WO2020217585A1 - 前二輪後一輪三輪車両 - Google Patents

Abstract

サイドバイサイドシートを備える前二輪後一輪三輪車両の電動化を図ることである。 サイドバイサイドシートの前端は、前後方向において、ホイールベースの中間点より前に設けられた前二輪後一輪三輪車両の重心より後に位置している。サイドバイサイドシートの少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、三角形領域内に位置している。電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、サイドバイサイドシートに着座したオペレータの足と重なり、かつ、三角形領域内に位置している。電気エネルギー貯蔵装置の前端は、前二輪後一輪三輪車両の重心より前に位置し、かつ、三角形領域内に位置している。電気エネルギー貯蔵装置の左端及び右端は、左右方向において、左前駆動操舵輪の右端と右前駆動操舵輪の左端との間に位置している。

Description

前二輪後一輪三輪車両

　本発明は、前二輪後一輪三輪車両に関する。

　三輪車両として、以下に説明する車体フレームを備える三輪車両が知られている。前二輪後一輪三輪車両が左方向に旋回するときに、車体フレームが左方向に旋回しない。前二輪後一輪三輪車両が右方向に旋回するときに、車体フレームが右方向に旋回しない。このような前二輪後一輪三輪車両としては、例えば、特許文献１に記載の三輪車両が知られている。特許文献１に記載の三輪車両は、サイドバイサイドシートを備える。サイドバイサイドシートは、シットインタイプの左シートと左シートの右に配置されているシットインタイプの右シートとを含んでいる。オペレータは、左シート又は右シートに着座する。このような特許文献１に記載の三輪車両は、エンジンにより駆動される車両である。

　一方、前二輪後一輪三輪車両として、特許文献２に記載の三輪車両も知られている。特許文献２に記載の三輪車両は、エンジンの代わりにバッテリ及び電気モータを備えている。特許文献２に記載の三輪車両は、電気モータにより駆動される電動車両である。このような特許文献２に記載の三輪車両は、バッテリを交換できる構造を有している。

米国特許出願公開第２０１８／０２５１１７２号明細書 米国特許第９６４３６５６号明細書

　上記のように、前二輪後一輪三輪車両では、電動化が望まれている。

　そこで、本発明の目的は、前二輪後一輪三輪車両の電動化を図ることである。

　（１）の前二輪後一輪三輪車両は、
　シットインタイプの左シートと前記左シートの右に配置されているシットインタイプの右シートとを含んでいるサイドバイサイドシートであって、オペレータが前記左シート又は前記右シートに着座する、サイドバイサイドシートと、
　左前駆動操舵輪、右前駆動操舵輪及び後輪と、
　前記オペレータの操作により、前記左前駆動操舵輪及び前記右前駆動操舵輪を操舵する操舵機構と、
　電気エネルギーを蓄える電気エネルギー貯蔵装置と、
　前記電気エネルギー貯蔵装置が蓄えている前記電気エネルギーによりトルクを発生する電気モータと、
　前記電気モータが発生したトルクを前記左前駆動操舵輪及び前記右前駆動操舵輪に伝達する動力伝達機構と、
　左方向に旋回するときに左方向にリーンせず、右方向に旋回するときに右方向にリーンしない車体フレームであって、前記サイドバイサイドシート、前記左前駆動操舵輪、前記右前駆動操舵輪、前記後輪、前記操舵機構、前記電気エネルギー貯蔵装置、前記電気モータ及び前記動力伝達機構を支持する車体フレームと、
　を備え、
　前記前二輪後一輪三輪車両は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記左前駆動操舵輪の中心と前記右前駆動操舵輪の中心と前記後輪の中心とを直線で結んで得られる三角形に囲まれた領域を三角形領域と定義した場合に、（Ａ）及び（Ｂ）を満たす。
（Ａ）前記サイドバイサイドシートの前端は、ホイールベースの中間点より前に設けられた前記前二輪後一輪三輪車両の重心より後に位置し、かつ、前記サイドバイサイドシートの少なくとも一部は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記三角形領域内に位置している。
（Ｂ）前記電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記サイドバイサイドシートに着座したオペレータの足と重なり、かつ、前記三角形領域内に位置し、かつ、前記電気エネルギー貯蔵装置の前端は、前記前二輪後一輪三輪車両の重心より前に位置し、かつ、前記三角形領域内に位置し、かつ、前記電気エネルギー貯蔵装置の左端及び右端は、左右方向において、前記左前駆動操舵輪の右端と前記右前駆動操舵輪の左端との間に位置している。

　（１）の前二輪後一輪三輪車両によれば、電気モータが発生したトルクにより前二輪後一輪三輪車両が走行する。そのため、前二輪後一輪三輪車両の電動化が図られる。

　（１）の前二輪後一輪三輪車両によれば、左前駆動操舵輪及び右前駆動操舵輪に加わる荷重が減少することを抑制しつつ、前二輪後一輪三輪車両が左方向又は右方向に旋回するときに車体フレームにロールが発生することを抑制できる。より詳細には、電気エネルギー貯蔵装置の左端及び右端は、左右方向において、左前駆動操舵輪の右端と右前駆動操舵輪の左端との間に位置している。従って、電気エネルギー貯蔵装置は、前二輪後一輪三輪車両の左右方向の中央近傍に配置される。これにより、前二輪後一輪三輪車両が左方向又は右方向に旋回するときに車体フレームにロールが発生することを抑制できる。

　また、電気エネルギー貯蔵装置の左端及び右端は、左右方向において、左前駆動操舵輪の右端と右前駆動操舵輪の左端との間に位置している。そのため、電気エネルギー貯蔵装置の左右方向の幅が短くなる。電気エネルギー貯蔵装置の容量を確保するために、電気エネルギー貯蔵装置の前後方向の長さが長くする必要がある。そこで、電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、サイドバイサイドシートに着座したオペレータの足と重なり、かつ、三角形領域内に位置する。このように、電気エネルギー貯蔵装置は、前二輪後一輪三輪車両の前部まで延びている。そのため、電気エネルギー貯蔵装置の荷重は、左前駆動操舵輪及び右前駆動操舵輪に加わりやすくなる。これにより、左前駆動操舵輪及び右前駆動操舵輪に加わる荷重が減少することを抑制できる。

　（２）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）の前二輪後一輪三輪車両において、
　前記電気エネルギー貯蔵装置の前端は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記三角形領域内に位置している。

　（３）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）又は（２）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記左シートの少なくとも一部、及び／又は、前記右シートの少なくとも一部は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記三角形領域内に位置している。

　（３）の前二輪後一輪三輪車両によれば、左シートの少なくとも一部、及び／又は、右シートの少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、三角形領域内に位置している。これにより、オペレータの少なくとも一部及び／又はパッセンジャーの少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、三角形領域内に位置する。そのため、オペレータ及び／又はパッセンジャーは、前二輪後一輪三輪車両の左右方向の中央近傍に配置される。これにより、前二輪後一輪三輪車両が左方向又は右方向に旋回するときに車体フレームにロールが発生することを抑制できる。

　（４）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）ないし（３）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記左シート及び前記右シートは、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記左前駆動操舵輪の右端と前記右前駆動操舵輪の左端との間に位置している。

　（４）の前二輪後一輪三輪車両によれば、左シート及び右シートは、前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、左前駆動操舵輪の右端と右前駆動操舵輪の左端との間に位置している。これにより、オペレータ及びパッセンジャーは、前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、左前駆動操舵輪の右端と右前駆動操舵輪の左端との間に位置する。そのため、オペレータ及び／又はパッセンジャーは、前二輪後一輪三輪車両の左右方向の中央近傍に配置される。これにより、前二輪後一輪三輪車両が左方向又は右方向に旋回するときに車体フレームにロールが発生することを抑制できる。

　（５）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）ないし（４）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記電気エネルギー貯蔵装置の一部は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記三角形領域外に位置している。

　（５）の前二輪後一輪三輪車両によれば、電気エネルギー貯蔵装置の一部は、前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、三角形領域外に位置している。これにより、電気エネルギー貯蔵装置のサイズが大きくなり、電気エネルギー貯蔵装置の容量が大きくなる。

　（６）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）ないし（５）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記電気モータの一部及び／又は前記動力伝達機構の一部は、前後方向において、前記三角形領域の前端より前に位置している。

　（６）の前二輪後一輪三輪車両によれば、左前駆動操舵輪及び右前駆動操舵輪に加わる荷重が減少することを抑制できる。より詳細には、電気モータ及び動力伝達機構は、重量物である。そこで、電気モータの一部及び／又は動力伝達機構の一部は、前後方向において、三角形領域の前端より前に位置している。これにより、電気モータの荷重及び／又は動力伝達機構の荷重は、左前駆動操舵輪及び右前駆動操舵輪に加わりやすくなる。その結果、左前駆動操舵輪及び右前駆動操舵輪に加わる荷重が減少することを抑制できる。

　（７）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）ないし（６）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記電気エネルギー貯蔵装置の前端は、前後方向において、前記三角形領域の重心より前に位置している。

　（７）の前二輪後一輪三輪車両によれば、左前駆動操舵輪及び右前駆動操舵輪に加わる荷重が減少することを抑制できる。より詳細には、電気エネルギー貯蔵装置は、重量物である。そこで、電気エネルギー貯蔵装置の前端は、前後方向において、三角形領域の重心より前に位置している。これにより、電気エネルギー貯蔵装置の荷重は、左前駆動操舵輪及び右前駆動操舵輪に加わりやすくなる。その結果、左前駆動操舵輪及び右前駆動操舵輪に加わる荷重が減少することを抑制できる。

　（８）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）ないし（７）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記電気エネルギー貯蔵装置の左右方向の幅の最大値は、前記三角形領域の重心における前記三角形領域の左右方向の幅より小さい。

　（８）の前二輪後一輪三輪車両によれば、前二輪後一輪三輪車両が左方向又は右方向に旋回するときに車体フレームにロールが発生することを抑制できる。より詳細には、電気エネルギー貯蔵装置の左右方向の幅の最大値は、三角形領域の重心における三角形領域の左右方向の幅より小さい。そのため、電気エネルギー貯蔵装置の左右方向の幅の最大値が小さい。これにより、前二輪後一輪三輪車両の左右方向の中央近傍に電気エネルギー貯蔵装置を配置することが容易となる。その結果、前二輪後一輪三輪車両が左方向又は右方向に旋回するときに車体フレームにロールが発生することを抑制できる。

　（９）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）ないし（８）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記電気エネルギー貯蔵装置の左右方向の幅の最大値は、前記三角形領域の重心と前記三角形領域の後端との中間点における前記三角形領域の左右方向の幅より大きい。

　（９）の前二輪後一輪三輪車両によれば、電気エネルギー貯蔵装置の左右方向の幅の最大値が大きいので、電気エネルギー貯蔵装置の容量が大きくなる。

　（１０）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）ないし（９）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記三角形領域内において前記左シート及び前記右シートと重なっている。

　（１１）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）ないし（１０）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記電気エネルギー貯蔵装置の重心は、前後方向において、前記右前駆動操舵輪の後端より後に配置されている。

　（１２）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）ないし（１１）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記電気エネルギー貯蔵装置の重心は、左右方向において、前記左前駆動操舵輪が操舵時に通過する左前駆動操舵輪可動領域の右端と前記右前駆動操舵輪が操舵時に通過する右前駆動操舵輪可動領域の左端との間に位置している。

　（１３）の前二輪後一輪三輪車両は、（１）ないし（１２）のいずれかの前二輪後一輪三輪車両において、
　前記電気エネルギー貯蔵装置の重心は、前後方向において、前記電気モータの回転軸より後に位置している。

　本明細書にて使用される場合、用語「及び／又は（ａｎｄ／ｏｒ）」は１つの、又は複数の関連した列挙されたアイテム（ｉｔｅｍｓ）のあらゆる又は全ての組み合わせを含む。

　本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ）」、「含む、備える（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」又は「有する（ｈａｖｉｎｇ）」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び／又はそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び／又はそれらのグループのうちの１つ又は複数を含むことができる。

　他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語（技術用語及び科学用語を含む）は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。

　一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。

　本発明の説明においては、技術及び工程の数が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の１つ以上、又は、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせの全てを繰り返すことを控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び特許請求の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。

　以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細なしに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面又は説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。

　この発明の上述の目的及びその他の目的、特徴、局面及び利点は、添付図面に関連して行われる以下のこの発明の実施形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。

　本発明によれば、前二輪後一輪三輪車両の電動化を図ることができる。

図１は、前二輪後一輪三輪車両１０の右側面図及び上面図である。 図２は、前二輪後一輪三輪車両１０ａの右側面図及び上面図である。

（第１の実施形態）
［全体構成］
　以下に、本発明の第１の実施形態に係る前二輪後一輪三輪車両１０の全体構成について図面を参照しながら説明する。図１は、前二輪後一輪三輪車両１０の右側面図及び上面図である。

　以下では、前二輪後一輪三輪車両１０の進行方向を前方向と定義する。前二輪後一輪三輪車両１０の後方向を後方向と定義する。前二輪後一輪三輪車両１０の左方向を左方向と定義する。前二輪後一輪三輪車両１０の右方向を右方向と定義する。前二輪後一輪三輪車両１０の上方向を上方向と定義する。前二輪後一輪三輪車両１０の下方向を下方向と定義する。前二輪後一輪三輪車両１０の前後方向を前後方向と定義する。前二輪後一輪三輪車両１０の左右方向を左右方向と定義する。前二輪後一輪三輪車両１０の上下方向を上下方向と定義する。上下方向は、鉛直方向と一致する。

　本明細書において、前後方向に延びる軸線や部材は、必ずしも前後方向と平行である軸線や部材だけを示すものではない。前後方向に延びる軸線や部材とは、前後方向に対して±４５°の範囲で傾斜している軸線や部材を含む。同様に、上下方向に延びる軸線や部材とは、上下方向に対して±４５°の範囲で傾斜している軸線や部材を含む。左右方向に延びる軸線や部材とは、左右方向に対して±４５°の範囲で傾斜している軸線や部材を含む。

　本明細書における任意の２つの部材を第１部材及び第２部材と定義した場合、任意の２つの部材の関係は以下のような意味になる。本明細書において、第１部材が第２部材に支持されているとは、第１部材が第２部材に対して移動不可能に第２部材に取り付けられている（すなわち、固定されている）場合、及び、第１部材が第２部材に対して移動可能に第２部材に取り付けられている場合を含む。また、第１部材が第２部材に支持されているとは、第１部材が第２部材に直接に取り付けられている場合、及び、第１部材が第３部材を介して第２部材に取り付けられている場合の両方を含む。

　本明細書において、前後方向に並ぶ第１部材及び第２部材とは、以下の状態を示す。前後方向に垂直な方向に第１部材及び第２部材を見たときに、第１部材及び第２部材の両方が前後方向に延びる任意の直線上に配置されている状態である。本明細書において、上方向又は下方向に見て前後方向に並ぶ第１部材及び第２部材とは、以下の状態を示す。上方向又は下方向に第１部材及び第２部材を見たときに、第１部材及び第２部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている。この場合、上方向及び下方向とは異なる左方向又は右方向に第１部材及び第２部材を見ると、第１部材及び第２部材のいずれか一方が前後方向を示す任意の直線上に配置されていなくてもよい。なお、第１部材と第２部材とが接触していてもよい。第１部材と第２部材とが離れていてもよい。第１部材と第２部材との間に第３部材が存在していてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。

　本明細書において、第１部材が第２部材の前に配置されるとは、以下の状態を指す。第１部材の少なくとも一部は、第２部材が前方向に平行移動するときに通過する領域内に配置されている。よって、第１部材は、第２部材が前方向に平行移動するときに通過する領域内に収まっていてもよいし、第２部材が前方向に平行移動するときに通過する領域から突出していてもよい。この場合、第１部材及び第２部材は、前後方向に並んでいる。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。

　本明細書において、第１部材が第２部材より前に配置されるとは、以下の状態を指す。第１部材は、第２部材の前端を通り前後方向に直交する平面の前に配置される。この場合、第１部材及び第２部材は、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。

　本明細書において、左方向又は右方向に見て、第１部材が第２部材の前に配置されるとは、以下の状態を指す。左方向又は右方向に見て、第１部材の少なくとも一部は、第２部材が前方向に平行移動するときに通過する領域内に配置されている。この定義において、第１部材と第２部材は、３次元では、前後方向に並んでいなくてもよい。この定義は、前後方向以外の方向も適用される。

　本明細書において、特に断りのない場合には、第１部材の各部について以下のように定義する。第１部材の前部とは、第１部材の前半分を意味する。第１部材の後部とは、第１部材の後半分を意味する。第１部材の左部とは、第１部材の左半分を意味する。第１部材の右部とは、第１部材の右半分を意味する。第１部材の上部とは、第１部材の上半分を意味する。第１部材の下部とは、第１部材の下半分を意味する。第１部材の上端とは、第１部材の上方向の端を意味する。第１部材の下端とは、第１部材の下方向の端を意味する。第１部材の前端とは、第１部材の前方向の端を意味する。第１部材の後端とは、第１部材の後方向の端を意味する。第１部材の左端とは、第１部材の左方向の端を意味する。第１部材の右端とは、第１部材の右方向の端を意味する。第１部材の上端部とは、第１部材の上端及びその近傍を意味する。第１部材の下端部とは、第１部材の下端及びその近傍を意味する。第１部材の前端部とは、第１部材の前端及びその近傍を意味する。第１部材の後端部とは、第１部材の後端及びその近傍を意味する。第１部材の左端部とは、第１部材の左端及びその近傍を意味する。第１部材の右端部とは、第１部材の右端及びその近傍を意味する。第１部材とは、前二輪後一輪三輪車両１０を構成する部材を意味する。

　本明細書において、第１部材と第２部材との間に構成（部材、空間又は開口）が形成される（位置する又は設けられる）とは、第１部材と第２部材とが並ぶ方向において第１部材と第２部材との間に構成が存在することを意味する。ただし、構成は、第１部材と第２部材とが並ぶ方向に直交する方向に第１部材又は第２部材から突出していてもよいし、突出していなくてもよい。

　前二輪後一輪三輪車両１０は、図１に示すように、車体フレーム１２、サイドバイサイドシート１５、左前駆動操舵輪１６Ｌ、右前駆動操舵輪１６Ｒ、後輪１８、前輪操舵機構２０、電気エネルギー貯蔵装置２２、電気モータ２４及び動力伝達機構２６を備えている。

　前二輪後一輪三輪車両１０は、リーンしない車両である。そのため、車体フレーム１２は、前二輪後一輪三輪車両１０が左方向に旋回するときに左方向にリーンせず、前二輪後一輪三輪車両１０が右方向に旋回するときに右方向にリーンしない。車体フレーム１２は、サイドバイサイドシート１５、左前駆動操舵輪１６Ｌ、右前駆動操舵輪１６Ｒ、後輪１８、前輪操舵機構２０、電気エネルギー貯蔵装置２２、電気モータ２４及び動力伝達機構２６を支持している。車体フレーム１２は、金属管が接合されたパイプフレームである。車体フレーム１２の材料は、鉄、アルミニウム等が挙げられる。

　サイドバイサイドシート１５は、左シート１５Ｌ及び右シート１５Ｒを含んでいる。左シート１５Ｌは、シットインタイプのシートである。左シート１５Ｌは、車体フレーム１２の左部かつ後部に配置されている。また、左シート１５Ｌは、車体フレーム１２の上に配置されている。左シート１５Ｌに着座した人は、前方向を向く。右シート１５Ｒは、シットインタイプのシートである。右シート１５Ｒは、前二輪後一輪三輪車両１０の車体フレーム１２の右部かつ後部に配置されている。これにより、右シート１５Ｒは、左シート１５Ｌの右に配置されている。また、右シート１５Ｒは、車体フレーム１２の上に配置されている。右シート１５Ｒに着座した人は、前方向を向く。オペレータは、左シート１５Ｌ又は右シート１５Ｒに着座する。本実施形態では、オペレータは、左シート１５Ｌに着座する。パッセンジャーは、右シート１５Ｒに着座する。

　左前駆動操舵輪１６Ｌは、前二輪後一輪三輪車両１０の左部かつ前部に配置されている。左前駆動操舵輪１６Ｌは、車体フレーム１２の前部の左に配置されている。左前駆動操舵輪１６Ｌは、左前アクスルを中心とし回転する。

　右前駆動操舵輪１６Ｒは、左前駆動操舵輪１６Ｌの右に配置されている。右前駆動操舵輪１６Ｒは、前二輪後一輪三輪車両１０の右部かつ前部に配置されている。右前駆動操舵輪１６Ｒは、車体フレーム１２の前部の右に配置されている。右前駆動操舵輪１６Ｒは、右前アクスルを中心として回転する。

　後輪１８は、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒより後に配置されている。後輪１８は、前二輪後一輪三輪車両１０の後部に配置されている。また、後輪１８は、前二輪後一輪三輪車両１０の左右方向の中央に配置されている。すなわち、後輪１８は、車体フレーム１２の左右方向の中央の後に配置されている。後輪１８は、後アクスルを中心として回転する。ただし、後輪１８は、駆動輪ではない。

　前輪操舵機構２０は、オペレータの操作により、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒを操舵する。前輪操舵機構２０は、ステアリングホイール、ステアリングシャフト、ステアリングギアボックス及び２本のタイロッドを含んでいる。オペレータが反時計回り方向にステアリングホイールを回転させると、前二輪後一輪三輪車両１０を下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒが反時計回り方向に回転する。すなわち、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒが左方向に操舵される。オペレータが時計回り方向にステアリングホイールを回転させると、前二輪後一輪三輪車両１０を下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒが時計回り方向に回転する。すなわち、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒが右方向に操舵される。

　電気エネルギー貯蔵装置２２は、電気エネルギーを蓄える。電気エネルギー貯蔵装置２２は、充放電可能な二次電池である。電気エネルギー貯蔵装置２２は、例えば、リチウムイオン電池である。ただし、電気エネルギー貯蔵装置２２は、例えば、ニッケル水素電池、鉛蓄電池、全固体電池であってもよい。また、電気エネルギー貯蔵装置２２は、一次電池であってもよい。電気エネルギー貯蔵装置２２は、電池（一次電池又は二次電池）とキャパシタとの組み合わせであってもよい。

　電気モータ２４は、電気エネルギー貯蔵装置２２が蓄えている電気エネルギーによりトルクを発生する。動力伝達機構２６は、電気モータ２４が発生したトルクを左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに伝達する。動力伝達機構２６は、例えば、減速機である。

［サイドバイサイドシート及び電気エネルギー貯蔵装置の配置について］
　次に、サイドバイサイドシート１５及び電気エネルギー貯蔵装置２２の配置について説明する。前二輪後一輪三輪車両１０を下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌの中心と右前駆動操舵輪１６Ｒの中心と後輪１８の中心とを直線で結んで得られる三角形に囲まれた領域を三角形領域Ａと定義する。三角形領域Ａは、二等辺三角形である。左前駆動操舵輪１６Ｌの中心とは、前二輪後一輪三輪車両１０を下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌの左右方向の中心を通過する前後方向に平行な直線と左前駆動操舵輪１６Ｌの前後方向の中心を通過する左右方向に平行な直線との交点である。なお、右前駆動操舵輪１６Ｒの中心及び後輪１８の中心の定義は、左前駆動操舵輪１６Ｌの中心の定義と同じであるので説明を省略する。

　前二輪後一輪三輪車両１０は、前二輪後一輪三輪車両１０を下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌの中心と右前駆動操舵輪１６Ｒの中心と後輪１８の中心とを直線で結んで得られる三角形に囲まれた領域を三角形領域Ａと定義した場合に、（Ａ）及び（Ｂ）を満たす。

（Ａ）サイドバイサイドシート１５の前端は、前後方向において、ホイールベースの中間点ＷＣより前に設けられた前二輪後一輪三輪車両１０の重心Ｇ０より後に位置し、かつ、サイドバイサイドシート１５の少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両１０を下方向に見たときに、三角形領域Ａ内に位置している。
（Ｂ）電気エネルギー貯蔵装置２２の少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両１０を下方向に見たときに、サイドバイサイドシート１５に着座したオペレータの足１００と重なり、かつ、三角形領域Ａ内に位置し、かつ、電気エネルギー貯蔵装置２２の前端２２ｆは、前二輪後一輪三輪車両１０の重心Ｇ０より前に位置し、かつ、三角形領域Ａ内に位置し、かつ、電気エネルギー貯蔵装置２２の左端及び右端は、左右方向において、左前駆動操舵輪１６Ｌの右端と右前駆動操舵輪１６Ｒの左端との間に位置している。

　なお、前二輪後一輪三輪車両１０の重心Ｇ０は、オペレータ及びパッセンジャーが乗車していない状態での前二輪後一輪三輪車両１０の重心である。前二輪後一輪三輪車両１０の重心Ｇ０は、前記の通り、前後方向において、ホイールベースの中間点ＷＣより前に位置する。すなわち、前二輪後一輪三輪車両１０は、前後方向において、右前駆動操舵輪１６Ｒの右前アクスルと後輪１８の後アクスルとの中間点ＷＣより前に位置する。前二輪後一輪三輪車両１０の重心Ｇ０は、例えば、右前駆動操舵輪１６Ｒの右前アクスルと後輪１８の後アクスルとを１：２に内分する点である。

［効果］
　以上のように構成された前二輪後一輪三輪車両１０によれば、電気モータ２４が発生したトルクにより前二輪後一輪三輪車両１０が走行する。そのため、前二輪後一輪三輪車両１０の電動化が図られる。

　また、前二輪後一輪三輪車両１０では、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに加わる荷重が減少することを抑制しつつ、前二輪後一輪三輪車両１０が左方向又は右方向に旋回するときに車体フレーム１２にロールが発生することを抑制できる。より詳細には、電気エネルギー貯蔵装置２２の左端及び右端は、左右方向において、左前駆動操舵輪１６Ｌの右端と右前駆動操舵輪１６Ｒの左端との間に位置している。従って、電気エネルギー貯蔵装置２２は、前二輪後一輪三輪車両１０の左右方向の中央近傍に配置される。これにより、前二輪後一輪三輪車両１０が左方向又は右方向に旋回するときに車体フレーム１２にロールが発生することを抑制できる。

　また、電気エネルギー貯蔵装置２２の左端及び右端は、左右方向において、左前駆動操舵輪１６Ｌの右端と右前駆動操舵輪１６Ｒの左端との間に位置している。そのため、電気エネルギー貯蔵装置２２の左右方向の幅が短くなる。電気エネルギー貯蔵装置２２の容量を確保するために、電気エネルギー貯蔵装置２２の前後方向の長さが長くする必要がある。そこで、電気エネルギー貯蔵装置２２の少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両１０を下方向に見たときに、サイドバイサイドシート１５に着座したオペレータの足１００と重なり、かつ、三角形領域Ａ内に位置する。このように、電気エネルギー貯蔵装置２２は、前二輪後一輪三輪車両１０の前部まで延びている。そのため、電気エネルギー貯蔵装置２２の荷重は、後輪１８より左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに加わりやすくなる。これにより、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに加わる荷重が減少することを抑制できる。

（第２の実施形態）
［全体構成］
　以下に、本発明の第２の実施形態に係る前二輪後一輪三輪車両１０ａの全体構成について図面を参照しながら説明する。図２は、前二輪後一輪三輪車両１０ａの右側面図及び上面図である。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａは、電気エネルギーによりトルクを発生する電動車両である。前二輪後一輪三輪車両１０ａは、人力と電気エネルギーによりトルクを発生する電動アシスト自転車ではない。従って、前二輪後一輪三輪車両１０ａは、人力が入力されるペダルを備えていない。また、前二輪後一輪三輪車両１０ａは、ドアを備えていない。前二輪後一輪三輪車両１０ａは、図２に示すように、車体フレーム１２、後輪懸架装置１３、左前輪懸架装置１４Ｌ、右前輪懸架装置１４Ｒ、サイドバイサイドシート１５、左前駆動操舵輪１６Ｌ、右前駆動操舵輪１６Ｒ、後輪１８、前輪操舵機構２０、後輪操舵機構２１、電気エネルギー貯蔵装置２２、電気モータ２４、動力伝達機構２６及びＥＶ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ　Ｖｅｈｉｃｌｅ）ユニット２７を備えている。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａは、リーンしない車両である。そのため、車体フレーム１２は、前二輪後一輪三輪車両１０ａが左方向に旋回するときに左方向にリーンせず、かつ、前二輪後一輪三輪車両１０ａが右方向に旋回するときに右方向にリーンしない。車体フレーム１２は、後輪懸架装置１３、左前輪懸架装置１４Ｌ、右前輪懸架装置１４Ｒ、サイドバイサイドシート１５、左前駆動操舵輪１６Ｌ、右前駆動操舵輪１６Ｒ、後輪１８、前輪操舵機構２０、後輪操舵機構２１、電気エネルギー貯蔵装置２２、電気モータ２４、動力伝達機構２６及びＥＶユニット２７を支持する。車体フレーム１２は、金属管が接合されたパイプフレームである。車体フレーム１２の材料は、鉄、アルミニウム等が挙げられる。

　サイドバイサイドシート１５は、左シート１５Ｌ及び右シート１５Ｒを含んでいる。左シート１５Ｌは、シットインタイプのシートである。左シート１５Ｌは、車体フレーム１２の左部かつ後部に配置されている。また、左シート１５Ｌは、車体フレーム１２の上に配置されている。左シート１５Ｌに着座した人は、前方向を向く。右シート１５Ｒは、シットインタイプのシートである。右シート１５Ｒは、前二輪後一輪三輪車両１０ａの車体フレーム１２の右部かつ後部に配置されている。これにより、右シート１５Ｒは、左シート１５Ｌの右に配置されている。また、右シート１５Ｒは、車体フレーム１２の上に配置されている。右シート１５Ｒに着座した人は、前方向を向く。オペレータは、左シート１５Ｌ又は右シート１５Ｒに着座する。本実施形態では、オペレータは、左シート１５Ｌに着座する。パッセンジャーは、右シート１５Ｒに着座する。

　左前駆動操舵輪１６Ｌは、前二輪後一輪三輪車両１０の左部かつ前部に配置されている。左前駆動操舵輪１６Ｌは、車体フレーム１２の前部の左に配置されている。左前駆動操舵輪１６Ｌは、左前アクスルＡｘＬを中心として回転する。

　左前輪懸架装置１４Ｌは、車体フレーム１２に支持される共に、左前駆動操舵輪１６Ｌを支持する。左前輪懸架装置１４Ｌは、左前駆動操舵輪１６Ｌを車体フレーム１２に対して上下方向に変位させる。ただし、左前輪懸架装置１４Ｌは、左方向に旋回するときに左方向に左前駆動操舵輪１６Ｌをリーンさせない。左前輪懸架装置１４Ｌは、右方向に旋回するときに右方向に左前駆動操舵輪１６Ｌをリーンさせない。更に、左前輪懸架装置１４Ｌは、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌが時計回り方向及び反時計回り方向に回転するように左前駆動操舵輪１６Ｌを支持している。左前輪懸架装置１４Ｌは、１以上のアーム及びショックアブソーバ（図示せず）を含んでいる。本実施形態では、左前輪懸架装置１４Ｌは、ダブルウィッシュボーンタイプの懸架装置である。ただし、左前輪懸架装置１４Ｌは、ダブルウィッシュボーンタイプの懸架装置に限らず、ストラットタイプの懸架装置、トレーリングアームタイプの懸架装置等であってもよい。

　右前駆動操舵輪１６Ｒは、左前駆動操舵輪１６Ｌの右に配置されている。右前駆動操舵輪１６Ｒは、前二輪後一輪三輪車両１０ａの右部かつ前部に配置されている。右前駆動操舵輪１６Ｒは、車体フレーム１２の前部の右に配置されている。右前駆動操舵輪１６Ｒは、右前アクスルＡｘＲを中心として回転する。

　右前輪懸架装置１４Ｒは、車体フレーム１２に支持される共に、右前駆動操舵輪１６Ｒを支持する。右前輪懸架装置１４Ｒは、右前駆動操舵輪１６Ｒを車体フレーム１２に対して上下方向に変位させる。ただし、右前輪懸架装置１４Ｒは、左方向に旋回するときに左方向に右前駆動操舵輪１６Ｒをリーンさせない。右前輪懸架装置１４Ｒは、右方向に旋回するときに右方向に右前駆動操舵輪１６Ｒをリーンさせない。更に、右前輪懸架装置１４Ｒは、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、右前駆動操舵輪１６Ｒが時計回り方向及び反時計回り方向に回転するように右前駆動操舵輪１６Ｒを支持している。右前輪懸架装置１４Ｒは、１以上のアーム及びショックアブソーバを含んでいる。本実施形態では、右前輪懸架装置１４Ｒは、ダブルウィッシュボーンタイプの懸架装置である。ただし、右前輪懸架装置１４Ｒは、ダブルウィッシュボーンタイプの懸架装置に限らず、ストラットタイプの懸架装置、トレーリングアームタイプの懸架装置等であってもよい。

　後輪１８は、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒより後に配置されている。後輪１８は、前二輪後一輪三輪車両１０ａの後部に配置されている。また、後輪１８は、前二輪後一輪三輪車両１０ａの左右方向の中央に配置されている。すなわち、後輪１８は、車体フレーム１２の左右方向の中央の後に配置されている。後輪１８は、後アクスルＡｘＢを中心として車体フレーム１２に対して回転する。ただし、後輪１８は、駆動輪ではない。

　後輪懸架装置１３は、車体フレーム１２に支持される共に、後輪１８を支持する。後輪懸架装置１３は、後輪１８を車体フレーム１２に対して上下方向に変位させる。ただし、後輪懸架装置１３は、左方向に旋回するときに左方向に後輪１８をリーンさせない。後輪懸架装置１３は、右方向に旋回するときに右方向に後輪１８をリーンさせない。更に、後輪懸架装置１３は、前二輪後一輪三輪車両１０を下方向に見たときに、後輪１８が時計回り方向及び反時計回り方向に回転するように後輪１８を支持している。後輪懸架装置１３は、スイングアーム及びショックアブソーバを含んでいる。

　前輪操舵機構２０は、オペレータの操作により、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒを操舵する。前輪操舵機構２０は、ステアリングホイール、ステアリングシャフト、ステアリングギアボックス及び２本のタイロッドを含んでいる。オペレータが反時計回り方向にステアリングホイールを回転させると、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒが反時計回り方向に回転する。すなわち、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒが左方向に操舵される。オペレータが時計回り方向にステアリングホイールを回転させると、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒが時計回り方向に回転する。すなわち、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒが右方向に操舵される。

　後輪操舵機構２１は、オペレータの操作により、後輪１８を操舵する。後輪操舵機構２１は、アクチュエータ及び制御部（図示せず）を含んでいる。制御部は、オペレータによるステアリングホイールの操作に基づいて、アクチュエータを駆動する。これにより、アクチュエータは、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、後輪１８を反時計回り方向又は時計回り方向に回転させる。

　電気エネルギー貯蔵装置２２は、電気エネルギーを蓄える。電気エネルギー貯蔵装置２２は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、長方形状を有している。電気エネルギー貯蔵装置２２の上下方向の大きさは、電気エネルギー貯蔵装置２２の前後方向の大きさ及び電気エネルギー貯蔵装置２２の左右方向の大きさより小さい。これにより、電気エネルギー貯蔵装置２２は、上面２２Ｓｕ及び下面２２Ｓｄを有する板形状を有している。

　電気エネルギー貯蔵装置２２は、サイドバイサイドシート１５の下に配置されている。電気エネルギー貯蔵装置２２の下面２２Ｓｄは、車体フレーム１２の下端１２ｄより上に位置している。電気エネルギー貯蔵装置２２の上面２２Ｓｕは、左シート１５Ｌの下端１５Ｌｄ及び右シート１５Ｒの下端１５Ｒｄより下に位置している。また、電気エネルギー貯蔵装置２２の上面２２Ｓｕは、左前アクスルＡｘＬ、右前アクスルＡｘＲ及び後アクスルＡｘＢより下に位置している。電気エネルギー貯蔵装置２２の前端２２ｆは、前後方向において、左前アクスルＡｘＬ及び右前アクスルＡｘＲより後に位置している。前後方向において、電気エネルギー貯蔵装置２２の後端２２ｂは、後アクスルＡｘＢより前に位置している。

　また、電気エネルギー貯蔵装置２２の左端２２ｌは、左シート１５Ｌの左端より右に位置している。電気エネルギー貯蔵装置２２の右端２２ｒは、右シート１５Ｒの右端より左に位置している。

　以上のような電気エネルギー貯蔵装置２２は、充放電可能な二次電池である。電気エネルギー貯蔵装置２２は、例えば、リチウムイオン電池である。ただし、電気エネルギー貯蔵装置２２は、例えば、ニッケル水素電池、鉛蓄電池、全固体電池であってもよい。また、電気エネルギー貯蔵装置２２は、一次電池であってもよい。電気エネルギー貯蔵装置２２は、電池（一次電池又は二次電池）とキャパシタとの組み合わせであってもよい。

　電気モータ２４は、電気エネルギー貯蔵装置２２が蓄えている電気エネルギーによりトルクを発生する。動力伝達機構２６は、電気モータ２４が発生したトルクを左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに伝達する。ここで、電気モータ２４及び動力伝達機構２６について詳細に説明する。

　電気モータ２４は、左前輪用電気モータ２４Ｌ及び右前輪用電気モータ２４Ｒを含んでいる。左前輪用電気モータ２４Ｌは、左前駆動操舵輪１６Ｌを回転させるためのトルクを発生する。左前輪用電気モータ２４Ｌは、回転軸２４ＬＡｘを有する。回転軸２４ＬＡｘは、左右方向に延びている。右前輪用電気モータ２４Ｒは、右前駆動操舵輪１６Ｒを回転させるためのトルクを発生する。右前輪用電気モータ２４Ｒは、回転軸２４ＲＡｘを有する。回転軸２４ＲＡｘは、左右方向に延びている。このように、前二輪後一輪三輪車両１０ａは、左前輪用電気モータ２４Ｌ及び右前輪用電気モータ２４Ｒを備えることにより、左前駆動操舵輪１６Ｌの回転速度と右前駆動操舵輪１６Ｒの回転速度とを異ならせることができる。前二輪後一輪三輪車両１０ａは、左前駆動操舵輪１６Ｌの回転速度と右前駆動操舵輪１６Ｒの回転速度との差を利用して、左方向又は右方向に旋回してもよい。

　電気モータ２４は、左前駆動操舵輪１６Ｌと右前駆動操舵輪１６Ｒとの間に配置されている。電気モータ２４は、左前アクスルＡｘＬ及び右前アクスルＡｘＲより前に配置されている。本実施形態では、前二輪後一輪三輪車両１０ａを左方向又は右方向に見たときに、電気モータ２４は、左前アクスルＡｘＬ及び右前アクスルＡｘＲの前に配置されている。電気モータ２４の上端２４ｕは、左前駆動操舵輪１６Ｌの上端１６Ｌｕ及び右前駆動操舵輪１６Ｒの上端１６Ｒｕより下に位置している。電気モータ２４の上端２４ｕは、電気エネルギー貯蔵装置２２の上面２２Ｓｕより上に位置している。電気モータ２４の下端２４ｄは、電気エネルギー貯蔵装置２２の下面２２Ｓｄより上に位置している。

　動力伝達機構２６は、減速機及び２本のドライブシャフトを含んでいる。動力伝達機構２６は、左前駆動操舵輪１６Ｌと右前駆動操舵輪１６Ｒとの間に配置されている。動力伝達機構２６は、電気モータ２４の後に配置されている。そのため、動力伝達機構２６の後端２６ｂは、電気モータ２４の後端より後に位置している。また、動力伝達機構２６の上端２６ｕは、電気モータ２４の上端２４ｕより下に位置している。動力伝達機構２６の上端２６ｕは、電気エネルギー貯蔵装置２２の上面２２Ｓｕより上に位置している。動力伝達機構２６の下端２６ｄは、電気モータ２４の下端２４ｄより下に位置している。動力伝達機構２６の下端２６ｄは、電気エネルギー貯蔵装置２２の下面２２Ｓｄより上に位置している。

　ＥＶユニット２７は、前二輪後一輪三輪車両１０ａの全体の制御を行うための制御ユニットである。ＥＶユニット２７は、電気モータ２４及び動力伝達機構２６の上に配置されている。

［サイドバイサイドシート及び電気エネルギー貯蔵装置の配置について］
　次に、サイドバイサイドシート１５及び電気エネルギー貯蔵装置２２の配置について説明する。前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌの中心と右前駆動操舵輪１６Ｒの中心と後輪１８の中心とを直線で結んで得られる三角形に囲まれた領域を三角形領域Ａと定義する。三角形領域Ａは、二等辺三角形である。三角形領域Ａの前端Ａｆは、二等辺三角形の底辺に相当する。三角形領域Ａの後端Ａｂは、二等辺三角形の頂角に相当する。左前駆動操舵輪１６Ｌの中心とは、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌの左右方向の中心を通過する前後方向に平行な直線と左前駆動操舵輪１６Ｌの前後方向の中心を通過する左右方向に平行な直線との交点である。なお、右前駆動操舵輪１６Ｒの中心及び後輪１８の中心の定義は、左前駆動操舵輪１６Ｌの中心の定義と同じであるので説明を省略する。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａは、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌの中心と右前駆動操舵輪１６Ｒの中心と後輪１８の中心とを直線で結んで得られる三角形に囲まれた領域を三角形領域Ａと定義した場合に、（Ａ）及び（Ｂ）を満たす。

（Ａ）サイドバイサイドシート１５の前端は、前後方向において、ホイールベースの中間点ＷＣより前に設けられた前二輪後一輪三輪車両１０ａの重心Ｇ０より後に位置し、かつ、サイドバイサイドシート１５の少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ内に位置している。
（Ｂ）電気エネルギー貯蔵装置２２の少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、サイドバイサイドシート１５に着座したオペレータの足１００と重なり、かつ、三角形領域Ａ内に位置し、かつ、電気エネルギー貯蔵装置２２の前端２２ｆは、前二輪後一輪三輪車両１０ａの重心Ｇ０より前に位置し、かつ、三角形領域Ａ内に位置し、かつ、電気エネルギー貯蔵装置２２の左端及び右端は、左右方向において、左前駆動操舵輪１６Ｌの右端と右前駆動操舵輪１６Ｒの左端との間に位置している。

　なお、前二輪後一輪三輪車両１０ａの重心Ｇ０は、オペレータ及びパッセンジャーが乗車していない状態での前二輪後一輪三輪車両１０ａの重心である。前二輪後一輪三輪車両１０ａの重心Ｇ０は、前記の通り、ホイールベースの中間点ＷＣより前に位置する。すなわち、前二輪後一輪三輪車両１０ａの重心Ｇ０は、前後方向において、右前駆動操舵輪１６Ｒの右前アクスルＡｘＲと後輪１８の後アクスルＡｘＢとの中間点ＷＣより前に位置する。前二輪後一輪三輪車両１０の重心Ｇ０は、例えば、右前駆動操舵輪１６Ｒの右前アクスルと後輪１８の後アクスルとを１：２に内分する点である。

　また、電気エネルギー貯蔵装置２２の前端２２ｆは、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ内に位置している。従って、電気エネルギー貯蔵装置２２の前端２２ｆは、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａから突出していない。ただし、電気エネルギー貯蔵装置２２の一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ外に位置している。本実施形態では、電気エネルギー貯蔵装置２２の右後端近傍及び左後端近傍は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ外に位置している。更に、電気エネルギー貯蔵装置２２の少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ内において左シート１５Ｌ及び右シート１５Ｒと重なっている。本実施形態では、電気エネルギー貯蔵装置２２の一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ内において左シート１５Ｌ及び右シート１５Ｒと重なっている。

　電気エネルギー貯蔵装置２２の前端２２ｆは、前後方向において、三角形領域Ａの重心Ａｇより前に位置している。電気エネルギー貯蔵装置２２の左右方向の幅の最大値Ｗ１は、三角形領域Ａの重心Ａｇにおける三角形領域Ａの左右方向の幅Ｗ２より小さい。更に、電気エネルギー貯蔵装置２２の左右方向の幅の最大値Ｗ１は、三角形領域Ａの重心Ａｇと三角形領域Ａの後端Ａｂとの中間点Ｐ１０における三角形領域Ａの左右方向の幅Ｗ３より大きい。

　次に、電気エネルギー貯蔵装置２２の重心Ｇ１の位置について説明する。電気エネルギー貯蔵装置２２の重心Ｇ１は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、電気エネルギー貯蔵装置２２の上面２２Ｓｕの対角線の交点近傍に位置している。電気エネルギー貯蔵装置２２の重心Ｇ１は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを左方向又は右方向に見たときに、電気エネルギー貯蔵装置２２の左面の対角線の交点近傍又は右面の対角線の交点近傍に位置している。

　電気エネルギー貯蔵装置２２の重心Ｇ１は、前後方向において、ホイールベースの中間点ＷＣより前に位置する。また、電気エネルギー貯蔵装置２２の重心Ｇ１は、前後方向において、右前駆動操舵輪１６Ｒの右前アクスルＡｘＲと中間点ＷＣとの中点Ｃ１より後に位置している。本実施形態では、電気エネルギー貯蔵装置２２の重心Ｇ１は、例えば、右前駆動操舵輪１６Ｒの右前アクスルと後輪１８の後アクスルとを１：２に内分する点の近傍に位置する。

　また、電気エネルギー貯蔵装置２２の重心Ｇ１は、前後方向において、右前駆動操舵輪１６Ｒの後端１６Ｒｂより後に配置されている。更に、電気エネルギー貯蔵装置２２の重心Ｇ１は、前二輪後一輪三輪車両１０を下方向に見たときに、電気モータ２４の回転軸２４ＬＡｘ，２４ＲＡｘより後に位置している。

　また、電気エネルギー貯蔵装置２２の重心Ｇ１は、左右方向において、左前駆動操舵輪１６Ｌが操舵時に通過する左前駆動操舵輪可動領域５０Ｌの右端５０Ｌｒと右前駆動操舵輪１６Ｒが操舵時に通過する右前駆動操舵輪可動領域５０Ｒの左端５０Ｒｌとの間に位置している。

　次に、サイドバイサイドシート１５の位置について説明する。左シート１５Ｌの少なくとも一部、及び／又は、右シート１５Ｒの少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ内に位置している。本実施形態では、左シート１５Ｌの一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ内に位置している。左シート１５Ｌの左部の一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ外に位置している。右シート１５Ｒの一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ内に位置している。右シート１５Ｒの右部の一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ外に位置している。また、左シート１５Ｌ及び右シート１５Ｒは、左右方向において、左前駆動操舵輪１６Ｌの右端と右前駆動操舵輪１６Ｒの左端との間に位置している。

　電気モータ２４の一部及び／又は動力伝達機構２６の一部は、前後方向において、三角形領域Ａの前端Ａｆより前に位置している。本実施形態では、電気モータ２４の全体は、前後方向において、三角形領域Ａの前端Ａｆより前に位置している。また、動力伝達機構２６の一部は、前後方向において、三角形領域Ａの前端Ａｆより前に位置している。

［効果］
　以上のように構成された前二輪後一輪三輪車両１０ａによれば、電気モータ２４が発生したトルクにより前二輪後一輪三輪車両１０ａが走行する。そのため、前二輪後一輪三輪車両１０ａの電動化が図られる。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａでは、前二輪後一輪三輪車両１０と同じ理由により、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに加わる荷重が減少することを抑制しつつ、前二輪後一輪三輪車両１０ａが左方向又は右方向に旋回するときに車体フレーム１２にロールが発生することを抑制できる。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａによれば、左シート１５Ｌの少なくとも一部、及び／又は、右シート１５Ｒの少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ内に位置している。これにより、オペレータの少なくとも一部及び／又はパッセンジャーの少なくとも一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ内に位置している。そのため、オペレータ及び／又はパッセンジャーは、前二輪後一輪三輪車両１０ａの左右方向の中央近傍に配置される。これにより、前二輪後一輪三輪車両１０ａが左方向又は右方向に旋回するときに車体フレーム１２にロールが発生することを抑制できる。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａによれば、左シート１５Ｌ及び右シート１５Ｒは、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌの右端と右前駆動操舵輪１６Ｒの左端との間に位置している。これにより、オペレータ及びパッセンジャーは、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、左前駆動操舵輪１６Ｌの右端と右前駆動操舵輪１６Ｒの左端との間に位置している。そのため、オペレータ及び／又はパッセンジャーは、前二輪後一輪三輪車両１０ａの左右方向の中央近傍に配置される。これにより、前二輪後一輪三輪車両１０ａが左方向又は右方向に旋回するときに車体フレーム１２にロールが発生することを抑制できる。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａによれば、電気エネルギー貯蔵装置２２の一部は、前二輪後一輪三輪車両１０ａを下方向に見たときに、三角形領域Ａ外に位置している。これにより、電気エネルギー貯蔵装置２２のサイズが大きくなり、電気エネルギー貯蔵装置２２の容量が大きくなる。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａによれば、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに加わる荷重が減少することを抑制できる。より詳細には、電気モータ２４及び動力伝達機構２６は、重量物である。そこで、電気モータ２４の一部及び／又は動力伝達機構２６の一部は、前後方向において、三角形領域Ａの前端Ａｆより前に位置している。これにより、電気モータ２４の荷重及び／又は動力伝達機構２６の荷重は、後輪１８より左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに加わりやすくなる。その結果、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに加わる荷重が減少することを抑制できる。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａによれば、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに加わる荷重が減少することを抑制できる。より詳細には、電気エネルギー貯蔵装置２２は、重量物である。そこで、電気エネルギー貯蔵装置２２の前端２２ｆは、前後方向において、三角形領域Ａの重心Ａｇより前に位置している。これにより、電気エネルギー貯蔵装置２２の荷重は、後輪１８より左前駆動操舵輪１５６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに加わりやすくなる。その結果、左前駆動操舵輪１６Ｌ及び右前駆動操舵輪１６Ｒに加わる荷重が減少することを抑制できる。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａによれば、前二輪後一輪三輪車両１０ａが左方向又は右方向に旋回するときに車体フレーム１２にロールが発生することを抑制できる。より詳細には、電気エネルギー貯蔵装置２２の左右方向の幅の最大値Ｗ１は、三角形領域Ａの重心における三角形領域Ａの左右方向の幅Ｗ２より小さい。そのため、電気エネルギー貯蔵装置２２の左右方向の幅の最大値Ｗ１が小さい。これにより、前二輪後一輪三輪車両１０ａの左右方向の中央近傍に電気エネルギー貯蔵装置２２を配置することが容易となる。その結果、前二輪後一輪三輪車両１０ａが左方向又は右方向に旋回するときに車体フレーム１２にロールが発生することを抑制できる。

　前二輪後一輪三輪車両１０ａによれば、電気エネルギー貯蔵装置２２の左右方向の幅の最大値Ｗ１が大きいので、電気エネルギー貯蔵装置２２の容量が大きくなる。

（その他の実施形態）
　本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた実施形態及び変形例は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示の思想を限定するものではない。上記の実施形態及び変形例は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得る。

　当該趣旨は、本明細書に開示された実施形態に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ（例えば、実施形態及び変形例に跨る特徴の組み合わせ）、改良、変更を包含する。特許請求の範囲における限定事項は当該特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態及び変形例に限定されるべきではない。そのような実施形態及び変形例は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」、「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。

　前二輪後一輪三輪車両１０，１０ａにおいて、電気モータ２４は、動力伝達機構２６の前に配置されている。しかしながら、電気モータ２４は、動力伝達機構２６の上に配置されてもよいし、動力伝達機構２６の後に配置されてもよいし、動力伝達機構２６の下に配置されてもよい。

　なお、前二輪後一輪三輪車両１０，１０ａにおいて、後輪１８は、操舵されなくてもよい。

１０，１０ａ：前二輪後一輪三輪車両
１２：車体フレーム
１３：後輪懸架装置
１４Ｌ：左前輪懸架装置
１４Ｒ：右前輪懸架装置
１５：サイドバイサイドシート
１５Ｌ：左シート
１５Ｒ：右シート
１６Ｌ：左前駆動操舵輪
１６Ｒ：右前駆動操舵輪
１８：後輪
２０：前輪操舵機構
２１：後輪操舵機構
２２：電気エネルギー貯蔵装置
２４：電気モータ
２４Ｌ：左前輪用電気モータ
２４ＬＡｘ：回転軸
２４Ｒ：右前輪用電気モータ
２４ＲＡｘ：回転軸
２６：動力伝達機構
５０Ｌ：左前駆動操舵輪可動領域
５０Ｒ：右前駆動操舵輪可動領域
Ａ：三角形領域
ＡｘＢ：後アクスル
ＡｘＬ：左前アクスル
ＡｘＲ：右前アクスル
Ｇ０，Ｇ１：重心

 

Claims (13)

1. 　前二輪後一輪三輪車両は、
   　シットインタイプの左シートと前記左シートの右に配置されているシットインタイプの右シートとを含んでいるサイドバイサイドシートであって、オペレータが前記左シート又は前記右シートに着座する、サイドバイサイドシートと、
   　左前駆動操舵輪、右前駆動操舵輪及び後輪と、
   　前記オペレータの操作により、前記左前駆動操舵輪及び前記右前駆動操舵輪を操舵する操舵機構と、
   　電気エネルギーを蓄える電気エネルギー貯蔵装置と、
   　前記電気エネルギー貯蔵装置が蓄えている前記電気エネルギーによりトルクを発生する電気モータと、
   　前記電気モータが発生したトルクを前記左前駆動操舵輪及び前記右前駆動操舵輪に伝達する動力伝達機構と、
   　左方向に旋回するときに左方向にリーンせず、右方向に旋回するときに右方向にリーンしない車体フレームであって、前記サイドバイサイドシート、前記左前駆動操舵輪、前記右前駆動操舵輪、前記後輪、前記操舵機構、前記電気エネルギー貯蔵装置、前記電気モータ及び前記動力伝達機構を支持する車体フレームと、
   　を備え、
   　前記前二輪後一輪三輪車両は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記左前駆動操舵輪の中心と前記右前駆動操舵輪の中心と前記後輪の中心とを直線で結んで得られる三角形に囲まれた領域を三角形領域と定義した場合に、（Ａ）及び（Ｂ）を満たす。
   （Ａ）前記サイドバイサイドシートの前端は、前後方向において、ホイールベースの中間点より前に設けられた前記前二輪後一輪三輪車両の重心より後に位置し、かつ、前記サイドバイサイドシートの少なくとも一部は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記三角形領域内に位置している。
   （Ｂ）前記電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記サイドバイサイドシートに着座した前記オペレータの足と重なり、かつ、前記三角形領域内に位置し、かつ、前記電気エネルギー貯蔵装置の前端は、前記前二輪後一輪三輪車両の重心より前に位置し、かつ、前記三角形領域内に位置し、かつ、前記電気エネルギー貯蔵装置の左端及び右端は、左右方向において、前記左前駆動操舵輪の右端と前記右前駆動操舵輪の左端との間に位置している。
2. 　前記電気エネルギー貯蔵装置の前端は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記三角形領域内に位置している、
   　請求項１に記載の前二輪後一輪三輪車両。
3. 　前記左シートの少なくとも一部、及び／又は、前記右シートの少なくとも一部は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記三角形領域内に位置している、
   　請求項１又は請求項２のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
4. 　前記左シート及び前記右シートは、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記左前駆動操舵輪の右端と前記右前駆動操舵輪の左端との間に位置している、
   　請求項１ないし請求項３のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
5. 　前記電気エネルギー貯蔵装置の一部は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記三角形領域外に位置している、
   　請求項１ないし請求項４のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
6. 　前記電気モータの一部及び／又は前記動力伝達機構の一部は、前後方向において、前記三角形領域の前端より前に位置している、
   　請求項１ないし請求項５のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
7. 　前記電気エネルギー貯蔵装置の前端は、前後方向において、前記三角形領域の重心より前に位置している、
   　請求項１ないし請求項６のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
8. 　前記電気エネルギー貯蔵装置の左右方向の幅の最大値は、前記三角形領域の重心における前記三角形領域の左右方向の幅より小さい、
   　請求項１ないし請求項７のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
9. 　前記電気エネルギー貯蔵装置の左右方向の幅の最大値は、前記三角形領域の重心と前記三角形領域の後端との中間点における前記三角形領域の左右方向の幅より大きい、
   　請求項１ないし請求項８のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
10. 　前記電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも一部は、前記前二輪後一輪三輪車両を下方向に見たときに、前記三角形領域内において前記左シート及び前記右シートと重なっている、
    　請求項１ないし請求項９のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
11. 　前記電気エネルギー貯蔵装置の重心は、前後方向において、前記右前駆動操舵輪の後端より後に配置されている、
    　請求項１ないし請求項１０のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
12. 　前記電気エネルギー貯蔵装置の重心は、左右方向において、前記左前駆動操舵輪が操舵時に通過する左前駆動操舵輪可動領域の右端と前記右前駆動操舵輪が操舵時に通過する右前駆動操舵輪可動領域の左端との間に位置している、
    　請求項１ないし請求項１１のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
13. 　前記電気エネルギー貯蔵装置の重心は、前後方向において、前記電気モータの回転軸より後に位置している、
    　請求項１ないし請求項１２のいずれかに記載の前二輪後一輪三輪車両。
    
     

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