WO2019082666A1

WO2019082666A1 - モータ

Info

Publication number: WO2019082666A1
Application number: PCT/JP2018/037834
Authority: WO
Inventors: 晃弘大北; 貴之右田; 真郷青野
Original assignee: 日本電産株式会社
Priority date: 2017-10-27
Filing date: 2018-10-11
Publication date: 2019-05-02
Also published as: CN111247725A; CN111247725B

Abstract

モータは、中心軸に沿って配置されるシャフトを有するロータと、ロータと隙間を介して径方向に対向するステータと、ロータとステータとを収容するハウジングと、ハウジングに取り付けられ、外部装置の端子が接触可能なコンタクト部材と、を備える。ハウジングは、ステータの軸方向一方側を覆う蓋部を有する。蓋部の軸方向一方側の面のうちの一部は、軸方向一方側に突出する、または軸方向他方側に窪む平面部である。コンタクト部材は、平面部に配置される。

Description

モータ

本発明は、モータに関する。

ハウジングにコンタクトプレートが取り付けられる構造を有するモータが知られる。例えば、特許文献１には、コンタクトプレートを介してコイルへの電力供給が行われるモータが記載される。

特開２００６－１８０６３４号公報

上記のようなコンタクトプレートには、モータに取り付けられる外部装置の端子を接触させる場合がある。このような場合において、コンタクトプレートの配置精度が低いと、外部装置の端子をコンタクトプレートに接触させにくい場合がある。そのため、コンタクトプレートが取り付けられるハウジングをある程度精度よく作る必要がある。しかし、この場合、ハウジングを製造する手間およびコストが増大する場合があった。　

本発明は、上記事情に鑑みて、コンタクト部材を精度よく配置でき、かつ、ハウジングを製造する手間およびコストが増大することを抑制できる構造を有するモータを提供することを目的の一つとする。

本発明のモータの一つの態様は、中心軸に沿って配置されるシャフトを有するロータと、前記ロータと隙間を介して径方向に対向するステータと、前記ロータと前記ステータとを収容するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、外部装置の端子が接触可能なコンタクト部材と、を備える。前記ハウジングは、前記ステータの軸方向一方側を覆う蓋部を有する。前記蓋部の軸方向一方側の面のうちの一部は、軸方向一方側に突出する、または軸方向他方側に窪む平面部である。前記コンタクト部材は、前記平面部に配置される。

本発明の一つの態様によれば、モータにおいて、コンタクト部材を精度よく配置でき、かつ、ハウジングを製造する手間およびコストが増大することを抑制できる。

図１は、本実施形態のモータを示す斜視図である。図２は、本実施形態のモータを示す断面図であって、図１におけるII－II断面図である。図３は、本実施形態のモータを上側から視た図である。図４は、本実施形態のモータの一部を示す斜視図である。図５は、本実施形態のコンタクト部材を示す斜視図である。図６は、本実施形態のモータの一部を示す図であって、図４におけるVI－VI断面図である。図７は、本実施形態のモータの一部を示す斜視図である。図８は、本実施形態のモータの一部を示す断面図であって、図２の部分拡大図である。図９は、本実施形態のモータの一部を示す斜視図である。図１０は、本実施形態の他の一例であるモータの一部を示す斜視図である。図１１は、本実施形態の他の一例であるモータの一部を示す斜視図である。図１２は、本実施形態の他の一例であるモータの一部を示す図であって、図１０におけるXII－XII断面図である。

各図に適宜示すＺ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。各図に適宜示す中心軸Ｊは、Ｚ軸方向と平行であり、上下方向に延びる仮想線である。以下の説明においては、中心軸Ｊの軸方向、すなわち上下方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Ｊを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Ｊを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。本実施形態において、上側は、軸方向一方側に相当し、下側は、軸方向他方側に相当する。なお、上下方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。　

図１および図２に示すように、本実施形態のモータ１０は、ハウジング１１と、コンタクト部材７０と、ロータ２０と、ベアリング２４，２５と、取付部材２６と、センサマグネット２７と、ステータ３０と、を備える。　

図２に示すように、ハウジング１１は、ロータ２０とステータ３０とを収容する。ハウジング１１は、蓋部１２と、筒部１３と、ベアリング保持部１４と、を有する。図１および図２に示すように、蓋部１２は、板面が軸方向を向く板状であり、周方向に沿った円環状である。蓋部１２は、中心軸Ｊを中心とする。蓋部１２は、ステータ３０の上側を覆う。より詳細には、蓋部１２は、後述するステータコア３１、インシュレータ３４およびコイル３５の上側を覆う。蓋部１２は、蓋部１２を軸方向に貫通する貫通孔１７を有する。貫通孔１７は、周方向に延びる円弧状である。貫通孔１７は、周方向に沿って複数設けられる。図１に示すように、本実施形態において貫通孔１７は、例えば、貫通孔１７ａと貫通孔１７ｂと貫通孔１７ｃとの３つが設けられる。なお、貫通孔１７ａと貫通孔１７ｂと貫通孔１７ｃとを特に区別しない場合においては、単に貫通孔１７と呼ぶ。　

図３に示すように、各貫通孔１７の周方向の寸法Ｍ１は、周方向に隣り合う貫通孔１７同士の間の距離Ｌよりも大きい。そのため、貫通孔１７を大きくすることができ、ハウジング１１を軽量化しやすい。貫通孔１７ａの周方向の寸法Ｍ１は、貫通孔１７ｂの周方向の寸法Ｍ１および貫通孔１７ｃの周方向の寸法Ｍ１よりも大きい。貫通孔１７ｂの周方向の寸法Ｍ１と貫通孔１７ｃの周方向の寸法Ｍ１とは、ほぼ同じである。貫通孔１７ｂと貫通孔１７ｃとの間の距離Ｌは、貫通孔１７ｃと貫通孔１７ａとの間の距離Ｌよりも大きい。貫通孔１７ａと貫通孔１７ｂとの間の距離Ｌは、貫通孔１７ｂと貫通孔１７ｃとの間の距離Ｌよりも大きい。貫通孔１７ａと貫通孔１７ｂとは、中心軸Ｊを挟んで径方向の反対側に配置される。　

図４に示すように、蓋部１２の一部は、上側に突出する突出部１２ａを有する。突出部１２ａの上側の面は、平面部１５である。すなわち、蓋部１２の上側の面のうちの一部は、上側に突出する平面部１５である。平面部１５は、蓋部１２における周方向に隣り合う貫通孔１７ａ，１７ｂ同士の間に配置される。平面部１５は、蓋部１２の径方向内縁と蓋部１２の径方向外縁との径方向の略中央に配置される。そのため、例えば、平面部１５をプレス加工によって作製する場合に、平面部１５の作製を容易にできる。平面部１５は、軸方向と直交する平坦な面である。平面部１５は、矩形状である。平面部１５の平面度は、蓋部１２の上側の面のうち平面部１５以外の部分の平面度よりも大きい。　

蓋部１２は、蓋部１２を軸方向に貫通する取付孔部１６を有する。本実施形態において取付孔部１６は、蓋部１２のうち突出部１２ａの中央を軸方向に貫通する。すなわち、取付孔部１６は、平面部１５に配置される。取付孔部１６は、例えば、円形状である。　

図１に示すように、筒部１３は、蓋部１２の径方向外縁部から下側に延びる筒状である。筒部１３は、中心軸Ｊを中心とする円筒状である。筒部１３は、下側に開口する。筒部１３の下端部には、筒部１３の下端部から径方向外側に突出する鍔部が周方向に沿って複数設けられる。図２に示すように、ベアリング保持部１４は、蓋部１２の径方向内縁部に繋がる。ベアリング保持部１４は、蓋部１２の径方向内縁部から下側に延びる筒状である。ベアリング保持部１４は、中心軸Ｊを中心とする円筒状であり、底部を有する。ベアリング保持部１４は、ベアリング２５を保持する。ベアリング保持部１４の内周面には、ベアリング２５の外周面が固定される。　

本実施形態においてハウジング１１は、金属製であり、蓋部１２と筒部１３とベアリング保持部１４とを有する単一の金属部材のみからなる。すなわち、ハウジング１１は、蓋部１２と筒部１３とを有する金属製の金属部材を有し、金属部材は、単一の部材である。ハウジング１１は、例えば、アルミニウム製である。ハウジング１１は、例えば、金属製の板部材をプレス加工することで製造される。なお、ハウジング１１は、複数の部材から構成されてもよい。また、ハウジング１１は、切削加工や鋳造などの方法により、製造されてもよい。　

図４に示すコンタクト部材７０は、ハウジング１１に取り付けられ、図示しない外部装置の端子が接触可能な部材である。外部装置は、例えば、モータ１０に電力を供給してモータ１０を制御する制御装置である。コンタクト部材７０に接触する外部装置の端子は、例えば、接地用の端子である。外部装置の端子は、コンタクト部材７０の上側の面に接触する。本明細書において「コンタクト部材に対して外部装置の端子が接触可能である」とは、コンタクト部材がモータの外部に露出する部分を有することを含む。コンタクト部材７０は、平面部１５に配置される。　

ここで、例えば、コンタクト部材７０の配置精度が低いと、外部装置の端子をコンタクト部材７０に接触させにくい場合がある。そのため、コンタクト部材７０を配置する蓋部１２の部分の平面度は、ある程度大きくする必要がある。しかし、蓋部１２の上側の面全体の平面度をある程度高くすると、ハウジング１１を製造する手間およびコストが増大する問題がある。　

これに対して、本実施形態によれば、蓋部１２の上側の面の一部を突出させた平面部１５とし、コンタクト部材７０は、平面部１５に配置される。そのため、蓋部１２の上側の面のうちの平面部１５のみ平面度をある程度大きく作ればよく、ハウジング１１を製造する手間およびコストが増大することを抑制できる。また、平面部１５の軸方向位置を蓋部１２の上側の面のうち平面部１５以外の部分と異ならせることで、部分的に蓋部１２の平面度を大きく加工しやすく、平面度が大きい平面部１５を作りやすい。そのため、ハウジング１１を製造する手間およびコストが増大することをより抑制できる。以上により、本実施形態によれば、コンタクト部材７０を精度よく配置でき、かつ、ハウジング１１を製造する手間およびコストが増大することを抑制できる。　

また、本実施形態によれば、平面部１５の平面度は、蓋部１２の上側の面のうち平面部１５以外の部分の平面度よりも大きい。そのため、コンタクト部材７０をより精度よく配置できる。　

また、本実施形態によれば、平面部１５は、上側に突出する。そのため、平面部１５が下側に窪む場合に比べて、蓋部１２の上側からコンタクト部材７０を平面部１５に配置しやすい。また、コンタクト部材７０が平面部１５より大きい場合であっても、コンタクト部材７０を平面部１５に配置しやすい。　

また、本実施形態によれば、平面部１５は、周方向に隣り合う貫通孔１７ａ，１７ｂ同士の間に配置される。そのため、平面部１５の径方向の寸法を確保しやすい。これにより、平面部１５にコンタクト部材７０を配置しやすい。　

図５および図６に示すように、コンタクト部材７０は、コンタクト部材本体７１と、爪部７２と、を有する。コンタクト部材本体７１は、平面部１５に接触する部分である。コンタクト部材本体７１の下側の面は、平面部１５のうち取付孔部１６の周縁部と接触する。本実施形態において、コンタクト部材本体７１は、軸方向に扁平な円柱状である。コンタクト部材本体７１の外径は、矩形状の平面部１５の一辺の長さよりも小さい。コンタクト部材本体７１の全体は、軸方向に沿って視て、平面部１５と重なる。コンタクト部材本体７１の外径は、上側に向かうに従って小さくなる。　

爪部７２は、コンタクト部材本体７１から延びる部分である。より詳細には、爪部７２は、コンタクト部材本体７１の下側の面から下側に延びる。そのため、例えば、爪部７２がコンタクト部材本体７１の外周面から延びるような場合に比べて、コンタクト部材７０の軸方向に沿って視た配置面積を小さくできる。これにより、蓋部１２の上側の面のうちコンタクト部材７０が配置されない部分の面積を大きくすること
ができ、蓋部１２の上側の面を有効利用しやすい。　

爪部７２は、基部７２ａと、引掛け部７２ｂと、を有する。本実施形態において、基部７２ａは、コンタクト部材本体７１の下側の面のうちの中央部から下側に延びる円柱状である。基部７２ａは、コンタクト部材本体７１と同軸に配置される。基部７２ａは、取付孔部１６に挿入される。　

本実施形態において、引掛け部７２ｂは、基部７２ａの下側の端部に繋がる。引掛け部７２ｂは、下側に向かうに従って内径および外径が大きくなる筒状である。引掛け部７２ｂの下側の端部は、突出部１２ａよりも下側に配置される。引掛け部７２ｂの下側の端部における外縁部は、突出部１２ａの下側の面のうち取付孔部１６の周縁部に接触する。このように、爪部７２は、取付孔部１６を介して蓋部１２よりも下側に延び、蓋部１２の下側の面に引っ掛けられる。これにより、コンタクト部材７０が軸方向に抜けることを抑制でき、コンタクト部材７０を平面部１５に対して容易に取り付けることができる。　

引掛け部７２ｂは、例えば、円筒状の部分がカシメられて拡げられることで作られる。コンタクト部材７０を取り付ける作業者や組立装置等（以下、作業者等）は、基部７２ａの下側の端部に繋がる円筒状の部分を取付孔部１６に上側から通した後に、円筒状の部分をカシメて拡げる。これにより、作業者等は、蓋部１２の下側の面に引っ掛けられる引掛け部７２ｂを作製し、コンタクト部材７０をハウジング１１に取り付ける。　

コンタクト部材７０は、導電性の部材である。本実施形態において、コンタクト部材７０は、金属製である。コンタクト部材７０の材料は、例えば、ハウジング１１の材料と異なる。そのため、コンタクト部材７０の材料を好適に選択しやすく、モータ１０の製造コストを低減しやすい。　

ロータ２０は、シャフト２１と、ロータコア２２と、ロータマグネット２３と、を有する。シャフト２１は、中心軸Ｊに沿って配置される。シャフト２１は、中心軸Ｊを中心として軸方向に延びる円柱状である。シャフト２１の上端部には、取付部材２６が固定される。取付部材２６は、上側に開口する円筒状である。取付部材２６の内部には、センサマグネット２７が固定される。センサマグネット２７は、中心軸Ｊを中心とし、軸方向に扁平な円柱状である。　

ロータコア２２は、シャフト２１の外周面に固定される略円環状である。ロータマグネット２３は、ロータコア２２の外周面に固定される。ベアリング２４，２５は、シャフト２１を回転可能に支持する。本実施形態においてベアリング２４，２５は、例えば、ボールベアリングである。なお、ベアリング２４，２５は、シャフト２１を回転可能に支持できるならば、ボールベアリング以外のベアリングであってもよい。また、ロータコア２２は、シャフト２１の外周面に直接固定されてもよく、部材等を介して間接的に固定されてもよい。　　

ステータ３０は、ロータ２０と隙間を介して径方向に対向する。より詳細には、ステータ３０は、ロータ２０の径方向外側に隙間を介して配置される。ステータ３０は、ステータコア３１と、インシュレータ３４と、複数のコイル３５と、支持部材５０と、バスバー端子６０と、樹脂部４０と、を有する。ステータコア３１は、ロータ２０の径方向外側においてロータ２０を囲む環状である。ステータコア３１は、ロータマグネット２３の径方向外側に隙間を介して対向して配置される。ステータコア３１は、例えば、複数の電磁鋼板が積層されて構成される積層鋼板である。なお、ステータコア３１は、圧粉磁芯などであってもよい。　

図２および図７に示すように、ステータコア３１は、中心軸Ｊを中心とする円環状のコアバック３２と、コアバック３２から径方向内側に延びる複数のティース３３と、を有する。なお、図７においては、ハウジング１１の図示を省略する。図２に示すように、コアバック３２の外周面は、筒部１３の内周面に固定される。コアバック３２の外周面は、ステータコア３１の外周面である。すなわち、ステータコア３１の外周面は、筒部１３の内周面に固定される。本実施形態においてステータコア３１は、筒部１３に圧入により固定されている。図示は省略するが、複数のティース３３は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。　

インシュレータ３４は、ステータコア３１に装着される。インシュレータ３４は、各ティース３３が通される筒状の延伸部３４ａと、延伸部３４ａの径方向外側に位置する外壁部３４ｂと、を有する。延伸部３４ａは、ティース３３を覆う。外壁部３４ｂは、延伸部３４ａから上側に延びる。インシュレータ３４の材料は、例えば樹脂などの絶縁材料である。　

複数のコイル３５は、インシュレータ３４を介してステータコア３１に装着される。複数のコイル３５は、インシュレータ３４を介して各ティース３３に導線が巻き回されることで構成される。本実施形態において、コイル３５の巻線方式は、いわゆる集中巻方式である。なお、コイル３５の巻線方式は、集中巻方式以外の他の方式であってもよい。　

支持部材５０は、ステータコア３１、インシュレータ３４およびコイル３５の上側に配置される。支持部材５０の材料は、樹脂などの絶縁材料である。図８および図９に示すように、支持部材５０は、本体部５１と、バスバー端子保持部５２と、を有する。なお、図９においては、ハウジング１１および樹脂部４０の図示を省略する。　

本体部５１は、板面が軸方向を向く板状である。図示は省略するが、本体部５１は、中心軸Ｊを中心とする円環状である。本体部５１は、ハウジング１１の内部に配置される。図示は省略するが、本体部５１は、インシュレータ３４に下側から支持されて固定される。　

図９に示すように、本体部５１は、本体部５１を軸方向に貫通する第１孔部５１ａを有する。第１孔部５１ａは、周方向に延びる。第１孔部５１ａは、例えば、周方向に沿って複数設けられる。図８に示すように、本体部５１は、本体部５１を軸方向に貫通する第２孔部５１ｂを有する。第２孔部５１ｂは、軸方向に沿って視て、バスバー端子保持部５２と重なる位置に配置される。　

バスバー端子保持部５２は、本体部５１から上側に延びる筒状である。本実施形態では、バスバー端子保持部５２は、本体部５１から上側に延びる角筒状である。バスバー端子保持部５２は、貫通孔１７を介して蓋部１２よりも上側まで延び、ハウジング１１の外部に突出する。図８および図９に示すように、バスバー端子保持部５２は、第１凹部５２ａと、第２凹部５２ｂと、一対の第３凹部５２ｃと、貫通部５２ｄと、を有する。　

図９に示すように、第１凹部５２ａは、バスバー端子保持部５２のうち径方向内側の壁部における上側の端面から下側に窪む。第１凹部５２ａは、バスバー端子保持部５２のうち径方向内側の壁部を径方向に貫通する。第１凹部５２ａは、バスバー端子保持部５２の上側の端部からバスバー端子保持部５２の下側の端部まで延びる。　

第２凹部５２ｂは、バスバー端子保持部５２のうち径方向外側の壁部における上側の端面から下側に窪む。図示は省略するが、第２凹部５２ｂは、周方向に間隔を空けて２つ設けられる。一対の第３凹部５２ｃは、バスバー端子保持部５２のうち周方向両側の壁部における上側の端面から下側に窪む。第３凹部５２ｃは、バスバー端子保持部５２の内側面に開口する。　

図８に示すように、貫通部５２ｄは、バスバー端子保持部５２を径方向に貫通する。貫通部５２ｄは、第２凹部５２ｂの下側から第１凹部５２ａまでバスバー端子保持部５２を貫通する。貫通部５２ｄの全体は、軸方向に沿って視て、第２孔部５１ｂと重なる。そのため、樹脂を用いた射出成形等によって支持部材５０を成形する際に、軸方向に抜く金型のみで貫通部５２ｄを有する支持部材５０を成形することができる。したがって、スライドコア等の複雑な金型を用いる必要がなく、支持部材５０を製造する手間およびコストを低減できる。図１に示すように、バスバー端子保持部５２は、周方向に沿って複数設けられる。図１では、バスバー端子保持部５２は、例えば、３つ設けられる。　

バスバー端子６０は、支持部材５０に支持される。バスバー端子６０は、導電性の部材である。本実施形態では、バスバー端子６０は、銅および銀などの金属製である。バスバー端子６０は、貫通孔１７を介して、ハウジング１１の内部からハウジング１１の外部に突出する。図９に示すように、バスバー端子６０は、導通部６１と、接続部６２と、一対の突起部６３と、を有する。　

導通部６１は、板面が径方向を向く板状であり、軸方向に延びる。導通部６１は、バスバー端子保持部５２の内部に挿入されて保持される。導通部６１の上側の端部は、バスバー端子保持部５２よりも上側に突出する。導通部６１の周方向の寸法は、バスバー端子保持部５２の内部における周方向の寸法および貫通部５２ｄの周方向の寸法よりも小さい。導通部６１は、モータ１０の制御装置等の外部装置に接続される。　

接続部６２は、導通部６１の下側の端部に繋がる。接続部６２は、導通部６１よりも径方向内側に突出した位置に配置される。貫通部５２ｄが貫通する径方向に沿って視て、接続部６２は、貫通部５２ｄと重なる。接続部６２と貫通部５２ｄとは、径方向に並んで配置される。接続部６２は、一対の保持壁部６２ａ，６２ｂと、連結部６２ｃと、を有する。　

一対の保持壁部６２ａ，６２ｂは、径方向に互いに間隔を空けて配置される。一対の保持壁部６２ａ，６２ｂは、板面が径方向を向く板状である。一対の保持壁部６２ａ，６２ｂは、軸方向に延びる。保持壁部６２ａは、保持壁部６２ｂの径方向内側に配置される。保持壁部６２ａは、第１凹部５２ａの径方向外側に配置される。保持壁部６２ｂは、導通部６１の下側の端部に繋がる。保持壁部６２ｂの径方向外側の部分は、第１凹部５２ａの内部に配置される。連結部６２ｃは、一対の保持壁部６２ａ，６２ｂの下側の端部同士を繋ぐ。本実施形態では、接続部６２は、周方向に沿って視て、上側に開口するＵ字形状である。接続部６２は、板部材の一部をＵ字形状に折り曲げることで作られる。なお、接続部６２は、周方向に沿って視て、上側に開口する略Ｕ字形状であってもよい。　

接続部６２には、コイル３５から上側に引き出される引き出し線３６が接続される。これにより、バスバー端子６０は、コイル３５と電気的に接続される。引き出し線３６は、コイル３５を構成する導線の端部である。引き出し線３６は、第１孔部５１ａを介して本体部５１の下側から本体部５１の上側に引き出され、周方向に沿って延びる。　

引き出し線３６は、一対の保持壁部６２ａ，６２ｂ同士の径方向の間に配置されて、一対の保持壁部６２ａ，６２ｂと接触する。本実施形態では、一対の保持壁部６２ａ，６２ｂ同士の径方向の間は、第１凹部５２ａよりも径方向内側に位置する。そのため、引き出し線３６を一対の保持壁部６２ａ同士の径方向の間に挟みやすい。図示は省略するが、一対の保持壁部６２ａ，６２ｂは、径方向にカシメられて、引き出し線３６を径方向に挟持する。一対の保持壁部６２ａ，６２ｂと引き出し線３６とは、例えば、互いに溶接される。　

本実施形態では、接続部６２と貫通部５２ｄとは、径方向に並んで配置される。そのため、バスバー端子６０と引き出し線３６とを溶接して固定する際に、接続部６２を径方向両側から溶接端子で挟むことができる。これにより、バスバー端子６０をバスバー端子保持部５２に保持しつつ、引き出し線３６とバスバー端子６０とを容易に溶接でき、かつ、溶接を行うために必要な空間を小さくしやすい。図９では、２本の引き出し線３６がバスバー端子６０に接続される。２本の引き出し線３６は、軸方向に並んで配置される。　

一対の突起部６３は、導通部６１から周方向両側に突出する。導通部６１は、バスバー端子保持部５２に下側から支持される。
これにより、バスバー端子６０が軸方向に位置決めされる。一対の突起部６３は、一対の第３凹部５２ｃに嵌め合わされる。　

図７に示すように、本実施形態においてバスバー端子６０は、周方向に沿って３つ設けられる。３つのバスバー端子６０には、それぞれＵ相、Ｖ相、Ｗ相の交流電流が供給される。これにより、３つのバスバー端子６０を介して、モータ１０には、三相交流電流が供給される。なお、本実施形態では、モータ１０は、三相モータである。しかしながら、モータ１０は、三相モータに限られず、単相モータ、２相モータ、４相以上の多相モータであってもよい。その場合、モータの相の数に応じて、バスバー端子６０の数は適宜変更されてもよい。　

樹脂部４０は、樹脂製の部材である。図２および図７に示すように、樹脂部４０は、中心軸Ｊを中心として軸方向に延びる略円筒状である。図２に示すように、樹脂部４０には、ステータコア３１の一部、インシュレータ３４の少なくとも一部、コイル３５の少なくとも一部、支持部材５０の少なくとも一部、およびバスバー端子６０の一部が埋め込まれる。そのため、樹脂部４０によって、ステータコア３１とインシュレータ３４とコイル３５と支持部材５０とバスバー端子６０とを一体的にまとめて固定することができる。また、コイル３５を絶縁しやすい。本実施形態では、インシュレータ３４の全体およびコイル３５の全体が樹脂部４０に埋め込まれる。支持部材５０は、バスバー端子保持部５２の上端面を除いた部分全体が樹脂部４０に埋め込まれる。　

樹脂部４０は、例えば、ステータコア３１とインシュレータ３４とコイル３５と支持部材５０とバスバー端子６０とを挿入した金型内に溶融した樹脂を流し込み固化させるインサート成形によって製造される。ここで、本実施形態では、バスバー端子保持部５２が第１凹部５２ａ、第２凹部５２ｂおよび貫通部５２ｄを有するため、バスバー端子６０が保持されたバスバー端子保持部５２の内部にも樹脂を流し込みやすい。したがって、支持部材５０とバスバー端子６０とをインサート部材とするインサート成形によって樹脂部４０を製造する際に、ショートモールドが生じにくい。　

樹脂部４０は、第１環状部４１と、第２環状部４２と、複数の柱状部４３と、バスバー端子支持部４４と、を有する。すなわち、ステータ３０は、第１環状部４１と、第２環状部４２と、複数の柱状部４３と、バスバー端子支持部４４と、を有する。第１環状部４１は、ステータコア３１の上側の面から上側に突出し、ロータ２０の径方向外側においてロータ２０を囲む環状の環状部に相当する。第１環状部４１は、中心軸Ｊを中心とする略円環状である。図７および図８に示すように、第１環状部４１の外周面は、ステータコア３１の外周面よりも径方向内側に配置される。第１環状部４１の外周面は、コアバック３２の上側の端面から上側に延びる。図８に示すように、第１環状部４１の内周面は、径方向において、ティース３３の径方向内側面と同じ位置に配置される。　

第１環状部４１は、蓋部１２の下側に配置される。第１環状部４１の全体は、ハウジング１１の内部に収容される。第１環状部４１は、貫通孔１７を下側から覆う。そのため、貫通孔１７を介してハウジング１１の外部からハウジング１１の内部に異物が侵入することを抑制できる。第１環状部４１には、インシュレータ３４のうちステータコア３１よりも上側の部分と、コイル３５のうちステータコア３１よりも上側の部分と、支持部材５０のうちハウジング１１の内部に配置される部分と、バスバー端子６０のうちハウジング１１の内部に配置される部分と、が埋め込まれる。　

第１環状部４１は、蓋部１２の下側の面と周方向の一周に亘って接触する接触部４１ｂを有する。接触部４１ｂは、第１環状部４１の上側の端部のうち径方向外側の端部である。接触部４１ｂは、貫通孔１７よりも径方向外側に位置する。接触部４１ｂは、蓋部１２の下側の面のうち貫通孔１７の径方向外側の縁部と接触する。図７に示すように、本実施形態では、接触部４１ｂは、中心軸Ｊを中心とする円環状である。　

第１環状部４１は、第１環状部４１の上側の面から下側に窪む第１穴部４１ａを有する。図１に示すように、第１穴部４１ａは、軸方向に沿って視て、貫通孔１７と重なる。これにより、例えば、蓋部１２の上側から貫通孔１７を介して治具を第１穴部４１ａに挿入させることで、ステータ３０をハウジング１１に対して周方向に位置決めしつつ、ステータ３０をハウジング１１に固定することができる。本実施形態では、第１穴部４１ａは、周方向に沿って複数設けられる。　

図２に示すように、第２環状部４２は、ステータコア３１の下側の面から下側に突出し、ロータ２０の径方向外側においてロータ２０を囲む環状である。本実施形態では、第２環状部４２は、中心軸Ｊを中心とする円環状である。図７に示すように、第２環状部４２の外周面は、ステータコア３１の外周面よりも径方向内側に配置される。第２環状部４２の外周面は、コアバック３２の下側の端面から下側に延びる。図２に示すように、第２環状部４２の内周面は、径方向において、ティース３３の径方向内側面と同じ位置に配置される。　

第２環状部４２の下側の端部は、筒部１３の下側の開口からハウジング１１よりも下側に突出する。第２環状部４２の下側の端部における内側には、ベアリング２４が嵌め合わされて保持される。第２環状部４２には、インシュレータ３４のうちステータコア３１よりも下側の部分と、コイル３５のうちステータコア３１よりも下側の部分と、が埋め込まれる。　

複数の柱状部４３は、軸方向に延びる柱状である。図示は省略するが、複数の柱状部４３は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。複数の柱状部４３は、それぞれ周方向に隣り合うティース３３同士の間の部分に配置される。各柱状部４３は、周方向に隣り合うティース３３同士の間に充填される。柱状部４３の上側の端部は、第１環状部４１と繋がる。柱状部４３の下側の端部は、第２環状部４２と繋がる。柱状部４３は、第１環状部４１と第２環状部４２とを繋ぐ。柱状部４３の径方向内側面は、径方向において、ティース３３の径方向内側面と同じ位置に配置される。　

第１環状部４１の内周面と、第２環状部４２の内周面と、各柱状部４３の径方向内側面と、各ティース３３の径方向内側面とは、互いに径方向位置が同じであり、中心軸Ｊを中心とする円筒状の曲面を構成する。　

図７に示すように、バスバー端子支持部４４は、第１環状部４１から上側に突出する柱状である。軸方向に沿って視てバスバー端子支持部４４は、周方向に沿って円弧状に延びる。バスバー端子支持部４４の周方向両側の側面は、上側に向かうに従って互いに周方向に近づく向きに傾斜する。バスバー端子支持部４４の周方向の寸法Ｍ２は、上側に向かうに従って小さくなる。これにより、例えば、射出成形にてバスバー端子支持部４４を成形する際に、金型を容易に取り外すことができる。図３に示すように、バスバー端子支持部４４の周方向の寸法Ｍ２は、貫通孔１７の周方向の寸法Ｍ１よりも小さい。　

バスバー端子支持部４４は、周方向に沿って複数設けられる。本実施形態においてバスバー端子支持部４４は、例えば、バスバー端子支持部４４ａとバスバー端子支持部４４ｂとバスバー端子支持部４４ｃとの３つが設けられる。バスバー端子支持部４４ａの周方向の寸法Ｍ２は、バスバー端子支持部４４ｂの周方向の寸法およびバスバー端子支持部４４ｃの周方向の寸法Ｍ２よりも大きい。バスバー端子支持部４４ｂの周方向の寸法Ｍ２とバスバー端子支持部４４ｃの周方向の寸法Ｍ２とは、ほぼ同じである。なお、バスバー端子支持部４４ａとバスバー端子支持部４４ｂとバスバー端子支持部４４ｃとを特に区別しない場合においては、単にバスバー端子支持部４４と呼ぶ。　

図８に示すように、バスバー端子支持部４４には、バスバー端子６０の一部が埋め込まれて支持される。バスバー端子支持部４４には、バスバー端子６０の下側の部分と、バスバー端子保持部５２の上側の部分と、が埋め込まれる。バスバー端子６０の上側の端部は、バスバー端子支持部４４から上側に突出する。これにより、外部装置をモータ１０の上側に配置した際に、外部装置をバスバー端子６０と接続しやすい。　

バスバー端子支持部４４の少なくとも一部は、貫通孔１７に挿入される。本実施形態においてバスバー端子支持部４４は、第１環状部４１から貫通孔１７を介して蓋部１２よりも上側に突出する。図１に示すように、バスバー端子支持部４４ａは、貫通孔１７ａに通される。バスバー端子支持部４４ｂは、貫通孔１７ｂに通される。バスバー端子支持部４４ｃは、貫通孔１７ｃに通される。　

図３に示すように、軸方向に沿って視て、バスバー端子支持部４４の外縁は、全周に亘って、貫通孔１７の内縁の内側に隙間を空けて配置される。そのため、バスバー端子支持部４４を貫通孔１７に通す際に、バスバー端子支持部４４が貫通孔１７の内縁と接触することを抑制でき、蓋部１２の形状が歪むことを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、バスバー端子支持部４４がハウジング１１の貫通孔１７に挿入されるモータにおいて、ハウジング１１が歪むことを抑制できる。また、バスバー端子支持部４４が貫通孔１７の内縁と接触して損傷することを抑制できる。　

また、本実施形態によれば、ハウジング１１は蓋部１２の径方向内縁部に繋がるベアリング保持部１４を有する。そして、本実施形態では、上述したように蓋部１２が歪むことを抑制できるため、蓋部１２に繋がるベアリング保持部１４が歪むことを抑制できる。したがって、ベアリング２５およびシャフト２１の配置精度が低下することを抑制できる。　

軸方向に沿って視て、貫通孔１７の内縁とバスバー端子支持部４４の外縁との周方向の隙間Ｇ３，Ｇ４は、貫通孔１７の内縁とバスバー端子支持部４４の外縁との径方向の隙間Ｇ１，Ｇ２よりも大きい。そのため、バスバー端子支持部４４の周方向位置がずれた場合であっても、バスバー端子支持部４４が貫通孔１７の内縁と接触することを抑制できる。これにより、蓋部１２が歪むことをより抑制できる。　

また、本実施形態によれば、上述したように貫通孔１７の周方向の寸法を大きくできる。そのため、バスバー端子支持部４４の周方向位置がずれた場合であっても、バスバー端子支持部４４が貫通孔１７の内縁と接触することをより抑制できる。したがって、蓋部１２が歪むことをより抑制できる。　

隙間Ｇ１は、貫通孔１７の内縁のうち径方向内側に位置する部分とバスバー端子支持部４４の径方向内側面との径方向の間の隙間である。隙間Ｇ２は、貫通孔１７の内縁のうち径方向外側に位置する部分とバスバー端子支持部４４の径方向外側面との径方向の間の隙間である。隙間Ｇ１の径方向の寸法と隙間Ｇ２の径方向の寸法とは、ほぼ同じである。　

隙間Ｇ３は、貫通孔１７の内縁のうち周方向一方側に位置する部分とバスバー端子支持部４４の周方向一方側の面との周方向の間の隙間である。隙間Ｇ４は、貫通孔１７の内縁のうち周方向他方側に位置する部分とバスバー端子支持部４４の周方向他方側の面との周方向の間の隙間である。軸方向に沿って視て、平面部１５に対して周方向に隣り合う貫通孔１７ａ，１７ｂの内縁とバスバー端子支持部４４ａ，４４ｂの外縁との周方向両側の隙間Ｇ３，Ｇ４のうち、周方向における平面部１５が配置される側の隙間Ｇ３は、周方向における平面部１５が配置される側と逆側の隙間Ｇ４よりも大きい。すなわち、隙間Ｇ３の周方向の寸法Ｍ３は、隙間Ｇ４の周方向の寸法Ｍ４よりも大きい。そのため、バスバー端子支持部４４ａ，４４ｂが、周方向における平面部１５が配置される側の貫通孔１７ａ，１７ｂの縁部と接触することをより抑制できる。これにより、平面部１５が歪むことを抑制でき、コンタクト部材７０の配置精度が低下することを抑制できる。　

　バスバー端子支持部４４のうち１つのバスバー端子支持部４４ａは、バスバー端子支持部４４の上側の面から下側に窪む第２穴部４５を有する。第２穴部４５は、例えば、ステータ３０の周方向の位置決め、および外部装置のバスバー端子支持部４４への取り付け等に利用することができる。　

ステータ３０をハウジング１１に対して固定する工程において、作業者等は、筒部１３の下側の開口からステータ３０をハウジング１１の内部に圧入する。作業者等は、第１環状部４１が蓋部１２の下側の面に接触するまで、ステータ３０をハウジング１１に対して上側に移動させる。これにより、ステータ３０がハウジング１１に対して圧入により固定される。第１環状部４１が蓋部１２の下側の面と接触して接触部４１ｂが設けられることにより、図８に示すように、第１環状部４１の外周面と蓋部１２の下側の面と筒部１３の内周面とステータコア３１の上側の面とによって囲まれた空間Ｓが構成される。すなわち、本実施形態のモータ１０の製造方法は、ステータコア３１を下側から筒部１３に圧入し、第１環状部４１を蓋部１２の下側の面に接触させて空間Ｓを構成する工程を含む。　

ここで、ステータ３０をハウジング１１に対して圧入により固定する際においては、互いに擦れ合うステータコア３１の外周面と筒部１３の内周面とのうちの少なくとも一方が削れて、金属粉等の異物が生じる虞がある。この場合、異物は、ステータ３０がハウジング１１に対して上側に移動する際に生じ、ステータコア３１の上側の面に溜まる。この状態で、上述したように空間Ｓが構成されると、異物を空間Ｓ内に捉えることができる。そのため、異物が空間Ｓの外部に移動することを抑制でき、異物がロータ２０とステータ３０との間およびベアリング２５等に移動することを抑制できる。これにより、ロータ２０の回転が阻害されることを抑制できる。また、異物がハウジング１１の外部に漏れることを抑制でき、モータ１０が搭載される機器等に不具合が生じることを抑制できる。さらに、ステータ３０をハウジング１１に対して固定することで空間Ｓを構成できる。そのため、本実施形態では、接着剤等を用いる必要もなく、モータ１０を製造する手間およびコストが増大することも抑制できる。　

以上により本実施形態によれば、製造の手間およびコストが増大することを抑制しつつ、ハウジング１１内において異物が移動することを抑制できる。

上述したように、ステータコア３１を筒部１３に対して圧入により固定する場合には、ステータコア３１の外周面と筒部１３の内周面とのうちの少なくとも一方が削れて、金属粉等の異物が生じる虞がある。その際、上記構造により、ステータコア３１を筒部１３に対して圧入により固定する場合に、異物が移動することを抑制できる。　

また、本実施形態によれば、蓋部１２と筒部１３とは、同一かつ単一の金属部材の一部である。したがって、ステータコア３１を筒部１３に圧入する際には、蓋部１２が設けられる側とは逆側から筒部１３にステータコア３１を圧入し、ステータコア３１を蓋部１２に向けて移動させることとなる。そのため、生じた異物がステータコア３１の蓋部１２側に溜まり、蓋部１２と筒部１３とステータ３０とで囲まれた空間Ｓに異物を捉えやすい。特に、本実施形態のように、筒部１３に対して蓋部１２を上側に配置した状態で、ステータコア３１を下側から圧入する場合には、ステータコア３１の上側の面に異物を保持した状態で、空間Ｓを構成することができる。そのため、空間Ｓが構成される前に異物がハウジング１１の外部に移動することを抑制できる。なお、蓋部１２と筒部１３とが別々の部材であっても、溶接等により蓋部１２と筒部１３とが一つの部材として構成されるのであれば、上述の通り、空間Ｓを構成することができ、異物がハウジング１１の外部に移動することを抑制できる。　

また、本実施形態によれば、第１環状部４１は樹脂部４０に設けられる。そのため、インサート成形によって、容易に第１環状部４１を作ることができる。これにより、ハウジング１１の形状に合わせて、第１環状部４１を作ることができ、空間Ｓを好適に構成することができる。　

また、本実施形態によれば、第１環状部４１は、貫通孔１７を下側から覆う。そのため、ハウジング１１内で生じた異物が貫通孔１７を介してハウジング１１の外部に漏れることを抑制できる。特に、本実施形態のように、貫通孔１７が周方向に延びるような場合には、貫通孔１７が大きくなりやすいため、異物がハウジング１１の外部へ漏れやすい。しかしながら、本実施形態では、上述の構成により、貫通孔１７から異物がハウジング１１の外部へ漏れることを抑制できる。　

また、本実施形態によれば、接触部４１ｂは、貫通孔１７よりも径方向外側に位置する。そのため、空間Ｓに貫通孔１７が開口することがなく、空間Ｓに捉えられた異物が貫通孔１７を介してハウジング１１の外部に漏れることを抑制できる。　

本実施形態において空間Ｓを囲むステータコア３１の上側の面は、コアバック３２の上側の面である。空間Ｓの形状は、例えば、中心軸Ｊを中心とする略円筒状である。本実施形態において空間Ｓは、密閉空間である。そのため、空間Ｓ内に捉えられた異物が空間Ｓの外部に移動することを防止することができる。　

本実施形態によれば、ハウジング１１が歪むことを抑制できるため、ハウジング１１が歪んで空間Ｓが好適に作られなくなることを抑制できる。特に、本実施形態のように空間Ｓを密閉空間とする場合、ハウジング１１が歪むと空間Ｓが密閉されなくなりやすい。しかしながら、本実施形態では、上記構成により、ハウジング１１が歪むことを抑制でき、空間Ｓを密閉空間として構成しやすい。　

本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。例えば、第１環状部の外周面と蓋部の下側の面と筒部の内周面とステータコアの上側の面とによって囲まれた空間Ｓは、密閉空間でなくてもよい。空間Ｓには、ハウジングの外部と繋がる隙間が開口してもよい。この場合、空間Ｓに開口する隙間は、空間Ｓ内に捉えられる異物よりも小さいことが好ましい。モータ１０において、空間Ｓは、設けられなくてもよい。　

第１環状部は、蓋部の下側の面と周方向の一周に亘って接触する接触部を有し空間Ｓを構成できるステータの一部であれば、特に限定されない。第１環状部は、樹脂部以外の部分であってもよい。第１環状部は、例えば、インシュレータの一部であってもよいし、インシュレータの一部と樹脂部の一部とによって構成されてもよい。第１環状部の材料は、特に限定されず、樹脂以外であってもよい。　

バスバー端子支持部は、蓋部よりも上側に突出しなくてもよい。バスバー端子支持部の外縁と貫通孔の内縁との間の隙間の寸法は、バスバー端子支持部の全周に亘って設けられるならば、特に限定されない。例えば、貫通孔の内縁とバスバー端子支持部の外縁との周方向の隙間は、貫通孔の内縁とバスバー端子支持部の外縁との径方向の隙間と同じ大きさであってもよいし、貫通孔の内縁とバスバー端子支持部の外縁との径方向の隙間より小さくてもよい。貫通孔の内縁とバスバー端子支持部の外縁との周方向両側の隙間は、互いに同じ大きさであってもよい。貫通孔の内縁とバスバー端子支持部の外縁との径方向両側の隙間は、互いに異なる大きさであってもよい。バスバー端子支持部の外縁は、貫通孔の内縁と接触してもよい。　

貫通孔の周方向の寸法Ｍ１は、周方向に隣り合う貫通孔同士の間の距離Ｌと同じであってもよいし、距離Ｌより小さくてもよい。貫通孔の形状は、特に限定されない。貫通孔の数およびバスバー端子支持部の数は、特に限定されない。第１穴部および第２穴部は、設けられなくてもよい。　

ステータコアは、筒部に対して圧入以外の方法を用いて固定されてもよい。このような場合であっても、例えば、ステータコアの上側の面に付着していた異物がハウジング内で剥離する虞があるため、異物を空間Ｓに捉えることで異物の移動を抑制できる。ハウジングは、筒部と蓋部とを有する金属製の金属部材以外の別部材を有してもよい。ハウジングの材料は、金属以外であってもよい。　

平面部は、蓋部の上側の面のうち下側に窪む部分であってもよい。この場合においても、部分的に蓋部の平面度を大きく加工しやすく、平面度が大きい平面部を作りやすい。そのため、ハウジングを製造する手間およびコストが増大することをより抑制できる。平面部の平面度は、蓋部の上側の面のうち平面部以外の部分の平面度と同じであってもよい。　

コンタクト部材は、図１０から図１２に示すモータ１１０のコンタクト部材１７０のような構成であってもよい。なお、図１１においては、コンタクト部材１７０の図示を省略する。図１０から図１２に示すように、モータ１１０において、蓋部１１２の取付孔部１１６は、突出部１１２ａにおける平面部１１５の周方向両側に配置される。図１１に示すように、取付孔部１１６は、取付孔部１１６の内縁のうち平面部１１５側に位置する部分に、平面部１１５側に窪む第１凹部１１６ａを有する。第１凹部１１６ａは、取付孔部１１６の内縁のうち平面部１１５側に位置する部分の径方向両側の端部に設けられる。取付孔部１１６の径方向の寸法は、平面部１１５の径方向の寸法よりも小さい。　

図１０に示すように、コンタクト部材本体１７１は、板面が軸方向を向く板状である。そのため、板部材を打ち抜く等によりコンタクト部材本体１７１を作りやすい。コンタクト部材本体１７１は、軸方向に沿って視て、角丸の略矩形状である。コンタクト部材本体１７１の外形は、軸方向に沿って視て、平面部１１５を囲む。コンタクト部材本体１７１の軸方向に沿って視た面積は、平面部１１５の面積よりも大きい。そのため、コンタクト部材本体１７１に、外部装置の端子を接触させやすい。　

爪部１７２は、コンタクト部材本体１７１の周方向両側の端部にそれぞれ設けられる。爪部１７２は、板状である。図１２に示すように、基部１７２ａは、コンタクト部材本体１７１の周方向端部から下側に延びる。基部１７２ａは、取付孔部１１６に挿入される。引掛け部１７２ｂは、基部１７２ａの下側の端部から周方向のうち他方の爪部１７２が配置される側に延びる。引掛け部１７２ｂの上側の面は、突出部１１２ａの下側の面に接触して引っ掛けられる。　

基部１７２ａおよび引掛け部１７２ｂは、コンタクト部材本体１７１から周方向両側に延びる板状の腕部を折り曲げることによって作られる。ここで、図１０に示すように、コンタクト部材本体１７１のうち爪部１７２が繋がる部分の径方向両側には、他方の爪部１７２に向かう側に窪む第２凹部１７１ａが設けられる。そのため、コンタクト部材本体１７１から延びる腕部をコンタクト部材本体１７１に繋がる根元部分で折り曲げやすく、基部１７２ａを作りやすい。　

コンタクト部材の形状は、平面部に配置されて、外部装置の端子が接触可能であれば、特に限定されず、上述したコンタクト部材７０，１７０以外の形状であってもよい。コンタクト部材の材料は、ハウジングの材料と同じであってもよい。　

上述した実施形態のモータの用途は、特に限定されない。上述した実施形態のモータは、ポンプ、ブレーキ、クラッチ、掃除機、ドライヤ、シーリングファン、洗濯機、冷蔵庫および電動パワーステアリング装置などの多様な機器に用いることができる。また、上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。

１０，１１０…モータ、１１…ハウジング、１２，１１２…蓋部、１５，１１５…平面部、１６，１１６…取付孔部、１７，１７ａ，１７ｂ，１７ｃ…貫通孔、２０…ロータ、２１…シャフト、３０…ステータ、７０，１７０…コンタクト部材、７１，１７１…コンタクト部材本体、７２，１７２…爪部、Ｊ…中心軸

Claims

中心軸に沿って配置されるシャフトを有するロータと、

前記ロータと隙間を介して径方向に対向するステータと、

前記ロータと前記ステータとを収容するハウジングと、

前記ハウジングに取り付けられ、外部装置の端子が接触可能なコンタクト部材と、

を備え、

前記ハウジングは、前記ステータの軸方向一方側を覆う蓋部を有し、

前記蓋部の軸方向一方側の面のうちの一部は、軸方向一方側に突出する、または軸方向他方側に窪む平面部であり、

前記コンタクト部材は、前記平面部に配置される、モータ。
前記平面部は、軸方向一方側に突出する、請求項１に記載のモータ。
前記蓋部は、前記蓋部を軸方向に貫通する取付孔部を有し、

前記コンタクト部材は、

　前記平面部に接触するコンタクト部材本体と、

　前記コンタクト部材本体から延びる爪部と、

を有し、

前記爪部は、前記取付孔部を介して前記蓋部よりも軸方向他方側に延び、前記蓋部の軸方向他方側の面に引っ掛けられる、請求項１または２に記載のモータ。
前記コンタクト部材本体は、板面が軸方向を向く板状である、請求項３に記載のモータ。
前記取付孔部は、前記平面部に配置され、

前記爪部は、前記コンタクト部材本体の軸方向他方側の面から軸方向他方側に延びる、

請求項３または４に記載のモータ。
前記蓋部は、前記蓋部を軸方向に貫通する貫通孔を有し、

前記貫通孔は、周方向に沿って複数設けられ、

前記平面部は、周方向に隣り合う前記貫通孔同士の間に配置される、請求項１から５のいずれか一項に記載のモータ。
前記平面部の平面度は、前記蓋部の軸方向一方側の面のうち前記平面部以外の部分の平面度よりも大きい、請求項１から６のいずれか一項に記載のモータ。
前記コンタクト部材の材料は、前記ハウジングの材料と異なる、請求項１から７のいずれか一項に記載のモータ。