JP2013188379A - パンツタイプ使い捨ておむつ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】臀裂及びその幅方向両側におけるフィット性に優れ、後身頃におけるレッグ開口の縁部が捲れ難い、パンツタイプ使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】上記課題は、レッグ開口縁29に沿って湾曲する湾曲弾性部材26,28、及び臀裂対向部を横切って幅方向に延在する細長状の臀裂部幅方向弾性部材27が、その延在方向に所定の伸長率で伸長された状態で外装シート20に固定されており、臀裂対向部の側方に隣接する部位で背側湾曲弾性部材26及び臀裂部幅方向弾性部材27が細かく切断されて収縮力が作用しない非収縮部分43が形成されるとともに、この非収縮部分43より側方全体が臀裂部幅方向弾性部材27の非存在部分44とされている、パンツタイプ使い捨ておむつ1により解決される。
【選択図】図13

Description

本発明は、臀裂部幅方向弾性伸縮部材により臀裂に対するフィット性を向上させつつ、後身頃におけるレッグ開口の縁部の幅方向収縮を防止した、パンツタイプ使い捨ておむつ及びその製造方法に関する。
パンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃及び後身頃を有する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることにより、ウエスト開口及び左右一対のレッグ(脚)開口が形成されているものである。
パンツタイプ使い捨ておむつにおいては、身体へのフィット性を向上させるために、外装シートに、種々の弾性部材を伸長状態で固定することが行われており(例えば特許文献1〜7参照)、中でも、ウエスト部弾性部材、腰回り弾性部材及び湾曲弾性部材を備えているもの(特許文献6記載に代表される)は、比較的に身体に対するフィット性が高いものとなっている。ここに、ウエスト部弾性部材は、ウエスト開口の縁部に、縦方向に間隔を空けて幅方向に沿って複数本平行に配置されているものである。また、腰回り弾性部材は、ウエスト部弾性部材よりも前後方向中央部側の領域に、縦方向に間隔を空けて幅方向に沿って配置されているものである。さらに、湾曲弾性部材は、前身頃及び後身頃の少なくとも一方の両側部から、幅方向中央に向かうにつれて反対の身頃側へ向かうように湾曲しつつ延在するものである。
しかしながら、従来の一般的なパンツタイプ使い捨ておむつにおいては、普通の下着と違って股間部がモコモコするという問題点があった。そして、本発明者らの研究によれば、この問題点の原因の一つは、臀裂から股間にかけての部分において吸収体が身体から浮くこと、つまり当該部位におけるフィット性が不十分であることであった。
この問題点に対して、臀裂のフィット性を改善するものとしては、後身頃の湾曲弾性部材を股間横断部においてウエスト開口側に凸状に突出する配置としたもの等、種々の形態が提案されている(例えば、特許文献8,9参照)が、おむつ内面は臀裂にフィットする形状となるものの、フィットした状態に維持され難いという問題点の他、製造において弾性部材を取り付ける際、弾性部材の向きを急角度に変化させる必要があり、高速ラインによる製造が困難であるという問題点もあった。
さらに、この問題点を解決するものとして、図13に示すように、後身頃Bにおける外装シート20に、両側部からレッグ開口縁29に沿って前身頃F側へ向かうように湾曲しつつ延在する細長状の背側湾曲弾性部材26を、その延在方向に伸長した状態で固定するとともに、後身頃Bにおける臀裂対向部を幅方向に横切って延在する細長状の弾性部材を設け、この臀裂部幅方向弾性部材27の幅方向収縮作用により、装着者の臀裂に入り込むように折れ曲がる屈曲フィット部40を形成することを考えた。これにより、背側湾曲弾性部材26を急角度に変化させなくとも、臀裂部幅方向弾性部材27の幅方向に沿う配置により臀裂に対する屈曲フィット部40を形成できるため、高速ラインにより安定して製造できるようになる。
特開平7−265357号公報 特開平7−299094号公報 特開平11−36103号公報 特開2001−258931号公報 特開2001−204762号公報 特開2006−043415号公報 特表2007−113978号公報 特開2007−97621号公報 特開2008−253289号公報 特開2002−209942号公報 特開2005−087622号公報
しかしながら、単に臀裂部幅方向弾性部材27をレッグ開口部の縁部にまで設けると、図13に示すように、後身頃Bにおけるレッグ開口の縁部が湾曲弾性部材26,28により脚周り方向に収縮するだけでなく、幅方向にも収縮する結果、当該縁部が硬くなり装着感を悪化させたり、当該縁部が外側に捲れることにより内装体の側部が露出して見栄えを悪化させたりするといった問題点があった。
そこで本発明の主たる課題は、臀裂部幅方向弾性伸縮部材により臀裂に対するフィット性を向上させつつ、後身頃におけるレッグ開口の縁部の幅方向収縮を防止することにある。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前身頃及び後身頃を形成する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前記前身頃における外装シートの両側部と後身頃における外装シートの両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び左右一対のレッグ開口が形成され、
前記後身頃の外装シートにおける臀裂対向部の幅方向両側の部分が、前記内装体に固定された内装体固定領域と、この内装体固定領域の側縁より側方に延出する側方延出部分とを有している、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記臀裂対向部を横切って幅方向に延在する細長状の臀裂部幅方向弾性部材が、その延在方向に所定の伸長率で伸長された状態で前記外装シートに固定されており、
前記臀裂対向部の側方に隣接する部位で前記臀裂部幅方向弾性部材が細かく切断されて収縮力が作用しない非収縮部分が形成されるとともに、この非収縮部分より側方全体が前記臀裂部幅方向弾性部材の非存在部分とされている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明では、臀裂部幅方向弾性部材を有する縦方向範囲では、臀裂対向部の側方に隣接する部位で臀裂部幅方向弾性部材が細かく切断されて、実質的に収縮しない非収縮部分が形成されているため、それらの間の臀裂対向部が臀裂部幅方向弾性部材の収縮作用により装着者の臀裂に入り込む立体形状の屈曲フィット部となるとともに、その幅方向両側の非収縮部分では内装体が不必要に収縮せずに尻べたにフィットする形状となる。そしてその側方では、臀裂部幅方向弾性部材による幅方向収縮力が作用しないため、レッグ開口の縁部が硬くなり装着感を悪化させたり、当該縁部が外側に捲れたりしなくなる。しかも、臀裂部幅方向弾性部材は、幅方向に沿って設けられるものであるため、低コストで製造できるだけでなく、高速ラインにより安定して製造できるという利点もある。
<請求項2記載の発明>
前記外装シートは、外側層と内側層とを貼り合わせてなり、
前記臀裂部幅方向弾性部材は、前記外側層と内側層との間に挟まれかつホットメルト接着剤により外側層及び内側層に固定されており、
前記臀裂部幅方向弾性部材の固定のためのホットメルト接着剤の塗布量は、前記臀裂部幅方向弾性部材の存在部分よりも前記臀裂部幅方向弾性部材の非存在部分の方が少ない、
請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、臀裂部幅方向弾性部材の固定のためのホットメルト接着剤の塗布量を、臀裂部幅方向弾性部材の存在部分よりも臀裂部幅方向弾性部材の非存在部分の方が少ない構成としても、臀裂部幅方向弾性部材が存在しないことにより強度が低下することがなく、むしろレッグ開口の縁部を柔軟なものとすることができる。さらに、後述する製造方法からも分かるように、臀裂部幅方向弾性部材を幅方向全体にわたり取り付けた後に、臀裂部幅方向弾性部材における非伸縮部分となる領域のみを細かく切断するだけで、臀裂部幅方向弾性部材における非収縮部分よりも側方の部分が、後にレッグ開口の打ち抜きにより切除される部分内に引き込まれ、自動的に臀裂部幅方向弾性部材の非存在部分が形成されるようになる。なお、ホットメルト接着剤の塗布量が少ないことには全く塗布しないことも含まれる。
<請求項3記載の発明>
後身頃の右のサイドシール部から後身頃の右のレッグ開口縁に沿って前側に向かいつつ左側に向かうように湾曲して後身頃の幅方向中央部に位置する臀裂対向部に至り、臀裂対向部において後側に折り返され、更に左側に向かいつつ後側に向かうように湾曲して後身頃の左のレッグ開口縁に沿って後身頃の左のサイドシール部に至る;細長状の背側湾曲弾性部材が、その長手方向に所定の伸長率で伸長された状態で前記外装シートに固定されており、
前記背側湾曲弾性部材も前記非収縮部分で細かく切断されており、
前記背側湾曲弾性部材及び臀裂部幅方向弾性部材は間隔空けて複数本設けられるとともに、少なくとも一本の背側湾曲弾性部材が前記臀裂部幅方向弾性部材の非存在部を通り前記非収縮部分まで連続するように構成されている、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
レッグ開口の縁部の幅方向収縮を低減するだけであれば、臀裂部幅方向弾性部材は幅方向全体にわたり設けつつ、臀裂部幅方向弾性部材の切断による非収縮部分をレッグ開口の縁部まで拡大するだけでも効果が無いわけではなく、むしろ製造は容易である。しかし、背側湾曲弾性部材を設けて股間部を後方へ引き上げる形態を採用する場合、背側湾曲弾性部材がレッグ開口の縁部を通り内装体固定部又はその近傍まで連続しているのが好ましく、この形態を採用しつつ、臀裂部幅方向弾性部材の切断による非収縮部分をレッグ開口の縁部まで拡大すると、製造の際に背側湾曲弾性部材までも切断してしまうことになり、本末転倒の結果となる。これに対して、上述のように、背側湾曲弾性部材が臀裂部幅方向弾性部材の非収縮部分ではなく非存在部を通り非収縮部分まで連続すると、より効果的に背側湾曲弾性部材により股間部を後方へ引き上げる構造となり、また、製造に際して背側湾曲弾性部材が切断されることもない。
<請求項4記載の発明>
前身頃及び後身頃を形成する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前記前身頃における外装シートの両側部と後身頃における外装シートの両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び左右一対のレッグ開口が形成され、
前記レッグ開口と対応する縦方向範囲では、外装シートにおける幅方向両側の部分が、前記内装体の側部と重なる側部重なり部分と、前記内装体の側縁より側方に延出する側方延出部分とを有しており、かつこの側方延出部分の側縁により前記レッグ開口の縁部が形成されており、
前記外装シートにおける前記レッグ開口と対応する縦方向範囲に、幅方向中間の所定部位を横切って幅方向に延在する細長状の幅方向弾性部材がその延在方向に所定の伸長率で伸長された状態で固定されており、
前記所定部位の側方に隣接する部位で前記幅方向弾性部材が細かく切断されて収縮力が作用しない非収縮部分が形成されるとともに、この非収縮部分より側方全体が前記幅方向弾性部材の非存在部分とされている、
パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法において、
連続帯状の外側層及び連続帯状の内側層をその連続方向に沿って移送しつつ貼り合わせるとともに、これら外側層及び内側層間に移送方向に沿って前記幅方向弾性部材を前記伸長状態で挟むともに外側層及び内側層に対してホットメルト接着剤で固定することにより、前記外装シートとなる連続帯状体を形成する外装シート組立工程と、
この外装シートとなる連続帯状体において、前記移送方向に所定の間隔を空けて、前記レッグ開口となる部分を切除するレッグ開口切除工程と、
前記外装シート組立工程で、前記幅方向弾性部材の非存在部分となる領域及びレッグ開口となる部分の側部領域における、前記幅方向弾性部材を固定するためのホットメルト接着剤の塗布量を、他の領域よりも少なくし、
前記外装シート組立工程の後であって前記レッグ開口切除工程よりも前に、前記非収縮部分となる領域で前記幅方向弾性部材を細かく切断することにより、前記幅方向弾性部材の非存在部分となる領域及びレッグ開口となる部分の側部領域に位置する幅方向弾性部材を収縮させて前記レッグ開口となる部分に引き込ませ、
前記レッグ開口切除工程で、前記幅方向弾性部材を引き込んだレッグ開口となる部分を切除する、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
本発明によれば、接着剤の塗布量変更及び幅方向弾性部材の切断のみで、レッグ開口と対応する縦方向範囲に設けられる幅方向弾性伸縮部材がレッグ開口の縁部に存在しないパンツタイプ使い捨ておむつを製造することができる。
<請求項5記載の発明>
前記所定部位が臀裂対向部であり、前記幅方向弾性部材が前記臀裂対向部を横切って幅方向に延在する臀裂部幅方向弾性部材である、請求項4記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
本項記載の発明によれば、請求項1に係るパンツタイプ使い捨ておむつと同様のものを接着剤の塗布量変更幅及び方向弾性部材の切断のみで製造することができる。
以上のとおり、本発明によれば、臀裂及びその幅方向両側におけるフィット性に優れ、後身頃におけるレッグ開口の縁部が捲れ難くなる、等の利点がもたらされる。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(内面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(外面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの要部平面図である。 図1のC−C断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 接着剤塗布パターンを示す平面図である。 弾性部材カットパターンを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの装着状態の斜視図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの装着状態の背面図である。 図1のD−D断面図である。 比較例の装着状態の背面図である。 要部拡大平面図である。 外装シート組立工程を概略的に示す正面図である。 外装シート組立工程の変化を概略的に示す平面図である。 非伸縮部分形成工程の変化を概略的に示す平面図である。 レッグ開口切除工程の変化を概略的に示す平面図である。 内装体貼り付け工程以降の変化を概略的に示す平面図である。 比較例における非伸縮部分形成工程の変化を概略的に示す平面図である。 比較例におけるレッグ開口切除工程の変化を概略的に示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。なお、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。
図1〜図11は実施形態のパンツタイプ使い捨ておむつ1を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ1(以下、単におむつともいう。)は、前身頃F及び後身頃Bを形成する外装シート20と、この外装シート20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性表面シート11と液不透過性裏面側シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装シート20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤Gなどの接合手段によって固定された後に、内装体10および外装シート20が前身頃F及び後身頃Bの境界である縦方向(前後方向)中央で折り畳まれ、その両側部が相互に熱溶着またはホットメルト接着剤などによって接合され、サイドシール部21,22が形成されることによって、ウエスト開口及び左右一対のレッグ開口が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつとなる。
(外装シートの構造例)
外装シート20は、図4〜図6にも示されるように、それぞれ不織布からなる内側層20A及び外側層20Bがホットメルト接着剤により張り合わされてなる2層構造シートとされ、内側層20Aと外側層20Bとの間、及び外側層20Bをウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cの不織布間に各種弾性部材24〜28が伸長状態で挟持固定され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するために形成された凹状のレッグ開口縁29により、全体として擬似砂時計形状をなしている。弾性部材24〜28としては、合成ゴムや天然ゴムを糸状、紐状、帯状等の細長状に形成したものを用いることができる。
特に、図示形態の外装シート20においては、図1〜図3に示すように、前身頃F及び後身頃Bのそれぞれにおいて、ウエスト開口近傍23に配置されたウエスト部弾性部材24と、ウエスト部弾性部材24よりも股間側に配置された、縦方向に間隔をおいて幅方向に沿って配置された複数の腰回り弾性部材25と、腰回り弾性部材群25とは別に、前身頃Fと後身頃Bとを接合する両サイドシール部21,22からレッグ開口縁29に沿って幅方向中央に向かうにつれて反対の身頃側へ向かうように湾曲しつつ、内装体10の両側部と重なる部位まで延在するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性部材26,28とを備えている。なお、本外装シート20では、湾曲弾性部材26,28により脚周りに対するフィット性が確保されるため、レッグ開口縁29に沿って前身頃Fから後身頃Bまで実質的に連続する脚回り弾性部材は設けられていないが、湾曲弾性部材26,28とともに設けることも可能である。
ウエスト部弾性部材24は、サイドシール部21,22を有する縦方向範囲のうち、ウエスト開口縁近傍に上下方向に間隔をおいて配設された複数条の糸ゴム状弾性部材であり、その延在方向(おむつの幅方向)に伸長状態で外装シートに固定されることにより、身体のウエスト部回りを締め付けるように伸縮力を与えることによりおむつのウエスト開口縁を身体に装着するためのものである。このウエスト部弾性部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。また、図示形態のウエスト部弾性部材24は、ウエスト部における外側層20Bの折り返し部分20Cの不織布間に挟持されているが、内側層20Aと外側層20Bとの間に挟持しても良い。
腰回り弾性部材25は、サイドシール部21,22と対応する縦方向範囲、及びそれよりも股間側の範囲のうち、概ね上部から下部までの範囲に亘り、上下方向に間隔をおいて幅方向に沿って配設された糸ゴム等の細長状弾性部材であり、その延在方向(おむつの幅方向)に伸長状態で外装シートに固定されることにより、前身頃F及び後身頃Bの腰回り部分に夫々幅方向の伸縮力を与え、おむつを身体に密着させるためのものである。なお、ウエスト部弾性部材24と腰回り弾性部材25との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃F及び後身頃Bに上下方向に間隔をおいて幅方向に配置された弾性部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト部弾性部材として機能し、残りの弾性部材が腰回り弾性部材として機能していればよい。
後身頃Bにおいて、腰回り弾性部材25とは別に配設された背側湾曲弾性部材26は、その長手方向中間に縦方向との鋭角側交差角θ(以下、縦方向交差角ともいう)が最小となる最小点を有するとともに、この最小点から幅方向両側に向かうにつれて縦方向交差角θが0度〜90度の範囲内で増加する所定の曲線であって、且つおむつを展開した状態で内装体10の両側部と重なる領域内に縦方向交差角θが60°以下となる交差部分70を有する所定の曲線に沿って配置されているものであり、その延在方向に伸長状態で外装シートに固定されている。背側湾曲弾性部材26は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では5本の糸ゴム状弾性部材であり、これら背側湾曲弾性部材26は互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この背側湾曲弾性部材群26は、2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように所定の間隔を空けて複数本以上配置される。
前身頃Fにおいて、腰回り弾性部材群25とは別に配設された腹側湾曲弾性部材28は、その長手方向中間に縦方向との縦方向交差角θが最小となる最小点を有するとともに、この最小点から幅方向両側に向かうにつれて縦方向交差角θが0度〜90度の範囲内で増加する所定の曲線であって、且つおむつを展開した状態で内装体10の両側部と重なる領域内に縦方向交差角θが60°以下となる交差部分70を有する所定の曲線に沿って配置されているものであり、その延在方向に伸長状態で外装シートに固定されている。腹側湾曲弾性部材28は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では5本の糸状弾性部材であり、これら腹側湾曲弾性部材28は、互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この腹側湾曲弾性部材群28も、2、3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように所定の間隔を空けて複数本以上配置される。
湾曲弾性部材26,28は図示例のようにその全体が湾曲していなくても良く、部分的に直線状の部分を有していても良い。また、湾曲弾性部材26,28を、前身頃F及び後身頃Bの両方に設ける場合、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材の群の一部又は全部と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材Bの群の一部又は全部とが股間部又はその前側若しくは後側近傍で交差する形態(図示せず)も採用できるが、図示例のように、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28の群と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材Bの群とは互いに交差することなく前後方向中間部、特に前身頃Fに若干偏った位置で縦方向に離間している形態が好適であり、その縦方向離間距離は10〜20mm程度とするのが好ましい。
他方、図示例では、前身頃F及び後身頃Bに配置された腰回り弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28は、内装体10を横切る部分には設けられておらず、当該部分が非伸縮領域とされている。このように、弾性部材を有しない又は設けられていない形態には、弾性部材が存在しない形態の他、弾性部材は存在するが収縮力が作用しない程度に細かく切断させている形態も含まれる。図8は、後者の例を示しており、腰回り弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28を、一方側のサイドシール部22から内装体10を横切って他方(反対)側のサイドシール部22まで連続的に設けた後に、所定の切断パターンCPにより内装体10を横切る部分の一部又は全部を切断し、不連続とするものである。弾性部材25,26,28を内装体10と重なる部分で不連続とすることにより、内装体10(特に吸収体13)の幅方向の収縮を防止することができる。もちろん、腰回り弾性部材25を、内装体10を横切って連続的に配置することもできる。
上述した外装シート20は、例えば特開平4−28363号公報や、特開平11−332913号公報記載の技術により製造することができる。また、湾曲弾性部材26,28を内装体10上で切断し不連続化するには、特開2002−35029号公報、特開2002−178428号公報及び特開2002-273808号公報に記載される切断方法が好適に採用される。
(腰回り弾性部材及び湾曲弾性部材の位置関係)
腰回り弾性部材25を有する縦方向範囲と湾曲弾性部材26,28を有する縦方向範囲31とが一部(又は全部でも良い)重複しており、且つこの重複範囲30内に腰回り弾性部材25が複数本(例えば5〜10本程度)含まれるとともに、そのうちの少なくとも一部の腰回り弾性部材25の相互間隔d1が他の腰回り弾性部材25の相互間隔d2よりも広くなっていると好ましい。また、重複範囲30外においても、湾曲弾性部材26,28を有する縦方向範囲31とウエスト部弾性部材24を有する縦方向範囲との間の中間範囲32に、腰回り弾性部材25が複数本(例えば10〜16本程度)設けられていると好ましい。
このように、腰回り弾性部材25を有する縦方向範囲と湾曲弾性部材26,28を有する縦方向範囲との重複範囲30をある程度許容しつつ、その範囲内に腰回り弾性部材25の相互間隔の広い部分を設けることによって、フィット性を損ねずに、弾性部材の密集を抑制することができる。その結果、上記重複範囲30において外装シート20にプリーツが密集せず、厚みの不必要な増加、弾性部材自体及びその接着による硬質化が抑制され、もって柔軟で快適な装着感が得られるようになる。
通常の場合、上述の腰回り弾性部材25の相互間隔d1は10〜50mm程度、他の腰回り弾性部材25の相互間隔d2は5〜20mm程度とするのが好ましい。また、重複範囲30の縦方向長さは展開状態でのおむつの全長の15〜30%程度であるのが好ましく、重複範囲30に占める腰回り弾性部材25の相互間隔の広い間隔部分35の割合は縦方向長さの比(すなわち、間隔d1の総和/重複範囲30の縦方向長さ)で60〜100%程度であるのが好ましい。上記重複範囲30が狭すぎると、腰回り弾性部材25の間隔を広げる意義が薄くなり、広過ぎると腰回り弾性部材25の間隔の広い部分35が増加することによりフィット性が低下する。また、上記重複範囲30内に占める腰回り弾性部材25の相互間隔の広い部分35の割合が少な過ぎると柔軟性の向上は見込めるものの顕著な向上は困難となる。
具体的に、図示例の場合、重複範囲30に占める腰回り弾性部材25の相互間隔d1の広い部分35の割合は、前身頃Fでは40%程度、後身頃Bでは100%となっている。このように、柔軟性向上に関する構成は、前身頃Fと後身頃Bとで異ならしめることができ、外装シート20における前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ適用することも可能である(以下同じ)。
(弾性部材の固定)
他方、ウエスト部弾性部材24、腰回り弾性部材25、臀裂部幅方向弾性部材27及び湾曲弾性部材26,28は、外装シート20を構成する一対のシート層20A,20Bの間に挟まれるとともに、それらシート層20A,20Bに対してホットメルト接着剤により接着固定されており、その接着剤塗布量は外装シート20の柔軟性を大きく左右する。よって、図7に示すように、その接着剤の塗布部分G1〜G3は、ウエスト部弾性部材24の配置部分及びその近傍、腰回り弾性部材25の配置部分及びその近傍、臀裂部幅方向弾性部材27の配置部分及びその近傍、湾曲弾性部材26,28の配置部分及びその縦横各所定距離a以内(通常の場合±25mm以内、より好ましくは±10mm以内、特に好ましくは±5mm以内)の領域のみとし、これらの接着剤以外には両シート層間に接着剤を塗布しないようにするのが好ましい。このように、接着剤塗布部分G1〜G3を可能な限り低減することにより、接着剤による硬質化を各段に抑制することができる。しかも、これと前述の腰回り弾性部材25の局所的間隔増大とが組み合わさると、予想以上の柔軟性向上効果が得られる。
図7は、製造工程におけるホットメルト接着剤の塗布部位G1〜G3を示しており、湾曲弾性部材26,28は二点鎖線で示されるように内装体10を横切る部分の切断前の状態を示している。ウエスト部弾性部材24及び腰回り弾性部材25を両シート層20A,20Bに固定するための接着剤G1、臀裂部幅方向弾性部材27を両シート層20A,20Bに固定するための接着剤G2は、実質的に各弾性部材24,25の配置部位及びその近傍にのみ塗布されている。このような接着剤の塗布は、外周面に接着剤を塗布した弾性部材24,25を両シート層20A,20Bで挟むことにより実現することができ、そのような弾性部材24,25の外周面への接着剤の塗布はノードソン社のシュアラップノズル等により行うことができる。
一方、湾曲弾性部材26,28を両シート層20A,20Bに固定するための接着剤G3は、矩形の接着剤塗布部分B2が湾曲弾性部材26,28の湾曲方向に沿って階段状に並設されることにより、湾曲弾性部材26,28の長手方向全体にわたり、湾曲弾性部材26,28の配置部分及びその縦横各所定距離a以内の領域にのみ接着剤が塗布されている。このような接着剤の塗布は、塗布工程においてシート層20A,20Bの横方向(おむつの幅方向)がラインMD方向(流れ方向)に沿う通常の形態では、ラインCD方向(MD方向と交差する方向)に複数のスロット塗布ノズルを並設し、各ノズルから独立的かつ間欠的に接着剤を塗布することにより行うことができる。また、図示例と異なり、湾曲弾性部材を有する縦方向範囲で幅方向全体にわたり湾曲弾性部材26,28を固定するためのホットメルト接着剤を塗布することもできる。
(屈曲フィット部)
図13に詳細に示すように、外装シート20は、後身頃Bの外装シート20における臀裂対向部の幅方向両側の部分が、内装体10に固定された内装体固定領域83と、この内装体固定領域83の側縁より側方に延出する側方延出部分42とを有しており、背側湾曲弾性部材26は、後身頃Bの右のレッグ開口縁29に沿って前側に向かいつつ左側に向かうように湾曲して後身頃Bの幅方向中央部に位置する臀裂対向部に至り、臀裂対向部において後側に折り返され、更に左側に向かいつつ後側に向かうように湾曲して後身頃Bの左のレッグ開口縁29に沿って後身頃Bの左のサイドシール部21,22に至るように固定されている。
また、臀裂対向部を横切って幅方向に延在する細長状の臀裂部幅方向弾性部材27が、その延在方向に所定の伸長率で伸長された状態で外装シート20に固定されている。臀裂部幅方向弾性部材27の固定時の伸長率は適宜定めることができるが、通常の場合180〜300%とするのが好ましい。
そして、臀裂対向部の側方に隣接する部位で背側湾曲弾性部材26及び臀裂部幅方向弾性部材27が細かく切断されて収縮力が作用しない非収縮部分43が形成されるとともに、この非収縮部分43より側方全体が臀裂部幅方向弾性部材27の非存在部分44とされている。
このように構成されたパンツタイプ使い捨ておむつ1においては、臀裂部幅方向弾性部材27を有する縦方向範囲では、臀裂対向部の側方に隣接する部位で背側湾曲弾性部材26及び臀裂部幅方向弾性部材27が細かく切断されて、実質的に収縮しない非収縮部分43が形成されているため、それらの間の臀裂対向部が、図10及び図11に示すように臀裂部幅方向弾性部材27の収縮作用により装着者の臀裂に入り込む立体形状(おむつ内面が峰状に隆起)の屈曲フィット部40となるとともに、その幅方向両側の非収縮部分43では内装体10が不必要に収縮せずに尻べたにフィットする形状となる。そしてその側方では、図10及び図13との対比からも分かるように、臀裂部幅方向弾性部材27による幅方向収縮力が作用しないため、レッグ開口の縁部が硬くなり装着感を悪化させたり、当該縁部が外側に捲れたりしなくなる。しかも、臀裂部幅方向弾性部材27は、幅方向に沿って設けられるものであるため、低コストで製造できるだけでなく、高速ラインにより安定して製造できるという利点もある。
なお、レッグ開口の縁部の幅方向収縮を低減するだけであれば、臀裂部幅方向弾性部材27は幅方向全体にわたり設けつつ、臀裂部幅方向弾性部材27の切断による非収縮部分43をレッグ開口の縁部まで拡大するだけでも効果が無いわけではなく、むしろ製造は容易である。しかし、背側湾曲弾性部材26により股間部を後方へ引き上げるには、背側湾曲弾性部材26がレッグ開口の縁部を通り内装体10固定部又はその近傍まで連続しているのが好ましく、この形態を採用しつつ、臀裂部幅方向弾性部材27の切断による非収縮部分43をレッグ開口の縁部まで拡大すると、製造の際に背側湾曲弾性部材26までも切断してしまうことになり、本末転倒の結果となる。これに対して、図示例のように、背側湾曲弾性部材26が臀裂部幅方向弾性部材27の非収縮部分43ではなく非存在部を通り非収縮部分43まで連続すると、より効果的に背側湾曲弾性部材26により股間部を後方へ引き上げる構造となり、また、製造に際して背側湾曲弾性部材26が切断されることもない。
また、湾曲弾性部材26,28及び臀裂部幅方向弾性部材27の固定のためのホットメルト接着剤の塗布量は、臀裂部幅方向弾性部材27の存在部分41と臀裂部幅方向弾性部材27の非存在部分44とで同じとしても良いが、臀裂部幅方向弾性部材27の存在部分41よりも臀裂部幅方向弾性部材27の非存在部分44の方が少ない構成としても、臀裂部幅方向弾性部材27が存在しないことにより強度が低下することがなく、むしろレッグ開口の縁部を柔軟なものとすることができる。さらに、後述する製造方法からも分かるように、臀裂部幅方向弾性部材27を幅方向全体にわたり取り付けた後に、臀裂部幅方向弾性部材27における非伸縮部分となる領域のみを細かく切断するだけで、臀裂部幅方向弾性部材27における非収縮部分43よりも側方の部分が、後にレッグ開口の打ち抜きにより切除される部分内に引き込まれ、自動的に臀裂部幅方向弾性部材27の非存在部分44が形成されるようになる。なお、ホットメルト接着剤の塗布量が少ないことには全く塗布しないことも含まれる。また、この塗布量は、湾曲弾性部材26,28の固定のためのホットメルト接着剤と臀裂部幅方向弾性部材27の固定のためのホットメルト接着剤とが重なる場合は両接接着剤の総塗布量を意味し、重ならない場合は臀裂部幅方向弾性部材27の固定のためのホットメルト接着剤のみの塗布量を意味する。
各部の幅は適宜定めることができるが、通常の場合、臀裂対向部の幅は内装体10の幅10Xの0.15〜0.40倍程度、側方延出部分42は内装体10の幅10Xの0.05〜0.35(片側のみ)倍程度、非収縮部分43は内装体10の幅10Xの0.25〜0.40倍(片側のみ)程度とすることができる。
臀裂対向部の収縮力作用部分(背側湾曲弾性部材26及び臀裂部幅方向弾性部材27を切断せずに残した幅方向中央領域)は、前後方向に延びる長方形状や、前側に向かうにつれて幅が広がる形状(例えば、底辺が前側に位置する二等辺三角形状や、その二等辺が曲線のラッパ状)であっても良いが、臀裂対向部の前端部から前後方向中間までは後側に向かうにつれて幅が拡大し、それよりも更に後側では後側に向かうにつれて幅が縮小する形状を有していると、特に臀裂に対して好適にフィットする屈曲フィット部40が形成されるため好ましい。
臀裂対向部の収縮力作用部分の寸法は適宜定めることができるが、幅は内装体10よりも狭く、例えば内装体10の幅10Xの0.15〜0.40倍程度とするのが望ましく、前後方向長さは内装体10の前後方向長さの1/5〜1/2程度とするのが望ましい。また、その前端は前後方向中央又はその近傍に位置しているのが好ましい。前述の切断パターンにおける非切断部分NCは、収縮力作用部分と同じ形状で、同じ又は若干大きめの寸法となる。また、後述の吸収体13に設ける溝13D又はスリットの前後方向長さ及び幅は、この収縮力作用部分より短くても、長くても、同じでも良いが、幅については収縮力作用部分未満とするのが好ましい。
(内装体固定領域)
内装体10は、図3及び図5に示すように、その裏面の適宜の領域81〜84にホットメルト接着剤Gを塗布し、外装シート20の内面に固定することができるが、図示例のように、脚の動きに対する内装体10の追従性を向上させる観点から、股間部における固定領域81の幅を狭くする、例えば内装体10の幅10Xの30〜45%程度とするのが好ましく、股間部の前後両側の固定領域82,83は内装体10をしっかりと固定するために幅を広くし、特に両側縁近傍まで延在させるのが好ましい。
このような形状の固定領域81〜84は、ホットメルト接着剤Gを幅方向に複数列並べて塗布するとともに、中間部については前後方向に連続的に、両側部については間欠的(股間部では塗布せず)に、それぞれ塗布することにより形成することができる。
ただし、股間部における固定領域81の幅を狭くする際、その幅の狭い領域を過度に後方に延在させると次のような問題がある。すなわち、背側湾曲弾性部材26により股間部を後方へ引き上げるには、背側湾曲弾性部材26及び臀裂部幅方向弾性部材27は間隔空けて複数本設けられるとともに、少なくとも一本の背側湾曲弾性部材26が最も前側に位置する臀裂部幅方向弾性部材27の前側に膨出するように配置されているのが好ましい。しかしその場合、外装シート20における最も前側に位置する背側湾曲弾性部材26の幅方向外側であってかつ最も前側に位置する臀裂部幅方向弾性部材27の前側の領域84が内装体10に固定されていないと、当該領域84においてレッグ開口の縁部が外側に捲れ易くなる。そこで、本実施形態では、股間部における接着幅の狭い領域81を後側に過度に延在させず、後方の幅の広い固定領域83を、外装シート20における最も前側に位置する背側湾曲弾性部材26の幅方向外側であってかつ最も前側に位置する臀裂部幅方向弾性部材27の前側の領域84まで延在させて、当該領域84を内装体10に固定し、捲れを防止するように構成している。
(縦方向の弾性変形時引張応力のバランス)
また、臀裂対向部のフィット性を良好にするためには、前身頃Fにおける縦方向の弾性変形時引張応力が、後身頃Bにおける縦方向の弾性変形時引張応力よりも大きくなる前後収縮力バランスとするのが好ましい。 図示例では、前身頃F及び後身頃Bにおいて股間部をウエスト側に持ち上げるように縦方向成分の収縮力を発揮する引上げ弾性部材として湾曲弾性部材26,28が設けられており、その前後収縮力バランスにより、前身頃Fにおける縦方向の弾性変形時引張応力が、後身頃Bにおける縦方向の弾性変形時引張応力よりも大きくなるように構成されている。弾性変形時引張応力は、おむつの両サイドシール部21,22を剥がして展開状態にした後、測定対象身頃のウエスト開口縁部と、測定対象でない反対の身頃の股間側端部とを引張試験機のチャックでそれぞれ掴み、引張試験を行うことにより計測することができる。弾性変形時引張応力の差は適宜定めることができるが、前身頃Fにおける80%伸び時(弾性限界の伸び(ひずみ)を100%としたとき)の縦方向の弾性変形時引張応力が、後身頃Bにおけるそれの1.1〜1.2倍程度であるのが好ましい。なお、このことからも分かるように、弾性変形時引張応力の大小は同じ伸び(弾性限界の伸びを100%としたとき、伸びが65〜95%の範囲内とするのが好ましい)での大小を意味する。
このように前身頃F及び後身頃Bに引上げ弾性部材26,28を設けて、前身頃Fにおける縦方向の弾性変形時の引張応力を後身頃Bのそれよりも大きくすると、図10及び図11に示すように、装着状態においては、後身頃Bの引上げ弾性部材26による収縮力に抗する前身頃Fの引上げ弾性部材28による収縮力によって、おむつの股間部が前側に移動しつつ持ち上がって股間にフィットし、これに伴い屈曲フィット部40の前端部が前側に引っ張られ、その結果として屈曲フィット部40はその屈曲状態を維持したまま臀裂にフィットするようになる。よって、臀裂から股間にかけて良好にフィットするとともに、そのフィットが身体の動きに追従して弾力的に維持され、装着時に股間部がモコモコし難くなる。これに対して、従来の一般的なパンツタイプ使い捨ておむつでは、図12に示すように、臀裂対向部が膨出して肌から大きく離間する結果、股間部がモコモコし、普通の下着と顕著に異なる違和感が発生する。
図示例では、引上げ弾性部材は湾曲弾性部材26,28のみで構成している。湾曲弾性部材26,28は、前身頃Fにおいては鼠蹊部に対するフィット性を向上させ、後身頃Bにおいては臀部の膨らみに対するフィット性を向上させる機能も有するものである。もちろん、湾曲弾性部材26,28に代えて又はこれとともに、細長状、シート状等の弾性部材を幅方向中間部に縦方向に沿って伸長状態で固定し、引き上げ弾性部材としても良い(図示略)。湾曲弾性部材26,28を他の種類の引き上げ弾性部材と組み合わせて用いる場合、図示例とは異なり、湾曲弾性部材26,28を、前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ設け、他方に他の引き上げ弾性部材を設けるだけでも良い。
特に、図示例のような湾曲弾性部材26,28を設ける場合、内装体10の側縁より幅方向外側の部位では、後身頃Bにおける湾曲弾性部材26の縦方向間隔が、前身頃Fにおける湾曲弾性部材28の縦方向間隔よりも広い配置となっていると、前身頃Fの湾曲弾性部材28によって鼠蹊部に入り込むようなフィット性が発揮され、後身頃Bの湾曲弾性部材26によって臀部の膨らみが包まれるようなフィット性が発揮されるだけでなく、屈曲フィット部40がその屈曲状態を維持したまま臀裂にフィットする際、臀裂に対してきつく食い込むといった事態が発生し難くなるため好ましい。
前述の前後収縮力バランスは、各身頃F,Bにおける縦方向の弾性変形時引張応力の因子、例えば引上げ弾性部材26,28の太さ、伸長率、本数等の少なくとも一つを前後で異ならしめることにより実現できる。引上げ弾性部材26,28の太さ等を調整する場合、引上げ弾性部材26,28の本数は、おむつのサイズや配置に応じて定めるのが好ましいため、その配置及び本数を基本として、前述の前後収縮力バランスが得られるように、太さ及び伸長率の少なくとも一方を、後身頃Bよりも前身頃Fが太く又は高くなるようにするのが好ましい。
具体的に、図示例の場合には次の範囲内で各部の仕様を定めるのが好ましい。なお、弾性部材の太さの単位をdtexに統一しているが、合成ゴムに限定するものではなく、天然ゴムを用いることもでき、天然ゴムを用いる場合の単位dtexとは、当該dtexの合成ゴムと同等のSSカーブを有する天然ゴムの太さ(例:ウエスト部弾性部材24に天然ゴムを用いる場合は0.5mm〜3.0mm)を意味するものである。
・外装シート20
素材:不織布
坪量:15〜45g/m2、特に17〜21g/m2
・前身頃F及び後身頃Bのウエスト部弾性部材24
太さ:310〜1,240dtex、特に940〜1,240dtex
本数:5〜10本、特に8〜10本(各身頃)
間隔:0〜5mm、特に3〜5mm
固定時の伸長率:200〜350%、特に250〜300%
・前身頃Fの腰回り部弾性部材25
太さ:310〜1,240dtex、特に310〜620dtex
本数:6〜26本、特に8〜20本
間隔:5〜40mm、特に15〜35mm
固定時の伸長率:180〜350%、特に250〜300%
・後身頃Bの腰回り部弾性部材25
太さ:310〜1,240dtex、特に310〜620dtex
本数:6〜24本、特に9〜20本
間隔:5〜40mm、特に15〜35mm
固定時の伸長率:200〜350%、特に250〜300%
・臀裂部幅方向弾性部材27
太さ:310〜1,240dtex、特に470〜620dtex
本数:5〜20本、特に9〜10本
間隔:5〜20mm、特に10〜16mm
固定時の伸長率:200〜350%、特に250〜330%
・前身頃Fの湾曲弾性部材28
太さ:310〜1,240dtex、特に620〜940dtex
本数:3〜10本、特に5〜10本
間隔:10〜35mm、特に16〜32mm
固定時の伸長率:230〜380%、特に250〜300%で且つ後身頃Bの湾曲弾性部材26より高い伸長率
・後身頃Bの湾曲弾性部材26
太さ:310〜1,240dtex、特に620〜940dtex
本数:3〜10本、特に5〜10本
間隔:10〜35mm、特に16〜32mm
固定時の伸長率:200〜350%、特に250〜300%
(内装体の構造例)
内装体10は、図4〜図6に示すように、不織布などからなる液透過性表面シート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性裏面側シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、表面シート11を透過した排泄液を吸収保持するものである。
吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う液透過性表面シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。液透過性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。液透過性表面シート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在している。
吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う液不透過性裏面側シート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができ、図示例では平面形状を略方形状として成形されたものが使用され、その幅寸法は股間部への当たりによって着用者にゴワ付き感を与えない寸法幅となっている。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。吸収体13の形状は、図示形態のように長方形状とする他、背側及び腹側に対して股間部の幅が狭い砂時計形状(括れ形状)とすることもできる。
なお、上述の屈曲フィット部40は、吸収体13における臀裂対向部に縦方向に沿う溝13Dやスリットを設ける等によってその形成を補助することもでき、その場合、適切な位置を折り目として屈曲フィット部40が形成され、またその形状も維持され易くなる。
内装体10の両側部には脚周りにフィットする立体ギャザーBSが形成されているのが好ましい。この立体ギャザーBSはギャザー不織布15により形成される、ギャザー不織布としては、図5及び図6に示されるように、折返しによって二重シートとした不織布が好適に用いられ、液透過性表面シート11によって巻き込まれた吸収体13の側縁部をさらにその上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して接着されている。より具体的には、ギャザー不織布15は、おむつ1の長手方向中間部では、立体ギャザーBS形成部分を残し、幅方向中間部から吸収体13の裏面側に亘る範囲がホットメルト接着剤等によって接着され、また長手方向前後端部では、幅方向中間部から一方側端縁までの区間が吸収体13の裏面側に亘る範囲で接着されるとともに、立体ギャザーBSを形成する部分を吸収体13の上面部にて折り畳むようにしながらホットメルト接着剤等により接着している。
二重シート不織布によって形成されたギャザー不織布15の内部には、起立先端側部分に複数本の糸状弾性伸縮部材16が配設されている。糸状弾性伸縮部材16は、製品状態において図5に二点鎖線で示すように、弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものである。
液不透過性裏面側シート12は、二重シート状のギャザー不織布15の内部まで進入し、図5に示されるように、立体ギャザーBSの下端側において防漏壁を構成するようになっている。この液不透過性裏面側シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。
糸状弾性伸縮部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、伸長率は150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、糸状弾性伸縮部材に代えて、ある程度の幅を有するテープ状弾性伸縮部材を用いるようにしてもよい。
前述のギャザー不織布15を構成する素材繊維も液透過性表面シート11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらにギャザー不織布15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
(前後押えシート)
図1及び図4にも示されるように、外装シート20の内面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、且つ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、前後押えシート50,60が設けられている。図示形態について更に詳細に説明すると、前押えシート50は、前身頃F内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後押えシート60は、後身頃B内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。前後押えシート50,60の股下側縁部に幅方向の全体にわたり(中央部のみでも良い)若干の非接着部分を設けると、接着剤が食み出ないだけでなく、この部分を表面シートから若干浮かせて防漏壁として機能させることができる。
図示形態のように、前後押えシート50,60を別体として取り付けると、素材選択の自由度が高くなる利点があるものの、資材や製造工程が増加する等のデメリットもある。そのため、外装シート20をおむつ1内面に折り返してなる折り返し部分20Cを、吸収パッド200と重なる部分まで延在させて、前述の押えシート50,60と同等の部分を形成することもできる。
(パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法)
上述の非収縮部分43より側方全体が前記臀裂部幅方向弾性部材27の非存在部分44とされたパンツタイプ使い捨ておむつ1は、外装シート組立工程、弾性部材切断工程、レッグ開口切除工程、内装体貼り付け工程、並びにサイドシール及び個別化工程を含む公知の製法において、次のように、接着剤の塗布量変更及び特定の弾性部材の切断パターンを採用することで製造することができる。
すなわち、図14は外装シート組立工程及び弾性部材切断工程を示しており、図15は外装シート組立工程における状態変化を示している。外装シート組立工程では上側に連続帯状の内側層20Aが供給されるとともに、下側に連続帯状の外側層20Bが供給され、かつこれら内側層20A及び外側層20Bに対して、各弾性部材(ウエスト部弾性部材24、腰回り弾性部材25、湾曲弾性部材26,28、臀裂部幅方向弾性部材27)が供給され、ニップローラー部50において圧着されることにより外装シート20が連続的に組み立てられる。ウエスト部弾性部材24、腰回り弾性部材25、及び臀裂部幅方向弾性部材27は、移送方向(MD方向)に沿って直線的に導入され、コームガンやシュアラップノズル等の周面塗布装置51により弾性部材の周面にホットメルト接着剤G1,G2が塗布された後にニップローラー部50に供給され、内側層20Aと外側層20Bとの間に挟まれて固定される。一方、湾曲弾性部材26,28は、公知のトラバース装置52により移送方向と直交する横断方向(CD方向)に揺動しつつニップローラー部50に導入される。トラバース装置52は、先端部分に湾曲弾性部材26,28のガイド通路を有し、連続ウエブ(シート20A、20B)の横断方向への揺動を所定の速度で行うことにより、湾曲弾性部材26,28を所定の湾曲形状に配置するようにしたものである。湾曲弾性部材の固定のためのホットメルト接着剤G3は、予め内側層20A、外側層20Bの内の少なくとも一方側、図示例では外側層20Bに対して、上下方向に間隔をおき水平方向に沿って複数条の列を成すようにコーター53によってビード塗布されており、湾曲弾性部材26,28はニップローラー部50においてこの外側層20Bに塗布されたホットメルト接着剤によって固定される。
なお、各工程の状態を示す図15〜図20には、湾曲弾性部材26,28、及び臀裂部幅方向弾性部材27のみを示し、他の弾性部材は図示を省略している。
特徴的には、外装シート20組立工程において、図15(b)に示すように臀裂部幅方向弾性部材27に対するホットメルト接着剤G2の塗布が所定の間隔で変化され、移送方向に連続供給される臀裂部幅方向弾性部材27のうち、前述の幅方向弾性部材の非存在部分44(レッグ開口の縁部)となる領域A1、及びレッグ開口となる部分LP(後にレッグ開口切除工程で切除される部分)の側部領域A2(移送方向両側の領域)に配置される部分にはホットメルト接着剤G2が塗布されない(間欠塗布とされる)か、又は他の部位よりも少なく(臀裂部幅方向弾性部材27がその収縮力により固定が外れる程度)される。これ以外、すなわち臀裂部幅方向弾性部材27の存在部分41となる領域A3、及びレッグ開口となる部分LPの側部領域A2間に位置する中間領域A4では、臀裂部幅方向弾性部材27がしっかりと内側層20A及び外側層20Bに固定される塗布量でホットメルト接着剤G2が塗布される。
しかる後、各弾性部材24〜28が固定された連続帯状体20´は、図16に示すように、前述の非収縮部分43(臀裂対向部の側方に隣接する部位)となる領域を含む所定の切断パターンCPで弾性部材25〜28が細かく切断されて収縮力が殺される。より詳細には、各弾性部材24〜28が固定された連続帯状体20´は、周面に切断用の凸部が所定の切断パターンCPで配列されたエンボスロール54と、このエンボスロール54と対向する対向ロール55との間に通され、弾性部材25〜28がエンボスロール54の凸部および対向ロール55間での加圧および加熱の少なくとも一方により切断される。
この際、臀裂部幅方向弾性部材27は、前述の非存在部分44となる領域A1及びレッグ開口となる部分LPの側部領域A2では、ホットメルト接着剤G2,G3による固定がされていないか又は不十分となっており、レッグ開口となる部分LPの側部領域A2間に位置する中間領域A4ではホットメルト接着剤G2,G3によりしっかりと固定されているため、切断により非固定(又は固定不十分)側の張力が開放されると、収縮により内側層20A及び外側層20Bに対して移動し、レッグ開口となる部分LP側に引き込まれる。その結果、レッグ開口の縁部となる部分には臀裂部幅方向弾性部材27の非存在部分44が形成される。なお、このような引き込みのためには、臀裂部幅方向弾性部材27の非存在部分44となる領域の幅(移送方向長さ)をX1、レッグ開口となる部分LPの側部領域の幅をX2、臀裂部幅方向弾性部材27の固定時の伸長率をTとしたとき、
1 ≧ 100・X2/(T−100)
の関係を満たすように構成することが望ましい。
これに対して、図19(a)に示すように、臀裂部幅方向弾性部材27に対するホットメルト接着剤G2の塗布を一定として、臀裂部幅方向弾性部材27の全体を内側層20A及び外側層20Bにしっかりと固定すると、図19(b)に示す弾性部材切断工程後の状態及び図20に示すレッグ開口切断後の状態からも分かるように、臀裂部幅方向弾性部材27の引き込みは無く、レッグ開口の縁部に臀裂部幅方向弾性部材27が存在することとなる。
以降は、公知の製造方法に従って、図17に示すように、外装シート20となる連続帯状体20´に対して、移送方向に所定の間隔を空けて、レッグ開口となる部分LPを切除するレッグ開口切除工程、図18(a)に示すように、外装シート20となる連続帯状体20´上に、移送方向に所定の間隔を空けて、別途製造した内装体10を貼り付ける内装体貼り付け工程、及び図18(b)に示すように、内装体10を貼り付けた連続帯状体を、移送方向と直交する横断方向に二つ折りし、移送方向に所定の間隔を空けてサイドシール部21,22を形成するとともに、個々のおむつに切断するサイドシール・切断工程を経て、パンツタイプ使い捨ておむつ1を製造することができる。なお、レッグ開口となる部分LPに引き込まれた臀裂部幅方向弾性部材27の切れ端は、レッグ開口切除工程で切除される切除片20C内に取り込まれたまま廃棄される。
他方、上記製造方法例では、臀裂部幅方向弾性部材27のみレッグ開口側に引き込ませるようにしたが、外装シート20におけるレッグ開口と対応する縦方向範囲において幅方向に延在される細長状の幅方向弾性部材であれば、臀裂部以外の部位に設けられるものであっても、同様にレッグ開口に引き込ませてレッグ開口の縁部には存在させないようにすることができる。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつ及びその製造に利用できるものである。
1…パンツタイプ使い捨ておむつ、10…内装体、11…液透過性表面シート、12…液不透過性裏面側シート、13…吸収体、14…包装シート、15…ギャザー不織布、16…糸状弾性伸縮部材、20…外装シート、21,22…サイドシール部、24…ウエスト部弾性部材、25…腰回り弾性部材、26…背側湾曲弾性部材、27…臀裂部幅方向弾性部材、28…腹側湾曲弾性部材、26,28…湾曲弾性部材、29…レッグ開口縁、20C…外装シート折り返し部、81〜84…内装体固定領域、40…屈曲フィット部、41…存在部分、42…側方延出部分、43…非収縮部分、44…非存在部分、F…前身頃、B…後身頃、20A…内側層、20B…外側層、LP…レッグ開口となる部分。

Claims (5)

  1. 前身頃及び後身頃を形成する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前記前身頃における外装シートの両側部と後身頃における外装シートの両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び左右一対のレッグ開口が形成され、
    前記後身頃の外装シートにおける臀裂対向部の幅方向両側の部分が、前記内装体に固定された内装体固定領域と、この内装体固定領域の側縁より側方に延出する側方延出部分とを有している、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記臀裂対向部を横切って幅方向に延在する細長状の臀裂部幅方向弾性部材が、その延在方向に所定の伸長率で伸長された状態で前記外装シートに固定されており、
    前記臀裂対向部の側方に隣接する部位で前記臀裂部幅方向弾性部材が細かく切断されて収縮力が作用しない非収縮部分が形成されるとともに、この非収縮部分より側方全体が前記臀裂部幅方向弾性部材の非存在部分とされている、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記外装シートは、外側層と内側層とを貼り合わせてなり、
    前記臀裂部幅方向弾性部材は、前記外側層と内側層との間に挟まれかつホットメルト接着剤により外側層及び内側層に固定されており、
    前記臀裂部幅方向弾性部材の固定のためのホットメルト接着剤の塗布量は、前記臀裂部幅方向弾性部材の存在部分よりも前記臀裂部幅方向弾性部材の非存在部分の方が少ない、
    請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  3. 後身頃の右のサイドシール部から後身頃の右のレッグ開口縁に沿って前側に向かいつつ左側に向かうように湾曲して後身頃の幅方向中央部に位置する臀裂対向部に至り、臀裂対向部において後側に折り返され、更に左側に向かいつつ後側に向かうように湾曲して後身頃の左のレッグ開口縁に沿って後身頃の左のサイドシール部に至る;細長状の背側湾曲弾性部材が、その長手方向に所定の伸長率で伸長された状態で前記外装シートに固定されており、
    前記背側湾曲弾性部材も前記非収縮部分で細かく切断されており、
    前記背側湾曲弾性部材及び臀裂部幅方向弾性部材は間隔空けて複数本設けられるとともに、少なくとも一本の背側湾曲弾性部材が前記臀裂部幅方向弾性部材の非存在部を通り前記非収縮部分まで連続するように構成されている、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前身頃及び後身頃を形成する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前記前身頃における外装シートの両側部と後身頃における外装シートの両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び左右一対のレッグ開口が形成され、
    前記レッグ開口と対応する縦方向範囲では、外装シートにおける幅方向両側の部分が、前記内装体の側部と重なる側部重なり部分と、前記内装体の側縁より側方に延出する側方延出部分とを有しており、かつこの側方延出部分の側縁により前記レッグ開口の縁部が形成されており、
    前記外装シートにおける前記レッグ開口と対応する縦方向範囲に、幅方向中間の所定部位を横切って幅方向に延在する細長状の幅方向弾性部材がその延在方向に所定の伸長率で伸長された状態で固定されており、
    前記所定部位の側方に隣接する部位で前記幅方向弾性部材が細かく切断されて収縮力が作用しない非収縮部分が形成されるとともに、この非収縮部分より側方全体が前記幅方向弾性部材の非存在部分とされている、
    パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法において、
    連続帯状の外側層及び連続帯状の内側層をその連続方向に沿って移送しつつ貼り合わせるとともに、これら外側層及び内側層間に移送方向に沿って前記幅方向弾性部材を前記伸長状態で挟むともに外側層及び内側層に対してホットメルト接着剤で固定することにより、前記外装シートとなる連続帯状体を形成する外装シート組立工程と、
    この外装シートとなる連続帯状体において、前記移送方向に所定の間隔を空けて、前記レッグ開口となる部分を切除するレッグ開口切除工程と、
    前記外装シート組立工程で、前記幅方向弾性部材の非存在部分となる領域及びレッグ開口となる部分の側部領域における、前記幅方向弾性部材を固定するためのホットメルト接着剤の塗布量を、他の領域よりも少なくし、
    前記外装シート組立工程の後であって前記レッグ開口切除工程よりも前に、前記非収縮部分となる領域で前記幅方向弾性部材を細かく切断することにより、前記幅方向弾性部材の非存在部分となる領域及びレッグ開口となる部分の側部領域に位置する幅方向弾性部材を収縮させて前記レッグ開口となる部分に引き込ませ、
    前記レッグ開口切除工程で、前記幅方向弾性部材を引き込んだレッグ開口となる部分を切除する、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  5. 前記所定部位が臀裂対向部であり、前記幅方向弾性部材が前記臀裂対向部を横切って幅方向に延在する臀裂部幅方向弾性部材である、請求項4記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
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