JP2013100490A - シリコーン重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】500℃以上の温度で製膜ができ、透明性が高く、得られた膜にクラックが入らないシリコーン材料であり、かつ、高耐熱性、高耐溶剤性の特性を有する膜を形成できる新規シリコーン共重合体を提供する。
【解決手段】下記一般式
Figure 2013100490

(式中、A、Bは炭化水素基を示し、Rは炭化水素基を示す。a、bはモル%を示す。aは30〜100モル%、bは0〜70モル%を示し、a+b=100を示す。nは1または2である。)で示される繰り返し単位を有し、ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが複数であるシリコーン重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品の耐熱性材料として有用なシリコーン共重合体に関するものである。
近年、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品に用いられる電子材料としてしては、可視光で透過性が高い高透明性や、素子を製造する際の各種処理工程に耐えられる耐熱性、耐薬品性、クラック耐性などの特性を兼ね備えた樹脂の必要性が高まっている。例えば半導体の導電部として使用されている配線は、近年の高機能化、高密度化により流れる電流が大きくなっており高い熱を発生させる。よってその工程で使用される絶縁膜はより耐熱性のものが求められ、500℃以上で膜形成が可能な高耐熱性材料が求められている。その中で、シルセスキオキサン骨格を有するシリコーン樹脂は、特に耐熱性が優れており、これらの特性を利用して広く利用されてきた。
一方、LSI製造では膜表面の平坦性が重要であり、加熱による膜形成後の膜表面にクラックが入らない膜が求められている。例えばLSI製造の多層配線工程において、加熱により形成した膜にクラックが入っている場合は、その上に膜形成した場合、新たに形成した膜が均一にならずにムラのある膜が形成してしまう可能性がある。そのように形成した膜に露光した場合、不均一な膜界面付近で光の乱反射や散乱が生じ、均一なパターン形成そのものができない。このように膜表面にクラックが入ると光学特性、機械特性などの膜特性に影響を与える場合が多いため、通常クラックが入らない膜が求められている。
例えば、一般的なフェニル基やメチル基で合成したシリコーン組成物を溶媒に溶解させ400℃に加熱して硬化させた硬化膜についてクラック耐性を評価しているが、400℃での硬化でクラック限界が生じており、500℃以上の高温で使用するプロセスでの適応は難しい(特許文献1参照)。
また、耐熱性を上げるため、かご状のシルセスキオキサン構造を含有する材料を用いて耐熱性を向上させているが、350℃程度の温度のみ膜形成を行っていないため、500℃以上での耐熱性を有するかどうかは分からない上、構造が複雑で工業化は難しく、量産化には適応できない(特許文献2参照)。
一方、例えばフェノール基のように、側鎖に水酸基を有するシリコーン共重合体は、樹脂自体が水酸化ナトリウムのようなアルカリ水溶液に溶解するため、化学増幅型のレジスト材料として使用されている(特許文献3,4参照)。
このフェノール基を有するシリコーン共重合体もレジスト材料として使用することができることから、耐熱性が優れた材料だと推測されるが300℃以上の高温で特性を評価した例はなく、より高温での耐熱性は不明である。またフェノールの水酸基がメチル基などのアルキル基で保護した形の材料では、さらに熱特性の評価がなされていないため、材料の熱特性を理解することはできなかった。
以上のことから、500℃以上の温度で製膜ができ、透明性が高く、得られた膜にクラックが入らない新規シリコーン材料が求められていた。
特開2007−238848号公報 特開2006−45516号公報 特開平9−274319公報 特開平8−334901公報
本発明は、500℃以上の温度で製膜ができ、透明性が高く、得られた膜にクラックが入らないシリコーン材料であり、かつ、高耐熱性、高耐溶剤性の特性を有する膜を形成できる新規シリコーン共重合体を提供することを目的としてなされたものである。
本発明は、一般式
Figure 2013100490
(式中、A、Bは炭化水素基を示し、Rは炭化水素基を示す。a、bはモル%を示す。aは30〜100モル%、bは0〜70モル%を示し、a+b=100を示す。nは1または2である。)
で示される繰り返し単位を有し、ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが複数であるシリコーン重合体である。
本発明のシリコーン共重合体は、シリコンウェハーなどの基板にスピンコートした後、500℃以上で加熱しても基板と密着しており、かつ高いクラック耐性を有し、高い耐熱性を有する非常に優れた材料になる。
また、本発明のシリコーン共重合体は、可視光領域の波長における透明性が良く、密着性、クラック耐性に優れた材料でありことから、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品や焼成後も高クラック耐性を有していることから、太陽電池などの高耐熱性材料として利用できる。
また、本発明のシリコーン共重合体は電子分野に限らず、塗料や接着剤等、幅広い分野に応用できる。
実施例1のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。 実施例1のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。ピーク数を示すため変曲点で分割した。 実施例5のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。 実施例5のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。ピーク数を示すため変曲点で分割した。 比較例1のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。 比較例2のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果である。
本発明は、一般式
Figure 2013100490
(式中、A、Bは炭化水素基を示し、Rは炭化水素基を示す。a、bはモル%を示す。aは30〜100モル%、bは0〜70モル%を示し、a+b=100を示す。nは1または2である。)
で示される繰り返し単位を有し、
ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが複数であるシリコーン重合体である。
本発明のシリコーン共重合体の下記構造
Figure 2013100490
は、シルセスキオキサン骨格を示し、各ケイ素原子が3個の酸素原子に結合し、各酸素原子が2個のケイ素原子に結合していることを示す。シルセスキオキサン骨格は、例えば、下記一般式
Figure 2013100490
に示す構造式で示すことができる。
本発明のシリコーン重合体では、Aとして示される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、好ましい炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基であり、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基などの炭化水素基が挙げられる。分岐状炭化水素基としては、イソプロピレン基、イソブチレン基などの炭化水素基が好ましい。環状炭化水素基として、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンタレン基などの環状炭化水素基が好ましく、またノルボルナン骨格を有するような架橋型炭化水素基も好ましい。これら炭化水素基の中で、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、原料入手の容易さからメチレン基、エチレン基がさらに好ましい。
本発明のシリコーン重合体では、Bとして示される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、好ましい炭化水素基は、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基であり、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基などの炭化水素基が挙げられる。分岐状炭化水素基としては、イソプロピル基、イソブチル基などの炭化水素基が好ましい。環状炭化水素基として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの環状炭化水素基が好ましく、またノルボルナン骨格を有するような架橋型炭化水素基も好ましい。これら炭化水素基の中で、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5の炭化水素基がより好ましく、原料入手の容易さからメチル基がさらに好ましい。
Rは炭化水素基を示す。Rが炭化水素基であると、シリコーン共重合体を加熱による膜を形成するときに、加熱硬化膜に着色しにくくなる。
好ましい炭化水素基は、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基であり、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基などの炭化水素基が挙げられる。分岐状炭化水素基としては、イソプロピル基、イソブチル基などの炭化水素基が好ましい。環状炭化水素基として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの環状炭化水素基が好ましく、またノルボルナン骨格を有するような架橋型炭化水素基も好ましい。これらの炭化水素基の中で、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5の炭化水素基は、シリコーン共重合体全体のシリコン含有率を向上させるため、シリコーン樹脂の耐熱性が向上することからより好ましく、原料入手の容易さからメチル基がさらに好ましい。
また、Rは、好ましくは、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ジフェニルメチル基、シンナミル基、スチリル基、トリチル基などのベンゼン環と炭化水素基とを有した置換基、トルイル基、クメニル基、メシル基、キシリル基などのベンゼン環に置換基が結合した芳香族炭化水素基が挙げられる。4−メチルフェニルエチル基、4−メチルフェニルプロピル基、2,4−ジメチルフェニルエチル基等、ベンゼン環に置換基が結合していても良い。芳香族炭化水素基は、樹脂の耐熱性を向上させることができるためより好ましい。芳香族環とシリコン原子との間に置換基がない場合は、置換基がある場合と比較して一般的にガラス転移温度が低下し耐熱性が悪くなる場合があることから、フェニル基、トルイル基、クメニル基、メシル基、キシリル基等の芳香族炭化水素基が特に好ましく一般的に入手が容易なフェニル基がさらに好ましい。
本発明のシリコーン重合体では、一般式
Figure 2013100490
(式中、A、Bは炭化水素基を示し、Rは炭化水素基を示す。a、bはモル%を示す。aは30〜100モル%、bは0〜70モル%を示し、a+b=100を示す。)
において、nは1、2の整数を示し、原料入手の観点からn=1が好ましい。
a成分は、アルコキシフェニルユニットを示し、加熱硬化膜のクラックを抑制するユニットであり、aは30〜100モル%を示す。b成分のRは、シリコーン共重合体の特性を向上させる部位であり、体熱性を向上させたり、シリコン含有率を向上させたりするユニットであり、bは0〜70モル%を示す。本発明のシリコーン重合体では、a+b=100である。
aは、30〜90モル%が好ましく、50〜90モル%がより好ましく、70〜90モル%がさらにより好ましい。bは10〜70モル%が好ましく、10〜50モル%が好ましく、10〜30モル%がよりさらに好ましい。
本発明のシリコーン重合体は、好ましくは、下記一般式
Figure 2013100490
(式中、A、Bは炭化水素基を示し、nは1または2を示す)
で示される構成単位のみからなるシリコーン重合体である。
本発明のシリコーン重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが複数であるシリコーン重合体である。ゲル浸透クロマトグラフィはGPCと略すことが多い。本分析では分子の大きさによりポリマを分離できる分析カラムを使用しており、東ソー製HLC-8220GPCシステムを使用し、東ソー製TSKgel SuperHZ3000、TSKgel SuperHZ2000、TSKgel1000を直列に接続して分析を行う。検出はRIで行い、リファレンスカラムとしてTSKgelSuperH-RCを1本使用する。展開溶媒には和光純薬製テトラヒドロフランを使用し、カラムとリファレンスカラムの流速は0.35mL/minで行う。測定温度はプランジャーポンプ、カラム共に40℃で行う。サンプルの調整にはシリコーン重合体約0.025gを10mLのテトラヒドロフランで希釈したものを1μL打ちこむ設定で行う。分子量分布計算には、東ソー製TSK標準ポリスチレン(A-500、A-1000、A-2500、A-5000、F-1、F-2、F-4、F-10、F-20、F-40、F-80)を標準物質として使用して算出した。
本発明のゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが複数あるシリコーン重合体は、分子量分布領域を変曲点で分離して得られるピークが複数あるシリコーン重合体であり、2以上のピークを有するシリコーン重合体を示す。分子量分布が高くなると得られるピークの数は大きくなるが、分散度が高いポリマとなるため特性が得られない場合がある。よってピークの数は2〜10が好ましく、さらに2〜5がさらに好ましい。
ゲル浸透クロマトグラフィは分子の大きさを区別することで表れるピークであることから、複数のピークがあることは、本発明のシリコーン重合体は、通常、分子の立体構造が複数存在することを示す。
本発明のシリコーン重合体は、分子の立体構造には次の籠型の構造が含まれていても良い。代表的な籠型構造は下記一般式
Figure 2013100490
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
で示されるケイ素原子を8つ有するT8構造と、下記一般式
Figure 2013100490
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
で示されるケイ素原子を10個有するT10構造と、下記一般式
Figure 2013100490
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
で示されるケイ素原子を12個有するT12構造が挙げられる。それら構造は完全縮合した形では無く、部分的に末端Si-OHが残っている下記構造式
Figure 2013100490
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
の構造も含まれる。
本発明のシリコーン重合体は、一般的には、例えば、下記一般式
Figure 2013100490
(式中、Xは加水分解性基を示し、nは1から3を示す。)
で示される加水分解反応と下記一般式
Figure 2013100490
(式中、Xは加水分解性基を示し、nは1から3を示す。)
のとおり加水分解反応と縮重合反応との2反応から合成され、一般的なラジカル縮合とは異なり、使用モノマーや反応条件などから重合度を制御することができる。
本発明のシリコーン共重合体は、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が、500〜20,000の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは、1,000〜20,000であり、1,000〜8,000の範囲にあるものがさらに好ましい。本発明のシリコーン共重合体は、分散度が、1.1〜2.5の範囲にあるものが好ましく、1.1〜1.8の範囲にあるものがさらに好ましい。
本発明のシリコーン重合体は、好ましくは、有機溶媒に可溶であり、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、シクロへキサノール等のアルコール溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶媒に可溶であり、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの有機溶媒に溶解させた場合は、シリコンウェハーやガラス基板上に有機溶媒に溶解させたシリコーン共重合体をスピンコートすることができ、基板上の膜厚を調整したり、平坦で緻密な膜を形成できることから、沸点の高い溶媒に溶解することは特に好ましい。
本発明のシリコーン共重合体は、好ましくは、下記一般式
Figure 2013100490
(式中、A、Bは炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す。nは1または2を示す)
で示されるシリコンモノマーを加水分解、縮重合して合成することができる。
ここで、Xは加水分解性基を示すが、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、もしくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基が好ましく、特に塩素原子、メトキシ基、エトキシ基が原料入手と反応性が高いことから特に好ましい。
この加水分解、重縮合反応は、水を用いて行うが、通常、触媒を加えて行うことが好ましい。この場合、酸性触媒、塩基性触媒どちらも使用することができるが、分子量分布の制御と樹脂の耐熱性から末端シラノールが少ないほうが好ましく、加水分解、重縮合反応は塩基性触媒がより好ましい。塩基性触媒としては、無機塩基性触媒、第四級アンモニウム塩、アミン類が好ましく、無機塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。第4級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムフルオライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリn−ブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、n−オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラn−プロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラn−プロピルアンモニウムアイオダイド、トリメチルフェニルアンモニウムアイオダイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシト゛、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムチオシアネート、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルフォネートなどが挙げられる。アミン類としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。
この中で、分子量制御などを考慮すると、第4級アンモニウム塩が好ましく、その中でもベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリn−ブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシト゛、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムチオシアネート、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルフォネートが特に好ましい。さらに、強い塩基でモノマーの加水分解速度を制御可能なテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが一番好ましい。
この触媒使用量は原料モノマーのモル数に対して0.001〜1.0当量が好ましく、0.01〜0.5当量がさらに好ましい。
加水分解、重縮合条件として、反応温度0〜100℃が好ましく、触媒を使用することにより反応が容易に進行することから、20〜50℃がより好ましい。
この加水分解、重縮合反応には水が必要であるが、原料モノマーのモル数に対して0.1〜20当量使用することが好ましく、0.5〜1当量使用することが特に好ましい。
この反応では、有機溶媒を使用することが好ましく、有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の非プロトン性溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、等の溶媒を使用することができる。また得られたシロキサン樹脂は例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルなどの高沸点溶媒に溶解させるため、そのまま反応溶媒に使用しても良い。また非プロトン性溶媒を使用した場合は、水と混合しないため加水分解反応が遅くなると推測され、そのような場合は水に可溶なアルコール溶媒を加えて加水分解反応させることが望ましい。
反応終了後は、非極性溶媒を添加して反応生成物と水とを分離して、有機溶媒に溶解した反応生成物を回収し、水で洗浄後に溶媒を留去することにより目的の生成物を得ることができる。
このようにして本発明のシリコーン共重合体を合成することができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
以下の実施例において、測定には下記装置を使用し、原料は試薬メーカー(東京化成品、和光純薬品、ナカライテスク品、アズマックス品、信越化学品)から購入した一般的な試薬を用いた。
測定装置
NMR測定
日本電子製400MHz NMR測定器を使用した。合成した化合物を約20〜30mgを和光純薬製CDCl3(テトラメチルシラン(TMSと略す)内部標準0.5%w/w入り)約1gに溶解させその溶液をNMRチューブに全量移液した。測定はオートロックで測定し積算回数は16回で測定した。TMSのピークを基準の0ppmとして解析した。
IR測定
島津製IR Prestige-21を使用した。KBr板に合成品を少量塗布し、別のKBr板に挟んで赤外を透過させて測定した。
GC測定
島津製GC-2010シリーズを使用した。島津社製GC-2010シリーズでカラムはJ&W社製DB-5(長さ30m×膜厚0.5mmI.D.)を使用した。測定条件は、注入口温度:250℃、検出器温度:300℃、カラム温度:50℃(2min Hold)、その後、10℃/minアップ、さらにその後、300℃(2min Hold)で直接0.1μm打ち込みArea比で純度を算出した。
GPC測定
東ソー製HLC-8220GPCシステムを使用し、東ソー製TSKgel SuperHZ3000、TSKgel SuperHZ2000、TSKgel1000を直列に接続して分析を行った。検出はRIで行い、リファレンスカラムとしてTSKgelSuperH-RCを1本使用した。展開溶媒には和光純薬製テトラヒドロフランを使用し、カラムとリファレンスカラムの流速は0.35mL/minで行った。測定温度はプランジャーポンプ、カラム共に40℃で行った。サンプルの調整にはシリコーン重合体約0.025gを10mLのテトラヒドロフランで希釈したものを1μL打ちこむ設定で行った。分子量分布計算には、東ソー製TSK標準ポリスチレン(A-500、A-1000、A-2500、A-5000、F-1、F-2、F-4、F-10、F-20、F-40、F-80)を標準物質として使用して算出した。
合成例1
4−メトキシベンジルトリメトキシシランの合成例
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、マグネシウム19.0g(0.784モル)とテトラヒドロフラン300mLを加えヨウ素辺を加えた。そこに少量の4−メトキシベンジルクロライドを滴下し反応を開始させた後、4−メトキシベンジルクロライド合計116.9g(0.746モル)を5〜10℃で滴下してグリニャール試薬を調整した。
次に撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた1000mL4つ口フラスコに正珪酸メチル568g(3.73モル)仕込み、70〜80℃の温度で先に調整したグリニャール試薬を2時間かけて滴下した。その後冷却し析出したマグネシウム塩をろ過した後、溶媒を留去し、さらに減圧度5mmHgで128〜135℃の留分を122g(0.495モル)回収した。得られた留分のGC分析結果、GC純度98.8%、NMRとIR分析の結果、4−メトキシベンジルトリメトキシシランであった。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
2839,2941cm-1 (-CH3,Ar)、1080cm-1(Si-O)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR溶媒:CDCl3)
2.15(s、2H、-CH2-)、3.52(s、9H、-OCH3)、3.76(s、3H、CH3-O-)、6.78-6.80(d、J=8.5Hz、2H、Ar-H)、7.07-7.09(d、J=8.5Hz、2H、Ar-H)ppm。
実施例1
ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが3つである4−メトキシベンジルシルセスキオキサンの合成
Figure 2013100490
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液2.6gと水9.4gを仕込み、2−プロパノール60mLとトルエン30mLを加えた。そこに4−メトキシベンジルトリメトキシシラン59.2g(0.244モル)のトルエン30mL溶液を滴下ロートに入れ撹拌しながら35〜45℃の温度で滴下した。滴下終了後2時間熟成し、室温に冷却後トルエン90mLと水90mLを加え抽出した。分液ロートに入れ水層を排出後、次に希酢酸水溶液で洗浄し、水層を排出後続けて水で4回洗浄を行った。その後油層を0.5μmのPTFEフィルターでろ過後トルエンを留去してかご型形状の4−メトキシベンジルシルセスキオキサン46.8g得た。
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1038-1296cm-1(Si-O)、2833-3030 cm-1(C-H)、3410 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
1.78(bs、2H、-CH2-)、3.68(bs、3H、CH3-O-)、6.72(bs、4H、Ar-H)ppm。
GPC分析データ:Mw=2,320、Mn=2,050、Mw/Mn=1.13(ポリスチレン換算)
図1、図2に、実施例1のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。図中、○はポリスチレンで測定した検量線を示し、一番右の○は重量平均分子量(Mw)500を示し。その間のピークがシリコーン共重合体のピークを示す。図2では、ピーク数を示すため変曲点で分割した。2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。
実施例2
ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが3つである4−メトキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合物の合成
Figure 2013100490
(70:30は原料の仕込みモル組成比を示す)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液2.1gと水7.5gを仕込み、2−プロパノール60mLとトルエン30mLを加えた。そこに4−メトキシベンジルトリメトキシシラン47.4g(0.195モル)とフェニルトリメトキシシラン16.6g(0.084モル)のトルエン30mL溶液を滴下ロートに入れ撹拌しながら35〜45℃の温度で滴下した。滴下終了後2時間熟成し実施例1に記載の抽出方法で精製して、かご型形状の4−メトキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体45.0g得た。
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1026-1132cm-1(Si-O)、2970-3071 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
1.87(bs、1.4H、-CH2-)、3.69(bs、2.1H、CH3-O-)、6.10-7.50(m、5H、Ar-H)ppm。
GPC分析データ:Mw=2,800、Mn=2,210、Mw/Mn=1.27(ポリスチレン換算)
GPC分析結果からピーク数は3本であった。
実施例3
ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが3である4−メトキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合物の合成
Figure 2013100490
(70:30は原料の仕込みモル組成比を示す)
合成は実施例3と同様の操作で行い、フェニルトリメトキシシランをメチルトリメトキシシラン11.4g(0.084モル)に代えて行いかご型形状の4−メトキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体38.7g得た。
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1026-1132cm-1(Si-O)、2970-3071 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.10(bs、1.8H、CH3-Si)、1.94(bs、1.4H、Ar-CH2-Si)、3.71(bs、2.1H、CH3-O-Ar)、6.72(bs、2.9H、Ar-H)ppm。
GPC分析データ:Mw=3,830、Mn=2,250、Mw−Mn=1.70(ポリスチレン換算)
GPC分析結果からピーク数は3本であった。
実施例4
ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが3本である4−メトキシベンジルシルセスキオキサン・n−プロピルシルセスキオキサン共重合物の合成
Figure 2013100490
(70:30は原料の仕込みモル組成比を示す)
合成は実施例3と同様の操作で行い、フェニルトリメトキシシランをn−プロピルトリメトキシシラン13.8g(0.084モル)に代えて行いかご型形状の4−メトキシベンジルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体40.2g得た。
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1026-1132cm-1(Si-O)、2970-3071 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.43(bs、0.6H、-CH2-Si)、0.87(bs、0.9H、CH3-)、1.24(bs、0.6H、-CH2-)、1.86(bs、1.4H、Ar-CH2-Si)、3.75(bs、2.1H、CH3-O-)、6.71(bs、2.9H、Ar-H)ppm
GPC分析データ:Mw=2,770、Mn=1,990、Mw/Mn=1.39(ポリスチレン換算)
GPC分析結果からピーク数は3本であった。
実施例5
ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが3本である4−メトキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合物の合成
Figure 2013100490
(50:50は原料の仕込みモル組成比を示す)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液2.1gと水7.5gを仕込み、2−プロパノール60mLとトルエン30mLを加えた。そこに4−メトキシベンジルトリメトキシシラン33.9g(0.140モル)とフェニルトリメトキシシラン27.8g(0.140モル)のトルエン30mL溶液を滴下ロートに入れ撹拌しながら35〜45℃の温度で滴下した。滴下終了後2時間熟成し実施例1に記載の抽出方法で精製して、4−メトキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体43.2g得た。
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1026-1132cm-1(Si-O)、2970-3071 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
1.87(bs、1.4H、-CH2-)、3.69(bs、2.1H、CH3-O-)、6.10-7.50(m、5H、Ar-H)
GPC分析データ:Mw=2,800、Mn=2,210、Mw/Mn=1.27(ポリスチレン換算)
図3、図4に、実施例5のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。図中、○はポリスチレンで測定した検量線を示し、一番右の○は重量平均分子量(Mw)500を示し。その間のピークがシリコーン共重合体のピークを示す。図4では、ピーク数を示すため変曲点で分割した。4つの変曲点が存在し、ピーク数は5本であった。
比較例1
ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが1本である4−メトキシベンジルシルセスキオキサン重合物の合成
Figure 2013100490
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、35%塩酸水溶液3.3gと水120gを仕込み撹拌を開始した。また、4−メトキシベンジルトリメトキシシラン78.5g(0.324モル)のトルエン120mL溶液を15〜20℃で滴下した。その後15〜20℃の温度でそのまま2時間熟成し、トルエンを加えて抽出し、水層を除去後、炭酸水素ナトリウム水溶液、希酢酸水溶液、水で4回洗浄後、油層を濃縮して4−メトキシベンジルシルセスキオキサン縮重合物57.5gを得た。
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1026-1246cm-1(Si-O)、2951-3071 cm-1(C-H)、3165-3603 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
1.83(bs、2H、-CH2-)、3.68(bs、3H、CH3-O-)、6.69(bs、4H、Ar-H)ppm
GPC分析データ:Mw=2,530、Mn=1,610、Mw/Mn=1.57(ポリスチレン換算)
図5に、比較例1のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。図中、○はポリスチレンで測定した検量線を示し、一番右の○は重量平均分子量(Mw)500を示し。その間のピークがシリコーン共重合体のピークを示す。GPC分析結果からピーク形状は1本であることが分かった。
比較例2
ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが1本である4−メトキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合物の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた2000mL4つ口フラスコに、35%塩酸水溶液16.9gと水584gを仕込み撹拌を開始した。また、4−メトキシベンジルトリメトキシシラン291.3g(1.20モル)とフェニルトリメトキシシラン92.7g(0.467モル)のトルエン700mL溶液を15〜20℃で滴下した。その後15〜20℃の温度でそのまま2時間熟成し、トルエンを加えて抽出し、水層を除去後、炭酸水素ナトリウム水溶液、希酢酸水溶液、水で4回洗浄後、油層を濃縮して4−メトキシベンジルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合物255gを得た。
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1026-1130cm-1(Si-O)、2970-3070 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
1.87(bs、1.4H、-CH2-)、3.69(bs、2.1H、CH3-O-)、6.10-7.50(m、5H、Ar-H)
GPC分析データ:Mw=2,440、Mn=2,190、Mw/Mn=1.11(ポリスチレン換算)
図6に、比較例2のゲル浸透クロマトグラフィの測定結果を示した。図中、○はポリスチレンで測定した検量線を示し、一番右の○は重量平均分子量(Mw)500を示し。その間のピークがシリコーン共重合体のピークを示す。GPC分析結果からピーク形状は1本であることが分かった。
比較例3
ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが1本であるフェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体の合成
Figure 2013100490
(70:30の仕込みモル組成比を示す)
(構造式中の50:50は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン50.6gと水33.4gを仕込み、35%塩酸を3.13g(0.03モル)を加えた。次にフェニルトリメトキシシラン41.9g(0.211モル)、メチルトリメトキシシラン12.5g(0.091モル)のトルエン25.3gの溶液を15〜20℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を加えて抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後に、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の白色固体状の化合物27.2gを得た。
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1028-1132cm-1(Si-O)、2970-3070 cm-1(C-H)、3070-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.16(bs)、7.00-7.57(m)、7.57-7.90(m)
GPC分析データ:Mw=960、Mw/Mn=1.25(ポリスチレン換算)
GPC分析結果からピーク形状は1本であることが分かった。
<合成材料の評価>
実施例1〜5、及び、比較例1、2の製造されたシリコーン重合体を、それぞれをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、固形分濃度が40重量%になるように調整した溶液を得た。その後、当該溶液をPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のフィルタで濾過し、シリコンウエハまたはガラス基板上に、溶媒除去した後の膜厚が2.0μmになるような回転数で30秒間回転塗布した。その後100℃/30秒かけて溶媒除去し、電気炉で750℃/1時間かけて被膜を最終焼成し絶縁被膜とした。
[加熱硬化膜特性]
上記成膜方法により成膜された被膜に対して、シリコンウェハー上の膜厚を測定し、クラックの有無を確認しクラックが発生したものが×、クラック発生無しのものが○と判定した。特にクラックの発生がなく、膜表面に光沢があるものを◎とした。
<評価結果>
硬化膜の評価結果およびそれに基づく総合評価を下記の表1に示す。
Figure 2013100490
このように、ピーク形状が複数持つシリコーン重合体は、500℃以上の加熱で形成した硬化膜でクラックの発生がなく、優れた加熱膜を形成することができる。よって、本発明のシリコーン共重合体は、電子材料分野に限らず、塗料や接着剤等、幅広い分野で応用できる。

Claims (6)

  1. 下記一般式
    Figure 2013100490
    (式中、A、Bは炭化水素基を示し、Rは炭化水素基を示す。a、bはモル%を示す。aは30〜100モル%、bは0〜70モル%を示し、a+b=100を示す。nは1または2である。)
    で示される繰り返し単位を有し、ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが複数であるシリコーン重合体。
  2. aが、30〜90モル%、bが、10〜70モル%、a+b=100である請求項1記載のシリコーン共重合体。
  3. 下記一般式
    Figure 2013100490
    (式中、A、Bは炭化水素基を示し、nは1または2を示す)
    で示される構成単位のみからなる請求項1に記載のシリコーン重合体。
  4. ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークが3以上である請求項1〜3のいずれかに記載のシリコーン重合体。
  5. 一般式
    Figure 2013100490
    が一般式
    Figure 2013100490
    である請求項1〜4のいずれかに記載のシリコーン共重合体。
  6. 重量平均分子量が1,000から20,000である請求項1〜5のいずれかに記載のシリコーン共重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015232115A (ja) * 2014-05-14 2015-12-24 学校法人神奈川大学 硬化性組成物、並びにそれを用いた硬化物の製造方法及びその再溶解方法
WO2016111112A1 (ja) * 2015-01-05 2016-07-14 東レ・ファインケミカル株式会社 シリコーン共重合体およびその製造方法

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