WO2016031372A1

WO2016031372A1 - 保存容器の収容袋

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Publication number: WO2016031372A1
Application number: PCT/JP2015/068074
Authority: WO
Inventors: 昌秀加藤; 和朗石田; 弘和相馬
Original assignee: 東邦化成株式会社
Priority date: 2014-08-25
Filing date: 2015-06-23
Publication date: 2016-03-03
Also published as: JP2016043972A

Abstract

　保存容器を収容するための収容袋であって、互いに対向して配置されたシート状部材における長手方向沿いの両端部が接合されて、長手方向の一端に開口部、他端に底部を有し、シート状部材の両端部を接合する接合部は、シート状部材における底部よりも開口部に近い箇所に、幅が狭くなった幅狭部を有する。

Description

保存容器の収容袋

　本発明は、保存容器を収容するための収容袋に関する。

　生体性物質などを保存した保存容器を収容するための収容袋が種々開発されている（例えば、特許文献１）。

　これらの収容袋に保存容器を収容して、収容袋を封止（シール）することで、保存容器内の内容物の飛散を防止しながら、例えば、冷凍保存などの手法により、保存容器を保管することができる。特に、特許文献１の収容袋においては、凍結保存バイアル（保存容器）を包装体の開口部へ挿入する際の挿入を容易にする手段として、挿入誘導手段を設けている。具体的には、開口部を形成する端部において、２枚のフィルムを分岐させた構造とすることで挿入誘導手段を形成している。

特許第４８８２４９４号

　しかしながら、特許文献１の収容袋のような構造以外にも、保存容器の挿入操作を容易に行うことができるその他の構造や工夫を行うことが求められている。

　従って、本発明の目的は、保存容器の挿入操作を容易なものとすることができる保存容器の収容袋を提供することにある。

　上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。

　本発明の第１態様によれば、保存容器を収容するための収容袋であって、互いに対向して配置されたシート状部材における長手方向沿いの両端部が接合されて、長手方向の一端に開口部、他端に底部を有し、
　シート状部材の両端部を接合する接合部は、シート状部材における底部よりも開口部に近い箇所に、幅が狭くなった幅狭部を有する、保存容器の収容袋を提供する。

　本発明の第２態様によれば、幅狭部は、シート状部材の長手方向沿いの両端部におけるそれぞれの接合部に設けた切欠きによって画定される、第１態様に記載の保存容器の収容袋を提供する。

　本発明の第３態様によれば、幅狭部を形成する切欠きは、円弧形状を有する、第２態様に記載の保存容器の収容袋を提供する。

　本発明の第４態様によれば、開口部において、対向するシート状部材のそれぞれの開口端縁の長手方向位置が異なるように形成される、第１態様から第３態様のいずれか１つに記載の保存容器の収容袋を提供する。

　本発明の第５態様によれば、接合部は、シート状部材の長手方向の全長にわたって設けられる、第１態様から第４態様のいずれか１つに記載の保存容器の収容袋を提供する。

　本発明の第６態様によれば、シート状部材は、ＥＦＥＰ層とポリイミド層の２層構造であるとともに、ポリイミド層を外側に露出させ、ＥＦＥＰ層を内側にて融着して接合するように配置される、第１態様から第５態様のいずれか１つに記載の保存容器の収容袋を提供する。

　本発明の第７態様によれば、保存容器は、生体性物質を冷凍保存するための保存容器である、第１態様から第６態様のいずれか１つに記載の保存容器の収容袋を提供する。

　本発明の保存容器の収容袋は、保存容器の挿入操作を容易なものとすることができる。

　本発明のこれらの態様と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。
第１実施形態にかかる収容袋の斜視図第１実施形態にかかる収容袋の展開斜視図第１実施形態にかかる収容袋の断面図（図１ＡのＣ―Ｃ断面）第１実施形態の変形例１にかかる収容袋の斜視図第１実施形態の変形例２にかかる収容袋の斜視図第１実施形態の変形例３にかかる収容袋の斜視図第１実施形態の変形例４にかかる収容袋の斜視図第１実施形態の変形例５にかかる収容袋の斜視図第１実施形態の変形例５にかかる収容袋の展開斜視図

　以下に、本発明にかかる第１実施形態およびその変形例１－５について、図面に基づいて詳細に説明する。

（第１実施形態）
　本発明の第１実施形態にかかる収容袋１について、図１Ａ－１Ｃを用いて説明する。図１Ａ－１Ｃは、第１実施形態にかかる収容袋１の概略図である。図１Ａ－１Ｃに示される収容袋１は、保存容器５を収容するためのシート状の袋である。図１Ａ、１Ｂは、保存容器５が収容されていない状態（図１Ｂは展開図）を示し、図１Ｃは、保存容器５が収容された状態を示す（図１ＡのＣ－Ｃ断面に対応）。収容袋１に収容する保存容器５の形状としては、大略円柱形状を主に想定している。また、保存容器５に保存する対象物としては、ＤＮＡや細胞などの各種生体性物質を主に想定している。このような生体性物質の保存時には、冷凍や冷蔵といった低温環境下で、かつ周囲に漏洩しないような状態での保存が求められる。なお、本明細書における生体性物質には、例えば、血液成分（血液・臍帯血・赤血球等）、体液（骨髄液等）、細胞（生殖細胞・ｉＰＳ細胞・ＥＳ細胞・幹細胞・稀少細胞等）、ＤＮＡ、ＲＮＡ、ウィルス、細菌などが含まれる。

　第１実施形態における収容袋１は、１枚のシート状部材を折り曲げることで形成されている。具体的には、図１Ｂに示されるシート状部材を、図１Ａに示すように折り曲げた後、互いに対向して配置されたシート状部材（第１シート状部材７と第２シート状部材８）における長手方向Ａ沿いの両端部を接合する。すなわち、第１、第２シート状部材７、８の短手方向Ｂにおける両端部を、第１、第２シート状部材７、８の長手方向Ａに沿って互いに接合する。図１Ａ、１Ｂでは、接合部６の境目を２点鎖線で表している。

　このように構成される収容袋１は、図１Ａ、１Ｃなどに示すように、開口部２と、底部３とを備えている。

　開口部２は、保存容器５を挿入するための開口を形成した第１、第２シート状部材７、８の長手方向Ａの一端に相当する。開口部２を形成するには、図１Ｂに示すように、シート状部材７、８の長手方向Ａにおける両端部２ａ、２ｂ（第１シート状部材７の一端２ｂ、第２シート状部材８の一端２ａ）を、図１Ａに示すように互いに対向するように重ね合わせることで形成する。開口部２の短手方向Ｂにおける両端部では、第１、第２シート状部材７、８が互いに接合されており、接合部６を形成している。このように開口部２の両端部に接合部６を設けて、開口部２の中央部には接合部６を設けないことで、開口部２の中央部を開放し、保存容器５を挿入するための開口を形成している。

　底部３は、収容袋１に挿入された保存容器５の底面を支持する部分である（図１Ｃ参照）。底部３は、図１Ａに示されるように、第１、第２シート状部材７、８の長手方向Ａの他端に相当する。底部３を形成するには、図１Ｂに示すように、シート状部材の短手方向Ｂに延びるライン３ａで折り曲げる（第１シート状部材７と第２シート状部材８を対向させるよう配置する）とともに、折り曲げた部分において、第１、第２シート状部材７、８の長手方向Ａ沿いの両端部を互いに接合して、接合部６を形成する。これにより、底部３が形成される。

　接合部６は、上述したように、第１、第２シート状部材７、８の互いに対向する側の面における長手方向Ａ沿いの端部（短手方向Ｂの端部）に設けられている。また、第１実施形態における接合部６は、図１Ｂに示すように、第１、第２シート状部材７、８の対向する側の面における長手方向Ａの全長にわたって設けられている。第１、第２シート状部材７、８の対向する側の面における長手方向Ａの全長にわたって接合部６が設けられることで、図１Ａに示される収容袋１においては、開口部２のみが開口し、その他の部分は接合部６によって接合され、閉塞した構造となる。

　接合部６は、第１、第２シート状部材７、８が互いに対向する内側（裏面側）にのみ設けられており、互いに対向せず外部に露出した外側（表面側）には設けられていない。

　第１実施形態では、収容袋１を構成するシート状部材として、ＥＦＥＰ（エチレン・四フッ化エチレン系共重合体）層とポリイミド層の２層による構造を採用している。ＥＦＥＰは融着性物質であり、ポリイミドは非融着性物質である。第１実施形態では、このような構造のシート状部材を、ポリイミド層が外側に露出し、ＥＦＥＰ層が内側に位置されるようにして配置している。すなわち、内側に配置したＥＦＥＰ層を融着して接合することで、シート状部材の接合部６を形成する一方、外側に配置したポリイミド層では融着・接合しないようにしている。当該構造は、特に極低温耐性の観点で優れており、例えば、液体窒素の沸点である-１９６℃という温度に対しても耐性を有する。

　ここで、図１Ａ、１Ｂに示すように、接合部６は、接合部６の幅を狭くして形成した幅狭部４を有している。具体的には、幅狭部４は、シート状部材における底部３よりも開口部２に近い箇所において、シート状部材の底部３を含む他の箇所よりも、短手方向Ｂ沿いの幅（短手方向幅）が狭くなった部分である。図１Ａに示すように、底部３を含む接合部６の短手方向幅がＷ１であるのに対して、幅狭部４の短手方向幅は、Ｗ１よりも短く設定されている。特に、幅狭部４の最も短い短手方向幅をＷ２とする（Ｗ１＞Ｗ２）。

　第１実施形態では、図１Ａ、１Ｂに示すように、短手方向幅がＷ１である接合部６において、人の指にフィットしやすい円弧状の切欠きを設けることで、Ｗ１よりも短い幅を有する幅狭部４を画定・形成している。

　このような幅狭部４を形成するには、例えば、図１Ｂに示すように、矩形状のシート状部材７、８に円弧状の切欠き（切込み）を予め入れておいた後、切欠き部分を互いに重ね合わせるように配置して形成することができる。あるいは、矩形上のシート状部材７、８を互いに重ね合わせた後にシート状部材７、８に円弧状の切欠きを入れることで、同様に形成することもできる。

　幅狭部４を形成する切欠きは、図１Ａ、１Ｂに示すように、シート状部材７、８の端縁ライン９ａ、９ｂの内側に設けた切欠きである。ここでの端縁ライン９ａ、９ｂとは、シート状部材７、８における短手方向Ｂの端縁が直線状に延びて形成するラインのことである。

　上述した幅狭部４は、後述するように、保存容器５を収容袋１に挿入する際に、保存容器５の挿入操作を容易なものとするように機能する部分である。第１実施形態では、保存容器５の挿入後に、幅狭部４よりも下方の位置で収容袋１を封止（シール）することができるように、幅狭部４の位置を底部３から所定距離離れた位置（少なくとも保存容器５の高さよりも所定距離分離れた位置）に設定している。第１実施形態における幅狭部４の位置（シート状部材の長手方向Ａにおける位置）は、シート状部材７、８における底部３よりも開口部２に近い箇所、すなわち、シート状部材７、８の長手方向Ａの中心位置よりも開口部２側の箇所に設定している。

　また、接合部６は後述するように、保存容器５を収容袋１に挿入し、収容袋１をシールした後における収容袋１のシール性を確保する部分である。よって、接合部６による収容袋１のシール性を向上させるためにも、接合部６の短手方向幅Ｗ１を所定長さ以上確保することが好ましい（例えば４ｍｍ）。一方で、接合部６のうちの幅狭部４は、収容袋１のシール後には保存容器５を密封・収容する区画より開口部２に近い箇所にあって、収容袋１のシール性には大きく寄与しない部分である。よって、幅狭部４の短手方向幅Ｗ２は、収容袋１を収容しない状態においてシート状部材７、８を互いに接合できる程度の長さであればよい（例えば１ｍｍ－１．５ｍｍ）。ただし、幅狭部４の短手方向幅Ｗ２は、このような長さに限らず、接合部６の短手方向幅Ｗ１よりも短ければよい。

　このような構成において、収容袋１内に大略円柱形の保存容器５を収容するときの作用および効果について、図１Ａ、１Ｃ等を用いて説明する。

　保存容器５を収容袋１内に挿入する際には、まず、保存容器５の下部（底部）から、開口部２を通して収容袋１内に挿入する。このとき、例えば、幅狭部４にフィットするように指で幅狭部４を挟み、収容袋１を挟んだ状態にて幅方向に収容袋１を押すことにより、開口部２をシート状部材７、８の平面に対して垂直な方向へ広げることができる。

　具体的には、幅狭部４以外の部分では、接合部６の短手方向幅が長いため、接合部６を両端部から指で挟んだ場合、接合部６自体が折れ曲がりやすくなってしまう。これに対して、幅狭部４では、接合部６の短手方向幅が短いため、両端部を指で挟んだ際に、接合部６自体が折れ曲がりにくくなっている。これにより、短手方向幅が短い幅狭部４では、他の接合部６の部分と比較すると相対的に、接合部６を挟む指の力が、シート状部材７、８の中心方向に働きやすくなる。このような幅狭部４による作用により、開口部２をシート状部材７、８の平面に対して垂直な方向へ変形させやすくすることができる。

　また、幅狭部４を指で挟んで開口部２を広げたときには、開口部２だけでなくその下方に位置する幅狭部４周辺のシート状部材７、８も同じ方向に広がることとなる。これにより、保存容器５を開口部２の入口まで到達させた後も、保存容器５を開口部２より下方に向かって容易に押し込んで挿入することができる。

　このように、接合部６の幅を狭くした幅狭部４を利用することで、保存容器５を収容袋１に容易に挿入することができる。

　さらに、第１実施形態では、幅狭部４を画定する切欠きの形状を、人の指にフィットしやすい円弧形状としているため、幅狭部４を指で挟んだときにシート状部材７、８に対してより力をかけやすくなる。これにより、開口部２をシート状部材７、８の平面に対して垂直な方向へさらに広げやすくなっている。このように、幅狭部４の形状を円弧状とすることにより、保存容器５を収容袋１内に挿入する際により容易に挿入することができる。

　その後、保存容器５を収容袋１の長手方向Ａに沿って押し込むことで、保存容器５の下部を、収容袋１の底部３に到達させる。これにより、保存容器５は、開口部２と底部３の間で保持されて、開口部２と底部３の間には、保存容器５を収容するための収容空間が形成される。このような状態にて、収容袋１内に保存容器５が収容される。

　保存容器５の収容後、シート状部材７、８における保存容器５の上面に対応する位置から開口部２までの位置にて封止（シール）を行うことで、収容袋１内をシールすることができる。すなわち、保存容器５を収容袋１内に密封・シールした状態で保管することができる。なお、第１実施形態では、幅狭部４の位置を保存容器５の高さよりも所定距離分離れた位置に設定しているため、保存容器５の挿入後、幅狭部４の下端よりも下方にて確実にシールを行うことができる。このように、幅狭部４の下端までの位置でシールを行うことで、シールに用いられる接合部６の短手方向幅Ｗ１を確保することができるため、所望のシール性を確保することができる。

　上述したように、第１実施形態にかかる収容袋１によれば、シート状部材７、８を接合する接合部６は、シート状部材７、８における底部３よりも開口部２に近い箇所に、幅が狭くなった幅狭部４を有する。これにより、収容袋１のユーザが指で幅狭部４を挟んで短手方向に押すことにより、開口部２をシート状部材７、８の平面に対して垂直に広がる方向へ変形させやすくなっている。このように開口部２を開きやすくした状態にて保存容器５を収容袋１内に挿入することで、保存容器５を容易に開口部２から挿入することができ、保存容器５の挿入操作をより容易なものとすることができる。また、開口部２が広がるだけでなく、幅狭部４周辺のシート状部材７、８も開口部２と同様に広がるため、収容袋１の底部３まで到達させる際の保存容器５の挿入操作をさらに容易なものとすることができる。

　また、第１実施形態の収容袋１によれば、幅狭部４は、シート状部材７、８の長手方向Ａ沿いの両端部におけるそれぞれの接合部６に設けた切欠きによって画定される。これにより、幅狭部４を簡易に作成することができる。

　さらに、第１実施形態の収容袋１によれば、幅狭部４の切欠きは、円弧形状を有する。これにより、ユーザの指が幅狭部４にフィットしやすくなるため、幅狭部４を幅方向に押すときに、開口部２を広げる効果を向上させることができ、保存容器５の挿入操作をさらに容易なものとすることができる。なお、切欠きの円弧における弦（接合部６の両端ライン上に一致）の長さを例えば、１５ｍｍ－１７ｍｍ程度（円弧の半径は１０ｍｍ程度）としてもよく、このような長さであれば、幅狭部４に指をフィットさせるという点で特に好ましい。

　また、第１実施形態の収容袋１によれば、第１、第２シート状部材７、８の接合部６は、第１、第２シート状部材７、８の面のうち、互いに対向する側の面における長手方向Ａの全長にわたって設けられる。これにより、収容袋１の密封性・シール性を向上させることができる。

　また、第１実施形態の収容袋１によれば、シート状部材７、８は、ＥＦＥＰ層とポリイミド層の２層構造であり、ポリイミド層を外側に露出させ、ＥＦＥＰ層を内側にて融着して接合するように配置されている。このようなＥＦＥＰ層とポリイミド層の２層構造は、極低温耐性に優れているため、特に冷凍保存用や冷蔵保存用の保存容器５を収容する際に、保存容器５およびその内容物をより適切に保護することができる。

　以上、第１実施形態の収容袋１について説明したが、幅狭部４を設ける以外に、その他の、開口部２を広げやすくする工夫を行ってもよい。例えば、図１Ａに示される状態の収容袋１において、開口部２に治具などを挿入して、開口部２を広がる方向に押圧することで開口部２を開かせる癖付けを行ってもよい。保存容器５の挿入前にこのような癖付けを施すことで、保存容器５を開口部２へさらに容易に挿入することができる。

　次に、第１実施形態の変形例１－５について、図２－５、６Ａ、６Ｂを用いて説明する。変形例１－４では、第１実施形態と比較して幅狭部４の形状が異なり、変形例５では、開口部２近傍のシート状部材の長さが異なっている。これら以外の構成については第１実施形態と共通するため、その説明を省略する。

（変形例１）
　図２は、変形例１にかかる収容袋１１の斜視図を示す。図２に示すように、変形例１にかかる収容袋１１の幅狭部１４は、第１実施形態における幅狭部４よりも大きな円弧形状の切欠きによって画定・形成されている。具体的には、シート状部材７、８における底部３よりも開口部２に近い箇所において、実施形態１よりも大きな円弧状の切欠きを接合部６に設けることで、幅狭部１４を形成している。

　このような形状の幅狭部１４であっても、第１実施形態と同様に、ユーザが幅狭部１４を指で挟んで幅方向に押すことにより、開口部２をシート状部材７、８の平面に対して垂直に開く方向へ変形させやすくなるため、保存容器５の挿入操作を容易に行うことができる。

（変形例２）
　図３は、変形例２にかかる収容袋２１の斜視図を示す。図３に示すように、変形例２にかかる収容袋２１の幅狭部２４は、第１実施形態の幅狭部４と異なり、三角形状の切欠きにより画定・形成されている。具体的には、シート状部材７、８の平面に対して垂直な方向から見て、三角形状の切欠きを接合部６に設けることにより、幅狭部２４を形成している。

　このような形状の幅狭部２４であっても、第１実施形態と同様に、ユーザが幅狭部２４を指で挟んで幅方向に押すことにより、開口部２をシート状部材７、８の平面に対して垂直に開く方向へ変形させやすくなる。具体的には、三角形状の切欠きによって、幅狭部２４に傾斜ライン２４ａが形成されているため、この傾斜ライン２４ａと指が接触することで、傾斜ライン２４ａのない形状と比較して指との接触点を増やしながらの接触が可能となる。このようにして、開口部２を変形させやすくすることができ、第１実施形態と同様に、保存容器５の挿入操作を容易に行うことができる。

（変形例３）
　図４は、変形例３にかかる収容袋３１の斜視図を示す。図４に示すように、変形例３にかかる収容袋３１の幅狭部３４は、第１実施形態の幅狭部４と異なり、四角形状の切欠きにより画定・形成されている。具体的には、シート状部材７、８に対して垂直な方向から見て、四角形状の切欠きを接合部６に設けることにより、幅狭部３４を形成している。

　このような形状の幅狭部３４であっても、第１実施形態と同様に、幅狭部３４を挟む力がシート状部材７、８の中央部に伝わりやすいため、開口部２をシート状部材７、８の平面に対して垂直に開く方向へ変形させやすくなっている。これにより、保存容器５の挿入操作を容易に行うことができる。

（変形例４）
　図５は、変形例４にかかる収容袋４１の斜視図を示す。図５に示すように、変形例４にかかる収容袋４１の幅狭部４４は、変形例３にかかる幅狭部３４と同様に、四角形状の切欠きにより形成されている点は共通する一方、変形例３にかかる幅狭部３４と異なり、開口部２の端部まで切欠きが到達している。すなわち、収容袋４１は、シート状部材７、８全体として開口部２側が窄まった窄まり形状を有している。

　このような形状の幅狭部４４であっても、第１実施形態と同様に、幅狭部４４を挟む力がシート状部材７、８の中央部に伝わりやすいため、開口部２をシート状部材７、８の平面に対して垂直に開く方向へ変形させやすくなっており、保存容器５の挿入操作を容易に行うことができる。

（変形例５）
　図６Ａ、６Ｂは、変形例５にかかる収容袋５１の斜視図および展開斜視図をそれぞれ示す。図６Ａ、６Ｂに示すように、変形例５にかかる収容袋５１は、第１実施形態と同じ寸法・位置の幅狭部４を有する一方で、開口部５２を形成する箇所において、対向するシート状部材５７、５８のそれぞれの長手方向長さが異なるように形成されている。具体的には、図６Ａの紙面奥側にあるシート状部材５８の長手方向長さは第１実施形態と同じに設定されるのに対して、紙面手前側のシート状部材５７の長手方向長さは第１実施形態よりも短く設定されている。さらに言い換えると、対向するシート状部材５７、５８のそれぞれの開口端縁５２ａ、５２ｂの長手方向位置が異なるように形成されている。

　このように、開口部５２において、対向するシート状部材５７、５８のそれぞれの開口端縁５２ａ、５２ｂの長手方向位置を異ならせることにより、開口部５２に段差を設けている。このような段差を設けることにより、保存容器５の挿入時に、保存容器５を開口部５２へより容易に挿入することができる。

　すなわち、変形例５の収容袋５１によれば、幅狭部４を用いて開口部５２を広げやすくするだけでなく、シート状部材５７、５８のそれぞれの開口端縁５２ａ、５２ｂの長手方向位置を異ならせることで、保存容器５をさらに容易に開口部５２へ挿入することができる。

　なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、第１、第２実施形態では、シート状部材７、８がＥＦＥＰ層とポリイミド層の２層構造である場合について説明したが、シート状部材７、８の材質や積層数はこれに限らない。例えば、単層や３層以上の構造を採用してもよい。また、２層以上の多層構造の場合には、例えば、外側に露出する最外層と、内側に配置して接合を行う最内層の材料に関して、最外層の材料の融点が最内層の材料の融点よりも高くなるように、それぞれの層の材料を選択してもよい。このような融点の違いを利用した材料の選択（例えば、熱可塑性樹脂）により、第１、第２実施形態と同様の構造を、ＥＦＥＰやポリイミドに限らずに実現することができる。例えば、最外層の材料として、融点の高い物質であるポリアミド（融点は例えば２２５℃）を採用し、最内層の材料として融点の低い物質であるポリエチレン（融点は例えば１２０℃）を採用し、例えば１９０℃ほどの温度にて加熱することで、最内層であるポリエチレン層のみを融着させることができる。

　また、前記では、保存容器５の形状として大略円柱形状を主に想定していたが、保存容器５の形状はこれに限らず例えば、大略四角柱形状などであってもよい。

　また、前記では、幅狭部４を形成する切欠きの形状が、円弧形状、三角形状、四角形状などである場合について説明したが、このような場合に限らず、幅の狭くなった幅狭部４を形成するものであれば他の形状であってもよい。また例えば、切欠きが円弧形状の場合には、円弧の曲率を適宜設定してもよく、三角形状や四角形状の場合には、各辺の傾斜角度を適宜設定してもよいことは明らかである。

　また、前記では、シート状部材７、８における幅狭部４よりも下方が真っ直ぐな形状（ストレート形状）である場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、シート状部材７、８における幅狭部４よりも下方において、シート状部材７、８を部分的に折り返したり、あるいは、開口部２に近い幅狭部以外の幅狭部を設けるなど、その他の各種形状を採用してもよい。

　また、前記では、シート状部材７、８の端縁ライン９ａ、９ｂの内側に切欠きを設けることによって幅狭部４を画定・形成する場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、シート状部材７、８に切欠きを設けずに、接合部６をシート状部材７、８の端縁ライン９ａ、９ｂに全て沿うように形成しつつ、接合部６の幅を部分的に狭くすることで、幅狭部４を画定・形成するようにしてもよい。

　なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。

　本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。

　本発明は、例えば生体性物質を冷蔵保存するための保存容器を収容する収容袋に適用することができる。

Claims

　保存容器を収容するための収容袋であって、互いに対向して配置されたシート状部材における長手方向沿いの両端部が接合されて、長手方向の一端に開口部、他端に底部を有し、
　シート状部材の両端部を接合する接合部は、シート状部材における底部よりも開口部に近い箇所に、幅が狭くなった幅狭部を有する、保存容器の収容袋。
　幅狭部は、シート状部材の長手方向沿いの両端部におけるそれぞれの接合部に設けた切欠きによって画定される、請求項１に記載の保存容器の収容袋。
　幅狭部を画定する切欠きは、円弧形状を有する、請求項２に記載の保存容器の収容袋。
　開口部において、対向するシート状部材のそれぞれの開口端縁の長手方向位置が異なるように形成される、請求項１から３のいずれか１つに記載の保存容器の収容袋。
　接合部は、シート状部材の長手方向の全長にわたって設けられる、請求項１から４のいずれか１つに記載の保存容器の収容袋。
　シート状部材は、ＥＦＥＰ層とポリイミド層の２層構造であるとともに、ポリイミド層を外側に露出させ、ＥＦＥＰ層を内側にて融着して接合するように配置される、請求項１から５のいずれか１つに記載の保存容器の収容袋。
　保存容器は、生体性物質を冷凍保存するための保存容器である、請求項１から６のいずれか１つに記載の保存容器の収容袋。