WO2015190114A1

WO2015190114A1 - 鞍乗型車両

Info

Publication number: WO2015190114A1
Application number: PCT/JP2015/002949
Authority: WO
Inventors: 武宏井上; 久保　裕; 池田　毅
Original assignee: ヤマハ発動機株式会社
Priority date: 2014-06-11
Filing date: 2015-06-11
Publication date: 2015-12-17
Also published as: BR112016002091B1; US20160221626A1; EP2998206A1; EP2998206A4; BR112016002091A2; EP2998206B1; US9868484B2

Abstract

　ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保すること。左光学レンズ体４５Ｌは、上端ＴＥがハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置され、下端ＢＥがロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置され、左端ＬＥが左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より右方に配置され、右端ＲＥが左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より左方に配置される。また、右光学レンズ体４５Ｒは、上端ＴＥがハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置され、下端ＢＥがロワーブラケット１５の下端より上方に配置され、右端ＲＥが右グリップ２４Ｒの左端より左方に配置され、左端ＬＥが右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より左方に配置される。

Description

鞍乗型車両

　本発明は、鞍乗型車両に関する。

　特許文献１には、車体フレームの前後方向の前方から見て、車体フレームの中央より左方に配置された２つの高指向型ライト部と、車体フレームの中央より右方に配置された２つの高指向型ライト部とを備えている鞍乗型車両が開示されている。

　高指向型ライト部は、各々指向性が高い光を出射する発光部と、発光部の光を屈折して配光を形成する光学レンズ部とを含む。また、光学レンズ部により形成された配光は、鞍乗型車両の主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を構成する。このような高指向型ライト部は、ケーシングに取り付けられ、ランプユニットを構成している。

　特許文献１に開示されている鞍乗型車両は、車体フレーム、左前輪支持装置、右前輪支持装置、アッパーブラケット、ロワーブラケットを備えている。左前輪支持装置は、車体フレームに支持される左上側部材と、前輪を支持し、左上側部材に対して上下方向に変位可能な左下側部材と、を含み、ステアリングシャフトより車体フレームの左右方向の左方に位置する。右前輪支持装置は、車体フレームに支持される右上側部材と、前輪を支持し、右上側部材に対して上下方向に変位可能な右下側部材と、を含み、ステアリングシャフトより車体フレームの左右方向の右方に位置する。また、４つの高指向型ライト部を含むランプユニットは、車体フレームの前後方向の前方から見て、左前輪支持装置、右前輪支持装置、アッパーブラケット、ロワーブラケットで囲まれる範囲の中に配置されている。

特開２０１３－１２９２８２号公報

　特許文献１に開示されている鞍乗型車両では、４つの高指向型ライト部を含むランプユニットは、ステアリングシャフトの前方に配置されている。また、ランプユニットは、車体フレームの前後方向の前方から見て、左前輪支持装置、右前輪支持装置、アッパーブラケット、ロワーブラケットで囲まれる範囲の中に配置されている。そのため、車体フレームの左右方向について非常にコンパクトな構成になっている。

　ところが、鞍乗型車両では、ステアリングシャフトとランプユニットとの間に、例えばブレーキホース、ワイヤーハーネス等の幾つかの部品が配置される。

　そのため、特許文献１に開示されている鞍乗型車両では、ランプユニットをステアリングシャフトから車体フレームの前後方向の前方に離した位置に設けている。その結果、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部が車体フレームの前後方向に大型化している。

　本発明の目的は、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる、鞍乗型車両を提供することである。

　本発明の一態様に係る鞍乗型車両（以下、態様１の鞍乗型車両とも呼ぶ）は、
　車体フレームと、
　１つの前輪部と、
　前記車体フレームに回転可能に支持されるステアリングシャフトと、
　中央部が前記ステアリングシャフトの上部に設けられるアッパーブラケットと、
　中央部が前記ステアリングシャフトの下部に設けられるロワーブラケットと、
　前記車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより左方に設けられ、前記アッパーブラケットの左部および前記ロワーブラケットの左部に支持される左上側部材と、前記前輪部を支持し、前記左上側部材に対して上下方向に変位可能な左下側部材と、を含み、前記ステアリングシャフトと一体的に回転する左前輪支持装置と、
　前記車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより右方に設けられ、前記アッパーブラケットの右部および前記ロワーブラケットの右部に支持される右上側部材と、前記前輪部を支持し、前記右上側部材に対して上下方向に変位可能な右下側部材と、を含み、前記ステアリングシャフトと一体的に回転する右前輪支持装置と、
　前記ステアリングシャフトの上部に設けられ、前記ステアリングシャフトと一体的に回転し、前記車体フレームの左右方向に長いハンドルと、
　前記ハンドルの左部に設けられる左グリップと、
　前記ハンドルの右部に設けられる右グリップと、
　指向性が高い光を出射する発光部と、前記発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有する高指向型ライト部を少なくとも１つ以上含み、前記車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより左方に設けられる左ライト群と、
　前記高指向型ライト部を少なくとも１つ以上含み、前記車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより右方に設けられる右ライト群と、
　を備え、
　前記左ライト群は、
　前記左ライト群に含まれる前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部からなる左光学レンズ体の上端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記ハンドルの下縁より前記車体フレームの上下方向の下方に配置され、
　前記左光学レンズ体の下端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記ロワーブラケットの下端部より前記車体フレームの上下方向の上方に配置され、
　前記左光学レンズ体の左端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左グリップの右端部より前記車体フレームの左右方向の右方に配置され、
　前記左光学レンズ体の右端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左前輪支持装置の右縁より前記車体フレームの左右方向の左方に配置され、
　前記左ライト群の少なくとも一部が、前記車体フレームの左右方向の左方から見て、前記左前輪支持装置の回転範囲と重なる位置に設けられ、
　前記右ライト群は、
　前記右ライト群に含まれる前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部からなる右光学レンズ体の上端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記ハンドルの下縁より前記車体フレームの上下方向の下方に配置され、
　前記右光学レンズ体の下端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記ロワーブラケットの下端部より前記車体フレームの上下方向の上方に配置され、
　前記右光学レンズ体の右端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右グリップの左端部より前記車体フレームの左右方向の左方に配置され、
　前記右光学レンズ体の左端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右前輪支持装置の左縁より前記車体フレームの左右方向の右方に配置され、
　前記右ライト群の少なくとも一部が、前記車体フレームの左右方向の右方から見て、前記右前輪支持装置の回転範囲と重なる位置に設けられている。

　前記態様１の鞍乗型車両によれば、高指向性ライト部は、各々指向性が高い光を出射する発光部と、発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有する。そのため、高指向性ライト部は、各々がコンパクトに構成されている。また、高指向性ライト部を少なくとも１つ以上含み、車体フレームの左右方向でステアリングシャフトより左方に設けられる左ライト群および高指向型ライト部を少なくとも１つ以上含み、車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより右方に設けられる右ライト群を有する。このように、コンパクトに構成された高指向性ライト部を含む左ライト群および右ライト群を、一体的なランプユニットとして配置するという技術思想ではなく、左右別々のランプユニットと捉えて配置するという技術思想を思いついた。

　車体フレーム、１つの前輪部、ステアリングシャフト、アッパーブラケット、ロワーブラケット、ステアリングシャフトと一体的に回転する左前輪支持装置および右前輪支持装置、車体フレームの左右方向に長いハンドル、左グリップ、右グリップを備えている鞍乗型車両において、別々のランプユニットと捉えて配置可能な場所を検討した。高指向性ライト部は、コンパクトに構成されているため、ステアリングシャフトと一体的に回転する左前輪支持装置の左方かつ左グリップより右方のスペース、および右前輪支持装置の右方かつ右グリップの左方のスペースに別々に配置可能であることに気がついた。また、高指向性ライト部は指向性が高い光を出射する発光部と、発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有するため、ステアリングシャフトと一体的に回転する左前輪支持装置の左方および右前輪支持装置の右方に別々に配置しても、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成することができることに気がついた。

　そこで、車体フレームの前後方向の前方から見て、左光学レンズ体の上端部をハンドルの下縁より車体フレームの上下方向の下方に配置し、左光学レンズ体の下端部をロワーブラケットの下端部より車体フレームの上下方向の上方に配置し、左光学レンズ体の左端部を左グリップの右端部より車体フレームの左右方向の右方に配置し、左光学レンズ体の右端部を左前輪支持装置の右縁より車体フレームの左右方向の左方に配置し、かつ、左ライト群の少なくとも一部を、車体フレームの左右方向の左方から見て、左前輪支持装置の回転範囲と重なる位置に設けた。また、車体フレームの前後方向の前方から見て、右光学レンズ体の上端部をハンドルの下縁より車体フレームの上下方向の下方に配置し、右光学レンズ体の下端部をロワーブラケットの下端部より車体フレームの上下方向の上方に配置し、右光学レンズ体の右端部を右グリップの左端部より車体フレームの左右方向の左方に配置し、右光学レンズ体の左端部を右前輪支持装置の左縁より車体フレームの左右方向の右方に配置し、かつ、右ライト群の少なくとも一部を、車体フレームの左右方向の右方から見て、右前輪支持装置の回転範囲と重なる位置に設けた。これにより、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　また、本発明では、以下の態様を採用してもよい。

　態様２の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅は、前記左前輪支持装置の左縁と前記左グリップの右端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さよりも短く、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅は、前記右前輪支持装置の右縁と前記右グリップの左端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さよりも短い。

　態様２によれば、車体フレームの前後方向の前方から見て、左ライト群の高指向型ライト部および右ライト群の高指向型ライト部は、車体フレームの左右方向でコンパクトに配置される。よって、態様２によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　態様３の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左光学レンズ体の左端部と前記左光学レンズ体の右端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さは、前記左前輪支持装置の左縁と前記左グリップの右端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さよりも短く、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右光学レンズ体の右端部と前記右光学レンズ体の左端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さは、前記右前輪支持装置の右縁と前記右グリップの左端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さよりも短い。

　態様３によれば、車体フレームの前後方向の前方から見て、左ライト群の複数の高指向型ライト部および右ライト群の複数の高指向型ライト部は、車体フレームの上下方向よりも車体フレームの左右方向にコンパクトに配置される。よって、態様３によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　態様４の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左光学レンズ体の少なくとも一部が、前記右光学レンズ体の上端部より前記車体フレームの上下方向の下方、かつ、前記右光学レンズ体の下端部より前記車体フレームの上下方向の上方にある。

　態様４によれば、左光学レンズ体と右光学レンズ体とが車体フレームの上下方向においてコンパクトに配置されるので、鞍上型車両が車体フレームの上下方向に大型化することがない。よって、態様４によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　態様５の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の少なくとも一部が、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の上端部より前記車体フレームの上下方向の下方、かつ、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の下端部より前記車体フレームの上下方向の上方にある。

　態様５によれば、車体フレームの前後方向の前方から見て、左ライト群の高指向型ライト部と右ライト群の高指向型ライト部とが、車体フレームの上下方向で同じ位置に配置されるか、左ライト群の高指向型ライト部が、車体フレームの上下方向で右ライト群の高指向型ライト部の光学レンズ部の上下方向の最大レンズ幅以上に異ならない範囲に配置されるか、または、右ライト群の高指向型ライト部が、車体フレームの上下方向で左ライト群の高指向型ライト部の光学レンズ部の上下方向の最大レンズ幅以上に異ならない範囲に配置される。よって、態様５によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　態様６の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記車体フレームの上下方向の上方から見て、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の少なくとも一部が、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前端部より前記車体フレームの前後方向の後方、かつ、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の後端部より前記車体フレームの前後方向の前方にある。

　態様６によれば、車体フレームの上下方向の上方から見て、左ライト群の高指向型ライト部と右ライト群の高指向型ライト部とが、車体フレームの前後方向で同じ位置に配置されるか、左ライト群の高指向型ライト部が、車体フレームの前後方向で右ライト群の高指向型ライト部の前後方向の長さ以上に異ならない範囲に配置されるか、右ライト群の高指向型ライト部が、車体フレームの前後方向で左ライト群の高指向型ライト部の前後方向の長さ以上に異ならない範囲に配置される。よって、態様６によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　態様７の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記車体フレームの上下方向で前記車体フレームの中央を通る直線を中央仮想線とした場合、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の中央から前記中央仮想線までの長さは、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の左端部から前記中央仮想線までの長さより大きく、かつ、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の右端部から前記中央仮想線までの長さより小さく、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の中央から前記中央仮想線までの長さは、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の右端部から前記中央仮想線までの長さより大きく、かつ、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の左端部から前記中央仮想線までの長さより小さい。

　態様７によれば、車体フレームの前後方向の前方から見て、左ライト群の高指向型ライト部は、車体フレームの左右方向で右ライト群の高指向型ライト部の光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅の１／２以上に異ならない範囲に配置されるか、右ライト群の高指向型ライト部Ｒは、車体フレームの左右方向で左ライト群の高指向型ライト部の光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅の１／２以上に異ならない範囲に配置される。よって、態様７によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　上述した態様５から７より、左ライト群の高指向型ライト部と右ライト群の高指向型ライト部とは、車体フレームの前後方向の前方および車体フレームの上下方向の上方から見て、左右対称に配置されるか、または、実質的に左右対称に配置される。

　態様８の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記左ライト群のうち少なくとも１つの前記高指向型ライト部は、前記左前輪支持装置に支持され、
　前記右ライト群のうち少なくとも１つの前記高指向型ライト部は、前記右前輪支持装置に支持される。

　態様８によれば、高指向型ライト部を取り付けるスペースを容易に確保できる。さらに、態様８によれば、高指向型ライト部の光学レンズ部から外部に照射される光と、左前輪支持装置、右前輪支持装置、または、ライダーの腕との干渉を抑制できる。よって、態様８によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　態様９の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記車体フレームの少なくとも左方を覆う左カバー部と、
　前記車体フレームの少なくとも右方を覆う右カバー部と、をさらに備え、
　前記左ライト群のうち少なくとも１つの前記高指向型ライト部は、前記左カバーに支持され、
　前記右ライト群のうち少なくとも１つの前記高指向型ライト部は、前記右カバーに支持される。

　態様９によれば、左カバーおよび右カバーを用いて高指向型ライト部を取り付けることで、高指向型ライト部の設計自由度を向上できる。さらに、態様９によれば、左ライト群およびに含まれる高指向型ライト部の各々が、左前輪支持装置の回転範囲および右前輪支持装置の回転範囲に配置され、その範囲よりも車体フレームの前後方向の前方または車体フレームの前後方向の後方に離れた配置にならないので、光学レンズ部から外部に照射された光と、左前輪支持装置または右前輪支持装置との干渉を抑制できる。よって、態様９によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　態様１０の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記左光学レンズ体の上端部と前記左光学レンズ体の下端部の前記車体フレームの上下方向の間の長さは、前記左光学レンズ体の左端部と前記左光学レンズ体の右端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さより長く、
　前記右光学レンズ体の上端部と前記右光学レンズ体の下端部の前記車体フレームの上下方向の間の長さは、前記右光学レンズ体の右端部と前記右光学レンズ体の左端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さより長い。

　態様１０によれば、左ライト群のうち、車体フレームの左右方向で最も左方に位置する高指向型ライト部と、車体フレームの左右方向で最も右方に位置する高指向型ライト部とが車体フレームの左右方向においてよりコンパクトに配置されるため、鞍乗型車両が車体フレームの左右方向に大型化することがない。また、右ライト群のうち、車体フレームの左右方向で最も右方に位置する高指向型ライト部と、車体フレームの左右方向で最も左方に位置する高指向型ライト部とが車体フレームの左右方向においてよりコンパクトに配置されるため、鞍乗型車両が車体フレームの左右方向に大型化することがない。よって、態様１０によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　態様１１の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記左ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる２つの前記高指向型ライト部を含み、かつ、前記右ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる２つの前記高指向型ライト部を含む、または、
　前記左ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる２つの前記高指向型ライト部を含み、かつ、前記右ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる２つの前記高指向型ライト部を含む。

　態様１１によれば、光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる２つの高指向型ライト部と、光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる２つの高指向型ライト部とを、車体フレームの左右方向に分けて配置することができる。よって、態様１１によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　態様１２の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記左ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる１つの前記高指向型ライト部と、前記光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる１つの前記高指向型ライト部とを含み、かつ、前記右ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる１つの前記高指向型ライト部と、前記光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる１つの前記高指向型ライト部とを含む。

　態様１２によれば、光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる１つの高指向型ライト部と、光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる１つの高指向型ライト部とを、車体フレームの左右方向にそれぞれ配置することができる。よって、態様１２によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　態様１３の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左前輪支持装置の右縁と前記右前輪支持装置の左縁との間、かつ、前記アッパーブラケットの下端部と前記ロワーブラケットの上端部との間の領域の少なくとも一部の車体フレームの前後方向の前方を覆う前面カバーをさらに備える。

　態様１３によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方に確保したスペースの車体フレームの前後方向の前方を覆うことができる。

　態様１４の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記高指向型ライト部以外の電気電子部品、スロットルワイヤー、ブレーキワイヤー、ブレーキホース、クラッチワイヤー、ワイヤーハーネス、キーシリンダー、の少なくとも一部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左ライト群のうち前記車体フレームの上下方向に位置する複数の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の各々の右端部を通る左仮想線と、前記右ライト群のうち前記車体フレームの上下方向に位置する複数の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の各々の左端部を通る右仮想線との間、かつ、
　前記車体フレームの上下方向の上方から見て、前記左ライト群および前記右ライト群の前端より前記車体フレームの前後方向の後方、かつ、前記左ライト群および前記右ライト群の後端より前記車体フレームの前後方向の前方に、配置されている。

　態様１５の鞍乗型車両は、態様１の鞍乗型車両において、
　前記高指向型ライト部は、
　１つの前記発光部と、１つの前記光学レンズ部とを含むモジュールである。

　態様１５によれば、１つの発光部と１つの光学レンズ部とがモジュール化されることで、車体への組み付けが容易になり、高指向型ライト部をコンパクトに配置できる。よって、態様１５によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　本発明によれば、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

本発明の実施の形態１に係る鞍乗型車両を示す側面図本発明の実施の形態１に係る鞍乗型車両の正面図本発明の実施の形態１に係る鞍乗型車両の平面図本発明の実施の形態１に係る左前輪支持装置および右前輪支持装置を示す正面図本発明の実施の形態１に係るアッパーブラケットおよびロワーブラケットを示す正面図本発明の実施の形態１に係る左方高指向型ライト部の各例を示す側面図本発明の実施の形態１に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部の前面視配置条件を説明する図本発明の実施の形態１に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部の前面視配置条件の別の例を説明する図本発明の実施の形態１に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部のレンズ幅条件を説明する図本発明の実施の形態１に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部のレンズ幅条件の別の例を説明する図本発明の実施の形態１に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部の上下方向対称条件の各例を説明する図本発明の実施の形態１に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部の前後方向対称条件の各例を説明する図本発明の実施の形態１に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部の左右方向対称条件を説明する図本発明の実施の形態１に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部の側面視配置条件を説明する図本発明の実施の形態１に係るスペースを説明する図本発明の実施の形態１の変形例に係る鞍乗型車両を示す側面図本発明の実施の形態１の変形例に係る鞍乗型車両を示す平面図本発明の実施の形態１の変形例に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部の左右長さ条件を説明する図本発明の実施の形態１の変形例に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部の上下左右長さ条件を説明する図本発明の実施の形態１の変形例に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部のライト種別条件を説明する図本発明の実施の形態１の変形例に係るスペースを説明する図本発明の実施の形態２に係る鞍乗型車両を示す側面図本発明の実施の形態２に係る鞍乗型車両の正面図本発明の実施の形態２に係る鞍乗型車両の平面図本発明の実施の形態２に係る左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部の側面視配置条件を説明する図本発明の実施の形態２の変形例１に係る鞍乗型車両を示す側面図本発明の実施の形態２の変形例１に係る鞍乗型車両を示す正面図本発明の実施の形態２の変形例１に係る鞍乗型車両を示す平面図本発明の実施の形態２の変形例２に係る鞍乗型車両を示す側面図本発明の実施の形態２の変形例２に係る鞍乗型車両を示す正面図本発明の実施の形態２の変形例２に係る鞍乗型車両を示す平面図本発明の実施の形態３に係る鞍乗型車両を示す側面図本発明の実施の形態３に係る鞍乗型車両の正面図本発明の実施の形態３に係る鞍乗型車両の平面図本発明の実施の形態３の変形例に係る鞍乗型車両を示す側面図本発明の実施の形態３の変形例に係る鞍乗型車両を示す正面図本発明の実施の形態３の変形例に係る鞍乗型車両を示す平面図本発明の実施の形態４に係る鞍乗型車両を示す側面図本発明の実施の形態４に係る鞍乗型車両の正面図本発明の実施の形態４に係る鞍乗型車両の平面図本発明の実施の形態４の変形例１に係る鞍乗型車両を示す側面図本発明の実施の形態４の変形例１に係る鞍乗型車両を示す正面図本発明の実施の形態４の変形例１に係る鞍乗型車両を示す平面図本発明の実施の形態４の変形例２に係る鞍乗型車両を示す側面図本発明の実施の形態４の変形例２に係る鞍乗型車両を示す正面図本発明の実施の形態４の変形例２に係る鞍乗型車両を示す平面図

　以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。

　＜方向についての定義＞
　以下、各図中に記す矢印を以下のとおり定義する。矢印Ｆは、鞍乗型車両の車体フレームの前後方向の前方向を示す。矢印Ｂは、鞍乗型車両の車体フレームの前後方向の後方向を示す。矢印Ｕは、鞍乗型車両の車体フレームの上下方向の上方向を示す。矢印Ｄは、鞍乗型車両の車体フレームの上下方向の下方向を示す。矢印Ｒは、鞍乗型車両の車体フレームの左右方向の右方向を示す。矢印Ｌは、鞍乗型車両の車体フレームの左右方向の左方向を示す。

　（実施の形態１）
　本発明の実施の形態１に係る鞍乗型車両１について説明する。

　図１は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１の側面図である。図２は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１の正面図である。図３は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１の平面図である。

　図１に示すように、鞍乗型車両１は、車体フレーム２、燃料タンク３、シート４、パワーユニット５を備える。パワーユニット５は、エンジン部、クランク部、ミッション部を備える。鞍乗型車両１は、ネイキッドタイプの鞍乗型車両である。

　車体フレーム２は、ヘッドパイプ６と、本体フレーム７とを含む。本体フレーム７は、ヘッドパイプ６に接続されており、ヘッドパイプ６の後方に配置されている。

　燃料タンク３は、ヘッドパイプ６の後方に配置されている。燃料タンク３は、本体フレーム７の上方に配置されている。シート４は、燃料タンク３の後方に配置されている。シート４は、本体フレーム７の上方に配置されている。パワーユニット５は、燃料タンク３の下方に配置されている。パワーユニット５は、本体フレーム７に支持されている。

　また、図１から図３に示すように、鞍乗型車両１は、ステアリングシャフト８、左カバー部９Ｌ、右カバー部９Ｒ、後輪１０、前輪１１、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、ロワーブラケット１５、アッパーブラケット１６、前面カバー１７、左ランプユニット１８Ｌ、右ランプユニット１８Ｒ、ハンドル２３を備える。以下、これら各部について説明する。

　ステアリングシャフト８は、車体フレーム２に回転可能に支持されている。例えば、ステアリングシャフト８は、ヘッドパイプ６の孔に挿通され、ヘッドパイプ６の中心軸線周りに回転する。

　左カバー部９Ｌは、車体フレーム２の少なくとも左方を覆っている。また、右カバー部９Ｒは、車体フレーム２の少なくとも右方を覆っている。

　左前輪支持装置１２Ｌは、前輪１１の車体フレームの左右方向の左方に配置される。右前輪支持装置１２Ｒは、前輪１１の車体フレームの左右方向の右方に配置される。左前輪支持装置１２Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒは、左右に対をなして配置され、前輪１１を回転可能に支持し、ステアリングシャフト８と一体的に回転する。図１において、ＴＲは、左前輪支持装置１２Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒの回転範囲を示している。回転範囲の詳細は図１４を用いて後述する。

　また、左前輪支持装置１２Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒは、前輪１１の上方を覆うフェンダー２５を固定して支持している。図４は、左前輪支持装置１２Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒを示す正面図である。

　図４に示すように、左前輪支持装置１２Ｌは、車体フレーム２の左右方向でステアリングシャフト８より左方に位置する。左前輪支持装置１２Ｌは、例えば、アッパーブラケット１６の左部およびロワーブラケット１５の左部に支持される左上側部材１４Ｌと、前輪１１を支持し、左上側部材１４Ｌに対して上下方向に変位可能な左下側部材１３Ｌと、を含む。

　また、図４に示すように、右前輪支持装置１２Ｒは、車体フレーム２の左右方向でステアリングシャフト８より右方に位置する。右前輪支持装置１２Ｒは、例えば、アッパーブラケット１６の右部およびロワーブラケット１５の右部に支持される右上側部材１４Ｒと、前輪１１を支持し、右上側部材１４Ｒに対して上下方向に変位可能な右下側部材１３Ｒと、を含む。

　左前輪支持装置１２Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒは、ともに、バネおよびダンパーを内部に備えてもよい。または、左前輪支持装置１２Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒのうち、一方がバネを備え、もう一方がダンパーを備えてもよい。または、左前輪支持装置１２Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒのうち、一方がバネおよびダンパーを備え、もう一方がバネおよびダンパーのいずれも備えなくてもよい。

　ロワーブラケット１５およびアッパーブラケット１６は、ステアリングシャフト８、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒと接続される。図５は、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、ロワーブラケット１５、およびアッパーブラケット１６を示す正面図である。

　図５に示すように、ロワーブラケット１５は、左部が左前輪支持装置１２Ｌの左上側部材１４Ｌの下部と接続され、右部が右前輪支持装置１２Ｒの右上側部材１４Ｒの下部と接続され、中央部がステアリングシャフト８の下部に設けられる。また、ロワーブラケット１５は、ロワーブラケット１５を構成する側面のうち車体フレーム２の前後方向の前方を向くロワーブラケット前面Ｆ１を有する。図５中の仮想線Ｌａは、ロワーブラケット前面Ｆ１の上端を通る線である。また、ロワーブラケット１５は、ロワーブラケット１５を構成する側面のうち車体フレーム２の前後方向の後方を向くロワーブラケット後面（図示略）を有する。図５中の仮想線Ｌｃは、ロワーブラケット後面の下端を通る線である。

　また、図５に示すように、アッパーブラケット１６は、左部が左前輪支持装置１２Ｌの左上側部材１４Ｌの上部と接続され、右部が右前輪支持装置１２Ｒの右上側部材１４Ｒの上部と接続され、中央部がステアリングシャフト８の上部に設けられる。また、アッパーブラケット１６は、アッパーブラケット１６を構成する側面のうち車体フレーム２の前後方向の前方を向くアッパーブラケット前面Ｆ２を有する。図５中の仮想線Ｌｂは、アッパーブラケット前面Ｆ１の下端を通る線である。

　なお、図５において、Ｂ１は、左前輪支持装置１２Ｌの右縁を示し、Ｂ２は、右前輪支持装置１２Ｒの左縁を示している。

　前面カバー１７は、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１と右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２との間、かつ、アッパーブラケット前面Ｆ２の下端（仮想線Ｌｂ）とロワーブラケット前面Ｆ１の上端（仮想線Ｌａ）との間の領域の少なくとも一部を覆う。なお、図１から図３では、前面カバー１７が鞍乗型車両１に装着された例を示したが、前面カバー１７は鞍乗型車両１に装着されていなくてもよい。

　ハンドル２３は、車体フレーム２の左右方向に長い長尺部材からなり、ライダーによる操舵に応じてステアリングシャフト８と一体的に回転する。図２、図３に示すように、ハンドル２３は、アッパーブラケット１６の上方に配置されたハンドルホルダ２７に固定される。また、ハンドル２３は、ハンドル２３の左部に配置され、ライダーが握る左グリップ２４Ｌと、ハンドル２３の右部に配置され、ライダーが握る右グリップ２４Ｒを含む。なお、ハンドル２３は、１つの部材で構成されていてもよいし、右ハンドル部材と左ハンドル部材で構成されていてもよいし、その他の構成であってもよい。

　左ランプユニット１８Ｌは、車体フレーム２の左右方向で左前輪支持装置１２Ｌより左方に位置し、左前輪支持装置１２Ｌに固定して支持されている。左ランプユニット１８Ｌは、ケーシング内に左方高指向型ライト部１９Ｌを備える。高指向型ライト部とは、指向性が高い光を出射し、その光を屈折させて配光を形成し、その配光が主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光となるライト部である。左方高指向型ライト部１９Ｌは、例えば、光学レンズ部２０Ｌおよび筐体２１Ｌを含む。

　右ランプユニット１８Ｒは、車体フレーム２の左右方向で右前輪支持装置１２Ｒより右方に位置し、右前輪支持装置１２Ｒに固定して支持されている。右ランプユニット１８Ｒは、ケーシング内に右方高指向型ライト部１９Ｒを備える。右方高指向型ライト部１９Ｒは、例えば、光学レンズ部２０Ｒおよび筐体２１Ｒを含む。

　左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒを含むライト群から外部に照射された光は、主ビームおよびすれ違いビームを構成する。

　本明細書では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、車体フレーム２の左右方向でステアリングシャフト８より左方に設けられる高指向型ライト部を「左方高指向型ライト部」という。また、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、車体フレーム２の左右方向でステアリングシャフト８より右方に設けられる高指向型ライト部を「右方高指向型ライト部」という。なお、１つまたは複数の左方高指向型ライト部は、「左ライト群」ということができる。また、１つまたは複数の右方高指向型ライト部は、「右ライト群」ということができる。また、左ライト群と右ライト群をまとめて「ライト群」ということができる。

　主ビームとは、暗闇でも鞍乗型車両１が走行できるように前方を照らす前照灯の照明のうち、左ランプユニット１８Ｌまたは右ランプユニット１８Ｒの中央と同じ高さ以上の領域にも光を照射するビームを言う。また、すれ違いビームとは、暗闇でも鞍乗型車両１が走行できるように前方を照らす前照灯の照明のうち、対向車が眩しくないように、左ランプユニット１８Ｌまたは右ランプユニット１８Ｒの中央と同じ高さ以上へ照射される光を抑制したビームを言う。

　ここで、図６Ａから図６Ｃを用いて、高指向型ライト部の構成例について詳細に説明する。ここでは例として、左方高指向型ライト部１９Ｌについて説明する。図６Ａから図６Ｃは、左方高指向型ライト部１９Ｌの側面図である。図６Ａから図６Ｃに示す左方高指向型ライト部１９Ｌは、指向性が高い光を出射する発光部５１と、発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部２０Ｌとを含む。

　なお、光学レンズ部２０Ｌと発光部５１とは、モジュール化されていてもよいし、モジュール化されていなくてもよい。モジュールとは、ひとまとまりに交換可能な構成部品を意味する。発光部５１と光学レンズ部２０Ｌとがモジュール化されることで、鞍乗型車両１の車体への組み付けが容易になる。

　図６Ａに示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌは、筐体２１Ｌの後方に基板５０を備える。基板５０の筐体２１Ｌ内部側の面には、発光部５１が配置され、基板５０の筐体２１Ｌ外部側の面には、ヒートシンク５２が配置される。

　図６Ａにおいて、発光部５１は、例えば、ＬＥＤ（light emitting diode）であり、指向性が高い光を出射する。光学レンズ部２０Ｌは、発光部５１の光を屈折して配光を形成する。光学レンズ部２０Ｌにより形成された配光は、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる。

　上述した図６Ａの構成以外に、左方高指向型ライト部１９Ｌは、図６Ｂまたは図６Ｃに示す構成であってもよい。図６Ｂに示す構成では、基板５０が光ファイバー５３の一端である発光部５１を保持している。光ファイバー５３の他端には光源５４が接続されている。光源５４は、例えば、半導体レーザである。また、図６Ｃに示す構成では、基板５０、発光部５１（例えば、ＬＥＤ）、ヒートシンク５２が筐体２１Ｌの側面に配置されている。また、筐体２１Ｌ内には、発光部５１の光を反射する反射鏡５５が配置されている。

　以上、例として左方高指向型ライト部１９Ｌの構成について詳細に説明したが、左方高指向型ライト部２９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｌ、および右方高指向型ライト部２９Ｒも上記同様に図６Ａから図６Ｃの構成のいずれかを採る。

　なお、図１から図３および後述する各図（例えば、図１２、図１４から図１７、図２１、図２２、図２４から図２６、図２８、図３０、図３２、図３４、図３６）では、基板５０、発光部５１、ヒートシンク５２などの図示を省略している。

　＜高指向型ライト部の必要条件＞
　左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの各必要条件について、以下に説明する。

　［前面視配置条件］
　まず、図７を用いて、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの前面視配置条件について説明する。

　前面視配置条件とは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに、左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部が車体フレーム２の上下方向および車体フレーム２の左右方向においてどの位置に配置されるかを示す条件である。

　図７は、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの前面視配置条件を説明する図である。

　図７に示す仮想線Ｌ１、Ｌ６、Ｌ７の定義は、以下の通りである。仮想線Ｌ１は、車体フレーム２の中央を上下方向に通る線である。仮想線Ｌ６は、左グリップ２４Ｌの右端を通る線である。仮想線Ｌ７は、右グリップ２４Ｒの左端を通る線である。また、図７において、Ｂ３は、ハンドル２３の下縁を示している。

　図７に示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌと、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒとは、仮想線Ｌ１に重ならないように配置されている。左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌは、仮想線Ｌ１より車体フレーム２の左右方向の左方にある。すなわち、左方高指向型ライト部１９Ｌは、車体フレーム２の左右方向でステアリングシャフト８の左方にある。右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒは、仮想線Ｌ１より車体フレーム２の左右方向の右方にある。すなわち、右方高指向型ライト部１９Ｒは、車体フレーム２の左右方向でステアリングシャフト８の右方にある。

　また、本明細書では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左ライト群に含まれる左方高指向型ライト部の光学レンズ部の集まりを「左光学レンズ体」と呼ぶ。すなわち、左光学レンズ体は、左ライト群に含まれる左方高指向型ライト部の光学レンズ部からなる。左光学レンズ体の上端は、左ライト群に含まれる左方高指向型ライト部のうち車体フレーム２の上下方向で最も上方にある左方高指向型ライト部の光学レンズ部の上端となる。左光学レンズ体の下端は、左ライト群に含まれる左方高指向型ライト部のうち車体フレーム２の上下方向で最も下方にある左方高指向型ライト部の光学レンズ部の下端となる。左光学レンズ体の左端は、左ライト群に含まれる左方高指向型ライト部のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方にある左方高指向型ライト部の光学レンズ部の左端となる。左光学レンズ体の右端は、左ライト群に含まれる左方高指向型ライト部のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方にある左方高指向型ライト部の光学レンズ部の右端となる。

　図７では、左ライト群に含まれる左方高指向型ライト部は左方高指向型ライト部１９Ｌだけであるので、左光学レンズ体４５Ｌは光学レンズ部２０Ｌとなる。左光学レンズ体４５Ｌの上端は、光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥとなる。左光学レンズ体４５Ｌの下端は、光学レンズ部２０Ｌの下端ＢＥとなる。左光学レンズ体４５Ｌの左端は、光学レンズ部２０Ｌの左端ＬＥとなる。左光学レンズ体４５Ｌの右端は、光学レンズ部２０Ｌの右端ＲＥとなる。

　また、本明細書では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右ライト群に含まれる右方高指向型ライト部の光学レンズ部の集まりを「右光学レンズ体」と呼ぶ。すなわち、右光学レンズ体は、右ライト群に含まれる右方高指向型ライト部の光学レンズ部からなる。右光学レンズ体の上端は、右ライト群に含まれる右方高指向型ライト部のうち車体フレーム２の上下方向で最も上方にある右方高指向型ライト部の光学レンズ部の上端となる。右光学レンズ体の下端は、右ライト群に含まれる右方高指向型ライト部のうち車体フレーム２の上下方向で最も下方にある右方高指向型ライト部の光学レンズ部の下端となる。右光学レンズ体の左端は、右ライト群に含まれる右方高指向型ライト部のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方にある右方高指向型ライト部の光学レンズ部の左端となる。右光学レンズ体の右端は、右ライト群に含まれる右方高指向型ライト部のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方にある右方高指向型ライト部の光学レンズ部の右端となる。

　図７では、右ライト群に含まれる右方高指向型ライト部は右方高指向型ライト部１９Ｒだけであるので、右光学レンズ体４５Ｒは光学レンズ部２０Ｒとなる。右光学レンズ体４５Ｒの上端は、光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥとなる。右光学レンズ体４５Ｒの下端は、光学レンズ部２０Ｒの下端ＢＥとなる。右光学レンズ体４５Ｒの左端は、光学レンズ部２０Ｒの左端ＬＥとなる。右光学レンズ体４５Ｒの右端は、光学レンズ部２０Ｒの右端ＲＥとなる。

　図７に示すように、光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥは、ハンドル２３の下縁Ｂ３より車体フレーム２の上下方向の下方にある。また、光学レンズ部２０Ｌの下端ＢＥは、ロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より車体フレーム２の上下方向の上方にある。また、光学レンズ部２０Ｌの左端ＬＥは、左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より車体フレーム２の左右方向の右方にある。また、光学レンズ部２０Ｌの右端ＲＥは、左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より車体フレーム２の左右方向の左方にある。

　すなわち、図７では、左光学レンズ体４５Ｌの上端が、ハンドル２３の下縁Ｂ３より車体フレーム２の上下方向の下方に配置され、左光学レンズ体４５Ｌの下端が、ロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より車体フレーム２の上下方向の上方に配置されている。また、左光学レンズ体４５Ｌの左端が、左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より車体フレーム２の左右方向の右方に配置され、左光学レンズ体４５Ｌの右端が、左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より車体フレーム２の左右方向の左方に配置されている。

　また、図７に示すように、光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥは、ハンドル２３の下縁Ｂ３より車体フレーム２の上下方向の下方にある。また、光学レンズ部２０Ｒの下端ＢＥは、ロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より車体フレーム２の上下方向の上方にある。また、光学レンズ部２０Ｒの右端ＲＥは、右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より車体フレーム２の左右方向の左方にある。また、光学レンズ部２０Ｒの左端ＬＥは、右前輪支持装置の左縁Ｂ２より車体フレーム２の左右方向の右方にある。

　すなわち、図７では、右光学レンズ体４５Ｒの上端が、ハンドル２３の下縁Ｂ３より車体フレーム２の上下方向の下方に配置され、右光学レンズ体４５Ｒの下端が、ロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より車体フレーム２の上下方向の上方に配置されている。また、右光学レンズ体４５Ｒの右端が、右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より車体フレーム２の左右方向の左方に配置され、右光学レンズ体４５Ｒの左端が、右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より車体フレーム２の左右方向の右方に配置されている。

　上記前面視配置条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌと右方高指向型ライト部１９Ｒとが、車体フレーム２の左右方向に間隔を開けて配置される。

　また、上記前面視配置条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒは、車体フレーム２の上下方向において、ハンドル２３の下縁とロワーブラケットの下端とに挟まれた範囲に配置される。

　また、上記前面視配置条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒは、車体フレーム２の左右方向において、左グリップ２４Ｌの右端と右グリップ２４Ｒの左端とに挟まれた範囲に配置される。

　なお、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの配置は、図７に示す配置に限定されない。左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの別の配置例を図８に示す。なお、図８では、左ランプユニットのケーシングと右ランプユニットのケーシングの図示を省略している。

　図８において、光学レンズ部２０Ｌａ、２０Ｌｂ、２０Ｌｃ、２０Ｌｄはいずれも、上記前面視配置条件を満たしている。左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌは、図８に示す光学レンズ部２０Ｌａ、２０Ｌｂ、２０Ｌｃ、２０Ｌｃのいずれかの配置であってもよい。また、図８において、光学レンズ部２０Ｒａ、２０Ｒｂ、２０Ｒｃ、２０Ｒｄはいずれも、上記前面視配置条件を満たしている。右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒは、図８に示す光学レンズ部２０Ｒａ、２０Ｒｂ、２０Ｒｃ、２０Ｒｃのいずれかの配置であってもよい。

　［側面視配置条件］
　次に、図１４を用いて、車体フレーム２の左右方向から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの側面視配置条件について説明する。

　側面視配置条件とは、車体フレーム２の左右方向の左方または右方から見たときに、左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部が車体フレーム２の前後方向においてどの位置に配置されるかを示す条件である。

　図１４Ａから図１４Ｃは、車体フレーム２の左右方向の左方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの側面視配置条件を説明する図である。図１４Ａから図１４Ｃにおいて、ＴＲは、図１と同様、左前輪支持装置１２Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒの回転範囲（以下、回転範囲ＴＲという）を示す。

　図１４Ａは、後輪１０が直立した状態においてハンドル２３が極限まで左操舵されたとき（左方向への操舵角が最大値のとき）の鞍乗型車両１の前方を車体フレーム２の左右方向の左方から見た状態を示す図である。なお、本明細書において「後輪１０が直立した状態」とは、ライダーが鞍乗型車両１に搭乗しておらず、かつ、燃料タンク３の燃料が空のときに、後輪１０が接地面に垂直である状態をいう。

　図１４Ａに示すように、ハンドル２３が極限まで左操舵された場合、ハンドル２３、前輪１１、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、ロワーブラケット１５、アッパーブラケット１６は、左回転した状態となる。また、左ランプユニット１８Ｌは左前輪支持装置１２Ｌに固定して支持されており、右ランプユニット１８Ｒは右前輪支持装置１２Ｒに固定して支持されているため、左ランプユニット１８Ｌおよび右ランプユニット１８Ｒも、図１４Ａに示すように、左回転した状態となる。このとき、左ランプユニット１８Ｌ内の左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右ランプユニット１８Ｒ内の右方高指向型ライト部１９Ｒはいずれも、回転範囲ＴＲに重ならない。

　図１４Ｂは、後輪１０が直立した状態においてハンドル２３が操舵されていないとき（操舵角が０°のとき）の鞍乗型車両１の前方を車体フレーム２の左右方向の左方から見た状態を示す図である。

　図１４Ｂに示すように、ハンドル２３が操舵されていない場合、左ランプユニット１８Ｌ内の左方高指向型ライト部１９Ｌは、回転範囲ＴＲに重なる。なお、図示は省略するが、図１４Ｂに示すハンドル２３が操舵されていない場合において、右ランプユニット１８Ｒ内の右方高指向型ライト部１９Ｒも、回転範囲ＴＲに重なる。

　図１４Ｃは、後輪１０が直立した状態においてハンドル２３が極限まで右操舵されたとき（右方向への操舵角が最大値のとき）の鞍乗型車両１の前方を車体フレーム２の左右方向の左方から見た状態を示す図である。

　図１４Ｃに示すように、ハンドル２３が極限まで右操舵された場合、ハンドル２３、前輪１１、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、ロワーブラケット１５、アッパーブラケット１６は、右回転した状態となる。また、左ランプユニット１８Ｌは左前輪支持装置１２Ｌに固定して支持されており、右ランプユニット１８Ｒは右前輪支持装置１２Ｒに固定して支持されているため、左ランプユニット１８Ｌおよび右ランプユニット１８Ｒも、図１４Ｃに示すように、右回転した状態となる。このとき、左ランプユニット１８Ｌ内の左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右ランプユニット１８Ｒ内の右方高指向型ライト部１９Ｒはいずれも、回転範囲ＴＲに重ならない。

　このように、左方高指向型ライト部１９Ｌは、車体フレーム２の左右方向の左方から見て、回転範囲ＴＲと重なる位置に設けられ、右方高指向型ライト部１９Ｒは、車体フレーム２の左右方向の右方から見て、回転範囲ＴＲと重なる位置に設けられている。

　上記側面視配置条件により、左前輪支持装置１２Ｌに支持された左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒに支持された右方高指向型ライト部１９Ｒは、回転範囲ＴＲよりも車体フレーム２の前後方向の前方または車体フレーム２の前後方向の後方に離れた位置に配置されない。

　なお、図１４Ｂでは、左方高指向型ライト部１９Ｌの全体および右方高指向型ライト部１９Ｒの全体が回転範囲ＴＲと重なる配置例としたが、図１４Ｂにおいて、左方高指向型ライト部１９Ｌの少なくとも一部（例えば、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥまたは後端ＢＡＥ）および／または右方高指向型ライト部１９Ｒの少なくとも一部（例えば、右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥまたは後端ＢＡＥ）が回転範囲ＴＲと重なる配置としてもよい。

　＜必要条件による作用効果＞
　以上説明したように、本実施の形態の鞍乗型車両１では、前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒを配置した。すなわち、本実施の形態の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左光学レンズ体４５Ｌの上端をハンドル２３の下縁Ｂ３より車体フレーム２の上下方向の下方に配置し、左光学レンズ体４５Ｌの下端をロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より車体フレーム２の上下方向の上方に配置し、左光学レンズ体４５Ｌの左端を左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より車体フレーム２の左右方向の右方に配置し、左光学レンズ体４５Ｌの右端を左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より車体フレーム２の左右方向の左方に配置した。また、本実施の形態の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右光学レンズ体４５Ｒの上端をハンドル２３の下縁Ｂ３より車体フレーム２の上下方向の下方に配置し、右光学レンズ体４５Ｒの下端をロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より車体フレーム２の上下方向の上方に配置し、右光学レンズ体４５Ｒの右端を右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より車体フレーム２の左右方向の左方に配置し、右光学レンズ体４５Ｒの左端を右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より車体フレーム２の左右方向の右方に配置した。

　また、本実施の形態の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌの少なくとも一部を、車体フレーム２の左右方向の左方から見て、左前輪支持装置１２Ｌの回転範囲Ｒと重なる位置に設け、右方高指向型ライト部１９Ｒの少なくとも一部を、車体フレーム２の左右方向の右方から見て、右前輪支持装置１２Ｒの回転範囲ＴＲと重なる位置に設けた。

　よって、本実施の形態の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒが、車体フレーム２の左右方向に間隔を空けて配置され、車体フレーム２の左右方向において左グリップ２４Ｌの右端と右グリップ２４Ｒの左端とに挟まれた範囲に配置される。

　また、本実施の形態の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒが、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、アッパーブラケット１６、ロワーブラケット１５に囲まれた範囲に配置されないので、車体の中央にスペースを空けることができる。

　さらに、本実施の形態の鞍乗型車両１では、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒが、回転範囲ＴＲより車体フレーム２の前後方向の前方に配置されないので、ボデー部の前後方向の大型化を抑制できる。

　従って、本実施の形態の鞍乗型車両１によれば、指向性が高い光を出射する発光部と、前記発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有する高指向型ライト部を備えつつ、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　なお、本実施の形態の鞍乗型車両１では、上記前面視配置条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒが、車体フレーム２の上下方向において、ハンドル２３の下縁Ｂ３とロワーブラケット１５の上端（仮想線Ｌｃ）とに挟まれた範囲に配置されるので、主ビームまたはすれ違いビームを構成する光と、フェンダー２５との干渉を抑制できる。

　＜スペースの活用例＞
　ここで、上記スペースの例について、図１５を用いて説明する。図１５Ａから図１５Ｄは、スペースの例を説明する図である。

　まず、車体フレーム２の左右方向におけるスペースの範囲について、図１５Ａを用いて説明する。図１５Ａは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときを示す。なお、図１５Ａでは、左ランプユニット１８Ｌのケーシングと右ランプユニット１８Ｒのケーシングの図示を省略している。

　図１５Ａにおいて、仮想線Ｌ２０は、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの右端ＲＥを通り、車体フレーム２の上下方向に延びる線である。また、仮想線Ｌ２１は、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの左端ＬＥを通り、車体フレーム２の上下方向に延びる線である。なお、ここでは例として、仮想線Ｌ２０、Ｌ２１は、車体フレーム２の上下方向に延びる線としたが、これに限定されない。例えば、仮想線Ｌ２０は、光学レンズ部２０Ｌの右端ＲＥを通る線以外の直線または曲線であってもよい。同様に、例えば、仮想線Ｌ２１は、光学レンズ部２０Ｒの左端ＬＥを通る線以外の直線または曲線であってもよい。

　図１５Ａにおいて、車体フレーム２の左右方向におけるスペースの範囲は、仮想線Ｌ２０と仮想線Ｌ２１との間となる。

　次に、車体フレーム２の前後方向におけるスペースの範囲について、図１５Ｂを用いて説明する。図１５Ｂは、車体フレーム２の上下方向の上方から見たときを示す。図１５Ｂにおいて、仮想線Ｌ２２は、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥを通る線である。仮想線Ｌ２３は、左方高指向型ライト部１９Ｌの後端ＢＡＥおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの後端ＢＡＥを通る線である。仮想線Ｌ２４は、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの左端ＬＥを通る線である。仮想線Ｌ２５は、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの右端ＲＥを通る線である。仮想線Ｌ２４と仮想線Ｌ２５との間の長さは、図１５Ａに示す仮想線Ｌ２１と仮想線Ｌ２０との間の長さと等しい。

　なお、本明細書において、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥとは、例えば、光学レンズ部２０Ｌの前端である。また、本明細書において、右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥとは、例えば、光学レンズ部２０Ｒの前端である。また、本明細書において、左方高指向型ライト部１９Ｌの後端ＢＡＥとは、例えば、筐体２１Ｌ、基板５０（図６参照）、または、ヒートシンク５２（図６参照）のいずれかの後端である。また、本明細書において、右高指向型ライト部１９Ｒの後端ＢＡＥとは、例えば、筐体２１Ｒ、基板５０（図６参照）、または、ヒートシンク５２（図６参照）のいずれかの後端である。

　図１５Ｂにおいて、車体フレーム２の前後方向におけるスペースの範囲は、仮想線Ｌ２２と仮想線Ｌ２３との間となる。

　このように、車体フレーム２の左右方向における仮想線Ｌ２０と仮想線Ｌ２１との間（換言すれば、仮想線Ｌ２５と仮想線Ｌ２４との間）、かつ、車体フレーム２前後方向における仮想線Ｌ２２と仮想線Ｌ２３との間に、図１５Ｂに示すスペースＳ１が確保される。

　このスペースＳ１には、図１５Ｂに示すように、部品６０、部品６１の全体が配置されたり、または、部品６２、部品６３の一部が配置されたりする。部品６０は、部品６２は、例えば、高指向型ライト部とは異なる電気電子部品、または、キーシリンダーなどである。高指向型ライト部とは異なる電気電子部品は、例えば、ＥＣＵ（Engine Control Unit）、ＥＣＵ（Electronic Control Unit）、モータを含み油圧ブレーキの液圧を制御するハンドルユニット（液圧ユニット）、ＧＰＳ（Global Positioning System）ユニット、ＥＴＣ（Electronic Toll Collection System）ユニット、ＥＴＣアンテナ、ホーン、レーザユニット、各種の電子基板、バッテリーのいずれかでよい。また、部品６１、部品６３は、例えば、スロットルワイヤー、ブレーキワイヤー、ブレーキホース、クラッチワイヤー、ワイヤーハーネスなどである。

　なお、ここでは、スペースＳ１は、部品の配置に使用されるとしたが、外部からの空気を導く通気孔として使用されてもよい。スペースＳ１を介して鞍乗型車両１内に導かれた空気は、エアクリーナ、エンジンなどで使用されたり、電気電子部品（詳細は後述）またはラジエータなどの冷却に使用されたり、ホーンの音の外部への放出に使用されたりする。

　なお、上記スペースＳ１では、車体フレーム２前後方向における範囲を仮想線Ｌ２２と仮想線Ｌ２３との間としたが、これに限定されない。その他の例について、図１５Ｃ、図１５Ｄを用いて以下に説明する。図１５Ｃおよび図１５Ｄは、車体フレーム２の上下方向の上方から見たときを示す。

　例えば、図１５Ｃに示すように、スペースの車体フレーム２前後方向における範囲を仮想線Ｌ２６と仮想線Ｌ２７との間としてもよい。仮想線Ｌ２６は、右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥを通る線である。仮想線Ｌ２７は、左方高指向型ライト部１９Ｌの後端ＢＡＥを通る線である。

　このように、車体フレーム２の左右方向における仮想線Ｌ２０と仮想線Ｌ２１との間（換言すれば、仮想線Ｌ２５と仮想線Ｌ２４との間）、かつ、車体フレーム２前後方向における仮想線Ｌ２６と仮想線Ｌ２７との間に、図１５Ｃに示すスペースＳ２が確保される。このスペースＳ２は、図１５Ｂに示すスペースＳ１よりも、車体フレーム２前後方向に広いスペースとなる。このスペースＳ２は、スペースＳ１と同様、部品６０から６３の配置に使用されたり、通気孔として使用されたりする。

　また、例えば、図１５Ｄに示すように、スペースの車体フレーム２前後方向における範囲を仮想線Ｌ２８と仮想線Ｌ２９との間としてもよい。仮想線Ｌ２８は、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥを通る線である。仮想線Ｌ２９は、右方高指向型ライト部１９Ｒの後端ＢＡＥを通る線である。

　このように、車体フレーム２の左右方向における仮想線Ｌ２０と仮想線Ｌ２１との間（換言すれば、仮想線Ｌ２５と仮想線Ｌ２４との間）、かつ、車体フレーム２前後方向における仮想線Ｌ２８と仮想線Ｌ２９との間に、図１５Ｄに示すスペースＳ３が確保される。このスペースＳ３は、図１５Ｂに示すスペースＳ１よりも、車体フレーム２前後方向に広いスペースとなる。このスペースＳ３は、スペースＳ１と同様、部品６０から６３の配置に使用されたり、通気孔として使用されたりする。

　＜高指向型ライト部の追加条件＞
　本実施の形態では、上述した必要条件としての前面視配置条件および側面視配置条件に加え、さらに以下の追加条件のうち少なくとも１つを満たすように、左方高指向型ライト部１９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒが配置されてもよい。以下、各追加条件について説明する。

　［レンズ幅条件］
　次に、図９を用いて、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒのレンズ幅条件について説明する。

　レンズ幅条件とは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに、左方高指向型ライト部の光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅および右方高指向型ライト部の光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅がどの位の長さであるかを示す条件である。

　図９は、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒのレンズ幅条件を説明する図である。

　図９に示す長さＤ１からＤ４の定義は、以下の通りである。長さＤ１は、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの左端ＬＥと右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さである。換言すれば、長さＤ１は、光学レンズ部２０Ｌの左右方向の最大レンズ幅である。さらに換言すれば、長さＤ１は、左光学レンズ体４５Ｌの左端ＬＥと右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さである。長さＤ２は、左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）と左前輪支持装置１２Ｌの左縁Ｂ４との車体フレーム２の左右方向の間の長さである。長さＤ３は、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの左端ＬＥと右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さである。換言すれば、長さＤ３は、光学レンズ部２０Ｒの左右方向の最大レンズ幅である。さらに換言すれば、長さＤ３は、右光学レンズ体４５Ｌの左端ＬＥと右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さである。長さＤ４は、右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）と右前輪支持装置１２Ｒの右縁Ｂ５との車体フレーム２の左右方向の間の長さである。

　図９に示すように、長さＤ１は長さＤ２よりも短く、長さＤ３は長さＤ４よりも短い。すなわち、左方高指向型ライト部１９Ｌは、左右方向の最大レンズ幅が左グリップ２４Ｌの右端と左前輪支持装置１２Ｌの左縁Ｂ４との車体フレーム２の左右方向の間の長さよりも短い光学レンズ部２０Ｌを備える。また、右方高指向型ライト部１９Ｒは、左右方向の最大レンズ幅が右グリップ２４Ｒの左端と右前輪支持装置１２Ｒの右縁Ｂ５との車体フレーム２の左右方向の間の長さよりも短い光学レンズ部２０Ｒを備える。

　上記レンズ幅条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌは、車体フレーム２の左右方向でコンパクトに配置される。また、上記レンズ幅条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部１９Ｒは、車体フレーム２の左右方向でコンパクトに配置される。

　なお、図９では、車体フレーム２の前後方向の前方から見た光学レンズ部２０Ｌおよび光学レンズ部２０Ｒの形状が円形であるとしたが、その他の形状であってもよい。例えば、車体フレーム２の前後方向の前方から見た光学レンズ部の形状が楕円形である場合に上記レンズ幅条件を満たす例について、図１０を用いて説明する。

　図１０では、左ランプユニット３５Ｌは、車体フレーム２の前後方向の前方から見た形状が楕円形である光学レンズ部３６Ｌを含む左方高指向型ライト部を備え、右ランプユニット３５Ｒは、車体フレーム２の前後方向の前方から見た形状が楕円形である光学レンズ部３６Ｒを含む右方高指向型ライト部を備える。

　図１０では、左ライト群に含まれる左方高指向型ライト部は１つだけであるので、その左方高指向型ライト部の光学レンズ部３６Ｌを左光学レンズ体４６Ｌとする。左光学レンズ体４６Ｌの上端は、光学レンズ部３６Ｌの上端ＴＥとなる。左光学レンズ体４６Ｌの下端は、光学レンズ部３６Ｌの下端ＢＥとなる。左光学レンズ体４６Ｌの左端は、光学レンズ部３６Ｌの左端ＬＥとなる。左光学レンズ体４６Ｌの右端は、光学レンズ部３６Ｌの右端ＲＥとなる。

　また、図１０では、右ライト群に含まれる右方高指向型ライト部は１つだけであるので、その右方高指向型ライト部の光学レンズ部３６Ｒを右光学レンズ体４６Ｒとする。右光学レンズ体４６Ｒの上端は、光学レンズ部３６Ｒの上端ＴＥとなる。右光学レンズ体４６Ｒの下端は、光学レンズ部３６Ｒの下端ＢＥとなる。右光学レンズ体４６Ｒの左端は、光学レンズ部３６Ｒの左端ＬＥとなる。右光学レンズ体４６Ｒの右端は、光学レンズ部３６Ｒの右端ＲＥとなる。

　また、図１０に示す長さＤ５は、光学レンズ部３６Ｌの左端ＬＥと右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さである。換言すれば、長さＤ５は、光学レンズ部３６Ｌの左右方向の最大レンズ幅である。さらに換言すれば、長さＤ５は、左光学レンズ体４６Ｌの左端ＬＥと右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さである。また、図１０に示す長さＤ６は、光学レンズ部３６Ｒの左端ＬＥと右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さである。換言すれば、長さＤ６は、光学レンズ部３６Ｒの左右方向の最大レンズ幅である。さらに換言すれば、長さＤ６は、右光学レンズ体４６Ｒの左端ＬＥと右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さである。

　図１０に示すように、長さＤ５は長さＤ２よりも短く、長さＤ６は長さＤ４よりも短い。すなわち、左ランプユニット３５Ｌに含まれる左方高指向型ライト部は、左右方向の最大レンズ幅が左グリップ２４Ｌの右端と左前輪支持装置１２Ｌの左縁Ｂ４との車体フレーム２の左右方向の間の長さよりも短い光学レンズ部３６Ｌを備える。また、右ランプユニット３５Ｒに含まれる右方高指向型ライト部は、左右方向の最大レンズ幅が右グリップ２４Ｒの左端と右前輪支持装置１２Ｒの右縁Ｂ５との車体フレーム２の左右方向の間の長さよりも短い光学レンズ部３６Ｒを備える。

　上記レンズ幅条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左ランプユニット３５Ｌに含まれる左方高指向型ライト部は、車体フレーム２の左右方向でコンパクトに配置される。また、上記レンズ幅条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右ランプユニット３５Ｒに含まれる右方高指向型ライト部は、車体フレーム２の左右方向でコンパクトに配置される。

　［上下方向対称条件］
　次に、図１１を用いて、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの上下方向対称条件について説明する。ここでは例として、左方高指向型ライト部１９Ｌと右方高指向型ライト部１９Ｒとを一対の対称ライト群とする。

　上下方向対称条件とは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに、一対の対称ライト群のうち、一方の高指向型ライト部が、もう一方の高指向型ライト部に対して、車体フレーム２の上下方向のどの位置に配置されるかを示す条件である。

　図１１Ａから図１１Ｅは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの上下方向対称条件の各例を説明する図である。左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒは、下記図１１Ａから図１１Ｅに示すいずれかの配置となる。

　まず、図１１Ａについて説明する。図１１Ａにおいて、仮想線Ｌ８は、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥ、および、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥを通る線である。仮想線Ｌ９は、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの下端ＢＥ、および、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの下端ＢＥを通る線である。長さＤ７は、光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥと下端ＢＥとの車体フレーム２の上下方向の間の長さである。換言すれば、長さＤ７は、光学レンズ部２０Ｌの上下方向の最大レンズ幅である。長さＤ８は、光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥと下端ＢＥとの車体フレーム２の上下方向の間の長さである。換言すれば、長さＤ８は、光学レンズ部２０Ｒの上下方向の最大レンズ幅である。

　図１１Ａに示すように、光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥと光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥ、および、光学レンズ部２０Ｌの下端ＢＥと光学レンズ部２０Ｒの下端ＢＥは、車体フレーム２の上下方向で同じ位置に配置されている。

　次に、図１１Ｂについて説明する。図１１Ｂにおいて、仮想線Ｌ１０は、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥを通る線である。仮想線Ｌ１１は、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの下端ＢＥを通る線である。

　図１１Ｂに示すように、光学レンズ部２０Ｒの下端ＢＥは、光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥより車体フレーム２の上下方向の下方、かつ、光学レンズ部２０Ｌの下端ＢＥより車体フレーム２の上下方向の上方に配置されている。すなわち、光学レンズ部２０Ｒは、車体フレーム２の上下方向で長さＤ７以上に異ならない範囲に配置されている。

　次に、図１１Ｃについて説明する。図１１Ｃに示すように、光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥは、光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥより車体フレーム２の上下方向の下方、かつ、光学レンズ部２０Ｌの下端ＢＥより車体フレーム２の上下方向の上方に配置されている。すなわち、光学レンズ部２０Ｒは、車体フレーム２の上下方向で長さＤ７以上に異ならない範囲に配置されている。

　次に、図１１Ｄについて説明する。図１１Ｄにおいて、仮想線Ｌ１２は、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥを通る線である。仮想線Ｌ１３は、右方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｒの下端ＢＥを通る線である。

　図１１Ｄに示すように、光学レンズ部２０Ｌの下端ＢＥは、光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥより車体フレーム２の上下方向の下方、かつ、光学レンズ部２０Ｒの下端ＢＥより車体フレーム２の上下方向の上方に配置されている。すなわち、光学レンズ部２０Ｌは、車体フレーム２の上下方向で長さＤ８以上に異ならない範囲に配置されている。

　次に、図１１Ｅについて説明する。図１１Ｅに示すように、光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥは、光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥより車体フレーム２の上下方向の下方、かつ、光学レンズ部２０Ｒの下端ＢＥより車体フレーム２の上下方向の上方に配置されている。すなわち、光学レンズ部２０Ｌは、車体フレーム２の上下方向で長さＤ８以上に異ならない範囲に配置されている。

　上記上下方向対称条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌと右方高指向型ライト部１９Ｒとが、車体フレーム２の上下方向で同じ位置に配置される。または、上記上下方向対称条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部１９Ｒが、車体フレーム２の上下方向で、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの上下方向の最大レンズ幅以上に異ならない範囲に配置される。または、上記上下方向対称条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌが、車体フレーム２の上下方向で、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの上下方向の最大レンズ幅以上に異ならない範囲に配置される。

　［前後方向対称条件］
　次に、図１２を用いて、車体フレーム２の上下方向の上方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの前後方向対称条件について説明する。ここでは例として、左方高指向型ライト部１９Ｌと右方高指向型ライト部１９Ｒとを一対の対称ライト群とする。

　前後方向対称条件とは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに、一対の対称ライト群のうち、一方の高指向型ライト部が、もう一方の高指向型ライト部に対して、車体フレーム２の前後方向のどの位置に配置されるかを示す条件である。

　図１２Ａから図１２Ｃは、車体フレーム２の上下方向の上方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの前後方向対称条件の各例を説明する図である。左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒは、下記図１２Ａから図１２Ｃに示すいずれかの配置となる。

　まず、図１２Ａについて説明する。図１２Ａにおいて、仮想線Ｌ１４は、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥ、および、右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥを通る線である。また、図１２Ａにおいて、仮想線Ｌ１５は、左方高指向型ライト部１９Ｌの後端ＢＡＥ、および、右方高指向型ライト部１９Ｒの後端ＢＡＥを通る線である。

　また、図１２Ａにおいて、長さＤ９は、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥと後端ＢＡＥとの車体フレーム２の前後方向の間の長さである。換言すれば、長さＤ９は、左方高指向型ライト部１９Ｌの前後方向の長さである。長さＤ１０は、右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥと後端ＢＡＥとの車体フレーム２の前後方向の間の長さである。換言すれば、長さＤ１０は、右方高指向型ライト部１９Ｒの前後方向の長さである。

　図１２Ａに示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥと右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥ、および、左方高指向型ライト部１９Ｌの後端ＢＡＥと右方高指向型ライト部１９Ｒの後端ＢＡＥは、車体フレーム２の前後方向でずれることなく配置されている。すなわち、左方高指向型ライト部１９Ｌと右方高指向型ライト部１９Ｒは、車体フレーム２の前後方向で同じ位置に配置されている。

　次に、図１２Ｂについて説明する。図１２Ｂにおいて、仮想線Ｌ１６は、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥを通る線である。仮想線Ｌ１７は、左方高指向型ライト部１９Ｌの後端ＢＡＥを通る線である。

　図１２Ｂに示すように、右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥは、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥより車体フレーム２の前後方向の後方、かつ、左方高指向型ライト部１９Ｌの後端ＢＡＥより車体フレーム２の前後方向の前方に配置されている。すなわち、右方高指向型ライト部１９Ｒは、車体フレーム２の前後方向で長さＤ９以上に異ならない範囲に配置されている。

　次に、図１２Ｃについて説明する。図１２Ｃにおいて、仮想線Ｌ１８は、右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥを通る線である。仮想線Ｌ１９は、右方高指向型ライト部１９Ｒの後端ＢＡＥを通る線である。

　図１２Ｃに示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥは、右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥより車体フレーム２の前後方向の後方、かつ、右方高指向型ライト部１９Ｒの後端ＢＡＥより車体フレーム２の前後方向の前方に配置されている。すなわち、左方高指向型ライト部１９Ｌは、車体フレーム２の前後方向で長さＤ１０以上に異ならない範囲に配置されている。

　上記前後方向対称条件により、車体フレーム２の上下方向の上方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌと右方高指向型ライト部１９Ｒとが、車体フレーム２の前後方向で同じ位置に配置される。または、上記前後方向対称条件により、車体フレーム２の上下方向の上方から見て、右方高指向型ライト部１９Ｒが、車体フレーム２の前後方向で、左方高指向型ライト部１９Ｌの前後方向の長さ以上に異ならない範囲に配置される。または、上記前後方向対称条件により、車体フレーム２の上下方向の上方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌが、車体フレーム２の前後方向で、右方高指向型ライト部１９Ｒの前後方向の長さ以上に異ならない範囲に配置される。

　［左右方向対称条件］
　次に、図１３を用いて、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの左右方向対称条件について説明する。ここでは例として、左方高指向型ライト部１９Ｌと右方高指向型ライト部１９Ｒとを一対の対称ライト群とする。左右方向対称条件とは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに、一対の対称ライト群のうち、一方の高指向型ライト部が、もう一方の高指向型ライト部に対して、車体フレーム２の左右方向のどの位置に配置されるかを示す条件である。図１３は、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの左右方向対称条件を説明する図である。

　図１３に示す長さＤ１１からＤ１６の定義は、以下の通りである。長さＤ１１は、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの右端ＲＥと仮想線Ｌ１との車体フレーム２の左右方向の間の長さである。長さＤ１２は、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの左端ＬＥと仮想線Ｌ１との車体フレーム２の左右方向の間の長さである。長さＤ１３は、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの中心Ｃと仮想線Ｌ１との車体フレーム２の左右方向の間の長さである。長さＤ１４は、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの中心Ｃと仮想線Ｌ１との車体フレーム２の左右方向の間の長さである。長さＤ１５は、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの左端ＬＥと仮想線Ｌ１との車体フレーム２の左右方向の間の長さである。長さＤ１６は、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの右端ＲＥと仮想線Ｌ１との車体フレーム２の左右方向の間の長さである。

　図１３に示すように、長さＤ１３は、長さＤ１２より大きく、かつ、長さＤ１６より小さい。また、長さＤ１４は、長さＤ１１より大きく、かつ、長さＤ１５より小さい。

　上記左右方向対称条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌは、車体フレームの左右方向で右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの左右方向の最大レンズ幅の１／２以上に異ならない範囲に配置される。または、上記左右方向対称条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部１９Ｒは、車体フレームの左右方向で左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの左右方向の最大レンズ幅の１／２以上に異ならない範囲に配置される。

　以上説明した上下方向対称条件、前後方向対称条件、および左右方向対称条件により、左方高指向型ライト部１９Ｌと右方高指向型ライト部１９Ｒを一対の対称ライト群とした場合、一対の対称ライト群の一方の高指向型ライト部は、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに車体フレーム２の上下方向で、一対の対称ライト群のもう一方の高指向型ライト部の光学レンズ部の上下方向の最大レンズ幅以上に異ならない範囲に配置され、車体フレーム２の上下方向の上方から見たときに車体フレーム２の前後方向で、一対の対称ライト群のもう一方の高指向型ライト部の前後方向の長さ以上に異ならない範囲に配置され、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに車体フレーム２の左右方向で、一対の対称ライト群のもう一方の高指向型ライト部の光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅の１／２以上に異ならない範囲に配置される。したがって、上記上下方向対称条件、前後方向対称条件、および左右方向対称条件により、左方高指向型ライト部１９Ｌと右方高指向型ライト部１９Ｒとは、車体フレーム２の前後方向の前方および車体フレーム２の上下方向の上方から見て、左右対称に配置されるか、または、実質的に左右対称に配置される。

　（実施の形態１の変形例）
　上記実施の形態１では、鞍乗型車両が１つの左方高指向型ライト部と１つの右方高指向型ライト部を備える構成について説明したが、以下では、実施の形態１の変形例として、鞍乗型車両が２つの左方高指向型ライト部と２つの右方高指向型ライト部を備える構成について説明する。

　図１６は、本変形例に係る鞍乗型車両１の側面図である。図１７は、本変形例に係る鞍乗型車両１の平面図である。図１６、図１７では、図１、図３に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、それらの説明は省略する。

　図１６、図１７に示すように、車体フレーム２の左右方向で左前輪支持装置１２Ｌより左方には、上方に左ランプユニット３７Ｌが、下方に左ランプユニット４１Ｌが、それぞれ、左前輪支持装置１２Ｌに固定して支持されている。

　左ランプユニット３７Ｌは、ケーシング内に左方高指向型ライト部３８Ｌを備える。左方高指向型ライト部３８Ｌは、例えば、光学レンズ部３９Ｌおよび筐体４０Ｌを含む。

　左ランプユニット４１Ｌは、ケーシング内に左方高指向型ライト部４２Ｌを備える。左方高指向型ライト部４２Ｌは、例えば、光学レンズ部４３Ｌおよび筐体４４Ｌを含む。

　なお、ここでは例として、左方高指向型ライト部３８Ｌと左方高指向型ライト部４２Ｌとが別々のランプユニットに備えられるとしたが、左方高指向型ライト部３８Ｌと左方高指向型ライト部４２Ｌとが１つのランプユニットに備えられてもよい。また、左方高指向型ライト部３８Ｌと左方高指向型ライト部４２Ｌをまとめて左ライト群ということができる。

　また、図１７に示すように、車体フレーム２の左右方向で右前輪支持装置１２Ｒより右方には、上方に右ランプユニット３７Ｒが、下方に右ランプユニット４１Ｒが、それぞれ、右前輪支持装置１２Ｒに固定して支持されている。

　右ランプユニット３７Ｒは、ケーシング内に右方高指向型ライト部３８Ｒを備える。右方高指向型ライト部３８Ｒは、例えば、光学レンズ部３９Ｒおよび筐体４０Ｒを含む。

　右ランプユニット４１Ｌは、ケーシング内に右方高指向型ライト部４２Ｒを備える。右方高指向型ライト部４２Ｒは、例えば、光学レンズ部４３Ｒおよび筐体４４Ｒを含む。

　なお、ここでは例として、右方高指向型ライト部３８Ｒと右方高指向型ライト部４２Ｒとが別々のランプユニットに備えられるとしたが、右方高指向型ライト部３８Ｒと右方高指向型ライト部４２Ｒとが１つのランプユニットに備えられてもよい。また、右方高指向型ライト部３８Ｒと右方高指向型ライト部４２Ｒをまとめて右ライト群ということができる。

　左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒを含むライト群から外部に照射された光は、主ビームおよびすれ違いビームを構成する。この詳細については、図２０を用いて後述する。

　左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒは、図６Ａから図６Ｃに示した構成のいずれかを採る。

　＜高指向型ライト部の必要条件＞
　左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒは、上述した前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように配置される。

　以下では、図１８を用いて前面視配置条件について具体的に説明する。図１８は、車体フレーム２の前後方向の前方から見た、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒの配置例を示す図である。

　図１８において、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部３８Ｌの光学レンズ部３９Ｌは、左ライト群の中で、車体フレーム２の左右方向で最も左方にあり、車体フレーム２の上下方向で最も上方にある。また、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部４２Ｌの光学レンズ部４３Ｌは、左ライト群の中で、車体フレーム２の左右方向で最も右方にあり、車体フレーム２の上下方向で最も下方にある。

　図１８において、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部３８Ｒの光学レンズ部３９Ｒは、右ライト群の中で、車体フレーム２の左右方向で最も右方にあり、車体フレーム２の上下方向で最も上方にある。また、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部４２Ｒの光学レンズ部４３Ｒは、右ライト群の中で、車体フレーム２の左右方向で最も左方にあり、車体フレーム２の上下方向で最も下方にある。

　また、図１８では、左光学レンズ体４７Ｌは、左方高指向型ライト部３８Ｌの光学レンズ部３９Ｌと、左方高指向型ライト部４２Ｌの光学レンズ部４３Ｌとからなる。そして、左光学レンズ体４７Ｌの上端は、車体フレーム２の上下方向で最も上方にある光学レンズ部３９Ｌの上端ＴＥとなる。左光学レンズ体３５Ｌの下端は、車体フレーム２の上下方向で最も下方にある光学レンズ部４３Ｌの下端ＢＥとなる。左光学レンズ体３５Ｌの左端は、車体フレーム２の左右方向で最も左方にある光学レンズ部３９Ｌの左端ＬＥとなる。左光学レンズ体３５Ｌの右端は、車体フレーム２の左右方向で最も右方にある光学レンズ部４３Ｌの右端ＲＥとなる。

　また、図１８では、右光学レンズ体４７Ｒは、右方高指向型ライト部３８Ｒの光学レンズ部３９Ｒと、右方高指向型ライト部４２Ｒの光学レンズ部４３Ｒとからなる。そして、右光学レンズ体４７Ｒの上端は、車体フレーム２の上下方向で最も上方にある光学レンズ部３９Ｒの上端ＴＥとなる。右光学レンズ体４７Ｒの下端は、車体フレーム２の上下方向で最も下方にある光学レンズ部４３Ｒの下端ＢＥとなる。右光学レンズ体４７Ｒの左端は、車体フレーム２の左右方向で最も左方にある光学レンズ部４３Ｒの左端ＬＥとなる。右光学レンズ体４７Ｒの右端は、車体フレーム２の左右方向で最も右方にある光学レンズ部３９Ｒの右端ＲＥとなる。

　図１８に示すように、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部３８Ｌの光学レンズ部３９Ｌの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、左端ＬＥを左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より右方に配置し、右端ＲＥを左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より左方に配置した。

　また、図１８に示すように、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部４２Ｌの光学レンズ部４３Ｌの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、左端ＬＥを左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より右方に配置し、右端ＲＥを左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より左方に配置した。

　また、図１８に示すように、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左光学レンズ体４７Ｌの上端（光学レンズ部３９Ｌの上端ＴＥ）をハンドル２３の下縁Ｂ３より車体フレーム２の上下方向の下方に配置し、左光学レンズ体４７Ｌの下端（光学レンズ部４３Ｌの下端ＢＥ）をロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より車体フレーム２の上下方向の上方に配置した。また、左光学レンズ体４７Ｌの左端（光学レンズ部３９Ｌの左端ＬＥ）を左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より車体フレーム２の左右方向の右方に配置し、左光学レンズ体４７Ｌの右端（光学レンズ部４３Ｌの右端ＲＥ）を左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より車体フレーム２の左右方向の左方に配置した。

　また、図１８に示すように、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部３８Ｒの光学レンズ部３９Ｒの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、右端ＲＥを右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より左方に配置し、左端ＬＥを右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より右方に配置した。

　また、図１８に示すように、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部４２Ｒの光学レンズ部４３Ｒの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、右端ＲＥを右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より左方に配置し、左端ＬＥを右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より右方に配置した。

　また、図１８に示すように、本変形例の鞍乗型車両１では、右光学レンズ体４７Ｒの上端（光学レンズ部３９Ｒの上端ＴＥ）をハンドル２３の下縁Ｂ３より車体フレーム２の上下方向の下方に配置し、右光学レンズ体４７Ｒの下端（光学レンズ部４３Ｒの下端ＢＥ）をロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より車体フレーム２の上下方向の上方に配置した。また、右光学レンズ体４７Ｒの右端（光学レンズ部３９Ｒの右端ＲＥ）を右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より車体フレーム２の左右方向の左方に配置し、右光学レンズ体４５Ｒの左端（光学レンズ部４３Ｒの左端ＬＥ）を右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より車体フレーム２の左右方向の右方に配置した。

　このように、本変形例の鞍乗型車両１では、上述した前面視配置条件を満たすように、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒが配置される。

　また、図示は省略するが、本変形例の鞍乗型車両１では、左方高指向型ライト部３８Ｌの少なくとも一部および／または左方高指向型ライト部４２Ｌの少なくとも一部を、車体フレーム２の左右方向の左方から見て、左前輪支持装置１２Ｌの回転範囲Ｒと重なる位置に設けた。また、右方高指向型ライト部３８Ｒの少なくとも一部および／または右方高指向型ライト部４２Ｒの少なくとも一部を、車体フレーム２の左右方向の右方から見て、右前輪支持装置１２Ｒの回転範囲ＴＲと重なる位置に設けた。

　このように、本変形例の鞍乗型車両１では、上述した側面視配置条件を満たすように、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒが配置される。

　よって、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部３８Ｌ、４２Ｌと、右方高指向型ライト部３８Ｒ、４２Ｒとが、車体フレーム２の左右方向に間隔を空けて配置され、車体フレーム２の左右方向において左グリップ２４Ｌの右端と右グリップ２４Ｒの左端とに挟まれた範囲に配置される。

　また、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部３８Ｌ、４２Ｌおよび右方高指向型ライト部３８Ｒ、４２Ｒが、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、アッパーブラケット１６、ロワーブラケット１５に囲まれた範囲に配置されないので、車体の中央にスペースを空けることができる。

　さらに、本変形例の鞍乗型車両１では、左方高指向型ライト部３８Ｌ、４２Ｌおよび右方高指向型ライト部３８Ｒ、４２Ｒが、回転範囲ＴＲより車体フレーム２の前後方向の前方に配置されないので、ボデー部の前後方向の大型化を抑制できる。

　従って、本変形例の鞍乗型車両１によれば、指向性が高い光を出射する発光部と、前記発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有する高指向型ライト部を備えつつ、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　なお、本変形例の鞍乗型車両１では、上記前面視配置条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部３８Ｌ、４２Ｌおよび右方高指向型ライト部３８Ｒ、４２Ｒが、車体フレーム２の上下方向において、ハンドル２３の下縁Ｂ３とロワーブラケット１５の上端（仮想線Ｌｃ）とに挟まれた範囲に配置されるので、主ビームまたはすれ違いビームを構成する光と、フェンダー２５との干渉を抑制できる。

　＜高指向型ライト部の追加条件＞
　本変形例では、上述した必要条件としての前面視配置条件および側面視配置条件に加え、さらに以下の追加条件のうち少なくとも１つを満たすように、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒが配置されてもよい。

　［上下方向対称条件／前後方向対称条件／左右方向対称条件］
　本変形例では、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒが、上述した上下方向対称条件、前後方向対称条件、左右方向対称条件の少なくとも１つを満たすように配置されてもよい。

　例えば、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒのうち、左方高指向型ライト部３８Ｌと右方高指向型ライト部３８Ｒとを一対の対称ライト群とし、左方高指向型ライト部４２Ｌと右方高指向型ライト部４２Ｒとを一対の対称ライト群とする。この場合、一対の対称ライト群の各々は、図１１を用いて説明した上下方向対称条件、図１２を用いて説明した前後方向対称条件、図１３を用いて説明した左右方向対称条件の少なくとも１つを満たすように配置されてもよい。

　［左右長さ条件］
　また、本変形例では、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒが、上記レンズ幅条件の代わりに、以下の左右長さ条件を満たすように配置されてもよい。

　図１８を用いて、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒの左右長さ条件について説明する。

　左右長さ条件とは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに、複数の左方高指向型ライト部（左ライト群）のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の左端と車体フレーム２の左右方向で最も右方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の右端との車体フレーム２の左右方向の間隔の長さ（換言すれば、左光学レンズ体の左端と右端との車体フレーム２の左右方向の間の長さ）と、左グリップ２４Ｌの右端と左前輪支持装置１２Ｌの左縁との車体フレーム２の左右方向の間隔の長さとの関係を示す条件である。

　また、左右長さ条件とは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに、複数の右方高指向型ライト部（右ライト群）のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の右端と車体フレーム２の左右方向で最も左方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の左端との車体フレーム２の左右方向の間隔の長さ（換言すれば、右光学レンズ体の右端と左端との車体フレーム２の左右方向の間の長さ）と、右グリップ２４Ｒの左端と右前輪支持装置１２Ｒの右縁との車体フレーム２の左右方向の間隔の長さとの関係を示す条件である。

　図１８は、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒの左右長さ条件を説明する図である。

　図１８に示すように、左ランプユニット３７Ｌと左ランプユニット４１Ｌのうち、左ランプユニット３７Ｌは車体フレーム２の左右方向で最も左方にあり、左ランプユニット４１Ｌは車体フレーム２の左右方向で最も右方にある。よって、左ランプユニット３７Ｌに含まれる左方高指向型ライト部３８Ｌは車体フレーム２の左右方向で最も左方にあり、左ランプユニット４１Ｌに含まれる左方高指向型ライト部４２Ｌは車体フレーム２の左右方向で最も右方にある。

　また、図１８に示すように、右ランプユニット３７Ｒと右ランプユニット４１Ｒのうち、右ランプユニット３７Ｒは車体フレーム２の左右方向で最も右方にあり、右ランプユニット４１Ｒは車体フレーム２の左右方向で最も左方にある。よって、右ランプユニット３７Ｒに含まれる右方高指向型ライト部３８Ｒは車体フレーム２の左右方向で最も右方にあり、右ランプユニット４１Ｒに含まれる右方高指向型ライト部４２Ｒは車体フレーム２の左右方向で最も左方にある。

　図１８に示す長さＤ１７は、左方高指向型ライト部３８Ｌの光学レンズ部３９Ｌの左端ＬＥと、左方高指向型ライト部４２Ｌの光学レンズ部４３Ｌの右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さを示す。換言すれば、長さＤ１７は、左光学レンズ体４７の左端と右端との車体フレーム２の左右方向の間の長さである。図１８に示す長さＤ１８は、右方高指向型ライト部３８Ｒの光学レンズ部３９Ｒの右端ＲＥと、右方高指向型ライト部４２Ｒの光学レンズ部４３Ｒの左端ＬＥとの間の車体フレーム２の左右方向の長さを示す。換言すれば、長さＤ１８は、右光学レンズ体４７Ｒの右端と左端との車体フレーム２の左右方向の間の長さである。長さＤ２および長さＤ４は、図９と同じである。

　図１８に示すように、長さＤ１７は長さＤ２よりも短く、長さＤ１８は長さＤ４よりも短い。

　上記左右長さ条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部３８Ｌおよび左方高指向型ライト部４２Ｌは、車体フレーム２の上下方向よりも車体フレーム２の左右方向にコンパクトに配置される。また、上記左右長さ条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部３８Ｒおよび右方高指向型ライト部４２Ｒは、車体フレーム２の上下方向よりも車体フレーム２の左右方向にコンパクトに配置される。

　［上下左右長さ条件］
　さらに、本変形例では、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒが、以下の上下左右長さ条件を満たすように配置されてもよい。

　図１９を用いて、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒの上下左右長さ条件について説明する。

　上下左右長さ条件とは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに、複数の左方高指向型ライト部（左ライト群）のうち車体フレーム２の上下方向で最も上方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の上端と車体フレーム２の上下方向で最も下方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の下端との車体フレーム２の上下方向の間隔の長さ（換言すれば、左光学レンズ体の上端と下端との車体フレーム２の上下方向の間の長さ）と、複数の左方高指向型ライト部（左ライト群）のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の左端と車体フレーム２の左右方向で最も右方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の右端との車体フレーム２の左右方向の間隔の長さ（換言すれば、左光学レンズ体の左端と右端との車体フレーム２の上下方向の間の長さ）との関係を示す条件である。

　また、上下左右長さ条件とは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときに、複数の右方高指向型ライト部（右ライト群）のうち車体フレーム２の上下方向で最も上方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の上端と車体フレーム２の上下方向で最も下方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の下端との車体フレーム２の上下方向の間隔の長さ（換言すれば、右光学レンズ体の上端と下端との車体フレーム２の上下方向の間の長さ）と、複数の右方高指向型ライト部（右ライト群）のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の右端と車体フレーム２の左右方向で最も左方に位置する高指向型ライト部の光学レンズ部の左端との車体フレーム２の左右方向の間隔の長さ（換言すれば、右光学レンズ体の右端と左端との車体フレーム２の上下方向の間の長さ）との関係を示す条件である。

　図１９は、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒの上下左右長さ条件を説明する図である。図１９では、左ランプユニット３７Ｌ、４１Ｌのケーシングと右ランプユニット３７Ｒ、４１Ｒのケーシングの図示を省略している。

　図１９に示すように、光学レンズ部３９Ｌと光学レンズ部４３Ｌのうち、光学レンズ部３９Ｌは、車体フレーム２の左右方向で最も左方にあり、かつ、車体フレーム２の上下方向で最も上方にある。よって、光学レンズ部３９Ｌを含む左方高指向型ライト部３８Ｌは、車体フレーム２の左右方向で最も左方にあり、かつ、車体フレーム２の上下方向で最も上方にある。また、図１９に示すように、光学レンズ部３９Ｌと光学レンズ部４３Ｌのうち、光学レンズ部４３Ｌは、車体フレーム２の左右方向で最も右方にあり、かつ、車体フレーム２の上下方向で最も下方にある。よって、光学レンズ部４３Ｌを含む左方高指向型ライト部４２Ｌは、車体フレーム２の左右方向で最も右方にあり、かつ、最も車体フレーム２の上下方向で最も下方にある。

　図１９に示すように、光学レンズ部３９Ｒと光学レンズ部４３Ｒのうち、光学レンズ部３９Ｒは、車体フレーム２の左右方向で最も右方にあり、かつ、車体フレーム２の上下方向で最も上方にある。よって、光学レンズ部３９Ｒを含む右方高指向型ライト部３８Ｒは、車体フレーム２の左右方向で最も左方にあり、かつ、車体フレーム２の上下方向で最も上方にある。また、図１９に示すように、光学レンズ部３９Ｒと光学レンズ部４３Ｒのうち、光学レンズ部４３Ｒは、車体フレーム２の左右方向で最も左方にあり、かつ、車体フレーム２の上下方向で最も下方にある。よって、光学レンズ部４３Ｒを含む左方高指向型ライト部４２Ｒは、車体フレーム２の左右方向で最も左方にあり、かつ、車体フレーム２の上下方向で最も下方にある。

　図１９に示す長さＤ１９は、左方高指向型ライト部３８Ｌの光学レンズ部３９Ｌの上端ＴＥと、左方高指向型ライト部４２Ｌの光学レンズ部４３Ｌの下端ＢＥとの間の車体フレーム２の上下方向の長さを示す。換言すれば、長さＤ１９は、左光学レンズ体４７Ｌの上端と下端の車体フレーム２の上下方向の間の長さである。図１９に示す長さＤ２０は、右方高指向型ライト部３８Ｒの光学レンズ部３９Ｒの上端ＴＥと、右方高指向型ライト部４２Ｒの光学レンズ部４３Ｒの下端ＢＥとの間の車体フレーム２の上下方向の長さを示す。換言すれば、長さＤ２０は、右光学レンズ体４７Ｒ上端と下端の車体フレーム２の上下方向の間の長さである。長さＤ１７および長さＤ１８は、図１８と同じである。

　図１９に示すように、長さＤ１９は長さＤ１７よりも長く、長さＤ２０は長さＤ１８よりも長い。

　上記上下左右長さ条件により、複数の左方高指向型ライト部３８Ｌ、４２Ｌのうち、車体フレーム２の左右方向で最も左方に位置する左方高指向型ライト部３８Ｌと、車体フレーム２の左右方向で最も右方に位置する左方高指向型ライト部４２Ｌとが車体フレーム２の左右方向においてよりコンパクトに配置されるため、鞍乗型車両１が車体フレーム２の左右方向に大型化することがない。また、上記上下左右長さ条件により、複数の右方高指向型ライト部３８Ｒ、４２Ｒのうち、車体フレーム２の左右方向で最も右方に位置する右方高指向型ライト部３８Ｒと、車体フレーム２の左右方向で最も左方に位置する右方高指向型ライト部４２Ｒとが車体フレーム２の左右方向においてよりコンパクトに配置されるため、鞍乗型車両１が車体フレーム２の左右方向に大型化することがない。

　＜高指向型ライト部のレイアウト例＞
　次に、図２０を用いて、本変形例における高指向型ライト部のレイアウトについて説明する。

　図２０Ａから図２０Ｈは、左ライト群が高指向型ライト部３８Ｌ、４２Ｌを含み、右ライト群が高指向型ライト部３８Ｒ、４２Ｒを含む場合において、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの各高指向型ライト部のレイアウトの各例を示す正面図である。左方高指向型ライト部３８Ｌ、４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、４２Ｒは、図２０Ａから図２０Ｈに示す構成のいずれかを採る。

　図２０Ａから図２０Ｈにおいて、Ｈは、光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる高指向型ライト部（以下、主ビーム用高指向型ライト部という）を示している。Ｌは、光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる高指向型ライト部（以下、すれ違いビーム用高指向型ライト部という）を示している。

　図２０Ａおよび図２０Ｅの例では、左方高指向型ライト部３８Ｌおよび左方高指向型ライト部４２Ｌが主ビーム用高指向型ライト部であり、右方高指向型ライト部３８Ｒおよび右方高指向型ライト部４２Ｒがすれ違いビーム用高指向型ライト部である。

　図２０Ｂおよび図２０Ｆの例では、左方高指向型ライト部３８Ｌおよび左方高指向型ライト部４２Ｌがすれ違いビーム用高指向型ライト部であり、右方高指向型ライト部３８Ｒおよび右方高指向型ライト部４２Ｒが主ビーム用高指向型ライト部である。

　図２０Ｃおよび図２０Ｇの例では、左方高指向型ライト部３８Ｌおよび右方高指向型ライト部３８Ｒが主ビーム用高指向型ライト部であり、左方高指向型ライト部４２Ｌおよび右方高指向型ライト部４２Ｒがすれ違いビーム用高指向型ライト部である。

　図２０Ｄおよび図２０Ｈの例では、左方高指向型ライト部３８Ｌおよび右方高指向型ライト部３８Ｒがすれ違いビーム用高指向型ライト部であり、左方高指向型ライト部４２Ｌおよび右方高指向型ライト部４２Ｒが主ビーム用高指向型ライト部である。

　上記レイアウトにより、２つの主ビーム用高指向型ライト部と、２つのすれ違いビーム用高指向型ライト部とを、車体フレーム２の左右方向に分けて配置することができる。また、上記レイアウトにより、１つの主ビーム用高指向型ライト部と、１つのすれ違いビーム用高指向型ライト部とを、車体フレーム２の左右方向にそれぞれ配置することができる。

　＜高指向型ライト部の配置パターン＞
　次に、図２０Ａから図２０Ｈを用いて、本変形例における高指向型ライト部の配置パターンについて説明する。

　図２０Ａから図２０Ｈは、左ライト群が高指向型ライト部３８Ｌ、４２Ｌを含み、右ライト群が高指向型ライト部３８Ｒ、４２Ｒを含む場合において、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときの高指向型ライト部の配置パターンの各例を示す正面図である。左方高指向型ライト部３８Ｌ、４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、４２Ｒは、図２０Ａから図２０Ｈに示す構成のいずれかを採る。

　図２０Ａから図２０Ｄの例では、左ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方に位置する左方高指向型ライト部４２Ｌが、左ライト群のうち車体フレーム２の上下方向で最も下方に位置する。また、右ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方に位置する右方高指向型ライト部４２Ｒが、右ライト群のうち車体フレーム２の上下方向で最も下方に位置する。また、左ライトのうち車体フレーム２の左右方向で最も左方に位置する左方高指向型ライト部３８Ｌが、左ライト群のうち車体フレーム２の上下方向で最も上方に位置する。また、右ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方に位置する右方高指向型ライト部３８Ｒが、右ライト群のうち車体フレーム２の上下方向で最も上方に位置する。

　図２０Ｅから図２０Ｈの例では、左ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方に位置する左方高指向型ライト部３８Ｌが、左ライト群のうち車体フレーム２の上下方向で最も上方に位置する。また、右ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方に位置する右方高指向型ライト部３８Ｒが、右ライト群のうち車体フレーム２の上下方向で最も上方に位置する。また、左ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方に位置する左方高指向型ライト部４２Ｌが、左ライト群のうち車体フレーム２の上下方向で最も下方に位置する。また、右ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方に位置する右方高指向型ライト部４２Ｒが、右ライト群のうち車体フレーム２の上下方向で最も下方に位置する。

　上記配置パターンにより、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方かつ車体フレーム２の上下方向で最も下方に位置する左方高指向型ライト部４２Ｌと、右ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方かつ車体フレーム２の上下方向で最も下方に位置する右方高指向型ライト部４２Ｒとの車体フレーム２の左右方向の間隔が、左ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方かつ車体フレーム２の上下方向で最も上方に位置する左方高指向型ライト部３８Ｌと、右ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方かつ車体フレーム２の上下方向で最も上方に位置する右方高指向型ライト部３８Ｒとの車体フレーム２の左右方向の間隔よりも狭い配置にできる。

　また、上記配置パターンにより、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方かつ車体フレーム２の上下方向で最も上方に位置する左方高指向型ライト部３８Ｌと、右ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方かつ車体フレーム２の上下方向で最も上方に位置する右方高指向型ライト部３８Ｌとの車体フレーム２の左右方向の間隔が、左ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も左方かつ車体フレーム２の上下方向で最も下方に位置する左方高指向型ライト部４２Ｌと、右ライト群のうち車体フレーム２の左右方向で最も右方かつ車体フレーム２の上下方向で最も下方に位置する右方高指向型ライト部４２Ｒとの車体フレーム２の左右方向の間隔よりも狭い配置にできる。

　＜スペース活用例＞
　次に、本変形例の鞍乗型車両１において確保されるスペースの例について、図２１を用いて説明する。図２１Ａ、図２１Ｂは、スペースの例を説明する図である。

　まず、車体フレーム２の左右方向におけるスペースの範囲について、図２１Ａを用いて説明する。図２１Ａは、車体フレーム２の前後方向の前方から見たときを示す。なお、図２１Ａでは、左ランプユニット３７Ｌ、４１Ｌのケーシングと右ランプユニット３７Ｒ、４１Ｒのケーシングの図示を省略している。

　図２１Ａにおいて、仮想線Ｌ３０は、左方高指向型ライト部３８Ｌの光学レンズ部３９Ｌの右端ＲＥおよび左方高指向型ライト部４２Ｌの光学レンズ部４３Ｌの右端ＲＥを通る線である。また、仮想線Ｌ３１は、右方高指向型ライト部３８Ｒの光学レンズ部３９Ｒの左端ＬＥおよび右方高指向型ライト部４２Ｒの光学レンズ部４３Ｒの左端ＬＥを通る線である。なお、仮想線Ｌ３０、仮想線Ｌ３１の形状は、図２１Ａに示すものに限定されない。

　図２１Ａにおいて、車体フレーム２の左右方向におけるスペースの範囲は、仮想線Ｌ３０と仮想線Ｌ３１との間となる。

　次に、車体フレーム２の前後方向におけるスペースの範囲について、図２１Ｂを用いて説明する。図２１Ｂは、車体フレーム２の上下方向の上方から見たときを示す。図２１Ｂにおいて、仮想線Ｌ３２は、左方高指向型ライト部４２Ｌの前端ＦＥおよび右方高指向型ライト部４２Ｒの前端ＦＥを通る線である。仮想線Ｌ３３は、左方高指向型ライト部３８Ｌの後端ＢＡＥおよび右方高指向型ライト部３８Ｒの後端ＢＡＥを通る線である。仮想線Ｌ３４は、右方高指向型ライト部４２Ｒの光学レンズ部４３Ｒの左端ＬＥを通る線である。仮想線Ｌ３５は、左方高指向型ライト部４２Ｌの光学レンズ部４３Ｌの右端ＲＥを通る線である。仮想線Ｌ３６は、右方高指向型ライト部３８Ｒの光学レンズ部３９Ｒの左端ＬＥを通る線である。仮想線Ｌ３７は、左方高指向型ライト部３８Ｌの光学レンズ部３９Ｌの右端ＲＥを通る線である。仮想線Ｌ３４と仮想線Ｌ３５との車体フレーム２の左右方向の間の長さは、図２１Ａに示す仮想線Ｌ３０と仮想線Ｌ３１との車体フレーム２の左右方向の間における、光学レンズ部４３Ｒの左端ＬＥと光学レンズ部４３Ｌの右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さと等しい。仮想線Ｌ３６と仮想線Ｌ３７との車体フレーム２の左右方向の間の長さは、図２１Ａに示す仮想線Ｌ３０と仮想線Ｌ３１との車体フレーム２の左右方向の間における、光学レンズ部３９Ｒの左端ＬＥと光学レンズ部３９Ｌの右端ＲＥとの車体フレーム２の左右方向の間の長さと等しい。

　図２１Ｂにおいて、車体フレーム２の前後方向におけるスペースの範囲は、仮想線Ｌ３２と仮想線Ｌ３３との間となる。

　このように、車体フレーム２の左右方向における仮想線Ｌ３０と仮想線Ｌ３１との間（換言すれば、仮想線Ｌ３４と仮想線Ｌ３５との車体フレーム２の左右方向の間、かつ、仮想線Ｌ３６と仮想線Ｌ３７との車体フレーム２の左右方向の間）、かつ、車体フレーム２の前後方向における仮想線Ｌ２２と仮想線Ｌ２３との間に、図２１Ｂに示すスペースＳ４が確保される。

　このスペースＳ４には、図２１Ｂに示すように、部品６０、部品６１の全体が配置されたり、または、部品６２、部品６３の一部が配置されたりする。部品６０から６３は、図１５Ｂと同じである。なお、スペースＳ４は、部品の配置に使用されるとしたが、通気孔として使用されてもよい。

　（実施の形態２）
　上記実施の形態１では、鞍乗型車両において、左方高指向型ライト部が左前輪支持装置に支持され、右方高指向型ライト部が右前輪支持装置に支持される構成について説明したが、以下では、実施の形態２として、鞍乗型車両において、左方高指向型ライト部が左カバーに備えられ、右方高指向型ライト部が右カバーに備えられる構成について説明する。

　図２２は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１の側面図である。図２３は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１の正面図である。図２４は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１の平面図である。図２２から図２４では、図１から図３に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、それらの説明は省略する。

　図２２に示すように、鞍乗型車両１は、車体フレーム２、燃料タンク３、シート４、パワーユニット５、ステアリングシャフト８、左カバー部９Ｌ、右カバー部９Ｒ、後輪１０、前輪１１、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、ロワーブラケット１５、アッパーブラケット１６、前面カバー１７、左ランプユニット１８Ｌ、右ランプユニット１８Ｒ、ハンドル２３を備える。

　図２２から図２３に示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌは、左カバー９Ｌに固定して支持され、右方高指向型ライト部１９Ｒは、右カバー９Ｒに固定して支持されている。

　また、図２２、図２３に示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの筐体２１Ｌは、左カバー９Ｌの内部にあり、右方高指向型ライト部１９Ｒの筐体２１Ｒは、右カバー９Ｒの内部にある。

　また、図２２から図２３に示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌは、左カバー９Ｌの外部に露出しており、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒは、右カバー９Ｒの外部に露出している。

　なお、左方高指向型ライト部１９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒの各構成については、実施の形態１で説明済みであるので、ここでの説明は省略する。

　＜高指向型ライト部の必要条件＞
　左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒは、実施の形態１で説明した前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように配置される。ここでは、側面視配置条件についてのみ詳細に説明する。

　［側面視配置条件］
　図２５を用いて、車体フレーム２の左右方向から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの側面視配置条件について説明する。図２５Ａから図２５Ｃは、車体フレーム２の左右方向の左方から見たときの左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒの側面視配置条件を説明する図である。

　図２５Ａは、後輪１０が直立した状態においてハンドル２３が極限まで左操舵されたとき（左方向への操舵角が最大値のとき）の鞍乗型車両１の前方を車体フレーム２の左右方向の左方から見た状態を示す図である。

　図２５Ａに示すように、ハンドル２３が極限まで左操舵された場合、ハンドル２３、前輪１１、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、ロワーブラケット１５、アッパーブラケット１６が左回転した状態となる。その一方で、左方高指向型ライト部１９Ｌは左カバー９Ｌに固定して支持されており、右方高指向型ライト部１９Ｒは右カバー９Ｒに固定して支持されているため、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒは左回転した状態とはならない。このとき、図２５Ａに示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの一部が、車体フレーム２の左右方向の左方から見て、回転範囲ＴＲに重なる。また、図示は省略するが、図２５Ａに示すハンドル２３が左操舵された場合において、右方高指向型ライト部１９Ｒの一部も、車体フレーム２の左右方向の右方から見て、回転範囲ＴＲに重なる。

　図２５Ｂは、後輪１０が直立した状態においてハンドル２３が操舵されていないとき（操舵角が０°のとき）の鞍乗型車両１の前方を車体フレーム２の左右方向の左方から見た状態を示す図である。

　図２５Ｂに示すように、ハンドル２３が操舵されていない場合、左方高指向型ライト部１９Ｌの全体が、車体フレーム２の左右方向の左方から見て、回転範囲ＴＲに重なる。また、図示は省略するが、図２５Ｂに示すハンドル２３が操舵されていない場合において、右方高指向型ライト部１９Ｒの全体も、車体フレーム２の左右方向の右方から見て、回転範囲ＴＲに重なる。

　図２５Ｃは、後輪１０が直立した状態においてハンドル２３が極限まで右操舵されたとき（右方向への操舵角が最大値のとき）の鞍乗型車両１の前方を車体フレーム２の左右方向の左方から見た状態を示す図である。

　図２５Ｃに示すように、ハンドル２３が極限まで右操舵された場合、ハンドル２３、前輪１１、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、ロワーブラケット１５、アッパーブラケット１６が右回転した状態となる。その一方で、左方高指向型ライト部１９Ｌは左カバー９Ｌに固定して支持されており、右方高指向型ライト部１９Ｒは右カバー９Ｒに固定して支持されているため、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒは右回転した状態とはならない。このとき、図２５Ｃに示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの一部が、車体フレーム２の左右方向の左方から見て、回転範囲ＴＲに重なる。また、図示は省略するが、図２５Ｃに示すハンドル２３が右操舵された場合において、右方高指向型ライト部１９Ｒの一部も、車体フレーム２の左右方向の右方から見て、回転範囲ＴＲに重なる。

　上記側面視配置条件により、左前輪支持装置１２Ｌに支持された左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒに支持された右方高指向型ライト部１９Ｒは、回転範囲ＴＲよりも車体フレーム２の前後方向の前方または車体フレーム２の前後方向の後方に離れた位置に配置されない。また、左カバー９Ｌに支持された左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右カバー９Ｒに支持された右方高指向型ライト部１９Ｒが照射された光は、左前輪支持装置１２Ｌおよび右前輪支持装置１２Ｒに干渉しにくい。

　なお、図２５Ａ、図２５Ｃでは、左方高指向型ライト部１９Ｌの一部および右方高指向型ライト部１９Ｒの一部が回転範囲ＴＲと重なる配置例としたが、図２５Ａ、図２５Ｃにおいて、左方高指向型ライト部１９Ｌの全体および／または右方高指向型ライト部１９Ｒの全体が回転範囲ＴＲと重なる配置としてもよい。また、図２５Ｂでは、左方高指向型ライト部１９Ｌの全体および右方高指向型ライト部１９Ｒの全体が回転範囲ＴＲと重なる配置例としたが、図２５Ｂにおいて、左方高指向型ライト部１９Ｌの少なくとも一部（例えば、左方高指向型ライト部１９Ｌの前端ＦＥまたは後端ＢＡＥ）および／または右方高指向型ライト部１９Ｒの少なくとも一部（例えば、右方高指向型ライト部１９Ｒの前端ＦＥまたは後端ＢＡＥ）が回転範囲ＴＲと重なる配置としてもよい。

　以上説明したように、本実施の形態の鞍乗型車両１では、前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒを配置した。

　すなわち、本実施の形態の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、左端ＬＥを左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より右方に配置し、右端ＲＥを左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より左方に配置した。換言すれば、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左光学レンズ体４５Ｌの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、左光学レンズ体４５Ｌの下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、左光学レンズ体４５Ｌの左端ＬＥを左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より右方に配置し、左光学レンズ体４５Ｌの右端ＲＥを左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より左方に配置した。また、左方高指向型ライト部１９Ｌの少なくとも一部を、車体フレーム２の左右方向の左方から見て、左前輪支持装置１２Ｌの回転範囲Ｒと重なる位置に設けた。

　また、本実施の形態の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、右端ＲＥを右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より左方に配置し、左端ＬＥを右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より右方に配置した。換言すれば、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右光学レンズ体４５Ｒの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、右光学レンズ体４５Ｒの下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、右光学レンズ体４５Ｒの右端ＲＥを右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より左方に配置し、右光学レンズ体４５Ｒの左端ＬＥを右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より右方に配置した。また、右方高指向型ライト部１９Ｒの少なくとも一部を、車体フレーム２の左右方向の右方から見て、右前輪支持装置１２Ｒの回転範囲ＴＲと重なる位置に設けた。

　＜高指向型ライト部の追加条件＞
　また、本実施の形態において、左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒは、上記前面視配置条件および側面視配置条件を満たした上で、さらに、上記レンズ幅条件、上下方向対称条件、前後方向対称条件、左右方向対称条件のうち少なくとも１つを満たすように配置されてもよい。

　（実施の形態２の変形例１）
　上記実施の形態２では、鞍乗型車両が１つの左方高指向型ライト部と１つの右方高指向型ライト部を備える構成について説明したが、以下では、実施の形態２の変形例１として、鞍乗型車両が２つの左方高指向型ライト部と２つの右方高指向型ライト部を備える構成について説明する。

　図２６は、本変形例に係る鞍乗型車両１の側面図である。図２７は、本変形例に係る鞍乗型車両１の正面図である。図２８は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１の平面図である。図２６から図２８では、図１から図３に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、それらの説明は省略する。

　図２６から図２８に示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの上方に左方高指向型ライト部２９Ｌが配置され、右方高指向型ライト部１９Ｒの上方に右方高指向型ライト部２９Ｒが配置されている。左方高指向型ライト部２９Ｌは、左カバー９Ｌに固定して支持され、右方高指向型ライト部２９Ｒは、右カバー９Ｒに固定して支持されている。左方高指向型ライト部２９Ｌは、例えば、光学レンズ部３０Ｌおよび筐体３１Ｌを含む。右方高指向型ライト部２９Ｒは、例えば、光学レンズ部３０Ｒおよび筐体３１Ｒを含む。

　また、図２６、図２８に示すように、左方高指向型ライト部２９Ｌの筐体３１Ｌは、左カバー９Ｌの内部にあり、右方高指向型ライト部１９Ｒの筐体３１Ｒは、右カバー９Ｒの内部にある。

　また、図２６から図２８に示すように、左方高指向型ライト部２９Ｌの光学レンズ部３０Ｌは、左カバー９Ｌの外部に露出しており、右方高指向型ライト部２９Ｒの光学レンズ部３０Ｒは、右カバー９Ｒの外部に露出している。

　左方高指向型ライト部１９Ｌ、左方高指向型ライト部２９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒ、および右方高指向型ライト部２９Ｒを含むライト群から外部に照射された光は、主ビームおよびすれ違いビームを構成する。

　左方高指向型ライト部１９Ｌ、左方高指向型ライト部２９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒ、および右方高指向型ライト部２９Ｒは、図６Ａから図６Ｃに示した構成のいずれかを採る。

　また、左方高指向型ライト部１９Ｌ、左方高指向型ライト部２９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒ、および右方高指向型ライト部２９Ｒは、図２０Ａから図２０Ｈに示した構成のずれかを採る。

　また、本変形例では、図２７に示すように、左光学レンズ体４８Ｌは、光学レンズ部２０Ｌと光学レンズ部３０Ｌからなり、右光学レンズ体４８Ｒは、光学レンズ部２０Ｒと光学レンズ部３０Ｒとからなる。なお、図２７の例では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、光学レンズ部２０Ｌと光学レンズ部３０Ｌとが車体フレーム２の左右方向にずれることなく配置されているため、左光学レンズ体４８Ｌの左端は、光学レンズ部２０Ｌまたは光学レンズ部３０Ｌいずれかの左端となり、左光学レンズ体４８Ｌの右端は、光学レンズ部２０Ｌまたは光学レンズ部３０Ｌいずれかの右端となる。また、図２７の例では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、光学レンズ部２０Ｒと光学レンズ部３０Ｒとが車体フレーム２の左右方向にずれることなく配置されているため、右光学レンズ体４８Ｒの左端は、光学レンズ部２０Ｒまたは光学レンズ部３０Ｒいずれかの左端となり、右光学レンズ体４８Ｒの右端は、光学レンズ部２０Ｒまたは光学レンズ部３０Ｒいずれかの右端となる。

　＜高指向型ライト部の必要条件＞
　左方高指向型ライト部１９Ｌ、左方高指向型ライト部２９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒ、および右方高指向型ライト部２９Ｒは、実施の形態１で説明した前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように配置される。

　すなわち、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、左端ＬＥを左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より右方に配置し、右端ＲＥを左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より左方に配置した。

　また、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部２９Ｌの光学レンズ部３０Ｌの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、左端ＬＥを左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より右方に配置し、右端ＲＥを左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より左方に配置した。

　換言すれば、左光学レンズ体４８Ｌの上端（光学レンズ部３０Ｌの上端ＴＥ）をハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、左光学レンズ体４８Ｌの下端（光学レンズ部２０Ｌの下端ＢＥ）をロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、左光学レンズ体４８Ｌの左端（光学レンズ部２０Ｌまたは光学レンズ部３０Ｌいずれかの左端ＬＥ）を左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より右方に配置し、左光学レンズ体４８Ｌの右端（光学レンズ部２０Ｌまたは光学レンズ部３０Ｌいずれかの右端ＲＥ）を左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より左方に配置した。

　また、本変形例の鞍乗型車両１では、左方高指向型ライト部１９Ｌの少なくとも一部および／または左方高指向型ライト部２９Ｌの少なくとも一部を、車体フレーム２の左右方向の左方から見て、左前輪支持装置１２Ｌの回転範囲ＴＲと重なる位置に設けた。

　また、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、右端ＲＥを右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より左方に配置し、左端ＬＥを右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より右方に配置した。

　また、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部２９Ｒの光学レンズ部３０Ｒの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、右端ＲＥを右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より左方に配置し、左端ＬＥを右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より右方に配置した。

　換言すれば、右光学レンズ体４８Ｒの上端（光学レンズ部３０Ｒの上端ＴＥ）をハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、右光学レンズ体４８Ｒの下端（光学レンズ部２０Ｒの下端ＢＥ）をロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、右光学レンズ体４８Ｒの左端（光学レンズ部２０Ｒまたは光学レンズ部３０Ｒいずれかの右端ＲＥ）を右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より左方に配置し、右光学レンズ体４８Ｒの右端（光学レンズ部２０Ｒまたは光学レンズ部３０Ｒいずれかの右端ＲＥ）を右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より右方に配置した。

　また、本変形例の鞍乗型車両１では、右方高指向型ライト部１９Ｒの少なくとも一部および／または右方高指向型ライト部２９Ｒの少なくとも一部を、車体フレーム２の左右方向の右方から見て、右前輪支持装置１２Ｒの回転範囲ＴＲと重なる位置に設けた。

　よって、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌ、２９Ｌと、右方高指向型ライト部１９Ｒ、２９Ｒとが、車体フレーム２の左右方向に間隔を空けて配置され、車体フレーム２の左右方向において左グリップ２４Ｌの右端と右グリップ２４Ｒの左端とに挟まれた範囲に配置される。

　また、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌ、２９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒ、２９Ｒが、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、アッパーブラケット１６、ロワーブラケット１５に囲まれた範囲に配置されないので、車体の中央にスペースを空けることができる。

　さらに、本変形例の鞍乗型車両１では、左方高指向型ライト部１９Ｌ、２９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒ、２９Ｒが、回転範囲ＴＲより車体フレーム２の前後方向の前方に配置されないので、ボデー部の前後方向の大型化を抑制できる。

　なお、本変形例の鞍乗型車両１では、上記前面視配置条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部１９Ｌ、２９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒ、２９Ｒが、車体フレーム２の上下方向において、ハンドル２３の下縁Ｂ３とロワーブラケット１５の上端（仮想線Ｌｃ）とに挟まれた範囲に配置されるので、主ビームまたはすれ違いビームを構成する光と、フェンダー２５との干渉を抑制できる。

　＜高指向型ライト部の追加条件＞
　また、本変形例において、左方高指向型ライト部１９Ｌ、左方高指向型ライト部２９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒ、および右方高指向型ライト部２９Ｒは、上記前面視配置条件および側面視配置条件を満たした上で、さらに、上記左右長さ条件、上下左右長さ条件、上下方向対称条件、前後方向対称条件、左右方向対称条件のうち少なくとも１つを満たすように配置されてもよい。なお、本変形例において、左方高指向型ライト部１９Ｌ、左方高指向型ライト部２９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒ、および右方高指向型ライト部２９Ｒが、上下方向対称条件、前後方向対称条件、左右方向対称条件の少なくとも１つを満たすように配置される場合、例えば、左方高指向型ライト部１９Ｌと右方高指向型ライト部１９Ｒとを一対の対称ライト群とし、左方高指向型ライト部２９Ｌと右方高指向型ライト部２９Ｒとを一対の対称ライト群とする。この場合、一対の対称ライト群の各々は、図１１を用いて説明した上下方向対称条件、図１２を用いて説明した前後方向対称条件、図１３を用いて説明した左右方向対称条件の少なくとも１つを満たすように配置されてもよい。

　（実施の形態２の変形例２）
　上記実施の形態２では、左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部が車体フレームの前後方向の前方から見た形状が円形である光学レンズ部を含む構成について説明したが、以下では、実施の形態２の変形例２として、左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部が車体フレームの前後方向の前方から見た形状が矩形である光学レンズ部を含む構成について説明する。

　図２９は、本変形例に係る鞍乗型車両１の側面図である。図３０は、本変形例に係る鞍乗型車両１の正面図である。図３１は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１の平面図である。図２９から図３１では、図１から図３に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、それらの説明は省略する。

　図２９から図３１に示すように、左方高指向型ライト部３２Ｌは、左カバー９Ｌに固定して支持され、右方高指向型ライト部３２Ｒは、右カバー９Ｒに固定して支持されている。左方高指向型ライト部３２Ｌは、例えば、光学レンズ部３３Ｌおよび筐体３４Ｌを含む。右方高指向型ライト部３２Ｒは、例えば、光学レンズ部３３Ｒおよび筐体３４Ｒを含む。

　また、図２９、図３１に示すように、左方高指向型ライト部３２Ｌの筐体３４Ｌは、左カバー９Ｌの内部にあり、右方高指向型ライト部３２Ｒの筐体３４Ｒは、右カバー９Ｒの内部にある。

　また、図２９から図３１に示すように、左方高指向型ライト部３２Ｌの光学レンズ部３３Ｌは、左カバー９Ｌの外部に露出しており、右方高指向型ライト部３２Ｒの光学レンズ部３３Ｒは、右カバー９Ｒの外部に露出している。

　また、図３０に示すように、左方高指向型ライト部３２Ｌの光学レンズ部３３Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒの光学レンズ部３３Ｒは、車体フレーム２の前後方向の前方から見て車体フレームの上下方向に長い矩形状である。

　左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒを含むライト群から外部に照射された光は、主ビームおよびすれ違いビームを構成する。

　左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒは、図６Ａから図６Ｃに示した構成のいずれかを採る。

　また、本変形例では、図３０に示すように、左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒが各々の光学レンズ部を１つだけ有するため、光学レンズ部３３Ｌを左光学レンズ体４９Ｌとみなし、光学レンズ部３３Ｒ右光学レンズ体４９Ｒとみなす。

　＜高指向型ライト部の必要条件＞
　左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒは、実施の形態１で説明した前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように配置される。

　すなわち、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部３２Ｌの光学レンズ部３３Ｌの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、左端ＬＥを左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より右方に配置し、右端ＲＥを左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より左方に配置した。換言すれば、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左光学レンズ体４９Ｌの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、左光学レンズ体４９Ｌの下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、左光学レンズ体４９Ｌの左端ＬＥを左グリップ２４Ｌの右端（仮想線Ｌ６）より右方に配置し、左光学レンズ体４９Ｌの右端ＲＥを左前輪支持装置１２Ｌの右縁Ｂ１より左方に配置した。また、左方高指向型ライト部３２Ｌの少なくとも一部を、車体フレーム２の左右方向の左方から見て、左前輪支持装置１２Ｌの回転範囲ＴＲと重なる位置に設けた。

　また、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右方高指向型ライト部３２Ｒの光学レンズ部３３Ｒの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、右端ＲＥを右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より左方に配置し、左端ＬＥを右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より右方に配置した。換言すれば、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、右光学レンズ体４９Ｒの上端ＴＥをハンドル２３の下縁Ｂ３より下方に配置し、右光学レンズ体４９Ｒの下端ＢＥをロワーブラケット１５の下端（仮想線Ｌｃ）より上方に配置し、右光学レンズ体４９Ｒの右端ＲＥを右グリップ２４Ｒの左端（仮想線Ｌ７）より左方に配置し、右光学レンズ体４５９の左端ＬＥを右前輪支持装置１２Ｒの左縁Ｂ２より右方に配置した。また、右方高指向型ライト部３２Ｒの少なくとも一部を、車体フレーム２の左右方向の右方から見て、右前輪支持装置１２Ｒの回転範囲ＴＲと重なる位置に設けた。

　よって、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒが、車体フレーム２の左右方向に間隔を空けて配置され、車体フレーム２の左右方向において左グリップ２４Ｌの右端と右グリップ２４Ｒの左端とに挟まれた範囲に配置される。

　また、本変形例の鞍乗型車両１では、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒが、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、アッパーブラケット１６、ロワーブラケット１５に囲まれた範囲に配置されないので、車体の中央にスペースを空けることができる。

　さらに、本変形例の鞍乗型車両１では、左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒが、回転範囲ＴＲより車体フレーム２の前後方向の前方に配置されないので、ボデー部の前後方向の大型化を抑制できる。

　なお、本変形例の鞍乗型車両１では、上記前面視配置条件により、車体フレーム２の前後方向の前方から見て、左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒが、車体フレーム２の上下方向において、ハンドル２３の下縁Ｂ３とロワーブラケット１５の上端（仮想線Ｌｃ）とに挟まれた範囲に配置されるので、主ビームまたはすれ違いビームを構成する光と、フェンダー２５との干渉を抑制できる。

　＜高指向型ライト部の追加条件＞
　また、本変形例において、左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒは、上記前面視配置条件および側面視配置条件を満たした上で、さらに、上記レンズ幅条件、上下方向対称条件、前後方向対称条件、左右方向対称条件のうち少なくとも１つを満たすように配置されてもよい。

　（実施の形態３）
　上記実施の形態１では、ネイキッドタイプの鞍乗型車両において、左方高指向型ライト部が左前輪支持装置に支持され、右方高指向型ライト部が右前輪支持装置に支持される構成について説明したが、以下では、実施の形態３として、オフロードタイプの鞍乗型車両において、左方高指向型ライト部が左前輪支持装置に備えられ、右方高指向型ライト部が右前輪支持装置に備えられる構成について説明する。

　図３２は、本変形例に係る鞍乗型車両１００の側面図である。図３３は、本変形例に係る鞍乗型車両１００の正面図である。図３４は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１００の平面図である。図３２から図３４では、図１から図３に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、それらの説明は省略する。

　図３２から図３４に示すように、鞍乗型車両１００は、オフロードタイプの鞍乗型車両である。図３２から図３４に示すように、鞍乗型車両１００は、車体フレーム２、燃料タンク３、シート４、パワーユニット５、ステアリングシャフト８、左カバー部９Ｌ、右カバー部９Ｒ、後輪１０、前輪１１、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、ロワーブラケット１５、アッパーブラケット１６、前面カバー１７、左ランプユニット１８Ｌ、右ランプユニット１８Ｒ、ハンドル２３を備える。

　鞍乗型車両１００において、左ランプユニット１８Ｌは、図３２から図３４に示すように、車体フレーム２の左右方向で左前輪支持装置１２Ｌより左方に位置し、左前輪支持装置１２Ｌに固定して支持されている。

　また、鞍乗型車両１００において、右ランプユニット１８Ｒは、図３２から図３４に示すように、車体フレーム２の左右方向で右前輪支持装置１２Ｒより右方に位置し、右前輪支持装置１２Ｒに固定して支持されている。

　なお、左ランプユニット１８Ｌ、右ランプユニット１８Ｒ、左方高指向型ライト部１９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒの各構成については、実施の形態１で説明済みであるので、ここでの説明は省略する。

　＜高指向型ライト部の必要条件＞
　左方高指向型ライト部１９Ｌおよび右方高指向型ライト部１９Ｒは、実施の形態１で説明した前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように配置される。これにより、本実施の形態の鞍乗型車両１００では、指向性が高い光を出射する発光部と、前記発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有する高指向型ライト部を備えつつ、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　（実施の形態３の変形例）
　以下、実施の形態３の変形例として、オフロードタイプの鞍乗型車両が２つの左方高指向型ライト部と２つの右方高指向型ライト部を備える構成について説明する。

　図３５は、本変形例に係る鞍乗型車両１００の側面図である。図３６は、本変形例に係る鞍乗型車両１００の側面図である。図３７は、本変形例に係る鞍乗型車両１００の平面図である。図３５から図３７では、図１から図３に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、それらの説明は省略する。

　図３５から図３７に示すように、車体フレーム２の左右方向で左前輪支持装置１２Ｌより左方には、上方に左ランプユニット３７Ｌが、下方に左ランプユニット４１Ｌが、それぞれ、左前輪支持装置１２Ｌに固定して支持されている。

　また、図３５から図３７に示すように、車体フレーム２の左右方向で右前輪支持装置１２Ｒより右方には、上方に右ランプユニット３７Ｒが、下方に右ランプユニット４１Ｒが、それぞれ、右前輪支持装置１２Ｒに固定して支持されている。なお、図示は省略するが、右ランプユニット４１Ｒには、光レンズ部４３Ｒおよび筐体４４Ｒを有する右方高指向型ライト部４２Ｒが備えられている。

　なお、左ランプユニット３７Ｌ、左ランプユニット４１Ｌ、右ランプユニット３７Ｒ、右ランプユニット４１Ｒ、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、右方高指向型ライト部４２Ｒの各構成については、実施の形態１の変形例で説明済みであるので、ここでの説明は省略する。

　また、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒは、図２０Ａから図２０Ｈに示した構成のずれかを採る。

　＜高指向型ライト部の必要条件＞
　左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒは、実施の形態１で説明した前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように配置される。これにより、本変形例の鞍乗型車両１００では、指向性が高い光を出射する発光部と、前記発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有する高指向型ライト部を備えつつ、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　＜高指向型ライト部の追加条件＞
　また、本変形例において、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒは、上記前面視配置条件および側面視配置条件を満たした上で、さらに、上記左右長さ条件、上下左右長さ条件、上下方向対称条件、前後方向対称条件、左右方向対称条件のうち少なくとも１つを満たすように配置されてもよい。なお、本変形例において、左方高指向型ライト部３８Ｌ、左方高指向型ライト部４２Ｌ、右方高指向型ライト部３８Ｒ、および右方高指向型ライト部４２Ｒが、上下方向対称条件、前後方向対称条件、左右方向対称条件の少なくとも１つを満たすように配置される場合、例えば、左方高指向型ライト部３８Ｌと右方高指向型ライト部３８Ｒとを一対の対称ライト群とし、左方高指向型ライト部４２Ｌと右方高指向型ライト部４２Ｒとを一対の対称ライト群とする。この場合、一対の対称ライト群の各々は、図１１を用いて説明した上下方向対称条件、図１２を用いて説明した前後方向対称条件、図１３を用いて説明した左右方向対称条件の少なくとも１つを満たすように配置されてもよい。

　（実施の形態４）
　次に、実施の形態４として、オフロードタイプの鞍乗型車両において、左方高指向型ライト部が左カバーに備えられ、右方高指向型ライト部が右カバーに備えられる構成について説明する。

　図３８は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１００の側面図である。図３９は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１００の正面図である。図４０は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１００の平面図である。図３８から図４０では、図１から図３に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、それらの説明は省略する。

　図３８から図４０に示すように、鞍乗型車両１００は、車体フレーム２、燃料タンク３、シート４、パワーユニット５、ステアリングシャフト８、左カバー部９Ｌ、右カバー部９Ｒ、後輪１０、前輪１１、左前輪支持装置１２Ｌ、右前輪支持装置１２Ｒ、ロワーブラケット１５、アッパーブラケット１６、前面カバー１７、左ランプユニット１８Ｌ、右ランプユニット１８Ｒ、ハンドル２３を備える。

　図３８から図４０に示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌは、左カバー９Ｌに固定して支持され、右方高指向型ライト部１９Ｒは、右カバー９Ｒに固定して支持されている。

　また、図３８、図４０に示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの筐体２１Ｌは、左カバー９Ｌの内部にあり、右方高指向型ライト部１９Ｒの筐体２１Ｒは、右カバー９Ｒの内部にある。

　また、図３８から図４０に示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの光学レンズ部２０Ｌは、左カバー９Ｌの外部に露出しており、右方高指向型ライト部１９Ｒの光学レンズ部２０Ｒは、右カバー９Ｒの外部に露出している。

　（実施の形態４の変形例１）
　以下、実施の形態４の変形例１として、オフロードタイプの鞍乗型車両が２つの左方高指向型ライト部と２つの右方高指向型ライト部を備える構成について説明する。

　図４１は、本変形例に係る鞍乗型車両１００の側面図である。図４２は、本変形例に係る鞍乗型車両１００の正面図である。図４３は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１００の平面図である。図４１から図４３では、図１から図３に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、それらの説明は省略する。

　図４１から図４３に示すように、左方高指向型ライト部１９Ｌの上方に左方高指向型ライト部２９Ｌが配置され、右方高指向型ライト部１９Ｒ（図示略）の上方に右方高指向型ライト部２９が配置されている。左方高指向型ライト部２９Ｌは、左カバー９Ｌに固定して支持され、右方高指向型ライト部２９Ｒは、右カバー９Ｒに固定して支持されている。

　また、図４１、図４３に示すように、左方高指向型ライト部２９Ｌの筐体３１Ｌは、左カバー９Ｌの内部にあり、右方高指向型ライト部１９Ｒの筐体３１Ｒは、右カバー９Ｒの内部にある。

　また、図４１から図４３に示すように、左方高指向型ライト部２９Ｌの光学レンズ部３０Ｌは、左カバー９Ｌの外部に露出しており、右方高指向型ライト部２９Ｒの光学レンズ部３０Ｒは、右カバー９Ｒの外部に露出している。

　なお、左方高指向型ライト部１９Ｌ、左方高指向型ライト部２９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒ、および右方高指向型ライト部２９Ｒの各構成については、実施の形態２の変形例１で説明済みであるので、ここでの説明は省略する。

　また、左方高指向型ライト部１９Ｌ、左方高指向型ライト部２９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒ、および右方高指向型ライト部２９Ｒは、図２０Ａから図２０Ｈに示した構成のいずれかを採る。

　＜高指向型ライト部の必要条件＞
　左方高指向型ライト部１９Ｌ、左方高指向型ライト部２９Ｌ、右方高指向型ライト部１９Ｒ、および右方高指向型ライト部２９Ｒは、実施の形態１で説明した前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように配置される。これにより、本変形例の鞍乗型車両１００では、指向性が高い光を出射する発光部と、前記発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有する高指向型ライト部を備えつつ、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　（実施の形態４の変形例２）
　以下、実施の形態４の変形例２として、オフロードタイプの鞍乗型車両において左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部が車体フレームの前後方向の前方から見た形状が矩形である光学レンズ部を含む構成について説明する。

　図４４は、本変形例に係る鞍乗型車両１００の側面図である。図４５は、本変形例に係る鞍乗型車両１００の正面図である。図４６は、本実施の形態に係る鞍乗型車両１００の平面図である。図４４から図４６では、図１から図３に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、それらの説明は省略する。

　図４４から図４６に示すように、左方高指向型ライト部３２Ｌは、左カバー９Ｌに固定して支持され、右方高指向型ライト部３２Ｒは、右カバー９Ｒに固定して支持されている。

　また、図４４、図４６に示すように、左方高指向型ライト部３２Ｌの筐体３４Ｌは、左カバー９Ｌの内部にあり、右方高指向型ライト部３２Ｒの筐体３４Ｒは、右カバー９Ｒの内部にある。

　また、図４４から図４６に示すように、左方高指向型ライト部３２Ｌの光学レンズ部３３Ｌは、左カバー９Ｌの外部に露出しており、右方高指向型ライト部３２Ｒの光学レンズ部３３Ｒは、右カバー９Ｒの外部に露出している。

　また、図４５に示すように、左方高指向型ライト部３２Ｌの光学レンズ部３３Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒの光学レンズ部３３Ｒは、車体フレーム２の前後方向の前方から見て車体フレームの上下方向に長い矩形状である。

　なお、左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒの各構成については、実施の形態２の変形例２で説明済みであるので、ここでの説明は省略する。

　＜高指向型ライト部の必要条件＞
　左方高指向型ライト部３２Ｌおよび右方高指向型ライト部３２Ｒは、実施の形態１で説明した前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように配置される。これにより、本変形例の鞍乗型車両１００では、指向性が高い光を出射する発光部と、前記発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有する高指向型ライト部を備えつつ、ステアリングシャフトの前方の鞍乗型車両のボデー部の車体フレームの左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、ステアリングシャフトの前方にスペースを確保できる。

　以上、本発明の各実施の形態について説明した。

　なお、本発明は、各実施の形態に限られるものでない。例えば、本発明の左前輪支持装置および右前輪支持装置として、具体的に図４の左前輪支持装置１２Ｌと右前輪支持装置１２Ｒを示した。しかし、本発明の左前輪支持装置は、車体フレームに支持される上側部材と、前輪を支持し、上側部材に対して上下方向に変位可能な下側部材と、を含み、車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより左方に位置すればよい。また、本発明の右前輪支持装置は、車体フレームに支持される上側部材と、前輪を支持し、上側部材に対して上下方向に変位可能な下側部材と、を含み、車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより右方に位置すればよい。例えば、左前輪支持装置および右前輪支持装置は、ともに、バネおよびダンパーを備えてもよいし、ともにバネおよびダンパーを備えていなくてもよい。または、左前輪支持装置および右前輪支持装置は、一方がバネを備え、もう一方がダンパーを備えてもよい。または、左前輪支持装置および右前輪支持装置は、一方がバネおよびダンパーを備え、もう一方がバネおよびダンパーのいずれも備えなくてもよい。

　また、本発明の高指向型ライト部の構成は、図６Ａから図６Ｃに示す構成に限定されず、指向性が高い光を出射する発光部と、発光部の光を屈折して配光を形成する光学レンズ部とを含み、光学レンズ部により形成された配光が主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光となればよい。例えば、図６Ａから図６Ｃに示す高指向型ライト部１９Ｌは、光学レンズ部２０Ｌと発光部５１がユニット化されたモジュールである。しかしながら、本発明の高指向型ライト部１９Ｌは、光学レンズ部２０Ｌと発光部５１がユニット化されていなくてもよい。また、本発明の高指向型ライト部の構成は、図６Ａから図６Ｃに示す構成に限定されず、図６Ａから図６Ｃに示すそれぞれの構成の一部を組み合わせてもよい。

　また、本発明の鞍乗型車両は、左前輪支持装置の右縁と右前輪支持装置の左縁との間、かつ、アッパーブラケットの下端とロワーブラケットの上端との間の領域の少なくとも一部の車体前方を覆う前面カバーを装着しなくてもよい。

　また、上記実施の形態では、ハンドルの例として、車体フレーム２の左右方向に長い棒状のハンドルを示したが、ハンドルは、例えば、左ハンドルと右ハンドルとが分離して、左ハンドルがアッパーブラケットの左部に固定され、右ハンドルがアッパーブラケットの右部に固定されるセパレートハンドルとしてもよい。すなわち、本発明のハンドルは、車体フレームの左右方向に長く、ライダーの操舵によってステアリングシャフトと一体的に回転すれば、どのような形態でもよい。

　また、本発明の鞍乗型車両は、ライト群（左ライト群および右ライト群）のみで鞍乗型車両に求められる主ビームおよびすれ違いビームを照射できれば、ライト群とは別に、高指向型ライト部を備えてもよい。しかし、ライト群は、全ての高指向型ライト部を備えていることが好ましい。

　また、本発明の高指向型ライト部の光学レンズ部は、指向性が高い光を出射する発光部と、発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有するものであればよく、車体フレームの前後方向の前方から見たときの形状は、限定されない。本発明の高指向型ライト部の光学レンズ部は、車体フレームの前後方向の前方から見たときの形状が、例えば図２等に示す円形、図１０に示す楕円形、または、図３０等に示す矩形であってもよいし、それ以外の形状であってもよい。

　また、本発明の左方高指向型ライト部が左カバーに支持される場合、左方高指向型ライト部の全体（例えば、光学レンズ部および筐体）が左カバーの内部に備えられてもよい。また、本発明の右方高指向型ライト部が右カバーに支持される場合、右方高指向型ライト部の全体（例えば、光学レンズ部および筐体）が右カバーの内部に備えられてもよい。

　また、本発明の左方高指向型ライト部が左カバーに支持される場合、左方高指向型ライト部の全体（例えば、光学レンズ部および筐体）を含む左ランプユニットが左カバーの外部に備えられてもよい。また、本発明の右方高指向型ライト部が右カバーに支持される場合、右方高指向型ライト部の全体（例えば、光学レンズ部および筐体）を含む右ランプユニットが右カバーの外部に備えられてもよい。

　また、本発明の左方高指向型ライト部が複数ある場合、少なくとも１つの左方高指向型ライト部が左前輪支持装置に固定して支持され、少なくとも１つの左方高指向型ライト部が左カバーに固定して支持されてもよい。また、本発明の右方高指向型ライト部が複数ある場合、少なくとも１つの右方高指向型ライト部が右前輪支持装置に固定して支持され、少なくとも１つの右方高指向型ライト部が右カバーに固定して支持されてもよい。

　また、本発明の左方高指向型ライト部は３つ以上あってもよいし、本発明の右方高指向型ライト部は３つ以上あってもよい。その場合、３つ以上の左方高指向型ライト部および３つ以上の右方高指向型ライト部は、上記前面視配置条件および側面視配置条件を満たすように配置される。また、３つ以上の左方高指向型ライト部および３つ以上の右方高指向型ライト部は、前面視配置条件および側面視配置条件に加えて、左右長さ条件、上下左右長さ条件、上下方向対称条件、前後方向対称条件、左右方向対称条件のうち少なくとも１つを満たすように配置されてもよい。また、３つ以上の左方高指向型ライト部および３つ以上の右方高指向型ライト部には、光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる少なくとも２つの主ビーム用高指向型ライト部と、光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる少なくとも２つのすれ違いビーム用高指向型ライト部とが含まれることが好ましい。

　また、本発明の左方高指向型ライト部の光学レンズ部および右方高指向型ライト部の光学レンズ部は、図７、図８に示す配置例に限定されない。すなわち、本発明の左ライト群では、左ライト群に含まれる高指向型ライト部の光学レンズ部からなる左光学レンズ体の上端部が、車体フレームの前後方向の前方から見て、ハンドルの下縁より車体フレームの上下方向の下方に配置され、左光学レンズ体の下端部が、車体フレームの前後方向の前方から見て、ロワーブラケットの下端部より車体フレームの上下方向の上方に配置され、左光学レンズ体の左端部が、車体フレームの前後方向の前方から見て、左グリップの右端部より車体フレームの左右方向の右方に配置され、左光学レンズ体の右端部が、車体フレームの前後方向の前方から見て、左前輪支持装置の右縁より車体フレームの左右方向の左方に配置されればよい。また、本発明の右ライト群では、右ライト群に含まれる高指向型ライト部の光学レンズ部からなる右光学レンズ体の上端部が、車体フレームの前後方向の前方から見て、ハンドルの下縁より車体フレームの上下方向の下方に配置され、右光学レンズ体の下端部が、車体フレームの前後方向の前方から見て、ロワーブラケットの下端部より車体フレームの上下方向の上方に配置され、右光学レンズ体の右端部が、車体フレームの前後方向の前方から見て、右グリップの左端部より車体フレームの左右方向の左方に配置され、右光学レンズ体の左端部が、車体フレームの前後方向の前方から見て、右前輪支持装置の左縁より車体フレームの左右方向の右方に配置されればよい。

　また、本発明の左方高指向型ライト部および右方高指向型ライト部は、後輪が直立した状態においてハンドルが極限まで左操舵されたときの操舵角からハンドルが極限まで右操舵されたときの操舵角までのいずれかの操舵角である場合において車体フレームの左右方向に見たとき、図１４、図２５に示す配置例に限定されない。すなわち、本発明の左方高指向型ライト部の少なくとも一部が、車体フレームの左右方向の左方から見て、左前輪支持装置の回転範囲と重なる位置に設けられればよい。また、本発明の右方高指向型ライト部の少なくとも一部が、右前輪支持装置の回転範囲と重なる位置に設けられればよい。

　また、本発明の各光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅は、図９、図１０に示す長さに限定されない。すなわち、車体フレームの前後方向の前方から見て、本発明の左方高指向型ライト部の光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅は、左前輪支持装置の左縁と左グリップの右端との車体フレームの左右方向の間の長さよりも短ければよい。また、車体フレームの前後方向の前方から見て、本発明の右方高指向型ライト部の光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅は、右前輪支持装置の右縁と右グリップの左端との車体フレームの左右方向の間の長さよりも短ければよい。

　また、本発明の１つの左方高指向型ライト部と本発明の１つの右方高指向型ライト部とを一対の対称ライト群とした場合、その一対の対称ライト群は、図１１から図１３に示す配置例に限定されない。すなわち、車体フレームの前後方向の前方から見て、一対の対称ライト群の一方の高指向型ライト部の光学レンズ部の少なくとも一部が、一対の対称ライト群のもう一方の高指向型ライト部の光学レンズ部の上端より車体フレームの上下方向の下方、かつ、一対の対称ライト群のもう一方の高指向型ライト部の光学レンズ部の下端より車体フレームの上下方向の上方にあればよい。また、車体フレームの上下方向の上方から見て、一対の対称ライト群の一方の高指向型ライト部の少なくとも一部が、一対の対称ライト群のもう一方の高指向型ライト部の前端より車体フレームの前後方向の後方、かつ、一対の対称ライト群のもう一方の高指向型ライト部の後端より車体フレームの前後方向の前方にあればよい。また、車体フレームの前後方向の前方から見て、一対の対称ライト群のうち左方高指向型ライト部の光学レンズ部の中央から中央仮想線までの長さは、一対の対称ライト群のうち右方高指向型ライト部の光学レンズ部の左端から中央仮想線までの長さより大きく、かつ、一対の対称ライト群のうち右方高指向型ライト部の光学レンズ部の右端から中央仮想線までの長さより小さければよい。また、車体フレームの前後方向の前方から見て、一対の対称ライト群のうち右方高指向型ライト部の光学レンズ部の中央から中央仮想線までの長さは、一対の対称ライト群のうち左方高指向型ライト部の光学レンズ部の右端から中央仮想線までの長さより大きく、かつ、一対の対称ライト群のうち左方高指向型ライト部の光学レンズ部の左端から中央仮想線までの長さより小さければよい。

　また、本発明の左方高指向型ライト部が複数あり、本発明の右方高指向型ライト部が複数ある場合、車体フレームの前後方向の前方から見て、複数の左方高指向型ライト部のうち車体フレームの左右方向で最も左方にある左方高指向型ライト部の光学レンズ部の左端と、複数の左方高指向型ライト部のうち車体フレームの左右方向で最も右方にある左方高指向型ライト部の光学レンズ部の右端との車体フレームの左右方向の間の長さ、および、車体フレームの前後方向の前方から見て、複数の右方高指向型ライト部のうち車体フレームの左右方向で最も右方にある右方高指向型ライト部の光学レンズ部の右端と、複数の右方高指向型ライト部のうち車体フレームの左右方向で最も左方にある右方高指向型ライト部の光学レンズ部の左端との車体フレームの左右方向の間の長さは、図１８に示す長さに限定されない。すなわち、車体フレームの前後方向の前方から見て、本発明の複数の左方高指向型ライト部のうち車体フレームの左右方向で最も左方にある左方高指向型ライト部の光学レンズ部の左端と、複数の左方高指向型ライト部のうち車体フレームの左右方向で最も右方にある左方高指向型ライト部の光学レンズ部の右端との車体フレームの左右方向の間の長さは、左前輪支持装置の左端と左グリップの右端との車体フレームの左右方向の間の長さよりも短ければよい。また、車体フレームの前後方向の前方から見て、本発明の複数の右方高指向型ライト部のうち車体フレームの左右方向で最も右方にある右方高指向型ライト部の光学レンズ部の右端と、本発明の複数の右方高指向型ライト部のうち車体フレームの左右方向で最も左方にある右方高指向型ライト部の光学レンズ部の左端との車体フレームの左右方向の間の長さは、右前輪支持装置の右端と右グリップの左端との車体フレームの左右方向の間の長さよりも短ければよい。

　また、本発明の左方高指向型ライト部が１つであり、本発明の右方高指向型ライト部が１つである場合、１つの左方高指向型ライト部が、光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる主ビーム用高指向型ライト部であり、１つの右方高指向型ライト部が、光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となるすれ違いビーム用高指向型ライト部であってもよい。または、１つの右方高指向型ライト部が、光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる主ビーム用高指向型ライト部であり、１つの左方高指向型ライト部が、光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となるすれ違いビーム用高指向型ライト部であってもよい。

　本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施の形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施の形態は、本発明をここに記載しかつ／または図示した好ましい実施の形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、多くの図示実施形態がここに記載されている。

　本発明の図示実施形態を幾つかここに記載した。本発明は、ここに記載した各種の好ましい実施の形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ（例えば、各実施の形態に跨る特徴の組み合わせ）、改良および／または変更を含むあらゆる実施の形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施の形態に限定されるべきではない。そのような実施の形態は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、この開示において、「好ましくは」や「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」や「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味するものである。

　２０１４年６月１１日出願の特願２０１４－１２０２３５の日本出願、２０１４年６月１１日出願の特願２０１４－１２０２３６の日本出願および２０１４年１２月１８日出願の特願２０１４－２５６３９３の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書は、すべて本願に援用される。

　本発明は、鞍乗型車両に有用である。

　１、１００　鞍乗型車両
　２　車体フレーム
　３　燃料タンク
　４　シート
　５　パワーユニット
　６　ヘッドパイプ
　７　本体フレーム
　８　ステアリングシャフト
　９Ｌ　左カバー部
　９Ｒ　右カバー部
　１０　後輪
　１１　前輪
　１２Ｌ　左前輪支持装置
　１２Ｒ　右前輪支持装置
　１３Ｌ　左下側部材
　１３Ｒ　右下側部材
　１４Ｌ　左上側部材
　１４Ｒ　右上側部材
　１５　ロワーブラケット
　１６　アッパーブラケット
　１７　前面カバー
　１８Ｌ、３５Ｌ、３７Ｌ、４１Ｌ　左ランプユニット
　１８Ｒ、３５Ｒ、３７Ｒ、４１Ｒ　右ランプユニット
　１９Ｌ、２９Ｌ、３２Ｌ、３８Ｌ、４２Ｌ　左方高指向型ライト部
　１９Ｒ、２９Ｒ、３２Ｒ、３８Ｒ、４２Ｒ　右方高指向型ライト部
　２０Ｌ、３０Ｌ、３３Ｌ、３６Ｌ、３９Ｌ、４３Ｌ　左方高指向型ライト部の光学レンズ部
　２０Ｒ、３０Ｒ、３３Ｒ、３６Ｒ、３９Ｒ、４３Ｒ　右方高指向型ライト部の光学レンズ部
　２１Ｌ、３１Ｌ、３４Ｌ、４０Ｌ、４４Ｌ　左方高指向型ライト部の筐体
　２１Ｒ、３１Ｒ、３４Ｒ、４０Ｒ、４４Ｒ　右方高指向型ライト部の筐体
　２３　ハンドル
　２４Ｌ　左グリップ
　２４Ｒ　右グリップ
　２５　フェンダー
　２７　ハンドルホルダ
　４５Ｌ、４６Ｌ、４７Ｌ、４８Ｌ、４９Ｌ　左光学レンズ体
　４５Ｒ、４６Ｒ、４７Ｒ、４８Ｒ、４９Ｒ　右光学レンズ体
　５０　基板
　５１　発光部
　５２　ヒートシンク
　５３　光ファイバー
　５４　光源
　５５　反射鏡
　６０、６１、６２、６３　部品

Claims

　車体フレームと、
　１つの前輪部と、
　前記車体フレームに回転可能に支持されるステアリングシャフトと、
　中央部が前記ステアリングシャフトの上部に設けられるアッパーブラケットと、
　中央部が前記ステアリングシャフトの下部に設けられるロワーブラケットと、
　前記車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより左方に設けられ、前記アッパーブラケットの左部および前記ロワーブラケットの左部に支持される左上側部材と、前記前輪部を支持し、前記左上側部材に対して上下方向に変位可能な左下側部材と、を含み、前記ステアリングシャフトと一体的に回転する左前輪支持装置と、
　前記車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより右方に設けられ、前記アッパーブラケットの右部および前記ロワーブラケットの右部に支持される右上側部材と、前記前輪部を支持し、前記右上側部材に対して上下方向に変位可能な右下側部材と、を含み、前記ステアリングシャフトと一体的に回転する右前輪支持装置と、
　前記ステアリングシャフトの上部に設けられ、前記ステアリングシャフトと一体的に回転し、前記車体フレームの左右方向に長いハンドルと、
　前記ハンドルの左部に設けられる左グリップと、
　前記ハンドルの右部に設けられる右グリップと、
　指向性が高い光を出射する発光部と、前記発光部の光を屈折して、主ビームまたはすれ違いビームの少なくとも一部の配光を形成する光学レンズ部とを有する高指向型ライト部を少なくとも１つ以上含み、前記車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより左方に設けられる左ライト群と、
　前記高指向型ライト部を少なくとも１つ以上含み、前記車体フレームの左右方向で前記ステアリングシャフトより右方に設けられる右ライト群と、
　を備え、
　前記左ライト群は、
　前記左ライト群に含まれる前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部からなる左光学レンズ体の上端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記ハンドルの下縁より前記車体フレームの上下方向の下方に配置され、
　前記左光学レンズ体の下端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記ロワーブラケットの下端部より前記車体フレームの上下方向の上方に配置され、
　前記左光学レンズ体の左端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左グリップの右端部より前記車体フレームの左右方向の右方に配置され、
　前記左光学レンズ体の右端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左前輪支持装置の右縁より前記車体フレームの左右方向の左方に配置され、
　前記左ライト群の少なくとも一部が、前記車体フレームの左右方向の左方から見て、前記左前輪支持装置の回転範囲と重なる位置に設けられ、
　前記右ライト群は、
　前記右ライト群に含まれる前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部からなる右光学レンズ体の上端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記ハンドルの下縁より前記車体フレームの上下方向の下方に配置され、
　前記右光学レンズ体の下端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記ロワーブラケットの下端部より前記車体フレームの上下方向の上方に配置され、
　前記右光学レンズ体の右端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右グリップの左端部より前記車体フレームの左右方向の左方に配置され、
　前記右光学レンズ体の左端部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右前輪支持装置の左縁より前記車体フレームの左右方向の右方に配置され、
　前記右ライト群の少なくとも一部が、前記車体フレームの左右方向の右方から見て、前記右前輪支持装置の回転範囲と重なる位置に設けられている、
　鞍乗型車両。
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅は、前記左前輪支持装置の左縁と前記左グリップの右端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さよりも短く、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の左右方向の最大レンズ幅は、前記右前輪支持装置の右縁と前記右グリップの左端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さよりも短い、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左光学レンズ体の左端部と前記左光学レンズ体の右端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さは、前記左前輪支持装置の左縁と前記左グリップの右端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さよりも短く、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右光学レンズ体の右端部と前記右光学レンズ体の左端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さは、前記右前輪支持装置の右縁と前記右グリップの左端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さよりも短い、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左光学レンズ体の少なくとも一部が、前記右光学レンズ体の上端部より前記車体フレームの上下方向の下方、かつ、前記右光学レンズ体の下端部より前記車体フレームの上下方向の上方にある、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の少なくとも一部が、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の上端部より前記車体フレームの上下方向の下方、かつ、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の下端部より前記車体フレームの上下方向の上方にある、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記車体フレームの上下方向の上方から見て、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の少なくとも一部が、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前端部より前記車体フレームの前後方向の後方、かつ、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の後端部より前記車体フレームの前後方向の前方にある、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記車体フレームの上下方向で前記車体フレームの中央を通る直線を中央仮想線とした場合、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の中央から前記中央仮想線までの長さは、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の左端部から前記中央仮想線までの長さより大きく、かつ、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の右端部から前記中央仮想線までの長さより小さく、
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の中央から前記中央仮想線までの長さは、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の右端部から前記中央仮想線までの長さより大きく、かつ、前記左ライト群の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の左端部から前記中央仮想線までの長さより小さい、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記左ライト群のうち少なくとも１つの前記高指向型ライト部は、前記左前輪支持装置に支持され、
　前記右ライト群のうち少なくとも１つの前記高指向型ライト部は、前記右前輪支持装置に支持される、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記車体フレームの少なくとも左方を覆う左カバー部と、
　前記車体フレームの少なくとも右方を覆う右カバー部と、をさらに備え、
　前記左ライト群のうち少なくとも１つの前記高指向型ライト部は、前記左カバーに支持され、
　前記右ライト群のうち少なくとも１つの前記高指向型ライト部は、前記右カバーに支持される、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記左光学レンズ体の上端部と前記左光学レンズ体の下端部の前記車体フレームの上下方向の間の長さは、前記左光学レンズ体の左端部と前記左光学レンズ体の右端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さより長く、
　前記右光学レンズ体の上端部と前記右光学レンズ体の下端部の前記車体フレームの上下方向の間の長さは、前記右光学レンズ体の右端部と前記右光学レンズ体の左端部の前記車体フレームの左右方向の間の長さより長い、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記左ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる２つの前記高指向型ライト部を含み、かつ、前記右ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる２つの前記高指向型ライト部を含む、または、
　前記左ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる２つの前記高指向型ライト部を含み、かつ、前記右ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる２つの前記高指向型ライト部を含む、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記左ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる１つの前記高指向型ライト部と、前記光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる１つの前記高指向型ライト部とを含み、かつ、前記右ライト群は、前記光学レンズ部により形成された配光が主ビームの少なくとも一部の配光となる１つの前記高指向型ライト部と、前記光学レンズ部により形成された配光がすれ違いビームの少なくとも一部の配光となる１つの前記高指向型ライト部とを含む、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左前輪支持装置の右縁と前記右前輪支持装置の左縁との間、かつ、前記アッパーブラケットの下端部と前記ロワーブラケットの上端部との間の領域の少なくとも一部の車体フレームの前後方向の前方を覆う前面カバーをさらに備える、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記高指向型ライト部以外の電気電子部品、スロットルワイヤー、ブレーキワイヤー、ブレーキホース、クラッチワイヤー、ワイヤーハーネス、キーシリンダー、の少なくとも一部が、前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左ライト群のうち前記車体フレームの上下方向に位置する複数の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の各々の右端部を通る左仮想線と、前記右ライト群のうち前記車体フレームの上下方向に位置する複数の前記高指向型ライト部の前記光学レンズ部の各々の左端部を通る右仮想線との間、かつ、
　前記車体フレームの上下方向の上方から見て、前記左ライト群および前記右ライト群の前端より前記車体フレームの前後方向の後方、かつ、前記左ライト群および前記右ライト群の後端より前記車体フレームの前後方向の前方に、配置されている、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。
　前記高指向型ライト部は、
　１つの前記発光部と、１つの前記光学レンズ部とを含むモジュールである、
　請求項１に記載の鞍乗型車両。