JP2014037182A - 電動車両用熱管理システム - Google Patents

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Atsushi Hatakeyama
淳 畠山
Takayuki Ishikawa
貴幸 石川
Masashi Koshijima
将史 越島
Satoshi Ogiwara
智 荻原
Hitoshi Shimonosono
均 下野園
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Abstract

【課題】冷媒サイクルにおける冷媒寝込みを解消できる電動車両用熱管理システムを提供する。
【解決手段】電動車両用熱管理システム100は、蒸発部において吸熱し、凝縮部において放熱する、エアコン用冷媒ループ10と、ヒータ用冷媒を、凝縮部16と、車内放熱器35と、車外放熱器32と、の間で循環させるヒータ用冷媒ループ30と、バッテリ用冷媒を、バッテリと、蒸発部17と、バッテリ用冷媒と車内への導入空気との間で熱交換する熱交換器56と、の間で循環させるバッテリ用冷媒ループ50と、空調ユニットの目標吹き出し温度が車室内空気温度より高い場合、バッテリ用冷媒ループ50を熱交換器56を迂回する状態に切り換え、空調ユニットの目標吹き出し温度が車室内空気温度より低い場合、バッテリ用冷媒ループ50を熱交換器56を流れる状態に切り換える熱管理制御手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動車両に搭載される電動車両用熱管理システムに関する。
電動モータの駆動力によって走行する電動車両は、エンジンを搭載していないので、暖房時にエンジンの排熱を利用することができない。また、ハイブリッド車両のようにエンジンを搭載した電動車両においても、エンジンを常時運転させているわけではないので、暖房時の熱量が不足する。そこで、暖房時には、電動コンプレッサを備えた冷媒サイクルによって構成される空調装置によって車室内温度を上昇させている。
しかし、空調装置を作動させた分だけバッテリに蓄電された電力が消費されるので、車両の航続可能距離が低下する。
特許文献1は、空調装置を構成する冷媒サイクルとは別に、バッテリを冷却する冷却水回路を備え、冷媒と冷却水との間で熱交換可能な空調システムを開示している。この空調システムは、充電中にバッテリを加熱しておき、車両の動作中であって暖房を使用する際に、バッテリに蓄熱された熱を利用する。
特開2011−68348号公報
しかし、上記特許文献1の空調システムは、冷房時と暖房時とで冷媒の流れる回路が異なるので、冷房時及び暖房時にそれぞれ冷媒が滞留する回路が存在することになる。冷媒流路に冷媒が滞留すると、液化して淀んだ状態(冷媒寝込み状態)となる。冷媒が寝込んだ分だけ冷媒サイクル内を循環する冷媒量が減少する。さらに、冷媒には各種可動部の潤滑性を上げるためオイルが溶け込んでいるが、冷媒が寝込むことで循環するオイル量も減少する。よって、サイクル運転中に過少冷媒及び過少オイル状態となる。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、冷媒サイクルにおける冷媒寝込みを解消できる電動車両用熱管理システムを提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、電動モータによって駆動される電動車両に用いられる車両用熱管理システムであって、エアコン用冷媒を圧縮する圧縮部と、エアコン用冷媒の熱を放熱してエアコン用冷媒を凝縮させる凝縮部と、エアコン用冷媒を膨張させて減圧させる減圧部と、エアコン用冷媒に熱を吸熱させてエアコン用冷媒を蒸発させる蒸発部とを有し、エアコン用冷媒を循環させ、蒸発部において吸熱し、凝縮部において放熱する、エアコン用冷媒ループと、ヒータ用冷媒を、エアコン用冷媒ループと共通の凝縮部と、ヒータ用冷媒から車内への導入空気に放熱させる車内放熱器と、ヒータ用冷媒から車外空気へと放熱させる車外放熱器と、の間で循環させるヒータ用冷媒ループと、バッテリ用冷媒を、電動モータへの供給電力を蓄電するバッテリと、エアコン用冷媒ループと共通の蒸発部と、バッテリ用冷媒と車内への導入空気との間で熱交換する熱交換器と、の間で循環させるバッテリ用冷媒ループと、バッテリ用冷媒ループを、バッテリ用冷媒が熱交換器を流れる状態と、バッテリ用冷媒が熱交換器を迂回する状態と、の間で切り換え可能な切り換え手段と、車室内空気温度を調整する空調ユニットの目標吹き出し温度が車室内空気温度より高い場合、バッテリ用冷媒ループを熱交換器を迂回する状態に切り換え、空調ユニットの目標吹き出し温度が車室内空気温度より低い場合、バッテリ用冷媒ループを熱交換器を流れる状態に切り換える熱管理制御手段と、を備えることを特徴とする電動車両用熱管理システムが提供される。
上記態様によれば、空調モードにかかわらず、エアコン用冷媒はバッテリ用冷媒ループの蒸発部において吸熱し、ヒータ用冷媒ループの凝縮部において放熱するので、冷房時と暖房時とでエアコン用冷媒の流れる流路を変える必要がなく、冷媒の寝込み状態の発生を防止することができる。
本発明の実施形態に係る電動車両用熱管理システムの全体構成を示している。 電動車両用熱管理システムの制御システム図である。 電動車両用熱管理システムの処理内容を示したフローチャートである。 電動車両用熱管理システムの処理内容を示したフローチャートである。 電動車両用熱管理システムの処理内容を示したフローチャートである。 電動車両用熱管理システムの処理内容を示したフローチャートである。 電動車両用熱管理システムの処理内容を示したフローチャートである。 充電時における電動車両用熱管理システムの作動状態を示している。 バッテリ暖機時における電動車両用熱管理システムの作動状態を示している。 暖房時における電動車両用熱管理システムの作動状態を示している。 冷房時における電動車両用熱管理システムの作動状態を示している。 コンプレッサ異常時における電動車両用熱管理システムの作動状態を示している。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る電動車両用熱管理システム100の全体構成を示している。
電動車両用熱管理システム100は、エアコンループ10と、高水温ループ30と、低水温ループ50と、を備える。
エアコンループ10について説明する。
エアコンループ10は、冷媒(例えばHFC134aなど)を、コンプレッサ11、水コンデンサ16、膨張弁18、及びチラー17の順に循環させる冷凍サイクルを構成する冷媒回路である。
コンプレッサ11は、電動モータによって駆動され、冷媒ガスを圧縮して高温高圧の圧縮冷媒ガスを吐出する。
水コンデンサ16は、圧縮冷媒ガスと高水温ループの冷却水との間で熱交換を行って、圧縮冷媒ガスの熱を高水温ループ30の冷却水に放熱することで圧縮冷媒ガスを冷却し、凝縮させて液体冷媒とする。
膨張弁18は、高圧の液体冷媒を膨張させて低圧の液体冷媒とする。膨張弁18は感温式膨張弁(TXV)であり、チラー17の出口における過熱度が予め設定した所定の状態となるようにチラー17に流入する冷媒量を制御する。
チラー17は、エアコンループ10の冷媒と低水温ループ50の冷却水との間で熱交換を行って、低水温ループ50の熱を吸収することで低水温ループ50の冷却水を冷却し、液体冷媒を蒸発させて冷媒ガスとする。
次に、高水温ループ30について説明する。
高水温ループ30は、冷却水(例えば不凍液など)を、ラジエータポンプ31、ラジエータ32、モータ33の順に循環させるとともに、H/Cポンプ34、ヒータコア35、水コンデンサ16の順に循環させる。つまり、高水温ループ30は、モータ33及び水コンデンサ16の少なくとも一方で吸熱した熱を、ラジエータ32及びヒータコア35の少なくとも一方で放熱する冷却水回路である。
ラジエータポンプ31は、冷却水をラジエータ32へと送出する。ラジエータ32は、冷却水と車室外空気との間で熱交換を行って、冷却水の熱を車室外へと放出することで冷却水を冷却する。モータ33は、車両駆動用の電動モータであり、バッテリ1からの電力供給を受けて車両を駆動する。
H/Cポンプ34は、冷却水をヒータコア35へと送出する。ヒータコア35は、空調ユニット内に設けられ、冷却水と車室内への導入空気との間で熱交換を行って、冷却水の熱を車室内への導入空気へと放出することで導入空気を加熱し、冷却水を冷却する。水コンデンサ16は、エアコンループ10の冷媒と高水温ループ30の冷却水との間で熱交換を行う熱交換器であり、冷媒から冷却水へと熱が伝達される。
高水温ループ30はさらに、水コンデンサ16の下流側とラジエータポンプ31の上流側とを接続してモータ33をバイパスするバイパス流路36と、水コンデンサ16の下流側の冷却水をモータ33側及びバイパス流路36側の少なくとも一方に流すように流路を切り換え可能な水切り換え弁37と、を備える。
次に、低水温ループ50について説明する。
低水温ループ50は、冷却水(例えば不凍液など)を、バッテリポンプ51、DC/DCコンバータ52、インバータ53、チラー17、クーラコア56、ウォータジャケット55、温水ヒータ54の順に循環させる。
バッテリポンプ51は、冷却水をDC/DCコンバータ52へと送出する。DC/DCコンバータ52は、バッテリ1から供給された電力を例えば12Vに降圧し、駆動系(モータ33、インバータ53など)とは異なる電源系統(サブバッテリなど)へ出力される。インバータ53は、車両の要求駆動力に応じてバッテリ1の直流電力を交流電力に変換してモータ33へと供給する。バッテリ1は、車両駆動用のモータ33に供給する電力を蓄電し、バッテリ1と外気との間の断熱性を確保できる断熱構造となっている。
チラー17は、低水温ループ50の冷却水とエアコンループ10の冷媒との間で熱交換を行う熱交換器であり、冷却水から冷媒へと熱が伝達される。
クーラコア56は、空調ユニット内に設けられ、低水温ループ50の冷却水と車室内への導入空気との間で熱交換を行って、車室内への導入空気の熱を吸収することで導入空気を冷却する。
ウォータジャケット55は、冷却水とバッテリ1との間で熱交換を行う熱交換器であり、バッテリモジュールとの接触面積が大きくなるようにバッテリ1に隣接して設けられる。温水ヒータ54は、例えばPTCヒータなどであり、バッテリ1から供給される電力によって発熱して冷却水を加熱する。
低水温ループ50はさらに、チラー17において放熱した冷却水を、クーラコア56を迂回してウォータジャケット55へと送るバイパス流路57と、バイパス流路57を開閉可能なバイパス電磁弁58と、冷却水をクーラコア56側へと流す流路を開閉するクーラコア電磁弁59と、を備える。
電動車両用熱管理システム100は、以上の3つのループから構成され、各ループ間で熱の伝達が行われる。
ここで、車両と車室外空気との間の熱の授受について説明する。
高水温ループ30のラジエータ32は、車両走行時の走行風を受ける位置に配設される。これにより、走行中は走行風によってラジエータ32からの放熱を行うことが可能である。さらに、電動のラジエータファン2がラジエータ32に隣接して設けられ、ラジエータファン2を作動させることでラジエータ32からの放熱を強制的に行うことも可能である。
さらに、車両と車室内空気との間の熱の授受について説明する。
車室内の温度を調整する空調ユニットは、ブロアファン3、クーラコア56、ミックスドア4、及びヒータコア35を備える。
ブロアファン3によって、車室内の空気又は外気から選択的に取り入れられた空気は、クーラコア56によって冷却され、ミックスドア4の開度に応じて再加熱された後、車室内への吹き出し口から車室内へと吹き出される。
空調ユニットに取り入れる空気を外気導入とするか内気循環とするかは、空調ユニットの最上流部に設けられるインテークドアの開度に応じて切り換えられる。ミックスドア4の開度は、設定温度や日射量センサの検出値などに基づいて設定される目標吹き出し温度に応じて設定される。車室内への吹き出し口であるデフ吹き出し口、ベント吹き出し口、及びフット吹き出し口の吹き出し割合は、各吹き出し口の開度を調整するデフドア、ベントドア、フットドアの開度によって調整される。
次に、電動車両用熱管理システム100の動作制御を行うコントローラ70について図2を参照しながら説明する。
コントローラ70は、車両が充電状態であることを検知する充電状態センサ71の検知信号、車室内空気の温度を検出する内気温度センサ72の検出信号、車室外空気の温度を検出する外気温度センサ73の検出信号、車両が受ける日射量を検出する日射量センサ74の検出信号、インストルメントパネル内に設置されたA/Cコントローラ75を運転者が操作することによって設定された設定温度や風量などの設定情報、低水温ループ50を循環する冷却水の温度を検出する低水温ループ温度センサ76の検出信号、高水温ループ30を循環する冷却水の温度を検出する高水温ループ温度センサ77の検出信号、及びエアコンループ10の冷媒圧力を検出する冷媒圧力センサ78の検出信号、を受信する。
コントローラ70は、受信された各種信号を処理して、ブロアファン3の風量、各ドアの開度、コンプレッサ11の回転速度、ラジエータファン2の作動、温水ヒータ54の作動、ラジエータポンプ31の作動、H/Cポンプ34の作動、バッテリポンプ51の作動、三方弁20の切り換え、水切り換え弁37の切り換え、クーラコア電磁弁59の開閉、バイパス電磁弁58の開閉、及びコーションランプ60の点灯状態、を制御する。
コーションランプ60は、コンプレッサ11が異常であることを運転者に通知する警告灯であり、例えば車室内のコンビネーションメータ内に設けられる。
次に、電動車両用熱管理システム100のコントローラ70で行われる処理内容について図3〜図7を参照して説明する。
図3及び図4は、車両停車中であってバッテリ充電中(プラグイン状態)である場合にコントローラ70で行われる処理を示したフローチャートである。図3及び図4に示す制御処理は、微小時間ごとに繰り返し行われる。
ステップS1においてコントローラ70は、バッテリ1の充電量(SOC)が70%以上であるか否かを判定する。SOCが70%以上であると判定されると処理がステップS2へ進み、SOCが70%未満であると判定されると処理がステップS8へ進む。バッテリ充電時に放出される充電熱を優先的に使用するため、SOCが70%以上となってから後述するステップS7において温水ヒータ54を作動させる。つまり、温水ヒータ54の作動を決定する閾値(70%)は、SOCとバッテリ1の充電熱発生量との関係に基づいて適宜設定される。
ステップS2においてコントローラ70は、目標吹き出し温度を算出する。目標吹き出し温度は、空調ユニットの設定温度、車室内空気温度、外気温度、及び車両が受ける日射量等に基づいて算出される。例えば、A/Cコントローラ75において運転者がAUTOスイッチを押してオートモードに設定されている場合には、車室内空気温度が設定温度となるように目標吹き出し温度が自動的に算出される。なお、本制御処理はバッテリ充電時の処理であり、運転者は乗車していない状態(プラグイン状態)であるので、A/Cコントローラ75の設定温度は運転者が車両を停車させてプラグイン状態とした時点において設定されている設定温度が参照される。
ステップS3においてコントローラ70は、暖房要求があるか否かを判定する。暖房要求があると判定されると処理がステップS4へ進み、暖房要求がないと判定されると処理がステップS5へ進む。暖房要求の有無は、目標吹き出し温度と車室内空気温度とに基づいて、例えば、目標吹き出し温度が車室内空気温度より高い場合には暖房要求有り、目標吹き出し温度が車室内空気温度より低い場合には冷房要求有り、と判断される。
ステップS4においてコントローラ70は、低水温ループ50の目標温度を35℃に設定する。インテークドアは内気循環の位置に駆動され(REC)、デフ吹き出し口が開状態となるようにデフドアが駆動される(DEF)。ミックスドア4は、空調ユニット内のクーラコア56を通過した空気がすべてヒータコア35を通過する、フルホット位置に駆動される(F/HOT)。
ステップS5においてコントローラ70は、低水温ループ50の目標温度を3℃に設定する。インテークドアは内気循環の位置に駆動され(REC)、ベント吹き出し口が開状態となるようにベントドアが駆動される(VENT)。ミックスドア4は、空調ユニット内のクーラコア56を通過した空気がすべてヒータコア35を通過しない、フルクール位置に駆動される(F/COOL)。
低水温ループ50の冷却水温度はバッテリ1の温度とほぼ等しくなるので、ステップS4、S5において設定される目標温度(35℃、3℃)は、それぞれバッテリ1の仕様に基づき作動に好ましい温度の上限値及び下限値に設定される。
ステップS6においてコントローラ70は、低水温ループ50の冷却水温度が低水温ループ50の目標温度以下であるか否かを判定する。冷却水温度が目標温度以下であると判定されると処理がステップS7へ進み、目標温度より高いと判定されると処理がステップS8へ進む。目標温度は、ステップS4又はステップS5において設定された低水温ループ50の目標温度である。
ステップS7においてコントローラ70は、温水ヒータ54を作動させる。
ステップS8においてコントローラ70は、温水ヒータ54を停止させる。
ステップS9においてコントローラ70は、バッテリ温度が許容温度以上であるか否かを判定する。バッテリ温度が許容温度以上であると判定されると処理がステップS10へ進み、許容温度未満であると判定されると処理がステップS11へ進む。許容温度は、ステップS4、S5において設定した低水温ループ50の目標温度である。
ステップS10においてコントローラ70は、コンプレッサ11を最小回転速度で回転するように駆動する。
ステップS11においてコントローラ70は、コンプレッサ11を停止させる。
つまり、バッテリ1の充電熱、並びにDC/DCコンバータ52及びインバータ53の排熱だけで、低水温ループ50の冷却水温度がバッテリ1の許容温度を超えるような場合には、コンプレッサ11を駆動して冷却水を強制的に冷却する。
ステップS12においてコントローラ70は、空調モードが冷房モードであるか否かを判定する。冷房モードであると判定されると処理がステップS13へ進み、暖房モードであると判定されると処理がステップS14へ進む。
ステップS13においてコントローラ70は、ラジエータファン2を作動させる。つまり、冷房モードの場合には、コンデンサ12において放熱を行う。
ステップS14においてコントローラ70は、ラジエータファン2を停止させる。
図4に移行して、ステップS15においてコントローラ70は、空調モードが暖房モードであるか否かを判定する。暖房モードであると判定されると処理がステップS16へ進み、冷房モードであると判定されると処理がステップS17へ進む。
ステップS16においてコントローラ70は、高水温ループ30の目標温度を80℃に設定する。暖房モードである場合には、水コンデンサ16の凝縮熱を利用して車室内を予熱するので、目標温度が高めに設定される。
ステップS17においてコントローラ70は、高水温ループ30の目標温度を60℃に設定する。
ステップS18においてコントローラ70は、高水温ループ30の冷却水温度が高水温ループ30の目標温度以上であるか否かを判定する。冷却水温度が目標温度以上であると判定されると処理がステップS19へ進み、目標温度未満であると判定されると処理がステップS20へ進む。
ステップS19においてコントローラ70は、高水温ループ30をラジエータ回路とし、ラジエータファン2を作動させる。ラジエータ回路とは、高水温ループ30の冷却水がヒータコア35を循環するヒータコア回路に加えて、ラジエータポンプ31が駆動することで冷却水がラジエータ32にも循環する回路である。ラジエータ回路では、冷却水は水コンデンサ16において吸熱した熱をヒータコア35において車室内に排熱するのに加えて、ラジエータ32において車室外に排熱する。つまり、ステップS18において、高水温ループ30の冷却水温度が目標温度を超えた場合には、ラジエータ放熱によって高水温ループ30の冷却水を強制的に冷却する。
ステップS20においてコントローラ70は、高水温ループ30をヒータコア回路とし、ラジエータファン2を停止させる。ヒータコア回路とは、高水温ループ30の冷却水がヒータコア35及び水コンデンサ16を循環する回路である。この場合には、高水温ループ30の冷却水はラジエータ放熱されない。
ステップS21においてコントローラ70は、暖房時であって、かつ高水温ループ30の冷却水温度が60℃以上であるか否かを判定する。条件が成立すると判定されると処理がステップS22へ進み、条件非成立であると判定されると処理がステップS23へ進む。本ステップの判定条件の閾値である60℃は、ブロアファン3を作動させて車室内を予熱するのに十分なヒータコア温度が確保できると判断できる程度の値に適宜設定される。
ステップS22においてコントローラ70は、ブロアファン3を最小回転速度となるように回転駆動させる。これにより、暖房モード時に室内に温風を供給して車室内を予熱(プレヒート)することができる。
ステップS23においてコントローラ70は、ブロアファン3を停止させる。
図5〜図7は、車両が運転状態(運転者が車両に搭乗している状態)にある場合にコントローラ70で行われる処理を示したフローチャートである。図5〜図7に示す制御処理は、微小時間ごとに繰り返し行われる。
ステップS31においてコントローラ70は、ブロアファン3が作動しているか否かを判定する。ブロアファン3が作動していると判定されると処理がステップS32へ進み、作動していないと判定されると処理が図6のステップS45へ進む。ブロアファン3は、車両の空調ユニットが作動している場合、例えば、運転者がA/Cコントローラ75を操作して空調を作動させている場合に、作動していると判定される。
ステップS32においてコントローラ70は、目標吹き出し温度を算出する。目標吹き出し温度は、空調ユニットの設定温度、車室内空気温度、外気温度、及び車両が受ける日射量等に基づいて算出される。例えば、A/Cコントローラ75において運転者がAUTOスイッチを押してオートモードに設定されている場合には、車室内空気温度が設定温度となるように目標吹き出し温度が自動的に算出される。
ステップS33においてコントローラ70は、暖房要求があるか否かを判定する。暖房要求があると判定されると処理がステップS34へ進み、暖房要求がないと判定されると処理がステップS44へ進む。暖房要求の有無は、目標吹き出し温度と車室内空気温度とに基づいて、例えば、目標吹き出し温度が車室内空気温度より高い場合には暖房要求有り、目標吹き出し温度が車室内空気温度より低い場合には冷房要求有り、と判断される。
ステップS34においてコントローラ70は、バイパス電磁弁58を開状態とし、空調ユニット(HVAC)をオートモードに設定する。これにより、ブロアファン3の風量及び各ドア(インテークドア、ミックスドア、デフドア、ベントドア、フットドア)のドア位置は、車室内温度が設定温度となるように自動制御される。これに伴って、ラジエータファン2及びラジエータポンプ31を停止させる。
ステップS35においてコントローラ70は、低水温ループ50の冷却水温度が15℃以下であるか否かを判定する。冷却水温度が15℃以下であると判定されると処理がステップS36へ進み、15℃より高いと判定されると処理がステップS37へ進む。本ステップの判定の閾値である15℃は、バッテリ1の仕様に基づき作動に好ましい温度の下限値に適宜設定される。
ステップS36においてコントローラ70は、温水ヒータ54を作動させる。
ステップS37においてコントローラ70は、温水ヒータ54を停止させる。
ステップS38においてコントローラ70は、低水温ループ50の冷却水温度が35℃以上であるか否かを判定する。冷却水温度が35℃以上であると判定されると処理がステップS40へ進み、35℃未満であると判定されると処理がステップS39へ進む。本ステップの判定の閾値である35℃は、バッテリ1の仕様に基づき作動に好ましい温度の上限値に適宜設定される。
ステップS39においてコントローラ70は、コンプレッサ11を吹き出し温度追従制御とする。吹き出し温度追従制御とは、ステップS34において設定された空調ユニットのオートモードにおいて、目標吹き出し温度が所望の温度となるようにコンプレッサ11の回転速度を調整する制御である。
ステップS40においてコントローラ70は、低水温ループ50の冷却水温度が35℃となるようにコンプレッサ11の回転速度を制御する。
つまり、上記ステップS38〜S40において、低水温ループ50の冷却水温度が35℃以上となる場合には、暖房能力が余っていると判断して冷却水温度を35℃に保つようにコントローラ70はコンプレッサ11を制御する。
ステップS41においてコントローラ70は、高水温ループ30の冷却水温度が水温Xm以上であるか否かを判定する。冷却水温度が水温Xm以上であると判定されると処理がステップS42へ進み、水温Xmより低いと判定されると処理がステップS43へ進む。水温Xmは、ステップS32において算出された目標吹き出し温度である。
ステップS42においてコントローラ70は、高水温ループ30をラジエータ回路とし、ラジエータファン2を作動させる。ラジエータ回路とは、高水温ループ30の冷却水がヒータコア35を循環するヒータコア回路に加えて、ラジエータポンプ31が駆動することで冷却水がラジエータ32にも循環する回路である。ラジエータ回路では、冷却水は水コンデンサ16において吸熱した熱をヒータコア35において車室内に排熱するのに加えて、ラジエータ32において車室外に排熱する。つまり、高水温ループ30の冷却水温度が水温Xm以上となった場合には、ラジエータ放熱によって高水温ループ30の冷却水を強制的に冷却する。
ステップS43においてコントローラ70は、高水温ループ30をヒータコア回路とし、ラジエータファン2を停止させる。ヒータコア回路とは、高水温ループ30の冷却水がヒータコア35及び水コンデンサ16を循環する回路である。この場合には、高水温ループ30の冷却水はラジエータ放熱されない。
一方、ステップS33において暖房要求がないと判定された場合、処理がステップS44へ進み、コントローラ70は、クーラコア電磁弁59を開状態とし、空調ユニット(HVAC)をオートモードに設定する。これにより、ブロアファン3の風量及び各ドア(インテークドア、ミックスドア、デフドア、ベントドア、フットドア)のドア位置は、車室内温度が設定温度となるように自動制御される。これに伴って、ラジエータファン2及びラジエータポンプ31を作動させ、バイパス電磁弁58を閉状態とする。さらに、コントローラ70は、低水温ループ50の冷却水温度が3℃となるようにコンプレッサ11の回転速度を制御する。
一方、ステップS31においてブロアファン3が停止していると判定された場合、処理が図6のステップS45へ進み、コントローラ70は、ラジエータファン2及びラジエータポンプ31を作動させる。
ステップS46においてコントローラ70は、低水温ループ50の冷却水温度が35℃以上であるか否かを判定する。冷却水温度が35℃以上であると判定されると処理がステップS47へ進み、35℃より低いと判定されると処理がステップS48へ進む。
ステップS47においてコントローラ70は、コンプレッサ11を作動させる。これにより、エアコンループ10の冷媒はチラー17において低水温ループ50の冷却水から吸熱する。
ステップS48においてコントローラ70は、コンプレッサ11を停止させる。これにより、エアコンループ10の冷媒の流れは停止する。
つまり、空調がオフの場合であっても、バッテリ温度が高い場合にはチラー17から吸熱してラジエータ32から放熱する。
図7に移って、ステップS49においてコントローラ70は、コンプレッサ11が異常であるか否かを判定する。コンプレッサ11が異常であると判定されると処理がステップS50へ進み、異常でないと判定されると処理が終了する。コントローラ70は、冷媒圧力センサ78の検出値が所定の上限値以上又は下限値以下である場合、外気温度センサ73の異常時、各種センサとの通信異常時などに、コンプレッサ11が異常であると判定する。
ステップS50においてコントローラ70は、コンプレッサ11を強制的に停止させる。さらに、コントローラ70は、バッテリポンプ51を作動させ、クーラコア電磁弁59を開状態とし、温水ヒータ54を停止させる。さらに、コントローラ70は、空調ユニットのブロアファン3のファンスピードを最高速度(Hi)に設定し、フットドアを駆動してフット吹き出し口を全開とし、インテークドアを駆動して外気導入モードとする。さらに、コントローラ70は、コンプレッサ11の異常を運転者に通知するコーションランプ60を点灯させる。
上記のように、コンプレッサ11の異常時には、コンプレッサ11を強制的に停止させるので、エアコンループ10の冷媒の流れが停止し、チラー17における吸熱が行われなくなる。そこで、低水温ループ50の冷却水をクーラコア56に循環させ、クーラコア56から車室内への導入空気に放熱することで、低水温ループ50の冷却水温度の上昇を抑制する。
さらに、外気導入モードに設定してブロアファン3のファンスピードを最高速度とすることで、クーラコア56を通過する空気量が最大となるので、クーラコア56からの放熱をより促進することができる。
次に、電動車両用熱管理システム100の作動状態について図8〜図12を参照して説明する。各図において、エアコンループ10、高水温ループ30、及び低水温ループ50の回路のうち、太線で示す部分が冷媒又は冷却水が流れる部分を示している。
図8は、バッテリ充電時における電動車両用熱管理システム100の作動状態を示す回路図である。
エアコンループ10では、コンプレッサ11が作動して冷媒を、水コンデンサ16、膨張弁18、チラー17の順に循環させる。
低水温ループ50では、バッテリポンプ51が作動して冷却水を、DC/DCコンバータ52、インバータ53、チラー17、バイパス電磁弁58、ウォータジャケット55、温水ヒータ54の順に循環させる。
高水温ループ30では、H/Cポンプ34が作動して冷却水を、ヒータコア35、水コンデンサ16、水切り換え弁37の順に循環させる。冷却水の循環路は、水切り換え弁37によって規制され、さらにラジエータポンプ31が作動していないので、冷却水はモータ33及びラジエータ32には流れない。
これにより、バッテリ充電時には、バッテリ1の充電熱、インバータ53及びDC/DCコンバータ52における熱損失を低水温ループ50の冷却水に吸熱させ、必要に応じて冷却水を温水ヒータ54により加熱する。冷却水で余剰となった熱はチラー17においてエアコンループ10の冷媒に伝達する。
さらに、エアコンループ10では、コンプレッサ11の吐出側の高温冷媒から水コンデンサ16によって熱を高水温ループ30の冷却水へと伝達し、チラー17において低水温ループ50の余剰の熱を吸熱する。高水温ループ30では、水コンデンサ16で加熱された冷却水をヒータコア35へと循環させる。
図9は、バッテリ暖機時における電動車両用熱管理システム100の作動状態を示す回路図である。
この場合、コンプレッサ11、ラジエータポンプ31、及びH/Cポンプ34は作動しないので、エアコンループ10及び高水温ループ30では冷媒及び冷却水は循環しない。
低水温ループ50では、バッテリポンプ51が作動して冷却水を、DC/DCコンバータ52、インバータ53、チラー17、バイパス電磁弁58、ウォータジャケット55、温水ヒータ54の順に循環させる。さらに、温水ヒータ54を作動させて冷却水を加温する。エアコンループ10には冷媒が流れていないので、チラー17において熱交換は行われない。
これにより、バッテリ暖機時には、バッテリ1の充電熱、インバータ53及びDC/DCコンバータ52における熱損失を低水温ループ50の冷却水に吸熱させ、さらに、温水ヒータ54により冷却水を加熱して冷却水を適切な温度で循環させることでバッテリ1を暖機することができる。
図10は、暖房時における電動車両用熱管理システム100の作動状態を示す回路図である。
エアコンループ10では、コンプレッサ11が作動して冷媒を、水コンデンサ16、膨張弁18、チラー17の順に循環させる。
低水温ループ50では、バッテリポンプ51が作動して冷却水を、DC/DCコンバータ52、インバータ53、チラー17、バイパス電磁弁58、ウォータジャケット55、温水ヒータ54の順に循環させる。
高水温ループ30では、H/Cポンプ34が作動して冷却水を、ヒータコア35、水コンデンサ16、水切り換え弁37、モータ33の順に循環させる。冷却水の循環路は、水切り換え弁37によって規制され、バイパス流路36の水切り換え弁37とH/Cポンプ34との間には流れない。さらに、ラジエータポンプ31が作動していないので、冷却水はラジエータ32には流れない。
これにより、暖房時には、バッテリ1の充電熱、インバータ53及びDC/DCコンバータ52における熱損失を低水温ループ50の冷却水に吸熱させ、必要に応じて冷却水を温水ヒータ54により加熱する。冷却水で余剰となった熱はチラー17においてエアコンループ10の冷媒に伝達する。
さらに、エアコンループ10では、コンプレッサ11の吐出側の高温冷媒から水コンデンサ16によって熱を高水温ループ30の冷却水へと伝達し、チラー17において低水温ループ50の余剰の熱を吸熱する。高水温ループ30では、水コンデンサ16及びモータ33の排熱によって加熱された冷却水をヒータコア35へと循環させる。
図11は、冷房時における電動車両用熱管理システム100の作動状態を示す回路図である。
エアコンループ10では、コンプレッサ11が作動して冷媒を、水コンデンサ16、膨張弁18、チラー17の順に循環させる。
低水温ループ50では、バッテリポンプ51が作動して冷却水を、DC/DCコンバータ52、インバータ53、チラー17、クーラコア電磁弁59、クーラコア56、ウォータジャケット55、温水ヒータ54の順に循環させる。
高水温ループ30では、ラジエータポンプ31が作動して冷却水を、ラジエータ32、モータ33の順に循環させる。さらに、H/Cポンプ34が作動して冷却水を、ヒータコア35、水コンデンサ16、水切り換え弁37、モータ33の順に循環させる。
これにより、冷房時には、バッテリ1の充電熱、インバータ53及びDC/DCコンバータ52における熱損失を低水温ループ50の冷却水に吸熱させる。さらに、クーラコア56において車室内への導入空気から冷却水に吸熱させることで車室内への導入空気を冷却する。冷却水で余剰となった熱はチラー17においてエアコンループ10の冷媒に伝達する。
エアコンループ10では、チラー17において低水温ループ50の余剰の熱を吸熱し、水コンデンサ16において熱を冷媒から高水温ループ30の冷却水へと伝達する。高水温ループ30では、水コンデンサ16において吸収した熱及びモータ33の排熱をラジエータ32から放出する。
図12は、コンプレッサ異常時における電動車両用熱管理システム100の作動状態を示す回路図である。
コンプレッサ11が異常であると判定され、コンプレッサ11が強制的に停止すると、エアコンループ10の冷媒の流れが停止する。これにより、チラー17における低水温ループ50からの吸熱が停止する。
低水温ループ50では、チラー17における吸熱が停止することで、バッテリ1、インバータ53、及びDC/DCコンバータ52の排熱により冷却水温度が上昇する。そこで、バイパス電磁弁58を閉塞し、クーラコア電磁弁59を開放して、冷却水がクーラコア56へと流れるように流路が切り換えられる。さらに、空調ユニットによって外気を最大風量で導入し、車室内へと導入される空気量を増加させる。これにより、クーラコア56から車室内の導入空気へと放熱することができるので、冷却水温度の上昇速度を抑制することができる。
以上のように本実施形態では、空調モードにかかわらず、エアコンループ10の冷媒は低水温ループ50のチラー17においてのみ吸熱し、高水温ループ30の水コンデンサ16においてのみ放熱するので、冷房時と暖房時とでエアコンループ10の冷媒の流れる流路を変える必要がなく、冷媒の寝込み状態の発生を防止することができる。
空調モードが暖房モードである場合、低水温ループ50では冷却水がクーラコア56を迂回するように循環させ、高水温ループ30では冷却水がヒータコア35へと流れるように循環させる。空調モードが冷房モードである場合、低水温ループ50では冷却水がクーラコア56を流れるように循環させ、高水温ループ30では冷却水がラジエータ32へと流れるように循環させる。これにより、エアコンループ10の冷媒の流路を変えることなく、所望の暖房性能及び冷房性能を確保することができる。
また、エアコンループ10を簡素化することができるので、必要な冷媒量を削減することができ、システム全体を省スペース化及び軽量化することができる。さらに、冷媒の配管の接続部を減らすことができるので、冷媒の漏れ量を低減することができる。さらに、エアコンループ10の簡素化によりコンプレッサ11の防音対策及び防振対策をより容易に行うことができる。
さらに、車内への導入空気を冷却するクーラコア56を低水温ループ50に設けたので、温水パイプだけの配回しで空調ユニットを構成することができ、例えば天井エアコンやリアエアコンに応用することが容易となり、車両への搭載性を向上させることができる。
さらに、コンプレッサ11が異常であると判定されコンプレッサ11を強制的に停止させた場合には、クーラコア電磁弁59を開弁し、低水温ループ50の冷却水をクーラコア56へと循環させるので、低水温ループ50の冷却水の熱をクーラコア56から車室内への導入空気へ放熱することができる。これにより、コンプレッサ11の異常時にエアコンループ10の冷媒循環が停止してチラー17における低温冷媒からの放熱が停止しても、低水温ループ50の冷却水温度の上昇を抑制することができる。よって、コンプレッサ11が故障した場合であってもバッテリ温度の上昇を抑制して、車両の走行をより長く継続することができる。
さらに、バッテリ1の充電中にバッテリ1から発生する充電熱をバッテリ1の冷却システムである低水温ループ50の熱マスを利用して蓄熱することができる上に、余剰の熱はエアコンループ10によって吸熱することができる。よって、バッテリ1の充電熱を効率よく蓄熱しつつ、バッテリ温度を所望の温度範囲内に制御することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例を示したものであり、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、温水ヒータ54の作動を判定する低水温ループ50の冷却水温度の閾値を15℃としたが、低水温ループ50に設けられるバッテリ1の作動温度として適切な範囲でその他の温度に設定されてもよい。
さらに、コンプレッサ11の制御の切り換えを判定する低水温ループ50の冷却水温度の閾値を35℃としたが、低水温ループ50に設けられるバッテリ1の作動温度として適切な範囲でその他の温度に設定されてもよい。
さらに、上記閾値としての15℃及び35℃は、チャタリング防止のためディファレンシャル(ヒステリシス)を設け、水温が上昇時と低下時とで異なる温度に設定してもよい。
さらに、低水温ループ50及び高水温ループ30の冷却水は不凍液を例に挙げて説明したが、その他の冷媒、例えばオイルなどを用いてもよい。
1 バッテリ
10 エアコンループ(エアコン用冷媒ループ)
11 コンプレッサ(圧縮部)
13 膨張弁(減圧部)
16 水コンデンサ(凝縮部)
17 チラー(蒸発部)
30 高水温ループ(ヒータ用冷媒ループ)
32 ラジエータ(車外放熱器)
35 ヒータコア(車内放熱器)
50 低水温ループ(バッテリ用冷媒ループ)
54 温水ヒータ(加熱器)
56 クーラコア(熱交換器)
58 バイパス電磁弁(切り換え手段)
59 クーラコア電磁弁(切り換え手段)
70 コントローラ(熱管理制御手段)
100 電動車両用熱管理システム

Claims (3)

  1. 電動モータによって駆動される電動車両に用いられる車両用熱管理システムであって、
    エアコン用冷媒を圧縮する圧縮部と、エアコン用冷媒の熱を放熱してエアコン用冷媒を凝縮させる凝縮部と、エアコン用冷媒を膨張させて減圧させる減圧部と、エアコン用冷媒に熱を吸熱させてエアコン用冷媒を蒸発させる蒸発部とを有し、エアコン用冷媒を循環させ、前記蒸発部において吸熱し、前記凝縮部において放熱する、エアコン用冷媒ループと、
    ヒータ用冷媒を、前記エアコン用冷媒ループと共通の前記凝縮部と、ヒータ用冷媒から車内への導入空気に放熱させる車内放熱器と、ヒータ用冷媒から車外空気へと放熱させる車外放熱器と、の間で循環させるヒータ用冷媒ループと、
    バッテリ用冷媒を、前記電動モータへの供給電力を蓄電するバッテリと、前記エアコン用冷媒ループと共通の前記蒸発部と、バッテリ用冷媒と車内への導入空気との間で熱交換する熱交換器と、の間で循環させるバッテリ用冷媒ループと、
    前記バッテリ用冷媒ループを、バッテリ用冷媒が前記熱交換器を流れる状態と、バッテリ用冷媒が前記熱交換器を迂回する状態と、の間で切り換え可能な切り換え手段と、
    車室内空気温度を調整する空調ユニットの目標吹き出し温度が車室内空気温度より高い場合、前記バッテリ用冷媒ループを前記熱交換器を迂回する状態に切り換え、前記空調ユニットの目標吹き出し温度が車室内空気温度より低い場合、前記バッテリ用冷媒ループを前記熱交換器を流れる状態に切り換える熱管理制御手段と、
    を備えることを特徴とする電動車両用熱管理システム。
  2. 請求項1に記載の電動車両用熱管理システムであって、
    前記熱管理制御手段は、前記圧縮部がエアコン用冷媒を圧縮することができなくなった場合、前記バッテリ用冷媒ループを前記熱交換器を流れる状態に切り換え、前記熱交換器によってバッテリ用冷媒の熱を車内への導入空気へと放熱する、
    ことを特徴とする電動車両用熱管理システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電動車両用熱管理システムであって、
    バッテリ用冷媒を加熱する加熱器を備え、
    前記熱管理制御手段は、前記バッテリが外部電源から供給される電力を蓄える状態である充電中、バッテリ用冷媒の温度がバッテリ用冷媒目標温度より低い場合、前記加熱器によってバッテリ用冷媒を加熱し、バッテリ用冷媒の温度が前記バッテリ用冷媒目標温度より高い場合、エアコン用冷媒を循環させて前記蒸発部においてバッテリ用冷媒から吸熱させる、
    ことを特徴とする電動車両用熱管理システム。
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