WO2019146460A1 - 電流電圧特性の測定方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、第1トランジスタのドレイン電流とドレイン・ソース間電圧との関係を示す電流電圧特性の測定方法であって、第1トランジスタに直列接続された電圧源及び電流源と、電流源となる誘導性負荷に対して逆向きに並列接続された整流素子とを用いて、ドレイン電流及びドレイン・ソース間電圧を設定する第1ステップと、第1トランジスタのスイッチング過渡状態におけるゲート・ソース間電圧及びゲート電流を測定する第2ステップと、ゲート・ソース間電圧及びゲート電流の測定結果を用いて第1トランジスタのゲート酸化膜に印加される電圧を算出し、その算出結果を用いて第1トランジスタの電流電圧特性を取得する第3ステップを有する。第1ステップにおいて、誘導性負荷に励磁電流を流す励磁期間には、第1トランジスタを介さない経路に励磁電流を分流させる。

Description

電流電圧特性の測定方法
 本明細書中に開示されている発明は、電流電圧特性の測定方法に関する。
 SPICE[simulation program with integrated circuit emphasis]等のコンピュータシミュレーションで用いられるトランジスタのデバイスモデルを作成する際には、その電流電圧特性(例えば、MOSFETのドレイン電流Idとドレイン・ソース間電圧Vdsとの関係を示すId-Vds特性)を測定することが必要不可欠である。なお、電流電圧特性の測定手段としては、カーブトレーサを用いることが多い。
 カーブトレーサは、例えば、トランジスタに所定のゲート・ソース間電圧を印加した状態でドレイン・ソース間電圧を掃引し、そのときに流れるドレイン電流を測定することでトランジスタの電流電圧特性を取得する。このとき、一点のドレイン電流を測定するためには、ドレイン・ソース間電圧のパルス印加時間として最短でも数十μsを必要とする。そのため、大電流・高電圧条件での発熱が大きくなるので、当該条件下で使用されるパワートランジスタの電流電圧特性をカーブトレーサで測定することは非現実的であった。
 図13は、カーブトレーサの測定範囲を示す電流電圧特性図である。なお、測定対象となるパワートランジスタ(例えば、高耐圧(1200V耐圧/80Apeak)のSiC-MOSFET)の電流電圧特性について、実線はカーブトレーサで測定することのできる部分を示しており、破線はカーブトレーサで測定することが現実的でない部分の一例を示している。また、本図中の一点鎖線は、パワートランジスタに誘導性負荷が接続されているときのスイッチング過渡特性を示す軌跡(負荷線)である。
 本図から、パワートランジスタの動作範囲がカーブトレーサの測定範囲を大きく逸脱していることが分かる。また、本図中の一点鎖線で示すパワートランジスタの負荷線には、大電流と高電圧が同時に印加される極大電力点Xが存在するが、この領域をカーブトレーサを用いて計測することは、装置の電力制限やパワートランジスタの発熱および破壊のために困難である。
 なお、通常のSi-MOSFETなどであれば、その飽和領域(例えばドレイン・ソース間電圧がピンチオフ点よりも高い電圧領域)において、ドレイン電流がほぼ一定値となる。従って、飽和領域の電流電圧特性については、ドレイン・ソース間電圧に依らずドレイン電流を一定値と看做すことにより、その実測を省略することができる。
 一方、SiC-MOSFETなどのパワートランジスタでは、チャネル長などに起因する短チャネル効果によって、飽和領域においても、電流電圧特性の傾きがゼロとならない(図中の破線を参照)。そのため、SiC-MOSFETの電流電圧特性を取得するに際して、仮にSi-MOSFETの電流電圧特性に倣って、その飽和領域におけるドレイン電流を一定値と看做した場合には、実際の電流電圧特性から大きく乖離した結果が得られることになり、デバイスモデルの精度にも大きな影響を及ぼすことになる。
 上記を鑑みると、特に、大電流・高電圧条件で用いられる一方で、当該範囲の電気特性推定が困難なパワートランジスタについて、精度の良いデバイスモデルを作成するためには、できるだけ発熱の少ない電流電圧特性の測定方法を新たに確立する必要がある。
 従来、カーブトレーサを用いることなくパワートランジスタの電流電圧特性を取得する手法も提案されている。例えば、非特許文献1では、スイッチング測定を用いて電流電圧測定を行っている。ここではドレイン電流の立ち上がり時間からSiC-MOSFETのゲート酸化膜に印加される電圧(=カーブトレーサで掃引されるゲート・ソース間電圧に相当)を算出し、その算出結果を用いてSiC-MOSFETの電流電圧特性を取得する手法が提案されている。
特開2017-181178号公報
Z.Chen et.al "Characterization and Modeling of 1.2 kV, 20 A SiC FETs" in Proc. IEEE Energy Convers. Congr. Expo. (ECCE '09), pp.1480-1487, Sep., 2009. 坂入寛之,柳達也,大嶽浩隆,黒田尚孝,谷川博章,中原健、高電圧・大電流領域のスイッチング特性を再現するSiC-FETチップモデル、回路とシステムワークショップ (電子情報通信学会主催) 論文集、Workshop on Circuits and Systems 29, 285-290, 2016-05-12
 しかしながら、非特許文献1の従来手法では、ドレイン電流の立ち上がり時間についてその始点や終点が明確でないことから、測定結果にばらつきを生じやすい。そのため、測定精度の面では更なる改善の余地があった。
 また、本願出願人は、従前より、カーブトレーサを用いることなく、低発熱で高精度にパワートランジスタの電流電圧特性を取得することのできる測定方法(特許文献1、非特許文献2)を提案している。しかし、この方法では、コイルの励磁期間におけるパワートランジスタの発熱について十分な検討がされておらず、更なる改善の余地があった。
 本明細書中に開示されている発明は、本願の発明者らにより見出された上記の課題に鑑み、発熱が少なく精度の高い電流電圧特性の測定方法を提供することを目的とする。
 本明細書中に開示されている電流電圧特性の測定方法は、測定対象となる第1トランジスタのドレイン電流(またはコレクタ電流)とドレイン・ソース間電圧(またはコレクタ・エミッタ間電圧)との関係を示す電流電圧特性の測定方法であり、前記第1トランジスタに対して直列接続された電圧源及び電流源と、前記電流源となる誘導性負荷に対して逆向きに並列接続された整流素子を用いて、前記ドレイン電流(または前記コレクタ電流)及び前記ドレイン・ソース間電圧(または前記コレクタ・エミッタ間電圧)を設定する第1ステップと、前記第1トランジスタのスイッチング過渡状態におけるゲート・ソース間電圧(またはゲート・エミッタ間電圧)及びゲート電流を測定する第2ステップと、前記ゲート・ソース間電圧(または前記ゲート・エミッタ間電圧)及び前記ゲート電流の測定結果を用いて前記第1トランジスタのゲート酸化膜に印加される電圧を算出し、その算出結果を用いて前記第1トランジスタの電流電圧特性を取得する第3ステップを有し、前記第1ステップにおいて、前記誘導性負荷に励磁電流を流す励磁期間中には、前記第1トランジスタを介さない経路に前記励磁電流を分流させる構成(第1の構成)とされている。
 上記第1の構成から成る測定方法は、前記第1トランジスタをオフしたまま、前記第1トランジスタに並列接続された少なくとも一つの第2トランジスタをオンすることにより前記第2トランジスタに前記励磁電流を分流させる構成(第2の構成)にしてもよい。
 また、第2の構成から成る測定方法において、前記第2トランジスタの電流容量は、前記第1トランジスタの電流容量よりも大きい構成(第3の構成)にしてもよい。
 また、第1~第3いずれかの構成から成る測定方法は、前記励磁期間の長さを変えながら、前記第1ステップと前記第2ステップを繰り返す構成(第4の構成)にしてもよい。
 また、上記第1~第4いずれかの構成から成る測定方法は、前記スイッチング過渡状態のうち、前記ドレイン・ソース間電圧(または前記コレクタ・エミッタ間電圧)が変化する領域において、前記ゲート・ソース間電圧(または前記ゲート・エミッタ間電圧)、前記ゲート電流、及び、前記ドレイン電流(または前記コレクタ電流)をそれぞれ測定する構成(第5の構成)にしてもよい。
 また、上記第1~第5いずれかの構成から成る測定方法は、前記第1トランジスタのターンオン時またはターンオフ時のいずれかで測定された前記ゲート・ソース間電圧(または前記ゲート・エミッタ間電圧)から、同じく前記第1トランジスタのターンオン時またはターンオフ時のいずれかで測定された前記ゲート電流に前記第1トランジスタの内部ゲート抵抗値を乗じた結果を減じることにより、前記第1トランジスタのゲート酸化膜に印加される電圧を算出する構成(第6の構成)にしてもよい。
 また、上記第1~第5いずれかの構成から成る測定方法は、前記第1トランジスタのターンオン時及びターンオフ時の双方で測定された前記ゲート・ソース間電圧(または前記ゲート・エミッタ間電圧)と、同じく前記第1トランジスタのターンオン時及びターンオフ時の双方で測定された前記ゲート電流の比を用いて、前記第1トランジスタのゲート酸化膜に印加される電圧を算出する構成(第7の構成)にしてもよい。
 また、上記第1~第7いずれかの構成から成る測定方法は、前記ドレイン電流の測定結果と、前記ゲート酸化膜に印加される電圧の算出結果を用いて、前記ゲート・ソース間電圧(または前記ゲート・エミッタ間電圧)に対する前記ドレイン電流(または前記コレクタ電流)の近似式を導出し、これを用いて前記第1トランジスタの電流電圧特性を取得する構成(第8の構成)にしてもよい。
 また、上記第1~第8いずれかの構成から成る測定方法において、前記第1トランジスタは、その飽和領域でも電流電圧特性の傾きがゼロとならない半導体素子である構成(第9の構成)にしてもよい。
 また、本明細書中に開示されている測定装置は、上記第1~第9いずれかの測定方法を用いて第1トランジスタの電流電圧特性を測定する構成(第10の構成)とされている。
 また、本明細書中に開示されているデバイスモデル作成方法は、第1~第9いずれかの測定方法で測定された第1トランジスタの電流電圧特性をパラメータ化することにより、前記第1トランジスタのデバイスモデルを作成する構成(第11の構成)とされている。
 また、本明細書中に開示されている測定装置は、測定対象となるトランジスタに対して直列接続された電圧源及び電流源となる誘導性負荷と、前記トランジスタに対して並列接続された少なくとも一つのスイッチ素子と、前記トランジスタ及び前記スイッチ素子のオン/オフ制御を行う制御部を有し、前記トランジスタのドレイン電流(またはコレクタ電流)とドレイン・ソース間電圧(またはコレクタ・エミッタ間電圧)との関係を示す電流電圧特性を測定するものであって、前記制御部は、前記誘導性負荷に励磁電流を流す励磁期間中には、前記トランジスタをオフしたまま、前記スイッチ素子をオンすることにより前記スイッチ素子に前記励磁電流を流し、前記励磁期間の後、前記スイッチ素子をオフするとともに前記トランジスタをオンさせて前記トランジスタに電流を流すことにより前記トランジスタの電流電圧特性を測定可能にさせる構成(第12の構成)とされている。
 なお、上記第12の構成から成る測定装置において、前記トランジスタは、20A以上の電流を流せるパワー(SiC)素子であり、前記スイッチ素子の許容電流容量は、前記トランジスタよりも大きい構成(第13の構成)にするとよい。
 また、上記第12又は第13の構成から成る測定装置は、前記制御部と前記トランジスタのゲートとの間に接続された外付けのゲート抵抗をさらに有する構成(第14の構成)にするとよい。
 本明細書中に開示されている発明によれば、発熱が少なく精度の高い電流電圧特性の測定方法を提供することが可能となる。
測定装置の第1実施形態(比較例)を示す等価回路図 第1実施形態におけるドレイン電流のステップ設定例を示すタイミングチャート ターンオン過渡特性のスイッチング波形図 ターンオフ過渡特性のスイッチング波形図 本測定方法で得られるId-Vgs特性図 本測定方法で得られるId-Vds特性図 Id-Vds特性の測定方法を示すフローチャート 第1実施形態におけるスイッチング波形図 励磁期間の拡大図 測定装置の第2実施形態を示す等価回路図 第2実施形態におけるスイッチング波形図 第2実施形態におけるドレイン電流のステップ設定例を示すタイミングチャート カーブトレーサの測定範囲を示すId-Vds特性図
<測定装置(第1実施形態)>
 図1は、スイッチ素子の電流電圧特性を測定するときに用いられる測定装置の第1実施形態(後出の第2実施形態(図10)と対比される比較例に相当)を示す等価回路図である。本実施形態の測定装置10は、電圧源11と、電流源12と、ダイオード13と、制御部14とを有し、スイッチ素子20について、その電流電圧特性(ここでは、スイッチ素子20のドレイン電流Idとドレイン・ソース間電圧Vdsとの関係を示すId-Vds特性)を測定する。また、測定装置10は、外付けのゲート抵抗15を有している。
 スイッチ素子20は、測定装置10の測定対象(DUT[device under test])となる半導体スイッチ素子であり、本図に示した例では、Nチャネル型MOS[metal oxide semiconductor]電界効果トランジスタM1(=第1トランジスタに相当)が用いられている。特に、今回提案する測定装置10を用いて電流電圧特性を測定することが望ましいと考えられるトランジスタM1としては、大電流かつ高電圧条件での使用が想定されており、かつ、その飽和領域においても電流電圧特性の傾き(=ΔId/ΔVds)がゼロとならないパワートランジスタ(20A以上の電流を流すことのできるSiC-MOSFETやGaNパワートランジスタなど)を挙げることができる。
 なお、本図で等価的に示したように、トランジスタM1のゲート・ソース間には、ゲート・ソース間寄生容量Cgsが付随しており、トランジスタM1のゲート・ドレイン間には、ゲート・ドレイン間寄生容量Cgdが付随している。トランジスタM1の入力容量Cissは、ゲート・ソース間寄生容量Cgsとゲート・ドレイン間寄生容量Cgdとの和(=Cgs+Cgd)として表すことができる。
 また、トランジスタM1のゲートには、内部ゲート抵抗Rinが付随しており、トランジスタM1のドレイン・ソース間には、図示の極性でボディダイオードD1が付随している。また、トランジスタM1には、寄生インダクタンスも付随しているが、ここでは、図示の便宜上、その描写及び説明を割愛する。
 スイッチ素子20各部の電圧や電流について、Vgsはゲート・ソース間電圧、Vgs(real)はゲート酸化膜に印加される電圧(実ゲート・ソース間電圧)、Vdsはドレイン・ソース間電圧、Idはドレイン電流、Igはゲート電流をそれぞれ示している。なお、ゲート電流Igが流れているときには、内部ゲート抵抗Rinの両端間に電圧(=Ig×Rin)が生じるので、Vgs≠Vgs(real)となる。一方、ゲート電流Igが流れていないときには、内部ゲート抵抗Rinの両端間電圧がゼロ値となるので、寄生インダクタンスを無視すると、Vgs=Vgs(real)となる。
 電圧源11は、トランジスタM1に印加されるドレイン・ソース間電圧Vdsを設定するための手段である。その接続関係について具体的に述べる。電圧源11の正極端(=設定電圧VSETの印加端)は、電流源12の第1端に接続されている。電流源12の第2端は、トランジスタM1のドレインに接続されている。トランジスタM1のソースは、電圧源11の負極端(=接地端GND)に接続されている。このように、電圧源11と電流源12は、スイッチ素子20に対して直列に接続されている。すなわち、本図の測定系では、電圧源11、電流源12、及び、スイッチ素子20による閉回路が形成されている。
 電流源12は、トランジスタM1のオン期間に流れるドレイン電流Idの電流値を設定するための手段である。なお、本図の例では、電流源12としてコイル12a(誘導性負荷の一例)が用いられている。このような構成であれば、図2で示すように、ゲート・ソース間電圧Vgsのパルス幅Tとパルス数n(=トランジスタM1のオン期間とオン回数に相当)を適宜設定しておくことにより、トランジスタM1を周期的にオン/オフさせるだけで、トランジスタM1に印加されるドレイン・ソース間電圧Vdsを固定したまま、スイッチング時のドレイン電流Idの電流値(=(Vds/L)×T×n、ただし、Lはコイル12aのインダクタンス値)を段階的に切り替えていくことができる。
 本実施形態では、トランジスタM1のゲート・ソース間には、制御電圧VCTRLが印加される。制御電圧VCTRLのパルス幅Tとパルス数nを適宜設定する。これにより、トランジスタM1のオン期間中に印加されるドレイン・ソース間電圧Vdsを所定の設定電圧VSETに固定したまま、スイッチング時のドレイン電流Idの電流値を段階的に切り替えていくことができる。
 なお、測定装置10では、トランジスタM1のターンオン時(図2の時刻t1、t3、t5、t7を参照)とターンオフ時(図2の時刻t2、t4、t6、t8を参照)の少なくとも一方について、トランジスタM1のスイッチング過渡状態におけるゲート・ソース間電圧Vgsとゲート電流Igを測定し、その測定結果に基づいてトランジスタM1のId-Vds特性を取得する測定方法が採用されている。その詳細については後述する。
 図1に戻り、測定装置10を形成する構成要素の説明を続ける。
 ダイオード13は、電流源12(=コイル12a)に対して逆向きに並列接続された整流素子(いわゆるフライホイールダイオード)である。その接続関係について具体的に述べると、ダイオード13のカソードは、電流源12の第1端(=電圧源11の正極端)に接続されている。ダイオード13のアノードは、電流源12の第2端(=トランジスタM1のドレイン)に接続されている。このようなダイオード13を設けることにより、トランジスタM1のオフ期間には、ダイオード13を介する経路でコイル12aに流れる電流を回生させることができる。従って、トランジスタM1に過大なサージ電圧が印加されることを防止し、その素子破壊を未然に回避することが可能となる。
 制御部14は、トランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgsにパルス状の電圧を印加することにより、トランジスタM1のオン/オフ制御を行う。本実施形態では、制御部14は、外付けのゲート抵抗15を介して、トランジスタM1のゲート・ソース間にパルス状の制御電圧VCTRLを印加する。
 また、本図には明記されていないが、測定装置10は、トランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vds、ドレイン電流Id、及び、ゲート電流Igを測定するための電圧計及び電流計を備えており、トランジスタM1のターンオン時及びターンオフ時の少なくとも一方について、そのスイッチング過渡状態を観測することにより、トランジスタM1のId-Vds特性を取得する。以下では、その新規な測定方法について詳細に説明する。
<スイッチング過渡特性>
 図3と図4は、それぞれ、スイッチ素子20のターンオン過渡特性及びターンオフ過渡特性を示すスイッチング波形図である。各図中の実線はドレイン・ソース間電圧Vds、小破線はドレイン電流Id、一点鎖線はゲート・ソース間電圧Vgs(×20)、二点鎖線はゲート電流Ig(×100)をそれぞれ示している。横軸の一目盛は1μs/divである。また、左側縦軸の一目盛は200V/divであり、右側縦軸の一目盛は10A/divである。なお、図3は、図2の時刻t1、t3、t5、t7付近を拡大した図に相当し、図4は図2の時刻t2、t4、t6、t8付近を拡大した図に相当する。
 ここで、測定装置10は、トランジスタM1のオン期間に流れるドレイン電流Id(本図では25A)と、トランジスタM1に印加するドレイン・ソース間電圧Vds(本図では600V)をそれぞれ設定した上で、トランジスタM1のスイッチング過渡状態におけるゲート・ソース間電圧Vgsとゲート電流Igを測定し、その測定結果に基づいてId-Vds特性を取得する。
 なお、トランジスタM1のスイッチング過渡状態とは、ドレイン・ソース間電圧Vds及びドレイン電流Idの少なくとも一方が変化している途中の状態と理解してもよいし、若しくは、ゲート電流Igが流れている状態と理解してもよい。
 スイッチング過渡状態では、たとえばターンオン過渡特性において、ドレイン電流Idの変化が終了するとドレイン・ソース間電圧Vdsが変化し始める。そのため、トランジスタM1に対して、高いドレイン・ソース間電圧Vdsと大きいドレイン電流Idが同時に印加されるのは瞬時である。また、スイッチング過渡状態における電圧及び電流の変化時間の総和Tswは1μs以下と短いため、この測定法を使用した際の発熱(=Id×Vds×Tsw/2)は非常に小さく、従来の測定法を大電流・高電圧領域に適用にした場合に比べて、発熱を大幅に抑えることが可能となる。従って、カーブトレーサの測定可能領域を超えるパワーデバイスについても、その高電圧・大電流領域におけるId-Vds特性を測定することが可能となる。また、本測定方法であれば、発熱によるトランジスタM1の特性変化を考慮しなくてもよいので、より精度の高いId-Vds特性を取得することができる。
 なお、ゲート・ソース間電圧Vgs及びゲート電流Igは、トランジスタM1のスイッチング過渡状態において、大電流・高電圧が印加している瞬間の1点を測定する方法でも構わない。しかしながら、本願の発明者らは、トランジスタM1のスイッチング過渡状態のうち、ドレイン・ソース間電圧Vdsが変化するプラトー領域A及びBに着目し、このプラトー領域A及びBにおいて、ゲート・ソース間電圧Vgs、ゲート電流Ig、及び、ドレイン電流Idをそれぞれ測定することが望ましいという知見を得るに至った。
 プラトー領域A及びBは、実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)がプラトー電圧Vpと一致している期間に相当する。このプラトー領域A及びBでは、ゲート・ソース間電圧Vgs及びゲート電流Igが保持されつつ、ドレイン・ソース間電圧Vdsのみが変化していく。
 特に、トランジスタM1を十分に低速でスイッチングさせることにより、プラトー領域A及びBでのゲート・ソース間電圧Vgs及びゲート電流Igの測定値が一定値(またはほぼ一定値)となる。このように、プラトー領域A及びBでは、その他の領域と比べてゲート・ソース間電圧Vgs及びゲート電流Igを容易かつ正確に読み取ることができるので、最終的に得られるId-Vds特性の測定精度を向上することが可能となる。なお、トランジスタM1のスイッチング速度については、例えば、外付けのゲート抵抗15を用いて適宜調整すればよい。
 また、Id-Vds特性の測定精度を高めるためには、プラトー領域A及びBにおいてゲート・ソース間電圧Vgs及びゲート電流Igを複数回測定し、その平均値を算出して最終的な検出値とすることが望ましい。
 上記で説明したように、今回提案する測定方法であれば、従来のカーブトレーサと比べて、低発熱で精度良く、トランジスタM1のId-Vds特性を測定することができる。
 ただし、トランジスタM1のスイッチング過渡状態では、ゲート電流Igが流れているので、測定装置10で測定されるゲート・ソース間電圧Vgsと、カーブトレーサで設定されていたゲート・ソース間電圧(=ゲート電流Igがゼロ値であるときのゲート・ソース間電圧Vgs(@Ig=0))との間には、内部ゲート抵抗Rinの両端間電圧(=Ig×Rin)に相当する差が生じる。そのため、ゲート・ソース間電圧Vgsの測定値をそのまま用いても、正しいId-Vds特性(=ゲート電流Igがゼロ値であるときの静特性)を取得することは難しい。
 そこで、測定装置10では、トランジスタM1のスイッチング過渡状態において、ゲート・ソース間電圧Vgsと共にゲート電流Igが測定されており、それぞれの測定結果を用いて、トランジスタM1の実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)が算出される。
 ゲート電流Igが流れる経路には配線の寄生インダクタンスも存在するが、プラトー領域A及びBにおいては、ゲート電流Igの変化量が0(一定)である。そのため、ゲート酸化膜に印加される実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)を算出する際に、これを考慮する必要はない。
 なお、実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)は、ゲート・ソース間寄生容量Cgsの両端間電圧と等価であり、延いては、カーブトレーサで設定されていたゲート・ソース間電圧Vgs(@Ig=0)と等価である。従って、ゲート・ソース間電圧Vgsの測定値をそのまま用いるのではなく、実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)の算出値を用いることにより、正しいId-Vds特性を取得することが可能となる。以下では、実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)の算出処理について詳述する。
<Vgs(real)算出処理>
 トランジスタM1の内部ゲート抵抗値Rinを用いる場合には、トランジスタM1のターンオン時またはターンオフ時のいずれかで測定されたゲート・ソース間電圧Vgs及びゲート電流Igから実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)を算出するとよい。
 例えば、トランジスタM1のターンオン時の測定結果を用いる場合には、ターンオン時に測定されたゲート・ソース間電圧Vgs,onから、同じくターンオン時に測定されたゲート電流Ig,onにトランジスタM1の内部ゲート抵抗値Rinを乗じた結果を減じることにより、トランジスタM1のゲート酸化膜に印加される実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)を算出することができる。この演算処理は、次の(1)式で表すことができる。
 Vgs(real)=Vgs,on-Ig,on×Rin … (1)
 また、トランジスタM1のターンオフ時の測定結果を用いる場合には、ターンオフ時に測定されたゲート・ソース間電圧Vgs,offから、同じくターンオフ時に測定されたゲート電流Ig,offにトランジスタM1の内部ゲート抵抗値Rinを乗じた結果を減じることにより、トランジスタM1のゲート酸化膜に印加される実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)を算出することができる。この演算処理は、次の(2)式で表すことができる。
 Vgs(real)=Vgs,off-Ig,off×Rin … (2)
 一方、トランジスタM1の内部ゲート抵抗値Rinを用いない場合には、トランジスタM1のターンオン時及びターンオフ時の双方で測定されたゲート・ソース間電圧Vgs,on及びVgs,offと、同じくトランジスタM1のターンオン時及びターンオフ時の双方で測定されたゲート電流Ig,on及びIg,offの比を用いて、実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)を算出することができる。この演算処理は、次の(3)式で表すことができる。
 Vgs(real)={(Vgs,off×Ig,on)-(Vgs,on×Ig,off)}/(Ig,on-Ig,off) … (3)
 なお、上記の(3)式は、先出の(1)式と(2)式を組み合わせて、内部ゲート抵抗値Rinを消去することにより、導出することができる。
 内部ゲート抵抗値Rinは周波数依存性を持つため、動作中の値を知ることは難しい。そのため、上記の演算処理で内部ゲート抵抗値Rinを消去することにより、トランジスタM1のターンオン時とターンオフ時のプラトー領域におけるゲート電流Ig,on及びIg,offの比(={Ig,on/(Ig,on-Ig,off)}、{Ig,off/(Ig,on-Ig,off)})を利用して、実測値のみから実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)を算出することができ、精度を向上させることが可能となる。
<Vgs(real)補間処理>
 図5は、ドレイン電流Idと実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)との関係を示すId-Vgs(real)特性図である。なお、本図では、ドレイン・ソース間電圧Vdsを200Vに固定したときのId-Vgs(real)特性が描写されている。
 測定装置10では、ドレイン電流Idの測定結果と実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)の算出結果を用いて、Id-Vgs(real)特性が導出される。ただし、実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)の算出値は、本図中の菱形マークで示したように離散的となり、カーブトレーサを用いて一定間隔で設定されていた電圧値とは必ずしも一致しない。
 そこで、測定装置10では、本図中の破線で示したように、実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)に対するドレイン電流Idの近似式を導出し、これを用いて実ゲート・ソース間電圧Vgs(real)の補間処理が行われる。なお、上記近似式の取得手法としては、例えば、一群のデータを最小二乗法によりn次多項式で近似すればよい。
 このような補間処理を行うことにより、一定間隔の実ゲート・ソース間Vgs(real)に対してドレイン電流Idを相関付けることができるので、従来と等価のId-Vds特性を取得することが可能となる。
 図6は、これまでに説明してきた測定方法により、最終的に取得されるトランジスタM1のId-Vds特性図である。例えば、本図中の破線で囲まれた一群の測定点(=黒丸マーク)は、図5の破線で示したId-Vgs(real)特性の近似式に基づき、一定間隔の実ゲート・ソース間Vgs(real)に対して、これに対応するドレイン電流Idをプロットし直したものである。本図で示すように、今回提案する測定方法によれば、カーブトレーサと同様のId-Vds特性図(=本発明における「第1トランジスタのドレイン電流とドレイン・ソース間電圧との関係を示す電流電圧特性に相当)を取得することが可能となる。
 なお、トランジスタM1のデバイスモデル作成に際しては、本測定方法を用いて測定されたId-Vds特性をパラメータ化して、デバイスモデルの等価回路記述に含めるとよい。これにより、トランジスタM1の挙動をシミュレーション上で忠実に再現することが可能となり、延いては、シミュレーションの精度を高めることが可能となる。
 図7は、これまでに説明してきたId-Vds特性の測定方法を示すフローチャートである。まず、ステップS1では、トランジスタM1のオン期間中に流れるドレイン電流Id、及び、トランジスタM1のオン期間中に印加されるドレイン・ソース間電圧Vdsがそれぞれ設定される。
 次に、ステップS2では、トランジスタM1のスイッチング過渡状態におけるゲート・ソース間電圧Vgs及びゲート電流Igが測定される。
 最後に、ステップS3では、ゲート・ソース間電圧Vgs及びゲート電流Igの測定結果に基づいてトランジスタM1のId-Vds特性が取得される。
<励磁期間におけるDUTの発熱>
 図8は、第1実施形態におけるスイッチング波形図であり、先出の図3及び図4と同じく、本図中の実線はドレイン・ソース間電圧Vds、小破線はドレイン電流Id、一点鎖線はゲート・ソース間電圧Vgsをそれぞれ示している。
 また、本図中の枠線Aは、ゲート・ソース間電圧Vgs、ゲート電流Ig、及び、ドレイン電流Idそれぞれの測定領域(=先述のプラトー領域Aに相当)を示しており、これに先立つ励磁期間Texでは、ドレイン電流Idを設定するために、コイル12aに励磁電流が流される。
 ここで、第1実施形態の測定装置10では、DUTであるスイッチ素子20(=トランジスタM1)をオンすることにより、コイル12aに励磁電流を流していた。そのため、コイル12aの励磁期間Texには、スイッチ素子20における導通損が生じる。また、励磁期間Tex直後のターンオフ期間には、スイッチ素子20におけるスイッチング損も生じる。特に、測定装置10では、大電流時の測定を行うため、上記の損失(=導通損+スイッチング損)によるスイッチ素子20の発熱を無視できない場合がある。
 図9は、図8における励磁期間Texの拡大図であり、ここでは、ドレイン・ソース間電圧Vds(実線)とドレイン電流Id(小破線)のほかに、励磁期間Txにおける損失Pw(=Id×Vds)が大破線で描写されている。
 電源電圧が数百V、励磁電流が数十Aの場合、励磁期間Texには、数百W~数kWの損失Pw(=導通損+スイッチング損)が発生する。このような損失Pwによってスイッチ素子20が発熱し、その接合温度が上昇すると、トランジスタM1の特性に変動が生じてしまうので、Id-Vds特性の測定精度に悪影響を及ぼす恐れがある。
 例えば、電源電圧600V、励磁電流50Aの場合には、励磁期間Texでの損失が75mJとなり、ターンオン時(測定時)の損失が20mJとなる。従って、測定時点までの総損失は95mJとなる。また、励磁電流を100Aに増やすと、励磁期間Txでの損失が420mJとなり、ターンオン時(測定時)の損失が150mJとなる。従って、測定時点までの総損失は570mJとなる。このように、励磁電流が大きいほど、スイッチ素子20での損失が大きくなり、延いては、スイッチ素子20の発熱が顕著になる。
 なお、参考までに、カーブトレーサで20V/20Aを測定した場合の損失(パルス幅:200μs)は80mJである。
 以下では、このような励磁期間におけるDUTの発熱を解消することのできる新規な第2実施形態を提案する。
<測定装置(第2実施形態)>
 図10は、スイッチ素子の電流電圧特性を測定する際に用いられる測定装置の第2実施形態を示す等価回路図である。本実施形態の測定装置10Aは、コイル12aに励磁電流を流すためのスイッチ素子として機能するNチャネル型MOS電界効果トランジスタ16(=第2トランジスタに相当)と、ゲート抵抗17を有する。そこで、既出の構成要素については、図1と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、他の点について重点的な説明を行う。
 トランジスタ16は、DUTとなるスイッチ素子20(=トランジスタM1)に対して並列接続されている。より具体的に述べると、トランジスタ16のドレインは、トランジスタM1のドレインとともに、コイル12aの一端に接続されている。トランジスタ16のソースは、トランジスタM1のソースとともに電圧源11の負極端(=接地端GND)に接続されている。トランジスタ16のゲートは、ゲート抵抗17を介して制御部14に接続されている。
 制御部14は、トランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgsをパルス駆動してトランジスタM1のオン/オフ制御を行うとともに、トランジスタ16のゲート・ソース間電圧Vgs_swをパルス駆動してトランジスタ16のオン/オフ制御を行う。本実施形態では、制御部14は、トランジスタM1のゲート・ソース間にパルス状の制御電圧VCTRLを印加する。
 図11は、第2実施形態におけるスイッチング波形図であり、本図中の太い実線は、トランジスタM1(並びにトランジスタ16)のドレイン・ソース間電圧Vdsを示している。また、太い小破線は、トランジスタM1のドレイン電流Idを示しており、太い一点鎖線は、トランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgsを示している。一方、細い小破線は、トランジスタ16のドレイン電流Id_swを示しており、細い一点鎖線は、トランジスタ16のゲート・ソース間電圧Vgs_swを示している。
 また、本図中の枠線Aは、ゲート・ソース間電圧Vgs、ゲート電流Ig、及び、ドレイン電流Idそれぞれの測定領域(=先述のプラトー領域Aに相当)を示しており、これに先立つ励磁期間Texでは、ドレイン電流Idを設定するために、コイル12aに励磁電流が流される。この点については、先の図8と同様である。
 ただし、本実施形態の測定装置10では、先出の第1実施形態と異なり、DUTであるスイッチ素子20(=トランジスタM1)をオフしたまま、トランジスタ16をオンすることにより、コイル12aに励磁電流(=ドレイン電流Id_sw)が流される。すなわち、コイル12aの励磁期間Texには、トランジスタM1ではなく、トランジスタ16に励磁電流が分流(バイパス)される。そのため、トランジスタM1における導通損及びスイッチング損が生じなくなる。
 例えば、電源電圧600V、励磁電流50Aの場合、トランジスタM1では、励磁期間Txにおける損失75mJが生じなくなる。従って、測定時点までにトランジスタM1で発生する総損失は、20mJ(=ターンオン時の損失)だけとなる。
 その後、コイル12aの励磁電流(=ドレイン電流Id_sw)が所望値まで増大すると、トランジスタ16をオフし、次いでトランジスタM1をオンすることにより、プラトー領域Aにおけるゲート・ソース間電圧Vgs、ゲート電流Ig、及び、ドレイン電流Idそれぞれの測定が行われる。
 このように、本実施形態の測定装置10であれば、DUTであるトランジスタM1にドレイン電流Idを流すことなく、コイル12aの励磁電流を所望値まで増大させることができる。従って、先の第1実施形態(図1)と比べて、トランジスタM1の自己発熱を抑制することが可能となり、延いては、接合温度の上昇に伴うトランジスタM1の意図しない特性変動を生じることなく、Id-Vds特性の測定精度を高めることが可能となる。
 例えば、従前のカーブトレーサ(20V/20A、パルス幅:200μs)と比較した場合、これと同程度の発熱量で600V/100Aの測定を実現することが可能となる。
 なお、コイル12aの励磁電流を流すための分流経路を導通/遮断する手段としては、本実施形態で例示したように、トランジスタM1と同種のトランジスタ16(本図の例では、いずれもNMOSFET)を用いるとよい。このような構成とすることにより、制御部14を共通化することが可能となる。
 また、トランジスタ16の電流容量は、トランジスタM1の電流容量よりも大きく設計しておくことが望ましい。このような素子設計を行うことにより、より広い測定範囲で、トランジスタのId-Vds特性を測定することが可能となる。
 ただし、測定装置10の具体的な構成については、トランジスタ16を用いる上記構成に何ら限定されるものではなく、コイル12aの励磁期間Texにおいて、トランジスタM1を介さない経路に励磁電流を分流させることができる限り、いかなる構成を採用しても構わない。例えば、図10では、トランジスタM1に対して単一のトランジスタ16を並列接続する構成を挙げたが、2つ以上のトランジスタ16を並列接続してもよい。
<測定シーケンス>
 図12は、第2実施形態における測定装置10の測定シーケンス(=ドレイン電流Idのステップ設定例)を示すタイミングチャートであり、上から順に、ゲート・ソース間電圧Vgs及びVgs_sw、ドレイン・ソース間電圧Vds、トランジスタM1及び16それぞれのオン/オフ状態、及び、ドレイン電流Id(実線)及びId_sw(破線)が描写されている。本実施形態では、ゲート・ソース間電圧として、制御電圧VCTRLが示されている。
 時刻t10~t11は、コイル12aの励磁期間(可変長T1)に相当する。この励磁期間には、トランジスタM1をオフしたまま、トランジスタ16をオンすることにより、コイル12aに励磁電流(=ドレイン電流Id_sw)が流される。このとき、トランジスタM1にはドレイン電流Idが流れないので、導通損及びスイッチング損は生じない。
 時刻t12~t13は、トランジスタM1の測定期間(固定長T0)に相当する。この測定期間には、トランジスタM1をオンすることにより、直前の励磁期間(=時刻t10~t11)で設定されたドレイン電流Idが流れて、プラトー領域におけるゲート・ソース間電圧Vgs、ゲート電流Ig、及び、ドレイン電流Idそれぞれの測定が行われる。
 上記一連のシーケンスにより、1回目の測定(=時刻t10~t13)が完了する。
 さらに測定を続けるときには、十分なインターバルを空けて、コイル12aの励磁エネルギをリセットしつつ、励磁期間の長さ(延いてはドレイン電流Idの設定値)を順次変えながら、上記と同様の測定シーケンスを繰り返せばよい。
 本図の例示に即して具体的に述べると、2回目の励磁期間(=時刻t14~t15)では、その長さが可変長T1から可変長T2(>T1)に延長されている。これにより、1回目の測定よりもドレイン電流Idの電流値を大きく設定して測定が行われる。3回目以降の測定についても、上記と同様であり、例えば、3回目の励磁期間(=時刻t18~t19)では、その長さが可変長T2から可変長T3(>T2)にさらに延長されている。なお、測定期間については、常に固定長T0としておけばよい。
 このように、初回の励磁期間(=時刻t10~t11)だけでなく、ドレイン電流Idの設定値を変更する毎に、コイル12aを励磁し直す測定シーケンスであれば、DUTとなるトランジスタM1の温度上昇を招くことなく、Id-Vds特性を高精度に測定することが可能となる。
<IGBT[insulated gate bipolar transistor]への適用>
 なお、上記の第1及び第2実施形態では、MOSFETを測定対象とした例を挙げて説明を行ってきたが、電流電圧特性の測定対象はこれに限定されるものではなく、例えば、IGBTの電流電圧特性(=コレクタ電流Icとゲート・エミッタ間電圧Vgeとの関係を示したIc-Vge特性)を測定する際にも適用することができる。
 その場合には、上記説明中のトランジスタM1に関する端子、電圧、及び、電流の名称について、「ソース」を「エミッタ」と読み替えると共に、「ドレイン」を「コレクタ」と読み替えればよい。
<励磁電流分流機構の適用対象>
 また、第2実施形態(図10)では、新規な励磁電流分流機構(トランジスタ16等)を適用した例を挙げたが、励磁電流分流機構の適用対象は何らこれに限定されるものではない。誘導性負荷に励磁電流を流してDUTとなるトランジスタのドレイン電流(またはコレクタ電流)を設定する電流電圧特性の測定方法全般に好適に適用することが可能である。例えば、非特許文献1に開示されている方法に励磁電流分流機構を適用してもよい。対象となるトランジスタのスイッチング測定であって、ドレイン電流の立ち上がり時間を測定し、これにより対象のトランジスタ(例えばSiC-MOSFET)の電流電圧特性を取得する方法において、励磁電流分流機構を適用してもよい。
<その他の変形例>
 また、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
 本明細書中に開示されている電流電圧特性の測定方法は、例えば、大電流・高電圧領域で使用されるパワートランジスタ(SiCパワートランジスタやGaNパワートランジスタ)のデバイスモデルを作成する際に利用することが可能である。
   10、10A  測定装置
   11  電圧源
   12  電流源
   12a  コイル
   13  ダイオード
   14  制御部
   15  ゲート抵抗
   16  Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(第2トランジスタ)
   17  ゲート抵抗
   20  スイッチ素子
   M1  Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(第1トランジスタ)
   Rin  内部ゲート抵抗
   Cgs  ゲート・ソース間寄生容量
   Cgd  ゲート・ドレイン間寄生容量
   D1  ボディダイオード

Claims (14)

  1.  測定対象となる第1トランジスタのドレイン電流(またはコレクタ電流)とドレイン・ソース間電圧(またはコレクタ・エミッタ間電圧)との関係を示す電流電圧特性の測定方法であって、
     前記第1トランジスタに対して直列接続された電圧源及び電流源と、前記電流源となる誘導性負荷に対して逆向きに並列接続された整流素子とを用いて、前記ドレイン電流(または前記コレクタ電流)及び前記ドレイン・ソース間電圧(または前記コレクタ・エミッタ間電圧)を設定する第1ステップと、
     前記第1トランジスタのスイッチング過渡状態におけるゲート・ソース間電圧(またはゲート・エミッタ間電圧)及びゲート電流を測定する第2ステップと、
     前記ゲート・ソース間電圧(または前記ゲート・エミッタ間電圧)及び前記ゲート電流の測定結果を用いて前記第1トランジスタのゲート酸化膜に印加される電圧を算出し、その算出結果を用いて前記第1トランジスタの電流電圧特性を取得する第3ステップと、
     を有し、
     前記第1ステップにおいて、前記誘導性負荷に励磁電流を流す励磁期間中には、前記第1トランジスタを介さない経路に前記励磁電流を分流させることを特徴とする測定方法。
  2.  前記第1トランジスタをオフしたまま、前記第1トランジスタに並列接続された少なくとも一つの第2トランジスタをオンすることにより、前記第2トランジスタに前記励磁電流を分流させることを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
  3.  前記第2トランジスタの電流容量は、前記第1トランジスタの電流容量よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の測定方法。
  4.  前記励磁期間の長さを変えながら、前記第1ステップと前記第2ステップを繰り返すことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の測定方法。
  5.  前記スイッチング過渡状態のうち、前記ドレイン・ソース間電圧(または前記コレクタ・エミッタ間電圧)が変化する領域において、前記ゲート・ソース間電圧(または前記ゲート・エミッタ間電圧)、前記ゲート電流、及び、前記ドレイン電流(または前記コレクタ電流)をそれぞれ測定することを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の測定方法。
  6.  前記第1トランジスタのターンオン時またはターンオフ時のいずれかで測定された前記ゲート・ソース間電圧(または前記ゲート・エミッタ間電圧)から、同じく前記第1トランジスタのターンオン時またはターンオフ時のいずれかで測定された前記ゲート電流に前記第1トランジスタの内部ゲート抵抗値を乗じた結果を減じることにより、前記第1トランジスタのゲート酸化膜に印加される電圧を算出することを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の測定方法。
  7.  前記第1トランジスタのターンオン時及びターンオフ時の双方で測定された前記ゲート・ソース間電圧(または前記ゲート・エミッタ間電圧)と、同じく前記第1トランジスタのターンオン時及びターンオフ時の双方で測定された前記ゲート電流の比を用いて、前記第1トランジスタのゲート酸化膜に印加される電圧を算出することを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の測定方法。
  8.  前記ドレイン電流の測定結果と、前記ゲート酸化膜に印加される電圧の算出結果を用いて、前記ゲート・ソース間電圧(または前記ゲート・エミッタ間電圧)に対する前記ドレイン電流(または前記コレクタ電流)の近似式を導出し、これを用いて前記第1トランジスタの電流電圧特性を取得することを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の測定方法。
  9.  前記第1トランジスタは、その飽和領域でも電流電圧特性の傾きがゼロとならない半導体素子であることを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の測定方法。
  10.  請求項1~請求項9に記載の測定方法を用いて第1トランジスタの電流電圧特性を測定することを特徴とする測定装置。
  11.  請求項1~請求項9に記載の測定方法で測定された第1トランジスタの電流電圧特性をパラメータ化することにより、前記第1トランジスタのデバイスモデルを作成することを特徴とするデバイスモデル作成方法。
  12.  測定対象となるトランジスタに対して直列接続された電圧源及び電流源となる誘導性負荷と、
     前記トランジスタに対して並列接続された少なくとも一つのスイッチ素子と、
     前記トランジスタ及び前記スイッチ素子のオン/オフ制御を行う制御部と、
     を有し、
     前記トランジスタのドレイン電流(またはコレクタ電流)とドレイン・ソース間電圧(またはコレクタ・エミッタ間電圧)との関係を示す電流電圧特性を測定する測定装置であって、
     前記制御部は、前記誘導性負荷に励磁電流を流す励磁期間中には、前記トランジスタをオフしたまま、前記スイッチ素子をオンすることにより、前記スイッチ素子に前記励磁電流を流し、前記励磁期間の後、前記スイッチ素子をオフするとともに前記トランジスタをオンさせて前記トランジスタに電流を流すことにより前記トランジスタの電流電圧特性を測定可能にさせることを特徴とする測定装置。
  13.  前記トランジスタは、20A以上の電流を流せるパワー(SiC)素子であり、前記スイッチ素子の許容電流容量は、前記トランジスタよりも大きいことを特徴とする請求項12に記載の測定装置。
  14.  前記制御部と前記トランジスタのゲートとの間に接続された外付けのゲート抵抗をさらに有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の測定装置。
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