WO2020250765A1 - 車両用熱管理システム - Google Patents
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Abstract
本開示は、電気機器が発生させた熱を、容易に、かつ、有効に利用可能な車両用熱管理システムを提供することを目的とする。 車両用熱管理システムは、バッテリ(60)された複数の電気機器(11、70、71、72、73)が搭載された車両に適用されている。複数の電気機器は、走行系電気機器(70、71)および非走行系電気機器(11、72)を有している。走行系電気機器(70、71)へ電力を供給する走行系電気経路(61)および非走行系電気機器(11、72)へ電力を供給する非走行系電気経路(62)は、バッテリ(60)に対して、互いに並列に接続されており、非走行系電気機器が発生させた熱を加熱対象物の加熱源として用いる。
Description
本出願は、2019年6月10日に出願された日本特許出願2019-107956号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。
本開示は、車両用熱管理システムに関する。
従来、特許文献1に、ハイブリッド車両に適用された車両用熱管理システムが開示されている。特許文献1の車両用熱管理システムでは、車両に搭載された電気機器が発生させた熱を車室内の空調等に利用している。さらに、特許文献1の車両用熱管理システムでは、電気機器が発生させた熱を車室内の空調等に利用する際に、通常作動時よりも発熱量を増加させる熱生成モードで電気機器を作動させている。
ところで、特許文献1の電気機器には、例えば、モータジェネレータのように、走行用の駆動力を発生させるために用いられる走行系電気機器が含まれている。
しかし、走行系電気機器を熱生成モードで作動させようとすると、走行系電気機器の制御態様が複雑化してしまうことや、充分な発熱量を得られないことがある。その理由は、走行系電気機器を作動させる際には、発熱量を増加させることよりも、適切な駆動力を出力させることが優先されるからである。従って、特許文献1の車両用熱管理システムでは、電気機器が発生させた熱を、容易に、かつ、有効に利用できないことがある。
本開示は、上記点に鑑み、電気機器が発生させた熱を、容易に、かつ、有効に利用可能な車両用熱管理システムを提供することを目的とする。
本開示の第一の態様の車両用熱管理システムは、バッテリおよび複数の電気機器が搭載された車両に適用される。バッテリは、電力を蓄える。複数の電気機器は、バッテリに接続されている。
複数の電気機器として、走行系電気機器および非走行系電気機器を有している。走行系電気機器は、車両走行用の駆動力を発生させるために用いられる電気機器である。非走行系電気機器は、走行系電気機器に含まれない電気機器である。
バッテリから走行系電気機器へ電力を供給する電気経路を走行系電気経路と定義する。また、バッテリから非走行系電気機器へ電力を供給する電気経路を非走行系電気経路と定義する。このとき、走行系電気経路と非走行系電気経路は、バッテリに対して並列に接続されている。
そして、非走行系電気機器が発生させた熱を加熱対象物の加熱源として用いる。
これによれば、走行系電気経路と非走行系電気経路が、バッテリに対して並列に接続されている。このため、非走行系電気機器の作動状態を変化させても、走行系電気機器の作動に影響を与えにくい。つまり、非走行系電気機器は、発熱量を増加させるように作動させても走行用の駆動力に影響を与えにくく、制御態様の複雑化を招きにくい。
従って、非走行系電気機器が発生させた熱を加熱対象物の加熱源として用いることで、電気機器が発生させた熱を、容易に、かつ、有効に加熱対象物の加熱源として利用することができる。
また、本開示の第二の態様の車両用熱管理システムは、バッテリおよび複数の電気機器が搭載された車両に適用される。バッテリは、電力を蓄える。複数の電気機器は、バッテリに接続されている。
複数の電気機器として、走行用電動モータおよび非走行系電気機器を有している。走行用電動モータは、車両走行用の駆動力を出力する。非走行系電気機器は、バッテリから走行用電動モータへ至る電気経路外に接続されている。
そして、非走行系電気機器が発生させた熱を加熱対象物の加熱源として用いる。
これによれば、非走行系電気機器が、バッテリから走行用電動モータへ至る電気経路外に接続されている。このため、非走行系電気機器の作動状態を変化させても、走行用電動モータの作動に影響を与えにくい。つまり、非走行系電気機器は、発熱量を増加させるように作動させても走行用の駆動力に影響を与えにくく、制御態様の複雑化を招きにくい。
従って、非走行系電気機器が発生させた熱を加熱対象物の加熱源として用いることで、電気機器が発生させた熱を、容易に、かつ、有効に加熱対象物の加熱源として利用することができる。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の実施形態を説明する。各実施形態において先行する実施形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の実施形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1~図7を用いて、本開示の第1実施形態を説明する。本実施形態では、本開示に係る車両用熱管理システム1を、電気自動車に適用している。電気自動車は、モータジェネレータ70から走行用の駆動力を得る車両である。車両用熱管理システム1は、電気自動車において、空調対象空間である車室内の空調、並びに、バッテリ60およびバッテリ60に接続された電気機器の温度調整を行う。
図1~図7を用いて、本開示の第1実施形態を説明する。本実施形態では、本開示に係る車両用熱管理システム1を、電気自動車に適用している。電気自動車は、モータジェネレータ70から走行用の駆動力を得る車両である。車両用熱管理システム1は、電気自動車において、空調対象空間である車室内の空調、並びに、バッテリ60およびバッテリ60に接続された電気機器の温度調整を行う。
車両用熱管理システム1は、図1の全体構成図に示すように、冷凍サイクル装置10、高温側熱媒体回路20、低温側熱媒体回路30、室内空調ユニット40等を備えている。
まず、冷凍サイクル装置10について説明する。冷凍サイクル装置10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを構成する。冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、水-冷媒熱交換器12、第1膨張弁14a、第2膨張弁14b、チラー15、室内蒸発器16、蒸発圧力調整弁17等を有している。冷凍サイクル装置10は、後述する各運転モードに応じて、冷媒回路の回路構成を切り替えることができる。
冷凍サイクル装置10では、冷媒としてHFO系冷媒(具体的には、R1234yf)を採用している。冷凍サイクル装置10は、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成する。冷媒には、冷凍サイクル装置10の圧縮機11を潤滑するための冷凍機油(具体的には、PAGオイル)が混入されている。冷凍機油の一部は、冷媒とともに冷凍サイクル装置10を循環している。
圧縮機11は、冷凍サイクル装置10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11は、車室の前方側の駆動装置室内に配置されている。駆動装置室は、車両走行用の駆動力の発生あるいは調整のために用いられる機器(例えば、モータジェネレータ70)等の少なくとも一部が配置される空間を形成している。
圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて回転駆動する電動圧縮機である。圧縮機11は、後述する制御装置50から出力される制御信号によって、回転数(すなわち、冷媒吐出能力)が制御される。
圧縮機11の吐出口には、水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121の入口側が接続されている。水-冷媒熱交換器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と高温側熱媒体回路20を循環する高温側熱媒体とを熱交換させる高温側熱交換部である。
冷凍サイクル装置10では、水-冷媒熱交換器12として、いわゆるサブクール型の熱交換器を採用している。このため、水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121には、凝縮部12a、レシーバ部12b、および過冷却部12cが設けられている。
凝縮部12aは、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と高圧側熱媒体とを熱交換させて、高圧冷媒を凝縮させる凝縮用の熱交換部である。レシーバ部12bは、凝縮部12aから流出した冷媒の気液を分離して分離された液相冷媒を蓄える受液部である。過冷却部12cは、レシーバ部12bから流出した液相冷媒と高圧側熱媒体とを熱交換させて、液相冷媒を過冷却する過冷却用の熱交換部である。
水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121の出口には、冷媒分岐部13aの流入口側が接続されている。冷媒分岐部13aは、水-冷媒熱交換器12から流出した冷媒の流れを分岐する。冷媒分岐部13aは、互いに連通する3つの流入出口を有する三方継手である。冷媒分岐部13aでは、3つの流入出口の内の1つを流入口として用い、残りの2つを流出口として用いている。
冷媒分岐部13aの一方の流出口には、第1膨張弁14aを介して、チラー15の冷媒通路151の入口側が接続されている。冷媒分岐部13aの他方の流出口には、第2膨張弁14bを介して、室内蒸発器16の冷媒入口側が接続されている。
第1膨張弁14aは、冷媒分岐部13aの一方の流出口から流出した冷媒を減圧させる減圧部である。第1膨張弁14aは、絞り開度を変化させる弁体、および弁体を変位させる電動アクチュエータ(具体的には、ステッピングモータ)を有する電気式の可変絞り機構である。第1膨張弁14aは、制御装置50から出力される制御パルスによって、その作動が制御される。
第2膨張弁14bは、冷媒分岐部13aの他方の流出口から流出した冷媒を減圧させる減圧部である。第2膨張弁14bの基本的構成は、第1膨張弁14aと同様である。
第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bは、弁開度を全開にすることで冷媒減圧作用および流量調整作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能を有している。さらに、第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bは、弁開度を全閉にすることで冷媒通路を閉塞する全閉機能を有している。
第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bは、全開機能および全閉機能によって、各運転モードの冷媒回路を切り替えることができる。従って、第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bは、冷凍サイクル装置10の回路構成を切り替える冷媒回路切替部としての機能を兼ね備えている。
第1膨張弁14aの出口には、チラー15の冷媒通路151の入口側が接続されている。チラー15は、第1膨張弁14aにて減圧された低圧冷媒と低温側熱媒体回路30を循環する低温側熱媒体とを熱交換させる低温側熱交換部である。チラー15は、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって低温側熱媒体を冷却する。
チラー15の冷媒通路151の出口には、冷媒合流部13bの一方の流入口側が接続されている。
第2膨張弁14bの出口には、室内蒸発器16の冷媒入口側が接続されている。室内蒸発器16は、第2膨張弁14bにて減圧された低圧冷媒と送風空気Wとを熱交換させる空気冷却用熱交換器である。室内蒸発器16は、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって送風空気Wを冷却する。室内蒸発器16は、後述する室内空調ユニット40のケーシング41内に配置されている。
室内蒸発器16の冷媒出口には、蒸発圧力調整弁17の入口側が接続されている。蒸発圧力調整弁17は、室内蒸発器16における冷媒蒸発圧力を予め定めた基準圧力以上に維持する蒸発圧力調整部である。
蒸発圧力調整弁17は、室内蒸発器16の冷媒出口側の冷媒圧力の上昇に伴って、弁開度を増加させる機械式の可変絞り機構である。これにより、本実施形態の蒸発圧力調整弁17では、室内蒸発器16における冷媒蒸発温度を、室内蒸発器16の着霜を抑制可能な着霜抑制温度(本実施形態では、1℃)以上に維持している。蒸発圧力調整弁17の出口には、冷媒合流部13bの他方の流入口側が接続されている。
冷媒合流部13bは、チラー15の冷媒通路151から流出した冷媒の流れと蒸発圧力調整弁17から流出した冷媒の流れとを合流させる。冷媒合流部13bは、冷媒分岐部13aと同様の三方継手である。冷媒合流部13bでは、3つの流入出口のうち2つを流入口とし、残りの1つを流出口としている。冷媒合流部13bの流出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
次に、高温側熱媒体回路20について説明する。高温側熱媒体回路20は、高温側熱媒体を循環させる熱媒体回路である。高温側熱媒体回路20では、高温側熱媒体として、エチレングリコール水溶液を採用している。
高温側熱媒体回路20には、高温側ポンプ21、水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122、高温側ラジエータ22、ヒータコア23、第1高温側流量調整弁24a、第2高温側流量調整弁24b、統合変電ユニット72の冷却水通路72a等が配置されている。
高温側ポンプ21の吐出口には、水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122の入口側が接続されている。高温側ポンプ21は、高温側熱媒体を水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122へ圧送する。水-冷媒熱交換器12では、冷媒通路121を流通する高圧冷媒の流れと熱媒体通路122を流通する高温側熱媒体の流れが対向流となっている。高温側ポンプ21は、制御装置50から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、圧送能力)が制御される電動ポンプである。
水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122の出口側には、電気ヒータ25が配置されている。電気ヒータ25は、水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122から流出した高温側熱媒体を加熱する補助加熱装置である。高温側熱媒体回路20では、電気ヒータ25として、PTC素子(すなわち、正特性サーミスタ)を有するPTCヒータを採用している。電気ヒータ25の発熱量は、制御装置50から出力される制御電圧によって制御される。
電気ヒータ25の下流側には、高温側分岐部26aの流入口側が接続されている。高温側分岐部26aは、電気ヒータ25の下流側の高温側熱媒体の流れを分岐する。高温側分岐部26aは、冷媒分岐部13a等と同様の三方継手である。
高温側分岐部26aの一方の流出口には、第1高温側流量調整弁24aを介して、高温側ラジエータ22の熱媒体入口側が接続されている。高温側分岐部26aの他方の流出口には、第2高温側流量調整弁24bを介して、ヒータコア23の熱媒体入口側が接続されている。
第1高温側流量調整弁24aは、高温側ラジエータ22へ流入する熱媒体流量を調整する流量調整部である。第1高温側流量調整弁24aは、熱媒体通路の通路断面積を変化させる弁体、および弁体を変位させる電動アクチュエータ(具体的には、ステッピングモータ)を有する電気式の流量調整弁である。第1高温側流量調整弁24aは、制御装置50から出力される制御パルスによって、その作動が制御される。
第2高温側流量調整弁24bは、ヒータコア23へ流入する熱媒体流量を調整する流量調整部である。第2高温側流量調整弁24bの基本的構成は、第1高温側流量調整弁24aと同様である。第1高温側流量調整弁24aおよび第2高温側流量調整弁24bは、高温側ラジエータ22へ流入する熱媒体流量に対するヒータコア23へ流入する熱媒体流量の高温側流量比を調整する高温側流量比調整部である。
さらに、第1高温側流量調整弁24aおよび第2高温側流量調整弁24bは、第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bと同様の全開機構および全閉機能を有している。従って、第1高温側流量調整弁24aおよび第2高温側流量調整弁24bは、高温側熱媒体回路20の回路構成を切り替える高温側熱媒体回路切替部としての機能を兼ね備えている。
高温側ラジエータ22は、水-冷媒熱交換器12等で加熱された高温側熱媒体と図示しない外気ファンから送風された外気OAとを熱交換させる高温側外気熱交換部である。高温側ラジエータ22は、駆動装置室内の前方側に配置されている。高温側ラジエータ22の熱媒体出口には、高温側合流部26bの一方の流入口側が接続されている。
さらに、駆動装置室内の高温側ラジエータ22の空気流れ上流側には、シャッター装置22aが配置されている。シャッター装置22aは、高温側ラジエータ22へ流入する外気OAの流量を調整する。これにより、シャッター装置22aは、高温側ラジエータ22における高温側熱媒体と外気OAとの熱交換量を調整することができる。シャッター装置22aは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
ヒータコア23は、水-冷媒熱交換器12等で加熱された高温側熱媒体と送風空気Wとを熱交換させて、送風空気Wを加熱する加熱用熱交換部である。このため、本実施形態では、水-冷媒熱交換器12およびヒータコア23によって、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を熱源として送風空気Wを加熱する加熱部が構成されている。ヒータコア23は、室内空調ユニット40のケーシング41内に配置されている。
ヒータコア23の熱媒体出口には、統合変電ユニット72の冷却水通路72aの入口側が接続されている。
統合変電ユニット72は、バッテリ60に接続された複数の電気機器の1つである。統合変電ユニット72は、充電器、DCDCコンバータ等を一体化させたユニットである。統合変電ユニット72は、外部電源(具体的には、商用電源)からバッテリ60へ充電するために用いられる充電用電気機器である。統合変電ユニット72は、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
統合変電ユニット72は、作動時に発熱する。統合変電ユニット72は、高温になると電気回路の破損や劣化が進行しやすい。このため、統合変電ユニット72の温度は、電気回路の保護が可能な基準耐熱温度より低い温度に維持されている必要がある。
そこで、本実施形態では、統合変電ユニット72の外殻を形成するハウジング部に高温側熱媒体を流通させる冷却水通路72aを形成している。統合変電ユニット72の冷却水通路72aは、高温側熱媒体と統合変電ユニット72とを熱交換させる高温側吸熱用熱交換部である。
統合変電ユニット72の冷却水通路72aの出口には、高温側合流部26bの他方の流入口側が接続されている。高温側合流部26bは、高温側ラジエータ22から流出した冷媒の流れとヒータコア23から流出した冷媒の流れとを合流させる。高温側合流部26bは、冷媒合流部13b等と同様の三方継手である。
高温側合流部26bの流出口には、高温側リザーブタンク27の入口側が接続されている。さらに、高温側リザーブタンク27の出口には、高温側ポンプ21の吸入口側が接続されている。
高温側リザーブタンク27は、高温側熱媒体回路20で余剰となっている高温側熱媒体を貯留する高温側熱媒体用の貯留部である。高温側熱媒体回路20では、高温側リザーブタンク27を配置することで、高温側熱媒体回路20を循環する高温側熱媒体の液量低下を抑制している。高温側リザーブタンク27は、高温側熱媒体回路20内の高温側熱媒体量が不足した際に高温側熱媒体を補給するための熱媒体供給口を有している。
次に、低温側熱媒体回路30について説明する。低温側熱媒体回路30は、低温側熱媒体を循環させる熱媒体回路である。低温側熱媒体回路30では、低温側熱媒体として、高温側熱媒体と同種の熱媒体を採用している。
低温側熱媒体回路30には、低温側ポンプ31、チラー15の熱媒体通路152、低温側ラジエータ32、バッテリ60の冷却水通路60a、モータジェネレータ70の冷却水通路70a、インバータ71の冷却水通路71a等が配置されている。
低温側ポンプ31の吐出口には、チラー15の熱媒体通路152の入口側が接続されている。低温側ポンプ31は、低温側熱媒体をチラー15の熱媒体通路152へ圧送する。チラー15では、冷媒通路151を流通する低圧冷媒の流れと熱媒体通路152を流通する低温側熱媒体の流れが対向流となっている。低温側ポンプ31の基本的構成は、高温側ポンプ21と同様である。
チラー15の熱媒体通路152の出口には、電池側三方弁33aの流入口側が接続されている。電池側三方弁33aは、チラー15の熱媒体通路152から流出した低温側熱媒体のうち、低温側ラジエータ32側へ流出させる熱媒体流量とバッテリ60の冷却水通路60a側へ流出させる熱媒体流量との流量比を連続的に調整可能な三方式の流量調整弁である。
電池側三方弁33aは、内部へ流入した流出した低温側熱媒体を、低温側ラジエータ32側およびバッテリ60の冷却水通路60a側のいずれか一方のみに流出させることもできる。電池側三方弁33aは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
低温側ラジエータ32は、電池側三方弁33aから流出した低温側熱媒体と外気ファンから送風された外気OAとを熱交換させる低温側外気熱交換部である。低温側ラジエータ32は、駆動装置室内の前方側であって、高温側ラジエータ22の外気流れ下流側に配置されている。
従って、低温側ラジエータ32は、高温側ラジエータ22通過後の外気OAと低温側熱媒体とを熱交換させる。低温側ラジエータ32は、高温側ラジエータ22と一体的に形成されていてもよい。低温側ラジエータ32の熱媒体出口には、低温側リザーブタンク37を介して、低温側合流部36bの一方の流入口側が接続されている。
低温側リザーブタンク37は、低温側熱媒体回路30で余剰となっている低温側熱媒体を貯留する低温側熱媒体用の貯留部である。低温側リザーブタンク37の基本的構成は、高温側リザーブタンク27と同様である。
バッテリ60は、複数の電気機器に供給される電力を蓄える。バッテリ60は、複数の電池セルを電気的に直列的あるいは並列的に接続することによって形成された組電池である。電池セルは、充放電可能な二次電池(本実施形態では、リチウムイオン電池)である。バッテリ60は、複数の電池セルを略直方体形状となるように積層配置して専用ケースに収容したものである。
この種の二次電池は、作動時(すなわち、充放電時)に発熱する。二次電池は、高温になると劣化が進行しやすい。さらに、二次電池は、低温になると化学反応が進行しにくく出力が低下しやすい。このため、二次電池の温度は、二次電池の充放電容量を充分に活用することのできる適切な温度範囲内(本実施形態では、15℃以上、かつ、55℃以下)に維持されていることが望ましい。
そこで、本実施形態では、バッテリ60の専用ケースの内部に低温側熱媒体を流通させる冷却水通路60aを形成している。冷却水通路60aの通路構成は、専用ケースの内部で複数の通路を並列的に接続した通路構成となっている。これにより、冷却水通路60aは、全ての電池セルを均等に温度調整できるように形成されている。
従って、本実施形態のバッテリ60は、低温側温度調整対象物である。また、本実施形態の冷却水通路60aは、低温側熱媒体と低温側温度調整対象物とを熱交換させる温度調整用熱交換部である。
バッテリ60の冷却水通路60aの出口には、低温側合流部36bの他方の流入口側が接続されている。低温側合流部36bは、高温側合流部26b等と同様の三方継手である。低温側合流部36bの流出口には、低温側ポンプ31の吸入口側が接続されている。
さらに、本実施形態の低温側熱媒体回路30には、電気機器用通路38が接続されている。電気機器用通路38は、低温側リザーブタンク37の下流側であって、かつ、低温側合流部36bの上流側の低温側熱媒体を、再び低温側ラジエータ32の入口側へ戻す熱媒体通路である。
電気機器用通路38には、機器用ポンプ38a、インバータ71の冷却水通路71a、モータジェネレータ70の冷却水通路70a等が配置されている。機器用ポンプ38aは、低温側リザーブタンク37から流出した低温側熱媒体の少なくとも一部を、インバータ71の冷却水通路71aへ圧送する。機器用ポンプ38aの基本的構成は、低温側ポンプ31と同様である。
インバータ71は、バッテリ60に接続された複数の電気機器の1つである。インバータ71は、バッテリ60から出力された直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ70へ供給する電力変換装置である。さらに、インバータ71は、モータジェネレータ70が発生させた交流電力を直流電力に変換してバッテリ60側へ出力することもできる。インバータ71は、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
インバータ71は、作動時に発熱する。インバータ71は、高温になると電気回路の劣化が進行しやすい。このため、インバータ71の温度は、統合変電ユニット72と同様に、電気回路の保護が可能な基準耐熱温度(本実施形態では、130℃以下)より低い温度に維持されている必要がある。
そこで、本実施形態では、インバータ71の外殻を形成するハウジング部に低温側熱媒体を流通させる冷却水通路71aを形成している。インバータ71の冷却水通路71aは、低温側熱媒体とインバータ71とを熱交換させる熱交換部である。
インバータ71の冷却水通路71aの出口には、モータジェネレータ70の冷却水通路70aの入口側が接続されている。
モータジェネレータ70は、バッテリ60に間接的に接続された複数の電気機器の1つである。モータジェネレータ70は、インバータ71から供給された電力によって走行用の駆動力を出力する走行用電動モータである。さらに、モータジェネレータ70は、車両の減速中や降坂走行時に回生電力を発生させる発電装置である。
モータジェネレータ70は、作動時に発熱する。モータジェネレータ70は、高温になると電気回路の劣化が進行しやすい。さらに、モータジェネレータ70は、低温になると摺動抵抗が増して円滑な回転駆動力を出力しにくくなる。このため、モータジェネレータ70の温度は、電気回路の保護と円滑な回転駆動力の出力を行うことのできる適切な温度範囲内(本実施形態では、80℃以上、かつ、130℃以下)に維持されている必要がある。
そこで、本実施形態では、モータジェネレータ70の外殻を形成するハウジング部に低温側熱媒体を流通させる冷却水通路70aを形成している。モータジェネレータ70の冷却水通路70aは、低温側熱媒体とモータジェネレータ70とを熱交換させる熱交換部である。
モータジェネレータ70の冷却水通路70aの出口には、機器側三方弁33bの流入口側が接続されている。機器側三方弁33bは、モータジェネレータ70の冷却水通路70aから流出した低温側熱媒体のうち、低温側ラジエータ32側へ流出させる熱媒体流量とバイパス通路38b側へ流出させる熱媒体流量との流量比を連続的に調整可能な三方式の流量調整弁である。
機器側三方弁33bの基本的構成は、電池側三方弁33aと同様である。従って、電池側三方弁33aおよび機器側三方弁33bは、低温側熱媒体回路30の回路構成を切り替える低温側熱媒体回路切替部としての機能を兼ね備えている。バイパス通路38bは、モータジェネレータ70の冷却水通路70aから流出した低温側熱媒体を、低温側ラジエータ32を迂回させて、機器用ポンプ38aの吸入側へ戻す熱媒体通路である。
次に、図2を用いて、室内空調ユニット40について説明する。室内空調ユニット40は、車両用熱管理システム1において、適切に温度調整された送風空気Wを車室内の適切な箇所へ吹き出すためのユニットである。室内空調ユニット40は、車室内最前部の計器盤(すなわち、インストルメントパネル)の内側に配置されている。
室内空調ユニット40は、送風空気Wの空気通路を形成するケーシング41を有している。ケーシング41内に形成された空気通路には、室内送風機42、室内蒸発器16、ヒータコア23等が配置されている。ケーシング41は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて形成されている。
ケーシング41の送風空気流れ最上流側には、内外気切替装置43が配置されている。内外気切替装置43は、ケーシング41内へ内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する。内外気切替装置43の駆動用の電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置43の送風空気流れ下流側には、室内送風機42が配置されている。室内送風機42は、内外気切替装置43を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する。室内送風機42は、遠心多翼ファンを電動モータにて駆動する電動送風機である。室内送風機42は、制御装置50から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、送風能力)が制御される。
室内送風機42の送風空気流れ下流側には、室内蒸発器16とヒータコア23が、送風空気流れに対して、この順に配置されている。つまり、室内蒸発器16は、ヒータコア23よりも、送風空気流れ上流側に配置されている。ケーシング41内には、室内蒸発器16を通過した送風空気Wを、ヒータコア23を迂回させて下流側へ流す冷風バイパス通路45が形成されている。
室内蒸発器16の送風空気流れ下流側であって、かつ、ヒータコア23の送風空気流れ上流側には、エアミックスドア44が配置されている。エアミックスドア44は、室内蒸発器16を通過後の送風空気Wのうち、ヒータコア23を通過させる風量と冷風バイパス通路45を通過させる風量との風量割合を調整する。エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
ヒータコア23の送風空気流れ下流側には、ヒータコア23にて加熱された送風空気Wと冷風バイパス通路45を通過してヒータコア23にて加熱されていない送風空気Wとを混合させる混合空間46が設けられている。さらに、ケーシング41の送風空気流れ最下流部には、混合空間46にて混合された空調風を、車室内へ吹き出す図示しない開口穴が配置されている。
従って、エアミックスドア44がヒータコア23を通過させる風量と冷風バイパス通路45を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間46にて混合される空調風の温度を調整することができる。そして、各開口穴から車室内へ吹き出される送風空気Wの温度を調整することができる。
開口穴としては、フェイス開口穴、フット開口穴、及びデフロスタ開口穴(いずれも図示せず)が設けられている。フェイス開口穴は、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。フット開口穴は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。デフロスタ開口穴は、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。
これらの開口穴の上流側には、図示しない吹出モード切替ドアが配置されている。吹出モード切替ドアは、各開口穴を開閉することによって、空調風を吹き出す開口穴を切り替える。吹出モード切替ドア駆動用の電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
次に、図3を用いて、車両用熱管理システム1の電気制御部の概要について説明する。なお、図3では、制御装置50、バッテリ60、および一部の電気機器の接続態様を模式的に示している。
制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。制御装置50は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御する。
制御装置50の入力側には、図3に示すように、制御用のセンサ群51が接続されている。制御用のセンサ群51には、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出部、外気温Tamを検出する外気温検出部、バッテリ60の温度Tbを検出するバッテリ温度検出部等が含まれる。
また、制御装置50の入力側には、操作パネル52が接続されている。操作パネル52には、例えば、車室内温度を設定する温度設定部等が設けられている。制御装置50には、センサ群51の検出信号および操作パネル52の操作信号が入力される。
制御装置50は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体的に形成されたものである。つまり、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部となる。例えば、本実施形態では、制御装置50のうち統合変電ユニット72の作動を制御する構成が、統合変電ユニット用の制御部50aとなる。
制御装置50には、バッテリ60から図示しないDCDCコンバータ等を介して電力が供給される。
バッテリ60には、前述の如く、複数の電気機器が接続されている。複数の電気機器には、統合変電ユニット72やインバータ71のように、バッテリ60に直接的に接続された電気機器が含まれる。さらに、複数の電気機器には、モータジェネレータ70のように、インバータ71を介して、バッテリ60に間接的に接続された電気機器が含まれる。
複数の電気機器は、走行系電気機器と非走行電気機器に大別される。走行系電気機器は、車両走行用の駆動力を発生させるために用いられる電気機器である。本実施形態では、具体的に、モータジェネレータ70およびインバータ71が走行系電気機器に該当する。
図3に示すように、モータジェネレータ70およびインバータ71は、バッテリ60に対して直列的に接続されている。つまり、バッテリ60からインバータ71を介してモータジェネレータ70へ電力を供給する電気経路は、1つの電気経路として形成される。
そこで、バッテリ60から走行系電気機器へ電力を供給する電気経路を、走行系電気経路61と定義する。さらに、走行系電気機器のうち、バッテリ60からモータジェネレータ70へ至る走行系電気経路61内に接続された電気機器(本実施形態では、インバータ71)を準走行系電気機器と定義する。
非走行系電気機器は、バッテリ60に接続された電気機器のうち、走行系電気機器に含まれない電気機器である。本実施形態では、具体的に、統合変電ユニット72、先進運転支援システム(いわゆる、ADAS)用の制御装置73、冷凍サイクル装置10の圧縮機11等が非走行系電気機器に該当する。
先進運転支援システムは、車両の安全走行のための各種情報を取得し、取得した情報に基づいて、自動ヘッドライト制御、自動クルーズ制御、自動ブレーキ制御等を実現するシステムである。先進運転支援システム用の制御装置73は、安全走行のために取得した情報の処理を行うために用いられる情報処理用電気機器である。冷凍サイクル装置10の圧縮機11は、車室内の空調を行うために用いられる空調用電気機器である。
そして、バッテリ60から非走行系電気機器へ電力を供給する電気経路を、非走行系電気経路62と定義する。非走行系電気経路62は、非走行系電気機器の数に応じて複数設けられる。走行系電気経路61と非走行系電気経路62は、バッテリ60に対して並列に接続されている。従って、非走行系電気機器は、走行系電気経路61外に接続された電気機器である。
次に、上記構成における本実施形態の車両用熱管理システム1の作動を説明する。本実施形態の車両用熱管理システム1では、車室内の空調、およびバッテリ60等の温度調整を行う。このために、車両用熱管理システム1は、各種運転モードを切り替えることができる。具体的には、車両用熱管理システム1は、冷房冷却モード、暖房モード、除湿暖房モードを切り替えることができる。以下に各運転モードについて説明する。
(a)冷房冷却モード
冷房冷却モードは、車室内の冷房を行うとともに、バッテリ60の冷却を行う運転モードである。冷房冷却モードでは、制御装置50が、冷凍サイクル装置10の圧縮機11を作動させる。さらに、制御装置50は、第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bを、冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とする。
冷房冷却モードは、車室内の冷房を行うとともに、バッテリ60の冷却を行う運転モードである。冷房冷却モードでは、制御装置50が、冷凍サイクル装置10の圧縮機11を作動させる。さらに、制御装置50は、第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bを、冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とする。
また、制御装置50は、高温側熱媒体回路20の高温側ポンプ21を作動させる。さらに、制御装置50は、第1高温側流量調整弁24aを全開状態とし、第2高温側流量調整弁24bを全閉状態とする。
また、制御装置50は、低温側熱媒体回路30の低温側ポンプ31を作動させる。さらに、制御装置50は、チラー15の熱媒体通路152から流出した低温側熱媒体がバッテリ60の冷却水通路60aへ流入するように、電池側三方弁33aの作動を制御する。
また、制御装置50は、室内空調ユニット40の室内送風機42を作動させる。さらに、制御装置50は、室内蒸発器16を通過した送風空気の全風量が冷風バイパス通路45を通過するように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータの作動を制御する。
従って、冷房冷却モードの冷凍サイクル装置10では、図4の太線で示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121へ流入する。水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121へ流入した高圧冷媒は、熱媒体通路122を流通する高温側熱媒体へ放熱して過冷却液相冷媒となる。これにより、熱媒体通路122を流通する高温側熱媒体が加熱される。
水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121から流出した過冷却液相冷媒の流れは、冷媒分岐部13aにて分岐される。
冷媒分岐部13aにて分岐された一方の冷媒は、第1膨張弁14aにて減圧される。第1膨張弁14aにて減圧された低圧冷媒は、チラー15の冷媒通路151へ流入する。チラー15の冷媒通路151へ流入した低圧冷媒は、熱媒体通路152を流通する低温側熱媒体から吸熱して蒸発する。これにより、熱媒体通路152を流通する低温側熱媒体が冷却される。
チラー15の冷媒通路151から流出した冷媒は、冷媒合流部13bの一方の流入口へ流入する。
冷媒分岐部13aにて分岐された他方の冷媒は、第2膨張弁14bにて減圧される。第2膨張弁14bにて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器16へ流入する。室内蒸発器16へ流入した低圧冷媒は、室内送風機42から送風された送風空気Wから吸熱して蒸発する。これにより、送風空気Wが冷却される。
室内蒸発器16から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁17を介して、冷媒合流部13bの他方の流入口へ流入する。冷媒合流部13bから流出した冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
また、冷房冷却モードの高温側熱媒体回路20では、高温側ポンプ21から圧送された高温側熱媒体が、水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122へ流入して加熱される。水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122から流出した高温側熱媒体は、電気ヒータ25、高温側分岐部26aおよび第1高温側流量調整弁24aを介して、高温側ラジエータ22へ流入する。
高温側ラジエータ22へ流入した高温側熱媒体は、シャッター装置22aを介して高温側ラジエータ22へ流入した外気OAに放熱する。これにより、高温側熱媒体が冷却される。高温側ラジエータ22から流出した高温側熱媒体は、高温側合流部26bおよび高温側リザーブタンク27を介して、高温側ポンプ21へ吸入されて再び圧送される。
また、冷房冷却モードの低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー15の熱媒体通路152へ流入して冷却される。チラー15の熱媒体通路152から流出した低温側熱媒体は、電池側三方弁33aを介して、バッテリ60の冷却水通路60aへ流入する。
バッテリ60の冷却水通路60aへ流入した低温側熱媒体は、バッテリ60の電池セルから吸熱して温度上昇する。これにより、バッテリ60が冷却される。バッテリ60の冷却水通路60aから流出した低温側熱媒体は、低温側合流部36bを介して、低温側ポンプ31へ吸入されて再び圧送される。
また、冷房冷却モードの室内空調ユニット40では、室内蒸発器16を通過して冷却された送風空気Wが車室内へ送風される。これにより、車室内の冷房が実現される。
冷房冷却モードでは、上記の如く、車室内の冷房およびバッテリ60の冷却が実現される。さらに、冷房冷却モードに対して、バッテリ60の冷却が不要となる運転条件では、制御装置50が第1膨張弁14aを全閉状態として単独冷房モードを実行してもよい。また、冷房冷却モードに対して、車室内の冷房が不要となる運転条件では、制御装置50が第2膨張弁14bを全閉状態として単独冷却モードを実行してもよい。
(b)暖房モード
暖房モードは、車室内の暖房を行う運転モードである。暖房モードでは、制御装置50が、冷凍サイクル装置10の圧縮機11を作動させる。さらに、制御装置50は、第1膨張弁14aを絞り状態とし、第2膨張弁14bを全閉状態とする。
暖房モードは、車室内の暖房を行う運転モードである。暖房モードでは、制御装置50が、冷凍サイクル装置10の圧縮機11を作動させる。さらに、制御装置50は、第1膨張弁14aを絞り状態とし、第2膨張弁14bを全閉状態とする。
また、制御装置50は、高温側熱媒体回路20の高温側ポンプ21を作動させる。さらに、制御装置50は、第1高温側流量調整弁24aを全閉状態とし、第2高温側流量調整弁24bを全開状態とする。
さらに、制御装置50は、ヒータコア23から流出した高温側熱媒体の温度が、予め定めた基準ヒータコア出口側温度以上となるように、電気ヒータ25の加熱能力を調整する。基準ヒータコア出口側温度は、送風空気Wの温度が車室内の充分な暖房を実現できる温度となるように決定されている。このため、ヒータコア23から流出した高温側熱媒体の温度が、基準ヒータコア出口側温度を超えている場合は、制御装置50は、電気ヒータ25に電力を供給しない。
また、制御装置50は、低温側熱媒体回路30の低温側ポンプ31を作動させる。さらに、制御装置50は、チラー15の熱媒体通路152から流出した低温側熱媒体が低温側ラジエータ32へ流入するように、電池側三方弁33aの作動を制御する。
また、制御装置50は、室内空調ユニット40の室内送風機42を作動させる。さらに、制御装置50は、室内蒸発器16を通過した送風空気の全風量がヒータコア23を通過するように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータの作動を制御する。
また、制御装置50は、統合変電ユニット72を熱生成モードで作動させる。熱生成モードとは、制御装置50が、通常作動時よりも制御対象機器(本実施形態では、統合変電ユニット72)に供給される電力を増加させて、制御対象機器の発熱量を増加させる制御モードである。
例えば、統合変電ユニット72は、充電用電気機器であるから、外部電源からバッテリ60への充電を行っていないときには作動させる必要がない。換言すると、バッテリ60の充電を行っていないときには、制御装置50は、統合変電ユニット72への電力の供給を停止させて、統合変電ユニット72の発熱量を0kwとすることができる。
これに対して、熱生成モードでは、バッテリ60の充電を行っていないときであっても、制御装置50が統合変電ユニット72へ電力を供給して、統合変電ユニット72に発熱させる。
さらに、制御装置50は、図5の制御特性図に示すように、統合変電ユニット72の冷却水通路72aを流通する高温側熱媒体の温度の上昇に伴って、統合変電ユニット72の発熱量を低下させる。これにより、制御装置50は、統合変電ユニット72の電気回路の温度が基準耐熱温度よりも低くなるように、統合変電ユニット72の発熱量を調整している。
また、熱生成モードにおける統合変電ユニット72の高温側熱媒体の最大加熱能力は、冷凍サイクル装置10の高温側熱媒体の最大加熱能力と比較して小さい。また、本実施形態の統合変電ユニット72では、熱生成モードで作動させた際に、比較的少ない発熱量であれば、電気ヒータ25よりも効率的に発熱できることが判っている。
従って、暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図6の太線で示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121へ流入する。水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121へ流入した高圧冷媒は、熱媒体通路122を流通する高温側熱媒体へ放熱して過冷却液相冷媒となる。これにより、冷房冷却モードと同様に、熱媒体通路122を流通する高温側熱媒体が加熱される。
水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121から流出した過冷却液相冷媒は、冷媒分岐部13aを介して、第1膨張弁14aへ流入して減圧される。第1膨張弁14aにて減圧された低圧冷媒は、チラー15の冷媒通路151へ流入する。チラー15の冷媒通路151へ流入した低圧冷媒は、熱媒体通路152を流通する低温側熱媒体から吸熱して蒸発する。これにより、熱媒体通路152を流通する低温側熱媒体が冷却される。
チラー15の冷媒通路151から流出した冷媒は、冷媒合流部13bを介して圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
また、暖房モードの高温側熱媒体回路20では、高温側ポンプ21から圧送された高温側熱媒体が、水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122へ流入して加熱される。水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122から流出した高温側熱媒体は、電気ヒータ25、高温側分岐部26aおよび第2高温側流量調整弁24bを介して、ヒータコア23へ流入する。
ヒータコア23へ流入した高温側熱媒体は、室内送風機42から送風された送風空気Wに放熱する。これにより、送風空気Wが加熱される。ヒータコア23から流出した高温側熱媒体は、統合変電ユニット72の冷却水通路72aへ流入する。
統合変電ユニット72の冷却水通路72aへ流入した高温側熱媒体は、熱生成モードで作動している統合変電ユニット72が発生させた熱を吸熱する。これにより、高温側熱媒体が加熱される。統合変電ユニット72の冷却水通路72aから流出した高温側熱媒体は、高温側合流部26bおよび高温側リザーブタンク27を介して、高温側ポンプ21へ吸入されて再び圧送される。
また、暖房モードの低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー15の熱媒体通路152へ流入して冷却される。チラー15の熱媒体通路152から流出した低温側熱媒体は、電池側三方弁33aを介して、低温側ラジエータ32へ流入する。
低温側ラジエータ32へ流入した低温側熱媒体は、高温側ラジエータ22を通過した外気OAから吸熱して温度上昇する。低温側ラジエータ32から流出した低温側熱媒体は、低温側リザーブタンク37および低温側合流部36bを介して、低温側ポンプ31へ吸入されて再び圧送される。
また、暖房モードの室内空調ユニット40では、ヒータコア23を通過して加熱された送風空気Wが車室内へ送風される。これにより、車室内の暖房が実現される。
つまり、暖房モードでは、冷凍サイクル装置10が発生させた熱に加えて、統合変電ユニット72の発生させた熱を、高温側熱媒体の加熱源として用いている。そして、ヒータコア23にて、高温側熱媒体を熱源として、送風空気Wを加熱している。
従って、暖房モードでは、統合変電ユニット72の発生させた熱を間接的に加熱対象物である送風空気Wの加熱源として用いている。
(c)除湿暖房モード
除湿暖房モードは、車室内の除湿暖房を行う運転モードである。除湿暖房モードでは、制御装置50が、冷凍サイクル装置10の圧縮機11を作動させる。さらに、制御装置50は、第1膨張弁14aを全閉状態とし、第2膨張弁14bを絞り状態とする。
除湿暖房モードは、車室内の除湿暖房を行う運転モードである。除湿暖房モードでは、制御装置50が、冷凍サイクル装置10の圧縮機11を作動させる。さらに、制御装置50は、第1膨張弁14aを全閉状態とし、第2膨張弁14bを絞り状態とする。
また、制御装置50は、高温側熱媒体回路20の高温側ポンプ21を作動させる。さらに、制御装置50は、第1高温側流量調整弁24aおよび第2高温側流量調整弁24bの双方を流量調整状態とする。さらに、制御装置50は、暖房モードと同様に電気ヒータ25の加熱能力を調整する。
また、制御装置50は、低温側熱媒体回路30の低温側ポンプ31を停止させる。
また、制御装置50は、室内空調ユニット40の室内送風機42を作動させる。さらに、制御装置50は、車室内へ送風される送風空気Wの温度が目標吹出温度TAOに近づくように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータの作動を制御する。目標吹出温度TAOは、センサ群51の検出信号および操作パネル52の操作信号を用いて算定される。
また、制御装置50は、暖房モードと同様に、統合変電ユニット72を熱生成モードで作動させる。
従って、除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図7の太線で示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121へ流入する。水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121へ流入した高圧冷媒は、熱媒体通路122を流通する高温側熱媒体へ放熱して過冷却液相冷媒となる。これにより、冷房冷却モードと同様に、熱媒体通路122を流通する高温側熱媒体が加熱される。
水-冷媒熱交換器12の冷媒通路121から流出した過冷却液相冷媒は、冷媒分岐部13aを介して、第2膨張弁14bへ流入して減圧される。第2膨張弁14bにて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器16へ流入する。室内蒸発器16へ流入した低圧冷媒は、室内送風機42から送風された送風空気Wから吸熱して蒸発する。これにより、室内蒸発器16へ流入した送風空気Wが冷却されて除湿される。
室内蒸発器16から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁17および冷媒合流部13bを介して圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
また、除湿暖房モードの高温側熱媒体回路20では、高温側ポンプ21から圧送された高温側熱媒体が、水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122へ流入して加熱される。水-冷媒熱交換器12の熱媒体通路122から流出した高温側熱媒体の流れは、電気ヒータ25を介して、高温側分岐部26aへ流入して分岐される。
高温側分岐部26aにて分岐された一方の高温側熱媒体は、第1高温側流量調整弁24aを介して、高温側ラジエータ22へ流入する。高温側ラジエータ22へ流入した高温側熱媒体は、シャッター装置22aを介して高温側ラジエータ22へ流入した外気OAに放熱する。これにより、高温側熱媒体が冷却される。高温側ラジエータ22から流出した高温側熱媒体は、高温側合流部26bの一方の流入口へ流入する。
高温側分岐部26aにて分岐された他方の高温側熱媒体は、第2高温側流量調整弁24bを介して、ヒータコア23へ流入する。ヒータコア23へ流入した高温側熱媒体は、室内蒸発器16にて冷却された送風空気Wの少なくとも一部に放熱する。これにより、送風空気Wの少なくとも一部が再加熱される。
ヒータコア23から流出した高温側熱媒体は、統合変電ユニット72の冷却水通路72aへ流入する。統合変電ユニット72の冷却水通路72aへ流入した高温側熱媒体は、暖房モードと同様に、熱生成モードで作動している統合変電ユニット72が発生させた熱を吸熱する。これにより、高温側熱媒体が加熱される。
統合変電ユニット72の冷却水通路72aから流出した高温側熱媒体は、高温側合流部26bの他方の流入口へ流入する。高温側分岐部26aから流出した高温側熱媒体は、高温側リザーブタンク27を介して、高温側ポンプ21へ吸入されて再び圧送される。
また、除湿暖房モードの室内空調ユニット40では、室内蒸発器16にて冷却されて除湿された送風空気Wの少なくとも一部が、ヒータコア23にて再加熱される。そして、エアミックスドア44の開度調整によって、目標吹出温度TAOに近づくように温度調整された送風空気Wが車室内へ送風される。これにより、車室内の除湿暖房が実現される。
つまり、除湿暖房モードでは、冷凍サイクル装置10が発生させた熱に加えて、統合変電ユニット72の発生させた熱を、高温側熱媒体の加熱源として用いている。そして、ヒータコア23にて、高温側熱媒体を熱源として、送風空気Wを加熱している。従って、除湿暖房モードでは、統合変電ユニット72の発生させた熱を間接的に加熱対象物である送風空気Wの加熱源として用いている。
さらに、本実施形態の車両用熱管理システム1は、上述した各運転モードでの運転と並行して、走行系電気機器(具体的には、モータジェネレータ70およびインバータ71)の温度を調整する機器温調運転を行っている。機器温調運転は、走行系電気機器の温度を適切な温度範囲内に維持するための運転である。
機器温調運転では、制御装置50が、低温側熱媒体回路30の機器用ポンプ38aを作動させる。さらに、制御装置50は、走行系電気機器の温度が適切な温度範囲内に維持されるように、機器側三方弁33bの作動を制御する。
具体的には、走行系電気機器の温度が上昇した際には、制御装置50は、低温側ラジエータ32側へ流出させる熱媒体流量を増加させるように、機器側三方弁33bの作動を制御する。これにより、機器用ポンプ38aから走行系電気機器へ圧送される低温側熱媒体のうち、低温側ラジエータ32にて冷却された低温側熱媒体の割合を増加させて、走行系電気機器を冷却する。
一方、走行系電気機器の温度が低下した際には、制御装置50は、バイパス通路38b側へ流出させる熱媒体流量を増加させるように、機器側三方弁33bの作動を制御する。これにより、機器用ポンプ38aから走行系電気機器へ圧送される低温側熱媒体のうち、走行系電気機器の自己発熱によって加熱された低温側熱媒体の割合を増加させて、走行系電気機器を加熱する。
以上の如く、本実施形態の車両用熱管理システム1によれば、各運転モード等を切り替えることによって、車室内の快適な空調を実現することができる。さらに、本実施形態の車両用熱管理システム1によれば、バッテリ60およびバッテリ60に接続された電気機器の適切な温度調整を実現することができる。
さらに、本実施形態の車両用熱管理システム1では、車両に搭載された電気機器が発生させた熱を、容易に、かつ、有効に利用することができる。
より詳細には、本実施形態の車両用熱管理システム1では、走行系電気経路61と非走行系電気経路62が、バッテリ60に対して並列に接続されている。換言すると、非走行系電気機器である統合変電ユニット72が、バッテリ60からモータジェネレータ70へ至る電気経路外に接続されている。
このため、非走行系電気機器である統合変電ユニット72を熱生成モードで作動させても、走行系電気機器であるモータジェネレータ70および準走行系電気機器であるインバータ71の作動に影響を与えにくい。つまり、非走行系電気機器である統合変電ユニット72は、発熱量を増加させるように作動させても、走行用の駆動力に影響を与えにくく、制御態様の複雑化を招きにくい。
従って、非走行系電気機器である統合変電ユニット72が発生させた熱を、加熱対象物の加熱源として用いることで、車両に搭載された電気機器が発生させた熱を、容易に、かつ、有効に加熱対象物の加熱源として利用することができる。
そして、本実施形態の車両用熱管理システム1は、車室内の暖房あるいは除湿暖房のために高温側熱媒体を加熱する冷凍サイクル装置10を備えている。さらに、統合変電ユニット72が発生させた熱を高温側熱媒体の加熱源として用いている。つまり、統合変電ユニット72が発生させた熱を、具体的に、車室内の暖房あるいは除湿暖房のために、容易に、かつ、有効に利用することができる。
換言すると、本実施形態では、統合変電ユニット72が発生させた熱を、冷凍サイクル装置10の消費エネルギの低減のために有効に利用することができる。同様に、補助加熱装置として設けられた電気ヒータ25の消費エネルギの低減のために有効に利用することができる。さらに、電気ヒータ25の小型化を図るために有効に利用することができる。
また、本実施形態の車両用熱管理システム1では、高温側熱媒体回路20に、加熱用熱交換部としてのヒータコア23および高温側吸熱用熱交換部としての統合変電ユニット72の冷却水通路72aを接続している。そして、熱生成モードでは、冷却水通路72aを流通する高温側熱媒体の温度低下に伴って、統合変電ユニット72の発熱量を増加させている。
これによれば、高温側熱媒体に応じて、統合変電ユニット72の発熱量を適切に変化させることができる。つまり、統合変電ユニット72の電気回路の温度が基準耐熱温度を超えてしまうことを抑制しつつ、高温側熱媒体の温度を速やかに上昇させることができる。そして、統合変電ユニット72が発生させた熱を即効暖房のために有効に利用することができる。
(第2実施形態)
本実施形態の車両用熱管理システム1では、第1実施形態に対して、図8~図11の全体構成図に示すように、統合変電ユニット72の冷却水通路72aの接続態様を変更した例を説明する。本実施形態の統合変電ユニット72の冷却水通路72aは、低温側熱媒体回路30に接続されている。
本実施形態の車両用熱管理システム1では、第1実施形態に対して、図8~図11の全体構成図に示すように、統合変電ユニット72の冷却水通路72aの接続態様を変更した例を説明する。本実施形態の統合変電ユニット72の冷却水通路72aは、低温側熱媒体回路30に接続されている。
より詳細には、本実施形態の統合変電ユニット72の冷却水通路72aは、バッテリ60の冷却水通路60aの出口側と低温側ポンプ31の吸入口側とを接続するように配置されている。さらに、低温側ラジエータ32の出口側と低温側ポンプ31の吸入口側とを接続するように配置されている。
このため、本実施形態の統合変電ユニット72の冷却水通路72aは、低温側熱媒体と統合変電ユニット72とを熱交換させて、統合変電ユニット72の有する熱を低温側熱媒体に吸熱させる低温側吸熱用熱交換部となる。本実施形態の低温側合流部36bは、統合変電ユニット72の冷却水通路72aに設けられる。その他の車両用熱管理システム1の構成は、第1実施形態と同様である。
次に上記構成における本実施形態の車両用熱管理システム1の作動について説明する。本実施形態の車両用熱管理システム1では、第1実施形態で説明した冷房冷却モード、暖房モード、除湿暖房モードに加えて、バッテリ暖機モードを切り替えることができる。以下に各運転モードについて説明する。なお、本実施形態においても、各運転モードでの運転と並行して、機器温調運転が行われている。
(a)冷房冷却モード
冷房冷却モードでは、制御装置50は、統合変電ユニット72を通常作動させる。従って、車両走行時のように外部電源からバッテリ60への充電を行っていないときには、制御装置50は、統合変電ユニット72に殆ど電力を供給しない。その他の作動は、第1実施形態と同様である。
冷房冷却モードでは、制御装置50は、統合変電ユニット72を通常作動させる。従って、車両走行時のように外部電源からバッテリ60への充電を行っていないときには、制御装置50は、統合変電ユニット72に殆ど電力を供給しない。その他の作動は、第1実施形態と同様である。
従って、冷房冷却モードの冷凍サイクル装置10では、図8の太線で示すように、冷媒が流れる。そして、第1実施形態と同様に、チラー15へ流入した低圧冷媒が蒸発することにより、低温側熱媒体が冷却される。また、室内蒸発器16へ流入した低圧冷媒が蒸発することにより、送風空気Wが冷却される。
また、冷房冷却モードの高温側熱媒体回路20では、高温側ラジエータ22にて、高温側熱媒体と外気とを熱交換させることにより、高温側熱媒体の有する熱が外気へ放熱される。
また、冷房冷却モードの低温側熱媒体回路30では、バッテリ60の冷却水通路60aに低温側熱媒体を流通させて、低温側熱媒体とバッテリ60とを熱交換させることにより、バッテリ60が冷却される。
また、冷房冷却モードの室内空調ユニット40では、室内蒸発器16にて冷却された送風空気Wが室内へ送風される。これにより、車室内の冷房が実現される。従って、冷房冷却モードでは、第1実施形態と全く同様に、車室内の冷房およびバッテリ60の冷却が実現される。
(b)暖房モード
暖房モードでは、制御装置50は、第1実施形態と同様に、各制御対象機器の作動を制御する。このため、制御装置50は、統合変電ユニット72を熱生成モードで作動させる。
暖房モードでは、制御装置50は、第1実施形態と同様に、各制御対象機器の作動を制御する。このため、制御装置50は、統合変電ユニット72を熱生成モードで作動させる。
従って、暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図9の太線で示すように、冷媒が流れる。そして、第1実施形態と同様に、チラー15にて低圧冷媒が低温側熱媒体から吸熱して蒸発することにより、低温側熱媒体が冷却される。
また、暖房モードの高温側熱媒体回路20では、ヒータコア23にて、高温側熱媒体と送風空気Wとを熱交換させることにより、送風空気Wが加熱される。なお、本実施形態では、統合変電ユニット72の冷却水通路72aが、低温側熱媒体回路30に配置されている。このため、ヒータコア23から流出した高温側熱媒体は、高温側合流部26bの他方の流入口へ流入する。
また、暖房モードの低温側熱媒体回路30では、チラー15にて冷却された低温側熱媒体が低温側ラジエータ32へ流入する。低温側ラジエータ32へ流入した低温側熱媒体は、高温側ラジエータ22を通過した外気OAから吸熱して温度上昇する。さらに、低温側ラジエータ32から流出した低温側熱媒体は、統合変電ユニット72の冷却水通路72aへ流入する。
統合変電ユニット72の冷却水通路72aへ流入した低温側熱媒体は、熱生成モードで作動している統合変電ユニット72から吸熱して、さらに温度上昇する。統合変電ユニット72の冷却水通路72aから流出した低温側熱媒体は、低温側ポンプ31へ吸入されてチラー15の熱媒体通路152へ圧送される。チラー15の熱媒体通路152へ流入した低温側熱媒体は、冷媒通路151を流通する低圧冷媒に吸熱されて冷却される。
また、暖房モードの室内空調ユニット40では、ヒータコア23にて加熱された送風空気Wが室内へ送風される。これにより、車室内の暖房が実現される。
ここで、暖房モードのチラー15では、統合変電ユニット72にて加熱された低温側熱媒体の有する熱を、低圧冷媒に吸熱させている。そして、水-冷媒熱交換器12では、低圧冷媒が吸熱した熱を高温側熱媒体へ放熱させている。さらに、ヒータコア23では、高温側熱媒体の有する熱を送風空気Wへ放熱させて、送風空気Wを加熱している。
つまり、暖房モードでは、統合変電ユニット72の発生させた熱を、低温側熱媒体の加熱源として用いている。さらに、冷凍サイクル装置10では、チラー15にて冷媒が低温側熱媒体から吸熱した熱を、水-冷媒熱交換器12にて高温側熱媒体へ放熱させている。そして、ヒータコア23にて、高温側熱媒体を熱源として、送風空気Wを加熱している。
従って、暖房モードでは、統合変電ユニット72の発生させた熱を間接的に送風空気Wの加熱源として用いている。
(c)除湿暖房モード
除湿暖房モードでは、制御装置50は、冷房モードと同様に、統合変電ユニット72を通常作動させる。その他の作動は、第1実施形態と同様である。
除湿暖房モードでは、制御装置50は、冷房モードと同様に、統合変電ユニット72を通常作動させる。その他の作動は、第1実施形態と同様である。
従って、除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図10の太線で示すように、冷媒が流れる。そして、第1実施形態と同様に、室内蒸発器16へ流入した低圧冷媒が蒸発することにより、送風空気Wが冷却される。
また、除湿暖房モードの高温側熱媒体回路20では、ヒータコア23にて、高温側熱媒体と室内蒸発器16にて冷却された送風空気Wの少なくとも一部とを熱交換させることにより、送風空気Wの少なくとも一部が加熱される。ヒータコア23から流出した高温側熱媒体は、暖房モードと同様に、高温側合流部26bの他方の流入口へ流入する。
また、除湿暖房モードの室内空調ユニット40では、室内蒸発器16にて冷却されて除湿された送風空気Wの少なくとも一部が、ヒータコア23にて加熱される。そして、エアミックスドア44の開度調整によって、目標吹出温度TAOに近づくように温度調整された送風空気Wが車室内へ送風される。これにより、車室内の除湿暖房が実現される。
(d)バッテリ暖機モード
バッテリ暖機モードは、バッテリ60が低温となっている際に、バッテリ60の暖機を行う運転モードである。
バッテリ暖機モードは、バッテリ60が低温となっている際に、バッテリ60の暖機を行う運転モードである。
バッテリ暖機モードでは、制御装置50が、冷凍サイクル装置10の圧縮機11を停止させる。また、制御装置50は、高温側熱媒体回路20の高温側ポンプ21を停止させる。
また、制御装置50は、低温側熱媒体回路30の低温側ポンプ31を作動させる。さらに、制御装置50は、チラー15の熱媒体通路152から流出した低温側熱媒体がバッテリ60の冷却水通路60aへ流入するように、電池側三方弁33aの作動を制御する。また、制御装置50は、統合変電ユニット72を熱生成モードで作動させる。
従って、バッテリ暖機モードの低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー15の熱媒体通路152へ流入する。バッテリ暖機モードでは、圧縮機11が停止している。このため、チラー15の熱媒体通路152へ流入した低温側熱媒体は、冷却されることなく熱媒体通路152から流出する。
チラー15の熱媒体通路152から流出した低温側熱媒体は、電池側三方弁33a介して、バッテリ60の冷却水通路60aへ流入する。バッテリ60の冷却水通路60aへ流入した低温側熱媒体は、バッテリ60と熱交換して放熱する。これにより、バッテリ60が暖機される。
バッテリ60の冷却水通路60aから流出した低温側熱媒体は、統合変電ユニット72の冷却水通路72aへ流入する。統合変電ユニット72の冷却水通路72aへ流入した高温側熱媒体は、熱生成モードで作動している統合変電ユニット72が発生させた熱を吸熱する。これにより、低温側熱媒体が加熱される。
統合変電ユニット72の冷却水通路72aから流出した低温側熱媒体は、低温側ポンプ31へ吸入されてチラー15の熱媒体通路152へ圧送される。
つまり、バッテリ暖機モードでは、統合変電ユニット72が発生させた熱を低温側温度調整対象物であるバッテリ60の加熱源として用いている。
以上の如く、本実施形態の車両用熱管理システム1によれば、各運転モード等を切り替えることによって、車室内の快適な空調を実現することができる。さらに、本実施形態の車両用熱管理システム1によれば、バッテリ60およびバッテリ60に接続された電気機器の適切な温度調整を実現することができる。
さらに、本実施形態の車両用熱管理システム1では、第1実施形態と同様に、車両に搭載された電気機器が発生させた熱を、容易に、かつ、有効に利用することができる。
より詳細には、本実施形態の車両用熱管理システム1は、車室内の暖房のために高温側熱媒体を加熱する冷凍サイクル装置10を備えている。さらに、冷凍サイクル装置10では、統合変電ユニット72が発生させた熱によって加熱された低温側熱媒体を、暖房時の冷凍サイクル装置10の吸熱源としている。つまり、統合変電ユニット72が発生させた熱を、車室内の暖房のために、容易に、かつ、有効に利用することができる。
換言すると、本実施形態では、統合変電ユニット72が発生させた熱を、冷凍サイクル装置10の消費エネルギの低減のために有効に利用することができる。同様に、補助加熱装置として設けられた電気ヒータ25の消費エネルギの低減のために有効に利用することができる。さらに、電気ヒータ25の小型化を図るために有効に利用することができる。
また、本実施形態の車両用熱管理システム1では、低温側熱媒体回路30に、低温側吸熱用熱交換部としての統合変電ユニット72の冷却水通路72aを接続している。そして、熱生成モードでは、冷却水通路72aを流通する低温側熱媒体の温度低下に伴って、統合変電ユニット72の発熱量を増加させている。
これによれば、低温側熱媒体に応じて、統合変電ユニット72の発熱量を適切に変化させることができる。つまり、統合変電ユニット72の電気回路の温度が基準耐熱温度を超えてしまうことを抑制しつつ、低温側熱媒体の温度を速やかに上昇させることができる。
さらに、低温側熱媒体回路30に、温度調整用熱交換部としてのバッテリ60の冷却水通路60aを接続している。これによれば、冷房冷却モード時にバッテリ60の冷却ができるだけでなく、バッテリ暖機モード時にバッテリ60の暖機を行うこともできる。そして、統合変電ユニット72が発生させた熱を即効暖機のために有効に利用することができる。
本開示は上述の実施形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
上述の第1実施形態では、高温側熱媒体を直接的な加熱対象物とした例を説明した。また、第2実施形態では、低温側熱媒体を直接的な加熱対象物とした例を説明した。さらに、送風空気Wを間接的な加熱対象物とした例を説明した。これに対して、加熱対象物は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。加熱対象物は、他の電気機器であってもよいし、着霜の生じた熱交換器であってもよい。
例えば、第2実施形態では、暖房モード時に低温側ラジエータ32に着霜が生じる可能性がある。そこで、低温側ラジエータ32に着霜が生じた際には、非走行系電気機器が発生させた熱を低温側ラジエータ32の加熱源として用い、低温側ラジエータ32の除霜を行ってもよい。
具体的には、低温側ラジエータ32の除霜を行う除霜モードでは、制御装置50が、冷凍サイクル装置10の圧縮機11を停止させる。また、制御装置50は、高温側熱媒体回路20の高温側ポンプ21を停止させる。
また、制御装置50は、低温側熱媒体回路30の低温側ポンプ31を作動させる。さらに、制御装置50は、チラー15の熱媒体通路152から流出した低温側熱媒体が低温側ラジエータ32へ流入するように、電池側三方弁33aの作動を制御する。そして、制御装置50は、統合変電ユニット72を熱生成モードで作動させればよい。
上述の実施形態では、非走行系電気機器として、統合変電ユニット72の発生させた熱を加熱源として用いる例を説明した。これに対して、非走行系電気機器は、統合変電ユニット72に限定されない。
例えば、非走行系電気機器は、圧縮機11のように、車室内の空調を行うために用いられる空調用電気機器であってもよい。また、先進運転支援システムの制御装置73のように、車両の走行のために取得した情報の処理を行うために用いられる情報処理用電気機器であってもよい。
上述の第1実施形態では、非走行系電気機器である統合変電ユニット72の冷却水通路72aを高温側熱媒体回路20に配置とした例を説明した。また、第2実施形態では、統合変電ユニット72の冷却水通路72aを低温側熱媒体回路30に配置とした例を説明した。これに対して、非走行系電気機器の配置は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
非走行系電気機器の有する熱を有効に利用することが可能性あれば、いずれに配置されていてもよい。例えば、第1実施形態では、高温側合流部26bの流出口から高温側ポンプ21の吸入口へ至る熱媒体通路に統合変電ユニット72の冷却水通路72aを配置してもよい。例えば、第2実施形態では、低温側合流部36bの流出口から低温側ポンプ31の吸入口へ至る熱媒体通路に統合変電ユニット72の冷却水通路72aを配置してもよい。
上述の実施形態では、走行系電気経路61と非走行系電気経路62とをバッテリ60に対して並列に接続するために、図3に示すように、複数の電気機器をバッテリ60に直接接続した例を説明したが、これに限定されない。例えば、複数の電気機器を、中継回路(いわゆる、コンジャンクションボックス)75を介して、バッテリ60に接続してもよい。
中継回路75は、バッテリ60から供給された電力を、出力側に接続された複数の電気機器に分配することができる。
具体的には、図12に示すように、バッテリ60に接続された中継回路75の出力側に、インバータ71と統合変電ユニット72とを接続する。さらに、図3と同様に、インバータ71に、モータジェネレータ70を接続する。これによれば、図12に示すように、中継回路75よりも下流側に、走行系電気経路61および非走行系電気経路62が形成することができる。
また、図13に示すように、中継回路75を一部の電気機器と一体化し、一体化された中継回路75に別の電気機器を接続してもよい。図13では、統合変電ユニット72に、中継回路75を一体化させている。これによれば、図13に示すように、中継回路75よりも下流側に、走行系電気経路61および非走行系電気経路62を形成することができる。
図12、図13に示す走行系電気経路61および非走行系電気経路62であっても、バッテリ60に対して並列に接続された電気経路に含まれる。
車両用熱管理システム1が備える冷凍サイクル装置10、高温側熱媒体回路20、低温側熱媒体回路30は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、冷凍サイクル装置10の冷媒として、R134a、R600a、R410A、R404A、R32、R407C等を採用してもよい。または、これらのうち複数の冷媒を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
例えば、高温側熱媒体回路20および低温側熱媒体回路30の熱媒体として、ジメチルポリシロキサン、あるいはナノ流体等を含む溶液、不凍液、アルコール等を含む水系の液冷媒、オイル等を含む液媒体等を採用してもよい。
例えば、補助加熱装置である電気ヒータ25として、PTCヒータを採用した例を説明したが、これに限定されない。電力を供給されることによって発熱する加熱装置であれば、ニクロム線等を採用してもよい。
さらに、非走行系電気機器が発生させた熱を加熱対象物の加熱源として用いることができれば、冷凍サイクル装置10、高温側熱媒体回路20、低温側熱媒体回路30は、本開示の車両用熱管理システム1の必須の構成ではない。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
Claims (9)
- 電力を蓄えるバッテリ(60)、および前記バッテリに接続された複数の電気機器(11、70、71、72、73)が搭載された車両に適用される車両用熱管理システムであって、
前記複数の電気機器として、車両走行用の駆動力を発生させるために用いられる走行系電気機器(70、71)、および前記走行系電気機器に含まれない非走行系電気機器(11、72)を有し、
前記バッテリから前記走行系電気機器へ電力を供給する電気経路を走行系電気経路(61)と定義し、前記バッテリから前記非走行系電気機器へ電力を供給する電気経路を非走行系電気経路(62)と定義したときに、
前記走行系電気経路および前記非走行系電気経路は、前記バッテリに対して並列に接続されており、
前記非走行系電気機器が発生させた熱を加熱対象物の加熱源として用いる車両用熱管理システム。 - 電力を蓄えるバッテリ(60)、および前記バッテリに接続された複数の電気機器(11、70、71、72、73)が搭載された車両に適用される車両用熱管理システムであって、
前記複数の電気機器として、車両走行用の駆動力を出力する走行用電動モータ(70)、および前記バッテリから前記走行用電動モータへ至る電気経路外に接続された非走行系電気機器(11、72、73)を有し、
前記非走行系電気機器が発生させた熱を加熱対象物の加熱源として用いる車両用熱管理システム。 - 高温側熱媒体を循環させる高温側熱媒体回路(20)を備え、
前記高温側熱媒体回路は、前記加熱対象物と前記高温側熱媒体とを熱交換させる加熱用熱交換部(23)、および前記非走行系電気機器と前記高温側熱媒体とを熱交換させる高温側吸熱用熱交換部(72a)を有し、
前記高温側吸熱用熱交換部を流通する前記高温側熱媒体の温度低下に伴って、前記非走行系電気機器の発熱量を増加させる請求項1または2に記載の車両用熱管理システム。 - 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)、および前記圧縮機(11)から吐出された前記冷媒と前記高温側熱媒体とを熱交換させる高温側熱交換部(12)を有する冷凍サイクル装置(10)を備える請求項3に記載の車両用熱管理システム。
- 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)、前記圧縮機(11)から吐出された前記冷媒を熱源として前記加熱対象物を加熱する加熱部(12、23)、前記加熱部の下流側の前記冷媒を減圧させる減圧部(14a)、および前記減圧部にて減圧された前記冷媒と低温側熱媒体とを熱交換させる低温側熱交換部(15)を有する冷凍サイクル装置(10)と、
前記低温側熱媒体を循環させる低温側熱媒体回路(30)と、を備え、
前記低温側熱媒体回路(30)は、前記非走行系電気機器と前記低温側熱媒体とを熱交換させる低温側吸熱用熱交換部(72a)を有し、
前記低温側吸熱用熱交換部を流通する前記低温側熱媒体の温度低下に伴って、前記非走行系電気機器の発熱量を増加させる請求項1または2に記載の車両用熱管理システム。 - 前記低温側熱媒体回路(30)は、前記低温側熱媒体と低温側温度調整対象物と熱交換させる温度調整用熱交換部(60a)を有している請求項5に記載の車両用熱管理システム。
- 前記非走行系電気機器は、前記バッテリを充電するために用いられる充電用電気機器(72)を含んでいる請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
- 前記非走行系電気機器は、車室内の空調を行うために用いられる空調用電気機器(11)を含んでいる請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
- 前記非走行系電気機器は、前記車両の走行のために取得した情報の処理を行うために用いられる情報処理用電気機器(73)を含んでいる請求項2に記載の車両用熱管理システム。
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