WO2017150120A1 - 光電変換素子および光電変換モジュール - Google Patents

光電変換素子および光電変換モジュール Download PDF

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Abstract

支持基板上に、導電層と、金属錯体色素が吸着した発電層と、対極とをこの順で有する光電変換素子であって、発電層および対極がそれぞれ有する空隙の一部または全部に電解質を有し、金属錯体色素の吸着量が1.0×10-8~1.8×10-7mol/cmであり、金属錯体色素が特定の式で表される光電変換素子、および、この光電変換素子を複数接続した光電変換モジュール。

Description

光電変換素子および光電変換モジュール
 本発明は、光電変換素子および光電変換モジュールに関する。
 光電変換素子は各種の光センサー、複写機、太陽電池等に用いられている。この光電変換素子は、金属を用いた方式、半導体を用いた方式、有機顔料または色素を用いた方式、あるいはこれらを組み合わせた方式などの様々な方式のものが実用化されている。非枯渇性の太陽エネルギーを利用した太陽電池は、燃料が不要であり、無尽蔵のクリーンエネルギーを利用するものとして、その本格的な実用化が大いに期待されている。この中でも、シリコン系太陽電池は古くから研究開発が進められてきた。各国の政策的な配慮もあって普及が進んでいる。しかし、発電コストを現在のグリッドパリティに相当するレベルまで大幅に低下するためには、大きなブレイクスルーが必要である。
 増感色素として金属錯体色素を用いた光電変換素子は、主に塗布または印刷プロセスにて製造が可能であり、大幅コストダウンが期待されることから、その研究が精力的に行われている。
 特許文献1には、この技術を応用し、ルテニウム金属錯体色素によって増感された半導体微粒子を用いた色素増感光電変換素子が記載されている。さらに、その後も、光電変換効率の向上に向け、ルテニウム金属錯体系増感色素の開発が継続されている(例えば、特許文献2参照)。
米国特許第5,463,057号明細書 米国特許出願公開第2010/0258175号明細書
 ターピリジル系の配位子を持つルテニウム金属錯体色素としてN749が開発研究に多く用いられている。上記特許文献2に記載のルテニウム金属錯体色素はこれを改良したものである。しかしながら、これらのルテニウム金属錯体色素を用いても、光電変換素子の光電変換効率と耐熱耐久性が低いことが問題であった。
 このような現状を鑑み、本発明は、光電変換効率が向上し、しかも高い耐熱耐久性を実現することができる光電変換素子、および、これを用いた光電変換モジュールを提供することを課題とする。
 上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕支持基板上に、導電層と、金属錯体色素が吸着した発電層と、対極とをこの順で有する光電変換素子であって、前記発電層および前記対極がそれぞれ有する空隙の一部または全部に電解質を有し、前記金属錯体色素の吸着量が1.0×10-8~1.8×10-7mol/cmであり、前記金属錯体色素が下記式(1)で表される光電変換素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 式(1)において、Gは下記式(G-1)~(G-4)のいずれかで表される基を表す。AおよびAは各々独立にカルボキシ基またはカルボキシ基の塩を示す。Lは下記式(A-1)または(A-2)のいずれかで表される基を示す。Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。Rは水素原子またはアルキル基を示す。Rはアルキル基を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 式(G-1)~(G-4)において、XおよびXは各々独立に、-O-、-S-、-Se-、-N(R)-、-C(R-または-Si(R-を示す。ここで、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。naは1~3の整数である。Rはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を示す。R、R、RおよびRは各々独立に水素原子または置換基を示す。*はピリジル基と結合する位置を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 式(A-1)および(A-2)それぞれにおいて、2つ存在する*は、一方がチエニル基、他方がピリジル基と結合する位置を示す。
〔2〕Gが、式(G-1)で表される〔1〕に記載の光電変換素子。
〔3〕金属錯体色素が、下記式(2)で表される〔1〕または〔2〕に記載の光電変換素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 式(2)において、M およびM は各々独立にプロトンまたは対イオンを示す。Lは下記式(A-1)または(A-2)のいずれかで表される基を示す。R101はアルキル基を示す。Rは水素原子またはアルキル基を示す。Rはアルキル基を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 式(A-1)および(A-2)それぞれにおいて、2つ存在する*は、一方がチエニル基、他方がピリジル基と結合する位置を示す。
〔4〕R101が、炭素数2以上12以下のアルキル基である〔3〕に記載の光電変換素子。
〔5〕発電層が、多孔性半導体層を含む〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の光電変換素子。
〔6〕発電層が、多孔性半導体層と多孔性絶縁層の積層体を含む〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の光電変換素子。
〔7〕多孔性絶縁層の膜厚が、3~12μmである〔6〕に記載の光電変換素子。
〔8〕多孔性絶縁層が、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムおよび酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種の絶縁材料からなる〔6〕または〔7〕に記載の光電変換素子。
〔9〕酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの平均粒径が50~300nm、または、前記酸化チタンの平均粒径が100~600nmであるである〔8〕に記載の光電変換素子。
〔10〕多孔性半導体層が、平均粒径が5~50nmである半導体材料で形成されてなる〔5〕~〔9〕のいずれか1つに記載の光電変換素子。
〔11〕対極が、触媒層および導電層を含む〔1〕~〔10〕のいずれか1つに記載の光電変換素子。
〔12〕対極が含む導電層が、チタン、モリブデン、ニッケルおよびカーボンの少なくとも1種を含む〔11〕に記載の光電変換素子。
〔13〕上記〔1〕~〔12〕のいずれか1つに記載の光電変換素子を直列に複数接続した光電変換モジュール。
 本明細書において、特段の断りがない限り、炭素-炭素二重結合については、分子内にE型およびZ型が存在する場合、そのいずれであっても、またこれらの混合物であってもよい。特定の符号で表示された置換基もしくは連結基、配位子等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するとき(特に、隣接するとき)には、特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成してもよい。また、環、例えば脂環、芳香環、ヘテロ環、はさらに縮環して縮合環を形成していてもよい。
 本発明は、光電変換効率が向上し、しかも高い耐熱耐久性を示す光電変換素子、および、これを用いた光電変換モジュールを提供することができる。
 本発明の上記および他の特徴および利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1は、本発明の光電変換モジュールの好ましい形態における光電変換素子を拡大して模式的に示した断面図である。 図2は、本発明の光電変換モジュールの好ましい形態を模式的に示した断面図である。 図3は、金属錯体色素Dye51の合成例における合成中間体である化合物(3-7)のH-NMRスペクトル図である。 図4は、金属錯体色素Dye52のH-NMRスペクトル図である。
 以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。なお、この実施形態は一例であり、種々の形態での実施が本発明の範囲内で可能である。
 本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
<<光電変換モジュール>>
 本発明の光電変換モジュール(色素増感太陽電池)は、例えば図2に示すように、本発明の光電変換素子を複数接続してなるものであれば、特に限定されない。本発明の光電変換モジュールが備える光電変換素子は、後述する、本発明の光電変換素子を含んでいればよく、本発明の光電変換素子以外の光電変換素子を含んでいてもよい。
 光電変換モジュールにおいて、光電変換素子の接続個数は、特に限定されず、用途、性能などに応じて、適宜に設定できる。図2には、多数個の光電変換素子10を接続した光電変換モジュール20の一部(一方の端部側における3個の光電変換素子10が接続された部分)が示されている。
 光電変換素子を接続する接続方法は、特に限定されず、適宜に決定される。例えば、図2に示されるように、スクライブライン3を隔てて隣接する、図1に示す光電変換素子10において、一方(図2において右側)の光電変換素子10の導電層2と、他方(図2において左側)の光電変換素子10の対極6とを、電気的に接続する方法(直列接続)が挙げられる。また、図示しないが、スクライブラインを隔てて隣接する2つの光電変換素子において、一方の光電変換素子の対極を封止材から突出するように延在させて、他方の光電変換素子の導電層と電気的に接続する方法(直列接続)が挙げられる。
<<光電変換素子>>
 本発明の光電変換素子は、支持基板上に、導電層と発電層と対極とをこの順で有していればよく、その他の構成は適宜に設定できる。
 本発明の光電変換素子の好ましい形態として、図1に示される光電変換素子10が挙げられる。この光電変換素子10は、支持基板1上に、導電層2と、下記式(1)で表される金属錯体色素(以下、単に色素ということがある)が吸着した発電層4と、対極(対極導電層)6とを、この順で有している。発電層4および対極6がそれぞれ有する空隙の一部または全部には電解質が含有されている。
 本発明において、空隙の一部とは、一義的に決定できないが、発電層4および対極6それぞれが有する空隙の全部に対して、光電変換素子ないし光電変換モジュールが所期の機能を奏し、または特性を発揮しうる程度であればよい。例えば、後述するように、電解質を電解質充填領域9に注入することにより、充填される空隙の量とすることができる。
 <支持基板>
 図1において、支持基板1は、光電変換モジュールの受光面となる部分では光透過性が必要となるため、少なくとも光透過性の材料からなり、厚さ0.2~5mm程度のものが好ましい。
 支持基板を構成する材料は、一般に光電変換素子に使用可能で、かつ本発明の効果を発揮し得る材料であれば、特に限定されない。このような材料としては、例えば、ソーダガラス、溶融石英ガラス、結晶石英ガラス、ホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、可撓性フィルムなどの耐熱性樹脂基板などが挙げられる。
 可撓性フィルム(以下、「フィルム」ともいう)を構成する材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂、テフロン(登録商標)などが挙げられる。
 支持基板上に加熱を伴って他の層を形成する場合、例えば、支持基板1上に250℃程度の加熱を伴って導電層を形成する場合には、上記のフィルム材料の中でも、250℃以上の耐熱性を有するテフロン(登録商標)が特に好ましい。
 また、完成した光電変換素子を他の構造体に取り付けるときに支持基板を利用することができる。すなわち、ガラス基板などの支持基板の周辺部を、金属加工部品とねじを用いて他の支持基板に容易に取り付けることができる。
 <(第1)導電層>
 図1において、導電層(以下、第1導電層ということがある)2は、光電変換素子の受光面となり、光透過性が必要となるため、光透過性の材料からなる。ただし、少なくとも後述する下記式(1)で表される金属錯体色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させる材料であればよく、必ずしも全ての波長領域の光に対して透過性を有する必要はない。
 光透過性の材料は、一般に光電変換素子に使用可能で、かつ本発明の効果を発揮し得る材料であれば、特に限定されない。このような材料としては、インジウム錫複合酸化物(ITO)、フッ素をドープした酸化錫(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられる。
 第1導電層の膜厚は0.02~5μm程度が好ましく、膜抵抗は低いほどよく、40Ω/sq以下が好ましい。
 また、第1導電層2には、低抵抗化のために金属リード線を設けてもよい。金属リード線の材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタンなどが挙げられる。
 ただし、金属リード線を設けることにより、受光面からの入射光量の低下を招く場合には、金属リード線の太さを0.1~4mm程度にするのが好ましい。
 また、第1導電層2には、レーザースクライブにより切断して形成されたスクライブライン3がある。
<発電層>
 発電層4は、好ましくは多孔性半導体層を含み、金属錯体色素の吸着量等の点で、多孔性半導体層と多孔性絶縁層の積層体を含むことがより好ましい。
 発電層4が多孔性半導体層のみからなる場合には、この多孔性半導体層に下記式(1)で表される金属錯体色素を吸着させ、かつ多孔性半導体層が有する孔(空隙)の一部または全部に電解質材料が充填される(有する)。
 一方、発電層4が、多孔性半導体層4aと多孔性絶縁層4bの積層体からなる場合にも、発電層4に下記式(1)で表される金属錯体色素を吸着させ、かつ多孔性半導体層4aおよび多孔性絶縁層4bが有する孔の一部または全部に電解質材料を充填させる。金属錯体色素は多孔性半導体層4aに主に吸着されるが、多孔性絶縁層4bにも吸着される。多孔性絶縁層4bに金属錯体色素が吸着されることで多孔性半導体層4aへの色素吸着量が抑制されるだけでなく、多孔性絶縁層4bに吸着した金属錯体色素が、実質的な細孔の大きさを小さくすることでフィルターの役割を果たし、多孔性半導体層4aへの色素吸着量が制御されることになる。
 -多孔性半導体層-
 多孔性半導体層は、半導体から構成され、その形態は、粒子状、多数の微細孔を有する膜状など、種々の形態のものを用いることができるが、多数の微細孔を有する膜状の形態が好ましい。
 多孔性半導体層を構成する半導体材料としては、一般に光電変換素子に使用されるものであれば特に限定されない。このような材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リン化インジウム、銅-インジウム硫化物(CuInS)、CuAlO、SrCuなどの化合物およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらの中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブが好ましく、光電変換効率、安定性および安全性の点から酸化チタンが特に好ましい。また、これらの半導体材料は、2種以上の混合物として用いることもできる。
 ここで、酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタンおよび水酸化チタン、含水酸化チタンなどを包含し、これらは単独または混合物として用いることができる。アナターゼ型とルチル型の2種類の結晶系は、その製法または熱履歴によりいずれの形態にもなり得るが、アナターゼ型が一般的である。
 多孔性半導体層を構成する上記半導体は、安定性、結晶成長の容易さ、製造コストなどの観点から、微粒子からなる多結晶焼結体が好ましい。
 上記微粒子の平均粒径(単に、粒径ともいう)は、入射光を高い収率で電気エネルギーに変換するために、投影面積に対して十分に大きい実効表面積を得る観点から、好ましくは5nm以上50nm未満、より好ましくは10nm以上30nm以下である。
 平均粒径は、粒子製造方法の条件、粉砕条件(粗粉砕、微粉砕、最終粉砕など)などに応じて、所定の範囲に適宜に設定できる。この点は、他の粒子(材料)についても同様である。平均粒径の測定方法は、後述する。
 多孔性半導体層の光散乱性は、層形成に用いる半導体材料の平均粒径により調整することができる。多孔性半導体層の形成条件にもよるが、具体的には、平均粒径の大きい半導体粒子(半導体の微粒子)で形成した多孔性半導体層は、光散乱性が高く、入射光を散乱させ光捕捉率を向上させることができる。また、平均粒径の小さい半導体粒子で形成した多孔性半導体層は、光散乱性が低くなるが、色素の吸着点がより多くなって吸着量を増加させることができる。
 さらに、上記微粒子からなる多結晶焼結体の上に、平均粒径が50nm以上、好ましくは50nm以上600nm以下の半導体粒子からなる層を設けてもよい。
 半導体材料の平均粒径は、本発明の効果を発揮し得る上記の範囲内であれば特に限定されないが、入射光を光電変換に有効利用するという点では、市販の半導体材料粉末のようにある程度平均粒径が揃っているのが好ましい。
 多孔性半導体層の膜厚は、特に限定されるものではないが、光電変換効率の観点から、一般的には、0.1μm以上が好ましく、0.5~50μm程度がより好ましい。特に、光散乱性の高い、平均粒径50nm以上の半導体粒子からなる層を設ける場合、その層の膜厚は、好ましくは0.1~40μm、より好ましくは5~20μmであり、平均粒径5nm以上50nm未満の粒子からなる層の膜厚は、好ましくは0.1~50μm、より好ましくは10~40μmである。膜厚の測定方法は、後述する。
 光電変換素子の光電変換効率を向上させるためには、下記式(1)で表される金属錯体色素を多孔性半導体層に吸着させて、発電層を形成することが必要である。このため、膜状の多孔性半導体層では、実効表面積の大きなものが好ましく、10~200m/g程度が好ましい。
 -多孔性絶縁層-
 発電層4(多孔性半導体層4a)と対極6との間に多孔性絶縁層4bを設けるのが好ましい。
 多孔性絶縁層に用いる絶縁材料としては、ガラス、または、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、チタン酸ストロンチウムなどの伝導帯準位の高い材料が用いられる。また、酸化マグネシウム、酸化チタンも用いられる。なかでも、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムおよび酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
 多孔性絶縁材料は、発電層への色素吸着を阻害する効果があり、色素吸着量を制御する観点から、上記多孔性絶縁層(絶縁材料)の平均粒径(単に、粒径ともいう)を、絶縁材料に応じて設定することにより、その効果がより発揮される。
 すなわち、絶縁材料が酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムである場合、平均粒径を50~300nmとすることで、色素吸着を阻害する効果がより発揮される。粒径が50nmより小さい場合は、電解液中のキャリア輸送能力が低下し、また300nmを超えると色素吸着量の抑制に効果が発揮できない。上記点で、平均粒径は、70~200nmがより好ましい。
 絶縁材料が酸化チタンである場合、平均粒径を100~600nmとすることで、色素吸着を阻害する効果がより発揮される。上記点で、酸化チタンの平均粒径は、120~450nmがより好ましい。
 上記効果をより発揮するためには、多孔性絶縁層の膜厚は3~12μmが好ましい。3μmより小さい場合は、電気的絶縁の機能を示さないだけでなく、色素吸着量を抑制する効果が得られないことがある。12μmより大きい場合は、十分光を吸収できるだけの色素が多孔性絶縁層に吸着しないだけでなく、キャリア輸送抵抗が大きくなり、性能が低下することがある。この点で、多孔性絶縁層の膜厚は、5~10μmがより好ましい。
 <対極(対極導電層)6>
 光電変換素子10において、対極6は、触媒層6aと導電層(第2導電層)6bから構成されることが好ましい。第2導電層6bが触媒能を有する場合は、触媒層6aを省略してもよい。対極6の空隙の一部または全部には後述する電解質が充填されている。
 第2導電層6bを構成する材料は、一般に光電変換素子に使用可能で、かつ電解液に対して耐腐食性を有する材料であれば、特に限定されない。このような材料としては、チタン、ニッケル、モリブデン、カーボンなどが挙げられる。カーボンの詳細は後述する。その中でも、チタンが最も好ましい。
 蒸着法またはスパッタ法による対極の製膜では、膜自体が多孔質になるため、色素吸着用溶液または電解質材料が移動可能な孔を改めて形成する必要はない。ただし、対極の膜厚が厚くなると細孔は小さくなる傾向が存在し、膜厚は薄すぎると抵抗が高くなり、厚すぎると色素吸着用溶液または電解質材料の移動の妨げとなる。
 色素吸着用溶液または電解質材料が移動困難になる場合は、レーザー加工またはパターニング形成により、対極導電層に孔または溝を形成してもよい。
 対極6の孔は、例えば、レーザー光照射により部分的に蒸発させることによって形成される。上記孔の径が0.1~100μmであり、間隔が1~200μmで形成されていることが好ましく、さらに、径が1~100μmであり、間隔が5~200μmで形成されていることがより好ましい。
 対極6の最適な膜厚は、材料の比抵抗により変わるが、400nm~100μmが好ましい。400nm未満であると抵抗値が高いために出力が低下し、また、100μmを超えると膜の剥離の問題が生じるため、好ましくない。
 第1導電層2と対極6には、必要に応じて、取り出し電極(図1において図示しない)が設けられている。取り出し電極の構成材料は、一般に光電変換素子に使用可能で、かつ本発明の効果を発揮し得る材料であれば、特に限定されない。
 -触媒層-
 対極6に触媒能がある場合は問題ないが、触媒能がない場合には、触媒層を対極のいずれの面に構成することが好ましい。光電変換素子10において、触媒層6aは発電層4と第2導電層6bの間に設けられている。触媒層を構成する材料は、一般に光電変換素子に使用可能で、かつ本発明の効果を発揮し得る材料であれば、特に限定されない。このような材料としては、例えば、白金、カーボンが好ましい。カーボンの形態としては、カーボンブラック、グラファイト、ガラス炭素、アモルファス炭素、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンホイスカー、カーボンナノチューブ、フラーレン等が好ましい。
 また、触媒層の形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、触媒材料の微粒子分散ペーストから塗布法により形成してもよい。
 <電解質>
 光電変換素子10において、電解質は、第1導電層2、後述するカバー層7および封止材8により囲まれる電解質充填領域9に充填され、発電層4および対極6それぞれが有する空隙の一部または全部にも充填される。電解質は、イオンを輸送できる導電性材料で構成され、好適な材料として、例えば、液体電解質、固体電解質、ゲル電解質、溶融塩ゲル電解質などが挙げられる。
 液体電解質は、酸化還元種を含む液状物であればよく、一般に電池または光電変換素子などにおいて使用することができるものであれば特に限定されない。具体的には、酸化還元種とこれを溶解可能な溶剤からなるもの、酸化還元種とこれを溶解可能な溶融塩からなるもの、酸化還元種とこれを溶解可能な溶剤と溶融塩からなるものが挙げられる。
 酸化還元種は、例えば、I/I3-系、Br2-/Br3-系、Fe2+/Fe3+系、キノン/ハイドロキノン系などが挙げられる。特に、酸化還元種として、アイオダイドイオンおよびトリアイオダイドイオンの少なくとも一方を含むことが好ましい。
 具体的には、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI)などの金属ヨウ化物とヨウ素(I)の組み合わせ、テトラエチルアンモニウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルアンモニウムアイオダイド(THAI)などのテトラアルキルアンモニウム塩とヨウ素の組み合わせ、および臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr)などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましく、これらの中でも、LiIとIの組み合わせが特に好ましい。
 また、酸化還元種の溶剤(溶媒)としては、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、水、非プロトン極性物質などが挙げられる。これらの中でも、カーボネート化合物またはニトリル化合物が特に好ましい。これらの溶媒は2種類以上を混合して用いることもできる。
 固体電解質は、電子、ホール、イオンを輸送できる導電性材料で、光電変換素子の電解質として用いることができ、流動性がないものであればよい。具体的には、ポリカルバゾールなどのホール輸送材、テトラニトロフロオルレノンなどの電子輸送材、ポリピロールなどの導電性ポリマー、液体電解質を高分子化合物により固体化した高分子電解質、ヨウ化銅、チオシアン酸銅などのp型半導体、溶融塩を含む液体電解質を微粒子により固体化した電解質などが挙げられる。
 ゲル電解質は、通常、電解質(酸化還元種)とゲル化剤からなる。ゲル化剤としては、例えば、架橋ポリアクリル樹脂誘導体もしくは架橋ポリアクリロニトリル誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体、シリコーン樹脂類、側鎖に含窒素複素環式四級化合物塩構造を有するポリマーなどの高分子ゲル化剤などが挙げられる。
 溶融塩ゲル電解質は、通常、上記のようなゲル電解質と常温型溶融塩からなる。常温型溶融塩としては、例えば、ピリジニウム塩類、イミダゾリウム塩類などの含窒素複素環式四級アンモニウム塩化合物類などが挙げられる。
 上記電解質には、必要に応じて添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、t-ブチルピリジン(TBP)などの含窒素芳香族化合物、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII)、メチルプロピルイミダゾールアイオダイド(MPII)、エチルメチルイミダゾールアイオダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイオダイド(EII)、ヘキシルメチルイミダゾールアイオダイド(HMII)などのイミダゾール塩が挙げられる。
 電解質中の電解質濃度は、0.001~1.5モル/リットルの範囲が好ましく、0.01~0.7モル/リットルの範囲が特に好ましい。ただし、本発明の光電変換素子において受光面側に触媒層がある場合、入射光が電解質を通して色素が吸着された発電層に達し、キャリアが励起する。そのため、受光面側に触媒層がある光電変換素子に用いる電解質濃度により、性能は低下する場合があるので、この点を考慮して電解質濃度を設定するのが好ましい。
 <カバー層>
 図1において、光電変換素子10には、カバー層7が設けられている。カバー層は、電解質の揮発と光電変換素子10内への水などの浸入を防止するために設けられることが好ましい。
 カバー層7を構成する材料は、一般に光電変換素子に使用可能で、かつ本発明の効果を発揮し得る材料であれば、特に限定されない。このような材料としては、例えば、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、溶融石英ガラス、結晶石英ガラスなどが挙げられる。特に好ましい材料は、ソーダ石灰フロートガラスである。
 <封止材>
 図1において、光電変換素子10には、封止材8が設けられている。封止材は、電解質の揮発と光電変換素子10内への水などの浸入を防止するために設けられることが好ましい。
 また、封止材8は、(1)支持基板に作用する落下物または応力(衝撃)を吸収するために、および/または、(2)長期にわたる使用時において支持基板に作用するたわみなどを吸収するために、設けられることが好ましい。
 封止材を構成する材料は、一般に光電変換素子に使用可能で、かつ本発明の効果を発揮し得る材料であれば、特に限定されない。このような材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ホットメルト樹脂、ガラスフリットなどが好ましく、これらは2種類以上を2層以上にして用いることもできる。電解質の溶剤としてニトリル化合物、カーボネート化合物を使用する場合には、シリコーン樹脂またはホットメルト樹脂(例えば、アイオノマー樹脂)、ポリイソブチレン系樹脂、ガラスフリットが特に好ましい。
<<光電変換素子の製造方法>>
 本発明の光電変換素子の製造方法は、特に限定されない。図1に示す光電変換素子10の製造方法は、例えば、支持基板1の一方の面に第1導電層2、下記式(1)で表される金属錯体色素を吸着させた発電層4、および対極6が順に積層された積層体を形成する工程と、上記積層体の外周にカバー層7および封止材8を形成する工程と、上記第1導電層2、上記カバー層7および上記封止材8により囲まれる電解質充填領域9に電解質を注入する工程とを有する。
 <第1導電層の形成>
 支持基板1上に第1導電層2を形成する方法は、特に限定されず、例えば公知のスパッタ法、スプレー法などが挙げられる。
 第1導電層2に金属リード線を設ける場合は、例えば、公知のスパッタ法、蒸着法などにより支持基板1上に金属リード線を形成し、得られた金属リード線を含む支持基板1上に第1導電層2を形成する方法、支持基板1上に第1導電層2を形成し、第1導電層2上に金属リード線を形成する方法などを使用することができる。
 スクライブライン3は、第1導電層2をレーザースクライブにより切断することで形成される。
 <発電層の形成>
 -多孔性半導体層の形成-
 第1導電層2上に膜状の多孔性半導体層を形成する方法としては、特に限定されず、公知の方法が挙げられる。具体的には、(1)スクリーン印刷法、インクジェット法などにより、半導体粒子を含有するペーストを第1導電層上に塗布した後、焼成する方法、(2)所望の原料ガスを用いたCVD(化学気相蒸着)法またはMOCVD(有機金属気相成長)法などにより、第1導電層上に成膜する方法、(3)原料固体を用いたPVD(物理気相成長)法、蒸着法、スパッタリング法などにより、第1導電層上に成膜する方法、(4)ゾル-ゲル法、電気化学的な酸化還元反応を利用した方法などにより、第1導電層上に成膜する方法などが挙げられる。これらの方法の中で、厚膜の多孔性半導体層を低コストで成膜できることから、ペーストを用いたスクリーン印刷法が特に好ましい。
 半導体粒子として酸化チタンを用いて、多孔性半導体層を形成する方法の一例は以下の通りであるが、本発明はこれに限定されない。
 まず、チタンイソプロポキシド(キシダ化学株式会社製)125mLを0.1M(mol/L)の硝酸水溶液(キシダ化学株式会社製)750mLに滴下して加水分解をさせ、80℃で8時間加熱することにより、ゾル液を調製する。その後、得られたゾル液をチタン製オートクレーブ中、230℃で11時間加熱して、酸化チタン粒子を成長させ、超音波分散を30分間行うことにより、平均粒径(平均一次粒径)15nmの酸化チタン粒子を含むコロイド溶液を調製する。次いで、得られたコロイド溶液に2倍容量のエタノールを加え、これを回転数5000rpmで遠心分離することにより、酸化チタン粒子を得る。
 なお、本明細書における平均粒径は、XRD(X線回折)の回折ピークから求めた値である。具体的には、XRDのθ/2θ測定における回折角の半値幅とシェラーの式から平均粒径を求める。例えば、アナターゼ型酸化チタンの場合、(101)面に対応する回折ピーク(2θ=25.3°付近)の半値幅を測定すればよい。
 次いで、得られた酸化チタン粒子を洗浄した後、エチルセルロースとテルピネオールを無水エタノールに溶解させたものを加え、攪拌することにより酸化チタン粒子を分散させる。その後、混合液を真空条件下で加熱してエタノールを蒸発させ、酸化チタンペーストを得る。最終的な組成として、例えば、酸化チタン固体濃度20質量%、エチルセルロース10質量%、テルピネオール64質量%となるように濃度を調整する。
 半導体粒子を含有する(懸濁させた)ペーストを調製するために用いる溶剤としては、上記以外にエチレングリコールモノメチルエーテルなどのグライム系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、イソプロピルアルコール/トルエンなどの混合溶剤、水などが挙げられる。
 次いで、上記の方法により半導体粒子を含有するペーストを第1導電層上に塗布し、焼成して多孔性半導体層を得る。乾燥および焼成は、使用する支持基板または半導体粒子の種類により、温度、時間、雰囲気などの条件を適宜調整する必要がある。焼成は、例えば、大気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下、50~800℃程度の範囲内で、10秒~12時間程度で行うことができる。
 -多孔性絶縁層の形成-
 多孔性半導体層上に膜状の多孔性絶縁層4bを形成する方法としては、特に限定されず、公知の方法が挙げられる。具体的には、(1)スクリーン印刷法、インクジェット法などにより、絶縁材料を含有するペーストを多孔性半導体層上に塗布した後、焼成する方法、(2)所望の原料ガスを用いたCVD法またはMOCVD法などにより、多孔性半導体層上に成膜する方法、(3)原料固体を用いたPVD法、蒸着法、スパッタリング法などにより、多孔性半導体層上に成膜する方法、(4)ゾル-ゲル法、電気化学的な酸化還元反応を利用した方法などにより、多孔性半導体層上に成膜する方法などが挙げられる。これらの方法の中で、厚膜の多孔性絶縁層を低コストで成膜できることから、ペーストを用いたスクリーン印刷法が特に好ましい。ペーストの焼成条件は上述の通りである。
 -色素吸着方法-
 多孔性半導体層(発電層)に下記式(1)で表される金属錯体色素を吸着させる方法としては、例えば第1導電層2上に形成された多孔性半導体層を、金属錯体色素を溶解した溶液(色素吸着用溶液)に浸漬する方法が挙げられる。
 色素を溶解させる溶剤としては、色素を溶解するものであればよく、具体的には、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの窒素化合物類、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類、水などが挙げられる。
 1枚の支持基板に、発電層(負極)および対極6(正極)まで積層する場合のように積層膜厚が大きく、色素の分子量が大きい場合などは、色素を溶解する溶剤は、2種類以上を混合して用いることが良く、1種以上の色素の難溶性溶剤と1種以上の可溶性溶剤を混合して用いることで色素吸着速度(状態)を制御することが好ましい。より好ましく用いられるのは1種類以上のニトリル化合物と1種類以上のアルコール類とを含む混合溶剤である。
 溶液中の色素濃度は、使用する色素および溶剤の種類により適宜調整することができるが、吸着機能を向上させるためにはできるだけ高濃度である方が好ましく、例えば、4×10-4モル/リットル以上であればよい。
 光電変換素子において、一般的には、色素吸着量が多ければ多いほど発電層の光吸収が増加することで、例えば発生電流が増加し、発電効率(光電変換効率)が向上する。しかし、後述する本発明に用いる色素の場合、上記に反し、色素吸着量が多すぎても発電効率が低下し、特定量とすることで、発電効率を高めることができる。すなわち、発電層への色素吸着量は、発電層の表面積に対して、1.0×10-8~1.8×10-7mol/cmである。色素吸着量が、上記下限値より少ないと、色素吸着量が十分でなく、光吸収不足により、例えば短絡電流が低下することで、発電効率が低下することがある。一方、上記上限値より多くなると、例えば、色素を介した再結合過程が顕著になることで開放電圧が低下し、発電効率が低下することがある。
 上記所定量の色素吸着量に設定することにより、会合等により引き起こされる金属錯体色素を介したキャリアの再結合を抑制することができ、これにより例えば開放電圧が向上し、しかも高い耐熱耐久性を示す(加熱時に増加するキャリア再結合を抑制する)。
 色素吸着量は、発電効率と耐熱耐久性を高い水準で両立できる点で、5.0×10-8~1.5×10-7mol/cmであることがより好ましい。
 本発明において、発電層の色素吸着量は、後述する方法により、測定できる。
 本発明において、発電層の色素吸着量は、上記のように、多孔性絶縁層を形成する絶縁材料の平均粒径を調整することの他に、多孔性絶縁層の膜厚、色素吸着用溶液の作製条件および溶液組成、色素吸着用溶液への浸漬条件、色素吸着用溶液の浸漬後の処理方法、などによって、所定の範囲に設定できる。
 <対極の形成>
 発電層4上に対極6を形成する方法としては、蒸着法、印刷法などが挙げられる。蒸着法による対極の製膜では、膜自体が多孔質になるため、色素吸着用溶液または電解質材料が移動可能な孔を改めて形成する必要はない。
 対極6に孔を形成する場合は、例えば、レーザー光照射により部分的に蒸発させる方法を用いることができる。
 対極6に触媒能がない場合、対極6のいずれの面に触媒層を形成する方法としては、スクリーン印刷法、蒸着法、CVD法など公知の形成方法を用いることができる。
 <封止材の形成>
 封止材8は、熱融着フィルムまたは紫外線硬化樹脂などを積層体の周囲を囲う形に切り出して作製する。
 封止材8のパターンは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスフリットを使用する場合には、ディスペンサーにより、ホットメルト樹脂を使用する場合には、シート状のホットメルト樹脂にパターニングした穴を開けることにより、形成することができる。
 封止材8は、第1導電層2とカバー層7を貼り合せるようにこれらの間に配置し、加熱または紫外線照射により固定する。
 <電解質の充填>
 電解質(キャリア輸送材料)は、例えば、カバー層7に予め設けてあった電解質注入用孔から注入して電解質充填領域9に充填される。これにより、発電層および対極それぞれが有する空隙の一部または全部に電解質を充填できる。電解質注入孔は、電解質材料の注入後に、例えば紫外線硬化樹脂を用いて、封止する。
<<金属錯体色素>>
 以下に、本発明で使用する色素について、説明する。
 本発明で使用する色素は、下記式(1)で表される金属錯体色素である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 式(1)において、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。これらのうち、アルキル基が好ましい。
 Rとして採り得るアルキル基は、炭素数1~20のアルキル基が好ましく、1~10のアルキル基がより好ましく、1~6のアルキル基がさらに好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、t-ブチル、ペンチル、へキシル、ペンチルなどが挙げられる。アルキル基は置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子が好ましく、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。ハロゲン原子が置換したアルキル基において、ハロゲン原子の置換数は1でも2以上でもよいが、全ての水素原子をハロゲン原子で置換したアルキル基が好ましく、なかでもパーフルオロアルキル基が好ましい。ハロゲン原子が置換したアルキル基としては、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチルなどが挙げられる。
 Rにおけるアルキル基は、ハロゲン原子が置換したアルキル基が好ましく、フッ素原子が置換したアルキル基がより好ましく、なかでもトリフルオロメチルが特に好ましい。
 Rとして採り得るアリール基は、炭素数6~20のアリール基が好ましく、6~12のアリール基がより好ましく、例えば、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。アリール基は置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子が好ましく、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。ハロゲン原子が置換したアリール基において、ハロゲン原子の置換数は1でも2以上でもよい。ハロゲン原子が置換したアリール基は、例えば、4-フルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、パーフルオロフェニル、パークロロフェニルが挙げられる。
 Rは、これらの中でも、水素原子、メチル、トリフルオロメチル、パーフルオロフェニルが好ましく、トリフルオロメチルが特に好ましい。
 Rは、水素原子またはアルキル基を示す。Rとして採り得るアルキル基としては、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、例えば、メチル、エチル、n-ヘキシルなどが挙げられる。Rは水素原子またはメチルが好ましい。
 Rはアルキル基を示す。Rとして採り得るアルキル基としては、炭素数1~12のアルキル基が好ましく、例えば、メチル、エチル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル、n-ドデシルなどが挙げられる。Rは炭素数1~6のアルキル基がより好ましい。
 Gは、下記式(G-1)~(G-4)のいずれかで表される基を示す。式(G-1)~(G-4)で表される基のうち、式(G-1)で表される基が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
 式(G-1)~(G-4)において、XおよびXは、各々独立に、-O-、-S-、-Se-、-N(R)-、-C(R-または-Si(R-を示す。ここで、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。
 なお、*は、ピリジル基(ピリジン環)と結合する位置を示すものである。
 XおよびXは、それぞれ、-O-、-S-、-Se-および-N(R)-から選択される基が好ましく、このうち、XおよびXのいずれかが-S-である場合がより好ましい。
 式(G-1)および(G-2)において、Xは-S-である場合が好ましい。
 式(G-3)および(G-4)において、XおよびXは、-O-および-S-から選択される基がさらに好ましく、いずれも-S-である場合が特に好ましい。
 Rとして採り得るアルキル基は、炭素数1~20のアルキル基が好ましく、1~12のアルキル基がより好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ヘプチル、n-へキシル、2-エチルヘキシル、n-ペンチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ドデシルなどが挙げられる。アルキル基は置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子が好ましく、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。ハロゲン原子の置換数は1でも2以上でもよい。ハロゲン原子が置換したアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピルなどが挙げられる。
 Rとして採り得るアリール基は、炭素数6~20のアリール基が好ましく、6~12のアリール基がより好ましく、例えば、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。アリール基が置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子が好ましく、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。ハロゲン原子の置換数は1でも2以上でもよい。ハロゲン原子が置換したアリール基としては、例えば、4-フルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、パーフルオロフェニル、パークロロフェニルが挙げられる。
 Rは、これらの中でも、水素原子、メチル、ヘキシル、フェニルが好ましい。
 naは、1~3の整数であり、1または2が好ましく、1が特に好ましい。
 Rはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を示す。R、R、RおよびRは各々独立に、水素原子または置換基を示す。
 Rとして採り得るアルキル基は、炭素数1~20のアルキル基が好ましく、2~12のアルキル基がより好ましく、4~12のアルキル基がより好ましく、6~8のアルキル基がさらに好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、t-ブチル、ペンチル、へキシル、2-エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシルが挙げられる。これらのうち、n-ブチル、t-ブチル、へキシル、2-エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシルが好ましく、へキシル、2-エチルヘキシル、オクチルがさらに好ましい。
 Rとして採り得るアルコキシ基は、炭素数1~20のアルコキシ基が好ましく、1~12のアルコキシ基がより好ましく、4~12のアルコキシ基がより好ましく、6~8のアルコキシ基がさらに好ましく、例えば、メトシキシ、エトキシ、プロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、ペントキシ、へキシルオキシ、2-エチルヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシが挙げられる。これらのうち、n-ブトキシ、t-ブトキシ、へキシルオキ、2-エチルヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシが好ましく、ヘキシルオキシ、2-エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシがさらに好ましい。
 Rとして採り得るアルキルチオ基は、炭素数1~20のアルキルチオ基が好ましく、1~12のアルキルチオ基がより好ましく、4~12のアルキルチオ基がより好ましく、6~8のアルキルチオ基がさらに好ましく、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、n-ブチルチオ、t-ブチルチオ、ペンチルチオ、へキシルチオ、2-エチルヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノニルチオ、デシルチオ、ドデシルチオ、オクタデシルチオが挙げられる。これらのうち、n-ブチルチオ、t-ブチルチオ、へキシルチオ、2-エチルヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノニルチオ、デシルチオ、ドデシルチオが好ましく、ヘキシルチオ、2-エチルヘキシルチ、オクチルチオがさらに好ましい。
 Rとして採り得るアミノ基は、アミノ基(-NH)、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、炭素数0~40のアミノ基が好ましく、2~20のアミノ基がより好ましく、8~18のアミノ基がより好ましい。
 アミノ基のうち、アミノ基(-NH)、アルキルアミノ基が好ましく、アルキルアミノ基は、ジアルキルアミノ基が好ましく、例えば、アミノ(-NH)、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジへキシルアミノ、ジヘプチルアミノ、ジオクチルアミノ、ジノニルアミノ、ジデシルアミノ、ジドデシルアミノ、ジオクタデシルアミノが挙げられる。
 これらのうち、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジへキシルアミノ、ジヘプチルアミノ、ジオクチルアミノが好ましく、ジブチルアミノ、ジへキシルアミノがさらに好ましい。
 Rは、上記基の中でも、アルキル基が好ましく、炭素数2~12のアルキル基がより好ましく、炭素数4~12のアルキル基がさらに好ましく、炭素数6~8のアルキル基が特に好ましい。このうち、アルキル基が直鎖アルキル基である場合が好ましい。
 R、R、RおよびRとして採り得る置換基は、ハロゲン原子、アルキル基(好ましくは炭素数1~20のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2~20のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数2~20のアルキニル基)、アリール基(好ましくは6~20のアリール基)、ヘテロ環基(好ましくは、環構成原子として少なくとも1個のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子、セレン原子等)と2~20個の炭素原子を有するヘテロ環、ヘテロ環は芳香族環および脂肪族環を含み、環員数は5員または6員が好ましい。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~20のアルコキシ基)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1~20のアルキルチオ基)、アミノ基(好ましくは炭素数0~40のアミノ基)等が挙げられる。
 R、R、RおよびRは、水素原子および上記の各置換基が好ましく、なかでも水素原子が好ましい。
 式(1)において、AおよびAは、各々独立に、カルボキシ基またはカルボキシ基の塩を表す。
 AおよびAがカルボキシ基の塩である場合、カルボキシ基のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩が挙げられ、カルボキシ基のアンモニウム塩が好ましい。
 アンモニウム塩を形成するアンモニウムは、窒素原子に置換する基が、アルキル基、アラルキル基、アリール基が好ましく、なかでも全てがアルキル基である場合がより好ましい。
 カルボキシ基のアンモニウム塩は、例えば、テトラブチルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウムが挙げられ、テトラブチルアンモニウムがなかでも好ましい。
 AおよびAは、カルボキシ基またはカルボキシ基の塩である場合が好ましく、この場合、特に好ましくはカルボキシ基またはカルボキシ基のアンモニウム塩である。なかでも、AおよびAのうちの少なくとも一つがカルボキシ基である場合が特に好ましい。
 式(1)において、Lは、下記式(A-1)または(A-2)のいずれかで表される基を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 上記各式において、2つ存在する*は、一方がチエニル基、他方がピリジル基と結合する位置を示す。
 上記式(A-2)中のチオフェン環は、置換基を有していてもよい。
 式(1)で表される金属錯体色素は、下記式(2)で表される金属錯体色素表が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 式(2)において、M およびM は、各々独立に、プロトン(H)または対イオンを示し、プロトンまたアンモニウムイオンが好ましい。なかでも、M およびM のうちの少なくとも一つがプロトンである場合が特に好ましい。
 アンモニウムイオンとしては、前述のカルボキシ基のアンモニウム塩で挙げたアンモニウムが挙げられる。なかでも、テトラブチルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウムが好ましく、テトラブチルアンモニウムが特に好ましい。
 R101は、アルキル基を示し、Rとして採り得るアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
 なかでも、R101として採り得るアルキル基は、炭素数2~12のアルキル基が好ましく、炭素数4~12のアルキル基がより好ましい。
 R101として採り得るアルキル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、t-ブチル、ペンチル、へキシル、2-エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシルが挙げられ、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-へキシル、2-エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ドデシルが好ましい。
 Lは、下記式(A-1)または(A-2)のいずれかで表される基を示し、式(1)におけるLと同義であり、好ましい範囲も同じである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 上記各式において、2つ存在する*は、上記式(2)中の、一方がチエニル基、他方がピリジル基と結合する位置を示す。
 RおよびRは、それぞれ、式(1)におけるRおよびRと、同義であり、好ましい範囲も同じである。
 以下に、本発明の式(1)で表される金属錯体色素の好ましい具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
 下記具体例において、L欄中の(A-1)は上記式(A-1)で表される基を示し、(A-2)は上記式(A-2)で表される基を示す。また、M およびM のいずれかが対イオンである場合、便宜上、M を対イオンとして表したが、M がプロトンでM が対イオンである場合も包含する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 式(1)で表される金属錯体色素は、通常のRu金属錯体色素を合成する方法に準拠して合成できる。式(1)で表される金属錯体色素の合成方法を、実施例において、金属錯体色素Dye21などを例にして、具体的に示す。実施例で合成した金属錯体色素以外の金属錯体色素についても、実施例において示した具体的な合成方法に準じて合成できる。
<金属錯体色素の合成例>
 以下の合成例により金属錯体色素の合成法を詳しく説明するが、出発物質、色素中間体および合成ルートについてはこれにより限定されるものではない。
 本明細書において、室温とは25℃を意味する。
(金属錯体色素Dye21の合成)
 以下のスキームに従って、金属錯体色素Dye21を合成した。
 下記スキームにおいて、TMSはトリメチルシリルを表し、Etはエチルを表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
(i)化合物(21-1)の合成
 1.73g(7mmol)の2-ブロモ-3-ヘキシルチオフェンと1.94mL(14mmol)のトリメチルシリルアセチレンと53mgのジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)と26.7mgのヨウ化銅(I)とトリエチルアミン3.9mLの混合物に、テトラヒドロフラン(THF)20mLを加え、減圧および窒素ガス置換を三回繰り返して、脱気した。そこへ、51μLのトリt-ブチルホスフィンを加え、混合物を室温で撹拌することにより、19時間反応させた。得られた反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液および酢酸エチルを加え、反応生成物を抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムをろ過して、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)により精製して、化合物(21-1)を1.3g(収率70%)得た。
化合物(21-1)の同定
 MS(ESI)m/z:265.1([M+H]
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm):0.23(9H,s)、0.88(3H,t)、1.25-1.35(6H,m)、1.55-1.65(2H,m)、2.68(2H,t)、6.80(1H,d)、7.09(1H,d)
(ii)化合物(21-3)の合成
 1.06g(4mmol)の化合物(21-1)と1.13g(4mmol)の化合物(21-2)との混合物にトルエン50mLを加え、減圧および窒素ガス置換を三回繰り返して、脱気した。そこへ、230mg(0.2mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)と、228mg(1.2mmol)のヨウ化銅(I)と、トリエチルアミン1.84mLと、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液)4mLを加え、混合物を室温で撹拌することにより、22時間反応させた。得られた反応液に飽和塩化ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え、反応生成物を抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムをろ過して、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=1/9~1/6)により精製して、化合物(21-3)を1.27g(収率91%)得た。
化合物(21-3)の同定
 MS(ESI)m/z:348.0([M+H]
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm):0.88(3H,t)、1.25-1.40(6H,m)、1.55-1.70(2H,m)、2.74(2H,t)、6.90(1H,d)、7.23-7.31(2H,m)、7.52(1H,d)、8.32(1H,d)
(iii)化合物(21-5)の合成
 0.836g(2.4mmol)の化合物(21-3)をトルエン20mLに溶解し、得られた溶液を、減圧および窒素ガス置換を三回繰り返して、脱気した。そこへ、139mg(0.12mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)と、0.944g(2.88mmol)のヘキサメチル二スズとを加え、混合物を加熱還流することにより、4.5時間反応させた。得られた反応液を室温まで放冷し、セライトろ過により不溶物を除去し、さらに濃縮した。濃縮残渣にトルエン20mLと、0.758g(2mmol)の化合物(21-4)とを加え、得られた混合液を、減圧および窒素ガス置換を三回繰り返して、脱気した。そこへ、139mg(0.12mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加え、得られた混合物を加熱還流することにより、3時間反応させた。得られた反応液を放冷し、セライトろ過により不溶物を除去し、濃縮して、粗体を得た。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=1/9~1/4)により精製し、塩化メチレン/メタノール混合液から再結晶させて、化合物(21-5)を0.67g(収率59%)得た。
化合物(21-5)の同定
 MS(ESI)m/z:568.2([M+H]
 H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS))による化学シフトσ(ppm)=0.83(3H,t)、1.22-1.42(6H,m)、1.45(6H,q)、1.68-1.76(2H,m)、2.82(2H,t)、4.46(4H,t)、6.90(1H,d)、7.23-7.31(2H,m)、7.42(1H,d)、7.91(1H,d)、8.68(1H,s)、8.72(1H,d)、8.88(1H,d)、9.01(2H,s)9.12(1H,d)
(iv)化合物(21-6)の合成
 0.5gの化合物(21-5)と、240mgのRuCl・xHOと、エタノール50mLとを、200mLナスフラスコに入れ、外温100℃にて5.5時間加熱攪拌した。得られた反応液を室温に戻し、ろ過、乾燥することで化合物(21-6)を0.615g得た。
(v)化合物(21-8)の合成
 0.615gの化合物(21-6)と、0.301gの化合物(21-7)と、トリプロピルアミン0.75mLと、ジグリム8mLとを、200mLナスフラスコに投入し、外温130℃にて4時間加熱攪拌した。得られた反応液を室温に戻した後、減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/塩化メチレン=1/20~1/10)により精製して、化合物(21-8)を0.500g得た。
化合物(21-8)の同定
 MS(ESI)m/z:1083.2([M+H]
(vi)化合物(21-9)の合成
 0.50gの化合物(21-8)と、0.176gのNHSCNと、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)6mLと、蒸留水0.6mLとを、ナスフラスコに投入し、外温100℃にて4時間加熱攪拌した。得られた反応液を室温に戻し、減圧濃縮した後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/塩化メチレン=1/50)により精製することで、化合物(21-9)を0.51g得た。
化合物(21-9)の同定
 MS(ESI)m/z:1106.2([M+H]
(vii)金属錯体色素Dye21の合成
 0.51gの化合物(21-9)と、3NのNaOH水溶液1.54mLと、THF15mLと、メタノール15mLとを、ナスフラスコに投入し、室温にて1.5時間攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮した後、メタノール40mLを加え、トリフルオロメタンスルホン酸のメタノール溶液で酸性に調整し、析出した結晶をろ取し、超純水で洗浄し、乾燥して、金属錯体色素Dye21を0.345g得た。
金属錯体色素Dye21の同定
 MS(ESI)m/z:1050.2[M+H]
(金属錯体色素Dye22の合成)
 金属錯体色素Dye21を1当量のテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノールに溶解し、溶媒のメタノールを濃縮乾固し、減圧乾燥し、金属錯体色素Dye22を合成した。
(金属錯体色素Dye51の合成)
 以下のスキームに従って、金属錯体色素Dye51を合成した。
 下記スキームにおいて、BPinはボロン酸ピナコールエステルを表し、Buはブチルを表し、Etはエチルを表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
(i)化合物(3-2)の合成
 500mLの3つ口フラスコに、THF(200mL)、化合物(3-1)(10g)を入れ、窒素雰囲気下で-40℃に冷やした。そこに、リチウムジイソプロピルアミド(LDA、2.0当量)を加え、混合液を-40℃で30分攪拌した。その後、p-トルエンスルホン酸メチル(MeOTs、16.6g、2.2当量)を加え、室温で3時間攪拌した。得られた溶液にHOを50mL入れ、ヘキサンで反応生成物を抽出した。有機相を濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(3-2)を12.1g得た。
(ii)化合物(3-4)の合成
 500mLの3つ口フラスコに、THF(160mL)、HO(16mL)、化合物(3-2)(14g)、化合物(3-3)(13.5g)、Chloro[(tri-tert-butylphosphine)-2-(2-aminobiphenyl)] palladium(II)(0.82g)およびKPO(17g)を入れ、混合物を窒素雰囲気下にて加熱還流した。得られた溶液を室温に戻し、セライトろ過し、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(3-4)を14.2g得た。
(iii)化合物(3-6)の合成
 500mLの3つ口フラスコに、化合物(3-4)(12g)およびTHF(150mL)を入れ、窒素雰囲気下で-78℃に冷却した。そこにn-BuLi(1.6Mヘキサン溶液、35mL)を加え、混合液を-78℃で15分攪拌した。その後、混合液にBuSnCl(13mL)を加えて、室温にて攪拌した。得られた溶液を塩化アンモニウムで中和し、酢酸エチルで反応生成物を抽出した。有機相を濃縮して、化合物(3-5)を得た。
 得られた化合物(3-5)、化合物(2-2)(10.7g)、Pd(PPh(2.1g)およびトルエン(150mL)を、500mLのナスフラスコに入れ、混合物を窒素雰囲気下110℃で攪拌した。得られた溶液を室温に戻し、濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(3-6)を14g得た。
(iv)化合物(3-7)の合成
 300mLの3つ口フラスコに、化合物(3-6)(6g)、トルエン(100mL)、Pd(PPh(1.6g)およびMeSnSnMe(3.6mL)を入れ、混合物を窒素雰囲気下で3時間加熱還流した。得られた溶液を室温に戻し、HOを50mL加えて、セライトろ過した。反応生成物をトルエンで抽出した。有機相を濃縮し、濃縮残渣を50℃にて乾燥した。得られたSn体を300mLの3つ口フラスコに入れ、さらに、トルエン(100mL)、Pd(PPh(1.6g)および化合物(1-7)(5.4g)を入れ、混合物を窒素雰囲気下で2時間加熱還流した。得られた溶液を室温に戻し、濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(3-7)を5.5g得た。
 得られた化合物(3-7)のH-NMRスペクトル(400MHz、溶媒:CDCl、内部基準物質:TMS)を図3に示す。
(v)化合物(3-8)の合成
 50mLのナスフラスコに、化合物(3-7)(2g)、塩化ルテニウム(0.82g)およびエタノール(30mL)を入れ、混合物を窒素雰囲気下で3時間加熱還流した。沈殿物をろ取し、エタノールで洗浄して、化合物(3-8)を2.4g得た。
(vi)化合物(3-9)の合成
 50mLのナスフラスコに、化合物(3-8)(0.5g)、化合物(2-10)(0.22g)、diglyme(ジエチレングリコールジメチルエーテル、10mL)、トリプロピルアミン(0.6mL)を入れ、混合物を窒素雰囲気下にて130℃に加熱したバスに漬け、3時間加熱した。反応混合物を室温に戻した後に濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(3-9)を0.36g得た。
(vii)化合物(3-10)の合成
 100mLの3つ口フラスコに、化合物(3-9)(0.36g)、チオシアン酸アンモニウム(0.24g)、DMF(40mL)およびHO(4mL)を入れ、混合物を100℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に戻した後、濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(3-10)を0.25g得た。
(viii)金属錯体色素Dye51の合成
 100mLのナスフラスコに、化合物(3-10)(250mg)、DMF(44mL)および1NのNaOH水溶液(2.2mL)を入れ、混合物を室温で反応させた。得られた溶液にTfOH(トリフルオロメタンスルホン酸)を加え、pHを2.9に調整した。析出物をろ取し、超純水で洗浄して、金属錯体色素Dye51を227mg得た。
金属錯体色素Dye51の同定
 MS(ESI)m/z:1122([M+H]
(金属錯体色素Dye52の合成)
 金属錯体色素Dye51を1当量のテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノールに溶解し、溶媒のメタノールを濃縮乾固し、減圧乾燥し、金属錯体色素Dye52を合成した。
 金属錯体色素Dye52のH-NMRスペクトル(400MHz、溶媒:DMSO-d6(ジメチルスルホキシド-d6)、内部基準物質:TMS)を図4に示す。
 金属錯体色素Dye23、Dye24、Dye25、Dye26についても同様に合成した。
<実施例1~7>
 以下に示す方法で図2に示す光電変換モジュール20を作製した。
 ガラスからなる支持基板上1に、フッ素ドープのSnO膜からなる第1導電層2が成膜された、70mm×70mm×厚さ4mmのガラス基板(日本板硝子社製、SnO膜付ガラス)を用意した。
(i)第1導電層2(透明導電層)の切断
 第1導電層2にレーザー光(YAGレーザー、基本波長:1.06μm、西進商事株式会社製)を照射しSnOを蒸発させ、7本の線状のスクライブ加工を行った。
(ii)多孔性半導体層4aの作製
 市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、商品名Ti-Nanoxide D/SP、平均粒径13nm)を、スクリーン印刷機LS-34TVA(ニューロング精密工業社製)により、上記ガラス基板の第1導電層2上に、7つの矩形がスクライブライン3を挟むように印刷した。次に、300℃で30分間予備乾燥し、次いで500℃で40分間焼成し、これらの工程を2度行った。その結果、多孔性半導体層4aとして、膜厚12μmの酸化チタン膜を得た。
(iii)多孔性絶縁層4bの作製
 酸化ジルコニウムの微粒子(平均粒径100nm、シーアイ化成株式会社製)をテルピネオールに分散させ、さらにエチルセルロースを混合してペーストを調製した。
 実施例1~6においては、上記のようにして調製した酸化ジルコニウムペーストを、上記印刷機LS-34TVA(ニューロング精密工業社製)を用いて、上記酸化チタン膜上に、図2に示されるように酸化チタン膜からスクライブライン3まで到達するように、印刷を行い、300℃で30分間予備乾燥し、次いで500℃で40分間焼成し、多孔性絶縁層4bとして、膜厚6μmの酸化ジルコニウム膜を作製した。
 実施例7においては、上記酸化ジルコニウムペーストの代わりに酸化チタンペースト(日揮触媒化成株式会社製、平均粒径400nm程度)を用いて、上記酸化ジルコニウム膜の作製と同様にして、多孔性絶縁層4bとして膜厚6μmの酸化チタン膜を作製した。
 上記の各平均粒径は、電子顕微鏡(SEM)(VE-8800、株式会社キーエンス社製)観察にて確認した。
(iv)対極導電層6の作製
 蒸着機(機種名:ei-5、アルバック社製)を用い、上記多孔性絶縁層上に白金からなる膜(触媒層6a)を0.01nm/sで形成した。膜厚は100nmであった。次いで、同様に、蒸着機(機種名:ei-5、アルバック社製)を用い、上記白金からなる膜上に0.5nm/sでチタンからなる膜(第2導電層6b)を形成した。膜厚は1000nmであった。
 このようにして、支持基板1の表面上に、第1導電層2、金属錯体色素を未吸着の発電層4および対極6をこの順で積層した積層体を形成した。
(v)下記式(1)で表される金属錯体色素の吸着
 次いで、表1に示す金属錯体色素を含有する色素吸着用溶液に、上記で作製した積層体を室温で60時間浸漬した。その後、積層体をエタノールで洗浄してから約60℃で約5分間乾燥させた。これにより、発電層4に金属錯体色素を吸着させた。
 ここで、色素吸着用溶液は、金属錯体色素の濃度が4×10-4mol/Lとなるように、アセトニトリル:t-ブタノール=1:1に溶解して調製した。
(vi)電解質の作製
 3-メトキシプロピオニトリル(Aldrich製)に、濃度が0.15mol/Lとなるようにヨウ素(Aldrich製)を添加し、濃度が0.8mol/Lとなるようにジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII、四国化成製)を添加し、濃度が0.1mol/Lとなるようにグアニジンチオシアナート(Aldrich製)、濃度が0.5mol/LとなるようにN-メチルベンズイミダゾール(Aldrich製)を添加し、スタラーで30分間撹拌して、電解質を作製した。
(vii)光電変換モジュールの作製
 各金属錯体色素を発電層4に吸着させた上記積層体に別途用意したカバーガラス(カバー7)を重ねた。その後、これらの側面を樹脂3035B(スリーボンド社製)でシールした。その後、カバーガラスに形成した穴より電解質を注入し、各電極にリード線を取り付けて、図2に示す光電変換モジュール20(光電変換素子10を7個直列に接続したもの)を得た。
 シール(樹脂3035B)の塗布は、卓上型塗布ロボット(SM400DS-S、武蔵エンジニアリング社製)を用いて、行った。塗布条件は、咄出圧力=120KPa、塗布速度=10mm/sとした。
 作製した光電変換モジュール20において、各層の膜厚は、触針式表面形状測定器(Dektak150、ULVAC社製)を用いて、触針半径12.5μm、触針圧=3.0mg、水平分解能=0.5μm/sampleの条件で、測定した。
<比較例1および2>
 比較例1では下記に示すS-1色素、比較例2では下記のS-2色素を、上記金属錯体色素に代えて用いた以外は、実施例1と同様にして光電変換モジュールを作製した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 上記のようにして作製した実施例1~7および比較例1、2の各光電変換モジュールについて、その色素吸着量および特性を以下の試験方法で評価した。得られた結果をまとめて下記表1に示す。
(色素吸着量)
 光電変換モジュールの色素吸着量の測定は、以下のように行った。
 カバーガラスをモジュール基板である透明導電膜付(TCO)ガラスから分離し、モジュール基板をアセトニトリル溶液の中に浸漬して揺動させることにより、含有する電解液を多孔体(空隙)から取り除いた。
 次に、このモジュール基板を下記の濃度調整液(25℃)に24時間浸漬した。分解素子を濃度調整液から取り出し、この液を、分光光度計(型式:UV-1800、株式会社島津製作所社製)にて、極大吸収波長の吸光度を測定した。測定した吸光度から、下記検量線を用いて、吸着量を算出した。このようにして算出した吸着量を、発電層の投影面積1cm当たりの吸着量に換算して、色素吸着量(mol/cm)とした。
 ここで、発電層の投影面積は、平面形状が方形の発電層4に対し、上面に対して垂直方向から平行な光で照射したときの投影面積であり、映った投影の縦の長さおよび横の長さを、ノギスを用いて計測し、縦の長さと横の長さを掛け合わせることで算出した。
 検量線は次のようにして作成した。
 テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAOH)の40%水溶液(シグマ-アルドリッチ社製:Tetrabutylammonium hydroxide solution, technical, ~40% in HO)を用いて、TBAOHの濃度が0.1Mになるようにメタノールを加えてに調整した。この濃度調整液に、測定対象の金属錯体色素を任意の濃度(0.02mM、0.04mM、0.06mM、0.08mMおよび0.10mM)で溶解させ、これら各溶液を上記分光光度計にて測定し、極大吸収波長の吸光度を用いて、金属錯体色素濃度と極大吸収波長の吸光度と関係を表す検量線を作成した。
(電池特性試験)
 光電変換モジュールについて、電池特性試験を行い、光電変換効率ηを測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター「PEC-L15」(ペクセル・テクノロジーズ社製)を用いて、AM1.5フィルターを通したキセノンランプから1000W/mの疑似太陽光を、各光電変換モジュールに、照射することにより行った。光電変換効率(η/%)は、ソースメーター「Keithley2401」(テクトロニクス社製)を用いて、擬似太陽光を照射した各光電変換モジュールの電流-電圧特性を測定することにより、求めた。
(耐熱耐久性試験)
 耐熱耐久性試験として、光電変換モジュールを85℃の恒温槽内に200時間保持して、光電変換モジュールの光電変換効率の時間変化を測定し、光電変換効率の劣化率を求めた。
 光電変換効率の劣化率は、下記式に従って算出した。光電変換効率の劣化率が低いほど、熱による光電変換効率の低下が抑制されている(耐熱耐久性に優れる)ことを意味する。
 下記式において、光電変換モジュールを85℃の恒温槽内に200時間保持した後における光電変換効率をη200hr、光電変換モジュールを85℃の恒温槽内に保持する前の光電変換効率をηで表す。
 光電変換効率の劣化率=(η-η200hr) ÷ η × 100
 下記表1において、光電変換効率ηを「Effi.」、光電変換効率の劣化率を「性能低下率」として示した。
 また、上記電池特性試験において測定された、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)およびフィルファクタ(FF)の結果も、併せて、表1に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000021
 表1の結果から、本発明は、上記式(1)で表される金属錯体色素を特定の吸着量で発電層に吸着させることにより、光電変換効率と耐熱耐久性をともに向上できることがわかった。
<実施例8~10>
 実施例1において、多孔性絶縁層の膜厚を、3μm、6μm、12μmに設定して、金属錯体色素の吸着量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例8~10の光電変換モジュールをそれぞれ作製した。
 また、実施例1において、多孔性絶縁層の膜厚を、0μm(未形成)、1.5μm、15μm、20μmに設定して、金属錯体色素の吸着量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例3~6の光電変換モジュールをそれぞれ作製した。
 作製した実施例8~10および比較例3~6の各光電変換モジュールについて、実施例1と同様にして、電池特性試験および耐熱耐久性試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000022
 表2の結果から、次のことがわかった。すなわち、多孔性絶縁層の膜厚を3~12μmとすると、金属錯体色素の吸着量を所定の範囲に設定でき、そのため、光電変換効率と耐熱耐久性をともに高い水準まで向上できた。これに対して、多孔性絶縁層の膜厚を1.5μm以下とすると、金属錯体色素の吸着量が多すぎて、電池特性(特に開放電圧)が低下した。一方、多孔性絶縁層の膜厚を15μm以上とすると、金属錯体色素の吸着量が少なすぎて、電池特性(特に短絡電流密度)と耐熱耐久性がともに低下した。
 本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
 本願は、2016年3月4日に日本国で特許出願された特願2016-042561に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
 1 支持基板
 2 第1導電層
 3 スクライブライン
 4 発電層
  4a 多孔性半導体層
  4b 多孔性絶縁層
 6 対極(対極導電層)
  6a 触媒層
  6b、 第2導電層
 7 カバー層
 8 封止材
 9 電解質充填領域(電解質)
 10 光電変換素子
 20 光電変換モジュール

Claims (13)

  1.  支持基板上に、導電層と、金属錯体色素が吸着した発電層と、対極とをこの順で有する光電変換素子であって、前記発電層および前記対極がそれぞれ有する空隙の一部または全部に電解質を有し、前記金属錯体色素の吸着量が1.0×10-8~1.8×10-7mol/cmであり、前記金属錯体色素が下記式(1)で表される光電変換素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
     式(1)において、Gは下記式(G-1)~(G-4)のいずれかで表される基を表す。AおよびAは各々独立にカルボキシ基またはカルボキシ基の塩を示す。Lは下記式(A-1)または(A-2)のいずれかで表される基を示す。Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。Rは水素原子またはアルキル基を示す。Rはアルキル基を示す。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
     式(G-1)~(G-4)において、XおよびXは各々独立に、-O-、-S-、-Se-、-N(R)-、-C(R-または-Si(R-を示す。ここで、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。naは1~3の整数である。Rはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を示す。R、R、RおよびRは各々独立に水素原子または置換基を示す。*はピリジル基と結合する位置を示す。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
     前記式(A-1)および(A-2)それぞれにおいて、2つ存在する*は、一方がチエニル基、他方がピリジル基と結合する位置を示す。
  2.  前記Gが、前記式(G-1)で表される請求項1に記載の光電変換素子。
  3.  前記金属錯体色素が、下記式(2)で表される請求項1または2に記載の光電変換素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
     式(2)において、M およびM は各々独立にプロトンまたは対イオンを示す。Lは下記式(A-1)または(A-2)のいずれかで表される基を示す。R101はアルキル基を示す。Rは水素原子またはアルキル基を示す。Rはアルキル基を示す。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
     前記式(A-1)および(A-2)それぞれにおいて、2つ存在する*は、一方がチエニル基、他方がピリジル基と結合する位置を示す。
  4.  前記R101が、炭素数2以上12以下のアルキル基である請求項3に記載の光電変換素子。
  5.  前記発電層が、多孔性半導体層を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6.  前記発電層が、多孔性半導体層と多孔性絶縁層の積層体を含む請求項1~5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7.  前記多孔性絶縁層の膜厚が、3~12μmである請求項6に記載の光電変換素子。
  8.  前記多孔性絶縁層が、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムおよび酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種の絶縁材料からなる請求項6または7に記載の光電変換素子。
  9.  前記酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの平均粒径が50~300nm、または、前記酸化チタンの平均粒径が100~600nmである請求項8に記載の光電変換素子。
  10.  前記多孔性半導体層が、平均粒径が5~50nmである半導体材料で形成されてなる請求項5~9のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  11.  前記対極が、触媒層および導電層を含む請求項1~10のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  12.  前記対極が含む前記導電層が、チタン、モリブデン、ニッケルおよびカーボンの少なくとも1種を含む請求項11に記載の光電変換素子。
  13.  請求項1~12のいずれか1項に記載の光電変換素子を複数接続した光電変換モジュール。
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