JP2004062118A - 近紫外対物レンズ - Google Patents

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Yoko Okuyama
奥山 陽子
Kotaro Yamaguchi
山口 弘太郎
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Abstract

【課題】近紫外の透過率を確保しながら、400nm以下の近紫外波長に対しても高い結像性能を発揮できる近紫外対物レンズを提供する。
【解決手段】本発明の近紫外対物レンズは、物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを備え、前記第1レンズ群G1は、物体側へ凹面を向けた少なくとも2つのメニスカスレンズと、少なくとも1つの接合レンズとを有し、前記第2レンズ群G2は、少なくとも2つの接合レンズを有し、前記接合レンズの少なくとも1つが3枚接合レンズからなり、前記第3レンズ群G3は、少なくとも1つの負レンズと、少なくとも1つの正レンズとを有し、前記正レンズは最も像側に配置され、ビグネッティングの発生を抑え、400nm以下の波長に対しても所定の収差範囲内に収まるように構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡用対物レンズに関し、特に、400nm以下の近紫外波長に対しても高い結像性能を発揮できる近紫外対物レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、近紫外域用の対物レンズとして、紫外蛍光用対物レンズ、あるいは、特開平10−282429号公報,特開平5−196874号公報及び特開平11−142744号公報に記載の顕微鏡対物レンズ等が知られている。
【0003】
紫外蛍光用対物レンズは、一般に近紫外光で試料を励起照明するために用いられるため、近紫外光に対して高い透過率を有して設計されているが、色収差補正は考慮されておらず、結像性能が充分になっていないのが通例である。しかし、近年、半導体技術分野では、レチクルやウエハの欠陥検査のために高解像力を有する近紫外対物レンズが要求されている。
【0004】
このような問題を解消するために、特開平10−282429号公報,特開平5−196874号公報及び特開平11−142744号公報には、近紫外から可視域において色収差補正を施した顕微鏡対物レンズが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光は波長が短くなる程レンズに吸収され易く透過率が低くなる性質を有している。このため、広い波長範囲内で高い解像度を得るためには、より波長の短い光の透過率の確保が重要となる。例えば、上記のように近紫外から可視域にわたる広い波長範囲においては、波長の短い近紫外光の透過率が問題となる。
【0006】
しかしながら、特開平5−196874号公報に開示されている近紫外対物レンズは、全長が約100mmと長く、さらに、この長い全長に対してレンズの占める割合が高い。このため、光がレンズを通る距離が長く、近紫外光の透過率を結果的に下げてしまうという問題があった。
【0007】
また、特開平10−282429号公報及び特開平11−142744号公報に開示されている近紫外対物レンズは、長作動距離タイプであるため、上記同様に光学系が大きく、この光学系に対するレンズの占める割合が高い。このため、全体として近紫外の透過率の確保は難しい。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、400nm以下の近紫外に対して透過率を確保して高い結像性能を発揮できる近紫外対物レンズを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明の近紫外対物レンズは、物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを備え、前記第1レンズ群G1は、物体側へ凹面を向けた少なくとも2つのメニスカスレンズと、少なくとも1つの接合レンズとを有し、前記第2レンズ群G2は、少なくとも2つの接合レンズを有し、前記接合レンズの少なくとも1つが3枚接合レンズからなり、前記第3レンズ群G3は、少なくとも1つの負レンズと、少なくとも1つの正レンズとを有し、前記正レンズは最も像側に配置され、ビグネッティングの発生を抑え、400nm以下の波長に対しても所定の収差範囲内に収まるように構成されている。
【0010】
上記に記載の近紫外対物レンズは、前記第1レンズ群G1の前記接合レンズのうち、少なくとも1つの接合面における正レンズのアッベ数をvI、負レンズのアッベ数をvIIとしたときに、条件式
10 < vI−vII < 30 (1)
vI > 80         (2)
の条件を満足するように構成することが好ましい。
【0011】
上記のいずれかに記載の近紫外対物レンズは、全系の焦点距離をf、前記第1レンズ群G1のうち最も物体側に配置されたレンズの焦点距離をf112としたときに、条件式
6.5 < f112/f < 10.0 (3)
の条件を満足するように構成することが好ましい。
【0012】
上記のいずれかに記載の近紫外対物レンズは、前記第3レンズ群G3の前記正レンズのうち最も短い焦点距離をfp、前記第3レンズ群G3の前記負レンズのうち最も短い焦点距離をfmとしたときに、条件式
2 < fp/|fm| < 4.5 (4)
の条件を満足するように構成することが好ましい。
【0013】
上記のいずれかに記載の近紫外対物レンズは、前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2、前記第3レンズ群G3の焦点距離をf3としたときに、条件式
0.5 < f2/|f3| < 2.0 (5)
の条件を満足するように構成することが好ましい。
【0014】
上記のいずれかに記載の近紫外対物レンズは、レンズ系の全長をL、前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3の間隔をd23としたときに、条件式
0.2 < d23/L < 0.5 (6)
の条件を満足するように構成することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る近紫外対物レンズは、物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを備える。そして、第1レンズ群G1は、物体側へ凹面を向けた少なくとも2つのメニスカスレンズと、少なくとも1つの接合レンズとを有し、第2レンズ群G2は、少なくとも2つの接合レンズを有し、この接合レンズの少なくとも1つが3枚接合レンズからなり、第3レンズ群G3は、少なくとも1つの負レンズと、少なくとも1つの正レンズとを有し、正レンズは最も像側に配置されている。さらに、ビグネッティングの発生を抑え、400nm以下の波長に対しても所定の収差範囲内に収まるように構成されている。
【0016】
まず、上記構成を採用した理由について説明する。本発明では、近紫外から可視域にわたる広い波長範囲で色収差を補正する必要がある。しかしながら、上述したように、近紫外の透過率を確保するためには、できるだけレンズを増やさないことが重要である。このため、上記のように第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2に接合レンズを用いることにより、その接合面で効果的に色収差補正を行い、レンズの使用枚数を抑えることができるようになっている。
【0017】
ここで、第1レンズ群G1は、有している接合レンズのうち、少なくとも1つの接合面における正レンズのアッベ数をvI、負レンズのアッベ数をvIIとしたときに、条件式(1)及び(2)を満足することが好ましい。
【0018】
【数1】
10 < vI−vII < 30 (1)
vI > 80         (2)
【0019】
上記条件式(1)及び(2)は、第1レンズ群G1の接合レンズを構成する正レンズと負レンズとのアッベ数差及び正レンズのアッベ数の範囲を制限するためのものである。この条件式(1)及び(2)を満足することで、第1レンズ群G1は、軸上色収差の2次分散を補正することができる。
【0020】
第1レンズ群G1のメニスカスレンズは、物体から出た光線のうち、大きな角度を持った(高NAの)光線を、収差を抑えながら徐々に曲げていくためのものである。このように最も物体側に位置する第1レンズ群G1に、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズを設けることにより、高NA光線を面の法線と入射光線との角度差を余り大きくせずに、できるだけ球面収差が発生しないように第2レンズ群G2へと導くことができる。
【0021】
ここで、より効果的に第2レンズ群G2に光線を導くためには、レンズ全系の焦点距離をf、前記第1レンズ群G1のうち最も物体側に配置されたレンズの焦点距離をf112としたときに、条件式(3)が満足されることが好ましい。
【0022】
【数2】
6.5 < f112/f < 10.0 (3)
【0023】
上記条件式は、第1レンズ群G1の屈折力を制限するためのものである。この条件式(3)の上限値を上回ると、第2レンズ群G2へ入射する光線がより高い位置を通ることになり、収差補正に不利である。また、条件式(3)の下限値を下回ると、ペッツバール和が正に過大となり、収差補正が困難となる。
【0024】
次に、第2レンズ群G2は、接合レンズを少なくとも2つ置き、さらに、これら接合レンズのうち少なくとも1つを3枚接合レンズにしており、これにより、本発明の光学系の中で最も高い位置を通る光線を、色収差等の諸収差を良好に補正することができる。
【0025】
続いて、第3レンズ群G3は、少なくとも1枚ずつの負レンズ及び正レンズを有することにより、第2レンズ群G2までに発生した正の歪曲収差を補正することができる。
【0026】
ここで、第3レンズ群G3の正レンズのうち最も短い焦点距離をfp、第3レンズ群G3の負レンズのうち最も短い焦点距離をfmとしたときに、条件式(4)が満足されることが好ましい。
【0027】
【数3】
2< fp/|fm| < 4.5 (4)
【0028】
上記条件式(4)は、第3レンズ群G3における負レンズと正レンズのパワーを制限するものである。このような制限により、歪曲修差を効率よく補正して、第3レンズ群G3から出射した光線を平行光にすることができる。この条件式(4)の上限値を上回ると、正レンズのパワーが強すぎてしまい、収差補正に不利になる。また、条件式(4)の下限値を下回ると、正レンズのパワーが弱すぎて歪曲収差を補正することが困難となる。
【0029】
また、上記の第2レンズ群G2の焦点距離をf2、第3レンズ群G3の焦点距離をf3としたときに、条件式(5)が満足されることが好ましい。
【0030】
【数4】
0.5 < f2/|f3| < 2.0 (5)
【0031】
上記条件式(5)は、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3のパワーを制限するものである。この条件式(5)の上限値を上回ると、第2レンズ群G2で光線が余り曲げられず、第3レンズ群G3に高い位置から光線が入射することとなり、収差補正に不利である。また、条件式(5)の下限値を下回ると、第2レンズ群G2のパワーが大きくなりすぎ、収差が補正しきれなくなる。
【0032】
また、本発明の近紫外対物レンズは、レンズ系の全長をL、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔をd23としたときに、条件式(6)が満足されることが好ましい。
【0033】
【数5】
0.2 < d23/L < 0.5 (6)
【0034】
上記条件式(6)は、本発明の近紫外対物レンズ系の全長に占めるレンズの部分を示すものである。本発明の近紫外対物レンズにおいて、近紫外の透過率を上げるためにできるだけレンズ(ガラス)の部分が少ない方がよい。条件式(6)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3に入射する光線高が低くなりすぎ、効率よく第3レンズ群G3で光線を平行光にしつつ、歪曲収差を補正することが困難になる。また、条件式(6)の下限値を下回ると、レンズ系の全長に占めるレンズの割合が多くなり、透過率が下がってしまう。
【0035】
【実施例】
以下に、本発明の近紫外対物レンズの実施例について図を用いて説明する。各実施例において、本発明の近紫外対物レンズは、物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを備えている。第1レンズ群G1は、物体側へ凹面を向けた少なくとも2つのメニスカスレンズと、少なくとも1つの接合レンズとを有している。第2レンズ群G2は、少なくとも2つの接合レンズを有し、この接合レンズの少なくとも1つが3枚接合レンズからなる。第3レンズ群G3は、少なくとも1つの負レンズと、少なくとも1つの正レンズとを有し、この正レンズは最も像側に配置されている。このような構成により、ビグネッティングの発生を抑え、400nm以下の近紫外に対しても透過率を確保して高い結像性能を発揮できるようになっている。
【0036】
各実施例において収差特性の算出対象としてd線、g線、h線、i線を選んでおり、これらの波長を下の表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004062118
【0038】
各実施例の近紫外対物レンズは無限遠設計されているため、近紫外対物レンズの像側に120mmの軸上空気空間を隔てて結像レンズ(第2対物レンズ)を配置し、近紫外対物レンズと結像レンズとの組み合わせにより有限光学系を形成している。なお、以下の各実施例において示す諸収差図は、近紫外対物レンズと結像レンズとの軸上空気空間が120mmの場合の諸収差図である。ただし、軸上空気間隔がある程度変化しても、修差の変動がほとんどないことを本発明者は検証している。
【0039】
図7は、各実施例における結像レンズの構成を示している。図7に示すように、各実施例における結像レンズは、物体側から順に、両凸レンズL41aと両凹レンズL41bとの接合正レンズG4と、両凸レンズL42aと両凹レンズL42bとの接合正レンズG5とから構成されている。また、表2に、各実施例における結像レンズの諸元値を表2に示す。表中、第1欄mは物体側からの各レンズ面の番号、第2欄rは各レンズ面の曲率半径(曲率中心が物体側にあるときは正とする)、第3欄dは各レンズ面から次のレンズ面(又は像面)までの光軸上の距離、第4欄ndは各レンズ面から次のレンズ面までのレンズ(空欄は空気)のd線に対する屈折率、第5欄νdは当該レンズのd線を基準としたアッベ数、第6欄は当該レンズのレンズ番号、第7欄は当該レンズの群番号をそれぞれ示している。
【0040】
【表2】
Figure 2004062118
【0041】
上記構成の結像レンズと後述する各実施例における近紫外対物レンズとを組み合わせると、倍率64倍、視野数φ28mmとなる。また、各実施例において、焦点距離f=3.34mm、開口数NA=0.72である。
【0042】
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施例に係る近紫外対物レンズの構成を示す図である。図1の近紫外対物レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12と、両凹レンズL13a,両凸レンズL13bからなる2枚結合レンズL13とを有している。
【0043】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸レンズL14a,両凹レンズL14b,両凸レンズL14cからなる3枚接合レンズL14と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL15a,両凸レンズL15b,物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL15cからなる3枚接合レンズL15とを有している。
【0044】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹レンズL16と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL17と、両凸レンズL18とを有している。なお、図中の番号は物体側からの各レンズ面の番号を示している。
【0045】
このように図1に示した本発明の第1実施例における各レンズの諸元を表3に示す。表中、第1欄mは物体側からの各レンズ面の番号、第2欄rは各レンズ面の曲率半径、第3欄dは各レンズ面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離、第4欄ndはd線に対する屈折率、第5欄νdは当該レンズのd線を基準としたアッベ数、第6欄は当該レンズのレンズ番号、第7欄は当該レンズの群番号をそれぞれ示している。また、前記条件式(1)〜(6)に対応する値、すなわち条件対応値も示している。なお、以上の表の説明は、他の実施例においても同様である。
【0046】
【表3】
Figure 2004062118
Figure 2004062118
【0047】
このように第1実施例では、上記条件式(1)〜(6)は全て満たされることが分かる。
【0048】
図2は、第1実施例の球面収差、非点収差、コマ収差及び歪曲収差を示す図である。各収差図において、NAは開口数を、Yは像高を、dはd線を、gはg線を、hはh線を、iはi線をそれぞれ示している。非点収差図とコマ収差図及び歪曲収差図では、基準光線としてのd線に対する収差を示している。さらに、非点収差図では、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。また、コマ収差(A)では、メリディオナル光線の横収差を示している。コマ収差(B)のうち、右半分はサジダル光線のサジタル方向の横収差を示し、左半分はサジタル光線のメリディオナル方向の横収差を示している。以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様である。
【0049】
図2中の各収差図から明らかなように、第1実施例では、諸収差が良好に補正され、高い結像性能が確保されていることが分かる。
【0050】
(第2実施例)
図3は、本発明の第2実施例に係る近紫外対物レンズの構成を示す図である。図3の近紫外対物レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL22と、両凹レンズL23a,両凸レンズL23bからなる2枚結合レンズL23とを有している。
【0051】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹レンズL24a,両凸レンズL24bからなる2枚結合レンズL24と、両凸レンズL25a,物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25bからなる2枚接合レンズL25と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL26a,両凸レンズL26b,物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL26cからなる3枚接合レンズL26とを有している。
【0052】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹レンズL27と、両凸レンズL28とを有している。
【0053】
このように図3に示した本発明の第2実施例における各レンズの諸元を表4に示す。
【0054】
【表4】
Figure 2004062118
Figure 2004062118
【0055】
このように第2実施例では、上記条件式(1)〜(6)は全て満たされることが分かる。図4は、第2実施例の諸収差図である。各収差図から明らかなように、第2実施例では、諸収差が良好に補正され、高い結像性能が確保されていることが分かる。
【0056】
(第3実施例)
図5は、本発明の第1実施例に係る近紫外対物レンズの構成を示す図である。図5の近紫外対物レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL31と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL32と、両凹レンズL33a,両凸レンズL33bからなる2枚結合レンズL33とを有している。
【0057】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL34a,両凸レンズL34bからなる2枚結合レンズL34と、両凸レンズL35a,物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL35bからなる2枚接合レンズL35と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL36a,両凸レンズL36b,両凹レンズL36cからなる3枚接合レンズL36とを有している。
【0058】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹レンズL37と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL38と、両凸レンズL39とを有している。
【0059】
このように図5に示した本発明の第3実施例における各レンズの諸元を表5に示す。
【0060】
【表5】
Figure 2004062118
Figure 2004062118
【0061】
このように第3実施例では、上記条件式(1)〜(6)は全て満たされることが分かる。図6は、第3実施例の諸収差図である。各収差図から明らかなように、第3実施例では、諸収差が良好に補正され、高い結像性能が確保されていることが分かる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、近紫外から可視域までの色収差,歪曲収差等の諸収差が良好に補正されており、各収差図に見られる通りの高性能な近紫外対物レンズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る近紫外対物レンズの構成を示す断面図である。
【図2】第1実施例の球面収差、非点収差、コマ収差及び歪曲収差を示す収差曲線図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る近紫外対物レンズの構成を示す断面図である。
【図4】第2実施例の収差曲線図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る近紫外対物レンズの構成を示す断面図である。
【図6】第3実施例の収差曲線図である。
【図7】上記実施例における結像レンズの構成を示す図である。
【0063】
【符号の説明】
G1  第1レンズ群
G2  第2レンズ群
G3  第3レンズ群
L   各レンズ成分

Claims (6)

  1. 物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを備え、
    前記第1レンズ群G1は、物体側へ凹面を向けた少なくとも2つのメニスカスレンズと、少なくとも1つの接合レンズとを有し、
    前記第2レンズ群G2は、少なくとも2つの接合レンズを有し、前記接合レンズの少なくとも1つが3枚接合レンズからなり、
    前記第3レンズ群G3は、少なくとも1つの負レンズと、少なくとも1つの正レンズとを有し、前記正レンズは最も像側に配置され、
    ビグネッティングの発生を抑え、400nm以下の波長に対しても所定の収差範囲内に収まるように構成されていることを特徴とする近紫外対物レンズ。
  2. 前記第1レンズ群G1の前記接合レンズのうち、少なくとも1つの接合面における正レンズのアッベ数をvI、負レンズのアッベ数をvIIとしたときに、条件式
    10 < vI−vII < 30 (1)
    vI > 80         (2)
    の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の近紫外対物レンズ。
  3. 全系の焦点距離をf、前記第1レンズ群G1のうち最も物体側に配置されたレンズの焦点距離をf112としたときに、条件式
    6.5 < f112/f < 10.0 (3)
    の条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の近紫外対物レンズ。
  4. 前記第3レンズ群G3の前記正レンズのうち最も短い焦点距離をfp、前記第3レンズ群G3の前記負レンズのうち最も短い焦点距離をfmとしたときに、条件式
    2 < fp/|fm| < 4.5 (4)
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近紫外対物レンズ。
  5. 前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2、前記第3レンズ群G3の焦点距離をf3としたときに、条件式
    0.5 < f2/|f3| < 2.0 (5)
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の近紫外対物レンズ。
  6. レンズ系の全長をL、前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3の間隔をd23としたときに、条件式
    0.2 < d23/L < 0.5 (6)
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の近紫外対物レンズ。
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