JP5292549B2 - 色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本願発明は、低照度(500lux)から高照度(10万lux)に亘る広範囲で光電変換効率が高い色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法に関する。
近年、太陽エネルギーを電力に変換する光電変換素子として、固体のpn接合型の太陽電池が活発に研究されている。固体接合型太陽電池は、シリコン結晶やアモルファスシリコン薄膜、非シリコン系の化合物半導体の多層薄膜を用いる。
しかし、これらの太陽電池は、高温もしくは真空下で製造するために、プラントのコストが高く、エネルギーペイバックタイムが長いという欠点がある。
これらの従来の太陽電池を置き換える次世代太陽電池として、低温でより低コストで製造が可能な有機系太陽電池の開発が期待されている。
なかでも特に注目されるのは大気中で低コストの量産が可能な色素増感型太陽電池であり、色素増感された多孔質半導体膜を用いる高効率の光電変換方法が提案されている(特許文献1)。色素増感型太陽電池は、固体接合型太陽電池における固体(半導体)‐固体(半導体)接合の代りに、固体(半導体)‐液体(電解液)接合を採用する湿式太陽電池である。
色素増感型太陽電池は、透明導電性基板に形成された二酸化チタンナノ粒子を代表とする金属酸化物半導体ナノ粒子からなる多孔質半導体微粒子層に増感色素を担持させた光作用極基板(光電極)と、導電性基板上に白金またはカーボンの対極層を形成した対極基板(対極)とを、互いに対向させて配置し、この基板間に電解質溶液を満たし、この電解質溶液を封止した構造からなる。
この色素増感型太陽電池に対して透明な電極側から光を照射すると、増感色素が光を吸収して電子を発生し、発生した電子が光電極から外部電気回路を通って対極に移動し、移動した電子が電解液中のイオンにより運ばれて光電極に戻る。このような一連の電子移動の繰り返しにより色素増感型太陽電池から継続的にエネルギーを取り出すことができる。
ところで、1つの色素増感型太陽電池ユニット(以下、本願発明において、「色素増感型光電変換素子」という。)から得られる電流は、増感色素を担持させた多孔質半導体微粒子層の面積(以下、本願発明において、「発電面積」という。)に比例して増加する。一方で、発電面積を大きくすることで光電変換時の電流電圧特性における曲線因子(FF:フィルファクター)、さらには短絡電流が低下し、光電変換効率は低くなる。
色素増感型光電変換素子の光電変換効率を高めるため手段として、入射する外部光を有効に活用するために、多孔質半導体微粒子層に散乱粒子を配合することが提案されている(特許文献2,3)。また、光電極における集電電極の電気抵抗をさげるために、多孔質半導体微粒子層に導電性多孔膜からなる集電体を設けること(特許文献4)、透明基材上に設けた細線メッシュからなる集電線上に多孔質半導体微粒子層を形成すること(特許文献5)が提案されている。
米国特許4927721号明細書 特開2002−289274号公報 特開2005−322445号公報 特開2003−187883号公報 特開2010−73416号公報
しかしながら、上述した技術は、色素増感型太陽電池の大型化、大面積化を前提としたものである。色素増感型太陽電池、特に携帯を目的として軽量化されたフィルム型色素増感型太陽電池では、低照度(500lux)の屋内から高照度(10万lux)の屋外での使用を前提として光電変換効率を考える必要がある。この場合、小型化した色素増感型太陽電池において、発電面積の平面形状をどのように設計すれば、低照度から高照度まで光電変換効率が向上するかについては、明らかにされていない。したがって、低照度の屋内から高照度の屋外に亘る広範囲で安定した光電変換効率を維持する色素増感型太陽電池を開発する必要がある。また、複数の色素増感型光電変換素子を直列または並列に接続して集積化した太陽電池モジュール(以下、本発明において、「色素増感型太陽電池モジュール」という。)を提供することができれば、実用的な電圧と電池寿命が実現できる。本願発明はかかる課題を解決するためになされたものである。
本願発明は、下記(1)乃至(3)の態様で実施できる。
(態様1) 透明基材と、前記透明基材上に形成された透明電極層と、前記透明電極層上に形成され、光増感色素を含む多孔質酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層に対向する基材と、前記対向基材の前記酸化物半導体側の表面上に形成された対向電極層と、前記透明電極層と前記対向電極層の間に設けられた電解液層と、前記電解液層の周囲に設けられ、前記電解液層を封止する封止層とを有する色素増感型光電変換素子において、
前記電解液層を構成する電解液が、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせからなる酸化還元対(I - /I 3 - )を含まず、
前記光増感色素を含む多孔質酸化物半導体層の平面形状が矩形であって、
前記矩形の面積(S)が300mm2〜600mm2で、かつ前記矩形の短辺に対する長辺の長さの比(L)が、下記式(1)および(2)を満足する領域に含まれることを特徴とする色素増感型光電変換素子である。
式(1)および式(2)において、Sは、増感色素を含む多孔質酸化物半導体層の矩形面積(mm2)、Lは、増感色素を含む多孔質酸化物半導体層の矩形の短辺に対する長辺の長さの比である。
増感色素を担持させた多孔質半導体微粒子層の平面形状と発電面積をかかる範囲内とすることで、色素増感型光電変換素子の単位面積当たりの内部抵抗が最も小さくすることができ、光電変換効率を最大にできるからである。
また、電解液層を構成する電解液が、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせからなる酸化還元対(I - /I 3 - )を含まないのは、電解液中に電子をトラップする酸化還元対を含まないことで、低照度であっても、色素増感型光電変換素子に対して透明な電極側から光を照射すると、増感色素が光を吸収して電子を発生し、発生した電子が光電極から外部電気回路を通って対極に移動し、移動した電子が電解液中のイオンにより運ばれて光電極に戻るという一連の電子移動の繰り返しにより色素増感型光電変換素子から継続的にエネルギーを取り出すことができるからである。
さらには、ヨウ素を使用すると、電解液が三ヨウ化物イオン(I - )の形成により着色され、光エネルギー変換効率が低下すること、ヨウ素の酸化腐食反応によって、電池の劣化が進むからである。
(態様2) 前記(態様1)に記載した色素増感型光電変換素子を並列または直列に接続したことを特徴とする色素増感型太陽電池モジュールである。
本願発明の色素増感型光電変換素子を用いた多様な集積モジュールを提供することで、実用的な電圧と電池寿命が実現できるからである。
(態様3) 前記色素増感型光電変換素子を直列に接続した色素増感型太陽電池モジュールが、集電線と導電微粒子からなる電極接続部を介して、前記色素増感型光電変化素子を直列に接続したものであることを特徴とする(態様2)に記載する色素増感型太陽電池モジュールである。
導電性微粒子を用いることで、色素増感型太陽電池モジュールの厚みを制御でき、集電線と重ねることで集電効果が高くなるからである。
本願発明によって、発電面積が小さい(300mm2〜600mm2)光電変換素子であっても、低照度(500lux)から高照度(10万lux)に亘る広範囲で光電変換効率が高い色素増感型太陽電池モジュールが得られる。
本願発明の色素増感型光電変換素子の1例の構造を示す断面図である。 本願発明の色素増感型光電変換素子の半導体微粒子層を形成するため、透明導電性基板にマスクフィルムを貼合した1例を示す平面図(上段)及び断面図(下段)である。 本願発明の色素増感型太陽電池モジュールの1例を示す断面図(上段)及び平面図(下段)である。 本願発明の色素増感型太陽電池モジュールの他の1例を示す平面図である。 光増感色素を含む多孔質酸化物半導体層の面積(S)と短辺に対する長辺の長さの比(L)との関係を示すグラフである。
以下、本願発明の色素増感型光電変換素子、色素増感型太陽電池モジュールについて説明する。
1.色素増感型光電変換素子の構造
図1は、本願発明の色素増感型光電変換素子の構造例を示す断面図である。色素増感型光電変換素子1は、透明基板11上に透明導電層12、下塗り層13、増感色素を担持させた多孔質半導体微粒子層14をこの順に積層した光電極層15と、透明基板11上に透明導電層12、触媒層17をこの順に積層した対向電極層18、および光電極層15と対向電極層18の間に設けられた電解液層16、および電解液層を囲む封止層19、取出し電極20、集電線21から構成されている。
以下、光電極層15、電解液層16、対向電極層18、封止層19の順で説明する。
[1] 光電極層
(1) 透明基板
本願発明に用いる透明基板材料としては、無着色で透明性が高く、耐熱性が高く、耐薬品性ならびにガス遮断性に優れ、かつ低コストのプラスチック材料が好ましく選ばれる。この観点から、好ましい材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、透明ポリイミド(PI)などが用いられる。これらのなかでも化学的安定性とコストの点で特に好ましいものは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)であり、もっとも好ましいものはポリエチレンナフタレート(PEN)である。
(2) 透明導電層
本願発明に用いる透明導電層としては、金属(例、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チタン)、炭素、導電性金属酸化物(例、酸化スズ、酸化亜鉛)または複合金属酸化物(例、インジウム‐スズ酸化物、インジウム−亜鉛酸化物)から形成できる。この中で高い光学的透明性をもつ点で導電性金属酸化物が好ましく、インジウム‐スズ複合酸化物(ITO)、酸化亜鉛、インジウム‐亜鉛酸化物(IZO)が特に好ましい。最も好ましいものは、耐熱性と化学安定性に優れる、インジウム‐スズ複合酸化物(ITO)やインジウム‐亜鉛酸化物(IZO)である。
透明導電層の表面抵抗値は100Ω/□以下が好ましく、50Ω/□以下がより好ましく、30Ω/□以下がさらに好ましく、10Ω/□以下がさらにまた好ましく、5Ω/□以下が最も好ましい。透明基板上に透明電極層を設けた光電極基板の光透過率(測定波長:500nm)は、60%以上が好ましく、75%以上であることがさらに好ましく、80%以上が最も好ましい。
低い表面抵抗値を達成するためには、金属を用いることも好ましいが、透明でないという問題は金属メッシュ構造からなる透明導電性層を形成することにより解決できる。その際にはこの導電層には集電のための補助リードをパターニングなどにより配置させることができ、低抵抗の金属材料(例、銅、銀、アルミニウム、白金、金、チタン、ニッケル)によって形成される。補助リードを含めた表面の抵抗値は好ましくは1Ω/□以下に制御することが好ましい。このような補助リードのパターンは透明基板に蒸着、スパッタリングなどにより形成し、さらにその上に酸化スズ、ITO膜、IZO膜などからなる透明導電層を設けることも好ましい。
(3) 下塗り層
下塗り層は、電解液層が液体である場合には、電解液層が透明導電層と接触した構造となるため、透明導電層から電解液層へ電子が漏れ出す逆電子移動と呼ばれる内部短絡現象が発生して、光の照射と無関係な逆電流が発生して光電変換効率が低下することを防ぐ役割と、多孔質半導体微粒子層の導電性基板への密着性を向上させる役割を持つものである。
下塗り層の素材としては、高抵抗な半導体および絶縁物質であれば、特に限定はされない。例えば、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン等がある。また、下塗り層を形成する方法としては、上記素材を透明導電層に直接スパッタする方法、あるいは上記素材を溶媒に溶解した溶液、金属酸化物の前駆体である金属水酸化物を溶解した溶液、または有機金属化合物を、水を含む混合溶媒に溶解した金属水酸化物を含む溶液を、基板と導電層からなる導電性基板上に塗布、乾燥し、必要に応じて焼結する方法がある。
本願発明の下塗り層は、有機チタンオリゴマー及びその加水分解生成物により形成されることが好ましい。本願発明に使用する有機チタンオリゴマーは、チタンアルコキシド(Ti−OR)化合物やチタンキレート化合物を縮合させ、多量体構造(−Ti−O−Ti−)を分子内に有する化合物である。チタンをオリゴマー化することで、多量体構造(−Ti−O−Ti−)を分子内に有する面構造を持たせることで、隙間なく透明導電性基板表面を密に被膜化できる。
なお、本願発明は有機チタンオリゴマーに限定されるものではなく、多量体構造(−M−O−M−)を分子内に有する有機金属オリゴマー(Mは金属)であれば、同様の効果を得られる。
下塗り層を導電性基板に形成した場合に、チタンモノマーによる製膜では亀裂が生じる条件下においても、良好な下塗り層を形成することができる。
また、従来下塗り層に用いられている金属アルコキシドは、反応性が高く容易に加水分解され塗膜表面の性状を制御することが難しい。しかし、本発明に使用した有機チタンオリゴマーは、加水分解速度が遅く、塗膜表面の性状が安定しており、金属酸化物からなる半導体多孔質層を重層する場合に下塗り層の塗膜表面性状が長時間に亘って安定であるという長所がある。
本願発明に使用する有機チタンオリゴマーは、テトラアルコキシチタンを実質的に溶媒で希釈することなく、水又は水と水溶性溶媒との混合液を添加して加水分解処理する方法で製造される(特開2008−156280)。
また、本願発明に使用する有機チタンオリゴマーは、塗膜形成性、塗膜密着性(接着性)を改良するために、チタン化合物オリゴマーに対し、分子中に1個以上のアルコキシ基を有するシリコン化合物を反応させた構造又は混合させた組成を有する複合化合物(特開2008−143990)であってもよい。
導電性基板上に下塗り層を形成するためには、有機チタンオリゴマー溶液を導電性基板上に塗布し、加熱を行うことにより乾燥焼成して膜を形成するゾル−ゲル法を用いることが好ましい。溶媒としては、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、トルエン等の炭化水素類及びその混合物であって、乾燥速度の観点から沸点が100℃前後のものが好ましい。
また、塗布方法としては、グラビア塗布法、バー塗布法、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法、ダイコート法等が挙げられる。
本発明の光電極製造方法では、下塗り層と後述する金属酸化物多孔質半導体層との密着性、特に、電解液中での剥離を防ぐため、下塗り層表面のぬれ張力が50mN/m未満で、金属酸化物半導体微粒子を重層する。本願発明のように、下塗り層を有機チタンオリゴマーから形成すると、金属アルコキシドモノマーから形成した場合に比べ、塗膜表面のぬれ張力の経時変化が緩慢であるため、下塗り層に金属酸化物多孔質半導体層を逐次または連続して重層することが容易となる。
(4) 金属酸化物半導体ナノ粒子
本願発明の金属酸化物半導体ナノ粒子分散液に含まれる金属酸化物半導体ナノ粒子は、公知の方法を用いて製造することができる。製造方法としては、例えば「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)に記載されているゾル−ゲル法や、金属塩化物を無機酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法や、金属化合物を気相中、高温で熱分解して超微粒子とする気相噴霧熱分解法などにより調製できる。これらの方法によって作る二酸化チタン(TiO2)の超微粒子やナノ粒子については、「微粒子工学体系第2巻(応用技術)」柳田博明監修(2002年)に解説されている。金属酸化物半導体材料としては、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、カドミウム、鉛、アンチモン、ビスマスの酸化物がある。半導体材料としては、n型の無機半導体材料がある。具体的には、TiO2、ZnO、Nb2O3、SnO2、WO3、Si、CdS、CdSe、V2O5、ZnS、ZnSe、KTaO3、FeS2、PbSなどが好ましく、TiO2、ZnO、Nb2O3、SnO2、WO3がより好ましく、二酸化チタン(TiO2)が特に好ましい。
二酸化チタンの製造方法は、四塩化チタンや硫酸チタニルを加水分解する液相法と四塩化チタンと酸素または酸素含有ガスとを混合燃焼する気相法とがある。液相法はアナターゼを主相として得ることができるが、ゾルまたはスラリー状となり、粉末として使用するためには乾燥が必要であるが、乾燥により凝集(二次粒子化)が進むという問題がある。一方、気相法は、溶媒を使用しないため液相法に比べ分散性に優れ、合成時の温度が高く、結晶性に優れるという特徴がある。
ところで、二酸化チタンナノ粒子の結晶形には、アナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル型がある。酸化チタンを気相法により製造するとき、最も低温で生成し安定な酸化チタンはアナターゼ型であり、熱処理を加えるに従い、ブルッカイト型、ルチル型へと変換する。結晶構造はX線回折法による回折パターンの測定や透過型電子顕微鏡観察による結晶格子像の検出により判断できる。また、二酸化チタンナノ粒子の平均粒子径は、レーザー光散乱法による光相関法や走査型電子顕微鏡観察法による粒径分布測定から算出できる。
本願発明に用いる一次粒子の平均粒子径が40〜70nmの結晶性二酸化チタンナノ粒子は、気相法により得られたものであり、ルチル型結晶とアナターゼ型結晶の混合物であり、ルチル化率は40%以下である。ルチル化率が40%を超えると光触媒としての機能が低下し、光起電力が低下するため色素増感型太陽電池として十分な性能を得られないからである。二酸化チタンナノ粒子の形態は、無定形、球形、多面体、繊維状、ナノチューブ状などの種々の形態であってもよいが、多面体またはナノチューブ状の形態が好ましく、多面体の形態がより好ましい。分散安定性の観点から金属酸化物半導体ナノ粒子分散液に含まれる固形分濃度は0.1〜25wt%であり、0.5〜20wt%が好ましく、0.5〜15wt%がより好ましい。
一方、本願発明に用いる一次粒子の平均粒子径が10〜30nmの金属酸化物半導体ナノ粒子は、液相法により得られたブルッカイト型結晶を含む二酸化チタンナノ粒子を分散した酸性ゾル水溶液として調製されている。ブルッカイト型の酸化チタンは、色素との結合性に優れ、ルチル型やアナターゼ型酸化チタンに比べて高い光電変換効率が得られるからである。液相法により製造したブルッカイト型酸化チタン、特に四塩化チタンまたは三塩化チタンの加水分解により製造されたブルッカイト型酸化チタンが好ましい。多孔質半導体微粒子層を形成する金属酸化物半導体ナノ粒子分散液として使用するため分散ゾルの状態で問題がなく、分散状態も安定しており塗膜性に優れるからである。分散性を高めるため水媒体は酸性に調製してあり、pHは1〜6、好ましくは、pHは3〜5である。分散安定性の観点から金属酸化物半導体ナノ粒子分散液に含まれる固形分濃度は1〜15wt%であり、2〜12wt%が好ましく、2〜10wt%がより好ましい。
(5) 金属酸化物半導体ナノ粒子分散液
本願発明は、金属酸化物半導体ナノ粒子分散液を導電性基板上に塗布し、加熱処理して多孔質半導体微粒子層を形成する色素増感型光電変換素子用光電極に関するものである。プラスチック基板を用いる本発明では、低温製膜法を採用するため、分散液の製膜性及びレべリング性を高める目的で添加される樹脂やラテックス等のバインダー材料を含まない分散液組成が好ましい。本願発明の金属酸化物半導体ナノ粒子分散液は、金属酸化物半導体ナノ粒子を水と炭素数5以下のアルコールの混合物からなる溶媒に分散させたものであり、粘性のある乳白色の液体である。
本願発明の金属酸化物半導体ナノ粒子分散液に使用する溶媒は、エタノールを主成分とする親水性有機溶媒と水との混合溶媒である。親水性溶媒として、他の炭素数3〜5のアルコールを選択することができ、t−ブタノール、2−ブタノールなどを添加することができる。本願発明の金属酸化物半導体ナノ粒子分散液には、前記アルコールに加えて水が分散溶媒として用いられる。これは、金属酸化物半導体ナノ粒子の分散安定性を維持し、分散液の粘度を適性に維持する目的で添加するものである。
本願発明は、分散液中に一次粒子の平均粒子径が10〜30nmの金属酸化物半導体ナノ粒子と一次粒子の平均粒子径が40〜70nmの金属酸化物半導体ナノ粒子の両方が含まれることが特徴である。一次粒子の平均粒径の範囲が重複しない金属酸化物半導体ナノ粒子を単純に混合することで、比表面積が大きく増感色素の担持量が多く、電解液層を構成する電解液が多孔質半導体微粒子層の細部にまで拡散できる、多孔質構造の多孔質半導体微粒子層を容易に製造できる。したがって、特開2002−324591号公報に提案されているような金属酸化物半導体ナノ粒子と溶媒を必須成分とする金属酸化物半導体ナノ粒子分散液を、分散液組成を連続または不連続に変化させつつ噴霧する必要はない。また、平均粒径が大きく異なる粒子の混合により、乾燥時の体積収縮歪を緩和できる。さらに、一次粒子の平均粒子径が10〜30nmの金属酸化物半導体ナノ粒子の脱水縮合により、乾燥後形成される多孔質半導体微粒子層の構造がしっかりしたものになる。
本願発明の一次粒子の平均粒子径が40〜70nmの金属酸化物半導体ナノ粒子を溶媒に分散させる方法には、ペイントコンディショナー、ホモジナイザー、超音波攪拌装置などが用いられ、自転/公転併用式のミキシングコンディショナーが好適に用いられる。一次粒子の平均粒子径が40〜70nmの金属酸化物半導体ナノ粒子を溶媒に分散させた後、一次粒子の平均粒子径が10〜30nmの金属酸化物半導体ナノ粒子を分散した酸性ゾル水溶液を添加して、金属酸化物半導体ナノ粒子分散液を調製する。分散安定性と塗膜形成性の観点から分散液に含まれる金属酸化物半導体ナノ粒子全体の固形分濃度は5〜30wt%であり、8〜25wt%が好ましく、8〜20wt%がより好ましい。
(6) 多孔質半導体微粒子層
図2上段は本願発明のマスクフィルムを貼合した透明導電性基板2の平面図であり、図2下段は本願発明のマスクフィルムを貼合した透明導電性基板2の断面図である。なお、図2は、本願発明の色素増感型光電変換素子を6列並べて製造する場合の態様である。
図2に示すように、本願発明の多孔質半導体微粒子層は、下塗り層を形成した透明導電性基板21上に、マスクフィルム22を貼合し、前記貼合したマスクフィルムの開放部分23上に金属酸化物半導体ナノ粒子分散液を塗布することにより形成する。前記マスクフィルムの開放部分は、本願発明の半導体微粒子層のひな型としての役割を持つ。マスクフィルムの開放部分23の平面形状は4つの角が丸みを持つ矩形であり、そのサイズは形成する多孔質半導体微粒子層の平面形状により決まる。
本願発明のマスクフィルムは、その開放部分が本願発明の半導体微粒子層のひな型としての役割を持つと同時に、下塗り層を形成した透明導電性基板に容易に貼りつけることができ、金属酸化物半導体ナノ粒子分散液を塗布した後には、容易に剥がすことができる粘着層を有する粘着フィルムであれば、特に限定されるものではない。具体的には、基材フィルムの一方の面に微粘着剤層と剥離フィルム、もう一方の面に帯電防止層、防汚層を設けた積層フィルムであり、液晶表示装置に用いる偏光フィルムや位相差フィルムの表面保護フィルムに用いられている積層粘着フィルムである。使用時に剥離フィルムを剥離して、下塗り層を形成した透明導電性基板にマスクフィルムを貼合する。
ただし、半導体微粒子層を形成するために塗布した金属酸化物半導体ナノ粒子分散液を加熱・乾燥処理する必要があることから、基材フィルムは、下塗り層を形成した透明導電性基板と同程度の熱収縮率であることが必要である。具体的には、加熱条件(150℃、30min)下での熱収縮率(MD・TD)は、0.5%以下、より好ましくは、0.2%以下である。
本願発明のマスクフィルムは、粘着力の異なる複数のマスクフィルムを積層して用いることができる。多孔質半導体微粒子層を形成後に最上層を剥がし、色素吸着時に下塗り層を形成した透明導電性基板を保護した後、マスクフィルムを剥がし取ることができるからである。
多孔質半導体微粒子層の平面形状は、矩形であって、前記矩形の面積(S)が300mm2〜600mm2で、かつ前記矩形の短辺に対する長辺の長さの比(L)が、下記式(1)および(2)を満足する領域に含まれる。多孔質半導体微粒子層の平面形状をかかる範囲内とすることで、色素増感型光電変換素子の単位面積当たりの内部抵抗が最も小さくすることができ、変換効率を最も高くすることができるからである。
式(1)および式(2)において、Sは、増感色素を含む多孔質酸化物半導体層の矩形面積(mm2)、Lは、増感色素を含む多孔質酸化物半導体層の矩形の短辺に対する長辺の長さの比である。
金属酸化物半導体ナノ粒子分散液の塗布方法としては、公知の方法、例えば、スクリーン印刷法、ドロップキャスト法、スピンコート法、エアスプレイ法等を用いることができる。形成される多孔質半導体微粒子層の均一性の観点からは、噴霧装置を用いたエアスプレイ法が好ましい。
本願発明の金属酸化物半導体ナノ粒子分散液の噴霧に用いる噴霧装置は、金属酸化物半導体ナノ粒子分散液を200μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μ以下の霧状にすることができる装置を用いる。例えば、エアスプレイ装置、インクジェット装置、超音波噴霧装置がある。
ここで、エアスプレイ装置とは、圧縮空気の膨張で生じる気圧差を利用して、液体を一定方向に飛散させる装置をいう。一定幅の塗膜を均一に形成する観点からは、二流体スリットノズルを用いることが好ましい。インクジェット装置とは、噴霧する液体を満たした微細ノズルを体積収縮または昇温することにより液体を微細な粒として放出する装置をいう。超音波噴霧装置とは、液体に超音波を照射することにより、液体を霧状に飛散させる装置をいう。これらの装置は、製造する多孔質構造の多孔質半導体微粒子層の大きさ、言い換えれば、光電極のサイズ、あるいは、分散液の固形分濃度により任意に選択できる。
透明導電性基板上に金属酸化物半導体ナノ粒子分散液の噴霧により形成される多孔質半導体微粒子層の厚みは、透過光の吸収損失を考慮して、30μm未満が好ましく、20μ未満がより好ましい。多孔質半導体微粒子層の厚みが、かかる範囲より小さいと均一な厚みの層を形成できず、かかる範囲より大きいと多孔質半導体微粒子層の抵抗が高くなるからである。形成される多孔質半導体微粒子層の空孔率(膜内を空孔が占める体積の割合)は、50〜85%であることが好ましく、65〜85%でることがより好ましい。
加熱処理温度は、導電性基板の耐熱性の範囲内、例えば、透明導電性基板がプラスチック基板である場合は、低温製膜法(例、200℃以下、好ましくは150℃以下)で多孔質半導体微粒子層を形成することができる。
(7) 増感色素
多孔質半導体微粒子層の増感に用いる色素分子としては、電気化学の分野で色素分子を用いる半導体電極の分光増感にこれまで用いられてきた各種の有機系、金属錯体系の増感材料が用いられる。また、光電変換の波長領域をできるだけ広くし、かつ、変換効率を上げるために、二種類以上の色素を混合して用いてもよく、光源の波長域と強度分布に合わせて、混合する色素とその混合割合を選択してもよい。
増感色素は、有機色素(例、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、キサンテン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン色素、クマリン色素、リボフラビン色素、ペリレン色素)および金属錯体色素(例、フタロシアニン錯体、ポルフィリン錯体)を含む。金属錯体色素を構成する金属の例は、ルテニウムおよびマグネシウムを含む。そのほか「機能材料」、2003年6月号、第5〜18ページに記載されている合成色素と天然色素や、「ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー(J.Phys.Chem.)」、B.第107巻、第597ページ(2003年)に記載されるクマリンを中心とする有機色素を用いることもできる。
(8) 多孔質半導体微粒子層への色素の吸着
多孔質半導体微粒子層に色素を吸着させる方法としては、色素の溶液中によく乾燥した多孔質半導体微粒子層を有する導電性基板を浸漬する方法、あるいは色素の溶液を多孔質半導体微粒子層に塗布する方法を用いることができる。浸漬法の場合は、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開平7−249790号公報に記載されているように加熱還流して行ってもよい。塗布法としては、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等の塗布方法や、凸版、オフセット、グラビア、スクリーン印刷等の印刷方法が利用できる。
色素溶液に用いる溶媒は色素の溶解性に応じて適宜選択できる。例えばアルコール類(メタノール、エタノール、t‐ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3‐メトキシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセタミド等)、N‐メチルピロリドン、1,3‐ジメチルイミダゾリジノン、3‐メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2‐ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)、これらの混合溶媒等が使用できる。
色素の吸着方法では、色素溶液の粘度、塗布量、透明導電性基板の材質、塗布速度等に応じて適宜選択すればよい。量産化の観点からは、塗布後の色素吸着に要する時間をなるべく短くすることが好ましい。色素の全使用量は、透明導電性基板の単位表面積(1m)当たり0.01〜100mmolとすることが好ましい。色素の吸着量が少なすぎると増感効果が不十分となり、また色素の吸着量が多すぎると多孔質半導体微粒子層に付着していない色素が浮遊し、増感効果を低減させる。色素の吸着量を増大させるために吸着前に多孔質半導体微粒子層を加熱処理するのが好ましい。また、加熱処理の後に多孔質半導体微粒子層表面に水が吸着するのを避けるため、加熱処理後には常温に戻さず多孔質半導体微粒子層の温度が40℃〜80℃で素早く色素を吸着させるのが好ましい。未吸着の色素は、吸着後速やかに洗浄により除去することが好ましい。洗浄は、アセトニトリルやアルコール系溶剤等の有機溶媒を用いて行うのが好ましい。
会合のような色素同士の相互作用を低減する目的で、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素溶液に添加し、多孔質半導体微粒子層に共吸着させてもよい。共吸着させる化合物としてはカルボキシル基を有するステロイド化合物(例 コール酸、ケノデオキシコール酸)が挙げられる。また、紫外線吸収剤を併用してもよい。また、余分な色素の除去を促進する目的で、色素を吸着した後にアミン類を用いて多孔質半導体微粒子層の表面を処理してもよい。アミン類としてはピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらが液体の場合はそのまま用いてもよく、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
[2] 電解液層
本願発明の電解液層を構成する電解液は、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせからなる酸化還元対(I-/I3 -)を含まないことを特徴とする。具体的には、基本的に、無機塩とイオン液体であるヨウ化物塩(例えば、イミダゾリウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、4級窒素原子をスピロ原子に持つ化合物の塩)の単一物または混合物を溶質とし、グリコールエーテルと5員環環状エーテルの一方または両方を溶媒とするものである。以下、代表的な電解液構成成分について説明する。
(1) 溶質
本願発明の電解液の溶質としては、前記一般式(1)に示す無機塩と前記一般式(2)に示すイミダゾリウム塩の混合物を用いることができる。
(1)
式(1)において、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムであり、XはCl、Br、Iである。
(2)
式中、R21,R22,R23は水素または炭素原子数1〜8のアルキル基であり、XはCl,Br,Iである。
本願発明に用いる無機塩は、前記一般式(1)に示すアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アンモニウムハロゲン化物を用いることが好ましい。ハロゲン化物のハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素を用いることが好ましく、臭素、ヨウ素が特に好ましく、ヨウ素が最も好ましい。
本願発明で用いる無機塩の具体例としては、アルカリ金属ハロゲン化物(例、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウムなど)、アルカリ土類金属ハロゲン化物(例、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなど)、アンモニウムハロゲン化物(例、ヨウ化アンモニウム、臭化アンモニウム、塩化アンモニウムなど)がある。
本願発明のハロゲン化物としては、水への溶解度が90〜220g/100g水(25℃)のハロゲン化物が、下記一般式(3)及び(4)の溶媒への溶解性が優れることから好ましく、中でもヨウ素化合物(例、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化アンモニウムなど)が、光電変換効率が高いことから特に好ましい。
本願発明のハロゲン化物の添加濃度は、0.01〜3.0mol/Lが好ましく、0.05〜2.0mol/Lがさらに好ましい。
本願発明で用いるイオン液体には、室温(25℃)付近において液状となる、いわゆる室温溶融塩を用いることができる。本願発明では、前記一般式(2)アルキルイミダゾリウムのハロゲン化物塩を用いることが好ましく。アルキルイミダゾリウムのヨウ化物塩を用いることが、より好ましい。
本願発明のアルキルイミダゾリウムのヨウ化物塩の具体例は、ジメチルイミダゾリウム、メチルプロピルイミダゾリウム、メチルブチルイミダゾリウム、メチルヘキシルイミダゾリウムのヨウ化物塩が挙げられる。
本願発明に用いるイオン液体の濃度は、0.01〜5.0mol/Lが好ましく、0.05〜2.0mol/Lがエネルギー変換効率が高い点で好ましい。
(2) 溶媒
本願発明の電解液の溶媒としては、低粘度でイオン移動度が高いか、高誘電率で有効キャリアー濃度を高めることができるか、あるいはその両方であるために優れたイオン伝導性を発現できるものが好ましい。多孔質半導体微粒子層に色素を吸着して得られる色素増感半導体薄膜層を光電極とするため、多孔質半導体微粒子層への浸透性が光電変換効率を向上するために必要だからである。また、電解液量を保持するために高沸点であること、特に沸点が200℃以上であることが好ましい。さらに、溶質として用いる無機塩とイオン液体であるイミダゾリウム塩との混合物の溶解性の観点から、非プロトン性極性溶媒であることも好ましい。
本願発明の溶媒としては、下記一般式(3)に示すグリコールエーテルが好ましく、エネルギー変換効率が高い点で、ジアルキルグリコールエーテルがより好ましい。
(3)
式(3)において、R31,R32は水素または炭素原子数1〜8のアルキル基であり、nは1〜10の整数である。
このような溶媒の具体例としては、グリコール類(例、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、モノアルキルグリコールエーテル類(例、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテルなど)、ジアルキルグリコールエーテル類(例、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテルなど)がある。これらのグリコールエーテル類は、2種以上併用してもよい。
本願発明の溶媒としては、前記一般式(4)に示す5員環環状エーテルを用いることが好ましい。5員環環状エステル(γ−ラクトン)の具体例としては、γ−ブチロラクトンが含まれる。
(4)
式(4)において、R41,R42及びR43は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数が1〜20のアルキル基である。
(3) 酸化還元対
本願発明の電解液では、三ヨウ素化物イオン(I 濃度が0mol/Lであり、イオン液体中の不純物として混入する場合を除き、含まれない。
本願発明の電解液では、電解液中の微量ヨウ素化合物イオン(I )を除去するため、電解液中に還元剤を微量添加してもよい。還元剤としては、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の無機化合物、チオサリチル酸、アスコルビン酸、ハイドロキノン、フェニドン、硫酸パラメチルアミノフェノール等の有機化合物がある。
(4) その他
電解液は、さらに他の成分を含むことができる。他の成分の例には、下記一般式(5)で表わされるベンゾイミダゾール化合物のほか、(イソ)チオシアン酸イオン、後述する一般式(6)で表わされるグアニジウムイオンが含まれる。特にベンゾイミダゾール化合物は、変換効率がさらに向上するため、併用することが好ましい。
(5)
式(5)において、R51は炭素原子数1〜20の脂肪族基であり、R52は水素原子または炭素原子数1〜6の脂肪族基である。
電解液中に前記一般式(5)で表わされるベンゾイミダゾール化合物を添加する場合、電解液中のベンゾイミダゾール化合物の濃度は0.01〜1Mが好ましく、0.02〜0.8Mがさらに好ましく、0.05〜0.6Mが最も好ましい。
ベンゾイミダゾール化合物の具体例としては、N−メチルベンゾイミダゾール、N−エチルベンゾイミダゾール、1,2−ジメチルベンゾイミダゾール、N−ブチルベンゾイミダゾール、N−ヘキシルベンゾイミダゾール、N−ペンチルベンゾイミダゾール、N−イソプロピルベンゾイミダゾール、N−イソブチルベンゾイミダゾール、N−ベンジルベンゾイミダゾール、N−(2−メトキシエチル)ベンゾイミダゾール、N−(3−メチルブチル)ベンゾイミダゾール、1−ブチル−2−メチルベンゾイミダゾール、N−(2−エトキシエチル)ベンゾイミダゾール、N−(2−イソプロポキシエチル)ベンゾイミダゾールなどがある。
電解液中にチオシアン酸イオン(S-−C≡N)またはイソチオシアン酸イオン(N-=C=S)を添加する場合、電解液中のチオシアン酸イオンおよびイソチオシアン酸イオンの合計の濃度は0.01〜1Mが好ましく、0.02〜0.5Mがさらに好ましく、0.05〜0.2Mが最も好ましい。
電解液の調製において、イソチオシアン酸イオンは塩として添加することが好ましい。塩の対イオンは、後述するグアニジウムイオンが好ましい。
電解液中に下記一般式(6)で表わされるグアニジウムイオンを添加する場合、電解液中のグアニジウムイオンの濃度は0.01〜1Mが好ましく、0.02〜0.5Mがさらに好ましく、0.05〜0.2Mが最も好ましい。
(6)
式(6)において、R61、R62およびR63は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数が1〜20の脂肪族基である。
脂肪族基の炭素原子数は、1〜12が好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。脂肪族基よりも水素原子の方が好ましい。すなわち、無置換のグアニジウムイオンが最も好ましい。
電解液の調製において、グアニジウムイオンは塩として添加することが好ましい。塩の対イオンは、ヨウ化物イオンまたはイソチオシアン酸イオンが好ましく、イソチオシアン酸イオンがさらに好ましい。
電解液中には必要に応じて、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤を添加してもよい。
電解液層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電解液からなる層である。光電極層は、その多孔構造中の空孔が電解液により充填されていることが好ましい。具体的に、光電極層が有する空孔が電解液によって充填されている割合は、20体積%以上が好ましく、50体積%以上がさらに好ましい。電解液層の厚さは、例えば、光電極層と対向電極層との間に設けるスペーサーの大きさによって調整できる。電解液が光電極の外側で単独で存在する部分の厚さは、1μm〜50μmが好ましく、1μm〜30μmがより好ましく、1μm〜20μmがさらに好ましく、1μm〜15μmが最も好ましい。
電解液層の光透過率は、測定波長400nmにおいて、電解液層の厚さが30μmである場合に換算して(30μmの光路長において)70%以上であることが好ましく、80%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが最も好ましい。光透過率は、350nm〜900nmの波長領域全体において、上記の透過率を有することが好ましい。本願発明の電解液層を形成するには、キャスト法、塗布法、浸漬法等により光電極層上に電解液を塗布する方法や、光電極と対向電極を有するセルを作製しその隙間に電解液を注入する方法などが挙げられる。
塗布法によって電解液層を形成する場合、溶融塩等を含む電解液に塗布性改良剤(レベリング剤等)等の添加剤を添加して、これをスピンコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ホッパーを使用するエクストルージョンコート法、多層同時塗布方法等の方法により塗布し、その後必要に応じて加熱すればよい。加熱する場合の加熱温度は色素の耐熱温度等により適当に選択すればよいが、通常10℃〜150℃であるのが好ましく、10℃〜100℃であるのが更に好ましい。加熱時間は加熱温度等にもよるが、5分〜72時間程度が好ましい。
好ましい態様によれば、光電極層中の空隙を完全に埋める量より多い電解質液を塗布するので、図1に示すように得られる電解液層は光電極層の透明導電層との境界から対向電極層の透明導電層との境界までの間に存在する。ここで、電解液層の厚さ(半導体粒子層を含まない)は0.001μm〜200μmであるのが好ましく、0.1μm〜100μmであるのが更に好ましく、0.1〜50μmであるのが特に好ましい。なお、電解液層の厚さ(実質的に電解液を含む層の厚さ)は0.1μm〜300μmであるのが好ましく、1μm〜130μmであるのが更に好ましく、2μm〜75μmであるのが特に好ましい。
[3] 対向電極層
対向電極は光電変換素子を光化学電池としたときに正極として作用するものである。対向電極は、透明基板および透明導電層からなることが好ましい。透明基板および透明導電層の詳細は、光電極層の透明基板および透明導電層と同様である。
(1) 触媒層
対向電極の触媒層は、触媒作用を有する貴金属粒子が好ましい。対向電極の導電性膜上に触媒層を付与することで好ましい触媒層付きの対向電極が作製できる。貴金属粒子としては、触媒作用のあるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは比較的高い触媒作用を有する金属白金、金属パラジウム及び金属ルテニウムの少なくとも一種類から構成することが好ましい。触媒層の付与方法は特に限定されないが、例えばこれらの金属を蒸着法あるいはスパッタ法で付与してもよく、また該金属微粒子を溶媒に分散させて得られる分散液を、塗布あるいは噴霧などで対向電極も導電性層の上に設置してもよい。分散法で設置する場合は、その分散液に更にバインダーを含有させてもよく、導電性高分子が好ましく用いられる。該導電性高分子としては、導電性を有し、前記貴金属粒子を分散させることができるものであれば特に限定されないが、導電性の高い方が好ましい。
このような高導電性高分子としては、例えばPoly(thiophene−2,5−diyl)、Poly(3−butylthiophene−2,5−diyl),
Poly(3−hexylthiophene−2,5−diyl),poly(2,3−dihydrothieno−[3,4−b]−1,4−dioxin)等のポリチオフェン、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、Poly(p−xylenetetrahydrothiophenium
choride),Poly[(2−methoxy−5−(2’ethylhexyloxy))−1,4−phenylenvinylene],Pory[(2−methoxy−5−(3’,7’−dimethyloctyloxy)−1,4−phenylenevinylene)],Poly[2−2’,5’−bis(2’’−ethylhexyloxy)phenyl]−1,4−phenylenevinylene]等のポリフェニレンビニレン類等が使用出来る。これらの中でも特に好ましい導電性高分子は、Poly(2,3−dihydrothieno−[3,4−b]−1,4−dioxin)/Poly(styrenesulfonate)
(PEDOT/PSS)である。
また、触媒層は、導電層への密着性を向上させる観点から、他のバインダーを含むことができる。前記バインダーは有機樹脂であっても良いし、無機物であっても良い。有機樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリル酸、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロースおよび誘導体、ブチラール樹脂、アルキド樹脂、塩ビ樹脂等の熱硬化性あるいは熱可塑性有機高分子化合物、紫外線(UV)硬化性有機高分子化合物、電子線(EB)硬化性有機高分子化合物、ポリシロキサン等の無機高分子化合物等を、単独もしくは複合して用いることができる。
前記無機物としては、シリカゾル、M2O・nSiO2(M:Li、Na、K)等のケイ酸塩、リン酸塩、珪素酸化物やジルコニウム酸化物やチタン酸化物やアルミニウム酸化物粒子コロイド、珪素やジルコニウムやチタンやアルミニウムの金属アルコキシドやこれらの部分加水分解縮重合物、溶融フリット、水ガラス等を単独または複合して用いることが出来る。
また、上述したバインダーの他に、触媒層の膜付着強度、導電性などの一層の向上を目的として、必要に応じ、例えばケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、セリウム、チタン、イットリウム、亜鉛、マグネシウム、インジウム、錫、アンチモン、ガリウム、ルテニウムなどの酸化物または複合酸化物の粒子、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ、及び錫ドープ酸化インジウム等の導電性酸化物粒子を含むこともできる。なお、触媒層の厚さは好ましくは100nm〜1μm、より好ましくは50nm〜5μmであり、特に好ましくは30nm〜5μmである。
[4] その他の層
電極として作用する光電極層及び対向電極層の一方又は両方に、保護層、反射防止層等の機能性層を設けてもよい。このような機能性層を多層に形成する場合、同時多層塗布法や逐次塗布法が利用できる。本願発明のフィルム型光電池には、上記の基本的層構成に加えて所望に応じさらに各種の層を設けることができる。例えば導電性プラスチック支持体と多孔質半導体層の間に緻密な半導体の薄膜層を下塗り層として設けることができる。下塗り層として好ましいのは金属酸化物であり、たとえばTiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5などである。下塗り層は、例えばElectrochim.Acta 40、643‐652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法の他、スパッタ法などにより塗設することができる。下塗り層の好ましい膜厚は5〜100nmである。
[5] 封止層
本願発明の封止層は、電解液層の周囲に設けられ、電解液層を封止する機能を有する。前記封止層は、上記光電極基板と上記対向電極基板を接着するシール材と前記光電極基板と上記対向電極基板との間に必要な隙間を調整し、電解液層を形成するためのスペーサーにより構成されている。
(1) シール材
本願発明のシール材は、上記光電極基板と上記対向電極基板を接着し、電解液層を封止することができるものであれば特に限定されるものではない。基板間の接着性、電解液に対する耐性(耐薬品性)、高温高湿耐久性(耐湿熱性)に優れていることが好ましい。電解液の漏洩を効果的かつ持続的に抑制するためには、接着性に加えて、耐薬品性と耐湿熱性に優れる必要があるからである。
接着性、耐薬品性、耐湿熱性に優れたシール材としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性放射線(光、電子線)硬化性樹脂がある。素材としては、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂等がある。取扱い性に優れるという観点から、光硬化性アクリル系樹脂が好ましい。
(2) スペーサー
本願発明のスペーサーは、前記光電極基板と上記対向電極基板との間に必要な隙間を所望の範囲に調整できるものであれば特に限定されるものではない。通常、真円球樹脂粒子、無機粒子、ガラスビーズなどを適宜選択することができる。
本願発明では、真円樹脂粒子を用いることが好ましい。粒径としては、1μm〜100μmが好ましく、1μm〜50μmがより好ましく、1μm〜20μmが特に好ましい。光電極基板と対向電極基板が接することがなく、かつ、より短い間隙を均一に保つことで、電解液抵抗を下げ光電変換効率が向上するからである。
本願発明の封止層の厚みは、前記多孔質半導体微粒子層の厚みと実質的に同一であることが好ましい。光電極基板と対向電極基板との間隙が均一に保つことで、安定した発電効率を示すためである。
また、本発明の封止層の幅(厚み)は、特に限定されるものではないが、例えば0.5mm〜5mmの範囲内、中でも0.8mm〜3mmの範囲内であることが好ましい。封止層の幅が小さすぎると、電解質に対して充分な耐久性を発揮できない可能性があり、封止層の幅が大きすぎると、色素増感型太陽電池素子において発電に寄与する素子面積が減少するため、モジュール面積に対して有効な面積が低下し、有効発電効率が減少してしまう可能性があるからである。
[6] 集電線
本願発明では、透明導電膜上に金属(良導体)からなる集電線を配設することにより、透明導電膜からなる透明透電極の表面抵抗率を下げている。集電線は、封止層により区分された光電極層、電解液層、対向電極層からなる色素増感型光電変換素子の外部に設けられることが好ましい。集電電極を電解液による腐蝕から保護するためである。
集電線の材料は、導電性を有していれば特に制限はないが、抵抗率が比較的低い金属材料、例えば、銀、銅、アルミニウム、タングステン、ニッケル、クロムのうちから選ばれる少なくとも1つ以上の金属あるいはこれらの合金からなることが好ましく、抵抗率が低く、線として形成し易いという観点からは、銀がより好ましい。集電線は、透明導電層上に格子状に形成することもできる。集電線の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、メッキ法あるいはスクリーン印刷法などが用いられる。
集電線の幅は、0.5mm〜5mm、より好ましくは、0.7mm〜3mmであり、集電線の厚さは、5μm〜50μm、より好ましくは、6μm〜20μmである。十分な線断面積当たりの電気伝導度を確保すると共に、後述する導電性微粒子と相俟って、上記光電極基板と対向電極基板との間に必要な間隙を確保するために適切な幅と厚みを必要とするからである。
[7] 取出し電極
本願発明では、光電変換素子は一対の取出し電極を備えている。後述する外装、バリアー包装体で光電変換素子を被覆するときは、前記取出し電極にリード材を取り付けることができる。
取出し電極の材料としては、導電性を有していれば特に制限はない。抵抗率が比較的低い金属材料、例えば、金、白金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、チタン、クロムのうちから選ばれる少なくとも1つ以上の金属あるいはこれらの合金からなることが好ましい。
取出し電極の厚さは、50nm〜100μmであることが好ましい。取出し電極の厚さは、断線により色素増感型光電変換素子の歩留まりが低下しない程度に薄すぎないことが必要であり、コスト面から過度に厚くする必要なないからである。また、取出し電極の形状は、特に制限はない。例えば、金属箔、金属テープ、板状、紐状のいずれであってもよい。加工性の観点から金属テープが好ましい。
[8] 色素増感型太陽電池モジュール
単一の色素増感型光電変換素子で得られる起電力は限られることから、実用的な電力を取り出すために複数の色素増感型光電変換素子を直列または並列に接続する必要がある。図3上段は本願発明の色素増感型光電変換素子を所定の間隔を開けて6個直列接続した本願発明の色素増感型太陽電池モジュール3の断面図であり、図3下段は前記色素増感型太陽電池モジュール3の平面図である。これは、実施態様の1例であって、本願発明は、これに限定されるものではない。
図3上段に示すように、個々の色素増感型光電変換素子31は、集電線32と導電性微粒子33からなる電極接続部34により直列に接続されている。また、電極接続部34は、非導電性の封止層35で仕切られている。封止層35は、個々の色素増感型光電変換素子31の電解液層16を封止する役割を果たす。なお、色素増感型太陽電池モジュール3の両端には、集電線32上に取出し電極36が設けられている。取出し電極にリード線を接合して所望とする電気機器類に接続して、発電源として利用するものである。
また、図4は、図3上段に示す直列接続モジュール3を取出し電極36を共用することで並列に接続したものである。
ここで、導電性微粒子33は、シャープな粒子径分布を持つプラスチック微粒子に金メッキを施した弾力性を有する導電性微粒子である。弾力性を有するために集電線と密着性に優れる。また、前記スペーサーの1倍〜1.5倍、好ましくは1.1倍〜1.3倍の粒径の導電微粒子を選択することで、電解液層厚みを制御できる。
本願発明において、電極接続部を集電線と導電性微粒子の組み合わせとしたこと、具体的には、集電線形成後に、封止材を含む導電性微粒子を集電線上に積層したことにより、透明導電性層に下塗り層を形成したことによる光電極と対向電極との通電性を確実にするためである。
図4は、上記色素増感型太陽電池モジュールを2つ並列に接続したものである。並列に接続することにより、出力電圧を維持しながら、出力電流を必要十分に制御できるという利点がある。
[9] 外装、バリアー包装体
本願発明では、その基板が水蒸気やガスに対してその透過性を低減するように設計されているが、過酷な環境条件により出力の劣化が見られる可能性があり、特に高温度で高湿度での環境条件で耐久性付与が重要である。これらの改良方法としては、基板にガスや水蒸気に対するバリアー特性を有する基板にするか、あるいはバリアー性のある包装体で、本発明の色素増感型光電変換素子を包み込むことで達成できる。以下に、本願発明で好ましく用いられるバリアフィルム、特に水蒸気バリアー性について以下に記述する。
前述したように、発明の色素増感型光電変換素子は、基板の外部にガスや水蒸気に対するバリアー性を有する層を有することも好ましい。さらに、水蒸気バリアー性のある包装材料で包装あるいは包み込まれていても好ましい。その際に、本発明の色素増感型光電変換素子とハイバリア包装材料に間に空間があってもよく、また接着剤で色素増感型光電変換素子を接着させてもよい。更には、水蒸気やガスを通しにくい液体や固体(例えば、液状またはゲル状のパラフィン、シリコン、リン酸エステル、脂肪族エステルなど)を用いて、色素増感型光電変換素子を包装材料に包装してもよい。
本願発明で好ましく用いられるバリアー性のある基板あるいは包装材料の好ましい水蒸気透過度は、40℃、相対湿度90%(90%RH)の環境下で0.1g/m2/日以下であり、より好ましくは0.01g/m2/日以下であり、更に好ましくは0.0005g/m2/日以下であり、特に好ましくは0.00001g/m2/日以下である。また、環境温度が60℃、90%RHでのより過酷な場合でも、バリアー性のある基板あるいは包装材料の水蒸気透過度は、より好ましくは0.01g/m2/日以下であり、更に好ましくは0.0005g/m2/日以下であり、特に好ましくは0.00001g/m2/日以下である。またバリアー性のある基板あるいは包装材料の酸素透過率は25℃、0%RHの環境下において、好ましくは約0.001g/m2/日以下であり、より好ましくは0.00001g/m2/日が好ましい。
これらの本発明の色素増感型太陽電池用バリアー性のある基板あるいは包装材料に、水蒸気やガスに対するバイア性付与は、特に限定されないが、太陽電池に必要な光量を妨げないことが必要であるために透過性のあるバリアー性のある基板あるいは包装材料であり、その透過率は好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上であり、更に好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。上記の特性を有するバリアー性のある基板あるいは包装材料は、その構成や材料において特に限定されることはなく、該特性を有するものであれば特に限定されない。
本願発明の好ましいバリアフィルムのある基板あるいは包装材料は、プラスチック支持体上に水蒸気やガスの透過性が低いバリアー層を設置したフィルムであることが好ましい。ガスバリアフィルムの例としては、酸化ケイ素や酸化アルミニウムを蒸着したもの(特公昭53−12953、特開昭58−217344)、有機無機ハイブリッドコーティング層を有するもの(特開2000−323273、特開2004−25732)、無機層状化合物を有するもの(特開2001−205743)、無機材料を積層したもの(特開2003−206361、特開2006−263989)、有機層と無機層を交互に積層したもの(特開2007−30387、米国特許6413645、Affinitoら著
Thin Solid Films 1996年 290−291頁)、有機層と無機層を連続的に積層したもの(米国特許2004−46497)などが挙げられる。
次に本願発明の効果を奏する実施態様を実施例として、本願発明の効果を奏しない実施態様を比較例として、それぞれ表1および表2に示す。また、光増感色素を含む多孔質酸化物半導体層(形状は矩形)の面積(S)と矩形の短辺に対する長辺の長さの比(L)の関係を図5に示す。
[1] 実施例1
(1) 電解液の調製
〔電解液処方1〕
N−メチルベンズイミダゾール2.6g、ヨウ化カリウム3.3g、1,3−ブチルメチルイミダゾリウムヨウ化物6.6gを、50mLのメスフラスコに入れ、γ―ブチロラクトンを全量で50mLになるように加えた。超音波洗浄機による振動により1時間撹拌したのち、24時間以上暗所に静置して、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせからなる酸化還元対(I-/I3 -)を含まない電解液処方1を調製した。
〔電解液処方2〕
上記電解液処方1の組成に更にヨウ素0.5gを添加することにより、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせからなる酸化還元対(I-/I3 -)を含む電解液を調整し、電解液処方2とした。
(2) 色素溶液の調製
ルテニウム錯体色素(N719、ソラロニクス社製)72mgを200mLのメスフラスコに入れた。脱水エタノール190mLを混合し、撹拌した。メスフラスコに栓をしたのち超音波洗浄器による振動により、60分間撹拌した。溶液を常温に保った後、脱水エタノールを加え、全量を200mLとすることで、色素溶液を調整した。
(3) 光電極層の作製
透明基板(ポリエチレンナフタレートフィルム、厚み200μm)上に透明導電層(酸化インジウムスズ(ITO))をコートした透明導電性基板(シート抵抗13ohm/sq)上に、スクリーン印刷法により導電性銀ペースト(K3105、ペルノックス(株)製)を光電極セル幅に応じた間隔で印刷塗布し、150度の熱風循環型オーブン中で15分間加熱乾燥して集電線を作製した。
下塗り層は、上記透明導電性基板の集電線形成面を上にして塗布コーターにセットし、1.6%に希釈したオルガチックPC−600溶液(マツモトファインケミカル製)をワイヤーバーにより掃引速度(10mm/秒)で塗布し、10分間室温乾燥した後、さらに10分間150℃で加熱乾燥して作製した。
下塗り層を形成した透明導電性基板の下塗り層形成面に、光電極セル幅に応じた間隔でレーザー処理を行い、絶縁線を形成した。
ポリエステルフィルムに粘着層を塗工した保護フィルムを2段重ねしたマスクフィルム(下段:PC−542PA 藤森工業製、上段:NBO−0424 藤森工業製)を、多孔質半導体微粒子層を形成するための開口部(長さ:60mm、幅5mm)を打ち抜き加工した。加工済みマスクフィルムを、気泡が入らないように、下塗り層を形成した透明導電性基板の集電線形成面に貼合した。
高圧水銀ランプ(定格ランプ電力 400W)光源をマスク貼合面から10cmの距離に置き、電磁波を1分間照射後直ちに、ポリマー成分を含まないバインダーフリー酸化チタンペースト(PECC−C01−06、ペクセル・テクノロジーズ(株)製)をベーカー式アプリケータにより塗布した。ペーストを常温で10分間乾燥させた後、マスクフィルムの上側の保護フィルム(NBO−0424 藤森工業製)を剥離除去し、150度の熱風循環式オーブン中でさらに5分間加熱乾燥し、多孔質半導体微粒子層(長さ:60mm、幅5mm)を形成した。
その後、多孔質半導体微粒子層(長さ:60mm、幅5mm)を形成した透明導電性基板を、調製した色素溶液(40℃)に浸し、軽く攪拌しながら、色素を吸着させた。90分後、色素吸着済み酸化チタン膜を色素吸着容器から取り出し、エタノールにて洗浄して乾燥させ、残りのマスクフィルムを剥離除去して、光電極を作製した。
(4)対向電極層の作製
透明基板(ポリエチレンナフタレートフィルム、厚み200μm)上に透明導電層(酸化インジウムスズ(ITO))をコートした透明導電性基板(シート抵抗13ohm/sq)の導電面に、開口部(長さ:60mm、幅5mm)を打ち抜き加工した金属製マスクを重ね合わせ、スパッタ法により白金膜パターン(触媒層)を形成し、触媒層形成部分が72%程度の光透過率を有する対向電極層を得た。このとき、上記光電極層と対向電極層とを、お互いの導電面を向かい合わせて重ね合せた時、酸化チタンパターン(多孔質半導体微粒子層形成部)と白金パターン(触媒層形成部分)とは一致する構造とした。
(5)色素増感光電変換素子の作製
対向電極層の触媒層形成面を表面として、アルミ製吸着板上に真空ポンプを使って固定し、液状の光硬化型封止剤((株)スリーボンド製)を自動塗布ロボットにより白金膜パターンの外周部分に塗布した。その後、白金膜パターン部分に上記のように調整した電解液(電解液処方1)を所定量塗布し、自動貼り合せ装置を用いて長方形の白金パターンと同型の酸化チタンパターンが向かい合う構造となるように、減圧環境中で重ね合せ、光電極側からメタルハライドランプにより光照射を行ない、続いて白金電極側から光照射を行った。その後、貼り合せ後の基板内に配置された複数個の光電変換素子を各々切出し、取出し電極部分に導電性銅泊テープ(CU7636D、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス(株)製)を貼ることで色素増感光電変換素子を作製した。
(6)色素増感太陽電池素子の評価
光源として、150Wキセノンランプ光源装置にAM1.5Gフィルタを装着した擬似太陽光源(PEC−L11型、ペクセル・テクノロジーズ(株)製)を用いた。光量は、1sun(約10万lux AM1.5G、100mWcm−2(JIS C 8912のクラスA))に調整した。作製した色素増感太陽電池素子をソースメータ(2400型ソースメータ、Keithley社製)に接続した。電流電圧特性は、1sunの光照射下、バイアス電圧を、0Vから0.8Vまで、0.01V単位で変化させながら出力電流を測定した。同様にバイアス電圧を、逆方向に0.8Vから0Vまでステップさせる測定も行い、順方向と逆方向の測定の平均値を光電流データとして、各長方形セルの変換効率を求めた。 次に、上記疑似太陽光源にNDフィルタを追加装着することで光量を500luxに調整した後、前記と同様な測定方法で500luxにおける変換効率を求めた。
[2] 実施例2〜10、比較例1〜25
マスクフィルムの開口部のサイズを変えた他、実施例1と同様にした。
このようにして求めた10万luxと500luxにおける各長方形セルの変換効率を表1に示した。また、光電極を構成する増感色素を担持させた多孔質半導体微粒子層の平面形状、具体的には面積(mm2)と短辺(幅)に対する長辺(長さ)の関係を実施例と比較例について図5に示した。
[3] 比較例26、27
電解液を電解液処方2と変えた他、実施例2、6と同様にした。
このようにして求めた10万luxと500luxにおける各長方形セルの変換効率を表2に示した。
表1、表2及び図5の結果から、以下のことが明らかである。
(1)色素増感型光電変換素子の変換効率は、光量(500luxと10万lux)と光電極を構成する多孔質半導体微粒子層の形状によって異なる。そして、光電極を構成する多孔質半導体微粒子層の形状が特定条件(面積と短辺に対する長辺比の関係)である場合に、変換効率は低光量(500lux)と高光量(10万LUX)のいずれにおいても高くなる。これは、光電変換効率に対する光量変化の依存性が小さい、換言すれば、光量変化が大幅に変化しても変換効率が一定で、かつ変換効率が高い色素増感型光電変換素子であることを示す(実施例と比較例との対比)。
(2)また上記の変換効率に対する光量変化の依存性が小さい色素増感型光電変換素子は、電解液層を構成する電解液が、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせからなる酸化還元対(I-/I3 -)を含まない場合に達成できる(実施例2,6と比較例26、27との対比)。
本願発明に従う色素増感型光電変換素子では、低照度(500lux)から高照度(10万lux)に亘る広範囲で高い光電変換効率が得られ、かつ光電変化効率の変化が小さくい。
1 色素増感型光電変換素子
11 透明基板
12 透明導電層
13 下塗り層
14 増感色素を担持した多孔質半導体微粒子層
15 光電極層
16 電解液層
17 触媒層
18 対向電極層
19 封止層
20 取り出し電極
21 集電線
2 マスクフィルムを貼合した透明導電性基板
22 マスクフィルム
23 マスクフィルムの開放部分
3 直列接続色素増感型太陽電池モジュール
31 色素増感型光電変換素子
32 集電線
33 導電性微粒子
34 電極接続部
35 封止層
36 取出し電極

Claims (3)

  1. 透明基材と、前記透明基材上に形成された透明電極層と、前記透明電極層上に形成され、光増感色素を含む多孔質酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層に対向する基材と、前記対向基材の前記酸化物半導体側の表面上に形成された対向電極層と、前記透明電極層と前記対向電極層の間に設けられた電解液層と、前記電解液層の周囲に設けられ、前記電解液層を封止する封止層とを有する色素増感型光電変換素子において、
    前記電解液層を構成する電解液が、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせからなる酸化還元対(I - /I 3 - )を含まず、
    前記光増感色素を含む多孔質酸化物半導体層の平面形状が矩形であって、
    前記矩形の面積(S)が300mm2〜600mm2で、かつ前記矩形の短辺に対する長辺の長さの比(L)が、下記式(1)および(2)を満足する領域に含まれることを特徴とする色素増感型光電変換素子。
    式(1)および式(2)において、Sは、増感色素を含む多孔質酸化物半導体層の矩形面積(mm2)、Lは、増感色素を含む多孔質酸化物半導体層の矩形の短辺に対する長辺の長さの比である。
  2. 請求項1に記載した色素増感型光電変換素子を並列または直列に接続したことを特徴とする色素増感型太陽電池モジュール。
  3. 前記色素増感型光電変化素子を直列に接続した色素増感型太陽電池モジュールが、集電線と導電微粒子からなる電極接続部を介して、前記色素増感型光電変化素子を直列に接続したものであることを特徴とする請求項2に記載する色素増感型太陽電池モジュール。
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