WO2020075350A1 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
パンツ形状の外装部材(2)の股部に吸収性本体(7)が設けられた使い捨ておむつであって、外装部材(2)の内側シート(5)と外側シート(6)は、股部に形成された中間接着領域(16)とそれより前側の前側接着領域(14)とそれより後側の後側接着領域(15)とで互いに接着され、中間接着領域(16)より前側に前側非接着部(17)が幅方向と前後方向に延びるように形成され、幅方向に延びる前側非接着部(17)が、前後方向に延びる前側非接着部(17)と連結するとともに、前側脚部弾性部材(22F)を横切って外装部材(2)の外縁まで延びている、および/または、中間接着領域(16)より後側に後側非接着部(18)が幅方向と前後方向に延びるように形成され、幅方向に延びる後側非接着部(18)が、前後方向に延びる後側非接着部(18)と連結するとともに、後側脚部弾性部材(22B)を横切って外装部材(2)の外縁まで延びている。
Description
本発明は、パンツ型の使い捨ておむつに関するものである。
従来、パンツ形状に形成された外装部材と、外装部材の股部に設けられ、トップシートとバックシートの間に吸収体が配された吸収性本体とを有する使い捨ておむつが知られている(例えば、特許文献1~6)。特許文献6には、外装部材の左右の脚周り開口部に沿って、外装部材を構成する複数のシートの層間に脚周り伸縮材が固定された使い捨ておむつであって、左脚周り開口部形成部および右脚周り開口部形成部の各々の外周に少なくとも3つのブロック状領域に区分して接着剤を塗布し、接着剤が塗布された塗布領域に、左脚周り開口部形成部および右脚周り開口部形成部の各々に沿うように脚周り伸縮材を伸張状態で配置することが開示されている。
使い捨ておむつは比較的長い時間着用されることから、着用感を向上させるために、着用者から発せられた汗や蒸れなどがおむつの外に好適に排出されることが望まれる。本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通気性に優れた使い捨ておむつを提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の使い捨ておむつとは、前側胴部と後側胴部とこれらの間に位置する股部を有し、前側胴部と後側胴部とが接合されることによりウェスト開口部と一対の脚開口部とを有するパンツ形状に形成された外装部材と、外装部材の少なくとも股部に設けられ、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体を有する吸収性本体とを有する使い捨ておむつであって;外装部材は内側シートと外側シートを有し、内側シートと外側シートの間に、股部を横断し、脚開口部の前側の縁に沿って延びる前側脚部弾性部材と、股部を横断し、脚開口部の後側の縁に沿って延びる後側脚部弾性部材とが設けられ;内側シートと外側シートは、股部に形成された中間接着領域と、中間接着領域よりも前側に形成された前側接着領域と、中間接着領域よりも後側に形成された後側接着領域とで互いに接着され、中間接着領域において前側脚部弾性部材と後側脚部弾性部材が股部を横断して設けられており;中間接着領域は、外装部材の幅方向の一方側の外縁から他方側の外縁にかけて、幅方向に連続的に設けられ;前側接着領域が下記要件Aを満たすように設けられている、および/または、後側接着領域が下記要件Bを満たすように設けられているところに特徴を有する。
(要件A)前側接着領域は、外装部材の幅方向の一方側の外縁から他方側の外縁にかけて、幅方向に断続的に設けられ、中間接着領域の前側端より前側かつ前側接着領域の前側端より後側に、内側シートと外側シートとが接着されない前側非接着部が幅方向および前後方向に延びるように形成され、幅方向に延びる前側非接着部が、前後方向に延びる前側非接着部と連結するとともに、前側脚部弾性部材を横切って外装部材の外縁まで延びている。
(要件B)後側接着領域は、外装部材の幅方向の一方側の外縁から他方側の外縁にかけて、幅方向に断続的に設けられ、中間接着領域の後側端より後側かつ後側接着領域の後側端より前側に、内側シートと外側シートとが接着されない後側非接着部が幅方向および前後方向に延びるように形成され、幅方向に延びる後側非接着部が、前後方向に延びる後側非接着部と連結するとともに、後側脚部弾性部材を横切って外装部材の外縁まで延びている。
本発明の使い捨ておむつは、外装部材の内側シートと外側シートが前側接着領域、中間接着領域、後側接着領域で互いに接着され、これらの接着領域で脚部弾性部材が内側シートおよび/または外側シートに接着固定される。そして、中間接着領域の前側端より前側かつ前側接着領域の前側端より後側に、前側非接着部が幅方向と前後方向に延びるように形成され、および/または、中間接着領域の後側端より後側かつ後側接着領域の後側端より前側に、後側非接着部が幅方向と前後方向に延びるように形成されることにより、外装部材の通気性を高めることができる。そのため、着用者から発せられた汗や蒸れなどが、前側非接着部や後側非接着部を通っておむつの外に好適に排出されやすくなる。
前側脚部弾性部材と後側脚部弾性部材は、中間接着領域で股部を断続的に横断して設けられていることが好ましい。このように前側脚部弾性部材と後側脚部弾性部材が設けられれば、吸収性本体が前側脚部弾性部材と後側脚部弾性部材の収縮力によって歪みにくくなり、吸収性本体の着用者の股間でのフィット性を高めることができる。
前後方向に延びる前側非接着部は、吸収性本体と重なって設けられている、および/または、前後方向に延びる後側非接着部は、吸収性本体と重なって設けられていることが好ましい。このように前側非接着部および/または後側非接着部が形成されることにより、おむつ内部に溜まった湿気がおむつの上方に排出されやすくなり、外装部材と吸収性本体が重なる部分での通気性を高めることができる。吸収性本体のバックシートが透湿性である場合は、吸収性本体に尿等が吸収された後、水分が湿気となって透湿性のバックシートを透過して前側非接着部および/または後側非接着部を通ることにより、おむつの外に好適に排出されやすくなる。
前側接着領域は吸収性本体と重なって設けられ、吸収性本体の前側端よりも前方に延在している、および/または、後側接着領域は吸収性本体と重なって設けられ、吸収性本体の後側端よりも後方に延在していることが好ましい。このように前側接着領域や後側接着領域が設けられていれば、吸収性本体の前後方向の端部が外装部材に対してずれにくくなり、おむつを着用した際に、吸収性本体が着用者の股間部で適切に位置決めされやすくなる。
前側胴部と後側胴部には、内側シートと外側シートの間に、幅方向に延びる胴部弾性部材が設けられ、前側接着領域および/または後側接着領域は胴部弾性部材から離間して設けられ、前側接着領域および/または後側接着領域と胴部弾性部材との間に、内側シートと外側シートが接着されない非接着部が形成されていることが好ましい。このように非接着部を設けることにより、外装部材の通気性をさらに高めることができる。
中間接着領域は、前側脚部弾性部材と後側脚部弾性部材の間で前後方向に断続的に設けられ、内側シートと外側シートとが接着されない中間非接着部が幅方向に延びるように形成されていることが好ましい。このように中間非接着部を設けることにより、外装部材の股部での通気性を高めることができる。
幅方向に延びる前側非接着部、幅方向に延びる後側非接着部、および幅方向に延びる中間非接着部は、2mm以上10mm以下の幅で形成されていることが好ましい。このように各接着部を設けることにより、外装部材の通気性が高まるとともに、前側脚部弾性部材と後側脚部弾性部材を内側シートおよび/または外側シートに安定して接着固定しやすくなる。
前後方向に延びる前側非接着部、および前後方向に延びる後側非接着部は、15mm以上の幅で形成されていることが好ましい。このように前後方向に延びる前側非接着部と前後方向に延びる後側非接着部が形成されていれば、おむつ着用の際に、おむつ内部に溜まった湿気がこれらの各接着部を通しておむつの上方に排出されやすくなる。
吸収性本体の外面側は外装部材に部分的に接着され、吸収性本体が外装部材に接着されない吸収性本体非接着部が、前側非接着部および/または後側非接着部と重なって、前後方向に延びるように形成されていることが好ましい。吸収性本体非接着部が前側非接着部および/または後側非接着部と重なって設けられることにより、おむつ内部に溜まった湿気がおむつの外により排出されやすくなる。
前側接着領域および/または後側接着領域は、中間接着領域よりも剛軟度が高いことが好ましい。これにより外装部材の股部が軟らかく形成され、使い捨ておむつの着用感を向上させることができる。
本発明の使い捨ておむつは、外装部材の内側シートと外側シートが前側接着領域、中間接着領域、後側接着領域で互いに接着され、中間接着領域の前側端より前側かつ前側接着領域の前側端より後側に、前側非接着部が幅方向と前後方向に延びるように形成され、および/または、中間接着領域の後側端より後側かつ後側接着領域の後側端より前側に、後側非接着部が幅方向と前後方向に延びるように形成されている。そのため、着用者から発せられた汗や蒸れなどが、前側非接着部や後側非接着部を通っておむつの外に好適に排出されやすくなり、外装部材の通気性を高めることができる。
本発明の使い捨ておむつについて、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。図1~図3には、本発明の使い捨ておむつの一例を示した。図1は使い捨ておむつの斜視図を表し、図2は、図1に示した使い捨ておむつの前側胴部と後側胴部との接合を解いて平面に展開した状態を肌面側から見た図を表し、図3は、図2に示した使い捨ておむつのIII-III断面図を表す。なお図面では、矢印xが幅方向、矢印yが前後方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。
使い捨ておむつ1は、前側胴部Pと後側胴部Qとこれらの間に位置する股部Rとから構成された外装部材2を有する。外装部材2は、前側胴部Pと後側胴部Qとが接合されることにより、ウェスト開口部3と一対の脚開口部4を有するパンツ形状に形成されている。ウェスト開口部3は着用者の胴を通すための開口であり、脚開口部4は着用者の脚を通すための開口である。
外装部材2において、前側胴部Pは、おむつを着用の際に着用者の腹側に当てる部分に相当し、後側胴部Qは、おむつを着用の際に着用者の背側に当てる部分に相当する。前側胴部Pと後側胴部Qは、パンツ形状に形成された状態で幅方向xの両側で互いに接合される。股部Rは、前側胴部Pと後側胴部Qとの間に位置し、着用者の股間に当てる部分に相当する。股部Rは、外装部材2を前後方向yに3分割した中間に位置する部分であり、パンツ形状に形成された状態で幅方向xの両側で互いに接合されない。外装部材2は、前側胴部Pと後側胴部Qとを幅方向xの両側のサイド接合部11で接合することにより、パンツ形状に形成される。
使い捨ておむつ1において、前後方向yとは、前側胴部Pから後側胴部Qにかけての方向を意味し、おむつを着用した際の着用者の股間の前後方向に相当する。前側胴部P側が使い捨ておむつ1の前側となり、後側胴部Q側が使い捨ておむつ1の後側となる。幅方向xとは、おむつを着用した際の着用者の左右方向に相当する。使い捨ておむつの肌面側とは、おむつを着用した際、着用者の肌に向く側を意味する。使い捨ておむつの外面側とは、おむつを着用した際、着用者とは反対を向く側を意味する。
外装部材2の股部Rには、吸収性本体7が設けられる。吸収性本体7は、トップシート8とバックシート9とこれらの間に配された吸収体10を有する(図3を参照)。トップシート8は、おむつを着用の際に着用者側に位置するシートであり、吸収体10の肌面側に配される。トップシート8は液透過性であることが好ましい。バックシート9は、おむつを着用の際に着用者とは反対側に位置するシートであり、吸収体10の外面側に配される。バックシート9は液不透過性であることが好ましい。着用者から排泄された尿等はトップシート8を透過して吸収体10により収容され、バックシート9は排泄物が外部へ漏れるのを防ぐ。
液透過性のトップシートとしては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシートとして、織布、編布、有孔プラスチックフィルム等を用いてもよい。
液不透過性のバックシートとしては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。バックシートは2以上のシートの積層体から構成されていてもよく、例えば、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。この場合、積層体を構成する各シートは同じ大きさであっても異なる大きさであってもよい。バックシートは、液不透過性であって、かつ透湿性であってもよい。
吸収体は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いることができる。吸収体は、紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等の被覆シートで覆われてもよい。吸収性材料としては、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。吸収性材料は、吸収容量を高める点から、少なくとも吸水性樹脂を含むことが好ましい。
吸収体は、不織布シート間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように構成された吸収シートを有するものであってもよい。このように構成された吸収シートは、不織布シート間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できるとともに、不織布シート間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができる。
吸収体は、吸収性材料として吸水性繊維を用いたものであってもよい。この場合もまた、薄型に形成された吸収体とすることができる。吸水性繊維としては、プロトン化または塩形成したカルボキシル基を含有する繊維が挙げられる。例えば、アクリル繊維を加水分解して、アクリル繊維に含まれるニトリル基をカルボキシル基に変換することにより、吸水性繊維を得ることができる。このとき、吸水性繊維に含まれるカルボキシル基は、アルカリ金属塩またはアンモニア塩を形成していることが好ましい。また吸水性繊維は、親水性繊維をアクリル酸に浸漬し、繊維表面でアクリル酸を析出させることにより製造することができる。
吸収体10の形状(平面形状)は特に限定されない。吸収体10の形状としては、例えば、略長方形、砂時計形、ひょうたん形、羽子板形等が挙げられる。図面では、吸収体10は略長方形に形成されている。
吸収性本体7には、肌面側の幅方向xの両側に立ち上がりフラップ12が設けられることが好ましい(図2および図3を参照)。立ち上がりフラップ12を設けることにより、尿等の排泄物の横漏れを防ぐことができる。立ち上がりフラップ12が立ち上がった状態の上端部(着用者側の端部)には、起立用弾性部材13が設けられることが好ましい。起立用弾性部材13の収縮力により、立ち上がりフラップ12が起立しやすくなる。
外装部材2は、肌面側に配された内側シート5と、外面側に配された外側シート6とを有する。内側シート5の肌面側には、吸収性本体7が設けられる。外側シート6は、その外面側が、おむつの外側に面するように設けられる。内側シート5と外側シート6はそれぞれ、前側胴部Pと後側胴部Qと股部Rを有するように構成されている。内側シート5と外側シート6は液透過性であっても液不透過性であってもよく、トップシート8やバックシート9に使用可能なシート材料を用いることができる。内側シート5と外側シート6は透湿性であることが好ましく、これにより外装部材2の着用感を向上させることができる。
上記に説明したトップシート、バックシート、外側シート、内側シート等のシート材料として不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS不織布等を用いることが好ましく、これにより薄くて丈夫なシートを容易に得ることができる。
外装部材2には、内側シート5と外側シート6の間に、脚開口部4の縁に沿って、脚部弾性部材22が設けられる。脚部弾性部材22は、股部Rを横断し、脚開口部4の前側の縁に沿って設けられる前側脚部弾性部材22Fと、股部Rを横断し、脚開口部4の後側の縁に沿って設けられる後側脚部弾性部材22Bとから構成される。前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bとにより、脚開口部4の縁のほぼ全周にわたり弾性部材が設けられ、着用者の脚周りに沿ったレッグギャザーが形成され、股部からの尿等の漏れが防止される。
外装部材2の前側胴部Pと後側胴部Qには、内側シート5と外側シート6の間に、幅方向xに延びる複数の胴部弾性部材23が設けられることが好ましい。胴部弾性部材23は、ウェスト開口部3と脚開口部4の間に設けられる。胴部弾性部材23により、着用者の胴周りのフィット性が高められる。なお、胴部弾性部材23のうち、ウェスト開口部3の縁に沿って前後方向yに狭い間隔で設けられる弾性部材を腰部弾性部材24として設けてもよく、これにより着用者の腰周りに沿ったウェストギャザーが形成され、背中側や腹部側からの尿等の排泄物の漏れが防止される。図1および図2では、腰部弾性部材24は胴部弾性部材23よりも前後方向yに狭い間隔で設けられている。
外装部材2は、ウェスト開口部3の縁に沿って折り返されていてもよい。例えば、外側シート6が外装部材2のウェスト開口部3の縁で内側シート5側に折り返されていてもよい(図示せず)。この場合、腰部弾性部材24は、折り返された外側シート6間に挟まれて、外側シート6に接着されていてもよい。
使い捨ておむつ1に設けられる各弾性部材としては、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の通常の使い捨ておむつに用いられる弾性伸縮材料を用いることができる。各弾性部材は、伸張状態でおむつに固定されることが好ましく、また、ホットメルト接着剤等の接着剤で固定されることが好ましい。例えば、繊度40~1,240dtexのポリウレタン糸を、倍率1.1~5.0倍に伸張して配設し、固定する。接着剤としては、ゴム系のホットメルト接着剤を用いることが好ましい。なお、前記倍率は、非伸張状態を1.0倍とする。
外装部材2は、内側シート5と外側シート6が所定の接着領域で互いに接着されている。これについて図4を参照して説明する。図4には、外装部材2を肌面側から見た平面図が示されており、外装部材2の内側シート5と外側シート6が接着される接着領域がクロスハッチングで示され、外装部材2に設置される吸収性本体7の外縁が一点鎖線で示されている。
内側シート5と外側シート6は、股部Rに形成された中間接着領域16と、中間接着領域16よりも前側に形成された前側接着領域14と、中間接着領域16よりも後側に形成された後側接着領域15とで互いに接着されている。前側接着領域14と中間接着領域16と後側接着領域15は外装部材2を前後方向yに区分することによって規定される。前側接着領域14と中間接着領域16と後側接着領域15は、吸収性本体7と重なって設けられることが好ましい。
中間接着領域16は、外装部材2の幅方向xの一方側の外縁から他方側の外縁にかけて、幅方向xに連続的に設けられ、前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bが中間接着領域16で股部Rを横断して設けられている。中間接着領域16により、前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bの股部Rを横断する部分が、内側シート5および/または外側シート6に接着固定される。また、後述するように、前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bが股部Rを断続的に横断するように設けられる場合は、前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bの断片が遊離しないことによって、おむつの見栄えを良くすることができる。
前側接着領域14は、中間接着領域16よりも前側に設けられ、外装部材2の幅方向xの一方側の外縁から他方側の外縁にかけて、幅方向xに断続的に設けられている。前側接着領域14は、前後方向yにも断続的に設けられていてもよい。前側接着領域14により、前側脚部弾性部材22Fの脚開口部4の縁に沿って延びる部分が、内側シート5および/または外側シート6に接着固定される。前側接着領域14は、股部Rから前側胴部Pにかけて設けられることが好ましい。
後側接着領域15は、中間接着領域16よりも後側に設けられ、外装部材2の幅方向xの一方側の外縁から他方側の外縁にかけて、幅方向xに断続的に設けられている。後側接着領域15は、前後方向yにも断続的に設けられていてもよい。後側接着領域15により、後側脚部弾性部材22Bの脚開口部4の縁に沿って延びる部分が、内側シート5および/または外側シート6に接着固定される。後側接着領域15は、股部Rから後側胴部Qにかけて設けられることが好ましい。
外装部材2には、中間接着領域16の前側端より前側かつ前側接着領域14の前側端より後側に、内側シート5と外側シート6とが接着されない前側非接着部17が形成される。また、中間接着領域16の後側端より後側かつ後側接着領域15の後側端より前側に、内側シート5と外側シート6とが接着されない後側非接着部18が形成される。前側非接着部17は、幅方向xおよび前後方向yに延びるように形成され、幅方向xに延びる前側非接着部17が、前後方向yに延びる前側非接着部17と連結するとともに、前側脚部弾性部材22Fを横切って外装部材2の外縁まで延びている。後側非接着部18は、幅方向xおよび前後方向yに延びるように形成され、幅方向xに延びる後側非接着部18が、前後方向yに延びる後側非接着部18と連結するとともに、後側脚部弾性部材22Bを横切って外装部材2の外縁まで延びている。このように前側非接着部17と後側非接着部18が形成されることにより、着用者から発せられた汗や蒸れなどが前側非接着部17や後側非接着部18を通っておむつの外に好適に排出されやすくなり、外装部材2の通気性を高めることができる。なお本発明において、所定の方向に延びる非接着部とは、所定の方向に長く形成された非接着部を意味する。
使い捨ておむつ1は、前側接着領域14と後側接着領域15の両方が上記のように設けられていることが好ましいが、前側接着領域14のみ、あるいは後側接着領域15のみが、上記のように設けられていてもよい。また、前側非接着部17と後側非接着部18の両方が上記のように設けられていることが好ましいが、前側非接着部17のみ、あるいは後側非接着部18のみが、上記のように設けられていてもよい。
前後方向yに延びる前側非接着部17と後側非接着部18は、前側接着領域14と後側接着領域15を幅方向xに断続的に設けることにより形成することができる。幅方向xに延びる前側非接着部17と後側非接着部18は、前側接着領域14と後側接着領域15を前後方向yに断続的に設けたり、前側接着領域14と後側接着領域15を中間接着領域16から前後方向yに離間して設けることにより形成することができる。図4では、幅方向xに延びる前側非接着部17が、前側接着領域14を中間接着領域16から前後方向yに離間して設けることにより形成されており、幅方向xに延びる後側非接着部18が、後側接着領域15を前後方向yに断続的に設けるとともに、後側接着領域15を中間接着領域16から前後方向yに離間して設けることにより形成されている。
外装部材2の通気性を高める点からは、幅方向xに延びる前側非接着部17が、外装部材2の股部Rを幅方向xに横切って、外装部材2の一方側の外縁から他方側の外縁まで延びるように設けられることが好ましい。すなわち、前側非接着部17は、外装部材2の一方側の外縁から他方側の外縁まで幅方向xにまっすぐ延びるように設けられることが好ましい。また、このような前側非接着部17が前後方向yの異なる位置に2以上設けられることがより好ましい。同様に、幅方向xに延びる後側非接着部18は、外装部材2の股部Rを幅方向xに横切って、外装部材2の一方側の外縁から他方側の外縁まで延びるように設けられることが好ましい。すなわち、後側非接着部18は、外装部材2の一方側の外縁から他方側の外縁まで幅方向xにまっすぐ延びるように設けられることが好ましい。また、このような後側非接着部18が前後方向yの異なる位置に2以上設けられることがより好ましい。なお、幅方向xに延びる前側非接着部17と幅方向xに延びる後側非接着部18は、股部Rのみに設けられることが好ましく、前側胴部Pや後側胴部Qには設けられないことが好ましい。
幅方向xに延びる前側非接着部17は、吸収性本体7と重なって設けられることが好ましい。また、幅方向xに延びる後側非接着部18は、吸収性本体7と重なって設けられることが好ましい。使い捨ておむつ1は、外装部材2と吸収性本体7が重なる部分で特に通気性が悪くなるが、このように前側非接着部17および/または後側非接着部18が形成されることにより、外装部材2と吸収性本体7が重なる部分での通気性を高めることができる。また、吸収性本体7のバックシート9が透湿性である場合は、吸収性本体7に尿等が吸収された後、水分が湿気となって透湿性のバックシート9を透過して前側非接着部17または後側非接着部18を通ることにより、おむつの外に好適に排出されやすくなる。
前後方向yに延びる前側非接着部17は、前側接着領域14の全体を横切って設けられることが好ましい。すなわち、前側非接着部17は、前側接着領域14の全体を横切って前後方向yにまっすぐ延びるように設けられることが好ましい。前後方向yに延びる後側非接着部18は、後側接着領域15の全体を横切って設けられることが好ましい。すなわち、後側非接着部18は、後側接着領域15の全体を横切って前後方向yにまっすぐ延びるように設けられることが好ましい。これにより外装部材2の通気性をより高めることができる。
前後方向yに延びる前側非接着部17は、吸収性本体7と重なって設けられることが好ましい。また、前後方向yに延びる後側非接着部18は、吸収性本体7と重なって設けられることが好ましい。このように前側非接着部17および/または後側非接着部18が形成されることにより、おむつ内部に溜まった湿気がおむつの上方に排出されやすくなり、外装部材2と吸収性本体7が重なる部分での通気性を高めることができる。また、吸収性本体7のバックシート9が透湿性である場合は、吸収性本体7に尿等が吸収された後、水分が湿気となって透湿性のバックシート9を透過して前側非接着部17または後側非接着部18を通ることにより、おむつの外に好適に排出されやすくなる。
前後方向yに延びる前側非接着部17と前後方向yに延びる後側非接着部18が吸収性本体7と重なる部分において、前後方向yに延びる前側非接着部17の幅方向xの長さ(複数ある場合はその合計長さ)と前後方向yに延びる後側非接着部18の幅方向xの長さ(複数ある場合はその合計長さ)は、吸収性本体7の幅方向xの長さの10%以上となることが好ましく、15%以上がより好ましい。これにより、外装部材2の通気性を高めやすくなる。一方、おむつを着用した際に、吸収性本体7が外装部材2に対してずれにくくする点から、前後方向yに延びる前側非接着部17と前後方向yに延びる後側非接着部18が吸収性本体7と重なる部分において、前後方向yに延びる前側非接着部17の幅方向xの長さと前後方向yに延びる後側非接着部18の幅方向xの長さは、吸収性本体7の幅方向xの長さの80%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。
前後方向yに延びる前側非接着部17の幅方向xの長さ(複数ある場合はその合計長さ)と前後方向yに延びる後側非接着部18の幅方向xの長さ(複数ある場合はその合計長さ)は、互いに同じであっても異なっていてもよいが、前後方向yに延びる前側非接着部17の幅方向xの長さの方が前後方向yに延びる後側非接着部18の幅方向xの長さよりも長いことが好ましい。これにより、より多くの尿が溜まりやすいおむつの前側での通気性を高めることができる。
前後方向yに延びる前側非接着部17は、前側脚部弾性部材22Fと重なって設けられないことが好ましい。前後方向yに延びる後側非接着部18は、後側脚部弾性部材22Bと重なって設けられないことが好ましい。このように前側非接着部17と後側非接着部18を設けることにより、前側脚部弾性部材22Fまたは後側脚部弾性部材22Bが前側接着領域14または後側接着領域15により好適に接着固定され、着用者の脚周りに沿ったレッグギャザーが好適に形成されやすくなる。
前側接着領域14は少なくとも一部が吸収性本体7と重なって設けられ、吸収性本体7の前側端よりも前方に延在して設けられることが好ましい。また、後側接着領域15は少なくとも一部が吸収性本体7と重なって設けられ、吸収性本体7の後側端よりも後方に延在して設けられることが好ましい。このように前側接着領域14や後側接着領域15が設けられていれば、吸収性本体7の前後方向yの端部が外装部材2(特に外側シート6)に対してずれにくくなり、おむつを着用した際に、吸収性本体7が着用者の股間部で適切に位置決めされやすくなる。
前側非接着部17と後側非接着部18の各幅は特に限定されないが、前後方向yに延びる前側非接着部17の幅が幅方向xに延びる前側非接着部17の幅よりも広いことが好ましく、前後方向yに延びる後側非接着部18の幅が幅方向xに延びる後側非接着部18の幅よりも広いことが好ましい。これにより、おむつ着用の際に、おむつ内部に溜まった湿気が、前後方向yに延びる前側非接着部17または前後方向yに延びる後側非接着部18を通しておむつの上方に排出されやすくなる。なお、前後方向yまたは幅方向xに延びる前側非接着部17の幅とは、前側非接着部17の延在方向に対する垂直方向の長さを意味し、前後方向yまたは幅方向xに延びる後側非接着部18の幅とは、後側非接着部18の延在方向に対する垂直方向の長さを意味する。
幅方向xに延びる前側非接着部17および幅方向xに延びる後側非接着部18は、2mm以上10mm以下の幅で形成されていることが好ましい。当該幅は、3mm以上がより好ましく、4mm以上がさらに好ましく、また8mm以下がより好ましく、7mm以下がさらに好ましい。幅方向xに延びる前側非接着部17の幅と幅方向xに延びる後側非接着部18の幅を2mm以上とすることで、外装部材2の通気性を高めやすくなる。一方、当該幅を10mm以下とすることで、前側脚部弾性部材22Fまたは後側脚部弾性部材22Bが前側接着領域14または後側接着領域15により好適に内側シート5および/または外側シート6に接着固定され、着用者の脚周りに沿ったレッグギャザーが好適に形成されやすくなる。
前後方向yに延びる前側非接着部17および前後方向yに延びる後側非接着部18は、15mm以上の幅で形成されていることが好ましく、20mm以上がより好ましく、25mm以上がさらに好ましい。このように前後方向yに延びる前側非接着部17と前後方向yに延びる後側非接着部18が形成されていれば、おむつ着用の際に、おむつ内部に溜まった湿気が前後方向yに延びる前側非接着部17または前後方向yに延びる後側非接着部18を通しておむつの上方に排出されやすくなる。前後方向yに延びる前側非接着部17と前後方向yに延びる後側非接着部18の幅の上限は特に限定されないが、150mm以下が好ましく、120mm以下がより好ましく、100mm以下がさらに好ましい。
外装部材2の中間接着領域16の前側端より前側かつ前側接着領域14の前側端より後側の範囲の面積を100%としたとき、前側非接着部17の面積は5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、15%以上がさらに好ましく、また50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、35%以下がさらに好ましい。外装部材2の中間接着領域16の後側端より後側かつ後側接着領域15の後側端より前側の範囲の面積を100%としたとき、後側非接着部18の面積は5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、15%以上がさらに好ましく、また50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、35%以下がさらに好ましい。これにより前側接着領域14および後側接着領域15の面積を確保して、内側シート5と外側シート6とを互いに好適に接着させつつ、前側非接着部17と後側非接着部18の面積を確保して、外装部材2の通気性を高めやすくなる。
前側接着領域14は、前側胴部Pのサイド接合部11から内方に10mm以上離れた領域(より好ましくは5mm以上離れた領域)において、前側脚部弾性部材22Fの全部と重なって設けられることが好ましい。これにより、前側脚部弾性部材22Fの両端部が前側接着領域14により固定され、前側脚部弾性部材22Fの抜け落ちが起こりにくくなる。後側接着領域15は、後側胴部Qのサイド接合部11から内方に10mm以上離れた領域(より好ましくは5mm以上離れた領域)において、後側脚部弾性部材22Bの全部と重なって設けられることが好ましい。これにより、後側脚部弾性部材22Bの両端部が後側接着領域15により固定され、後側脚部弾性部材22Bの抜け落ちが起こりにくくなる。前側接着領域14および後側接着領域15は、幅方向xに対しては、外装部材2のサイド接合部11から内方に10mm以内の領域(より好ましくは5mm以内の領域)まで延在していることが好ましい。
前側接着領域14の前側には、前側接着領域14と隣接して、内側シート5と外側シート6が接着されない非接着部が形成されることが好ましい。また、後側接着領域15の後側には、後側接着領域15と隣接して、内側シート5と外側シート6が接着されない非接着部が形成されることが好ましい。これにより外装部材2の通気性をさらに高めることができる。さらに、当該非接着部には、前後方向yに延びる前側非接着部17または前後方向yに延びる後側非接着部18が連結していることが好ましく、これにより、前側非接着部17や後側非接着部18を通して、おむつ内部に溜まった湿気がおむつの外により排出されやすくなる。当該非接着部は、外装部材2のサイド接合部11まで延在していることが好ましい。
外装部材2の前側胴部Pと後側胴部Qに胴部弾性部材23が設けられる場合は、前側接着領域14および/または後側接着領域15は胴部弾性部材23から離間して設けられ、前側接着領域14および/または後側接着領域15と胴部弾性部材23との間に、内側シート5と外側シート6が接着されない非接着部が設けられることが好ましい。これにより外装部材2の通気性をさらに高めることができる。さらに、当該非接着部には、前後方向yに延びる前側非接着部17または前後方向yに延びる後側非接着部18が連結していることが好ましく、これにより、前側非接着部17や後側非接着部18を通して、おむつ内部に溜まった湿気がおむつの外により排出されやすくなる。当該非接着部は、外装部材2のサイド接合部11まで延在していることが好ましい。
外装部材2の前側胴部Pと後側胴部Qに複数の胴部弾性部材23が設けられる場合は、胴部弾性部材23が内側シート5と外側シート6に接着され、隣接する胴部弾性部材23の間に、内側シート5と外側シート6が接着されない非接着部が幅方向xに延在して設けられることが好ましい。これにより、前側胴部Pと後側胴部Qの胴部弾性部材23が設置された領域でも、外装部材2の通気性を高めることができる。当該非接着部は、外装部材2のサイド接合部11まで延在していることが好ましい。
中間接着領域16の前後方向yの長さは、前側脚部弾性部材22Fが股部Rを横断する部分と後側脚部弾性部材22Bが股部Rを横断する部分に重なるように設けられれば、その長さは特に限定されない。なお、中間接着領域16の前後方向yの長さは、吸収性本体7の前後方向yの長さの15%以上であることが好ましく、20%以上がより好ましく、25%以上がさらに好ましい。また、前側非接着部17や後側非接着部18の前後方向yの長さを確保し、外装部材2の通気性を高める点から、中間接着領域16の前後方向yの長さは、吸収性本体7の前後方向yの長さの50%以下であることが好ましく、45%以下がより好ましく、40%以下がさらに好ましい。中間接着領域16の前後方向yの長さとは、中間接着領域16の前側端から後側端までの前後方向yの長さを意味する。
前側接着領域14と後側接着領域15の吸収性本体7と重なる部分での前後方向yの長さはそれぞれ、吸収性本体7の前後方向yの長さの10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましく、また50%以下が好ましく、45%以下がより好ましく、40%以下がさらに好ましい。前側接着領域14が吸収性本体7と重なる部分の前後方向yの長さとは、前側接着領域14の後側端から前側端までの前後方向yの長さ、または前側接着領域14の後側端から吸収性本体7の前側端までの前後方向yの長さのうちの短い方の長さを意味する。後側接着領域15が吸収性本体7と重なる部分の前後方向yの長さとは、後側接着領域15の前側端から後側端までの前後方向yの長さ、または後側接着領域15の前側端から吸収性本体7の後側端までの前後方向yの長さのうちの短い方の長さを意味する。
前側接着領域14と後側接着領域15の前後方向yの長さは、互いに同じであっても異なっていてもよいが、後側接着領域15の方が前側接着領域14よりも前後方向yの長さが長いことが好ましい。
前側接着領域14は中間接着領域16と接して設けられてもよく、前後方向yに離間して設けられてもよい。後側接着領域15も中間接着領域16と接して設けられてもよく、前後方向yに離間して設けられてもよい。前側接着領域14が中間接着領域16と前後方向yに離間して設けられる場合、前側接着領域14と中間接着領域16の間には前側非接着部17が形成されることとなる。同様に、後側接着領域15が中間接着領域16と前後方向yに離間して設けられる場合、後側接着領域15と中間接着領域16の間には後側非接着部18が形成されることとなる。
前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bは、中間接着領域16で股部を断続的に横断して設けられることが好ましい。なお、それ以外の部分では、前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bは連続的に設けられることが好ましい。このように前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bが設けられれば、吸収性本体7が前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bの収縮力によって歪みにくくなり、吸収性本体7の着用者の股間でのフィット性を高めることができる。脚部弾性部材22を断続的に設ける場合は、脚部弾性部材22を内側シート5および/または外側シート6に接着固定した後、脚部弾性部材22をカッター等で切断すればよい。このようにすることで、脚部弾性部材22を製造上簡単に断続的に設けることができ、また脚部弾性部材22が断続的に設けられた部分で、弾性部材の収縮力を実質的に失わせることができる。
前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bは、図2および図4に示すように、股部Rにおいて前後方向yに互いに離間して設けられてもよく、図面には示されていないが、前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bが互いに接していたり交差して設けられてもよい。なお、前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bが股部Rにおいて前後方向yに互いに離間して設けられる場合は、図5に示すように、中間接着領域16が前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bの間で前後方向yに断続的に設けられ、内側シート5と外側シート6とが接着されない中間非接着部19が幅方向xに延びるように形成されていてもよい。このように中間接着領域16に中間非接着部19が形成されることにより、外装部材2の股部Rでの通気性を高めることができる。
なお図4では、前後方向yに延びる前側非接着部17と前後方向yに延びる後側非接着部18が、吸収性本体7と重なる部分でそれぞれ1つずつ設けられていたが、図5では、前後方向yに延びる前側非接着部17と前後方向yに延びる後側非接着部18が、吸収性本体7と重なる部分で、幅方向xに並んで複数設けられている。このように、前後方向yに延びる前側非接着部17と前後方向yに延びる後側非接着部18は、吸収性本体7と重なる部分で1つのみ設けられてもよく、2つ以上設けられてもよい。また図面には示されていないが、前後方向yに延びる前側非接着部17と前後方向yに延びる後側非接着部18は、吸収性本体7と重ならない部分に設けられていてもよい。
幅方向xに延びる中間非接着部19は、2mm以上10mm以下の幅で形成されていることが好ましい。当該幅は、3mm以上がより好ましく、4mm以上がさらに好ましく、また8mm以下がより好ましく、7mm以下がさらに好ましい。これにより外装部材2の股部Rでの通気性が高まるとともに、前側脚部弾性部材22Fと後側脚部弾性部材22Bを中間接着領域16に接着固定しやすくなる。
吸収性本体7は、外装部材2の肌面側の少なくとも股部Rに設けられ、さらに前側胴部Pおよび/または後側胴部Qに延在していることが好ましい。吸収性本体7は、例えば略砂時計形に形成されたり、略長方形に形成されればよい。
吸収性本体7の外装部材2への接着領域(以下、「吸収性本体接着領域」と称する)は、吸収性本体7の外面側の全面に設けられてもよく、一部のみに設けられてもよい。なお、吸収性本体接着領域は、前後方向yに延びる前側非接着部17や前後方向yに延びる後側非接着部18との関係から、次のように設けられることが好ましい。すなわち、図6や図7に示すように、吸収性本体7の外面側に吸収性本体接着領域20が部分的に設けられ、吸収性本体7が外装部材2に接着されない吸収性本体非接着部21が、前側非接着部17および/または後側非接着部18と重なって、前後方向yに延びるように形成されることが好ましい。図6および図7では、吸収性本体7の外縁が一点鎖線で示され、吸収性本体接着領域20がクロスハッチングで示され、外装部材2の前側接着領域14、中間接着領域16、後側接着領域15の外縁が二点鎖線で示されている。図6には、図4に示した外装部材2に吸収性本体接着領域20を形成した例が示されており、図7には、図5に示した外装部材2に吸収性本体接着領域20を形成した例が示されている。
図6では、吸収性本体接着領域20が幅方向xに並んで複数設けられ、幅方向xに並んで設けられた吸収性本体接着領域20の間に吸収性本体非接着部21が前側非接着部17と後側非接着部18と重なって設けられている。図7では、吸収性本体接着領域20の幅方向xの両側に、吸収性本体7の幅方向xの両側縁を含んで吸収性本体非接着部21が設けられ、吸収性本体非接着部21が前側非接着部17と後側非接着部18と重なって設けられている。このように、吸収性本体非接着部21が前側非接着部17および/または後側非接着部18と重なって設けられることにより、おむつ内部に溜まった湿気がおむつの外により排出されやすくなる。
吸収性本体接着領域20は、前後方向yに対して連続的に設けられても断続的に設けられてもよいが、連続的に設けられることが好ましい。吸収性本体接着領域20はまた、吸収性本体7が安定して外装部材2に固定されるようにする点から、吸収性本体7の前後方向yにおいて広い範囲に設けられることが好ましい。例えば、吸収性本体接着領域20の前後方向yの長さ(複数ある場合はその合計長さ)は、吸収性本体7の前後方向yの長さの70%以上であることが好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
吸収性本体接着領域20は、幅方向xに対して、連続的に設けられても断続的に設けられてもよい。図6に示すように、吸収性本体接着領域20が幅方向xに対して断続的に設けられる場合、隣接する吸収性本体接着領域20の間に吸収性本体7が外装部材2と接着されない吸収性本体非接着部21が形成される。この場合、吸収性本体接着領域20は、幅方向xに2以上5以下並んで設けられることが好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。
吸収性本体接着領域20が幅方向xに対して断続的に設けられる場合、吸収性本体接着領域20の幅方向xの長さ(複数の合計長さ)は、吸収性本体7の幅方向xの長さの15%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましく、また90%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、70%以下がさらに好ましく、60%以下がさらにより好ましい。吸収性本体接着領域20が幅方向xに対して連続的に設けられる場合、吸収性本体接着領域20の幅方向xの長さは、吸収性本体7の幅方向xの長さの60%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
吸収性本体接着領域20が幅方向xと前後方向yに対して連続的に設けられる場合、吸収性本体接着領域20は略矩形状に設けられることが好ましい。吸収性本体接着領域20が幅方向xおよび/または前後方向yに対して断続的に設けられる場合は、略矩形状の接着領域が幅方向xおよび/または前後方向yに並んで配置されることにより、吸収性本体接着領域20が形成されることが好ましい。
吸収性本体非接着部21が前後方向yに延びる前側非接着部17または前後方向yに延びる後側非接着部18と重なる部分の幅方向xの長さ(複数ある場合はその合計長さ)は、吸収性本体7の幅方向xの長さの10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、また80%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。
前側接着領域14、中間接着領域16、後側接着領域15、吸収性本体接着領域20を形成する接着剤としては、ホットメルト接着剤を用いることが製造上簡便である。ホットメルト接着剤としては、例えば、天然ゴム系、ブチルゴム系、ポリイソプレン等のゴム系接着剤や;スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)等のスチレン系エラストマーをベースポリマーとして用いることが好ましい。また、ベースポリマーに、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA);ポリエステル;アクリル系エラストマー;ポリオレフィン系エラストマー等を配合して、粘着性や流動性を調節してもよい。ポリオレフィン系エラストマーの一種として、エチレン・プロピレンコポリマー等のアモルファスポリアルファオレフィン(APAO)を用いることも好ましい。
各接着領域は、接着剤が全面塗布されてもよいし、接着剤が網状や所定パターンの線状や散点状に塗布されてもよい。接着剤の塗布方法としては、例えば、カーテンスプレー法、オメガコーティング法、スパイラルコーティング法、パターンコート等を用いることができる。
各接着領域を形成する接着剤は、互いに同じであっても異なっていてもよい。なお、使い捨ておむつ1の着用感を向上させる点から、外装部材2は股部Rにおいて軟らかく形成されていることが好ましく、このような観点から、前側接着領域14および/または後側接着領域15は中間接着領域16よりも剛軟度が高いことが好ましい。例えば、中間接着領域16の単位面積当たりの接着剤塗布量は、前側接着領域14の単位面積当たりの塗布量および/または後側接着領域15の単位面積当たりの塗布量よりも少ないことが好ましい。あるいは、中間接着領域16を形成する接着剤は、前側接着領域14を形成する接着剤および/または後側接着領域15を形成する接着剤よりも凝集力が低いものを用いることが好ましい。
本願は、2018年10月12日に出願された日本国特許出願第2018-193235号に基づく優先権の利益を主張するものである。2018年10月12日に出願された日本国特許出願第2018-193235号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
1:使い捨ておむつ
2:外装部材
3:ウェスト開口部
4:脚開口部
5:内側シート
6:外側シート
7:吸収性本体
8:トップシート
9:バックシート
10:吸収体
14:前側接着領域
15:後側接着領域
16:中間接着領域
17:前側非接着部
18:後側非接着部
19:中間非接着部
20:吸収性本体接着領域
21:吸収性本体非接着部
22:脚部弾性部材、22F:前側脚部弾性部材、22B:後側脚部弾性部材
23:胴部弾性部材
24:腰部弾性部材
P:前側胴部
Q:後側胴部
R:股部
2:外装部材
3:ウェスト開口部
4:脚開口部
5:内側シート
6:外側シート
7:吸収性本体
8:トップシート
9:バックシート
10:吸収体
14:前側接着領域
15:後側接着領域
16:中間接着領域
17:前側非接着部
18:後側非接着部
19:中間非接着部
20:吸収性本体接着領域
21:吸収性本体非接着部
22:脚部弾性部材、22F:前側脚部弾性部材、22B:後側脚部弾性部材
23:胴部弾性部材
24:腰部弾性部材
P:前側胴部
Q:後側胴部
R:股部
Claims (10)
- 前側胴部と後側胴部とこれらの間に位置する股部を有し、前側胴部と後側胴部とが接合されることによりウェスト開口部と一対の脚開口部とを有するパンツ形状に形成された外装部材と、
外装部材の少なくとも股部に設けられ、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体を有する吸収性本体とを有する使い捨ておむつであって、
外装部材は内側シートと外側シートを有し、内側シートと外側シートの間に、股部を横断し、脚開口部の前側の縁に沿って延びる前側脚部弾性部材と、股部を横断し、脚開口部の後側の縁に沿って延びる後側脚部弾性部材とが設けられ、
内側シートと外側シートは、股部に形成された中間接着領域と、中間接着領域よりも前側に形成された前側接着領域と、中間接着領域よりも後側に形成された後側接着領域とで互いに接着され、中間接着領域において前側脚部弾性部材と後側脚部弾性部材が股部を横断して設けられており、
中間接着領域は、外装部材の幅方向の一方側の外縁から他方側の外縁にかけて、幅方向に連続的に設けられ、
前側接着領域が下記要件Aを満たすように設けられている、および/または、後側接着領域が下記要件Bを満たすように設けられていることを特徴とする使い捨ておむつ。
(要件A)
前側接着領域は、外装部材の幅方向の一方側の外縁から他方側の外縁にかけて、幅方向に断続的に設けられ、
中間接着領域の前側端より前側かつ前側接着領域の前側端より後側に、内側シートと外側シートとが接着されない前側非接着部が、幅方向および前後方向に延びるように形成され、
幅方向に延びる前側非接着部が、前後方向に延びる前側非接着部と連結するとともに、前側脚部弾性部材を横切って外装部材の外縁まで延びている。
(要件B)
後側接着領域は、外装部材の幅方向の一方側の外縁から他方側の外縁にかけて、幅方向に断続的に設けられ、
中間接着領域の後側端より後側かつ後側接着領域の後側端より前側に、内側シートと外側シートとが接着されない後側非接着部が、幅方向および前後方向に延びるように形成され、
幅方向に延びる後側非接着部が、前後方向に延びる後側非接着部と連結するとともに、後側脚部弾性部材を横切って外装部材の外縁まで延びている。 - 前側脚部弾性部材と後側脚部弾性部材は、中間接着領域で股部を断続的に横断して設けられている請求項1に記載の使い捨ておむつ。
- 前後方向に延びる前側非接着部は、吸収性本体と重なって設けられている、および/または、
前後方向に延びる後側非接着部は、吸収性本体と重なって設けられている請求項1または2に記載の使い捨ておむつ。 - 前側接着領域は吸収性本体と重なって設けられ、吸収性本体の前側端よりも前方に延在している、および/または、
後側接着領域は吸収性本体と重なって設けられ、吸収性本体の後側端よりも後方に延在している請求項1~3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。 - 前側胴部と後側胴部には、内側シートと外側シートの間に、幅方向に延びる胴部弾性部材が設けられ、
前側接着領域および/または後側接着領域は胴部弾性部材から離間して設けられ、前側接着領域および/または後側接着領域と胴部弾性部材との間に、内側シートと外側シートが接着されない非接着部が形成されている請求項1~4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。 - 中間接着領域は、前側脚部弾性部材と後側脚部弾性部材の間で前後方向に断続的に設けられ、内側シートと外側シートとが接着されない中間非接着部が幅方向に延びるように形成されている請求項1~5のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
- 幅方向に延びる前側非接着部、幅方向に延びる後側非接着部、および幅方向に延びる中間非接着部は、2mm以上10mm以下の幅で形成されている請求項1~6のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
- 前後方向に延びる前側非接着部、および前後方向に延びる後側非接着部は、15mm以上の幅で形成されている請求項1~7のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
- 吸収性本体の外面側は外装部材に部分的に接着され、吸収性本体が外装部材に接着されない吸収性本体非接着部が、前側非接着部および/または後側非接着部と重なって、前後方向に延びるように形成されている請求項1~8のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
- 前側接着領域および/または後側接着領域は、中間接着領域よりも剛軟度が高い請求項1~9のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
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