WO2019065886A1 - 粘着性物品 - Google Patents
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Abstract
本発明は、線状の粘着体と、前記粘着体の長手方向の表面を被覆する非粘着層を含む粘着性物品であって、前記粘着性物品の延伸により前記非粘着層が破断されて粘着性を発現する粘着性物品に関する。
Description
本発明は、粘着性物品に関し、より詳細には、延伸により粘着性を発現する粘着性物品に関する。
粘着シートや粘着テープが、金属、ガラス、木材、紙、ダンボール、プラスチック材料等の各種被着体の接着などに用いられている。このような粘着シートは、通常、被着体へ貼り付けるまでの間、粘着面を保護するために、粘着面がセパレータ(剥離シート)で保護されている。また、ロール状の粘着テープのような巻回された形態の場合には、巻き戻しを容易にするため、粘着面が接触する背面に剥離処理を施した基材が用いられている。
しかしながら、セパレータを用いた粘着シートにおいて、使用時に剥離されるセパレータは剥離後に廃棄されるため、省資源化や低コスト化の観点からは、その使用は望ましくない。また、使用者が手袋をしながら使用する場合や、使用される粘着シートあるいは粘着テープの大きさが小さい場合には、粘着シートからセパレータを剥離する際や粘着テープを巻き戻す際の作業性が悪いという問題がある。したがって、セパレータや基材裏面の剥離処理を必要としない粘着シートあるいは粘着テープが提供できれば、有用であると考えられる。
これに関連して、特許文献1には、粘着シート類の粘着剤表面に界面接触反応で非粘着性物質を固定して非粘着性薄層を形成し、被着体への貼付時にその非粘着性薄層を破壊して粘着性を再発現する粘着性再発現方法が記載されている。
しかしながら、被着体の表面形状が曲面状であったり、凹凸形状のような複雑な形状である場合、被着体にシート状(フィルム状)の粘着シートを貼り付けようとすると、粘着シートにしわが生じたり、粘着シートの一部に重なりが生じてしまうことがあり、適用が困難な場合がある。
また、例えば幅の狭い領域への適用が所望される場合、粘着シートを細く切断して用いることも考えられるが、切断可能な幅には限界がある。このような場合、液状の接着剤を用いることも考えられるが、接着剤の液ダレが生じたり、接着剤層の厚みが不均一になるおそれがある。
以上のような課題を鑑みて、本発明は、初期状態では実質的に非粘着性でありながら、使用時には簡易な操作により粘着性を発現可能であり、また、適用可能な被着体の表面形状や領域が多様である粘着性物品を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、線状の粘着体と、前記粘着体の長手方向の表面を被覆する非粘着層を含む粘着性物品であって、前記粘着性物品の延伸により前記非粘着層が破断されて粘着性を発現する粘着性物品に関する。
本発明の一態様において、前記粘着体は、線状の芯材と、前記芯材の長手方向の表面を被覆する粘着剤層を含んでいてもよい。
本発明の一態様において、前記粘着性物品は糸状であることが好ましい。
本発明の一態様において、前記非粘着層は、高分子材料を含むことが好ましい。
本発明の一態様において、前記非粘着層は、複数のエマルション粒子の凝集体を含むことが好ましい。
本発明の一態様において、下記プローブタック試験2により測定される前記粘着性物品の長さ方向への2倍延伸後のタック値が、下記プローブタック試験1により測定される延伸前のタック値より1gf以上大きいことが好ましい。
(プローブタック試験1)
測定温度23℃の環境下、前記粘着性物品の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求める。
(プローブタック試験2)
測定温度23℃の環境下、前記粘着性物品を長さ方向に延伸した後、前記粘着性物品の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求める。
(プローブタック試験1)
測定温度23℃の環境下、前記粘着性物品の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求める。
(プローブタック試験2)
測定温度23℃の環境下、前記粘着性物品を長さ方向に延伸した後、前記粘着性物品の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求める。
本発明の一態様に係る粘着性物品は、初期状態では実質的に非粘着性であるため、セパレータや剥離処理が不要である。また、簡易な操作により粘着性を発現可能であり、作業性に優れる。さらには、適用可能な被着体の表面形状や領域が多様である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際の製品のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
また、本明細書においては、質量を基準とした割合(百分率、部など)は、重量を基準とした割合(百分率、部など)と同じである。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際の製品のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
また、本明細書においては、質量を基準とした割合(百分率、部など)は、重量を基準とした割合(百分率、部など)と同じである。
本発明の実施形態に係る粘着性物品は、線状の粘着体と、前記粘着体の長手方向の表面を被覆する非粘着層を含む粘着性物品であって、前記粘着性物品の延伸により前記非粘着層が破断されて粘着性を発現する。
本実施形態の粘着性物品は、延伸により粘着性を発現する粘着性物品であり、延伸前の初期状態においては粘着性を実質的に有さず、すなわち実質的に非粘着性である。そして、非粘着層が延伸により破断されることで粘着体による粘着性が発現される。すなわち、非粘着層は延伸過程で破断され、延伸により破断された非粘着層の破片は、典型的には粘着性物品(粘着体)の表面に付着した状態となる。一方で、粘着性物品の延伸によって粘着性物品の表面積は増大するため、延伸後の粘着性物品において、非粘着層の破片が付着していない表面は粘着体が露出した状態となり、粘着体による粘着性が発現されることとなる。
図1に、本実施形態に係る粘着性物品の一構成例について、該粘着性物品の長手方向に垂直な方向における模式的な断面図を示す。図1に示される粘着性物品1においては、非粘着層31が、線状の粘着体21の表面(長手方向の表面)を被覆している。なお、ここにいう線状とは、直線状、曲線状、折れ線状等の他にも、糸のように多様な方向、角度に曲げられうる状態(以下、糸状ともいう)をも包含する概念である。
本構成例の粘着性物品は、線状の粘着体と非粘着層からなる、支持体レスの粘着性物品である。なお、本構成例の粘着性物品の断面の形状は円形であるが、本実施形態はこれに限定されず、その断面の形状としては、円形の他にも、楕円形、四角形等の矩形等をとりうる。本実施形態において、粘着性物品の断面形状が円形である場合、断面の直径は特に限定されないが、直径が小さすぎると延伸時に粘着性物品が破断するおそれがあることから、例えば10μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。また、直径が大きすぎると延伸時に大きな応力を必要とする場合があることから、例えば2000μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることがより好ましい。
この場合において、粘着体の断面の直径は特に限定されないが、直径が小さすぎると延伸時に粘着性物品が破断するおそれがあることから、例えば9.8μm以上であることが好ましく、29.8μm以上であることがより好ましい。また、直径が大きすぎると延伸時に大きな応力を必要とする場合があることから、例えば1999μm以下であることが好ましく、999μm以下であることがより好ましい。
また、粘着体を被覆する非粘着層の厚みは、延伸前の実質的な非粘着性を確保し、粘着剤層を保護する観点から、例えば0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。また、粘着力を発現させる観点から、例えば60μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
なお、粘着体の端面は非粘着層によって被覆されていてもいなくともよい。例えば、粘着性物品が製造過程や使用時に切断されるような場合には、粘着体の端面は非粘着層によって被覆されないことがありうる。
本実施形態の粘着性物品において、非粘着層は、延伸前の初期状態では粘着体を被覆するが、粘着性物品を延伸することで非粘着層が破断され、粘着性物品の粘着性が発現する。
非粘着層が実質的な非粘着性を適切に有するためには、非粘着層の23℃での貯蔵弾性率は、1×107Pa以上であることが好ましく、5×107Pa以上であることがより好ましい。また、柔軟性の観点からは、非粘着層の23℃での弾性率は、例えば1×1010Pa以下であることが好ましく、5×109Pa以下であることがより好ましい。なお、非粘着層の23℃での弾性率は、動的粘弾性装置(製品名:RSA-III、TAインスツルメント社製)により測定され、詳細には実施例の欄に記載の測定方法により測定される。
また、本実施形態の粘着性物品においては、延伸時の非粘着層の破断を補助するために、非粘着層にスジ(切り込み)を入れてもよい。非粘着層にスジを入れる場合のスジの方向は特に限定されないが、非粘着層の延伸による破断は、延伸方向に垂直な方向に相対的に生じやすい場合がある。そのような場合、延伸により非粘着層を細かく破断させるためには、延伸方向にスジを入れることが好ましい。また、スジを入れる方向は一方向に限定されず、例えば延伸方向と延伸方向に垂直な方向の二方向など、任意の複数の方向に入れてもよい。非粘着層にスジ(切り込み)を入れることにより、非粘着層は延伸による破断によって、より細かな破片となりうる。
非粘着層の材質としては、それ自体は粘着性を実質的に有さず、粘着体を被覆可能であって、延伸により破断可能なものから適宜選択して使用でき、例えば、高分子材料、金属材料、無機材料等が挙げられる。中でも、延伸による破断のしやすさの観点からは、高分子材料が好ましく用いられる。高分子材料としては、樹脂(ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル、フェノール樹脂、ポリウレタン、ナイロンなど)、エラストマー、ゴム、天然高分子(繊維セルロース、タンパク質など)、デンプン等が例示され、中でも自己融着が起こりにくい(ブロッキングし難い)ことからアクリル樹脂が好ましい。なお、これら材料は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下において、非粘着層が樹脂からなる場合について説明する。非粘着層が樹脂からなる場合、非粘着層を形成するために用いられる重合体を含有する組成物(以下、非粘着層形成用重合体含有組成物ともいう)としては、水分散型の非粘着層形成用重合体含有組成物であってもよく、あるいは、溶剤型の非粘着層形成用重合体含有組成物であってもよい。
なお、本明細書において、水分散型の非粘着層形成用重合体含有組成物により形成される非粘着層をエマルション系の非粘着層ということがあり、溶剤型の非粘着層形成用重合体含有組成物により形成される非粘着層を溶剤系の非粘着層ということがある。また、「重合体」とは、共重合体も包含する概念である。
なお、本明細書において、水分散型の非粘着層形成用重合体含有組成物により形成される非粘着層をエマルション系の非粘着層ということがあり、溶剤型の非粘着層形成用重合体含有組成物により形成される非粘着層を溶剤系の非粘着層ということがある。また、「重合体」とは、共重合体も包含する概念である。
水分散型の非粘着層形成用重合体含有組成物により形成される非粘着層は、複数のエマルション粒子の凝集体を含む層として形成される。ここで、非粘着層としては、延伸後により良好な粘着性が発現されることから、複数のエマルション粒子(エマルションポリマー粒子)の凝集体を含む層(エマルション系の非粘着層)であることが好ましい。
非粘着層が複数のエマルション粒子の凝集体を含む層(エマルション系の非粘着層)である場合に、延伸後により良好な粘着性が発現される理由は必ずしも定かではないが、以下のように推察される。すなわち、非粘着層がエマルション系の非粘着層である場合、粘着性物品を延伸すると、非粘着層は凝集したエマルション粒子同士の界面から種々の方向に破断して、細かな鱗片状の破片となって、典型的には粘着性物品(粘着体)の表面に付着した状態となる。一方で、粘着性物品の延伸によって粘着性物品の表面積は増大するため、延伸後の粘着性物品において、非粘着層の破片が付着していない表面は粘着体が露出した状態となり、粘着体による粘着性が発現されることとなる。加えて、このように細かな鱗片状の破片となった非粘着層が粘着体の表面上に付着した状態で粘着性物品を被着体に貼り付けると、貼り付け時の加圧によって非粘着層の鱗片状の破片が粘着体内に潜り込み、粘着体の露出する面積が増大することから、粘着体による粘着性がより良好に発現されると考えられる。
以下において、非粘着層が、アクリル系重合体からなるエマルション粒子(アクリル系重合体エマルション粒子)の凝集体を含む場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
アクリル系重合体エマルション粒子の凝集体を含む非粘着層は、非粘着層形成用重合体含有組成物として、水分散型アクリル系重合体を含む組成物を用いて形成することができる。この水分散型アクリル系重合体は、アクリル系重合体が水に分散しているエマルション形態の組成物である。上記アクリル系重合体は、好ましくは、例えば、主たるモノマーユニットがメタクリル酸メチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート等であるアクリル系共重合体が挙げられる。中でも、主たるモノマーユニットがメタクリル酸n-ブチルであるアクリル系共重合体(1)が好ましく、具体的には、メタクリル酸n-ブチル及びカルボキシ基含有モノマーをモノマーユニットとして含有するアクリル系共重合体(1-1)、メタクリル酸n-ブチル、カルボキシ基含有モノマー及びメタクリル酸n-ブチル以外の(メタ)アクリル酸C1-14アルキルエステルをモノマーユニットとして含有するアクリル系共重合体(1-2)等が挙げられる。
カルボキシ基含有モノマーは特に限定はされないが、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等を挙げることができる。中でも、アクリル酸及び/またはメタクリル酸が好ましく、より好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸の併用である。なお、アクリル酸及びメタクリル酸を併用する場合、その量比は特に限定はされないが、略同量であるのが好ましい。カルボキシ基含有モノマーは1種または2種以上を使用できる。
メタクリル酸n-ブチル以外の(メタ)アクリル酸C1-14アルキルエステルは、炭素原子数が1~14のアルキル基が、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシルが挙げられる。かかる(メタ)アクリル酸C1-14アルキルエステルは、好ましくはアクリル酸C2-12アルキルエステルであり、より好ましくはアクリル酸C4-8アルキルエステルである。
アクリル系共重合体(1)は、全モノマーユニット中、メタクリル酸n-ブチルを50~99重量%含有することが好ましく、60~90重量%含有することがより好ましく、60~70重量%含有することが特に好ましい。
メタクリル酸n-ブチル及びカルボキシ基含有モノマーをモノマーユニットとして含有するアクリル系共重合体(1-1)の組成は、メタクリル酸n-ブチル:カルボキシ基含有モノマー(重量比)が80~99:20~1が好ましく、80~95:20~5がより好ましく、85~95:15~5が特に好ましい。また、メタクリル酸n-ブチル、カルボキシ基含有モノマー及びメタクリル酸n-ブチル以外の(メタ)アクリル酸C1-14アルキルエステルをモノマーユニットとして含有するアクリル系共重合体(1-2)の組成は、メタクリル酸n-ブチル:カルボキシ基含有モノマー:メタクリル酸n-ブチル以外の(メタ)アクリル酸C1-14アルキルエステル(重量比)が、50~98:1~20:1~30(但し、3成分の合計重量が100)が好ましく、60~90:5~20:5~20(但し、3成分の合計重量が100)がより好ましい。
なお、アクリル系共重合体(1)及び(1-1)は、それぞれ、全モノマーユニット中の10重量%以下の範囲内で、メタクリル酸n-ブチル以外のメタクリル酸C1-18アルキルエステルやヒドロキシ基含有モノマーをモノマーユニットとして含有することができる。また、アクリル系共重合体(1-2)は、全モノマーユニット中の10重量%以下の範囲内で、メタクリル酸C15-18アルキルエステルやヒドロキシ基含有モノマーをモノマーユニットとして含有することができる。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルメタクリレート等が挙げられる。
アクリル系重合体エマルション粒子の凝集体を含む非粘着層を形成するアクリル系重合体のガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、良好な非粘着性を示すためには、5℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましい。また、上限値としても特に限定されるものではないが、造膜性の観点からは、例えば150℃以下である。
本明細書において、アクリル系重合体のガラス転移温度(℃)は、アクリル系重合体を構成するモノマーユニットとその割合から、下記のFOXの式により算出される理論ガラス転移温度(K)を、摂氏温度(℃)に換算したものである。
FOXの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
(Tg:重合体のガラス転移温度(K)、Tg1、Tg2、・・・、Tgn:各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(K)、W1、W2、・・・、Wn:各モノマーの重量分率)
(Tg:重合体のガラス転移温度(K)、Tg1、Tg2、・・・、Tgn:各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(K)、W1、W2、・・・、Wn:各モノマーの重量分率)
上記FOXの式より求められる理論ガラス転移温度(摂氏温度(℃)に換算)は、示差走査熱量測定(DSC)や動的粘弾性などにより求められる実測ガラス転移温度とよく一致する。
このようなモノマーを重合させて水分散型アクリル系重合体を得る方法としては、公知乃至慣用の重合方法を採用することができ、エマルション重合法を好ましく用いることができる。エマルション重合を行う際のモノマー供給方法としては、全モノマー成分を一度に供給する一括仕込み方式、連続供給(滴下)方式、分割供給(滴下)方式等を適宜採用することができる。モノマーの一部または全部(典型的には全部)をあらかじめ水(典型的には、水とともに適当量の乳化剤が使用される。)と混合して乳化し、その乳化液(モノマーエマルション)を反応容器内に一括、連続あるいは分割して供給してもよい。重合温度は、使用するモノマーの種類、重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば20℃~100℃(典型的には40℃~80℃)程度とすることができる。
重合時に用いる重合開始剤としては、重合方法の種類に応じて、公知乃至慣用の重合開始剤から適宜選択することができる。例えば、エマルション重合法において、アゾ系重合開始剤を好ましく使用し得る。アゾ系重合開始剤の具体例としては、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]ハイドレート、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)等が挙げられる。
重合開始剤の他の例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン、過酸化水素等の、過酸化物系開始剤;フェニル置換エタン等の、置換エタン系開始剤;芳香族カルボニル化合物;等が挙げられる。重合開始剤のさらに他の例として、過酸化物と還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤が挙げられる。かかるレドックス系開始剤の例としては、過酸化物とアスコルビン酸との組み合わせ(過酸化水素水とアスコルビン酸との組み合わせ等)、過酸化物と鉄(II)塩との組み合わせ(過酸化水素水と鉄(II)塩との組み合わせ等)、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、等が挙げられる。
このような重合開始剤は、単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、全モノマー成分100重量部に対して0.005~1重量部(典型的には0.01~1重量部)程度の範囲から選択することができる。
水分散型アクリル系重合体の調製にあたっては、必要に応じて乳化剤を用いることができる。乳化剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系のいずれも使用可能である。通常は、アニオン系またはノニオン系の乳化剤の使用が好ましい。このような乳化剤は、例えば、モノマー成分をエマルション重合させる際や、他の方法で得られたアクリル系重合体を水に分散させる際等に好ましく使用することができる。
アニオン系乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸カリウム等の、アルキル硫酸塩型アニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩型アニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等の、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩型アニオン系乳化剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の、スルホン酸塩型アニオン系乳化剤;スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等の、スルホコハク酸型アニオン系乳化剤;等が挙げられる。
また、ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型ノニオン系乳化剤;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー;等が挙げられる。上記のようなアニオン系またはノニオン系乳化剤にラジカル重合性基(プロペニル基等)が導入された構造のラジカル重合性乳化剤(反応性乳化剤)を用いてもよい。
このような乳化剤は、一種を単独で用いてもよく、あるいは二種以上を組み合わせて用いてもよい。乳化剤の使用量は、アクリル系ポリマーをエマルションの形態に調製することが可能な使用量であればよく、特に制限されない。例えば、アクリル系重合体100重量部当たり、固形分基準で例えば凡そ0.2~10重量部(好ましくは凡そ0.5~5重量部)程度の範囲から選択することが適当である。乳化剤の使用量が少なすぎると、所望の分散安定性(重合安定性、機械的安定性等)が得られ難くなる場合がある。乳化剤の使用量が多すぎると、被着体を汚染することがあり得る。
なお、上記においては、非粘着層がアクリル系重合体からなるエマルション粒子(アクリル系重合体エマルション粒子)の凝集体を含む場合を中心に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、非粘着層がアクリル系重合体以外の重合体からなるエマルション粒子の凝集体を含む場合についても、上記に適宜準ずることができる。
また、非粘着層を形成するための非粘着層形成用重合体含有組成物として、溶剤型のものを用いる場合には、非粘着層を形成する重合体を、トルエン、酢酸エチル、エタノール等の適宜な溶媒に溶解させた溶液を用いることができる。
また、非粘着層形成用重合体含有組成物は、必要に応じて、pH調整等の目的で使用される酸または塩基(アンモニア水等)を含有してもよい。また、架橋剤、粘度調整剤(増粘剤等)、レベリング剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料等)、界面活性剤、帯電防止剤、防腐剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の各種の添加剤を含有してもよい。ただし、非粘着剤層が硬くなりすぎて、非粘着剤層の破断が困難になったり、非粘着層の破断時の衝撃によって粘着体(粘着剤層)も破断してしまうおそれがあることから、非粘着層形成用重合体含有組成物には架橋剤は含有させないことが好ましい。
本実施形態の粘着性物品において、粘着体を構成する粘着剤としては特に限定されず、公知の粘着剤を用いることが可能である。例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤などが挙げられる。中でも、接着性の点から、ゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤が好ましく、特にアクリル系粘着剤が好ましい。なお、粘着剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本実施形態における粘着剤は、常温で粘着性を有し、粘着剤の表面と被着体の表面との接触時に生じる圧力によって、被着体をその表面に貼付できる感圧型粘着剤であることが好ましい。感圧型粘着剤であれば、加熱を要さず、熱に弱い被着体にも適用可能である。
アクリル系粘着剤は、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これらに必要によりアクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸、無水マレイン酸、ビニルピロリドン、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミドなどの改質用単量体を加えてなる単量体の重合体を主剤としたものである。
ゴム系粘着剤は、天然ゴム、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴムなどのゴム系ポリマーを主剤としたものである。
また、これら粘着剤にはロジン系、テルペン系、スチレン系、脂肪族石油系、芳香族石油系、キシレン系、フエノール系、クマロンインデン系、それらの水素添加物などの粘着付与樹脂や、架橋剤、粘度調整剤(増粘剤等)、レベリング剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料等)、界面活性剤、帯電防止剤、防腐剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の各種の添加剤を適宜配合できる。
なお、粘着剤としては、溶剤型の粘着剤と水分散型の粘着剤のいずれのタイプも使用することができる。ここで、高速塗工が可能であり、環境にやさしく、溶剤による芯材への影響(膨潤、溶解)が少ない面からは、水分散型の粘着剤が好ましい。
また、線状の粘着体は、芯材と芯材を被覆する粘着剤層を含んでいてもよい。
図2に、本実施形態に係る粘着性物品の一構成例について、該粘着性物品の長手方向に垂直な方向における模式的な断面図を示す。図2に示される粘着性物品2は、線状の芯材22と、芯材22の長手方向の表面を被覆する粘着剤層23からなる線状の粘着体21を備える。そして、非粘着層31が、粘着体21における粘着剤層23の表面(長手方向の表面)を被覆している。
図2に、本実施形態に係る粘着性物品の一構成例について、該粘着性物品の長手方向に垂直な方向における模式的な断面図を示す。図2に示される粘着性物品2は、線状の芯材22と、芯材22の長手方向の表面を被覆する粘着剤層23からなる線状の粘着体21を備える。そして、非粘着層31が、粘着体21における粘着剤層23の表面(長手方向の表面)を被覆している。
なお、本構成例の粘着性物品の断面の形状は円形であるが、本実施形態はこれに限定されず、その断面の形状としては、円形の他にも、楕円形、四角形等の矩形等をとりうる。
ここで、芯材を有する粘着体において、粘着剤層は芯材表面(長手方向の表面)の全部を被覆していてもよいが、芯材表面の一部のみを被覆していてもよい。また、粘着剤層は典型的には連続的に形成されるが、かかる形態に限定されるものではなく、例えば点状、ストライプ状等の規則的あるいはランダムなパターンに形成されてもよい。なお、芯材の端面は粘着剤層によって被覆されていてもいなくともよい。例えば、粘着性物品が製造過程や使用時に切断されるような場合には、芯材の端面は粘着剤層によって被覆されないことがありうる。また、いずれの場合においても、粘着剤層の表面(長手方向の表面)は非粘着層により被覆される。
粘着性物品に用いられる芯材としては、粘着性物品の延伸を妨げないものであれば特に限定されないが、それ自体が延伸可能な材質のものが好ましく、例えば、樹脂、ゴム、発泡体、無機繊維、これらの複合体等を用いることができる。樹脂の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;塩化ビニル樹脂;酢酸ビニル樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミド樹脂;フッ素樹脂等が挙げられる。ゴムの例としては、天然ゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム等が挙げられる。発泡体の例としては、発泡ポリウレタン、発泡ポリクロロプレンゴム等が挙げられる。繊維の例としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等があげられる。また、芯材の断面形状は特に限定されないが、通常、粘着性物品の断面形状に応じた断面形状を有する。
また、糸状の粘着性物品に用いられうる糸状の芯材の材質としては、レーヨン、キュプラ、アセテート、プロミックス、ナイロン、アラミド、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリクラール、ポリ乳酸等の各種高分子材料、ガラス、炭素繊維、天然ゴムやポリウレタン等の合成ゴム等の各種ゴム、綿、ウール等の天然材料、金属等が使用できる。また、糸状の芯材の形態としては、例えば、モノフィラメントの他、マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工や嵩高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、あるいはこれらを撚り合わせる等して組み合わせた糸が使用できる。また、断面形状も、円形だけでなく、四角形状や星型等の短形状の糸や楕円形状、中空等でありうる。
なお、芯材には、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤など)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料など)等の各種添加剤が配合されていてもよい。芯材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、下塗り剤の塗布等の、公知または慣用の表面処理が施されていてもよい。
芯材の断面のサイズは特に限定されず、目的に応じて適宜選択できるが、例えば円形の断面形状である場合、ハンドリング性(延伸のしやすさ、切れにくさ)の観点からは、その直径は好ましくは1μm~2000μmであり、より好ましくは10μm~1000μmである。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、上述した粘着体を構成し得る粘着剤と同様のものを用いることができる。
図2のような芯材を有する粘着性物品の場合において、粘着剤層の厚みは特に限定されないが、粘着性の観点からは、例えば1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、乾燥性の観点からは、例えば200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましい。
また、非粘着層の厚みは特に限定されないが、延伸前の実質的な非粘着性を確保し、粘着剤層を保護する観点からは、例えば0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。また、粘着力発現の観点からは、例えば60μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
本明細書において、初期状態(延伸前)の粘着性物品が「粘着性を実質的に有さない(実質的に非粘着性である)」とは、該粘着性物品の表面の下記プローブタック試験1により測定されるタック値が2gf以下であることを表す。また、初期状態(延伸前)の粘着性物品が「粘着性を有する」とは、該粘着性物品の表面の下記プローブタック試験1により測定されるタック値が2gf超であることを表す。該タック値は、より具体的には、後述する実施例の欄に記載のプローブタック測定方法に準じて測定される。
(プローブタック試験1)
測定温度23℃の環境下、粘着性物品の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求める。
測定温度23℃の環境下、粘着性物品の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求める。
また、本明細書において、延伸後の粘着性物品が「粘着性を実質的に有さない(実質的に非粘着性である)」とは、該粘着性物品の表面の下記プローブタック試験2により測定されるタック値が2gf以下であることを表す。また、延伸後の粘着性物品が「粘着性を有する」とは、該粘着性物品の表面の下記プローブタック試験2により測定されるタック値が2gf超であることを表す。該タック値は、より具体的には、後述する実施例の欄に記載のプローブタック測定方法に準じて測定される。
(プローブタック試験2)
測定温度23℃の環境下、粘着性物品を長さ方向に延伸した後、粘着性物品の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求める。
測定温度23℃の環境下、粘着性物品を長さ方向に延伸した後、粘着性物品の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求める。
また、粘着性物品が「延伸により粘着性を発現する」とは、延伸前の初期状態では実質的に非粘着性であり、かつ延伸後には粘着性を有することを表す。
ここで、延伸による粘着性の発現がより良好に発揮されるためには、粘着性物品の長さ方向への2倍延伸後のタック値が、延伸前のタック値よりも1gf以上大きいことが好ましく、1.5gf以上大きいことがより好ましく、2gf以上大きいことがさらに好ましい。
また、同様の観点から、粘着性物品の長さ方向への2倍延伸後のタック値は、好ましくは1gf以上であり、より好ましくは1.5gf以上であり、さらに好ましくは2gf以上である。なお、粘着性物品の長さ方向への2倍延伸後のタック値の上限値は特に限定されないが、せん断力との兼ね合いの観点からは、例えば100gf以下である。
また、同様の観点から、粘着性物品の長さ方向への4倍延伸後のタック値が、延伸前のタック値よりも2gf以上大きいことが好ましく、3gf以上大きいことがより好ましく、4gf以上大きいことがさらに好ましい。
また、同様の観点から、粘着性物品の長さ方向への4倍延伸後のタック値は、好ましくは2gf以上であり、より好ましくは3gf以上であり、さらに好ましくは4gf以上である。なお、粘着性物品の長さ方向への4倍延伸後のタック値の上限値は特に限定されないが、せん断力との兼ね合いの観点からは、例えば100gf以下である。
本実施形態の粘着性物品を形成する方法は特に限定されないが、例えば、非粘着層形成用重合体含有組成物を用いた場合の形成方法の一例を以下に示す。
まず、粘着体を構成する粘着剤を用意し、セパレーター上にディスペンサを用いて線状に塗布することで、粘着体を形成させる。なお、粘着体が芯材及び粘着剤層を有する粘着体である場合には、芯材の表面に粘着剤をディッピング、浸漬、塗布等により塗工した後に加熱乾燥させることにより、芯材の表面に粘着剤層を形成させることができる。上記粘着剤の塗布は、例えば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等の慣用のコーターを用いて行うことができる。乾燥温度は、適宜採用可能であるが、好ましくは40℃~200℃であり、さらに好ましくは、50℃~180℃であり、特に好ましくは70℃~120℃である。乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、好ましくは5秒~20分、さらに好ましくは5秒~10分、特に好ましくは、10秒~5分である。
まず、粘着体を構成する粘着剤を用意し、セパレーター上にディスペンサを用いて線状に塗布することで、粘着体を形成させる。なお、粘着体が芯材及び粘着剤層を有する粘着体である場合には、芯材の表面に粘着剤をディッピング、浸漬、塗布等により塗工した後に加熱乾燥させることにより、芯材の表面に粘着剤層を形成させることができる。上記粘着剤の塗布は、例えば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等の慣用のコーターを用いて行うことができる。乾燥温度は、適宜採用可能であるが、好ましくは40℃~200℃であり、さらに好ましくは、50℃~180℃であり、特に好ましくは70℃~120℃である。乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、好ましくは5秒~20分、さらに好ましくは5秒~10分、特に好ましくは、10秒~5分である。
粘着剤層上に非粘着層を形成するにあたっては、例えば、樹脂を用いる場合には、非粘着層形成用重合体含有組成物を用いて、上述した粘着体を形成する各手法を適宜採用すればよい。また、乾燥条件も適宜採用可能であり、上述した粘着体の乾燥条件に準じることもできる。なお、樹脂以外の高分子材料を用いる場合にも、その溶液を用いて同様の手法を適宜採用すればよい。
なお、非粘着層としてエマルション系の非粘着層を形成させる場合、エマルション粒子同士の融着(造膜)が抑制されるように、水分散型の非粘着層形成用重合体含有組成物の乾燥条件を調整することが好ましい。そのような乾燥条件としては、エマルション粒子を構成するポリマーにも依るが、例えば、乾燥温度としては、ポリマーのガラス転移温度をTgとして、好ましくはTg~Tg+50℃、より好ましくはTg+5~Tg+30℃であり、乾燥時間としては好ましくは5秒~20分、より好ましくは5秒~10分である。エマルション粒子同士の融着が抑制された非粘着層は、粘着性物品が延伸された際に、凝集したエマルション粒子同士の界面から種々の方向に破断し、細かな鱗片状の破片となりやすくなると考えられる。
また、非粘着層として金属材料を用いる場合には、蒸着やスパッタ等を適用することができ、無機材料を用いる場合には、ゾルゲル反応を用いた作製方法等を適用することができる。
本実施形態の粘着性物品は、線状であることから、細幅の部材や幅の狭い領域にもはみ出しを抑えながら貼り付け可能であり、また、易解体(リワーク)可能な点において好ましい。例えば、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末の狭額縁の固定にも適用できる。
加えて、本実施形態の粘着性物品であれば、線状であることから、狭い隙間に入り込ませた後に延伸して粘着性を発現させることで、隙間の表面に接着したり、隙間を埋めたりすることができる。
加えて、本実施形態の粘着性物品であれば、線状であることから、狭い隙間に入り込ませた後に延伸して粘着性を発現させることで、隙間の表面に接着したり、隙間を埋めたりすることができる。
さらに、本実施形態の粘着性物品は、可曲性を有することが好ましく、糸のように多様な方向、角度に曲げられうる糸状であることが特に好ましい。可曲性を有する粘着性物品、特に糸状である粘着性物品によれば、上記した効果に加えて、曲線や曲面、凹凸などの複雑な形状にも適用させやすいという利点を有する。
例えば、曲線や曲面、凹凸などの複雑な形状の部分を有する被着体に粘着テープを貼り付けようとすると、かかる部分において粘着テープにしわや重なりが生じてしまい、はみ出しを抑えて綺麗に貼り付けることは困難であり、また、しわや重なりの生じた部分は粘着力が低下する要因ともなるおそれがある。また、しわや重なりを生じないようにしながら粘着テープを貼り付けるには、粘着テープを細かく切断しながら貼り付けることも考えられるが、作業性が大幅に悪化することとなる。一方、可曲性を有する粘着性物品、特に糸状である粘着性物品であれば、曲線や曲面、凹凸などの複雑な形状の部分に貼り付ける際にも、しわや重なりを生じることなく強固に貼り付けることができる。さらに、かかる粘着性物品は、貼り付けたい部分に、一度に、すなわち一工程で貼り付け可能であることから、作業性にも優れ、自動化ラインにも適用可能である。
例えば、曲線や曲面、凹凸などの複雑な形状の部分を有する被着体に粘着テープを貼り付けようとすると、かかる部分において粘着テープにしわや重なりが生じてしまい、はみ出しを抑えて綺麗に貼り付けることは困難であり、また、しわや重なりの生じた部分は粘着力が低下する要因ともなるおそれがある。また、しわや重なりを生じないようにしながら粘着テープを貼り付けるには、粘着テープを細かく切断しながら貼り付けることも考えられるが、作業性が大幅に悪化することとなる。一方、可曲性を有する粘着性物品、特に糸状である粘着性物品であれば、曲線や曲面、凹凸などの複雑な形状の部分に貼り付ける際にも、しわや重なりを生じることなく強固に貼り付けることができる。さらに、かかる粘着性物品は、貼り付けたい部分に、一度に、すなわち一工程で貼り付け可能であることから、作業性にも優れ、自動化ラインにも適用可能である。
糸状の粘着性物品の具体的な用途の一例としては、例えば、電線や光ファイバー等のケーブル、LEDファイバーライト、FBG(Fiber Bragg Gratings、ファイバブラッググレーティング)等の光ファイバセンサ、糸、紐、ワイヤ等の各種線材(線状部材)や、細幅の部材を、所望の形態で固定する用途が挙げられる。たとえば、線材や細幅の部材を複雑な形状で他の部材に固定するような場合においても、糸状の粘着性物品であれば、線材や細幅の部材の有すべき複雑な形状にあわせて、はみ出しやしわ、重なりを抑えながら、優れた作業性で強固に固定することができる。なお、線材や細幅の部材を他の部材に固定する場合においては、他の部材の表面における線材や細幅の部材が固定されるべき形態にあわせて糸状の粘着性物品を予め貼り付けた後に、他の部材表面に貼付された粘着性物品にあわせて線材や細幅の部材を貼り合わせて固定することができる。あるいは、糸状の粘着性物品を線材や細幅の部材に貼り付けた後に、線材や細幅の部材を所望の形態で他の部材に固定してもよい。
また、糸状の粘着性物品は、一の物品を他の物品の表面に仮固定(仮止め)するための、物品の仮固定(仮止め)用途にも好適に用いることができる。より具体的には、糸状の粘着性物品は、例えば、衣服、靴、鞄、帽子等の繊維製品や皮革製品等を製造する際の仮固定(仮止め)用途に、特に好適に用いられる。ただし、その用途はこれに限定されるものではなく、仮固定(仮止め)が所望される各種用途に好適に用いられる。
例えば、一の物品を他の物品の表面に固定する際に、該一の物品を該他の物品の表面に糸状の粘着性物品を用いて予め仮固定させて位置決めした後に、両物品を熱圧着や縫製等の固定方法により固定(本固定)する。この場合において、糸状の粘着性物品であれば、両物品間に設けられる固定部を避けて仮固定することが容易である。例えば、繊維製品や皮革製品を縫製する場合において、糸状の粘着性物品により仮固定を行えば、縫製部分を避けて仮固定することが容易であり、粘着剤の針への付着を容易に防止できる。
また、糸状の粘着性物品であれば、上述したように、両物品の形状が曲線や曲面、凹凸などの複雑な形状であっても、はみ出しやしわ、重なりを抑えながら良好に貼り付けでき、しかも一工程で貼り付け可能であり、作業性が良好である。
また、例えば、繊維製品ないし皮革製品を構成する生地、布、皮革等といった変形しやすい部材であっても、糸状の粘着性物品による仮固定を行うことにより、引張による部材の変形が抑制ないし防止でき、固定(本固定)後の意匠性が良好となる。
さらには、糸状の粘着性物品であれば、両物品の固定(本固定)後に、必要に応じて固定(本固定)された両物品間から糸状の粘着性物品を抜き取り除去することも容易である。このようにすれば、粘着剤のはみ出しが防止でき、残存する粘着剤の経時的な変色に由来する意匠性の劣化を良好に防止できる。
例えば、一の物品を他の物品の表面に固定する際に、該一の物品を該他の物品の表面に糸状の粘着性物品を用いて予め仮固定させて位置決めした後に、両物品を熱圧着や縫製等の固定方法により固定(本固定)する。この場合において、糸状の粘着性物品であれば、両物品間に設けられる固定部を避けて仮固定することが容易である。例えば、繊維製品や皮革製品を縫製する場合において、糸状の粘着性物品により仮固定を行えば、縫製部分を避けて仮固定することが容易であり、粘着剤の針への付着を容易に防止できる。
また、糸状の粘着性物品であれば、上述したように、両物品の形状が曲線や曲面、凹凸などの複雑な形状であっても、はみ出しやしわ、重なりを抑えながら良好に貼り付けでき、しかも一工程で貼り付け可能であり、作業性が良好である。
また、例えば、繊維製品ないし皮革製品を構成する生地、布、皮革等といった変形しやすい部材であっても、糸状の粘着性物品による仮固定を行うことにより、引張による部材の変形が抑制ないし防止でき、固定(本固定)後の意匠性が良好となる。
さらには、糸状の粘着性物品であれば、両物品の固定(本固定)後に、必要に応じて固定(本固定)された両物品間から糸状の粘着性物品を抜き取り除去することも容易である。このようにすれば、粘着剤のはみ出しが防止でき、残存する粘着剤の経時的な変色に由来する意匠性の劣化を良好に防止できる。
また、糸状の粘着性物品であれば、他の材質からなる糸と撚り合わせて組み合わせた糸としたり、他の材質からなる糸や布(不織布、シートを含む)と編み込んだりすることで、機能の複合化を図ることもできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
(実施例1)
(粘着剤層形成用の水分散型アクリル系粘着剤組成物の調製)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水40重量部を入れ、窒素ガスを導入しながら60℃で1時間以上攪拌して窒素置換を行った。この反応容器に、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]n水和物(重合開始剤)0.1重量部を加えた。系を60℃に保ちつつ、ここにモノマーエマルションAを4時間かけて徐々に滴下して乳化重合反応を進行させた。モノマーエマルションAとしては、2-エチルヘキシルアクリレート98重量部、アクリル酸1.25重量部、メタクリル酸0.75重量部、ラウリルメルカプタン(連鎖移動剤)0.05重量部、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM-503」)0.02重量部およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)2重量部を、イオン交換水30重量部に加えて乳化したものを使用した。モノマーエマルションAの滴下終了後、さらに3時間60℃に保持し、系を室温まで冷却した後、10%アンモニア水の添加によりpHを7に調整して、アクリル系重合体エマルション(水分散型アクリル系重合体)Aを得た。
(粘着剤層形成用の水分散型アクリル系粘着剤組成物の調製)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水40重量部を入れ、窒素ガスを導入しながら60℃で1時間以上攪拌して窒素置換を行った。この反応容器に、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]n水和物(重合開始剤)0.1重量部を加えた。系を60℃に保ちつつ、ここにモノマーエマルションAを4時間かけて徐々に滴下して乳化重合反応を進行させた。モノマーエマルションAとしては、2-エチルヘキシルアクリレート98重量部、アクリル酸1.25重量部、メタクリル酸0.75重量部、ラウリルメルカプタン(連鎖移動剤)0.05重量部、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM-503」)0.02重量部およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)2重量部を、イオン交換水30重量部に加えて乳化したものを使用した。モノマーエマルションAの滴下終了後、さらに3時間60℃に保持し、系を室温まで冷却した後、10%アンモニア水の添加によりpHを7に調整して、アクリル系重合体エマルション(水分散型アクリル系重合体)Aを得た。
上記アクリル系重合体エマルションAに含まれるアクリル系重合体100重量部当たり、固形分基準で20重量部の粘着付与樹脂エマルション(荒川化学工業株式会社製、商品名「E-865NT」)を加えた。さらに、pH調整剤としての10重量%アンモニア水および増粘剤としてのポリアクリル酸(東亞合成株式会社製、商品名「アロンB-500」)を用いて、pHを7.2、粘度を10Pa・sに調整した。このようにして、粘着剤層用の水分散型アクリル系粘着剤組成物Aを得た。
(非粘着層形成用のアクリル系重合体エマルションの調製)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水40重量部を入れ、窒素ガスを導入しながら60℃で1時間以上攪拌して窒素置換を行った。この反応容器に、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]n水和物(重合開始剤)0.1重量部を加えた。系を60℃に保ちつつ、ここにモノマーエマルションBを4時間かけて徐々に滴下して乳化重合反応を進行させた。モノマーエマルションBとしては、メタクリル酸ブチル95重量部、アクリル酸5重量部、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)2重量部を、イオン交換水30重量部に加えて乳化したものを使用した。モノマーエマルションBの滴下終了後、さらに3時間60℃に保持した。10重量%アンモニア水の添加によりpHを7に調整した後、イオン交換水により固形分を35%に調整し、アクリル系重合体エマルション(水分散型アクリル系重合体)Bを得た。
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水40重量部を入れ、窒素ガスを導入しながら60℃で1時間以上攪拌して窒素置換を行った。この反応容器に、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]n水和物(重合開始剤)0.1重量部を加えた。系を60℃に保ちつつ、ここにモノマーエマルションBを4時間かけて徐々に滴下して乳化重合反応を進行させた。モノマーエマルションBとしては、メタクリル酸ブチル95重量部、アクリル酸5重量部、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)2重量部を、イオン交換水30重量部に加えて乳化したものを使用した。モノマーエマルションBの滴下終了後、さらに3時間60℃に保持した。10重量%アンモニア水の添加によりpHを7に調整した後、イオン交換水により固形分を35%に調整し、アクリル系重合体エマルション(水分散型アクリル系重合体)Bを得た。
(粘着性物品の作製)
ポリウレタン弾性繊維(マルチフィラメント、310dtex)に水分散型アクリル系粘着剤組成物Aをディッピングで塗工した後、80℃で5分間乾燥して粘着剤層を形成させた。形成された粘着剤層の厚みは65μmであった。次に、粘着剤層上にアクリル系重合体エマルションBをディッピングにより塗工した後、70℃で5分間乾燥して非粘着層を形成させた。形成された非粘着層の厚みは8μmであった。このようにして、実施例1に係る糸状の粘着性物品のサンプルを作製した。
ポリウレタン弾性繊維(マルチフィラメント、310dtex)に水分散型アクリル系粘着剤組成物Aをディッピングで塗工した後、80℃で5分間乾燥して粘着剤層を形成させた。形成された粘着剤層の厚みは65μmであった。次に、粘着剤層上にアクリル系重合体エマルションBをディッピングにより塗工した後、70℃で5分間乾燥して非粘着層を形成させた。形成された非粘着層の厚みは8μmであった。このようにして、実施例1に係る糸状の粘着性物品のサンプルを作製した。
(実施例2)
(粘着剤層形成用の粘着剤組成物)
粘着剤層用の粘着剤組成物としては、実施例1で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物Aを用いた。
(粘着剤層形成用の粘着剤組成物)
粘着剤層用の粘着剤組成物としては、実施例1で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物Aを用いた。
(非粘着層形成用のアクリル系ポリマー溶液の調製)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、トルエン150重量部、メタクリル酸ブチル90重量部、アクリル酸10重量部を入れ、窒素ガスを導入しながら室温で1時間以上攪拌して窒素置換を行った。この反応容器に、過酸化ベンゾイル0.6重量部を加え、70℃に昇温し8時間反応させた後、トルエンを加えて固形分を20%とし、アクリル系ポリマー溶液Cを得た。
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、トルエン150重量部、メタクリル酸ブチル90重量部、アクリル酸10重量部を入れ、窒素ガスを導入しながら室温で1時間以上攪拌して窒素置換を行った。この反応容器に、過酸化ベンゾイル0.6重量部を加え、70℃に昇温し8時間反応させた後、トルエンを加えて固形分を20%とし、アクリル系ポリマー溶液Cを得た。
(粘着性物品の作製)
非粘着層の形成材料として、アクリル系重合体エマルションBの代わりにアクリル系ポリマー溶液Cを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る糸状の粘着性物品のサンプルを作製した。
非粘着層の形成材料として、アクリル系重合体エマルションBの代わりにアクリル系ポリマー溶液Cを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る糸状の粘着性物品のサンプルを作製した。
〔初期状態(延伸前)のタック値の測定〕
各例に係る粘着性物品のサンプルを、日東電工(株)製の両面接着テープ「No.5000N」(厚さ:0.16mm)を用いて松浪硝子工業(株)製のスライドガラスに貼り合わせ、試験片を作製した。
各例に係る粘着性物品のサンプルを、日東電工(株)製の両面接着テープ「No.5000N」(厚さ:0.16mm)を用いて松浪硝子工業(株)製のスライドガラスに貼り合わせ、試験片を作製した。
作製した試験片について、プローブタック測定機(RHESCA社製のTACKINESS TESTER Model TAC-II)を用いてプローブタック試験を行った。
具体的には、測定温度23℃の環境下、上記試験片のサンプル側の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求め、初期状態(延伸前)のタック値(gf)とした。
具体的には、測定温度23℃の環境下、上記試験片のサンプル側の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求め、初期状態(延伸前)のタック値(gf)とした。
なお、該プローブタック試験により測定されるタック値が2gf以下であれば、「粘着性を実質的に有さない(実質的に非粘着性である)」と評価される。
〔延伸後のタック値の測定〕
各例に係る粘着性物品のサンプルを長さ方向に2倍または4倍に延伸した後、日東電工(株)製の両面接着テープ「No.5000N」(厚さ:0.16mm)を用いて松浪硝子工業(株)製のスライドガラスに貼り合わせ、試験片を作製した。
各例に係る粘着性物品のサンプルを長さ方向に2倍または4倍に延伸した後、日東電工(株)製の両面接着テープ「No.5000N」(厚さ:0.16mm)を用いて松浪硝子工業(株)製のスライドガラスに貼り合わせ、試験片を作製した。
作製した試験片について、初期状態(延伸前)のタック値と同様の試験方法・試験条件によりプローブタック試験を行い、2倍延伸後及び4倍延伸後のタック値(gf)を測定した。
(非粘着層の23℃での弾性率)
また、非粘着層の23℃での弾性率を以下の測定方法により測定した。
実施例1については、非粘着層形成用のアクリル系重合体エマルションBを用いて、また、実施例2については非粘着層形成用のアクリル系ポリマー溶液Cを用いて、それぞれ70℃で5分間の乾燥条件で、幅3mm×長さ30mm×厚み0.04mmのシート状の試験片を作製した。これらの各試験片について、動的粘弾性測定装置(製品名:RSA-III、TAインスツルメント社製)を用いて、試験片の振動周波数:1Hz、温度範囲:-40~200℃、昇温速度:5℃/分の条件における貯蔵弾性率を測定した。
また、非粘着層の23℃での弾性率を以下の測定方法により測定した。
実施例1については、非粘着層形成用のアクリル系重合体エマルションBを用いて、また、実施例2については非粘着層形成用のアクリル系ポリマー溶液Cを用いて、それぞれ70℃で5分間の乾燥条件で、幅3mm×長さ30mm×厚み0.04mmのシート状の試験片を作製した。これらの各試験片について、動的粘弾性測定装置(製品名:RSA-III、TAインスツルメント社製)を用いて、試験片の振動周波数:1Hz、温度範囲:-40~200℃、昇温速度:5℃/分の条件における貯蔵弾性率を測定した。
表1に、各例に係るサンプルについての、初期状態(延伸前)のタック値、2倍延伸後のタック値、ならびに4倍延伸後のタック値の測定結果を示す。また、非粘着層の貯蔵弾性率の測定結果を併せて示す。
実施例1及び実施例2のいずれの粘着性物品も、初期状態では実質的に非粘着性であるが、延伸により粘着性を発現した。なお、非粘着層としてエマルション系の非粘着層を用いた実施例1の粘着性物品は、非粘着層として溶剤系の非粘着層を用いた実施例2よりも、延伸後により高いタック値を示した。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
なお、本出願は、2017年9月29日出願の日本特許出願(特願2017-192139)、2018年6月29日出願の日本特許出願(特願2018-124925)及び2018年7月23日出願の日本特許出願(特願2018-137759)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
1、2 粘着性物品
21 粘着体
22 芯材
23 粘着剤層
31 非粘着層
21 粘着体
22 芯材
23 粘着剤層
31 非粘着層
Claims (6)
- 線状の粘着体と、前記粘着体の長手方向の表面を被覆する非粘着層を含む粘着性物品であって、
前記粘着性物品の延伸により前記非粘着層が破断されて粘着性を発現する粘着性物品。 - 前記粘着体は、線状の芯材と、前記芯材の長手方向の表面を被覆する粘着剤層を含む請求項1に記載の粘着性物品。
- 前記粘着性物品は糸状である請求項1または2に記載の粘着性物品。
- 前記非粘着層は高分子材料を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着性物品。
- 前記非粘着層は複数のエマルション粒子の凝集体を含む請求項4に記載の粘着性物品。
- 下記プローブタック試験2により測定される前記粘着性物品の長さ方向への2倍延伸後のタック値が、下記プローブタック試験1により測定される延伸前のタック値より1gf以上大きい請求項1~5のいずれか1項に記載の粘着性物品。
(プローブタック試験1)
測定温度23℃の環境下、前記粘着性物品の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求める。
(プローブタック試験2)
測定温度23℃の環境下、前記粘着性物品を長さ方向に延伸した後、前記粘着性物品の表面に、直径2mmのステンレス鋼製プローブ(SUS304)を接触荷重50gfで接触させた後、30mm/分の速度で1mm引き離す際にプローブにかかる荷重を経時的に測定し、引き剥がす際に要する最大荷重を求める。
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- 2018-09-28 TW TW107134459A patent/TW201920551A/zh unknown
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