WO2020090620A1 - 注出スパウト - Google Patents

Abstract

【課題】詰め替え容器の注出スパウトに包装容器のノズルを正確に挿入させることができる注出スパウトを提供する。 【解決手段】内容物を包装容器に注入するための詰め替え容器１に設けられ、詰め替え容器１に収容された内容物を注出するための注出スパウト１０であって、詰め替え容器の袋本体部に貼り合わされる被貼り合わせ部１１と、内容物を注出する筒状部１２と、被貼り合わせ部１１と筒状部１２との境界で外側に向かって張り出すフランジ部１３と、内容物を詰め替え容器の内部から外部に通すための流路１４と、流路１４を開閉するための閉鎖部材２０とを少なくとも備え、フランジ部１３の水平方向における最も離れた両端部が、包装容器を構成する注出ユニットの周壁部の対向する部位から若干外側にはみ出している、注出スパウトによって課題を解決する。

Description

注出スパウト

　本発明は、注出スパウトに関し、さらに詳しくは、フランジ部の形態に特徴を有する、詰め替え容器の注出スパウトに関する。

　従来から、包装容器に内容物を補充したり、充填したりするための詰め替え容器がある。こうした詰め替え容器には、内容物を注出するための注出スパウトが取り付けられている。注出スパウトの形態は様々なものがあり、筒状をなす注ぎ口の基端部にフランジ部が設けられている形態やフランジ部が設けられていない形態等がある。

　例えば、特許文献１で提案されている注出スパウトは、筒状の注ぎ口の基端部にフランジ部が設けられている。この注出スパウトは、逆さまにした可撓性袋のスパウトを繰り返し使用容器の口部に合わせて押し込むときに、スパウトの部分を挟み持つ指先でスパウトを押し下げ易くし、スパウトにおける上記閉鎖板の開き操作がスムーズに行なえるようにするために提案されている。こうした効果を得るために、同文献で提案されている注出スパウトは、スパウトの袋内側筒部と袋外側筒部との間のフランジ部に、可撓性袋の袋包材の重ね合わせ方向に沿った方向で相対する端部それぞれを外方に向けて延設して、袋内側筒部側の片面に指乗せできる延設部を設けている。

特開２０１５－１３６５５号公報

　特許文献１で提案されている注出スパウトは、フランジ部が注出スパウトの中心側から外側に向かって大きく張り出している。そのため、フランジ部を指先で押し込むときに、一方の手の指先が注ぎ口の直近を押し込み、他方の手の指先がフランジ部の外周部の近傍を押し込む場合がある。その場合、詰め替え容器が傾いてしまい、詰め替え容器の注出スパウトに包装容器のノズルを正確に挿入させることができない。その結果、詰め替え容器の内容物がこぼれだしてしまうといった事態が生じてしまう。

　本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、詰め替え容器の注出スパウトに包装容器のノズルを正確に挿入させることができる注出スパウトを提供することにある。

　上記課題を解決するための本発明に係る注出スパウトは、内容物を包装容器に注入するための詰め替え容器に設けられ、前記詰め替え容器に収容された内容物を注出するための注出スパウトであって、前記詰め替え容器を構成する袋本体部に貼り合わされる被貼り合わせ部と、前記内容物を注出する筒状部と、前記被貼り合わせ部と前記筒状部との境界部で外側に向かって張り出すフランジ部と、前記内容物を前記詰め替え容器の内部から外部に通すための流路と、前記流路を開閉するための閉鎖部材とを少なくとも備え、前記包装容器は、容器本体と、前記容器本体に収容された内容物を注出するための注出ユニットと、を備え、前記注出ユニットは、内容物を注出するノズルと、前記ノズルの周囲を囲む周壁部とを有し、前記フランジ部の水平方向における最も離れた両端部が、前記周壁部の対向する部位から若干外側にはみ出している、ことを特徴とする。

　この発明によれば、フランジ部の水平方向における最も離れた両端部が、周壁部の対向する部位から若干外側にはみ出しているので、筒状部の両側に添えられる指の中心からの位置が同じか略同じになる。そのため、筒状部の両側に添えられた指で注出スパウトを押し込む力を同じか略同じにすることができる。たとえ、筒状部の両側に添えられた指で注出スパウトを押し込む力が異なっていたとしても、筒状部の近傍を押し込んでいるので、詰め替え容器が傾いてしまうことを抑制することがでる。そのため、包装容器のノズルを正確に注出スパウトの流路に挿入することができ、詰め替え容器の内容物をこぼすことなく包装容器に注入することができる。

　本発明に係る注出スパウトにおいて、前記被貼り合わせ部は、直交する２方向のうち、一方の方向では、前記貼り合わせ部の前記一方の方向における中心から両側に向かって先細りに形成され、他方の方向では、外形が円弧状をなして外側に突出している。

　この発明によれば、被貼り合わせ部における直交する２方向のうち、一方の方向では、貼り合わせ部の前記一方の方向における中心から両側に向かって先細りに形成され、他方の方向では、外形が円弧状をなして外側に突出しているので、注出スパウトと袋本体部とが貼り合わされる部位において、注出スパウトの流路を確保することができる。そのため、詰め替え容器から包装容器に内容物を円滑に移し替えることができる。

　本発明に係る注出スパウトにおいて、前記フランジ部の外形が、円形、楕円形、多角形又はそれらの組み合わせ形状である。

　この発明によれば、フランジ部の外形が、円形、楕円形、多角形又はそれらの組合せ形状をなしているので、個々の詰め替え容器に応じたデザインのフランジ部を選定することができる。

　本発明に係る注出スパウトにおいて、前記フランジ部は、前記筒状部の周囲で円弧状をなして外側に張り出す円弧部と、前記一方の方向で外側に張り出す張り出し部とを備え、前記張り出し部における前記他方の方向の寸法が前記筒状部の直径よりも小さく形成されている。

　この発明によれば、上述した２方向のうち一方の方向で外側に張り出す張り出し部を備え、張り出し部における他方の方向の寸法が筒状部の直径よりも小さく形成されているので、指を添えるフランジ部の位置が限定される。その結果、フランジ部を押し込んで、包装容器のノズルを流路に挿入させるときに、詰め替え容器の体勢を維持させ、傾くことを抑制し、より正確に挿入させることができる。

　本発明によれば、詰め替え容器の注出スパウトに包装容器のノズルを正確に挿入させることができる注出スパウトを提供することができる。

本発明に係る注出スパウトが用いられている詰め替え用容器の平面図である。 本発明に係る注出スパウトを側方からみた側面図である。 第１実施形態の注出スパウトを示す図であり、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は平面図である。 第２実施形態の注出スパウトを示す図であり、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は平面図である。 第３実施形態の注出スパウトを示す図であり、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は平面図である。 詰め替え用容器から内容物が補充される包装容器の側面図である。 注出ユニットの斜視図である。 注出スパウトを注出ユニット向けて押し込む作用を説明するための説明図である。 注出スパウトの流路にノズルが挿入される作用を説明するための説明図である。

　以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明は、以下に説明する実施形態及び図面に記載した形態と同じ技術的思想の発明を含むものであり、本発明の技術的範囲は実施形態の記載や図面の記載のみに限定されるものでない。

　［基本構成］
　本発明に係る注出スパウト１０は、内容物を包装容器３０に注入するための詰め替え容器１に設けられ、詰め替え容器１に収容された内容物を注出するための注出スパウト１０である。注出スパウト１０は、例えば、図２に示すように、被貼り合わせ部１１、筒状部１２、フランジ部１３、流路１４、及び閉鎖部材２０を少なくとも備えている。被貼り合わせ部１１は、詰め替え容器１を構成する袋本体部５に貼り合わされる部位である。筒状部１２は、内容物を注出するための部位である。フランジ部１３は、被貼り合わせ部１１と筒状部１２との境界部で外側に向かって張り出す部位である。流路１４は、内容物を詰め替え容器１の内部から外部に通すための部位である。そして、閉鎖部材２０は、流路１４を開閉するための構成要素である。

　一方、包装容器３０は、容器本体３１と、容器本体３１に収容された内容物を注出するための注出ユニット４０と、を備えている。注出ユニット４０は、内容物を注出するノズル４３と、ノズル４３の周囲を囲む周壁部４２とを有している。そして、フランジ部１３の水平方向における最も離れた両端部が、周壁部４２の対向する部位から若干外側にはみ出している。

　「若干外側にはみ出している」とは、周壁部４２の対向する部位から大きく突出していないことを意味する。具体的に、フランジ部１３の水平方向における最も離れた両端部は、周壁部４２の対向する部位から３ｍｍ以上、１５ｍｍ以下の範囲だけ外側に位置する（片側のはみだし量である）。

　本発明に係る注出スパウト１０によれば、詰め替え容器１の注出スパウト１０に包装容器３０のノズル４３を正確に挿入させることができ、かつ、閉鎖部材を開封するために効率よくフランジに押圧を掛けることができる注出スパウト１０を提供することができるといた特有の効果を奏する。

　以下、注出スパウト１０が用いられる詰め替え容器１の概要、注出スパウト１０の具体的な構成、詰め替え容器１に収容された内容物が補充されて用いられる包装容器３０の概要、及び注出スパウト１０の作用について説明する。

　［注出スパウトが用いられる詰め替え容器］
　本発明に係る注出スパウト１０が用いられる詰め替え容器１は、詰め替え容器１とは別に使用される包装容器３０に内容物を補充するための容器として主に用いられる。詰め替え容器１の形態や種類は特に限定されない。図１には、詰め替え容器１の一例としてのスタンディングパウチを示している。この詰め替え容器１は、対向する一対の平面部２と、詰め替え容器１の底部を閉じている底面部３と、本発明に係る注出スパウト１０と、を有している。

　平面部２は、上端縁同士がシールされると共に、両側端縁同士がシールされている。一対の平面部２の下端縁は、底面部３における各平面部２の下端縁に対向する端縁部にそれぞれシールされている。底面部３は、中心の折目４で二つ折りされており、折目４が詰め替え容器１の上側に向けて折り込まれている。底面部３は、折り込まれた形態から詰め替え容器１の平面部２が配置されている方向に広げられることによって、詰め替え容器１の底部を広げることができるように構成されている。

　本発明に係る注出スパウト１０は、詰め替え容器１の上端縁に取り付けられている。注出スパウト１０は、スパウト本体１０ａと注出スパウト１０の筒状部１２を開閉させるキャップ１１０とにより構成されている。なお、本実施形態では、注出スパウト１０が詰め替え容器１の上部中央に取り付けられた場合を一例として取り上げている。ただし、特に図面には示していないが、注出スパウト１０が詰め替え容器１の上部において、幅方向の側部にずれた位置に設けても良い。また、詰め替え容器１に上端縁と側端縁とが斜めに傾斜する傾斜部により連絡された部位を設け、傾斜部に注出スパウト１０を取り付けてもよい。

　詰め替え容器１は、この詰め替え容器１とは別に用意された包装容器３０（図６を参照。）に内容物を移し替えるための容器として用いられる。内容物を包装容器３０に移し替える場合には、注出スパウト１０を閉じているキャップ１１０を取り外し、詰め替え容器１の上下を逆さまにする。そして、注出スパウト１０を包装容器３０の注出ユニット４０に突き刺して、詰め替え容器１から直に内容物を包装容器３０に移し替える。なお、この作用は、後ほど詳細に説明する。

　［注出スパウトの第１実施形態］
　第１実施形態の注出スパウト１０は、図３に示すように、フランジ部１３Ａの外径が円形に形成されている。注出スパウト１０は、筒状部１２、フランジ部１３Ａ、被貼り合わせ部１１及び閉鎖部材２０によって構成されている。筒状部１２及び被貼り合わせ部１１の内部には流路１４が形成されており、流路１４を通して内容物を外部に注出することができるように構成されている。

　筒状部１２は、円筒状に形成されており、詰め替え容器１の内容物を外部に注出する機能を有している。筒状部１２の内側には、上述したように流路１４が軸方向Ｌに延びる形態で形成されている。一方、筒状部１２の外周面にはねじ部１８が形成されている。このねじ部１８は、筒状部１２を閉鎖するためのキャップ１１０内のねじ山と係り合わされてキャップ１１０がねじ込まれる部位である。筒状部１２の内部の流路１４には、ガイド１９が形成されている。ガイド１９は、注出ユニット４０のノズル４３に形成されたスリットをはめ込ませ、ノズルを軸方向Ｌに案内するための構成部である。

　被貼り合わせ部１１は、詰め替え容器１の袋本体部５に貼り合わされる部位であって、外形が舟形をなしている。すなわち、被貼り合わせ部１１の両側面は、直交する２方向のうち、一方の方向であるＸ方向の中心部で他方の方向であるＹ方向に半円状に張り出す張り出し部１６を有し、Ｘ方向の両端部は、両端側に向かって先細りをなし、両側面がＸ方向の両端部で接続されている。張り出し部１６の各側面部には、Ｘ方向に延びる複数の突起部１７がそれぞれ形成されている。突起部１７は、筒状部１２の外周面から外側に向かって突出し、フランジ部１３Ａの外周縁の近傍まで延びている。突起部１７同士の間は空間である。この突起部１７は、袋本体部５に対し、注出スパウト１０を貼り合わせし易くするための構成部である。

　閉鎖部材２０は、流路１４を開閉するための構成要素であって、円盤状をなしている。閉鎖部材２０は、筒状部１２の軸方向Ｌの一端Ａ側の第１面２１、すなわち、被貼り合わせ部１１側で流路１４の内側にはめ込まれることにより、流路１４を閉鎖する。一方、流路１４を閉鎖している閉鎖部材２０は、筒状部１２の軸方向Ｌの一端Ａ側の第１面２１とは逆側の他端Ｂ側の第２面から一端Ａ側に向けて加えられる外力によって流路１４から取り外されるように構成されている。そのため、閉鎖部材２０の直径は、流路１４の内径と同じか又は若干小さく形成されている。こうした閉鎖部材２０は、連結部材２３によってスパウト本体１０ａにつながれている。連結部材２３は、樹脂で構成されており、細長い紐状又は帯状をなしている。

　フランジ部１３Ａは、注出スパウト１０の流路１４に包装容器３０を構成する注出ユニット４０のノズル４３を挿入するときに、指を添えて、詰め替え容器１を包装容器３０に押し込むとき利用する部位である。第１実施形態のフランジ部１３Ａは、その外形が円形をなしている。フランジ部１３Ａの外形が円形をなしているので、筒状部１２を間に挟んだ、フランジ部１３Ａの両側であれば、どの位置であっても、指を添えて押し込むことができるように、フランジ部１３Ａが構成されている。なお、フランジ部１３Ａの形状は、円形であることには限定されず、楕円形に形成してもよい。楕円形に形成した場合、長軸方向はＸ方向に一致させ、短軸方向はＹ方向に一致させる。

　［注出スパウトの第２実施形態］
　第２実施形態の注出スパウト１０は、図４に示すように、フランジ部１３Ｂの外径が四角形に形成されている。注出スパウト１０は、筒状部１２、フランジ部１３Ｂ、被貼り合わせ部１１及び閉鎖部材２０によって構成されている。筒状部１２及び被貼り合わせ部１１の内部には流路１４が形成されており、流路１４を通して内容物を外部に注出することができるように構成されている。なお、第２実施形態の注出スパウト１０の構成は、フランジ部１３Ｂの形状が異なるだけで、第１実施形態の注出スパウト１０の構成と同様なので、フランジ部１３Ｂの構成以外の構成の説明は省略する。

　第２実施形態のフランジ部１３Ｂは、その外形が多角形をなしている。図４に示した例では、フランジ部１３Ｂの外形が長方形に形成されている。フランジ部１３Ｂの長軸方向はＸ方向に一致し、フランジ部１３Ｂの短軸方向はＹ方向に一致している。図４に示した長方形のフランジ部１３Ｂでは、Ｘ方向において、筒状部１２を間に挟んだフランジ部１３Ｂの両側に指を添え、フランジ部１３Ｂを押し込むことができるように構成されている。第２実施形態のフランジ部１３Ｂの外形は、長方形であることには限定されず、三角形、正方形、五角形、六角形、八角形等、多角形であれば、その形状に限定はない。フランジ部１３Ｂの外形は、詰め替え容器１の機能やデザイン等に応じ、自由に形成することができる。

　［注出スパウトの第３実施形態］
　第３実施形態のフランジ部１３Ｃは、図５に示すように、筒状部１２の周囲で円弧状をなして外側に張り出す円弧部１１３と、一方の方向であるＸ方向の外側に張り出す矩形部２１３とを備えている。そして、矩形部２１３は、他方の方向であるＹ方向の寸法が筒状部１２の直径よりも小さく形成されている。円弧部１１３は、筒状部１２におけるＹ方向の両側の周囲を囲むようにして、外側に向かって円弧状に張り出している。一方、矩形部２１３は外形が矩形をなしており、Ｘ方向に向かって筒状部１２から外側に張り出している。矩形部２１３の幅、すなわちＹ方向の寸法は、図５（Ｂ）に示すように、筒状部１２の直径よりも小さく形成されている。

　第３実施形態の注出スパウト１０は、フランジ部１３Ｃが、第１実施形態の注出スパウト１０及び第２実施形態の注出スパウト１０に比べて面積が小さく、且つ筒状部１２により近い領域のみに形成されている。そのため、指を添える位置が筒状部１２に近い位置に限定される。その結果、詰め替え容器１を包装容器３０の注出ユニット４０に向けて押し込むときに、Ｘ方向において、筒状部１２の一方の片側に添えた指で押し込む力と、他方の片側に添えた指で押し込む力とが異なっていた場合でも、詰め替え容器１の傾きを極力抑制することができ、包装容器３０が備える注出ユニット４０のノズル４３を流路１４内に挿入させることができる。

　以上、第１実施形態、第２実施形態、第３実施形態で説明した注出スパウト１０は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレンビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等の樹脂で形成されている。ただし、注出スパウト１０は、成形加工可能なものであれば材料の制限はない。また、樹脂の原料としては石油由来、植物由来、それらの共重合、ブレンドなどを使用することができる。

　［包装容器］
　包装容器３０は、詰め替え容器１に収容された内容物が補充されて使用される容器である。包装容器３０は、例えば樹脂等で構成される。図６は、包装容器３０の一例を示している。図６に示した包装容器３０は、取っ手３２が設けられた容器本体３１と、容器本体３１に収容された内容物を注出するための注出ユニット４０とにより構成されている。この包装容器３０は、詰め替え容器１から移された内容物を必要なときに必要な量だけ包装容器３０から取り出して用いられる。

　包装容器３０の注出ユニット４０は、本体部４１と本体部４１を開閉するためのキャップ４９とにより構成されている。本体部４１は、図７に示すように、周壁部４２とこの周壁部４２の内側に配置されたノズル４３とを備えている。周壁部４２は筒状をなし、内側は空洞になっている。

　ノズル４３は、本体部４１の中央又は略中央の位置に配置されている。ノズル４３は、周壁部４２とつながれており周壁部４２と一体をなしている。ノズル４３には、図７に示すように、軸方に延びるスリットが形成されている。また、ノズル４３は、本体部４１から上側に向かって突出し、その先端が、周壁部４２の上端よりも上側に位置するように構成されている。なお、図７は、ノズル４３の形状の１つの例を示しており、ノズル４３の形状は特に限定されない。

　［内容物補充の手順及び注出スパウトの作用］
　図８及び図９を参照し、詰め替え容器１に収容されている内容物を包装容器３０に補充する手順と、本実施形態の注出スパウト１０の作用について説明する。なお、図８は、詰め替え容器１の注出スパウト１０と包装容器３０の注出ユニット４０だけを示し、図９は、注出スパウト１０の作用をわかりやすくするために、詰め替え容器１及び包装容器３０の容器本体３１については、図示していない。ただし、注出スパウト１０は、図１に示した詰め替え容器１に取り付けられ、注出ユニット４０は、図６に示した包装容器３０に設けられた図７に示す注出ユニット４０である。

　まず、図８に示すように、注出スパウト１０からキャップ１１０を取り外し、詰め替え容器１の上下を逆にして、詰め替え容器１の下側に注出スパウト１０を位置させる。注出スパウト１０の流路１４は、閉鎖部材２０により閉じられているので、詰め替え容器１に収容されている内容物がこぼれ出すことはない。

　次に、図８及び図９（Ａ）に示すように、注出スパウト１０を、キャップ４９が取り外された包装容器３０の注出ユニット４０の位置に一致させ、注出ユニット４０のノズル４３を注出スパウト１０の流路１４に挿入させる。すなわち、注出スパウト１０を構成する筒状部１２の内側に構成された流路１４に注出ユニット４０のノズル４３を挿入させる。その際、図８に示すように、筒状部１２の両側に位置するフランジ部１３に指を添え、フランジ部１３を注出ユニット４０に向けて押し込む。

　次いで、筒状部１２にノズル４３を挿入させた状態で注出スパウト１０を注出ユニット４０側にさらに押し下げる。注出スパウト１０を押し下げると、ノズル４３のスリットが注出スパウト１０のガイド１９を挟み込み、ノズル４３が軸方向Ｌに案内される。そして、軸方向Ｌに案内されたノズル４３の先端が閉鎖部材２０を押し上げる。その結果、図９（Ｂ）に示すように、閉鎖部材２０が筒状部１２の内側を構成している流路１４から取り外される。すなわち、閉鎖部材２０は、筒状部１２の軸方向Ｌにおける一端Ａ側（被貼り合わせ部１１が設けられた端部側）とは逆側の他端Ｂ側（円筒注出部の先端側）から加えられる外力によって筒状部１２の内周面から取り外される。この際、閉鎖部材２０は、スパウト本体１０ａとは別体として構成されており、且つ、筒状部１２を構成する流路１４にはめ込まれることにより流路１４を閉じているだけであるので、ノズル４３が閉鎖部材２０それ自体を破壊してしまうことがなく、円滑に流路１４から取り外される。そのため、破片が発生せず、包装容器３０に内容物だけが移される。

　また、図９（Ｂ）に示すように、ノズル４３が筒状部１２の内部に挿入され、閉鎖部材２０がスパウト本体１０ａか外されたとき、筒状注出体の先端部がノズル４３の外周面に接触する。そのため、詰め替え容器１から注出された内容物は、ノズル４３の外側に漏れ出さないで、ノズル４３を通して包装容器３０に移される。

　以上、本発明によれば、（１）筒状部１２を間に挟んだ、フランジ部１３の両側であれば、どの位置であっても、指を添えて押し込むことができる、（２）フランジ部１３の外形は、詰め替え容器１の機能やデザイン等に応じ、自由に形成することができる、（３）詰め替え容器１の傾きを極力抑制することができ、包装容器３０が備える注出ユニット４０のノズル４３を流路１４内に挿入させることができるといった効果を奏することができる。その結果、詰め替え容器１の注出スパウト１０に包装容器３０のノズル４３を正確に挿入させることができる注出スパウト１０を提供することを可能にしている。

　１　詰め替え容器
　２　平面部
　３　底面部
　４　折目
　５　袋本体部
　１０　注出スパウト
　１０ａ　スパウト本体
　１１　被貼り合わせ部
　１２　筒状部
　１３,１３Ａ,１３Ｂ,１３Ｃ　フランジ部
　１４　流路
　１６　張り出し部
　１７　突起部
　１８　ねじ部
　１９　ガイド
　２０　閉鎖部材
　２１　第１面
　２２　第２面
　２３　連結部材
　３０　包装容器
　３１　容器本体
　３２　取っ手
　４０　注出ユニット
　４１　本体部
　４２　周壁部
　４３　ノズル
　４９　キャップ
　１１０　キャップ
　１１３　円弧部
　２１３　矩形部
 

Claims (4)

1. 　内容物を包装容器に注入するための詰め替え容器に設けられ、前記詰め替え容器に収容された内容物を注出するための注出スパウトであって、
   　前記詰め替え容器を構成する袋本体部に貼り合わされる被貼り合わせ部と、前記内容物を注出する筒状部と、前記被貼り合わせ部と前記筒状部との境界部で外側に向かって張り出すフランジ部と、前記内容物を前記詰め替え容器の内部から外部に通すための流路と、前記流路を開閉するための閉鎖部材とを少なくとも備え、
   　前記包装容器は、容器本体と、前記容器本体に収容された内容物を注出するための注出ユニットと、を備え、
   　前記注出ユニットは、内容物を注出するノズルと、前記ノズルの周囲を囲む周壁部とを有し、
   　前記フランジ部の水平方向における最も離れた両端部が、前記周壁部の対向する部位から若干外側にはみ出している、ことを特徴とする注出スパウト。
2. 　前記被貼り合わせ部は、直交する２方向のうち、一方の方向では、前記貼り合わせ部の前記一方の方向における中心から両側に向かって先細りに形成され、他方の方向では、外形が円弧状をなして外側に突出している、請求項１に記載の注出スパウト。
3. 　前記フランジ部の外形が、円形、楕円形、多角形又はそれらの組合せ形状である、請求項１又は２に記載の注出スパウト。
4. 　前記フランジ部は、前記筒状部の周囲で円弧状をなして外側に張り出す円弧部と、前記一方の方向で外側に張り出す張り出し部とを備え、前記張り出し部における前記他方の方向の寸法が前記筒状部の直径よりも小さく形成されている、請求項１又は２に記載の注出スパウト。

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