JPH10133118A - 顕微鏡用対物レンズ - Google Patents

顕微鏡用対物レンズ

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Publication number
JPH10133118A
JPH10133118A JP8291700A JP29170096A JPH10133118A JP H10133118 A JPH10133118 A JP H10133118A JP 8291700 A JP8291700 A JP 8291700A JP 29170096 A JP29170096 A JP 29170096A JP H10133118 A JPH10133118 A JP H10133118A
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JP
Japan
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lens
lens group
objective lens
positive
thickness
Prior art date
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Application number
JP8291700A
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English (en)
Inventor
Katsuya Watanabe
勝也 渡邊
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カバーガラス等の厚さ変化に対する収差補正
を行うための移動レンズ群を、簡単な構成で且つ全域に
わたって良好な諸収差を可能とする。 【解決手段】 物体側から順に並んだ第1〜第3レンズ
群から構成される対物レンズにおいて、第1レンズ群G
1は物体からの光束を収れんさせる正の屈折力を有し、
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ正、負、正
の3枚接合レンズから構成されるとともに小さな屈折力
を有し、第3レンズ群G3は負の屈折力を有する。カバ
ーガラス等の厚さに応じて第2レンズ群を相対移動させ
て収差補正を行う。各レンズ群は、次の条件式を満足す
る。|f2/f| > 50 ・・
・(1) 1.1 < (E1/E2) < 1.3 ・・・
(2) 但し、f2: 第2レンズ群の焦点距離、 f : 対物レンズ全系の焦点距離、 E1: 第1レンズ群の最大有効径、 E2: 第2レンズ群の最大有効径

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顕微鏡用に用いられ
る対物レンズに関し、さらに詳しくは、顕微鏡による観
察物体の上に載置される、すなわち、観察物体と対物レ
ンズとの間に配置されるカバーガラス、培養容器等のよ
うな光透過平行平面板の厚さが変化した場合に生ずるレ
ンズ諸収差を補正可能な顕微鏡用対物レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、顕微鏡による観察に際しては、
観察物体(標本)の上に載置された透明なカバーガラス
や、培養容器(ガラスシャーレ)のようなもの(これを
光透過平行平面板と称する)を通して観察を行うことを
前提に、顕微鏡が設計されている。顕微鏡の設計に際し
ては観察物体の上に位置する光透過平行平面板の厚さお
よび屈折率を規定し、このように規定した厚さおよび屈
折率の板を使用した状態で収差を所定範囲内に抑えるよ
うなレンズ設計がなされている。このため、顕微鏡によ
る観察物体の観察に際して、実際に物体と対物レンズと
の間に配置された光透過平行平面板の厚さや、屈折率等
が設計時に基準とした値とは大きく異なる場合には、結
像性能劣化を招くことになり、その劣化傾向は開口数
(N.A.)が大きくなるほど顕著である。
【0003】このため、従来から、対物レンズと観察物
体との間に載置される光透過平行平面板の厚さ等の変化
に応じて、対物レンズ内の一部のレンズ間隔を変化させ
て収差補正を行う機構を備えたレンズが知られている。
このようなレンズの中でも、特に大きな補正範囲を有す
るものに組織培養観察等に使用されている対物レンズが
ある。一般に培養容器等は形状や材質が様々であり、一
般的なガラスシャーレであっても厚みのばらつきが大き
いため、対物レンズはそれに対応すべく、大きな作動距
離(ワーキングディスタンス)を設けて十分な収差補正
能力を有することが要求される。
【0004】このような収差補正を行う機構を備えた対
物レンズとしては、例えば、特開昭59−100409
号公報、特開昭60−2005521号公報等に開示の
レンズがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら公報に記載の対
物レンズは、観察物体と対物レンズとの間に配置される
光透過平行平面板(カバーガラス等)の厚さ、屈折率の
変化に応じて生じる諸収差を、一部のレンズ間隔を変化
させて補正する機構を有するものであり、比較的大きな
ワーキングディスタンスを有し、球面収差に対しては十
分な補正能力を有している。しかしながら、コマ収差の
補正が劣り、光透過平行平面板の厚さ変化に対して、視
野周辺部の結像性能が不安定となるという問題がある。
【0006】特開平3−50517号公報にも同様な目
的のレンズが開示されており、このレンズは、大きな開
口数(N.A.)を有し、大きなワーキングディスタン
スを有し、光透過平行平面板の厚さ変化による諸収差変
動を良好に補正することができるものである。しかしな
がら、この対物レンズにおいては、収差補正のために第
1および第3レンズ群に対して相対移動する第2レンズ
群の構成レンズの数が多く、第2レンズ群が複雑で高価
であるという問題がある。すなわち、このレンズでは、
相対移動する第2レンズ群を多分割して移動の自由度を
大きくし、収差補正機能を向上させているのであるが、
多数のレンズを光軸に平行に移動させる必要があるた
め、移動機構が複雑、高価になりやすく、また、移動に
より大きな偏心(特に、シフト)が生じやすいという問
題がある。
【0007】このような問題に鑑み、本発明は、大きな
開口数およびワーキングディスタンスを有し、且つ光透
過平行平面板の厚さ変化に対する収差補正を行うための
移動レンズ群の構成が簡単でありながら、補正範囲の全
域にわたって諸収差を良好に補正可能であり、常に安定
した結像性能を発揮することが可能な顕微鏡用対物レン
ズを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
に鑑みたもので、物体側から順に同一光軸上に並んで配
設された第1〜第3レンズ群から本発明に係る対物レン
ズが構成される。この対物レンズにおいて、第1レンズ
群は物体からの光束を収れんさせる正の屈折力を有し、
第2レンズ群は、物体側から順に並んだ正、負、正の3
枚接合レンズから構成されるとともに小さな屈折力を有
し、第3レンズ群は負の屈折力を有する。その上で、物
体と第1レンズ群との間に配設される光透過平行平面板
の厚さに応じて、第2レンズ群を、第1および第3レン
ズ群に対して光軸上で相対移動させて収差補正が可能で
あ。なお、各レンズ群は、次の条件式(1)および
(2)を満足する。
【0009】
【数1】 |f2/f| > 50 ・・・(1) 1.1 < (E1/E2) < 1.3 ・・・(2) 但し、f2: 第2レンズ群の焦点距離、 f : 対物レンズ全系の焦点距離、 E1: 第1レンズ群の最大有効径、 E2: 第2レンズ群の最大有効径
【0010】なお、第2レンズ群を構成する正、負、正
の3枚接合レンズにおけるd線に対する屈折率をそれぞ
れn21、n22、n23とし、この3枚接合レンズのうちの
負レンズのアッベ数をν2nとしたときに、次の条件式
(3),(4)および(5)を満足するようにレンズ諸
元を設定するのが好ましい。
【0011】
【数2】 ν2n > 50 ・・・(3) 0.1 < (n22−n21) < 0.2 ・・・(4) 0.1 < (n22−n23) < 0.3 ・・・(5)
【0012】さらに、第1レンズ群の焦点距離をf1と
し、第1レンズ群を構成するレンズのうちの最も物体側
のレンズ面の曲率半径をr1としたときに、次の条件式
(6)および(7)を満足するように諸元設定を行うの
が望ましい。
【0013】
【数3】 2 < |(f1/f)| < 3 ・・・(6) 2 < |(r1/f)| < 3 ・・・(7)
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について説明する。本発明の対物レンズが用いられる顕
微鏡のレンズ構成を図1に示しており、第1対物レンズ
1と、第2対物レンズ2とからこの顕微鏡の対物レンズ
3が構成されており、標本(観察対象)5の像を光透過
平行平面板(カバーガラス等)6を介して対物レンズ3
により結像させ、この像を接眼レンズ4を介して観察す
るように構成されている。なお、第1対物レンズ1と第
2対物レンズ2とはほぼアフォーカル系であり、第1対
物レンズが本発明に係る対物レンズに該当し、無限遠系
レンズである。
【0015】次に、本発明に係る対物レンズである第1
対物レンズ1の詳細について以下に説明する。この第1
対物レンズ1は、例えば、図2等に示すように、標本5
側(物体側)から順に光軸上に並んだ第1レンズ群G1
と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3とから構成
される。
【0016】第1レンズ群G1は、標本5から出た発散
光束を収れん光束に変換する作用を持つ強いレンズ成分
であり、ここでは、球面収差、色収差ともに若干補正不
足となる。しかし、この第1レンズ群G1は、物体側に
凹面を向けた正メニスカスレンズと、接合正レンズを有
しており、諸収差の絶対量はそんなに大きなものではな
い。
【0017】第2レンズ群G2は屈折力の非常に小さな
接合レンズから構成されており、このレンズ接合面にお
いて大きな正の球面収差を発生させている。これにより
光透過平行平面板6の厚さ変化により生じる収差変動の
補正を可能にしている。
【0018】ここで、標本5と対物レンズ1との間に位
置する光透過平行平面板6が厚くなった場合を考える
と、平行平面板6はガラス等からなり屈折率が1より大
きいため、これが厚くなると正の球面収差が発生する。
このとき、このように厚くなった分の空気換算長を補正
して作動距離を決めれば、第1レンズ群G1に入射する
光線の入射角及び入射高さはあまり変化することがない
のであるが、収差状態も変化せず平行平面板6において
生じた収差はそのまま存在し続ける。
【0019】正の球面収差を有する第2レンズ群G2
は、収れん光束中にあるので、これを相対的に第3レン
ズ群G3に近づければ、第2レンズ群に入射する光束の
高さが減少するため正の球面収差も小さくなり、平行平
面板6の厚み増加により発生した正の球面収差を相殺す
ることができる。
【0020】なお、第2レンズ群G2においては、上記
第1の条件式(1)を満足する屈折力が設定されてい
る。通常、適切な正の球面収差を発生させるようにする
には群中の負レンズの屈折力が大きくなり、移動レンズ
群(第2レンズ群)全体においても負の屈折力が強くな
る場合があるが、この屈折力が大きいと移動レンズ群を
移動させた際に、対物レンズ全系での焦点距離が大きく
なる、特に高倍のレンズではアウトフォーカス状態にな
るため、その都度焦点を合わせ直さなければならず利便
性に欠けるという問題があるが、条件式(1)を満足す
る屈折力設定によりこのような問題を抑えることができ
る。
【0021】また移動レンズ群では前述のように球面収
差を発生させる面が必要であるが、その他の収差につい
てはなるべく小さく抑えることが有効である。特に色収
差などについては他のレンズ群で色消しを行い、移動レ
ンズ群は色収差の補正にはほとんど寄与しないのが、移
動時でも色補正状態に変動が無いため理想的である。し
かしそのためには、第1レンズ群G1での色消しの負担
が大きくなり、第1レンズ群G1における凹レンズの分
散を大きくしなければならず、二次スペクトルが悪化す
るため、本発明の対物レンズ(第1対物レンズ1)では
若干の補正過剰にしている。
【0022】第2レンズ群G2は、物体側(標本側)に
凸面を向けた凸レンズL21とこの凸レンズL21より
屈折率の大きな硝子材を用いた両凹レンズL22とに凸
レンズL23を加えた3枚接合レンズから構成される。
この第2レンズ群G2は第1レンズ群G1から出た収れ
ん光束中に配設されているため、最も物体側の面におい
て入射高が高くなるが、この面を凹面にすると負の屈折
力が強くなるすぎるとともに正の球面収差の発生が極端
に大きくなり他のレンズ群で補正できなくなるため、二
番目に入射高の高い第2面に軸上光束に逆らう形で凹面
を設け、適度に球面収差を発生させている。この構成で
は、比較的接合面の曲率を強くすることなく、大きな球
面収差が得られるので、他の収差に与える影響を少なく
することができ、また、接合面の屈折力もそれほど大き
くないために、偏心に対しても強くなっている。
【0023】本発明の対物レンズではより好ましくは、
条件式(3),(4)および(5)を満足することが望
ましい。条件式(3)を満たさなければ、全レンズ系に
よる色消しにおける第2レンズ群G2の負担が増して色
収差の変動が大きくなる。条件式(4),(5)はとも
に移動レンズ群の接合面の屈折率差を規定するもので、
その上限を越えると接合面の曲率半径が緩くなりすぎ
て、平行平面板6の厚み変化による高次収差の変動を補
正しきれなくなる。また、逆に下限を越えると適切な球
面収差を発生させることができず、移動レンズ群の移動
量が大きくなり、コマ収差や像面湾曲などが悪化する。
【0024】第2レンズ群G2を出射した光束は、球面
収差、軸上色収差ともに若干の補正過剰であるが、倍率
の色収差はまだ補正不足である。そこで、負屈折力を有
する第3レンズ群G3によって、倍率色収差、軸上色収
差、球面収差を補正し、さらに、高次の短波長光線の球
面収差を補正不足にして全体として良好な性能を維持し
ている。
【0025】上記のごとく本発明の対物レンズ(第1対
物レンズ1)は物体から出た発散光を強い正屈折力を持
つ第1レンズ群G1により収れん光に変換し、その収れ
ん状態を維持したまま第3レンズ群G3に導くというの
が基本構成であるが、このようないわゆる補正環対物レ
ンズにおいては、この収れん光の勾配も重要な要素にな
る。この勾配が小さすぎると移動レンズ群を移動させた
ときの入射高の差が小さくなり、補正環としての作用が
薄れてしまう。逆に勾配が大きすぎると言うことは第
1、第3レンズ群G1,G3の屈折力がそれぞれ更に強
くなることになり、高次収差を補正できなくなる。した
がって、この場合の適切な勾配を第1レンズ群G1と第
2レンズ群G2の最大有効径の比で表すと、条件式
(2)を満たすことが望ましい。
【0026】更に良好な結像性能を得るには、条件式
(6),(7)を満たすことも有効である。条件式
(6)の上限を越えると長い作動距離(ワーキングディ
スタンス)が得られなくなり、下限を下回ると第1レン
ズ群G1の屈折力が強くなりすぎて高次の色の球面収差
などの補正が困難になる。また、条件式(7)の上限を
上回るとペッツバール和が増大して像面の平坦性が悪化
し、下限を下回ると球面収差が補正過剰となってしま
う。
【0027】以上のように諸条件を満足させることによ
り、比較的大きな作動距離を持ちつつ、標本5と対物レ
ンズ1間に配置された透明平行平面板6の厚み変化によ
る収差変動を良好に補正することが可能な顕微鏡用対物
レンズを得ることができる。
【0028】
【実施例】以下に、本発明の対物レンズの実施例を図面
を参照して具体的に説明するが、本発明の対物レンズで
は、各実施例において、標本側から順に、標本側に凹面
を向けた正メニスカスレンズと接合正レンズとを有し、
標本5からの光束を収斂させる作用の第1レンズ群G1
と、この収れん光束中で光軸に沿って移動可能で正、
負、正の三枚接合レンズを有する小さい屈折力の第2レ
ンズ群G2と、負屈折力の第3レンズ群G3とを備え、
第1レンズ群G1と標本5間に置かれる平行平面板6の
厚さ変化に応じて、第2レンズ群G2を第1レンズ群G
1、第3レンズ群G3に対して相対的に移動させること
により諸収差を補正し得ることが可能な構成となってい
る。
【0029】なお、以下における各レンズの諸元を記し
た表において、fは対物レンズの焦点距離、N.A.は
開口数、βは倍率、W.D.は作動距離(ワーキングデ
ィスタンス)を表している。さらに、rは各レンズ面の
曲率半径、dは各レンズの面間隔、ndおよびνdはそ
れぞれd線(587.6nm)に対する屈折率およびア
ッベ数を示している。
【0030】また、ここに掲げる各実施例はいずれも標
本5と対物レンズ1との間に置かれる平行平面板6の厚
さの基準を1mm、その屈折率ndを1.52216、
アッベ数νdを58.8としているものである。
【0031】
【実施例1】本発明に係る対物レンズ(第1対物レン
ズ)の第1実施例を図2に示しており、この対物レンズ
は光軸上に標本側から順に並んだ第1〜第3レンズ群G
1,G2,G3から構成される。第1レンズ群G1は、
二個の正メニスカスレンズL11,L12と、正負レン
ズL13,L14からなる接合レンズと、正負正レンズ
L15,L16,L17レンズからなる接合レンズとか
ら構成される。第2レンズ群G2は正負正レンズL2
1,L22,L23の接合レンズから構成されるがその
屈折力は小さくなっている。第3レンズ群G3は負正負
レンズL31,L32,L33の接合レンズから構成さ
れる。
【0032】この対物レンズにおいて、第1レンズ群G
1および第3レンズ群G3に対して第2レンズ群G2を
光軸上で相対移動させることにより収差補正を行うこと
が可能なようになっている。このため、この対物レンズ
を備えた顕微鏡には第2レンズ群G2をこのように相対
移動させるための機構(補正環)が設けられている。な
お、顕微鏡のピント調整は、レンズ群(対物および接眼
レンズ群)全体と標本との間隔を変化させて行うように
なっている。
【0033】図2に示す本発明の第1実施例に係る対物
レンズ(第1対物レンズ)の諸元は表1に示すようにな
っている。なお、この対物レンズにおいて、焦点距離f
=3.33mm、開口数N.A.=0.7、倍率β=−
60.0、作動距離W.D.=2.430である。
【0034】
【表1】 レンズ面 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数(S) (r) (d) (nd) (νd) 1) −7.604 6.0 1.71300 53.93 2) −7.107 0.2 3) −38.885 2.9 1.49782 82.52 4) −11.540 0.2 5) 63.019 5.0 1.49782 82.52 6) −10.136 1.3 1.52682 51.35 7) −18.834 0.2 8) 32.474 3.3 1.49782 82.52 9) −26.068 1.2 1.60342 38.03 10) 14.602 3.7 1.43388 95.57 11) −38.111 可 変 12) 25.445 3.2 1.56384 60.69 13) −14.212 1.2 1.71300 53.93 14) 9.870 3.5 1.43388 95.57 15) −30.112 可 変 16) −22.637 1.0 1.58913 61.09 17) 32.962 1.8 1.67270 32.17 18) −7.989 1.0 1.51860 69.98 19) 10.618
【0035】このような諸元の対物レンズにおいて、光
透過平行平面板6の厚さを基準厚さ1.0mmに対し
て、0.5mmずつ増減させた場合、すなわち、板厚が
0.5mm,1.0mm,1.5mmの場合における作
動距離(ワーキングディスタンスW.D.)d0 と、面
間隔d11およびd15(いずれも表1において可変となっ
ている面間隔)との値を表2に示す。すなわち、表2に
は、平行平面板6の厚さが変動した場合に焦点距離およ
び収差補正を行うようにレンズ群全体の移動および第2
レンズ群G2の相対移動を行なった場合の各面間隔d0,
d11,d15を示している。さらに、この対物レンズにお
ける前述の条件式(1)〜(7)の値(条件対応値)は
表3に示すようになる。
【0036】
【表2】平行平面板厚 d0(W.D.) d11 d15 0.5 2.759 0.7 22.0 1.0 2.430 2.7 20.0 1.5 2.002 5.3 17.4
【0037】
【表3】(条件対応値) (1) |f2/f| = 637 (2) E1/E2 = 1.25 (3) ν2n = 53.93 (4) n22 − n21 = 0.149 (5) n22 − n23 = 0.279 (6) |f1/f| = 2.56 (7) |r1/f| = 2.28
【0038】上記の諸元を有する第1実施例に係る対物
レンズの収差図を図3〜図8に示している。光透過平行
平面板6の厚さが基準値である1.0mmの場合の収差
を図3および図4に示し、厚さが基準値より薄い0.5
mmの場合の収差を図5および図6に示し、厚さが基準
値より厚い1.5mmの場合の収差を図7および図8に
示す。
【0039】これら収差図において、図3、図5および
図7がそれぞれ球面収差を表しており、各図において実
線dはd線(587.6nm)を、破線CはC線(65
6.3nm)を、一点鎖線FはF線(486.1nm)
を、二点鎖線gはg線(435.8nm)の球面収差を
それぞれ示している。
【0040】また、図4、図6、図8において、(a)
が非点収差を、(b)がメリジオナルコマ収差を、
(c)が歪曲収差をそれぞれ示す。また、非点収差図
(a)において実線はサジタル像面を示し、破線はメリ
ジオナル像面を示している。なお、yは像高を示す。
【0041】
【実施例2】本発明に係る対物レンズ(第1対物レン
ズ)の第2実施例を図9に示しており、この対物レンズ
は光軸上に標本側から順に並んだ第1〜第3レンズ群G
1’,G2’,G3’から構成される。第1レンズ群G
1’は、二個の正メニスカスレンズL51,L52と、
正負レンズL53,L54からなる接合レンズと、正負
正レンズL55,L56,L57レンズからなる接合レ
ンズとから構成される。第2レンズ群G2’は正負正レ
ンズL61,L62,L63の接合レンズから構成され
るがその屈折力は小さくなっている。第3レンズ群G
3’は正負レンズL71,L72の接合レンズと、負正
負レンズL73,L74,75の接合レンズとから構成
される。
【0042】この対物レンズにおいても、第1レンズ群
G1’および第3レンズ群G3’に対して第2レンズ群
G2’を光軸上で相対移動させることにより収差補正を
行うことが可能に構成されている。
【0043】図9に示す本発明の第2実施例に係る対物
レンズ(第1対物レンズ)の諸元は表4に示すようにな
っている。なお、この対物レンズにおいて、焦点距離f
=3.33mm、開口数N.A.=0.7、倍率β=−
60.0、作動距離W.D.=2.460である。
【0044】
【表4】 レンズ面 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数(S) (r) (d) (nd) (νd) 1) −8.624 6.07 1.71300 53.93 2) −7.414 0.2 3) −23.165 2.95 1.49782 82.52 4) −10.199 0.2 5) 57.931 4.8 1.49782 82.52 6) −11.594 1.3 1.54814 45.87 7) −25.366 0.2 8) 28.808 3.4 1.49782 82.52 9) −27.666 1.1 1.57501 41.42 10) 16.530 3.8 1.43385 95.25 11) −30.244 可 変 12) 31.220 3.2 1.56384 60.69 13) −16.261 1.2 1.69680 55.60 14) 9.292 3.5 1.49782 82.52 15) −50.069 可 変 16) 9.733 7.0 1.43385 95.25 17) −13.774 2.35 1.60342 38.03 18) 4.971 3.25 19) −9.343 1.0 1.51860 69.98 20) 15.134 2.45 1.62004 36.27 21) −4.202 1.1 1.51860 69.98 22) −46.781
【0045】このような諸元の対物レンズにおいて、光
透過平行平面板6の厚さが0.5mm,1.0mm,
1.5mmの場合における作動距離d0 、面間隔d11お
よびd15の値を表5に示す。さらに、この対物レンズに
おける前述の条件式(1)〜(7)の値(条件対応値)
は表6に示すようになる。
【0046】
【表5】平行平面板厚 d0(W.D.) d11 d15 0.5 2.789 1.07 9.58 1.0 2.460 3.20 7.45 1.5 2.032 6.02 4.63
【0047】
【表6】(条件対応値) (1) |f2/f| = 555 (2) E1/E2 = 1.21 (3) ν2n = 55.60 (4) n22 − n21 = 0.133 (5) n22 − n23 = 0.199 (6) |f1/f| = 2.64 (7) |r1/f| = 2.59
【0048】上記の諸元を有する第2実施例に係る対物
レンズの収差図を図10〜図15に示している。光透過
平行平面板6の厚さが基準値である1.0mmの場合の
収差を図10および図11に示し、厚さが基準値より薄
い0.5mmの場合の収差を図12および図13に示
し、厚さが基準値より厚い1.5mmの場合の収差を図
14および図15に示す。
【0049】これら収差図において、図10、図12お
よび図14がそれぞれ球面収差を表しており、各図にお
いて実線dはd線(587.6nm)を、破線CはC線
(656.3nm)を、一点鎖線FはF線(486.1
nm)を、二点鎖線gはg線(435.8nm)の球面
収差をそれぞれ示している。
【0050】また、図11、図13、図15において、
(a)が非点収差を、(b)がメリジオナルコマ収差
を、(c)が歪曲収差をそれぞれ示す。また、非点収差
図(a)において実線はサジタル像面を示し、破線はメ
リジオナル像面を示している。なお、yは像高を示す。
【0051】なお、以上の実施例における対物レンズ
(第1対物レンズ1)は無限遠系補正型のものとなって
おり、この対物レンズ単体では結像し得ない。すなわ
ち、実際には図1に示したように第2対物レンズ2と組
み合わされて顕微鏡対物レンズとして用いられて標本の
結像が得られる。このため、以上において説明した収差
図は全て第2対物レンズ2と組み合わせて結像させたと
きのものである。
【0052】このために用いた第2対物レンズ2は図1
6に示すように、正負レンズL81,L82の接合レン
ズと、正負レンズL83,L84の接合レンズとから構
成される。このレンズ諸元を表7に示す。
【0053】
【表7】 レンズ面 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数(S) (r) (d) (nd) (νd) 1) 75.043 5.1 1.62280 57.03 2) −75.043 2.0 1.74950 35.19 3)1600.580 7.5 4) 50.256 5.1 1.66755 41.96 5) −84.541 1.8 1.61266 44.40 6) 36.911
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高倍率(例えば、60倍)で、物体(標本)面と対物レ
ンズとの間に配置されるカバーガラス等の光透過平行平
面板の厚さが変化した場合においても、安定した結像性
能を維持することができる。また、操作性の面でも長い
作動距離と、補正環使用時に焦点移動が少ないという特
徴により、液中の標本や、厚みのある標本等も連続的に
仔細な観察が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る対物レンズが用いられる顕微鏡の
レンズ構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る対物レンズの構成を
示す図である。
【図3】第1実施例の対物レンズにおいて平行平面板厚
が1.0mmのときの球面収差図である。
【図4】第1実施例の対物レンズにおいて平行平面板厚
が1.0mmのときの非点収差、メリジオナルコマ収差
および歪曲収差図である。
【図5】第1実施例の対物レンズにおいて平行平面板厚
が0.5mmのときの球面収差図である。
【図6】第1実施例の対物レンズにおいて平行平面板厚
が0.5mmのときの非点収差、メリジオナルコマ収差
および歪曲収差図である。
【図7】第1実施例の対物レンズにおいて平行平面板厚
が1.5mmのときの球面収差図である。
【図8】第1実施例の対物レンズにおいて平行平面板厚
が1.5mmのときの非点収差、メリジオナルコマ収差
および歪曲収差図である。
【図9】本発明の第2実施例に係る対物レンズの構成を
示す図である。
【図10】第2実施例の対物レンズにおいて平行平面板
厚が1.0mmのときの球面収差図である。
【図11】第2実施例の対物レンズにおいて平行平面板
厚が1.0mmのときの非点収差、メリジオナルコマ収
差および歪曲収差図である。
【図12】第2実施例の対物レンズにおいて平行平面板
厚が0.5mmのときの球面収差図である。
【図13】第2実施例の対物レンズにおいて平行平面板
厚が0.5mmのときの非点収差、メリジオナルコマ収
差および歪曲収差図である。
【図14】第2実施例の対物レンズにおいて平行平面板
厚が1.5mmのときの球面収差図である。
【図15】第2実施例の対物レンズにおいて平行平面板
厚が1.5mmのときの非点収差、メリジオナルコマ収
差および歪曲収差図である。
【図16】本発明の対物レンズと組み合わせて用いられ
る第2対物レンズ(結像レンズ)の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群 G3 第3レンズ群

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側から順に同一光軸上に並んで配設
    された第1〜第3レンズ群を備えてなる顕微鏡用対物レ
    ンズであって、 前記第1レンズ群は前記物体側からの光束を収れんさせ
    る正の屈折力を有し、 前記第2レンズ群は、前記物体側から順に並んだ正、
    負、正の3枚接合レンズから構成されるとともに小さな
    屈折力を有し、 前記第3レンズ群は負の屈折力を有し、 前記物体と前記第1レンズ群との間に配設される光透過
    平行平面板の厚さに応じて、前記第2レンズ群を、前記
    第1および第3レンズ群に対して前記光軸上で相対移動
    させて収差補正が可能であり、 |f2/f| > 50 1.1 < (E1/E2) < 1.3 但し、f2: 第2レンズ群の焦点距離、 f : 対物レンズ全系の焦点距離、 E1: 第1レンズ群の最大有効径、 E2: 第2レンズ群の最大有効径 を満足することを特徴とする顕微鏡用対物レンズ。
  2. 【請求項2】 前記第2レンズ群を構成する正、負、正
    の3枚接合レンズのd線に対する屈折率をそれぞれn2
    1、n22、n23とし、前記3枚接合レンズのうちの負レ
    ンズのアッベ数をν2nとしたときに、 ν2n > 50 0.1 < (n22−n21) < 0.2 0.1 < (n22−n23) < 0.3 を満足することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡用
    対物レンズ。
  3. 【請求項3】 前記第1レンズ群の焦点距離をf1と
    し、前記第1レンズ群を構成するレンズのうちの最も物
    体側のレンズ面の曲率半径をr1としたとき、 2 < |(f1/f)| < 3 2 < |(r1/f)| < 3 を満足することを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡用
    対物レンズ。
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