WO2015107881A1 - 対物レンズおよび顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

 本発明に係る対物レンズ(OL)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群(G1)と、負の屈折力を有する第2レンズ群(G2)とを備える。第1レンズ群(G1)は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(L1)と、正メニスカスレンズ(L1)の像側に隣接した正レンズ(L2)と、回折光学面(D)を有する回折光学素子(DOE)とを有する。第2レンズ群(G2)は、正レンズおよび負レンズを接合してなる3枚の接合レンズ(CL21~CL23)からなる。そして、物体から正メニスカスレンズ(L1)までの距離d00、物体から対物レンズ最終面までの距離TL0としたときに、0.11≦d00/TL0≦0.19を満足する。

Description

対物レンズおよび顕微鏡
 本発明は、顕微鏡の対物レンズ、およびその対物レンズを備える顕微鏡に関する。
 顕微鏡観察では、観察物体との接触防止、作業効率等を考慮すると、できるだけ長い作動距離を有する顕微鏡対物レンズが要望されている。しかし、長い作動距離を確保するためには、諸収差、特に高次の球面収差や色収差の補正が困難となる。そのため、回折光学素子(DOE)を用いた顕微鏡対物レンズが提案されている(例えば、特許文献1および2を参照)。このような顕微鏡対物レンズでは、回折光学素子を用いることにより、色収差を高度に補正することが可能になり、レンズによる補正を球面収差等の補正に注力することができる。
 一般に、顕微鏡による観察に際しては、観察物体(標本)の上に載置された透明なカバーガラスやガラスシャーレを通して観察を行うことを前提に、顕微鏡が設計されている。顕微鏡の設計に際しては、観察物体の上に位置するカバーガラスやガラスシャーレの厚さおよび屈折率を規定し、このように規定した厚さおよび屈折率の板を使用した状態で収差を所定範囲内に抑えるようなレンズ設計がなされている。このため、物体と対物レンズの間に配置されたカバーガラスやガラスシャーレの厚さや屈折率等が設計時に基準とした値とは大きく異なる場合には、結像性能劣化を招くことになり、その劣化傾向は開口数(N.A.)が大きくなるほど顕著である。
 そこで、対物レンズと観察物体の間に載置されるカバーガラスやガラスシャーレの厚さ等の変化に応じて、対物レンズ内の一部のレンズ間隔を変化させて収差補正を行う機構を備えた顕微鏡対物レンズが知られている。また、一般にガラスシャーレは形状や材質が様々であり、厚みのばらつきが大きいため、対物レンズはそれに対応すべく、大きな作動距離(ワーキングディスタンス)を設けて十分な収差補正能力を有することが要求され、このような収差補正を行う機構を備えた対物レンズが提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
国際公開2011/158778号公報 国際公開2012/026239号公報 特開平10‐133118号公報
 ところで、特許文献1の対物レンズは、十分な作動距離を確保しているが、開口数が大きいものは色収差が大きく、またカバーガラス等の厚さ変化に対応していなかった。また、特許文献2の対物レンズは、作動距離が十分とは言えず、またカバーガラス等の厚さ変化に対応していなかった。また、特許文献3の対物レンズは、作動距離が十分とは言えず、また色収差補正も十分とは言えなかった。このように従来の対物レンズでは、改善の余地が残されているという課題があった。
 本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、色収差をはじめとした諸収差が良好に補正され、且つ、作動距離が十分に長く、カバーガラス等の厚さ変化に対応可能な顕微鏡の対物レンズ、およびその対物レンズを備える顕微鏡を提供することを目的とする。
 このような目的を達成するため、本発明に係る対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群とを備えて構成される。そして、前記第1レンズ群は、前記物体側から順に並んだ、前記物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズと、前記正メニスカスレンズの像側に隣接した正レンズと、互いに異なる光学材料からなる2つの回折素子要素を接合し、その接合面に回折格子溝が形成された回折光学面を有する回折光学素子とを有し、前記第2レンズ群は、正レンズおよび負レンズを接合してなる3枚の接合レンズからなり、以下の条件式を満足する。
  0.11 ≦ d00/TL0 ≦ 0.19
 但し、
 d00:前記物体から前記正メニスカスレンズの前記物体側の面までの光軸上の距離、
 TL0:前記物体から前記対物レンズ全体のレンズ最終面までの光軸上の距離。
 なお、上記構成の対物レンズにおいて、以下の条件式を満足することが好ましい。
  1.7 ≦ nd1
  50 ≦ νd1
 但し、
 nd1:前記正メニスカスレンズの硝材のd線に対する屈折率、
 νd1:前記正メニスカスレンズの硝材のd線を基準とするアッベ数。
 また、上記構成の対物レンズにおいて、以下の条件式を満足することが好ましい。
  224 ≦ ((nd1+nd2)/2)×|fdoe/f| ≦ 280
 但し、
 nd2:前記第1レンズ群を構成する前記正レンズの硝材のd線に対する屈折率、
 f:前記対物レンズ全体の焦点距離、
 fdoe:前記回折光学素子の焦点距離。
 また、上記構成の対物レンズにおいて、以下の条件式を満足することが好ましい。
  4° ≦ |θmax| ≦ 10°
 但し、θmax:前記物体中心から最大開口数となる光線が前記回折光学素子に入射する角度の最大値。
 また、上記構成の対物レンズにおいて、以下の条件式を満足することが好ましい。
  |nd3-nd4| ≦ 0.13
 但し、
  nd3:前記第2レンズ群のうち最も前記像側の前記接合レンズを構成する2枚のレンズの一方の硝材のd線に対する屈折率、
  nd4:前記第2レンズ群のうち最も前記像側の前記接合レンズを構成する2枚のレンズの他方の硝材のd線に対する屈折率。
 また、上記構成の対物レンズにおいて、前記物体と前記第1レンズ群の間に配設される光透過部材の厚さに応じて、前記第2レンズ群を前記第1レンズ群に対して光軸方向に相対移動させて収差補正が可能に構成されることが好ましい。
 また、上記構成の対物レンズにおいて、以下の条件式を満足することが好ましい。
  νdmax ≦ 85
 但し、νdmax:前記対物レンズを構成する正レンズの硝材のd線を基準とするアッベ数の最大値。
 また、上記構成の対物レンズにおいて、前記第2レンズ群は、前記物体側から順に並んだ、正レンズおよび負レンズを接合してなる第1接合レンズと、前記物体側に凸面を向けた正レンズおよび前記像側に凹面を向けた負レンズを接合してなる第2接合レンズと、前記物体側に凹面を向けた負レンズおよび前記像側に凸面を向けた正レンズを接合してなる第3接合レンズとからなることが好ましい。
 また、上記構成の対物レンズにおいて、前記回折光学素子は、主光線が光軸と交わる位置よりも前記物体側に配置されていることが好ましい。
 また、上記構成の対物レンズにおいて、前記回折光学素子は、前記第1レンズ群を通過する光束の径が最も大きくなる位置よりも前記物体側に配置されていることが好ましい。
 本発明に係る顕微鏡は、上記構成の対物レンズを備えて構成される。
 本発明によれば、色収差をはじめとした諸収差が良好に補正された高い光学性能を有するとともに、十分に長い作動距離を持ち、カバーガラス等の厚さ変化に対応可能な顕微鏡の対物レンズを提供することができる。
第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成図である。 第1実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが1.0mmのときの諸収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差)である。 第1実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが0.0mmのときの諸収差図である。 第1実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが2.0mmのときの諸収差図である。 第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成図である。 第2実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが1.0mmのときの諸収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差)である。 第2実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが0.0mmのときの諸収差図である。 第2実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが2.0mmのときの諸収差図である。 第3実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成図である。 第3実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが1.0mmのときの諸収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差)である。 第3実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが0.0mmのときの諸収差図である。 第3実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが2.0mmのときの諸収差図である。 第4実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成図である。 第4実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが1.0mmのときの諸収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差)である。 第4実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが0.0mmのときの諸収差図である。 第4実施例に係る顕微鏡対物レンズにおいて、光透過平行平面板の厚さが2.0mmのときの諸収差図である。 上記顕微鏡対物レンズとともに用いられる結像レンズのレンズ構成図である。 上記顕微鏡対物レンズを備えた顕微鏡の一例を示す構成図である。
 以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用いて、本実施形態に係る顕微鏡対物レンズの構成について説明する。この顕微鏡対物レンズOLは、物体O(光透過平行平面板C(カバーガラスもしくはガラスシャーレ))側から順に並んで配設された、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とを有して構成される。
 第1レンズ群G1は、物体Oから出た発散光束を集光して収斂光束にするためのレンズ群であり、物体O側に凹面を向けた1枚の正メニスカスレンズL1と、その像側に隣接した1枚の正レンズL2(図1の場合は、正メニスカスレンズL2)を有して構成されている。
 また、第1レンズ群G1は、色収差を補正するために、第1レンズ群G1を構成する光学要素のいずれかの面に、回折光学面が形成されている。例えば、図1に示す顕微鏡対物レンズOLにおいては、光学ガラスL3と、互いに異なる樹脂材料からなる2つの光学部材L4,L5を接合し、その接合面に回折格子溝が形成された回折光学面Dを有する回折光学素子DOE(いわゆる「密着複層型回折光学素子」)と、光学ガラスL6とをこの順に接合した回折光学要素を有して、第1レンズ群G1が構成されている。
 この回折光学素子DOEは、g線からC線を含む広波長域において回折効率を高くすることができる。したがって、本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLは広波長域において利用することが可能となる。なお、回折効率は、透過型の回折光学素子において1次回折光を利用する場合、入射強度I0と一次回折光の強度I1との割合η(=I1/I0×100[%])を示す。なお、回折光学部材L4,L5を樹脂製とした利点は、通常の光学ガラスよりも簡単にモールドと紫外線硬化により回折光学面Dを形成できる点にある。
 回折光学素子DOE(回折光学面D)は、主光線PRが光軸OAと交わる位置よりも物体O側に配置されている。なお、図1の場合には、回折光学素子DOEは、さらに、第1レンズ群G1を通過する光束の径が最も大きくなる部分よりも物体O側に配置されている。
 また、第1レンズ群G1において、回折光学素子DOEのみで色収差の補正を行うと、回折光学面Dの回折格子溝の最小ピッチが小さくなり過ぎ、回折光学素子DOEの製造が困難になる。そのため、第1レンズ群G1は、色収差の補正を分担するために、少なくとも1枚の接合レンズCL11を有して構成されている。この接合レンズCL11の少なくとも1枚は、回折光学素子DOE(回折光学面D)よりも像側に配置されている。なお、図1の場合には、第1レンズ群G1は、回折光学素子DOEよりも像側に配置された1枚の接合レンズCL11を有して構成されている。
 回折光学面Dは、1mmあたり数本から数百本の細かい溝状またはスリット状の格子構造が同心円状に形成され、この回折光学面Dに入射した光を格子ピッチ(回折格子溝の間隔)と入射光の波長とによって定まる方向へ回折する性質を有している。通常の屈折型レンズの波長の違いによる屈折力の特性は、波長が短くなるほど変化が大きいのに対し、このような回折光学面Dを含む回折光学素子DOEは、屈折力の特性が波長に対して線形的に変化する。そこで、複数の屈折型レンズを組み合わせて波長による屈折力変化を線形にしたものと、回折光学素子DOEを組み合わせることで、大きな色消し効果が得られ色収差を良好に補正することが可能となる。
 第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1で収束させた収束光を平行光にするレンズ群である。この第2レンズ群G2は、全体として負の屈折力を有し、正レンズおよび負レンズを接合してなる3枚の接合レンズCL21,CL22,CL23(第1接合レンズCL21、第2接合レンズCL22および第3接合レンズCL23)から構成されている。これら3枚の接合レンズのうち像側に配設された2枚の接合レンズCL22,CL23は、ペッツバール和を補正するため、いわゆるガウスタイプの構成となっている。すなわち、第2レンズ群G2は、物体O側に凸面を向けた正レンズL11および像側に曲率の強い凹面を向けた負レンズL12(図1の場合は、両凹レンズL12)を接合してなる第2接合レンズCL22と、物体O側に曲率の強い凹面を向けた負レンズL13(図1の場合は、両凹レンズL13)および像側に凸面を向けた正レンズL14を接合してなる第3接合レンズCL23)とを有し、負レンズL12の上記凹面(図1における第18面)と負レンズL13の上記凹面(図1における第19面)が対向するように配置されて構成されている。このような構成により、ペッツバール和を減少させつつ、軸上色収差と倍率色収差とをバランスよく補正することができる。
 次に、本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLを構成するための条件について、以下に説明する。まず、最も物体O側に配置された正メニスカスレンズL1は、発生する球面収差やコマ収差を極力小さく抑える必要があるため、物体O側に凹面を向けた正メニスカス単レンズである。さらに、正メニスカスレンズL1は、ペッツバール和を減少させて像面を平坦に保つ役割があり、また極力色収差を発生させないため、次の条件式(1),(2)を満足するように構成されることが望ましい。
  1.7 ≦ nd1 …(1)
  50 ≦ νd1  …(2)
 但し、
 nd1:正メニスカスレンズL1の硝材のd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、
 νd1:正メニスカスレンズL1の硝材のd線を基準とするアッベ数。
 この条件式(1)を満足すると、正メニスカスレンズL1のレンズ面の曲率が緩くなり、各収差を良好に保つことができる。この条件式(1)の下限値を下回ると、ペッツバール和が大きくなり、像面の平坦性が保たれなくなるため、好ましくない。なお、条件式(1)の下限値を1.72にすることにより、本願の効果をさらに発揮させることができる。
 条件式(2)を満足すると、色収差の発生を抑えることができる。この条件式(2)の下限値を下回ると、色収差、特に2次分散の発生が大きくなるため、好ましくない。なお、条件式(2)の下限値を54にすることにより、本願の効果をさらに発揮させることができる。
 この顕微鏡対物レンズOLは、次の条件式(3)を満足するように構成される。
  0.11 ≦ d00/TL0 ≦ 0.19 …(3)
 但し、
 d00:物体Oと第1レンズ群G1の間に配設される光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さが0mmのとき(光透過平行平面板Cが配設されていないとき)の、物体O(顕微鏡対物レンズOLの物体側焦点面)から第1レンズ群G1の最も物体O側のレンズ面(正メニスカスレンズL1の物体O側の面(図1における第1面))までの光軸上の距離、
 TL0:光透過平行平面板Cの厚さが0mmのとき(光透過平行平面板Cが配設されていないとき)の、物体O(顕微鏡対物レンズOLの物体側焦点面)から顕微鏡対物レンズOL全体のレンズ最終面(第3接合レンズCL23の像側の面(図1における第21面)までの光軸上の距離。
 条件式(3)は、顕微鏡対物レンズOLの作動距離を規定するものである。この条件式(3)の下限値を下回ると、顕微鏡対物レンズOLと物体Oとの距離が狭くなりすぎ、この顕微鏡対物レンズOLを備える顕微鏡装置の操作性が悪くなるため、好ましくない。なお、条件式(3)の下限値を0.12にすることにより、本願の効果をさらに発揮させることができる。反対に、条件式(3)の上限値を上回ると、レンズ部分の取りうるスペース、すなわち、この顕微鏡対物レンズOLの最も物体O側の面から最も像側の面までのスペースが不十分となり、配置できるレンズの枚数や厚さが制限されてしまい、球面収差や色収差を補正することが困難となる。なお、条件式(3)の上限値を0.18にすることにより、本願の効果をさらに発揮させることができる。
 また、最も物体O側に配置された正メニスカスレンズL1の像側に隣接する正レンズL2も、ペッツバール和を減少させて像面を平坦に保つ役割があり、また球面収差、コマ収差、色収差の発生を極力小さくする必要がある。最も物体O側の正メニスカスレンズL1と、その像側に隣接する正レンズL2で発生した色収差を、その後に続く接合レンズや回折光学素子DOEによって補正するため、次に示す条件式(4)を満足するように構成されることが望ましい。
 224 ≦ ((nd1+nd2)/2)×|fdoe/f| ≦ 280 …(4)
 但し、
 nd2:最も物体O側の正メニスカスレンズL1の像側に隣接する正レンズL2の硝材のd線に対する屈折率、
 f:顕微鏡対物レンズOL全体の焦点距離、
 fdoe:回折光学素子DOEの焦点距離。
 条件式(4)は、顕微鏡対物レンズOLにおいて、色収差をはじめとする諸収差を良好にするために、最も物体O側の正メニスカスレンズL1、および、その像側に隣接する正レンズL2の適切な屈折率と、顕微鏡対物レンズOL全体の焦点距離に対する回折光学素子DOEの焦点距離の比を規定するものである。この条件式(4)の下限値を下回ると、ペッツバール和が大きくなり、像面の平坦性が保たれなくなる上に、レンズ面の曲率がきつくなり、球面収差、コマ収差等が悪化する。もしくは、顕微鏡対物レンズOL全体の焦点距離に対する回折光学素子DOEの焦点距離の比が小さくなり過ぎ、回折格子ピッチが細かくなって回折光学素子DOEの製造が困難になり、好ましくない。なお、条件式(4)の下限値を235にすることにより、本願の効果をさらに発揮させることができる。反対に、この条件式(4)の上限値を上回ると、色収差、特に2次分散を十分に抑えることができなくなる。もしくは、顕微鏡対物レンズOL全体の焦点距離に対する回折光学素子DOEの焦点距離が大きくなり過ぎ、1次の色消しが不足するため、好ましくない。
 また、光線が回折光学面Dに入射する角度が0°に近いと、回折光学素子DOEを構成する平行平板(図1における光学ガラスL3,L6)内での2面反射や、回折光学素子DOEを構成する平行平板と物体面での2面反射によるフレアが発生してしまう。逆に、光線が回折光学面Dに入射する角度が大きすぎると、回折光学素子DOEの回折効率が低下し、設計次数以外の回折光が発生してフレアとなる。そのため、次の条件式(5)を満足する位置に回折光学素子DOE(回折光学面D)を配置するように構成されることが望ましい。
  4° ≦ |θmax| ≦ 10° …(5)
 但し、θmax:物体O中心から最大開口数となる光線が回折光学素子DOE(回折光学面D)に入射する角度の最大値。
 条件式(5)は、回折光学素子DOE(回折光学面D)に入射する光線の最大入射角を規定したものである。条件式(5)の下限値を下回ると、上記2面反射によるフレアが発生してしまうため、好ましくない。なお、条件式(5)の下限値を5°にすることにより、本願の効果をさらに発揮させることができる。反対に、この条件式(5)の上限値を上回ると、設計次数以外の回折光が発生してフレアとなるため、好ましくない。
 図1の顕微鏡対物レンズOLにおいて、光束径は、軸上物点から射出される最大開口数の光線、および、軸外物点から射出される光束のうち、最も光軸OAから離れた方向に射出される光線を、軸上物点から射出される最大開口数の光線と第1レンズ群G1内の適宜のレンズ面(例えば、図1における正メニスカスレンズL1の像側の面(第2面))との交点で制限し、最も光軸OAに近い方向に射出される光線を、軸上物点から射出される最大開口数の光線と第2レンズ群G2内の適宜のレンズ面(例えば、図1における第3接合レンズCL23の正レンズL14の像側の面(第21面))との交点で制限したときに決まる当該光束の最も外側の光線で決定され、最大像高から発する光束の中心をとおる光線を主光線PRと定義する。
 顕微鏡対物レンズOLにおいて、回折光学素子DOEが、主光線PRが光軸OAと交わる位置よりも物体O側に配置されて構成されることが望ましい。このように構成されることにより、軸上色収差を効果的に補正することができる。さらに、回折光学素子DOEが、第1レンズ群G1を通過する光束の径が最も大きくなる位置よりも物体O側に配置されて構成されることが望ましい。このように構成されることにより、回折光学素子DOEを構成する平行平板(図1における光学ガラスL3,L6)で発生した反射光が、物体面付近で発散光となるために、フレアの強度が低下し、観察の邪魔になりにくい。
 また、第2レンズ群G2は、全体として負の屈折力を有し、正レンズおよび負レンズを接合してなる3枚の接合レンズ(色消しレンズ)CL21,CL22,CL23から構成されている。そのうち最も像側に配設された第3接合レンズCL23を構成する負レンズL13および正レンズL14の屈折率は、次の条件式(6)を満足するように構成されることが望ましい。
  |nd3-nd4| ≦ 0.13 …(6)
 但し、
 nd3:第2レンズ群G2のうち最も像側に配設された第3接合レンズCL23を構成する負レンズL13および正レンズL14の一方の硝材のd線に対する屈折率、
 nd4:第2レンズ群G2のうち最も像側に配設された第3接合レンズCL23を構成する負レンズL13および正レンズL14の他方の硝材のd線に対する屈折率。
 条件式(6)を満足することで、これらの接合レンズCL22,CL23により色収差を重点的に補正することができ、倍率色収差を良好に補正することができる。
 また、この顕微鏡対物レンズOLは、物体Oと第1レンズ群G1との間に配置される光透過平行平面板C(カバーガラスもしくはガラスシャーレ)の厚さ(および屈折率)に応じて、第2レンズ群G2を第1レンズ群G1に対して光軸OA方向に相対移動させて収差補正が可能に構成されることが望ましい。このように構成されることにより、光透過平行平面板Cの厚さ(屈折率)の変化に対し、良好に収差を補正することができる。
 また、顕微鏡対物レンズOLは、次の条件式(7)を満足するように構成されることが望ましい。
  νdmax ≦ 85 …(7)
 但し、νdmax:顕微鏡対物レンズOLを構成する正レンズの硝材のd線を基準とするアッベ数の最大値。
 条件式(7)は、顕微鏡対物レンズOLに含まれる正レンズのアッベ数を規定するものである。この条件式(7)の上限値を超えるアッベ数を有する硝材は、蛍石など異常分散性をもつ材料であり、回折光学素子DOEを使用した上に、このような材料を正レンズに使用すると、色収差の補正が過剰となってしまい、好ましくない。
 本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLは、図18に示すような顕微鏡1に用いられている。図18において、顕微鏡1は、試料Sを含むプレパラート2を観察するものであり、第1光源装置6と、第2光源装置7と、顕微鏡対物レンズOLと、第二対物レンズ9と、第二対物レンズ9で結像された像からの光束を使用者の眼球に導く接眼光学系11と、プレパラート2を支持しながら移動可能なステージ10と、を有する。このステージ10を顕微鏡対物レンズOLの光軸方向に移動することで合焦動作が行える。もちろん、別途焦点検出機構を設け、その焦点検出機構からの出力に基づいて、ステージ10の移動量を制御しても良い。また、この顕微鏡1は、ボディ15を備えており、第1光源装置6、第2光源装置7、顕微鏡対物レンズOL、第二対物レンズ9、及び、ステージ10のそれぞれは、このボディ15に支持されている。
 なお、この顕微鏡1は、第1光源装置6から射出された光を用いてプレパラート2を照明する第1照明光学系(透過照明光学系)17と、第2光源装置7から射出された光を用いてプレパラート2を照明する第2照明光学系(落射照明光学系)18を備えている。ここで、第2光源装置7から射出された光は、対物レンズ8も第2照明光学系18の一部となっており、光路合成部材16により第2光源装置7からの光を顕微鏡対物レンズOLに導く。この光路合成部材16は、顕微鏡対物レンズOLの光軸及びその近傍が透明で、外周部分に反射膜が形成されたミラーを採用しても良いし、ハーフミラーを採用しても良い。前者の場合は、暗視野観察が可能となる。後者の場合は、落射照明で明視野観察が可能となる。
 また、顕微鏡対物レンズOL及び第二対物レンズ9により結像された像が形成される位置に、撮像手段を搭載していても良い。もちろん、図示しない光路分割手段により、顕微鏡対物レンズOLからの光束を分割し、別途第二対物レンズを設けて、この第二対物レンズにより像が形成される位置に撮像手段を搭載しても良い。また、正立顕微鏡でも倒立顕微鏡でも良い。さらに、第1光源装置6と第2光源装置7はいずれか一方でも良い。
 以下、本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLの4つの実施例について説明する。なお、各実施例に係る図面において付した符番は、各実施例において同じ符番を付しているものもあるが、これは符番の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるためであり、各実施例において独立して用いているものである。すなわち、各実施例に係る図面において共通の符番を付していても、それらは必ずしも共通の構成要素とは限らない。
 以下に示す表中の[全体緒元]において、fは顕微鏡対物レンズOLのd線(波長λ=587.562nm)での焦点距離(mm)、N.A.は開口数、βは倍率を示している。また、d0(W.D.)は、作動距離(ワーキングディスタンス)であり、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さを除く、物体Oから最も物体O側にある正メニスカスレンズL1の最も物体O側のレンズ面の頂点までの光軸上の距離を示している。
 また、表中の[レンズデータ]において、面番号mは物体O側から数えた光学面の順番、rは各光学面の曲率半径、dは各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(各光学面の面間隔)、ndおよびνdはそれぞれd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率およびアッベ数をそれぞれ示している。空気の屈折率1.00000は省略している。また、[レンズデータ]において、「*」はその面が回折光学面Dであることを示している。
 また、表中の[回折面データ]は、回折光学素子DOEの位相関数をΦ(h)として、光軸からの高さをh、波長をλ、2次の位相係数をC2、4次の位相差係数をC4、6次の位相差係数をC6、8次の位相差係数をC8としたとき、次の式で示される。なお、[回折面データ]において、「E-n」(nは整数)は、「×10-n」を示している。例えば、-3.0092E-04=-3.0092×10-4である。
  Φ(h)=2π/λ×(C2h2+C4h4+C6h6+C8h8) …(8)
 なお、本実施例で示されている曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は、特記のない場合には一般に「mm」が使われる。しかし、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるため、単位は「mm」に限られるものではない。
 回折光学面Dは、互いに異なる2つの紫外線硬化樹脂により形成されており、以下の値の屈折率を有する樹脂を用いた。なお、樹脂屈折率は樹脂硬化後の屈折率を示している。
(表1)(樹脂屈折率)
        nC     nd     nF     ng
低屈折率   1.52330   1.52780   1.53910   1.54910
高屈折率   1.55380   1.55710   1.56500   1.57130
 ここで、それぞれの樹脂に対して、nCはC線(波長λ=656.273nm)に対する屈折率であり、ndはd線(波長λ=587.562nm)に対する屈折率、nFはF線(波長λ=486.133nm)に対する屈折率、ngはg線(波長λ=435.835nm)に対する屈折率である。これらの樹脂を用いた密着複層型回折光学素子の製造方法は、例えば、欧州特許公開第1830204号公報、および、欧州特許公開第1830205号公報に記載されている。なおこれらの樹脂は、波長350nm付近の光線での内部透過率が0.5以上であることが望ましい。
 図2等には、それぞれの実施例における諸収差(球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差)の図を示している。球面収差図およびコマ収差図においては、実線はd線、点線はC線、一点鎖線はF線、破線はg線における収差をそれぞれ示している。また、球面収差図において、縦軸は入射瞳半径の最大値を1として規格化して示した値を示し、横軸は各光線における収差の値(mm)を示している。非点収差図においては、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示している。また、非点収差図において、縦軸は像高(mm)を示し、横軸は収差の値(mm)を示している。歪曲収差図(ディストーション)において、縦軸は像高(mm)を示し、横軸は収差の割合を百分率(%値)で示している。ここで示す各実施例はいずれも、物体Oと顕微鏡対物レンズOL(第1レンズ群G1)との間に置かれる光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さの基準を1mm、その屈折率ndを1.52216、アッベ数νdを58.8としているものである。
 また、以下の各実施例における顕微鏡対物レンズOL1~OL4は、無限遠補正型のものであり、図17に示す構成および表2に示す諸元を有する結像レンズILとともに使用される。なお、この表2において、第1欄のmは物体側から数えた光学面の順番、第2欄のrは各光学面の曲率半径、第3欄のdは各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(面間隔)、第4欄のndおよび第5欄のνdはd線に対する屈折率およびアッベ数をそれぞれ示している。空気の屈折率1.00000は省略している。
(表2)
m   r    d    nd    νd
1   75.043   5.10   1.62280   57.0
2  -75.043   2.00   1.74950   35.2
3  1600.580   7.50
4   50.256   5.10   1.66755   42.0
5  -84.541   1.80   1.61266   44.4
6   36.911
 なお、この結像レンズILは、物体側から順に並んで配設された、両凸レンズL21および両凹レンズL22を接合してなる第1接合レンズCL31と、両凸レンズL23および両凹レンズL24を接合してなる第2接合レンズCL32とから構成されている。
(第1実施例)
 第1実施例について、図1~図4および表3~表5を用いて説明する。上述の説明で用いた図1は、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズOL1の構成を示している。顕微鏡対物レンズOL1は、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の下に載置された物体O(標本)を観察するための対物レンズであって、物体O(光透過平行平面板C)側から順に並んで配設された、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とを有して構成され、第1レンズ群G1内に回折光学素子DOEが配置されている。
 第1レンズ群G1は、物体O側から順に並んで配設された、物体O側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、物体O側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2と、回折光学面Dを有する平板形状の回折光学素子DOEと、両凸レンズL7および物体O側に凹面を向けた負メニスカスレンズL8を接合した接合正レンズCL11とから構成されている。
 第2レンズ群G2は、物体O側から順に並んで配設された、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL9および物体O側に凸面を向けた平凸レンズL10を接合した接合正レンズCL21と、両凸レンズL11および像側に曲率の強い凹面を向けた両凹レンズL12を接合した接合負レンズCL22と、物体O側に曲率の強い凹面を向けた両凹レンズL13および両凸レンズL14を接合した接合負レンズCL23とから構成されている。
(表3)
[全体諸元]
 f = 10.23
 N.A.= 0.6
 d0 = 10.47
 β = 20X
[レンズデータ]
面番号  曲率半径  面間隔  屈折率  アッベ数
 m     r     d    nd   νd
 1   -20.847   3.5   1.72916   54.7
 2   -12.102   0.2
 3   -122.112   3.4   1.64000   60.1
 4   -21.374   2.3
 5    0.000   1.4   1.51633   64.1
 6    0.000   0.1   1.55710   49.7
 7*    0.000   0.1   1.52780   33.4
 8    0.000   1.4   1.51633   64.1
 9    0.000   0.2
 10    29.371   7.1   1.49782   82.6
 11   -17.798   1.5   1.67300   38.2
 12   -29.772   d12(可変)
 13    35.464   1.0   1.73800   32.3
 14    13.603   4.6   1.49782   82.6
 15    0.000   0.2
 16    10.646   5.7   1.49782   82.6
 17   -48.100   4.0   1.67300   38.2
 18    6.510   4.8
 19    -7.380   4.2   1.64000   60.1
 20    18.604   5.2   1.67300   38.2
 21   -13.645
[回折面データ]
 第7面
  C2=-3.0092E-04
  C4=-1.4667E-07
  C6= 3.5429E-09
  C8=-2.0543E-11
 このような諸元の顕微鏡対物レンズOL1において、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さが0.0mm、1.0mm、2.0mmの場合における、作動距離d0(ワーキングディスタンスW.D.)と、面間隔d12(表3において可変となっている面間隔であり、第12面から第13面までの光軸上の距離)と、物体Oから顕微鏡対物レンズOL1全体のレンズ最終面までの光軸上の距離TLとの値を表4に示している。すなわち、表4には、光透過平行平面板Cの厚さが変動した場合に、焦点距離および収差補正を行うように顕微鏡対物レンズOL1全体の移動および第1レンズ群G1に対する第2レンズ群G2の相対移動を行なった場合の各面間隔d0、d12を示している。さらに、この顕微鏡対物レンズOL1における前述の条件式(1)~(7)の値(条件対応値)は表5に示すようになっている。
(表4)
平行平板厚   d0(W.D.)   d12     TL
   0     10.47    0.2    61.5
   1      9.75    1.1    61.7
   2      9.02    2.1    62.0
(表5)(条件式対応値)
(1) nd1 = 1.72916
(2) νd1 = 54.7
(3) d00/TL0 = 0.1702
(4) ((nd1+nd2)/2)×|fdoe/f| = 273.7
(5) |θmax| = 5.2
(6) |nd3-nd4| = 0.03300
(7) νdmax = 82.6
 表5から分かるように、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズOL1は、上記条件式(1)~(7)を全て満たしている。また、図2~図4の各収差図から分かるように、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズOL1は、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さが0mm~2mmのいずれの場合においても、C線~g線の領域において諸収差が良好に補正されている。
 このように第1実施例に係る顕微鏡対物レンズOL1によれば、色収差をはじめとした諸収差が良好に補正されて優れた光学性能を有し、作動距離が十分に長く、カバーガラス等の厚さ変化(0mm~2mm)に対応可能な対物レンズを得ることができる。
(第2実施例)
 第2実施例について、図5~図8および表6~表8を用いて説明する。図5は、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズOL2を示している。顕微鏡対物レンズOL2は、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の下に載置された物体O(標本)を観察するための対物レンズであって、物体O(光透過平行平面板C)側から順に並んで配設された、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2を有して構成され、第1レンズ群G1内に回折光学素子DOEが配置されている。
 第1レンズ群G1は、物体O側から順に並んで配設された、物体O側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、物体O側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2と、回折光学面Dを有する平板形状の回折光学素子DOEと、両凸レンズL7および物体O側に凹面を向けた負メニスカスレンズL8を接合した接合正レンズCL11とから構成されている。
 第2レンズ群G2は、物体O側から順に並んで配設された、両凸レンズL9および両凹レンズL10を接合した接合正レンズCL21と、像側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11および像側に曲率の強い凹面を向けた負メニスカスレンズL12を接合した接合負レンズCL22と、物体O側に曲率の強い凹面を向けた両凹レンズL13および両凸レンズL14を接合した接合負レンズCL23とから構成されている。
(表6)
[全体諸元]
 f = 10.23
 N.A. = 0.6
 d0 = 10.67
 β = 20X
[レンズデータ]
面番号  曲率半径  面間隔  屈折率  アッベ数
 m     r     d    nd   νd
 1   -18.590   3.0   1.72916   54.7
 2   -11.890   0.2
 3   -48.384   3.7   1.64000   60.1
 4   -16.220   3.6
 5    0.000   1.4   1.51633   64.1
 6    0.000   0.1   1.55710   49.7
 7*    0.000   0.1   1.52780   33.4
 8    0.000   1.4   1.51633   64.1
 9    0.000   0.2
 10    31.851   7.2   1.49782   82.6
 11   -17.217   1.5   1.67300   38.2
 12   -26.746   d12(可変)
 13    21.627   5.3   1.49782   82.6
 14   -25.940   1.0   1.73800   32.3
 15    32.526   1.0
 16    9.356   4.9   1.49782   82.6
 17    76.176   3.1   1.67300   38.2
 18    6.032   6.6
 19    -6.852   1.5   1.64000   60.1
 20    21.683   5.0   1.67300   38.2
 21   -10.611
[回折面データ]
 第7面
  C2=-3.2837E-04
  C4= 3.3809E-07
  C6= 1.4552E-09
  C8=-1.2623E-11
 このような諸元の顕微鏡対物レンズOL2において、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さが0.0mm、1.0mm、2.0mmの場合における、作動距離d0(ワーキングディスタンスW.D.)と、面間隔d12(表6において可変となっている面間隔であり、第12面から第13面までの光軸上の距離)と、物体Oから顕微鏡対物レンズOL2全体のレンズ最終面までの光軸上の距離TLとの値を表7に示している。すなわち、表7には、光透過平行平面板Cの厚さが変動した場合に、焦点距離および収差補正を行うように顕微鏡対物レンズOL2全体の移動および第1レンズ群G1に対する第2レンズ群G2の相対移動を行なった場合の各面間隔d0、d12を示している。さらに、この顕微鏡対物レンズOL2における前述の条件式(1)~(7)の値(条件対応値)は表8に示すようになっている。
(表7)
平行平板厚   d0(W.D.)   d12     TL
   0     10.67    0.2    61.7
   1      9.93    1.1    61.8
   2      9.19    2.2    62.0
(表8)(条件式対応値)
(1) nd1 = 1.72916
(2) νd1 = 54.7
(3) d00/TL0 = 0.1730
(4) ((nd1+nd2)/2)×|fdoe/f| = 250.6
(5) |θmax| = 5.1
(6) |nd3-nd4| = 0.03300
(7) νdmax = 82.6
 表8から分かるように、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズOL2は、上記条件式(1)~(7)を全て満たしている。また、図6~図8の各収差図から分かるように、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズOL2は、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さが0mm~2mmのいずれの場合においても、C線~g線の領域において諸収差が良好に補正されている。
 このように第2実施例に係る顕微鏡対物レンズOL2によれば、色収差をはじめとした諸収差が良好に補正されて優れた光学性能を有し、作動距離が十分に長く、カバーガラス等の厚さ変化(0mm~2mm)に対応可能な対物レンズを得ることができる。
(第3実施例)
 第3実施例について、図9~図12および表9~表11を用いて説明する。図9は、第3実施例に係る顕微鏡対物レンズOL3を示している。顕微鏡対物レンズOL3は、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の下に載置された物体O(標本)を観察するための対物レンズであって、物体O(光透過平行平面板C)側から順に並んで配設された、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とを有して構成され、第1レンズ群G1内に回折光学素子DOEが配置されている。
 第1レンズ群G1は、物体O側から順に並んで配設された、物体O側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、物体O側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2と、回折光学面Dを有する平板形状の回折光学素子DOEと、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL7および両凸レンズL8を接合した接合正レンズCL11と、両凸レンズL9とから構成されている。
 第2レンズ群G2は、物体O側から順に並んで配設された、両凹レンズL10および両凸レンズL11を接合した接合負レンズCL21と、像側に平面を向けた平凸レンズL12および物体O側が平面で像側に曲率の強い凹面を向けた平凹レンズL13を接合した接合負レンズCL22と、物体O側に曲率の強い凹面を向けた両凹レンズL14および両凸レンズL15を接合した接合負レンズCL23とから構成されている。
(表9)
[全体諸元]
 f = 10.22
 N.A. = 0.6
 d0 = 9.77
 β = 20X
(レンズデータ)
面番号  曲率半径  面間隔  屈折率  アッベ数
 m     r     d    nd   νd
 1    -22.635   3.2   1.72916   54.7
 2    -13.399   0.2
 3   -200.000   3.5   1.72916   54.7
 4    -20.498   0.2
 5     0.000   1.4   1.51633   64.1
 6     0.000   0.1   1.55710   49.7
 7*    0.000   0.1   1.52780   33.4
 8     0.000   1.4   1.51633   64.1
 9     0.000   0.2
 10    46.706   1.0   1.67300   38.2
 11    17.146   6.1   1.49782   82.6
 12    -38.701   0.2
 13    28.341   4.6   1.59240   68.3
 14    -41.620   d14(可変)
 15    -30.000   1.0   1.67300   38.2
 16    24.232   5.0   1.49782   82.6
 17    -25.653   0.2
 18    10.736   5.5   1.49782   82.6
 19     0.000   2.3   1.67300   38.2
 20     6.019   4.1
 21    -7.521   6.5   1.61340   44.3
 22    23.233   5.4   1.73800   32.3
 23    -18.750
[回折面データ]
 第7面
  C2=-3.0972E-04
  C4= 6.4786E-09
  C6= 6.1382E-09
  C8=-3.6132E-11
 このような諸元の顕微鏡対物レンズOL3において、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さが0.0mm、1.0mm、2.0mmの場合における、作動距離d0(ワーキングディスタンスW.D.)と、面間隔d14(表9において可変となっている面間隔であり、第14面から第15面までの光軸上の距離)と、物体Oから顕微鏡対物レンズOL3全体のレンズ最終面までの光軸上の距離TLとの値を表10に示している。すなわち、表10には、光透過平行平面板Cの厚さが変動した場合に、焦点距離および収差補正を行うように顕微鏡対物レンズOL3全体の移動および第1レンズ群G1に対する第2レンズ群G2の相対移動を行なった場合の各面間隔d0、d14を示している。さらに、この顕微鏡対物レンズOL3における前述の条件式(1)~(7)の値(条件対応値)は表11に示すようになっている。
(表10)
平行平板厚   d0(W.D.)   d14     TL
   0      9.77    0.4    62.4
   1      9.00    0.8    62.0
   2      8.23    1.2    61.6
(表11)(条件式対応値)
(1) nd1 = 1.72916
(2) νd1 = 54.7
(3) d00/TL0 = 0.1565
(4) ((nd1+nd2)/2)×|fdoe/f| = 273.1
(5) |θmax| = 5.1
(6) |nd3-nd4| = 0.12460
(7) νdmax = 82.6
 表11から分かるように、第3実施例に係る顕微鏡対物レンズOL3は、上記条件式(1)~(7)を全て満たしている。また、図10~図12の各収差図から分かるように、第3実施例に係る顕微鏡対物レンズOL3は、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さが0mm~2mmのいずれの場合においても、C線~g線の領域において諸収差が良好に補正されている。
 このように第3実施例に係る顕微鏡対物レンズOL3によれば、色収差をはじめとした諸収差が良好に補正されて優れた光学性能を有し、作動距離が十分に長く、カバーガラス等の厚さ変化(0mm~2mm)に対応可能な対物レンズを得ることができる。また、顕微鏡対物レンズOL3では、第1レンズ群G1において正単レンズL9を追加して構成されているため、顕微鏡対物レンズOL3を構成する正レンズのパワーを分担させることができる。そのため、球面収差をより良好に補正することができ、開口数を大きくすることができる。
(第4実施例)
 第4実施例について、図13~図16および表12~表14を用いて説明する。図13は、第4実施例に係る顕微鏡対物レンズOL4を示している。顕微鏡対物レンズOL4は、光透過平行平面板Cの下に載置された物体O(標本)を観察するための対物レンズであって、物体O(光透過平行平面板C)側から順に並んで配設された、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とを有して構成され、第1レンズ群G1内に回折光学素子DOEが配置されている。
 第1レンズ群G1は、物体O(光透過平行平面板C)側から順に並んで配設された、物体O側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、物体O側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2と、回折光学面Dを有する平板形状の回折光学素子DOEと、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL7および両凸レンズL8を接合した接合正レンズCL11と、両凸レンズL9とから構成されている。
 第2レンズ群G2は、物体O側から順に並んで配設された、両凹レンズL10および両凸レンズL11を接合した接合負レンズCL21と、像側が平面の平凸レンズL12および物体O側が平面で像側に曲率の強い凹面を向けた平凹レンズL13を接合した接合負レンズCL22と、物体O側に曲率の強い凹面を向けた両凹レンズL14および両凸レンズL15を接合した接合負レンズCL23とから構成されている。
(表12)
[全体諸元]
 f = 10.20
 N.A. = 0.7
 d0 = 7.73
 β = 20X
[レンズデータ]
面番号  曲率半径  面間隔  屈折率  アッベ数
 m     r    d    nd   νd
 1    -17.092   3.2   1.72916   54.7
 2    -11.137   0.2
 3   -100.000   3.7   1.72916   54.7
 4    -18.366   0.2
 5     0.000   1.4   1.51633   64.1
 6     0.000   0.1   1.55710   49.7
 7*    0.000   0.1   1.52780   33.4
 8     0.000   1.4   1.51633   64.1
 9     0.000   0.2
 10    181.144   1.0   1.67300   38.2
 11    20.601   7.7   1.49782   82.6
 12    -23.081   0.2
 13    31.770   5.4   1.59240   68.4
 14    -37.432   d14(可変)
 15    -30.000   1.0   1.67300   38.2
 16    34.642   5.2   1.49782   82.6
 17    -29.363   0.2
 18    11.510   5.6   1.49782   82.6
 19     0.000   2.6   1.67300   38.2
 20     6.940   5.2
 21    -8.250   4.6   1.61340   44.3
 22    26.357   4.9   1.73800   32.3
 23    -17.294
[回折面データ]
 第7面
  C2=-3.2148E-04
  C4=-3.1555E-07
  C6= 9.7481E-09
  C8=-5.5669E-11
 このような諸元の顕微鏡対物レンズOL4において、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さが0.0mm、1.0mm、2.0mmの場合における、作動距離d0(ワーキングディスタンスW.D.)と、面間隔d14(表12において可変となっている面間隔であり、第14面から第15面までの光軸上の距離)と、物体Oから顕微鏡対物レンズOL4全体のレンズ最終面までの光軸上の距離TLとの値を表13に示している。すなわち、表13には、光透過平行平面板Cの厚さが変動した場合に、焦点距離および収差補正を行うように顕微鏡対物レンズOL4全体の移動および第1レンズ群G1に対する第2レンズ群G2の相対移動を行なった場合の各面間隔d0、d14を示している。さらに、この顕微鏡対物レンズOL4における前述の条件式(1)~(7)の値(条件対応値)は表14に示すようになっている。
(表13)
平行平板厚   d0(W.D.)   d14     TL
   0      7.73    0.4    62.2
   1      6.96    0.9    62.0
   2      6.17    1.6    61.8
(表14)(条件式対応値)
(1) nd1 = 1.72916
(2) νd1 = 54.7
(3) d00/TL0 = 0.1243
(4) ((nd1+nd2)/2)×|fdoe/f| = 263.6
(5) |θmax| = 7.6
(6) |nd3-nd4| = 0.12460
(7) νdmax = 82.6
 表14から分かるように、第4実施例に係る顕微鏡対物レンズOL4は、上記条件式(1)~(7)を全て満たしている。また、図14~図16の各収差図から分かるように、第4実施例に係る顕微鏡対物レンズOL4は、光透過平行平面板C(カバーガラス等)の厚さが0mm~2mmのいずれの場合においても、C線~g線の領域において諸収差が良好に補正されている。
 このように第4実施例に係る顕微鏡対物レンズOL4によれば、色収差をはじめとした諸収差が良好に補正されて優れた光学性能を有し、作動距離が十分に長く、カバーガラス等の厚さ変化(0mm~2mm)に対応可能な対物レンズを得ることができる。また、顕微鏡対物レンズOL4では、第1レンズ群G1において正単レンズL9を追加して構成されているため、顕微鏡対物レンズOL4を構成する正レンズのパワーを分担させることができる。そのため、球面収差をより良好に補正することができ、開口数を大きくすることができる。
 これまで本実施形態に係る実施例について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施例に示したものに限定されない。例えば、上述の実施例では、第1レンズ群G1を構成する正メニスカスレンズL1の像側に隣接した正レンズL2が、物体O側に凹面を向けた正メニスカスレンズにより構成されているが、これに限定されるものではなく、物体O側が平面の平凸レンズや両凸レンズ等の正レンズにより構成されていればよい。
OL(OL1~OL4) 顕微鏡対物レンズ
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
L1 正メニスカスレンズ
L2 正レンズ
DOE 回折光学素子
D 回折光学面
CL21 第1接合レンズ
CL22 第2接合レンズ
CL23 第3接合レンズ
C 光透過平行平面板(カバーガラスやガラスシャーレ)
 

Claims (11)

  1.  物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群とを備えてなる対物レンズであって、
     前記第1レンズ群は、前記物体側から順に並んだ、前記物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズと、前記正メニスカスレンズの像側に隣接した正レンズと、互いに異なる光学材料からなる2つの回折素子要素を接合し、その接合面に回折格子溝が形成された回折光学面を有する回折光学素子とを有し、
     前記第2レンズ群は、正レンズおよび負レンズを接合してなる3枚の接合レンズからなり、
     以下の条件式を満足することを特徴とする対物レンズ。
      0.11 ≦ d00/TL0 ≦ 0.19
     但し、
     d00:前記物体から前記正メニスカスレンズの前記物体側の面までの光軸上の距離、
     TL0:前記物体から前記対物レンズ全体のレンズ最終面までの光軸上の距離。
  2.  以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
      1.7 ≦ nd1
      50 ≦ νd1
     但し、
     nd1:前記正メニスカスレンズの硝材のd線に対する屈折率、
     νd1:前記正メニスカスレンズの硝材のd線を基準とするアッベ数。
  3.  以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の対物レンズ。
      224 ≦ ((nd1+nd2)/2)×|fdoe/f| ≦ 280
     但し、
     nd2:前記第1レンズ群を構成する前記正レンズの硝材のd線に対する屈折率、
     f:前記対物レンズ全体の焦点距離、
     fdoe:前記回折光学素子の焦点距離。
  4.  以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の対物レンズ。
      4° ≦ |θmax| ≦ 10°
     但し、
     θmax:前記物体中心から最大開口数となる光線が前記回折光学素子に入射する角度の最大値。
  5.  以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の対物レンズ。
      |nd3-nd4| ≦ 0.13
     但し、
     nd3:前記第2レンズ群のうち最も前記像側の前記接合レンズを構成する2枚のレンズの一方の硝材のd線に対する屈折率、
     nd4:前記第2レンズ群のうち最も前記像側の前記接合レンズを構成する2枚のレンズの他方の硝材のd線に対する屈折率。
  6.  前記物体と前記第1レンズ群の間に配設される光透過部材の厚さに応じて、前記第2レンズ群を前記第1レンズ群に対して光軸方向に相対移動させて収差補正が可能に構成されたことを特徴する請求項1~5のいずれか一項に記載の対物レンズ。
  7.  以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の対物レンズ。
      νdmax ≦ 85
     但し、
     νdmax:前記対物レンズを構成する正レンズの硝材のd線を基準とするアッベ数の最大値。
  8.  前記第2レンズ群は、前記物体側から順に並んだ、正レンズおよび負レンズを接合してなる第1接合レンズと、前記物体側に凸面を向けた正レンズおよび前記像側に凹面を向けた負レンズを接合してなる第2接合レンズと、前記物体側に凹面を向けた負レンズおよび前記像側に凸面を向けた正レンズを接合してなる第3接合レンズとからなることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の対物レンズ。
  9.  前記回折光学素子は、主光線が光軸と交わる位置よりも前記物体側に配置されていることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の対物レンズ。
  10.  前記回折光学素子は、前記第1レンズ群を通過する光束の径が最も大きくなる位置よりも前記物体側に配置されていることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の対物レンズ。
  11.  請求項1~10のいずれか一項に記載の対物レンズを有する顕微鏡。
     
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