WO2016111112A1 - シリコーン共重合体およびその製造方法 - Google Patents

シリコーン共重合体およびその製造方法 Download PDF

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山中 秀一
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Abstract

 本発明のシリコーン共重合体は、一般式(式中、a、b、cはモル%を示す。Yは有機基を、Xはトリメチルル基を示す。) で示され、(a+b)は40~100モル%、cは0~60モル%、a+b+c=100モル%、a/(a+b)は、0.8以上1以下であり、ゲル浸透クロマトグラフィ測定で得られるピークの数が2以上であるシリコーン重合体である。 本発明のシリコーン共重合体は、保護基のアルコキシ基の脱保護率が高いため、アルカリ溶解速度が安定しており、パターンの形成を安定して行うことができる。 本発明のシリコーン共重合体は、可視光領域の波長における透明性が良く、密着性、クラック耐性に優れ、かつアルカリ溶解速度が安定していた材料である。本発明のシリコーン共重合体は、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品に好適に用いられる。

Description

シリコーン共重合体およびその製造方法
 本発明は、シリコーン共重合体およびその製造方法に関する。本発明は、特に、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品の耐熱性材料として有用なシリコーン共重合体およびその製造方法に関するものである。
 近年、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品に用いられる電子材料として、高い透明性、耐熱性、耐薬品性、クラック耐性などの特性を兼ね備えた樹脂が必要となってきた。このような樹脂は、可視光の透過性が高い透明性や、素子を製造する時の処理工程に耐えられる耐熱性が必要である。
 その中で、アルカリ溶媒に溶解するヒドロキシ基を有するシリコーン重合体、中でもフェノール基を有するシリコーン重合体が注目されている。フェノール基を有するシリコーン重合体は、微細加工で用いられるアルカリ溶媒に溶解する。
 フェノール基を、メチル基やエチル基などのアルキル基で保護した、アルコキシ基を有するシリコーン重合体を用いて、フェノール基を有するシリコーン重合体が製造される。アルコキシ基を有するシリコーン重合体は、一般的に、原料にクロロシランを用い、水で加水分解し、縮重合反応して合成される。
 アルコキシ基を含有するシリコーン重合体を製造する場合、特に、縮重合反応は、200℃で2時間といった苛烈な条件で反応する必要があり、工業的に生産することが困難であった。
 さらに、クロロシランを水で加水分解した際に生じる塩酸は、縮重合反応の触媒となる場合がある。塩酸を触媒として合成したシリコーン重合体は末端にシラノールが多く残ることがある。
 このように、アルコキシ基を有するシリコーン重合体を脱保護してフェノール基を有するシリコーン重合体を得るためには、まず、シラノール基を何らかの保護基で保護した後、アルコキシ基を脱保護する必要があり、反応が煩雑になるという課題があった(特許文献1~3)。
 さらに、従来の方法で得られたフェノール基を有するシリコーン重合体は、保護基のアルコキシ基が15%程度残存する。また、脱保護率は条件によってバラつきを生じるため(特許文献1)、アルカリ溶解速度(Alkali Dissolution Rate、ADR)が安定せず、パターンの形成が困難となることがあった。
 以上の理由により、温和な条件で縮重合することができ、保護基のアルコキシ基の残存量が少なく、脱保護率が高いシリコーン重合体が求められていた。
特公平5-58446号公報 特許第3636242号公報 特許第4039704号公報
 本発明は、温和な条件で縮重合することができ、保護基のアルコキシ基の残存量が少なく、脱保護率が高いため、アルカリ溶解速度が安定しており、パターンの形成が安定して行えるシリコーン重合体およびその製造方法を提供することにある。
 本発明は、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
(式中、a、b、cはモル%を示す。Yは有機基を、Xはトリメチルシリル基を示す。)
で示され、(a+b)は40~100モル%、cは0~60モル%、a+b+c=100モル%、a/(a+b)は、0.8以上1以下であり、ゲル浸透クロマトグラフィで得られるピークの数が2本以上であるシリコーン重合体である。
 さらに、本発明は、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
(式中、Rはメチル基、Zは一価の炭化水素基を示す。)で示されるケイ素化合物と、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
(式中、Yは有機基を示し、Zは一価の炭化水素基を示す)で示されるケイ素化合物の混合物を第4級アンモニウム塩の存在下、加水分解し、さらに縮重合反応を行った後、非プロトン性極性溶媒中で脱保護する、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
(式中、a、b、cはモル%を示す。Yは有機基を、Xはトリメチルシリル基を示す。)
で示され、(a+b)は40~100モル%、cは0~60モル%、a+b+c=100モル%、a/(a+b)は、0.8以上1以下であり、ゲル浸透クロマトグラフィ測定で得られるピークの数が2以上であるシリコーン重合体を製造するシリコーン重合体の製造方法である。
 本発明のシリコーン共重合体は、保護基のアルコキシ基の脱保護率が高いため、アルカリ溶解速度が安定しており、パターンの形成を安定して行うことができる。また、脱保護率が高く、アルカリ溶解速度が安定しているため、a成分およびb成分の割合を変えることによって、アルカリ溶解速度を緻密にコントロールすることができる。さらに、また、シラノール基がトリメチルシリル基で保護されているため、粘度や分子量等その他の特性を変化させても、狙ったアルカリ溶解速度が得られる。
 さらに、本発明のシリコーン重合体の製造方法では、触媒として第4級アンモニウム塩を用いるため、反応温度が0~100℃であり、従来の反応温度200℃に比べ温和な条件で縮重合反応を行うことができる。また、シラノール基の量が少ないため、シラノール基の保護と、アルコキシル基の脱保護を同時に行うことができ、効率良く反応を行うことができる。さらに、加水分解、縮重合および脱保護をワンポット(one-pot)で行うことができ、工業化する上で効率が良い。
 本発明のシリコーン共重合体は、可視光領域の波長における透明性が良く、密着性、クラック耐性に優れ、かつアルカリ溶解速度が安定していた材料である。本発明のシリコーン共重合体は、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品に好適に用いられる。
実施例1により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。 実施例1により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。ピーク数を示すため変曲点で分割した。 実施例7により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。 実施例7により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。ピーク数を示すため変曲点で分割した。 実施例8により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。 実施例8により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。ピークの数を示すため変曲点で分割した。 実施例9により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。 実施例9により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。ピークの数を示すため変曲点で分割した。 実施例10により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。 実施例10により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。ピークの数を示すため変曲点で分割した。 実施例11により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。 実施例11により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。ピークの数を示すため変曲点で分割した。 比較例6により得られたシリコーン重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。
 本発明のシリコーン重合体は、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
(式中、a、b、cはモル%を示す。Yは有機基を、Xはトリメチルシリル基を示す。)
で示され、(a+b)は40~100モル%、cは0~60モル%、a+b+c=100モル%、a/(a+b)は、0.8以上1以下であり、ゲル浸透クロマトグラフィで得られるピークの数が2本以上であるシリコーン重合体である。
 本発明のシリコーン重合体の骨格は、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
シルセスキオキサン骨格を示し、各ケイ素原子が3個の酸素原子に結合し、各酸素原子が2個のケイ素原子に結合していることを示す。シルセスキオキサン骨格は、例えば、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
に示す構造式で示すことができる。
 本発明において、a、b、cはモル%を示し、a+b+c=100である。
 本発明におけるa成分およびb成分は、ヒドロキシベンジル基を含む成分であり、シリコーン重合体にアルカリ可溶性を付与する成分である。a成分とb成分の合計は40~100モル%である。a成分とb成分の合計は、好ましくは50~100モル%、更に好ましくは60~100%である。a成分とb成分の合計が40モル%未満であると、アルカリに溶解しないことがある。
 本発明におけるa成分およびb成分は、a/(a+b)が、0.8以上1以下である。a/(a+b)は、好ましくは、0.85以上1以下、より好ましくは、0.90以上1以下である。
 本発明におけるc成分は、有機基を含む成分であり、得られるシリコーン重合体の粘度や耐熱性を付与する成分である。c成分は0~60モル%が好ましく、より好ましくは0~50モル%、更に好ましくは0~40モル%である。c成分が60モル%を超えると、アルカリに溶解しないことがある。
 本発明のシリコーン重合体では、Yは有機基である。Yは、炭化水素基が好ましい。炭化水素基は、好ましくは、炭素数1~20の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基、または、芳香族炭化水素基である。炭素数1~20の直鎖状炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などの炭化水素基がより好ましい。分岐状炭化水素基は、イソプロピル基、イソブチル基が好ましい。環状炭化水素基は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などの環状炭化水素基が好ましく、またノルボルナン骨格を有するような架橋型炭化水素基も好ましい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ジフェニルメチル基、シンナミル基、スチリル基、トリチル基などのベンゼン環と炭化水素基とを有した置換基、トルイル基、クメニル基、メシル基、キシリル基などのベンゼン環に置換基が結合した芳香族炭化水素基が挙げられる。
 これら炭化水素基の中で、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~5のアルキレン基、フェニル基、ベンジル基等の芳香族炭化水素基が、より好ましく、原料入手の容易さからメチル基、エチル基、フェニル基がさらに好ましい。
 本発明のシリコーン重合体では、Xはトリメチルシリル基を示す。
 本発明のシリコーン重合体は、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が500~20000の範囲であることが好ましい。より好ましくは、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が、1000~10000の範囲であり、さらに好ましくは2000~5000の範囲である。
 本発明のシリコーン重合体の分散度は、1.0~10.0の範囲にあるものが好ましく、1.5~5.0の範囲にあるものが最も好ましい。なお、分散度は、以下の計算式
   重量平均分子量/数平均分子量 = 分散度
によって求める。
 本発明のシリコーン重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークの数が2以上であるシリコーン重合体である。
 本発明では、ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られる分子量分布領域を変曲点で分離して、得られるピークの数を決める。ただし、変曲点が明瞭でない場合は、ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られる測定図から、ピークの数を決めることができる。分子量分布が高くなると得られるピークの数は大きくなるが、分散度が高いポリマーとなるため特性が得られない場合がある。よってピークの数は2~10が好ましく、さらに2~5が好ましい。
 ゲル浸透クロマトグラフィは分子の大きさを区別することで表れるピークであることから、ゲル浸透クロマトグラフィの測定によって2以上のピークがあることは、本発明のシリコーン重合体は、通常、分子の立体構造が複数存在することを示唆する。
 本発明のシリコーン重合体は、分子の立体構造には次の籠型の構造が含まれていても良い。代表的な籠型構造は、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
で示されるケイ素原子を8つ有するT8構造と、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
で示されるケイ素原子を10個有するT10構造と、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
で示されるケイ素原子を12個有するT12構造が挙げられる。それら構造は完全縮合した形では無く、部分的にシラノール基が残っている構造式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
の構造も含まれる。さらに、シラノール基はトリメチルシリル基によって保護されていても良い。
 本発明のシリコーン重合体は、好ましくは、有機溶媒に可溶である。本発明のシリコーン重合体は、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、シクロへキサノール等のアルコール溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶媒に可溶である。本発明のシリコーン重合体は、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの有機溶媒に溶解させた場合は、シリコンウェハーやガラス基板上に有機溶媒に溶解させたシリコーン共重合体をスピンコートすることができ、基板上の膜厚を調整したり、平坦で緻密な膜を形成できることから、沸点の高い溶媒に溶解することは特に好ましい。
 本発明におけるアルカリ溶解速度(Alkali Dissolution Rate、ADR)とは、例えば、塗膜としたシリコーン重合体を、アルカリ溶液に浸漬した際に、塗膜が溶解する速度のことである。アルカリ溶解速度測定に用いられるアルカリ溶液は、半導体・液晶リソグラフィー用途では、1.19%、2.38%および25%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が一般的に用いられる。塗膜は、本発明のシリコーン重合体を、高沸点溶媒に溶解し、シリコンウエハーやガラス基板上にスピンコート等の手法で形成させることができる。
 アルカリ溶解速度は、塗膜の膜厚(A)を事前に光干渉式膜厚測定装置等を用いて測定し、一方で、塗膜をアルカリ溶液に浸漬してから、目視で塗膜が完全に溶解するまでの時間(B)を測定し、以下の式にて求められる。
 A / B = ADR(Å/s)
半導体・液晶リソグラフィーでは、アルカリ溶解速度は100Å/sが好ましく、より好ましくは200Å/s、さらに好ましくは300Å/sである。アルカリ溶解速度が100Å/s以上であれば、リソグラフィーに用いる事ができる。
 本発明のシリコーン重合体は、一般的には、例えば、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
(式中、Xは加水分解性基を示し、nは1から3を示す。)
で示される加水分解反応と一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
(式中、Xは加水分解性基を示し、nは1から3を示す。)
のとおり加水分解反応と縮重合反応との2反応から合成される。本発明のシリコーン重合体は、加水分解反応と縮重合反応との2反応から合成される場合は、一般的なラジカル縮合とは異なり、使用モノマーや反応条件などから重合度を制御することができる。
 本発明のシリコーン重合体の製造方法は、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
(式中、Rはメチル基を示す。Zは一価の炭化水素基を示す。)で示されるケイ素化合物と一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
(式中、Yは有機基を示し、Zは一価の炭化水素基を示す)
で示されるケイ素化合物の混合物を、第4級アンモニウム塩の存在下、加水分解し、さらに縮重合反応を行った後、非プロトン性極性溶媒中で脱保護することで、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
(式中、a、b、cはモル%を示す。Yは有機基を、Xはトリメチルシリル基を示す。)
で示され、(a+b)は40~100モル%、cは0~60モル%、a+b+c=100モル%、a/(a+b)は、0.8以上1以下であり、ゲル浸透クロマトグラフィ測定で得られるピークの数が2以上であるシリコーン重合体を製造するシリコーン重合体の製造方法である。
 ここで、Zは一価の炭化水素基を示し、炭素数1~20の直鎖状炭化水素基が好ましい。炭素数1~20の直鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などの炭化水素基が挙げられる。中でも、Zは、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~5のアルキレン基がより好ましく、原料入手の容易さからメチル基、エチル基がさらに好ましい。
 本発明のシリコーン重合体の製造方法では、Yは有機基である。Yは、炭化水素基が好ましい。炭化水素基は、炭素数1~20の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基、芳香族炭化水素基等である。炭素数1~20の直鎖状炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などの炭化水素基がより好ましい。分岐状炭化水素基は、イソプロピル基、イソブチル基などの炭化水素基が好ましい。環状炭化水素基は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基が好ましく、またノルボルナン骨格を有するような架橋型炭化水素基も好ましい。芳香族炭化水素基は、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ジフェニルメチル基、シンナミル基、スチリル基、トリチル基などのベンゼン環と炭化水素基とを有した置換基、トルイル基、クメニル基、メシル基、キシリル基などのベンゼン環に置換基が結合した芳香族炭化水素基が挙げられる。
 これら炭化水素基の中で、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~5のアルキレン基、フェニル基、ベンジル基等の芳香族炭化水素基がより好ましく、原料入手の容易さからメチル基、エチル基、フェニル基がさらに好ましい。
 Zは一価の炭化水素基を示し、炭素数1~20の直鎖状炭化水素基が好ましい。炭素数1~20の直鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などの炭化水素基が挙げられる。Zは、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~5のアルキレン基がより好ましく、原料入手の容易さからメチル基、エチル基がさらに好ましい。
 本発明のシリコーン重合体の製造方法では、触媒として第4級アンモニウム塩を用いる。第4級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムフルオライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラn-ブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリn-ブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、n-オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラn-プロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラn-プロピルアンモニウムアイオダイド、トリメチルフェニルアンモニウムアイオダイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシト゛、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムチオシアネート、テトラメチルアンモニウムp-トルエンスルフォネートなどが挙げられる。中でも、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラn-ブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリn-ブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシト゛、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムチオシアネート、テトラメチルアンモニウムp-トルエンスルフォネートが好ましく、さらに、強い塩基でモノマーの加水分解速度を制御可能なテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
 第4級アンモニウム塩の使用量は、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
(式中、Rはメチル基、Zは一価の炭化水素基を示す。)で示されるケイ素化合物と、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
(式中、Yは有機基を示し、Zは一価の炭化水素基を示す)で示されるケイ素化合物の合計のモル数に対して、0.001~1.0当量が好ましく、0.005~0.5当量がさらに好ましい。第4級アンモニウム塩は、加水分解、縮重合反応の終了後、適当な酸を用いて中和しても良い。
 本発明のシリコーン重合体の製造方法では、加水分解、縮重合反応の反応温度は、0~100℃が好ましく、より好ましくは、10~90℃であり、さらに好ましくは、20℃~80℃である。反応温度が0℃以上であれば加水分解、縮重合反応が短時間で完了し、また100℃以下であれば工業化が容易である。
 この加水分解、縮重合反応には水を用いる。水の使用量は、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
(式中、Rはメチル基、Zは一価の炭化水素基を示す。)で示されるケイ素化合物と、一般式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
(式中、Yは有機基を示し、Zは一価の炭化水素基を示す)で示されるケイ素化合物の合計のモル数に対して、0.1~20当量使用することが好ましく、0.5~10当量使用することが特に好ましい。
 加水分解、縮重合反応では、有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の非プロトン性溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒等の溶媒を使用することができる。また、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルなどの高沸点溶媒を使用しても良い。また非プロトン性溶媒を使用した場合は、水と混合しないため加水分解反応が遅くなると推測され、そのような場合は水に可溶なアルコール溶媒を加えて加水分解反応させてもよい。有機溶媒は2種類以上用いても良い。
 加水分解、縮重合反応では、ケイ素化合物に触媒を滴下しても良いし、触媒や触媒を含む有機溶媒にケイ素化合物を滴下しても良い。
 加水分解、縮重合反応の反応時間は、所望の分子量のシリコーン重合体が得られる時間でよく、好ましくは0.5~20時間、更に好ましくは1~10時間である。
 本発明のシリコーン重合体の製造方法では、非プロトン性極性溶媒中で脱保護反応を行うことで、アルコキシ基を脱保護して水酸基とする。
 非プロトン性極性溶媒としては、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができる。中でも、アセトニトリル、クロロホルムを用いた場合、脱保護率が高く好ましい。非プロトン性極性溶媒は2種類以上用いても良い。
 非プロトン性極性溶媒の量は、得られたポリマーに対し、0.5~8.0重量倍が用いられ、好ましくは1.0~7.0重量倍であり、さらに好ましくは1.5~6.0重量倍である。0.5重量倍以上であれば、脱保護率が高くなり、8.0重量倍以下であれば、経済的な観点から好ましい。
 本発明のシリコーン重合体の製造方法では、より好ましくは、第4級アンモニウム塩が、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドであり、非プロトン性極性溶媒が、アセトニトリル、または、クロロホルムである。
 脱保護反応には、トリメチルシリルアイオダイドを用いることができる。トリメチルシリルアイオダイドは、シラン化合物の加水分解、縮重合物に、溶液のトリメチルシリルアイオダイドを滴下しても良いし、トリメチルシリルクロライドとヨウ化ナトリウムを別々に添加し反応系中で生じさせても良い。トリメチルシリルクロライドとヨウ化ナトリウムは安価であり好ましい。
 トリメチルシリルアイオダイドの量は、a成分のモル数に対して1.2~2.9当量、好ましくは1.3~2.8当量、さらに好ましくは1.4~2.7当量である。1.2当量以上であれば、脱保護率が高く、2.9当量以下であれば、経済的に好ましい。さらに、トリメチルシリルクロライドとヨウ化ナトリウムを別々に添加する場合は、ヨウ化ナトリウムに対し、トリメチルシリルクロライドが過剰となるほうが好ましい。
 脱保護反応の温度は、50℃以上、好ましくは60℃以上であり、更に好ましくは65℃以上である。50℃以上であれば、脱保護率が高くなり好ましい。
 脱保護反応の時間は、所望の脱保護率が得られる時間であれば良く、6~100時間、好ましくは10~80時間、更に好ましくは14~60時間である。6時間を以上であれば、脱保護率が80%以上となり、100時間以下であれば生産性の面で好ましい。
 脱保護反応に用いる水の量は、トリメチルシリルアイオダイドのモル数に対して、1.0~4.0当量、好ましくは1.2~3.5当量、更に好ましくは1.5~3.0当量が好ましい。
 本発明のシリコーン重合体の製造方法では、トリメチルシリルアイオダイドに、トリメチルシリルクロライドとヨウ化ナトリウムを用いた場合、副生成物として生じる塩を除去し、シリコーン重合体に含まれる金属を低減させるために、水洗を行っても良い。水洗に用いる水は、イオン交換水が好ましく、更に好ましくは電気伝導度が5μS/cm以下であるイオン交換水が好ましい。水洗は繰り返し行っても良い。
 本発明のシリコーン重合体の製造方法では、好ましくは、全ての反応をワンポット(one-pot)で行う。反応をワンポットで行うとは、反応容器に基質や溶媒を逐次投入することで、多段階の反応を行うことである。通常の合成反応では、一般的に、余剰の基質や副生成物が、次工程の反応を阻害することがあり、単離・精製が必要である。
 本発明のシリコーン重合体の製造方法では、加水分解・縮重合反応の後、単離・精製を行うことなく、ワンポットで反応を行いながら、メトキシ基の脱保護が高い脱保護率で行う事ができる。ワンポットで反応を行う事ができるので、単離・精製に用いるエネルギーや溶媒を使用することなく合成することができ経済的である。また、単離・精製を行わないため、生成物をロスすることが無く、廃液が発生せず、環境に対する負荷が少ない。加えて、反応設備を一基しか用いないため、設備が少なくてすみ効率が良い。
 以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
 以下の実施例において、測定には下記装置を使用し、原料は試薬メーカー(東京化成工業(株)、和光純薬工業(株)、ナカライテスク(株)、信越化学工業(株))から購入した一般的な試薬を用いた。
 測定装置
 NMR測定 
 NMR(400MHz、日本電子(株)製)を使用した。合成した化合物を約20~30mgを和光純薬製CDCl約1gに溶解させその溶液をNMRチューブに全量移液した。内部標準物質にはテトラメチルシラン(TMSと略す)CDClに対して0.5%w/w加え、TMS由来のピークを0ppmとして解析した。測定はオートロックで行い、積算回数は16回とした。得られたチャートに基づき脱保護率を計算した。脱保護率は、6~7ppm付近のフェノールのプロトン由来のピーク面積(A)と、3.6ppm付近のメトキシ基のプロトン由来のピーク面積(B)を用い、以下の計算式にて
  100 -((B/3)/(A/4)×100) = 脱保護率(%)
求めた。
 IR測定 
 IR Prestige-21((株)島津製作所製)を使用した。KBr板に合成品を少量塗布し、赤外を透過させて測定した。
 GC測定
 GC-2010((株)島津製作所製)を使用した。カラムはJ&W社製DB-5 (長さ30m×膜厚0.5mmI.D.)を使用した。測定条件は、注入口温度250℃、検出器温度300℃。昇温プログラムは、カラム温度50℃から10℃/分で300℃まで昇温し2分間保持した。
 ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)測定 
 HLC-8220GPCシステム(東ソー(株)製)を使用した。カラムには、TSKgelSuperHZ3000、TSKgelSuperHZ2000、TSKgel1000(いずれも東ソー(株)製)を用いた。検出はRIで行い、リファレンスカラムとしてTSKgelSuperH-RCを使用した。溶媒にはテトラヒドロフランを使用し、カラムとリファレンスカラムの流速は0.35mL/minで行った。測定温度は、プランジャーポンプ、カラム共に40℃で行った。サンプルの調整には、シリコーン重合体約0.025gを10mlのテトラヒドロフランで希釈し、1μL注入した。分子量分布計算には、TSK標準ポリスチレン(東ソー(株)製、A-500、A-1000、A-2500、A-5000、F-1、F-2、F-4、F-10、F-20、F-40、F-80)を標準物質として使用して算出した。
 アルカリ溶解速度(Alkali Dissolution Rate、ADR)測定
 Si単結晶ウェハ上に、スピンコーター(MS-A100、ミカサ製)にて、シリコーン重合体を膜厚15,000~25,000Å(A)になるように成膜し、ホットプレートで100℃にて90秒間焼成した。膜厚は光干渉式膜厚測定装置(ラムダエースVM-1210、大日本スクリーン製造(株)製)を用いて測定した。ADRは、塗膜したウェハを、1.19%または2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液と略す)中に浸漬し、目視にて塗膜が消失するまでの時間(B)を計測し、下記式にて
    A / B = ADR(Å/s)
求めた。
 合成例1
 4-メトキシベンジルトリメトキシシランの合成例
 撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、マグネシウム19.0g(0.784モル)とテトラヒドロフラン300mLを加えヨウ素片を加えた。そこに少量の4-メトキシベンジルクロライドを滴下し反応を開始させた後、4-メトキシベンジルクロライド合計116.9g(0.746モル)を5~10℃で滴下してグリニャール試薬を調製した。
 次に撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた1000mL4つ口フラスコに正珪酸メチル568g(3.73モル)仕込み、70~80℃の温度で先に調整したグリニャール試薬を2時間かけて滴下した。その後冷却し析出したマグネシウム塩をろ過した後、溶媒を留去し、さらに減圧度5mmHgで128~135℃の留分を122g(0.495モル)回収した。得られた留分のGC分析結果、GC純度98.8%、NMRとIR分析の結果、4-メトキシベンジルトリメトキシシランであった。
 得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
 赤外線吸収スペクトル
  2839,2941cm-1(-CH,Ar),1080cm-1(Si-O)
 核磁気共鳴スペクトル
  2.15(s、2H、-CH-)、3.52(s、9H、-OCH)、3.76(s、3H、CH-O-)、6.78-6.80(d、J=8.5Hz、2H、Ar-H)、7.07-7.09(d、J=8.5Hz、2H、Ar-H)ppm。
 実施例1
 ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークの数が3つである4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサンの合成
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
 (1)加水分解、縮重合
 撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液17.7g、イオン交換水62.2g、2-プロパノール390.2g、トルエン418.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、合成例1で得た4-メトキシベンジルトリメトキシシラン557.4gを滴下ろう斗を用いて1.5時間かけて滴下した。その後40℃にて4時間反応させた。反応後、2%くえん酸水を添加し中和した。さらに、トルエン975.5g、イオン交換水278.7gを添加し、撹拌後、分液した。分液した油層にイオン交換水418.0gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう1回実施した。得られた油層を濃縮したところ、無色透明液体の4-メトキシベンジルシルセスキオキサン510.8g(固形分77%トルエン溶液)を得た。
 (2)脱保護
 得られたポリマーにアセトニトリル1570.0g(4.0重量倍/ポリマー)を加え、撹拌しながらヨウ化ナトリウム509.4g、テトラメトキシシリルクロリド492.2g(2.0モル倍/メトキシベンジルユニット)を加え、65℃に昇温した。その後、16時間反応させた後、冷却し、イオン交換水163.3gを滴下した。30℃にて1.5時間反応させた後、15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液 1178.7gを添加した。メチルイソブチルケトン982.1g添加、攪拌後に分液した。油層にイオン交換水392.5gを添加し攪拌の上、分液した。この操作を5回繰り返した。その後、減圧濃縮することで溶媒を除去し、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を添加することで黄色透明液体である4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン950g(固形分40%PGME溶液)を得た。
 得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサンをGPCにて分析したところ、分子量(Mw)3530、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は98%であった。表1、表2に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は98モル%、(b)成分は2モル%であった。
 図1、2に、実施例1により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。図中、○はポリスチレンで測定した検量線を示し、一番右の○は重量平均分子量(Mw)500を示し。その間のピークがシリコーン共重合体のピークを示す。GPC分析結果からピーク形状は3本であることが分かった。
 1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表1に示した。2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表2に示した。ADR(1.19%TMAH水溶液)は580(Å/s)であった。ADR(2.38%TMAH水溶液)は6110(Å/s)であった。 
 実施例2
 実施例1において、(2)脱保護工程におけるアセトニトリルの量を1570.0g(4.0重量倍/ポリマー)から981.3g(2.5重量倍/ポリマー)に変更した以外は同様にして4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン948g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサンをGPCにて分析したところ、分子量(Mw)3230、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は94%であった。表1に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は94モル%、(b)成分は6モル%であった。1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表1に示した。ADR(1.19%TMAH水溶液)は320(Å/s)であった。
 実施例3
 実施例1において、(2)脱保護工程におけるアセトニトリルの量を1570.0g(4.0重量倍/ポリマー)から1962.5g(5.0重量倍/ポリマー)に変更した以外は同様にして4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン947g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサンをGPCにて分析したところ、分子量(Mw)3230、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は95%であった。表1に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は95モル%、(b)成分は5モル%であった。1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表1に示した。ADR(1.19%TMAH水溶液)は330(Å/s)であった。
 実施例4
 実施例1において、(2)脱保護工程における反応時間を16時間から6時間に変更した以外は同様にして4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン950g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサンをGPCにて分析したところ、分子量(Mw)3560、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は85%であった。表1に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は85モル%、(b)成分は15モル%であった。1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表1に示した。ADR(1.19%TMAH水溶液)は140(Å/s)であった。
 実施例5
 実施例1において、(2)脱保護工程における反応時間を16時間から40時間に変更した以外は同様にして4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン946g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサンをGPCにて分析したところ、分子量(Mw)3580、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は97%であった。表1に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は97モル%、(b)成分は3モル%であった。1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表1に示した。ADR(1.19%TMAH水溶液)は460(Å/s)であった。
 実施例6
 実施例1において、(2)脱保護工程における温度を65℃から60℃に変更した以外は同様にして4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン949g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサンをGPCにて分析したところ、分子量(Mw)4000、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は86%であった。表1に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は86モル%、(b)成分は14モル%であった。1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表1に示した。ADR(1.19%TMAH水溶液)は160(Å/s)であった。
 比較例1
 実施例2において、(2)脱保護工程におけるテトラメチルシリルクロリドの添加量を492.2g(2.0モル倍/メトキシベンジルユニット)から、246.1g(1.0モル倍/メトキシベンジルユニット)に変更した以外は同様にして4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン945g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサンをGPCにて分析したところ、分子量(Mw)3560、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は78%であった。表1に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は78モル%、(b)成分は22モル%であった。1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定を試みたが、溶解せず、測定できなかった。
 比較例2
 実施例2において、(2)脱保護工程におけるテトラメチルシリルクロリドの添加量を492.2g(2.0モル倍/メトキシベンジルユニット)から、738.3g(3.0モル倍/メトキシベンジルユニット)に変更した以外は同様にして4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン948g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサンをGPCにて分析したところ、分子量(Mw)3500、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は77%であった。表1に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は77モル%、(b)成分は23モル%であった。1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定を試みたが、溶解せず、測定できなかった。
 比較例3
 実施例2において、(2)脱保護工程におけるテトラメチルシリルクロリドの添加量を492.2g(2.0モル倍/メトキシベンジルユニット)から、861.4g(3.5モル倍/メトキシベンジルユニット)に変更した以外は同様にして4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン946g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサンをGPCにて分析したところ、分子量(Mw)3490、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は71%であった。表1に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は71モル%、(b)成分は29モル%であった。1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定を試みたが、溶解せず、測定できなかった。
 比較例4
 実施例1において、(2)脱保護工程におけるアセトニトリルをトルエンに変更した以外は同様にして反応をしたが、NMRで求めた脱保護率は0%であった。表1に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は0モル%、(b)成分は100モル%であった。1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定を試みたが、溶解せず、測定できなかった。
 比較例5
 実施例1において、(2)脱保護工程におけるアセトニトリルをメシチレンに変更した以外は同様にして反応をしたが、NMRで求めた脱保護率は0%であった。表1に、(a)成分と(b)成分の組成比をまとめた。(a)成分は0モル%、(b)成分は100モル%であった。1.19%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定を試みたが、溶解せず、測定できなかった。
 実施例7
 ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークの数が3つである4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合物の合成
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
(70:30は原料の仕込みモル組成比を示す)
 (1)加水分解、縮重合
 撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液14.6g、イオン交換水54.1g、2-プロパノール424.4g、トルエン424.4gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、合成例1で得た4-メトキシベンジルトリメトキシシラン324.7g、メチルトリメトキシシラン81.7gを混合し、滴下ろう斗を用いて1.5時間かけて滴下した。その後40℃にて4時間反応させた。反応後、2%くえん酸水を添加し中和した。さらに、トルエン848.9g、イオン交換水212.2gを添加し、撹拌後、分液した。分液した油層にイオン交換水331.1gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう1回実施した。得られた油層を濃縮したところ、無色透明液体の4-メトキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体391.3g(固形分70%トルエン溶液)を得た。
 (2)脱保護
 得られたポリマーにアセトニトリル1565.2g(4.0重量倍/ポリマー)を加え、撹拌しながらヨウ化ナトリウム314.8g、トリメチルシリルクロライド304.2g(2.0モル倍/メトキシベンジルユニット)を加え、65℃に昇温した。その後、16時間反応させた後、冷却し、イオン交換水100.9gを滴下した。30℃にて1.5時間反応させた後、15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液 1178.7gを添加した。メチルイソブチルケトン707.9g添加、攪拌後に分液した。油層にイオン交換水267.5gを添加し攪拌の上、分液した。この操作を5回繰り返した。その後、減圧濃縮することで溶媒を除去し、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を添加することで黄色透明液体である4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体656.5g(固形分40%PGME溶液)を得た。
 得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体をGPCにて分析した。図3、4に、実施例7により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。分子量(Mw)3430、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は91%であった。表2に、(a)成分、(b)成分、(c)成分の組成比をまとめた。(a)成分は64モル%、(b)成分は6モル%、(c)成分は30モル%であった。
 2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表2に示した。ADR(2.38%TMAH水溶液)は、730(Å/s)であった。
 実施例8
 ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークの数が3つである4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合物の合成
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
(60:40は原料の仕込みモル組成比を示す)
 (1)加水分解、縮重合
 撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液14.6g、イオン交換水54.2g、2-プロパノール402.6g、トルエン402.6gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、合成例1で得た4-メトキシベンジルトリメトキシシラン293.7、メチルトリメトキシシラン109.0gを混合し滴下ろう斗を用いて1.5時間かけて滴下した。その後40℃にて4時間反応させた。反応後、2%くえん酸水を添加し中和した。さらに、トルエン805.4g、イオン交換水201.4gを添加し、撹拌後、分液した。分液した油層にイオン交換水314.1gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう1回実施した。得られた油層を濃縮したところ、無色透明液体の4-メトキシベンジルシルセスキオキサン・メチルトリメトキシシラン共重合体393.6g(固形分71%トルエン溶液)を得た。
 (2)脱保護
 得られたポリマーにアセトニトリル1102.1g(4.0重量倍/ポリマー)を加え、撹拌しながらヨウ化ナトリウム264.4g、トリメチルシリルクロライド263.5g(2.0モル倍/メトキシベンジルユニット)を加え、65℃に昇温した。その後、16時間反応させた後、冷却し、イオン交換水84.8gを滴下した。30℃にて1.5時間反応させた後、15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液 822.4gを添加した。メチルイソブチルケトン640.9g添加、攪拌後に分液した。油層にイオン交換水256.3gを添加し攪拌の上、分液した。この操作を5回繰り返した。その後、減圧濃縮することで溶媒を除去し、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を添加することで黄色透明液体である4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体604.0g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体をGPCにて分析した。図5、6に、実施例8により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。分子量(Mw)3530、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は94%)であった。表2に、(a)成分、(b)成分、(c)成分の組成比をまとめた。(a)成分は56モル%、(b)成分は4モル%、(c)成分は40モル%であった。
 2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表2に示した。ADR(2.38%TMAH水溶液)は200(Å/s)であった。
 実施例9
 ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークの数が3つである4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合物の合成
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
(55:45は原料の仕込みモル組成比を示す)
 (1)加水分解、縮重合
 撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液23.0g、イオン交換水81.1g、2-プロパノール583.8g、トルエン817.3gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、合成例1で得た4-メトキシベンジルトリメトキシシラン399.9g、メチルトリメトキシシラン183.9gを混合し滴下ろう斗を用いて1.5時間かけて滴下した。その後40℃にて4時間反応させた。反応後、2%くえん酸水を添加し中和した。さらに、トルエン1167.5g、イオン交換水291.9gを添加し、撹拌後、分液した。分液した油層にイオン交換水437.8gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう1回実施した。得られた油層を濃縮したところ、無色透明液体の4-メトキシベンジルシルセスキオキサン・メチルトリメトキシシラン共重合体482.3g(固形分77%トルエン溶液)を得た。
 (2)脱保護
 得られたポリマーにアセトニトリル1487.2g(4.0重量倍/ポリマー)を加え、撹拌しながらヨウ化ナトリウム423.7g、トリメチルシリルクロライド422.1g(2.0モル倍/メトキシベンジルユニット)を加え、65℃に昇温した。その後、16時間反応させた後、冷却し、イオン交換水140.4gを滴下した。30℃にて1.5時間反応させた後、15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液 1187.3gを添加した。メチルイソブチルケトン931.1g添加、攪拌後に分液した。油層にイオン交換水371.9gを添加し攪拌の上、分液した。この操作を5回繰り返した。その後、減圧濃縮することで溶媒を除去し、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を添加することで黄色透明液体である4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体883.5g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体をGPCにて分析した。図7、8に、実施例9により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。分子量(Mw)4030、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は100%)であった。表2に、(a)成分、(b)成分、(c)成分の組成比をまとめた。(a)成分は55モル%、(b)成分は0モル%、(c)成分は45モル%であった。
 2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表2に示した。ADR(2.38%TMAH水溶液)は140(Å/s)であった。
 実施例10
 ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークの数が3つである4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合物の合成
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
(70:30は原料の仕込みモル組成比を示す)
 (1)加水分解、縮重合
 撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液16.0g、イオン交換水59.5g、2-プロパノール504.1g、トルエン252.0gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、合成例1で得た4-メトキシベンジルトリメトキシシラン373.2gとフェニルトリメトキシシラン130.87gを滴下ろう斗を用いて1.5時間かけて滴下した。その後40℃にて4時間反応させた。反応後、2%くえん酸水を添加し中和した。さらに、トルエン1008.4g、イオン交換水252.0gを添加し、撹拌後、分液した。分液した油層にイオン交換水378.1gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう1回実施した。得られた油層を濃縮したところ、無色透明液体の4-メトキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体457.7g(固形分70%トルエン溶液)を得た。
 (2)脱保護
 得られたポリマーにアセトニトリル1408.2g(4.0重量倍/ポリマー)を加え、撹拌しながらヨウ化ナトリウム346.3g、トリメチルシリルクロリド418.3g(2.5モル倍/メトキシベンジルユニット)を加え、65℃に昇温した。その後、16時間反応させた後、冷却し、イオン交換水138.8gを滴下した。30℃にて1.5時間反応させた後、15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液 921.5gを添加した。メチルイソブチルケトン880.1g添加、攪拌後に分液した。油層にイオン交換水352.1gを添加し攪拌の上、分液した。この操作を5回繰り返した。その後、減圧濃縮することで溶媒を除去し、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を添加することで黄色透明液体である4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体587g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体をGPCにて分析した。図9、10に、実施例10により得られたシリコーン共重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。分子量(Mw)4500、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は100%であった。表2に、(a)成分、(b)成分、(c)成分の組成比をまとめた。(a)成分は70モル%、(b)成分は0モル%、(c)成分は30モル%であった。
 2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表2に示した。ADR(2.38%TMAH水溶液)は460(Å/s)であった。
 実施例11
 ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークの数が3つである4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合物の合成
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
(60:40は原料の仕込みモル組成比を示す)
 (1)加水分解、縮重合
 撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液13.8g、イオン交換水48.7g、2-プロパノール404.5g、トルエン101.1gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、合成例1で得た4-メトキシベンジルトリメトキシシラン261.7gとフェニルトリメトキシシラン142.8gを滴下ろう斗を用いて1.5時間かけて滴下した。その後40℃にて4時間反応させた。反応後、2%くえん酸水を添加し中和した。さらに、トルエン1213.5g、イオン交換水202.2gを添加し、撹拌後、分液した。分液した油層にイオン交換水303.4gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう1回実施した。得られた油層を濃縮したところ、無色透明液体の4-メトキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体366.8g(固形分75%トルエン溶液)を得た。
 (2)脱保護
 得られたポリマーにアセトニトリル1152.0g(4.0重量倍/ポリマー)を加え、撹拌しながらヨウ化ナトリウム404.7g、トリメチルシリルクロリド391.1g(2.5モル倍/メトキシベンジルユニット)を加え、65℃に昇温した。その後、16時間反応させた後、冷却し、イオン交換水129.7gを滴下した。30℃にて1.5時間反応させた後、15%亜硫酸水素ナトリウム水溶液 936.6gを添加した。メチルイソブチルケトン720.1g添加、攪拌後に分液した。油層にイオン交換水288.0gを添加し攪拌の上、分液した。この操作を5回繰り返した。その後、減圧濃縮することで溶媒を除去し、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を添加することで黄色透明液体である4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体632g(固形分40%PGME溶液)を得た。得られた4-ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体をGPCにて分析した。図11、12に、実施例11のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。分子量(Mw)3470、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。NMRで求めた脱保護率は100%であった。表2に、(a)成分、(b)成分、(c)成分の組成比をまとめた。(a)成分は60モル%、(b)成分は0モル%、(c)成分は40モル%であった。
 2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定結果を表2に示した。ADR(2.38%TMAH水溶液)は220(Å/s)であった。
 比較例6
 ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークの数が1つである4-メトキシベンジルシルセスキオキサン重合物の合成
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
 撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、35%塩酸水溶液3.3gと水120gを仕込み撹拌を開始した。また、4-メトキシベンジルトリメトキシシラン78.5g(0.324モル)のトルエン120mL溶液を15~20℃で滴下した。その後15~20℃の温度でそのまま2時間熟成し、トルエンを加えて抽出し、水層を除去後、炭酸水素ナトリウム水溶液、希酢酸水溶液、水で4回洗浄後、油層を濃縮して4-メトキシベンジルシルセスキオキサン縮重合物57.5gを得た。
 得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す
 赤外線吸収スペクトル(IR)データ
 1026-1246cm-1(Si-O)、2951-3071cm-1(C-H)、3165-3603cm-1(Si-OH)
 核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl
  1.83(bs、2H、-CH-)、3.68(bs、3H、CH-O-)、6.69(bs、4H、Ar-H)ppm
 GPC分析データ:Mw=2,530、Mn=1,610、Mw/Mn=1.57(ポリスチレン換算) 。
 図13に、比較例6により得られたシリコーン重合体のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。図中、○はポリスチレンで測定した検量線を示し、一番右の○は重量平均分子量(Mw)500を示し。その間のピークがシリコーン共重合体のピークを示す。GPC分析結果からピーク形状は1本であることが分かった。比較例6の物質は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定を試みたが、溶解せず、測定できなかった。
 実施例及び比較例の結果を表1、2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000032
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000033
 実施例1~6のシリコーン共重合体は、アルカリに溶解した。一方、比較例1~5の物質は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を使用したアルカリ溶解速度(ADR)の測定を試みたが、溶解せず、測定できなかった。
 表1および表2の実施例のシリコーン共重合体は、フェノール基を有する(a)成分が(a)/((a)+(b))=0.8以上であるためテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に溶解したが、比較例のリコーン共重合体は、フェノール基を有する(a)成分が(a)/((a)+(b))=0.8未満であるためテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に溶解しなかった。
 本発明のシリコーン共重合体は、可視光領域の波長における透明性が良く、密着性、クラック耐性に優れ、かつアルカリ溶解速度が安定していた材料であることから、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品に好適に用いられる。
 本発明のシリコーン共重合体は、塗料や接着剤等、幅広い分野に応用できる。

Claims (8)

  1. 一般式
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式中、a、b、cはモル%を示す。Yは有機基を、Xはトリメチルシリル基を示す。)
    で示され、(a+b)は40~100モル%、cは0~60モル%、a+b+c=100モル%、a/(a+b)は、0.8以上1以下であり、ゲル浸透クロマトグラフィ測定で得られるピークの数が2以上であるシリコーン重合体。
  2. 重量平均分子量が500~20000である請求項1記載のシリコーン重合体。
  3. アルカリ溶解速度が100Å/s以上である請求項1または2に記載のシリコーン重合体。
  4. 一般式
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (式中、Rはメチル基、Zは一価の炭化水素基を示す。)で示されるケイ素化合物と、一般式
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
    (式中、Yは有機基を示し、Zは一価の炭化水素基を示す)で示されるケイ素化合物の混合物を第4級アンモニウム塩の存在下、加水分解し、さらに縮重合反応を行った後、非プロトン性極性溶媒中で脱保護する、下記一般式
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
    (式中、a、b、cはモル%を示す。Yは有機基を、Xはトリメチルシリル基を示す。)
    で示され、(a+b)は40~100モル%、cは0~60モル%、a+b+c=100モル%、a/(a+b)は、0.8以上1以下であり、ゲル浸透クロマトグラフィ測定で得られるピークの数が2以上であるシリコーン重合体を製造するシリコーン重合体の製造方法。
  5. 全ての反応を、ワンポット(one-pot)で行う請求項4に記載のシリコーン重合体の製造方法。
  6. 加水分解および縮重合反応を0~100℃で行う請求項4または5に記載のシリコーン重合体の製造方法
  7. 第4級アンモニウム塩がテトラメチルアンモニウムヒドロキシドである請求項4または5に記載のシリコーン重合体の製造方法。
  8. 非プロトン性極性溶媒がアセトニトリル、クロロホルムである請求項4または5に記載のシリコーン重合体の製造方法。
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