以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は、第1実施形態の搬送システム1の平面図を示す。図2は、第1実施形態の搬送システムの第1状態の図を示す。図3は、第1実施形態の搬送システムの第2状態の図を示す。
本実施形態の搬送システム1は、ロータ部2と、回転機構3と、昇降機構4と、パック5と、キャップ6と、を備える。本実施形態の搬送システム1では、パック5とキャップ6に支持された被搬送品10が、ロータ部2の外周縁に設置された回転機構3によって回転可能な状態、昇降機構4によって昇降可能な状態で搬送される。
ロータ部2は、第1軸O1を中心に回転可能な概略円盤状のロータ本体21と、ロータ本体21の外周縁で回転機構3を支持するテーブル22と、を有する。ロータ部2は、回転機構3、昇降機構4のカム部材44を除く部材、パック5、及びキャップ6と一体に回転する。
回転機構3は、テーブル22内に設置されるモータ等の回転駆動部31と、回転駆動部31の出力軸31aに連結され、回転駆動力をパック5に伝達する伝達部32と、を有する。なお、テーブル22と伝達部32の間には、図示しないベアリング等を設置する。
昇降機構4は、一端をロータ本体21に対して上下動可能に支持され、他端で第1パック部材51を載置すると共に第2パック部材52を支持するアーム41と、アーム41に連結される連結部材42と、連結部材42に支持されるカムフォロア43と、カムフォロア43に当接するカム面が形成され、ロータ部2とは別体で非回転のカム面44aが形成されたカム部材44と、を有する。
パック5は、略筒状の第1パック部材51と、第1パック部材51の内周側に上下動可能に嵌め込まれる略筒状の第2パック部材52と、第2パック部材52の内周側に上下動可能に嵌め込まれ被搬送品10を載置するプッシャー部材53と、を有し、回転機構3によって第2軸O2を中心に回転可能である。
第1パック部材51及びプッシャー部材53は、第2パック部材52に下方から支持され、第2パック部材52に対して上方に移動可能に組み付けられる。第2パック部材52は、下方に伝達部32が挿入される凹部52dを有する。プッシャー部材53は、伝達部32に載置され、第2パック部材52内を上下方向に移動可能に支持される。
キャップ6は、上方から被搬送品10を回転可能に押さえ、被搬送品10の上下動に連動して上下動可能となっている。
次に、第1実施形態の搬送システム1の作動について説明する。第1実施形態では、撮像装置110によって被搬送品10を検査する場合について説明する。
まず、図1に示すように、被搬送品10は、パック5に載置された状態で導入ロータ11からロータ部2に搬送される。ロータ部2の第1領域2aの付近では、図2に示すように、被搬送品10は、プッシャー部材53と共に伝達部32の上に載置される。また、アーム部41が第2パック部材52の外側に位置し、第1パック部材51を下方から支持する。そのため、ロータ部2に搬送された被搬送品10の下方は、パック5の第1パック部材51内に挿入された第1状態となる。したがって、被搬送品10が他の部分に接触して傷が発生することを低減する。また、被搬送品10は、パック5によって安定に支持される。
しかしながら、第1状態で、被搬送品10を撮像装置110によって撮影しようとすると、被搬送品10の下方は、第1パック部材51によって覆われているので、写すことができない。
そのため、図1に示す撮像装置110に対向する位置に到着する前の第2領域2bの付近で、図3に示すように、カムフォロア43をカム44に沿って下方に移動させる。すると、連結部42及びアーム41が下方に移動し、第2パック部材52及び第1パック部材51も下方に移動し、第2状態となる。この時、回転駆動部31を駆動することで出力軸31aから伝達部32、第2パック部材52、プッシャー部材53がそれぞれ回転する。そのため、被搬送品10も回転し、被搬送品10の側方及び底の一部を観察することができ、撮像装置110によって被搬送品10の全体を的確に撮影することが可能となる。
その後、撮像装置110を通り過ぎた被搬送品10は、図1に示す撮像装置110に対向する位置を通り過ぎた後の第3領域2cの付近で、図2に示すように、カムフォロア43をカム44に沿って上方に移動させる。すると、連結部42及びアーム41が上方に移動し、第2パック部材52及び第1パック部材51も上方に移動し、図2に示した第1状態となる。その後、図1に示すように、排出ロータ12によって排出される。
このように、第1実施形態の搬送システム1では、被搬送品10の搬送時は、パック5の第1パック部材51及び第2パック部材52を上方に移動し、被搬送品10をガードすることによって、被搬送品10が他の部分に接触して傷が発生することを低減すると共に、パック5によって安定に支持される。また、撮影時等の被搬送品10の観察が必要な時には、パック5の第1パック部材51及び第2パック部材52を下方に移動し、被搬送品10の全体が側方から観察することができるようにすることによって、被搬送品10の全体を的確に観察することが可能となる。
次に、第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態の搬送システムの平面図を示す。図5は、第2実施形態の搬送システムの第1状態の図を示す。図6は、第2実施形態の搬送システムの第2状態の図を示す。図7は、第2実施形態の搬送システムの第3状態の図を示す。
第2実施形態の搬送システム1は、被搬送品10が薬品等を内蔵する容器であって、図4に示すように、外観を検査する第1撮像装置110aと容器内部の異物を検査する第2撮像装置110bを備える。そして、第2実施形態の搬送システム1によって被搬送品10は、第1実施形態の通常搬送時の第1状態及び外観を検査する第2状態に加えて、容器内部の異物を検査する第3状態で搬送される。
そのため、第2実施形態の搬送システム1は、第1実施形態の搬送システム1に代えて、図5に示すように、回転機構3が、回転及び上下方向に移動可能な第1伝達部32a、並びに、回転のみ可能な第2伝達部32bに分割した伝達部32と、第1伝達部32aを上下方向に移動させる上下駆動部33と、を有する。
第1伝達部32aは、回転駆動部31の出力軸31aにスプライン等によって一体に回転すると共に上下方向に移動可能に連結される。また、第1伝達部32aは、第2伝達部32bにもスプライン等によって一体に回転すると共に上下方向に移動可能に連結される。第1伝達部32aの上方には、プッシャー部材53が載置される。第2伝達部32bは、第1伝達部32aから回転駆動力が伝達され、回転する。なお、駆動部31の出力軸31a、第1伝達部32a、及び第2伝達部32bとテーブル22との間には、図示しないベアリング等を設置する。
上下駆動部33は、第1伝達部32aを上下方向に移動させる。上下駆動部33は、例えば、リニアモータ又はソレノイド等のアクチュエータでよい。
次に、第2実施形態の搬送システム1の作動について説明する。第2実施形態では、第1撮像装置110a及び第2撮像装置110bによって被搬送品10を検査する場合について説明する。
まず、図4に示すように、被搬送品10は、パック5に載置された状態で導入ロータ11からロータ部2に搬送される。ロータ部2の第1領域2aの付近では、図5に示すように、被搬送品10は、プッシャー部材53と共に伝達部32の上に載置される。また、アーム部41が第2パック部材52の外側に位置し、第1パック部材51を下方から支持する。そのため、ロータ部2に搬送された被搬送品10の下方は、パック5の第1パック部材51内に挿入された第1状態となる。したがって、被搬送品10が他の部分に接触して傷が発生することを低減する。また、被搬送品10は、パック5によって安定に支持される。
しかしながら、第1状態で、被搬送品10を第1撮像装置110によって撮影しようとすると、被搬送品10の下方は、第1パック部材51によって覆われているので、写すことができない。
そのため、図4に示す第1撮像装置110aに対向する位置に到着する前の第2領域2bの付近で、図6に示すように、カムフォロア43をカム44に沿って下方に移動させる。すると、連結部42及びアーム41が下方に移動し、第2パック部材52及び第1パック部材51も下方に移動し、第2状態となる。この時、回転駆動部31を駆動することで出力軸31aから伝達部32、第2パック部材52、プッシャー部材53がそれぞれ回転する。そのため、被搬送品10も回転し、被搬送品10の側方前部及び底の一部を観察することができ、第1撮像装置1110aによって被搬送品10の全体を的確に撮影することが可能となる。
その後、第1撮像装置110aを通り過ぎた被搬送品10は、第2撮像装置110bに対向する位置に到着する前の第3領域2cの付近で、図7に示すように、上下駆動部33を駆動し、第1伝達部32aを下方に移動させる。すると、プッシャー部材53が下方に移動し、被搬送品10も下方に移動し、第3状態となる。この時、キャップ6も下方に移動するように設定する。この時、第1伝達部32a、第2伝達部32b、及びプッシャー部材53は、駆動部31の駆動によって回転したままであって、被搬送品10も回転している。
第2撮像装置110bは、被搬送品10である容器内の異物を検査するものである。したがって、異物を容器内で拡散させるために、第2撮像装置110bで検査する際の被搬送品10の回転数は、第1撮像装置110aで外観を検査した時よりも高速に設定することが好ましい。そして、被搬送品10を高速で回転させる際に安定して保持するために、被搬送品10の下方の一部を第1パック部材51及び第2パック部材52で支持することが好ましい。第2実施形態の搬送システム1では、被搬送品10の下方の一部を第1パック部材51及び第2パック部材52で支持したとしても、被搬送品10内の異物は、回転によって上方に拡散されているので、第2撮像装置110bによって異物が撮影され、検査することが可能である。
その後、第2撮像装置112を通り過ぎた被搬送品10は、図7に示す第4領域2dの付近で、カムフォロア43をカム44に沿って上方に移動させる。すると、連結部42及びアーム41が上方に移動し、第2パック部材52及び第1パック部材51も上方に移動し、図5に示した第1状態となる。その後、図4に示すように、排出ロータ12によって排出される。
このように、第2実施形態の搬送システム1では、被搬送品10の搬送時は、パック5の第1パック部材51及び第2パック部材52を上方に移動し、被搬送品10をガードすることによって、被搬送品10が他の部分に接触して傷が発生することを低減すると共に、パック5によって安定に支持される。また、撮影時等の被搬送品10の観察が必要な時には、パック5の第1パック部材51及び第2パック部材52を下方に移動し、被搬送品10の全体が側方から観察することができるようにすることによって、被搬送品10の全体を的確に観察することが可能となる。さらに、第1伝達部32aは、回転駆動部31の出力軸31aにスプライン等によって一体に回転すると共に上下方向に移動可能に連結され、第2伝達部32bにもスプライン等によって一体に回転すると共に上下方向に移動可能に連結されるので、パック5の第1パック部材51及び第2パック部材52で下方の一部を保持しながら安定して高速回転することが可能となる。
次に、パック5について具体的に説明する。まず、第1の被搬送品10aに適した第1パック5aについて説明する。
図8は、第1の被搬送品10aに適した第1パック5aの図を示す。図9は、第2の被搬送品10bに適した第2パック5bの図を示す。なお、各図の(a)は第1状態、(b)は第2状態、(c)は第3状態を示す。
図8に示す第1パック5aは、第1パック部材51と、第2パック部材52と、プッシャー部材53と、を有する。
第1パック部材51は、第1の被搬送品10aを収納する内径を有する第1円筒部51aと、第1円筒部51aと異なる径を有する第2円筒部51bと、第1円筒部51aと第2円筒部51bとを連結する段差部51cと、を有する。第2パック部材52は、第2円筒部51bの内周と接触する外周部52aと、プッシャー部材53と接触する内周部52bと、段差部51cを下方で受け止めるストッパ部52cと、を有する。また、内周部52bの下方には、図6に示したような伝達部32が挿入される凹部52dが形成される。プッシャー部材53は、内周部52bに接触する円柱部53aと、円柱部53aから径方向に突出し第2パック部材52に上方から引っ掛かる突出部53bと、第1の被搬送品10aを載置する載置部53cと、を有する。
第1状態では、図8(a)に示すように、第1の被搬送品10aは、載置部53cに載置されると共に、第1円筒部51aで側面を支持されるので、安定に保持される。第2状態では、図6に示したようにアーム41が下方に移動することで、図8(b)に示すように第1パック部材51及び第2パック部材52が下方に移動するので、プッシャー部材53に載置された第1の被搬送品10aは、底面を除きほぼ全体が観察可能となる。第3状態では、図7に示したようにプッシャー部材53が下がり、プッシャー部材53だけでなく第2パック部材52でも支持するので、高速な回転に対しても安定に保持されることが可能となる。
次に、第1の被搬送品10aよりも大きい第2の被搬送品10bに適した第2パック5bについて説明する。
図9に示す第2パック5bは、第1パック部材51と、第2パック部材52と、プッシャー部材53と、を有する。
第1パック部材51は、第2の被搬送品10bを収納する内径を有する第1円筒部51aと、第1円筒部51aと異なる径を有する第2円筒部51bと、第1円筒部51aと第2円筒部51bとを連結する段差部51cと、を有する。第2パック部材52は、第2円筒部51bの内周と接触する外周部52aと、プッシャー部材53と接触する内周部52bと、を有する。また、内周部52bの下方には、図3に示したような伝達部32が挿入される凹部52dが形成される。プッシャー部材53は、内周部52bに接触する円柱部53aと、円柱部53aから径方向に突出し第2パック部材52に上方から引っ掛かる突出部53bと、第2の被搬送品10bを載置する載置部53cと、を有する。
第1状態では、図9(a)に示すように、第2の被搬送品10bは、段差部51cと載置部53cに載置されると共に、第1円筒部51aで側面を支持されるので、安定に保持される。第2状態では、図6に示したようにアーム41が下方に移動することで、図9(b)に示すように第1パック部材51及び第2パック部材52が下方に移動するので、プッシャー部材53に載置された第2の被搬送品10bは、底面を除きほぼ全体が観察可能となる。第3状態では、図7に示したようにプッシャー部材53が下がり、プッシャー部材53だけでなく第2パック部材52でも支持するので、高速な回転に対しても安定に保持されることが可能となる。
このように、本実施形態の搬送システム1では、パック5は、被搬送品10の寸法に応じて複数の種類を有することが可能である。異なる種類のパック5は、構造が同様のものであって、第1パック部材51の上方のみ被搬送品10にあわせて寸法を変更すればよい。特に、図8(b)及び図9(b)に示した第2パック部材52の下方の凹部52dの内径は、すべて同一に形成することが好ましい。また、第2実施形態の搬送システム1の場合には、プッシャー部材53の径も同一に形成することが好ましい。
また、本実施形態の搬送システム1では、第2パック部材52の下方の凹部52dの内径をすべて同一に形成することによって、回転機構3の伝達部32を第2パック部材52の凹部52dに的確に挿入されることとなる。また、第2実施形態の搬送システム1の場合に、プッシャー部材53の径を同一に形成することによって、プッシャー部材53を伝達部32に的確に挿入することが可能となる。
図10は、長尺物を被搬送品10cとした場合の第3パック5cの図を示す。なお、図10(a)は第1状態、図10(b)は第2状態を示す。
図10に示すようなシリンジのような長尺物を被搬送品10cとした例では、第3パック5cは押さえ部材54及び付勢部材55を有することが好ましい。押さえ部材54は、第1パック部材51に形成された凹部51dに取り付けられた軸51eに対して回転可能に取り付けられる。付勢部材55は、軸51eに取り付けられ、第1パック部材51に対して押さえ部材54を閉じる方向に付勢する。すなわち、被搬送品10cを押さえる方向に付勢する。
このように、押さえ部材54と付勢部材55とを用いることによって、シリンジのような長尺物の被搬送品10cを搬送する場合であっても、安定して搬送することが可能となる。
次に、本実施形態の搬送システムを備えた被搬送品検査システムについて説明する。
図11は、本実施形態の搬送システムを備えた被搬送品検査システムの図を示す。
本実施形態の搬送システム1を備えた被搬送品検査システム100は、被搬送品10を供給する供給部101と、供給部101から供給された被搬送品10をパック5に載置する供給ロータA1と、供給ロータA1から供給されパック5に載置された被搬送品10を搬送する搬送システム1と、パック5上の被搬送品10を撮影する撮像装置111,112,113と、撮像装置111,112,113が撮影した映像を画像処理する画像処理部121と、画像処理部121の処理した画像から被搬送品10を検査する検査部122と、を備える。
図11に示す被搬送品検査システム100は、まず、供給部101から、図2に示したパック5に載置された被搬送品10が供給される。供給部101は、特許文献1に示されているような供給スクリュー等で構成すればよい。供給部101から供給された被搬送品10は、供給ロータA1でパック5に載置された後、中央ロータ102に搬送される。中央ロータ102に搬送された被搬送品10は、第1中継ロータB1を経て第1検査ロータC1に搬送され、第1撮像装置111a及び第2撮像装置111bによって撮像され、検査部122で検査される。その後、第2中継ロータB2を経て、中央ロータ102に戻る。この場合、第1検査ロータC1に本実施形態の搬送システム1を用いて、第1状態と第2状態又は第3状態を切り換えることが好ましい。第2状態と第3状態のどちらを選択するかは、検査内容によって決定すればよい。なお、第1検査ロータC1、第2検査ロータC2、及び第3検査ロータC3が、搬送システム1に対応する。
なお、本実施形態では、パック5に載置した被搬送品10を供給ロータA1から中央ロータ102及び第1中継ロータB1を経て間接的に第1検査ロータC1に供給したが、供給ロータA1から直接第1検査ロータC1に搬送してもよい。
次に、中央ロータ102に搬送された被搬送品10は、第3中継ロータB3を経て第2検査ロータC2に搬送され、第3撮像装置111c及び第4撮像装置111dによって撮像され、検査部122で検査される。その後、第4中継ロータB4を経て、中央ロータ102に戻る。第2検査ロータC2の場合も第1検査ロータC1の場合と同様に、本実施形態の搬送システム1を用いて、第1状態と第2状態又は第3状態を切り換えることが好ましい。第2状態と第3状態のどちらを選択するかは、検査内容によって決定すればよい。
次に、第4中継ロータB4から中央ロータ102に搬送された被搬送品10は、第5中継ロータB5を経て第3検査ロータC3に搬送され、第5撮像装置111e及び第6撮像装置111fによって撮像され、検査部122で検査される。その後、第6中継ロータB6を経て、中央ロータ102に戻る。第3検査ロータC3の場合も、第1検査ロータC1又は第2検査ロータC2の場合と同様に、本実施形態の搬送システム1を用いて、第1状態と第2状態又は第3状態を切り換えることが好ましい。第2状態と第3状態のどちらを選択するかは、検査内容によって決定すればよい。
次に、第6中継ロータB6から中央ロータ102に搬送された良品の被搬送品10は、排出ロータD1を経て出荷トレー103に搬送される。ここで、検査部122において不良品と判定された被搬送品10は、不良品中継ロータE1に搬送される。第1検査ロータC1で不良品と判定された被搬送品10は、不良品中継ロータE1から第1不良品排出ロータF1を経て第1不良品トレー104に排出される。第2検査ロータC2で不良品と判定された被搬送品10は、不良品中継ロータE1から第2不良品排出ロータF2を経て第2不良品トレー105に排出される。第3検査ロータC3で不良品と判定された被搬送品10は、不良品中継ロータE1から第3不良品排出ロータF3を経て第3不良品トレー106に排出される。
このように、被搬送品検査システム100に搬送システム1を用いることによって、搬送システム1の作用効果に加えて、被搬送品10に対する複数の検査を迅速且つ的確に行うことが可能となる。
次に、本実施形態の被搬送品検査システム100のパックカートリッジ7について説明する。本実施形態の被搬送品検査システム100では、予めパック5が各ロータを循環しており、供給ロータA1に被搬送品10が供給された時にパック5に被搬送品10が載置される構成となっている。従来は、サイズの異なる容器を搬送する場合、容器のサイズにあわせて搬送システムの多くの部品を交換する必要があり、手間と時間がかかっていた。
本実施形態の被搬送品検査システム100では、図8、図9、及び図10に示したように、異なる被搬送品10を検査する場合、異なる形状のパック5を用いる。そして、異なるパック5を用いるので、被搬送品検査システム100内のパック5を交換しなければならない。
図12は、本実施形態の被搬送品検査システムのパックカートリッジの図を示す。図13は、本実施形態の被搬送品検査システムの供給ロータにパックカートリッジからパックを供給している図を示す。図14は、本実施形態の被搬送品検査システムの中央ロータにパックカートリッジからパックを供給している図を示す。
図12に示すように、本実施形態の被搬送品検査システム100のパックカートリッジ7は、滑らかな面で形成された底板71と、底板71の短手方向の両端部から上方に延びる側壁72と、を有する。パックカートリッジ7の底板71には、パック5が長手方向に並べられる。
このようにパック5が並べられたカートリッジ7は、図13に示すような第1アダプタ81によって、供給ロータA1に連結される。第1アダプタ81は、パックカートリッジ7から送られた方向と同じ方向にパック5を送る。そして、パック5は、パックカートリッジ7から供給ロータA1へ順に供給される。この場合、供給ロータA1は、パック供給ロータを構成する。
また、図14に示すような第2アダプタ82によって、中央ロータ102に連結されてもよい。第2アダプタ82は、パックカートリッジ7から送られた方向と異なる方向にパック5を送る。そして、パック5は、カートリッジ7から中央ロータ102へ順に供給される。この場合、中央ロータ102は、パック供給ロータを構成する。
このように、パック5を並べたカートリッジ7を用いることによって、短時間で円滑にパック5を交換することが可能となる。
図15は、他の実施形態の被搬送品検査システムのパックカートリッジの図を示す。
図15に示す他の実施形態の被搬送品検査システム100のパックカートリッジ7は、図12に示した底板71に代えて、ベルトコンベア9を用いたものである。ベルトコンベア9は、アダプタ8を介して、所定のロータ部2へ向けてパック5を搬送するように駆動する。
このように、ベルトコンベア9を用いたカートリッジ7を用いることによって、図12に示したカートリッジ7よりも、より短時間で円滑にパック5を交換することが可能となる。
以上、本発実施形態にかかる搬送システム1は、被搬送品10を搬送する搬送システム1において、第1軸O1を中心に回転可能な円盤状のロータ本体21及びロータ本体21の外周縁で一体に回転するテーブル22を有するロータ部2と、テーブル22内に設置される回転駆動部31及び回転駆動部31が駆動する回転駆動力を伝達する伝達部32を有する回転機構3と、上方に被搬送品10を収納可能な第1パック部材51、第1パック部材51の内周に上下動可能に接触し、下方に伝達部32が挿入される第2パック部材52、及び第2パック部材52の内周に上下動可能に接触し被搬送品10を載置するプッシャー部材53を有し、回転機構3によって第2軸O2を中心に回転可能なパック5と、一端をロータ本体21に上下動可能に支持され、他端で第1パック部材51を載置すると共に第2パック部材52を支持するアーム41を有する昇降機構4と、を備えるので、簡単な構造で、被搬送品10がガイド等に接触することを防止することが可能となる。
また、本実施形態にかかる搬送システム1では、パック5は、被搬送品10の少なくとも一部が第1パック部材51内に挿入された第1状態と、アーム41が下方に移動することで第2パック部材52及び第1パック部材51が下方に移動し、プッシャー部材53に載置された被搬送品10が第1パック部材51及び第2パック部材52よりも上方に突出する第2状態と、に変化可能なので、状況にあわせて状態を変化させることが可能となる。
また、本実施形態にかかる搬送システム1では、被搬送品10を上方から回転可能に押さえ、被搬送品10の上下動に連動して上下動可能なキャップ6を備えるので、被搬送品10を安定して保持することが可能となる。
また、本実施形態にかかる搬送システム1では、プッシャー部材53は、径方向に突出し第2パック部材52の上方に引っ掛かる突出部53bを有するので、被搬送品10をより安定して保持することが可能となる。
また、本実施形態にかかる搬送システム1では、第2パック部材52は、第1パック部材51を下方で受け止めるストッパ部52cを有するので、第1パック51の下方への落下を防止することが可能となる。
また、本実施形態にかかる搬送システム1では、昇降機構4は、アーム41に連結される連結部材42、連結部材42に支持されるカムフォロア43、及びカムフォロア43に当接するカム面44aが形成され非回転のカム部材44を有するので、簡単な構造でアーム41、第1パック部材51、及び第2パック部材52を昇降させることが可能となる。
また、本発明の実施形態にかかる搬送システムでは、前記伝達部は、前記プッシャーを載置し回転及び上下方向に移動可能な第1伝達部、並びに、回転のみ可能な第2伝達部を有し、前記回転機構は、前記第1伝達部を上下方向に移動させる上下駆動部を有するので、前記プッシャーが上下方向に移動可能となる。
また、本実施形態にかかる搬送システム1では、パック5は、上下駆動部33によってプッシャー部材53が下方に移動し、被搬送品10が第2パック部材52及びプッシャー部材53に載置される第3状態に変化可能なので、被搬送品10を安定して保持すると共に高速回転させることが可能となる。
また、本実施形態にかかる被搬送品検査システム100では、被搬送品10を供給する供給部101と、供給部101から供給された被搬送品10をパック5に載置する供給ロータA1と、供給ロータA1から供給されパック5に載置された被搬送品10を搬送する搬送システム1,C1,C2,C3と、パック5上の被搬送品10を撮影する撮像装置111,112,113と、撮像装置111,112,113が撮影した映像から被搬送品10を検査する検査部122と、を備えるので、被搬送品10を的確に検査することが可能となる。
また、本実施形態にかかる被搬送品検査システム100は、パック5は、撮像装置111aに対向する位置で第2状態又は第3状態となるので、被搬送品10をより的確に検査することが可能となる。
また、本実施形態にかかる被搬送品検査システム100は、パック5が並べられるパックカートリッジ7と、パックカートリッジ7からパックが供給されるパック供給ロータA1,102と、を有するので、形状の異なる被搬送品10に対応するようにパック5を迅速に供給することが可能となる。
また、本実施形態にかかる被搬送品検査システムは、パックカートリッジ7は、パック5を搬送するベルトコンベア9を有するので、パック5をより迅速に供給することが可能となる。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、発明の範囲を超えない限り、それぞれの実施形態の構成を適宜変更した構成及びそれぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせた構成の実施形態も本発明の範疇となるものである。