WO2019066048A1 - ロータの製造方法および塗布装置 - Google Patents

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Abstract

このロータの製造方法は、ノズルを塗布領域においてポンプの接着剤を送り出す動作が終了した位置よりもノズル進行方向の前方側に移動させて、塗布面の塗布領域よりも前方の部分に接着剤を引き延ばすように、接着剤を塗布する工程と、ロータコアに永久磁石を配置する工程と、接着剤を発泡させるとともに、硬化させる工程とを備える。

Description

ロータの製造方法および塗布装置
 本発明は、ロータの製造方法および塗布装置に関する。
 従来、発泡剤を含む接着剤により永久磁石がロータコアに接着されるロータの製造方法および塗布装置が知られている。このようなロータの製造方法および塗布装置は、たとえば、特開2007-151362号公報に開示されている。
 上記特開2007-151362号公報には、永久磁石の表面に、ディスペンサ(塗布装置)により、発泡剤を含み溶解した接着剤を滴下するロータの製造方法が開示されている。このロータの製造方法では、永久磁石の表面に滴下された接着剤が、ヒータが取り付けられたプレス機によりプレスされる。このプレスによる押圧力により、接着剤が、シート状に成形される。そして、ロータコアの収容溝に永久磁石が配置された後、接着剤が加熱されることにより、接着剤が発泡し硬化して、永久磁石がロータコアの収容溝に固定される。
特開2007-151362号公報
 しかしながら、上記特開2007-151362号公報では、ディスペンサにより滴下された接着剤が、プレス機によりシート状に成形されるため、ディスペンサ(塗布装置)およびプレス機が必要になる。これにより、ロータの製造設備が大型化するという不都合がある。
 そこで、ロータの製造設備が大型化するのを防止するために、プレス機を用いずに、永久磁石の表面(塗布面)に、接着剤の厚みが均一(シート状)になるように、塗布装置により接着材を塗布することが考えられる。たとえば、塗布装置のノズルを塗布面に対して移動させながら、ノズルから接着剤を吐出させることにより、塗布面に接着剤を塗布することが考えられる。
 しかしながら、本願発明者が塗布面の塗布領域内で一定の吐出量で接着剤を吐出させることにより、接着剤の厚みが均一になるように試みた場合でも、接着剤の厚みが不均一になることが判明した。具体的には、接着剤の塗布開始端部、および、接着剤の塗布終了端部の厚みが、塗布開始端部と塗布終了端部との間の塗布中央部の厚みよりも大きくなることが判明した。たとえば、厚みが不均一であること(塗布端部の厚みが比較的大きいこと)により、ロータコアの収容溝(磁石用孔部)に永久磁石を配置(挿入)する際に、接着剤が磁石用孔部と機械的に干渉してしまい、干渉して削られた接着剤を除去する工程が必要となる。この場合、ロータの製造工程数が増加する。そこで、干渉して削られた接着剤を除去する工程を省くために、厚みが大きい場合に厚みが不均一になることを考慮して、接着剤の厚みを薄くすることが考えられる。しかしながら、接着剤の厚みを薄くした場合、接着剤の膨張率を大きくする必要があり、発泡後の接着剤の密度が低下して、永久磁石と磁石用孔部との接着強度が低下すると考えられる。したがって、従来、ロータを製造するための製造工程数が増加するのを防止しながら、接着剤の厚みが不均一になることを防止することが困難であるという問題点がある。
 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ロータを製造するための製造工程数が増加するのを防止しながら、接着剤の厚みが不均一になることを防止することが可能なロータの製造方法および塗布装置を提供することである。
 上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるロータの製造方法は、ロータコアと、発泡剤を含む接着剤によりロータコアに接着される永久磁石とを備えるロータの製造方法であって、接着剤を送り出す動作を行うポンプにより送り出された接着剤を吐出する吐出口を有するノズルを永久磁石またはロータコアの塗布面に沿った方向であるノズル進行方向に移動させながら、塗布面の塗布領域に接着剤を塗布する工程と、接着剤を塗布する工程の後、ロータコアに永久磁石を配置する工程と、永久磁石を配置する工程の後、接着剤を発泡させるとともに、硬化させる工程とを備え、接着剤を塗布する工程は、ノズルを塗布領域においてポンプの接着剤を送り出す動作が終了した位置よりもノズル進行方向の前方側に移動させて、塗布面の塗布領域よりも前方の部分に接着剤を引き延ばすように、接着剤を塗布する工程である。
 ここで、本願発明者がさらに鋭意検討した結果、ポンプの接着剤を送り出す動作を終了した場合でも、ノズル(ノズルのシリンダ)内圧がノズル外部の圧力よりも大きいことに起因して、ノズル内の接着剤が飛び出し、塗布された接着剤上に付着することが判明した。そして、接着剤の塗布を終了する位置において、所望の接着剤の厚みよりも厚みが増加して、塗布された接着剤の厚みが不均一になることが判明した。これに対して、本発明では、ノズルを塗布領域においてポンプの接着剤を送り出す動作が終了した位置よりもノズル進行方向の前方側に移動させて、塗布面の塗布領域よりも前方の部分に接着剤を引き延ばすように、接着剤を塗布する。これにより、ノズル内に残余した接着剤が飛び出した場合でも、塗布面の塗布領域の前方の部分に、残余した接着剤をノズルにより引き延ばして付着させることができる。この結果、塗布領域に塗布された接着剤の厚み方向の表面(塗布面に直交する方向の表面)に、残余した接着剤が付着するのを防止することができる。その結果、ノズル内に残余した接着剤に起因して、塗布終了部において接着剤の厚みが増加するのを防止することができるので、接着剤の厚みが不均一になるのを極力防止することができる。そして、塗布した接着剤をシート状に成形するためのプレス機が必要ないので、ロータの製造設備の大型化を防止しながら、接着剤の厚みが不均一になることを極力防止することができる。また、接着剤の厚みが不均一になるのが防止されるので、永久磁石をロータコアの磁石用孔部に挿入する際に、接着剤とロータコアまたは永久磁石とが干渉するのを防止することができる。これにより、干渉して削られた接着剤を除去する工程が不要となるので、ロータを製造するための製造工程数が増加するのを防止しながら、接着剤の厚みが不均一になることを防止することができる。
 この発明の第2の局面における塗布装置は、ロータコアと、発泡剤を含む接着剤によりロータコアに接着される永久磁石とを備えるロータのロータコアまたは永久磁石の塗布面に接着剤を塗布する塗布装置であって、接着剤を送り出す動作を行うポンプと、ポンプにより送り出された接着剤を吐出する吐出口を有するノズルと、ノズルを、塗布面に対して移動させる移動機構部とを備え、移動機構部により、ノズルを塗布面に沿った方向であるノズル進行方向に移動させながら、塗布面の塗布領域に接着剤を塗布するように構成されており、ノズルは、ノズルが塗布領域においてポンプの接着剤を送り出す動作が終了した位置よりもノズル進行方向の前方側に移動した際に、塗布面の塗布領域の前方の部分に接着剤を引き延ばすように構成されている。
 この発明の第2の局面における塗布装置では、上記のように構成することにより、ロータを製造するための製造工程数が増加するのを防止しながら、接着剤の厚みが不均一になることを防止することが可能な塗布装置を提供することができる。
 本発明によれば、ロータを製造するための製造工程数が増加するのを防止しながら、接着剤の厚みが不均一になることを防止することができる。
本発明の一実施形態による回転電機(ロータ)の断面図である。 本発明の一実施形態によるロータの斜視図である。 本発明の一実施形態による永久磁石および接着剤の構成を示す側面図である。 本発明の一実施形態による永久磁石とロータコアとが接着剤により接着された状態を示す部分平面図である。 本発明の一実施形態による接着剤の膨張前(図5A)および膨張後(図5B)の状態を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態による接着剤の構成を示す概念図である。 本発明の一実施形態によるロータコアに永久磁石が挿入された状態を示す部分平面図である。 本発明の一実施形態による接着剤の乾燥前後の厚みの関係を説明するための図である。 本発明の一実施形態による3軸直交ロボットの斜視図である。 本発明の一実施形態によるプランジャポンプの断面図である。 本発明の一実施形態による接着剤を塗布する工程を示す図である。 本発明の一実施形態によるノズルの吐出口および延伸部を示す図である。 本発明の一実施形態によるノズルの吐出口および延伸部による接着剤が引き延ばされる様子を示す図である。 本発明の一実施形態による塗布装置の上面図である。 本発明の一実施形態による製造工程を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による製造工程中の接着剤の厚みおよび温度の変化を示す図である。 本発明の一実施形態によるノズルの動作と接着剤の厚みの関係を説明するための図であり、吐出指令値(図17A)、ノズルと面との距離(図17B)、ノズルの移動速度(図17C)、接着剤の厚み(図17D)、および、永久磁石の平面図(図17E)である。 本発明の一実施形態による塗布された接着剤を模式的に示した平面図である。 本発明の一実施形態による永久磁石を磁石用孔部に配置する工程を説明するための図である。 比較例によるロータの製造方法を説明するための図であり、吐出指令値(図20A)、ノズルと面との距離(図20B)、ノズルの移動速度(図20C)、接着剤の厚み(図20D)である。
 以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
 [ロータの構造]
 図1~図8を参照して、本実施形態によるロータ100の構造について説明する。
 なお、本願明細書では、「回転軸線方向」または「軸方向」とは、ロータ100の回転軸線方向(軸C1(図2参照)に沿った方向;図1の矢印A方向)を意味する。また、「周方向」は、ロータ100の周方向(図2の矢印B1方向および矢印B2方向)を意味する。また、「径方向内側」は、ロータ100の内径側(矢印E1方向側)を意味し、「径方向外側」は、ロータ100の外径側(矢印E2方向側)を意味する。
 ロータ100は、図1に示すように、たとえば、複数の永久磁石1がロータ100の内部に配置された埋込永久磁石型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)の一部(回転電機101の一部)を構成している。回転電機101は、たとえば、モータ、ジェネレータ、および、モータおよびジェネレータの双方の機能を有するモータ・ジェネレータのいずれかとして構成されている。たとえば、回転電機101は、ハイブリッド車または電気自動車で使用される走行用モータとして構成されている。
 また、ロータ100は、ステータ102の径方向内側において、ステータ102と径方向に対向するように配置されている。すなわち、回転電機101は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。また、ロータ100は、図1に示すように、永久磁石1と、ハブ部材2と、ロータコア3と、接着剤4と、エンドプレート5とを含む。ロータ100は、シャフトに接続されるハブ部材2に固定され、ハブ部材2およびシャフトを介して、回転電機101の外部に回転運動を伝達させる(または伝達される)ように構成されている。
 永久磁石1は、図3に示すように、径方向内側から見て、軸方向の長さL1、および、長さL1より小さい幅W1を有する略矩形形状を有するように形成されている。たとえば、永久磁石1は、図4に示すように、軸方向の一方側から見て(矢印A方向に見て)、径方向外側の2つの角部が面取りされた略矩形形状を有する。そして、永久磁石1は、軸方向の一方側から見て、径方向内側の面11が平坦面として、径方向外側の面12が弧状を有する面として構成されている。なお、面11は、請求の範囲の「塗布面」の一例である。
 また、永久磁石1の面取りされた2つの角部には、それぞれ、後述する磁石用孔部32に当接する当接面としての面13が設けられている。永久磁石1の2つの面13は、それぞれ、磁石用孔部32の壁面32aに当接する(面接触する)ように配置されている。すなわち、永久磁石1は、矢印A方向に見て、一対のテーパー形状を有する壁面32aにより位置決めされた状態で、固定されている。
 ハブ部材2は、図1に示すように、ロータコア3に固定されている。また、ハブ部材2は、図示しないシャフトに固定されている。そして、ハブ部材2とロータコア3とシャフトとは、軸C1を中心軸として、一体的に回転されるように構成されている。
 ロータコア3は、図2に示すように、たとえば、円環形状を有する複数(たとえば、4つ)のコアブロック30を含む。複数のコアブロック30は、中心軸C1を一致させた状態で、軸方向に積層されている。そして、コアブロック30は、それぞれ、円環形状を有する複数の電磁鋼板31(図1参照;たとえば、珪素鋼板)が、軸方向に積層されて形成されている。
 そして、図2に示すように、コアブロック30には、軸方向に沿った貫通孔として構成された複数(たとえば、16個)の孔部132が設けられている。また、複数のコアブロック30は、矢印A方向に見て、互いに孔部132の位置がオーバーラップする(または完全に一致する)ように、軸方向に積層されている。これにより、ロータコア3では、複数のコアブロック30の孔部132が連続して接続されることにより、永久磁石1が軸方向に沿って挿入される磁石用孔部32が形成されている。また、複数の磁石用孔部32は、矢印A方向に見て、周状に、等角度間隔で配置されている。そして、複数の磁石用孔部32には、それぞれ、永久磁石1が配置されている。図1に示すように、磁石用孔部32と永久磁石1とは、接着剤4により接着されており、互いに固定されている。
 また、図4に示すように、磁石用孔部32には、接着剤4が配置されるとともに、ロータコア3の径方向内側に窪む、軸方向に沿って延びる2つの溝部32bが設けられている。詳細には、2つの溝部32bは、磁石用孔部32の周方向の両端部の近傍に設けられており、2つの溝部32bの間に、突出部32cが設けられている。言い換えると、ロータコア3の突出部32cは、磁石用孔部32の周方向の中央部において、磁石用孔部32の径方向内側から径方向外側に向かって突出するように構成されている。そして、2つの溝部32bは、それぞれ、底部32dを有し、突出部32cの頂面32eから底部32dまでの溝深さd1は、後述する厚みt1(図7参照)よりも大きく、厚みt2以下に構成されている。すなわち、接着剤4の厚み方向(E方向)において、接着剤4の厚みt1と永久磁石1の長さL21との合計長さは、磁石用孔部32の幅W21よりも小さく、磁石用孔部32と接着剤4とが干渉しない大きさである。
 接着剤4は、図4に示すように、永久磁石1の径方向内側の面11の一部に接触して配置されている。たとえば、接着剤4は、図3に示すように、永久磁石1の面11において、短手方向の一方側(矢印B1方向側)および他方側(矢印B2方向側)の2つの部分に配置されている。そして、接着剤4は、永久磁石1の面11の長手方向(軸方向)に延びるように形成されている。具体的には、接着剤4は、長手方向に長さL2を有し、短手方向に幅W2を有する。なお、接着剤4の長手方向の長さL2とは、塗布領域Rの長さL3以上の長さであり、かつ、塗布された際に厚みt11を有する部分(乾燥された状態で厚みt1を有する部分)の長さである。また、塗布領域Rとは、永久磁石1の面11のうちの接着剤4の後述する塗布中央部143が塗布される部分である。
 また、図5Bに示すように、接着剤4は、永久磁石1とロータコア3とが接着剤4により接着された状態(ロータ100が完成した状態)において、発泡した状態の発泡剤41と、硬化された状態の主剤42および硬化剤43とを含む。なお、発泡剤41は、請求の範囲の「膨張剤」の一例である。
 発泡剤41は、膨張温度T1以上の温度に加熱されることにより発泡(膨張)する膨張剤として構成されている。また、主剤42および硬化剤43は、膨張温度T1より高温である硬化温度T2以上の温度に加熱されることにより、互いに反応して硬化する性質を有する。すなわち、接着剤4は、熱硬化性の接着剤として構成されている。
 詳細には、図6に示すように、発泡剤41は、カプセル体として構成されており、膨張温度T1以上の温度に加熱されることにより、カプセル体が膨張して体積が大きくなるように構成されている。たとえば、発泡剤41として、イソペンタン等を用いることができる。また、膨張温度T1は、たとえば、カプセル体が発泡成形する発泡成形温度として設定することが可能である。
 そして、図5に示すように、発泡剤41が発泡して膨張することにより、接着剤4の厚みt1は、厚みt1よりも大きい厚みt2に変化する。その結果、接着剤4は、永久磁石1の面11から溝部32bの底部32dに渡って配置された状態になる。また、発泡剤41は、加熱後も接着剤4内(磁石用孔部32内)において、膨張されたカプセル体として残存する。
 そして、好ましくは、接着剤4は、発泡剤41が発泡して膨張することにより、膨張前の接着剤4の厚みt1の3倍以上8倍以下の厚みt2に変化するように、接着剤4における発泡剤41の含有割合が設定されている。そして、図7に示すように、接着剤4の発泡剤41が発泡する前の状態では、接着剤4と溝部32bの底部32dとは、互いに離れた位置に配置されているとともに、永久磁石1の面13と磁石用孔部32の壁面32aとは、互いに離れた位置に配置される。そして、接着剤4の発泡剤41が発泡された後の状態(図4参照)では、接着剤4が膨張して、接着剤4が溝部32bの底部32dに接触して、永久磁石1が径方向外側に押圧され、永久磁石1の面13と磁石用孔部32の壁面32aとが、接触する位置に配置される。
 主剤42は、たとえば、エポキシ系樹脂(たとえば、ビスフェノールA型液状エポキシ、および、エポキシ樹脂ポリマー)を含む。また、硬化剤43は、たとえば、ジシアンジアミドを含む。そして、永久磁石1とロータコア3とは、接着剤4の主剤42と硬化剤43とが硬化されることにより、接着され固定される。また、硬化温度T2は、後述する乾燥温度T3よりも高く、かつ、膨張温度T1よりも高い。また、硬化温度T2は、主剤42および硬化剤43の組み合わせにより設定され、製品上限温度T5よりも低い。また、製品上限温度T5は、たとえば、ロータ100としての性能に影響が生じない程度の温度として設定することが可能である。
 また、図6に示すように、接着剤4は、永久磁石1とロータコア3とが接着剤4により接着される前で、かつ、乾燥される前の状態において、揮発性を有する揮発剤としての希釈溶剤44と、発泡される前の状態の膨張剤としての発泡剤41と、硬化されていない状態の主剤42および硬化剤43とを含む。また、接着剤4は、乾燥された後の状態(図5A参照)において、発泡剤41と、硬化されていない状態の主剤42および硬化剤43とを含む。すなわち、接着剤4が乾燥された後では、接着剤4における希釈溶剤44の量が減少しているか、または、接着剤4における希釈溶剤44が略含有されていない状態になる。
 希釈溶剤44として、たとえば、メチルエチルケトン等のケトン類や、アルコール類、エーテル類などの揮発性有機溶剤を用いることができ、好ましくは、メチルエチルケトンおよび酢酸エチルの両方を含む。希釈溶剤44は、接着剤4に含有されることにより、接着剤4の流動性を高める機能を有する。
 また、希釈溶剤44は、乾燥温度T3以上の温度(たとえば、図16の温度T10)にされることにより、揮発する。ここで、乾燥温度T3として、たとえば、希釈溶剤44の沸点温度、または、沸点温度近傍の温度を設定することが可能である。また、乾燥温度T3は、膨張温度T1よりも低い。また、膨張温度T1は、硬化温度T2よりも低い。これにより、接着剤4の温度を、膨張温度T1未満で、かつ、乾燥温度T3以上の温度にすることにより、発泡剤41を膨張させない状態で、希釈溶剤44を揮発させることが可能になる。
 図8に示すように、接着剤4は、塗布開始端部141と塗布終了端部142と塗布中央部143とを含む。塗布中央部143は、塗布領域Rに対応する部分であり、塗布開始端部141と塗布終了端部142との間に形成されている。塗布領域Rとは、後述する塗布装置201による指令吐出量が0より大きく設定された位置に対応する面11上の領域を意味するものとして記載している。すなわち、塗布中央部143(塗布領域R)は、吐出開始位置Psと吐出終了位置Peとの間の部分であり、Y方向に長さL3を有する。なお、塗布開始端部141は、請求の範囲の「塗布面の塗布領域の後方の部分」の一例である。また、塗布終了端部142は、請求の範囲の「塗布面の塗布領域の前方の部分」の一例である。
 塗布開始端部141は、接着剤4において、塗布中央部143よりもA方向側(矢印Y2方向側)の部分である。後述する接着剤4が塗布される際に、塗布中央部143(塗布領域R)よりも、ノズル213の進行方向(矢印Y1方向)に対して後方(矢印Y2方向)に位置する。接着剤4の塗布開始端部141は、塗布された後、乾燥される前の状態において、塗布中央部143側の部分が、面11に直交する方向(矢印Z1向および矢印Z2方向)に厚みt11を有するとともに、矢印Y2方向に向かって、厚みt11から0まで徐々に厚みが小さくなるように形成されている。また、塗布開始端部141は、Y方向に長さL3よりも小さい長さL4を有する。また、図8は、接着剤4の厚みを強調するように、模式的に示したものであり、接着剤4の厚みと長さ等の関係は図8の例には限られない。
 塗布終了端部142は、接着剤4において、塗布中央部143よりもA方向側(矢印Y1方向側)の部分である。接着剤4が塗布される際に、塗布中央部143(塗布領域R)よりも、ノズル213の進行方向(矢印Y1方向)の前方(矢印Y1方向)に位置する。接着剤4の塗布開始端部141は、塗布された後、乾燥される前の状態において、塗布中央部143側の部分が、面11に直交する方向(矢印Z1向および矢印Z2方向)に厚みt11を有するとともに、矢印Y1方向に向かって、厚みt11から0まで徐々に厚みが小さくなるように形成されている。また、塗布終了端部142は、Y方向に長さL3よりも小さい長さL5を有する。
 そして、接着剤4は、希釈溶剤44が揮発されることにより、体積が減少して薄膜化される。すなわち、乾燥された後の状態の接着剤4は、厚みt11よりも小さい厚みt1を有する。また、接着剤4の厚みt11を有する部分のY方向の長さL2は、長さL3よりも大きい。
 [本実施形態による接着剤の塗布装置の構造]
 次に、本実施形態による塗布装置201の構造について説明する。塗布装置201は、ロータコア3と、接着剤4によりロータコア3に接着される永久磁石1とを備えるロータ100(図1参照)の永久磁石1の面11に接着剤4を塗布する装置である。
 図9および図10に示すように、本実施形態では、塗布装置201は、プランジャポンプ211と、3軸直交ロボット212と、ノズル213とを備える。なお、3軸直交ロボット212は、請求の範囲の「移動機構部」の一例である。また、本願明細書では、面11に直交する方向をZ方向とし、ノズル213の進行方向(接着剤4の塗布方向)をY方向とし、進行方向の前方を矢印Y1方向とし、進行方向の後方を矢印Y2方向とする。また、Z方向およびY方向に直交する方向をX方向として説明する。なお、プランジャポンプ211は、請求の範囲の「ポンプ」の一例である。
 ノズル213は、接着剤4を吐出する吐出口213aを有する。3軸直交ロボット212は、ノズル213を面11に対して移動させるように構成されている。そして、本実施形態では、塗布装置201は、3軸直交ロボット212により、ノズル213を面11に沿った方向であるノズル進行方向(矢印Y1方向)に移動させながら、面11の塗布領域Rに接着剤4を塗布するように構成されている。
 詳細には、プランジャポンプ211は、接着剤4を内部に収容する。また、プランジャポンプ211は、3軸直交ロボット212に固定されている。3軸直交ロボット212は、プランジャポンプ211を永久磁石1に対して相対的に移動させるように構成されている。具体的には、3軸直交ロボット212は、プランジャポンプ211を水平方向(X-Y方向)と垂直方向(Z方向)とに移動可能に構成されている。
 また、本実施形態では、図11に示すように、ノズル213は、面11に直交する方向(Z方向)において、ノズル213と面11との距離が、塗布された接着剤4の厚みt11の大きさよりも小さい距離d12にされ、ノズル213が塗布領域Rの接着剤4の吐出が終了された位置Peよりもノズル進行方向の前方側(矢印Y1方向側)に移動した際に、面11の塗布領域Rよりも前方の部分に接着剤4を引き延ばすことにより、塗布終了端部142を形成するように構成されている。
 また、ノズル213は、Z方向において、ノズル213と面11との距離を、塗布される接着剤4の厚みt11の大きさよりも小さい距離d13の状態で、面11の塗布領域Rよりも後方の部分に、ノズル213に残余した接着剤4を塗布することにより、塗布開始端部141を形成するように構成されている。また、距離d12とd13とは、略等しい大きさである。
 具体的には、図12に示すように、本実施形態では、ノズル213は、吐出口213aに少なくともノズル進行方向に直交する方向であるX方向の両側に隣接して設けられ、接着剤4を引き延ばす延伸部213bを含む。延伸部213bは、吐出口213aと面一に形成された平坦面を有する。また、ノズル213は、接着剤逃がし部213cを含む。ここで、本実施形態では、接着剤逃がし部213cは、吐出口213aのノズル進行方向(Y方向)に隣接して設けられ、Y方向に沿った長さL13が、延伸部213bの平坦面のノズル進行方向に直交する方向(X方向)の長さL12よりも小さく構成されている。
 詳細には、吐出口213aは、Z方向に見て、X方向を長手方向とする略矩形形状を有する。たとえば、吐出口213aは、X方向に長さL11、Y方向に幅W11を有する。そして、吐出口213aは、延伸部213bと接着剤逃がし部213cとに枠状に取り囲まれることにより開口として形成されている。なお、吐出口213aの形状として、上記形状に限らず、略三角形状、略長方形状、略正方形形状、その他の多角形状、略円形状、略楕円形状より適宜選択して用いることができるが、塗布量の調整上、略矩形形状が好ましい。
 延伸部213bは、図13に示すように、本実施形態では、永久磁石1の面11に略平行に配置される平坦面を有する。そして、延伸部213bは、吐出口213aから吐出された接着剤4をY方向およびX方向に引き延ばす機能を有する。すなわち、ノズル213と面11との距離が距離d12にされた状態において、延伸部213bは、接着剤4の表面に接触するように配置されている。
 そして、X方向において、延伸部213bの長さL12は、吐出口213aの長さL11よりも小さい。たとえば、長さL12は、長さL11の2分の1以下に設定されており、5分の1以上に設定されている。長さL12を、長さL11の2分の1以下に設定することにより、塗布装置201の他の治具との干渉を抑制しながら、5分の1以上に設定することにより、接着剤4を引き延ばすために必要な長さを確保することができる。
 また、図10に示すように、プランジャポンプ211は、接着剤4を押し出す棒状のプランジャ211aと、棒状のプランジャ211aが収容される円筒状の収容部材211bとを含む。円筒状の収容部材211bの側面部には、移動壁部211cが設けられているとともに、収容部材211bの先端側の部分には、移動壁部211dが設けられている。移動壁部211cは、接着剤4が収容される接着剤タンク部214と収容部材211bの内部空間との間に設けられている。移動壁部211dは、ノズル213と収容部材211bの内部空間との間に設けられている。
 そして、移動壁部211cが移動して、収容部材211bの内部空間と接着剤タンク部214とが接続された状態で、かつ、移動壁部211dが収容部材211bの先端側の部分を塞いでいる状態で、プランジャ211aがZ1方向側に予め定められた距離分、移動されることにより、円筒状の収容部材211b内に予め定められた一定の量の接着剤4が吸引される。その後、移動壁部211cが移動して、移動壁部211dが収容部材211bの側面部を塞いでいる状態で、かつ、移動壁部211dが移動して、収容部材211bの内部空間とノズル213とが接続された状態で、プランジャ211aが矢印Z2方向側に予め定められた距離分、移動されることにより、設定された吐出量(吐出量指令値)の接着剤4が永久磁石1の面11に塗布される。
 また、図14に示すように、塗布装置201は、複数の永久磁石1が載置されるパレット215を備えている。図14では、1つのパレット215に、6個の永久磁石1が載置されている例を示しているが、永久磁石1の数はこれに限られない。また、パレット215は、複数設けられている。また、複数のパレット215は、コンベア216によって、順次、プランジャポンプ211の下方に移動される。そして、塗布装置201は、同一のノズル213により、複数のパレット215に各々載置された永久磁石1に、順次、接着剤4を塗布可能に構成されている。
 [本実施形態によるロータの製造方法]
 次に、本実施形態によるロータ100の製造方法について説明する。図15には、本実施形態によるロータ100の製造方法のフローチャートを示している。また、図16には、横軸を時間とし、縦軸を接着剤4の温度(左側の縦軸)および接着剤4の厚み(右側の縦軸)とするロータ100の製造工程中(ステップS1~S4)の接着剤4の状態を説明するための図を示している。
 〈接着剤を塗布する工程〉
 ステップS1において、接着剤4を永久磁石1に塗布する工程が行われる。具体的には、本実施形態では、膨張温度T1以上の温度に加熱されることにより膨張する膨張剤としての発泡剤41と、揮発性を有する希釈溶剤44と、膨張温度T1より高い温度である硬化温度T2以上の温度に加熱されることにより硬化する主剤42および硬化剤43とを含む、接着剤4(図6参照)が、パレット215に載置された複数の永久磁石1(図14参照)の面11に塗布される。
 具体的には、図11に示すように、本実施形態では、接着剤4を吐出する吐出口213aを有するノズル213を、永久磁石1の面11に沿った方向であるノズル進行方向(矢印Y1方向)に移動させながら、面11の塗布領域Rに接着剤4が塗布される。なお、ノズル213は、3軸直交ロボット212により、面11に対してY方向およびZ方向に移動される。
 詳細には、まず、本実施形態では、面11に直交する方向(Z方向)において、ノズル213と面11との距離(クリアランス)を、塗布される接着剤4の厚みt11の大きさよりも小さい距離d13とした状態で、面11の塗布領域Rよりも後方の部分に、ノズル213に残余した接着剤4が塗布されて、塗布開始端部141が形成される。好ましくは、本実施形態では、距離d13は、塗布される接着剤4の厚みt11の2分の1以下の大きさに設定されている。ここで、残余した接着剤4とは、前回(直前)の接着剤4を塗布する工程の際にノズル213に残存している接着剤4のことを意味し、吐出量指令値が0の場合でも、ノズル213から吐出される可能性がある接着剤4のことを意味する。また、吐出量指令値が0とは、プランジャポンプ211の接着剤4の吐出動作(送り出す動作)が停止されている状態を意味する。なお、この工程では、接着剤4の厚みの方向において、接着剤4の厚み方向(E方向)において、接着剤4の厚みt1と永久磁石1の長さL21との合計長さが、磁石用孔部32の幅W21よりも小さくなるように、接着剤4の厚みt11が設定されている。
 具体的には、図17Aに示すように、塗布領域Rの吐出開始位置Psよりも後方側の位置P0から、吐出量指令値が0の状態で、図17Bに示すように、ノズル213が面11とが距離d13となる位置P1まで、ノズル213が矢印Y1方向および矢印Z2方向に移動される。そして、ノズル213と面11との距離d13の状態で、ノズル213が矢印Y1方向に、吐出開始位置Psよりも後方側である位置P2まで移動されることにより、ノズル213に残余した接着剤4が面11に塗布される。そして、ノズル213が、矢印Y1方向および矢印Z2方向に移動され、ノズル213と面11との距離がd13からd11に変更されるとともに、残余した接着剤4が面11に塗布される。これにより、面11の吐出開始位置Psよりも矢印Y2方向側に、塗布開始端部141が形成される。ここで、距離d11は、図17Dおよび図11に示すように、塗布領域Rにおける接着剤4の厚みt11以上の大きさである。
 また、図17Cに示すように、ノズル213の移動速度は、位置P0から吐出開始位置Psおよび吐出終了位置Peよりも矢印Y1方向側の位置P5まで、一定の移動速度Vに設定されている。そして、図17Aに示すように、塗布装置201の吐出量指令値は、吐出開始位置Psから吐出終了位置Peまで、一定の吐出量指令値Eに設定され、その他の位置では0に設定されている。すなわち、本実施形態では、吐出口213aからの接着剤4の吐出量を一定にした状態で、かつ、ノズル213のノズル進行方向の移動速度を一定にした状態で、塗布領域Rに接着剤4が塗布され、塗布中央部143が形成される。
 そして、図11に示すように、本実施形態では、面11に直交する方向(Z方向)において、ノズル213と面11との距離を、塗布された接着剤4の厚みt11の大きさよりも小さい距離d12にし、ノズル213を塗布領域Rの接着剤4の吐出が終了された(プランジャポンプ211による接着剤4を送り出す動作が終了された)吐出終了位置Peよりもノズル進行方向の前方側(矢印Y1方向側)に移動させて、面11の塗布領域Rよりも前方の部分に接着剤4を引き延ばすように、接着剤4が塗布されて、塗布終了端部142が形成される。好ましくは、本実施形態では、距離d12は、塗布される接着剤4の厚みt11の2分の1以下の大きさに設定されている。たとえば、距離d12とd13とは、略等しい大きさである。
 具体的には、図17Aに示すように、吐出終了位置Peにおいて、吐出量指令値が0にされた後も、継続してノズル213を矢印Y1方向に移動させるとともに、吐出終了位置Peから位置P3までに、ノズル213と面11との距離がd11からd12に徐々に小さくされる。これにより、ノズル213内に残余した接着剤4が、ノズル213(延伸部213b)により、面11のうちの吐出終了位置Peよりも矢印Y1方向側の部分に引き延ばされるように塗布される。
 そして、位置P3から位置P5まで、ノズル213と面11との距離がd12の状態で、ノズル213が矢印Y1方向に移動されることにより、残余した接着剤4が面11に引き延ばされるように塗布され、塗布終了端部142が形成される。これにより、位置P4から位置P5に向かって、接着剤4の厚みがt11から0まで徐々に小さくなる。その後、位置P5において、ノズル213が面11から離れるように移動され、ノズル213が、次に接着剤4が塗布される塗布領域R(面11のX方向側の他の塗布領域R)、または、他の永久磁石1の近傍に移動される。
 ここで、図13に示すように、本実施形態では、ノズル213および面11が距離d12またはd13となる位置に配置した状態である塗布開始端部141および塗布終了端部142を形成する際に、延伸部213bにより、塗布された接着剤4をノズル213の移動方向に交差する方向にはみ出させながら、面11に接着剤4が塗布される。
 具体的には、ノズル213の吐出口213aから吐出された接着剤4が、延伸部213bと面11との間にX方向に広がることにより、図18に示すように、塗布開始端部141のはみ出し部141aおよび塗布終了端部142のはみ出し部142aが形成される。塗布開始端部141がはみ出し部141aを有すること、および、塗布終了端部142がはみ出し部142aを有することにより、X方向において、塗布開始端部141および塗布終了端部142の幅W12は、塗布中央部143の幅W2よりも大きくなる。なお、図18は、説明のために、幅W2と幅W12との関係を強調して記載しており、この図示の例に限られない。
 そして、図17Eに示すように、1つのプランジャポンプ211により、X1方向側またはX2方向側の一方の面11に接着剤4が塗布された後、このプランジャポンプ211により、矢印X1方向側または矢印X2方向側の他方側の面11に接着剤4が塗布される。同様に、複数の永久磁石1の面11には、同一の(1つの)プランジャポンプ211により、接着剤4が塗布される。すなわち、1つの永久磁石1の面11に対する接着剤4の塗布が終了した後、別の永久磁石1の面11に対して接着剤4の塗布が行われる。
 また、1つのパレット215に載置された複数の永久磁石1の面11に対する接着剤4の塗布が終了した後、コンベア216によって、別のパレット215がプランジャポンプ211の下方に移動される。そして、この移動されたパレット215に載置された複数の永久磁石1の面11に対して接着剤4が塗布される。その後、ステップS2に進む。
 〈接着剤を乾燥させる工程〉
 ステップS2(図15参照)において、接着剤4を乾燥させて薄膜化する工程が行われる。本実施形態では、図8に示すように、接着剤4の希釈溶剤44を揮発させることにより、接着剤4の厚みt11が厚みt1に減少する。具体的には、図16に示すように、接着剤4が乾燥温度T3以上でかつ膨張温度T1未満の温度T10に加熱される。たとえば、加熱炉(図示せず)内で熱風を与えること(エアブロー)や、ヒータ等により永久磁石1が加熱されることにより、接着剤4が加熱される。その後、ステップS3に進む。
 〈永久磁石を配置する工程〉
 ステップS3(図15参照)において、図19に示すように、乾燥された接着剤4が配置された永久磁石1をロータコア3の磁石用孔部32に挿入する工程が行われる。具体的には、ロータコア3と、接着剤4が配置された面11を径方向内側に向けた状態の永久磁石1とが軸方向に相対移動されることにより、磁石用孔部32の各々に、永久磁石1が挿入される。なお、図19では、1つの永久磁石1のみを図示しているが、磁石用孔部32の各々に、永久磁石1が挿入される。そして、図7に示すように、磁石用孔部32の溝部32bの底部32dと、厚みt1を有する接着剤4とは、離れた位置に配置された状態となる。
 〈接着剤を硬化させる工程〉
 ステップS4(図15参照)において、接着剤4の主剤42および硬化剤43を硬化することにより、永久磁石1とロータコア3とを接着する工程が行われる。具体的には、接着剤4が膨張温度T1よりも高く、かつ、硬化温度T2以上の温度T11(図16参照)に加熱される。たとえば、加熱炉内において、接着剤4が温度T11に熱風加熱される。これにより、図5に示すように、接着剤4の発泡剤41が発泡することにより膨張し、接着剤4の厚みが厚みt1から厚みt2に変化する。また、図4に示すように、接着剤4の厚みt2は、永久磁石1の面11から、溝部32bの底部32dまでの距離に略等しくなる。すなわち、接着剤4が、永久磁石1の面11から溝部32bの底部32dに渡って膨張された状態になる。また、接着剤4が膨張して、永久磁石1の面13が径方向外側に押圧されて、磁石用孔部32の壁面32aと永久磁石1の面13とが当接する。
 そして、接着剤4の主剤42および硬化剤43が硬化することにより、硬化された接着剤4によって、永久磁石1と磁石用孔部32とが固定される。その後、ロータ100が完成される。そして、ロータ100は、図1に示すように、ステータ102との組み立て等が行われ、回転電機101が完成される。
 [比較例によるロータの製造方法との比較結果]
 次に、比較例によるロータの製造方法と、本実施形態によるロータ100の製造方法との比較結果について説明する。
 図20A、BおよびCに示すように、比較例によるロータの製造方法では、吐出開始位置PsにZ方向に沿って、ノズルを塗布面に距離d11になるまで近付けた後、吐出量指令値Eに設定するとともに、矢印Y1方向に徐々に移動速度Vまでノズルを加速しながら移動させ、移動速度Vの状態で、塗布面に接着剤を塗布した。そして、吐出終了位置Peにおいて、吐出量指令値を0にするとともに、ノズルのY方向の移動停止させ、ノズルをZ方向に移動させて、ノズルを塗布面から遠ざけた。そして、この製造方法により、塗布面上に形成された接着剤の厚みを測定した。また、本実施形態によるロータ100の製造方法により形成した接着剤4の厚みを測定した。
 図20Dに示す比較例の接着剤の厚みの測定結果では、吐出開始位置Ps近傍および吐出終了位置Pe近傍の接着剤の厚みt22が、塗布中央部の接着剤の厚みt21よりも2倍以上の大きさとなった。すなわち、比較例によるロータの製造方法の接着剤の厚みは、不均一になることが判明した。
 一方、図17Dに示すように、第1実施形態によるロータ100の製造方法では、乾燥後の接着剤4の厚みt11は、略均一(たとえば、ばらつき範囲がt11の4分の1以下)となった。すなわち、本実施形態では、プレス機を用いることなく、接着剤4の厚みを略均一にすることが可能であることが判明した。
 [本実施形態の製造方法の効果]
 本実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
 本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を塗布する工程は、ノズル(213)を塗布領域(R)のポンプ(211)の接着剤(4)を送り出す動作が終了された位置(Pe)よりもノズル進行方向の前方(矢印Y1方向)側に移動させて、塗布面(11)の塗布領域(R)の前方の部分(142)よりも接着剤(4)を引き延ばすように、接着剤(4)を塗布する工程である。これにより、ノズル(213)内に残余した接着剤(4)が飛び出した場合でも、塗布面(11)の塗布領域(R)の前方の部分(142)に、残余した接着剤(4)をノズル(213)により引き延ばして付着させることができる。この結果、塗布領域(R)に塗布された接着剤(4)の厚み方向(塗布面(11)に直交する方向(Z方向))に、残余した接着剤(4)が付着するのを防止することができる。その結果、ノズル(213)内に残余した接着剤(4)に起因して、塗布終了端部(142)において接着剤(4)の厚み(t11)が増加するのを防止することができるので、接着剤(4)の厚み(t11)が不均一になるのを極力防止することができる。そして、塗布した接着剤(4)をシート状に成形するためのプレス機が必要ないので、ロータ(100)の製造設備の大型化を防止しながら、接着剤(4)の厚み(t11、t1)が不均一になることを極力防止することができる。また、接着剤(4)の厚み(t11、t1)が不均一になるのが防止されるので、永久磁石(1)をロータコア(3)の磁石用孔部(32)に挿入する際に、接着剤(4)とロータコア(3)または永久磁石(1)とが干渉するのを防止することができる。これにより、干渉して削られた接着剤(4)を除去する工程が不要となるので、ロータ(100)を製造するための製造工程数が増加するのを防止しながら、接着剤(4)の厚み(t11、t1)が不均一になることを防止することができる。
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を塗布する工程は、塗布面(11)に直交する方向(Z方向)において、ノズル(213)と塗布面(11)との距離(d12)を、塗布された接着剤(4)の厚み(t11)の大きさよりも小さくしながら、ノズル(213)を塗布領域(R)の接着剤(4)の吐出が終了された位置(Pe)よりもノズル進行方向の前方(矢印Y1方向)側に移動させて、接着剤(4)を塗布する工程である。このように構成すれば、ノズル(213)と塗布面(11)との距離(d12)を小さくすることにより、より確実に塗布領域(R)の前方の部分(142)に、残余した接着剤(4)をノズル(213)により引き延ばして付着させることができる。また、引き延ばして付着させた接着剤(4)の厚みが、接着剤(4)の厚み(t11)を超えるのを防止することができるので、接着剤(4)の厚み(t11、t1)が不均一になることをより一層防止することができる。
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を塗布する工程は、塗布面(11)に直交する方向(Z方向)において、ノズル(213)と塗布面(11)との距離(d12)を、塗布された接着剤(4)の厚み(t11)の2分の1以下の大きさまで小さくしながら、ノズル(213)を塗布領域(R)の吐出が終了された位置(Pe)よりもノズル進行方向の前方(矢印Y1方向)側に移動させて、塗布面(11)の塗布領域(R)よりも前方の部分(142)に接着剤(4)を塗布する工程である。このように構成すれば、ノズルと塗布面との距離が、塗布された接着剤の厚みの2分の1よりも大きい状態で移動させる場合に比べて、距離が近い分、より確実にノズル(213)に残余した接着剤(4)を、塗布領域(R)よりも前方の部分(142)に引き延ばすことができる。
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を塗布する工程は、塗布面(11)に直交する方向(Z方向)において、ノズル(213)と塗布面(11)との距離(d13)を、塗布される接着剤(4)の厚み(t11)の大きさよりも小さくした状態で塗布面(11)の塗布領域(R)よりも後方(矢印Y2方向)の部分(141)にノズル(213)に残余した接着剤(4)を塗布した後、ノズル(213)と塗布面(11)との距離(d11)を、塗布される接着剤(4)の厚み(t11)以上に大きくして、塗布面(11)の塗布領域(R)に接着剤(4)を塗布する工程である。ここで、同一のノズルにより、異なる塗布面(たとえば、異なる永久磁石(1))に連続して接着剤を塗布することが考えられる。この場合、接着剤の塗布を開始する時点において、直前(前回)の接着剤の塗布の際にノズル内に接着剤が残余している場合がある。この状態で、塗布領域の吐出開始位置に接着剤の塗布を開始した場合、指令により吐出される接着剤に加えて、残余した接着剤が塗布領域に吐出され、吐出開始位置において、接着剤の厚みが増加すると考えられる。これに対して、本実施形態では、ノズル(213)と塗布面(11)との距離(d13)を、塗布される接着剤(4)の厚み(t11)の大きさよりも小さくした状態で塗布面(11)の塗布領域(R)よりも後方の部分にノズル(213)に残余した接着剤(4)を塗布した後に、塗布領域(R)に接着剤(4)を塗布する。これにより、ノズル(213)に接着剤(4)が残余している場合でも、塗布領域(R)に接着剤(4)の塗布(吐出)を開始する前に、ノズル(213)に残余している接着剤(4)を塗布領域(R)の後方の部分に塗布するので、塗布領域(R)の吐出開始位置(Ps)においても、接着剤(4)の厚み(t11)が増加するのを防止することができる。この結果、同一のノズル(213)を用いて、異なる塗布面(11)(たとえば、永久磁石(1))に接着剤(4)を塗布する場合でも、接着剤(4)の厚み(t11)が不均一になるのを防止することができる。
 また、本実施形態では、上記のように、接着剤(4)を塗布する工程は、吐出口(213a)からの接着剤(4)の吐出量(E)を一定にした状態で、かつ、ノズル(213)のノズル進行方向の移動速度(V)を一定にした状態で、塗布面(11)の塗布領域(R)に接着剤(4)を塗布する工程である。このように構成すれば、吐出量(E)の制御、および、ノズル(213)の移動速度(V)の制御を簡素化することができるので、塗布装置(201)の制御負担を軽減することができる。
 また、本実施形態では、接着剤(4)を塗布する工程は、揮発剤(44)を含む接着剤(4)を、塗布面(11)の塗布領域(R)よりも前方の部分(142)に接着剤(4)を引き延ばすように、永久磁石(1)の塗布面(11)に塗布する工程であり、接着剤(4)を塗布する工程の後で、かつ、永久磁石(1)を配置する工程の前に、揮発剤(44)を揮発させて、接着剤(4)を乾燥させる工程をさらに備える。このように構成すれば、接着剤(4)を乾燥させることにより、接着剤(4)の厚み(t11)を小さくして薄膜化することができる。これにより、薄膜化する分、永久磁石(1)をロータコア(3)(磁石用孔部(32))に挿入する際に、接着剤(4)と磁石用孔部(32)とが干渉するのを防止することができる。また、揮発剤(44)が接着剤(4)の流動性を高める性質を有するものであれば、揮発剤(44)を揮発させることにより、接着剤(4)の流動性を低下させることができる。この結果、乾燥させる前よりも接着剤(4)の形状が崩れるのを防止することができる。
 また、本実施形態では、接着剤(4)を塗布する工程は、膨張剤(41)と揮発剤(44)とを含む接着剤(4)を、塗布面(11)の塗布領域(R)よりも前方の部分(142)に接着剤(4)を引き延ばすように永久磁石(1)の塗布面(11)に塗布する工程であり、永久磁石(1)を配置する工程は、接着剤(4)を乾燥させる工程の後、ロータコア(3)の回転軸線方向に沿った磁石用孔部(32)に、接着剤(4)が塗布された永久磁石(1)を挿入する工程であり、接着剤(4)を硬化する工程は、膨張剤(41)を膨張させて、接着剤(4)を硬化する工程である。このように構成すれば、接着剤(4)を乾燥させて接着剤(4)を薄膜化することにより、磁石用孔部(32)と接着剤(4)との間に隙間を形成した状態で、磁石用孔部(32)に永久磁石(1)を挿入することができる。また、永久磁石(1)を磁石用孔部(32)に挿入した後に、膨張剤(41)を膨張させることにより、隙間を接着剤(4)により満たすことができる。その結果、永久磁石(1)の磁石用孔部(32)に対する挿入性を向上させながら、磁石用孔部(32)と永久磁石(1)との隙間が満たされた状態で、永久磁石(1)と磁石用孔部(32)とを固定することができる。
 また、本実施形態では、ロータコア(3)には、永久磁石(1)が挿入される磁石用孔部(32)が設けられており、接着剤(4)を塗布する工程は、接着剤(4)の厚み方向(E方向)において、接着剤(4)の厚み(t1)と永久磁石(1)の長さ(L21)との合計長さが、磁石用孔部(32)の幅(W21)よりも小さくなるように、接着剤(4)を塗布する工程である。このように構成すれば、永久磁石(1)を磁石用孔部(32)に挿入する際に、接着剤(4)と磁石用孔部(32)とが機械的に干渉するのを防止することができる。
 [本実施形態の塗布装置の構成の効果]
 また、本実施形態の塗布装置201では、以下のような効果を得ることができる。
 また、本実施形態では、ロータコア(3)と、発泡剤(41)を含む接着剤(4)によりロータコア(3)に接着される永久磁石(1)とを備えるロータ(100)のロータコア(3)または永久磁石(1)の塗布面(11)に接着剤(4)を塗布する塗布装置(201)であって、接着剤(4)を送り出す動作を行うポンプ(211)と、ポンプ(211)から送りだされた接着剤(4)を吐出する吐出口(213a)を有するノズル(213)と、ノズル(213)を、塗布面(11)に対して移動させる移動機構部(212)とを備える。そして、塗布装置(201)は、移動機構部(212)により、ノズル(213)を塗布面(11)に沿った方向であるノズル進行方向に移動させながら、塗布面(11)の塗布領域(R)に接着剤(4)を塗布するように構成されており、ノズル(213)は、ノズル(213)が塗布領域(R)の接着剤(4)の吐出が終了された位置(Pe)よりもノズル進行方向の前方(矢印Y1方向)側に移動した際に、塗布面(11)の塗布領域(R)よりも前方の部分(142)に接着剤(4)を引き延ばすように構成されている。これにより、ロータ(100)の製造設備の大型化を防止しながら、接着剤(4)の厚み(t11)が不均一になることを防止することが可能な塗布装置(201)を提供することができる。
 また、本実施形態では、ノズル(213)は、吐出口(213a)に隣接して設けられ、接着剤(4)を引き延ばす延伸部(213b)を含む。このように構成すれば、吐出口(213a)からノズル(213)に残余した接着剤(4)が飛び出した場合でも、吐出口(213a)に隣接する延伸部(213b)により、接着剤(4)を容易に引き延ばすことができる。
 また、本実施形態では、延伸部(213b)は、吐出口(213a)と面一に形成された平坦面(213b)を有する。ここで、延伸部と塗布面との距離と、吐出口と塗布面との距離とが異なる場合には、吐出口から吐出された接着剤が塗布面からの距離が大きい側(延伸部または吐出口)に、接着剤が付着(残余)することが考えられる。これに対して、本実施形態では、延伸部(213b)は、吐出口(213a)と面一に形成された平坦面(213b)を有するので、延伸部(213b)または吐出口(213a)に接着剤(4)が残余することを防止しながら、接着剤(4)を引き延ばすことができる。
 また、本実施形態では、延伸部(213b)は、吐出口(213a)の少なくともノズル進行方向に直交する方向(X方向)の両側に隣接して設けられている。このように構成すれば、吐出口(213a)にノズル進行方向に直交する方向(X方向)の両側に隣接して設けられている延伸部(213b)により、ノズル進行方向の前方(矢印Y1方向)のみならず、ノズル進行方向に直交する方向(X方向)にも、接着剤(4)を引き延ばすこと(はみ出させること)ができる。その結果、より確実にノズル(213)に残余した接着剤(4)を塗布領域(R)の外に付着させることができる。
 また、本実施形態では、ノズル(213)は、吐出口(213a)のノズル進行方向に隣接して設けられ、ノズル進行方向に沿った長さ(L13)が、延伸部(213b)の平坦面のノズル進行方向に直交する方向の長さ(L12)よりも小さい、接着剤逃がし部(213c)を含む。このように構成すれば、接着剤逃がし部(213c)により、ノズル(213)と塗布面(11)との距離を変化させる際に、ノズル(213)と塗布された接着剤(4)とが干渉するのを防止することができる。
 [変形例]
 なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
 たとえば、上記実施形態では、ロータをステータの径方向内側に配置するいわゆるインナーロータとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ロータをアウターロータとして構成してもよい。
 また、上記実施形態では、接着剤を永久磁石に塗布する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、接着剤を磁石用孔部に塗布してもよい。
 また、上記実施形態では、図8に示すように、塗布開始端部および塗布終了端部を形成する際に、ノズルと永久磁石の面との距離を等しく(d12とd13とを等しく)する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、d12をd13よりも大きくしてもよいし、d13をd12よりも大きくしてもよい。
 また、上記実施形態では、塗布開始端部および塗布終了端部を形成する際に、ノズルと永久磁石の面との距離(d12およびd13)を接着剤の厚みの2分の1以下の大きさにする例を示したが、本発明はこれに限られない。塗布領域よりも前方の部分に接着剤を引き延ばすことが可能であれば、ノズルと永久磁石の面との距離を、接着剤の厚みの2分の1の大きさよりも大きくしてもよい。
 また、上記実施形態では、ロータコアに磁石用孔部を設ける磁石埋め込み型(IPM)のロータを製造する方法の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロータコアの外周面に永久磁石を接着剤により貼り付ける表面磁石型(SPM)のロータとして製造してもよい。
 また、上記実施形態では、接着剤を永久磁石の面11に配置する例(図4参照)を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接着剤を永久磁石の面12に配置してもよいし、面11および面12の両方に設けてもよい。
 また、上記実施形態では、延伸部のX方向の長さを、吐出口のX方向(長手方向)の長さの2分の1以下で、かつ、5分の1以上に構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、延伸部により、接着剤を引き延ばすのに十分な長さが確保されていれば、延伸部のX方向の長さを、吐出口のX方向の長さの5分の1未満としてもよいし、延伸部と他の治具等との干渉の問題がなければ、延伸部のX方向の長さを、吐出口のX方向の長さの2分の1よりも大きくしてもよい。
 また、上記実施形態では、ノズルと永久磁石の面との距離を、塗布された接着剤の塗布厚みの大きさよりも小さくしながら、ノズルを塗布領域の接着剤の吐出が終了された位置よりもノズル進行方向の前方側に移動させて、永久磁石の面の塗布領域よりも前方の部分に接着剤を引き延ばすように、接着剤を塗布する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ノズルと永久磁石の面との距離を一定にした状態で、永久磁石の面の塗布領域よりも前方の部分に接着剤を引き延ばすように、接着剤を塗布してもよい。
 1 永久磁石              3 ロータコア
 4 接着剤               11 面(塗布面)
 32 磁石用孔部            41 発泡剤
 44 希釈溶剤(揮発剤)        100 ロータ
 141 塗布開始端部(後方の部分)   142 塗布終了端部(前方の部分)
 201 塗布装置            212 3軸直交ロボット(移動機構部)
 213 ノズル             213a 吐出口
 213b 延伸部            213c 接着剤逃がし部
 R 塗布領域

Claims (12)

  1.  ロータコアと、発泡剤を含む接着剤により前記ロータコアに接着される永久磁石とを備えるロータの製造方法であって、
     前記接着剤を送り出す動作を行うポンプにより送り出された前記接着剤を吐出する吐出口を有するノズルを前記永久磁石または前記ロータコアの塗布面に沿った方向であるノズル進行方向に移動させながら、前記塗布面の塗布領域に前記接着剤を塗布する工程と、
     前記接着剤を塗布する工程の後、前記ロータコアに前記永久磁石を配置する工程と、
     前記永久磁石を配置する工程の後、前記接着剤を発泡させるとともに、硬化させる工程とを備え、
     前記接着剤を塗布する工程は、前記ノズルを前記塗布領域において前記ポンプの前記接着剤を送り出す動作が終了した位置よりも前記ノズル進行方向の前方側に移動させて、前記塗布面の前記塗布領域よりも前方の部分に前記接着剤を引き延ばすように、前記接着剤を塗布する工程である、ロータの製造方法。
  2.  前記接着剤を塗布する工程は、前記塗布面に直交する方向において、前記ノズルと前記塗布面との距離を、塗布された前記接着剤の厚みの大きさよりも小さくしながら、前記ノズルを前記塗布領域の前記接着剤の吐出が終了された位置よりも前記ノズル進行方向の前方側に移動させて、前記接着剤を塗布する工程である、請求項1に記載のロータの製造方法。
  3.  前記接着剤を塗布する工程は、前記塗布面に直交する方向において、前記ノズルと前記塗布面との距離を、塗布された前記接着剤の厚みの2分の1以下の大きさまで小さくしながら、前記ノズルを前記塗布領域の吐出が終了された位置よりも前記ノズル進行方向の前方側に移動させて、前記接着剤を塗布する工程である、請求項2に記載のロータの製造方法。
  4.  前記接着剤を塗布する工程は、前記塗布面に直交する方向において、前記ノズルと前記塗布面との距離を、塗布される前記接着剤の厚みの大きさよりも小さくした状態で前記塗布面の前記塗布領域よりも後方の部分に、前記ノズルに残余した前記接着剤を塗布した後、前記ノズルと前記塗布面との距離を、前記塗布される接着剤の厚み以上に大きくして、前記塗布面の前記塗布領域に前記接着剤を塗布する工程である、請求項1~3のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  5.  前記接着剤を塗布する工程は、前記吐出口からの前記接着剤の吐出量を一定にした状態で、かつ、前記ノズルの前記ノズル進行方向の移動速度を一定にした状態で、前記塗布面の前記塗布領域に前記接着剤を塗布する工程である、請求項1~4のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  6.  前記接着剤を塗布する工程は、揮発剤を含む前記接着剤を、前記塗布面の前記塗布領域よりも前記前方の部分に前記接着剤を引き延ばすように、前記永久磁石の前記塗布面に塗布する工程であり、
     前記接着剤を塗布する工程の後で、かつ、前記永久磁石を配置する工程の前に、前記揮発剤を揮発させて、前記接着剤を乾燥させる工程をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  7.  前記ロータコアには、前記永久磁石が挿入される磁石用孔部が設けられており、
     前記接着剤を塗布する工程は、前記接着剤の厚み方向において、前記接着剤の厚みと前記永久磁石の長さとの合計長さが、前記磁石用孔部の幅よりも小さくなるように、前記接着剤を塗布する工程である、請求項1~6のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  8.  ロータコアと、発泡剤を含む接着剤により前記ロータコアに接着される永久磁石とを備えるロータの前記ロータコアまたは前記永久磁石の塗布面に前記接着剤を塗布する塗布装置であって、
     前記接着剤を送り出す動作を行うポンプと、
     前記ポンプにより送り出された前記接着剤を吐出する吐出口を有するノズルと、
     前記ノズルを、前記塗布面に対して移動させる移動機構部とを備え、
     前記移動機構部により、前記ノズルを前記塗布面に沿った方向であるノズル進行方向に移動させながら、前記塗布面の塗布領域に前記接着剤を塗布するように構成されており、
     前記ノズルは、前記ノズルが前記塗布領域において前記ポンプの前記接着剤を送り出す動作が終了した位置よりも前記ノズル進行方向の前方側に移動した際に、前記塗布面の前記塗布領域よりも前方の部分に前記接着剤を引き延ばすように構成されている、塗布装置。
  9.  前記ノズルは、前記吐出口に隣接して設けられ、前記接着剤を引き延ばす延伸部を含む、請求項8に記載の塗布装置。
  10.  前記延伸部は、前記吐出口と面一に形成された平坦面を有する、請求項9に記載の塗布装置。
  11.  前記延伸部は、前記吐出口の少なくとも前記ノズル進行方向に直交する方向の両側に隣接して設けられている、請求項9または10に記載の塗布装置。
  12.  前記ノズルは、前記吐出口の前記ノズル進行方向に隣接して設けられ、前記ノズル進行方向に沿った長さが、前記延伸部の平坦面の前記ノズル進行方向に直交する方向の長さよりも小さい、接着剤逃がし部を含む、請求項9~11のいずれか1項に記載の塗布装置。
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