WO2016125417A1 - 高周波発振器 - Google Patents

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中村 彰宏
芳雄 青木
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    • H03B7/00Generation of oscillations using active element having a negative resistance between two of its electrodes
    • H03B7/12Generation of oscillations using active element having a negative resistance between two of its electrodes with frequency-determining element comprising distributed inductance and capacitance
    • H03B7/14Generation of oscillations using active element having a negative resistance between two of its electrodes with frequency-determining element comprising distributed inductance and capacitance active element being semiconductor device

Definitions

  • the high-frequency oscillator 1 is configured such that the feedback amplification unit 10 and the first reflection unit 11 and the second reflection unit 12 satisfy the oscillation conditions of Expressions 2, 3 to 5, and 6. .
  • the electrical length of the distributed constant line is designed to satisfy the conditions of Equations 3 and 6 (positive feedback).
  • the distributed constant lines of the first reflecting portion 11 and the second reflecting portion 12 are configured to have a high-frequency open end so as to satisfy the conditions of Expressions 2 and 5. As a result, the denominator of the resonance term is reduced, and most of the signal totally reflected by the second reflecting unit 12 returns to the feedback amplifying unit 10 to enable efficient oscillation.
  • the utility of the present embodiment is that not only the excellent oscillation performance can be realized, but also the manufacturing problems left by the conventional high-frequency oscillator in which the grounded end is formed on the distributed constant line can be solved.
  • the formation of the high-frequency open end on the distributed constant line can be easily realized only by printed wiring to a substrate such as a dielectric, which is advantageous in terms of cost in that at least a ground conductor or similar parts are unnecessary. It becomes. Further, since the ground end is not formed, it is not necessary to use via holes or similar parts, and the problem of fluctuations in the electrical length (phase) of the distributed constant line during the formation of these materials and their processing can be solved.

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  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Abstract

【課題】ビアホールなどを用いて接地端を形成しなくとも良好な共振特性を得ることができる簡易な構造の高周波発振器を提供する。 【解決手段】高周波発振器1は、所定の周波数以上で動作すると反射利得を有する負性抵抗素子となる帰還増幅部10を備える。帰還増幅部10は、能動素子101及び帰還部102で構成される。能動素子101のゲート端子14には、高周波開放端を有する第1反射部11が接続される。能動素子101のソース端子15には、高周波開放端を有する第2反射部12が接続される。第1反射部11で全反射された信号がゲート端子14へ正帰還され、第2反射部12で全反射された信号がソース端子15へ正帰還されることで、帰還増幅部10は、発振信号を生成する。

Description

高周波発振器
 本発明は、マイクロ波帯以上、特にミリ波帯(30[GHz]~300[GHz])の発振信号を出力する自励型の高周波発振器に関する。
 自励型の高周波発振器として、4端子発振器が知られている。4端子発振器は、増幅部と帰還部とを組み合わせた帰還増幅部を備える。帰還増幅部は、トランジスタのような増幅作用をもつ能動素子を増幅部として用いる。能動素子が利得を持ち、帰還部が能動素子の出力側の電力を所望の周波数で能動素子の入力側に正帰還することで、帰還増幅部は発振する。このような能動素子には、GaAs(ガリウムヒ素) FET(Field Effect Transistor)、GaAs HEMT(High Electron Mobility Transistor)、GaAs HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)、SiGe(シリコンゲルマニウム) HBT等を用いることができる。
 4端子発振器は、マイクロ波以下の比較的低い周波数で発振するときは、能動素子と帰還部とのループ利得のみで安定して発振する。しかし、マイクロ波帯以上の高周波で発振する場合、帰還増幅部の利得が高周波になるにつれて減少するために、4端子発振器は安定した発振動作を行えなくなる。これは、GaAs FET等のトランジスタが、高周波帯において、ガン(Gunn)効果によりドレイン電圧を高くしてもドレイン電流の電流量が減少して利得が減少するためである。このようにドレイン電圧を高くするとドレイン電流が減少するトランジスタは、「負性抵抗素子」と呼ばれる。この場合、ドレイン電圧が低くなるとドレイン電流が増加する傾向にある。そのために、帰還増幅部に信号を入力すると、入力した信号よりも大きな振幅の信号が反射される。つまり、帰還増幅部は1.0以上の反射利得(増幅作用)を有するものとなる。このような帰還増幅部も負性抵抗素子の特性を有することになる。帰還増幅部が負性抵抗素子の特性を有する場合、4端子発振器は、帰還増幅部の入力端子に共振部を接続し、共振部により帰還増幅部からの信号を反射して、帰還増幅部に再入力する。
 このように、共振部が必要になる4端子発振器は、発振された信号(以下、「発振信号」という)の周波数(以下、「発振周波数」という)がマイクロ波帯以上の高周波帯である。LC共振回路のように受動素子を用いた回路でマイクロ波帯以上の高周波帯で動作する共振部の機能を実現することは困難である。そのためにマイクロ波帯以上の高周波で発振する4端子発振器では、共振部を分布定数線路で実現するのが一般的である。
 共振部を分布定数線路で実現した発振器として、例えば特許文献1に開示された高周波発振器が知られている。この高周波発振器は、反射利得によって高周波の発振信号を発振させる。この高周波発振器では、発振用トランジスタのエミッタ側に接地電位となる一対のビアホールが設けられている。ビアホールは、基板の表面に形成されたマイクロストリップ線路の形成面と基板の裏面に形成された接地導体とを導通するために用いられる。そのため、ビアホールが接地電位となる。ビアホールには、金属導体あるいは金属メッキが施された硬質材が用いられる。また、これらのビアホール間に、同一線路長のマイクロストリップ線路で構成された2つのショートスタブが設けられている。ショートスタブは、マイクロストリップ線路に接地(ショート)端を形成するためのスタブであり、当該形成部分のインピーダンスを固定にして発振動作を安定にするために用いられる。2つのショートスタブの間には、発振用トランジスタのエミッタが接続される。
 また、特許文献2には、FETのソース端子に負性抵抗発生用の容量性のショートスタブを設ける発振器が開示されている。このショートスタブもまた、ビアホールを通じて分布定数線路に接地端を形成するためのスタブである。特許文献2に開示された高周波発振器では、ショートスタブによる接地位置がワイヤボンディングにより変更可能であり、ショートスタブの接地位置を調整することにより、一定の周波数範囲で安定した発振動作を行うことができる。
特開2011-35755号公報 特開平07-273551号公報
 特許文献1、2に開示された高周波発振器は、安定した発振動作が可能になる利点はあるが、その製造面で課題を残すものである。
 まず、分布定数線路の端部を接地端とする際に接地導体が必要となる。そのため、製造コストを低減させることができないという問題がある。また、接地導体と導通するビアホールの存在によって分布定数線路の電気長が変動するという問題もある。分布定数線路の電気長は、伝搬する信号の位相を決めるものなので、電気長が変動すると複数の信号の位相を同期させることが困難となる。ビアホールは、その材質にもよるが、一般にミリ波帯になると、寄生インダクタンスや抵抗成分の損失の影響が大きくなり、分布定数線路の電気長を変動させてしまう。
 例えば比誘電率3、厚み0.25[mm]の基板上に、接地端を有する分布定数線路を形成し、80[GHz]の信号を伝搬させる場合を例に挙げて説明する。分布定数線路にはλ/4線路(90度の電気長)を用いるものとする。信号の波長は2.2[mm]なので、λ/4線路の電気長は0.55[mm]となり、基板の表面の線路パターンと裏面の接地導体とを導通させるために基板を貫通するビアホールの電気長は、41度(=(0.25/0.55)×90度)となる。この電気長が信号の位相に与える影響は大きい。負性抵抗素子を用いた高周波発振器では、上述したように反射利得が1.0を超えるため、信号の位相がずれた場合の修正が困難となる。そのため、緻密な位相制御が不可欠となる。このように、ビアホールを用いて接地端を形成する場合は、電磁界解析などの高度の設計手法が必要となるため、コスト増を招く。
 分布定数線路に接地端を形成する際の加工上の問題もある。80[GHz]の信号を伝搬させる分布定数線路の場合、基板上の線路パターンの一般的な加工精度(特性変動の許容範囲)は、金属厚みが3[μm]の場合で±3[μm]、金属厚みが18[μm]の場合で±20[μm]である。また、ビアホールの位置精度は±50[μm]、ビアホールを埋め込むホールの最少直径は100[μm]、ホールの直径の精度は±30[μm]である。そのため、ビアホールを形成するには、高度の加工技術が必要となり、コスト増を招く。
 分布定数線路としてコプレーナ導波路が用いられる場合がある。コプレーナ導波路は、誘電体基板の表面に伝送路と接地パターンとが形成された導波路であり、線路パターンの加工精度はさほど厳しくない。しかし、コプレーナ導波路であっても、伝送路に対する接地パターンの同相性を保つ必要があるため、ビアホールを周密に設けるのが一般的である。そのため、上述したビアホールの加工上の問題が生じる。
 ビアホールが必要となるのは接地導体を使用するためであり、接地導体を使用するのは、分布定数線路に接地端を形成するためである。そして、接地端を形成するのは、高周波発振器における電気的特性を良好にして発振動作を安定にするためである。分布定数線路に接地端を形成しなくとも、接地端を形成した場合と同等以上の電気的特性を可能にする簡易な構造であれば、上記の問題は解決する。
 本発明は、分布定数線路を用いた場合において、接地端を形成した場合と同等以上の電気的特性を得ることができる簡易な構造の高周波発振器を提供することを課題とするものである。
 上記課題を解決する本発明の高周波発振器は、所定の周波数以上で動作すると反射利得を有する負性抵抗素子となる帰還増幅部と、それぞれ伝搬信号を接地導体を要することなく反射させるために分布定数線路で形成された第1反射部および第2反射部と、を備えており、前記第1反射部が前記帰還増幅部の第1端子、前記第2反射部が前記帰還増幅部の第2端子にそれぞれ接続されており、前記第1反射部で反射された信号が前記第1端子へ正帰還され、前記第2反射部で反射された信号が前記第2端子へ正帰還されることで、前記帰還増幅部が発振信号を生成する。
 本発明によれば、第1反射部及び第2反射部が接地導体を要することなく、その高周波開放端で信号を反射させる。また、帰還増幅部が第1反射部及び第2反射部の各々の高周波開放端で反射された信号を用いて発振信号を生成する。そのため、製作が容易で廉価な構成でありながら、効率よく発振動作を行うことができる。
高周波発振器の構成図。 動作中の高周波発振器の信号の状態を示す模式図。 本実施例による発振器の基板上に形成される線路パターンの例示図。 (a)、(b)はトランジスタの端子の配置説明図。
 以下、本発明の実施の形態例を説明する。図1は、本実施形態に係る高周波発振器の構成図である。この高周波発振器1は、種信号により発振を励起する自励型の4端子発振器である。種信号には熱雑音を用いる。熱雑音はホワイトノイズであり、サブミリ波帯までのすべての周波数のスペクトルを持つので、種信号に適している。
 高周波発振器1は、増幅作用を持つ3端子の能動素子101及び帰還部102により形成される帰還増幅部10を備える。能動素子101の3端子がそのまま帰還増幅部10が有する端子となる。能動素子101には、GaAs FET、GaAs HEMT、GaAs HBT、SiGe HBT等のトランジスタを用いることができる。帰還部102は、能動素子101のドレイン端子(第3端子)16とゲート端子(第1端子)14との間に設けられており、能動素子101で増幅された信号をゲート端子14に正帰還する。帰還増幅部10は、能動素子101から出力される信号を再び能動素子101に入力して増幅させる動作を繰り返すことで、電力増幅を連続して発振する。発振信号は、ドレイン端子16に設けられる出力端子13から出力される。
 このとき、能動素子101の利得と帰還部102の利得との積は「1」より大きく、帰還された信号と能動素子101に入力される信号とが同期する。ただし、所定の周波数以上の高周波、例えばマイクロ波帯以上の周波数においては、上記の通り帰還増幅部10による発振が安定していない。
 高周波発振器1がマイクロ波帯以上の高周波で発振するために、帰還増幅部10(能動素子101)は、従来技術で説明したものと同様に反射係数(反射利得)が1.0を超える負性抵抗素子となる。
 そのために、ゲート端子14に第1反射部11を設ける。第1反射部11は、発振条件を満たすように信号を反射して、帰還増幅部10の発振を誘起する。第1反射部11を設けることで、帰還増幅部10は、マイクロ波帯以上の高周波の発振信号を安定して生成することができるようになる。
 また、能動素子101のドレイン-ソース間も負性抵抗であるために、ソース端子15(第2端子)から見た帰還増幅部10(能動素子101)も負性抵抗を有し、1.0を超える反射利得を持つ。そのために、ソース端子15に第2反射部12を設ける。第2反射部12は、ソース端子15に生じる信号を能動素子101に向けて反射することで、発振効率を向上させる。
 第1反射部11及び第2反射部12は、いずれも接地導体やビアホールを用いることなく、信号を全反射させる端部(以下、「高周波開放端」という)を有する分布定数線路で構成される。分布定数線路は、例えば誘電体の基板上にプリント配線することで形成する。能動素子101は、プリント配線された分布定数線路にフリップチップ接続される。能動素子101の設置位置は、発振信号のインピーダンスを考慮して決められる。高周波開放端は、分布定数線路の電気長を発振周波数に応じて決まる所定長にすることで容易に実現することができる。分布定数線路の電気長については、後で詳しく説明する。
 高周波発振器1における発振動作の概要は以下のとおりである。まず、上記の種信号が、帰還増幅部10に入力される。種信号により、帰還増幅部10は、能動素子101及び帰還部102による増幅ループで発振を開始する。発振信号が高周波になると、帰還増幅部10に入力される信号の一部は1.0を超える反射係数で反射されて第1反射部11に向かう。また発振信号の一部はソース端子15から第2反射部12へ向かう。第1反射部11及び第2反射部12は、それぞれ伝搬信号を高周波開放端で全反射させる。第1反射部11で全反射された信号は、能動素子101のゲート端子14に再入力される。第2反射部12で全反射された信号は、能動素子101のソース端子15を通じてドレイン端子16の方向に伝搬する。
 能動素子101のゲート端子14には、帰還部102で帰還された信号と第1反射部11で反射された信号とが足し合わされた信号が入力される。第1反射部11の分布定数線路の電気長は、帰還部102で帰還された信号に対して、第1反射部11で反射した信号が同期するような長さに設計される。つまり第1反射部11で反射された信号は、正帰還となる。能動素子101のドレイン端子16には、能動素子101で増幅された信号と第2反射部12で反射された信号とが足し合わされた信号が出力される。第2反射部12の分布定数線路の電気長は、能動素子101で増幅された信号に対して、第2反射部12で反射した信号が同期するような長さに設計される。このような長さに第1反射部11及び第2反射部12を設計することで、安定して効率のよい発振動作が可能となる。
 次に、高周波発振器1における発振条件及びそれを満たすための第1反射部11及び第2反射部12の各々の分布定数線路の電気長について説明する。図2は、高周波発振器1が動作しているときの信号の流れを模式的に示した図である。
 図2では、ゲート端子14から見た第1反射部11の反射係数を「Γ1」、ソース端子15から見た第2反射部12の反射係数を「Γ2」、ゲート端子14から見た帰還増幅部10の反射係数を「ΓG」、ソース端子15から見た帰還増幅部10の反射係数を「ΓS」、で表している。また、ドレイン端子16を50[Ω]で終端し、帰還増幅部10を2ポートのSパラメータで表している。
 Sパラメータは、S11、S21、S12、S22の要素で表現される。S11は、第1反射部11からの信号が帰還増幅部10で反射される信号の大きさ(振幅)を表す。S21は、第1反射部11からの信号が帰還増幅部10を通過する信号の大きさを表す。S12は、第2反射部12からの信号が帰還増幅部10を通過する信号の大きさを表す。S22は、第2反射部12からの信号が帰還増幅部10で反射される信号の大きさを表す。反射係数ΓGは、このSパラメータを用いて式1で表すことができる。式1の第二項を、以後「共振項」と呼ぶ。
 ΓG=S11+(S21・S12・Γ2/(1-S22・Γ2)) (式1)
 高周波発振器1の発振条件は、帰還増幅部10が1.0を超える反射利得を有し、かつ、第1反射部11で反射された信号が帰還増幅部10に正帰還されることである。帰還増幅部10が1.0以上の反射利得を有することは式2で表され、第1反射部11により反射された信号が正帰還されることは式3で表される。Im(*)=0は虚部が「0」、すなわち出力信号と入力信号の位相差が無い(同相すなわち位相差が360°の整数倍、ないし2πラジアンの整数倍となる)ことを表す。
 |ΓG|・|Γ1|>1  (式2)
 Im(ΓG*Γ1)=0  (式3)
 反射係数ΓSは、帰還増幅部10のSパラメータを用いて式4で表すことができる。
 ΓS=S22+(S21・S12・Γ1/(1-S11・Γ1)) (式4)
 第2反射部12に相当する部分が接地端となる従来の高周波発振器の場合、反射係数Γ2は、略「-1」となる。そのため、帰還増幅部10から第2反射部12に到達する信号は発振動作に活用されていない。これに対して、本実施形態の高周波発振器1では、式1の共振項に着目し、帰還増幅部10から第2反射部12に到達する信号を発振動作に積極的に活用する仕組を創案した。すなわち、式1の共振項の分母が小さくなるようにし、第1反射部11から帰還増幅部10を経て第2反射部12に向かう信号の多くを帰還増幅部10へ戻すようにした。このときの条件を式5、式6に示す。
 |ΓS|・|Γ2|を極力大きく  (式5)
 Im(ΓS*Γ2)=0      (式6)
 式5は、|Γ2|を極力大きくすることを表す。
 すなわち、本実施形態では、高周波発振器1を、帰還増幅部10と第1反射部11及び第2反射部12とが、式2、式3ないし式5、式6の発振条件を満たすようにした。より詳しくは、分布定数線路の電気長を式3、式6の条件(正帰還)を満たす長さに設計した。また、式2、式5の条件を満たすように、第1反射部11及び第2反射部12の分布定数線路が高周波開放端を有するように構成した。これにより、共振項の分母が小さくなり、第2反射部12で全反射された信号の多くが帰還増幅部10に戻り、効率の良い発振が可能となった。
 分布定数線路が高周波開放端を有することで、Q値の低下を防止することもできる。Q値は振動の状態を現す無次元数であり、この値が大きいほど振動が安定であることを意味する。分布定数線路を用いる場合、このQ値が低下するおそれがあるが、本実施形態では、第1反射部11及び第2反射部12が、伝搬してきた信号を高周波開放端で全反射させるので、Q値の低下を防止することができる。
 上記のように効率良く安定した発振が可能になることにより、位相雑音の低下が可能になる。すなわち、第1反射部11及び第2反射部12による全反射を繰り返す多重反射の過程で、あたかも導波管による発振器のように信号の位相が迅速に揃えられ、位相雑音が低くなる。また、発振のスプリアスや高調波発振も抑制される。これによって優れた発振性能を実現することができる。
 本実施形態の効用は、優れた発振性能を実現できるだけでなく、分布定数線路に接地端を形成している従来の高周波発振器が残す製造面の課題も解決できる点にある。第1に、分布定数線路への高周波開放端の形成は、誘電体などの基板へのプリント配線だけで簡易に実現できることであり、少なくとも接地導体ないし同種部品が不要となる点でコスト面で有利となる。また、接地端を形成しないからビアホールや同種部品を使用する必要がなくなり、これらの材質およびその形成、加工の際の分布定数線路の電気長(位相)変動の問題を解決できる。
<実施例>
 次に、高周波発振器1の実施例について説明する。ここでは、1つの基板上に上述した高周波発振器1を実装した高周波発振器2の例を説明する。この高周波発振器2は、例えば高分解レーダに用いられる、発振周波数が24[GHz]の発振信号を出力する。基板には、比誘電率3.5、厚み0.25[mm]の高周波用樹脂基板を用いた。基板上には、プリント配線でマイクロストリップ線路を形成した。マイクロストリップ線路は、表皮効果を考慮して、複数階層の金属膜で形成した。具体的には、基板上に厚み18[μm]の銅を形成し、最上層で露出する金属膜を、耐蝕性が最も高くかつ伝導度の高い金属層(金メッキ)とした。なお、発振周波数がKa帯以上(26[GHz]以上)であれば、基板をセラミック系の材料で形成し、マイクロストリップ線路を厚み3[μm]程度の薄膜金で構成するのが一般的である。
 基板に形成した分布定数線路の線路パターンを図3に示す。図1に示した部品に対応する部分には当該部品と同じ符号を付してある。本例では能動素子101を線路パターンの所定位置にフリップチップ接続する。能動素子101と線路パターンを接続するボンディングパッドは、破線で示してある。能動素子101にはマイクロ波帯以上の高周波帯において負性抵抗性を示すGaAs HEMTを用いる。図4は、GaAs HEMTの一般的な端子位置の説明図である。図4の例では、四角形の4辺(図4(a))ないし4隅(図4(b))にゲート端子(電極)G、ドレイン端子(電極)D、2つのソース端子(電極)Sが配置される。ゲート電極Gとドレイン電極Dとが対抗する位置に配置される。2つのソース電極Sは対向する位置に配置され、素子内部で接続される。帰還部102は、能動素子101のゲート-ドレイン間に生じる寄生容量により実現するために、帰還部102に相当する素子を別途設ける必要はない。そのために、能動素子101が単体で帰還増幅部10として機能する。線路パターンの精度、実装精度は±3[μm]以下である。
 この高周波発振器2では、能動素子101のゲート電極Gに第1反射部11を接続した。また、能動素子101の2つのソース電極Sの各々に第2反射部121、122を接続した。第1反射部11、第2反射部121、122は、それぞれ高周波開放端を有するものとなっている。第1反射部11の電気長(L1)は、図3の例ではゲート電極Gから最も近い外端部までの長さであり、24[GHz]の発振周波数で式3の条件を満たす。第1反射部11の電気長(L1)は、例えば発振信号の1/4波長以下であり、発振周波数を決める要素となる。第2反射部121、122は、能動素子101に対して対称に形成されており、それぞれの電気長(L21、L22)は、図3の例では各ソース電極Sと最も近い外端部までのL字の長さである。第2反射部12の電気長は、第2反射部121、122のそれぞれの電気長を加算した長さ(L21+L22)となる。第2反射部12の電気長(L21+L22)は、24[GHz]の発振周波数で式6の条件を満たす。第2反射部121、122の電気長(L21、L22)は、例えば発振信号のそれぞれ1/4波長になり、加算した電気長(L21+L22)は1/2波長となる。
 本実施例では、第1反射部11に第1バイアス部17を一体形成した。また、第2反射部122に第2バイアス部18を一体形成した。第1、第2バイアス部17、18は、λ/4-マイクロストリップ線路の屈曲部にλ/4-ラディアル・スタブを形成したものである。第1バイアス部17は、ゲート電極Gに接続されるために、ソース電極Sに接続される第2バイアス部18よりも流れる電流量が少ない。そのために、第1バイアス部17の線幅は、第2バイアス部18の線幅よりも狭く形成される。
 ドレイン電極Dには、出力端子13との間に発振信号のインピーダンス整合及び不要波の抑圧のためのトラップ部19が設けられる。本実施例では、トラップ部19が、電気長(L3)が発振信号の1/8波長のオープンスタブ191と、電気長(L4)が発振信号の1/4波長のオープンスタブ192と、を組み合わせて形成される。トラップ部19には第3バイアス部20を一体形成した。第3バイアス部20は、λ/4-マイクロストリップ線路の屈曲部にλ/4-ラディアル・スタブを形成したものである。第1、第2、第3バイアス部17、18、20は、帰還増幅部10を、負性抵抗領域で動作させるために形成したものである。トラップ部19と出力端子13とは、バンド・パス・フィルタ21を介して誘導接続されるようにした。バンド・パス・フィルタ21は、発振信号のフィルタリングを行い、所望の発振周波数だけを通過させる。フィルタリングされた発振信号が出力部である出力端子13から外部へ出力される。
 高周波発振器2では、能動素子101を除くいずれの部品も1層のプリント配線で形成される。したがって、加工・製造がきわめて容易であり、製造コストを格段に低減させることができる。
 なお、従来品において、分布定数線路の長さを調整することにより、接地端の部分が高周波開放端として作用する場合がある。しかし、このような場合であっても、接地導体やビアホールを必要とする限り、製造コストの低減を図ることはできない。逆に、本実施形態のように第2反射部12を形成することにより、この第2反射部12において接地導体を形成することなく(つまり、低コストのまま)接地端と同等の機能を実現することができる。
 1,2…高周波発振器、10…帰還増幅部、101…能動素子、102…帰還部、11…第1反射部、12,121,122…第2反射部、13…出力端子、14…ゲート端子、15…ソース端子、16…ドレイン端子、17…第1バイアス部、18…第2バイアス部、19…トラップ部、191,192…オープンスタブ、20…第3バイアス部、21…バンド・パス・フィルタ

Claims (10)

  1.  所定の周波数以上で動作すると反射利得を有する負性抵抗素子となる帰還増幅部と、
     それぞれ伝搬信号を接地導体を要することなく反射させるために分布定数線路で形成された第1反射部および第2反射部と、を備えており、
     前記第1反射部が前記帰還増幅部の第1端子、前記第2反射部が前記帰還増幅部の第2端子にそれぞれ接続されており、前記第1反射部で反射された信号が前記第1端子へ正帰還され、前記第2反射部で反射された信号が前記第2端子へ正帰還されることで、前記帰還増幅部が発振信号を生成する、
     高周波発振器。
  2.  前記第1反射部および前記第2反射部は、それぞれ高周波開放端を有する分布定数線路で形成されており、伝搬した信号を全反射させる、
     請求項1に記載の高周波発振器。
  3.  前記発振信号の周波数が、前記反射利得と前記第1反射部の分布定数線路の電気長で定まる、
     請求項2に記載の高周波発振器。
  4.  前記分布定数線路が複数階層の金属膜で形成されており、最上層で露出する金属膜が、耐蝕性が最も高くかつ伝導度の高い金属層である、
     請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高周波発振器。
  5.  前記第1反射部および前記第2反射部が形成された基板を備えており、
     前記帰還増幅部が、前記第1反射部および前記第2反射部にフリップチップ接続される、
     請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高周波発振器。
  6.  前記基板上の前記第1反射部および前記第2反射部に、それぞれ前記帰還増幅部を負性抵抗領域で動作させるためのバイアス部が一体形成されている、
     請求項5に記載の高周波発振器。
  7.  前記バイアス部が、1/4波長の長さのマイクロストリップ線路と1/4波長の長さのラディアル・スタブとを組み合わせて形成される、
     請求項6に記載の高周波発振器。
  8.  前記基板上に、さらに、発振信号のインピーダンス整合及び不要波の抑圧のためのトラップ部と、前記発振信号のフィルタリングを行うフィルタと、このフィルタを通過した前記発振信号を外部へ出力するための出力部とが形成されている、
     請求項5ないし7のいずれか1項に記載の高周波発振器。
  9.  前記トラップ部は、電気長が1/8波長の長さのオープンスタブと、電気長が1/4波長の長さのオープンスタブと、を組み合わせて形成される、
     請求項8記載の高周波発振器。
  10.  前記帰還増幅部がFET、HEMT、HBTのいずれかで構成されている、
     請求項1ないし9のいずれか1項に記載の高周波発振器。
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