JP5309242B1 - 電源回生及び停電時の同期モータの停止を行うために同期モータを制御する同期モータ制御装置 - Google Patents

電源回生及び停電時の同期モータの停止を行うために同期モータを制御する同期モータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】同期モータに交流電力を供給するインバータに並列に接続されたDCリンク部の電圧が過電圧になる事態を、コスト及び同期モータの運転効率に悪影響を及ぼすことなく回避することができるとともに、交流電源の停電時に過電圧アラームを発生することなく迅速かつ安全に同期モータを停止させることができる同期モータ制御装置を提供する。
【解決手段】q軸電流指令値設定部12は、永久磁石同期電動機5の駆動時に交流電源1が停電したときは、q軸電流指令値Iqcomをq軸電流値Iqkに設定し、d軸電流指令値設定部13は、永久磁石同期電動機5の駆動時に交流電源1が停電したときは、d軸電流指令値Idcomをd軸電流値Idkに設定する。q軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkは、永久磁石同期電動機5の単位時間当たりの仕事率の絶対値が永久磁石同期電動機5の単位時間当たりの損失と等しくなるように設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、同期モータの減速時に生じる回生エネルギーを交流電源側に回生する電源回生を行うとともに交流電源の停電時に同期モータの停止を行うために同期モータを制御する同期モータ制御装置に関する。
従来、モータの減速時に生じる回生エネルギーを処理するために、回生エネルギーを交流電源側に回生する電源回生を行うためにモータを制御するモータ制御装置が用いられている。このような電源回生を行う場合、交流電源の停電時にはモータの減速に伴って生じた回生エネルギーを交流電源側に回生することができないので、モータに交流電力を供給するインバータに並列に接続されたDCリンク部の電圧が過電圧(異常電圧)になる。DCリンク部の電圧が過電圧になる事態を回避するために、交流電源の停電時にモータの減速に伴って生じた回生エネルギーを消費するための回生抵抗又はダイナミックブレーキを設けたモータ制御装置が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
しかしながら、モータ制御装置に回生抵抗又はダイナミックブレーキを設ける場合、モータの出力が大きくなるに従って回生抵抗又はダイナミックブレーキの容量を大きくする必要があり、回生抵抗又はダイナミックブレーキの容量が大きくなるに従ってモータ制御装置のコストが増大するという不都合がある。
一方、交流電源の停電時にモータの減速に伴って生じた回生エネルギーを回生抵抗又はダイナミックブレーキを設けることなく処理することができるように誘導モータを制御する誘導モータ制御装置が提案されている(例えば、特許文献3)。このような誘導モータ制御装置では、交流電源の停電に伴う誘導モータの減速時において、同一トルク条件下で誘導モータのd軸電流の値を抑制することによって誘導モータのq軸電流の値を増大させ、誘導モータの運転効率を誘導モータの減速時以外の駆動時よりも低下させることによって交流電源側に回生される回生エネルギーが発生しないようにしている。また、上述した誘導モータ制御装置では、交流電源の停電に伴う誘導モータの減速時以外の駆動時において、誘導モータの運転効率を誘導モータの減速時よりも上げるために、d軸電流の値を、減速時よりも大きな値に設定している。
特開平10−243675号公報 特開2002−369564号公報 特開平5−51182号公報
しかしながら、電源回生を行うように同期モータを制御する場合、q軸電流がトルクの生成に寄与するので、交流電源の停電に伴う同期モータの減速時に同期モータのd軸電流の値を抑制するとともに同期モータのq軸電流の値を増大させた場合、回生エネルギーが増大し、同期モータに交流電力を供給するインバータに並列に接続されたDCリンク部の電圧が過電圧になることによって過電圧アラームが発生するおそれがある。また、交流電源の停電に伴う同期モータの減速時以外の駆動時において、d軸電流の値を、ゼロを超える値に設定した場合、同期モータの消費電力が増大し、同期モータの運転効率が著しく低下する。
本発明の目的は、同期モータに交流電力を供給するインバータに並列に接続されたDCリンク部の電圧が過電圧になる事態を、コスト及び同期モータの運転効率に悪影響を及ぼすことなく回避し、交流電源の停電時に過電圧アラームを発生することなく迅速かつ安全に同期モータを停止させることができる同期モータ制御装置を提供することである。
本発明による同期モータ制御装置は、同期モータの減速時に生じる回生エネルギーを交流電源側に回生する電源回生を行うとともに交流電源の停電時に同期モータの停止を行うために同期モータを制御する同期モータ制御装置であって、同期モータのトルク電流に相当するq軸電流及び同期モータの励磁電流に相当するd軸電流を、同期モータに流れる第1の相の電流、第2の相の電流及び第3の相の電流のうちの少なくとも二つ及び同期モータの位置に基づいて検出するq軸電流及びd軸電流検出部と、同期モータの駆動時に交流電源が停電しないときは、同期モータの第1のq軸電流指令値を、同期モータの速度と同期モータに対する速度指令値との差に基づいて設定し、同期モータの駆動時に交流電源が停電したときは、同期モータの第2のq軸電流指令値を設定するq軸電流指令値設定部と、同期モータの駆動時に交流電源が停電しないときは、同期モータの第1のd軸電流指令値をゼロの値に設定し、同期モータの駆動時に交流電源が停電したときは、同期モータの第2のd軸電流指令値をゼロより大きい値に設定するd軸電流指令値設定部と、同期モータを、q軸電流、d軸電流、第1のq軸電流指令値又は第2のq軸電流指令値、及び第1のd軸電流指令値又は第2のd軸電流指令値に基づいて駆動する駆動部と、を備え、第2のq軸電流指令値及び第2のd軸電流指令値は、同期モータの単位時間当たりの仕事率の絶対値が同期モータの単位時間当たりの損失と等しくなるように設定されることを特徴とする。
好適には、第2のq軸電流指令値は、同期モータの速度と同期モータに対する速度指令値との差に基づいて設定され、第2のd軸電流指令値は、同期モータの速度と同期モータに対する速度指令値との差に基づいて設定した第2のq軸電流指令値に基づいて設定される。
好適には、第2のq軸電流指令値及び第2のd軸電流指令値は、同期モータが許容できる最大の消費電力又は予め与えられた消費電力に基づいて設定される。
好適には、同期モータの駆動時に交流電源が停電したときに同期モータのトルクを制限するために設けられた第2のq軸電流指令値の第1のリミット値は、同期モータの駆動時に交流電源が停電しないときに同期モータのトルクを制限するために設けられた第2のq軸電流指令値の第2のリミット値よりも低い値に設定される。
本発明によれば、第2のq軸電流指令値及び第2のd軸電流指令値は、同期モータの単位時間当たりの仕事率の絶対値が同期モータの単位時間当たりの損失と等しくなるように設定されるので、同期モータの駆動時に交流電源が停電したときに生じる回生電力がゼロになる。したがって、同期モータに交流電力を供給するインバータに並列に接続されたDCリンク部の電圧が過電圧になる事態を、コスト及び同期モータの運転効率に悪影響を及ぼすことなく回避することができるとともに、交流電源の停電時に過電圧アラームを発生することなく迅速かつ安全に同期モータを停止させることができる。
本発明の実施の形態の同期モータ制御装置を有するシステムのブロック図である。 図1の同期モータ制御装置の動作のフローチャートである。 q軸電流指令値及びd軸電流指令値の第1の設定例を説明するための図である。 q軸電流指令値及びd軸電流指令値の第2の設定例を説明するための図である。
本発明による同期モータ制御装置の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の同期モータ制御装置を有するシステムのブロック図である。図1に示すシステムは、交流電源としての三相交流電源1と、コンバータ2と、DCリンク部としての平滑用コンデンサ3と、インバータ4と、同期モータとしての永久磁石同期電動機5と、被駆動体6と、位置検出部7と、回転速度演算部8と、メモリ9と、同期モータ制御装置10と、停電検出部21と、上位制御装置22と、コンバータ制御部23と、を有する。
コンバータ2は、例えば、複数(3相交流の場合は6個)の整流ダイオード及びこれらの整流ダイオードのそれぞれに逆並列に接続されたトランジスタによって構成され、三相交流電源1から供給される交流電力を直流電力に変換する。平滑用コンデンサ3は、コンバータ2の整流ダイオードによって整流された電圧を平滑化するためにコンバータ2に並列に接続される。インバータ4は、平滑用コンデンサ3に並列に接続され、例えば、複数(3相交流の場合は6個)の整流ダイオード及びこれらの整流ダイオードのそれぞれに逆並列に接続されたトランジスタによって構成され、後に説明するPWM信号VPWMに基づいてトランジスタのオンオフ動作を行うことによって、コンバータ2によって変換された直流電力を交流電力に変換する。
永久磁石同期電動機5は、テーブル、アーム、それらに着脱されるワーク等の被駆動体6が接続され、例えば、工作機械においてワークを保持するテーブルの位置や姿勢を変えるためのもの、ロボットのアームを回転操作させるもの等であってもよい。本実施の形態では、永久磁石同期電動機5を、位置検出部7が取り付けられた回転軸51を有するロータ52と、ロータ52を取り囲むように配置されたステータ53とを有する回転型サーボモータとする。
ロータ52は、90°間隔で配置された4個の永久磁石54a,54b,54c,54dを有する。永久磁石54a,54b,54c,54dは、ステータ53側の端部がロータ52の回転方向に対して互いに90°ずつ離れるとともに、永久磁石54a,54b,54c,54dの外側の端部が交互にN極、S極、N極及びS極となるように配置される。
ステータ53は、120°間隔で配置され、第1の相の電流、第2の相の電流及び第3の相の電流としてのU相電流IU、V相電流IV及びW相電流IWがそれぞれ供給される3個の巻線55u,55v,55wを有する。したがって、永久磁石同期電動機5は、三相同期電動機として機能する。
本実施の形態では、ステータ53が、コイル(巻線55u,55v,55w)を有し、電力を受給する一次側となり、ロータ52が、磁石(永久磁石54a,54b,54c,54d)を有し、一次側から力を受ける二次側となる。
位置検出部7は、可動子の位置としてロータ52の回転角度θを検出するロータリーエンコーダによって構成される。回転速度演算部8は、回転角度θが入力され、回転角度θを時間で微分することによってU相電流IU、V相電流IV及びW相電流IWの周波数に相当するロータ52の回転速度ωを演算し、回転速度ωを同期モータ制御装置10に出力する。
メモリ9は、上位制御装置22から同期モータ制御装置10に入力されるロータ52に対する速度指令値である回転速度指令ωcomと、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電したときの第2のq軸電流指令値及び第2のd軸電流指令値として設定されるq軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkとの関係を表すルックアップテーブルを格納する。
インバータ4から永久磁石同期電動機5に供給される単位時間(例えば、同期モータ制御装置10の制御周期(例えば、250マイクロ秒))当たりの電力をPmで表し、ロータ52を回転させることによって永久磁石同期電動機5の外部に作用する永久磁石同期電動機5の単位時間当たりの仕事率をPwで表し、銅損、鉄損等の永久磁石同期電動機5の単位時間当たりの損失をPlで表した場合、
Figure 0005309242
の関係が成立する。仕事率Pwは、永久磁石同期電動機5が加速するときにはゼロの値より大きくなり、永久磁石同期電動機5が減速するときにはゼロの値より小さくなる。損失Plは常にゼロの値より大きくなる。電力Pmの極性は、仕事率Pwの値及び損失Plの値に依存して変化し、電力Pmがゼロの値より大きいときは、インバータ4から永久磁石同期電動機5に交流電力を供給している状態(力行)に対応し、電力Pmがゼロの値より小さいときは、永久磁石同期電動機5からインバータ4に交流電力を供給している状態(回生)に対応する。永久磁石同期電動機5の減速時に永久磁石同期電動機5からインバータ4に回生される回生電力をPrで表した場合、
Figure 0005309242
の関係が成立する。
永久磁石同期電動機5の加速時には、ロータ52の回転エネルギーErev=ΣPwがロータ52に蓄積され、永久磁石同期電動機5の減速時には、永久磁石同期電動機5が発電機として働くので、ロータ52に蓄積されたロータ52の回転エネルギーErevが電気エネルギーとして平滑用コンデンサ3に供給される。
本実施の形態によれば、q軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkは、永久磁石同期電動機5の単位時間当たりの仕事率Pwの絶対値|Pw|が永久磁石同期電動機5の単位時間当たりの損失Plと等しくなるように設定される。永久磁石同期電動機5の単位時間当たりの仕事率Pwの絶対値|Pw|が永久磁石同期電動機5の単位時間当たりの損失Plと等しい場合、回生電力Prは、式(2)からわかるようにゼロになる。
ここで、q軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkの設定について更に詳しく説明する。
式(2)において、回生電力Prをゼロにした場合、
Figure 0005309242
の関係が成立する。したがって、仕事率Pwと損失Plとの間で
Figure 0005309242
の関係が成立する。
仕事率Pwは、トルク定数Kt、q軸電流値Iqk及び回転速度ωとの積で表すことができる。すなわち、
Figure 0005309242
の関係が成立する。
また、ロータ52のイナーシャをJで表した場合、
Figure 0005309242
の関係が成立する。式(6)を時間tで1階微分すると、
Figure 0005309242
となる。仕事率Pwは、回転エネルギーErevを時間tで1階微分したものに等しい。すなわち、
Figure 0005309242
の関係が成立する。式(7)及び式(8)から
Figure 0005309242
の関係が成立することがわかる。
一方、損失Plを、巻線55u,55v,55wのうちの一つの抵抗値Rにq軸電流値Iqkの平方値にd軸電流値Idkの平方値を加算した値を乗じることによって表すこともできる。すなわち、
Figure 0005309242
の関係が成立する。したがって、式(4)に示すように、仕事率Pwの絶対値|Pw|が損失Plと等しくなるようにq軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkを設定することによって、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電したときの永久磁石同期電動機5の回生エネルギーに相当する回生電力Prを永久磁石同期電動機5内すなわち巻線55u,55v,55wで全て消費することができる。
式(5)をq軸電流値Iqkについて解くと、
Figure 0005309242
となる。また、式(11)で求めたq軸電流値Iqkを式(10)に代入し、式(4)より、損失Plに仕事率Pwの絶対値|Pw|を代入し、d軸電流値Idkについて解くと、
Figure 0005309242
となる。
仕事率Pwの絶対値|Pw|が損失Plと等しくなるようにq軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkを設定するために、q軸電流値Iqkを、回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定し、d軸電流値Idkを、回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定したq軸電流値Iqkに基づいて設定することができる。この場合、回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定したq軸電流値Iqkを式(5)に代入することによって仕事率Pwを計算し、計算した仕事率Pwを式(12)に代入することによって、d軸電流値Idkを計算する。後述するように、永久磁石同期電動機5の駆動時に停電検出部21が三相交流電源1の停電を検出しないときの第1のq軸電流指令値としてのq軸電流指令値Iqcomを回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定している。したがって、q軸電流値Iqkを回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定する場合、三相交流電源1の停電の有無に関係なくq軸電流指令値Iqcomが回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定され、すなわち、q軸電流指令値Iqcomの設定を三相交流電源1の停電の有無に応じて変更する必要がなくなるので、q軸電流指令値Iqcomの設定を三相交流電源1の停電の有無に応じて変更する場合に比べて同期モータ制御装置10の制御を簡単にすることができる。
仕事率Pwの絶対値|Pw|が損失Plと等しくなるようにq軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkを設定するために、q軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkを、永久磁石同期電動機5が許容できる最大の消費電力又は予め与えられた最大の消費電力Pmaxに基づいて設定することもできる。ここで、消費電力Pmaxは、永久磁石同期電動機5が許容できる予め設定された最大電流値Imax及び最大電圧値Vmaxの積として算出され又は作業者によって予め設定された最大の消費電力として与えられる。この場合、
Figure 0005309242
の関係が成立するので、式(13)で表される仕事率Pwを式(11)に代入することによってq軸電流値Iqkを計算し、式(13)で表される仕事率Pwを式(12)に代入することによってd軸電流値Idkを計算することができる。このようにq軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkを、永久磁石同期電動機5が許容できる最大の消費電力又は予め与えられた最大の消費電力Pmaxに基づいて設定することによって、永久磁石同期電動機5が許容できる最大のq軸電流値又は予め定めた最大の消費電力Pmaxを満たす最大のq軸電流値Iqkを設定することができ、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電したときの永久磁石同期電動機5の停止距離すなわち停止時間を最短にすることができる。
上述したように、メモリ9に格納されたルックアップテーブルに回転速度指令ωcomと、q軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkとの関係が一義的に決定されているので、q軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkは、回転速度指令ωcomが決定されると一義的に決定される。したがって、同期モータ制御装置10は、三相交流電源1の停電に伴う永久磁石同期電動機5の減速時において、速度指令ωcomに応じたq軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkを読み出し、読み出したq軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkをそれぞれq軸電流指令値Iqcom及びd軸電流指令値Idcomとして用いる。
また本実施の形態では、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電したときに永久磁石同期電動機5のトルクを制限するために設けられたq軸電流指令値Iqcomすなわちq軸電流値Iqkの第1のリミット値は、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電しないときに永久磁石同期電動機5のトルクを制限するために設けられたq軸電流指令値Iqcomの第2のリミット値よりも低い値に設定される。これによって、三相交流電源1の停電に伴う永久磁石同期電動機5の減速時に永久磁石同期電動機5が生成するトルクを、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電しないときより小さくすることができるので、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電したときの永久磁石同期電動機5が生成する回生電力Prを低く抑えることができる。
また、第1のリミット値を設けることによって回生電力Prを低減した場合、式(5)及び式(12)からわかるように、d軸電流値Idkを低減することができる。永久磁石同期電動機5の運転効率を上げるためには、トルクの生成に寄与しない後述するd軸電流Idの値をできるだけ小さくするのが望ましい。したがって、第1のリミット値を設けてd軸電流値Idkを低減することによって、永久磁石同期電動機5の運転効率を上げることができる。
同期モータ制御装置10は、永久磁石同期電動機5の減速時に生じる回生エネルギーを三相交流電源1側に回生する電源回生を行うとともにために三相交流電源1の停電時に永久磁石同期電動機5の停止を行うよう永久磁石同期電動機5を制御するために、トルク電流に相当する永久磁石同期電動機5のq軸電流及びトルク電流に寄与しない(励磁電流に相当する永久磁石同期電動機5のd軸電流を独立に制御するベクトル制御を行う。このために、同期モータ制御装置10は、q軸電流及びd軸電流検出部11と、q軸電流指令値設定部12と、d軸電流指令値設定部13と、駆動部14と、を備える。
本実施の形態では、回転速度演算部8、メモリ9、q軸電流及びd軸電流検出部11、q軸電流指令値設定部12、d軸電流指令値設定部13、駆動部14、並びに停電検出部21は、入出力ポート、シリアル通信回路、A/D変換器、コンパレータ等を備えたプロセッサによって実現され、図示しないメモリに格納された処理プログラムに従って後に説明する処理を実行する。
q軸電流及びd軸電流検出部11は、q軸電流Iq及びd軸電流Idを、永久磁石同期電動機5に流れる三相のU相電流IU、V相電流IV及びW相電流IW及び回転角度θに基づいて検出する。このために、q軸電流及びd軸電流検出部11は、回転座標変換及び三相−二相変換を行う座標変換器によって構成される。したがって、q軸電流及びd軸電流検出部11は、静止座標系(UVW座標系)の三相のU相電流IU、V相電流IV及びW相電流IWを、静止座標系(αβ座標系)に対して回転角度θだけ回転する回転座標系で表される二相のq軸電流Iq及びd軸電流Idに変換し、q軸電流Iq及びd軸電流Idを駆動部14に出力する。
この場合、三相のU相電流IU、V相電流IV及びW相電流IWは、インバータ4の出力線に設けられた電流検出器4U,4V,4Wによって検出され、電流検出器4U,4V,4Wが出力する電流検出信号は、図示しないA/D変換器に入力されてデジタルデータに変換する。なお、電流検出器4U,4V,4Wは、例えばホール素子によって構成される。
q軸電流指令値設定部12は、回転速度指令値ωcom及び回転速度ωが入力される。q軸電流指令値設定部12は、永久磁石同期電動機5の減速時を含む駆動時に停電検出部21が三相交流電源1の停電を検出しないときは、回転速度指令値ωcom及び回転速度ωに基づいてq軸電流指令値Iqcomを作成する。このために、q軸電流指令値設定部12は、回転速度指令値ωcomと回転速度ωとの減算結果である回転速度偏差Δωの比例積分演算を行うことによって第1のq軸電流指令値としてのq軸電流指令値Iqcomを作成し、q軸電流指令値Iqcomを駆動部14に出力する。
一方、q軸電流指令値設定部12は、永久磁石同期電動機5の減速時を含む駆動時に停電検出部21が三相交流電源1の停電を検出したときは、q軸電流指令値Iqcomを、回転速度指令値ωcomに応じてメモリ9から読み出したq軸電流値Iqkに設定する。第2のq軸電流指令値としてのq軸電流指令値Iqcomに相当するq軸電流値Iqkは、永久磁石同期電動機5を停止させるために、同一の回転速度指令値ωcom及び回転速度ωの条件下では、三相交流電源1の停電を検出しない場合のq軸電流指令値Iqcom以下にする。
d軸電流指令値設定部13は、回転速度指令値ωcom及び回転速度ωが入力される。d軸電流指令値設定部13は、永久磁石同期電動機5の駆動時に停電検出部21が三相交流電源1の停電を検出しないときは、第1のd軸電流指令値として、ゼロの値のd軸電流指令値Idcomを作成する。
一方、d軸電流指令値設定部13は、永久磁石同期電動機5の駆動時に停電検出部21が三相交流電源1の停電を検出したときは、第2のd軸電流指令値として、d軸電流指令値Idcomを、回転速度指令値ωcomに応じてメモリ9から読み出したd軸電流値Idkに設定する。ここで設定されるd軸電流値Idkは、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電したときに生じる回生電力Prが永久磁石同期電動機5内で消費されるようにするためにゼロより大きい値になる。
駆動部14は、永久磁石同期電動機5を、q軸電流Iq、d軸電流Id、q軸電流指令値Iqcom及びd軸電流指令値Idcomに基づいて駆動する。このために、駆動部14は、減算器14a,14bと、PI制御部14c,14dと、指令電圧作成部14eと、PWM信号生成部14fと、を有する。
減算器14aは、d軸電流指令値Idcomが入力される非反転入力部と、d軸電流Idが入力される反転入力部と、d軸電流指令値Idcomとd軸電流Idの値との減算結果である電流偏差ΔIdを出力する出力部と、を有する。減算器14bは、q軸電流指令値Iqcomが入力される非反転入力部と、q軸電流Iqが入力される反転入力部と、q軸電流指令値Iqcomとq軸電流Iqの値との減算結果である電流偏差ΔIqを出力する出力部と、を有する。
PI制御部14cは、電流偏差ΔIdが入力され、電流偏差ΔIdの比例積分演算を行うことによってd軸電圧指令値Vdを作成し、d軸電圧指令値Vdを指令電圧作成部14eに出力する。PI制御部14dは、電流偏差ΔIqが入力され、電流偏差ΔIqの比例積分演算を行うことによってq軸電圧指令値Vqを作成し、q軸電圧指令値Vqを指令電圧作成部14eに出力する。
指令電圧作成部14eは、q軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdに基づいてU相電圧指令値VU、V相電圧指令値VV及びW相電圧指令値VWを作成する。このために、指令電圧作成部14eは、回転座標変換及び二相−三相変換を行う座標変換器によって構成される。したがって、指令電圧作成部14eは、静止座標系(αβ座標系)に対して回転角度θだけ回転する回転座標系で表される二相のd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを、三相のU相電圧指令値VU、V相電圧指令値VV及びW相電圧指令値VWに変換し、U相電圧指令値VU、V相電圧指令値VV及びW相電圧指令値VWをPWM信号生成部14fに出力する。
PWM信号生成部14fは、U相電圧指令値VU、V相電圧指令値VV及びW相電圧指令値VWに基づいてPWM信号VPWM(この場合、インバータ4の各トランジスタに対応するVPWM1,VPWM2,VPWM3,VPWM4,VPWM5及びVPWM6)を生成し、永久磁石同期電動機5を駆動するためにPWM信号VPWMをインバータ4に出力する。
停電検出部21は、三相交流電源1の停電を検出する。このために、停電検出部21は、三相交流電源1の出力線に設けられた電流検出器1U,1V,1Wによって検出される三相のU相電流iU、V相電流iV及びW相電流iWを整流する複数(3相交流の場合は6個)の整流ダイオードを有する整流回路(図示せず)と、整流回路からの出力信号のレベルと基準レベルとを比較し、当該出力信号のレベルが基準レベルより下である場合には停電検出信号Ssを上位制御装置22に出力するコンパレータ(図示せず)と、を有する。
上位制御装置22は、CNC(数値制御装置)等によって構成され、回転速度指令値ωcomをq軸電流指令値設定部12及びd軸電流指令値設定部13に入力する。また、上位制御装置22は、永久磁石同期電動機5の減速時に減速指令Crをq軸電流指令値設定部12及びd軸電流指令値設定部13に出力する。上位制御装置22は、永久磁石同期電動機5が減速時であるか否かの判定を、例えば、現在の回転速度指令値が前回の回転速度指令値より所定の値以上減少しているか否かを判断することによって行うことができる。
本実施の形態では、上位制御装置22は、停電検出部21からの停電検出信号Ssに応じた永久磁石同期電動機5の減速時に減速指令Crをq軸電流指令値設定部12及びd軸電流指令値設定部13に出力する場合、停電フラグを付した減速指令Crをq軸電流指令値設定部12及びd軸電流指令値設定部13に出力する。q軸電流指令値設定部12及びd軸電流指令値設定部13は、減速指令Crに停電フラグが付されたか否かを識別することによって、永久磁石同期電動機5の減速が三相交流電源1の停電に伴う減速であるか否かを判断することができる。
また、上位制御装置22は、永久磁石同期電動機5の減速時に生じる回生エネルギーを三相交流電源1側に回生する電源回生を行うために、電源回生指令信号Scをコンバータ制御部23に出力する。この場合、駆動部14がPWM信号VPWMをインバータ4に出力してインバータ4のトランジスタをオンオフ制御するために、上位制御装置22は、PWM信号VPWMに対応する回転速度指令値ωcomをq軸電流指令値設定部12及びd軸電流指令値設定部13に出力する。
コンバータ制御部23は、電源回生指令信号Scに基づいてPWM信号VPWM’(この場合、インバータ4の各トランジスタに対応するVPWM1’,VPWM2’,VPWM3’,VPWM4’,VPWM5’及びVPWM6’)を生成し、電源回生を行うためにPWM信号VPWM’をコンバータ2に出力する。また、コンバータ制御部23は、平滑用コンデンサ3の電圧(DCリンク電圧)Vcを検出し、三相交流電源1の停電に伴う永久磁石同期電動機5の減速時を含む永久磁石同期電動機5の駆動時に電圧Vcのレベルが破壊レベルを超える場合には、アラーム信号Saを上位制御装置22に出力するコンパレータ(図示せず)を有する。
本実施の形態では、コンバータ制御部23は、入出力ポート、シリアル通信回路、A/D変換器、コンパレータ等を備えたプロセッサによって実現され、図示しないメモリに格納された処理プログラムに従って電源回生を行うためのコンバータ2の制御を実行する。また、本実施の形態では、電源回生を行うために、三相交流電源1と電流検出器1U,1V,1Wとの間にリアクトル1aを配置する。
図2は、図1のモータ制御装置の動作のフローチャートである。このフローチャートは、永久磁石同期電動機5の駆動中に制御周期(例えば、250マイクロ秒)ごとに実行され、同期モータ制御装置10で実行される処理プログラムによって制御される。
先ず、q軸電流指令値設定部12及びd軸電流指令値設定部13はそれぞれ、減速指令Crが入力されたか否か判断する(ステップS1)。減速指令Crが入力された場合、q軸電流指令値設定部12及びd軸電流指令値設定部13はそれぞれ、減速指令Crに停電フラグが付されているか否か判断する(ステップS2)。減速指令Crに停電フラグが付されている場合、q軸電流指令値設定部12は、速度指令ωcomに応じたq軸電流値Iqkをメモリ9から読み出し、読み出したq軸電流値Iqkをq軸電流指令値Iqcomとして減算器14bに出力し、d軸電流指令値設定部13は、速度指令ωcomに応じたd軸電流値Idkをメモリ9から読み出し、読み出したd軸電流値Idkをd軸電流指令値Idcomとして減算器14aに出力し(ステップS3)、処理フローを終了する。
ステップS3の終了後、q軸電流値Iqkの平方値とd軸電流値Idkの平方値の和の平方根からなる実電流(皮相電流)Irkがインバータ4の出力側に生成される。
一方、ステップS1において減速指令Crが入力されていない又はステップS2において減速指令Crに停電フラグが付されていないと判断された場合、q軸電流指令値設定部12は、速度指令ωcomと回転速度ωとの差に基づいてq軸電流値Iを設定し、設定したq軸電流値Iをq軸電流指令値Iqcomとして減算器14bに出力し、d軸電流指令値設定部13は、ゼロの値のd軸電流値Iを設定し、設定したゼロの値のd軸電流値Iをd軸電流指令値Idcomとして減算器14aに出力し(ステップS3)、処理フローを終了する。
ステップS4の終了後、q軸電流値Iの平方値とd軸電流値Iの平方値の和の平方根、すなわち、q軸電流値Iからなる実電流(皮相電流)Irk’がインバータ4の出力側に生成される。
図3は、q軸電流指令値及びd軸電流指令値の第1の設定例を説明するための図である。図3に示す設定例は、q軸電流値Iqkを、回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定し、d軸電流値Idkを、回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定したq軸電流値Iqkに基づいて設定した場合を示す。この場合、q軸電流値I及びq軸電流値Iqkはいずれも回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定されるので、q軸電流値 qk はq軸電流値 に等しくなる。
図4は、q軸電流指令値及びd軸電流指令値の第2の設定例を説明するための図である。図4に示す設定例は、q軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkを、永久磁石同期電動機5が許容できる最大の消費電力又は予め与えられた最大の消費電力Pmaxに基づいて設定した場合を示す。この場合、q軸電流値Iqkは、永久磁石同期電動機5を停止させるために、同一の回転速度指令値ωcom及び回転速度ωの条件下では、三相交流電源1の停電を検出しない場合のq軸電流値I 以下に設定される
本実施の形態によれば、q軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkを、仕事率Pwの絶対値|Pw|が損失Plと等しくなるように設定することによって、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電したときに生じる回生電力Prがゼロになる。したがって、平滑用コンデンサ3の電圧が過電圧になる事態を、コスト及び永久磁石同期電動機5の運転効率に悪影響を及ぼすことなく回避することができるとともに、三相交流電源1の停電時に過電圧アラームを発生することなく迅速かつ安全に永久磁石同期電動機5を停止させることができる。
また、q軸電流値Iqkを、回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定し、d軸電流値Idkを、回転速度ωと回転速度指令値ωcomとの差に基づいて設定したq軸電流値Iqkに基づいて設定する場合、q軸電流指令値Iqcomの設定を三相交流電源1の停電の有無に応じて変更する必要がなくなるので、q軸電流指令値Iqcomの設定を三相交流電源1の停電の有無に応じて変更する場合に比べて同期モータ制御装置10の制御を簡単にすることができる。
また、q軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkを、永久磁石同期電動機5が許容できる最大の消費電力Pmax(W)に基づいて設定した場合、永久磁石同期電動機5が許容できる最大のq軸電流値Iqkを設定することができ、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電したときの永久磁石同期電動機5の停止距離すなわち停止時間を最短にすることができる。
さらに、q軸電流値Iqkの第1のリミット値をq軸電流指令値Iqcomの第2のリミット値よりも低い値に設定しているので、永久磁石同期電動機5が生成する回生電力を、永久磁石同期電動機5の駆動時に三相交流電源1が停電しないときよりも小さくすることができ、かつ、永久磁石同期電動機5の運転効率を上げることができる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例えば、交流電源として三相交流電源1を用いたが、三相以外の多相交流電源を電源として用いることもできる。
また、上記実施の形態において、同期モータとしての永久磁石同期電動機5として、ロータ52に永久磁石54a,54b,54c,54dが設けられた回転型サーボモータを用いた場合について説明したが、ステータに永久磁石が設けられた回転型サーボモータ、ステータとスライダのうちのいずれか一方に永久磁石が設けられたリニアサーボモータ、ステータとバイブレータのうちのいずれか一方に永久磁石が設けられた振動型サーボモータ等を、永久磁石同期電動機5として用いることができる。また、永久磁石同期電動機以外の同期モータを用いることもできる。
また、回転位置検出部7を、ロータリーエンコーダ以外の部品(例えば、ホール素子又はレゾルバ)によって構成することができる。また、回転位置検出部7を省略し、永久磁石同期電動機5に供給される交流電流及び交流電圧に基づいて回転角度θ及び回転速度ωを演算することもできる。
また、上記実施の形態において、メモリ9をプロセッサの一部として説明したが、メモリ9をプロセッサ外の部品として構成することもできる。また、メモリ9をq軸電流指令値設定部12又はd軸電流指令値設定部13内に設けることもできる。
また、上記実施の形態において、q軸電流Iq及びd軸電流Idを検出するために三相のU相電流IU、V相電流IV及びW相電流IWを用いる場合について説明したが、三相のU相電流IU、V相電流IV及びW相電流IWのうちのいずれか二相(例えば、V相電流IV及びW相電流IW)を用いてq軸電流Iq及びd軸電流Idを検出することもできる。
また、上記実施の形態では、三相交流電源1の停電に伴う永久磁石同期電動機5の減速時におけるq軸電流指令値Iqcom及びd軸電流指令値Idcomであるq軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkをルックアップテーブルを用いることによって取得する場合について説明したが、q軸電流値Iqk及びd軸電流値Idkを上記式(11)及び上記式(12)を用いることによって取得することもできる。
さらに、上記実施の形態では、停電検出部21が停電検出信号Ssを上位制御装置22に出力する場合について説明したが、停電検出部21が停電検出信号Ssをq軸電流指令値設定部12及びd軸電流指令値設定部13に出力し、q軸電流指令値設定部12及びd軸電流指令値設定部13が三相交流電源1の停電の検出の有無を判断することもできる。
1 三相交流電源
1a リアクトル
1u,1v,1w,4u,4v,4w 電流検出部
2 コンバータ
3 平滑用コンデンサ
4 インバータ
5 永久磁石同期電動機
6 被駆動体
7 回転角度検出部
8 回転速度演算部
9 メモリ
10 同期モータ制御装置
11 q軸電流及びd軸電流検出部
12 q軸電流指令値設定部
13 d軸電流指令値設定部
14 駆動部
14a,14b 減算器
14c,14d PI制御部
14e 指令電圧作成部
14f PWM信号生成部
21 停電検出部
22 上位制御装置
23 コンバータ制御部
51 回転軸
52 ロータ
53 ステータ
54a,54b,54c,54d 永久磁石
55u,55v,55w 巻線
d d軸電流
dcom d軸電流指令値
dk d軸電流値
q q軸電流
qcom q軸電流指令値
qk q軸電流値
U,IU U相電流
v,IV V相電流
w,IW W相電流
d d軸電圧指令値
q q軸電圧指令値
U U相電圧指令値
V V相電圧指令値
W W相電圧指令値
PWM’VPWM PWM信号
ΔId,ΔIq 電流偏差
θ 回転角度
ω 回転速度
ωcom 回転速度指令値

Claims (4)

  1. 同期モータの減速時に生じる回生エネルギーを交流電源側に回生する電源回生を行うとともに交流電源の停電時に同期モータの停止を行うために同期モータを制御する同期モータ制御装置であって、
    同期モータのトルク電流に相当するq軸電流及び同期モータの励磁電流に相当するd軸電流を、同期モータに流れる第1の相の電流、第2の相の電流及び第3の相の電流のうちの少なくとも二つ及び同期モータの位置に基づいて検出するq軸電流及びd軸電流検出部と、
    同期モータの駆動時に交流電源が停電しないときは、同期モータの第1のq軸電流指令値を、同期モータの速度と同期モータに対する速度指令値との差に基づいて設定し、同期モータの駆動時に交流電源が停電したときは、同期モータの第2のq軸電流指令値を設定するq軸電流指令値設定部と、
    同期モータの駆動時に交流電源が停電しないときは、同期モータの第1のd軸電流指令値をゼロの値に設定し、同期モータの駆動時に交流電源が停電したときは、同期モータの第2のd軸電流指令値をゼロより大きい値に設定するd軸電流指令値設定部と、
    同期モータを、前記q軸電流、前記d軸電流、前記第1のq軸電流指令値又は前記第2のq軸電流指令値、及び前記第1のd軸電流指令値又は前記第2のd軸電流指令値に基づいて駆動する駆動部と、
    を備え、
    前記第2のq軸電流指令値及び前記第2のd軸電流指令値は、同期モータの単位時間当たりの仕事率の絶対値が同期モータの単位時間当たりの損失と等しくなるように設定されることを特徴とする同期モータ制御装置。
  2. 前記第2のq軸電流指令値は、同期モータの速度と同期モータに対する速度指令値との差に基づいて設定され、前記第2のd軸電流指令値は、同期モータの速度と同期モータに対する速度指令値との差に基づいて設定した第2のq軸電流指令値に基づいて設定される請求項1に記載の同期モータ制御装置。
  3. 前記第2のq軸電流指令値及び前記第2のd軸電流指令値は、同期モータが許容できる最大の消費電力又は予め与えられた消費電力に基づいて設定される請求項1に記載の同期モータ制御装置。
  4. 同期モータの駆動時に交流電源が停電したときに同期モータのトルクを制限するために設けられた前記第2のq軸電流指令値の第1のリミット値は、同期モータの駆動時に交流電源が停電しないときに同期モータのトルクを制限するために設けられた前記第2のq軸電流指令値の第2のリミット値よりも低い値に設定される請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の同期モータ制御装置。
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