WO2020090049A1

WO2020090049A1 - 内視鏡

Info

Publication number: WO2020090049A1
Application number: PCT/JP2018/040573
Authority: WO
Inventors: 守人菅家; 篤河原田
Original assignee: 株式会社住田光学ガラス
Priority date: 2018-10-31
Filing date: 2018-10-31
Publication date: 2020-05-07

Abstract

本発明の内視鏡は、細長い形状を有する挿入部を備え、前記挿入部は、湾曲部、及び、該湾曲部の先端側に取り付けられた先端部を有し、前記挿入部内にワイヤが挿通され、前記ワイヤは、前記先端部に固定されている。

Description

内視鏡

　本発明は、内視鏡に関するものである。

　従来、医療分野及び工業分野において使用される内視鏡として、細長い形状を有し、被検体内に挿入される挿入部を備え、該挿入部が、湾曲可能な湾曲部を有する構造が知られている。

　挿入部が湾曲部を有する内視鏡においては、湾曲機能を実現するために、湾曲部にワイヤを取り付け、ワイヤを操作することによって、挿入部を湾曲させている。

　ここで、湾曲機能を実現するためのワイヤを、挿入部の先端側に位置する湾曲部に固定する技術が開示されている（例えば、特許文献１）。この手法では、湾曲部を構成する湾曲コマに固定部材を設け、該固定部材にワイヤを挿通し、ワイヤを固定部材と共に湾曲コマに圧着固定することにより、ワイヤの材質によらずに、ワイヤと湾曲コマとの取り付け強度を十分に確保している。

特開平１０－２５８０２５号公報

　ここで、内視鏡の挿入部を細径化しようとした場合、湾曲部の厚さを薄くする場合がある。しかしながら、湾曲部の厚さが薄くなると、例えばカシメ、はんだ付け、レーザー溶接等によって湾曲部にワイヤを固定した際に、湾曲部が変形するおそれがあった。

　本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、湾曲部の変形を回避しつつ、挿入部が湾曲機能を損なうことなく細径化可能な内視鏡を提供することを目的とする。

　本発明の要旨構成は、以下の通りである。
　本発明の内視鏡は、
　細長い形状を有する挿入部を備え、
　前記挿入部は、湾曲部、及び、該湾曲部の先端側に取り付けられた先端部を有し、
　前記挿入部内にワイヤが挿通され、
　前記ワイヤは、前記先端部に固定されていることを特徴とする。

　本発明の内視鏡では、前記先端部に、前記ワイヤが溶接されてなる溶接部を有することが好ましい。

　本発明の内視鏡では、前記先端部に、前記ワイヤがはんだ付けされてなるはんだ部を有することが好ましい。

　本発明の内視鏡では、屈曲部を有する１本のみの前記ワイヤが、前記挿入部内に挿通されていることが好ましい。

　本発明の内視鏡では、前記先端部は、光学系を備え、
　前記光学系は、対物レンズ、ライトガイド、及びイメージガイドを有することが好ましい。

　本発明の内視鏡では、前記先端部は、前記光学系を保持する保持部を有し、
　前記保持部に、該保持部の径の大きさに段差を有する段差部が設けられ、
　前記ワイヤは、前記段差部のうち、前記保持部の径が小さい部分に固定されていることが好ましい。

　本発明の内視鏡は、前記挿入部の径は、１ｍｍ以下であることが好ましい。

　本発明は、湾曲部の変形を回避しつつ、挿入部が湾曲機能を損なうことなく細径化可能な内視鏡を提供することができる。

本発明の一実施形態にかかる内視鏡の概略全体図である。湾曲部５を示す斜視図である。湾曲部５を構成する円環状の湾曲コマ５ａの１つを軸方向から見た平面図である。本発明の一実施形態にかかる内視鏡の湾曲部５及び先端部６を示す断面図である。先端部６にワイヤ５を固定する様子を示す模式図である。

　以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。

　図１は、本発明の一実施形態にかかる内視鏡１の概略全体図である。図１に示すように、本実施形態の内視鏡１は、細長い形状を有し、被検体内に挿入される挿入部２と、挿入部２の基端側に位置する操作部３と、操作部３から延出するユニバーサルコード４と、を備えている。

　挿入部２は、被検体内を観察するために、被検体内に挿入可能な細長い形状を有するものである。なお、内視鏡１の挿入部２が挿入される被検体は、人体に限らず、他の生体であってもよいし、機械や建造物等の人工物であってもよい。

　図１に示すように、挿入部２は、湾曲機能を有する湾曲部５と、該湾曲部５の先端側に取り付けられた先端部６と、湾曲部５の基端側と操作部３の先端側とを接続する可撓性を有する可撓管部７と、が連設されて構成されている。また、挿入部２内にはワイヤ８が挿通されている。

　図２は、湾曲部５を示す斜視図であり、図３は、湾曲部５を構成する円環状の湾曲コマ５ａの１つを軸方向から見た平面図である。

　図２、図３に示すように、湾曲部５を構成する各湾曲コマ５ａは、円環状の形状をしており、複数の湾曲コマ５ａが円環の軸方向に連結されて湾曲部５をなしている。図示例では、各湾曲コマ５ａは、凸部５１及び凹部５２を有しており、円環の軸方向に隣接する湾曲コマ５ａが、該湾曲コマ５ａ間の凸部５１と凹部５２とが嵌合することにより互いに連結されている。

　この例では、各湾曲コマ５ａは、操作部３の操作によって、挿入部２の軸回りの２方向に湾曲可能であるように構成されている。一方で、各湾曲コマ５ａは、操作部３の操作によって、例えば、挿入部２の軸回りに４方向など、別の特定の方向に湾曲可能であるように構成することもでき、あるいは、挿入部２の軸回りの全周方向に湾曲可能であるように構成することもできる。

　図２、図３に示すように、各湾曲コマ５ａの円環状の形状の周上の一部（図示例では周上で互いに約１８０°離間した２箇所）に、図示例で２つのワイヤガイド孔５３が形成されている。そして、複数の湾曲コマ５ａは、挿入部２の軸方向に見たときに２つのワイヤガイド孔５３の各々の周上の位置が揃うように、軸方向に連結されている。これにより、軸方向に延在する２つのワイヤガイドが形成される。この例では、湾曲コマ５ａの周上の一部が円環の径方向内側に折り曲げられるようにして、ワイヤガイド孔５３が形成されている。これにより、湾曲コマ５ａの最大径の範囲内に、ワイヤ８を挿通することができる。

　ワイヤ８は、挿入部２の先端部６から湾曲部５及び可撓管部７を挿通して、操作部３内に延出されている。挿入部２の湾曲部５内において、ワイヤ８は、上記のワイヤガイド孔５３に挿通させることができる。一例としては、２つの直線部８ａと該２つの直線部８ａを連結する１つの（例えば円弧状の）屈曲部８ｂを有するワイヤ８（図５参照）の２つの直線部８ａが、挿入部２の軸方向に延びる２つのワイヤガイドをそれぞれ挿通するように構成することができる。なお、ワイヤ８は、湾曲コマ５ａのワイヤガイド孔５３を区画する壁面等には固定されておらず、単に、ワイヤガイド孔５３に挿通されている。ワイヤ８は、非磁性材料からなり、例えばタングステンからなるものとすることができる。

　図４は、本発明の一実施形態にかかる内視鏡１の湾曲部５及び先端部６を示す断面図である。図４に示すように、湾曲コマ５ａの外周は、湾曲ゴム５４によって覆われている。湾曲ゴム５４は、湾曲部５が上記のように湾曲機能を有することのできる硬度を有するものである。

　図４に示すように、湾曲部５の先端側には、先端部６が取り付けられている。湾曲部５の湾曲コマ５ａと先端部６とは、例えばろう付け等によって接続固定されている。先端部６は、例えば、金属や硬質樹脂等からなるものとすることができる。

　図４に示すように、先端部６は、光学系６ａを備えている。図４に示す例では、光学系６ａは、図示しない撮像部、複数のレンズから構成される対物レンズ６１、該対物レンズ６１の外周を包囲するレンズ鏡筒６２、対物レンズ６１に対向し、挿入部２内を挿通するイメージガイド６３（ファイバ束）を有する光学伝送系、ライトガイドコネクタ１１に接続された光源装置からの照明光を導くライトガイド６４（ファイバ束）を有する光学照明系を備えている。さらに、先端部６は、これらの光学系６ａの構成要素を保持する保持部６５を備えている。この例では、イメージガイド６３は、保護チューブで被覆されている。また、この例では、ライトガイド６４は、挿入部２の先端部６から操作部３を挿通して、ライトガイドコネクト４に接続されている。

　図５は、先端部６にワイヤ８を固定する様子を示す模式図である。図４、図５に示すように、先端部６の保持部６５は、段差部を有しており、段差部を境界として先端側の径が基端側の径より相対的に大きくなっている。そして、挿通部２の軸方向において保持部６５の径が小さい箇所（図示例では径が大きい領域との境界の箇所）にワイヤの屈曲部８ｂを位置させ、ワイヤ８の屈曲部８ｂの少なくとも一部（図示例では屈曲部８ｂの全体）をレーザー溶接等の溶接やはんだ付け等によって、先端部６（保持部６５）に固定している。ここで、段差部の段差の大きさをワイヤ８の径と同じかそれより大きくすることにより、ワイヤ８が位置する箇所においても、保持部６５とワイヤ８との合計の径の大きさが、保持部６５の最大径より大きくならないようにすることができる。
　あるいは、別の例として、保持部６５に溝深さ及び溝幅がワイヤ８の径と同じかそれより大きい溝を設けて、該溝内にワイヤ８を配置するようにして、保持部６５とワイヤ８との合計の径の大きさが、保持部６５の最大径より大きくならないようにすることもできる。
　なお、ワイヤ８の屈曲部８ｂは、挿入部２の軸方向の断面視での保持部６５の外輪郭に沿った形状とすることが、ワイヤ８を保持部６５に固定する上で好ましい。図４、図５に示した例では、挿入部２の軸方向の断面視での保持部６５の外輪郭は、略円形であり、ワイヤ８の屈曲部８ｂは、略円弧状である。

　図１に戻って、挿入部２の可撓管部７は、受動的に湾曲可能な可撓性を有している。可撓管部８の内部には、上述したように、ワイヤ８が挿通される他、ライトガイド６４等の各種信号線も挿通される。

　図１に示す例では、操作部３には、湾曲部５の湾曲を操作するための湾曲操作部３１が設けられている。また、操作部３の上方には、接眼部９が設けられている。また、操作部３は、把持部３２を有し、把持部３２の下方には、各種の処置具を挿通する処置具挿通口１０が設けられている。

　ユニバーサルコード４は、操作部３から延出する各種信号線や、ユニバーサルコード４の端部に設けられ、図示しない光源装置に接続されたライトガイドコネクタ１１からの光等を挿入部２の先端部６まで挿通する、複合ケーブルである。

　以下、本実施形態の内視鏡１の作用効果について説明する。
　本実施形態の内視鏡１によれば、挿入部２内にワイヤ８が挿通され、ワイヤ８は、先端部６（本例では、保持部６５）に固定されている。また、ワイヤ８は、湾曲コマ５ａには固定されておらず、単に、ワイヤガイド孔５３に挿通されている。このため、挿入部２を細径化して湾曲コマ５ａが肉薄になった場合であっても、湾曲コマ５ａとワイヤ８とを固定した場合に生じ得る湾曲コマ５ａの変形を生じさせないようにすることができる。
　また、上記のように、湾曲部５の湾曲コマ５ａと先端部６とは、例えばろう付け等に接続固定されている。このため、操作部３の湾曲操作部３１により、この例で屈曲部８ｂを介して接続される２本の直線部８ａの一方を牽引した際に、該一方の直線部８ａに固定された先端部６に接続固定された湾曲コマ５ａが圧縮力を受け、他方の直線部８ａに固定された先端部６に接続固定された湾曲コマ５ａが引張力を受けるため、軸回り（例えば、図４における図示上下方向の２方向）への湾曲が可能である。
　このように、本実施形態の内視鏡１によれば、湾曲部５（湾曲コマ５ａ）の変形を回避しつつ、挿入部２が湾曲機能を損なうことなく、挿入部２を細径化することができる。

　本発明の内視鏡１では、先端部６に、ワイヤ８が溶接されてなる溶接部を有することが好ましい。先端部６とワイヤ８とを強固に固定することができるからである。なお、溶接には、例えばレーザー溶接を用いることができる。
　あるいは、本発明の内視鏡１では、先端部６に、ワイヤ８がはんだ付けされてなるはんだ部を有することも好ましい。この場合でも、先端部６とワイヤ８とを強固に固定することができるからである。

　本発明の内視鏡１では、屈曲部８ｂを有する１本のみのワイヤ８が、挿入部２内に挿通されていることが好ましい。ワイヤ８を１本のみで構成することにより、ワイヤ８を細径化した場合でも強度を確保することができるからである。

　本発明の内視鏡１では、先端部６は、光学系６ａを備え、光学系６ａは、対物レンズ６１、ライトガイド６３、及びイメージガイド６４を有することが好ましい。
　このとき、本発明の内視鏡１では、先端部６は、光学系を保持する保持部６５を有し、保持部６５に、該保持部６５の径の大きさに段差を有する段差部が設けられ、ワイヤ８は、段差部のうち、保持部６５の径が小さい部分に固定されていることが好ましい。これにより、保持部６５にワイヤ８を固定した場合であっても、保持部６５とワイヤ８との径の合計が、保持部６５の最大径との対比で大きくならないようにして、挿入部２を細径化し易く構成することができるからである。

　本発明の内視鏡では、挿入部２の径は、１ｍｍ以下であることが好ましく、０．８ｍｍ以下であることがより好ましく、０．５ｍｍ以下であることがさらに好ましい。上記の数値範囲にまで挿入部２の径を細径化した場合にも、湾曲コマ５ａの変形を回避し、且つ、挿入部２が湾曲機能を損なわないようにすることができるからである。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、操作部３やユニバーサルコード４の構成は、本発明の趣旨を逸脱することなく、任意の既知の構成とすることができる。また、上記の実施形態においては、湾曲部５は、湾曲コマ５ａが円環の軸方向に連結された構成としているが、１つの湾曲管で湾曲部５を構成することもできる。この場合、湾曲管にワイヤガイド孔を設けて、ワイヤ８が湾曲管を挿通するようにすることができる。この場合、例えば、円筒状の湾曲管の軸方向に延在する、例えば２つのワイヤガイド孔を設けることができる。湾曲部５の湾曲コマ５ａや湾曲管の材質や、湾曲コマ５ａ同士の連結手法等も任意の既知の構成とすることができる。湾曲コマ５ａの内側にワイヤ８を挿通するための構成も、上記のワイヤガイド孔５３の例には限定されず、例えば、湾曲コマ５ａの周上の一部を径方向の外側に折り曲げてなるワイヤガイド孔５３としてもよい。湾曲管を用いる場合も、周上の一部を径方向の内側又は外側に折り曲げてワイヤガイド孔を形成することができる。
　あるいは、径が細い、肉薄の湾曲管を用いる場合には、湾曲管がワイヤガイド孔を有しない構成とすることもでき、湾曲管内に押し込まれるイメージガイド６３やライトガイド６４やなどによってワイヤ８がずれないように保持することもできる。この場合、湾曲管のワイヤガイド孔付近への局所的な応力が生じないようになるため、湾曲管の変形の危険性をより回避することができる。
　上記実施形態では、光学系６ａを備え、該光学系６ａを保持する保持部６５を有する先端部６にワイヤ８を固定していたが、本発明では、ワイヤ８は、湾曲部５の先端側に取り付けられた先端部６に固定されていればよく、光学系６ａとは別の、先端部６が有する固定部にワイヤ８を固定することもできる。このとき、ワイヤ８の操作によって、湾曲部５の湾曲機能が達成できるよう、該固定部と湾曲部５とを接続固定することが好ましい。
　また、上記の実施形態や変形例では、保持部６５が段差部や溝を有する構成としていたが、保持部６５が段差部や溝を有しない構成としてもよい。ワイヤ８を保持部６５とは別の、先端部６が有する固定部に固定する場合でも、固定部に段差部や溝を設けて、固定部とワイヤ８との径の合計が大きくならないようにすることが好ましいが、この場合も、固定部は、段差部や溝を有しない構成とすることもできる。
　また、上記の実施形態では、ワイヤ８は、１本のみで構成されていたが、２本以上としてもよい。この場合は、各ワイヤ８の先端部分を、先端部６に固定することが好ましい。
　なお、光学系６ａ、可撓管部７、接眼部９、処置具挿通口１０、ライトガイドコネクタ１１等の構成も、本発明の趣旨を逸脱することなく、任意の既知の構成とすることができる。

１：内視鏡
２：挿入部
３：操作部
３１：湾曲操作部
３２：把持部
４：ユニバーサルコード
５：湾曲部
５ａ：湾曲コマ
５１：凸部
５２：凹部
５３：ワイヤガイド孔
５４：湾曲ゴム
６：先端部
６ａ：光学系
６１：対物レンズ
６２：レンズ鏡筒
６３：イメージガイド
６４：ライトガイド
６５：保持部
７：可撓管部
８：ワイヤ
８ａ：直線部
８ｂ：屈曲部
９：接眼部
１０：処置具挿通口
１１：ライトガイドコネクタ

Claims

　細長い形状を有する挿入部を備え、
　前記挿入部は、湾曲部、及び、該湾曲部の先端側に取り付けられた先端部を有し、
　前記挿入部内にワイヤが挿通され、
　前記ワイヤは、前記先端部に固定されていることを特徴とする、内視鏡。
　前記先端部に、前記ワイヤが溶接されてなる溶接部を有する、請求項１に記載の内視鏡。
　前記先端部に、前記ワイヤがはんだ付けされてなるはんだ部を有する、請求項１に記載の内視鏡。
　屈曲部を有する１本のみの前記ワイヤが、前記挿入部内に挿通された、請求項１～３のいずれか一項に記載の内視鏡。
　前記先端部は、光学系を備え、
　前記光学系は、対物レンズ、ライトガイド、及びイメージガイドを有する、請求項１～４のいずれか一項に記載の内視鏡。
　前記先端部は、前記光学系を保持する保持部を有し、
　前記保持部に、該保持部の径の大きさに段差を有する段差部が設けられ、
　前記ワイヤは、前記段差部のうち、前記保持部の径が小さい部分に固定された、請求項５に記載の内視鏡。
　前記挿入部の径は、１ｍｍ以下である、請求項１～６のいずれか一項に記載の内視鏡。