WO2019203151A1

WO2019203151A1 - 計器装置

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Publication number: WO2019203151A1
Application number: PCT/JP2019/015957
Authority: WO
Inventors: 今井　久; 哲水島; 芳行野上; 拓飯田; 敏重山; 大輔有福
Original assignee: 日本精機株式会社
Priority date: 2018-04-20
Filing date: 2019-04-12
Publication date: 2019-10-24

Abstract

斬新な見栄えの計器装置を提供する。表示を行うことで利用者に状態量を提供するアナログメーターＡと、アナログメーターＡを収容する下ケース４０と、下ケース４０の前面を覆い、透光性を有するレンズ７０と、下ケース４０に収容され、レンズ７０を通して視認可能に設けられ、曲面を為している反射面３０ａと、レンズ７０とを通る視線の少なくとも一部から見た際に視認可能であるように設けられ、構造色を発する微細加工部７０ａを備える計器装置。

Description

計器装置

　本発明は、車両、船舶等の移動体に搭載される計器装置に関する。

　特許文献１に開示されている計器装置は、文字板の表示部の奥行きを強調することで装飾効果を向上させるとともに、移動体の乗員に斬新感を与える計器装置である。

特開２００８－１６４３９２号公報

　しかし、上述のような計器装置であっても、未だ外観に斬新さを求める要望があった。
　そこで本発明の目的とするところは、上述課題に着目し、さらに斬新な見栄えで商品性の高い計器装置を提供することにある。

　上記目的を達成するため、本発明に係る計器装置は、
表示を行うことで利用者に状態量を提供する表示器と、
前記表示器を収容する筐体と、
前記筐体の前面を覆い、透光性を有する透視部材と、
前記筐体に収容され、前記透視部材を通して視認可能に設けられた反射面を有する反射部材と、
前記透視部材と前記反射面を通る視線の少なくとも一部から見た際に視認可能であるように設けられ、構造色を発する樹脂構造体を備える
ことを特徴とする。

　ここで構造色とは、光の波長あるいはそれ以下のオーダーの微細構造により光の干渉が生じる際に視認できる色である。構造体の表面に微細構造があると光の干渉が生じ、構造体を為す物質自体の色にかかわらず、色づいて見えることがある。この際に見える色が、構造色である。シャボン玉や、コンパクトディスクの記録面で見られ、透明樹脂材料の表面にナノインプリントで転写した微細構造でも見られる。

　またモスアイ処理は、透光性物体の表面形状を微細な周期構造（モスアイ構造）にする処理であり、モスアイフィルムの貼付、射出成形、ＵＶナノインプリントで付与できる。モスアイ構造は具体的には周期的な突起構造であり、望ましくはその突起のピッチが１００ｎｍ以上２５０ｎｍ以下、なおかつ突起の高さはピッチの長さより長いことが望ましい。

　ナノインプリントとして、例えば数ｎｍから数μｍのサイズの微細凹凸構造を有するモールドを用い、モールドの微細凹凸構造をレジスト層に転写することで実現できる。

　本発明によれば従来よりさらに斬新な見栄えで商品性の高い計器装置を提供することとなる。

本開示の計器装置の実施形態における外観を示す図。図１中の２－２断面図。

　以下に、本発明の計器装置を、車両に適用した実施形態として例にあげ、添付図面を用いて説明する。

　本開示の車両用表示装置１（計器装置）の外観は図１に示す通りであり、図２は図１中の２－２断面図を示している。車両用表示装置１の構成を図２を用いて示す。

　車両用表示装置１は、指針１０と、文字板２０（表示板）と、リング部材３０と、下ケース４０と、中ケース５０と、回路基板６０と、レンズ７０（透視部材）と、を備える。

　指針１０は主に指示部１１と、指針キャップ１２と、座部１３とを設ける。

　指示部１１は無色透明な合成樹脂材料で構成でき、この指示部１１が回動部から伝わる動力により回動軸Ｘを中心に回動し、指標部である目盛り２０ａや数字を指し示すことで、状態量を利用者（運転者）に提供する。

　指針キャップ１２は遮光性の樹脂で構成でき、指示部１１の回動中心部を覆うように設けられている。

　座部１３は、合成樹脂材料で構成することができ、指示部１１の回動軸Ｘを規定するように指示部１１と回動部とを連結する部材である。

　文字板２０は透光性合成樹脂材料を基材とし、情報出力方向の面（利用者側の面）には遮光性の印刷を施し、当該印刷の一部には抜き文字状に当該遮光性の印刷を施さない個所を設け、目盛り２０ａ（指標部）や文字、警告表示部２０ｂを形成している。

　リング部材３０は環状の樹脂部品であり、その表面には反射面３０ａ（反射部材）が形成されている。反射面３０ａの反射特性は、光の反射時に光を拡散しても良いが、反射面３０ａを通して後述する微細加工部７０ａを視認したときに、少なくともその構造色を視認できる程度の反射特性である必要がある。反射面３０ａは例えばニッケル、ロジウム、クロムなどによる銀メッキ加工が適用できる。また目盛り２０ａの周囲を取り囲むように設けられている。

　指針１０と、目盛り２０ａにて、アナログメーターＡ（表示器）を構成しており、図１の図面中左側のアナログメーターＡはスピードメーターであり、図面中右側のアナログメーターＡはタコメーターである。

　下ケース４０は凹状の筐体であり、凹部に車両用表示装置１が備える他の各部材を公知の手段で保持している。材料には遮光性の樹脂が適用でき、例えばポリプロピレンが適用できる。

　中ケース５０は車両用表示装置１の内部の構造物の位置を規定する保持構造物であり、例えばポリプロピレンで形成できる。後述する文字板照明６０ｂの光線をより文字板２０に向けて効率よく反射できるようグロス値が高い表面処理が為され、形状も図のように文字板照明６０ｂから遠ざかるに連れてせり上がるような形状を成している。

　回路基板６０は例えば板状のガラスエポキシ材に銅箔の配線パターンが印刷されたプリント基板を適用でき、中ケース５０の裏面に配置される。回路基板６０は、制御部６０ａと、文字板照明６０ｂと、指針照明６０ｃと、回動部６１とを有する。

　制御部６０ａはプログラムや入力されたデータ、演算経過、演算結果等を保持する記憶部、記憶部に保持された情報に基づいて所定の演算処理を行う演算部、また他機器との接続用インターフェース等を設けたマイクロコンピュータで構成し得る。回路基板６０、外部接続用コネクタを介して車両用表示装置１の外部の種々の電子機器から車両情報、経路案内情報等を受信し、アナログメーターＡへその時点でのエンジン回動数や車速といった車両情報を送信する。

　文字板照明６０ｂと指針照明６０ｃは、例えば回路基板６０の運転者と対向する面に設けられた白色発光ダイオード（白色ＬＥＤ）であり、制御部６０ａと接続されている。制御部６０ａが発した制御信号に応じて発光することで文字板２０及び指針１０を照明している。文字板照明６０ｂが出射した光は中ケース５０に反射導光されることにより文字板２０を照明する。

　回動部６１は回路基板６０に実装され、制御部６０ａと接続されたステッピングモータが適用できる。車両情報を基に制御部６０ａが出力した信号により回動する。

　レンズ７０は、透光性の材料からなり、例えばアクリル樹脂が適用できる。またレンズ７０は下ケース４０の凹部の開口部を覆うように設けられている。

　レンズ７０はその裏面（情報出力方向と反対側の面、文字板２０と対向する面）に微細加工部７０ａを有する。微細加工部７０ａは、構造色を発するような加工／処理を施された樹脂構造体である。

　ここで構造色とは、光の波長あるいはそれ以下のオーダーの微細構造により光の干渉が生じる際に視認できる色のことである。構造体の表面に微細構造があると光の干渉が生じ、構造体を為す物質自体の色にかかわらず、色づいて見えることがある。この際に見える色が、構造色である。

　ここで、ナノインプリントとは、数ｎｍから数μｍのサイズの微細凹凸構造を有するモールドを用い、モールドの微細凹凸構造をレジスト層に転写する技術をいうものとする。

　また、ナノインプリントにより付与された平面状の微細構造は、微細構造に対してある程度斜めから視認した際に特に構造色を認識しやすいという特徴がある。

　上述の構成によれば、以下のような作用により斬新な見栄えの計器装置を提供することができる。

　本開示の計器装置は、表示を行うことで利用者に状態量を提供するアナログメーターＡと、アナログメーターＡを収容する下ケース４０と、下ケース４０の前面を覆い、透光性を有するレンズ７０と、下ケース４０に収容されレンズ７０を通して視認可能に設けられた反射面３０ａを有するリング部材３０と、レンズ７０と反射面３０ａを通る視線の少なくとも一部から見た際に視認可能であるように設けられ構造色を発する微細加工部７０ａを備える計器装置である。
　さらに、反射面３０ａは曲面形状を有している計器装置であってもよい。

　これにより、図２に示すように、視点Ｅから反射面３０ａ及び微細加工部７０ａを視認した場合、反射面３０ａが曲面であるため、より複雑な視線角度から微細加工部７０ａを視認することとなる。結果的により構造色の発色が斬新になり、斬新な見栄えの計器装置になる。

　また他の観点では、アナログメーターＡは、円周上に配設され状態量を表す目盛り２０ａを有する文字板２０、回動し目盛り２０ａを指示する指針１０、指針１０を回動する回動部６１を設け、反射面３０ａは、指針１０の回動軌道が為す円と同心の円弧状に配設されている計器装置であってもよい。

　また更に、反射面３０ａが環状を為している計器装置であってもよい。

　これにより、曲面を為し、同時に環状の反射面３０ａを通して微細加工部７０ａを視認することで、環の部分部分で様々な構造色を視認できるようになり、斬新な見栄えの計器装置になる。

　また他の観点では、微細加工部７０ａはレンズ７０の裏面に配設されている計器装置であってもよい。

　またさらには、レンズ７０は合成樹脂材料で形成され、裏面にはナノインプリントによるモスアイ処理がなされており、微細加工部７０ａはナノインプリントにより形成される計器装置であってもよい。

　モスアイ処理により、微細加工部７０ａが施されていないレンズ７０の透視部分の反射率が低下し、反射面３０ａの質感をより視認できやすくなり、つまり反射面３０ａの先に見える微細加工部７０ａが発する構造色も視認しやすくなることにつながる。よって、更に斬新な見栄えの計器装置になる。
　また、同一の方法により低反射処理と微細加工部７０ａが施されることで、境界部分での外観の乱れ（バリや変質）が生じる虞を少なくすることができる。

　微細加工部７０ａは筐体である下ケース４０や、今回図示しなかったが、例えば文字板２０とレンズ７０との間で筐体の内側面に、反射面と対向するように（間に遮蔽物が無いように、レンズ７０と反射面３０ａを通る視線の少なくとも一部から見た際に視認可能であるように）設けることもできる。また、当該内側面となる壁部は見返し部材であってもよい。

　したがって、斯かる指針部材によれば、斬新な見栄えの計器装置を提供することとなる。

　なお、本発明の計器装置を上述した実施形態の構成にて例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構成においても、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに表示の変更が可能なことは勿論である。

１車両用表示装置（計器装置）
　１０　指針
　　１１　指示部
　　１２　指針キャップ
　　１３　座部
　２０　文字板
　　２０ａ　目盛り（指標部）
　　２０ｂ　警告表示部
　３０　リング部材
　　３０ａ　反射面（反射部材）
　４０　下ケース
　５０　中ケース
　６０　回路基板
　　６０ａ　制御部
　　６０ｂ　文字板照明
　　６０ｃ　指針照明
　　６１　モーター（回動部）
　７０　レンズ
　　７０ａ　微細加工部（樹脂構造体）
Ａ　アナログメーター（表示器）
Ｅ　視点
Ｘ　回転軸

Claims

　表示を行うことで利用者に状態量を提供する表示器と、
前記表示器を収容する筐体と、
前記筐体の前面を覆い、透光性を有する透視部材と、
前記筐体に収容され、前記透視部材を通して視認可能に設けられた反射面を有する反射部材と、
前記反射面と対向するように設けられ、構造色を発する樹脂構造体を備える
ことを特徴とする計器装置。
　前記反射面は曲面形状を有している
ことを特徴とする請求項１に記載の計器装置。
　前記表示器は、円弧上に配設され状態量を表す指標部を有する表示板、回動し前記指標部を指示する指針、前記指針を回動する回動部を設け、
前記反射部材は、前記指針の回動軌道が為す円と同心の円弧状に配設されている
ことを特徴とする請求項１または２に記載の計器装置。
　前記反射部材は環状を為している
ことを特徴とする請求項３に記載の計器装置。
　前記樹脂構造体は前記透視部材の裏面に配設されている
ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の計器装置。
　前記透視部材は合成樹脂材料で形成され、裏面にはナノインプリントによるモスアイ処理がなされ、
前記樹脂構造体はナノインプリントにより形成される
ことを特徴とする請求項５に記載の計器装置。
　前記樹脂構造体は前記筐体に配設されている
ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の計器装置。