WO2018043168A1 - 車両の制動装置 - Google Patents
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Abstract
制動装置は、マスタ室361,362内のMC圧が大きくなったときにホイールシリンダ13a~13d内のWC圧を増大させることが可能な液圧発生装置21と、ポンプ用モータを駆動源とするポンプ及び差圧調整弁を有する制動アクチュエータ22とを備える。WC圧の増大量が大きいほど多くなるようにポンプの基準吐出量が演算される。MC圧が増大しているときには、減少補正した基準吐出量のブレーキ液がポンプから吐出されるようにポンプ用モータが制御される一方、MC圧が増大していないときには、減少補正していない基準吐出量のブレーキ液がポンプから吐出されるようにポンプ用モータが制御される。
Description
本発明は、電動式のポンプを作動させることにより、車輪に対して設けられているホイールシリンダ内の液圧を増大させることのできる車両の制動装置に関する。
特許文献1に記載される車両の制動装置は、内部にマスタ室が区画形成されているマスタシリンダと、車輪に対して設けられているホイールシリンダ内の液圧であるWC圧を調整可能に構成されている制動アクチュエータとを備えている。マスタ室内には、運転者の制動操作に応じた液圧であるMC圧が発生するようになっている。
制動アクチュエータには、マスタシリンダとホイールシリンダとを繋ぐ液路に配置されている差圧調整弁と、当該液路における差圧調整弁とマスタシリンダとの間からブレーキ液を汲み上げ、同液路における差圧調整弁とホイールシリンダとの間に同ブレーキ液を吐出する電動式のポンプとが設けられている。こうした制動装置にあっては、指示差圧に応じた信号を差圧調整弁に出力し、且つポンプを作動させることにより、ホイールシリンダ内のWC圧を、当該指示差圧に応じた液圧分だけマスタ室内のMC圧よりも増大させることができる。
このような制動装置を制御する制御装置では、ポンプの駆動源である電動モータの消費電力量及び同電動モータの作動音の双方を低減させるために、同電動モータの回転速度の目標値である回転速度目標値を、ホイールシリンダ内のWC圧の増大量を基に演算している。すなわち、ホイールシリンダ内のWC圧の増大量を基にポンプの基準吐出量を演算し、ポンプからのブレーキ液の吐出量が基準吐出量と等しくなるように回転速度目標値が演算される。そのため、回転速度目標値を、基準吐出量が少ないほど小さくすることができる。
ところで、上記の制動装置にあっては、差圧調整弁に対する指示差圧が変わらなくても、すなわちマスタ室内とホイールシリンダ内との差圧を変更させなくても、運転者の制動操作によってマスタ室内のMC圧が増大されると、ホイールシリンダ内のWC圧もまた増大される。この場合、マスタ室内のMC圧の増大に起因してホイールシリンダ内のWC圧が増大してしまうため、回転速度目標値が大きくなってしまう。その結果、ポンプからブレーキ液が過剰に吐出されてしまうこととなり、電動モータの消費電力量及び同電動モータの作動音の低減効果が十分であるとは言い難かった。
本発明の目的は、ポンプの駆動源の消費電力量及び同駆動源の作動音の低減効果を高めることができる車両の制動装置を提供することにある。
上記課題を解決するための車両の制動装置は、車両の車輪に対して設けられているホイールシリンダと繋がっているマスタ室を有し、同マスタ室内の液圧が大きくなったときにホイールシリンダ内の液圧を増大させることが可能な液圧発生装置と、ホイールシリンダとマスタ室とを繋ぐ液路に配置されている差圧調整弁、及び、当該液路における差圧調整弁とマスタ室との間からブレーキ液を汲み取り、当該液路における差圧調整弁とホイールシリンダとの間に同ブレーキ液を吐出する電動式のポンプを有する制動アクチュエータと、ポンプの駆動源及び差圧調整弁を制御することで、ホイールシリンダ内の液圧を調整する制動制御装置と、を備える。そして、制動制御装置は、ホイールシリンダ内の液圧の増大量が大きいほど多くなるようにポンプの基準吐出量を演算する。また、制動制御装置は、マスタ室内の液圧が増大しているときには、基準吐出量を減少補正し、減少補正後の基準吐出量のブレーキ液がポンプから吐出されるように駆動源を制御する。一方、制動制御装置は、マスタ室内の液圧が増大していないときには、基準吐出量を減少補正せず、同基準吐出量のブレーキ液がポンプから吐出されるように駆動源を制御する。
マスタ圧が増大していない状況下においてホイールシリンダ内の液圧が増大された場合、そのホイールシリンダ内の液圧の増大は、ホイールシリンダとマスタ室との差圧の増大に起因するものである。そのため、上記構成では、マスタ圧が増大していないときには、ホイールシリンダ内の液圧の増大量に応じた基準吐出量のブレーキ液がポンプから吐出されるように同ポンプの駆動源が駆動するようになる。このように駆動源が駆動することで、ホイールシリンダ内の液圧を適切に調整することができる。
一方、マスタ室内の液圧が増大すると、差圧調整弁に対する指示差圧が変わらず、マスタ室とホイールシリンダとの差圧が一定で保持されていたとしても、ホイールシリンダ内の液圧はマスタ室内の液圧の増大に応じて増大される。そこで、上記構成では、マスタ室内の液圧が増大しているときには、ホイールシリンダ内の液圧の増大量に応じた基準吐出量を減少補正し、減少補正後の基準吐出量のブレーキ液がポンプから吐出されるように同ポンプの駆動源が駆動するようになる。そのため、ホイールシリンダとマスタ室との差圧の増大量に見合った量以上のブレーキ液がポンプから吐出されることが抑制される。したがって、ポンプの駆動源の消費電力量及び同駆動源の作動音の低減効果を高めることができるようになる。
なお、液圧発生装置は、アキュムレータから供給されたブレーキ液の圧力を基にサーボ圧を調整するサーボ圧発生装置を有しており、当該サーボ圧に応じてマスタ室内の液圧を調整できるように構成されているものであってもよい。この構成によれば、運転者の制動操作量が増大していないときでも、サーボ圧発生部の作動によってマスタ室内の液圧が増大されることがある。そして、このようにマスタ室内の液圧が増大されているときには、基準吐出量を減少補正し、減少補正後の基準吐出量のブレーキ液がポンプから吐出されるように同ポンプの駆動源を駆動させることにより、同駆動源の消費電力量及び同駆動源の作動音の低減効果を高めることができるようになる。
ところで、制動制御装置は、マスタ室内の液圧が増大しているときには、同マスタ室内の液圧の増大量が多いほど大きくなるように減少補正量を演算するとともに、基準吐出量から同減少補正量を減じる減少補正を行い、同減少補正後の基準吐出量のブレーキ液がポンプから吐出されるように同ポンプの駆動源を制御することが好ましい。
上記構成によれば、減少補正後の基準吐出量を、ホイールシリンダ内の液圧の増大量のうち、マスタ室とホイールシリンダとの差圧の増大量に見合った量に近づけることができる。そのため、ポンプの駆動源の消費電力量及び同駆動源の作動音の低減効果をより高めることができるようになる。
ちなみに、ホイールシリンダ内へのブレーキ液の流入量の増大量と同ホイールシリンダ内の液圧の増大量との関係である増大比率は、ホイールシリンダ内の液圧の大きさによって変わる。そこで、制動制御装置は、ホイールシリンダ内の液圧である第1の液圧に応じたポンプからのブレーキ液の吐出量である第1の吐出量と、同第1の液圧の取得時点よりも規定時間以上前のホイールシリンダ内の液圧である第2の液圧に応じたポンプからのブレーキ液の吐出量である第2の吐出量と、を導出し、基準吐出量を、第1の吐出量から第2の吐出量を減じた差に応じた値とすることが好ましい。この構成によれば、そのときのホイールシリンダ内の液圧を加味したかたちで基準吐出量を演算することができる。
同様に、マスタ室内から制動アクチュエータ側へのブレーキ液の流出量の増大量と同マスタ室内の液圧の増大量との関係である増大比率は、マスタ室内の液圧の大きさによって変わる。そこで、制動制御装置は、マスタ室内の液圧である第1のマスタ液圧に応じた補正量である第1のマスタ液量と、同第1のマスタ液圧の取得時点よりも規定時間以上前のマスタ室内の液圧である第2のマスタ液圧に応じた補正量である第2のマスタ液量と、を導出し、減少補正量を、第1のマスタ液量から第2のマスタ液量を減じた差に応じた値とすることが好ましい。この構成によれば、そのときのマスタ室内の液圧を加味したかたちで減少補正量を演算することができる。
なお、上記車両の制動装置を、ホイールシリンダ内の液圧を調整することなく、車輪に対する制動力を調整することが可能に構成された他の制動装置を有する車両に適用することができる。
ホイールシリンダ内の液圧を基に車輪に付与される制動力のことを第1の制動力とし、他の制動装置の作動によって車輪に付与される制動力のことを第2の制動力というものとする。この場合、制動制御装置は、車両に対する要求制動力から第2の制動力を減じた差を基に、制動装置を制御するようにしてもよい。この場合、ホイールシリンダ内の液圧が、要求制動力から第2の制動力を減じた差に応じて調整されることとなる。
そして、このような制御構成を採用する場合、要求制動力から前記第2の制動力を減じた差が小さくなると、第1の制動力を減少させる必要が生じる。すなわち、第1の制動力の少なくとも一部を第2の制動力にすり替える必要が生じることがある。そこで、制動制御装置は、要求制動力から第2の制動力を減じた差が小さくなることが予測されるときには、上記基準吐出量を減少補正し、減少補正後の基準吐出量のブレーキ液がポンプから吐出されるように駆動源を制御するようにしてもよい。
上記構成によれば、要求制動力から第2の制動力を減じた差の減少が予測できたときには、第1の制動力の減少、すなわちホイールシリンダ内の液圧の減少が開始される前から基準吐出量を減少させることができる。そのため、ホイールシリンダ内の液圧の減少の開始前からポンプからのブレーキ液の吐出量を減少させることができ、ひいてはポンプの駆動源の消費電力量及び同駆動源の作動音の低減効果をより高めることができるようになる。
以下、車両の制動装置の一実施形態を図1~図8に従って説明する。
図1には、本実施形態の車両の制動装置20を備える車両が模式的に図示されている。図1に示すように、車両は、車両の駆動源の一例である駆動モータ10と、駆動モータ10の駆動を制御する駆動制御装置11とを備えている。また、車両には、各車輪FL,FR,RL,RRに対して制動機構12が個別に設けられている。これら各制動機構12は、ホイールシリンダ13a,13b,13c,13dをそれぞれ有しており、ホイールシリンダ13a~13d内の液圧であるWC圧Pwcに応じた液圧制動力(第1の制動力の一例)を車輪FL,FR,RL,RRにそれぞれ付与することができる。なお、本明細書では、前輪FL,FRに対して設けられているホイールシリンダ13a,13bのことを前輪用ホイールシリンダといい、後輪RL,RRに対して設けられているホイールシリンダ13c,13dのことを後輪用ホイールシリンダということもある。
図1には、本実施形態の車両の制動装置20を備える車両が模式的に図示されている。図1に示すように、車両は、車両の駆動源の一例である駆動モータ10と、駆動モータ10の駆動を制御する駆動制御装置11とを備えている。また、車両には、各車輪FL,FR,RL,RRに対して制動機構12が個別に設けられている。これら各制動機構12は、ホイールシリンダ13a,13b,13c,13dをそれぞれ有しており、ホイールシリンダ13a~13d内の液圧であるWC圧Pwcに応じた液圧制動力(第1の制動力の一例)を車輪FL,FR,RL,RRにそれぞれ付与することができる。なお、本明細書では、前輪FL,FRに対して設けられているホイールシリンダ13a,13bのことを前輪用ホイールシリンダといい、後輪RL,RRに対して設けられているホイールシリンダ13c,13dのことを後輪用ホイールシリンダということもある。
この車両の駆動方式は後輪駆動であり、駆動モータ10から出力された駆動力は、ディファレンシャルギア14を介して後輪RL,RRに伝達される。また、この車両にあっては、駆動モータ10及び駆動モータ10用のインバータを制御することで、第2の制動力の一例である回生制動力BPRを後輪RL,RRに付与することができる。したがって、本実施形態では、駆動モータ10及び駆動制御装置11により、後輪用ホイールシリンダ13c,13d内のWC圧Pwcを調整することなく後輪RL,RRに制動力(この場合、回生制動力BPR)を付与可能な「他の制動装置」の一例が構成されている。
図1及び図2に示すように、車両の制動装置20は、ブレーキペダルなどの制動操作部材24が駆動連結されている液圧発生装置21と、制動アクチュエータ22と、液圧発生装置21及び制動アクチュエータ22を制御する制動制御装置23とを備えている。本実施形態では、制動制御装置23によって液圧発生装置21を作動させることにより、前輪用ホイールシリンダ13a,13b内のWC圧PwcF及び後輪用ホイールシリンダ13c,13d内のWC圧PwcRの双方を調整することができる。また、制動アクチュエータ22は、詳しくは後述するが、各ホイールシリンダ13a~13d内のWC圧Pwc(PwcF,PwcR)を個別に調整できるように構成されている。
なお、車両に制動力を付与する場合、制動制御装置23は、駆動制御装置11と協調することがある。具体的には、制動制御装置23は、車両に対する要求制動力BPTを駆動制御装置11に送信する。要求制動力BPTを受信した駆動制御装置11は、要求制動力BPTを超えない範囲で後輪RL,RRに対して回生制動力BPRが付与されるように駆動モータ10(及びインバータ回路)を制御する。また、回生制動力BPRを後輪RL,RRに付与している場合、駆動制御装置11は、後輪RL,RRに付与している回生制動力BPRの大きさを制動制御装置23に送信する。そして、制動制御装置23は、要求制動力BPTから回生制動力BPRを減じた差を基に、制動装置20を制御するようになっている。これにより、各ホイールシリンダ13a~13dの少なくとも一つのWC圧Pwcが増大され、当該ホイールシリンダに対応する車輪に液圧制動力BPPが付与されるようになる。
次に、図2を参照し、制動装置20の液圧発生装置21について説明する。なお、図2には、運転者によって制動操作部材24が操作されている状態が図示されている。また、ここでは、図2に示すように図中左側を前側とするとともに図中右側を後側として液圧発生装置21の構成について説明する。
図2に示すように、液圧発生装置21は、マスタシリンダ30と、反力発生装置60と、作動部の一例であるサーボ圧発生装置70とを備えている。
<マスタシリンダ30>
マスタシリンダ30は、配管101,102を通じて制動アクチュエータ22に接続されている。また、マスタシリンダ30は、前側が閉塞されている一方で後側が開口されている有底略円筒形状のメインシリンダ31と、メインシリンダ31の後側に配置されている略円筒形状のカバーシリンダ50と、カバーシリンダ50の後側に配置されているブーツ55とを有している。
<マスタシリンダ30>
マスタシリンダ30は、配管101,102を通じて制動アクチュエータ22に接続されている。また、マスタシリンダ30は、前側が閉塞されている一方で後側が開口されている有底略円筒形状のメインシリンダ31と、メインシリンダ31の後側に配置されている略円筒形状のカバーシリンダ50と、カバーシリンダ50の後側に配置されているブーツ55とを有している。
メインシリンダ31には、内向きフランジ状をなす2つの小径部321,322が設けられている。各小径部321,322のうち第1の小径部321が後側に配置され、第2の小径部322が前側に配置されている。各小径部321,322の内周面には、全周にわたって環状の連通空間321a、322aがそれぞれ形成されている。また、メインシリンダ31の内部のうち、第1の小径部321よりも後側には、円環状の内壁部材33が設けられており、この内壁部材33の外周面はメインシリンダ31の周壁311の内周面に面接触している。
また、メインシリンダ31の内部には、第1のマスタピストン34が設けられており、第1のマスタピストン34とメインシリンダ31の周壁311と底壁312とによってマスタ室36が形成されている。本実施形態では、メインシリンダ31の底壁312と第1のマスタピストン34との間に第2のマスタピストン35が配設されている。そのため、マスタ室36は、第2のマスタピストン35によって2つのマスタ室361,362に区画されている。2つのマスタ室361,362のうち、第1のマスタ室361は後側に配置され、第2のマスタ室362は第1のマスタ室361よりも前側に配置されている。そして、第1のマスタ室361内には、前端が第2のマスタピストン35に支持されている一方で後端が第1のマスタピストン34に支持されている第1のマスタスプリング371が収容されている。また、第2のマスタ室362内には、前端がメインシリンダ31の底壁312に支持されている一方で後端が第2のマスタピストン35に支持されている第2のマスタスプリング372が収容されている。
第2のマスタピストン35は、後側が閉塞されている一方で前側が開口されている有底略円筒形状をなしており、第2の小径部322の内周面に沿って前側及び後側(すなわち、図中左右方向)に摺動可能となっている。そして、第2のマスタピストン35の筒状部351における図中上側には、第2の小径部322に形成されている連通空間322aと、筒状部351の内側、すなわち第2のマスタ室362とを連通する第2の連通路351aが設けられている。第2の連通路351aを介した連通空間322aと第2のマスタ室362との連通は、第2のマスタピストン35が初期位置、すなわち制動操作部材24が操作されていないときの位置に位置しているときには維持される。一方、当該連通は、図2に示すように第2のマスタピストン35が初期位置よりも前側に移動すると遮断される。
第1のマスタピストン34は、略円筒形状をなす筒状部341と、筒状部341の後端に接続されている略円柱形状をなす本体部342と、本体部342から後側に突出する突出部343と、本体部342の後端部に設けられている環状のフランジ部344とを有している。筒状部341は、第1の小径部321の内周面に沿って前側及び後側(すなわち、図中左右方向)に摺動可能であり、筒状部341の外径は、本体部342の径と等しくなっている。また、フランジ部344は、メインシリンダ31の周壁311のうち、第1の小径部321と内壁部材33との間の部位の内周面に沿って前側及び後側(すなわち、図中左右方向)に摺動可能となっている。そのため、フランジ部344と第1の小径部321との間において第1のマスタピストン34の外周側には、環状の第1の液圧室38が区画形成されている。
第1のマスタピストン34の筒状部341における図中上側には、第1の小径部321に形成されている連通空間321aと、筒状部341の内側、すなわち第1のマスタ室361とを連通する第1の連通路341aが設けられている。第1の連通路341aを介した連通空間321aと第1のマスタ室361との連通は、第1のマスタピストン34が初期位置、すなわち制動操作部材24が操作されていないときの位置に位置しているときには維持される。一方、当該連通は、図2に示すように第1のマスタピストン34が初期位置よりも前側に移動すると遮断される。
第1のマスタピストン34の突出部343は、内壁部材33の内周面に対して前側及び後側(すなわち、図中左右方向)に摺動可能となっているとともに、突出部343の後端は、内壁部材33とメインシリンダ31の周壁311の後端との間に位置している。また、フランジ部344と内壁部材33との間には、突出部343の外周側に環状のサーボ室39が区画形成されている。
カバーシリンダ50は、メインシリンダ31の後端部に接続されている。具体的には、カバーシリンダ50の前端部は、メインシリンダ31の内部における内壁部材33よりもやや後側に位置している一方、カバーシリンダ50の後端部は、メインシリンダ31よりも後側に位置している。なお、カバーシリンダ50の外周面とメインシリンダ31の周壁311の内周面との間には、環状をなす環状空間40が区画形成されている。
また、カバーシリンダ50の後側の開口は、入力ピストン51によって閉塞されている。そして、カバーシリンダ50の内側には、内壁部材33、第1のマスタピストン34の突出部343及び入力ピストン51によって、第2の液圧室52が区画形成されている。なお、入力ピストン51には、運転者による制動操作部材24の操作が操作ロッド53を通じて入力される。すなわち、運転者の制動操作量が増大すると、操作ロッド53に押され、入力ピストン51が前側に移動するようになっている。
カバーシリンダ50には、その外周側に形成されている環状空間40と繋がっているカバー側通路502が設けられている。このカバー側通路502は、カバーシリンダ50の内周面のうち、入力ピストン51に摺接している部分に開口している。また、入力ピストン51には、第2の液圧室52と連通している入力側通路511が設けられている。この入力側通路511は、入力ピストン51の外周面のうち、カバーシリンダ50の内周面に摺接している部分に開口している。そして、制動操作部材24が操作されていないときには入力側通路511がカバー側通路502と繋がり、環状空間40が第2の液圧室52と連通するようになっている。一方、制動操作部材24が操作され、入力ピストン51が前側に移動すると、図2に示すように入力側通路511とカバー側通路502との連通、すなわち環状空間40と第2の液圧室52との連通が解除されるようになっている。
ブーツ55は、入力ピストン51の外周側に配置されている。具体的には、ブーツ55の前端はカバーシリンダ50に支持されており、ブーツ55の後端は操作ロッド53に支持されている。そして、この操作ロッド53は、ブーツ55の外周側に配置されている圧縮スプリング56によって後側に付勢されている。
次に、メインシリンダ31の周壁311に設けられている複数のポートについて説明する。
図2に示すように、メインシリンダ31の周壁311の図中上側には、第1の小径部321の連通空間321aとマスタシリンダ30外とを連通するポートPT1と、第2の小径部322の連通空間322aとマスタシリンダ30外とを連通するポートPT2とが設けられている。これら2つのポートPT1,PT2は、大気圧リザーバ25に繋がっている。そのため、各マスタピストン34,35が初期位置にそれぞれ配置されている場合、各マスタ室361,362は大気圧リザーバ25と連通している。一方、各マスタピストン34,35が初期位置から前側にそれぞれ移動すると、図2に示すように各マスタ室361,362と大気圧リザーバ25との連通が解除され、各マスタ室361,362内の液圧であるMC圧Pmcが増大されるようになる。
図2に示すように、メインシリンダ31の周壁311の図中上側には、第1の小径部321の連通空間321aとマスタシリンダ30外とを連通するポートPT1と、第2の小径部322の連通空間322aとマスタシリンダ30外とを連通するポートPT2とが設けられている。これら2つのポートPT1,PT2は、大気圧リザーバ25に繋がっている。そのため、各マスタピストン34,35が初期位置にそれぞれ配置されている場合、各マスタ室361,362は大気圧リザーバ25と連通している。一方、各マスタピストン34,35が初期位置から前側にそれぞれ移動すると、図2に示すように各マスタ室361,362と大気圧リザーバ25との連通が解除され、各マスタ室361,362内の液圧であるMC圧Pmcが増大されるようになる。
また、メインシリンダ31の周壁311の図中下側には、第1のマスタ室361とマスタシリンダ30外とを連通する第1の吐出ポートPT3と、第2のマスタ室362とマスタシリンダ30外とを連通する第2の吐出ポートPT4とが設けられている。第2の吐出ポートPT4は、配管102を介して制動アクチュエータ22の第2の液圧回路802に接続されている。また、第1の吐出ポートPT3は、配管101を介して制動アクチュエータ22の第1の液圧回路801とサーボ圧発生装置70との双方に接続されている。なお、制動アクチュエータ22とマスタ室361,362との吐出ポートPT3,PT4を介した連通は、各マスタピストン34,35の位置によらず維持される。
また、第1の小径部321よりもやや後側には、上記第1の液圧室38と外部とを連通するポートPT5が設けられている。このポートPT5は、反力用配管103を介して反力発生装置60に繋がっている。また、ポートPT5よりも後側には、上記サーボ室39と外部とを連通するサーボ用ポートPT6が設けられている。このサーボ用ポートPT6は、配管104を介してサーボ圧発生装置70に繋がっている。
また、サーボ用ポートPT6よりも後側には、上記第2の液圧室52と外部とを連通するポートPT7が設けられている。このポートPT7には、第1の配管105が接続されている。この第1の配管105の一端(図中上端)はポートPT7に繋がっており、第1の配管105の他端(図中下端)は反力用配管103に繋がっている。そして、第1の配管105には、常閉型の電磁弁である第1の制御弁57が設けられている。
また、ポートPT7よりも後側には、環状空間40と外部とを連通するポートPT8が設けられている。このポートPT8には、第2の配管106が接続されている。この第2の配管106の一端(図中上端)はポートPT8に繋がっており、第2の配管106の他端(図中下端)は反力用配管103に繋がっている。そして、第2の配管106には、常開型の電磁弁である第2の制御弁58が設けられている。
また、図中左右方向においてポートPT8の同一位置、すなわちポートPT8の上方には、環状空間40を大気圧リザーバ25と連通するためのポートPT9が設けられている。
<反力発生装置60>
図2に示すように、反力発生装置60は、ストロークシミュレータ61を有している。ストロークシミュレータ61は、シミュレータ用シリンダ62と、シミュレータ用シリンダ62の内部を2つの空間に区画するシミュレータ用ピストン63とを有している。2つの空間のうち、シミュレータ用ピストン63よりも前側の空間内には、シミュレータ用ピストン63を後側に付勢するシミュレータ用スプリング64が設けられている。また、シミュレータ用ピストン63よりも後側の空間65は、反力用配管103と連通している。
図2に示すように、反力発生装置60は、ストロークシミュレータ61を有している。ストロークシミュレータ61は、シミュレータ用シリンダ62と、シミュレータ用シリンダ62の内部を2つの空間に区画するシミュレータ用ピストン63とを有している。2つの空間のうち、シミュレータ用ピストン63よりも前側の空間内には、シミュレータ用ピストン63を後側に付勢するシミュレータ用スプリング64が設けられている。また、シミュレータ用ピストン63よりも後側の空間65は、反力用配管103と連通している。
<サーボ圧発生装置70>
図2に示すように、サーボ圧発生装置70は、減圧弁71と、増圧弁72と、高圧供給部73と、機械式のレギュレータ74とを備えている。減圧弁71は常開型のリニア電磁弁であり、増圧弁72は常閉型のリニア電磁弁である。
図2に示すように、サーボ圧発生装置70は、減圧弁71と、増圧弁72と、高圧供給部73と、機械式のレギュレータ74とを備えている。減圧弁71は常開型のリニア電磁弁であり、増圧弁72は常閉型のリニア電磁弁である。
高圧供給部73は、サーボ用モータ731を駆動源とするサーボ用ポンプ732と、高圧のブレーキ液を蓄積するアキュムレータ733と、アキュムレータ733内の液圧であるアキュムレータ圧を検出するアキュムレータ圧検出センサSE1とを有している。そして、アキュムレータ圧検出センサSE1によって検出されているアキュムレータ圧が所定圧未満になったときには、サーボ用モータ731の駆動によってサーボ用ポンプ732からアキュムレータ733内にブレーキ液が供給され、アキュムレータ圧が増圧される。なお、アキュムレータ733に蓄積されている高圧のブレーキ液は、レギュレータ74に供給されるようになっている。
<各マスタ室361,362内のMC圧Pmcを増大させる際の制動装置20の動作>
本実施形態の制動装置20を作動させるための動作モードとして、リニアモード及びREGモードが用意されている。
本実施形態の制動装置20を作動させるための動作モードとして、リニアモード及びREGモードが用意されている。
リニアモードでは、制動制御装置23によって、第1の制御弁57が開弁され、第2の制御弁58が閉弁される。これにより、マスタシリンダ30内では第1の液圧室38と第2の液圧室52とが連通され、マスタシリンダ30内の第1の液圧室38と大気圧リザーバ25との連通が解除される。そして、この状態でサーボ圧発生装置70の減圧弁71及び増圧弁72の駆動を制御することで、マスタシリンダ30内のサーボ室39内の液圧であるサーボ圧Psvが制御される。すなわち、減圧弁71及び増圧弁72の駆動によってサーボ圧Psvが増大されると、第1のマスタピストン34及び第2のマスタピストン35の双方が前側に移動する。その結果、大気圧リザーバ25と各マスタ室361,362との連通がそれぞれ解除され、各マスタ室361,362内のMC圧Pmcがそれぞれ増大される。
一方、減圧弁71及び増圧弁72の駆動によってサーボ圧Psvが減少されると、第1のマスタピストン34及び第2のマスタピストン35の双方が後側に移動する。その結果、各マスタ室361,362内のMC圧Pmcがそれぞれ減少される。
なお、減圧弁71の開度、及び増圧弁72の開度は、運転者による制動操作部材24の操作に応じて個別に制御される。そのため、運転者による制動操作によって、各マスタ室361,362内のMC圧Pmcを調整することが可能となっている。また、本実施形態では、運転者の制動操作を伴わない車両制動時(例えば、自動ブレーキ時)でも、減圧弁71及び増圧弁72を制御することで、各マスタ室361,362内のMC圧Pmcをそれぞれ調整することもできる。
REGモードでは、制動制御装置23によって、第1の制御弁57及び増圧弁72の双方が閉弁され、第2の制御弁58及び減圧弁71の双方が開弁される。この状態で制動操作部材24が操作されると、マスタシリンダ30では、入力ピストン51が前側に移動し、第2の液圧室52と大気圧リザーバ25との連通が解除される。そして、運転者の制動操作によって入力ピストン51がさらに前側に移動すると、第2の液圧室52内の液圧の増大によって第1のマスタピストン34が付勢され、第1のマスタピストン34及び第2のマスタピストン35が前側に移動し、各マスタ室361,362内のMC圧Pmcがそれぞれ増大される。なお、このとき、マスタシリンダ30内のサーボ室39の容積は拡大されるものの、サーボ室39内には、サーボ圧発生装置70のレギュレータ74からブレーキ液が補充される。
<制動アクチュエータ22>
図3に示すように、制動アクチュエータ22には、2系統の液圧回路801,802が設けられている。後輪用液圧回路の一例である第1の液圧回路801には左後輪用のホイールシリンダ13cと右後輪用のホイールシリンダ13dとが接続されている。また、前輪用液圧回路の一例である第2の液圧回路802には左前輪用のホイールシリンダ13aと右前輪用のホイールシリンダ13bとが接続されている。そして、液圧発生装置21のマスタ室361,362から第1及び第2の液圧回路801,802にブレーキ液が流入されると、ホイールシリンダ13a~13dにブレーキ液が供給される。
図3に示すように、制動アクチュエータ22には、2系統の液圧回路801,802が設けられている。後輪用液圧回路の一例である第1の液圧回路801には左後輪用のホイールシリンダ13cと右後輪用のホイールシリンダ13dとが接続されている。また、前輪用液圧回路の一例である第2の液圧回路802には左前輪用のホイールシリンダ13aと右前輪用のホイールシリンダ13bとが接続されている。そして、液圧発生装置21のマスタ室361,362から第1及び第2の液圧回路801,802にブレーキ液が流入されると、ホイールシリンダ13a~13dにブレーキ液が供給される。
液圧回路801,802においてマスタシリンダ30とホイールシリンダ13a~13dとを接続する液路には、リニア電磁弁である差圧調整弁811,812が設けられている。また、第1の液圧回路801において差圧調整弁811よりも後輪用ホイールシリンダ13c,13d側には、左後輪用の経路82c及び右後輪用の経路82dが設けられている。同様に、第2の液圧回路802において差圧調整弁812よりも前輪用ホイールシリンダ13a,13b側には、左前輪用の経路82a及び右前輪用の経路82bが設けられている。そして、こうした経路82a~82dには、WC圧Pwcの増圧を規制する際に閉弁される常開型の電磁弁である保持弁83a,83b,83c,83dと、WC圧Pwcを減圧させる際に開弁される常閉型の電磁弁である減圧弁84a,84b,84c,84dとが設けられている。
また、第1及び第2の液圧回路801,802には、ホイールシリンダ13a~13dから減圧弁84a~84dを介して流出したブレーキ液を一時的に貯留するリザーバ851,852と、ポンプ用モータ86の駆動に基づき作動するポンプ871,872とが接続されている。すなわち、ポンプ用モータ86が、ポンプ871,872の駆動源の一例である。リザーバ851,852は、吸入用流路881,882を介してポンプ871,872に接続されるとともに、マスタ側流路891,892を介して差圧調整弁811,812よりもマスタシリンダ30側の通路に接続されている。また、ポンプ871,872は、供給用流路901,902を介して差圧調整弁811,812と保持弁83a~83dとの間の接続部位911,912に接続されている。
そして、ポンプ871,872は、ポンプ用モータ86が駆動する場合に、リザーバ851,852及びマスタシリンダのマスタ室361,362内から吸入用流路881,882及びマスタ側流路891,892を介してブレーキ液を汲み取り、該ブレーキ液を供給用流路901,902内に吐出する。
<検出系>
図2に示すように、制動制御装置23には、アキュムレータ圧検出センサSE1の他、サーボ圧センサSE2、液圧室センサSE3及びストロークセンサSE4が電気的に接続されている。また、図1に示すように、車両には、車輪FL,FR,RL,RR毎に車輪速度センサSE5,SE6,SE7,SE8が設けられており、これら各車輪速度センサSE5~SE8が制動制御装置23にそれぞれ電気的に接続されている。サーボ圧センサSE2はマスタシリンダ30内のサーボ室39内のサーボ圧Psvを検出し、液圧室センサSE3はマスタシリンダ30内の第1の液圧室38内の液圧を検出する。ストロークセンサSE4は制動操作部材24の操作量を検出し、車輪速度センサSE5~SE8は対応する車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWを検出する。
図2に示すように、制動制御装置23には、アキュムレータ圧検出センサSE1の他、サーボ圧センサSE2、液圧室センサSE3及びストロークセンサSE4が電気的に接続されている。また、図1に示すように、車両には、車輪FL,FR,RL,RR毎に車輪速度センサSE5,SE6,SE7,SE8が設けられており、これら各車輪速度センサSE5~SE8が制動制御装置23にそれぞれ電気的に接続されている。サーボ圧センサSE2はマスタシリンダ30内のサーボ室39内のサーボ圧Psvを検出し、液圧室センサSE3はマスタシリンダ30内の第1の液圧室38内の液圧を検出する。ストロークセンサSE4は制動操作部材24の操作量を検出し、車輪速度センサSE5~SE8は対応する車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWを検出する。
次に、図4を参照し、制動制御装置23によって実施される回生協調制御について説明する。
図4に示すように、運転者の制動操作が開始されるなどして要求制動力BPTが増大し始めると、車両の減速が開始される。制動初期のように要求制動力BPTが小さい段階では、要求制動力BPTを回生制動力BPRだけで賄うことができる。その後、第1のタイミングt11以降からは、要求制動力BPTの増大速度と比較して、回生制動力BPRの増大速度が小さくなり、要求制動力BPTと回生制動力BPRとの間にずれが生じるようになる。
図4に示すように、運転者の制動操作が開始されるなどして要求制動力BPTが増大し始めると、車両の減速が開始される。制動初期のように要求制動力BPTが小さい段階では、要求制動力BPTを回生制動力BPRだけで賄うことができる。その後、第1のタイミングt11以降からは、要求制動力BPTの増大速度と比較して、回生制動力BPRの増大速度が小さくなり、要求制動力BPTと回生制動力BPRとの間にずれが生じるようになる。
そのため、第1のタイミングt11以降からは、制動アクチュエータ22における差圧調整弁811,812及びポンプ871,872の作動によって、マスタシリンダ30内のマスタ室361,362内とホイールシリンダ13a~13d内との差圧が増大される。このときの差圧は、要求制動力BPTから回生制動力BPRを減じた差(すなわち、要求液圧制動力BPPT)に応じた大きさとされる。その結果、第1のタイミングt11から、回生制動力BPRの保持が開始される第4のタイミングt14までの期間では、差圧調整弁811,812及びポンプ871,872の作動に基づいた差圧液圧制動力BPPaが調整される。
この差圧液圧制動力BPPaは、マスタ室361,362内とホイールシリンダ13a~13d内との差圧に応じた制動力である。図4に示す例では、第1のタイミングt11から第4のタイミングt14よりも前の第2のタイミングt12までの期間では、差圧液圧制動力BPPaは徐々に増大される。しかし、第2のタイミングt12から第4のタイミングt14までの期間では、回生制動力BPRの増大速度が大きくなっているため、差圧液圧制動力BPPaは徐々に減少される。そして、第4のタイミングt14以降では、差圧液圧制動力BPPaが第4のタイミングt14での値で保持される。
また、図4に示す例では、第2のタイミングt12と第4のタイミングt14との間の第3のタイミングt13で、要求制動力BPTが規定の判定制動力BPTTHと等しくなる。そして、第3のタイミングt13以降では、要求制動力BPTが判定制動力BPTTHよりも大きくなる。そのため、第3のタイミングt13以降では、回生制動力BPRと差圧液圧制動力BPPaとの和が判定制動力BPTTHと等しくなるように、差圧液圧制動力BPPaが調整される。また、サーボ圧発生装置70の作動によって各マスタ室361,362内のMC圧Pmcが増大され、各ホイールシリンダ13a~13d内のWC圧Pwcがそれぞれ増大される。このようなMC圧Pmcの増大によるWC圧Pwcの増大に起因する液圧制動力BPPの増大分を「MC液圧制動力BPPb」とした場合、第3のタイミングt13以降では、MC液圧制動力BPPbが車両に付与されるようになる。この場合、要求制動力BPTから回生制動力BPRを減じた差である要求液圧制動力BPPTと、差圧液圧制動力BPPaとMC液圧制動力BPPbとの和(=液圧制動力BPP)とが等しくなるように、制動アクチュエータ22及びサーボ圧発生装置70が制御されることとなる。
次に、図5~図7を参照し、制動アクチュエータ22及びサーボ圧発生装置70を制御するために制動制御装置23が実行する処理ルーチンについて説明する。なお、図7に示す処理ルーチンは、予め設定された制御サイクル毎に実行される処理ルーチンである。
図7に示すように、本処理ルーチンにおいて、制動制御装置23は、ストロークセンサSE4によって検出されている制動操作部材24の操作量を基に、要求制動力BPTを演算する(ステップS11)。要求制動力BPTは、制動操作部材24の操作量が多いほど大きい値となる。上述したように、演算した要求制動力BPTは駆動制御装置11に送信される。続いて、制動制御装置23は、駆動制御装置11から受信している最新の回生制動力BPRを取得する(ステップS12)。そして、制動制御装置23は、要求制動力BPTから回生制動力BPRを減じ、その差(=BPT-BPR)を要求液圧制動力BPPTとする(ステップS13)。
続いて、制動制御装置23は、要求液圧制動力BPPTを要求WC圧PwcTに変換する変換処理を実施する(ステップS14)。液圧制動力BPPとWC圧Pwcとの間には相関関係がある。そのため、例えば、この相関関係を表す変換用マップ、すなわち液圧制動力BPPとWC圧Pwcとの関係を示すマップを用い、制動制御装置23は、要求液圧制動力BPPTに応じたWC圧Pwcを要求WC圧PwcTとすることができる。この場合、要求WC圧PwcTは、要求液圧制動力BPPTが大きいほど大きくなる。
そして、制動制御装置23は、制動アクチュエータ22のポンプ871,872からのブレーキ液の基準吐出量Qbの導出処理を実施する(ステップS15)。この導出処理では、要求WC圧PwcTの増大量が大きいほど大きくなるように基準吐出量Qbが演算される。
図5を参照し、基準吐出量Qbの導出処理について詳述する。
図5には、ホイールシリンダ13a~13dによるブレーキ液の消費液量、すなわちホイールシリンダ13a~13d内へのブレーキ液の流入量と、WC圧Pwcとの関係を表すマップが図示されている。図5に示すように、WC圧Pwcは消費液量が多いほど高くなる。しかも、消費液量の増大量に対するWC圧Pwcの増大量の比率である増大比率は、WC圧Pwcが高いときほど大きくなる。
図5には、ホイールシリンダ13a~13dによるブレーキ液の消費液量、すなわちホイールシリンダ13a~13d内へのブレーキ液の流入量と、WC圧Pwcとの関係を表すマップが図示されている。図5に示すように、WC圧Pwcは消費液量が多いほど高くなる。しかも、消費液量の増大量に対するWC圧Pwcの増大量の比率である増大比率は、WC圧Pwcが高いときほど大きくなる。
そして、導出処理では、図5に示すマップを用い、現時点の要求WC圧PwcT(第1の液圧の一例)に対応する消費液量(以下、「第1の消費液量」ともいう。)が導出される。また、導出処理では、現時点よりも規定時間前の時点の要求WC圧PwcT(第2の液圧の一例)に対応する消費液量(以下、「第2の消費液量」ともいう。)が導出される。規定時間は、本処理ルーチンの実行間隔、すなわち上記制御サイクルに相当する時間又は同時間よりも長い時間に設定されている。例えば、規定時間は、上記制御サイクルに相当する時間に係数N(Nは1以上の整数であって、例えば3)を乗算した値に設定されている。
なお、制動アクチュエータ22の作動によってWC圧Pwcを増大させる場合、差圧調整弁811,812は閉弁しているわけではないため、ポンプ871,872から吐出されたブレーキ液の一部が、差圧調整弁811,812を介してマスタ室361,362側に流出してしまう。このようにマスタ室361,362側に流出してしまうブレーキ液の量をリリーフ量とした場合、リリーフ量は、差圧調整弁811,812に対する指示差圧が小さいほど多くなりやすい。
そのため、現時点の要求WC圧PwcTに対応するポンプ871,872からのブレーキ液の吐出量を「第1の吐出量」とした場合、第1の吐出量は、第1の消費液量と指示差圧に対応するリリーフ量とを加算することで導出される。同様に、現時点よりも規定時間前の時点の要求WC圧PwcTに対応するポンプ871,872からのブレーキ液の吐出量を「第2の吐出量」とした場合、第2の吐出量は、第2の消費液量と指示差圧に対応するリリーフ量とを加算することで導出される。そして、第1の吐出量から第2の吐出量を減じた差が基準吐出量Qbとされる。
なお、基準吐出量Qbは、第1の吐出量から第2の吐出量を減じた差に応じた値であれば、当該差と等しい値ではなくてもよい。例えば、第1の吐出量から第2の吐出量を減じた差に対して、移動平均処理などのフィルタ処理を施すことで、基準吐出量Qbを導出するようにしてもよい。また、本処理ルーチンの前回の実行時に導出した基準吐出量Qbからの変化量が所定の上限値を上回ったり、同変化量が所定の下限値を下回ったりしないような制限処理を行うことで、基準吐出量Qbを導出するようにしてもよい。
図7に戻り、制動制御装置23は、現時点におけるマスタシリンダ30内の各マスタ室361,362内のMC圧Pmcを取得する(ステップS16)。本液圧発生装置21では、上記リニアモードである場合、サーボ室39のサーボ圧PsvとMC圧Pmcとが相関するようになっている。そのため、制動制御装置23は、リニアモードである場合、サーボ圧センサSE2によって検出されているサーボ圧Psvを基に演算したMC圧Pmcを取得することができる。なお、MC圧Pmcを検出するセンサが制動装置20に設けられている場合、制動制御装置23は、当該センサによって検出されているセンサ値をMC圧Pmcとして取得するようにしてもよい。
そして、制動制御装置23は、MC圧Pmcをマスタ液量Qmcに換算する換算処理を実施する(ステップS17)。ここでいう「マスタ液量Qmc」とは、マスタ室361,362内のMC圧をステップS16で取得したMC圧Pmcと等しくするために、マスタ室36内から制動アクチュエータ22側に流出するブレーキ液の量のことである。
図6を参照し、マスタ液量Qmcの換算処理について詳述する。
図6には、マスタ液量QmcとMC圧Pmcとの関係を表すマップが図示されている。図6に示すように、マスタ液量Qmcは、MC圧Pmcが高いほど多くなる。しかも、マスタ液量Qmcの増大量に対するMC圧Pmcの増大量の比率であるマスタ比率は、MC圧Pmcが高いほど大きくなる。
図6には、マスタ液量QmcとMC圧Pmcとの関係を表すマップが図示されている。図6に示すように、マスタ液量Qmcは、MC圧Pmcが高いほど多くなる。しかも、マスタ液量Qmcの増大量に対するMC圧Pmcの増大量の比率であるマスタ比率は、MC圧Pmcが高いほど大きくなる。
そして、換算処理では、図6に示すマップを用い、ステップS16で取得したMC圧Pmcに対応するマスタ液量Qmcが導出される。
図7に戻り、制動制御装置23は、ステップS17で導出したマスタ液量Qmcを基に、減少補正量Qrを導出する(ステップS18)。具体的には、今回の処理ルーチンの実行によって導出したマスタ液量Qmcを第1のマスタ液量とした場合、制動制御装置23は、現時点よりも規定時間前の時点のMC圧Pmcを基に導出したマスタ液量Qmcを第2のマスタ液量として取得する。そして、制動制御装置23は、第1のマスタ液量から第2のマスタ液量を減じた差を、減少補正量Qrとする。そのため、減少補正量Qrは、各マスタ室361,362内のMC圧Pmcが増大しているときには正の値となり、MC圧Pmcが変動していないときには「0」と等しくなり、MC圧Pmcが減少しているときには負の値となる。
図7に戻り、制動制御装置23は、ステップS17で導出したマスタ液量Qmcを基に、減少補正量Qrを導出する(ステップS18)。具体的には、今回の処理ルーチンの実行によって導出したマスタ液量Qmcを第1のマスタ液量とした場合、制動制御装置23は、現時点よりも規定時間前の時点のMC圧Pmcを基に導出したマスタ液量Qmcを第2のマスタ液量として取得する。そして、制動制御装置23は、第1のマスタ液量から第2のマスタ液量を減じた差を、減少補正量Qrとする。そのため、減少補正量Qrは、各マスタ室361,362内のMC圧Pmcが増大しているときには正の値となり、MC圧Pmcが変動していないときには「0」と等しくなり、MC圧Pmcが減少しているときには負の値となる。
続いて、制動制御装置23は、減少補正量Qrを用い、基準吐出量Qbを決定する処理を行う(ステップS19)。具体的には、制動制御装置23は、ステップS15で演算した基準吐出量Qbから減少補正量Qrを減じた差と、「0」とを比較し、大きい方の値を基準吐出量Qbとする。つまり、MC圧Pmcが増大しているために減少補正量Qrが正の値であるときには、ステップS19の処理によって基準吐出量Qbが減少補正される。また、MC圧Pmcが変動していないために減少補正量Qrが「0」と等しいときには、ステップS19の処理によって基準吐出量Qbが減少補正されない。また、MC圧Pmcが減少しているために減少補正量Qrが負の値であるときには、ステップS19の処理によって基準吐出量Qbが増大補正される。
そして、制動制御装置23は、ステップS19によって決定した基準吐出量Qbを基に、制動アクチュエータ22のポンプ用モータ86の回転速度の目標値である回転速度目標値XTを導出する(ステップS20)。具体的には、制動制御装置23は、基準吐出量Qbが大きいほど回転速度目標値XTを大きくする。例えば、制動制御装置23は、基準吐出量Qbが「0」と等しいときには回転速度目標値XTを「0」と等しくしてもよい。
続いて、制動制御装置23は、マスタシリンダ30内の各マスタ室361,362内のMC圧Pmcに対する目標値であるMC圧目標値PmcTを演算する(ステップS21)。例えば、図4を用いて上述したように、制動制御装置23は、MC圧目標値PmcTを、要求制動力BPTから判定制動力BPTTHを減じた差に応じた値とすることができる。この場合、MC圧目標値PmcTは、要求制動力BPTから判定制動力BPTTHを減じた差が「0」以下である場合には「0」と等しくされる。一方、MC圧目標値PmcTは、要求制動力BPTから判定制動力BPTTHを減じた差が正の値である場合には当該差が大きいほど大きい値となる。
そして、制動制御装置23は、制動アクチュエータ22の差圧調整弁811,812に対する指示差圧DPwcを演算する(ステップS22)。例えば、制動制御装置23は、指示差圧DPwcを、要求液圧制動力BPPTからMC液圧制動力BPPbを減じた差に応じた値とすることができる。指示差圧DPwcの演算に用いられるMC液圧制動力BPPbは、上記ステップS21で演算したMC圧目標値PmcTをMC液圧制動力に変換した値である。そのため、指示差圧DPwcは、要求液圧制動力BPPTからMC液圧制動力BPPbを減じた差が大きいほど小さい値となる。
続いて、制動制御装置23は、制動装置20の駆動処理を実施する(ステップS23)。具体的には、制動制御装置23は、マスタシリンダ30内の各マスタ室361,362内のMC圧PmcがMC圧目標値PmcTと等しくなるように、サーボ圧発生装置70の作動を制御する。また、制動制御装置23は、制動アクチュエータ22の作動の制御では、ポンプ用モータ86の回転速度が回転速度目標値XTと等しくなるようにポンプ用モータ86の駆動を制御し、指示差圧DPwcに基づいた信号を差圧調整弁811,812に出力する。その後、制動制御装置23は、本処理ルーチンを一旦終了する。
次に、図8を参照し、本実施形態の制動装置20の作用を効果とともに説明する。
図8(a),(b),(c),(d),(e),(f)に示すように、車両走行中の第1のタイミングt21からは、運転者の制動操作などによって車両に対する要求制動力BPTが増大されるようになる。そのため、図8に示す例では、第1のタイミングt21からは後輪RL,RRに対して回生制動力BPRが付与されるようになる。なお、第1のタイミングt21から第2のタイミングt22までの期間では、回生制動力BPRが要求制動力BPTと等しい、すなわち要求液圧制動力BPPTが「0」と等しい。
図8(a),(b),(c),(d),(e),(f)に示すように、車両走行中の第1のタイミングt21からは、運転者の制動操作などによって車両に対する要求制動力BPTが増大されるようになる。そのため、図8に示す例では、第1のタイミングt21からは後輪RL,RRに対して回生制動力BPRが付与されるようになる。なお、第1のタイミングt21から第2のタイミングt22までの期間では、回生制動力BPRが要求制動力BPTと等しい、すなわち要求液圧制動力BPPTが「0」と等しい。
そして、第2のタイミングt22を過ぎると、回生制動力BPRが要求制動力BPTよりも小さくなる。第2のタイミングt22から第4のタイミングt24までの期間では、要求制動力BPTが判定制動力BPTTHよりも小さいため、サーボ圧発生装置70の作動によって各マスタ室361,362内のMC圧Pmcが増大されない。そして、当該期間では、制動アクチュエータ22の作動、すなわち差圧調整弁811,812及びポンプ用モータ86の駆動によって、各ホイールシリンダ13a~13d内のWC圧Pwcが調整される。これにより、差圧液圧制動力BPPaが車両に付与されるようになる。
このとき、差圧調整弁811,812は指示差圧DPwcに応じて駆動される。また、ポンプ用モータ86は、その回転速度が回転速度目標値XTと等しくなるように駆動される。回転速度目標値XTは、基準吐出量Qbに応じた値に設定されている。そのため、ポンプ用モータ86を駆動源とするポンプ871,872は、基準吐出量Qbのブレーキ液が吐出されるように作動する。
なお、第2のタイミングt22から第3のタイミングt23までの期間では、要求液圧制動力BPPT及び要求WC圧PwcTの双方が増大されるため、基準吐出量Qbが大きい値となる。そのため、当該期間では、回転速度目標値XTは、回転速度の上限値Xmaxまで急上昇し、同上限値Xmaxで保持される。
ところで、第2のタイミングt22から第4のタイミングt24までの期間では、MC圧Pmcは変動しないため、当然、マスタ液量Qmcは変わらない。その結果、当該期間では、減少補正量Qrは「0」と等しい。そのため、基準吐出量Qbは減少補正されない。その結果、ポンプ871,872からのブレーキ液の吐出量が不足することはないため、ポンプ871,872の作動と差圧調整弁811,812の駆動とによって、各ホイールシリンダ13a~13d内のWC圧Pwcを適切に調整することができる。すなわち、液圧制動力BPP(この場合では、差圧液圧制動力BPPa)と回生制動力BPRとの協調によって、要求制動力BPTに応じた車体減速度で車両を減速させることができる。
第3のタイミングt23以降では、回生制動力BPRの増大速度が大きくなったこともあり、要求液圧制動力BPPT、すなわち要求WC圧PwcTが小さくなる。その結果、基準吐出量Qbも小さくなるため、回転速度目標値XTが小さくなる。また、要求液圧制動力BPPTもまた小さくなるため、差圧調整弁811,812に対する指示差圧DPwcが小さくなる。その結果、マスタシリンダ30内の各マスタ室361,362内とホイールシリンダ13a~13d内との差圧が小さくなり、差圧液圧制動力BPPaが減少される。
そして、このように差圧液圧制動力BPPaが減少している最中の第4のタイミングt24を経過すると、要求液圧制動力BPPTが判定制動力BPTTH以上になるため、マスタシリンダ30内の各マスタ室361,362内のMC圧Pmcが、サーボ圧発生装置70の作動によって増大されるようになる。このようなMC圧Pmcの増大によって各ホイールシリンダ13a~13d内のWC圧Pwcが増大されるため、液圧制動力BPPのうち、MC圧Pmcの増大に起因するMC液圧制動力BPPbが大きくなる。
このようにMC圧Pmcが増大すると、差圧調整弁811,812に対する指示差圧DPwcが変わらず、マスタ室361,362とホイールシリンダ13a~13dとの差圧が一定で保持されていたとしても、WC圧PwcはMC圧Pmcの増大に応じて増大される。すなわち、要求WC圧PwcTが大きくなるため、図7を用いて説明した上記処理ルーチンのステップS15で導出される基準吐出量Qbが大きくなる。
そこで、本実施形態では、制動アクチュエータ22が作動している状況下でMC圧Pmcが増大しているときには、要求WC圧PwcTからブレーキ液の吐出量に換算した値である基準吐出量Qbを減少補正し(ステップS19)、減少補正後の基準吐出量Qbに基づいて回転速度目標値XTが設定され、回転速度目標値XTを基にポンプ用モータ86の駆動が制御される。そのため、マスタ室361,362とホイールシリンダ13a~13dとの差圧の増大量に見合った量よりも多くのブレーキ液がポンプ871,872から吐出されることが抑制される。したがって、ポンプ用モータ86の消費電力量及びポンプ用モータ86の作動音の低減効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、MC圧Pmcの大きさ及びMC圧Pmcの増大量を加味した減少補正量Qrを導出し(ステップS18)、この減少補正量Qrを用いて基準吐出量Qbの減少補正を行っている(ステップS19)。そのため、減少補正後の基準吐出量Qbを、WC圧Pwcの増大量のうち、マスタ室361,362とホイールシリンダ13a~13dとの差圧の増大量に見合った量に近づけることができる。そのため、ポンプ用モータ86の消費電力量及びポンプ用モータ86の作動音の低減効果をより高めることができる。
そして、その後の第5のタイミングt25で差圧液圧制動力BPPaが保持されるようになると、マスタ室361,362とホイールシリンダ13a~13dとの差圧を増大させる必要がなくなるため、減少補正後の基準吐出量Qbが「0」と等しくなり、回転速度目標値XTが「0」と等しくなる。すなわち、制動アクチュエータ22では、ポンプ871,872からはブレーキ液が吐出されなくなる。この場合、差圧調整弁811,812には指示差圧DPwcに応じた信号が入力されているため、マスタ室361,362とホイールシリンダ13a~13dとの差圧、すなわち差圧液圧制動力BPPaを保持することができる。
また、減少補正後の基準吐出量Qbが「0」と等しいときであっても、差圧調整弁811,812が閉弁していない状態の維持や上記差圧を増大させる際におけるポンプ871,872の応答性の確保などを目的とし、回転速度目標値XTを「0」としないようにしてもよい。例えば、回転速度目標値に対する下限値を予め設定しておき、減少補正後の基準吐出量Qbが「0」と等しいときには回転速度目標値XTを当該下限値と等しい値とすることで、ポンプ871,872からは少量のブレーキ液が吐出されることとなる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記ステップS17の換算処理では、第1のマスタ液量から第2のマスタ液量を減じた差に基づいて減少補正量Qrを導出しているのであれば、例えば当該差に所定のオフセット値を加算した値を減少補正量Qrとするようにしてもよい。
・上記ステップS17の換算処理では、第1のマスタ液量から第2のマスタ液量を減じた差に基づいて減少補正量Qrを導出しているのであれば、例えば当該差に所定のオフセット値を加算した値を減少補正量Qrとするようにしてもよい。
・減少補正量Qrを導出する際に用いられるマスタ液量Qmcの変動量は、マスタ液量Qmcを時間微分した値であってもよい。
・上記実施形態では、MC圧Pmcが増大してるときには基準吐出量Qbを減少補正することで、ポンプ871,872からのブレーキ液の吐出量を減少させるようにしている。しかし、MC圧Pmcが減少しているときにポンプ871,872からのブレーキ液の吐出量を減少させるための方法としては以下の方法を挙げることができる。すなわち、MC圧Pmcが増大しているときには、減少補正前の基準吐出量Qb(すなわち、上記ステップS15で導出した基準吐出量Qb)を基に回転速度目標値XTを導出し、この回転速度目標値XTを減少補正し、この減少補正後の回転速度目標値XTを基にポンプ用モータ86を作動させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、MC圧Pmcが増大してるときには基準吐出量Qbを減少補正することで、ポンプ871,872からのブレーキ液の吐出量を減少させるようにしている。しかし、MC圧Pmcが減少しているときにポンプ871,872からのブレーキ液の吐出量を減少させるための方法としては以下の方法を挙げることができる。すなわち、MC圧Pmcが増大しているときには、減少補正前の基準吐出量Qb(すなわち、上記ステップS15で導出した基準吐出量Qb)を基に回転速度目標値XTを導出し、この回転速度目標値XTを減少補正し、この減少補正後の回転速度目標値XTを基にポンプ用モータ86を作動させるようにしてもよい。
また、ポンプ用モータ86を駆動させる場合には、ポンプ用モータ86に対する駆動電流を回転速度目標値XTに応じて設定し、この駆動電流をポンプ用モータ86に出力することになる。そのため、MC圧Pmcが増大しているときには、減少補正前の基準吐出量Qb(すなわち、上記ステップS15で導出した基準吐出量Qb)を基に回転速度目標値XTを導出し、この回転速度目標値XTに応じた駆動電流を減少補正し、減少補正後の駆動電流をポンプ用モータ86に出力させるようにしてもよい。
これらの方法を採用した場合、MC圧Pmcが増大しているときには、ポンプ871,872からのブレーキ液の吐出量が、減少補正していない基準吐出量Qbよりも少なくなる。そのため、ポンプ用モータ86の消費電力量及びポンプ用モータ86の作動音の低減効果を高めることができる。
・上記実施形態では、減少補正量Qrを、マスタ液量Qmcの変動量を基に導出している。しかし、マスタシリンダ30内の各マスタ室361,362内のMC圧Pmcの変動量を基に減少補正量Qrを導出するのであれば、上記実施形態で説明した方法以外の方法で減少補正量Qrを導出するようにしてもよい。例えば、現時点のMC圧Pmcと、現時点から規定時間前の時点のMC圧Pmcとの差を基に減少補正量Qrを導出するようにしてもよい。この場合であっても、このように導出した減少補正量Qrを用いて基準吐出量Qbを減少補正することで、基準吐出量Qbを減少補正しない場合よりも、ポンプ用モータ86の消費電力量及びポンプ用モータ86の作動音の低減効果を高めることができる。
また、MC圧Pmcが増大しているときには減少補正量Qrを所定値(ただし、所定値は「0」よりも大きい値)と等しくし、MC圧Pmcが変動していないときには減少補正量Qrを「0」と等しくするようにしてもよい。
・上記ステップS15の導出処理では、第1の吐出量から第2の吐出量を減じた差に基づいて基準吐出量Qbを導出しているのであれば、例えば当該差に所定のオフセット値を加算した値を基準吐出量Qbとするようにしてもよい。
・基準吐出量Qbを導出する際に用いられる要求WC圧PwcTの増大量は、要求WC圧PwcTを時間微分した値であってもよい。
・ホイールシリンダ13a~13d内のWC圧Pwcを検出するセンサが制動装置20に設けられている場合、当該センサによって検出されたWC圧の検出値を時間微分することでWC圧の増大量を導出し、このWC圧の増大量を基に基準吐出量Qbを導出するようにしてもよい。
・ホイールシリンダ13a~13d内のWC圧Pwcを検出するセンサが制動装置20に設けられている場合、当該センサによって検出されたWC圧の検出値を時間微分することでWC圧の増大量を導出し、このWC圧の増大量を基に基準吐出量Qbを導出するようにしてもよい。
・制動アクチュエータ22の作動によってマスタ室361,362とホイールシリンダ13a~13dとの間に差圧を発生させている状況下で回生制動力BPRが増大されると、要求制動力BPTから回生制動力BPRを減じた差(以下、「規定差」ともいう。)が小さくなることがある。このように規定差が小さくなると、制動アクチュエータ22は、マスタ室361,362とホイールシリンダ13a~13dとの差圧を小さくすべく作動することとなる。このように差圧を小さくする場合にあっては、ポンプ用モータ86の回転速度は小さくしてもよい。そこで、規定差が小さくなると予測できるときには、基準吐出量Qbを減少補正し、減少補正後の基準吐出量Qbを基に回転速度目標値XTを設定するようにしてもよい。
図9には、このように規定差が小さくなると予測できるときには基準吐出量Qbを減少補正する処理ルーチンの一部が図示されている。図9に示すように、制動制御装置23は、ステップS18で導出した減少補正量Qrが「0」以下であるか否かを判定する(ステップS181)。減少補正量Qrが「0」よりも大きい場合(ステップS181:NO)、制動制御装置23は、その処理をステップS19に移行し、減少補正量Qrを用いた基準吐出量Qbの減少補正を行う。一方、減少補正量Qrが「0」以下である場合(ステップS181:YES)、制動制御装置23は、上記規定差の減少を予測できるか否かを判定する(ステップS182)。例えば、ステップS182では、制動制御装置23は、回生制動力BPRの増大速度と、要求制動力BPTの増大速度とを演算し、回生制動力BPRの増大速度が要求制動力BPTの増大速度よりも大きいときに規定差の減少を予測することができる。一方、制動制御装置23は、回生制動力BPRの増大速度が要求制動力BPTの増大速度以下であるときには規定差の減少を予測することはできない。
そして、規定差の減少が予測できない場合(ステップS182:NO)、制動制御装置23は、その処理を前述したステップS19に移行する。一方、規定差の減少が予測できる場合(ステップS182:YES)、制動制御装置23は、基準吐出量Qbの減少補正を実施する(ステップS183)。例えば、制動制御装置23は、基準吐出量Qbから所定値αを減算することで、基準吐出量Qbを減少補正することができる。なお、所定値αは、予め設定された固定値であってもよいし、回生制動力BPRの増大速度と要求制動力BPTの増大速度との差分などに応じて可変する値であってもよい。
そして、基準吐出量Qbの減少補正を行った後、制動制御装置23は、その処理をステップS20に移行し、減少補正後の基準吐出量Qbを基に回転速度目標値XTを導出する。
この構成によれば、上記規定差の減少が予測できたときには、マスタ室361,362とホイールシリンダ13a~13dとの差圧の減少の開始前からポンプ用モータ86の回転速度を小さくし、ポンプ871,872からのブレーキ液の吐出量を減少させることができる。そのため、ポンプ用モータ86の消費電力量及びポンプ用モータ86の作動音の低減効果をより高めることが可能となる。
・液圧発生装置は、運転者の制動操作によらずマスタ室361,362内のMC圧Pmcを調整することのできる作動部を備えているのであれば、上記実施形態で説明した液圧発生装置21以外の他の構成の装置であってもよい。例えば、液圧発生装置は、電動モータと、電動モータの出力軸の回転運動を直線運動に変換する変換部と、変換部を介して入力された電動モータの駆動力によって進退移動するピストンとを備え、同ピストンの移動によってマスタ室内のMC圧を調整することのできる装置であってもよい。
・液圧発生装置は、運転者の制動操作に応じてマスタピストンが移動してマスタ室内のMC圧が増大されるマスタピストンを有しているのであれば、作動部を有しない構成であってもよい。このような液圧発生装置を備える制動装置でも、運転者の制動操作によってMC圧Pmcが増大されている状況下でマスタ室とホイールシリンダ13a~13dとの差圧を小さくすべく制動アクチュエータ22が作動されることがある。このような場合にあっては、基準吐出量Qbを減少補正し、減少補正後の基準吐出量Qbを基に回転速度目標値XTを設定することで、ポンプ用モータ86の消費電力量及びポンプ用モータ86の作動音の低減効果を高めることができる。
・上記実施形態では、制動アクチュエータ22は、第1の液圧回路801に各後輪RL,RR用のホイールシリンダ13c,13dが接続され、第2の液圧回路802に各前輪FL,FR用のホイールシリンダ13a,13bが接続されるように構成されている。しかし、これに限らず、例えば、制動アクチュエータ22は、第1の液圧回路801に左後輪RL用のホイールシリンダ13dと右前輪FR用のホイールシリンダ13bとが接続され、第2の液圧回路802に左前輪FL用のホイールシリンダ13aと右後輪RR用のホイールシリンダ13dとが接続されるように構成されたものであってもよい。
・制動装置20を備える車両は、前輪FL,FR及び後輪RL,RRの少なくとも一方に回生制動力BPRを付与することができるのであれば、車両の駆動源として駆動モータ10だけではなくエンジンも備えたハイブリッド車両であってもよい。また、制動装置20を備える車両は、前輪FL,FR及び後輪RL,RRの少なくとも一方に回生制動力BPRを付与することができる装置が車両の駆動源とは別に設けられているのであれば、車両の駆動源としてエンジンのみを備えた車両であってもよい。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記液圧発生装置は、制動操作部材の操作に応じて前記マスタ室内の液圧が変動するように構成されていることが好ましい。
(イ)前記液圧発生装置は、制動操作部材の操作に応じて前記マスタ室内の液圧が変動するように構成されていることが好ましい。
(ロ)車両の車輪に対して設けられているホイールシリンダと繋がっているマスタ室を有し、同マスタ室内の液圧が大きくなったときに前記ホイールシリンダ内の液圧を増大させることが可能な液圧発生装置と、
前記ホイールシリンダと前記マスタ室とを繋ぐ液路に配置されている差圧調整弁、及び、前記液路における前記差圧調整弁と前記マスタ室との間からブレーキ液を汲み取り、前記液路における前記差圧調整弁と前記ホイールシリンダとの間に同ブレーキ液を吐出する電動式のポンプを有する制動アクチュエータと、
前記ポンプの駆動源及び前記差圧調整弁を制御することで、前記ホイールシリンダ内の液圧を調整する制動制御装置と、を備え、
前記制動制御装置は、
前記ホイールシリンダ内の液圧の増大量が大きいほど多くなるように前記ポンプの基準吐出量を演算し、
前記マスタ室内の液圧が増大しているときには、前記ポンプからのブレーキ液の吐出量が前記基準吐出量よりも少なくなるように前記駆動源を制御する一方、前記マスタ室内の液圧が増大していないときには、前記基準吐出量のブレーキ液が前記ポンプから吐出されるように前記駆動源を制御する、車両の制動装置。
前記ホイールシリンダと前記マスタ室とを繋ぐ液路に配置されている差圧調整弁、及び、前記液路における前記差圧調整弁と前記マスタ室との間からブレーキ液を汲み取り、前記液路における前記差圧調整弁と前記ホイールシリンダとの間に同ブレーキ液を吐出する電動式のポンプを有する制動アクチュエータと、
前記ポンプの駆動源及び前記差圧調整弁を制御することで、前記ホイールシリンダ内の液圧を調整する制動制御装置と、を備え、
前記制動制御装置は、
前記ホイールシリンダ内の液圧の増大量が大きいほど多くなるように前記ポンプの基準吐出量を演算し、
前記マスタ室内の液圧が増大しているときには、前記ポンプからのブレーキ液の吐出量が前記基準吐出量よりも少なくなるように前記駆動源を制御する一方、前記マスタ室内の液圧が増大していないときには、前記基準吐出量のブレーキ液が前記ポンプから吐出されるように前記駆動源を制御する、車両の制動装置。
Claims (7)
- 車両の車輪に対して設けられているホイールシリンダと繋がっているマスタ室を有し、同マスタ室内の液圧が大きくなったときに前記ホイールシリンダ内の液圧を増大させることが可能な液圧発生装置と、
前記ホイールシリンダと前記マスタ室とを繋ぐ液路に配置されている差圧調整弁、及び、前記液路における前記差圧調整弁と前記マスタ室との間からブレーキ液を汲み取り、前記液路における前記差圧調整弁と前記ホイールシリンダとの間に同ブレーキ液を吐出する電動式のポンプを有する制動アクチュエータと、
前記ポンプの駆動源及び前記差圧調整弁を制御することで、前記ホイールシリンダ内の液圧を調整する制動制御装置と、を備え、
前記制動制御装置は、
前記ホイールシリンダ内の液圧の増大量が大きいほど多くなるように前記ポンプの基準吐出量を演算し、
前記マスタ室内の液圧が増大しているときには、前記基準吐出量を減少補正し、減少補正後の前記基準吐出量のブレーキ液が前記ポンプから吐出されるように前記駆動源を制御する一方、前記マスタ室内の液圧が増大していないときには、前記基準吐出量を減少補正せず、同基準吐出量のブレーキ液が前記ポンプから吐出されるように前記駆動源を制御する
車両の制動装置。 - 前記液圧発生装置は、アキュムレータから供給されたブレーキ液の圧力を基にサーボ圧を調整するサーボ圧発生装置を有しており、当該サーボ圧に応じて前記マスタ室内の液圧を調整できるように構成されている
請求項1に記載の車両の制動装置。 - 前記制動制御装置は、前記マスタ室内の液圧が増大しているときには、同マスタ室内の液圧の増大量が多いほど大きくなるように減少補正量を演算するとともに、前記基準吐出量から同減少補正量を減じる減少補正を行い、同減少補正後の前記基準吐出量のブレーキ液が前記ポンプから吐出されるように同ポンプの駆動源を制御する
請求項1又は請求項2に記載の車両の制動装置。 - 前記制動制御装置は、
前記ホイールシリンダ内の液圧である第1の液圧に応じた前記ポンプからのブレーキ液の吐出量である第1の吐出量と、同第1の液圧の取得時点よりも規定時間以上前の前記ホイールシリンダ内の液圧である第2の液圧に応じた前記ポンプからのブレーキ液の吐出量である第2の吐出量と、を導出し、
前記基準吐出量を、前記第1の吐出量から前記第2の吐出量を減じた差に応じた値とする
請求項3に記載の車両の制動装置。 - 前記制動制御装置は、
前記マスタ室内の液圧である第1のマスタ液圧に応じたブレーキ液の量である第1のマスタ液量と、同第1のマスタ液圧の取得時点よりも規定時間以上前の前記マスタ室内の液圧である第2のマスタ液圧に応じたブレーキ液の量である第2のマスタ液量と、を導出し、
前記減少補正量を、前記第1のマスタ液量から前記第2のマスタ液量を減じた差に応じた値とする
請求項3又は請求項4に記載の車両の制動装置。 - 車両には、前記ホイールシリンダ内の液圧を調整することなく、車輪に対する制動力を調整することが可能に構成された他の制動装置が設けられている
請求項3~請求項5のうち何れか一項に記載の車両の制動装置。 - 前記ホイールシリンダ内の液圧を基に車輪に付与される制動力のことを第1の制動力とし、前記他の制動装置の作動によって車輪に付与される制動力のことを第2の制動力とした場合、
前記制動制御装置は、車両に対する要求制動力から前記第2の制動力を減じた差を基に、前記制動装置を制御するようになっており、
前記制動制御装置は、前記要求制動力から前記第2の制動力を減じた差が小さくなることが予測されるときには、前記基準吐出量を減少補正し、減少補正後の前記基準吐出量のブレーキ液が前記ポンプから吐出されるように前記駆動源を制御する
請求項6に記載の車両の制動装置。
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