JP2006027546A - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】簡単な構成で車種毎の差別化を図ることができる車両用表示装置を提供する。
【解決手段】車両に搭載され、所望の意匠を用いて前記車両の状態を表示する表示器１０を備える車両用表示装置において、前記車両の運転者が目視可能なように前記表示器と前記運転者との間に介在し、前記所望の意匠を補助するための前記車両の車種に対応する補助意匠の形状に加工された補助意匠部２１を備える透光性補助部材２０をさらに備え、前記透光性補助部材２０を、前記表示器１０が発した表示光の透過によって光輝させることを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、車両用表示装置に関し、より詳細には、所望の意匠を用いて前記車両の状態を表示する表示器を備える車両用表示装置に関するものである。

一般に車両には、車両速度及びエンジン回転数等の計測値を表示する車両用表示装置が搭載されている。この車両用表示装置は、表面に目盛及び数字、文字または記号等の指標が設けられた文字板と、この文字板の前面に配置される指針と、計測量に応じて指針を駆動する内機と、回路パターンが設けられ内機が固定される配線板と、をメータケースに収容して構成している。

上述した文字板の指標は、例えば、前記指標に対応する意匠パターンを印刷抜きとして光透過性に形成し、それ以外の部分を黒色系印刷として光不透過性に形成している。そして、メータケース内（文字板の裏側）に設けているバルブの光を意匠パターンに透過させることで、指標を明るく照明して運転者に視認させている。

また、上述した車両用表示装置は、デザイン変更により、文字板上の各表示部の配置が変わって表示部の形状、寸法が変わる場合には、デザインの変更の度に文字板を新規に製造すると共に、他の構成部材である枠部材や基板をも新規に製造する必要があったため、製造コストが増大してしまうという問題が生じていた。

そこで、車両用表示装置には、前面または一部を液晶ディスプレイや有機ＥＬ（Electro Luminescence）素子などの表示デバイスを備えるものがあった。そして、このような車両用表示装置では、その表示デバイスに例えばウォーニング、インジケータ、ＡＴ（オートマチックトランスミッション）車のシフトポジション等を表示するようにしていた。

また、運転者に対する新たな視覚効果を得るための車両用表示装置が提案されてきた。該車両用表示装置は、文字板の表面側に文字板から離間させて透明カバーを配設し、該透明カバー部分に文字板に対して浮遊状態となるように小表示部を配設するようにした。これにより、小表示部が文字板の表面に対して宙に浮いた状態に運転者に視認させることで、立体感のある新たな視覚効果を提供してきた（特許文献１）。
特開２００４−１３２７５６号公報

しかしながら、上述した特許文献１の車両用表示装置では、構成が複雑になってしまい、部品点数も増加してしまい、組付時の作業効率も低下してしまうことから、車両用表示装置のコストアップになってしまうため、高価格帯の車両には搭載できても、低価格帯の車両には搭載することは困難であった。

また、図５は表示デバイスによって従来のアナログ指針の様な表示をさせた場合の一例を示す図であり、自動車業界においては、図５に示すように表示デバイス５の表示面上に車種に応じたメータ等の表示内容を表示することで、同一の車両用表示装置１を用いて複数種類の車種に適用することが検討されている。

しかしながら、上述した表示デバイス５は、車両用表示装置１が起動していない状態では表示面は黒く、また、単に車両用表示装置１内に表示デバイス５を配置し、速度、回転数などの表示をした場合は、計器消灯時には何も見えなくなってしまい、停止時の意匠というものを表現できなくなってしまうため、計器全体的に立体感がなく、パーソナル・コンピュータ等のモニタの様な印象を与えてしまい、高級感を持たせることが困難であった。また、表示デバイス５のみの車両表示装置１では、車種（価格帯の異なる車）毎の差別化を図るには、表示デザイン、見易さなどで区別を付けるしかできなかった。

よって本発明は、上述した問題点に鑑み、簡単な構成で車種毎の差別化を図ることができる車両用表示装置を提供することを課題としている。

上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項１記載の車両用表示装置は、車両に搭載され、所望の意匠を用いて前記車両の状態を表示する表示器を備える車両用表示装置において、前記車両の運転者が目視可能なように前記表示器と前記運転者との間に介在し、前記所望の意匠を補助するための前記車両の車種に対応する補助意匠の形状に加工された補助意匠部を備える透光性補助部材をさらに備え、前記透光性補助部材を、前記表示器が発した表示光の透過によって光輝させることを特徴とする。

上記請求項１に記載した本発明の車両用表示装置によれば、表示器における所望の意匠に対応して車種毎の補助意匠が定められると、該補助意匠の形状に対応した補助意匠部が透光性補助部材に形成され、運転者と表示器との間に介在するように車両用表示装置に組み付けられる。そして、表示器の表示状態においては、表示器が発した表示光の透過によって透光性補助部材が光輝することで、所望の意匠と補助意匠部の双方が組み合わされた状態で運転者に視認される。また、表示器の非表示状態においては、運転者側の表面における外光の反射によって透光性補助部材が光輝することで、透光性補助部材の補助意匠部のみが運転者に視認される。

上記課題を解決するためになされた請求項２記載の発明は、請求項１に記載の車両用表示装置において、前記透光性補助部材は、透光性の平面基材で外形を形成し、該平面基材に前記補助意匠部を立体的に形成していることを特徴とする。

上記請求項２に記載した本発明の車両用表示装置によれば、平面基材に立体的に形成された補助意匠部を表示器からの表示光が透過する際の屈折により、運転者に表示器の表示内容を近くに視認させたり、遠くに視認させる。また、表示器の非表示状態においては、外光により立体的な補助意匠部を運転者に視認させる。

以上説明したように請求項１に記載した本発明の車両用表示装置によれば、表示器と運転者との間に透光性補助部材を介在させ、該透光性補助部材に表示器の所望の意匠を補助する車種に対応した補助意匠部を形成し、表示器の表示状態においては表示器からの表示光の透過によって光輝させ、非表示状態においては、外光の反射によって補助意匠部を光輝させるようにしたことから、所望の意匠に加えて補助意匠も運転者に視認させることができる。また、表示器が非表示状態であっても、外光によって補助意匠を運転者に視認させるができる。従って、車両の車種に対応した補助表示部を備える透光性補助部材を用いるという簡単な構成で、車種毎の差別化を図ることができる。また、透光性補助部材によって車種を差別することができるため、表示器の共通化を図ることが可能となり、車両用表示装置のコストダウンを図ることができる。さらに、低価格帯の車両に搭載する車両用表示装置は表示器のみで構成し、高価格帯の車両に搭載する車両用表示装置は表示器と透光性補助部材とを備える構成とすれば、様々な価格帯の車両に車両用表示装置を搭載することができる。

請求項２に記載の発明によれば、請求項１に記載の発明の効果に加え、透光性補助部材の補助意匠部を平面基材に立体的に形成したことから、表示器が非表示状態であっても、外光によって補助意匠部を運転者に立体的に視認させることができるため、所望の意匠と立体的な補助意匠部を組み合わせた斬新な表示形態を提供することができる。特に、表示器が指針などを用いない液晶ディスプレイ等になった場合でも、本発明の透光性補助部材によって車種毎の差別化を容易に図ることができる。

以下、本発明に係る車両用表示装置の一実施の形態を、図１〜図４の図面を参照して説明する。なお、従来の技術のところで説明したものと同一あるいは相当する部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。

ここで、図１は本発明に係る車両表示装置の分解斜視図であり、図２は図１の透光性補助部材の正面の一例を示す正面図であり、図３は図２の直線Ａ−Ａを通る矢印方向の断面図であり、図４は車両用表示装置における透光性補助部材の他の形態を説明するための図である。

図１において、１０は車両用表示装置を示し、該車両用車両のインストルメントパネルに組み込まれる車両用表示装置１０は、所望の意匠を用いて車両の状態を表示する表示器１０と、本発明に係る透光性補助部材２０と、を備えて構成している。

表示器１０は、表面に目盛及び数字、文字または記号等の指標１１ａが付された文字板１１と、該文字板１１の前面に配置される指針１２と、計測量に応じて指針１２を駆動する内機（図示せず）と、回路パターンが設けられて内機が固定される配線板（図示せず）と、を有して構成している。

なお、本最良の形態では、説明を簡単化するために、車両の速度を示す速度計である表示器１０のみを図１に記載しているが、他にも車両のエンジン回転数を示す回転計、燃料残量を示す燃料計等の表示器１０を基板３０に集約して組み付けていることを前提としている。そして、表示器１０としては、指針式の計器を用いずに、液晶ディスプレイや有機ＥＬ素子などの表示デバイスを用いて表示画像で表示する構成とすることもできる。

そして、本最良の形態では、文字板１１の指標１１ａと指針１２を協働して車両の状態である速度を表示するようにしていることから、指標１１ａと指針１２が請求項中の所望の意匠に相当している。また、表示器１０が表示デバイスの場合、その表示内容が前記所望の意匠に相当する。

透光性補助部材２０は、図１〜図３に示すように、運転席前方のインストルメントパネルの外形に対応した平板状に、透明樹脂、ガラス等の透明材料によって形成している。そして、透光性補助部材２０は、運転者が目視可能なように表示器１０と運転者との間に介在し、表示器１０の表示状態においては表示器１０が発した表示光の透過及び外光の反射によって光輝し、表示器１０の非表示状態においては外光の反射によって光輝する。

なお、本最良の形態では、透光性補助部材２０が表示器１０と図示しない表ガラスとの間に介在していることを前提とするが、該透光性補助部材２０を表ガラスとして用いるなど種々異なる形態とすることができる。

透光性補助部材２０には、表示器１０の所望の意匠を補助するための車両の車種に対応した補助意匠の形状に加工された補助意匠部２１を形成している。そして、該補助意匠部２１は、透光性補助部材２０が組み付けられた際に相対する表示器１０と相似した形状となっている。そして、表示器１０における所望の意匠に対応した車種毎の補助意匠が定められると、該補助意匠の形状に対応した補助意匠部２１を透光性補助部材２０に形成するようにしている。

本最良の形態では、図２及び図３に示すように、表示器１０の指針１２の回動中心に対応した中心位置から放射状に延びる複数の溝２１ａを、表示器１０の指標１１ａに重ならないように形成している。このように補助意匠部２１を形成することで、表示器１０の文字板１１のデザインが恰も旭光のように運転者から視認される。

また、表示器１０の文字板１１の指標１１ａに相対する補助意匠部２１の周縁付近はリング状の透視部２１ｂとなっており、運転者は該透視部２１ｂを透して指標１１ａを認識する構成となっている。なお、該透視部２１ｂに、車種に対応した特有の意匠を形成するような形態とすることもできる。

そして、表示器１０の指針１２が計測量に応じて回動されると、運転者は補助意匠部２１を介して指針１２の回動を視認することから、指針１２が補助意匠部２１の溝２１ａを通過するときに補助意匠部２１を透過する表示光の屈折が変化するため、指針１２の斬新な表示を運転者に視認させることができる。

次に、車両のウィンカー（点滅式方向指示灯）を表示する表示器１０’に対応した部分の透光性補助部材２０について説明する。

透光性補助部材２０はさらに、組み付けられた際に表示器１０’と相対する補助意匠部２１’を備え、平板状の基材２２に該補助意匠部２１’を立体的に形成している。そして、本最良の形態では、表示器１０’の指示方向に対応した三角錐として基材２２の表面から突出するように補助意匠部２１’を形成している。そして、表示器１０’が表示されると、その表示光が補助意匠部２１’を透過することから、その表示を立体的に運転者に視認させることができるという表示演出を提供することができるため、車種の差別化を図る際のアイテムとすることができる。

次に、上述した構成による車両用表示装置の動作（作用）の一例を、図面を参照して説明する。

表示器１０における所望の意匠に対応した車種毎の補助意匠が定められると、該補助意匠の形状に対応した補助意匠部２１が透光性補助部材２０に形成される。表示器１０の表示状態においては、表示器１０が発した表示光の透過、及び、外光の反射によって透光性補助部材２０は光輝する。その結果、表示器１０の指標（所望の意匠）１１ａと透光性補助部材２０の補助意匠部２１の双方が運転者によって視認される。また、表示器１０の非表示状態においては、その表面における外光の反射によって透光性補助部材２０が光輝することになり、その補助意匠部２１のみが運転者によって視認する。

また、車両の左折に応じて表示器１０’が点灯すると、基材２１に立体的に形成された補助意匠部２１’を表示器１０’からの表示光が透過する際の屈折により、運転者の視認角度によって表示器１０’の表示内容が近くに視認されたり、遠くに視認される。また、表示器１０’の非表示状態においては、外光により立体的な補助意匠部２１’が運転者に視認される。

以上の説明から本発明の車両用表示装置１によれば、表示器１０と運転者との間に透光性補助部材２０を介在させ、該透光性補助部材２０に表示器１０の所望の意匠を補助する車種に対応した補助意匠部２１を形成し、表示器１０の表示状態においては、表示器１０からの表示光の透過によって光輝させ、また、非表示状態においては、外光の反射によって補助意匠部２１を光輝させるようにしたことから、所望の意匠に加えて補助意匠も運転者に視認させることができる。

従って、車両の車種に対応した補助表示部２１を備える透光性補助部材２０を用いるという簡単な構成で、車種毎の差別化を図ることができる。また、透光性補助部材２０によって車種を差別することができるため、表示器１０の共通化を図ることが可能となり、車両用表示装置１のコストダウンを図ることができる。さらに、低価格帯の車両に搭載する車両用表示装置１は表示器のみで構成し、高価格帯の車両に搭載する車両用表示装置１は表示器と透光性補助部材とを備える構成とすれば、様々な価格帯の車両に車両用表示装置１を搭載することができる。

また、透光性補助部材２０の補助意匠部２１’を平面基材に立体的に形成したことから、表示器１０’が非表示状態であっても、外光によって補助意匠部２１’を運転者に立体的に視認させることができるため、所望の意匠と立体的な補助意匠部２１’を組み合わせた斬新な表示形態を提供することができる。特に、表示器１０’が指針などを用いない液晶ディスプレイ等になった場合でも、本発明の透光性補助部材２０によって車種毎の差別化を容易に図ることができる。

なお、上述した本最良の形態では、補助意匠部２１の断面の厚みがほぼ均一である場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、断面の厚みを車種等に対応させたて厚みを変化させるなど種々異なる形態とすることができる。

図４（ａ）は補助意匠部の正面図であり、図４（ｂ）は他の実施例１に対応する図４（ａ）中の直線Ｂ−Ｂを通る矢印方向の断面図であり、図４（ｃ）は他の実施例２に対応する図４（ａ）中の直線Ｂ−Ｂを通る矢印方向の断面図である。

まず、他の実施例１は、図４（ｂ）に示すように、上述した透視部２１ｂをテーパ状に形成し、その内部の中央部２１ｃを凸状のレンズとして形成している。また、他の実施例２は、図４（ｃ）に示すように、上述した透視部２１ｂの断面が周縁に向かうほどその厚みが薄くなるように形成し、中央部２１ｃを凹状のレンズとして形成している。このように補助意匠部２１を形成すれば、レンズ形状となった補助意匠部２１の裏側を指針１２が回動すれば、指針１２のより斬新な表示形態を提供することができるため、車両の車種の差別化をより一層図ることができる。

また、他の形態としては、上述した補助意匠部２１を、表示器１０の文字板１１の内から外に向かうほどその厚みを増やし、外側に向かうほど近くにあるように運転者に視認させたり、表示器１０の指針１２の回動方向に応じて厚みを変化させ、例えば危険な領域にを指示しているときに指針１２が近くにあるように運転者に視認させるなどの形態とすることもできる。このように透光性補助部材２０の種々異なる形態により、車両用表示装置の商品価値を変化させることができるため、より一層容易に車種毎の差別化を図ることができる車両用表示装置を提供することができる。

本発明に係る車両表示装置の分解斜視図である。 図１の透光性補助部材の正面の一例を示す正面図である。 図２の直線Ａ−Ａを通る矢印方向の断面図である。 車両用表示装置における透光性補助部材の他の形態を説明するための図である。 表示デバイスによって従来のアナログ指針の様な表示をさせた場合の一例を示す図である。

符号の説明

１ 車両用表示装置
１０ 表示器
２０ 透光性補助部材
２１ 補助意匠部

Claims (2)

1. 車両に搭載され、所望の意匠を用いて前記車両の状態を表示する表示器を備える車両用表示装置において、
   前記車両の運転者が目視可能なように前記表示器と前記運転者との間に介在し、前記所望の意匠を補助するための前記車両の車種に対応する補助意匠の形状に加工された補助意匠部を備える透光性補助部材をさらに備え、
   前記透光性補助部材を、前記表示器が発した表示光の透過によって光輝させる
   ことを特徴とする車両用表示装置。
2. 前記透光性補助部材は、透光性の平面基材で外形を形成し、該平面基材に前記補助意匠部を立体的に形成している
   ことを特徴とする請求項１に記載の車両用表示装置。

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