WO2020004335A1 - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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齋藤 和彦
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/56Apparatus specially adapted for continuous coating; Arrangements for maintaining the vacuum, e.g. vacuum locks

Definitions

  • Patent Literature 1 discloses a technique in which a mask is arranged between a film and an evaporation source to form non-film-forming regions on both side edges of the film (Patent Document 1). Reference 1 FIG. 2).
  • the deposition prevention plate 112 is provided between a main roller 133 and an evaporation source 111, which will be described later, and has an opening 112a.
  • the deposition preventing plate 112 functions as a mask that prevents particles from the evaporation source 111 from adhering to both ends of the main roller 133 in the Z-axis direction.
  • a position on the outer peripheral surface (support surface 133s) of the main roller 133 that faces the opening 112a in the Y-axis direction is a film forming position when the thin film L is formed on the base material F.
  • the evaporation source 111 faces this film formation position.
  • the transfer section 120 is a transfer chamber partitioned on the partition plate 102 and the outer wall of the vacuum chamber 101, and is disposed in the vacuum chamber 101 above in the Y-axis direction.
  • the exhaust line L1 is connected only to the film forming unit 110. However, by connecting another exhaust line to the transport unit 120, the transport unit 120 and the film forming unit 110 are independently exhausted. Is also good.
  • the first transport mechanism 130 includes an unwind roller 131, guide rollers 132 and 134, a main roller 133, and a take-up roller 135.
  • the unwind roller 131, the main roller 133, and the take-up roller 135 each include a rotation drive unit (not shown), and are configured to be rotatable at a predetermined rotation speed around the Z axis.
  • the substrate F is transported at a predetermined transport speed from the unwind roller 131 to the take-up roller 135 in the vacuum chamber 101.

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Abstract

本発明の一形態に係る成膜装置は、第1の搬送機構と、第2の搬送機構と、成膜部とを有する。上記第1の搬送機構は、長尺の基材を搬送する。上記第2の搬送機構は、成膜位置において、上記基材の成膜面の幅方向両端を被覆する一対のテープ状マスクを搬送する。上記成膜部は、上記成膜位置に対向して設けられた成膜源を有し、上記成膜面と上記一対のテープ状マスクに薄膜を形成する。

Description

成膜装置及び成膜方法
 本発明は、蒸発材料を蒸発させて基材上に当該蒸発材料の膜を形成する成膜装置及び成膜方法に関する。
 従来、巻出しローラから巻き出された基材をメインロールに巻き付けながら、基材上に蒸発材料の薄膜を形成し、当該基材を巻取りローラにより巻き取る方式の成膜装置が知られている。
 近年では、上記したような成膜装置を扱う業界において、薄膜が形成された基材の使用用途等に応じて、成膜の過程で薄膜が形成された成膜領域と薄膜の形成されない非成膜領域を設ける必要性が生じてきた。
 そこで、このような背景から例えば特許文献1には、フィルムと蒸発源との間にマスクを配置することによって、フィルムの両側縁部に非成膜領域を形成する技術が記載されている(特許文献1図2参照)。
特許5024972号公報
 特許文献1に記載の成膜装置では、基材に薄膜が形成される成膜領域と、基材に薄膜が形成されない非成膜領域が形成される。この場合、非成膜領域には薄膜が形成されないため、非成膜領域は薄膜からの熱負荷を受けにくい。
 その結果、成膜領域と非成膜領域と間で温度差(温度分布)が生じ、成膜領域内の基材と非成膜領域内の基材の熱伸び量に差が生じるため、非成膜領域内の基材である基材の幅方向両端部にシワが発生する課題がある。
 以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、基材の幅方向両端付近にシワが発生することを抑制可能な成膜装置及び成膜方法を提供することにある。
 上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る成膜装置は、第1の搬送機構と、第2の搬送機構と、成膜部とを有する。
 上記第1の搬送機構は、長尺の基材を搬送する。
 上記第2の搬送機構は、成膜位置において、上記基材の成膜面の幅方向両端を被覆する一対のテープ状マスクを搬送する。
 上記成膜部は、上記成膜位置に対向して設けられた成膜源を有し、上記成膜面と上記一対のテープ状マスクに薄膜を形成する。
 上記構成によれば、基材の幅方向両端が一対のテープ状マスクで直接被覆される。これにより、基材の幅方向両端に粒子が堆積することが防がれる。
 上記構成によれば、テープ状マスクを介して基材全域に薄膜が形成される。これにより、非成膜領域は、マスキングされつつも成膜領域と同等の熱負荷を受ける。従って、基材の幅方向の温度分布が均一化されるため、非成膜領域と成膜領域の熱伸び量が均等になり、基材の幅方向両端にシワが発生することが抑制される。
 従って、基材の幅方向両端に伝わる熱量と基材の幅方向両端以外の部分に伝わる熱量との差異に起因したシワの発生が抑制される。即ち、基材の幅方向両端付近にシワが発生することが抑制される。
 上記マスクは、上記基材と熱伝導率が同一であってもよい。
 これにより、マスク上に形成された薄膜と成膜面に形成された薄膜からの基材への熱の伝わり方が均一化するため、基材の幅方向両端付近にシワが発生することがより効果的に抑制される。
 上記マスクは、上記基材と同一の材料からなるものであってもよい。
 上記第1の搬送機構は、上記成膜源に対向して設けられ、上記基材を支持する支持面を有するメインローラを有し、
 上記第2の搬送機構は、上記幅方向両端と上記支持面を被覆する一対のテープ状マスクを搬送し、
 上記成膜部は、上記成膜源と上記メインローラとの間に設けられ、開口部を有する防着板をさらに有し、上記開口部の開口縁は上記支持面を被覆する一対のテープ状マスクと対向してもよい。
 これにより、基材の幅方向両端付近にシワが発生することを抑制しつつ、成膜源由来の粒子が支持面上に堆積することをより効果的に防止することができる。
 上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る成膜方法は、
 成膜位置に向けて基材が搬送される。
 上記成膜位置において、上記基材の成膜面の幅方向両端を被覆する一対のテープ状マスクが搬送される。
 上記成膜位置に対向して設けられた成膜源によって、上記成膜面と上記一対のテープ状マスクに薄膜が形成される。
 以上のように、本発明によれば、基材の幅方向両端付近にシワが発生することを抑制可能な成膜装置及び成膜方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る成膜装置の構成例を示す模式図である。 上記成膜装置の構成例を示す模式図である。 上記成膜装置の成膜方法を示すフローチャートである。 上記成膜装置の成膜プロセスを示す模式図である。 従来の成膜装置の構成例を簡略的に示す模式図である。 図5の領域E3を拡大して示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る成膜装置の構成例を模式的に示す拡大図である。
 以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
 1.第1の実施形態
 [成膜装置の構成]
 図1は本発明の一実施形態に係る成膜装置100の構成例を示す模式図である。図1に示すX軸,Y軸及びZ軸方向は相互に直交する3軸方向を示し、本明細書の全図において共通である。
 成膜装置100は、図1に示すように、真空チャンバ101と、成膜部110と、搬送部120と、第1搬送機構130と、第2搬送機構140とを有する。
 (真空チャンバ)
 真空チャンバ101は密閉構造を有し、真空ポンプPを有する排気ラインL1に接続される。これにより、真空チャンバ101は、その内部が所定の減圧雰囲気に排気又は維持可能に構成される。また、真空チャンバ101は、図1に示すように、成膜部110と搬送部120をそれぞれ区画する仕切り板102を有する。
 (成膜部)
 成膜部110は、仕切り板102と真空チャンバ101の外壁により区画された成膜室であり、その内部に蒸発源111を有する。また、成膜部110は、排気ラインL1に接続されている。これにより、真空チャンバ101が排気される際には、先ず、成膜部110内が排気される。
 一方、成膜部110は搬送部120と連通しているため、成膜部110内が排気されると、搬送部120内も排気される。これにより、成膜部110と搬送部120との間に圧力差が生じる。この圧力差により、蒸発材料の蒸発流が搬送部120内に侵入することが抑制される。
 蒸発源111は、任意の蒸発材料を蒸発させる蒸発源であり、この蒸発材料を加熱する加熱機構(図示略)を有する。加熱機構の加熱温度は、例えば蒸発材料がリチウム金属である場合に、530℃~700℃程度である。蒸発源111は、例えば、抵抗加熱式蒸発源、誘導加熱式蒸発源又は電子ビーム加熱式蒸発源等である。
 成膜部110は、図1に示すように、防着板112を有する。図2は、蒸発源111側から見た成膜装置100の構成例を示す模式図である。なお、図2では、真空チャンバ101、蒸発源111及び排気ラインL1の図示を省略する。
 防着板112は、後述するメインローラ133と蒸発源111との間に設けられ、開口部112aを有する。防着板112は、メインローラ133のZ軸方向両端部に蒸発源111からの粒子が付着すること防ぐマスクとして機能する。本実施形態では、メインローラ133の外周面(支持面133s)のうち、Y軸方向において開口部112aと対向する位置が、基材Fに薄膜Lを形成する際の成膜位置となる。蒸発源111は、この成膜位置に対向する。
 (搬送部)
 搬送部120は、仕切り板102と、真空チャンバ101の外壁に区画された搬送室であり、真空チャンバ101内のY軸方向上方に配置される。本実施形態では、排気ラインL1を成膜部110にのみ接続したが、搬送部120にも別の排気ラインを接続することにより、搬送部120と成膜部110とを独立して排気してもよい。
 (第1搬送機構)
 第1搬送機構130は、巻出しローラ131と、ガイドローラ132,134と、メインローラ133と、巻取りローラ135とを有する。巻出しローラ131、メインローラ133及び巻取りローラ135は、それぞれ回転駆動部(図示しない)を備え、Z軸周りに所定の回転速度でそれぞれ回転可能に構成される。これにより、真空チャンバ101内において、巻出しローラ131から巻取りローラ135に向かって基材Fが所定の搬送速度で搬送される。
 巻出しローラ131は、成膜部110よりも基材Fの搬送方向上流側に設けられ、基材Fをメインローラ133へ送り出す機能を有する。巻出しローラ131とメインローラ133との間の適宜の位置には、独自の回転駆動部を備えていないフリーローラであるガイドローラ132が配置される。
 メインローラ133は、基材Fの搬送方向において巻出しローラ131と巻取りローラ135との間に配置される。メインローラ133は、基材Fを支持する支持面133sを有する。支持面133sは、メインローラ133のZ軸周りの外周面である。
 メインローラ133は、Y軸方向における下部の少なくとも一部が、仕切り板102に設けられた開口部102aを通って成膜部110に臨む位置に配置される。これにより、メインローラ133は、所定の間隔を空けて開口部102aに対向し、蒸発源111とY軸方向に対向する。
 メインローラ133は、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム等の金属材料で筒状に構成され、その内部に例えば温調媒体循環系等の温調ユニット(図示略)が設けられてもよい。温調ユニットに循環させる温媒としては、例えばシリコン油等の高沸点の有機媒体を用いることができ、冷媒としては水を用いることができる。メインローラ133の大きさは特に限定されないが、典型的には、Z軸方向の幅寸法が基材FのZ軸方向の幅寸法よりも大きく設定される。
 巻取りローラ135は、成膜部110より基材Fの搬送方向下流側に設けられ、巻出しローラ131から巻き出され成膜部110で薄膜Lが形成された基材Fを回収する機能を有する。メインローラ133と巻取りローラ135との間の適宜の位置には、独自の回転駆動部を備えていないフリーローラであるガイドローラ134が配置される。
 基材Fは、例えば、所定幅に裁断された長尺のフィルムである。基材Fは、例えば銅、アルミニウム、ニッケル又はステンレス鋼等の金属で構成される。または、基材Fは、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PPS(ポリフェニレンサルファイト)フィルム、PI(ポリイミド)フィルム等の樹脂フィルムであってもよい。あるいは、基材Fは、ITO(Indium Tin Oxide)付き樹脂フィルム等であってもよい。
 基材Fの厚さは、特に限定されず、例えば数μm~数十μmである。また、基材Fの幅や長さについても特に制限はなく、用途に応じて適宜決定可能である。
 (第2搬送機構)
 第2搬送機構140は、巻出しローラ141と、ガイドローラ142,143と、巻取りローラ144とを有する。巻出しローラ141及び巻取りローラ144は、それぞれ回転駆動部(図示しない)を備え、Z軸周りに所定の回転速度でそれぞれ回転可能に構成される。これにより、真空チャンバ101内において、巻出しローラ141から巻取りローラ144に向かって一対のテープ状マスクMが所定の搬送速度で搬送される。
 本実施形態では、第2搬送機構140が一対のテープ状マスクMを搬送する搬送速度は、第1搬送機構130が基材Fを搬送する搬送速度と同等であることが好ましい。これにより、成膜位置における基材Fとテープ状マスクMとの相対移動を防止でき、所望とするマスク精度を確保することができる。
 巻出しローラ141は、成膜部110よりも基材Fの搬送方向上流側に設けられ、一対のテープ状マスクMをメインローラ133へ送り出す機能を有する。一対のテープ状マスクMは、一方のマスクMと他方のマスクMとが幅方向(Z軸方向)に所定の間隔をあけて巻出しローラ141に支持される(図2参照)。なお、本明細書では、基材Fの幅方向を「幅方向」と記述する。
 巻出しローラ141とメインローラ133との間の適宜の位置には、独自の回転駆動部を備えていないフリーローラであるガイドローラ142が配置される。ガイドローラ142は、第1搬送機構130のガイドローラ132と協働して基材F及び一対のテープ状マスクMを挟持する。
 巻取りローラ144は、成膜部110より基材Fの搬送方向下流側に設けられ、巻出しローラ141から巻き出された一対のテープ状マスクMを回収する機能を有する。メインローラ133と巻取りローラ144との間の適宜の位置には、独自の回転駆動部を備えていないフリーローラであるガイドローラ143が配置される。
 テープ状マスクMは、例えば、所定幅に裁断された長尺のフィルムである。テープ状マスクMは、例えば銅、アルミニウム、ニッケル又はステンレス鋼等の金属で構成される。または、テープ状マスクMは、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PPS(ポリフェニレンサルファイト)フィルム、PI(ポリイミド)フィルム等の樹脂フィルムであってもよい。あるいは、テープ状マスクMは、ITO(Indium Tin Oxide)付き樹脂フィルム等であってもよい。ここで、テープ状マスクMは、基材Fと熱伝導率が同一の材料からなることが好ましく、基材Fと同一の材料からなることがより好ましい。
 テープ状マスクMの厚さは特に限定されず、例えば数μm~数十μmであるが、後述する成膜工程後の基材Fへの熱の伝わり方を鑑み、可能な限り薄いほうが好ましい。また、テープ状マスクMの幅や長さについても特に制限はなく、用途に応じて適宜決定可能である。テープ状マスクMは、基材Fよりも厚くてもよいし、同一であってもよいし、薄くてもよい。テープ状マスクMの幅は、基材Fの幅方向両端の非成膜領域の大きさに応じて決定される。
 巻出しローラ141、ガイドローラ142,144及び巻取りローラ144は、一対のテープ状マスクMを共通に支持するように構成されたが、これに限られず、これらのうち少なくとも1つが各テープ状マスクMについて個々に設置されてもよい。
 成膜装置100は、以上のような構成を有する。なお、成膜装置100の構成は図1及び図2に示す構成に限定されるものではなく、例えば、成膜部110、搬送部120、巻出しローラ131,141、メインローラ133、巻取りローラ135,144、ガイドローラ132,134,142,143の数や大きさ、配置等は適宜変更されてもよい。
 [成膜方法]
 図3は、成膜装置100の成膜方法を示すフローチャートである。以下、本実施形態の成膜方法について、図3を適宜参照しながら説明する。
 (ステップS01:排気処理)
 真空ポンプPを起動させ、真空チャンバ101内を排気し、成膜部110と搬送部120各々を所定の真空度に維持する。
 (ステップS02:搬送工程)
 次に、基材Fを支持する第1搬送機構130を駆動させ、基材Fを巻出しローラ131から巻取りローラ135に向けて搬送させる。これと同時に、一対のテープ状マスクMを支持する第2搬送機構140も駆動させ、一対のテープ状マスクMを巻出しローラ141から巻取りローラ144に向けて搬送させる。
 この際、巻出しローラ131,141、メインローラ133及び巻取りローラ135,144がZ軸周りに所定の回転速度で回転することで、基材F及び一対のテープ状マスクMは、ガイドローラ132,142によって搬送をガイドされながらメインローラ133へ搬送される。
 図4は、成膜装置100の成膜プロセスを示す模式図である。ガイドローラ132,142を通過した基材Fは、図2及び図4(a)に示すように、その幅方向両端部が一対のテープ状マスクMに被覆された状態となる。つまり、ガイドローラ132,142より搬送方向下流側においては、成膜面Fsの幅方向両端がテープ状マスクMに被覆された基材Fがメインローラ133に向かって搬送される。
 また、ステップS02では、基材F及び一対のテープ状マスクMの搬送と並行して、成膜部110内において、蒸発源111は、メインローラ133上の基材Fに向けて出射する蒸発材料の蒸気流を形成する。
 (ステップS03:成膜工程)
 巻出しローラ131,141、メインローラ133及び巻取りローラ135,144がZ軸周りに所定の回転速度で回転することによって、成膜面Fsの幅方向両端がテープ状マスクMに被覆された基材Fがメインローラ133の支持面133sに巻回される。そして、当該基材Fは、メインローラ133に支持されながら成膜部110内を通過する。
 テープ状マスクMに被覆された基材Fは成膜部110を通過する過程で、蒸発材料の粒子が基材Fの成膜面FsとマスクM上に堆積し、これらの上に薄膜Lが形成される(図4(b)参照)。薄膜Lの厚みは特に限定されず、例えば、数μm~数十μmである。
 (ステップS04:回収)
 続いて、成膜面Fsと一対のテープ状マスクMに薄膜Lが形成された基材Fは、ガイドローラ134,143によって搬送をガイドされながら、搬送方向下流側へ搬送される。そして、当該基材Fがガイドローラ134,143を通過すると、一対のテープ状マスクMが巻取りローラ144へ搬送され、基材Fが巻取りローラ135へ搬送されることによって、テープ状マスクMが基材Fから離間する。これにより、成膜面Fsの幅方向両端以外の部分に薄膜Lが形成された基材F(図4(c)参照)が巻取りローラ135へ搬送され、回収される。
 [作用]
 次に、本実施形態の成膜装置100の作用について、基材の成膜面の幅方向両端をハードマスクによりマスキングする方法(以下、従来法)と比較して説明する。図5は従来法を採用する成膜装置を簡略的に示す模式図であり、図6は図5の領域E3を拡大して示す模式図である。
 従来の成膜装置は、図5に示すように、ハードマスクを利用することで、基材に薄膜が形成される成膜領域E1と、基材に薄膜が形成されない非成膜領域E2が形成される。しかしながら従来法では、同図に示すように、非成膜領域E2には薄膜が形成されないため、非成膜領域E2は薄膜からの熱負荷を受けにくい。
 その結果、成膜領域E1と非成膜領域E2と間で温度差(温度分布)が生じ、成膜領域E1内の基材と非成膜領域E2内の基材の熱伸び量に差が生じるため、非成膜領域E2内の基材である基材の幅方向両端部にシワが発生する課題がある。
 また、ハードマスクを利用する従来法では、蒸発源から蒸発した粒子が基材とハードマスクとの間に入り込み、基材の幅方向両端に粒子が堆積してしまう場合がある(図6参照)。このため、マスク精度が低下し、薄膜の幅方向側面のエッジがでずに、薄膜が形成された基材の用途によっては、特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
 これに対し、本実施形態の成膜装置100は、一対のテープ状マスクMとマスクMに被覆されない成膜面Fsの両方に薄膜Lを形成する。即ち、テープ状マスクMを介して基材F全域に薄膜Lを形成するため(図4(b)参照)、非成膜領域(マスクMに被覆される基材F)は、マスキングされつつも成膜領域(マスクMに被覆されない基材F)と同等の熱負荷を受ける。
 これにより、基材Fの幅方向の温度分布が均一化されるため、非成膜領域と成膜領域の熱伸び量が均等になり、基材Fの幅方向両端にシワが発生することが抑制される。特に、マスクMが基材Fと熱伝導率が同一又はそれ以上の材料からなる場合や、マスクMが基材Fと同一の材料からなる場合は、その効果がより顕著となる。
 さらに、本実施形態の成膜装置100は、成膜後に一対のテープ状マスクMを基材Fから除去するため(図4(c)参照)、薄膜Lの幅方向のエッジが鮮明になる。
 2.第2の実施形態
 図7は、第2の実施形態の成膜装置200の構成例を模式的に示す拡大図である。以下、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、図7では、メインローラ133及び防着板112以外の図示を省略する。
 第2の実施形態の成膜装置200では、図7に示すように、第2搬送機構140が基材Fの幅方向両端と支持面133sを被覆する一対のテープ状マスクMを搬送する点で第1の実施形態と異なる。この場合、防着板112の開口部112aの開口縁112eは、同図に示すように、支持面133sを被覆するテープ状マスクMとY軸方向に対向する。
 即ち、開口部112aの幅方向の口径D1が、基材Fの幅D2より大きく、且つ、一対のテープ状マスクMのうち一方のマスクMの幅方向側面S1と他方のマスクMの幅方向側面S2との間の距離D3以下となるように構成される。
 この構成により、テープ状マスクMを介して基材F全域に薄膜Lが形成される。これにより、第1の実施形態と同様の作用効果(基材Fの幅方向両端付近にシワが発生することの抑止)が得られる。特に、第2の実施形態では、基材Fと防着板112との間から粒子が入り込んだとしても、開口部112aの口径D1を上記範囲とすることによって、支持面133sを被覆するテープ状マスクMによりこの粒子が支持面133sに堆積することが防がれる。
 即ち、第2の実施形態では、テープ状マスクMが基材Fの幅方向両端と支持面133sに跨り、開口部112aの口径D1が上記範囲内に設定されることによって、基材Fの幅方向両端付近にシワが発生することを抑制しつつ、蒸発源111由来の粒子が支持面133s上に堆積することをより効果的に防止することができる。
 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
 例えば、蒸発源111に保持される原料は典型的にはリチウム金属であるが、これに限られず、例えばインジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ガリウム(Ga)、ビスマス(Bi)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)等であってもよい。
 また、上記実施形態では、基材Fを搬送する搬送系と一対のテープ状マスクMを搬送する搬送系がそれぞれ別の搬送系であるがこれに限られず、本発明の成膜装置は、幅方向両端に予めテープ状マスクMが貼付けられた基材Fを搬送する構成であってもよい。
 さらに、上記実施形態では、成膜方法の一例として真空蒸着法が採用されるが、これに限られない。本発明は、高温で原料の粒子を生成して、基材F上に当該粒子を堆積させる成膜技術一般に適用可能である。具体的には、例えば分子線蒸着法、イオンプレーディング法又はイオンビーム蒸着法等が採用されてもよい。
 100,200・・・成膜装置
 110・・・成膜部
 111・・・蒸発源(成膜源)
 112・・・防着板
 112a・・開口部
 112e・・開口縁
 130・・・第1搬送機構
 133・・・メインローラ
 133s・・支持面
 140・・・第2搬送機構
 F・・・基材
 M・・・テープ状マスク

Claims (5)

  1.  長尺の基材を搬送する第1の搬送機構と、
     成膜位置において、前記基材の成膜面の幅方向両端を被覆する一対のテープ状マスクを搬送する第2の搬送機構と、
     前記成膜位置に対向して設けられた成膜源を有し、前記成膜面と前記一対のテープ状マスクに薄膜を形成する成膜部と
     を具備する成膜装置。
  2.  請求項1に記載の成膜装置であって、
     前記マスクは、前記基材と熱伝導率が同一である
     成膜装置。
  3.  請求項1又は2に記載の成膜装置であって、
     前記マスクは、前記基材と同一の材料からなる
     成膜装置。
  4.  請求項1から3のいずれか1つに記載の成膜装置であって、
     前記第1の搬送機構は、前記成膜源に対向して設けられ、前記基材を支持する支持面を有するメインローラを有し、
     前記第2の搬送機構は、前記幅方向両端と前記支持面を被覆する一対のテープ状マスクを搬送し、
     前記成膜部は、前記成膜源と前記メインローラとの間に設けられ、開口部を有する防着板をさらに有し、前記開口部の開口縁は前記支持面を被覆する一対のテープ状マスクと対向する
     成膜装置。
  5.  成膜位置に向けて基材を搬送し、
     成膜位置において、前記基材の成膜面の幅方向両端を被覆する一対のテープ状マスクを搬送し、
     前記成膜位置に対向して設けられた成膜源によって、前記成膜面と前記一対のテープ状マスクに薄膜を形成する
     成膜方法。
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