WO2016174867A1 - モータの過負荷保護方法 - Google Patents

モータの過負荷保護方法 Download PDF

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Abstract

本モータの過負荷保護方法は、モータへの通電電流量に対応した通電許容時間を導出した過負荷保護特性を用いて、ある電流を流し続けた時間に対するモータの温度を推定することでモータの過熱を防ぐモータの過負荷保護方法である。そして、本過負荷保護方法は、通電電流量に依存したモータの発熱による温度上昇と、モータの速度に依存したモータの発熱による温度上昇とを考慮してモータの温度の推定を行っている。さらに、本過負荷保護方法の過負荷保護特性の導出は、モータ速度が低いほどモータの過負荷保護に使用されるこの通電電流量を低くするよう補正している。

Description

モータの過負荷保護方法
 本発明は産業用装置等に使用されるモータの過負荷保護方法に関する。
 一般に、産業用装置等で使用されるモータにおいては、モータの過負荷保護の機能が装備されている。この過負荷保護として一般的には、例えば次のような処理が行われている。すなわち、温度を推定して保護すべき温度以上となった場合に、モータが過負荷状態であると判定し、モータへの通電を遮断し、モータの巻線抵抗等の熱から生じる高温化からモータの焼損を防ぐことで、モータを保護している。
 従来、この過負荷保護のより具体的な例としては、例えば、図7の曲線Z1に示すような過負荷保護特性を利用した手法が知られている。図7に示す曲線Z1は、横軸をモータへの通電電流I、縦軸を許容通電時間Taとしたときの過負荷保護特性を示している。この過負荷保護特性は、ある通電電流Iでモータが連続して通電されたとき、その通電による温度上昇が保護すべき温度に到達するまでの時間を求めることで、曲線Z1のような特性を得ている。
 例えば、従来、電源電力を負荷に供給して駆動する負荷回路において、その負荷回路の電線温度が上昇した際に、負荷回路への電源電力を遮断する負荷回路の保護装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この保護装置は、電流量に基づいた電線の発熱量、その電線の放熱量、タイマで計時される時間、および疑似熱容量などを用いて、上述の過負荷保護特性となるような電線の推定温度を算出している。そして、算出された電線温度が、電線の許容温度に達した場合に、半導体リレーを遮断して負荷回路を発熱から保護している。
 さらに、従来、3相交流のモータにおいて、モータの停止位置に応じて過負荷保護特性を切り替える手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。すなわち、3相交流のモータの場合は、停止位置によってモータ巻線への通電電流が異なる。図8は、このようなモータの停止位置により各相の電流が異なることを示す図であり、横軸に時間T、縦軸に電流Iをとり、3相交流のU相、V相、W相の電流をそれぞれ、Iu、Iv、Iwとして示している。そして、モータ停止時であるサーボロック状態においては、図8に示すように、停止位置に応じてIu、Iv、Iwが異なる。例えば、図8のY1の位置でサーボロックしている場合、U相電流Iuには電流振幅Ip=実効電流Irms×√2、V相電流IvとW相電流Iwには-0.5Ipの電流が流れる。また、Y2の位置でサーボロックしている場合は、U相電流Iuには0.866Ip、V相電流Ivには0、W相電流Iwには-0.866Ipの電流が流れる。電流による発熱は電流の二乗に比例するため、このように、モータ停止位置によってU、V、W各相の発熱が異なる。したがって、図9に示すように、モータ回転時における過負荷保護特性Z1とともに、モータ停止時においては、停止位置に応じた複数個の過負荷保護特性X1、X2、X3、X4も予め導出しておく。そして、この手法では、モータが停止中であることを示す信号と、モータの停止位置を示す信号とから、過負荷保護特性を切り替えている。
 しかしながら、従来の特許文献2のようなモータの過負荷保護方法では、モータの通電電流の大きさに依存した巻線抵抗の銅損のみの発熱を考慮しているが、モータの温度は、銅損による発熱だけでなく、鉄損と機械損とによる発熱の影響をも考慮する必要がある。ここで、鉄損は、鉄心に起因する渦電流等の損失であり、モータ速度に依存し、機械損は、軸受け等の機械的な摩擦の損失である。また、上述のように、モータ停止時では停止位置によって電流による発熱が各相で異なる。ところが、モータの電流が比較的低い場合は、発熱によるモータの温度上昇に対して放熱による温度平滑化が早くなる。このため、電流の大きさによっても熱量が変化し、その結果、モータの温度が正しく推定できていないという課題を有していた。
特開2013-85469号公報 特開平4-372521号公報
 本発明のモータの過負荷保護方法は、モータへの通電電流量に対応した通電許容時間を導出した過負荷保護特性を用いて、ある電流を流し続けた時間に対するモータの温度を推定することでモータの過熱を防ぐモータの過負荷保護方法である。そして、本過負荷保護方法は、通電電流量に依存したモータの発熱による温度上昇と、モータの速度に依存したモータの発熱による温度上昇とを考慮して温度の推定を行っている。
 また、本発明のモータの過負荷保護方法での過負荷保護特性の導出は、モータ速度が低いほどモータの過負荷保護に使用される通電電流量を低くするよう補正している。
 本発明のモータの過負荷保護方法は、このように、モータの通電電流量に基づく温度上昇に加えて、モータ速度に基づく温度上昇をも考慮しているため、モータの温度を正しく推定することが可能となり、精度良く過負荷からモータを保護することができる。また、特に、モータの速度とその通電電流量とが低い動作領域において、許容通電時間を従来に比べて長くでき、モータの連続動作領域を拡張することができる。
図1は、本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置のブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態におけるモータの過負荷保護方法を実施するための過負荷保護特性を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態におけるいずれかの相にピーク電流が流れる位置でモータが停止した場合の電流と、各相に発熱が集中する場合の電流との比率の関係を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態におけるモータ速度に対する発熱量の関係を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態おける通電許容時間Taを求める処理を説明するための図である。 図6は、本発明の実施の形態おける過負荷保護検出部の詳細な構成を示すブロック図である。 図7は、従来例におけるモータ回転時の過負荷保護特性を示す図である。 図8は、従来例におけるモータの停止位置により各相の電流が異なることを示す図である。 図9は、従来例におけるモータの停止位置に応じた複数個の過負荷保護特性を示す図である。
 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
 (実施の形態)
 図1は、本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置のブロック図である。
 図1において、モータ駆動装置10は、外部から供給される速度指令Srに応じて、モータ30に流れるU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの3相の電流量を制御し、モータ30を駆動する。エンコーダ31は、モータ30のモータ位置情報Pdを検出してモータ駆動装置10にフィードバックする。
 次に、モータ駆動装置10の詳細を説明する。図示しない位置制御の結果として、あるいは外部I/Fを通じてや内部指令計算により生成された速度指令Srが、モータ駆動装置10に供給される。また、モータ駆動装置10では、エンコーダ31のモータ位置情報Pdが速度検出部13に入力され、速度検出部13は、モータ速度Sdを算出する。これは、例えば演算周期毎の角度情報の差分を演算周期で除することで計算できる。
 モータ30の回転速度を指令する速度指令Srと、モータ30の実回転速度を示すモータ速度Sdとが減算器22に供給される。減算器22は、速度指令Srとモータ速度Sdとの差である速度偏差dSを算出し、速度制御部11に供給する。速度制御部11は、入力した速度偏差dSに基づき、電流指令Irを計算する。この電流指令Irは、一般的にはPI(比例ー積分)制御器で算出され、電流制御部12に供給される。そして、電流指令Irに応じた駆動電流がモータ30に流れ、モータ30が所望のトルクを出力し負荷を駆動するように、電流制御部12がU相電流IuとV相電流IvとW相電流Iwを制御する。
 また、過負荷保護検出部14は、モータ30への通電電流量に対応した通電許容時間を推定し、通電している電流量でのモータ通電時間が通電許容時間を超えないように制御する本実施の形態の過負荷保護方法を実行し、これによってモータの過熱を防いでいる。具体的には、モータ速度Sdと電流指令Irとが過負荷保護検出部14に入力される。そして、過負荷保護検出部14は、本過負荷保護方法に基づき、通電電流量Iとしての電流指令Irとともにモータ速度Sdを利用し、過負荷保護検出情報Prtを生成して出力する。また、この過負荷保護検出情報Prtは、モータ30を保護すべきとする過負荷状態が検出されたことを示す情報である。
 この過負荷保護検出情報Prtは、速度制御部11と電流制御部12とにそれぞれ入力される。そして、過負荷保護検出情報Prtが過負荷検出を示す時は、速度制御部11が電流指令Irをゼロ(0)にするとともに、電流制御部12はモータ30への通電を遮断する。なお、本実施の形態では、電流指令Irの値を以下で説明する通電電流量Iとして利用しているが、実際にモータ30への駆動電流を測定し、測定した駆動電流値を通電電流量Iとして過負荷保護検出部14に供給しても良い。
 以上のように構成されたモータ駆動装置10における過負荷保護方法について、以下その処理手順や動作について説明する。
 図2は、本発明の実施の形態におけるモータの過負荷保護方法を実施するための過負荷保護特性を示す図であり、横軸はモータ30への通電電流量I、縦軸は許容通電時間Taである。過負荷保護特性は、ある一定の電流をモータ30に流し続けた場合に、モータ30の保護すべき温度まで上昇する時間をプロットし、近似曲線を生成することで導出できる。
 図2の曲線A1は、モータ30が許容する最高速度時において、モータ30の発熱の要因として、電流の大きさに依存した銅損による発熱に、鉄損と機械損との固定の発熱を加えた場合の過負荷保護特性である。なお、この曲線A1は、モータ回転時の特性であるため、最高速度における鉄損と機械損とは、電流に依存せず、固定の発熱量を発熱するとみなすことができる。これより、この曲線A1では、鉄損と機械損とを固定の発熱として、予め考慮している。また、モータ回転時は、発熱によるUVW相それぞれの温度上昇は均一となる。
 次に、図2の曲線A2は、UVW相のいずれかにピーク電流が流れる位置(例えば、図8のY1の位置)でモータ30が停止した場合での過負荷保護特性である。この曲線A2では、放熱によるUVW相それぞれの温度均一化を考慮しない場合を示している。また、ピーク電流は正弦波電流の振幅となる。この場合、モータ回転時のUVW相それぞれの実効電流Irmsに対し、モータ停止時に特定の相に流れるピーク電流は√2倍となる。さらに、発熱量は電流の二乗に比例することから、モータ回転時に対して、モータ停止時では、2倍の発熱を考慮した過負荷保護特性となる。つまり、モータ回転時に対してモータ停止時は、同一電流における通電許容時間Taが短くなり、図2において曲線A1に対して曲線A2は左下方向へ移動したような特性となる。
 また、図2の曲線A11は、本実施の形態におけるモータ停止時の過負荷保護特性であり、曲線A2に比べて、放熱によるUVW相それぞれの温度均一化を考慮している。
 ここで、放熱によるUVW相それぞれの温度均一化について図3を用いて説明する。図3は、上述のように、ある相にピーク電流が流れるような位置(例えば、図8のY1の位置)でモータが停止した場合の電流と、その場合の相(Y1ではU相)に発熱が集中する比率との関係を示しており、横軸は通電電流量Iの二乗、縦軸は温度上昇集中係数Kである。ここで、モータ回転時では、UVW相それぞれが同じように通電駆動されるため、発熱によるUVW相それぞれの温度上昇が均一となる。このため、特定の相に発熱が集中せず、互いの相間での比率は1であることより、モータ回転時の温度上昇集中係数Kを1としている。
 また、モータが停止した場合であっても、通電電流量Iが低い場合は、発熱による温度上昇に対して放熱による温度の均一化も早いため、モータ回転時と同じく、温度上昇集中係数Kを1と考えることができる。これに対し、モータが停止したときの通電電流量Iが大きい場合は、発熱による温度上昇に対して放熱による温度の均一化が遅くなる。このため、ピーク電流が流れる相においては、モータ回転時の実効電流Irmsと正弦波電流の振幅との比率である√2倍の電流が流れ、発熱は電流の二乗に比例することから、温度上昇集中係数Kは2となる。すなわち、ピーク電流が流れる相に集中して、他の相に比べて2倍の温度上昇が生じることになる。
 また、温度上昇集中係数Kが1から2への切り替わりは、モータの放熱特性で決まり、図3の直線B1のように近似する。ここで、図3での電流値I1は、発熱による各相の温度上昇が均一とみなせる通電電流量Iの上限となる。また、図3での電流値I2は、特定の相にピーク電流が流れた時の温度上昇がモータ回転時の温度上昇の2倍とみなせる通電電流量Iの下限である。なお、図3では、ソフトウェア処理を想定して簡略化した直線近似としているが、よりモータの放熱特性に見合った近似とすることが望ましい。
 また、図3の電流値I2と図2の電流値I2とは同じである。そして、本実施の形態におけるモータ停止時の過負荷保護特性である図2の曲線A11は、通電電流量Iが電流値I2より低い領域に置いて、曲線A2に対して許容通電時間Taが長い特性となる。すなわち、曲線A2および曲線A11のいずれもモータ停止時の過負荷保護特性であるとともに、通電電流量Iが低いときには、本実施の形態での曲線A11のほうが曲線A2よりも長い通電時間を許容している。
 さらに、図2の曲線A12は、本実施の形態におけるモータ最高速度時の過負荷保護特性である。この曲線A12は、曲線A11に比べて、モータの発熱の要因として電流の大きさに依存した銅損だけではなく、モータ速度に依存した鉄損と機械損とを考慮した場合の過負荷保護特性である。なお、鉄損は、鉄心に起因する渦電流等の損失であってモータ速度に依存し、機械損は、軸受け等の機械的な摩擦の損失である。
 ここで、モータ速度に対する発熱量について図4を用いて説明する。図4は、横軸がモータ速度V、縦軸が発熱量Pである。図4の直線C1は、銅損による発熱量であり、モータ速度Vに依存せず一定となる。図4の曲線C2は、鉄損による発熱量と機械損による発熱量との和であり、モータ速度Vに対して2次関数的な曲線(ただし、1次直線と近似しても良い)となる。曲線C3は、銅損による発熱量と鉄損による発熱量と機械損による発熱量との総和である。モータの許容する最高速度V1における鉄損による発熱量と機械損による発熱量との和をP1とすると、モータ回転時はモータ停止時に対して発熱量P1による温度上昇を考慮した過負荷保護特性とする必要がある。
 つまり、モータ速度Vが高くなるほど、図2の曲線A11に比べて許容通電時間Taが短い特性となる。したがって、曲線A12は、曲線A11に対して左下方向へ移動したような特性となる。しかし、一般的に通電電流量Iが大きくなるほど銅損による発熱が支配的となるため、通電電流量Iが所定の電流値(図2における電流値I3)以上の領域では、曲線A12は曲線A11とほぼ等しい特性となる。すなわち、銅損に加えて、鉄損や機械損も考慮した場合には、通電電流量Iが低いときには、最高速度時の特性である曲線A12のほうが、曲線A11よりも短い通電時間を許容することになる。
 以上より、銅損に加えて、鉄損や機械損も考慮した場合、モータ停止時では曲線A11となるが、モータ速度が大きく(高速に)なるにつれて、曲線A11よりも許容する通電時間が短い曲線A12に近づくことになる。このように、モータ最高速度時には、曲線A12となる過負荷保護特性とすることで、通電許容時間を正しく推定した過負荷保護が可能となる。特に、モータ速度と電流量が低い動作領域において、許容通電時間を従来の過負荷保護特性である曲線A2に比べて長くでき、モータの連続動作領域を拡張できる。
 以上のように、本実施の形態では、モータ速度により変位する特性曲線として、曲線A11、曲線A12、およびこの2つの曲線間の領域の特性曲線を用いた過負荷保護特性を利用している。そして、このような過負荷保護特性を利用した本実施の形態の過負荷保護方法に基づく過負荷保護処理を行うことによって、モータ30を過負荷から保護している。具体的に、本実施の形態の過負荷保護処理では、過負荷保護検出部14により、曲線A11はモータ停止時、曲線A12はモータ最高速度時、モータ中低速時においては曲線A11とA12に挟まれた領域内で、通電電流量Iに対応した通電許容時間Taを求めている。さらに、求めた通電許容時間Taを超えて通電電流量Iが通電されたかどうかを判定している。そして、許容時間を超えて通電したと判定した場合に、過負荷保護検出部14は、過負荷保護検出情報Prtによって、モータ30への通電を遮断するように速度制御部11や電流制御部12を制御している。
 実際には、曲線A2、曲線A11、曲線A12のどれか一つの特性曲線を基準にし、電流制御部12に入力される電流指令Irの値を通電電流量Iとして用い、この値の大きさを補正することで、より精度良く通電許容時間を求めている。すなわち、補正後の電流指令Irの値を、基準となる特性曲線に対応させて通電許容時間を求めている。
 その一例として、まず、補正前の電流指令Irの電流値irと過負荷保護特性の曲線A2とを用いるとともに、この電流値irに補正処理を施して、通電許容時間Taを求める処理を説明する。図5は、このような通電許容時間Taを求める処理を説明するための図であり、図2の低電流の箇所を拡大し、図2の各曲線における電流量が少ない領域に対応している。まず、図5に示すような電流指令Irの電流値irに対し、第1の補正処理として、図3に示す電流指令Irの二乗に依存した補正を実施する。これにより、曲線A2から曲線A11の特性曲線となり、図5に示すように、電流値irに対する通電許容時間が、曲線A2の通電許容時間Tr1から曲線A11の通電許容時間Tr2へと変位量dT1だけ変位する。この変位した通電許容時間Tr2に対して、曲線A2において対応する補正された電流値i2を求めることで、第1の補正処理として電流指令Irの値を補正する。そして、次に、第2の補正処理として、図4に示すモータ速度Vを考慮して、さらに曲線A2において対応する電流値を補正する。
 例えば、モータ速度Vがモータ最高速度となるときには、曲線A12に対応することとなる。これより、モータ最高速度の場合には、図5に示すように、第1の補正処理に基づく曲線A11の通電許容時間Tr2から曲線A12の通電許容時間Tr3へと変位量dT2だけ変位する。そして、この変位した通電許容時間Tr3に対して、曲線A2において対応する補正された電流値i3を求めることで、第2の補正処理が実行される。すなわち、モータ最高速度の場合において、電流指令Irが電流値irの場合には、第1の補正処理および第2の補正処理により、通電電流量Iが電流値i3であるとして出力する。
 逆に、例えば、モータ30が停止しているときには、曲線A11のみに対応することとなる。これより、第2の補正処理としては、実質的には実施されず、通電電流量Iが電流値i2であるとして出力する。また、モータ速度Vが中間的な速度である場合は、曲線A11とA12に挟まれた領域の曲線を算出し、この算出した曲線を用いた第2の補正処理により電流値を求め、通電電流量Iとして出力すればよい。
 本実施の形態のモータの過負荷保護方法において、このような2つのステップの補正処理を含めることで、より精度良い通電許容時間に基づいたモータ保護を実現できる。つまり、電流指令Irに対してこのような2ステップの補正処理によって最終的に求められる補正された電流値を、曲線A2に対応させることで、精度良く、通電許容時間を求めることとなる。
 図6は、本発明の実施の形態おける過負荷保護検出部14の詳細な構成を示すブロック図である。図6に示すように、過負荷保護検出部14は、上述のような第1、第2の補正処理を実行する第1の補正処理部41と第2の補正処理部42とを含む。過負荷保護検出部14には、図6に示すように、電流指令Irが供給され、この電流指令Irが第1の補正処理部41に供給される。第1の補正処理部41は、図3に示す電流指令Irの二乗に依存した補正を行い、補正電流値Ir1として出力する。補正電流値Ir1は、第2の補正処理部42に供給される。第2の補正処理部42は、図4に示すモータ速度Vとして速度検出部13で検出されたモータ速度Sdを用い、図4に示す特性に基づいて補正電流値Ir1を補正し、通電電流量Iとして出力する。そして、このように補正された通電電流量Iが図2での曲線A2に対応した変換テーブル43に供給される。この変換テーブル43には、図2の曲線A2に基づいた通電電流量Iに対する通電許容時間Taが記憶されている。よって、例えば、モータが最高速度であり、電流指令Irが補正されて、第2の補正処理部42から通電電流量Iが電流値i3として変換テーブル43に供給されると、図5に示すように、時間Tr3となる通電許容時間Taが出力される。
 また、タイミング比較部45には、このような通電許容時間Taが供給されるとともに、実際に時間経過を計測するタイマ44から経過時間Tmが供給される。タイミング比較部45は、経過時間Tmと通電許容時間Taとを比較し、経過時間Tmが通電許容時間Taを超えたかどうかを監視し、その監視結果を示す過負荷保護検出情報Prtを出力する。そして、経過時間Tmが通電許容時間Taを超えたとき、過負荷保護検出情報Prtにおいて、モータ30を保護すべき過負荷状態が検出されたとする情報が示される。このような過負荷保護検出情報Prtにより、過負荷状態が検出されたとする情報が示されると、速度制御部11が電流指令Irをゼロにするとともに、電流制御部12はモータ30への通電を遮断する。本実施の形態では、このような処理を行うことによって、通電している電流量でのモータ通電時間が通電許容時間を超えないように制御されることになる。
 このように、本実施の形態でのモータの過負荷保護方法では、図6に示す構成に基づいた処理により、通電電流量Iに依存したモータの発熱による温度上昇に加えて、第2の補正処理のようにモータ速度に依存したモータの発熱による温度上昇も考慮して、通電許容時間の推定をしている。
 また、以上説明したような補正処理の他の例として、過負荷保護検出部14において、補正前の電流指令Irの値と過負荷保護特性の曲線A11を用いた処理を行うことによっても実現できる。このような場合は、電流指令Irの値に対して、まず、図4に示すモータ速度の大きさVによる補正を加えれば良い。
 さらに、他の補正処理の例として、過負荷保護検出部14において、補正前の電流指令Irの値と過負荷保護特性の曲線A12を用いた処理を行うことによっても実現できる。このような場合は、電流指令Irに対して図4に示すモータ速度の大きさVによる補正を加えれば良い。
 また、以上の説明では、推定した通電許容時間に基づいて過負荷保護を行うような構成例について説明したが、通電許容時間に代えて、推定したモータの温度に基づいて過負荷保護を行うような構成としてもよい。すなわち、例えば、図2から、ある電流を流し続けたときに、保護すべき温度に到達する時間である通電許容時間がわかる。電流値を変えて、その電流値のそれぞれの通電許容時間をプロットすると、モータの過負荷保護特性がわかる。この過負荷保護特性を用いることで、ある電流を流し続けた時間に対する温度が推定できる。本発明は、通電電流量に依存したモータの発熱による温度上昇と、モータの速度に依存したモータの発熱による温度上昇とを考慮して、このような温度の推定を行っている。
 また、この過負荷保護特性の導出は、速度の大きさに応じて通電電流量の大きさを補正し、補正したこの通電電流量の大きさに対応した過負荷保護特性を導出している。
 また、この過負荷保護特性の導出は、速度の大きさが低いほど通電電流量の大きさを低く補正している。
 なお、本発明は回転モータに限定されるものではなく、リニアモータにおいても回転系の単位を直動系に置き換えるだけで適用できることはいうまでもない。
 以上のように、本発明にかかるモータの過負荷保護方法は、モータの電流指令に依存した発熱と放熱による温度上昇と、モータ速度に依存した発熱と放熱による温度上昇との両方を考慮してモータの温度を推定しており、モータの連続動作領域を拡張することができる。このため、モータの過負荷保護が重要となる産業用のモータやその他モータの過負荷保護方法として好適である。
 10  モータ駆動装置
 11  速度制御部
 12  電流制御部
 13  速度検出部
 14  過負荷保護検出部
 22  減算器
 30  モータ
 31  エンコーダ
 41  第1の補正処理部
 42  第2の補正処理部
 43  変換テーブル
 44  タイマ
 45  タイミング比較部

Claims (5)

  1. モータへの通電電流量に対応した通電許容時間を導出した過負荷保護特性を用いて、ある電流を流し続けた時間に対するモータの温度を推定することで前記モータの過熱を防ぐモータの過負荷保護方法であって、
    前記通電電流量に依存した前記モータの発熱による温度上昇と、前記モータの速度に依存した前記モータの発熱による温度上昇とを考慮して前記温度の推定を行うことを特徴とするモータの過負荷保護方法。
  2. 前記過負荷保護特性の導出は、前記速度の大きさに応じて前記通電電流量の大きさを補正し、補正したこの通電電流量の大きさに対応した前記過負荷保護特性を導出することを特徴とする請求項1に記載のモータの過負荷保護方法。
  3. 前記過負荷保護特性の導出は、前記速度の大きさが低いほど前記通電電流量の大きさを低く補正することを特徴とする請求項2に記載のモータの過負荷保護方法。
  4. 前記モータの発熱とは、前記モータの巻線による銅損による発熱およびこのモータの鉄損と機械損による発熱の総熱であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のモータの過負荷保護方法。
  5. 前記通電電流量として、電流指令と前記モータの電流検出値とのいずれかを用いることで前記過負荷保護特性の導出を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のモータの過負荷保護方法。
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