WO2018142873A1 - 回動部材支持構造 - Google Patents
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Abstract
セクタギヤを支持するギヤ支持軸(132)は、付勢部(138)を備えており。セクタギヤは、付勢部(138)によってプーリのギヤ部との噛合い部分側へ付勢される。これによって、セクタギヤがプーリから離間する方向への変位を抑制できる。
Description
本発明は、第1回動部材を回動可能に支持する回動部材支持構造に関する。
ギヤを支持するギヤ軸にスナップフィット部が設けられた構成が特開2013-123994号公報に開示されている。
このような構成でギヤがギヤ軸に取付けられる際には、スナップフィット部におけるギヤ軸の中心軸線方向先端側に設けられた係合部がギヤに押圧され、これによって、スナップフィット部がギヤ軸の中心軸線側へ弾性変形される。これによって、ギヤ軸及びスナップフィット部がギヤの取付孔に挿入される。この状態で、スナップフィット部の係合部は、ギヤ軸の中心軸線方向にギヤと対向され、これによって、ギヤ軸の中心軸線方向先端側へのギヤの移動が抑制される。
ところで、このようなギヤを用いたギヤ列は、複数のギヤが互いに噛合っており、一方のギヤから他方のギヤへ回動が伝達される。このように、一方のギヤから他方のギヤへ回動が伝達される際に他方のギヤの歯が一方のギヤの歯から受ける荷重は、他方のギヤを一方のギヤから離間させるように作用する。
本発明は、上記事実を考慮して、第1回動部材からの荷重によって第1回動部材から離間する方向への第2回動部材の変位を抑制できる回動部材支持構造を得ることが目的である。
本開示の第1の態様の回動部材支持構造は、第1回動部材との係合状態で前記第1回動部材から離間される方向への荷重が前記第1回動部材から付与される第2回動部材と、前記第2回動部材が設けられる支持部材と、前記第2回動部材及び前記支持部材の一方に設けられた孔部と、前記第2回動部材及び前記支持部材の他方に設けられ、前記孔部に挿入されることによって前記第2回動部材が前記支持部材に回転可能に支持される軸部と、前記軸部に設けられ、前記軸部の外周部で開口された凹部と、前記他方に設けられると共に、前記軸部と共に前記孔部へ挿入され、弾性力によって前記孔部の内周部を押圧し、前記第2回動部材を前記第1回動部材側へ付勢する付勢部と、前記付勢部に設けられ、前記孔部に対する前記軸部の挿入方向とは反対側から前記一方と対向され、前記孔部から前記軸部が抜ける方向への前記支持部材に対する前記第2回動部材の移動を制限する制限部と、を備えている。
本開示の第1の態様の回動部材支持構造によれば、孔部の内周部が付勢部の弾性力によって押圧され、これによって、第2回動部材が第1回動部材側へ付勢される。このため、第1回動部材から離間する方向への第2回動部材の変位を抑制できる。
本開示の第2の態様の回動部材支持構造は、第1の態様の回動部材支持構造において、前記第2回動部材は、前記付勢部によって前記第1回動部材との係合部分側へ付勢される。
本開示の第2の態様の回動部材支持構造によれば、第2回動部材は、付勢部によって第1回動部材との係合部分側へ付勢されるため、第2回動部材と第1回動部材との係合を維持できる。
本開示の第3の態様の回動部材支持構造は、第1又は第2の態様の回動部材支持構造において、前記付勢部は、前記軸部の中心軸線を越えて前記軸部の外周部における前記凹部の開口とは反対側へ弾性変形可能とされている。
本開示の第3の態様の回動部材支持構造によれば、付勢部は、軸部の中心軸線を越えて軸部の外周部における凹部の開口とは反対側へ弾性変形可能とされる。これによって、軸部及び付勢部が孔部に挿入される際の軸部の中心軸線側への付勢部の弾性変形量を大きくできる。
以上、説明したように、本開示に係る回動部材支持構造では、第1回動部材からの荷重によって第1回動部材から離間する方向への第2回動部材の変位を抑制できる。
次に、図1から図7の各図に基づいて本発明の各実施の形態について説明する。なお、各図において矢印FRは、本発明の実施の形態に係る伝達機構が適用されたウェビング巻取装置10の装置前側を示し、矢印LHは、装置左側を示し、矢印UPは、装置上側を示す。また、以下の各実施の形態の説明において、説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と実質的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
<第1の実施の形態の構成>
図2に示されるように、第1の実施の形態が適用されたウェビング巻取装置10は、車両用のシート12のシートバック14に設けられている。このウェビング巻取装置10が適用されるシート12は、シートバック14が、シートバック14の車両下側(図2の矢印Yとは反対方向側)部分を中心にシートクッション16に対して車両後側(図2の矢印Z1方向側)及び車両前側(図2の矢印Z2方向側)へ回動可能なリクライニング機構付きのシート12とされている。
図2に示されるように、第1の実施の形態が適用されたウェビング巻取装置10は、車両用のシート12のシートバック14に設けられている。このウェビング巻取装置10が適用されるシート12は、シートバック14が、シートバック14の車両下側(図2の矢印Yとは反対方向側)部分を中心にシートクッション16に対して車両後側(図2の矢印Z1方向側)及び車両前側(図2の矢印Z2方向側)へ回動可能なリクライニング機構付きのシート12とされている。
図1に示されるように、ウェビング巻取装置10は、装置本体18を備えている。図2に示されるように、装置本体18は、シート12のシートバック14の内側における車両上側(図2の矢印Y方向側)部分に設けられている。図1に示されるように、装置本体18は、フレーム20を備えている。フレーム20は、図2に示されるシートバック14の骨格等(図示省略)に固定されている。
図1に示されるように、フレーム20は、脚板22、24を備えている。これらの脚板22、24は、装置左右方向に互いに対向されている。また、フレーム20には、スプール26が設けられている。スプール26の中心軸線方向は、脚板22と脚板24との対向方向(すなわち、装置左右方向)に沿っており、スプール26は、中心軸線周りに回転可能とされている。スプール26には、長尺帯状のウェビング28の長手方向基端部が係止されており、スプール26が巻取方向(図1の矢印A方向)へ回転されると、ウェビング28が長手方向基端側からスプール26に巻取られる。また、ウェビング28は、スプール26から装置上側へ延びている。
さらに、図2に示されるように、スプール26から装置上側へ延びたウェビング28は、シートバック14の車両上側端(図2の矢印Y方向側端)における車幅方向外側(図2の紙面奥側)部分からシートバック14の車両上側へ出ている。また、シートバック14の車両上側へ出たウェビング28は、シートバック14の車両上側端に沿って車両前側(図2の矢印X方向側端)へ延び、更に、シートバック14の車両前側面に沿って車両下側(図2の矢印Y方向とは反対側)へ延びている。
ウェビング28の長手方向先端部は、アンカプレート30に係止されている。アンカプレート30は、シートバック14の骨格又は車両の車体等に固定されている。また、ウェビング28にはタング32が設けられている。タング32は、ウェビング28におけるシートバック14の車両前側に設けられる部分に配置されており、ウェビング28に沿って所定範囲移動可能とされている。
また、本ウェビング巻取装置10が適用された車両用のシートベルト装置は、バックル34を備えている。バックル34は、シート12の車幅方向内側に設けられている。シート12に着座した乗員の身体にウェビング28が掛回された状態で、タング32がバックル34に係合されることによって、ウェビング28が乗員の身体に装着される。
一方、フレーム20の脚板24の装置左側には、スプリングケース36が設けられている。スプリングケース36の内側にはスプール付勢手段としての渦巻きばねが収容されている。この渦巻きばねの渦巻き方向外側端は、スプリングケース36に係止されている。これに対して、渦巻きばねの渦巻き方向内側端は、スプール26の脚板24側(装置左側)の端部に直接又は間接的に係止されている。これによって、スプール26は、巻取方向(図1の矢印A方向)へ付勢されている。
これに対し、スプール26の脚板22側(装置右側)には、ロックベース38が設けられている。ロックベース38は、スプール26に対する同軸上に配置されている。また、ロックベース38の径方向中央側には、フォースリミッタ機構を構成するエネルギー吸収部材としてのトーションバー40の装置右側部分が貫通配置されており、ロックベース38のトーションバー40の装置右側部分に対する相対回転は、制限されている。
トーションバー40は、棒状とされており、トーションバー40の長手方向は、装置左右方向とされている。トーションバー40の装置左側部分は、スプール26の内側に配置されている。トーションバー40の装置左側部分は、スプール26に繋がっており、トーションバー40の装置左側部分のスプール26に対する相対回転は、制限されている。これによって、ロックベース38のスプール26に対する相対回転が制限され、ロックベース38は、スプール26と一体的に回転される。
ロックベース38に対応してフレーム20の脚板22には、ラチェット孔42が形成されている。ラチェット孔42は、ロックベース38に対する同軸上に形成されており、ロックベース38は、ラチェット孔42の内側に配置されている。また、ロックベース38には、ロックパウル44が設けられている。ロックパウル44は、ロックベース38に対してロックベース38の径方向側の一方であるロック方向(図1の矢印C方向)及びその反対方向へ移動可能とされている。
ロックパウル44にはロック歯が形成されており、ロックパウル44がロック方向へ移動されると、ロックパウル44の係合歯がラチェット孔42のラチェット歯に噛合う。このように、ロックパウル44の係合歯がラチェット孔42のラチェット歯に噛合った状態では、ロックベース38の巻取方向とは反対の引出方向(図1の矢印B方向)への回転が制限される。
また、フレーム20の装置右側には、センサホルダ46が設けられている。センサホルダ46は、装置左側へ向けて開口した有底形状に形成されており、センサホルダ46は、フレーム20の脚板22と対向された状態でフレーム20に固定されている。センサホルダ46の内側にはVギヤ48が設けられている。Vギヤ48に対応して上述したトーションバー40にはシャフト部50が設けられている。シャフト部50はスプール26に対して同軸的に設けられており、Vギヤ48は、シャフト部50に回転自在に支持されている。
Vギヤ48には図示しないスプリングが設けられている。このスプリングの一部は、ロックベース38に係合されており、ロックベース38が引出方向へ回転されると、スプリングは、ロックベース38に押圧されて、Vギヤ48をスプール26によって引出方向へ押圧される。これによって、Vギヤ48はスプール26に追従して引出方向に回転できる。ロックベース38に設けられたロックパウル44の一部は、Vギヤ48へ係合されており、ロックベース38がVギヤ48に対して引出方向へ相対回転されると、ロックパウル44は、ロック方向(図1の矢印C方向)へ移動される。
センサホルダ46の脚板22とは反対側にはセンサカバー52が設けられている。センサカバー52は、脚板22側へ向けて開口した有底形状とされ、脚板22に取付けられている。センサカバー52の内側にはハンガ54が配置されている。ハンガ54は、箱形状とされており、フレーム20の脚板22へ固定されている。また、ハンガ54は、装置上側へ開口されており、ハンガ54の内側には加速度センサ56が設けられている。
加速度センサ56は、センサハウジング58を備えている。センサハウジング58は、載置部60を備えている。載置部60の装置左右方向両側端には縦壁62が形成されている。縦壁62は、載置部60の装置左右方向両側端から装置上側へ延びている。これらの縦壁62の装置上側端部にはハウジングピン64が設けられている。これらのハウジングピン64の中心軸方向は、概ね、装置左右方向とされており、両ハウジングピン64は、互いに同軸上に配置されている。
また、装置右側の縦壁62のハウジングピン64は、縦壁62から装置右側へ突出されており、また、装置左側の縦壁62のハウジングピン64は、縦壁62から装置左側へ突出されている。これらのハウジングピン64は、ハンガ54に回動自在に支持されている。これによって、加速度センサ56のセンサハウジング58は、ハンガ54に対してハウジングピン64を中心に相対的に回動可能とされている。
センサハウジング58の載置部60上には慣性質量体としてのセンサ球66が設けられている。さらに、センサ球66の装置上側には、センサレバー68が設けられている。センサレバー68は、センサハウジング58に支持されており、センサレバー68は、センサハウジング58による支持位置を中心に装置上下方向へ回動可能とされている。載置部60上でセンサ球66が車両前側へ転がると、センサレバー68は、センサ球66によって押されて車両上側へ回動される。センサレバー68の装置上側にはVパウル70が設けられている。
Vパウル70は、センサホルダ46に回動可能に支持されている。また、Vパウル70は、レバー部70Aを備えている。レバー部70Aは、Vパウル70の回動径方向外側へ延びるように形成されている。センサレバー68が装置上側へ回動されると、Vパウル70は、センサレバー68に押圧されてレバー部70Aが装置上側へ回動され、レバー部70Aの先端部がVギヤ48へ係合される。これによって、Vギヤ48の引出方向への回転が制限される。
一方、フレーム20の脚板22の装置左側には、支持部材としてのギヤケース72が設けられている。図5に示されるように、ギヤケース72は、プーリ配置部74を備えている。プーリ配置部74は、装置左側端が閉止された略円筒形状に形成されている。プーリ配置部74の内側には、スプリング支持部76が設けられている。スプリング支持部76は、略円筒形状とされており、プーリ配置部74に対する同軸上に設けられている。このスプリング支持部76には、図1に示されるリターンスプリング78が設けられている。
図1に示されるように、リターンスプリング78は、捻りコイルスプリングとされており、リターンスプリング78のコイル状部分の内側にスプリング支持部76が挿入された状態でリターンスプリング78がスプリング支持部76に支持されている。リターンスプリング78は、一側端部がギヤケース72に保持されており、リターンスプリング78の他側端部は、スプリング支持部76を中心とする軸周り方向の一方であるリターン方向(図1等の矢印D方向)へ付勢されている。
スプリング支持部76の装置右側端には、プーリ支持軸80がスプリング支持部76に対する同軸上に設けられており、プーリ支持軸80には、図1に示される第1回動部材としてのプーリ82がプーリ支持軸80周りに回動自在に支持されている。プーリ82には、ケーブル84の長手方向一側部分が保持されている。
図5に示されるように、ケーブル84は、チューブ86を備えている。チューブ86は、中空の長尺紐状に形成されている。チューブ86の長手方向一側端部には、係合筒88が設けられている。係合筒88は、チューブ86よりも硬質の筒状とされ、チューブ86の長手方向端部は、係合筒88の内側に挿入されている。
また、ケーブル84は、ワイヤ94を備えている。ワイヤ94は、長尺紐状とされている。ワイヤ94の長手方向中間部は、チューブ86の内側に配置され、ワイヤ94の長手方向両端側部分は、チューブ86の長手方向両端部からチューブ86の外側へ延びている。ワイヤ94は、ワイヤ94及びチューブ86の長手方向にチューブ86に対して相対移動可能とされている。
一方、このような構成のケーブル84の長手方向一側部分が保持されるプーリ82には、ワイヤ94の長手方向一側端部が係止されている。また、プーリ82の外周部には溝110が形成されている。溝110は、プーリ本体98の径方向外側へ開口されており、ケーブル84のワイヤ94は、溝110の内側へ入ることができ、ワイヤ94をワイヤ巻部108に巻取ることができる。
図1に示されるように、ギヤケース72におけるプーリ配置部74の装置後下側にはケーブル保持部116が形成されており、図5に示されるように、ケーブル保持部116には、ケーブル84の係合筒88が保持されている。これによって、プーリ82の回動に伴い、ケーブル84のワイヤ94がチューブ86に対して長手方向へ相対移動される。ケーブル84の係合筒88よりも長手方向他側部分は、ギヤケース72の装置下側へ延び、図2に示されるように、ケーブル84の長手方向他側端部は、連動機構114に連結されている。
連動機構114は、シートバック14の車両下側部分を中心とするシートバック14の車両後側及び車両前側への回動に連動して作動される。例えば、連動機構114がシートバック14の車両後側への回動に連動して作動されると、ケーブル84のワイヤ94がケーブル84の長手方向他側(すなわち、連動機構114側)へ引張られ、ワイヤ94がチューブ86に対してケーブル84の長手方向他側へ移動される。これによって、プーリ82がリターンスプリング78の付勢力に抗してリターン方向(図5等の矢印D方向)とは反対方向へ回動される。
これに対して、連動機構114がシートバック14の車両前側への回動に連動して作動されると、ケーブル84のワイヤ94がケーブル84の長手方向一側(すなわち、連動機構114とは反対側)へ引張られ、ワイヤ94がチューブ86に対してケーブル84の長手方向一側へ移動される。これによって、プーリ82がリターンスプリング78の付勢力によってリターン方向(図5等の矢印D方向)へ回動される。
一方、ギヤケース72においてプーリ配置部74の装置上側には、ギヤ配置部130が設けられている。ギヤ配置部130には、ギヤ支持軸132が設けられている。図5及び図6に示されるように、ギヤ支持軸132は、軸部134を備えている。軸部134は、外周一部が軸部134の中心軸線方向に連続して切欠かれた円柱形状とされており、軸部134の中心軸線方向は、プーリ支持軸80の中心軸線方向と同じ方向とされ、軸部134の中心軸線方向側から軸部134を見た形状は略C字形状とされている。
軸部134において上記の切欠部分は、凹部136とされている。凹部136は、軸部134の中心軸線方向に軸部134に連続して形成されている。また、軸部134の中心軸線方向側から凹部136を見た形状は、略V字形状とされ、凹部136は、軸部134の外周側における凹部136の開口側へ向けて大きくなっている。さらに、軸部134の中心軸線周り方向の凹部136の形成範囲は、軸部134の中心軸線周り方向の軸部134の形成範囲よりも小さくされている。
また、軸部134の中心軸線位置から軸部134の外周側における凹部136の開口側への方向は、軸部134の中心軸線位置からプーリ配置部74のプーリ支持軸80の中心軸線位置への側(図6の矢印E方向側)とされている。さらに、軸部134において凹部136は、軸部134の中心軸線位置を挟んでプーリ支持軸80の中心軸線位置とは反対側(図6の矢印F方向側)まで形成されている。凹部136には、付勢部138が設けられている。
軸部134の中心軸線方向に見た付勢部138の形状は、略扇形状とされており、付勢部138の形状を扇形状と見做した場合の扇の要の位置は、軸部134の中心軸線に一致している。また、付勢部138は、軸部134の中心軸線位置に対してプーリ配置部74のプーリ支持軸80の中心軸線位置側に配置されており、付勢部138は、基端側(ギヤ配置部130の底部側)を中心に軸部134の中心軸線位置側(図6の矢印F方向側)及びプーリ支持軸80の中心軸線位置側(図6の矢印E方向側)へ弾性変形可能とされている。
また、付勢部138の先端側には制限部140が設けられている。制限部140は、付勢部138の先端部(ギヤ配置部130の底部とは反対側の端部)からプーリ支持軸80の中心軸線位置側(図6の矢印E方向側)へ延出されている。制限部140の付勢部138とは反対側面は、斜面とされ、制限部140の付勢部138とは反対側からの荷重が制限部140の付勢部138とは反対側面に作用されると、付勢部138が軸部134の中心軸線位置側へ弾性変形される。
また、ギヤ支持軸132の付勢部138は、ギヤ支持軸132の凹部136に設けられ、ギヤ支持軸132の軸部134の中心軸線周り方向の付勢部138の形成範囲は、軸部134の中心軸線周り方向の軸部134の形成範囲よりも小さくされている。このため、軸部134の剛性は、付勢部138の剛性よりも高くされている。
このような構成のギヤ支持軸132には、第2回動部材としてのセクタギヤ142が設けられている。セクタギヤ142は、全体的に略扇形状とされており、セクタギヤ142の形状を扇形状と見做した場合の扇の要の位置には円孔144が形成されている。セクタギヤ142の円孔144には、ギヤ支持軸132の軸部134及び付勢部138が貫通配置されており、セクタギヤ142は、ギヤ支持軸132の軸部134及び付勢部138によってギヤ支持軸132周りに回動自在に支持されている。
このセクタギヤ142に対応して上述したプーリ82には、ギヤ部146が設けられている。ギヤ部146は、平歯の外歯ギヤとされており、プーリ本体98に対する同軸上に配置されている。ギヤ部146の外歯には、セクタギヤ142の外歯が噛合っており、プーリ82が回動されることによってセクタギヤ142が回動される。セクタギヤ142には、ロッド148が設けられている。
ロッド148は、略円柱形状とされており、ロッド148の中心軸線方向は、ギヤ支持軸132の中心軸線方向と同じ方向とされている。ロッド148は、セクタギヤ142の装置右側面から延びている。このロッド148に対応して、フレーム20の脚板22には第1孔150が形成されており、更に、ハンガ54の脚板22側の縦壁62には第2孔152が形成されている。ロッド148は、第1孔150及び第2孔152を通ってハンガ54の内側に入っている。また、ロッド148の先端部(セクタギヤ142とは反対側の端部)は、加速度センサ56は、センサハウジング58に係合されており、セクタギヤ142が回動されることによって、センサハウジング58は、ロッド148によってセクタギヤ142が回動方向側へ押圧され、これによって、センサハウジング58は、ハウジングピン64を中心に回動される。
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本ウェビング巻取装置10では、車両衝突時等の車両急減速状態になると、加速度センサ56のセンサ球66がセンサハウジング58の載置部60上で転がる。これによって、センサレバー68がセンサ球66によって装置上側へ回動される。このようにセンサレバー68が回動されると、Vパウル70がセンサレバー68によって装置上側へ押圧されて、Vパウル70が装置上側へ回動される。これによって、Vパウル70がVギヤ48へ係合され、Vギヤ48の引出方向への回転が制限される。
一方、車両が急減速されることによって車両の乗員が車両前側へ慣性移動されると、乗員の身体に装着されたウェビング28が引張られ、これによってスプール26が引出方向へ回転され、更に、ロックベース38がスプール26と共に引出方向へ回転される。ここで、この状態で、上記のようにVギヤ48の引出方向への回転が制限されていると、スプール26が、Vギヤ48に対して引出方向へ相対回転される。
これによって、ロックベース38に設けられたロックパウル44がロック方向(図1の矢印C方向)へ移動されると、ロックパウル44のロック歯がフレーム20の脚板22のラチェット孔42のラチェット歯へ係合される。これによって、ロックベース38の引出方向への回転が制限される。このように、ロックベース38の引出方向への回転が制限されることによってスプール26の引出方向への回転が制限され、ウェビング28のスプール26からの引出しが制限される。これによって、乗員の身体をウェビング28によって拘束でき、乗員の車両前側への慣性移動を効果的に抑制できる。
一方、本ウェビング巻取装置10は上述したようにリクライニング機構付きシート12のシートバック14に設けられる。ここで、図3には、図2に示されるシートバック14がシートバック14の車両下側(図2の矢印Y方向とは反対側)部分を中心にシートクッション16に対して車両後側(図2の矢印X1方向側)へ回動される前のウェビング巻取装置10の装置本体18の状態が示されており、図4には、シートバック14が車両後側へ回動された状態が示されている。これらの図に示されるように、本ウェビング巻取装置10の装置本体18のフレーム20は、シートバック14の骨格等に固定されている。このため、シートバック14が車両後側へ回動されることによって、装置本体18は、シートバック14と共に車両後側へ回動される。
ここで、シートバック14が車両後側へ回動されると、ウェビング巻取装置10の連動機構114がシートバック14の回動に連動して作動される。これによって、ケーブル84のワイヤ94がケーブル84の長手方向他側(すなわち、連動機構114側)へ引張られ、ワイヤ94がチューブ86に対してケーブル84の長手方向他側へ移動される。これによって、プーリ82がリターンスプリング78の付勢力に抗してリターン方向(図5等の矢印D方向)とは反対方向へ回動される。
プーリ82の回動は、セクタギヤ142に伝わり、これによって、セクタギヤ142が回動される。このようにセクタギヤ142が回動されると、加速度センサ56のセンサハウジング58がセクタギヤ142のロッド148に押圧され、センサハウジング58は、ハウジングピン64を中心に装置本体18のフレーム20に対して回動される。これによって、装置本体18が車両後側へ回動されても、センサハウジング58の傾きが抑制され、装置本体18が車両後側へ回動されても、加速度センサ56の動作を安定させることができる。
ところで、本ウェビング巻取装置10の装置本体18の組立工程では、ギヤケース72のギヤ配置部130のギヤ支持軸132にセクタギヤ142が取付けられる。ギヤ支持軸132がセクタギヤ142の円孔144に挿入されると、ギヤ支持軸132の制限部140の付勢部138とは反対側面が、セクタギヤ142の円孔144の縁によって押圧される。これによって、付勢部138が軸部134の中心軸線位置側(図6の矢印F方向側で、ギヤ支持軸132の凹部136の内側)へ弾性変形される。これによって、制限部140が軸部134の中心軸線位置側へ変位され、ギヤ支持軸132の軸部134の先端部(軸部134の装置右側端部)及び制限部140がセクタギヤ142の円孔144の内側へ入る。
この状態から、セクタギヤ142がギヤケース72のギヤ配置部130の底部側へ移動されると、制限部140は、セクタギヤ142の円孔144の装置右側へ移動され、制限部140は、セクタギヤ142の円孔144の外側へ出る。制限部140がセクタギヤ142の円孔144の外側へ出ることによって、ギヤ支持軸132の付勢部138は、弾性的に復元される。
この状態では、セクタギヤ142の円孔144の内周面にギヤ支持軸132の軸部134の外側面及び付勢部138の外側面が当接され、セクタギヤ142は、ギヤ支持軸132によって回動可能に支持される。また、この状態では、ギヤ支持軸132の制限部140が装置右側からセクタギヤ142と対向される。これによって、セクタギヤ142の装置右側への移動が制限部140によって制限され、セクタギヤ142がギヤ支持軸132から脱落することを抑制できる。
このように、本実施の形態では、ギヤケース72のギヤ支持軸132をセクタギヤ142の円孔144に挿入するだけで、セクタギヤ142をギヤ支持軸132へ取付けることができ、しかも、セクタギヤ142のギヤ支持軸132からの脱落を抑制できる。
ところで、ギヤ支持軸132の軸部134において凹部136は、軸部134の中心軸線位置を挟んでプーリ支持軸80の中心軸線位置とは反対側(図6の矢印F方向側)まで形成されている。このため、ギヤ支持軸132の付勢部138における軸部134の中心軸線位置側部分は、軸部134の中心軸線を挟んで凹部136の開口側とは反対側まで弾性変形できる。
一方で、付勢部138に設けられた制限部140は、付勢部138が軸部134の中心軸線位置側(図6の矢印F方向側)へ弾性変形されることによって軸部134の中心軸線位置側へ変位され、これによって、制限部140は、セクタギヤ142の円孔144の内側を通ることができる。ここで、上記のように、ギヤ支持軸132の付勢部138における軸部134の中心軸線位置側部分は、軸部134の中心軸線を挟んで凹部136の開口側とは反対側まで弾性変形できる。
このため、制限部140の付勢部138からプーリ支持軸80の中心軸線位置側への延出量を大きくできる。これによって、制限部140とセクタギヤ142との軸部134の中心軸線方向に沿った対向面積を大きくでき、セクタギヤ142の装置右側への移動等を制限部140によって効果的に制限できる。
また、ギヤ支持軸132の軸部134の剛性は、付勢部138の剛性よりも高くされている。このため、軸部134の中心軸線方向に対して直交する方向へのセクタギヤ142の軸部134に対する変位を抑制できる。
一方、セクタギヤ142の外歯は、プーリ82のギヤ部146の外歯に噛合っており、プーリ82が回動されると、プーリ82の回動がセクタギヤ142に伝わってセクタギヤ142が回動される。このように、プーリ82が回動された際には、セクタギヤ142は、プーリ82のギヤ部146の外歯によってプーリ82のギヤ部146から離れる方向(図6の矢印F方向側)へ押圧される。
これによってセクタギヤ142がプーリ82のギヤ部146から離れる方向へ変位されると、セクタギヤ142の円孔144の内周面によってギヤ支持軸132の付勢部138が押圧される。これによって、付勢部138が凹部136の内側へ弾性変形されると、セクタギヤ142の円孔144の内周面は、付勢部138の弾性力によってギヤケース72のプーリ支持軸80の中心軸線位置側(図6の矢印E方向側)へ押圧される。
セクタギヤ142とプーリ82のギヤ部146とは、プーリ支持軸80の中心軸線位置とギヤ支持軸132の軸部134の中心軸線とを結ぶ線上で噛合っている。したがって、セクタギヤ142の円孔144の内周面が付勢部138によってプーリ支持軸80の中心軸線位置側へ押圧されることによって、セクタギヤ142がプーリ82のギヤ部146から離れることを抑制でき、セクタギヤ142とプーリ82のギヤ部146との良好な噛合いを維持でき、プーリ82からセクタギヤ142への回動伝達の効率低下を抑制できる。
<第2の実施の形態の構成>
次に、第2の実施の形態について説明する。図7に示されるように、第2の実施の形態では、支持部材としてのセンサホルダ46に設けられたパウル支持軸172によって第2回動部材としてのVパウル70が支持されている。パウル支持軸172は、凹部136を有する軸部134及び制限部140を有する付勢部138を備えており、基本的には、前記第1の実施の形態におけるギヤ支持軸132と同じ構造とされている。パウル支持軸172は、Vパウル70に形成された孔部174に貫通配置されており、これによって、Vパウル70は、パウル支持軸172周りに回動可能とされている。
次に、第2の実施の形態について説明する。図7に示されるように、第2の実施の形態では、支持部材としてのセンサホルダ46に設けられたパウル支持軸172によって第2回動部材としてのVパウル70が支持されている。パウル支持軸172は、凹部136を有する軸部134及び制限部140を有する付勢部138を備えており、基本的には、前記第1の実施の形態におけるギヤ支持軸132と同じ構造とされている。パウル支持軸172は、Vパウル70に形成された孔部174に貫通配置されており、これによって、Vパウル70は、パウル支持軸172周りに回動可能とされている。
ここで、パウル支持軸172の凹部136は、Vパウル70と第1回動部材としてのVギヤ48との係合状態でVパウル70の回動中心からVパウル70とVギヤ48との係合部分側への方向に開口されている。また、凹部136に設けられた付勢部138は、パウル支持軸172の軸部134の中心軸線位置側及びVパウル70とVギヤ48との係合状態におけるVパウル70とVギヤ48との係合部分側へ弾性変形可能とされている。
Vパウル70のレバー部70Aの先端部がVギヤ48へ係合された状態で、Vギヤ48に引出方向(図1の矢印B方向)の回転力が作用されると、レバー部70Aの先端部には、レバー部70Aの基端側(すなわち、Vパウル70の回動中心位置側)への荷重が付与される。
ここで、このような荷重の作用方向側へVパウル70が変位されると、パウル支持軸172の付勢部138が軸部134の中心軸線位置側へ弾性変形される。このように付勢部138が弾性変形されると、Vパウル70は、付勢部138の付勢力によりVパウル70のレバー部70AとVギヤ48との係合部分側へ付勢される。これによって、Vパウル70のVギヤ48から受ける荷重の方向への変位を抑制でき、Vギヤ48の引出方向への回転の制限を維持できる。
なお、上記の各実施の形態では、ギヤ支持軸132及びパウル支持軸172の凹部136は、軸部134の外周部での開口側へ向けて大きくされていた。しかしながら、ギヤ支持軸132及びパウル支持軸172の凹部136が軸部134の外周部での開口側へ向けて小さくされてもよく、大きさが変わらない構成であってもよい。
また、上記の各実施の形態では、ギヤ支持軸132及びパウル支持軸172の軸部134において凹部136は、軸部134の中心軸線位置を挟んで凹部136の開口側とは反対側まで形成されていた。しかしながら、凹部136の形成範囲が軸部134の中心軸線位置よりも凹部136の開口側であってもよい。
さらに、上記の各実施の形態は、ウェビング巻取装置10におけるセクタギヤ142、Vパウル70の支持に本発明を適用した構成であった。しかしながら、ウェビング巻取装置10における他の回動部材の支持に本発明を適用してもよいし、ウェビング巻取装置10以外の構成における回動部材の支持に本発明を適用してもよい。
2017年2月6日に出願された日本国特許出願2017-019911号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
Claims (3)
- 第1回動部材との係合状態で前記第1回動部材から離間される方向への荷重が前記第1回動部材から付与される第2回動部材と、
前記第2回動部材が設けられる支持部材と、
前記第2回動部材及び前記支持部材の一方に設けられた孔部と、
前記第2回動部材及び前記支持部材の他方に設けられ、前記孔部に挿入されることによって前記第2回動部材が前記支持部材に回転可能に支持される軸部と、
前記軸部に設けられ、前記軸部の外周部で開口された凹部と、
前記他方に設けられると共に、前記軸部と共に前記孔部へ挿入され、弾性力によって前記孔部の内周部を押圧し、前記第2回動部材を前記第1回動部材側へ付勢する付勢部と、
前記付勢部に設けられ、前記孔部に対する前記軸部の挿入方向とは反対側から前記一方と対向され、前記孔部から前記軸部が抜ける方向への前記支持部材に対する前記第2回動部材の移動を制限する制限部と、
を備える回動部材支持構造。 - 前記第2回動部材は、前記付勢部によって前記第1回動部材との係合部分側へ付勢される請求項1に記載の回動部材支持構造。
- 前記付勢部は、前記軸部の中心軸線を越えて前記軸部の外周部における前記凹部の開口とは反対側へ弾性変形可能とされた請求項1又は請求項2に記載の回動部材支持構造。
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