JPWO2022113724A5 - - Google Patents

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本開示は、珪素含有モノマーとそれを含む混合物、シロキサン結合を含むポリシロキサン、およびそれらの製造方法に関する。
シロキサン結合を含む高分子化合物(以下、ポリシロキサンと呼ぶことがある)は、その高い耐熱性および透明性等を活かし、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイのコーティング材料、イメージセンサーのコーティング材、また半導体分野での封止材として使用されている。また、高い酸素プラズマ耐性を有することから多層レジストのハードマスク材料としても用いられている。ポリシロキサンをパターニング形成可能な感光性材料として用いるためには、アルカリ現像液等のアルカリ水溶液に可溶であることが要求される。アルカリ現像液に可溶とする手段としては、ポリシロキサン中のシラノール基を用いることや、ポリシロキサン中に酸性基を導入することが挙げられる。このような酸性基としては、フェノール基、カルボキシル基、フルオロカルビノール基等が挙げられる。
特許文献1には、シラノール基をアルカリ現像液への可溶性基としたポリシロキサンが開示されている。一方、特許文献2に、フェノール基を備えるポリシロキサンが開示されており特許文献3にカルボキシル基を備えるポリシロキサンが開示されており、特許文献4にヘキサフルオロイソプロパノール基(2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル基[-C(CFOH]を備えるポリシロキサンが開示されている。これらポリシロキサンは、光酸発生剤もしくはキノンジアジド基を有するような感光性化合物と組み合わせることでポジ型レジスト組成物として使用される。
ポジ型レジスト組成物に関する特許文献4、5に開示された、ヘキサフルオロイソプロパノール基(2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル基[-C(CFOH]を備えるポリシロキサンは、透明性、耐熱性、耐酸性が良好であり、当該ポリシロキサンに基づくパターン構造は、各種の素子内の永久構造体として有望である。
特開2012-242600号公報 特開平4-130324号公報 特開2005-330488号公報 特開2015-129908号公報 特開2014-156461号公報
特許文献4、5に記載のヘキサフルオロイソプロパノール基{2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-へキサフルオロイソプロピル基[-C(CFOH]}を有する珪素含有モノマーは上述したように有望なポリシロキサンの原料である。その一方で、例えば、3-(2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル)-1-トリメトキシシリルベンゼンや、3-(2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル)-1-トリエトキシシリルベンゼンは、蒸留で精製、高純度化されると、蒸留直後は液体であるにもかかわらず、室温(23℃)で貯蔵すると固体となり、工業スケールで利用する場合は、取り扱い性の観点で改善の余地があることが本発明者らの検討で判ってきた。
そこで、本発明者らは、ヘキサフルオロイソプロパノール基を有するポリシロキサンの工業スケールの製造がより容易となるよう、その原料として、室温(23℃)で液体である、珪素含有モノマー、又はそれを含む混合物を提供することを目的の一つとする。また、上記混合物を製造する方法を提供することを目的の一つとする。さらに、上記混合物を重合してなるポリシロキサン、及び、当該ポリシロキサンの製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に提供される発明を完成させた。
本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマーは、式(1)で表される。
は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよい。
、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。
ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。
本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマーを含む混合物は、(I)式(1)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、(II)式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、含む。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよい。
、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。
ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。
は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマーを含む混合物を製造する方法は、式(3)で表される珪素化合物と、(III)メタノール及びエタノールの少なくとも1つを含み、式(4)で表されるアルコールを少なくとも一種含む、混合アルコールとを反応させる。これにより、(I)珪素含有モノマー(1)を少なくとも一種と、(II)珪素含有モノマー(2-1)、及び珪素含有モノマー(2-2)からなる群から選ばれる少なくとも一種とを、含む混合物を製造する方法である。
は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、Xはハロゲン原子であり、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
OH (4)
は炭素数3~5の直鎖状又は、炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子と置換されていても良い。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよい。
、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。
また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマーを含む混合物の製造方法は、式(3)で表される珪素化合物と、メタノール及びエタノールの混合物とを反応させる。これにより、式(5)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、含む、珪素含有モノマーを含む混合物が製造される。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、Xはハロゲン原子であり、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよい。
、R、Rは互いに独立にメチル基又はエチル基であり、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。
また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
本発明の一実施形態に係るポリシロキサンは、式(1)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、含む、混合物を重合してなる。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよい。
、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。
ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
本発明の一実施形態に係るポリシロキサンの製造方法は、式(1)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、含む、混合物を重合するポリシロキサンの製造方法である。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよい。
、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。
ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
本発明によれば、室温(23℃)で液体である、珪素含有モノマー、又はそれを含む混合物が提供される。また、上記混合物を製造する方法が提供される。さらに、上記混合物を重合してなるポリシロキサン、及び、当該ポリシロキサンの製造方法が提供される。
以下、本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマー、それを含む混合物、及び混合物を製造する方法について説明する。ただし、本発明の実施形態は、以下に示す実施形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお本明細書中、数値範囲の説明における「X~Y」との表記は、特に断らない限り、X以上Y以下のことを表すものとする。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、「環状のアルキル基」は、単環構造だけでなく多環構造も含む。「シクロアルキル基」も同様である。
本明細書における「有機基」の語は、特に断りが無い限り、有機化合物から1つ以上の水素原子を除いた原子団のことを意味する。例えば、「1価の有機基」とは、任意の有機化合物から1つの水素原子を除いた原子団のことを表す。
本明細書中、-C(CFOHで表されるヘキサフルオロイソプロパノール基を、「HFIP基」と表記することがある。
<1.珪素含有モノマー(1)>
まず、本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマー(1)について説明する。以下において、式(1)で表される珪素含有モノマーを、珪素含有モノマー(1)と記載する。
は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよい。
、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。
ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。
一実施形態において、式(1)の下記基(1HFIP)が次の式(1A)~式(1D)で表される基の何れかであることが好ましい。また、式(1)において、pが0であることが好ましい。式(1)において、p=0である構造、すなわち三次元構造を有する方が、永久膜とした場合の耐熱性及び耐溶剤性等の要求物性を満たしやすくなるため、好ましい。


(式中、波線は交差する線分が結合手であることを示す。)
珪素含有モノマー(1)の一例として、例えば、p=0、q=r=s=1の時、R=R=R=プロピル基の構造を取るものや、p=0、q=r=s=1の時、R=R=R=イソブチル基の構造を取るものや、p=0、q=r=s=1の時、R=R=R=イソアミル基の構造を取るものが好ましい。これらの構造を取る珪素含有モノマー(1)は、室温で貯蔵した場合であっても、冷蔵で貯蔵した場合であっても液体のままであるので好ましい。
また、珪素含有モノマー(1)の一例として、例えば、p=0、q=r=s=1の時、R=R=メチル基及びR=エチル基の構造を取るものや、p=0、q=r=s=1の時、R=R=エチル基及びR=メチル基の構造を取るものや、p=0、q=r=s=1の時、R=R=エチル基及びR=プロピル基の構造を取るものが好ましい。これらの構造を取る珪素含有モノマー(1)は、室温で貯蔵した場合であっても、冷蔵で貯蔵した場合であっても液体のままであるので好ましい。
珪素含有モノマー(1)において、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基の構造を取る場合、又はp=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=エチル基の構造を取る場合、室温で貯蔵しても、冷蔵で貯蔵しても、固体となる。また、珪素含有モノマー(1)において、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基の構造を取る場合、又はR=R=エチル基の構造を取る場合も、室温で貯蔵しても、冷蔵で貯蔵しても、固体となる。また、珪素含有モノマー(1)において、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基の構造を取る場合、又はR=R=エチル基の構造を取る場合も固体となる。また、珪素含有モノマー(1)において、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基の構造を取る場合、又はR=R=エチル基の構造を取る場合も固体となる。そのため、工業スケールで利用する場合に、取り扱い性の観点で改善の余地がある。
本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマー(1)は、室温で貯蔵した場合であっても、冷蔵で貯蔵した場合であっても、液体のままにすることができる。これにより、工業スケールで利用する場合であっても容易に取り扱うことができる。
<2.珪素含有モノマーを含む混合物>
次に、本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマーを含む混合物について説明する。珪素含有モノマーを含む混合物は、(I)珪素含有モノマー(1)の少なくとも一種と、(II)式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種と、を含む。以下において、式(2-1)で表される珪素含有モノマーを、珪素含有モノマー(2-1)、式(2-2)で表される珪素含有モノマーを、珪素含有モノマー(2-2)と記載する。
珪素含有モノマーを含む混合物のうち、珪素含有モノマー(1)については、<1.珪素含有モノマー(1)>において説明した通りである。
珪素含有モノマー(2-1)は、以下の通りである。
は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
珪素含有モノマー(2-2)は、以下の通りである。
は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
式(1)、式(2-1)、式(2-2)中の下記基(1HFIP)が次の式(1A)~式(1D)で表される基の何れかであることが好ましい。また、式(1)においてpが0であることが好ましい。


(式中、波線は交差する線分が結合手であることを示す。)
珪素含有モノマー(2-1)は、珪素含有モノマー(1)において、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基の構造を取る場合の珪素含有モノマーに相当する。珪素含有モノマー(2-2)は、珪素含有モノマー(1)において、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=エチル基の構造を取る場合の珪素含有モノマーに相当する。上述したように、これらの珪素含有モノマーの単体、及びこれら珪素含有モノマーのみからなる混合物は、室温(23℃)で貯蔵した場合であっても、冷蔵(4℃)で貯蔵した場合であっても固体となる。
しかしながら、(I)珪素含有モノマー(1)の少なくとも一種と、(II)珪素含有モノマー(2-1)、及び珪素含有モノマー(2-2)からなる群から選ばれる少なくとも一種と、を含む珪素含有モノマーを含む混合物においては、室温(23℃)で貯蔵した場合であっても液体にすることができる。さらには、後述のように適切な混合比率を選択することで、冷蔵(4℃)で貯蔵した場合であっても液体にすることができる。
つまり、これまで室温でも、冷蔵でも固体であり工業スケールで利用し難い場合があった(II)珪素含有モノマー(2-1)、及び珪素含有モノマー(2-2)からなる群から選ばれる少なくとも一種に、本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマーを混ぜて混合物とすることで、室温でも、冷蔵でも液体とすることができる。本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマーが固体の(II)成分を含めて液体化できる効果によって、より幅広い組成において室温でも、冷蔵でも液体とすることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマー混合物は、(I)成分と(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たすことが好ましい。
(I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.10
(I)成分と(II)成分との比率が質量比で上記の関係を満たすことにより、室温において、珪素含有モノマーを含む混合物を液体とすることができる。
また、本発明の一実施形態に係る混合物は、(I)成分と(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たすことがより好ましい。
(I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.17
(I)成分と(II)成分との比率が質量比で上記の関係を満たすことにより、室温においても、冷蔵においても、珪素含有モノマーを含む混合物を液体とすることができる。
<3.珪素含有モノマーを含む混合物の製造方法>
本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマーを含む混合物は、式(3)で表される珪素化合物と、メタノール及びエタノールの少なくとも一つを含み、式(4)で表されるアルコールの少なくとも一種を含む混合アルコールとを反応させることで得られる。以下において、式(3)で表される珪素化合物を、珪素化合物(3)と記載する。また、式(4)で表されるアルコールを、アルコール(4)と記載する。
珪素含有モノマーを含む混合物の製造方法における原料化合物、反応生成物、及び反応条件等について、以下に説明する。
(珪素化合物)
珪素化合物(3)は以下の式で表される。
は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、Xはハロゲン原子であり、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
(混合アルコール)
混合アルコールとして、メタノール及びエタノールの少なくとも1つを含み、アルコール(4)の少なくとも一種を含んでいる。アルコール(4)は、目的とする珪素含有モノマーを含む混合物に応じて選択される。アルコール(4)として、具体的には、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール(イソブチルアルコール)、2-メチル-2-ブタノール、1-ペンタノール、3-メチル-1-ブタノール(イソアミルアルコール)、2-メチル-1-ブタノール、2,2-ジメチル-1-プロパノール、2-ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、3-ペンタノール、2-メチル-2-ブタノール、3-フルオロプロパノール、3,3-ジフルオロプロパノール、3,3,3-トリフルオロプロパノール、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロパノール等が使用できる。混合アルコールを反応させる際に、水分が混入していると、珪素化合物(3)の加水分解反応や縮合反応が進行してしまい、目的とする珪素含有モノマーを含む混合物の収率が下がることから、含有する水分量が少ない混合アルコールを用いることが好ましい。具体的には、混合アルコールが含有する水分量は、5wt%以下が好ましく、1wt%以下がさらに好ましい。
(反応条件)
本発明の一実施形態に係る混合物を製造する際の反応方法は、特に限定されない。典型的な例としては、珪素化合物(3)に混合アルコールを滴下して反応させる方法、または混合アルコールに珪素化合物(3)を滴下して反応させる方法が挙げられる。
使用する混合アルコールの量は、特に限定されない。反応が効率よく進行する点で、珪素化合物(3)に含まれるSi-X結合に対して1モル当量以上10モル当量以下が好ましく、1モル当量以上3モル当量以下がより好ましい。
混合アルコール又は珪素化合物(3)の添加時間は、特に限定されない。添加時間として、例えば、10分以上24時間以下が好ましく、30分以上6時間以下がより好ましい。また、滴下中の反応温度について、反応条件によって最適な温度が異なるが、具体的には0℃以上70℃以下が好ましい。
滴下終了後に撹拌を継続しながら熟成を行うことで、反応を完結させることができる。熟成時間は特に限定されず、望みの反応を十分進行させる点で、30分以上6時間以下が好ましい。また、熟成中の反応温度は、滴下時と同じか、滴下時よりも高いことが好ましい。熟成中の反応温度は、具体的には、10℃以上80℃以下が好ましい。
混合アルコールと珪素化合物(3)の反応性は高く、速やかにハロゲノシリル基がアルコキシシリル基に変換されるが、反応の促進や副反応の抑制のために、反応時に発生するハロゲン化水素の除去を行うことが好ましい。ハロゲン化水素の除去方法としてはアミン化合物、オルトエステル、ナトリウムアルコキシド、エポキシ化合物、オレフィン類等、公知のハロゲン化水素捕捉剤の添加のほか、加熱、脱気、減圧加熱または乾燥窒素のバブリングによって生成したハロゲン化水素ガスを系外に除去する方法がある。これらの方法は単独で行なってもよく、あるいは複数組み合わせて行なってもよい。
ハロゲン化水素捕捉剤としては、オルトエステルまたはナトリウムアルコキシドを挙げることができる。オルトエステルとしては、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸トリプロピル、オルトギ酸トリイソプロピル、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルトプロピオン酸トリメチル、またはオルト安息香酸トリメチルを例示することができる。入手が容易であることから、好ましくは、オルトギ酸トリメチルまたはオルトギ酸トリエチルである。ナトリウムアルコキシドとしては、ナトリウムメトキシドまたはナトリウムエトキシドを例示することができる。
混合アルコールと珪素化合物(3)の反応液は、溶媒で希釈してもよい。用いる溶媒は、用いる混合アルコールおよび珪素化合物(3)と反応しないものなら特に制限はなく、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、または1,4-ジオキサン等を用いることができる。これらの溶媒を単独で、または混合して用いてもよい。
ガスクロマトグラフィー等、汎用の分析手段により、原料が十分消費されたことを確認した後、反応を終了することが好ましい。反応終了後、ろ過、抽出、蒸留等の手段により、精製を行なうことで、珪素含有モノマーを含む混合物を得ることができる。
上述した方法により製造された珪素含有モノマーを含む混合物は、(I)珪素含有モノマー(1)の少なくとも一種と、(II)珪素含有モノマー(2-1)、及び珪素含有モノマー(2-2)からなる群から選ばれる少なくとも一種と、を含む。珪素含有モノマー(1)は、いずれも室温で貯蔵した場合であっても、冷蔵で貯蔵した場合であっても液体のままである。一方、珪素含有モノマー(2-1)及び珪素含有モノマー(2-2)は、いずれも室温で貯蔵した場合であっても、冷蔵で貯蔵した場合であっても固体のままである。本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマー(1)と、珪素含有モノマー(2-1)及び珪素含有モノマー(2-2)からなる群から選ばれる少なくとも一種とを混合することで、室温で貯蔵した場合であっても、液体のままにすることができる。さらには、適切な混合比率を選択することで、冷蔵で貯蔵した場合であっても液体のままにすることができる。これにより、珪素含有モノマーを含む混合物を、工業スケールで利用する場合においても、取り扱いを容易にすることができる。
<4.珪素含有モノマーを含む混合物の製造方法>
また、本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマーを含む混合物は、珪素化合物(3)と、メタノール及びエタノールの混合物とを反応させることでも得られる。この場合、珪素含有モノマーを含む混合物は、(I-1)式(5)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、(II)珪素含有モノマー(2-1)、及び珪素含有モノマー(2-2)からなる群から選ばれる少なくとも一種とを、含む。以下において、式(5)で表される珪素含有モノマーを、珪素含有モノマー(5)と記載する。
また、珪素含有モノマー(5)は、以下の通りである。
は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、R、R、Rは互いに独立にメチル基又はエチル基であり、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。
式()、式(2-1)、式(2-2)中の下記基(1HFIP)が次の式(1A)~式(1D)で表される基の何れかであることが好ましい。また、式()においてpが0であることが好ましい。


(式中、波線は交差する線分が結合手であることを示す。)
本発明の一実施形態に係る混合物の製造方法は、(I-1)成分と(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たすことが好ましい。
(I-1)成分/{(I-1)成分+(II)成分} ≧ 0.10
(I-1)成分と(II)成分との比率が質量比で上記の関係を満たすことにより、得られる珪素含有モノマーを含む混合物を、室温において液体とすることができる。
また、本発明の一実施形態に係る混合物の製造方法は、(I-1)成分と(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たすことがより好ましい。
(I-1)成分/{(I-1)成分+(II)成分} ≧ 0.17
(I-1)成分と(II)成分との比率が質量比で上記の関係を満たすことにより、得られる珪素含有モノマーを含む混合物を、室温においても、冷蔵においても、液体とすることができる。
珪素含有モノマー(5)の一例として、例えば、p=0、q=r=s=1の時、R=R=メチル基、R=エチル基の構造を取るものや、p=0、q=r=s=1の時、R=R=エチル基、R=メチル基の構造を取るものが好ましい。これらの構造を取る珪素含有モノマー(5)は、室温で貯蔵した場合であっても、冷蔵で貯蔵した場合であっても液体のままであるので好ましい。一方、珪素含有モノマー(2-1)及び珪素含有モノマー(2-2)は、いずれも室温で貯蔵した場合であっても、冷蔵で貯蔵した場合であっても固体のままである。本発明の一実施形態に係る珪素含有モノマー(5)と、珪素含有モノマー(2-1)及び珪素含有モノマー(2-2)からなる群から選ばれる少なくとも一種とを混合することで、室温で貯蔵した場合であっても、液体のままにすることができる。さらには、適切な混合比率を選択することで、冷蔵で貯蔵した場合であっても液体のままにすることができる。これにより、珪素含有モノマーを含む混合物を、工業スケールで利用する場合においても、取り扱いを容易にすることができる。
<5.ポリシロキサン>
次に、本発明の一実施形態に係るポリシロキサンについて説明する。ポリシロキサンは、(I)式(1)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、(II)式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、含む、珪素含有モノマーを含む混合物を重合(加水分解重縮合反応)することで得られる。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、R、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。

は、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。
式(1)、式(2-1)、式(2-2)中の下記基(1HFIP)が次の式(1A)~式(1D)で表される基の何れかであることが好ましい。また、式(1)においてpが0であることが好ましい。


(式中、波線は交差する線分が結合手であることを示す。)
本発明の一実施形態に係る混合物は、ポリシロキサンの原料として用いるにあたって、(I)成分と(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たすことが好ましい。
(I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.10
(I)成分と(II)成分との比率が質量比で上記の関係を満たすことにより、室温において、珪素含有モノマーを含む混合物を液体とすることができる。そのため、ポリシロキサンの製造時に、当該混合物を工業スケールで取り扱い易い。
また、本発明の一実施形態に係る混合物は、ポリシロキサンの原料として用いるにあたって、(I)成分と(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たすことがより好ましい。
(I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.17
(I)成分と(II)成分との比率が質量比で上記の関係を満たすことにより、室温においても、冷蔵においても、珪素含有モノマーを含む混合物を液体とすることができる。そのため、ポリシロキサンの製造時に、当該混合物を工業スケールでより取り扱い易い。
本加水分解重縮合反応は、加水分解性シランの加水分解および縮合反応における一般的な方法で行うことができる。具体的には、(I)珪素含有モノマー(1)を少なくとも一種と、(II)珪素含有モノマー(2-1)、及び珪素含有モノマー(2-2)からなる群から選ばれる少なくとも一種とを、含む、珪素含有モノマーを含む混合物を反応容器内に採取した後、加水分解するための水、必要に応じて、重縮合反応を進行させるための触媒、および反応溶媒を反応器内に加え撹拌し、必要に応じて加熱を行い、加水分解および重縮合反応を進行させることで、ポリシロキサン(の溶液)が得られる。なお、特段の反応溶媒を添加せずとも、加水分解により、ポリシロキサンが上記の水と混和し、均一な溶液状態として得られるものは、「ポリシロキサンの溶液」とする。詳細は不明であるが、加水分解により、上記の珪素含有モノマー(1)と、珪素含有モノマー(2-1)及び珪素含有モノマー(2-2)からなる群から選ばれる少なくとも一種とから誘導されるポリシロキサンのシラノール基が上記の水との混和に寄与したり、副生した溶媒成分(例えば、アルコキシシランを用いた場合は対応するアルコールが副生する)がポリシロキサンと上記の水との混和に寄与したりすると考えられる。また、上記の加水分解重縮合を行って得たポリシロキサン(の溶液)に後述の反応溶媒と同様の溶媒をさらに添加してもよい。
(触媒)
重縮合反応を進行させるための触媒に特に制限はないが、酸触媒、塩基触媒を挙げることができる。酸触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トシル酸、ギ酸、マレイン酸、マロン酸、またはコハク酸などの多価カルボン酸、あるいはこれら酸の無水物を例示することができる。塩基触媒としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または炭酸ナトリウムを例示することができる。
(反応溶媒)
前記加水分解および重縮合反応では、必ずしも反応溶媒を用いる必要はなく、原料化合物、水、触媒を混合し、加水分解重縮合することができる。一方、反応溶媒を用いる場合、その種類は特に限定されるものではない。中でも、原料化合物、水、触媒に対する溶解性から、極性溶媒が好ましく、さらに好ましくはアルコール系溶媒である。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、または2-ブタノールを例示することができる。
また、反応後に必要に応じて抽出、水洗などによりポリシロキサンの溶液のpHを調整する工程を実施してもよいし、溶媒留去、濃縮、希釈などによってポリシロキサンの溶液の濃度を調整する工程を実施してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
本実施例において、以下の化学式で表された珪素化合物をHFA-Ph-CSと呼ぶ。
本実施例で得られた珪素化合物の同定は、以下に示す方法により行った。
(ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC))
東ソー株式会社製の高速GPC装置、機器名HLC-8320GPCを用い、ポリスチレン換算での重量平均分子量を測定した。
(ガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography:GC)測定)
GC測定は、島津製作所株式会社製の商品名Shimadzu GC-2010Plusを用い、カラムはキャピラリーカラムDB5(30m×0.25mmφ×0.25μm)を用いて測定を行なった。
(実施例1)

バブリングをしながら、HFA-Ph-CS(30g,79.6mmol)を内温50℃にして、混合アルコール(12.1g,309.9mmol,3.9eq.)、(混合アルコールの内訳はEtOH(7.14g,154.9mmol,1.9eq.)、MeOH(4.96g,154.9mmol,1.9eq.))をゆっくり滴下した(内温45~55℃を保持した)。混合アルコールの滴下終了後、内温50℃で30分間攪拌し、エバポレータでHClガスと未反応のアルコールを留去(バス40℃、10hPa、1hr)した。この時、収量は30gであった。その後、単蒸留を実施して混合物を26.5g得た。得られた混合物に対してGC-MSによる同定を行った結果、当該混合物は、表1に示す構造の珪素含有モノマーIを6.8%、珪素含有モノマーIIを30.5%、珪素含有モノマーIIIを40.5%、珪素含有モノマーIVを17.2%含む混合物であった。得られた混合物を23℃(以降、単に「室温」と記載する)と4℃(以降、単に「冷蔵」と記載する)でそれぞれ1日保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例2)

バブリングをしながら、HFA-Ph-CS(30g,79.6mmol)を内温50℃にして、混合アルコール(15.4g,309.9mmol,3.9eq.)、(混合アルコールの内訳はEtOH(11.4g,247.9mmol,3.1eq.)、MeOH(0.5g,15.5mmol,0.2eq.)、1-プロパノール(0.9g,15.5mmol,0.2eq.)、イソブタノール(1.2g,15.5mmol,0.2eq.)、イソアミルアルコール(1.4g,15.5mmol,0.2eq.))をゆっくり滴下した(内温45~55℃を保持した)。混合アルコールの滴下終了後、内温50℃で30分間攪拌し、エバポレータでHClガスと未反応のアルコールを留去(バス40℃、10hPa、1hr)した。この時、収量は32gであった。その後、単蒸留を実施して混合物を27.5g得た。得られた混合物に対してGC-MSによる同定を行った結果、当該混合物は、表2に示す構造の珪素含有モノマーVを5.2%、珪素含有モノマーVIを43.1%、珪素含有モノマーVIIを10.8%、珪素含有モノマーVIIIを12.9%、珪素含有モノマーIXを13.8%と、これらを主成分とした混合物であった。得られた混合物を室温と冷蔵でそれぞれ1日保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例3)

バブリングをしながら、HFA-Ph-CS(30g,79.6mmol)を内温50℃にして、混合アルコール(12.1g,309.9mmol,3.9eq.)、(混合アルコールの内訳はMeOH(7.94g,247.9mmol,3.1eq.)、EtOH(0.71g,15.5mmol,0.2eq.)、1-プロパノール(0.9g,15.5mmol,0.2eq.)、イソブタノール(1.2g,15.5mmol,0.2eq.)、イソアミルアルコール(1.4g,15.5mmol,0.2eq.))をゆっくり滴下した(内温45~55℃を保持した)。混合アルコールの滴下終了後、内温50℃で30分間攪拌し、エバポレータでHClガスと未反応のアルコールを留去(バス40℃、10hPa、1hr)した。この時、収量は29gであった。その後、単蒸留を実施して混合物を25.8g得た。得られた混合物に対してGC-MSによる同定を行った結果、当該混合物は、表3に示す構造の珪素含有モノマーXを39.4%、珪素含有モノマーXIを10.9%、珪素含有モノマーXIIを11.9%、珪素含有モノマーXIIIを10.0%、珪素含有モノマーXIVを10.2%と、これらを主成分とした混合物であった。得られた混合物を室温と冷蔵でそれぞれ1日保管した結果、いずれも液体であった。
(比較例1)(式(2-2)の構造に対応する)
公知の方法で3-(2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル)-1-トリエトキシシリルベンゼン(以降、「エチル体」と記載する)を得た(GC純度97%)。当該エチル体を室温と冷蔵でそれぞれ1日保管した結果、いずれも固体であった。
(比較例2)(式(2-1)の構造に対応する)
公知の方法で3-(2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル)-1-トリメトキシシリルベンゼン(以降、「メチル体」と記載する)を得た(GC純度98%)。当該メチル体を室温と冷蔵でそれぞれ1日保管した結果、いずれも固体であった。
(合成例1)(式(1)のp=0、q=r=s=1、R=R=R=n-プロピルの構造)
バブリングをしながら、HFA-Ph-CS(30g,79.6mmol)を内温50℃にして、1-プロパノール(18.6g,309.9mmol,3.9eq.)をゆっくり滴下した(内温45~55℃を保持した)。アルコールの滴下終了後、内温50℃で30分間攪拌し、エバポレータでHClガスと未反応のアルコールを留去(バス40℃、10hPa、1hr)した。この時、収量は32gであった。その後、単蒸留を実施して、3-(2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル)-1-トリ-n-プロポキシシリルベンゼン(以降、「プロピル体」と記載する)を29g得た(GC純度99.3%)。当該プロピル体を室温と冷蔵でそれぞれ1日保管した結果、いずれも液体であった。
(合成例2)(式(1)のp=0、q=r=s=1、R=R=R=イソブチルの構造)
バブリングをしながら、HFA-Ph-CS(30g,79.6mmol)を内温50℃にして、イソブチルアルコール(23.0g,309.9mmol,3.9eq.)をゆっくり滴下した(内温45~55℃を保持した)。アルコールを滴下終了後、内温50℃で30分間攪拌し、エバポレータでHClガスと未反応のアルコールを留去(バス40℃、10hPa、1hr)した。この時、収量は34gであった。その後、単蒸留を実施して、3-(2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル)-1-トリイソブトキシシリルベンゼン(以降、「イソブチル体」と記載する)を31g得た(GC純度99.4%)。当該イソブチル体を室温と冷蔵でそれぞれ1日保管した結果、いずれも液体であった。
(合成例3)(式(1)のp=0、q=r=s=1、R=R=R=イソアミルの構造)
バブリングをしながらHFA-Ph-CS(30g,79.6mmol)を内温50℃にして、イソアミルアルコール(27.3g,309.9mmol,3.9eq.)をゆっくり滴下した(内温45~55℃を保持した)。アルコールを滴下終了後、内温50℃で30分間攪拌し、エバポレータでHClガスと未反応のアルコールを留去(バス40℃、10hPa、1hr)した。この時、収量は36gであった。その後、単蒸留を実施して、3-(2-ヒドロキシ-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル)-1-トリイソアミルオキシシリルベンゼン(以降、「イソアミル体」と記載する)を34g得た(GC純度99.2%)。当該イソアミル体を室温と冷蔵でそれぞれ1日保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例4)
比較例1のエチル体1gと合成例1のプロピル体1gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例5)
比較例1のエチル体0.75gと合成例1のプロピル体0.25gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例6)
比較例1のエチル体0.80gと合成例1のプロピル体0.20gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例7)
比較例1のエチル体0.85gと合成例1のプロピル体0.15gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、室温では液体のままであり、冷蔵では固体となった。
(実施例8)
比較例1のエチル体1gと合成例2のイソブチル体1gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例9)
比較例1のエチル体0.75gと合成例2のイソブチル体0.25gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例10)
比較例1のエチル体0.8gと合成例2のイソブチル体0.2gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例11)
比較例1のエチル体0.85gと合成例2のイソブチル体0.15gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、室温では液体のままであり、冷蔵では固体となった。
(実施例12)
比較例1のエチル体1gと合成例3のイソアミル体1gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例13)
比較例1のエチル体0.75gと合成例3のイソアミル体0.25gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例14)
比較例1のエチル体0.8gと合成例3のイソアミル体0.2gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例15)
比較例1のエチル体0.85gと合成例3のイソアミル体0.15gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、室温では液体のままであり、冷蔵では固体となった。
(実施例16)
比較例2のメチル体1gと合成例1のプロピル体1gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例17)
比較例2のメチル体0.75gと合成例1のプロピル体0.25gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例18)
比較例2のメチル体0.80gと合成例1のプロピル体0.20gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例19)
比較例2のメチル体0.85gと合成例1のプロピル体0.15gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、室温では液体のままであり、冷蔵では固体となった。
(実施例20)
比較例2のメチル体1gと合成例2のイソブチル体1gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例21)
比較例2のメチル体0.75gと合成例2のイソブチル体0.25gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例22)
比較例2のメチル体0.8gと合成例2のイソブチル体0.2gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例23)
比較例2のメチル体0.85gと合成例2のイソブチル体0.15gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、室温では液体のままであり、冷蔵では固体となった。
(実施例24)
比較例2のメチル体1gと合成例3のイソアミル体1gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例25)
比較例2のメチル体0.75gと合成例3のイソアミル体0.25gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例26)
比較例2のメチル体0.8gと合成例3のイソアミル体0.2gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(実施例27)
比較例2のメチル体0.85gと合成例3のイソアミル体0.15gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、室温では液体のままであり、冷蔵では固体となった。
(実施例28)
比較例1のエチル体0.25gと比較例2のメチル体0.25gと合成例1のプロピル体0.5gを混合して、室温と冷蔵でそれぞれ1週間保管した結果、いずれも液体であった。
(比較例3)
比較例1のエチル体0.85gと比較例2のメチル体0.15gを室温で混合しても固体のままであった。
(比較例4)
比較例1のエチル体0.5gと比較例2のメチル体0.5gを室温で混合しても固体のままであった。
(比較例5)
比較例1のエチル体0.15gと比較例2のメチル体0.85gを室温で混合しても固体のままであった。
以上の結果から、上記の式(2-1)、式(2-2)の単体、及びそれらの混合物では室温で固体であるのに対し、上記の式(2-1)、式(2-2)、及びそれらの混合物と、上記式(1)で表される珪素含有モノマーとの混合物とすることで液体となり、室温で取り扱いが容易となることが判明した。
次に、実施例1~3で得られた珪素含有モノマーを含む混合物を用いてポリシロキサンを生成した結果について説明する。
(実施例1-P)
室温(23℃)で、実施例1で得られた珪素含有モノマー混合物(5.0g,10.2mmol)、純水(0.68g,37.5mmol)、酢酸(0.02g,0.36mmol)を混合した。上記の珪素含有モノマー混合物は、室温(23℃)で液体であるため、添加及び混合を極めて容易に行うことができた。次いで、100℃で1hr全還流下で攪拌した。得られた反応液を室温に戻し、GPCで重量平均分子量(Mw)を測定した結果、1740であった。
(実施例2-P)
室温(23℃)で、実施例2で得られた珪素含有モノマー混合物(5.0g,10.2mmol)、純水(0.68g,37.5mmol)、酢酸(0.02g,0.36mmol)を混合した。上記の珪素含有モノマー混合物は、室温(23℃)で液体であるため、添加及び混合を極めて容易に行うことができた。次いで、100℃で1hr全還流下で攪拌した。得られた反応液を室温に戻し、GPCで重量平均分子量(Mw)を測定した結果、1690であった。
(実施例3-P)
室温(23℃)で、実施例3で得られた珪素含有モノマー混合物(5.0g,10.2mmol)、純水(0.68g,37.5mmol)、酢酸(0.02g,0.36mmol)を混合した。上記の珪素含有モノマー混合物は、室温(23℃)で液体であるため添加及び混合を極めて容易に行うことができた。次いで、100℃で1hr全還流下で攪拌した。得られた反応液を室温に戻し、GPCで重量平均分子量(Mw)を測定した結果、2060であった。
(実施例4-P)
室温(23℃)で、実施例1で得られた珪素含有モノマー混合物(5.0g,10.2 mmol)を2-ブタノール(2.5g)に溶解した後、純水(0.68g,37.5mmol)、酢酸(0.02g,0.36mmol)と混合した。上記の珪素含有モノマー混合物は、室温(23℃)で液体であるため、添加、混合及び溶解を極めて容易に行うことができた。次いで、100℃で24hr全還流下で攪拌した。得られた反応液を室温に戻し、GPCで重量平均分子量(Mw)を測定した結果、1080であった。
以上の結果から、珪素含有モノマー混合物を用いることにより、ポリシロキサンを容易に製造することができた。なお、得られた反応液中のポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は、実施例3-P>実施例1-P>実施例2-P>実施例4-Pの順であった。加水分解及び重縮合反応速度の観点で、実施例3-Pが最も優れており、次いで、実施例1-P、そして実施例2-Pという傾向であることが判明した。この傾向の詳細なメカニズムは明らかではないが、珪素含有モノマー混合物中の、アルコキシド部分の炭素数が短く、立体障害の少ない構造の割合が多いほど、加水分解及び重縮合反応速度が大きくなるためと考えられる。また、実施例4-Pのように反応溶媒を用いて加水分解及び重縮合反応速度を制御できることも判った。
次に、実施例2で得られた珪素含有モノマーを含む混合物と、トリエトキシフェニルシランとを用いてポリシロキサンを生成した結果について説明する。
(実施例2-coP)
室温(23℃)で、実施例2で得られた珪素含有モノマー混合物(5.0g,10.2mmol)、トリエトキシフェニルシラン(22.9g,95.2mmol)、KBM-303(信越シリコーン社製、2.9g,11.9mmol)、純水(6.8g,374.8mmol)、酢酸(0.21g,3.57mmol)を混合した。上記の珪素含有モノマー混合物は室温(23℃)で液体であるため添加及び混合を極めて容易に行うことができた。次いで、40℃で1hr、70℃で1hr、85℃で3hr全還流下で攪拌した。エバポレータで副生したアルコールを留去して、シクロヘキサノン40gを加え、水20gを用いて水洗を2回実施した。エバポレータで得られた有機層のシクロヘキサノンを留去して、固形分濃度50%の溶液を42g得た。GPCで重量平均分子量(Mw)を測定した結果、1750であった。
本発明の珪素含有モノマーやその混合物は、ポリマー樹脂の合成原料のほか、ポリマーの改質剤、無機化合物の表面処理剤、各種カップリング剤、有機合成の中間原料として有用である。また本発明のポリシロキサンおよび、それより得られる膜は、アルカリ現像液に可溶でパターニング性能を具備し、且つ耐熱性と透明性に優れることから、半導体用保護膜、平坦化材料およびマイクロレンズ材料、タッチパネル用絶縁性保護膜、液晶ディスプレイTFT平坦化材料、光導波路のコアやクラッドの形成材料、電子線用レジスト、多層レジスト中間膜、下層膜、反射防止膜等に用いることができる。これらの用途の内、ディスプレイやイメージセンサー等の光学系部材に用いる場合は、ポリテトラフルオロエチレン、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム等の微粒子を、屈折率調整の目的で任意の割合で混合して用いることができる。

Claims (22)

  1. (I)式(1)で表される珪素含有モノマー。

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、R、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。]
  2. 前記式(1)中の下記基(1HFIP)が次の式(1A)~式(1D)で表される基の何れかであり、pが0である、請求項1に記載の珪素含有モノマー。

    (式中、波線は交差する線分が結合手であることを示す。)
  3. (I) 式(1)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、
    (II) 式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、
    含む、混合物。

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、R、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。]

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]
    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]
  4. 前記式(1)、式(2-1)、式(2-2)中の下記基(1HFIP)が次の式(1A)~式(1D)で表される基の何れかであり、pが0である、請求項3に記載の混合物。
    (式中、波線は交差する線分が結合手であることを示す。)
  5. 前記(I)成分と前記(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たす、請求項3に記載の混合物。
    (I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.10
  6. 前記(I)成分と前記(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たす、請求項3に記載の混合物。
    (I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.17
  7. 式(3)で表される珪素化合物と、
    (III) メタノール及びエタノールの少なくとも1つを含み、
    式(4)で表されるアルコールを少なくとも一種含む、混合アルコールとを反応させて、
    (I) 式(1)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、
    (II) 式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、
    含む、混合物造方法。

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、Xはハロゲン原子であり、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]
    OH (4)
    [Rは炭素数3~5の直鎖状又は、炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子と置換されていても良い。]

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、R、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。]
    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]
  8. 前記式(3)、式(1)、式(2-1)、式(2-2)中の下記基(1HFIP)が次の式(1A)~式(1D)で表される基の何れかであり、前記pが0である、請求項7に記載の混合物の製造方法。


    (式中、波線は交差する線分が結合手であることを示す。)
  9. 前記(I)成分と前記(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たすように反応させる、請求項7に記載の混合物の製造方法。
    (I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.10
  10. 前記(I)成分と前記(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たすように反応させる、請求項7に記載の混合物の製造方法。
    (I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.17
  11. 式(3)で表される珪素化合物と、
    (III-1) メタノール及びエタノールの混合物とを
    反応させて、
    (I-1) 式(5)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、
    (II) 式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、
    含む、混合物造方法。

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、Xはハロゲン原子であり、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、R、R、Rは互いに独立にメチル基又はエチル基であり、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。]

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]
  12. 前記式(3)、式(2-1)、式(2-2)中の下記基(1HFIP)が次の式(1A)~式(1D)で表される基の何れかであり、前記pが0である、請求項11に記載の混合物の製造方法。
    (式中、波線は交差する線分が結合手であることを示す。)
  13. 前記(I-1)成分と前記(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たすように反応させる、請求項11に記載の混合物の製造方法。
    (I-1)成分/{(I-1)成分+(II)成分} ≧ 0.10
  14. 前記(I-1)成分と前記(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たすように反応させる、請求項11に記載の混合物の製造方法。
    (I-1)成分/{(I-1)成分+(II)成分} ≧ 0.17
  15. (I) 式(1)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、
    (II) 式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、
    含む、混合物を重合してなるポリシロキサン。

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、R、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。]

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]
  16. 前記式(1)、式(2-1)、式(2-2)中の下記基(1HFIP)が次の式(1A)~式(1D)で表される基の何れかであり、前記pが0である、請求項15に記載のポリシロキサン。
    (式中、波線は交差する線分が結合手であることを示す。)
  17. 前記(I)成分と前記(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たす、請求項15に記載のポリシロキサン。
    (I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.10
  18. 前記(I)成分と前記(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たす、請求項15に記載のポリシロキサン。
    (I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.17
  19. (I) 式(1)で表される珪素含有モノマーを少なくとも一種と、
    (II) 式(2-1)で表される珪素含有モノマー、及び式(2-2)で表される珪素含有モノマーからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、
    含む、混合物を重合するポリシロキサンの製造方法。

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、R、R、Rは互いに独立に炭素数1~5の直鎖状又は炭素数3~5の分岐状のアルキル基であり、アルキル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数、qは0~1の整数、rは0~1の整数、sは0~1の整数であり、p+q+r+s=3である。ただし、p=0、q=1、r=1、s=1の時、R=R=R=メチル基とR=R=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=1、s=0の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=1、r=0、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。また、p=1、q=0、r=1、s=1の時、R=R=メチル基とR=R=エチル基の構造を除く。]

    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]
    [Rは、互いに独立に水素原子、炭素数1~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルキル基、炭素数2~10の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは炭素数3~10の環状のアルケニル基、又はフェニル基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、又はフェニル基中の水素原子の全て又は一部がフッ素原子により置換されていてもよく、nは1~5の整数、pは0~1の整数である。]
  20. 前記式(1)、式(2-1)、式(2-2)中の下記基(1HFIP)が次の式(1A)~式(1D)で表される基の何れかであり、前記pが0である、請求項19に記載のポリシロキサンの製造方法。
    (式中、波線は交差する線分が結合手であることを示す。)
  21. 前記(I)成分と前記(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たす、請求項19に記載のポリシロキサンの製造方法。
    (I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.10
  22. 前記(I)成分と前記(II)成分の比率が質量比で下記の関係を満たす、請求項19に記載のポリシロキサンの製造方法。
    (I)成分/{(I)成分+(II)成分} ≧ 0.17
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