JP2013187985A - モータ制御装置、及びモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置、及びモータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モータの状態に応じて冷却期間を設定して冷却期間を短縮させる。
【解決手段】モータ制御装置は、自装置内の温度を測定する温度センサと、温度センサが測定した温度に基づいてモータ内のモータコイルの温度を算出するモータ温度算出部と、モータ温度算出部が算出した温度が予め定められた基準温度未満である場合に、制御指令に応じてモータに電力を供給するインバータと電源とを接続し、算出した温度が基準温度以上である場合に、インバータと電源とを遮断する通電制御部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御装置、及びモータ制御方法に関する。
モータ、例えば直流電動機の過負荷保護は、モータの負荷率を算出し、算出した負荷率に基づいてモータコイルの発熱により劣化が生じる過負荷状態であることをモータの利用者に通知したり、モータ(又はモータコイル)への給電を停止させたりすることにより行われている。
モータに過負荷が生じた際には、モータへの給電を停止させて予め定められた冷却期間が経過した後に、モータを駆動することが要求されている(非特許文献1:3−55、9−2、11−1など)。
「三菱汎用ACサーボ MELSERVO−J3シリーズ 汎用インターフェース 形名MR−J3−□A サーボアンプ技術資料集」、三菱電機株式会社、2010年2月
ところで、冷却期間は様々な環境で用いられるモータにおいて、過負荷によりモータコイルの上昇した温度が定格温度以下まで十分に冷却されるように、マージンが設けられていることが多い。そのため、モータが一旦過負荷状態になると、モータが定格温度以下になっている場合であっても常に冷却期間の経過を待たなければならないことがある。このような場合、実際にはモータを利用することができる状態であるにもかかわらず、冷却期間の経過を待つ必要があり、モータの利用者に不便を強いてしまうという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、モータの状態に応じて冷却期間を設定することができるモータ制御装置、及びモータ制御方法を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、自装置内の温度を測定する温度センサと、前記温度センサが測定した温度に基づいてモータ内のモータコイルの温度を算出するモータ温度算出部と、前記モータ温度算出部が算出した温度が予め定められた基準温度未満である場合に、制御指令に応じて前記モータに電力を供給するインバータと電源とを接続し、前記算出した温度が前記基準温度以上である場合に、前記インバータと電源とを遮断する通電制御部とを備えることを特徴とするモータ制御装置である。
また、上記問題を解決するために、本発明は、モータ制御装置が行うモータ制御方法であって、自装置内の温度を測定するステップと、前記測定した温度に基づいてモータ内のモータコイルの温度を算出するステップと、前記算出した温度が予め定められた基準温度未満である場合に、制御指令に応じて前記モータに電力を供給するインバータと電源とを接続し、前記算出した温度が前記基準温度以上である場合に、前記インバータと電源とを遮断するステップとを有することを特徴とするモータ制御方法である。
この発明によれば、モータ制御装置内の温度に基づいてモータコイルの温度を推定し、推定したモータコイルの温度が基準温度未満であるか否かを判定し、判定結果に基づいてモータへの電力供給を行うようにした。これにより、モータを冷却している期間において基準温度未満になるとモータの駆動を再開させることができる。すなわち、モータの状態に応じた冷却期間を設定することができ、必要以上の冷却期間を設けることなくモータの駆動を再開させることができる。その結果、モータの利用者は、必要以上の冷却期間の経過を待つことなくモータを利用することができ、作業等の効率を向上させることができる。
本発明に係る第1の実施形態におけるモータ制御装置1の構成を示す概略ブロック図である。 温度相関情報を取得する際のグラフの一例を示す図である。 基準情報の一例を示すグラフ(OL(Over-Load:過負荷)カーブ))を示している。 同実施形態におけるモータ制御装置1が行うモータ保護処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態において電子サーマルテーブル122に記憶されている基準情報の一例を示すグラフである。 同実施形態におけるモータ制御装置1が行うモータ保護処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態におけるモータ制御装置、及びモータ制御方法を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る第1の実施形態におけるモータ制御装置1の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、モータ制御装置(モータドライバ)1は、制御対象のモータ2と、モータ2を駆動するための電力を供給する電源3とに接続されている。モータ制御装置1には不図示の上位の装置から制御指令が入力される。モータ制御装置1は、入力された制御指令に応じた電力をモータ2に供給して、モータ2を駆動させる。なお、モータ2は、例えば回転モータやリニアモータであり、モータコイルに通電を行うことで生じる磁界を利用して動作するモータであれば、如何なるモータでもよい。
モータ制御装置1は、温度センサ11、制御部12、スイッチ13、インバータ14、及び電流測定部15を備えている。
温度センサ11はモータ制御装置1内に設けられている。温度センサ11は、モータ制御装置1内の気温度を測定し、測定した温度を示す温度情報を制御部12に出力する。
制御部12は、温度センサ11から入力される温度情報と、モータ2の負荷とに基づいてモータ2が過負荷状態にあるか否かを判定する。制御部12は、判定結果に基づいてモータ2への電力の供給を制御する。また、制御部12は、モータ2が過負荷状態にあると判定した場合、外部に過負荷アラームを出力する。
スイッチ13は、電源3とインバータ14との間に設けられている。スイッチ13は、制御部12の制御に応じて、インバータ14と電源3とを接続するか否かを切り替える。
インバータ14は、制御指令に応じて、インバータ14を介して電源3から供給される電力を変換して、電流測定部15を介してモータ2に変換した電力を供給する。インバータ14は、例えば、FETやIGBTなどのスイッチング素子を用いて構成され、電源3から供給される電力に対して、制御指令に応じたPWM制御を行うことにより所望の電力をモータ2に供給する。
電流測定部15は、モータ2に流れる電流を測定し、測定した電流値を示す情報を制御部12に出力する。電流測定部15は、例えば、計器用変流器や、シャント抵抗を用いた分圧回路などを用いて構成される。
制御部12は、温度テーブル121、電子サーマルテーブル122、モータ温度算出部123、平均負荷率算出部124、及び通電制御部125を有している。
温度テーブル121は、モータ制御装置1の内部温度と、モータ2内のモータコイルの温度(Tc)との相関関係を示す温度相関情報が予め記憶されている。
図2は、温度相関情報を取得する際のグラフの一例を示す図である。同図において、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示している。ここでは、モータ2に過負荷を与えて駆動して、モータコイルの温度がモータコイルの最大許容温度(Tc_max)となった時刻を0とし、自然放熱をさせた際のモータコイルの温度変化を示している。また、その際のモータ制御装置1の内部温度を合わせて示している。また、Tc_cnstはモータコイルの定格温度である。
図2に示すグラフを得ることにより、モータコイルの温度と、モータ制御装置1の内部温度との相関関係が得られる。モータ制御装置1の内部温度は、モータ2に電力を供給するインバータ14の動作に応じて発生する熱に依存する。モータ2のモータコイルの温度(Tc)は、モータコイルに流れる電流に応じて変化するため、モータ2に電力を供給するインバータ14の動作との相関性が高い。すなわち、インバータ14の動作に応じて変化する内部温度はモータコイルの温度(Tc)と相関性が高いので、内部温度を測定することにより、モータコイルの温度(Tc)を得ることができる。
温度テーブル121には、このようにして得られた相関関係を示す温度相関情報が予め記憶される。温度相関情報は、内部温度にモータコイルの温度(Tc)が対応づけられている表形式の情報であってもよいし、相関関係を近似した関数を示す情報であってもよいし、近似した関数を算出するための内部温度とモータコイルの温度(Tc)との代表的な組み合わせを含む情報であってもよい。
電子サーマルテーブル122には、モータ2の負荷に基づいて、モータ2が過負荷状態にあるか否かを判定するための基準を示す基準情報が記憶されている。
図3は、基準情報の一例を示すグラフ(OL(Over-Load:過負荷)カーブ))を示している。同図において、横軸は二乗平均負荷率であり、縦軸はモータ2の動作時間を示している。同図に示すグラフは、次(式1)を用いて算出される二乗平均負荷率Faveとモータ2の連続駆動時間とに基づいて、モータ2が過負荷状態にあるか否かを判定する際の基準(しきい値)を表すグラフである。なお、連続駆動時間は、インバータ14に通電を開始してから経過した時間、又はモータ2を駆動し始めてから経過した時間のいずれかである。
Figure 2013187985
(式1)において、f、f、…、fは時刻t、t、…、tにおける負荷率であり、tは負荷率を取得する周期であり、T(=n×t)は連続駆動時間である。ここで、負荷率(f、f、…、f)は、各時刻においてモータ2に流れる電流値を定格電流値で除算した値(定格電流値に対するモータ2に流れる電流値)である。
図3に示す基準を用いた場合、二乗平均負荷率がFのときに連続駆動時間がT以上であれば、モータ2が過負荷状態であることになる。また、二乗平均負荷率がFのときに連続駆動時間がT以上であれば、モータ2が過負荷状態であることになる。
このような基準はモータ2の特性に基づいて予め定められる。電子サーマルテーブル122に記憶されている基準情報は、二乗平均負荷率と連続駆動時間とが対応づけられている表形式の情報であってもよいし、二乗平均負荷率と連続駆動時間との関係を近似した関数を表す情報であってもよいし、近似した関数を算出するための二乗平均負荷率と連続駆動時間との代表的な組み合わせを含む情報であってもよい。
図1に戻って、モータ制御装置1の構成の説明を続ける。
モータ温度算出部123は、温度センサ11から入力される温度情報が示す内部温度に対応するモータコイルの温度(Tc)を、温度テーブル121に記憶されている温度相関情報を用いて算出する。
平均負荷率算出部124は、予め定められた周期tごとに、二乗平均負荷率Faveを算出し、算出した二乗平均負荷率Faveを示す負荷率情報を通電制御部125に出力する。
通電制御部125は、モータ温度算出部123が算出するモータコイルの温度に基づいて、スイッチ13を制御する。
また、通電制御部125は、平均負荷率算出部124が算出した二乗平均負荷率Faveと、電子サーマルテーブル122に記憶されている基準情報とに基づいて、モータ2が過負荷状態にあるか否かの判定をする。通電制御部125は、モータ2が過負荷状態にあると判定すると、スイッチ13をオフにしてモータ2への電力の供給を停止させるとともに、過負荷アラームを出力する。ここで、過負荷アラームとは、モータ2の利用者に過負荷状態であることを通知するための情報や、制御指令を出力している上位の装置に対して過負荷状態であることを通知するための情報である。
図4は、本実施形態におけるモータ制御装置1が行うモータ保護処理を示すフローチャートである。
モータ制御装置1において、モータ保護処理が開始されると、モータ温度算出部123は、温度センサ11が測定したモータ制御装置1内部温度からモータコイルの温度(Tc)を算出する(ステップS101)。
通電制御部125は、モータ温度算出部123が算出した温度(Tc)が定格温度(Tc_cnst)未満であるか否かを判定し(ステップS102)、温度(Tc)が定格温度(Tc_cnst)未満である場合(ステップS102:YES)、処理をステップS103に進め、温度(Tc)が定格温度(Tc_cnst)以上である場合(ステップS102:NO)、処理をステップS101に戻す。すなわち、通電制御部125はモータコイルの温度(Tc)が定格温度未満になるまで待機する。
通電制御部125は、スイッチ13をオンに切り替えて、インバータ14への通電を開始させる(ステップS103)。
平均負荷率算出部124は、二乗平均負荷率Faveを算出して通電制御部125に出力する(ステップS104)。
通電制御部125は、平均負荷率算出部124が算出した二乗平均負荷率Faveに対応する連続駆動時間Tを電子サーマルテーブル122から読み出す。通電制御部125は、インバータ14への通電を開始してから経過した時間が、読み出した連続駆動時間Tより短いか否かを判定することにより、モータ2が過負荷状態であるか否かを判定する(ステップS105)。なお、インバータ14への通電を開始してから経過した時間に替えて、モータ2の駆動を開始してから経過した時間と、読み出した連続駆動時間Tとを比較するようにしてもよい。
通電制御部125は、モータ2が過負荷状態でないと判定した場合(ステップS105:NO)処理をステップS104に戻す。一方、モータ2が過負荷状態であると判定した場合(ステップS105:YES)、通電制御部125は、過負荷アラームを出力し(ステップS106)、スイッチ13をオフに切り替えて、インバータ14への通電を遮断させる(ステップS107)。
通電制御部125は、過負荷アラームの出力を停止させ(ステップS108)、処理をステップS101に戻し、ステップS101からステップS108までの処理を繰り返して行う。
上述のように、本実施形態におけるモータ制御装置1は、モータ2の駆動を開始(再開)する際に、モータ制御装置1内の温度(雰囲気温度)からモータ2のモータコイルの温度(Tc)を算出する。モータ制御装置1は、温度(Tc)が定格温度(Tc_cnst)未満であるかを判定し、モータ2が駆動させてもよい状態である場合に電力の供給を開始させる。すなわち、モータ制御装置1は、モータコイルの温度(Tc)が定格温度未満である場合にインバータ14と電源3とを接続し、温度(Tc)が定格温度以上である場合にインバータ14と電源3とを遮断する。また、モータ制御装置1は、ステップS101からステップS102までの処理を繰り返して行うことにより、モータコイルの温度が定格温度未満になるまで待機して適切な冷却期間が経過した後に、モータの駆動を再開させることができる。
これにより、モータ制御装置1は、モータ2の状態に応じて冷却期間を設定することにより、冷却期間を短縮させることができ、モータ2が駆動できる状態であるにも関わらずモータ2を待機させることなくモータ2を駆動させることができる。
また、モータ制御装置1は、モータ保護処理を実行する都度、モータコイルの温度(Tc)を算出するようにしているので、モータコイルの温度を記憶する記憶部を備えずともモータ2を保護することができる。また、モータ制御装置1は、モータ2のモータコイル温度を内部温度から算出する用にしているので、温度センサをモータ2に備える必要がない。これにより、モータ2に温度センサを備えた場合に比べ、モータ2とモータ制御装置1との間の配線を減らすことができメンテナンス性を向上させることができる、また製造コストを削減することができる。
また、モータ2が過負荷状態である場合には、モータ制御装置1が通電を遮断しているので、モータ2が過負荷状態であるにも関わらず、利用者の操作ミス等により通電を行ってしまい、モータ2を劣化させてしまうことを防ぐことができる。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、モータコイルの温度(Tc)が定格温度(Tc_cnst)未満である場合にモータ2を駆動させる構成を説明した。しかし、モータ2は、モータコイルの温度(Tc)が最大許容温度(Tc_max>Tc_cnst)未満であれば、モータ2の性能を損なうことなく駆動させることができる。なお、最大許容温度は、定格温度と同様に、モータ2の特性に応じて予め定められる温度である。
そこで、第2の実施形態では最大許容温度(Tc_max)を用いて、冷却期間の設定を行うモータ保護処理について説明する。なお、本実施形態におけるモータ制御装置の構成は、第1の実施形態におけるモータ制御装置1(図1)の構成と同じであるので、構成の説明を省略する。
図5は、第2の実施形態において電子サーマルテーブル122に記憶されている基準情報の一例を示すグラフである。第1の実施形態では1つのOLカーブで表される基準情報が記憶されている構成について説明したが、第2の実施形態では2つのOLカーブ(第1のOLカーブと、第2のOLカーブ)で表される基準情報が記憶されている。第1のOLカーブは図3で示したOLカーブと同じである。第2のOLカーブは、第1のOLカーブより過負荷状態の判定が厳しく定められた基準情報を表している。
例えば、二乗平均負荷率がFのとき、第1のOLカーブを用いると連続駆動時間がT以上であればモータ2が過負荷状態であると判定され、第2のOLカーブを用いると連続駆動時間がT’(<T)以上であればモータ2が過負荷状態であると判定される。
第2のOLカーブは、モータ2の駆動を開始(再開)するときのモータコイルの温度(Tc)が定格温度以上かつ最大許容温度に用いる基準を示している。第2のOLカーブは、モータコイルの温度(Tc)が定格温度より高い状態(Tc_cnst<Tc<Tc_max)において駆動を開始(再開)させる際に用いる基準であるため、定格温度未満で駆動を開始(再開)させる場合の第1のOLカーブに比べて、厳しい基準となっている。
図6は、本実施形態におけるモータ制御装置1が行うモータ保護処理を示すフローチャートである。
モータ制御装置1において、モータ保護処理が開始されると、モータ温度算出部123は、温度センサ11が測定したモータ制御装置1内部温度からモータコイルの温度(Tc)を算出する(ステップS201)。
通電制御部125は、モータ温度算出部123が算出した温度(Tc)が最大許容温度(Tc_max)未満であるか否かを判定し(ステップS202)、温度(Tc)が最大許容温度(Tc_max)未満である場合(ステップS202:YES)、処理をステップS203に進め、温度(Tc)が最大許容温度(Tc_max)以上である場合(ステップS202:NO)、処理をステップS201に戻す。すなわち、通電制御部125はモータコイルの温度(Tc)が最大許容温度未満になる待機する。
通電制御部125は、スイッチ13をオンに切り替えて、インバータ14への通電を開始させる(ステップS203)。
平均負荷率算出部124は、二乗平均負荷率Faveを算出して通電制御部125に出力する(ステップS204)。
通電制御部125は、ステップS201において算出した温度(Tc)が定格温度(Tc_cnst)未満であるか否かを判定する(ステップS205)。通電制御部125は、温度(Tc)が定格温度以上である場合(ステップS205:NO)、第2のOLカーブで表される基準情報を選択する(ステップS206)。一方、温度(Tc)が定格温度未満である場合(ステップS205:YES)、通電制御部125は第1のOLカーブで表される基準情報を選択する(ステップS207)。
通電制御部125は、電子サーマルテーブル122に記憶されている基準情報のうち、選択した基準情報における連続駆動時間であって、平均負荷率算出部124が算出した二乗平均負荷率Faveに対応する連続駆動時間を読み出す。通電制御部125は、インバータ14への通電を開始してから経過した時間が、読み出した連続駆動時間より短いか否かを判定することにより、モータ2が過負荷状態であるか否かを判定する(ステップS208)。
通電制御部125は、モータ2が過負荷状態でないと判定した場合(ステップS208:NO)、処理をステップS204に戻す。一方、モータ2が過負荷状態であると判定した場合(ステップS208:YES)、通電制御部125は、過負荷アラームを出力し(ステップS209)、スイッチ13をオフに切り替えて、インバータ14への通電を遮断させる(ステップS210)。
通電制御部125は、過負荷アラームの出力を停止させ(ステップS211)、処理をステップS201に戻し、ステップS201からステップS211までの処理を繰り返して行う。
上述のように、本実施形態におけるモータ制御装置1は、モータコイルの温度(Tc)が定格温度(Tc_cnst)以上である場合であっても、モータ2に劣化が生じない範囲で、モータ2の駆動を積極的に行う。これにより、第1の実施形態において述べた効果に加えて、モータコイルの温度(Tc)が定格温度(Tc_cnst)以上である場合には、モータ2に対する過負荷の判定に厳しい基準を用いることにより、モータ2を劣化させることなく可能な限り駆動させることができる。すなわち、モータ2を駆動させる時間を増加させることができ、モータ2を利用した作業等の効率を向上させることができる。
換言すると、本実施形態におけるモータ制御装置1は、モータコイルの温度(Tc)に応じて基準を切り替えることにより精度の高い保護処理を行うことができる。
なお、第2の実施形態におけるモータ保護処理(図6)において、ステップS205の判定を行う前に、ステップS201と同様のモータコイルの温度(Tc)を算出するステップを設けてもよい。これにより、より精度の高い保護処理を行うことができる。
上述のモータ制御装置1は内部にコンピュータシステムを有していてもよい。その場合、上述したモータ保護処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われることになる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
なお、本発明に記載の第1の基準は、図3に示したOLカーブ(基準情報)又は図5に示した第1のOLカーブに対応する。また、本発明に記載の第2の基準は、図5に示した第2のOLカーブに対応する。
1…モータ制御装置、2…モータ、3…電源、11…温度センサ、12…制御部、13…スイッチ、14…インバータ、15…電流測定部、121…温度テーブル、122…電子サーマルテーブル、123…モータ温度算出部、124…平均負荷率算出部、125…通電制御部

Claims (4)

  1. 自装置内の温度を測定する温度センサと、
    前記温度センサが測定した温度に基づいてモータ内のモータコイルの温度を算出するモータ温度算出部と、
    前記モータ温度算出部が算出した温度が予め定められた基準温度未満である場合に、制御指令に応じて前記モータに電力を供給するインバータと電源とを接続し、前記算出した温度が前記基準温度以上である場合に、前記インバータと電源とを遮断する通電制御部と
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置であって、
    前記モータに流れる電流値を測定する電流測定部と、
    前記電流測定部が測定した電流値に基づいて、前記インバータと電源とを接続してからの前記モータの平均負荷率を算出する平均負荷率算出部と
    を更に備え、
    前記通電制御部は、
    前記平均負荷率算出部が算出した平均負荷率と、前記基準温度に応じて予め定められた基準であって前記モータの連続駆動時間及び平均負荷率から過負荷を判定する基準とに基づいて、前記モータが過負荷状態であるか否かを判定し、前記モータが過負荷状態であると判定した場合に前記インバータと前記電源とを遮断する
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項2に記載のモータ制御装置であって、
    前記基準温度は、前記モータの性能を損なうことなく駆動させることができる最大許容温度と、前記最大許容温度より低い定格温度であって前記モータの特性に応じて予め定められた定格温度との2つの温度を含み、
    前記過負荷を判定する基準は、前記定格温度に対応する第1の基準と、前記最大許容温度に対応する第2の基準とを含み、
    前記通電制御部は、
    前記モータの駆動を行う際の前記モータコイルの温度に応じて、前記第1の基準と前記第2の基準とのうちいずれかを選択し、選択した基準を用いて前記モータが過負荷状態であるか否かを判定する
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  4. モータ制御装置が行うモータ制御方法であって、
    自装置内の温度を測定するステップと、
    前記測定した温度に基づいてモータ内のモータコイルの温度を算出するステップと、
    前記算出した温度が予め定められた基準温度未満である場合に、制御指令に応じて前記モータに電力を供給するインバータと電源とを接続し、前記算出した温度が前記基準温度以上である場合に、前記インバータと電源とを遮断するステップと
    を有することを特徴とするモータ制御方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016174867A1 (ja) * 2015-04-27 2016-11-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 モータの過負荷保護方法

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