WO2017110304A1 - 光学ガラス、光学素子、及び光学装置 - Google Patents
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Abstract
高屈折率、低分散でありながら透過率が良好であり、低コストな光学ガラスを提供すること。 質量%で、SiO2 5~9%、B2O3 12~15%、La2O3 50~54%、Gd2O3 1~9%、Nb2O5 4~8%、TiO2 3~8%、WO3 0.5~4%、ZrO2 3~7%、の各成分を含有し、かつ、ZnOを実質的に含有しないことを特徴とする光学ガラス。
Description
本発明は、光学ガラス、光学素子、及び光学装置に関する。本発明は2015年12月24日に出願された日本国特許の出願番号2015-251260の優先権を主張し、文献の参照による織みが認められる指定国については、その出願に記載された内容は参照により本出願に織り込まれる。
近年、高画素数のイメージセンサーを備えた撮像機器等が開発されており、これらに用いられる光学系について高い解像度が求められている。このような光学系に使用可能な光学ガラスとして、例えば、特許文献1には、屈折率が1.72~1.86、アッベ数が35~50の光学ガラスが開示されている。
光学系に使用される光学ガラスとして、高屈折率で、低分散なものが望まれている。また、高屈折率、低分散な光学ガラスにおいて、透過率を良好にし、製造コストを低減することも望まれている。本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、高屈折率、低分散でありながら透過率が良好であり、低コストな光学ガラスを提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第一の態様は、SiO2 5~9%、B2O3 12~15%、La2O3 50~54%、Gd2O3 1~9%、Nb2O5 4~8%、TiO2 3~8%、WO3 0.5~4%、ZrO2 3~7%、の各成分を含有し、かつ、ZnOを実質的に含有しない光学ガラスである。
本発明の第二の態様は、第一の態様の光学ガラスを備える、光学素子である。
本発明の第三の態様は、第二の態様の光学素子を備える、光学装置である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。本明細書中において特に断りがない場合、各成分の含有量は全て酸化物換算組成のガラス全質量に対する質量%であるものとする。尚、ここで述べる酸化物換算組成とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩等が溶融時に全て分解されて酸化物に変化すると仮定し、当該酸化物の総質量を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
本実施形態に係る光学ガラスは、質量%で、SiO2 5~9%、B2O3 12~15%、La2O3 50~54%、Gd2O3 1~9%、Nb2O5 4~8%、TiO2 3~8%、WO3 0.5~4%、ZrO2 3~7%、の各成分を含有し、かつ、ZnOを実質的に含有しない光学ガラスである。なお、本明細書中において「実質的に含有しない」とは、当該成分が、不純物として不可避的に含有される濃度を越えて、ガラス組成物の特性に影響する構成成分として含有されないこと、を意味する。例えば、製造過程における100ppm以下程度のコンタミネーションについては、実質的に含有されていないものとする。
本実施形態に係る光学ガラスは、高屈折率、低分散でありながら透過率が良好であり、低コストな光学ガラスである。従来の光学ガラスでは、高屈折率、低分散を達成するとともに透過率を良好にすることは困難であったが、本実施形態に係る光学ガラスは、高屈折率、低分散、良好な透過率の全てを達成させることができる。また、本実施形態に係る光学ガラスは低コストな光学ガラスである。
屈折率が高い光学ガラスは、屈折率を下げるSiO2やB2O3の含有量が抑えられる傾向にある。一方で、SiO2やB2O3の含有量が低いと、光学ガラスの液相温度(Tl)を上昇させる傾向にあるため、ガラス転移温度が低い場合は、特に、固化に要する放熱量とその時間が大きくなる。その結果、溶融ガラスを冷却固化する際に揮発成分の蒸発による組成変動を誘発し、ガラス内部に脈理を生じやすいという問題がある。
しかしながら、本実施形態に係る光学ガラスは、ガラス転移温度と液相温度との差を小さくすることができる。ガラス転移温度と液相温度との差が小さいことは、脈理の発生を抑制する方向に作用する。その結果、本実施形態に係る光学ガラスは脈理の発生を抑制することができる。
本実施形態に係る光学ガラスは、高価な原料を多量に含有せずとも高屈折率、低分散、良好な透過率を達成することができる。このことは原料費等のコストの低減に寄与する。以下、本実施形態に係る光学ガラスの組成について説明する。
SiO2は、ガラス骨格を形成し、液相温度(Tl)を低下させ、化学的耐久性を向上させる成分である。SiO2の含有量は、5~9%であり、好ましくは5~8%であり、より好ましくは6~8%である。この範囲とすることで、耐失透性を高め、成形性を良好にしながら高屈折率化を図ることができる。なお、SiO2の含有量が少なすぎると、失透が生じ易くなる傾向がある。SiO2の含有量が多すぎると、屈折率が低下する傾向にある。
B2O3は、ガラス骨格を形成し、液相温度(Tl)を低下させ、化学的耐久性を向上させる成分である。B2O3の含有量は、12~15%であり、好ましくは12~14%であり、より好ましくは13~14%である。この範囲とすることで、耐失透性を高め、成形性を良好にしながら高屈折率化を図ることができる。なお、B2O3の含有量が少なすぎると、溶融性が悪化するとともに、失透が生じ易くなる傾向がある。B2O3の含有量が多すぎると、屈折率が低下する傾向にある。また、溶融時の粘性が低下して成形が容易でなくなる傾向にある。
La2O3は、屈折率を高め、分散を下げる(アッベ数が増大する)成分である。La2O3の含有量は、50~54%であり、好ましくは50~53%であり、より好ましくは51~53%である。この範囲とすることで、耐失透性を低下させずに高屈折率、低分散化を実現することができる。なお、La2O3の含有量が少なすぎると、屈折率が低下する。La2O3の含有量が多すぎると、ガラスが不安定化して溶融性が低下し、失透が生じやすくなる。なお、光学ガラスの溶融性は、例えば、白金るつぼにバッチを所定量入れて所定温度で加熱した際に、バッチ内の溶け残りの有無を目視判定することで評価できる。
Gd2O3は、屈折率を高め、分散を下げる(アッベ数が増大する)成分である。Gd2O3の含有量は、1~9%であり、好ましくは2~8%、より好ましくは3~7%である。この範囲とすることで、耐失透性を低下させずに高屈折率、低分散化を実現することができる。また、ガラスを安定化させる働きがある。Gd2O3の含有量が少なすぎると、ガラスが不安定化して溶融性が低下し、失透が生じやすくなる。Gd2O3の含有量が多すぎる場合にもガラスが不安定化して溶融性が低下し、失透が生じやすくなる。
Nb2O5は、屈折率を高め、ガラスを安定化させる成分である。Nb2O5の含有量は、4~8%であり、好ましくは5~8%であり、より好ましくは6~8%である。この範囲とすることで、透過率を悪化させずに高屈折率化を実現することができる。なお、Nb2O5の含有量が少なすぎると、高屈折率化が困難となる。Nb2O5の含有量が多すぎると、溶融性が低下して液相温度(Tl)が上昇し、高温での処理が必要となるとともに、透過率が悪化し、低分散化が困難となる。
TiO2は、高屈折率化及び高分散化させる効果を有する成分である。TiO2の含有量は、3~8%であり、好ましくは4~8%であり、より好ましくは4~7%である。この範囲とすることで、透過率を悪化させずに、Nb2O5以上の高屈折率化を可能とし、失透安定性も良好となる。なお、TiO2の含有量が少なすぎると、高屈折率化が困難となることに加え、失透安定性が低下する恐れがある。TiO2の含有量が多すぎると、透過率が悪化し、Nb2O5以上に低分散化が困難となる。
WO3は、光学ガラスの屈折率を高める効果を有する。用途に応じて所望する屈折率の程度と製造コストのバランスの観点から、WO3の含有量は、0.5~4%であり、好ましくは1%~3%であり、より好ましくは1~2%である。
ZrO2は、高屈折率化及び高分散化させる効果を有する成分である。ZrO2の含有量は、3~7%であり、好ましくは4~7%であり、より好ましくは5~7%である。この範囲とすることで、透過率を悪化させずに高屈折率化を実現することができる。ZrO2の含有量が少なすぎると、高屈折率化が困難となる。ZrO2の含有量が多すぎると、溶融性が低下して液相温度(Tl)が上昇し、高温での処理が必要となる。また、耐失透性が低下してガラス化が困難となる傾向がある。
本実施形態に係る光学ガラスは、ZnOを実質的に含有しないことが好ましい。ZnOを含有すると、ガラス転移点温度(Tg)が低下し、液相温度(Tl)との差がより大きくなる傾向にある。本実施形態に係る光学ガラスは、ZnOを実質的に含有せずとも、高屈折率、低分散、透過率が良好な光学ガラスとすることができる。
さらに、本実施形態に係る光学ガラスは、任意成分として、Y2O3、Ta2O5、BaO、Al2O3、及びSb2O3からなる群より選ばれる1種以上を含有していてもよい。それらの中でも、とりわけ好ましい組み合わせとしては、Y2O3 0~5%、Ta2O5 0~4%、BaO 0~4%、Al2O3 0~1%、Sb2O3 0~1%の組み合わせが挙げられる。
Y2O3は、透過率を悪化させることなく屈折率を高める効果を有する。Y2O3の含有量は、好ましくは0~5%であり、より好ましくは0~4%であり、更に好ましくは0~2%である。
Ta2O5は、光学ガラスの屈折率を高め、耐失透性を向上させる効果を有する。Ta2O5の含有量は、好ましくは0~4%であり、より好ましくは0~3%であり、軽量化(比重の減少)及びコスト(原料費等)の低減の観点から、実質的に含有しないことが更に好ましい。本実施形態に係る光学ガラスは、Ta2O5を多量に含有せずとも、高屈折率、低分散、良好な透過率を達成することができる。
BaOは、溶融性の促進及び光学恒数値の調整に有用である。BaOの含有量は、好ましくは0~4%であり、より好ましくは0~3%であり、更に好ましくは0~2%である。
Al2O3は、光学ガラスの光学恒数値の調整に有用である。Al2O3の含有量は、好ましくは0~1%である。
Sb2O3は、光学ガラスの脱泡を促進する効果があるが、含有することで透過率が悪化する傾向にある。Sb2O3の含有量は、好ましくは0~1%である。
その他、必要に応じて清澄、着色、消色や光学恒数値の微調整等の目的で、上記以外の成分で、公知の清澄剤や着色剤、脱泡剤、フッ素化合物、リン酸等の成分を、本実施形態の効果が得られる範囲で、ガラス組成に適量添加することができる。また、上記成分に限らず、本実施形態の効果が得られる範囲で、その他の成分を添加することもできる。
上述した各原料は、不純物の含有量が少ない高純度品を使用するのが好ましい。例えば、SiO2原料、B2O3原料、TiO2原料のうち1または2以上について高純度品を使用することが好ましい。高純度品とは、当該成分を99.85質量%以上含むものである。高純度品の使用によって、不純物量が少なくなる結果、例えば波長410nm以下の光の内部透過率をより高くできる傾向がある。
次に、本実施形態に係る光学ガラスの物性等について説明する。
本実施形態に係る光学ガラスは、屈折率(nd)の範囲が、好ましくは1.84~1.91であり、より好ましくは1.86~1.91である。このように、本実施形態に係る光学ガラスは高屈折率(屈折率(nd)が大きいこと)を実現できる。高屈折率である光学ガラスを用いると、例えば、光学レンズ等の光学素子を薄型化する設計が可能となる。
本実施形態に係る光学ガラスは、アッベ数(νd)の範囲が、好ましくは34~39であり、より好ましくは35~39である。一般的に、屈折率が高いほど高分散に(アッベ数(νd)が小さく)なる傾向にあり、本実施形態に係る光学ガラスは、高屈折率な光学ガラスとしては低分散(アッベ数(νd)が大きい)である。このような高屈折率、かつ低分散な光学ガラスを用いると、例えば、他の光学ガラスと組み合わせることで、色収差や他の収差が良好に補正された光学系を設計可能である。
溶融成形の観点から、本実施形態に係る光学ガラスは、ガラス転移温度(Tg)が低すぎないことが好ましい。液相温度(Tl)との差が大きいほど、脈理が入り易い傾向にあるからである。この点、本実施形態に係る光学ガラスでは、ガラス転移温度(Tg)を670℃以上とすることができる。また、本実施形態に係る光学ガラスでは、液相温度(Tl)とガラス転移温度(Tg)の差(Tl-Tg)は、好ましくは550℃以下であり、より好ましくは530℃以下である。
光学系の可視光透過率の観点からは、本実施形態に係る光学ガラスは、内部透過率の80%表示値(光路長10mmにおける内部透過率が80%となる波長;λ80)は、好ましくは415nm以下であり、より好ましくは410nm以下である。
光学系の可視光透過率の観点からは、本実施形態に係る光学ガラスは、表面反射を含む内部透過率の70%表示値(光路長10mmにおける着色度が70%となる波長;λ70)は、好ましくは425nm以下であり、より好ましくは415nm以下である。
本実施形態に係る光学ガラスの比重は、好ましくは5.0以下であり、より好ましくは4.9以下である。これにより、光学素子等とした際には軽量化が可能となる。
本実施形態に係る光学ガラスは、Ta2O5等の高価な成分の含有率が低いにもかかわらず、高屈折率を有し、液相温度が低く、透過率性能に優れている。
本実施形態に係る光学ガラスの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。また、製造条件は、適宜好適な条件を選択することができる。例えば、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の原料を目標組成となるように調合し、好ましくは1100~1500℃、より好ましくは1200~1400℃にて溶融し、攪拌することで均一化し、泡切れを行った後、金型に流し成形する製造方法等を採用できる。このようにして得られた光学ガラスは、必要に応じてリヒートプレス等を行って所望の形状に加工し、研磨等を施すことで、所望の光学素子とすることができる。
本実施形態に係る光学ガラスは、カメラや顕微鏡等の光学装置の備えるレンズ等の光学素子として好適である。
本実施形態に係る光学ガラスは、例えば、光学装置が備える光学素子として用いることができる。図1は、本発明の一実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置(光学装置)の斜視図を示す。この撮像装置1は,いわゆるデジタル一眼レフカメラであり、カメラボディ2のレンズマウント(不図示)にレンズ鏡筒3が着脱自在に取り付けられる。そして、レンズ鏡筒3のレンズ4を通した光がカメラボディ2の背面側に配置されたマルチチップモジュール7のセンサチップ(固体撮像素子)5上に結像される。このセンサチップ5は、いわゆるCMOSイメージセンサー等のベアチップであり、マルチチップモジュール7は、例えば、センサチップ5がガラス基板6上にベアチップ実装されたCOG(Chip On Glass)タイプのモジュールである。
なお、光学装置としては、このような撮像装置に限らず、例えば、プロジェクタ等といった幅広い機器が包含される。光学素子についてもレンズに限らず、例えば、プリズム等を挙げることができる。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。各表は実施例及び比較例に係る光学ガラスについて、各成分の酸化物基準の質量%による組成、及び得られた光学ガラスの物性の評価結果を示したものである。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<光学ガラスの作製>
本発明の実施例及び比較例に係る光学ガラスは、以下の手順で作製した。まず、各表に記載の組成(質量%)となるよう、酸化物、水酸化物、リン酸化合物(リン酸塩、正リン酸等)、炭酸塩、及び硝酸塩等のガラス原料を秤量した。次に、秤量した原料を混合して白金ルツボに投入し、1380℃の温度で溶融させて攪拌均一化した。泡切れを行った後、適当な温度に下げてから金型等に鋳込んで徐冷し、成形することで各サンプルを得た。
本発明の実施例及び比較例に係る光学ガラスは、以下の手順で作製した。まず、各表に記載の組成(質量%)となるよう、酸化物、水酸化物、リン酸化合物(リン酸塩、正リン酸等)、炭酸塩、及び硝酸塩等のガラス原料を秤量した。次に、秤量した原料を混合して白金ルツボに投入し、1380℃の温度で溶融させて攪拌均一化した。泡切れを行った後、適当な温度に下げてから金型等に鋳込んで徐冷し、成形することで各サンプルを得た。
<光学ガラスの測定>
・屈折率(nd)とアッベ数(νd)
各サンプルの屈折率(nd)及びアッベ数(νd)は、屈折率測定器(株式会社島津デバイス製造製:KPR-2000)を用いて測定及び算出した。なお、アッベ数(νd)は下記式(1)に基づき算出した。なお、屈折率の値は、小数点以下第6位までとした。
νd=(nd-1)/(nF-nC)・・・・(1)
nd:波長587.562nmの光に対するガラスの屈折率
nF:波長486.133nmの光に対するガラスの屈折率
nC:波長656.273nmの光に対するガラスの屈折率
・屈折率(nd)とアッベ数(νd)
各サンプルの屈折率(nd)及びアッベ数(νd)は、屈折率測定器(株式会社島津デバイス製造製:KPR-2000)を用いて測定及び算出した。なお、アッベ数(νd)は下記式(1)に基づき算出した。なお、屈折率の値は、小数点以下第6位までとした。
νd=(nd-1)/(nF-nC)・・・・(1)
nd:波長587.562nmの光に対するガラスの屈折率
nF:波長486.133nmの光に対するガラスの屈折率
nC:波長656.273nmの光に対するガラスの屈折率
・液相温度(Tl)
各サンプルの液相温度(Tl)は、ガラス約0.1gを穴の空いた白金板に乗せ、10℃刻みの温度勾配がついた試験炉内で18分間保持した後、炉から出して急冷し、倍率100倍の顕微鏡で失透の有無を観察した。なお液相温度の値は、高温側から見て失透が生じない最低温度とした。
各サンプルの液相温度(Tl)は、ガラス約0.1gを穴の空いた白金板に乗せ、10℃刻みの温度勾配がついた試験炉内で18分間保持した後、炉から出して急冷し、倍率100倍の顕微鏡で失透の有無を観察した。なお液相温度の値は、高温側から見て失透が生じない最低温度とした。
・内部透過率(λ80)
各サンプルの内部透過率(λ80)は、厚み方向と平行に光が入射した際の波長200~700nmの範囲における厚さ10mm当たりの表面反射による損失を含まない透過率を測定し、80%となる波長をλ80として表記した。
各サンプルの内部透過率(λ80)は、厚み方向と平行に光が入射した際の波長200~700nmの範囲における厚さ10mm当たりの表面反射による損失を含まない透過率を測定し、80%となる波長をλ80として表記した。
・着色度(λ70)
各サンプルの着色度(λ70)は、厚み方向と平行に光が入射した際の波長200~700nmの範囲における厚さ10mm当たりの表面反射による損失を含む透過率を測定し、70%となる波長をλ70として表記した。
各サンプルの着色度(λ70)は、厚み方向と平行に光が入射した際の波長200~700nmの範囲における厚さ10mm当たりの表面反射による損失を含む透過率を測定し、70%となる波長をλ70として表記した。
・ガラス転移温度(Tg)
各サンプルのガラス転移温度(Tg)は、4℃/分の昇温速度で測定したDTA曲線から求めた。あわせて、Tgの値等から脈理の有無についても評価した。
各サンプルのガラス転移温度(Tg)は、4℃/分の昇温速度で測定したDTA曲線から求めた。あわせて、Tgの値等から脈理の有無についても評価した。
・耐失透性
各サンプルの耐失透性は、作製したガラスを研磨加工し、失透の有無を、顕微鏡(倍率100倍)を用いて目視で確認した。各表の「失透有」とは、試料中に失透部分が観察されたことを意味し、「失透無し」とは、試料中に失透部分が観察されなかったことを意味する。「反応せず」とは、調合した原料を1380℃で加熱しても溶融せず、原料のままガラス化しなかったことを意味する。
各サンプルの耐失透性は、作製したガラスを研磨加工し、失透の有無を、顕微鏡(倍率100倍)を用いて目視で確認した。各表の「失透有」とは、試料中に失透部分が観察されたことを意味し、「失透無し」とは、試料中に失透部分が観察されなかったことを意味する。「反応せず」とは、調合した原料を1380℃で加熱しても溶融せず、原料のままガラス化しなかったことを意味する。
各実施例はいずれも、高屈折率、低分散、で透過率が良好であり、低コストで製造できることが確認された。さらに、各実施例のサンプルはいずれも、失透が認められなかった。
一方、比較例1は、調合した原料が上述の加熱温度では溶融せず、原料のままガラス化反応しなかった。比較例2~5は、サンプルに失透が認められたため、各種物性値を測定することは困難であった。また、比較例6、7はTa2O5を実施例より多く含む組成であり、製造コストの点で劣る組成である。各実施例の組成はTa2O5の含有量がゼロあるいは少ないにもかかわらず、比較例6、7で評価した物性と大きな差がなく、各実施例の組成の方が優れた組成であることが分かる。
1:撮像装置、2:カメラボディ、3:レンズ鏡筒、4:レンズ、5:センサチップ、6:ガラス基板、7:マルチチップモジュール
Claims (10)
- 質量%で、
SiO2 5~9%、
B2O3 12~15%、
La2O3 50~54%、
Gd2O3 1~9%、
Nb2O5 4~8%、
TiO2 3~8%、
WO3 0.5~4%、
ZrO2 3~7%、
の各成分を含有し、かつ、
ZnOを実質的に含有しないことを特徴とする、光学ガラス。 - 質量%で、
Y2O3 0~5%、
Ta2O5 0~4%、
BaO 0~4%、
Al2O3 0~1%、
Sb2O3 0~1%、
の各任意成分を更に含有することを特徴とする、請求項1に記載の光学ガラス。 - 屈折率(nd)が1.84~1.91であり、アッベ数(νd)が34~39である、請求項1又は2に記載の光学ガラス。
- ガラス転移温度(Tg)が、675℃以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学ガラス。
- 光路長10mmにおける内部透過率が80%となる波長(λ80)が、415nm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
- 光路長10mmにおける着色度が70%となる波長(λ70)が、425nm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の光学ガラス。
- 比重が5.0以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学ガラス。
- 液相温度が1220℃以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の光学ガラス。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の光学ガラスを備える、光学素子。
- 請求項9に記載の光学素子を備える、光学装置。
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111320384A (zh) * | 2019-04-04 | 2020-06-23 | 株式会社小原 | 光学玻璃的制造方法 |
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