WO2021085342A1

WO2021085342A1 - 開閉体のロック装置

Info

Publication number: WO2021085342A1
Application number: PCT/JP2020/039989
Authority: WO
Inventors: 正衡趙; 鍾郁韓
Original assignee: 株式会社パイオラックス
Priority date: 2019-10-30
Filing date: 2020-10-23
Publication date: 2021-05-06
Also published as: KR102603073B1; KR20210051153A

Abstract

ロック部から係合解除されたロック部材が、再びロック部に係合する際に生じる、打音を効果的に抑制することができる、開閉体のロック装置を提供する。このロック装置１０は、ロック部と、ベース部材２０と、回転部材５０とロック部材７０，７０Ａと、弾性材料からなるクッション１００とを有し、回転部材５０は、回転部５１と、回転部外周から突出した突出部６５とを有しており、突出部６５の突出方向先端には、摺接部６６と、ストッパ部６８とを有し、回転部材５０の回転時に、摺接部６６がクッション１００に摺接した後、ストッパ部６８がクッション１００に当接して、回転部材５０が回転規制される。

Description

開閉体のロック装置

　本発明は、固定体の開口部に開閉可能に取付けられる開閉体を、閉じた状態にロックするための、開閉体のロック装置に関する。

　例えば、自動車のグローブボックス等の固定体に形成された開口部には、リッド等の開閉体が開閉可能に取付けられている。そして、開口部と開閉体との間には、開閉体を閉じたときにロックすると共に、開閉体を開くときにはロックを解除できるようにしたロック装置が設けられている。

　例えば、下記特許文献１には、開閉部材に固定されるベース部材と、ベース部材に支持される操作部材と、ベース部材に回転可能に支持され、操作部材の操作に応じて回転する回転部材と、基端部が回転部材に連結され、先端部が第１ロック孔に進退する第１ロッド、及び、基端部が回転部材に連結され、先端部が第２ロック孔に進退する第２ロッドの、一対のロック部材とを備えた、ロック装置が記載されている。なお、前記回転部材は、第１バネにより回転付勢されており、この回転部材を介して、両ロック部材の先端部がロック孔に係合する方向に付勢されている。また、操作部材とベース部材との間には、第２バネが介装されており、操作部材を閉じる方向に付勢している。更に、ベース部材には、ゴム材料で形成されたクッションが固定されている。

　そして、両ロック部材を両ロック孔から係合解除する際には、操作部材を操作して、第１バネの付勢力に抗して回転部材を回転させる。その後、操作部材から手を離すと、回転部材が第１バネにより回転付勢されると共に、操作部材が第２バネによって閉じる方向に付勢される。この際、クッションが操作部材の所定箇所に当接することによって、打音が抑制されるようになっている。

国際公開ＷＯ２０１７／０７８１２１号

　上記特許文献１のロック装置においては、両ロック孔から係合解除された両ロック部材が、再度ロック部に係合する際に、回転部材によって、両ロック部材がロック孔係合方向へ付勢されるので、この際に打音が生じる。なお、ベース部材には、ゴム材料からなるクッションが固定されているものの、このクッションは操作部材に当接するだけなので、ロック部材の上記動作による打音（回転部材によりロック部材がロック孔係合方向へ付勢される際の打音）を抑制できない。

　したがって、本発明の目的は、ロック部から係合解除されたロック部材が、再びロック部に係合する際に生じる、打音を効果的に抑制することができる、開閉体のロック装置を提供することにある。

　上記目的を達成するため、本発明は、固定体の開口部に開閉可能に取付けられる開閉体のロック装置であって、前記固定体の開口部又は前記開閉体に設けられたロック部と、前記固定体又は前記開閉体に固定され、回転支持部及びクッション装着部を有するベース部材と、前記回転支持部に回転可能に取付けられ、付勢部材を介して所定方向に回転付勢された回転部材と、前記回転部材に連結されて、前記ロック部に係脱するロック部材と、弾性材料からなり、前記クッション装着部に装着されるクッションとを有し、前記回転部材は、前記回転支持部に回転可能に支持される回転部と、該回転部の外周から突出した突出部とを有しており、前記突出部の突出方向先端には、摺接部と、該摺接部に対して前記回転部材の回転付勢方向とは反対側に配置されるストッパ部とを有し、前記回転部材の回転時に、前記摺接部が前記クッションに摺接した後、前記ストッパ部が前記クッションに当接して、前記回転部材が回転規制されることを特徴とする。

　本発明によれば、ロック部から係合解除されたロック部材が、再び、ロック部に係合する際に、回転部材の突出部がクッションに当接する。このとき、突出部の摺接部が、クッションに摺接した後、ストッパ部がクッションに当接するので、回転部材からの衝撃力を、いわば２段階の衝撃吸収作用（ダンパー作用）により、クッションで受け止めることになるため、回転部材の回転に伴う打音を効果的に抑制することができる。

本発明に係る開閉体のロック装置の、一実施形態を示す分解斜視図である。同ロック装置において、ベース部材に回転部材や一対のロック部材を組付けた状態の斜視図である。同ロック装置を構成するベース部材を示しており、（ａ）はその拡大斜視図、（ｂ）は（ａ）とは異なる方向から見た場合の拡大斜視図である。同ロック装置を構成するベース部材を示しており、（ａ）は平面図、（ｂ）は底面図である。同ロック装置を構成するロック部材を示しており、図１とは異なる方向から見た場合の拡大斜視図である。同ロック装置を構成する回転部材を示しており、（ａ）はその拡大斜視図、（ｂ）は（ａ）とは異なる方向から見た場合の拡大斜視図である。同ロック装置を構成する回転部材の平面図である。同ロック装置を構成するクッションを示しており、（ａ）はその拡大斜視図、（ｂ）は（ａ）とは異なる方向から見た場合の拡大斜視図である。同ロック装置において、ベース部材に、回転部材やクッションを組付けた状態の、拡大斜視図である。図１５のＥ－Ｅ矢示線における断面図である。同ロック装置において、ベース部材に装着されたクッションを示しており、（ａ）はその要部拡大斜視図、（ｂ）は（ａ）のＤ－Ｄ矢示線における断面図である。同ロック装置において、回転付勢された回転部材の突出部がクッションに当接する際の状態を示しており、（ａ）は摺接部がクッションに摺接した状態の説明図、（ｂ）はストッパ部がクッションに当接した状態の説明図である。同ロック装置において、回転付勢された回転部材の突出部がクッションに当接する際の状態を示しており、（ａ）はその第１工程の説明図、（ｂ）は第２工程の説明図、（ｃ）は第３工程の説明図である。同ロック装置において、回転付勢された回転部材の突出部がクッションに当接する際の状態を示しており、（ａ）はその第４工程の説明図、（ｂ）は第５工程の説明図である。同ロック装置において、開閉体を閉じた状態にロックした場合の、説明図である。同ロック装置において、開閉体のロック状態を解除した場合の、説明図である。

　以下、図面を参照して、本発明に係る開閉体のロック装置の、一実施形態について説明する。

　図１５や図１６に示すように、この実施形態における開閉体のロック装置１０（以下、「ロック装置１０」という）は、例えば、車両のインストルメントパネル等の固定体１の開口部２に開閉可能に取付けられる、グローブボックス等の開閉体５を、閉じた状態にロックするために用いられるものである。

　図１に示すように、この実施形態のロック装置１０は、固定体１の開口部２（図１５参照）に設けられた一対のロック部３，３と、開閉体５の裏側に取付けられるベース部材２０と、ベース部材２０に回転可能に取付けられ、第１付勢部材６（本発明における「付勢部材」をなす）を介して所定方向（図１２の回転付勢方向Ａ参照）に回転付勢された回転部材５０と、この回転部材５０に連結され、ロック部３，３に係脱する一対のロック部材７０，７０Ａと、開閉体５の図示しない取付孔に回動可能に取付けられ、把持部９１を開閉体５に対して近接離反することで、一対のロック部材７０，７０Ａをスライド操作する操作部材９０と、前記ベース部材２０に装着されるクッション１００とを有している。なお、図６や図７に示すように、回転部材５０には突出部６５が形成されており、更にこの突出部６５は、摺接部６６とストッパ部６８とを有している（回転部材５０については、後で詳述する）。

　なお、開閉体のロック装置としては、上述したように、例えば、インストルメントパネルの開口部に箱状のグローブボックスが回動可能に取付けられた構造に適用したり（この場合、インストルメントパネルが「固定体」、グローブボックスが「開閉体」をなす）、或いは、インストルメントパネルの開口部にリッドが開閉可能に取付けられた構造（この場合、インストルメントパネルが「固定体」、リッドが「開閉体」をなす）に適用したりしてもよく、固定体の開口部を開閉する各種の開閉体に広く用いることができる。

　また、図１５や図１６に示すように、この実施形態では、固定体１の開口部２の幅方向の両側に、孔状をなした一対のロック部３，３が設けられている。なお、ロック部は、孔状でなくとも、凹状や、突起状、枠状等であってもよく、また、ロック部は固定体ではなく、開閉体に設けてもよく、特に限定はされない。

　また、この実施形態においては、ロック部材７０，７０Ａは開閉体５にスライド可能に配置され、ロック部３が固定体１の開口部２側に形成されているが、これとは反対に、ロック部材を固定体側にスライド可能に配置し、ロック部を開閉体側に設けてもよい。

　次に、ベース部材２０について説明する。

　図３や図４に示すように、この実施形態のベース部材２０は、回転部材５０を回転可能に支持する回転支持部２７と、一対のロック部材７０，７０Ａをスライド可能に支持するスライド支持部３５，３５とを有している。なお、ベース部材２０は、その表側に一対のロック部材７０，７０Ａをスライド支持できると共に（図１５，１６参照）、裏側においても一対のロック部材をスライド支持できる構成となっている。

　また、ベース部材における「表側」とは、回転部材が配置される側を意味する（「表面側」も同様の意味である）。更に、ベース部材における「裏側」とは、回転部材の配置側とは反対側を意味する（「裏面側」も同様の意味である）。

　また、ベース部材以外の部材（開閉体５や、回転部材５０、ロック部材７０，７０Ａ，操作部材９０、クッション１００等）における「表側」や「表面側」とは、車両等の固定体の開口部から、開閉体が開く方向に位置する側や、車両の内部空間側（乗員に向く側）を意味する。同様に、ベース部材以外の部材における「裏側」や「裏面側」とは、上記の「表側」や「表面側」とは反対側、すなわち、開閉体が閉じる方向に位置する側を意味する。

　より具体的にベース部材２０の構造について説明すると、このベース部材２０は、一方向に長く延びる基部２１と、この基部２１の長手方向両側部に、互いに平行に配置された一対の側壁２２，２３とを有している。また、基部２１の長方向両方両端部であって、その幅方向（長手方向に直交する方向）の中央部には、一対の取付部２４，２５がそれぞれ設けられている。ベース部材２０は、これらの取付部２４，２５を介して、開閉体５の裏側にボルト等によって固定されるようになっている。

　前記基部２１の長手方向中央は、略円形凹状をなすように凹んだ形状となっており、その底部２６からは、略円柱状をなした回転支持部２７が所定高さで突出している（図１０参照）。また、回転支持部２７の先端外周からは、抜け止め突起２７ａが突設されている（図３（ａ）参照）。更に図３（ａ）や図４（ａ）に示すように、回転支持部２７の外側には、円弧状をなした一対のガイドリブ２８，２８が突設されており、ガイドリブ２８の外側には、スリット２９ａを介して撓み可能な回転規制爪２９が形成されている。

　また、図３や図４に示すように、基部２１の表面側及び裏面側には、複数のガイド壁３０が設けられている。これらのガイド壁３０は、ベース部材２０の表側や裏側に、一対のロック部材が配置されたときに、一対の側壁２２，２３と相俟って、そのスライドガイドを図る。

　更に図３や図４に示すように、ベース部材２０の表側や裏側における一対の側壁２２，２３の内面や、ガイド壁３０の外面からは、複数の誤組付け防止突部３３が設けられている。これらの複数の誤組付け防止突部３３は、ロック部材７０，７０Ａに設けた複数の切欠き部７４ａ（図５参照）と相まって、ベース部材２０の表側又は裏側の所定位置に、所定の一対のロック部材７０，７０Ａを組付ける際に、誤組付けを防止するものとなっている。なお、これらの複数の誤組付け防止突部３３は、図１０に示すように、ロック部材７０，７０Ａの、後述する基部７１を構成する延出壁７４の一端面側に配置され、ベース部材２０に対して一対のロック部材７０，７０Ａを抜け止め保持すると共に、スライドガイドの一助をなしている。

　また、図３や図４に示すように、基部２１には、一対の側壁２２，２３と、ベース部材裏側の一対のガイド壁３２，３２との間に、各ロック部材７０，７０Ａの突起８０（図５参照）が挿入されるスリットからなる、スライド支持部３５，３５がそれぞれ形成されている。

　そして、このロック装置１０におけるベース部材２０には、クッション装着孔４０が形成されており、図１１（ｂ）に示すように、このクッション装着孔４０には、弾性材料からなるクッション１００が装着されるようになっている。

　これに関連して、クッション１００について説明する。図８（ａ），（ｂ）に示すように、この実施形態のクッション１００は、基部１０１と、この基部１０１に連設すると共に、基部１０１よりも縮径した円柱状をなした縮径部１０３と、この縮径部１０３に連設すると共に、縮径部１０３よりも拡径した頭部１０５とから形成されている。前記基部１０１の、頭部１０５とは反対側の部分には、先細突起状をなした挿入部１０１ａが設けられている。また、頭部１０５の外周１０５ａは、クッション１００の軸方向基端側から先端側に向けて次第に縮径した傾斜面状をなしており、頭部全体として略台形状をなしている。更に、頭部１０５の、摺接部６６及びストッパ部６８よりも、軸方向において基部側の部分（摺接部６６及びストッパ部６８の厚さ方向の表面よりも裏面側の部分）が、基部側部分１０５ｂをなしている。

　なお、クッション１００を形成する弾性材料としては、例えば、ブチルゴム（イソブチエン・イソプレンゴム：ＩＩＲ）、ニトリルゴム（ＮＢＲ）、エチレンプロピレンゴム（ＥＰＭ，ＥＰＤＭ）、ブタジエンゴム（ＢＲ）、ウレタン系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、アクリル系ゴム等のゴム材料や、熱可塑性の弾性エラストマー、などを好ましく用いることができる。特に、反発弾性が低い（衝撃吸収能が大きい）、弾性材料を用いることが好ましい。

　また、図１１（ｂ）に示すように、クッション１００は、回転部材５０の突出部６５を構成する摺接部６６やストッパ部６８の表面よりも、高くなるように突出している。具体的には、クッション１００がクッション装着孔４０に装着された状態で、その頭部１０５の軸方向高さが、回転部材５０の摺接部６６やストッパ部６８の表面（厚さ方向の一端面）よりも、高くなるように突出している。

　前記クッション装着孔４０の説明に戻ると、このクッション装着孔４０は、図３や図４に示すように、基部２１の長手方向他端部側の、取付部２５よりもやや内側で、かつ、その幅方向中央部に形成されており、基部２１を貫通する円形孔状をなしている。

　また、図１１（ｂ）に示すように、ベース部材２０には、クッション１００の、摺接部６６及びストッパ部６８よりも、基部側の部分（頭部１０５の基部側部分１０５ｂ）を囲む、クッション支持部４１が設けられている。このクッション支持部４１は、クッション装着孔４０の表側周縁であって、基部２１の表面よりも一段低い円形の凹状をなしており、その内径は、クッション装着孔４０の内径よりも大きく形成されている。このクッション支持部４１内に、頭部１０５の基部側部分１０５ｂが挿入されることで、同基部側部分１１０ａがクッション支持部４１によって囲まれるようになっている（図１１（ｂ）参照）。

　更に図９に示すように、ベース部材２０には、クッション１００の、回転部材５０の突出部６５の、摺接部６６に摺接する部分、及び、ストッパ部６８が当接する部分とは、径方向の反対側の箇所に、クッション受け部４３が設けられている。

　この実施形態においては、図３（ａ）や図９に示すように、基部２１の長手方向他端部側の表面側であって、クッション装着孔４０やクッション支持部４１の径方向外側に、略円弧状の壁部をなしたクッション受け部４３が突設されている。また、このクッション受け部４３は、図１２に示すように、ベース部材２０の長手方向一端側が開口しており、第１付勢部材６を介して、回転付勢方向Ａ方向に回転付勢された回転部材５０の突出部６５を、受入れ可能となっている。

　次に、ロック部材７０，７０Ａについて説明する。

　図１及び図５に示すように、この実施形態におけるロック部材７０は、所定長さで延びる基部７１を有しており、その延出方向の先端に、前記ロック部３に係脱する係合部７３が設けられた、真っすぐに延びるロッド状をなしている。一方、ロック部材７０Ａは、基部７１及び係合部７３のほか、基部７１の延出方向先端から直角に屈曲して設けられた屈曲部７２を有しており、この屈曲部７２の先端から前記係合部７３が延びており、ロック部材７０Ａ全体として略クランクロッド状をなしている。なお、ロック部材７０，７０Ａは、第１付勢部材６を介して回転付勢方向Ａ方向に向けて回転付勢される回転部材５０に、突起８０によって連結される関係上、図１５の矢印Ｂに示すように、係合部７３，７３がロック部３，３に向けて付勢されるようになっている。

　また、基部７１は、長板状に延びる一対の延出壁７４，７５と、それらを連結する連結壁７６とからなり、断面Ｈ字状をなしている。更に、前記屈曲部７２には、操作部材９０の操作ノブ９３（図１参照）が挿入される、枠状をなしたノブ挿入部７２ａが設けられている。

　これに関連して操作部材９０について説明する。図１（ａ），（ｂ）に示すように、この実施形態の操作部材９０は、略横長板状をなした把持部９１と、把持部９１の裏側の長手方向一端側に設けられ、開閉体５の図示しない取付孔周縁部に回動可能に取付けられる、回動取付部９２と、把持部９１の裏側であって、前記回動取付部９２に隣接した位置から突出した操作ノブ９３と、把持部９１の裏側であって、前記操作ノブ９３に隣接した位置から突出し、開閉体５の取付孔周縁に係止して抜け止め保持する、一対の抜け止め爪９４，９４とから構成されている。この操作部材９０は、開閉体５に対して把持部９１が近接離反可能となっている。また、操作部材９０には、第２付勢部材９が装着されており、開閉体５に対して把持部９１の長手方向他端部が、常時近接する方向に付勢されている。

　そして、操作部材９０の把持部９１の長手方向他端部を、開閉体５から離反させると、操作ノブ９３がロック部材７０Ａの係合部７３をロック部３から離反する方向にスライドさせるようになっている（図１６参照）。これに連動してロック部材７０も、回転部材５０を介して、係合部７３をロック部３から離反する方向にスライドする。

　ロック部材７０，７０Ａの説明に戻ると、基部７１の延出方向先端側には、略長方形の枠状をなしたガイド枠７７が設けられており、このガイド枠７７の内周からは、複数の弾性ガイド片７７ａが延設されている。これらの弾性ガイド片７７ａが、開閉体５に設けた図示しないガイド突部の外周に弾接して、ロック部材７０，７０Ａのスライドガイドを構成する。

　また、各ロック部材７０，７０Ａの基部７１を構成する延出壁７４には、ベース部材２０に対してロック部材７０，７０Ａをスライド配置するときに、ベース部材２０に設けた誤組付け防止突部３３が挿通される、複数の切欠き部７４ａがそれぞれ設けられている。

　更に、各ロック部材７０，７０Ａには、回転部材５０との連結用の突起８０がそれぞれ突設されている。図５に示すように、この実施形態の突起８０は、ロック部材７０，７０Ａの基部７１を構成する延出壁７４の表側であって、一方の切欠き部７４ａに近接した位置から突設されている。

　各突起８０は、前記位置から突設した略円柱状をなしていると共に、複数の切欠き溝８１，８２によって、軸方向中間部に細径部８４が形成されており、この細径部８４に連設した軸方向先端部に、細径部８４よりも拡径した、抜け止め部８５が設けられている。また、図１０に示すように、突起８０の抜け止め部８５は、スライド支持部３５の裏側に対向配置されて、スライド支持部３５からの突起８０の抜け止めがなされるようになっている。

　次に、回転部材５０について説明する。

　図６及び図７に示すように、この回転部材５０は、前記回転支持部２７に回転可能に支持される回転部５１と、この回転部５１の外周から突出した突出部６５とを有している。

　前記回転部５１は、略円板状をなした基板５２と、該基板５２の径方向内側から立設した略円筒状をなした筒状壁５３と、該筒状壁５３の立設方向先端に設けられた天井壁５４とを有している。この天井壁５４の中央には、略鍵穴状をなした取付孔５４ａが形成されている。この取付孔５４ａには、ベース部材２０の回転支持部２７が挿通可能とされており、また、回転支持部２７の抜け止め突起２７ａが、取付孔５４ａの表側に配置された状態では、ベース部材２０に対して回転部材５０が抜け止め保持されるようになっている（図９参照）。

　更に図６（ｂ）に示すように、筒状壁５３の裏側周縁部からは、円弧状をなした一対のガイドリブ５５，５６が突設されている。図１０に示すように、これらのガイドリブ５５，５６は、ベース部材２０に設けた一対のガイドリブ２８，２８の外側に配置されて、ベース部材２０に対して、回転部材５０を回転ガイドするようになっている。なお、幅狭のガイドリブ５６は、その周方向一端が、回転支持部２７に回転部材５０が回転支持された後の、ベース部材２０側の回転規制爪２９に対向配置され、回転部材５０を回転規制する。

　また、図１２（ａ）に示すように、回転部材５０は第１付勢部材６を介して、所定の回転付勢方向Ａに向けて回転付勢されている。この第１付勢部材６は、図１に示すように、第１付勢部材６は、いわゆるトーションバネとなっており、巻回部６ａと、該巻回部６ａから延出した一対の腕部６ｂ，６ｂとから構成されている。そして、一方の腕部６ａがベース部材２０側に係止され、他方の腕部６ｂが回転部材５０側に係止されている。この第１付勢部材６が、回転部材５０を回転付勢方向Ａ方向に向けて回転付勢することで、回転部材５０に連結される一対のロック部材７０，７０Ａの係合部７３，７３を、ロック部３，３に係合する方向に付勢するが（図１５の矢印Ｂ参照）、この付勢部材としては、例えば、ロック部材の一方をロック部側に向けて引っ張る「引きばね」等であってよく、ロック部材をロック部に係合する方向に付勢可能であればよい。

　また、回転部５１の外周からは、一組の第１突出壁部５８及び第２突出壁部５９と、もう一組の第１突出壁部６０及び第２突出壁部６１とが外径方向に延出している。更に、第１突出壁部５８と第２突出壁部５９との間、及び、第１突出壁部６０と第２突出壁部６１との間には、ロック部材７０，７０Ａの突起８０を受入れる突起受入れ部６３，６４が設けられている。なお、第１突出壁部５８，６０は、回転部材５０の回転付勢方向Ａ側に位置し、第２突出壁部５９，６１は、回転部材５０の回転付勢方向Ａとは反対側に位置している。

　そして、前記突起受入れ部６３，６４内に、ロック部材７０，７０Ａの各突起８０がそれぞれ挿入されて、第１突出壁部５８及び第２突出壁部５９により挟持されると共に、第１突出壁部６０及び第２突出壁部６１により挟持されることで、回転部材５０に、一対のロック部材７０，７０Ａが連結されるようになっている。

　前記突出部６５の説明に戻ると、図７に示すように、この突出部６５は、回転部５１の基板５２の外周であって、第１突出壁部５８と第２突出壁部６１との間から、外径方向に向けて突出している。

　また、この突出部６５の突出方向先端には、摺接部６６と、該摺接部６６に対して回転部材５０の回転付勢方向Ａとは反対側に配置されるストッパ部６８とを有している。この実施形態では、回転部材５０の回転付勢方向Ａの先端側に、摺接部６６が配置されている。

　更に図７に示すように、回転部材５０の回転軸方向から見たとき、摺接部６６は、回転部材５０の回転付勢方向Ａの先端側に円弧状面６６ａを有しており、摺接部６６からストッパ部６８に至る部分には、円弧状面６６ａに対して凹状に湾曲した湾曲面６７が設けられている。

　より具体的に説明すると、図７や図１３に示すように、摺接部６６の、回転部材５０の回転付勢方向Ａの先端側に位置する外周角部に、所定の曲率半径で形成され、外側に凸状をなす円弧状を呈する円弧状面６６ａが設けられている。また、円弧状面６６ａの、回転付勢方向Ａとは反対側の端部からは、所定長さで直線状に延びる直線状面６６ｂが形成されている。更に、直線状面６６ｂの、回転付勢方向Ａとは反対側の端部から、所定の曲率半径で、前記円弧状面６６ａに対して凹状をなして、湾曲して延びる湾曲面６７が形成されており、この湾曲面６７の、回転付勢方向Ａとは反対側の端部が、前記ストッパ部６８に連結されている。すなわち、突出部６５の突出方向先端の外周面には、回転付勢方向Ａの先端側から回転付勢方向Ａとは反対側に向けて順に、摺接部６６の円弧状面６６ａ、摺接部６６の直線状面６６ｂ、湾曲面６７、ストッパ部６８が設けられている（図７参照）。

　また、前記湾曲面６７は、凹状に湾曲した外周面の全部が、クッション１００の頭部１０５の外周に当接するように、その曲率半径が設定されている。更に図１３や図１４に示すように、前記ストッパ部６８は、その先端が、回転部材５０の回転時に、ベース部材２０に設けたクッション受け部４３には干渉しないようになっている。また、図１１（ｂ）に示すように、突出部６５の突出端面６５Ａ（摺接部６６の円弧状面６６ａ，直線状面６６ｂ、湾曲面６７、ストッパ部６８の周面をなす面）は、クッション１００の頭部１０５の外周１０５ａに適合するように、回転部材の表面側から裏面側に向けて、次第に突出量が小さくなる逆テーパ面状をなしており、クッション外周面に対する突出部６５の接触面積をなるべく大きく確保できるようになっている。

　なお、この実施形態における突出部６５は、円弧状面６６ａや、直線状面６６ｂ、湾曲面６７を有しているが、これらの面はなくてもよく、少なくとも摺接部及びストッパ部があればよい。

　そして、このロック装置１０においては、図１２（ａ）に示すように、回転部材５０の回転時に、摺接部６６がクッション１００に摺接した後、図１２（ｂ）に示すように、ストッパ部６８がクッション１００に当接して、回転部材５０が回転規制されるように構成されている。すなわち、回転部材５０の回転時に、摺接部６６がクッション１００に摺接すると共に（図１２（ａ）参照）、この摺接部６６がクッション１００に摺接した状態で、更にストッパ部６８がクッション１００に当接して（図１２（ｂ）参照）、回転部材５０が回転規制されるように構成されている。

　なお、以上説明した各部材（ベース部材、回転部材、ロック部材、操作部材、クッション等）は、上記形状に限定されるものではなく、ロック装置の配置箇所等に応じて適宜変更することができる。また、ロック部材としては、一対のものではなく、一個だけであってもよい。

　次に、上記構成からなるロック装置１０の作用効果について説明する。

　まず、ロック装置１０の組立て手順について説明する。初めに、クッション装着孔４０にクッション１００を装着する。すなわち、クッション装着孔４０の表側開口から、基部１０１の挿入部１０１ａを弾性変形させつつ挿入して、同挿入部１０１ａをクッション装着孔４０の裏側から抜き出す。すると、クッション装着孔４０に縮径部１０３が挿入されて、クッション装着孔４０の裏側周縁に基部１０１が係合すると共に、クッション装着孔４０の表側に頭部１０５の基部側部分１０５ｂが当接するので、図１１（ｂ）に示すように、クッション装着孔４０が基部１０１及び頭部１０５により挟持されて、クッション装着孔４０にクッション１００を装着することができる。

　次いで、ベース部材２０の回転支持部２７の周縁に、第１付勢部材６を配置した後、回転部材５０の鍵穴状をなした取付孔５４ａに、回転支持部２７の抜け止め突起２７ａを整合させて挿通させ、抜け止め突起２７ａを回転部材５０の天井壁５４の表側に配置する。その後、ベース部材２０の回転規制爪２９を撓ませつつ回転部材５０を回転させ、回転規制爪２９をガイドリブ５６が乗り越えるまで回転部材５０を回転させることで、ベース部材２０に対して回転部材５０が抜け止め及び逆回転が防止された状態で、回転支持部２７に回転部材５０を回転可能に組付けることができる。次いで、回転部材５０の突起受入れ部６３，６４内に、ロック部材７０，７０Ａの各突起８０を挿入することで、ベース部材２０の表側において、回転部材５０に対して一対のロック部材７０，７０Ａを連結することができる。

　そして、このロック装置１０においては、固定体１の開口部２から開閉体５が開いた状態から開閉体５を閉じて、一対のロック部材７０，７０Ａの係合部７３，７３が、固定体１のロック部３，３に係合することで、開閉体５が閉じた状態にロックされる（図１５参照）。

　この状態から、操作部材９０の把持部９１の長手方向他端部を、第２付勢部材９の付勢力に抗して、開閉体５から離反する方向に回動させると、図１６に示すように、ロック部材７０Ａの係合部７３を、第１付勢部材６により回転付勢された回転部材５０の回転付勢力に抗して、ロック部３から係合しない方向に引き込むと共に、それと連動して回転部材５０を介して、ロック部材７０の係合部７３を、ロック部３から係合しない方向に引き込むので、開閉体５のロック状態を解除して、固定体１の開口部２から開閉体５を開くことができる。

　その後、操作部材９０の把持部９１から手を離すと、把持部９１が、第２付勢部材９の付勢力により開閉体５に近接すると共に、回転部材５０が、第１付勢部材６によって、回転付勢方向Ａ方向に向けて再度回転付勢されて、図１２（ａ）に示すように、回転部材５０の摺接部６６がクッション１００に摺接した後、図１２（ｂ）に示すように、ストッパ部６８がクッション１００に当接する。この状態では、ロック部材７０，７０Ａは、第１付勢部材６により回転付勢される回転部材５０を介して、係合部７３，７３がロック部３，３に向けて付勢される。

　その後、固定体１の開口部２に対して開閉体５を閉じようとすると、一対のロック部材７０，７０Ａの突出した係合部７３，７３が、固定体１の開口部２の周縁に当接して、一対のロック部材７０，７０Ａが付勢力に抗して強制的に引込まれていき、係合部７３，７３がロック部３，３の位置に達すると、係合部７３，７３が再び突出してロック部３，３に係合する。この場合には、ロック部材７０，７０Ａの引込み動作に伴って、回転部材５０が回転付勢方向Ａと反対方向に回転して、ストッパ部６８がクッション１００から離れた後、再度ストッパ部６８がクッション１００が当接することになるが、この際にも、上述した操作部材９０の把持部９１から手を離した場合と同様に、図１２（ａ）に示すように、回転部材５０の摺接部６６がクッション１００に摺接した後、図１２（ｂ）に示すように、ストッパ部６８がクッション１００に当接するようになっている。

　次に、上述したような、回転部材５０の摺接部６６がクッション１００に摺接した後、ストッパ部６８がクッション１０に当接する動作について、図１３及び図１４を併せて参照して詳細に説明する。すなわち、第１付勢部材６により回転付勢方向Ａ側に回転付勢された回転部材５０は、まず、摺接部６６の円弧状面６６ａが、クッション１００の頭部１０５の外周に摺接した後（図１３（ａ）参照）、図１３（ｂ）に示すように、摺接部６６の直線状面６６ｂの所定範囲が、頭部１０５の外周に当接する。更に回転部材５０が回転すると、図１３（ｃ）に示すように、摺接部６６の直線状面６６ｂのほぼ全部が、頭部１０５の外周に当接するので、摺接部６６によって回転部材５０からの衝撃力が吸収される（１段階目の衝撃吸収作用）。

　上記のように、摺接部６６が頭部１０５に摺接した後、その状態を維持しつつ、今度は湾曲面６７が頭部１０５の外周に徐々に当接していき、図１４（ａ）に示すように、湾曲面６７の全周が頭部１０５の外周に当接する。すると、頭部１０５を押し潰すようにやや弾性変形させながら、ストッパ部６８が頭部１０５に当接するので、ストッパ部６８によって回転部材５０からの衝撃力が吸収される（２段階目の衝撃吸収作用）。その後、図１４（ｂ）に示すように、湾曲面６７やストッパ部６８が、頭部１０５を更に押し潰すように弾性変形させて、回転部材５０からの衝撃力を更に吸収すると共に、回転部材５０の回転付勢方向Ａ方向側へのそれ以上の回転が規制されて、回転部材５０が停止する。

　また、図１４（ａ），（ｂ）に示すように、摺接部６６がクッション１００に摺接した後、ストッパ部６８がクッション１００に当接すると、突出部６５からの衝撃力によって、クッション１００の頭部１０５が矢印Ｆ方向に押圧されることになるが、頭部１０５の外側に設けたクッション受け部４３によって、頭部１０５が受け止められるようになっている。

　以上のように、このロック装置１０においては、固定体１の開口部２から開閉体５を開いて、一対のロック部材７０，７０Ａの係合部７３，７３が突出付勢されるとき、或いは、固定体１の開口部２に対して開閉体５を閉じて、一対のロック部材７０，７０Ａの係合部７３，７３がロック部３，３に再度係合するときに、図１２～１４に示すように、突出部６５の摺接部６６が、クッション１００に摺接した後、ストッパ部６８がクッション１００に当接するようになっている。すなわち、回転部材５０からの衝撃力を、いわば２段階の衝撃吸収作用（ダンパー作用）によって、クッション１００で受け止めることができるため、回転部材５０の回転に伴う打音を効果的に抑制することができる。

　また、この実施形態においては、図７に示すように、回転部材５０の回転軸方向から見たとき、摺接部６６は、回転部材５０の回転付勢方向Ａの先端側に円弧状面６６ａを有しており、摺接部６６からストッパ部６８に至る部分には、円弧状面６６ａに対して凹状に湾曲した湾曲面６７が設けられている。

　この態様によれば、回転部材５０が回転付勢されて、突出部６５がクッション１００に当接する際に、摺接部６６の円弧状面６６ａが、クッション１００に摺接した後、凹状に湾曲した湾曲面６７がクッション１００に当接し、その後、ストッパ部６８がクッション１００に当接するので、回転部材５０からの衝撃力を、クッション１００によってスムーズに受け止めて、回転部材５０の回転に伴う打音を、より効果的に抑制することができると共に、クッション１００を損傷しにくくすることができる。

　更にこの実施形態においては、図１１（ｂ）に示すように、クッション１００は、回転部材５０の突出部６５を構成する摺接部６６やストッパ部６８の表面よりも、高くなるように突出している。そのため、回転部材５０が回転付勢されて、突出部６５がクッション１００に当接する際に、突出部６５がクッション１００を乗り越えて移動することを防止することができ（突出部の空振り防止）、クッション１００によるダンパー作用を確実に得ることができる。

　また、この実施形態においては、図１１（ｂ）に示すように、ベース部材２０には、クッション１００の、摺接部６６及びストッパ部６８よりも、基部側の部分（頭部１０５の基部側部分１０５ｂ）を囲む、クッション支持部４１が設けられている。

　上記態様によれば、突出部６５がクッション１００に当接して、回転部材５０からの衝撃力を受け止める際に、クッション１００の変形（この実施形態では、特に頭部１０５の変形）を抑制することができると共に、回転部材衝突時における、クッション１００と突出部６５との摩擦力を高めて、打音抑制をより一層効果的に図ることができる。

　更に図９や図１２に示すように、ベース部材２０には、クッション１００の、回転部材５０の突出部６５の、摺接部６６に摺接する部分、及び、ストッパ部６８が当接する部分とは、径方向の反対側の箇所に、クッション受け部４３が設けられている。

　この態様によれば、突出部６５がクッション１００に当接して、回転部材５０からの衝撃力を受け止める際に、クッション受け部４３によって、クッション１００の変形（この実施形態では、特に頭部１０５の変形）が抑制されるので、クッション１００の反発力を高めることができ、回転部材衝突時における、クッション１００と突出部６５との摩擦力をより高めることができ、打音抑制を更に効果的に図ることができる。

　なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。

１　固定体
２　開口部
３　ロック部
５　開閉体
６　第１付勢部材（付勢部材）
１０　開閉体のロック装置
２０　ベース部材
２７　回転支持部
４０　クッション装着孔
４１　クッション支持部
４３　クッション受け部
５０　回転部材
５１　回転部
６５　突出部
６６　摺接部
６６ａ　円弧状面
６７　湾曲面
６８　ストッパ部
７０，７０Ａ　ロック部材
９０　操作部材
１００　クッション

Claims

　固定体の開口部に開閉可能に取付けられる開閉体のロック装置であって、
　前記固定体の開口部又は前記開閉体に設けられたロック部と、
　前記固定体又は前記開閉体に固定され、回転支持部及びクッション装着部を有するベース部材と、
　前記回転支持部に回転可能に取付けられ、付勢部材を介して所定方向に回転付勢された回転部材と、
　前記回転部材に連結されて、前記ロック部に係脱するロック部材と、
　弾性材料からなり、前記クッション装着部に装着されるクッションとを有し、
　前記回転部材は、前記回転支持部に回転可能に支持される回転部と、該回転部の外周から突出した突出部とを有しており、
　前記突出部の突出方向先端には、摺接部と、該摺接部に対して前記回転部材の回転付勢方向とは反対側に配置されるストッパ部とを有し、
　前記回転部材の回転時に、前記摺接部が前記クッションに摺接した後、前記ストッパ部が前記クッションに当接して、前記回転部材が回転規制されることを特徴とする開閉体のロック装置。
　前記回転部材の回転軸方向から見たとき、前記摺接部は、前記回転部材の回転付勢方向の先端側に円弧状面を有しており、前記摺接部から前記ストッパ部に至る部分には、前記円弧状面に対して凹状に湾曲した湾曲面が設けられている請求項１記載の開閉体のロック装置。
　前記クッションは、前記摺接部及び前記ストッパ部の表面よりも、高くなるように突出している請求項１又は２記載の開閉体のロック装置。
　前記ベース部材には、前記クッションの、前記摺接部及び前記ストッパ部よりも基部側を囲む、クッション支持部が設けられている請求項３記載の開閉体のロック装置。
　前記ベース部材には、前記クッションの、前記摺接部に摺接する部分、及び、前記ストッパ部が当接する部分とは、径方向の反対側の箇所に、クッション受け部が設けられている請求項１～４のいずれか１つに記載の開閉体のロック装置。