WO2016098541A1 - アクリル系繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、アクリル系重合体を有機溶媒に溶解した紡糸原液を湿式紡糸するアクリル系繊維の製造方法であって、上記アクリル系重合体は、アクリル系重合体の全体質量に対して、アクリロニトリルを20~85質量%、塩化ビニルを14.5~79.5質量%、及びスルホン酸含有単量体を0.5~10質量%含み、上記有機溶媒は、ジメチルスルホキシドであり、上記紡糸原液は、アクリル系重合体の乾燥質量に対して水を8~16質量%含むアクリル系繊維の製造方法に関する。これにより、ハックリング性が良好であるアクリル系繊維が得られるアクリル系繊維の製造方法を提供する。

Description

アクリル系繊維の製造方法
 本発明は、アクリル系重合体を有機溶媒に溶解した紡糸原液を湿式紡糸するアクリル系繊維の製造方法に関し、詳細には、アクリロニトリル、塩化ビニル及びスルホン酸含有単量体を含むアクリル系重合体をジメチルスルホキシドに溶解した紡糸原液を湿式紡糸してハックリング性が良好なアクリル系繊維を製造するアクリル系繊維の製造方法に関する。
 従来から、アクリル系繊維は、耐熱性や難燃性に優れるという特性を生かして人工毛髪として用いられていた。通常、人工毛髪として用いるアクリル系繊維は、アクリル系重合体を有機溶媒に溶解した紡糸原液を用いて湿式紡糸で製造していた。例えば、特許文献1には、良溶媒を用いた湿式紡糸法により、アクリロニトリル、塩化ビニリデン及びスルホン酸基含有ビニル単量体からなるアクリル系重合体からなるアクリル系繊維を製造することが記載されている。
特開2002-315765号公報
 人工毛髪用繊維のように繊度が大きい繊維を製造する際、良溶媒を用いた湿式紡糸法では、繊維内部にボイドが生じやすく、ハックリング装置を用いてアクリル系繊維を開繊する際のハックリング性が悪いという問題があった。特許文献1では、ボイドの形成を抑制するため、紡糸原液に水を添加することが行われているが、本発明者らは、紡糸原液における水の添加量が増えると、繊維の側面が粗くなり、ハックリング装置を用いてアクリル系繊維を開繊する際のハックリング性が悪くなることを見出した。
 本発明は、上記問題を解決するため、ハックリング性が良好であるアクリル系繊維が得られるアクリル系繊維の製造方法を提供する。
 本発明は、アクリル系重合体を有機溶媒に溶解した紡糸原液を湿式紡糸するアクリル系繊維の製造方法であって、上記アクリル系重合体は、アクリル系重合体の全体質量に対して、アクリロニトリルを20~85質量%、塩化ビニルを14.5~79.5質量%、及びスルホン酸含有単量体を0.5~10質量%含み、上記有機溶媒は、ジメチルスルホキシドであり、上記紡糸原液は、アクリル系重合体の乾燥質量に対して水を8~16質量%含むことを特徴とするアクリル系繊維の製造方法に関する。
 上記紡糸原液は、紡糸原液の全体質量に対して、アクリル系重合体を20~30質量%、有機溶媒を65.2~78.5質量%、及び水を1.5~4.8質量%含むことが好ましい。上記アクリル系繊維は、繊維側面の縦40μm、横80μmの領域において、平均表面粗さが5900μm2以下であることが好ましい。上記アクリル系繊維は、ボイド率が60%以下であることが好ましい。
 本発明によれば、ハックリング性が良好であるアクリル系繊維を提供することができる。
図1は実施例1で得られたアクリル系繊維の断面写真(400倍)である。 図2は比較例1で得られたアクリル系繊維の断面写真(400倍)である。
 本発明は、アクリル系重合体を有機溶媒に溶解した紡糸原液を湿式紡糸してアクリル系繊維を製造するアクリル系繊維の製造方法に関する。上記アクリル系重合体は、アクリル系重合体の全体質量に対して、アクリロニトリルを20~85質量%、塩化ビニルを14.5~79.5質量%、及びスルホン酸含有単量体を0.5~10質量%含む。上記アクリル系重合体において、塩化ビニルの含有量が14.5~79.5質量%であると、難燃性が良好になる。また、塩化ビニルを用いることにより、塩化ビニリデンを用いる場合に比べてアクリル系繊維が柔らかい触感を発現することができる。上記アクリル系重合体において、アクリロニトリルの含有量が20~85質量%であると、耐熱性が良好になり、カールセット時の加工温度を適宜に設定することができる。上記アクリル系重合体がスルホン酸単量体を0.5~10質量%含むことにより、親水性が増加し、ボイド率が低くなる。好ましくは、上記アクリル系重合体は、アクリル系重合体の全体質量に対して、アクリロニトリルを20~80質量%、塩化ビニルを19.5~79.5質量%、及びスルホン酸含有単量体を0.5~5質量%含み、より好ましくはアクリロニトリルを20~75質量%、塩化ビニルを24.5~79.5質量%、及びスルホン酸含有単量体を0.5~5質量%含む。
 上記スルホン酸含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸並びにこれらのナトリウム塩などの金属塩類及びアミン塩類などを用いることができる。上記スルホン酸含有単量体は単独もしくは2種以上を組合わせて用いることができる。
 上記アクリル系重合体はジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させる。有機溶媒としてジメチルスルホキシドを用いることにより、安全性が高くなる。
 上記アクリル系重合体をジメチルスルホキシドに溶解させた紡糸原液は、アクリル系重合体の乾燥質量に対して水を8~16質量%含む。紡糸原液において、アクリル系重合体の乾燥質量に対する水の添加量が8質量%未満であると、湿式紡糸で得られたアクリル系繊維のボイド率が高く、ハックリング性が悪くなる。一方、紡糸原液において、アクリル系重合体の乾燥質量に対する水の添加量が16質量%を超えると、湿式紡糸で得られたアクリル系繊維の表面が粗くなり、ハックリング性が悪くなる。ボイド率及び表面の粗さを低減する観点から、上記紡糸原液は、アクリル系重合体の乾燥質量に対して水を8~15質量%含むことが好ましく、より好ましくは8~14質量%含み、さらに好ましくは8~13質量%含み、さらにより好ましくは8~12.5質量%含む。
 上記紡糸原液は、アクリル系重合体の組成にもよるが、例えば、紡糸原液の全体質量に対して、アクリル系重合体を20~30質量%、DMSOを65.2~78.5質量%、及び水を1.5~4.8質量%含むことが好ましく、より好ましくは、アクリル系重合体を22~30質量%、DMSOを66~76質量%、及び水を2~4質量%含み、さらに好ましくは、アクリル系重合体を25~30質量%、DMSOを66.5~72.5質量%、及び水を2.5~3.5質量%含む。
 上記紡糸原液は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、必要に応じて、繊維特性を改良するための他の添加剤を含んでもよい。上記添加剤としては、例えば、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酢酸セルロースをはじめとするセルロース誘導体のエステル及びエーテルなどの光沢調整剤、有機顔料、無機顔料、染料などの着色剤、耐光性や耐熱性向上のための安定剤などが挙げられる。
 上記紡糸原液中に水を含有させる方法としては、特に限定されないが、(1)上記アクリル系重合体のDMSO溶液に添加、(2)上記アクリル系重合体を溶解するDMSOとして水分を含有するDMSOを使用、(3)上記アクリル系重合体として、水分を含有するアクリル系重合体を利用、(4)他の添加剤に混合した水を利用することなどが挙げられる。これらを2種以上組合せてもよい。本明細書において、特に指摘がない場合、アクリル系重合体は水分を含んでいないアクリル系重合体をいう。
 上記紡糸原液を通常の方法で湿式紡糸することでアクリル系繊維を得る。例えば、まず、上記紡糸原液を、紡糸ノズルを通して或いは直接DMSOの水溶液からなる凝固液(凝固浴)へ吐出して凝固させて繊維化する。凝固浴は、例えばDMSO濃度40~70質量%のDMSOの水溶液を用い、温度は5~40℃とすることができる。凝固浴の溶媒濃度が低すぎると、凝固が速くなって凝固構造が粗になり繊維内部にボイドを形成する傾向がある。
 ついで、繊維(凝固糸)は、30℃以上の凝固液よりDMSOの濃度が低いDMSOの水溶液又は30℃以上の温水へと導き、脱溶剤、水洗、延伸を行い、必要により延伸後の緩和を行なってもよい。30℃以上の凝固液よりDMSOの濃度が低いDMSOの水溶液で延伸した後、30℃以上の温水で水洗することが好ましい。水洗により脱溶剤する。延伸倍率は、特に限定されないが、繊維の強度及び生産性を高める観点から、2~8倍であることが好ましく、2~7倍であることがより好ましく、2~6倍であることがさらに好ましい。
 ついで、繊維(延伸糸)に油剤を付着させて乾燥させてもよい。油剤は、紡糸工程において、通常、静電防止、繊維の膠着防止や風合い改良を目的として用いられるものであればよく、公知の油剤を用いることができる。乾燥温度としては、特に限定されないが、例えば、110~190℃、好ましくは110~160℃である。乾燥した繊維は、そののち必要によりさらに延伸してもよく、その延伸比は1~4倍が好ましい。乾燥前の延伸を含めた全延伸比は、2~12倍であることが好ましい。
 乾燥或いは乾燥した後にさらに延伸して得られた繊維は、さらに、15%以上の緩和処理が施されることが好ましい。緩和処理は、高温、例えば150~200℃、好ましくは150~190℃の乾熱又は過熱水蒸気雰囲気下で行うことできる。或いは、120~180℃の0.05~0.4MPa、好ましくは0.1~0.4MPaの加圧水蒸気又は加熱加圧水蒸気雰囲気下で行なうことができる。これによって、繊維の結節強度を向上させることができる。
 上記アクリル系繊維の単繊維繊度は、人工毛髪として好適に用いる観点から、30~100デシテックス(dtex)であることが好ましく、より好ましくは40~80dtex、さらに好ましくは45~70dtexである。ここで、単繊維繊度とは任意の100本の単繊維の繊度の平均値を意味する。
 上記アクリル系繊維は、ハックリング性に優れる観点から、繊維側面の縦40μm、横80μmの領域において、平均表面粗さが5900μm2以下であることが好ましく、より好ましくは5600μm2以下であり、さらに好ましくは5200μm2以下である。また、上記アクリル系繊維は、ハックリング性に優れる観点から、繊維側面の縦40μm、横80μmの領域において、最大表面粗さが6800μm2以下であることが好ましく、より好ましくは6500μm2以下であり、さらに好ましくは6200μm2以下である。本発明において、表面粗さは、下記のように測定算出するものである。
 (表面粗さ)
 超深度カラー3S形状測定顕微鏡(キーエンス製、型式「VK-9500」)を用い、繊維側面を3000倍の倍率(対物レンズ150倍、内蔵レンズ20)で観察し、得られた画像から、画像解析ソフトVK Analyzer(キーエンス製、型式「VK-H1XA」)を用い、任意に縦40μm、横80μmの領域を選択し、該縦40μm、横80μmの領域の表面積を測定する。n=6とし、縦40μm、横80μmの領域の表面積の平均値、最大値、最小値を測定し、それぞれ、平均表面粗さ、最大表面粗さ、最小表面粗さとする。
 上記アクリル系繊維は、ハックリング性に優れる観点から、ボイド率が60%以下であることが好ましく、より好ましくは50%以下であり、さらに好ましくは40%以下である。本発明において、ボイド率は、下記のように測定算出するものである。
 (ボイド率)
 超深度カラー3S形状測定顕微鏡(キーエンス製、型式「VK-9500」)を用い、総繊度が14000dtex程度の繊維束の断面を400倍の倍率(対物レンズ20倍、内蔵レンズ20)で観察し、得られた画像から、任意に70本程度の繊維を含む領域を選択し、該領域における繊維断面の全体個数及びボイド(直径2μm以上のボイド)を有する繊維断面の個数を測定し、以下の式にてボイド率を算出する。なお、ボイドの直径は、ボイドの面積を真円の面積に換算して算出する。
ボイド率(%)=(ボイドを有する繊維断面の個数/繊維断面の全体個数)×100
 以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
 (実施例1)
 45.7質量%のアクリロニトリルと、52.3質量%の塩化ビニルと、2.0質量%のスチレンスルホン酸ナトリウムからなるアクリル系共重合体をジメチルスルホキシド(DMSO)にて溶解し、樹脂濃度が28.0質量%、水分濃度が3.5質量%の紡糸原液を作製した。得られた紡糸原液は、アクリル系重合体の乾燥質量に対して水を12.5質量%含んでいることになる。この紡糸原液を20℃、57質量%のDMSO水溶液の凝固浴中に、紡糸ノズル(孔径0.3mm、孔数1250個)を用いて紡糸速度2m/minで湿式紡糸した後、80℃、50質量%のDMSO水溶液の延伸浴中で3倍に延伸した。続いて90℃の温水にて水洗を実施した後、140℃で乾燥してから2倍に延伸し、160℃にて20%緩和処理を施して単繊維繊度が約46dtexのアクリル系繊維を得た。
 (実施例2)
 紡糸原液において、樹脂濃度を28.0質量%、水分濃度を2.24質量%にした以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が約46dtexのアクリル系繊維を得た。実施例2において、紡糸原液は、アクリル系重合体の乾燥質量に対して水を8質量%含んでいることになる。
 (比較例1)
 紡糸原液において、樹脂濃度を28.0質量%、水分濃度を1.4質量%にした以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が約46dtexのアクリル系繊維を得た。比較例1において、紡糸原液は、アクリル系重合体の乾燥質量に対して水を5質量%含んでいることになる。
 (比較例2)
 紡糸原液において、樹脂濃度を28.0質量%、水分濃度を4.9質量%にした以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が約46dtexのアクリル系繊維を得た。比較例2において、紡糸原液は、アクリル系重合体の乾燥質量に対して水を17.5質量%含んでいることになる。
 実施例1、2及び比較例1、2で得られたアクリル系繊維の表面粗さ及びボイド率を下記のように測定評価し、その結果を下記表1に示した。また、実施例1、2及び比較例1、2で得られたアクリル系繊維のハックリング性を下記のように評価し、その結果を下記表1に示した。下記表1には、紡糸原液における樹脂濃度(アクリル系重合体の濃度)及びアクリル系重合体の乾燥質量に対する水の添加量(表1において、単に「水の添加量」と記す。)も示した。また、図1及び図2には、それぞれ、下記のように超深度カラー3S形状測定顕微鏡で観察した実施例1及び比較例1のアクリル系繊維の断面写真(400倍)を示した。
 (表面粗さ)
 超深度カラー3S形状測定顕微鏡(キーエンス製、型式「VK-9500」)を用い、繊維側面を3000倍の倍率(対物レンズ150倍、内蔵レンズ20)で観察し、得られた画像から、画像解析ソフトVK Analyzer(キーエンス製、型式「VK-H1XA」)を用い、任意に縦40μm、横80μmの領域を選択し、該縦40μm、横80μmの領域の表面積を測定した。n=6とし、平均値、最大値、最小値を測定し、それぞれ、平均表面粗さ、最大表面粗さ、最小表面粗さとした。
 (ボイド率)
 超深度カラー3S形状測定顕微鏡(キーエンス製、型式「VK-9500」)を用い、総繊度が14000dtex程度の繊維束の断面を400倍の倍率(対物レンズ20倍、内蔵レンズ20)で観察し、得られた画像から、任意に70本程度の繊維を含む領域を選択し、該領域における繊維断面の全体個数及びボイド(直径2μm以上のボイド)を有する繊維断面の個数を測定し、以下の式にてボイド率を算出した。なお、ボイドの直径は、ボイドの面積を真円の面積に換算して算出した。
ボイド率(%)=(ボイドを有する繊維断面の個数/繊維断面の全体個数)×100
 (ハックリング性)
 ギアクリンプ加工機によりクリンプを付与した後、繊維(総繊度112.9万dtex)を繊維長が2mになるようにカットし、カットした繊維の中心付近を握り、繊維をハックリング台(針を1470本並べた台、幅66cm、長さ120cm)に投げて引き抜き、引き抜く際に感じる抵抗を下記の基準で官能評価した。
 良好:抵抗が少ない
 不良:抵抗がある
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 上記表1の結果から分かるように、アクリル系重合体の乾燥質量に対する水の添加量が8~16質量%の紡糸原液を用いた実施例1及び2で得られたアクリル系繊維は、ハックリング性が良好であった。一方、アクリル系重合体の乾燥質量に対する水の添加量が8質量%未満の紡糸原液を用いた比較例1で得られたアクリル系繊維は、ボイド率が60%を超えており、ハックリング性が不良であった。図1及び図2からも分かるように、実施例1では、ボイドを形成している繊維が少ないのに対し、比較例1では、ボイドを形成している繊維が多かった。また、アクリル系重合体の乾燥質量に対する水の添加量が16質量%を超える紡糸原液を用いた比較例2のアクリル系繊維は、繊維側面の縦40μ、横80μmの領域において、平均表面粗さが5900μm2を超えており、ハックリング性が不良であった。

Claims (4)

  1.  アクリル系重合体を有機溶媒に溶解した紡糸原液を湿式紡糸するアクリル系繊維の製造方法であって、
     前記アクリル系重合体は、アクリル系重合体の全体質量に対して、アクリロニトリルを20~85質量%、塩化ビニルを14.5~79.5質量%、及びスルホン酸含有単量体を0.5~10質量%含み、
     前記有機溶媒は、ジメチルスルホキシドであり、
     前記紡糸原液は、アクリル系重合体の乾燥質量に対して水を8~16質量%含むことを特徴とするアクリル系繊維の製造方法。
  2.  前記紡糸原液は、紡糸原液の全体質量に対して、アクリル系重合体を20~30質量%、有機溶媒を65.2~78.5質量%、及び水を1.5~4.8質量%含む請求項1に記載のアクリル系繊維の製造方法。
  3.  前記アクリル系繊維は、繊維側面の縦40μm、横80μmの領域において、平均表面粗さが5900μm2以下である請求項1又は2に記載のアクリル系繊維の製造方法。
  4.  前記アクリル系繊維は、ボイド率が60%以下である請求項1~3のいずれか1項に記載のアクリル系繊維の製造方法。
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