WO2016013254A1 - 容器及び容器製造方法 - Google Patents
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- B65D3/02—Rigid or semi-rigid containers having bodies or peripheral walls of curved or partially-curved cross-section made by winding or bending paper without folding along defined lines characterised by shape
- B65D3/06—Rigid or semi-rigid containers having bodies or peripheral walls of curved or partially-curved cross-section made by winding or bending paper without folding along defined lines characterised by shape essentially conical or frusto-conical
Definitions
- Patent Document 1 describes that the curled portion (mouse roll) is formed so that its cross section is circular.
- the paper material may be fixed by fusion at least at a portion in contact with the outer peripheral surface of the barrel portion.
- the curled portion 3 of the present embodiment has both the advantages of the curled portion having the circular cross section and the advantages of the curled portion subjected to flange press.
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Abstract
【課題】蓋材のシール性に優れ、飲用時の口当たりの良好な容器を提供すること。 【解決手段】容器は、胴部と底部とを有する。上記胴部は、樹脂で被覆された紙材が接着されて形成されたサイドシーム部を側面に有し、蓋材がヒートシールにより接着されるカール部を一端に有する、筒状のものである。上記底部は、上記胴部の他端に形成される。上記カール部において上記蓋材が接着される側の面は、上記胴部の半径方向における断面がアーチ状に形成され、上記カール部の上記蓋材の接着方向における厚みが最大となる位置は、上記胴部の半径方向における上記カール部の幅を二分する位置よりも外周側にある。
Description
本発明は、飲食料品のための容器及びその製造方法に関する。
従来から、飲食料品のための容器(紙コップ)として、それぞれシート状材料からなりサイドシーム部(貼り合わせ部)を有する胴部と当該胴部の内側に取り付けられた底部とを有する容器の開口端がフィルム状の蓋材によって密封されたものが広く使用されている。
上記容器の開口端には、容器の外側に向かうカール部(フランジ部)が設けられており、容器内に飲料等の内容物が充填された後、当該カール部に、蓋材が例えばヒートシールによって接着される。
下記特許文献1には、上記カール部(マウスロール)をその断面が円形となるように形成することが記載されている。
下記特許文献2には、上記カール部(カップリム部)が、上下方向から押圧されて偏平に形成されることが記載されている。
下記特許文献3には、カール部の容器軸線方向の幅を「A」、カール部の容器半径方向の幅を「B」、カール部が形成された側壁の厚みを「t」とするとき、2t<A<Bを満たし、カール部が容器本体の軸線方向と直交する方向に扁平をなし、その外周端に罫線が生じており、容器本体の軸線方向に変形する空間を有する容器が記載されている。
しかしながら、カール部が上記特許文献1に記載のような丸形状である場合、サイドシーム部に比較的大きな段差が形成されるため、上記ヒートシール時に溶融する熱可塑性樹脂が上記段差を埋めることができずに、蓋材のシール不良が発生するおそれがある。またこの場合は、ヒートシール時にカール部が上下方向に変形するため、カール部の内周及び外周の端部に熱可塑性樹脂のバリ(肉盛り)が形成される結果、蓋材の剥離後の飲用時に内周側のバリが唇に接触することになり、口当たりが悪くなってしまう。
また、カール部が上記特許文献2に記載のような押圧偏平形状である場合は、上記ヒートシール時に、内容物等の夾雑物がカール部に残った状態のままシールされると、その部分の接着が弱くなったり、シール不良が発生したりするおそれがある。またこの場合も、上記と同様にカール部の内周及び外周の端部にバリが残るため、やはり飲用時の口当たりが悪くなってしまう。
さらに、カール部が上記特許文献3に記載のように、その外周部に罫線を有する扁平形状を有する場合、ヒートシール時において、当該罫線を有する外周側よりも罫線を有さない内周側へ上記溶融熱可塑性樹脂が多く移動する結果、蓋材の剥離時に、外周よりも内周の端部にバリが形成され、やはり飲用時の口当たりが悪くなってしまう。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、蓋材のシール性に優れ、飲用時の口当たりの良好な容器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る容器は、胴部と底部とを有する。上記胴部は、熱可塑性樹脂で被覆された紙材が接着されて形成されたサイドシーム部を側面に有し、蓋材がヒートシールにより接着されるカール部を一端に有する、筒状のものである。上記底部は、上記胴部の他端に形成される。上記カール部において上記蓋材が接着される側の面は、上記胴部の半径方向における断面がアーチ状に形成され、上記カール部の上記蓋材の接着方向における厚みが最大となる位置は、上記胴部の半径方向における上記カール部の幅を二分する位置よりも外周側にある。
この構成により、蓋材が接着される側の面がアーチ状に形成され、カール部の厚みが最大となる位置が外周側にあることで、上記樹脂がカール部の内周側に溜まり蓋材の剥離時に大きなバリが形成されることがないため、飲用時の口当たりを良くすることができる。ここで「アーチ状」とは、概ねアーチ状(曲面)であることを示し、一部に直線部分や凹部等を含む面も含まれる。また、カール部がアーチ状であることで、サイドシーム部の段差部が平坦に形成可能なため、蓋材のシール性を向上させることができる。
上記容器において、上記接着された蓋材が剥離された場合に上記熱可塑性樹脂により上記カール部に残留するバリは、上記胴部の外周面と内周面に平行かつそれらと同距離にある中間面よりも外周側に形成されてもよい。
これにより、蓋材の剥離時に、バリが容器の内周面とカール部の境界付近に形成されることがないため、飲用時にバリが唇に触れることが無くなり、口当たりを向上させることができる。
上記カール部において上記紙材は、少なくとも上記胴部の外周面と接する部分において融着により固定されていてもよい。
これにより、カール部が胴部に固定されてカール部の形状が維持されることで、蓋材のヒートシール時にはカール部が必要以上に扁平にならないため、夾雑物があっても接着力が弱まったりシール不良が発生したりするのを防ぐことができ、また蓋材の剥離時にカール部の変形により剥離力が逃げることがないため、スムースな剥離を実現することができる。
上記カール部は曲面で形成され、上記カール部の上記厚みは、上記カール部の上記幅よりも小さくてもよい。
これにより、カール部が扁平形状ながらも全体が曲面で構成されることで、飲用時の口当たりが悪くなるのを防ぐことができる。
本発明の他の形態に係る容器製造方法は、
熱可塑性樹脂で被覆された紙材を接着して側面にサイドシーム部を有する筒状の胴部を形成し、
上記胴部の一端に底部を形成し、
上記胴部の他端に断面が略円形のカール部を形成し、
上記カール部において蓋材が接着される側の面の上記胴部の半径方向における断面がアーチ状となり、上記カール部の上記蓋材の接着方向における厚みが最大となる位置が、上記胴部の半径方向における上記カール部の幅を二分する位置よりも外周側となるように、上記カール部を加熱圧縮する
ことを含む。
熱可塑性樹脂で被覆された紙材を接着して側面にサイドシーム部を有する筒状の胴部を形成し、
上記胴部の一端に底部を形成し、
上記胴部の他端に断面が略円形のカール部を形成し、
上記カール部において蓋材が接着される側の面の上記胴部の半径方向における断面がアーチ状となり、上記カール部の上記蓋材の接着方向における厚みが最大となる位置が、上記胴部の半径方向における上記カール部の幅を二分する位置よりも外周側となるように、上記カール部を加熱圧縮する
ことを含む。
上記容器製造方法において、上記加熱圧着するステップは、上記断面が略円形のカール部を、圧縮面が平面状の第1の型で加熱圧縮し、上記接着される側の面の上記胴部の半径方向における上記断面が上記アーチ状となるように、上記第1の型で加熱圧縮されたカール部を、上記圧縮面がアーチ状の第2の型で圧縮してもよい。
これにより、カール部を上記接着される側の面がアーチ状となるように成形することができる。
以上説明したように、本発明によれば、蓋材のシール性に優れ、飲用時の口当たりの良好な容器を提供することができる。しかし、この効果は本発明を限定するものではない。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[紙コップの外観]
図1は、本発明の一実施形態に係る容器としての紙コップの正面外観を示す図である。同図の一部は断面で示されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る容器としての紙コップの正面外観を示す図である。同図の一部は断面で示されている。
同図に示すように、本実施形態に係る紙コップ100は、胴部1と底部2とを有する。
胴部1は、原料となる紙材が例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂で被覆(ラミネート加工)されて扇形のブランクとして打ち抜かれ、円筒状の金型に巻きつけられて側端部同士が重ねられて接着されたものである。この側端部同士の接着により、胴部2の側面には、その上下にかけてサイドシーム部4が形成されている。
底部2は、胴部1と同様の紙材から打ち抜かれた円形の底紙が絞り加工され、上記胴部1の接着と同時に、胴部1の下端の内側に接着されたものである。
底部2が接着された胴部1の下端は、内側に折り込まれ圧着されている。また胴部1の上端には、外側に巻き込まれたカール部3が形成され、胴部1は当該カール部3において開口した状態となっている。
当該カール部3に、紙コップ100に飲料等の内容物が充填された後、蓋材がヒートシールにより接着されることで、紙コップ100が密封される。
上記胴部1及び底部2の原料としての紙材は、例えば複数層から構成されている。当該紙材には、上記熱可塑性樹脂によるラミネート層以外に、合成樹脂層や発泡層、金属層、無機蒸着フィルム等が被覆されても構わない。
[カール部の形状]
図2は、上記カール部3(図1のZ部分)の拡大断面図である。
図2は、上記カール部3(図1のZ部分)の拡大断面図である。
同図に示すように、カール部3は、上記蓋材が接着される接着面31と、上記胴部1が折り返された折り返し部32とを有する。ここで「接着面31」とは、蓋材が接着される側の面(同図における、カール部3の厚みHを二分する水平線Hcよりも上部の面)のことをいい、必ずしも蓋材が実際に接着される面のみを指すものではなく、実際に蓋材が接着される面の周囲の面も含む。
カール部3は、全体的に(例えば、少なくとも50%、望ましくは90%以上が)曲面で形成されており、上記カール部3の幅Lは、その厚みHよりも大きい。またHとLの範囲は例えば以下のとおりである。
0.5mm≦H≦10.0mm
2.0mm≦L≦10.0mm
0.5mm≦H≦10.0mm
2.0mm≦L≦10.0mm
また上記接着面31は、上記胴部1の半径方向における断面がアーチ状に形成されている。ここで「アーチ状」とは、概ねアーチ状(曲面)であることを示し、一部に直線部分や凸部・凹部等があっても構わない。
換言すると、カール部3は、上記幅Lと厚みHの比率が、従来の断面円形のカール部における幅と厚みの比率と、それがフランジプレス加工されたカール部における幅と厚みの比率との間になるように形成されている。
したがって、本実施形態のカール部3は、上記断面円形のカール部の利点と、フランジプレスされたカール部の利点とを併せ持つことになる。
すなわち、カール部3においては、断面円形のカール部と同様、接着面31が曲面であることから、蓋材のヒートシール時に、紙コップ100に充填される内容物(飲料等)が接着面31に夾雑物として残留していても、後述するシールヘッドにより蓋材が上から押圧されると、当該夾雑物が上記カール部3の形状に沿ってカール部3の内周側及び外周側へ押し出され、接着面には夾雑物がほぼ存在しない状態となるため、シール不良が発生しにくくなる。
また、カール部3においては、フランジプレス加工されたカール部と同様、サイドシーム部4上端に形成される段差が小さくなることから、蓋材のヒートシール時に当該段差が熱可塑性樹脂によって平坦に埋められることで、当該サイドシーム部4におけるシール不良を防ぐことができる。
さらに、カール部3は、断面円形のカール部と同様、ある程度の厚みHを有することで、飲用時の口当たりを良好に保つことができる。
また、当該カール部3の、上記蓋材の接着方向(同図上下方向)における厚みHが最大となる位置Hmは、上記胴部1の半径方向における上記カール部3の幅Lを二分する位置Lcよりも外周側(同図右側)にある。ここで、カール部3の幅Lの内周側(同図左側)の端部の位置は、カール部3の厚みHを二分する水平線Hcと胴部1の内周面とが交わる点Xとしている。
換言すると、図2の断面視で、上記接着面31の外周側31a(同図右側)の曲率は、その内周側31b(同図左側)の曲率よりも大きくなるように形成されている。
後述するが、これにより接着面31に対する蓋材のヒートシール時に、溶融した熱可塑性樹脂が内周側31bよりも外周側31aに留まることになる。それにより、蓋材の剥離時には、内周側31bに形成されるバリが小さくなり、飲用時の口当たりを良好に保つことができる。
また、カール部3の折り返し部32は、少なくとも上記胴部1の外周面と接する部分Pにおいて、当該胴部1と融着により固定されている。当該折り返し部32において、当該部分P以外の、例えば上記接着面31と対向する面同士が融着されていても構わない。
これにより、カール部3が胴部1に固定されてカール部3の形状が維持される。したがって、蓋材のヒートシール時には、カール部3が必要以上に扁平にならないため、紙コップ100に内容物(飲料等)が充填される際にカール部3に当該内容物が夾雑物として付着しても、接着力が弱まったりシール不良が発生したりするのを防ぐことができる。また蓋材の剥離時には、カール部3の変形により剥離力が剥離方向以外に逃げにくくなるため、スムースな剥離を実現することができる。
[紙コップの製造方法]
次に、上記紙コップ100の製造方法について説明する。図3は、紙コップ100の製造工程の流れを示したフローチャートである。
次に、上記紙コップ100の製造方法について説明する。図3は、紙コップ100の製造工程の流れを示したフローチャートである。
同図に示すように、まず、上記熱可塑性樹脂でラミネートされた紙材から扇形のブランクが打ち抜かれ、その両端部がガスバーナー等で溶融された状態で筒状の金型に巻きつけられて接着されることで胴部1が形成される(ステップ41)。
また、上記と同様の紙材から打ち抜かれた円形の底紙が絞り加工されて、上記円筒状の金型に真空吸着された状態で、上記胴部1の端部同士の接着と同時に胴部1の下端内側に接着される。そして、胴部1の下端が底部2側に折り込まれて圧着されることで、底部2が胴部1に接合される(ステップ42)。
続いて、カーリング処理によって、胴部1の上端がツールで回転されながら外側へ巻き込まれることで、胴部1の半径方向における断面が円形となるカール部が形成される(ステップ43)。
続いて、上記断面円形のカール部が、上記図2で示したように上記接着面31がアーチ状になるように成形される(ステップ44)。これにより上部が開口した紙コップ100が製造される。
そして、上記紙コップ100に飲料等の内容物が充填され、ヒートシールによって蓋材が開口部(カール部3の接着面31)に接着されることで、紙コップ100が密封される(ステップ45)。
(カール部の成形方法)
次に上記カール部3の成形方法の詳細について説明する。図4は、当該カール部3の成形工程を示した図である。
次に上記カール部3の成形方法の詳細について説明する。図4は、当該カール部3の成形工程を示した図である。
同図Aに示すように、まず、上記図3のステップ43で形成された断面円形のカール部3が、金型47と受け型46との間で加熱されながら圧縮される。当該金型47の、カール部3が収容されるリング状の凹部は、その上記接着面31を圧縮する圧縮面47aが平面状(圧縮方向に対して垂直)に形成されている。
上記加熱は、例えば超音波ホーンが金型47として用いられることで行われるが、熱風や熱板、高周波等によってカール部3が事前加熱されても構わない。
当該金型47によりカール部3が圧縮されると、カール部3は同図Bに示すような断面楕円形に成形され、その折り返し部32における熱可塑性樹脂が溶融した状態となる。
続いて、同図Bに示すように、上記断面楕円形のカール部3が、上記金型47とは異なる金型48と受け型46との間で加熱圧縮される。当該金型48としても上記超音波ホーンが用いられ得る。当該金型48の、カール部3が収容されるリング状の凹部は、その上記接着面31を圧縮する圧縮面48aが、アーチ状かつ外周側(同図右側)が内周側(同図左側)よりも曲率が大きくなるように形成されている。すなわち、当該圧縮面48aは、上記図2で示したカール部3の接着面31の形状に沿った形状とされている。
当該金型48によりカール部3が圧縮されると、カール部3は、同図C及び図2に示すような、上記胴部1の半径方向における断面がアーチ状となり、かつ、当該カール部3の厚みHが最大となる位置Hmが、カール部3の幅Lを二分する位置Lcよりも外周側となるような形状に成形される。
そして同図Cに示すように、上記成形されたカール部3は、冷却用の金型49の冷却面49aと受け型46とに接触されることで冷却され、上記成形された形状に安定する。
(紙コップの密封方法)
次に、紙コップ100の密封(ヒートシール)方法の詳細について説明する。図5は、当該紙コップ100の密封工程を示した図である。
次に、紙コップ100の密封(ヒートシール)方法の詳細について説明する。図5は、当該紙コップ100の密封工程を示した図である。
同図Aに示すように、まず、充填ノズル51により、紙コップ100に飲料等の内容物Lが充填される。
続いて、同図Bに示すように、蓋材52がカール部3に載置された状態で、加熱されたシールヘッド53によって蓋材52が押圧されることで、カール部3の接着面31の樹脂が溶融され、蓋材52に融着される。
そして、同図Cに示すように、冷却板54が蓋材52に押し当てられることで、溶融した樹脂が冷却され、密封処理が完了する。
[バリの形成位置]
次に、上記紙コップ100の密封後の蓋材52の剥離時に形成されるバリ(樹脂の肉盛り)について説明する。図6は本実施形態のカール部3においてバリが形成される様子を他のカール部と比較して示した図である。
次に、上記紙コップ100の密封後の蓋材52の剥離時に形成されるバリ(樹脂の肉盛り)について説明する。図6は本実施形態のカール部3においてバリが形成される様子を他のカール部と比較して示した図である。
同図Aは本実施形態のカール部3から蓋材52が剥離された状態を示しており、同図Bは従来の断面円形のカール部から蓋材が剥離された状態を示しており、同図Cは従来のフランジプレスされたカール部から蓋材が剥離された状態を示している。
同図Aに示すように、本実施形態に係るカール部3においては、上記融着された蓋材52が剥離された場合に上記熱可塑性樹脂により上記カール部3に残留するバリは、接着面31の外周側(バリ61)と内周側(バリ62)にそれぞれ形成されているが、外周側のバリ61よりも、内周側のバリ62は極めて小さい。
具体的には、上記バリ62は、その接触面31の垂直方向の高さが約80μmとなる大きさである。一般的に、口当たりに対する場有の大きさの許容範囲は、上記高さが約120μm以下、望ましくは80μm以下である。また、カップ部3の外周側に形成されるバリ61は、飲用時には唇にほとんど触れないため、口当たりに対する影響はほとんどない。
しかも、当該バリ62が形成される位置は、胴部1の外周面と内周面に平行かつそれらと同距離にある中間面C1よりも外周側にある。
一方、同図B及びCに示すように、断面円形のカール部及びフランジプレスされたカール部において内周側に形成されるバリ64及び66は、いずれも中間面C2及びC3よりも内周側(同図左側)にあり、しかもその大きさはそれぞれ上記高さが137μm、160μmとなる大きさである。
このように、本実施形態では、従来のカール部と比較して、蓋材52の剥離時に、バリ62が紙コップ100(胴部1)の内周面とカール部3の境界付近に形成されることがないため、飲用時にバリ62が唇に触れることによる不快感が無くなり、口当たりを向上させることができる。
[サイドシーム部の段差のフラット化]
次に、上記サイドシーム部4の上端の段差について説明する。図7は、本実施形態におけるカール部3のサイドシーム部4の段差部の断面を他のカール部と比較して示した図である。
次に、上記サイドシーム部4の上端の段差について説明する。図7は、本実施形態におけるカール部3のサイドシーム部4の段差部の断面を他のカール部と比較して示した図である。
同図Aは本実施形態のカール部3のサイドシーム部4の段差部を示しており、同図Bは従来の断面円形のカール部のサイドシーム部の段差部を示しており、同図Cは従来のフランジプレスされたカール部のサイドシーム部の段差部を示している。
同図Aに示すように、本実施形態のサイドシーム部4の段差部Sは、上記図4で示したカール部3の成形工程において、熱可塑性樹脂Rによって十分に埋められており、同図Cにしめすフランジプレス加工されたカール部と同様に平坦化されている。
一方、同図Bに示すように、断面円形のカール部のサイドシーム部の段差部は、熱可塑性樹脂によって十分に埋められておらず、段差が残った状態となっている。
このように、本実施形態のカール部3においては、蓋材52のヒートシール時に溶融する熱可塑性樹脂が、サイドシーム部4の段差を平坦に埋めることで、蓋材52のシール性を向上させることができる。
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、カール部3における蓋材52の接着面31がアーチ状に形成されているため、蓋材52のシール性を向上させることができる。また、カール部3の厚みが最大となる位置が外周側にあることで、蓋材52の剥離時に大きなバリが内周側に形成されることがないため、飲用時の口当たりを良くすることができる。
[変形例]
以上説明したように、本実施形態によれば、カール部3における蓋材52の接着面31がアーチ状に形成されているため、蓋材52のシール性を向上させることができる。また、カール部3の厚みが最大となる位置が外周側にあることで、蓋材52の剥離時に大きなバリが内周側に形成されることがないため、飲用時の口当たりを良くすることができる。
[変形例]
本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
上記カール部3の形状は、上記図2に示したものに限られない。すなわち、上記カール部3において上記蓋材52が接着される側の面(接着面31)が、上記胴部1の半径方向における断面がアーチ状となるように形成され、かつ、上記カール部3の上記蓋材52の接着方向における厚みが最大となる位置Hmが、上記胴部1の半径方向における上記カール部3の幅を二分する位置Lcよりも外周側にある限り、どのような形状のカール部3も本発明に含まれる。
また、上記「アーチ状」とは、接着面31が全て曲面で形成されていることを示すものではなく、一部が平面や凹面で形成されている場合も含む。
上記実施形態においては、図4で説明したように、3つの異なる金型47,48,49を用いて3つの工程によりカール部3が成形された。しかし、カール部3の成形工程はこれに限られず、少なくとも上記金型48のような、圧縮面がアーチ状の金型による圧縮工程が少なくとも1回あれば、カール部3の成形が可能である。
上述の実施形態においては、胴部1と底部2とは異なるパーツとして製造されて胴部1に底部2が接着されることで紙コップ100が製造されていた。しかし、1枚の紙材から胴部と底部とが一体に形成されて紙コップ等の容器が製造されてもよく、この場合でもカール部は上述の実施形態と同様に成形され得る。
1…胴部
2…底部
3…カール部
4…サイドシーム部
31…接着面
32…折り返し部
47、48、49…金型
100…紙コップ
S…段差部
R…熱可塑性樹脂
2…底部
3…カール部
4…サイドシーム部
31…接着面
32…折り返し部
47、48、49…金型
100…紙コップ
S…段差部
R…熱可塑性樹脂
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂で被覆された紙材が接着されて形成されたサイドシーム部を側面に有し、蓋材がヒートシールにより接着されるカール部を一端に有する筒状の胴部と、
前記胴部の他端に形成された底部とを具備し、
前記カール部において前記蓋材が接着される側の面は、上記胴部の半径方向における断面がアーチ状に形成され、前記カール部の前記蓋材の接着方向における厚みが最大となる位置は、前記胴部の半径方向における前記カール部の幅を二分する位置よりも外周側にある
容器。 - 請求項1に記載の容器であって、
前記接着された蓋材が剥離された場合に前記熱可塑性樹脂により前記カール部に残留するバリは、前記胴部の外周面と内周面に平行かつそれらと同距離にある中間面よりも外周側に形成される
容器。 - 請求項1に記載の容器であって、
前記カール部において前記紙材は、少なくとも前記胴部の外周面と接する部分において融着により固定されている
容器。 - 請求項1に記載の容器であって、
前記カール部は曲面で形成され、前記カール部の前記厚みは、前記カール部の前記幅よりも小さい
容器。 - 熱可塑性樹脂で被覆された紙材を接着して側面にサイドシーム部を有する筒状の胴部を形成し、
前記胴部の一端に底部を形成し、
前記胴部の他端に断面が略円形のカール部を形成し、
前記カール部において蓋材が接着される側の面の前記胴部の半径方向における断面がアーチ状となり、前記カール部の前記蓋材の接着方向における厚みが最大となる位置が、前記胴部の半径方向における前記カール部の幅を二分する位置よりも外周側となるように、前記カール部を加熱圧縮する
容器製造方法。 - 請求項5に記載の容器製造方法であって、
前記加熱圧着するステップは、前記断面が略円形のカール部を、前記接着される側の面の前記胴部の半径方向における前記断面が前記アーチ状となるように、圧縮面がアーチ状の型で圧縮する
容器製造方法。
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