WO2016166924A1 - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

蓋体（５）と、二つの端子を有する蓋検知部（６）と、蓋体（５）と蓋検知部（６）の間に配置した伝達部（７）とを備える。そして、伝達部（７）は、蓋体（５）を開くときに、蓋検知部（６）の少なくとも一方の端子を開く方向に付勢する。これにより、二つの端子の接点が固着した場合でも、伝達部（７）は固着した二つの端子の一方に付勢して接点を開く。その結果、蓋体（５）の開閉状態を、蓋検知部（６）に確実に伝える洗濯機を提供できる。

Description

洗濯機

　本発明は、蓋体の開閉を検知する蓋検知部を備えた洗濯機に関する。

　従来、この種の洗濯機は、洗濯機本体内に配設される洗濯兼脱水槽と、洗濯機本体の上部に配設される外郭と、蓋検知部とを備える。外郭は、洗濯兼脱水槽に衣類を出し入れする衣類投入口と、衣類投入口を開閉自在に覆う蓋体を備える。蓋検知部は、蓋体の開閉を検知して、洗濯兼脱水槽の回転時に、蓋体と外郭との間に隙間が発生することを防止する（例えば、特許文献１参照）。

　以下、特許文献１に開示される従来の洗濯機の構成について、図１０および図１１に基づいて、説明する。

　図１０は、従来の洗濯機において、蓋体を閉じたときの要部側断面図である。図１１は、従来の洗濯機の要部拡大断面図である。

　洗濯機本体１０２は、内部に、洗濯兼脱水槽１０１を回転自在に収納する。洗濯機本体１０２は、洗濯機本体１０２の上部全体をほぼ覆う外郭１０３が装着される。外郭１０３は、略中央に、衣類投入口１０４が形成されている。外郭１０３は、衣類投入口１０４の上方全体を覆う蓋体１０５が開閉自在に装着される。

　蓋体１０５は、蓋体１０５の前方を構成する前蓋体１１０と、後方を構成する後蓋体１１１とから構成される。前蓋体１１０と後蓋体１１１とは、第三の軸受１１３により回転自在に支持される。

　外郭１０３は、ケース１０８に収納された蓋体１０５の開閉を検知する蓋検知部１０６を内包する。蓋検知部１０６は、上端子板１０６ａと下端子板１０６ｂの二つの端子から構成される。蓋体１０５と蓋検知部１０６との間に、伝達部１０７が配置される。伝達部１０７は、蓋体１０５の開閉状態を蓋検知部１０６に伝達する。

　ケース１０８は、第一の軸受１０９を備える。第一の軸受１０９は、伝達部１０７を回転自在に連結支持する。外郭１０３は、第二の軸受１１２を備える。第二の軸受１１２は、蓋体１０５の一方の端部を回転自在に支持する。

　伝達部１０７は、蓋体１０５側に伸延する第一のレバー１１６を有する。蓋体１０５は、外郭１０３の第二の軸受１１２近傍から、伝達部１０７側に伸延する第二のレバー１１７を有する。伝達部１０７は、さらに、下端子板接触部１２２を備える。下端子板接触部１２２は、蓋体１０５の閉塞時に、蓋検知部１０６の下端子板１０６ｂを、下方から上方に付勢する。

　つぎに、蓋検知部１０６の検知動作について、説明する。

　まず、使用者は、洗濯兼脱水槽１０１に衣類を出し入れする場合、蓋体１０５を開く。このとき、蓋体１０５は、第二の軸受１１２を回転中心に、図中において、時計方向（上方向）に回転する。それに伴って、伝達部１０７の第一のレバー１１６を下方から付勢する蓋体１０５の第二のレバー１１７も、時計方向に回転する。この場合、第二のレバー１１７は、第二の軸受１１２より伝達部１０７側に配置されているので、下方向に回転する。そのため、伝達部１０７の第一のレバー１１６を下方から上方に支持する付勢力がなくなる。

　また、図１１に示すように、蓋体１０５の閉塞時において、伝達部１０７の第一のレバー１１６は、蓋検知部１０６の下端子板１０６ｂにより、下方向に付勢されている。そのため、蓋体１０５の開放時において、第一のレバー１１６は、第一の軸受１０９を回転中心に、図中において、反時計方向（下方向）に回転する。これにより、蓋検知部１０６の上端子板１０６ａと下端子板１０６ｂとが離間する。その結果、蓋検知部１０６により、蓋体１０５の開放が検知される。

　蓋検知部１０６の二つの端子が離間すると、図示しない制御装置は、図示しない洗濯モータの駆動を停止させる。これにより、洗濯兼脱水槽１０１の回転が停止する。つまり、使用者が蓋体１０５を開くと、伝達部１０７を介して、蓋検知部１０６の２つの端子間が離間し、制御装置は洗濯モータを停止させる。これにより、洗濯兼脱水槽１０１が回転している状態において、蓋体１０５と外郭１０３との間に隙間が生じることを防止する。その結果、回転する洗濯兼脱水槽１０１内への、使用者の手などの挿入を防止できる。

　また、蓋体１０５は、前蓋体１１０の前方側の端部に、マグネット１３０を内包する。一方、外郭１０３には、マグネット１３０と対向する内側に、マグネット１３０との距離を測定する磁気センサー１３１が配置されている。これにより、蓋体１０５の開閉を検知する第二の蓋検知部１３２が構成される。第二の蓋検知部１３２は、使用者が前蓋体１１０を第三の軸受１１３を回転中心に、水平に対して鉛直下方向に約１８０度折り曲げて蓋体１０５が閉じられる状態を検知する。この場合、少なくとも蓋体１０５の後蓋体１１１は、第二の軸受１１２を回転中心に、衣類投入口１０４を覆うように回転する。そのため、蓋体１０５の第二のレバー１１７は、伝達部１０７の第一のレバー１１６を上方に付勢する。これにより、蓋検知部１０６の二つの端子は、当接し、洗濯モータの回転駆動が可能になる。このとき、折り曲げられた前蓋体１１０と外郭１０３との間で隙間が形成されていると、回転する洗濯兼脱水槽１０１に、例えば使用者の手などの挿入が可能となる。

　しかし、上記状態の場合、第二の蓋検知部１３２を構成するマグネット１３０と磁気センサー１３１との距離が、所定の距離（前蓋体１１０が水平方向で閉じられた状態）より広くなる。このとき、第二の蓋検知部１３２は、前蓋体１１０が折れ曲がっていることを検知する。そこで、制御装置（図示せず）は、第二の蓋検知部１３２の検知結果に基づいて、洗濯モータの駆動を止める。これにより、折り曲げた前蓋体１１０と外郭１０３との間で形成される隙間から、回転する洗濯兼脱水槽１０１内への、使用者の手などの挿入が防止できる。

　しかしながら、蓋検知部１０６の二つの端子である上端子板１０６ａと下端子板１０６ｂとが、過電流などにより溶着している場合がある。この場合、二つの端子は固着しているため、蓋体１０５が開放されても、二つの端子は離間しない。つまり、蓋体１０５の開放を蓋検知部１０６は検知できない。

　また、異物の混入などで、第一の軸受１０９と伝達部１０７とが固着すると、下端子板１０６ｂで下方に付勢しても、伝達部１０７が回転し難い場合がある。つまり、使用者が蓋体１０５を開いて、第二のレバー１１７が下方に回転しても、伝達部１０７の第一のレバー１１６は下方に移動しにくい。これにより、伝達部１０７の下端子板接触部１２２により、二つの端子は当接した状態が維持される。そのため、蓋体１０５の開放を蓋検知部１０６は検知できない。

　上記状態の発生を防止するために、蓋検知部１０６と第二の蓋検知部１３２とのいずれかが蓋体１０５の開放を検知した場合、蓋体１０５が開いていると判断して制御する制御装置が提案されている。この場合、蓋検知部１０６と第二の蓋検知部１３２のいずれかが故障した場合と、いずれも故障していない場合との両方の組み合わせで、蓋体１０５の開閉の検知を正しく判断するように設計しなければならない。そのため、洗濯機の制御装置などの設計が複雑になりやすい。

特開平６－６３２８７号公報

　本発明は、簡単な構成で、蓋体の開閉をより確実に検知できる洗濯機を提供する。

　つまり、本発明の洗濯機は、洗濯機本体と、洗濯機本体内に回転自在に配設される洗濯兼脱水槽と、洗濯機本体の上部に配設され、洗濯兼脱水槽を覆う外郭と、外郭に設けられ、洗濯兼脱水槽内に連通する衣類投入口を備える。さらに、洗濯機は、衣類投入口を開閉自在に覆う蓋体と、蓋体の開閉状態を検知する、少なくとも二つの端子で構成される蓋検知部と、蓋体と蓋検知部との間に配設され、蓋体の開閉に連動して蓋検知部を操作する伝達部と、を備える。そして、蓋検知部は、二つの端子が接触する第一の状態と、二つの端子が離間する第二の状態を有し、伝達部は、蓋体が開く際に、二つの端子の少なくとも一方を第一の状態から第二の状態になる方向に付勢する。

　この構成によれば、蓋検知部の二つの端子が固着した場合でも、蓋体の開放により、二つの端子間を剥離して離間させる。これにより、蓋体が開放している状態において、蓋体が閉じていると蓋検知部が誤検知することを防止できる。

図１は、本発明の実施の形態１における洗濯機の側断面図である。 図２は、同洗濯機の蓋体を閉じた状態の要部断面図である。 図３は、同洗濯機の蓋体を開いた状態の要部断面図である。 図４は、同洗濯機の接点が固着した状態で蓋体を開いた状態の要部断面図である。 図５は、同洗濯機の接点が固着した状態で蓋体をさらに開いた状態の要部断面図である。 図６は、同洗濯機の要部斜視図である。 図７は、同洗濯機の蓋体を閉じた状態の要部断面図である。 図８は、同洗濯機の蓋体を開いた状態の要部断面図である。 図９は、本発明の実施の形態２の洗濯機の要部断面図である。 図１０は、従来の洗濯機の要部側断面図である。 図１１は、従来の洗濯機の要部拡大断面図である。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　（実施の形態１）
　以下に、実施の形態１の洗濯機について、図１から図８を参照しながら、説明する。

　図１は、本発明の実施の形態１における洗濯機の側断面図である。図２は、同洗濯機の蓋体が閉じた状態の要部断面図である。図３は、同洗濯機の蓋体が開いた状態の要部断面図である。図４は、同洗濯機の接点が固着した状態で蓋体を開いた状態の要部断面図である。図５は、同洗濯機の接点が固着した状態で蓋体をさらに開いた状態の要部断面図である。図６は、同洗濯機の要部斜視図である。図７は、同洗濯機の蓋体を閉じた状態の要部断面図である。図８は、同洗濯機の蓋体を開いた状態の要部断面図である。

　なお、以降では、各図面の上側方向を上方、下側方向を下方、左側方向を前方、右側方向を後方として、各構成要素の配置を説明する。

　図１に示すように、本実施の形態の洗濯機は、洗濯機本体２と、水槽２８と、洗濯兼脱水槽１と、洗濯モータ１５と、外郭３と、蓋体５と、吊り下げ部材３０などから構成される。洗濯機本体２は、内部に、吊り下げ部材３０を介して水槽２８を振動自在に収納する。水槽２８は、内部に、洗濯兼脱水槽１を回転自在に収納する。水槽２８は、底部に、洗濯モータ（電気部品）１５が装着される。洗濯モータ１５は、洗濯兼脱水槽１の底部に回転軸を介して接続され、洗濯兼脱水槽１を駆動する。

　外郭３は、例えばポリプロピレンなどで成形され、洗濯機本体２の上部全体を覆うように装着される。外郭３は、略中央（中央を含む）に、洗濯兼脱水槽１の上方に向けて、下方向に伸延して開口する衣類投入口４を有する。

　蓋体５は、衣類投入口４の上方全体を覆うように、外郭３に開閉自在に装着される。

　蓋検知部６は、ケース８内に収納されて、外郭３の後方側に内包される。蓋検知部６は、例えば銅合金の薄板などで形成される上端子板６ａおよび下端子板６ｂの二つの端子などから構成される。蓋検知部６は、二つの端子の当接および離間動作により、蓋体５の開閉を検知する。詳細な動作は、後述する。

　伝達部７は、蓋体５と蓋検知部６との間に配置され、蓋体５の開閉状態を蓋検知部６に伝達する。なお、伝達部７は、例えばポリアセタールなどにより成形される。

　ケース８は、例えばポリアセタールなどで成形され、蓋検知部６を内包する。ケース８は、図示しない連結部材により外郭３に固定される。また、ケース８には第一の軸受９が形成され、第一の軸受９は伝達部７を回転自在に連結支持する。

　蓋体５は、蓋体５の前方を構成する前蓋体１０と、蓋体５の後方を構成する後蓋体１１とから構成される。後蓋体１１には、後方の端部側に、外郭３に回転自在に支持される第二の軸受１２が配設されている。また、後蓋体１１は、前方側の端部に、前蓋体１０を回転自在に支持する第三の軸受１３が形成されている。つまり、蓋体５は、外郭３後方から前方に向かって、第二の軸受１２、後蓋体１１、第三の軸受１３、前蓋体１０の順番に配設される。

　前蓋体１０は、把手１４を備える。使用者は、蓋体５を開く際に、把手１４を蓋体５の開く方向、すなわち略上方向（上方向を含む）に引き上げる。これにより、蓋体５は、第二の軸受１２を中心に回転して開放される。

　伝達部７は、蓋体５（前方）側に伸延する第一のレバー１６と、第三のレバー１８を備える。第三のレバー１８は、下方で第一のレバー１６と対向して所定の間隙を有して設けられる。つまり、第一のレバー１６と第三のレバー１８とは、所定の間隙を有する、例えばコの字形状（馬蹄形状）に配置される。蓋体５は、第二の軸受１２近傍から、後方の伝達部７側に伸延する第二のレバー１７を備える。第二のレバー１７は、蓋体５が閉塞されている状態において、伝達部７の上方に配置される第一のレバー１６と、下方に配置される第三のレバー１８との間隙に配置される。なお、伝達部７の下方側に配置される第三のレバー１８の長さは、上方側に配置される第一のレバー１６の長さより短く形成される。すなわち、伝達部７を回転支持する第一の軸受９の回転中心から第一のレバー１６の先端までの長さが、第三のレバー１８の先端までの長さより長くなるように形成される。理由は、後述する。

　蓋検知部６を構成する上端子板６ａと下端子板６ｂとは、略平行（平行を含む）に配置される。また、上端子板６ａと下端子板６ｂとは、図６に示すように、幅方向において、並んで配置される。そのため、下端子板６ｂは、例えばＬ字形状で形成され、上端子板６ａの先端と対向するように、先端部６ｂ１が形成される。さらに、上端子板６ａと下端子板６ｂは、開放端である、伝達部７（第一の軸受９）側が、図中の下方側に屈曲して配設される。なお、上端子板６ａと下端子板６ｂは、導電性を有する、例えば銅合金の薄板などで形成される。さらに、上端子板６ａと下端子板６ｂは、後述するように、外力が加わると、弾性的に変形するように構成される。

　また、図３に示すように、上端子板６ａの前方側の先端近傍には上電極１９が溶接されている。下端子板６ｂのＬ字形状の先端部６ｂ１には、上電極１９と対向する位置に下電極２０が溶接されている。なお、上端子板６ａと下端子板６ｂとは、上述したように略平行で配置されている。そのため、外力が加わらない状態においては、上電極１９と下電極２０とは離れた状態で配置される。その結果、上端子板６ａと下端子板６ｂとは、電気的に接触（導通）しない状態となる。一方、上端子板６ａおよび下端子板６ｂの後方側の他方の端部は、ケース８に固定され、洗濯機の内部配線、制御装置（図示しない）などと接続される。そして、上電極１９と下電極２０の、当接または離間動作により、制御装置は、洗濯モータ１５の回転および停止動作を制御する。

　また、伝達部７の後方側には、第一のレバー１６および第三のレバー１８に対して、第一の軸受９近傍で上方に突出して延設される二つの突出部を備える。上方に向かって延設される伝達部７の２つの突出部は、ケース８の下方に開けた孔８ａからケース８内部に向けて挿通して配設される。なお、二つの突出部は、例えば図６に示すように、幅方向に並んで形成され、以下に説明する上端子板接触部２１および下端子板接触部２２を構成する。

　つまり、上方に伸延した伝達部７の一方の突出部は、Ｌ字形状の下端子板６ｂの先端部６ｂ１の後方から上方に突出し、上端子板６ａの下面と接触する上端子板接触部２１を構成する。上端子板接触部２１は、下方に屈曲して配設された上端子板６ａを上方に向けて付勢する。一方、上方に伸延した伝達部７の他方の突出部は、下端子板６ｂの、例えば先端部６ｂ１の下面と接触する下端子板接触部２２を構成する。下端子板接触部２２は、下方に屈曲して配設された下端子板６ｂを上方に向けて付勢する。また、図２から図５などに示すように、上端子板接触部２１は第一の軸受９より蓋体５の反対の後方側で突出して配置され、下端子板接触部２２は第一の軸受９より蓋体５側で突出して配置される。

　以上のように、本実施の形態の洗濯機が構成される。

　以下に、蓋体５の開閉時における、蓋体５、蓋検知部６および伝達部７の動作について、説明する。

　まず、蓋体５が反時計方向にもっとも回転した状態、すなわち衣類投入口４を塞いだ状態について、図２を参照しながら説明する。

　この場合、蓋体５の後蓋体１１の第二のレバー１７は、第二の軸受１２を回転中心に、反時計方向にもっとも回転した上方の位置に配置される。このとき、第二のレバー１７は、伝達部７の第一のレバー１６を下方から上方に付勢する。これにより、第一のレバー１６は、第一の軸受９を中心に、時計方向（上方向）に回転する。同様に、第一の軸受９の前方側に形成された伝達部７の下端子板接触部２２も、時計方向に回転する。そして、下端子板接触部２２は、上方に移動して、下方向に屈曲する蓋検知部６の下端子板６ｂを上端子板６ａ側の方向（つまり、図２では右上方向）に付勢する。

　一方、伝達部７の上端子板接触部２１も、同様に、時計方向に回転する。しかし、上端子板接触部２１は、第一の軸受９の反対（後方）側に配置されている。そのため、図２において、上端子板接触部２１は、右下方向に向かって回転する。これにより、下方向に屈曲している上端子板６ａは、下端子板６ｂ側、図２では下方に向かって変位する。

　上述したように、蓋体５を閉じると、伝達部７の下端子板接触部２２および上端子板接触部２１の動きに合わせて、蓋検知部６の上端子板６ａと下端子板６ｂが接近する。そして、上電極１９と下電極２０が接触して当接する。以降では、上電極１９と下電極２０が接触する状態を「第一の状態」と記して説明する。これにより、蓋検知部６で構成される回路が閉じる。その結果、蓋検知部６により、蓋体５が閉じたことが検知される。

　つぎに、蓋体５が時計方向（上方向）に回転して、衣類投入口４を開放した状態について、図３を参照しながら説明する。

　なお、本実施の形態では、付勢部を構成するばね２３が、伝達部７の上方で、第一のレバー１６と下端子板接触部２２との間に配置されている。ばね２３は、一端がケース８に、他端が伝達部７に取り付けられている。そのため、ばね２３は、常時、伝達部７の第一のレバー１６を第二のレバー１７と当接する方向、すなわち第一の軸受９を中心に反時計方向（下方向）に回転させるように付勢する。

　つまり、図３に示すように、蓋体５を時計方向に回転して開いた場合、後蓋体１１の第二のレバー１７は、第二の軸受１２を回転中心にして、時計方向に回転する。このとき、上述したように、ばね２３は、伝達部７の第一のレバー１６を第二のレバー１７の方向に付勢している。そのため、第一のレバー１６は、第二のレバー１７側、すなわち第一の軸受９を回転中心に、反時計方向に回転する。このとき、第一の軸受９より前方側に形成された伝達部７の下端子板接触部２２も、同様に反時計方向に回転して、左下方向に移動する。そのため、下端子板接触部２２による下端子板６ｂの下方から上方への付勢が、なくなる。これにより、下方向に屈曲している下端子板６ｂは、上端子板６ａ側から離れる方向、図３では下方向に変位する。

　一方、伝達部７の上端子板接触部２１も、同様に反時計方向に回転する。しかし、上端子板接触部２１は、第一の軸受９より後方側に配置されている。そのため、上端子板接触部２１は、左上方向に向かって回転する。そして、上端子板接触部２１は、上端子板６ａを、上方に押し上げる。これにより、上端子板６ａは、下端子板６ｂから離れる方向、すなわち上方に向かって変位する。

　上述したように、蓋体５を開くと、伝達部７の下端子板接触部２２および上端子板接触部２１の動きに合わせて、蓋検知部６の上端子板６ａと下端子板６ｂが離間する。以降では、上電極１９と下電極２０が離間する状態を「第二の状態」と記して説明する。これにより、蓋検知部６で構成される回路が開放（遮断）される。つまり、蓋検知部６により、蓋体５の開放が検知される。その結果、制御装置は、検知結果に基づいて、洗濯モータ１５の回転を停止する。

　つぎに、蓋検知部６が溶着または固着している状態における、蓋体５の回転動作に対する伝達部７と蓋検知部６の動作について、図４および図５を参照しながら説明する。

　ここで、本実施の形態では、図４および図５に示すように、伝達部７の上端子板接触部２１は、さらに剥離部２４を有する。剥離部２４は、上端子板６ａと下端子板６ｂとの間に配置される。剥離部２４は、さらに、上端子板６ａの先端および下端子板６ｂの先端部６ｂ１に向かう先端が鋭角に尖るくさび形状２５を有する。なお、本実施の形態では、くさび形状２５の先端の角度が、例えば約３０度で形成されている。しかし、この角度に限定されないことは、いうまでもない。

　上述したように、上端子板６ａの上電極１９と下端子板６ｂの下電極２０は、例えば過電流による溶着や、異物の付着による固着により、離れ難い場合がある。

　通常、蓋体５を閉塞状態から開放状態に操作する場合、蓋体５の第二のレバー１７は第二の軸受１２を回転中心にして、時計方向に回転し始める。しかし、蓋検知部６の上電極１９と下電極２０が固着している場合、上端子板６ａは下端子板６ｂから離間しないので、相対的な位置が変わらない。そのため、伝達部７の上端子板接触部２１が上端子板６ａに当接した位置で、第一のレバー１６が第一の軸受９を中心に回転しなくなる。

　同様に、伝達部７と第一の軸受９とが、例えば異物などの付着による摩擦抵抗の増大や固着により、第一のレバー１６が回転し難い場合などもある。

　しかし、本実施の形態では、さらに蓋体５を開くと、図４に示すように、蓋体５の第二のレバー１７は、伝達部７の第三のレバー１８に当接しながら下方に回転する。そして、蓋体５の開放にしたがって、第二のレバー１７は、第三のレバー１８を、第一の軸受９を中心に、反時計方向に、強制的に回転させる。このとき、上電極１９側の剥離部２４の端部は、上端子板６ａを左上方向に付勢する。一方、下電極２０側の剥離部２４の端部（くさび形状２５の下面）は、下端子板６ｂの先端部６ｂ１を左下方向に付勢する。

　そして、剥離部２４のくさび形状２５は、反時計方向の回転により、上端子板６ａの先端の上電極１９と下端子板６ｂの先端部６ｂ１の下電極２０の近傍まで、後方から挿入されるように移動する。

　このとき、図５に示すくさび形状２５の最大高さｈ３は、上電極１９の高さｈ１と、下電極２０の高さｈ２とを加えた高さより高くしている。そのため、挿入される剥離部２４のくさび形状２５により、固着した上端子板６ａの上電極１９と下端子板６ｂの下電極２０が剥離され、二つの端子が離間する。

　また、本実施の形態では、図６に示すように、第一の軸受９の断面積Ｓ１より、第一のレバー１６の断面積Ｓ２が大きくなるように設定している。さらに、第一のレバー１６の断面積Ｓ２より、第三のレバー１８の断面積Ｓ３が大きくなるように設定している。これにより、蓋体５の第二のレバー１７および伝達部７は、溶着、あるいは固着した上電極１９と下電極２０とを引き剥がすのに必要な固着力に充分耐えられるように機械的な強度を確保している。

　さらに、伝達部７の付勢部を構成するばね２３は、固着力に比較して、付勢力が小さくなるように設定している。通常、固着力より、ばね２３による付勢力が大きければ、本願の構成がなくても固着を引き剥がすことができる。しかし、付勢力を大きくする場合、大きなばね定数を有するばね２３が必要となる。そのため、伝達部７の強度をさらに向上させる必要がある。これは、ばね２３と伝達部７のコストアップの要因になる。そこで、ばね２３の付勢力を固着力よりも小さくすることにより、低コスト化を図っている。

　さらに、本実施の形態では、使用者が蓋体５を閉塞状態から開放状態にする際に、上電極１９と下電極２０とが接触する「第一の状態」から、離間する「第二の状態」になる任意の時点において、蓋検知部６、伝達部７および第二のレバー１７の形状、配置を以下のように設定している。具体的には、蓋体５を開放する際に、衣類投入口４近傍の蓋体５と外郭３との隙間が、挿入される使用者の手指などが洗濯兼脱水槽１に届きうる隙間より小さくなるように設定している。これにより、安全性の高い洗濯機を実現できる。

　また、本実施の形態では、図１に示すように、洗濯兼脱水槽１を内包する水槽２８を、吊り下げ部材３０を介して、洗濯機本体２に振動自在に保持している。さらに、水槽２８の振動を検知する水槽振動検知レバー２９を、ケース８に、例えばコイルばね２９ｂなどの弾性部材を介して回転自在に支持している。水槽振動検知レバー２９は、水槽２８側に伸延したレバーにより、水槽２８の変位量を検知する。

　一方、水槽振動検知レバー２９の他方の端部２９ａは、ケース８の下方に形成した孔８ｂから、ケース８内に伸延して挿通され、蓋検知部６の上端子板６ａの下面と対向する位置に配置される。そして、水槽２８の変位量が所定の移動量を超えたときに、水槽振動検知レバー２９の端部２９ａが、上端子板６ａを下方から上方に付勢して、二つの端子間を離間させるように設定している。具体的には、水槽２８が大きく振動すると、水槽２８が水槽振動検知レバー２９に当たる。このとき、回転自在に支持される水槽振動検知レバー２９は、図２に示す回転軸２９ｄを中心に後方に回転する。そして、水槽振動検知レバー２９の端部２９ａが上方に上がり、蓋検知部６の上端子板６ａを押し上げる。これにより、蓋検知部６の上電極１９と下電極２０との接点が離間する。その結果、洗濯モータ１５の回転が停止して、安全性を確保している。

　つまり、水槽振動検知レバー２９は、蓋体５の開閉動作を検知する蓋検知部６を、兼用して、水槽２８の所定値以上の振動の検知を可能にしている。

　以上のように構成される洗濯機の動作および作用・効果について、以下に説明する。

　まず、図４および図５に示すように、上端子板６ａと下端子板６ｂが溶着などにより固着している場合、蓋体５の開放状態に応じて、第二のレバー１７の回転により伝達部７の第三のレバー１８を強制的に回転させる。このとき、上電極１９側の剥離部２４の端部は上電極１９を上方向に付勢し、下電極２０側の剥離部２４の端部は下電極２０を下方向に付勢している。そのため、固着している上端子板６ａと下端子板６ｂを、より確実に引き剥がすことができる。これにより、上端子板６ａと下端子板６ｂが接触しない、「第二の状態」にできる。その結果、蓋検知部６により、蓋体５が開いたことを検知できる。

　同様に、伝達部７と第一の軸受９とが異物などにより固着している場合でも、蓋体５の閉塞状態から開放状態に応じて、第二のレバー１７の回転により伝達部７の第三のレバー１８を強制的に回転させる。これにより、伝達部７を回転駆動して、蓋検知部６の上端子板６ａと下端子板６ｂとが接触しない「第二の状態」にできる。その結果、蓋検知部６により、蓋体５が開いたことを検知できる。

　また、伝達部７とケース８は、潤滑性および耐久性に優れるポリアセタールで形成される。そのため、蓋体５の開閉動作を、伝達部７を介して、長期にわたり、より確実でスムースに蓋検知部６に伝えることができる。

　また、図７と図８に示すように、蓋体５は、第二の軸受１２を介して、外郭３に回転自在に支持される。伝達部７を支持するケース８も、連結部材により外郭３に固定される。そのため、蓋体５と伝達部７との位置関係は、外郭３の寸法だけに依存して構成される。これにより、蓋体５と、伝達部７やケース８との位置ずれが生じにくい。その結果、蓋体５の開閉動作を、より確実に蓋検知部６に伝えることができる。

　また、図４に示すように、蓋体５の後方に設けられる第二のレバー１７は、伝達部７の第一のレバー１６および第三のレバー１８で形成される間隙の間に挟み込まれるように配置される。そのため、上端子板６ａと下端子板６ｂの固着や接点の溶着が生じても、蓋体５の開放動作により、第二のレバー１７は、固着などにより途中で回転が停止している第三のレバー１８を強制的に回転させて、押し下げる。同様に、伝達部７を構成する部品劣化に起因する摩擦抵抗の増大や、異物の侵入などによる第一の軸受９との固着が生じても、蓋体５の開放動作により、第二のレバー１７は、固着などにより途中で回転が停止している第三のレバー１８を強制的に回転させて、押し下げる。これらより、上端子板６ａと下端子板６ｂの固着よりも大きな力で伝達部７を回転させる。その結果、伝達部７の剥離部２４により、固着した上端子板６ａと下端子板６ｂとを、より確実に引き剥がすことができる。そして、蓋体５の開閉状態を、より確実に蓋検知部６に伝えることができる。

　また、図３に示すように、伝達部７で下方側に配置される第三のレバー１８は、上方側に配置される第一のレバー１６の長さより、短くしている。これにより、第二のレバー１７は、第三のレバー１８を、上端子板６ａと下端子板６ｂとが開く（離間する）状態までは、強制的に回転させる。その後、上端子板６ａと下端子板６ｂとが離間すると、さらに蓋体５を開いても、第二のレバー１７と第三のレバー１８との当接が外れる。そのため、使用者に第三のレバー１８をさらに回転させるための余分な負荷を与えずに、容易に蓋体５を開放して、衣類の出し入れをすることができる。これにより、使い勝手と、蓋体５の開閉検知とを両立して行うことができる。

　また、図２に示すように、伝達部７の第一のレバー１６は、第二のレバー１７により下方から付勢されるとともに、付勢部であるばね２３により上方から付勢される。そのため、蓋体５の閉塞状態から所定の開放位置までは、第一のレバー１６と第二のレバー１７とは、当接した状態に維持される。これにより、蓋体５の位置を確実に伝達部７の回転角度に伝えることができる。そして、蓋体５が所定の開放位置からさらに開放されると、第二のレバー１７のみが回転し、蓋体５が開放される。

　さらに、下方向に屈曲して配置される上端子板６ａと下端子板６ｂは、伝達部７の上端子板接触部２１と下端子板接触部２２とにより、下方から付勢される。そのため、伝達部７の回転角度の変化を、蓋検知部６に伝えることができる。これにより、蓋体５の開閉状態を、より確実に蓋検知部６で検知できる。

　また、図４および図５に示すように、上端子板接触部２１に設けたくさび形状２５は、上電極１９や下電極２０側に向う先端側が、鋭角に形成される。そのため、上端子板６ａと下端子板６ｂ間に固着が発生しても、固着状態を引き剥がす力より、小さい力で上端子板６ａと下端子板６ｂとの隙間に容易に、くさび形状２５を挿入できる。これにより、上端子板６ａと下端子板６ｂとの固着を、小さい力で容易に剥離できる。その結果、蓋体５の開閉状態を、より確実に蓋検知部６に伝えて、検知できる。

　さらに、図５に示すように、上電極１９の高さｈ１と、下電極２０の高さｈ２とを加えた高さより、くさび形状２５の最大高さｈ３を高く設定している。くさび形状２５は、蓋体５の開閉動作に伴う伝達部７の回転により、上電極１９と下電極２０とを離間させるように間に挿入される。これにより、上電極１９と下電極２０との間を、少なくとも高さｈ３以上の間隔に確実に開くことができる。

　また、図２に示すように、水槽振動検知レバー２９の端部２９ａは、上端子板６ａの下面と対向する位置に配置される。水槽振動検知レバー２９は、水槽２８の振動の変位量が所定の移動量を超えたときに、上端子板６ａを下方向から上方向に付勢するように設定される。

　一般的に、衣類の偏りなどにより洗濯兼脱水槽１に異常振動が生じた場合、洗濯機本体２に吊り下げた水槽２８の変位が大きくなる。そこで、所定の移動量を超えたときに、水槽振動検知レバー２９は、蓋検知部６の上端子板６ａを下方向から上方向に付勢して、上端子板６ａと下端子板６ｂを開く（離間させる）。これにより、蓋体５の開閉状態の検知と、水槽２８の異常振動の検知とを、一つの蓋検知部６で兼用できる。その結果、洗濯機本体２をコンパクトに構成できる。

　さらに、使用者が蓋体５の開閉動作をするたびに、上述した蓋体５の第二のレバー１７と伝達部７とは、連携して回転動作する。これにより、固着による蓋検知部６の故障や、伝達部７の故障が発生しても、開閉動作のたびに、蓋検知部６の検知動作を回復できる。その結果、蓋体５の開閉動作の検知に加えて、水槽２８の異常振動の検知も、長期に亘って、精度よく検知できる。

　（実施の形態２）
　以下に、実施の形態２の洗濯機について、図９を参照しながら、説明する。

　図９は、本発明の実施の形態２の洗濯機の要部断面図である。

　本実施の形態の洗濯機は、前蓋体に構成する第一の回転制限部と、後蓋体に構成する第二の回転制限部とを備える点で、実施の形態１の洗濯機と異なる。

　第一の回転制限部および第二の回転制限部は、前蓋体が第三の軸受を回転中心に回転する際に、前蓋体が、後蓋体に対して、完全に折れ曲がって略１８０度（１８０度を含む）回転する前に回転を停止するように規制する。なお、他の構成は、実施の形態１と同様であるので、同一構成は同一符号を付して詳細な説明は省略する。

　ここで、例えば図１や図７に示すように、衣類投入口４を蓋体５で閉じた状態、すなわち蓋体５をまっすぐ伸ばした状態における、前蓋体１０と後蓋体１１とを連結する第三の軸受１３の回転角度を０度とする。

　図９は、前蓋体１０が、第三の軸受１３を中心に、反時計方向に約１１０度回転した位置で、回転が規制された状態を図示している。

　つまり、前蓋体１０が反時計方向に約１１０度回転すると、前蓋体１０に設けた第一の回転制限部２６と、後蓋体１１に設けた第二の回転制限部２７とが当接する。このとき、本実施の形態では、蓋体５が第二の軸受１２を中心に時計方向に回転し、最大限開いた角度を、例えば約９０度に設定している。そこで、第一の回転制限部２６と第二の回転制限部２７が当接するまでの第三の軸受１３の回転角度として、蓋体５が第二の軸受１２を中心にして、最大限開いた角度より大きく、１８０度より小さく（本実施の形態では１１０度程度）なるように設定している。

　前蓋体１０が１１０度回転して、第一の回転制限部２６と第二の回転制限部２７が当接した状態で蓋体５を閉じると、前蓋体１０の前方の端部１０ａが衣類投入口４近傍の外郭３に当接する。

　そこで、本実施の形態では、当接した状態において、蓋検知部６の上端子板６ａと下端子板６ｂの接点が開いた「第二の状態」になるように、第二のレバー１７、伝達部７および蓋検知部６の配置および回転角度などの関係を設定している。これにより、例え、蓋体５の前蓋体１０が後蓋体１１に対して折り曲げられた状態で、蓋体５が閉じられても、洗濯モータは駆動されない。その結果、外郭３と蓋体５との隙間から、手などを洗濯兼脱水槽１内に挿入することも可能になる。

　以上のように構成した洗濯機の動作および作用・効果について説明する。

　まず、図９に示すように、使用者が、前蓋体１０と後蓋体１１とを折り曲げた状態で蓋体５を閉じて、洗濯機を運転しようとした場合、前蓋体１０の第三の軸受１３の回転角度は、１１０度で制限される。そのため、第三の軸受１３の回転中心から衣類投入口４近傍の外郭３表面までの距離Ｌ１は、前蓋体１０の厚みＬ２より大きく、前蓋体１０の長さＬ３と同等まで広くできる。これにより、蓋検知部６が蓋体５の閉状態を検知する角度より、第二のレバー１７の回転角度を大きくできる。つまり、第二のレバー１７の回転角度を、図９では、第一の軸受９を中心に時計方向に最大限回転した角度に設定できる。そのため、前蓋体１０が折れ曲がった状態で蓋体５を閉じても、蓋検知部６は蓋体５が閉塞状態であると誤って検知することがない。これにより、前蓋体１０の折れ曲がりを検知するために蓋検知部を別途配置する必要が無い。その結果、構成を簡略化して、蓋体５の開閉状態を１つの蓋検知部６で検知できる。

　さらに、前蓋体１０の回転角度を１１０度に制限している。そのため、蓋体５を時計方向に９０度開いた状態でも、前蓋体１０は、水平方向に対して反時計方向に２０度分（蓋体５の回転角度の差に相当）、前方下方向に傾斜した状態で配置される。これにより、使用者が把手１４を手で把持して蓋体５を開閉する場合、手首を極端に曲げる必要がなくなる。そのため、使用者への負担が軽減される。その結果、使い勝手のよさと、蓋体５の開閉状態の検知とを両立する洗濯機を実現できる。

　以上で説明したように、本発明の洗濯機は、洗濯機本体と、洗濯機本体内に回転自在に配設される洗濯兼脱水槽と、洗濯機本体の上部に配設され、洗濯兼脱水槽を覆う外郭と、外郭に設けられ、洗濯兼脱水槽内に連通する衣類投入口を備える。さらに、洗濯機は、衣類投入口を開閉自在に覆う蓋体と、蓋体の開閉状態を検知する、少なくとも二つの端子で構成される蓋検知部と、蓋体と蓋検知部との間に配設され、蓋体の開閉に連動して蓋検知部を操作する伝達部を備える。そして、蓋検知部は、二つの端子が接触する第一の状態と、二つの端子が離間する第二の状態を有し、伝達部は、蓋体が開く際に、二つの端子の少なくとも一方を第一の状態から第二の状態になる方向に付勢する構成としてもよい。

　この構成によれば、蓋検知部の二つの端子が固着した場合でも、蓋体の開放により、蓋体に連動する伝達部が二つの端子の一方を開く側に付勢する。これにより、固着する二つの端子間を剥離して離間できる。その結果、蓋検知部で、蓋体が開いたことを確実に検知できる。

　また、本発明の洗濯機は、二つの端子が略平行に配置され、伝達部は、二つの端子の間に配置される剥離部を備えてもよい。これにより、蓋体を開くときに、固着した二つの端子間を、剥離部で容易に引き剥がすことができる。

　また、本発明の洗濯機は、剥離部が、二つの端子の開放端に向かって、略くさび形状で構成されてもよい。これにより、くさび形状を、固着した状態の二つの端子の隙間に、より小さい力で挿入できる。その結果、固着した二つの端子を、容易に引き剥がして、蓋体の開閉状態を蓋検知部で検知できる。

　また、本発明の洗濯機は、二つの端子を収納するケースに設けられ、伝達部を回転自在に支持する第一の軸受と、外郭に設けられ、蓋体を回転自在に支持する第二の軸受とを備える。さらに、洗濯機は、伝達部に設けられ、蓋体側に伸延する第一のレバーと、第一のレバーを第二の状態となる方向に付勢する付勢部と、蓋体に設けられ、第二の軸受近傍から伝達部側に伸延する第二のレバーとを備える。そして、第二のレバーは、蓋体が閉じる際に、第一のレバーを第一の状態となる方向に付勢する構成としてもよい。これにより、蓋体を開放するときに、第一のレバーは、第二のレバーと、付勢部によって、互いに異なる方向から付勢される。そのため、第一のレバーと第二のレバーとは、当接した状態で配設される。その結果、蓋体の開閉状態を、より確実に伝達部に伝えることができる。

　また、本発明の洗濯機は、伝達部が、第一のレバーの下方に対向して所定の間隙を有して設けられ、蓋体側に伸延する第三のレバーを備え、蓋体の第二のレバーは、少なくとも蓋体が閉塞状態において、第一のレバーと第三のレバーとの間隙に配置されるように構成してもよい。これにより、二つの端子が溶着している場合や、伝達部が固着している場合でも、伝達部の第三のレバーを第二のレバーで強制的に付勢して、回転させることができる。その結果、簡単な構成で、蓋体の開閉状態を、蓋検知部で検知できる。

　また、本発明の洗濯機は、蓋体が、前方を構成する前蓋体と、後方を構成する後蓋体と、前蓋体と後蓋体を回転自在に支持する第三の軸受から構成される。さらに、前蓋体は第一の回転制限部を備え、後蓋体は第二の回転制限部を備える。そして、第一の回転制限部と第二の回転制限部は、前蓋体が第三の軸受を回転中心として回転する際に、前蓋体の所定角度以上の回転を規制するように配設される構成としてもよい。

　この構成によれば、前蓋体と後蓋体とを折り曲げた状態で蓋体を閉じて、洗濯機を運転した場合でも、前蓋体の回転角度を、所定角度より小さい角度に制限する。これにより、第三の軸受の中心から衣類投入口近傍の外郭表面までの距離を広くできる。そのため、第二の軸受を中心に、蓋検知部が蓋体の閉状態を検知する角度より、第二のレバーの回転角度を大きくできる。その結果、前蓋体が折れ曲がった状態で閉じられても、蓋検知部は蓋体が閉じていると誤検知することを防止できる。

　本発明の洗濯機は、蓋検知部が故障した場合でも、使用者が蓋体を開くことによって故障状態から回復することが可能となる。そのため、蓋体の開閉状態を確実に検知する家庭用のみならず、業務用の洗濯機などに有用である。

　１，１０１　　洗濯兼脱水槽
　２，１０２　　洗濯機本体
　３，１０３　　外郭
　４，１０４　　衣類投入口
　５，１０５　　蓋体
　６，１０６　　蓋検知部
　６ａ，１０６ａ　　上端子板（端子）
　６ｂ，１０６ｂ　　下端子板（端子）
　６ｂ１　　先端部
　７，１０７　　伝達部
　８，１０８　　ケース
　８ａ，８ｂ　　孔
　９，１０９　　第一の軸受
　１０，１１０　　前蓋体
　１０ａ，２９ａ　　端部
　１１，１１１　　後蓋体
　１２，１１２　　第二の軸受
　１３，１１３　　第三の軸受
　１４　　把手
　１５　　洗濯モータ
　１６，１１６　　第一のレバー
　１７，１１７　　第二のレバー
　１８　　第三のレバー
　１９　　上電極
　２０　　下電極
　２１　　上端子板接触部
　２２，１２２　　下端子板接触部
　２３　　ばね（付勢部）
　２４　　剥離部
　２５　　くさび形状
　２６　　第一の回転制限部
　２７　　第二の回転制限部
　２８　　水槽
　２９　　水槽振動検知レバー
　２９ｂ　　コイルばね
　３０　　吊り下げ部材
　１３０　　マグネット
　１３１　　磁気センサー
　１３２　　第二の蓋検知部

Claims (6)

1. 洗濯機本体と、
   前記洗濯機本体内に回転自在に配設される洗濯兼脱水槽と、
   前記洗濯機本体の上部に配設され、前記洗濯兼脱水槽を覆う外郭と、
   前記外郭に設けられ、前記洗濯兼脱水槽内に連通する衣類投入口と、
   前記衣類投入口を開閉自在に覆う蓋体と、
   前記蓋体の開閉状態を検知する、少なくとも二つの端子で構成される蓋検知部と、
   前記蓋体と前記蓋検知部との間に配設され、前記蓋体の開閉に連動して前記蓋検知部を操作する伝達部と、を備え、
   前記蓋検知部は、前記二つの端子が接触する第一の状態と、前記二つの端子が離間する第二の状態を有し、
   前記伝達部は、前記蓋体が開く際に、前記二つの端子の少なくとも一方を前記第一の状態から前記第二の状態になる方向に付勢する洗濯機。
2. 前記二つの端子は、略平行に配置され、
   前記伝達部は、前記二つの端子の間に配置される剥離部を備える請求項１に記載の洗濯機。
3. 前記剥離部は、前記二つの端子の開放端に向かって、略くさび形状で構成される請求項２に記載の洗濯機。
4. 前記二つの端子を収納するケースに設けられ、前記伝達部を回転自在に支持する第一の軸受と、
   前記外郭に設けられ、前記蓋体を回転自在に支持する第二の軸受と、
   前記伝達部に設けられ、前記蓋体側に伸延する第一のレバーと、
   前記第一のレバーを前記第二の状態となる方向に付勢する付勢部と、
   前記蓋体に設けられ、前記第二の軸受近傍から前記伝達部側に伸延した第二のレバーと、を備え、
   前記第二のレバーは、前記蓋体が閉じる際に、前記第一のレバーを前記第一の状態となる方向に付勢する請求項１に記載の洗濯機。
5. 前記伝達部は、前記第一のレバーの下方に対向して所定の間隙を有して設けられ、前記蓋体側に伸延する第三のレバーを、備え、
   前記蓋体の前記第二のレバーは、少なくとも前記蓋体が閉塞状態において、前記第一のレバーと第三のレバーとの前記間隙に配置される請求項４に記載の洗濯機。
6. 前記蓋体は、前方を構成する前蓋体と、後方を構成する後蓋体と、前記前蓋体と前記後蓋体を回転自在に支持する第三の軸受から構成され、
   前記前蓋体は第一の回転制限部を、備え、
   前記後蓋体は第二の回転制限部を、備え、
   前記第一の回転制限部および前記第二の回転制限部は、前記前蓋体が前記第三の軸受を回転中心として回転する際に、前記前蓋体の所定角度以上の回転を規制するように配置される請求項１に記載の洗濯機。

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