JP2004247105A - 色素増感光電変換素子及びそれを用いた光電池 - Google Patents

色素増感光電変換素子及びそれを用いた光電池 Download PDF

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次郎 塚原
Keizo Ogawa
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Abstract

【課題】酸化チタン以外の酸化物半導体を主成分とする半導体微粒子を有する色素増感光電変換素子及びそれを用いた光電池を提供する。
【解決手段】少なくとも導電層、感光層、電荷輸送層及び対極導電層がこの順に積層されてなり、上記感光層は色素によって増感した半導体微粒子と上記半導体微粒子間の空隙に浸透した電荷輸送材料とから構成されている色素増感光電変換素子であって、上記半導体微粒子は3価元素と5価元素の混合酸化物を主成分とする色素増感光電変換素子。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は色素増感光電変換素子及びそれを用いた光電池に関し、詳しくは色素増感された酸化物を含む色素増感光電変換素子及びそれを用いた光電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
光電変換素子は各種光センサー、複写機、光発電装置等に用いられている。光電変換素子は金属を用いたもの、半導体を用いたもの、有機顔料や色素を用いたもの、これらを組み合わせたもの等の様々な方式により実用化されている。
【0003】
例えば色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子(以下「色素増感光電変換素子」と呼ぶ。)、並びにこれを作製するための材料及び製造技術が開示されている(例えば特許文献1〜9及び非特許文献1〜3参照。)。色素増感光電変換素子の利点は酸化チタン微粒子を用いることができるため、安価な光電変換素子を提供できる点にある。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第4927721号明細書
【特許文献2】
米国特許第4684537号明細書
【特許文献3】
米国特許第5084365号明細書
【特許文献4】
米国特許第5350644号明細書
【特許文献5】
米国特許第5463057号明細書
【特許文献6】
米国特許第5525440号明細書
【特許文献7】
国際公開第98/50393号パンフレット
【特許文献8】
特開平7−249790号公報
【特許文献9】
特表平10−504521号公報
【非特許文献1】
「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・セラミック・ソサイエティ(Journal of the American Ceramic Society)」, 1997年, 第80巻, 第3157頁〜第3171頁
【非特許文献2】
「アカウンツ・オブ・ケミカル・リサーチ(Accounts of Chemical Research)」, 2000年, 第33巻, 第269頁〜第277頁
【非特許文献3】
「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of the American Chemical Society)」, 1993年, 第115巻, 第6832頁
【非特許文献4】
バーンサイド(S.D.Burnside)等著, 「ケミストリー・オブ・マテリアルズ(Chemistry of Materials)」, 1998年, 第10巻, 第9号, 第2419頁〜第2425頁
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら酸化チタンは、よく知られているように光触媒としての機能を有し、光の照射によって吸着色素が分解されるという本質的な問題を有する。このため酸化チタン以外の酸化物を用いた色素増感光電変換素子の開発が求められている。
【0006】
従って本発明の目的は、酸化チタン以外の酸化物半導体を主成分とする半導体微粒子を有する色素増感光電変換素子及びそれを用いた光電池を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、半導体微粒子の主成分を3価元素と5価元素の混合酸化物とすることにより、酸化チタン以外の酸化物半導体を主成分とする半導体微粒子を有する色素増感光電変換素子が得られることを発見し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、本発明の色素増感光電変換素子は、少なくとも導電層、感光層、電荷輸送層及び対極導電層がこの順に積層されてなり、前記感光層は色素によって増感された半導体微粒子と前記半導体微粒子間の空隙に浸透した電荷輸送材料とから構成されており、前記半導体微粒子は3価元素と5価元素の混合酸化物を主成分とすることを特徴とする。
【0009】
前記混合酸化物は下記一般式(1):
(TVA)x(PVA)yOz ・・・(1)
(但しTVAは3価元素を表し、PVAは5価元素を表し、Oは酸素を表す。x及びyは0より大きく1より小さい数を表し、xとyの和は1である。zは下記式z=1.5x + 2.5yにより定義される数である。)により表されるものが好ましい。
【0010】
前記3価元素は周期表第3族元素及び第13族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましく、周期表第3族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのがより好ましく、スカンジウムであるのが最も好ましい。
【0011】
前記5価元素は周期表第5族元素及び第15族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましく、周期表第5族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのがより好ましく、バナジウムであるのが最も好ましい。
【0012】
前記混合酸化物は水溶性のスカンジウム塩及び水溶性のバナジン酸塩を水中で混合した後、加熱することにより調製したスカンジウム−バナジウム混合酸化物であるのが好ましい。
【0013】
前記色素はルテニウム錯体色素であるのが好ましい。
【0014】
本発明の色素増感光電変換素子は光電池用の光電変換素子として有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】
[1] 混合酸化物
本発明の色素増感光電変換素子は、色素によって増感された半導体微粒子が3価元素と5価元素の混合酸化物を主成分とすることを特徴とする。3価元素と5価元素の混合酸化物とは1つの結晶中に3価元素と5価元素を両方とも含む固溶体酸化物を指し、3価元素の酸化物と5価元素の酸化物との単なる混合物ではない。このような混合酸化物における3価元素と5価元素の混合比は任意の値を取ることができるので、混合酸化物は下記一般式(1):
(TVA)x(PVA)yOz ・・・(1)
により表す事ができる。一般式(1)中TVAは3価元素を表し、PVAは5価元素を表し、Oは酸素を表す。x及びyは0より大きく1より小さい数を表し、xとyの和は1である。zは下記式(2):
z=1.5x + 2.5y ・・・(2)
により定義される数である。
【0016】
次に一般式(1)について詳細に説明する。TVAにより表される3価元素及びPVAにより表される5価元素は、それぞれ単一元素であってもよいし、2種元素以上の混合物からなっても良い。3価元素の典型的な例は周期表第3族及び第13族に属する元素であり、具体的にはスカンジウム、イットリウム、ランタン及びランタノイド、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム並びにタリウムである。5価元素の典型的な例は周期表第5族及び第15族に属する元素であり、具体的にはバナジウム、ニオブ、タンタル、窒素、リン、砒素、アンチモン及びビスマスである。これらのうち3価元素としては第3族元素が好ましく、スカンジウムが特に好ましい。5価元素としては第5族元素が好ましく、バナジウムが特に好ましい。3価元素と5価元素の組み合わせとしては第3族元素と第5族元素の組み合わせが好ましく、スカンジウムとバナジウムとの組み合わせが特に好ましい。xは3価元素の比率を表し、yは5価元素の比率を表し、ともに0.2 〜0.8であるのが好ましく、0.4 〜0.6であるのが特に好ましく、0.48 〜0.52であるのが最も好ましい。一般式(1)により表される混合酸化物は、本発明の効果を損なわない限り不純物元素を含有していても良い。
【0017】
以下好ましく用いられる3価元素と5価元素の混合酸化物の具体例を示す。混合酸化物の代表例はx=y=0.5の化合物であり、例えばScVO、YVO、LaVO、NdVO、EuVO、GdVO、ScNbO、ScTaO、YNbO、YTaO、ScPO、ScAsO、ScSbO、ScBiO、YPO、YSbO、BVO、AlVO、GaVO、InVO、TlVO、InNbO、InTaO等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。なお上記代表例における混合酸化物の表記法は一般式(1)に従う(TVA)0.5(PVA)0.5ではなく、一般式(1)に準じる(TVA) (PVA)Oを用いている。
【0018】
本発明では混合酸化物を微粒子の形態で使用する。混合酸化物微粒子はXRD法によって測定される結晶子サイズが5〜50nmの超微粒子であるのが好ましい。混合酸化物微粒子は、そのような超微粒子を1次粒子とする2次粒子であってもよい。
【0019】
以下好ましく用いられる3価元素と5価元素の混合酸化物の合成法について説明する。3価元素と5価元素の混合酸化物の合成法としては例えば焼成法、ゾル−ゲル法等が挙げられる。これらのうち合成法としてはゾル−ゲル法が好ましい。焼成法は3価元素の酸化物と5価元素の酸化物を混合した後に乳鉢等で十分に粉砕/混合し、次いで電気炉等を用いて焼成する方法である。焼成温度は通常400 〜2000 ℃である。焼成法による具体的な合成例は、例えばジャーナル・オブ・フォトケミストリー・アンド・フォトバイオロジー(A)ケミストリー, 第148巻, 第79頁〜第83頁(2002年)に記載されている。混合酸化物を一層均質にするために焼成と粉砕を2回以上繰り返しても良い。
【0020】
ゾル−ゲル法は3価元素を含む無機又は有機化合物の溶液と、5価元素を含む無機又は有機化合物の溶液とを混合し、加水分解・縮合を進ませることにより、混合酸化物を微粒子分散物として得る方法である。ゾル−ゲル法については数々の成書がある[例えば作花済夫著「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1988年発行)]。溶媒は少なくとも水を含有するものであり、水又は水を含むアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)が好ましい。上記両溶液の混合に際しては、上記両溶液を一気に混合してもよいし、上記両溶液を同時に滴下する方法を用いてもよいが、十分に攪拌する。少なくとも全液を混合し終えるまでは、室温で攪拌するのが好ましい。上記両溶液を混合した後、加熱するのが好ましい。加熱することにより混合酸化物の結晶性を高めたり、粒子の成長を促進したりすることができる。加熱する際には圧力容器を用いるのが好ましい。圧力容器の例としてはステンレス製オートクレーブ、チタン製オートクレーブ、内のりがチタン又はテフロン(登録商標)のステンレス製オートクレーブ等が挙げられる。オートクレーブは撹拌装置が付属しているものが好ましい。オートクレーブを用いる場合の加熱温度は通常100℃〜300℃であり、加熱時間は通常1〜50時間である。
【0021】
3価元素又は5価元素を含む無機又は有機化合物としては、これらの元素を含む硝酸塩、塩化物、オキシ塩化物、アルコキシド、アセチルアセトナート、酢酸塩、シュウ酸塩、臭化物等が挙げられる。3価元素を含む化合物の例として、硝酸スカンジウム水和物、硝酸ガリウム水和物、硝酸インジウム水和物、硝酸イットリウム水和物、塩化スカンジウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化イットリウム、スカンジウムイソプロポキシド、硝酸アルミニウム、硝酸ネオジム、インジウムエトキシド、イットリウムイソプロポキシド等を挙げることができる。5価元素を含む化合物としては、オルトバナジン酸ナトリウム、オルトニオブ酸エチル、塩化ニオブ、塩化タンタル、ヒ酸(砒酸)アンモニウム、アンチモン酸ナトリウム、ビスマス酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0022】
ゾル−ゲル反応時には、必要に応じて触媒を用いることができる。加水分解用の触媒としては一般に酸が用いられるが、無機酸又は有機酸のいずれでもよい。無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、亜燐酸等を挙げることができる。有機酸化合物としてはカルボン酸、スルホン酸、燐酸・ホスホン酸、ルイス酸(アルミン酸等)、ヘテロポリ酸等を挙げることができる。触媒としてアンモニアを代表とするアルカリを用いることもできる。
【0023】
合成により得られた微粒子分散物を後処理により濃縮又は溶媒置換する。使用目的に応じて最終的には乾燥粉末、水分散液、水分散ペースト、有機溶媒分散液、有機溶媒分散ペースト等を調製する。濃縮には、静置又は遠心分離後デカンテーションを行う方法、水の減圧留去による方法等を用いることができる。溶媒置換には、一般に遠心分離、デカンテーション及び溶媒添加からなる操作を繰り返す方法を用いる。ペーストを得るための増粘剤としては、各種のポリマー(ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸及びその塩、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリルアミド等)、多糖類、ゼラチン、各種の低分子増粘剤(シトロネロール、ネロール、テルピネオール等)等を用いるのが好ましい。
【0024】
水分散液、水分散ペースト、有機溶媒分散液、有機溶媒分散ペースト等における固形分の含量は1〜70質量%であるのが好ましく、8〜30質量%であるのがより好ましい。
【0025】
混合酸化物には、目的に応じて不純物(ドーパント)を添加しても良い。不純物元素としては、例えば周期表の第4族元素(チタン、ジルコニウム、ハフニウム等)、周期表の第14族元素(ゲルマニウム、スズ、鉛等)、硫黄、セレン、テルル、ハロゲン元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等が挙げられる。
【0026】
不純物元素をドープするには、混合酸化物を焼成法により合成する場合は、ドープする不純物元素を含む酸化物を、合成用原料に混合するのが普通である。混合酸化物をゾル−ゲル法により合成する場合は、ドープしたい不純物元素又はそれを含む酸化物を、ゾル−ゲル溶液中に含ませれば良い。不純物の添加量は3価元素の総量に対し0.01〜10モル%であるのが好ましく、0.1〜1モル%であるのがより好ましい。
【0027】
[2] 色素増感光電変換素子
以下色素増感光電変換素子について詳細に説明する。本発明の色素増感光電変換素子は、好ましくは図1に示すように導電層10、感光層20、電荷輸送層30及び対極導電層40をこの順に積層してなり、感光層20を色素22によって増感した半導体微粒子21とこの半導体微粒子21の間の空隙に浸透した電荷輸送材料23とから構成する。感光層20中の電荷輸送材料23は通常、電荷輸送層30に用いる材料と同じものである。導電層10と感光層20の間には下塗り層60を設けてもよい。色素増感光電変換素子に強度を付与するために、導電層10及び/又は対極導電層40の下地として基板50を設けてもよい。本明細書では、導電層10からなる層(導電層10の下地として基板50を設けた場合には基板50も含めた層)を「導電性支持体」と呼び、対極導電層40からなる層(対極導電層40の下地として基板50を設けた場合には基板50も含めた層)を「対極」と呼ぶ。なお図1中の導電層10、対極導電層40及び基板50はそれぞれ透明導電層10a、透明対極導電層40a及び透明基板50aであってもよい。このような色素増感光電変換素子のうち、電気的仕事(発電)をさせるために外部負荷に接続したものが光電池であり、光学的情報のセンシングを目的に作られたものが光センサーである。光電池の中で、電荷輸送材料が主としてイオン輸送材料からなるものを光電気化学電池と呼び、太陽光による発電を主目的とするものを太陽電池と呼ぶ。
【0028】
図1に示す色素増感光電変換素子において、色素22により増感した半導体微粒子21を含む感光層20に入射した光は色素22等を励起し、励起された色素22等中の高エネルギーの電子は半導体微粒子21の伝導帯に渡され、更に拡散して導電層10に到達する。このとき色素22は酸化体となっている。光電池においては、導電層10中の電子が外部回路で仕事をしながら対極導電層40及び電荷輸送層30を経て色素22の酸化体に戻り、色素22が再生する。感光層20は負極として働き、対極導電層40は正極として働く。それぞれの層の境界(例えば導電層10と感光層20との境界、感光層20と電荷輸送層30との境界、電荷輸送層30と対極導電層40との境界等)では、各層の構成成分同士が相互に拡散混合していてもよい。以下各層および構成について詳細に説明する。
【0029】
(A) 導電性支持体
導電性支持体は(1)導電層の単層又は(2)導電層及び基板の2層からなる。(1)の場合、導電層の材料としては、導電層の強度や密封性を十分に保つことができ、且つ導電性を有するもの(例えば白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム、これらを含む合金のような金属材料等)を用いることができる。(2)の場合、導電性支持体として、感光層側に導電剤からなる導電層を有する基板を使用することができる。好ましい導電剤の例としては金属(白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素及び導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)が挙げられる。導電層の厚さは0.02〜10 μm程度であるのが好ましい。
【0030】
導電性支持体の表面抵抗は低い程好ましい。この表面抵抗は好ましくは100Ω/□以下であり、より好ましくは40Ω/□以下である。表面抵抗の下限には特に制限はないが、通常0.1Ω/□程度である。
【0031】
導電性支持体側から光を照射する場合には、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味する。導電性支持体の光透過率は好ましくは50%以上、特に好ましくは70%以上である。
【0032】
透明導電性支持体としては、ガラス、プラスチック等からなる透明基板の表面に導電性金属酸化物からなる透明導電層を塗布、蒸着等により形成したものが好適である。透明導電層をなす好ましい材料の例としてはフッ素をドーピングした二酸化スズ等が挙げられる。透明基板としては、コストと強度の点で有利なソーダ石灰フロートガラスからなるガラス基板、低コストでフレキシブルな色素増感光電変換素子を得るために有用な透明ポリマーフィルム等が使用できる。透明ポリマーフィルムをなす材料の例としては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ樹脂等が挙げられる。十分な透明性を確保するためには、上記導電性金属酸化物の塗布量をガラス又はプラスチックの基板1m当たり0.01〜100 gとするのが好ましい。
【0033】
透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金属リードを集電体として用いることができる。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。透明基板上に金属リードを蒸着、スパッタリング等で設置し、その上にフッ素をドープした酸化スズ、ITO膜等からなる透明導電層を設けるのが好ましい。透明導電層を透明基板に設けた後、透明導電層上に金属リードを設置するのも好ましい。金属リード設置による入射光量の低下は、好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%とする。
【0034】
(B) 感光層
感光層において半導体微粒子は感光体として作用し、光を吸収して電荷分離を行い電子と正孔を生ずる。色素増感した半導体微粒子では光吸収並びにこれによる電子及び正孔の発生は主として色素において起こり、半導体微粒子はこの電子又は正孔を受け取り、伝達する役割を担う。本発明で用いる半導体は、光励起下で伝導体電子がキャリアーとなり、アノード電流を与えるn型半導体であるのが好ましい。
【0035】
(1) 半導体微粒子
本発明の色素増感光電変換素子において用いる半導体微粒子は、上記[1]で述べた混合酸化物を主成分とする。半導体微粒子は、光の錯乱を目的として粒径100〜500 nmの酸化チタンを1〜15質量%含有しても良い。
【0036】
(2) 半導体微粒子層の形成方法
導電性支持体上に半導体微粒子からなる層を形成するには、半導体微粒子を含有する分散液又はコロイド溶液を導電性支持体上に塗布する方法を用いるのが一般的である。色素増感光電変換素子の量産化、半導体微粒子を含有する分散液又はコロイド溶液の物性、導電性支持体の融通性等を考慮すると、湿式の製膜方法を用いるのが比較的望ましい。湿式の製膜方法としては塗布法及び印刷法が代表的である。
【0037】
半導体微粒子の分散液を調製する方法の例としては、上記[1]で述べたゾル−ゲル法等により調製した混合酸化物微粒子を含む分散液又はコロイド溶液をそのまま用いる方法、混合酸化物微粒子を乳鉢ですり潰した後分散媒に分散する方法、混合酸化物微粒子をミルを使って粉砕しながら分散媒に分散する方法等が挙げられる。
【0038】
半導体微粒子の分散液に用いる分散媒として、水又は各種有機溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)を用いることができる。分散する際に必要に応じてポリエチレングリコールのようなポリマー、界面活性剤、酸、キレート剤等を分散助剤として用いてもよい。中でもポリエチレングリコールを添加するのが好ましい。ポリエチレングリコールの分子量を変えることにより、分散液の粘度を調節でき、また剥がれにくい半導体微粒子層を形成することができる。
【0039】
好ましい塗布方法の例としては、アプリケーション系としてローラ法、ディップ法等が挙げられ、メータリング系としてエアーナイフ法、ブレード法等が挙げられ、アプリケーションとメータリングを同一部分にできるものとして特公昭58−4589号に開示されているワイヤーバー法や、米国特許第2681294号、同第2761419号、同第2761791号等に記載のスライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が挙げられる。また汎用機を用いるスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法としては凸版、オフセット及びグラビアの三大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版及びスクリーン印刷が好ましい。これらの中から液粘度やウェット厚さに応じて製膜方法を選択してよい。
【0040】
半導体微粒子の分散液の粘度は半導体微粒子の種類や分散性、使用溶媒種、界面活性剤やバインダー等の添加剤により大きく左右される。そのため分散液が比較的高粘度(例えば0.01〜500Poise)である場合は、塗布方法としてエクストルージョン法、キャスト法又はスクリーン印刷法を用いるのが好ましい。また分散液が比較的低粘度(例えば0.1Poise以下)である場合は、均一な膜を形成するために、塗布方法としてスライドホッパー法、ワイヤーバー法又はスピン法を用いるのが好ましい。なお塗布量がある程度多い場合は比較的低粘度であってもエクストルージョン法による塗布が可能である。このように分散液の粘度、塗布量、支持体、塗布速度等に応じて適宜製膜方法を選択すればよい。
【0041】
半導体微粒子層は単層に限定されず、それぞれ粒径の異なる半導体微粒子を含有する複数の層を設けることにより多層化したり、それぞれ種類の異なる半導体微粒子(或いは異なるバインダー、添加剤等)を含有する複数の層を設けることにより多層化したりすることもできる。一度の塗布で膜厚が足りない場合にも多層塗布は有効である。多層塗布にはエクストルージョン法及びスライドホッパー法が適している。多層塗布する場合は同時に多層を塗布してもよいし、数回から十数回、順次重ね塗りしてもよい。順次重ね塗りする際にはスクリーン印刷法も好ましく使用できる。
【0042】
一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚さと同じ)が厚くなるほど、単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。従って半導体微粒子層の好ましい厚さは0.1〜100μmである。本発明の色素増感光電変換素子を太陽電池に用いる場合、半導体微粒子層の厚さは好ましくは1〜30μmであり、より好ましくは2〜25μmである。導電性支持体1m当たりの半導体微粒子の塗布量は、好ましくは0.5〜400g、より好ましくは5〜100gである。
【0043】
半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した後、半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに塗膜強度や導電性支持体との密着性を向上させるために、加熱処理するのが好ましい。加熱処理の温度は好ましくは40 〜700℃であり、より好ましくは100 〜600℃である。加熱時間は10分〜10時間程度である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い基板を用いる場合、高温処理は基板の劣化を招くため好ましくない。またコストの観点からもできる限り低温で加熱処理を行うのが好ましい。粒径5nm以下の小さい半導体微粒子や鉱酸等の存在下で加熱処理を行うと、加熱温度の低温化が可能となる。
【0044】
上記加熱処理に代えて加圧処理を行っても良い。加圧処理の方法についてはリンドストロームらによる著書、「ジャーナル・オブ・フォトケミストリー・アンド・フォトバイオロジー(Journal of photochemistry and photobiology)」, エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社, 2001年, 第145巻, 第107頁〜第112頁に詳しく記載されている。加圧処理を行う場合、半導体微粒子塗布液にはポリマー等のバインダーを用いない。
【0045】
加熱処理又は加圧処理の後、例えば米国特許第5084365号に記載されているような四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0046】
半導体微粒子層は、多くの色素を吸着することができるように大きい表面積を有するのが好ましい。半導体微粒子層を導電性支持体上に塗布した状態での表面積は投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、100倍以上であるのがより好ましい。この上限に特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0047】
(3) 処理
本発明では、感光層に用いる半導体微粒子を金属化合物の溶液で処理してもよい。金属化合物としては、例えばスカンジウム、イットリウム、ランタノイド、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム及びスズからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属のアルコキシド又はハロゲン化物等が使用できる。金属化合物の溶液(処理液)は通常、水溶液又はアルコール溶液である。「処理」とは、半導体微粒子に色素を吸着させる前に、半導体微粒子と上記処理液を所定時間接触させる操作を意味する。接触後に半導体微粒子に上記金属化合物が吸着していても吸着していなくてもよい。処理は半導体微粒子層を形成した後に行うのが好ましい。
【0048】
処理の具体的方法としては、半導体微粒子を上記処理液に浸漬する方法(浸漬法)が好ましい。処理液をスプレー状に一定時間吹き付ける方法(スプレー法)も適用できる。浸漬法を行う際の処理液の温度(浸漬温度)は特に限定されないが、典型的には−10〜70℃であり、好ましくは0〜40℃である。処理時間も特に限定されず、典型的には1分〜24時間であり、好ましくは30分〜15時間である。浸漬の後、半導体微粒子を蒸留水等の溶媒で洗浄してもよい。浸漬処理によって半導体微粒子に付着した物質の結合を強めるために焼成してもよい。焼成の条件は、上記(2)で述べた加熱処理の条件と同様に設定すればよい。
【0049】
(4) 色素
感光層に用いる色素(増感色素)は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、半導体を増感し得るものであれば特に限定されないが、金属錯体色素、メチン色素、ポルフィリン系色素及びフタロシアニン系色素が好ましく使用でき、中でも金属錯体色素が特に好ましい。増感色素としてはフタロシアニン、ナフタロシアニン、金属フタロシアニン、金属ナフタロシアニン、テトラフェニルポルフィリンやテトラアザポルフィリン等のポルフィリン類、金属ポルフィリン、それらの誘導体等も用いることができる。色素レーザー用に用いられる色素類も増感色素として使用できる。光電変換の波長域をできるだけ広くし、且つ変換効率を上げるために、二種類以上の色素を併用することができる。この場合、目的とする光源の波長域と強度分布に合うように、併用する色素とその割合を選ぶことができる。
【0050】
色素は半導体微粒子の表面に対して吸着能力の有る適当な結合基(interlocking group)を有するのが好ましい。好ましい結合基の例としては、−COOH基、−OH基、−SOH基、−SOH基、−P(O)(OH)基及び−OP(O)(OH)基のような酸性基、並びにオキシム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サリチレート及びα−ケトエノレートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙げられる。中でも−COOH基、−P(O)(OH)基及び−OP(O)(OH)基が特に好ましい。これらの結合基はアルカリ金属等と塩を形成していてもよく、分子内塩を形成していてもよい。ポリメチン色素の場合、メチン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を形成する場合のように酸性基を含有するのであれば、この部分を結合基としてもよい。以下、感光層に用いる好ましい増感色素を具体的に説明する。
【0051】
(a) 金属錯体色素
金属錯体色素の金属原子はルテニウムRuであるのが好ましい。ルテニウム錯体色素の例としては、米国特許第4927721号、同第4684537号、同第5084365号、同第5350644号、同第5463057号、同第5525440号、特開平7−249790号、特表平10−504512号、国際公開98/50393号、特開2000−26487号等に記載のものが挙げられる。好ましい金属錯体色素の具体例として、特開2001−320068号の段落番号0051〜0057に記載のものが挙げられる。最も典型的な金属錯体色素としては、下記式(3)及び(4):
【化1】
Figure 2004247105
により表されるものが挙げられる。
【0052】
(b) メチン色素
好ましいメチン色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等のポリメチン色素である。好ましいポリメチン色素の例としては、特開平11−35836号、同11−158395号、同11−163378号、同11−214730号、同11−214731号、欧州特許第892411号及び同第911841号に記載の色素が挙げられる。これらのポリメチン色素の合成法については、エフ・エム・ハーマー(F. M. Hamer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds − Cyanine Dyes and Related Compounds)」, ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社, ニューヨーク, ロンドン, 1964年、デー・エム・スターマー(D. M. Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds − Specialtopics in Heterocyclic Chemistry)」, ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社, ニューヨーク,ロンドン, 1977年, 第18章, 第14節, 第82頁〜第515頁、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds)」, 第2版, エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社, ニューヨーク, 1977年, 第IV巻, part B, 第15章, 第369頁〜第422頁、英国特許第1,077,611号、「Ukrainskii Khimicheskii Zhurnal」, 第40巻, 第3号, 第253頁〜第258頁、「ダイズ・アンド・ピグメンツ(Dyes and Pigments)」, 第21巻, 第227頁〜第234頁、これらの引用文献等に記載されている。
【0053】
(5) 半導体微粒子への色素の吸着
半導体微粒子に色素を吸着させる方法として、十分乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を、色素の溶液中に浸漬する方法、又は色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法を用いることができる。前者の方法の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等が利用可能である。浸漬法を用いる場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開平7−249790号に記載されているように加熱還流しながら行ってもよい。後者の方法の場合、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等が利用できる。またインクジェット法等によって色素を画像状に塗布し、その画像そのものを色素増感光電変換素子とすることもできる。
【0054】
色素の溶液(吸着液)に用いる溶媒は、好ましくはアルコール(メタノール、エタノール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール等)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド等)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン(アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)又はこれらの混合溶媒である。
【0055】
色素の吸着量は、半導体微粒子層の単位面積(1m)当たり0.01〜100 mmolとするのが好ましい。また色素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体微粒子1g当たり0.01〜1mmolであるのが好ましい。このような色素の吸着量とすることにより半導体微粒子の増感効果が十分に得られる。色素の吸着量を上記各範囲の下限未満とすると増感効果が不十分となり、色素の吸着量を上記各範囲の上限超とすると半導体に付着していない色素が浮遊し、増感効果が低減する。色素の吸着量を増やすためには、吸着前に半導体微粒子を加熱処理するのが好ましい。半導体微粒子表面に水が吸着するのを避けるために、加熱処理後には常温に戻さずに半導体微粒子層の温度が60〜150℃の間で素早く色素の吸着を行うのが好ましい。
【0056】
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、半導体微粒子に共吸着させてよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するステロイド化合物(コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等)や、下記式(5)及び(6):
【化2】
Figure 2004247105
により表されるスルホン酸塩等が挙げられる。
【0057】
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶剤のような有機溶媒等を用いて行うのが好ましい。
【0058】
色素を吸着した後、アミン、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて半導体微粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としてはピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としてはテトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
【0059】
(C) 電荷輸送層
電荷輸送層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する。電荷輸送材料は、(i)イオンが関わる電荷輸送材料であっても、(ii)固体中のキャリアー移動が関わる電荷輸送材料であってもよい。(i)イオンが関わる電荷輸送材料としては、酸化還元対イオンを含有する溶融塩電解質組成物、酸化還元対のイオンが溶解した溶液(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマーマトリクスのゲルに含浸したいわゆるゲル電解質組成物、固体電解質組成物等が挙げられ、(ii)固体中のキャリアー移動が関わる電荷輸送材料としては、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は複数併用してもよい。中でも溶融塩電解質組成物、電解液又はゲル電解質組成物を用いるのが好ましい。
【0060】
(1) 溶融塩電解質組成物
溶融塩電解質組成物は溶融塩を含む。溶融塩電解質組成物は常温で液体であるのが好ましい。主成分である溶融塩は室温において液状であるか、又は低融点の電解質であり、その一般的な例としては国際公開第95/18456号、特開平8−259543号、「電気化学」, 1997年, 第65巻, 第11号, 第923頁等に記載のピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等が挙げられる。溶融塩の融点は50℃以下であるのが好ましく、25℃以下であるのが特に好ましい。溶融塩の具体例は特開2001−320068号の段落番号0066〜0082に詳しく記載されている。
【0061】
溶融塩は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。溶融塩とLiI、NaI、KI、LiBF、CFCOOLi、CFCOONa、LiSCN、NaSCN等のアルカリ金属塩を併用することもできる。アルカリ金属塩の添加量は、溶融塩電解質組成物全体に対して2質量%以下であるのが好ましく、1質量%以下であるのがさらに好ましい。
【0062】
溶融塩電解質組成物に含まれるアニオンの50モル%以上がヨウ化物イオンであるのが好ましい。そのため通常、溶融塩電解質組成物はヨウ素を含有する。ヨウ素の含有量は、溶融塩電解質組成物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
【0063】
溶融塩電解質組成物の揮発性は低いのが好ましく、溶媒を含まないのが好ましい。溶媒を添加する場合でも、溶媒の添加量は溶融塩電解質組成物全体に対して30質量%以下に留めるのが好ましい。溶融塩電解質組成物は後述のようにゲル化した上で使用してもよい。
【0064】
(2) 電解液
電解液は電解質、溶媒及び添加物から構成されるのが好ましい。電解液に用いる電解質の例としては、Iとヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩等)の組み合わせ、Brと臭化物(LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr等の金属臭化物、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物臭素塩等)の組み合わせ、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げられる。中でも、IとLiI又はピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩を組み合わせた電解質が好ましい。上記電解質は単独で用いてもよく、混合系で用いてもよい。
【0065】
電解液中の電解質濃度は好ましくは0.1〜10 Mであり、より好ましくは0.2〜4Mである。電解液にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の添加濃度は0.01〜0.5 Mである。
【0066】
電解液に使用する溶媒は、粘度が低くイオン移動度を向上したり、若しくは誘電率が高く有効キャリアー濃度を向上したりすることにより、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であるのが望ましい。このような溶媒の例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物、ジメチルスルホキシド、スルフォラン等の非プロトン極性物質、水等が挙げられる。これらの溶媒は混合して用いることもできる。
【0067】
また「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・セラミック・ソサイエティ(Journal of the American Ceramic Society)」,1997年,第80巻,第12号,第3157頁〜第3171頁に記載されているようなtert−ブチルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を前述の溶融塩電解質組成物や電解液に添加するのが好ましい。塩基性化合物を電解液に添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05〜2Mである。溶融塩電解質組成物に添加する場合、塩基性化合物はイオン性基を有するのが好ましい。溶融塩電解質組成物全体に対する塩基性化合物の質量比は好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
【0068】
(3) ゲル電解質組成物
ポリマー添加、オイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応等の手法により、前述の溶融塩電解質組成物や電解液をゲル化(固体化)させた上で使用することもできる。ポリマー添加によりゲル化する場合は、「ポリマー・エレクトロライト・レビューズ(Polymer Electrolyte Reviews)−1及び2」(J. R. MacCallumとC. A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に記載された化合物を使用することができるが、特にポリアクリロニトリル及びポリフッ化ビニリデンが好ましく使用できる。オイルゲル化剤添加によりゲル化する場合は「工業科学雑誌(Journal of the Chemical Society of Japan, Industrial Chemistry Sections)」, 1943年, 第46巻, 第779頁、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of the American Chemical Society)」, 1989年, 第111巻, 第5542頁、「ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ, ケミカル・コミュニケーションズ(Journal of the Chemical Society, Chemical Communications)」, 1993年, 第390頁、「Angewandte Chemie International Edition in English」, 1996年, 第35巻, 第1949頁、「ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters)」, 1996年, 第885頁、及び「ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ, ケミカル・コミュニケーションズ(Journal of the Chemical Society, Chemical Communications)」, 1997年, 第545頁等に記載されている化合物を使用することができるが、アミド構造を有する化合物を使用するのが好ましい。電解液をゲル化した例は特開平11−185863号に、溶融塩電解質をゲル化した例は特開2000−58140号にも記載されており、これらも本発明に適用できる。
【0069】
ポリマーの架橋反応によりゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリマー及び架橋剤を併用するのが望ましい。好ましい架橋可能な反応性基は、アミノ基、含窒素複素環(ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環等)であり、好ましい架橋剤は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試薬(ハロゲン化アルキル類、ハロゲン化アラルキル類、スルホン酸エステル類、酸無水物、酸クロライド類、イソシアネート化合物、α,β−不飽和スルホニル化合物、α,β−不飽和カルボニル化合物、α,β−不飽和ニトリル化合物等)である。特開2000−17076号及び同2000−86724号に記載されている架橋技術も適用できる。
【0070】
(4) 正孔輸送材料
本発明では、溶融塩等のイオン伝導性電解質のかわりに、有機固体正孔輸送材料、無機固体正孔輸送材料、或いはこの両者を組み合わせた材料を使用することができる。
【0071】
(a) 有機正孔輸送材料
好ましく使用できる有機正孔輸送材料の例としては、ジェイ・ハーゲン(J. Hagen)等著, 「シンセティック・メタル(Synthetic Metal)」, 1997年, 第89巻, 第215頁〜第220頁、「ネイチャー(Nature)」, 1998年, 第395巻, 第8号Oct., 第583頁〜第585頁、国際公開第97/10617号、特開昭59−194393号、特開平5−234681号、米国特許第4,923,774号、特開平4−308688号、米国特許4,764,625号、特開平3−269084号、同4−129271号、同4−175395号、同4−264189号、同4−290851号、同4−364153号、同5−25473号、同5−239455号、同5−320634号、同6−1972号、同7−138562号、同7−252474号、同11−144773号等に記載の芳香族アミン、特開平11−149821号、同11−148067号、同11−176489号等に記載のトリフェニレン誘導体等が挙げられる。また「アドバンスド・マテリアルズ(Advanced Materials)」, 1997年, 第9巻, 第7号, 第557頁、「Angewandte Chemie International Edition in English」, 1995年, 第34巻, 第3号, 第303頁〜第307頁、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of the American Chemical Society)」, 1998年, 第120巻, 第4号, 第664頁〜第672頁等に記載のオリゴチオフェン化合物、K. Murakoshi, et al., 「ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters)」, 1997年, 第471頁に記載のポリピロール、NALWA著「ハンドブック・オブ・オーガニック・コンダクティブ・モレキュールズ・アンド・ポリマーズ(Handbook of Organic Conductive Molecules and Polymers)」, 第1,2,3,4巻, WILEY出版に記載のポリアセチレン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレン)及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリトルイジン及びその誘導体等の導電性高分子も好ましく使用することができる。
【0072】
「ネイチャー(Nature)」, 1998年, 第395巻, 第8号Oct., 第583頁〜第585頁に記載されているように、ドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を正孔輸送材料に添加してもよい。また酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CFSON]のような塩を添加してもよい。
【0073】
(b) 無機正孔輸送材料
無機正孔輸送材料としてはp型無機化合物半導体を用いることができ、そのバンドギャップは好ましくは2eV以上、より好ましくは2.5eV以上である。色素の正孔を還元するために、色素増感半導体電極のイオン化ポテンシャルよりも小さいイオン化ポテンシャルを有するp型無機化合物半導体を選択する。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なるが、一般に好ましくは4.5〜5.5 eV、より好ましくは4.7〜5.3 eVである。好ましいp型無機化合物半導体は1価の銅を含む化合物半導体であり、その例としてはCuI、CuSCN、CuInSe、Cu(In,Ga)Se、CuGaSe、CuO、CuS、CuGaS、CuInS、CuAlSe等が挙げられる。中でもCuI及びCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。他のp型無機化合物半導体の例としては、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi、MoO、Cr等が挙げられる。
【0074】
(5) 電荷輸送層の形成
電荷輸送層は2通りの方法のいずれかにより形成できる。1つは感光層の上に先に対極を貼り合わせておき、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法である。もう1つは感光層上に直接電荷輸送層を付与する方法で、対極はその後付与することになる。
【0075】
前者の方法の場合、電荷輸送層を挟み込む際には、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス又は常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
【0076】
後者の方法において、湿式の電荷輸送層を用いる場合は、通常未乾燥のまま対極を付与しエッジ部の液漏洩防止措置を施す。またゲル電解質組成物を用いる場合には、これを湿式で塗布した後で重合等の方法により固体化してよい。固体化は対極を付与する前に行っても後に行ってもよい。電解液、湿式有機正孔輸送材料、ゲル電解質組成物等からなる電荷輸送層を形成する場合は、前述の半導体微粒子層の形成方法と同様の方法を利用できる。
【0077】
固体電解質組成物や固体正孔輸送材料を用いる場合には、真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷輸送層を形成し、その後対極を付与することもできる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等により電極内部に導入することができる。無機固体化合物はキャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解析出法、無電解メッキ法等により電極内部に導入することができる。
【0078】
(D) 対極
対極は上記(A)で述べた導電性支持体と同様に、導電性材料からなる対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と支持基板から構成されていてもよい。対極導電層に用いる導電剤の例としては、金属(白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、フッ素ドープ酸化スズ等)等が挙げられる。この中でも白金、金、銀、銅、アルミニウム及びマグネシウムが好ましい。対極に用いる基板は、好ましくはガラス基板又はプラスチック基板であり、これに上記の導電剤を塗布又は蒸着して用いることができる。対極導電層の厚さは特に制限されないが、好ましくは3nm〜10μmである。対極導電層の表面抵抗は低い程よく、好ましくは50Ω/□以下、より好ましくは20Ω/□以下である。
【0079】
導電性支持体と対極のいずれか一方又は両方から光を照射してよいので、感光層に光が到達するためには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質的に透明であればよい。発電効率の向上の観点からは導電性支持体を透明にして光を導電性支持体側から入射させるのが好ましい。この場合、対極は光を反射する性質を有するのが好ましい。このような性質を得るためには、対極として金属又は導電性酸化物を蒸着したガラス又はプラスチック、或いは金属薄膜を使用すればよい。
【0080】
対極は電荷輸送層上に直接導電剤を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有する基板の導電層側を貼り付けて設置すればよい。導電性支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合には、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。金属リードに関する要件は導電性支持体の場合と同じである。
【0081】
(E) その他の層
対極と導電性支持体の短絡を防止するため、導電性支持体と感光層の間には緻密な半導体の薄膜層を下塗り層として予め塗設しておくのが好ましい。この下塗り層により短絡を防止する方法は、電荷輸送層に電子輸送材料や正孔輸送材料を用いる場合に特に有効である。下塗り層は好ましくはTiO、SnO、Fe、WO、ZnO又はNbからなり、さらに好ましくはTiOからなる。下塗り層は、例えばElectrochim. Acta, 40, pp.643−652 (1995)に記載のスプレーパイロリシス法や、スパッタ法等により塗設することができる。下塗り層の膜厚は好ましくは5〜1000 nmであり、より好ましくは10〜500 nmである。
【0082】
導電性支持体と対極のいずれか一方又は両方の外側表面、導電層と基板の間又は基板の中間に、保護層、反射防止層等の機能性層を設けてもよい。これらの機能性層の形成方法は、その材質に応じて塗布法、蒸着法、貼り付け法等から適宜選択できる。
【0083】
(F) 色素増感光電変換素子の内部構造の具体例
上述のように、色素増感光電変換素子の内部構造は目的に合わせて様々な形態とすることが可能である。大きく2つに分ければ、両面から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造が可能である。色素増感光電変換素子の好ましい内部構造の例を、前述の図1及び図2〜図9に示す。
【0084】
図2に示す構造は、透明導電層10aと透明対極導電層40aとの間に、感光層20と電荷輸送層30とを介在させたものであり、両面から光が入射する構造となっている。図3に示す構造は、透明基板50a上に一部金属リード11を設け、その上に透明導電層10aを設け、下塗り層60、感光層20、電荷輸送層30及び対極導電層40をこの順で設け、更に支持基板50を配置したものであり、導電層側から光が入射する構造となっている。図4に示す構造は、支持基板50上に導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、更に電荷輸送層30と透明対極導電層40aとを設け、一部に金属リード11を設けた透明基板50aを金属リード11側を内側にして配置したものであり、対極側から光が入射する構造である。図5に示す構造は、透明基板50a上に一部金属リード11を設け、更に透明導電層10a(又は40a)を設けたもの1組の間に下塗り層60、感光層20及び電荷輸送層30を介在させたものであり、両面から光が入射する構造である。図6に示す構造は、透明基板50a上に透明導電層10a、下塗り層60、感光層20、電荷輸送層30及び対極導電層40を設け、この上に支持基板50を配置したものであり、導電層側から光が入射する構造である。図7に示す構造は、支持基板50上に導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、更に電荷輸送層30及び透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを配置したものであり、対極側から光が入射する構造である。図8に示す構造は、透明基板50a上に透明導電層10aを有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、更に電荷輸送層30及び透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを配置したものであり、両面から光が入射する構造となっている。図9に示す構造は、支持基板50上に導電層10を設け、下塗り層60を介して感光層20を設け、更に固体の電荷輸送層30を設け、この上に一部対極導電層40又は金属リード11を有するものであり、対極側から光が入射する構造となっている。
【0085】
[3] 光電池
本発明の光電池は、上記[2]で述べた本発明の色素増感光電変換素子を外部負荷に接続し、電気的仕事(発電)をさせるようにしたものである。光電池のうち、電荷輸送材料が主としてイオン輸送材料からなる場合を特に光電気化学電池と呼び、太陽光による発電を主目的とする場合を太陽電池と呼ぶ。
【0086】
光電池の側面は、構成物の劣化や内容物の揮散を防止するためにポリマーや接着剤等で密封するのが好ましい。導電性支持体及び対極にリードを介して接続する外部回路自体は公知のものでよい。
【0087】
本発明の色素増感光電変換素子を太陽電池に適用する場合も、そのセル内部の構造は基本的に上記[2]で述べた色素増感光電変換素子の構造と同じである。本発明の色素増感光電変換素子を用いた色素増感型太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明な支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池等で用いられる基板一体型モジュール構造等が知られており、本発明の色素増感光電変換素子を用いた色素増感型太陽電池も使用目的や使用場所及び環境により、適宜モジュール構造を選択できる。具体的には、特願平11−8457号、特開2000−268892号等に記載の構造や態様とするのが好ましい。
【0088】
【実施例】
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0089】
実施例1
(A) 複合酸化物微粒子分散液の調製
(1) ScVO微粒子分散液の調製
硝酸スカンジウム水和物2.0gを水20mlに溶解し、オルトバナジン酸ナトリウム1.8gを水40mlに溶解し、得られた両溶液を撹拌しながら混合した。混合開始と同時に白色の沈殿が生成したがかまわずに撹拌した。得られた懸濁状態の混合液を、内のりがテフロン(登録商標)で被覆されたステンレス製オートクレーブに入れ、225℃で24時間加熱した。内容物を目視したところ、白色結晶が沈殿していたので、上澄み液をデカンテーションにより除き、固形分が12質量%となるように純水を加えた。得られた結晶をX線回折法により分析した結果、主としてScVOであることが明らかとなった。不純物としてVO及びScOHが認められた。
【0090】
(2) YVO微粒子分散液の調製
上記(1)における硝酸スカンジウム水和物2.0gを硝酸イットリウム水和物2.8gに変更した他は全く同様に混合酸化物微粒子を合成した。得られた結晶はX線回折により主としてYVOであることが確認された。
【0091】
(3) YNbO微粒子分散液の調製
硝酸イットリウム水和物3.0gを水50mlに溶解した溶液と、オルトニオブ酸エチル3.1gをエタノール10mlに溶解した溶液を混合した他は、上記(1)と同様に混合酸化物微粒子を合成した。得られた白色結晶をX線回折法により分析した結果、主としてYNbOであることが確認された。
【0092】
(4) その他の複合酸化物微粒子分散液の調製
上記(1)における硝酸スカンジウム水和物2.0gを等モルの硝酸ガリウム水和物及び硝酸インジウム水和物に変更した他は全く同様に、GaVO及びInVOの12質量%水分散液をそれぞれ調製した。また上記(3)における硝酸イットリウム水和物を等モルの硝酸スカンジウム水和物、硝酸ガリウム水和物及び硝酸インジウム水和物に変更した他は全く同様にScNbO、GaNbO及びInNbOの12質量%水分散液をそれぞれ調製した。
【0093】
(B) 色素増感光電変換素子の作製及び評価
(1) 塗布液の調製
上記(A)で調製した各複合酸化物微粒子水分散液をそれぞれ10 gずつ計り取り、これらにポリエチレングリコール(分子量20000)0.3g、ポリエチレングリコール(分子量4000000)0.1g、及び水2gを添加/撹拌し、ポリエチレングリコールを溶解した。次にエタノール1gを加えて表面張力を調節し、塗布液(C−1〜C−8)を作製した。
【0094】
(2) 色素増感半導体電極の作製
フッ素をドープした酸化スズをコーティングした透明導電性ガラス(日本板硝子製、2cm×2cm、表面抵抗は約10Ω/cm)を8枚用意し、これらの導電面側に上記(1)で調製した各塗布液(C−1〜C−8)を、ドクターブレードを用いて塗布した。次いで25℃で30分間乾燥した後、電気炉(ヤマト科学(株)製マッフル炉FP−32型)により450℃で30分間焼成した。塗布前と焼成後の質量変化より単位面積あたりの塗布量を計算で求めた。結果を表1に示す。
【0095】
焼成後の各基板を、下記式(7):
【化3】
Figure 2004247105
により表される色素(A)を0.3ミリモル/リットルの濃度で含む吸着液に8時間浸漬した。浸漬は吸着温度40℃で、吸着液の溶媒としてエタノール:t−ブチルアルコール:アセトニトリル=1:1:2(体積比)の混合溶媒を用いて行った。色素が染着した混合酸化物電極をエタノール、アセトニトリルで順次洗浄し、色素増感半導体電極(E−1〜E−8)を作製した。
【0096】
(3) 色素増感光電変換素子の作製
作製した色素増感半導体電極基板(2cm×2cm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラスと重ね合わせた(図10参照)。次に、両ガラスの隙間に毛細管現象を利用して電解液(ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム0.65モル/リットル、ヨウ素0.05モル/リットル、及びt−ブチルピリジン0.1モル/リットルを含有するアセトニトリル溶液)をしみ込ませて混合酸化物電極中に導入することにより、表1に示す色素増感光電変換素子SC−1〜SC−8を作製した。これらの色素増感光電変換素子は図10に示すように導電性ガラス1(ガラス2上に導電層3が設層されたもの)、色素吸着半導体層4、電荷輸送層5、白金層6及び ガラス7が順次積層された構造を有する。
【0097】
【表1】
Figure 2004247105
【0098】
(4) 光電流の測定
500 Wのキセノンランプ(ウシオ(株)製)の光を分光フィルター(Oriel社製、AM1.5)に通すことにより模擬太陽光を発生させた。光の強度は垂直面において100 mW/cmであった。色素増感光電変換素子の導電性ガラスの端部に銀ペーストを塗布して負極とし、この負極と白金蒸着ガラス(正極)を電流電圧測定装置(ケースレーSMU238型)に接続した。模擬太陽光が導電性ガラス側から入射するように、導電性ガラスに対して垂直に照射しながら短絡電流を測定した。結果を表2に示す。
【0099】
【表2】
Figure 2004247105
【0100】
表2に示すように、いずれの素子も光電変換能を有することがわかる。5価元素としてバナジウムを有するSC−1〜4はSC−5〜8よりも短絡電流が大きい。SC−1〜4の中では3価元素としてスカンジウムを有するSC−1が優れている。SC−5〜8の中では3価元素としてスカンジウムを有するSC−5が優れている。8つの色素増感光電変換素子の中ではScVO4を用いたSC−1が最も優れた光電変換能を示す事がわかる。
【0101】
比較例1
(1) 二酸化チタン粒子含有塗布液及びそれを用いた色素増感半導体電極の作製
オートクレーブ温度を230℃にした以外は、バルベらの「ジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティ」, 第80巻, 第3157頁に記載の方法と同様に二酸化チタン濃度が11質量%の二酸化チタン水分散液を調製した。得られた二酸化チタン粒子の平均サイズは約10nmであった。この分散液に二酸化チタンに対して30質量%のポリエチレングリコール(分子量20000、和光純薬製)を添加/混合し、塗布液C−9を得た。塗布液C−9を用いて実施例1(B)(2)と同様に色素増感半導体電極E−9を作製した。
【0102】
(2) 光耐久性の測定
実施例1(B)(2)で作製した色素増感半導体電極E−1〜8と上記(1)で作製した色素増感半導体電極E−9の緑色光に対する反射濃度を、X−Rite社製フォトグラフィックデンシトメーターで測定した。次に各電極を100mW/cmの模擬太陽光下で48時間光照射した。その後、再びX−Rite社製フォトグラフィックデンシトメーターで緑色光反射濃度を測定した。模擬太陽光照射後の反射濃度を模擬太陽光照射前の反射濃度で割った値の百分率を反射濃度維持率とし、耐久性の指標とした。結果を表3に示す。
【0103】
【表3】
Figure 2004247105
【0104】
表3に示すように、本発明の色素増感半導体電極E−1〜E−8は、比較例1の色素増感TiO電極E−9に比べて反射濃度維持率が高く、色素の分解が進行しにくいことがわかる。
【0105】
【発明の効果】
以上の通り、3価元素と5価元素の混合酸化物を主成分とする半導体微粒子を用いることにより、酸化チタン以外の酸化物半導体を主成分とする半導体微粒子を有する色素増感光電変換素子が得られる。本発明の色素増感光電変換素子は、TiOを用いた色素増感光電変換素子に比べて光耐久性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一実施例による色素増感光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図2】本発明の好ましい別の実施例による色素増感光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図3】本発明の好ましいさらに別の実施例による色素増感光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図4】本発明の好ましいさらに別の実施例による色素増感光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図5】本発明の好ましいさらに別の実施例による色素増感光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図6】本発明の好ましいさらに別の実施例による色素増感光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図7】本発明の好ましいさらに別の実施例による色素増感光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図8】本発明の好ましいさらに別の実施例による色素増感光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図9】本発明の好ましいさらに別の実施例による色素増感光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図10】実施例1で作製した色素増感光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1・・・導電性ガラス
2,7・・・ガラス
4・・・色素吸着半導体層
6・・・白金層
3,10・・・導電層
10a・・・透明導電層
11・・・金属リード
20・・・感光層
21・・・半導体微粒子
22・・・色素
23・・・電荷輸送材料
5,30・・・電荷輸送層
40・・・対極導電層
40a・・・透明対極導電層
50・・・基板
50a・・・透明基板
60・・・下塗り層

Claims (10)

  1. 少なくとも導電層、感光層、電荷輸送層及び対極導電層がこの順に積層されてなり、前記感光層は色素によって増感された半導体微粒子と前記半導体微粒子間の空隙に浸透した電荷輸送材料とから構成されている色素増感光電変換素子であって、前記半導体微粒子は3価元素と5価元素の混合酸化物を主成分とすることを特徴とする色素増感光電変換素子。
  2. 請求項1に記載の色素増感光電変換素子において、前記混合酸化物は下記一般式(1):
    (TVA)x(PVA)yOz ・・・(1)
    (但しTVAは3価元素を表し、PVAは5価元素を表し、Oは酸素を表す。x及びyは0より大きく1より小さい数を表し、xとyの和は1である。zは下記式z=1.5x + 2.5yにより定義される数である。)により表されることを特徴とする色素増感光電変換素子。
  3. 請求項1又は2に記載の色素増感光電変換素子において、前記3価元素は周期表第3族元素及び第13族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種であり、前記5価元素は周期表第5族元素及び第15族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする色素増感光電変換素子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感光電変換素子において、前記5価元素は周期表第5族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする色素増感光電変換素子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の色素増感光電変換素子において、前記5価元素はバナジウムであることを特徴とする色素増感光電変換素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の色素増感光電変換素子において、前記3価元素は周期表第3族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする色素増感光電変換素子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の色素増感光電変換素子において、前記3価元素はスカンジウムであることを特徴とする色素増感光電変換素子。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の色素増感光電変換素子において、前記混合酸化物は水溶性のスカンジウム塩及び水溶性のバナジン酸塩を水中で混合した後、加熱することにより調製したスカンジウム−バナジウム混合酸化物であることを特徴とする色素増感光電変換素子。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の色素増感光電変換素子において、前記色素はルテニウム錯体色素であることを特徴とする色素増感光電変換素子。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の色素増感光電変換素子を具備したことを特徴とする光電池。
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