状である。リセス１５１は、ディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて、ディスク周方向に並んでいる。一方のリセス１５１は、シリンダ部１４１に図示略の一方のシリンダボアを加工する工具が挿通される部分である。他方のリセス１５１は、シリンダ部１４１に図示略の他方のシリンダボアを加工する工具が挿通される部分である。

　キャリパボディ１３１は、ブリッジ部１４２のディスク径方向外側の端部に、ディスク径方向外側に向く外周端面１４２ａが形成されている。取付部材２１の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄのディスク径方向外側の外周端面３３Ｃｄ，３３Ｄｄと、キャリパ２２のディスク径方向外側の外周端面１４２ａとは、ディスク径方向に段差なく配置されている。

　ブリッジ部１４２のディスク径方向外側の端部には、外周端面１４２ａのディスク軸方向外側に隣り合って面取り１４２ｂが形成されている。面取り１４２ｂは、キャリパ２２のディスク径方向外側の端部のディスク軸方向外側の端部に配置されている。面取り１４２ｂは、ディスク径方向外側かつディスク軸方向外側に向いている。面取り１４２ｂは、ディスク軸方向外側ほどディスク径方向内側に位置するように傾斜している。ブリッジ部１４２の面取り１４２ｂは、取付部材２１の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄの面取り３３Ｃｅ，３３Ｄｅと、ディスク径方向の位置を合わせている。

　ブリッジ部１４２のディスク回入側の端部には、ディスク周方向外側に向く外側面１４２ｃ（ディスク周方向外側面）が形成されている。ブリッジ部１４２のディスク回出側の端部には、ディスク周方向外側に向く外側面１４２ｄ（ディスク周方向外側面）が形成されている。

　取付部材２１は、一対の対向面３３Ｃａ，３３Ｄａのうちの一方の対向面３３Ｃａが、キャリパ２２の一対の外側面１４２ｃ，１４２ｄのうちの外側面１４２ｃに対向している。取付部材２１は、この一方の対向面３３Ｃａを含む一方の外周枠部３３Ｃが、この一方の対向面３３Ｃａから、ディスク１１を跨いでディスク１１を覆うようにディスク周方向に沿ってキャリパ２２から離れる方向に延出している。また、取付部材２１は、一対の対向面３３Ｃａ，３３Ｄａのうちの他方の対向面３３Ｄａが、キャリパ２２の一対の外側面１４２ｃ，１４２ｄのうちの他方の外側面１４２ｄに対向している。取付部材２１は、この他方の対向面３３Ｄａを含む他方の外周枠部３３Ｄが、この他方の対向面３３Ｄａから、ディスク１１を跨いでディスク１１を覆うようにディスク周方向に沿ってキャリパ２２から離れる方向に延出している。

　取付部材２１は、一対の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄが、それぞれ対向面３３Ｃａ，３３Ｄａの対応するものから、ディスク周方向に沿って、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄの制動時にブレーキパッド２５から力を受ける面３６Ｃｂ，３６Ｄｂよりディスク径方向内側となる位置まで延出している。外周枠部３３Ｃが、その対向面３３Ｃａから、ディスク周方向に沿って、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄの面３６Ｃｂ，３６Ｄｂよりディスク径方向内側となる位置まで延出しており、外周枠部３３Ｄが、その対向面３３Ｄａから、ディスク周方向に沿って、一対のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄの面３６Ｃｂ，３６Ｄｂよりディスク径方向内側となる位置まで延出している。

　すなわち、取付部材２１は、ディスク径方向基準線の延在方向において、外周枠部３３Ｃの外周端面３３Ｃｄ、面取り３３Ｃｅおよび内周端面３３Ｃｆのそれぞれのディスク径方向内側の端部が、一対の面３６Ｃｂ，３６Ｄｂのそれぞれのディスク径方向内側の端部（図１，図８に示す一点鎖線Ｘの位置）よりもディスク径方向内側に位置している。また、取付部材２１は、ディスク径方向基準線の延在方向において、外周枠部３３Ｄの外周端面３３Ｄｄ、面取り３３Ｄｅおよび内周端面３３Ｄｆのそれぞれのディスク径方向内側の端部が、一対の面３６Ｃｂ，３６Ｄｂのそれぞれのディスク径方向内側の端部よりもディスク径方向内側に位置している。

　図２に示すように、ブリッジ部１４２には、ディスク径方向に貫通する窓穴１６１が、ディスク軸方向の位置を合わせ、ディスク周方向に離間して複数、具体的には２箇所形成されている。窓穴１６１は、ブリッジ部１４２の外周端面１４２ａにおけるディスク軸方向内側に形成されている。窓穴１６１は、ディスク軸方向両側のブレーキパッド２４，２５の摩耗状態等を外から目視するための穴である。

　ブリッジ部１４２には、外周端面１４２ａからディスク径方向内側に凹む凹部１６２が、ディスク軸方向の位置を合わせ、ディスク周方向に離間して複数、具体的には２箇所形成されている。凹部１６２は窓穴１６１よりもディスク軸方向外側に形成されている。一方の凹部１６２は一方の窓穴１６１とディスク周方向の位置を合わせており、他方の凹部１６２は他方の窓穴１６１とディスク周方向の位置を合わせている。一対の凹部１６２は、キャリパボディ１３１を加工機にセットする際に加工機に支持される部分である。

　キャリパボディ１３１は、爪部１４３のディスク軸方向外側の端部に、ディスク軸方向外側に向く外側端面１４３ａ（ディスク軸方向外側端面）が形成されている。外側端面１４３ａは、キャリパ２２のうちの最もディスク軸方向外側の端部に配置されている。外側端面１４３ａは、ディスク軸方向に対し直交して広がる平面状となっている。

　キャリパ２２の外側端面１４３ａは、最もディスク軸方向外側に位置するとき、取付部材２１の外側端面２１ａとディスク軸方向における位置が一致する。または、外側端面１４３ａは、取付部材２１の外側端面２１ａよりもディスク軸方向内方に位置する。このとき、取付部材２１の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄと連結ビーム部３７とのうち支持主体部５３Ｃ，５３Ｄの外枠を構成する外枠構成部５５Ｃ，５５Ｄは、それぞれの外側端面５５Ｃａ，５５Ｄａのディスク軸方向における位置が、キャリパ２２の外側端面１４３ａと同じ、またはキャリパ２２の外側端面１４３ａよりもディスク軸方向外方にある。また、このとき、取付部材２１の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄは、それぞれの外側端面３３Ｃｈ，３３Ｄｈのディスク軸方向における位置が、キャリパ２２の外側端面１４３ａと同じ、またはキャリパ２２の外側端面１４３ａよりもディスク軸方向外方にある。

　ここで、キャリパ２２の外側端面１４３ａの取付部材２１に対する上記の位置関係は、ディスクブレーキ１０が車両に組み付けられて作動可能な状態にあることが前提である。ディスクブレーキ１０は、この状態で、新品のブレーキパッド２４，２５および新品のディスク１１が用いられたときに、キャリパ２２の外側端面１４３ａが、最もディスク軸方向外側に位置する。キャリパ２２の外側端面１４３ａは、ブレーキパッド２４，２５およびディスク１１が新品で最もディスク軸方向外側に位置するとき、取付部材２１に対して上記の位置関係を満足する。このため、ディスクブレーキ１０が車両に組み付けられて作動可能な状態にあるときは、常に取付部材２１に対して上記の関係を満足する。

　ディスクブレーキ１０には、図示略のブレーキ配管を介して、キャリパ２２のシリンダ部１４１内にブレーキ液が導入される。すると、キャリパ２２は図示略のピストンが、ディスク１１側に前進し、ピストンとディスク１１との間に配置されたディスク軸方向内側のブレーキパッド２４をディスク１１に向かって押圧する。これにより、ディスク軸方向内側のブレーキパッド２４が移動してライニング９２においてディスク１１に接触する。また、この押圧の反力で、キャリパボディ１３１が取付部材２１に対しスライドピン４５をスライドさせてディスク軸方向に移動し、爪部１４３が、爪部１４３とディスク１１との間に配置されたディスク軸方向外側のブレーキパッド２５をディスク１１に向かって押圧する。これにより、ディスク軸方向外側のブレーキパッド２５がライニング９２においてディスク１１に接触する。このようにして、キャリパ２２は、一対のブレーキパッド２４，２５をディスク軸方向両側から挟持してディスク１１の両面に押圧する。その結果、キャリパ２２は、ディスク１１に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させる。キャリパ２２は、フローティング型キャリパであって、フィスト型キャリパである。

　特許文献１に記載のディスクブレーキは、ブレーキパッドを支持する取付部材に、ブレーキパッドをディスクに押圧するキャリパを移動可能に支持する構造となっている。このディスクブレーキは、キャリパが取付部材よりもディスク軸方向外側に突出している。このため、雪が内部に入り易く、雪による影響を受けやすい。

　これに対し、実施形態のディスクブレーキ１０は、取付部材２１が、キャリパ２２のディスク周方向外側の外側面１４２ｃ，１４２ｄと対向する対向面３３Ｃａ，３３Ｄａそれぞれから、ディスク１１を跨いでディスク１１を覆うようにディスク周方向に沿って延出する外周枠部３３Ｃ，３３Ｄと、ディスク軸方向外側のアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄ同士を連結する連結ビーム部３７とを有する。また、取付部材２１には、ディスク軸方向外側に、外周枠部３３Ｃ，３３Ｄおよび連結ビーム部３７を外枠の一部とし且つアウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄを形成する支持主体部５３Ｃ，５３Ｄが設けられている。さらに、外周枠部３３Ｃ，３３Ｄと連結ビーム部３７とのうち支持主体部５３Ｃ，５３Ｄの外枠を構成する外枠構成部５５Ｃ，５５Ｄは、ディスク軸方向外側の外側端面５５Ｃａ，５５Ｄａのディスク軸方向における位置が、キャリパ２２のディスク軸方向外側の外側端面１４３ａと同じまたはキャリパ２２のディスク軸方向外側の外側端面１４３ａよりもディスク軸方向外方にある。これにより、雪がホイール内に進入しても、キャリパ２２やディスク軸方向外側のブレーキパッド２５に付着することを、外枠構成部５５Ｃ，５５Ｄによって抑制することができる。したがって、雪によりブレーキパッド２５が固着することによる動作不良の発生を低減することができる。

　また、外周枠部３３Ｃ，３３Ｄは、対向面３３Ｃａ，３３Ｄａから、ディスク周方向に沿って、アウタ側パッド支持部３６Ｃ，３６Ｄの制動時にブレーキパッド２５から力を受ける面３６Ｃｂ，３６Ｄｂよりディスク径方向内側となる位置まで延出している。このため、外周枠部３３Ｃ，３３Ｄがディスク周方向の広範囲にわたって傘のように覆うことになる。このため、雪がホイール内に進入しても、ディスクブレーキ１０の内部に進入することを効果的に抑制することができる。したがって、雪によりブレーキパッド２５が固着することによる動作不良の発生をさらに低減することができる。

　また、連結ビーム部３７が、ディスク径方向に延在して外周枠部３３Ｃ，３３Ｄに連結されている。このため、雪がホイール内に進入しても、これらの間にあるディスク軸方向外側のブレーキパッド２５に雪が付着することを抑制することができる。したがって、雪による影響をさらに低減することができる。

　また、外枠構成部５５Ｃ，５５Ｄのディスク軸方向外側の外側端面５５Ｃａ，５５Ｄａのディスク軸方向における位置が、パッドスプリング２６のアウタ側パッド支持部３６Ｃからディスク軸方向外方に突出する回転方向付勢部８５Ｃよりもディスク軸方向外方にある。このため、雪がホイール内に進入しても、パッドスプリング２６の回転方向付勢部８５Ｃに対し、雪が凝り固まったり、雪が当たったりすることを抑制することができる。したがって、雪によりパッドスプリング２６が変形したり機能が阻害されたりすることを低減することができる。

　また、取付部材２１の外周枠部３３Ｃ，３３Ｄのディスク径方向外側の外周端面３３Ｃｄ，３３Ｄｄと、キャリパ２２のディスク径方向外側の外周端面１４２ａとは、ディスク径方向に段差なく配置されている。このため、雪は、走行中に空気の流れに乗って外周枠部３３Ｃ，３３Ｄの外周端面３３Ｃｄ，３３Ｄｄからキャリパ２２の外周端面１４２ａに誘導される。よって、取付部材２１とキャリパ２２との隙間に雪が溜まりにくい。したがって、キャリパ２２が雪で固着しフロート（摺動）しにくくなることを回避することができる。

　以上に述べた実施形態の第１の態様のディスクブレーキは、一対のブレーキパッドを移動可能に支持する支持部を有し、車両の非回転部に取り付けられる取付部材と、前記取付部材にディスク軸方向に移動可能に支持されて前記ブレーキパッドをディスクに押圧するキャリパと、を有する。前記取付部材は、前記キャリパのディスク周方向外側面と対向する対向面それぞれから、前記ディスクを跨いで該ディスクを覆うようにディスク周方向に沿って延出する外周枠部と、ディスク軸方向外側の前記支持部同士を連結する連結ビーム部とを有する。ディスク軸方向外側に、前記外周枠部および前記連結ビーム部を外枠の一部とし且つ前記支持部を形成する支持主体部が設けられる。前記外周枠部と前記連結ビーム部とのうち前記支持主体部の前記外枠を構成する外枠構成部は、ディスク軸方向外側端面のディスク軸方向における位置が、前記キャリパのディスク軸方向外側端面と同じまたは前記キャリパのディスク軸方向外側端面よりもディスク軸方向外方にある。これにより、雪による影響を低減することができる。

　第２の態様は、第１の態様において、前記外周枠部は、前記対向面から、ディスク周方向に沿って、前記支持部の制動時に前記ブレーキパッドから力を受ける面よりディスク径方向内側となる位置まで延出している。

　第３の態様は、第１または第２の態様において、前記連結ビーム部は、ディスク径方向に延在して前記外周枠部に連結されている。

　１０　　ディスクブレーキ
　１１　　ディスク
　２１　　取付部材
　２２　　キャリパ
　２４，２５　　ブレーキパッド
　３２Ａ，３２Ｂ　　インナ側パッド支持部（支持部）
　３３Ｃ，３３Ｄ　　外周枠部
　３３Ｃａ，３３Ｄａ　　対向面
　３６Ｃ，３６Ｄ　　アウタ側パッド支持部（支持部）
　３７　　連結ビーム部
　５３Ｃ，５３Ｄ　　支持主体部
　５５Ｃ，５５Ｄ　　外枠構成部
　５５Ｃａ，５５Ｄａ　　外側端面（ディスク軸方向外側端面）
　３６Ｃｂ，３６Ｄｂ　　面
　７０Ｃ，７０Ｄ　　支持本体部
　１４２ｃ，１４２ｄ　　外側面（ディスク周方向外側面）
　１４３ａ　　外側端面（ディスク軸方向外側端面）

Claims

　一対のブレーキパッドを移動可能に支持する支持部を有し、車両の非回転部に取り付けられる取付部材と、
　前記取付部材にディスク軸方向に移動可能に支持されて前記ブレーキパッドをディスクに押圧するキャリパと、
　を有するディスクブレーキであって、
　前記取付部材は、
　前記キャリパのディスク周方向外側面と対向する対向面それぞれから、前記ディスクを跨いで該ディスクを覆うようにディスク周方向に沿って延出する外周枠部と、
　ディスク軸方向外側の前記支持部同士を連結する連結ビーム部と、
　を有し、
　ディスク軸方向外側に、前記外周枠部および前記連結ビーム部を外枠の一部とし且つ前記支持部を形成する支持主体部が設けられ、
　前記外周枠部と前記連結ビーム部とのうち前記支持主体部の前記外枠を構成する外枠構成部は、ディスク軸方向外側端面のディスク軸方向における位置が、前記キャリパのディスク軸方向外側端面と同じまたは前記キャリパのディスク軸方向外側端面よりもディスク軸方向外方にある
　ディスクブレーキ。
　前記外周枠部は、前記対向面から、ディスク周方向に沿って、前記支持部の制動時に前記ブレーキパッドから力を受ける面よりディスク径方向内側となる位置まで延出している
　請求項１に記載のディスクブレーキ。
　前記連結ビーム部は、ディスク径方向に延在して前記外周枠部に連結されている
　請求項１または２に記載のディスクブレーキ。